(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】紫外線除菌機
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20220927BHJP
【FI】
A61L2/10
(21)【出願番号】P 2020104527
(22)【出願日】2020-06-17
【審査請求日】2022-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】504373093
【氏名又は名称】日立チャネルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梅村 英明
(72)【発明者】
【氏名】鳥居 直司
(72)【発明者】
【氏名】松下 雅和
(72)【発明者】
【氏名】枝川 敏之
【審査官】上坊寺 宏枝
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第03/094691(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3045002(JP,U)
【文献】特開平08-173510(JP,A)
【文献】特開2000-107263(JP,A)
【文献】特表2001-512630(JP,A)
【文献】特開2001-171622(JP,A)
【文献】特開平10-314280(JP,A)
【文献】登録実用新案第3043720(JP,U)
【文献】特開2000-046466(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0030015(US,A1)
【文献】実公昭40-6951(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被照射媒体に紫外線を照射して除菌を行う装置であって、
前記紫外線を照射する照射部を内部に備える筐体と、
前記被照射媒体を筐体内部に収納するための媒体格納部と、
前記媒体格納部が前記筐体の外部に露出した際に前記紫外線を遮光する遮光部と
を有
し、
前記照射部は、前記媒体格納部が露出した状態においても前記紫外線の照射を継続し、
前記遮光部は、前記媒体格納部を露出させる操作に連動して前記紫外線を遮光する遮光状態となり、前記媒体格納部が露出していない場合に前記紫外線を遮蔽しない非遮蔽状態となって前記被照射媒体に紫外線を照射し、
さらに、
前記照射部を格納する筐体と前記媒体格納部とが嵌合し、
前記筐体と前記媒体格納部との嵌合は、前記媒体格納部を露出させる操作に連動して前記遮光部が前記遮光状態への推移を完了するまで継続する
ことを特徴とする紫外線除菌機。
【請求項2】
請求項1に記載の紫外線除菌機であって、
取り外し可能な筐体カバーと、
前記筐体カバーの取り外しに連動して通電状態が解除される通電用のコネクタとをさらに有することを特徴とする紫外線除菌機。
【請求項3】
請求項2に記載の紫外線除菌機であって、
前記筐体と前記筐体カバーとが嵌合し、
前記筐体と前記筐体カバーとの嵌合は、前記筐体カバーの取り外しに連動して前記通電状態が解除されるまで継続する
ことを特徴とする紫外線除菌機。
【請求項4】
請求項1に記載の紫外線除菌機において前記被照射媒体を載せるトレーを凹凸のついた網目とすることを特徴とする紫外線除菌機。
【請求項5】
請求項1に記載の紫外線除菌機において前記照射部に装置外部から空気が流入するための開口部と前記照射部の内部の空気を装置外部に排気するための排気手段とをさらに有することを特徴とする紫外線除菌機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は媒体の除菌を行う装置に係り、特に紫外線を媒体に照射して除菌を行う装置に関する。
【背景技術】
【0002】
媒体の除菌を行う方法の一つに、紫外線を被照射媒体に照射し、媒体に付着した菌等を無効化する方法がある。紫外線にも波長によりA波、B波、C波があり、除菌効果が最も高いのはC波と言われている。
【0003】
しかし、C波は通常オゾン層で吸収されるため、自然界では存在していない波長であり、人体にも悪影響を及ぼすとの報告もあり、除菌光が直接人体に照射されるような状態は避けなければならない。
【0004】
従来の紫外線照射による除菌機では、紫外線の人体への直接照射の防止策として、手動開閉式の扉と扉の開閉に連動して除菌灯の点灯、消灯を行う方法が存在する(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1に記載の方法では、扉の開閉により除菌光を照射するランプは点灯、消灯を繰り返すことになるが、除菌光を発光する除菌灯は点灯、消灯を繰り返すことにより寿命が低下し、除菌光の出力が低下する傾向があり、除菌のためにかかる時間の増加や、ランプの交換頻度が上昇する等の課題がある。
【0007】
そこで、本発明では、安全性を確保しつつ、除菌灯の有効利用(出力低下の防止、除菌にかかる時間の短縮、除菌灯の長寿命化など)を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、代表的な本発明の紫外線除菌機の一つは、被照射媒体に紫外線を照射して除菌を行う装置であって、前記紫外線を照射する照射部を内部に備える筐体と、前記被照射媒体を筐体内部に収納するための媒体格納部と、前記媒体格納部が前記筐体の外部に露出した際に前記紫外線を遮光する遮光部とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、安全性を確保しつつ、除菌灯の有効利用を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】媒体格納部を引き出した状態の外観斜視図である。
【
図3】媒体が装置内部に格納された状態のA-A側面断面図である。
【
図4】媒体が装置内部に格納された状態のB-B正面断面図である。
【
図5】媒体格納部を引き出した状態のC-C側面断面図である。
【
図12】媒体が装置内部に格納された状態のG-G上面断面図である。
【
図13】媒体格納部を引き出した状態のH-H上面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
【実施例】
【0012】
以下
図1~
図6を用いて装置の概略を説明する。
図1は、紫外線除菌機1の外観斜視図で、
図2は
図1の紫外線除菌機1から被照射媒体2の格納部となる媒体トレー3を引き出した状態の外観斜視図を示す。
図3は紫外線除菌機1内部に被照射媒体2が格納された状態の断面図を示す。
図3、
図4に示すように、被照射媒体2の上下に除菌灯4が配置される。
除菌時間を短縮するためには、被照射媒体2と除菌灯4を極力近接させた方が良い。
除菌灯4の出力は距離が離れるに従い大幅に減衰するためである。
そのため近距離で照射できればより短時間で除菌を行うことができる。
【0013】
本実施例では、被照射媒体2を紙幣5として以降説明するが、被照射媒体2は媒体トレー3に載せることができるものなら紙類、文具他特に制限は無い。
除菌灯4は紙幣5を全面照射できる位置関係に配置している。
除菌灯4を近接させた場合、除菌灯4から離れた位置は除菌光6が直接届かないため除菌ができない、または反射光による除菌となるため、除菌効率が落ちる可能性がある。
そのため、紙幣5の全面に照射できるよう除菌灯4は複数本配置した。
また、除菌に使用する紫外線C波は物体を透過できず、影になる部位の除菌ができないため、影になる部分が無いよう紙幣5を挟むように上下に配置した。
【0014】
紫外線除菌機1では、操作者は媒体トレー3を手動で装置外に引き出し、紙幣5を手動で媒体トレー3上に並べ、再び媒体トレー3を紫外線除菌機1の内部に格納することで、紙幣5に紫外線が照射され、紙幣5の除菌を行うことができる。
任意の時間経過後、操作者は再び紙幣5を媒体トレー3から取り出し、持ち帰る。
紫外線除菌機1内部の紙幣5の様子の確認は、確認窓7から行うことができる。
確認窓7は内部の様子を確認することができるが、紫外線C波を遮断するソーダガラス8を使用するため、外部に紫外線C波が照射されることは無い。
また、本実施例の装置においては、確認窓7のソーダガラス8が容易に割れて紫外線C波が外部に照射されることが無いよう、防護パネル9との二重構造とした。
ソーダガラス8と防護パネル9との間には空間が設けてあり、防護パネル9が受けた衝撃をソーダガラス8が受けない構造とした。
【0015】
紫外線除菌機1の上面には除菌灯確認窓10が設けてある。
除菌灯4には寿命があるため、定期的に交換しなければならない。
そのため、除菌灯4が寿命により点灯できなくなった場合、除菌灯確認窓10から確認する。一つの窓で上下に配置する一対の除菌灯4の点灯状態を確認することができる。
【0016】
以上、装置の概略を説明してきたが、これは紫外線除菌機における機能を限定するものではない。
例えば本実施例においては極力短時間で除菌が行えるよう複数本を配置したが、1本の除菌灯4の除菌光6を装置内で反射させる方法でも良い。
また、本実施例においては除菌を行うにあたり最小限の構成で説明を行ってきたが、利用者の操作性を向上させるために媒体トレー3へ紙幣を配置する動作を、自動搬送にすることも可能である。
また、除菌灯4の寿命を自動で検知するためのセンサを備え、除菌灯4が点灯していなければ装置の使用ができないことを知らせる手段を設けることもできる。
殺菌時間において、タイマーで時間をカウントし、顧客に知らせる構造を設けることも可能であり、タイマーと連動したロックを追加し、除菌完了後にロックを解除する構造を追加することもできる。
【0017】
次に
図7~
図10を用いて除菌灯収納部11について説明する。
本実施例における紫外線除菌機1では、前述の通り紙幣5の上下に除菌灯4を配置し、除菌灯4は、箱状に構成された除菌灯収納部11に固定される。
除菌灯4の周囲には除菌光6を紙幣5の方向に集約するよう反射板12を配置している。
【0018】
除菌灯4は、発光に伴い発熱するため複数本実装する場合は相互の発熱の影響を小さくするため、間隔をあけて配置している。
また、本実施例においては除菌灯4周辺の空気を強制的に対流させるために吸気口13と排気ファン14を設けている。
【0019】
本実施例における紫外線除菌機1では、紫外線の中でも除菌効果が高い波長254nmのC波を採用している。C波は菌の細胞に損傷を誘発することで菌を無効化する作用があるが、同様に人体の細胞においても有害であることが報告されている。
そのため、本実施例において使用する紫外線C波を装置外部に漏らす量は人体に影響が無いようにしなければならない。そのため、吸気口13、排気ファン14の開口部から、除菌灯4の除菌光6が除菌灯収納部11の外部に漏れないよう、吸気口13と排気ファン14に併設して、吸排気ダクト15が設けてある。
【0020】
図10に示す通り、吸排気ダクト15は除菌光6が反射を繰り返すことで減衰するように蛇行している。蛇行を繰り返すことで外部に漏れ出る光を減らすことができる。また、壁面を黒くすることでより高い減衰効果を得ることができ、強制空冷を行いながら除菌光6の漏洩を減らす。
【0021】
また、外部の空気を吸排気ダクト15から取り入れ、除菌灯4周囲を循環させた後に、排気ファン14から排出することにより、除菌光6により除菌された空気を紫外線除菌機1の外部に排出するため、紫外線除菌機1の内部の媒体のみならず、装置が設置された周囲の空気の除菌を合わせて行うことも可能である。
【0022】
次に
図12~
図14を用いて媒体トレー3を紫外線除菌機1の外部に引き出した際の遮光手段について説明する。本実施例における紫外線除菌機1は開閉扉の開閉と連動したスイッチにより除菌灯4の点灯と消灯を繰り返す方式は採用していない。これは、除菌灯4の点灯と消灯を繰り返すことにより除菌光6の出力が低下するためである。
そのため、本実施例における紫外線除菌機1は除菌灯4を常時点灯させる。
【0023】
除菌灯4を常時点灯させるために、媒体トレー3が装置外部に引き出された際に人体にも影響を及ぼす可能性がある除菌光6を遮光する遮光シャッタ16を設ける。
遮光シャッタ16は、スプリング17によって除菌灯4に設けられた除菌光照射口18を塞ぐ方向に負荷がかかっており、負荷を受けていない状態では除菌光照射口18を覆い、除菌光6が装置外部に漏れ出ることを防止している。また、遮光シャッタ16は遮光シャッタガイド部23で挟まれた位置で動作する。遮光シャッタガイド部23で挟むことにより遮光シャッタ16と除菌光照射口18の隙間から除菌光6が漏れる量を減らす。
【0024】
媒体トレー3が紫外線除菌機1の内部に収納された状態では、媒体トレー3の後方に設けられたシャッタリンク押し部19でシャッタリンク20を押しているため遮光シャッタ16は除菌光照射口18を覆う位置には無い。
【0025】
前述の通り遮光シャッタ16は常時スプリング17により負荷を受けているが、本実施例における紫外線除菌機1では、シャッタリンク押し部19がシャッタリンク20を押し、媒体トレー3が紫外線除菌機1の内部に完全に収納された状態では、スプリング17の力で媒体トレー3が飛び出さないようシャッタリンク押し部19の側面側に回り込むように構成してある。以上により、スプリング17の負荷により媒体トレー3が飛び出さないようにした。
【0026】
媒体トレー3は紫外線除菌機1の外部に飛び出すことが無いため、媒体トレー3を固定するためのロックを構成する必要がなくなり、利用者の利便性向上と製造コストの削減を図ることができる。
【0027】
図13は、媒体トレー3を紫外線除菌機1の外部に引き出した図である。
媒体トレー3を移動させたことにより、シャッタリンク押し部19による負荷が無くなるため、スプリング17により遮光シャッタ16が除菌光照射口18を覆う。
【0028】
次に
図13を用いて媒体トレー3が紫外線除菌機1の外部に引き出される途中の遮光手段について説明する。
前述の通り、媒体トレー3の移動に伴って遮光シャッタ16が除菌光照射口18を覆うが移動途中は遮光シャッタ16と除菌光照射口18の隙間から除菌光6が漏れ出る可能性がある。そのため、本実施例における紫外線除菌機1は媒体トレー3と除菌機本体21に嵌合部22を設けてある。嵌合部22は遮光シャッタ16が除菌光照射口18を完全に覆うまで媒体トレー3と除菌機本体21が嵌合し続ける長さとしている。以上から遮光シャッタ16が除菌光照射口18を完全に覆うまで、媒体トレー3と除菌機本体21が嵌合し続け、除菌光6が媒体トレー3と除菌機本体21の隙間から漏れ出ることを防ぐ。
【0029】
以上のように除菌光6を遮光する遮光シャッタ16と媒体トレー3と除菌機本体21を嵌合させる嵌合部22を設けることにより媒体トレー3を装置外部に引き出す途中であっても除菌光6が外部に漏れ出ることを防ぐことができる。そのため除菌灯4を常時点灯させておくことができ、除菌灯4の長寿命化を図ることができる。
【0030】
また、電気的なセンサを使用せずに機械的な機構だけで構成できることから寿命部品の交換頻度を減らすことができ、長期間安定した動作を行うことが可能となる。
【0031】
次に
図11を用いて除菌灯4の交換他装置の修理においての除菌光6の遮光方法を説明する。本実施例における紫外線除菌機1に使用する除菌灯4の点灯時間が寿命に達し、点灯できなくなった場合には交換を行う。交換は紫外線除菌機1前面に固定された保守用カバー24を取り外して行う。保守用カバー24を取り外す時に、除菌光6が紫外線除菌機1の外部に照射されないように保守用カバー24の側面に設けてある電源スイッチ25を切断し、除菌灯4の通電を切断してから行うよう注意喚起するが、電源スイッチ25の切断を忘れたまま、保守用カバー24が取り外される場合も想定される。そのため、本実施例における紫外線除菌機1の電源インレット26は、保守用カバー24にインレット保持部27を介して固定されている。また、除菌機本体21側には電源インレット26と嵌合して通電を行うためのコネクタ28が固定してある。前述のような構成とすることにより保守用カバー24を取り外すと、電源インレット26はコネクタ28から抜け、通電がストップする。
【0032】
尚、保守用カバー24は、電源インレット26とコネクタ28の嵌合長以上に重なり合っており、電源インレット26がコネクタ28から抜けて通電がストップするまで保守用カバー24と除菌機本体21の間に隙間ができることが無いため、除菌光6が紫外線除菌機1の外部に照射されることを抑止する。
【0033】
本構成とすることで、電気的なセンサを使用せずに機械的な機構だけで寿命部品交換時においても除菌光6が装置外部に漏れることを防止できるため、センサ自体の寿命の影響を受けることなく、機械的に装置の安全を確保することができる。
【0034】
次に紙幣5を載せる媒体トレー3形状について説明する。
紙幣5は、下棚29に載せる。本実施例における下棚29は除菌光6がより多く紙幣5に照射されるよう金網を使用し、なおかつ山形に構成することで、紙幣5との接点を減らし、照射効率を上げている。また、上蓋30も下棚29同様に金網で構成され、紙幣5に密着させず、適度な隙間を設けている。そのことにより、紙幣5への除菌光6の照射効率を上げ、媒体トレー3の出し入れで、紙幣5が舞い上がり除菌機本体21内部に紙幣5が脱落することを抑止する。
【0035】
上述してきたように、被照射媒体に紫外線を照射して除菌を行う装置である紫外線除菌機1は、前記紫外線を照射する照射部を内部に備える筐体と、前記被照射媒体を筐体内部に収納するための媒体格納部と、前記媒体格納部が前記筐体の外部に露出した際に前記紫外線を遮光する遮光部とを有する。
かかる構成では、被照射媒体を装置内部に格納、取り出しする際には人体に有害な除菌光が遮断されているため、安全に使用することができる。また、除菌灯の点灯、消灯を伴わず、点灯状態で被照射媒体を装置内部に格納、取り出しができるため、除菌灯の出力低下を防ぎ、除菌にかかる時間を短縮することができ、常時点灯とすることから、除菌灯の長寿命化を図ることができる。
【0036】
また、紫外線除菌機1の照射部は、前記媒体格納部が露出した状態においても前記紫外線の照射を継続し、前記遮光部は、前記媒体格納部を露出させる操作に連動して前記紫外線を遮光する遮光状態となり、前記媒体格納部が露出していない場合に前記紫外線を遮蔽しない非遮蔽状態となって前記被照射媒体に紫外線を照射する。
具体的には、紫外線除菌機1は、前記照射部を格納する筐体と前記媒体格納部とが嵌合し、前記筐体と前記媒体格納部との嵌合は、前記媒体格納部を露出させる操作に連動して前記遮光部が前記遮光状態への推移を完了するまで継続する。
このため、媒体格納部を露出する操作を利用して、紫外線を遮蔽することができる。
【0037】
さらに、紫外線除菌機1は、取り外し可能な筐体カバーと、前記筐体カバーの取り外しに連動して通電状態が解除される通電用のコネクタとをさらに有する。
そして、前記筐体と前記筐体カバーとが嵌合し、前記筐体と前記筐体カバーとの嵌合は、前記筐体カバーの取り外しに連動して前記通電状態が解除されるまで継続する。
このため、メンテナンスなどを行う場合にも、安全性を確保し、除菌灯の有効利用(出力低下の防止、除菌にかかる時間の短縮、除菌灯の長寿命化など)を実現できる。
【0038】
また、紫外線除菌機1は、被照射媒体を載せるトレーを凹凸のついた網目としている。また、前記照射部に装置外部から空気が流入するための開口部と前記照射部の内部の空気を装置外部に排気するための排気手段とをさらに有する。これらの構成により、被照射媒体を効率的に除菌することができる。
【0039】
以上、遮光シャッタ16、媒体トレー3などの構造について実施例をもとに説明してきたがこれは構造を限定するものではない。
例えば、本実施例における媒体トレー3は引き出し方式としているが、オーブントースターのような回転構造や、上方への取り出しでも良く、媒体を装置内部に格納、取り出しに伴う動作に連動して、除菌灯4の遮光ができる方法であれば方法は制限しない。
また、媒体トレー3の下棚と上蓋も本実施例は金網としたが、紙幣5に効率よく除菌光6を照射できる方法であれば、方法は制限しない。例えば除菌光6となる紫外線C波を透過する石英ガラスを使用しても良い。
【符号の説明】
【0040】
1:紫外線除菌機、 2:被照射媒体、3:媒体トレー、4:除菌灯、5:紙幣、6:除菌光、7:確認窓、8:ソーダガラス、9:防護パネル、10:除菌灯確認窓、11:除菌灯収納部、12:反射板、13:吸気口、14:排気ファン、15:吸排気ダクト、16:遮光シャッタ、17:スプリング、18:除菌光照射口、19:シャッタリンク押し部、20:シャッタリンク、21:除菌機本体、22:嵌合部、23:遮光シャッタガイド部、24:保守用カバー、25:電源スイッチ、26:電源インレット、27:インレット保持部、28:コネクタ、29:下棚、30:上蓋