(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】入力装置を遠隔操作手術器具機能に割り当てるための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 34/37 20160101AFI20220927BHJP
【FI】
A61B34/37
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020109861
(22)【出願日】2020-06-25
(62)【分割の表示】P 2018149324の分割
【原出願日】2013-09-16
【審査請求日】2020-07-15
(32)【優先日】2012-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510253996
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドバーグ,ランダル,ピー
(72)【発明者】
【氏名】ハナスチック,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ミルマン,ポール
(72)【発明者】
【氏名】モーア,ポール,ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】ニクソン,トーマス,アール
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン,デイヴィッド
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0228249(US,A1)
【文献】国際公開第2011/060139(WO,A2)
【文献】特開平08-275958(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0228264(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/30 - A61B34/37
B25J 3/00
B25J 13/02 - B25J13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ支援手術システムの手術器具の補助機能の制御を割り当てる方法であって:
第1の補助機能を有する第1の手術器具が前記コンピュータ支援手術システムの第1の入力装置に追従していることを決定することと;
前記決定することに応じて、前記第1の手術器具の前記第1の補助機能の制御を前記コンピュータ支援手術システムの第1の補助入力装置に自動的に割り当てることと;
前記第1の手術器具が前記第1の入力装置に追従していることから第2の補助機能を有する第2の手術器具が前記第1の入力装置に追従していることへの変化を検出することと;
前記変化を検出することに応じて、前記第2の手術器具の前記第2の補助機能を制御するように前記第1の補助入力装置を自動的に再割り当てすることと;を含む、
方法。
【請求項2】
前記第1の入力装置は、ユーザの手によって操作可能であるように構成され、前記第1の補助入力装置は、前記ユーザの足によって操作可能であるように構成される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の補助入力装置及び第2の補助入力装置は、前記第1の入力装置及び第2の入力装置の相対的な右及び左位置に対応する、互いに対する相対的な右及び左位置を有する、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の入力装置は、前記第1の入力装置に追従してい
る手術器具の動きを制御するようにユーザによって動かせる把持機構を有し、
前記第1の補助入力装置は、前記把持機構とは分かれて、前記把持機構に結合されていない、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の入力装置は、前記第1の入力装置に追従してい
る手術器具の動きを制御するようにユーザによって動かせる把持機構を有し、
前記第1の補助入力装置は、ペダルである、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の補助機能を制御するように前記第1の補助入力装置を自動的に再割り当てする前の前記第1の補助入力装置の作動に応じて、前記第1の手術器具の前記第1の補助機能を作動させるように第1の補助機能コマンドを与えることと;
前記第2の補助機能を制御するように前記第1の補助入力装置を自動的に再割り当てした後の前記第1の補助入力装置の作動に応じて、前記第2の手術器具の前記第2の補助機能を作動させるように前記第2の手術器具に第2の補助機能コマンドを与えることであって、前記第1及び前記第2の補助機能コマンドは、異なるタイプの補助機能コマンドである、与えることと;をさらに含む、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の補助機能及び前記第2の補助機能は、エネルギを供給すること、画像を取り込むこと、オーディオ記録、洗浄、吸引、ステープル留め、及び切断
からなるグループから
それぞれ選ばれる、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の補助機能及び前記第2の補助機能は、異なるタイプの補助機能である、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
第1の入力装置と;
第1の補助入力装置と;
コントローラであって:
コンピュータ支援手術システムに取り付けられた複数の手術器具のうちの1つ
の手術器具を前記第1の入力装置に追従するように選択的に割り当て;
前記複数の手術器具に関連付けられる複数の補助機能のうちの1つ
の補助機能を前記複数の手術器具のうちのどの手術器具が前記第1の入力装置に追従しているかに基づいて前記第1の補助入力装置によって制御されるように選択的に割り当て;
前記複数の手術器具のうちの別の手術器具が前記第1の入力装置に追従するように割り当てられていることを検出することに応じて、前記第1の補助入力装置を前記複数の補助機能のうちの別の補助機能を制御するように自動的に再割り当てする;
ように構成される、コントローラと;を有する、
システム。
【請求項10】
前記第1の入力装置は、ユーザの手によって操作可能であるように構成され、前記第1の補助入力装置は、前記ユーザの足によって操作可能であるように構成される、
請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の入力装置は、前記第1の入力装置に追従してい
る手術器具の動きを制御するようにユーザによって動かせる把持機構を有し、
前記第1の補助入力装置は、前記把持機構とは分かれて、前記把持機構に結合されていない、
請求項9
又は10に記載のシステム。
【請求項12】
第2の入力装置と;
第2の補助入力装置と;をさらに有し、
前記第1の補助入力装置及び前記第2の補助入力装置は、前記第1の入力装置及び前記第2の入力装置の相対的な右及び左位置に対応する、互いに対する相対的な右及び左位置を有する、
請求項9
乃至11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記コントローラは
さらに、前記複数の補助機能のうちの
第2の補助機能を、前記複数の手術器具のうちのどの手術器具が前記第2の入力装置に追従しているかに基づいて前記第2の補助入力装置によって制御されるように選択的に割り当てるように構成され、
前記コントローラはさらに、前記複数の手術器具のうちの
異なる手術器具が前記第2の入力装置に追従するように割り当てられていることを検出することに応じて
、前記第2の補助入力装置を前記複数の補助機能のうちの
異なる補助機能を制御するように自動的に再割り当てするように構成される、
請求項
12に記載のシステム。
【請求項14】
前記コントローラは:
第1の補助機能を実行するように構成された手術器具が前記第1の入力装置に追従するように割り当てられているという条件で、前記第1の補助機能を前記第1の補助入力装置によって制御されるように自動的に割り当て;
第2の補助機能を実行するように構成された手術器具が前記第2の入力装置に追従するように割り当てられているという条件で、前記第2の補助機能を前記第2の補助入力装置によって制御されるように自動的に割り当て、前記第1の補助機能及び前記第2の補助機能は異なるタイプの補助機能である;
ように構成される、
請求項
12又は13に記載のシステム。
【請求項15】
前記コントローラは、前記第1の補助入力装置の動作に応じて:
前記第1の補助機能が前記第1の補助入力装置によって制御されるように割り当てられているという条件で、第1の補助機能信号が前記第1の入力装置に追従するように割り当てられる前記手術器具に供給されるように構成され、前記第1の補助機能信号は前記第1の補助機能を作動させるように構成され;
前記第2の補助機能が前記第1の補助入力装置によって制御されるように割り当てられているという条件で、第2の補助機能信号が前記第1の入力装置に追従するように割り当てられる前記手術器具に供給されるように構成され、前記第2の補助機能信号は前記第2の補助機能を作動させるように構成され;
前記第1及び前記第2の補助機能信号は、異なるタイプの補助機能信号である、
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数の補助機能は、複数の異なるタイプの補助機能を含む、
請求項9乃至15のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2012年9月17日に出願された米国仮特許出願第61/702,166号の優先権を主張し、その全体は参照により本出願に援用される。
【0002】
本開示の態様は、手術器具の機能を遠隔操作する入力装置から手術器具に対する制御を割り当てるための方法及びシステムに関する。より具体的には、本開示の態様は、外科医コンソールの入力装置が患者側カートの手術器具の1又は複数の機能を制御するように割り当てられる遠隔(ロボット)手術システムで使用される方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
幾つかの低侵襲手術技法は、遠隔(ロボット制御式)手術器具の使用を通じて遠隔で実行される。このような手術システムでは、外科医は、外科医コンソールで入力装置を操作し、これらの入力は、様々なマニピュレータインタフェース機構を通じて1又は複数の手術器具とインタフェース接続する患者側カートに伝えられる。外科医コンソールにおける外科医の入力に基づいて、1又は複数の手術器具は、患者を手術するように患者側カートにおいて作動され、それによって、外科医コンソールと患者側カートの手術器具との間のマスタ-スレーブ制御関係を作る。外科医コンソールに設けられる入力装置は、例えば、外科医によって把持されるとともに位置決めするために使用されるハンドヘルド把持機構を含み得るとともに、所望の医療処置を実行するように器具を作動させる。
【0004】
器具を外科医コンソールでのマスタ入力部の操作に基づいて位置決めするため及び別な方法で操作するために患者側カートで様々なマニピュレータインタフェース機構に結合されていることに加えて、遠隔手術器具はまた、これらに加えてマスタ入力装置の直接制御の下で他の補助手術機能を実行することができる。例として、手術器具は、モノポーラ又はバイポーラのエネルギ供給(例えば、焼灼)、吸引、洗浄、ステープル留め、クランプ、切断、イメージング等のような、様々な補助機能を実行し得る。通常の器具の動きと同様に、手術器具によって実行される補助手術機能は、一般的に外科医コンソールにおいて提供される入力装置によって制御される。このような入力装置は、例えば、補助機能を実行するための命令を送るために押し下げられるフットペダルを含み得る。補助機能入力装置はまた、手動低侵襲手術器具に動作可能に結合され得る。例えば、フットペダルは、例えば、焼弱エネルギの、エネルギ発生器を介して手動器具への、供給のような補助機能に対する制御を提供するために使用され得る。
【0005】
幾つかの手術システムは、手動であろうとロボット式であろうと、補助機能を、個別の補助入力装置、例えば、フットペダルに、前もって割り当てる。特定の補助機能、例えば、エネルギ供給が、対応する機能的能力を有する手術器具によって実装されることになるとき、ユーザは、特定の補助機能に割り当てられた補助入力装置を作動させることができる。例えば、ユーザが、(例えば、モノポーラエネルギと対照的に)バイポーラ焼弱エネルギを供給する手術器具に焼弱エネルギを供給することを望む場合、ユーザは、バイポーラエネルギ器具を作動させるためのバイポーラエネルギ供給コマンドを提供するように割り当てられているとともに論理的に結合されている補助入力装置(例えば、フットペダル)での入力を提供する;同様に、モノポーラエネルギ器具/モノポーラエネルギに割り当てられた入力装置での入力を提供する。
【0006】
様々な手術器具が、実行されることが望まれる外科手術の種類に応じてロボット手術システム患者側カートに加えられ得る又は同カートから取り外され得る。さらに、そのように取り付けられる他のものと同様又は異なり得る、多数の手術器具が、外科手術を実行するのに一緒に使用され得る。現在ユーザによって制御されている手術器具の機能的能力に基づいて動的に及び自動化された方法で補助機能に対する制御を補助入力装置に割り当てる遠隔(ロボット)手術システムを提供する利点があり得る。さらに、補助入力装置を、遠隔(ロボット)手術システムを含む、手術システムの補助手術器具機能を制御するために割り当てるための代替的及び直観的な方法を提供する要求が存在し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の例示的な実施形態は、上述の問題の1又は複数を解決し得る及び/又は上述の望ましい特徴の1又は複数を実証し得る。他の特徴及び/又は利点は、以下の記載から明らかになり得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、補助入力装置を手術システムの手術器具に割り当てる方法は、補助入力装置の位置及びユーザの手のどちらが手術器具の制御動作に動作可能に結合された他の入力装置を操作しているかに基づいて、補助入力装置を手術器具の補助機能を制御するように、自動的に割り当てるステップを含むことができる。
【0009】
他の例示的な実施形態によれば、手術器具を制御するためのシステムは、手術システムに動作可能に結合された手術器具の動作を制御するために入力制御信号を生成し且つ伝達するように動作可能に結合される手術システムの入力装置を含み得る。システムはさらに、補助入力装置、並びに補助入力装置の位置及びユーザの手のどちらが入力装置を操作しているかに基づいて手術器具を制御するように補助入力装置を動作可能に結合する制御システムを含み得る。
【0010】
さらに他の例示的な実施形態によれば、補助入力装置を手術システムの手術器具を制御するように割り当てる方法は、手術システムの第1のマニピュレータインタフェース組立体に結合される第1の手術器具を検出するステップを含むことができ、マニピュレータインタフェース組立体は、第1の入力装置によって制御されるとともに、ユーザの左手及び右手のどちらの一方が第1の入力装置を操作しているかを検出する。方法はさらに、ユーザの左手が第1の入力装置を操作することが検出される場合、第1の手術器具の補助機能の制御を、第2の補助入力装置に対する左の位置に配置された第1の補助入力装置に割り当てるステップ、又はユーザの右手が第1の入力装置を操作することが検出される場合、第1の手術器具の補助機能の制御を、第1の補助入力装置に対する右の位置に配置された第2の補助入力装置に割り当てるステップを含み得る。左の位置及び右の位置の基準系は、第1の入力装置を操作するユーザに対するものであることができる。
【0011】
追加的な目的、特徴、及び/又は利点は、後に続く説明で部分的に述べられ、部分的に、説明から明らかになる、又は本開示及び/又は請求項の実施によって理解され得る。これらの目的及び利点のすくなくとも幾つかは、添付の請求項で特に指摘された要素及び組み合わせによって実現及び達成され得る。
【0012】
前述の包括的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、例示的且つ説明的なものに過ぎず、請求項の限定ではないことが理解されるべきである。請求項は、むしろ、均等物を含む、それらの範囲の完全な広さに権利を与えられるべきである、
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示は、以下の詳細な説明から、単独で又は添付の図面と共に理解され得る。図面は、本開示のさらなる理解をもたらすために含められ、本明細書に組み込まれ且つその一部を構成する。図面は、本教示の1又は複数の例示的な実施形態を示し、本書の記載と共に、特定の原理及び動作を説明する役目を果たす。
【
図1】少なくとも1つの例示的な実施形態による例示的な遠隔手術システムの外観図である。
【
図2】少なくとも1つの例示的な実施形態によるロボット手術システムの患者側カートにおける作動インタフェース組立体の斜視図である。
【
図3】2つの電気手術器具が設置された位置にある患者側カートのマニピュレータアームの他の例示的な実施形態の部分概略図である。
【
図4】少なくとも1つの例示的な実施形態による遠隔手術システムの補助機能入力装置に手術器具の補助手術機能の制御を割り当てるための例示的なワークフローを示すフロー図である。
【
図5】少なくとも1つの例示的な実施形態による補助機能入力装置に関連する表示をグラフィカルユーザインタフェースに表示するための例示的なワークフローを示すフロー図である。
【
図6】本開示によるグラフィカルユーザインタフェースの例示的なスクリーンである。
【
図7】本開示によるグラフィカルユーザインタフェースの他の例示的なスクリーンである。
【
図8】本開示によるグラフィカルユーザインタフェースのさらに他の例示的なスクリーンである。
【
図9】本開示によるグラフィカルユーザインタフェースの他の例示的なスクリーンである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本記載及び例示的な実施形態を示す添付図面は、限定的なものと解釈されてはならない。種々の機械的、組成的、構造的、電気的、及び動作的な変更は、均等物を含む本記載及び請求項の範囲から逸脱することなく、行われ得る。いくつかの例では、よく知られた構造及び技術は、本開示を曖昧にしないようにするため、図示されていない又は詳細に記載されていない。2以上の図面における同じ番号は、同じ又は同様の要素を表す。さらに、一実施形態を参照して詳細に説明される要素及びそれらの関連する特徴は、実用的であるときはいつでも、それらが特に示されていない又は説明されていない他の実施例に含まれ得る。例えば、ある要素が1つの実施形態を参照して詳細に説明され、第2の実施形態を参照しては説明されていない場合であっても、その要素はその第2の実施形態に含まれるものとして請求項に記載され得る。
【0015】
本明細書及び添付の請求項に関して、別段の指示がない限り、量、パーセンテージ、又は割合を表す全ての数、及び、明細書及び請求項で用いられる他の数値は、それらが既にそのように変更されていない限りは、“約”という用語によって全ての例で変更されるものとして理解されるべきである。したがって、特に明記しない限り、以下の明細書及び添付の請求項で説明される数値パラメータは、得られるものとして探し求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、請求項の範囲に対する均等論の適用を制限する試みとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告されている有効桁の数を考慮し且つ通常の丸め技術を適用することによって解釈されるべきである。
【0016】
本明細書及び添付の請求項で用いられるとき、単数形1つの(“a”、“an”、及び“the”)、並びに、任意の単語の任意の単数形使用は、明示的に且つ明解に1つの指示対象に限定されていない限り、複数形の指示対象を含む。ここで用いられるとき、“含む”という用語及びその文法的変化形は、非限定的なものとなるよう意図されており、リスト内のアイテムの列挙は、リストに挙げられたアイテムの代わりとなり得る又は追加され得る他の同様のアイテムを排除することはない。
【0017】
さらに、本記載の用語法は、本発明を限定することを意図していない。例えば、空間的な関係の用語-例えば、「下方」、「下」、「下側」、「上」、「上側」、「近位」、「遠位」など-は、図面に描かれているような、1つの要素又は1つの特徴の、他の要素又は他の特徴に対する関係を記述するために使用され得る。これらの空間的な関係の用語は、図面に示された位置及び配向に加えて、使用中又は動作中の装置の様々な位置(すなわち、場所)及び配向(すなわち、回転配置)を包含することが意図されている。例えば、図面の装置がひっくり返される場合、他の要素又は他の特徴の「下」または「下方」と記述された要素は、他の要素又は他の特徴の「上」又は「上方」になり得る。したがって、例示的な用語「下」は、上及び下の位置と配向との両方を包含し得る。装置は、違ったように配向される(90度又は他の配向に回転させられる)ことができ、本明細書において使用される空間的な関係の記述子は、それに応じて解釈される。同様に、様々な軸に沿った及び様々な軸の周りの運動の記述は、様々な、空間的な装置の位置及び配向を含む。
【0018】
手術システムの構成要素の相対的な「左」及び「右」位置に関して、一般的に、基準系は、外科医コンソールにおいて操作位置にあるユーザに対するように取られる。例として、外科医コンソールにおいて操作位置にあるユーザの基準系に基づいて生じる相対的な右及び左方向を描く
図1の例示的な実施形態が参照される。
【0019】
さらに、単数形「1つの(“a”,“an”)」、「その(“the”)」は、特に断りがない場合には、複数形も同様に含むことが意図されている。そして、用語「有する」、「備える」、「含む」などは、述べられた特徴、ステップ、動作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を特定するが、1又は複数の他の特徴、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/又はグループの存在又は追加を除外しない。結合されると記述されているコンポーネントは、電気的にもしくは機械的に直接結合され得るか、又はそれらは、1又は複数の中間コンポーネントを介して間接的に結合され得る。当業者は、例えば、実質的に同様な方法で機能する実質的に同様な要素が、用語が厳密な定義を有しても、記述語の範囲内に容易に含まれ得ることを理解するので、数学的及び幾何学的な用語は、記載の内容がそうでないことを示さない限り、必ずしもそれらの厳密な定義にしたがって使用されることが意図されない。
【0020】
幾つかの既存のロボット手術システムは、機能マッピングスキームを使用し、この機能マッピングスキームでは、エネルギ供給、クランプ、ステープル止め、切断等のような、補助機能を操作する補助入力装置のそれぞれが、補助入力装置が手術器具において作動させることができる特定の補助機能に割り当てられる。例として、1又は複数の別々の補助入力装置は、手術器具によって実行される、モノポーラエネルギ供給(例えば、切断及び/又は凝固のため)、バイポーラエネルギ供給(例えば、血管封止のため)、吸引、洗浄、レーザエネルギ供給、等を制御し得る。したがって、特定の補助機能が手術器具によって実行されることが望まれるとき、外科医は、特定の補助機能専用の補助機能入力装置又は補助機能入力装置のセットを作動させる又は機能を、補助機能入力装置専用の補助機能の他のものに変化させる。
【0021】
ここで使用されるとき、用語「補助機能」、「補助入力装置」及びそれらの変形は、例えば、外科医コンソールのように離れて配置される、入力装置によって、そして、幾つかの場合には器具それ自体に配置される冗長制御部によって、制御される手術器具の機能を意味するが、入力装置の動きが手術器具動き又は他の機能性の制御に直接対応するような手術器具のマスタ-スレーブ制御機能に基づく入力装置によって制御される機能ではないことを意味することが意図される。把持入力機構は、後者のマスタ-スレーブタイプの制御入力装置の例である一方、患者側カートの手術器具に、例えば、エネルギを要求させる、並進切断ブレードを作動させる、及び/又はステープラを発射させるコマンド信号を送るために押し下げられるフットペダルは、前者の、補助機能入力装置の例である。補助入力装置は、フットペダル、ボタン、トリガ、ジョイスティック、キーボード、及び当業者が良く知っている他の入力装置機構を含む、様々な入力装置構造から選ばれることができる。さらに、様々な例示的な実施形態がここには、外科医コンソールに配置されたフットペダルの使用を記載するが、補助入力装置は、そのようなものに限定されず、開示は、マスタ入力装置の一部として配置されていることを含む、他の場所の様々な構造の補助入力装置の配置を考慮している。後者の例は、限定されるものではないが、マスタ入力装置(例えば、把持機構)に配置されるトリガ及び/又はスライドスイッチを含むことができる。
【0022】
様々な理由のために、医療処置が、1又は複数の手術器具を同時に制御することによって実行されることが望ましい場合がある。しかし、補助機能入力装置の数は、例えば、遠隔手術システムの外科医コンソールにおける又は手動手術システムの患者に近くにおける、のような、スペース考慮によって制限され得る。したがって、補助機能入力装置があるより多くの手術器具の補助機能を実装することができる限られた数の補助機能入力装置(例えば、フットペダル)を有することが望ましくなり得る。
【0023】
ある場合には、多数の補助機能が、特定の補助機能入力装置に予め割り当てられる場合、一緒に使用されることになる1より多い手術器具がそれぞれ同じ補助入力装置又は補助入力装置のセットに割り当てられる場合、競合が発生する。例として、ハーモニックシアーズ手術器具のためのハーモニックシアーズ機能が、外科医コンソールのペダルの右の列に配置されたペダルに割り当てられ得るとともに、モノポーラ電気手術器具のためのモノポーラ電気焼灼機能もまた、ペダルの右の列に配置された同じペダルに割り当てられ得る。したがって、このスキームにおける2つの器具-ハーモニックシアーズ及びモノポーラ電気手術器具-は、それぞれが、同じ補助機能入力装置(例えば、ペダル)に割り当てられるので、同時に制御されることができない。
【0024】
本開示の様々な例示的な実施形態は、同じ補助機能の実装を含む、1より多い手術器具が、同時に使用されるとき、競合が生じることなしに補助機能の制御を入力装置に割り当てるためのロバストな方法を提供する。さらに、割り当ては、手術中に、ユーザが、補助機能をそれらを実装する補助機能入力装置に割り当てなければならないことを必要とすることによってよりも、早く、より自動化され且つより煩雑でない方法で生じ得る。さらに、様々な例示的な実施形態は、補助機能入力装置が、補助機能タイプ(種類)を制御するように予め割り当てられておらず且つ固定されていないが、その代わりに、手術中に「その場で」ユーザが特定の手で制御している手術器具に合わせるように変更できるとき、手術システムを構成すること及び操作することにおける柔軟性を達成し得る。
【0025】
様々な例示的な実施形態によれば、手術器具に補助手術機能を実行させるように構成される補助機能入力装置は、補助機能入力装置の位置及び、ユーザの手のどちら(すなわち、左手又は右手)がマスタ入力装置を操作しているかに基づいて、手術器具を制御するように割り当てられる。より具体的には、相対的に右位置に配置された補助入力装置に比べて、相対的に左位置に配置された補助入力装置は、ユーザの左手によって操作されるマスタ入力装置のマスタ‐スレーブ制御下にある手術器具の補助機能を制御するように割り当てられる。同様に、相対的に右位置に配置された補助入力装置は、ユーザの右手によって操作されるマスタ入力装置のマスタ‐スレーブ制御下にある手術器具の補助機能を制御するように割り当てられる。
【0026】
当業者は、使用中、マスタ入力装置が、例えば、2つの把持機構を互いを越えて横方向に交差させることによってのように、互いに対して相対左又は相対右位置にあることができることを理解するであろう。しかし、互いに対するマスタ入力装置の位置にかかわらず、手術器具の操作を制御するための外科医の左又は右手によるそれらの操作が、複数の補助入力装置のどちらが手術器具の補助機能を制御するように自動的に且つ動作可能に結合されることになるかを割り当てるための根拠として、依存される。補助入力装置のこの位置ベースの割り当てを使用することで、2つの手術器具が一緒に使用されるとき、手術器具のそれぞれに対する1又は複数の補助機能は、異なる手術器具に対する補助機能が同じ補助機能入力装置に割り当てられないように、補助入力装置及び手術器具を制御するためにマスタ入力を提供するユーザの手の相対位置に基づいて別々の補助機能入力装置に割り当てられる。このような方法で、入力装置及び手術器具の補助機能を機能的にマッピング(対応付け)することから生じる競合が、回避されることができ、動的に構成可能なシステムが達成される。
【0027】
個々に記載される様々な例示的な実施形態は、予め設定された、固定の補助機能を補助入力装置に割り当てる代わりに、マスタ入力装置に対するスレーブ器具(時々、「追従している」と称される)として現在制御されている手術器具のタイプ(種類)に基づいて補助入力装置に補助制御機能を動的且つ自動的に割り当てる。この動的な割り当ては、より直観的な関係が、特定のマスタ入力装置を操作するユーザに手に依存することによる手術器具の動作の制御と、それぞれの器具を操作するユーザの手と同じ相対右又は左位置を有する補助入力装置(例えばフットペダル)の作動との間に生じ得ることを提供することができる。さらに、様々な例示的な実施形態によって考慮される手術器具の補助機能を制御するための補助入力装置の位置マッピング(位置対応付け)は、外科医が、外科医の手、例えば、左手に追従している第1の器具を持ち、以前に同じ手に追従していない状態の第2の器具の制御を取るためにその第1の器具を落とす(drop)とき、容易に達成される。第1及び第2の器具が2つの異なる補助機能タイプのものであっても、システムは、本明細書に記載される位置マッピングに基づいて新たな追従している器具の補助機能を制御するように、補助入力装置を自動的且つ動的に割り当てることができる。上述のように、これは、ユーザ体験を促進し得るとともにシステムの全体的な操作に柔軟性を加え得る。
【0028】
したがって、例えば、本開示の様々な例示的な実施形態は、ユーザが、ユーザの左手で操作されるマスタ入力装置、例えば、把持入力装置を使用するとき、その手術器具に対する補助機能が、補助機能入力装置のグループの左手側に相対的に向いて位置する(例えば、入力装置のグループの左列の)、1又は複数の補助機能入力装置、例えば、フットペダルによって実装されることを、考慮する。ユーザが、ユーザの右手で操作されるマスタ入力装置、例えば、把持装置を使用して他の手術器具も操作している場合、その手術器具に対する補助機能は、補助機能入力装置のグループの右手側に相対的に向いて位置する(例えば、補助機能入力装置のグループの右列の)、1又は複数の補助機能入力装置、例えば、フットペダルによって実装される。
【0029】
本開示の様々な例示的な実施形態による位置マッピングはまた、第1の器具を右手で第1のマスタ入力装置を介して及び第2の器具を左手で第2のマスタ入力装置を介して制御するユーザが、手術中に、器具の制御を交換する(すなわち、第1の器具を左手に第2のマスタ入力装置を介して及び第2の器具を右手に第1のマスタ入力装置を介して)ことを可能にする一方、器具の補助機能に関連付けられる補助入力装置の最初の割り当ても自動的に交換する。すなわち、手術器具を制御するための補助入力装置の位置マッピングは、ユーザの手のどちらが手術器具を現在制御しているかを検出することに基づくので、手術器具が手術中にユーザの異なる手によって制御されるように切り替えられるとき、補助入力装置の同じ直観的なマッピング(ここにさらに説明されるように位置に基づく)が、どの補助入力装置が器具に予め割り当てられているかを通じてユーザが考えなければならないことなしに、保たれることができる。したがって、他の補助入力装置の右に位置する補助入力装置は、常にユーザの右手がそのとき操作しているどんな器具でも制御するように、及びその反対に割り当てられる。
【0030】
さらに、本開示の様々な例示的な実施形態は、現在追従している手術器具の補助機能のタイプを検出すること及び検出された器具補助機能タイプに基づいてこれらの手術器具に補助機能を位置的にマッピングされた(対応付けられた)それぞれの補助入力装置に割り当てることを考慮する。したがって、様々な実施形態によれば、自動化され且つロバストな方法で、補助機能は、補助機能入力装置に割り当てられることができる。加えて、様々な例示的な実施形態は、制御されている手術器具のそれぞれに対する補助機能が補助機能入力装置の指定されたセットに割り当てられるので、例えば、1より多い電気手術器具のような、同じ補助機能のタイプの1より多い器具は、一緒に追従することができ且つそれらの補助機能を実行するために別々に作動されることができ得る。
【0031】
様々な例示的な実施形態はまた、同時に制御されることになる1より多い器具の補助機能が、同じ補助機能入力装置にそれぞれ割り当てられるとき、補助機能を異なる補助入力装置に再び割り当てるユーザの必要を排除することによってユーザ体験を簡略化することも考慮する。代わりに、システムは、補助機能入力装置の位置及びユーザの左及び右手のどちらが、それとともに補助機能を実行するための器具が従動しているマスタ入力装置を操作しているかに基づいて割り当てを自動的に行う。
【0032】
ロボット手術システム
図1を参照すると、遠隔手術システム100が提供され、これは、例示的な実施形態では、様々な遠隔操作手術器具102a-102cとインタフェース接続するとともに制御することによって低侵襲手術を実行する。手術器具102a-102cは、様々な手術を実行するように構成される様々な器具から選択されることができ、様々な例示的な実施形態によれば、1又は複数は、電気手術器具、例えば、バイポーラ及び/又はモノポーラ電気手術器具であり得る。幾つかの手術器具はまた、いわゆる混在モードであることもでき、この混在モードは、モノポーラ及びバイポーラエネルギ両方の供給を可能にする。
【0033】
モノポーラ電気手術器具は典型的には、1つの極及び電気エネルギを患者の外部に配置されたエネルギ発生器に戻すリターン電極を通じて電気エネルギを供給する。モノポーラ電気手術器具の例は、限定されるものではないが、フック、へら、同じ電位に電圧を印加された2つのブレードを含む大ばさみ、焼灼プローブ、イリゲータ、鋏、等を含む。バイポーラ電気手術器具は典型的には、2つの極を別々に通って電気エネルギを供給し、電流のリターン経路は一方の極から他方の極を通る。バイポーラ器具の例は、限定されるものではないが、把持器、鉗子、クランプ、等を含み、これらは一般的に、血管及び血管組織をシールするため、血管を掴むため、焼灼するため又は組織を凝固させるために使用される。他の種類のエネルギ(例えば、超音波、レーザ及び/又は神経刺激)もまた、患者側カートに取り付けられた手術器具を通じて患者に供給され得る。
【0034】
もちろん、手術器具102a-102cは、必ずしもエネルギを供給する器具に限定される必要はないが、様々な補助機能を実行する様々な種類の器具であり得る。当業者は、以下の例示的な実施形態の説明が電気手術器具に集中しているが、本開示はそれに限定されず、様々な補助機能を有する手術器具がここに述べられる原理にしたがって使用されることができることを理解するであろう。
【0035】
コンポーネントに対する適切な変更を伴う本開示に包含される補助機能の種類の限定ではない例は、例えば、電気エネルギ供給、例えば、焼灼、レーザ、超音波、又は高周波エネルギ;流体(例えば、液体又は気体)供給(例えば、洗浄);画像及び/又はオーディオストリーム;吸引;切断(例えば、ハーモニックシアーズ又は切断ブレード);クランプ;ステープル留め;低温供給機能、等;を含む。
【0036】
図1の概略図に示されるように、ロボット手術システム100は、患者側カート110、外科医コンソール120、及び補助/制御カート130を含む。ロボット手術システム100の限定されない例示的な実施形態では、補助/制御カート130は、以下に議論される、コアプロセッサ150のような、「コア」処理装置、及び/又は他の補助処理又は機能生成装置を含み、これらは、制御カート130に組み込まれ得る又は物理的に支持され得る。制御カート130はまた、ロボット手術システムを操作するための他の制御部を含み得る。より詳細に以下に議論されるように、例示的な実施形態では、外科医コンソール120から伝達された信号は、制御カート130の1又は複数のプロセッサに伝達されることができ、このプロセッサは、信号を解釈し得るとともに、それに手術器具102a-102cが患者側カート110で結合されるマニピュレータインタフェース組立体104a-104cを介して手術器具102a-102cの1又は複数の操作を生じさせるように患者側カート110に伝達されることになるコマンドを生成し得る。手術器具102a-102cが患者側カート110に取り付けられていることに加えて、例示的な実施形態では、内視鏡イメージング装置103が、患者側マニピュレータアーム140dの1つに、遠隔手術部位のリアルタイム画像を提供するように取り付けられることができる。
【0037】
図1のシステムコンポーネントは、如何なる特定の配置も示しておらず、患者側カート110が患者の手術を成し遂げるように患者に対して配置される状態で、希望通りに配置されることができる。器具102を利用することができる遠隔手術システムの限定されない例示的な実施形態は、カリフォルニア州SunnyvaleのIntuitive Surgical, Inc.により製品化されているda Vinci(登録商標) Si (モデル番号IS3000)である。
【0038】
動作において、外科医コンソール120は、ユーザ、例えば、外科医からの入力を、限定されるものではないが、把持機構122a、122bを含む様々なマスタ入力装置によって及び、限定されるものではないが、フットペダル124a-124d等を含む、様々な補助入力装置によって、受信する。マスタ入力装置を通じて、外科医コンソール120は、それにより患者側カート110に取り付けられた器具102a-102c、103が、手術器具の所望の動きを実行するようにスレーブとして働くマスタコントローラとしての機能を果たし、その結果、所望の手術を行う。例えば、それに限定されるものではないが、把持機構122a、122b(マスタツールマニピュレータとも称される)は、手術器具102a-102c、103、例えば、手術器具102a-102c、103のエンドエフェクタ及び/又はリスト(手首)を制御し得る「マスタ」入力装置として働くことができ、この手術器具は、患者側マニピュレータアーム140a-140dに取り付けられた対応する「スレーブ」装置として働き得る。
図1の実施形態では、把持機構122aは、外科医コンソール120の左側にあり、一般的に、以下により詳細に議論されるように、患者側カート110の器具の対応する動作をもたらすようユーザの左手によって操作されるように配置されるとともに位置する。把持機構122bは、外科医コンソール120の右側にあり、一般的に、患者側カート110の器具の対応する動作をもたらすようユーザの右手によって操作されるように配置されるとともに位置する。
【0039】
さらに、それに限定されるものではないが、フットペダル124а-124dが、患者側カート110に取り付けられ得る手術器具102、103の様々な補助機能のいずれかを駆動させるために作動され得る。このような補助機能の限定されない例は、例えば、モノポーラ又はバイポーラ電気手術エネルギ、レーザエネルギ、超音波エネルギ、高周波エネルギ、神経刺激エネルギ、画像及び/又はオーディオストリーム、吸引、流体洗浄(例えば、気体又は液体の供給を通じた)、ステープル留め、クランプ、切断、適用、等を含む。フットペダル124а-124dは、以下により詳細に記載されるように、ペダルの1つのセットが手術器具120a-102c、103の1つの補助機能を作動させるように割り当てられ得るよう、ペダルのセット、例えば「列」で配置され得る。それに限定されるものではないが、例示的な実施形態によれば、フットペダル124а及び124bは、パダルの「左列」であると見なされることができる一方、フットペダル124c及び124dは、パダルの「右列」であると見なされることができる。一般的に、任意の数のペダルが外科医コンソール120の右列又は左列に位置し得る。当業者は、
図1に示されるペダル124a-124dの配置及び場所に基づいて、ペダルが、外科医コンソール120のより全体的な右側の方に位置しながら、相対左位置(例えば、ペダル124a,124b)を有することができることを理解するであろう。このように、相対左又は右位置は、ペダルの他の列(又は他の同様の補助機能入力装置)を基準にする。さらに、当業者は、ペダルの列が、1つを含む任意の数を含むことができるが、他のペダルに対して左側又は右側に向かって同様の相対的に位置するペダルを含むことが意図されることを理解するであろう。
【0040】
様々な例示的な実施形態では、外科医コンソール120はまた、限定されるものではないが、例えば、手術中に、例えば、患者側カート110の光学内視鏡103を介して、手術部位の画像(例えば、2次元及び/又は3次元画像)を外科医が見ることを可能にするビューワ又はディスプレイ126を含む、出力ユニットも含む。他の出力ユニットは、スピーカ(又は音を伝達できる他のコンポーネント)、及び/又は触覚フィードバックを提供するように振動等することができる外科医が接触しているコンポーネントを含み得る。様々な例示的な実施形態では、1又は複数の出力ユニットは、外科医コンソール120の一部であり得るとともに、信号が制御カート130からそこに伝達されることができる。様々な例示的な実施形態では、1又は複数のマスタ入力装置122a、122b又は補助入力装置124a-124dは、外科医コンソール120に組み込まれ得るが、様々な他のマスタ及び/又は補助入力装置が、別個に加えられ得るとともに、システムの使用中に外科医がアクセス可能であるように設けられ得るが、必ずしも外科医コンソール120に組み込まれない。本開示の文脈では、そのように配置される入力機構は、外科医コンソールの一部と見なされる。
【0041】
したがって、ここで使われる「外科医コンソール」は、外科医が、通常、例えば、以下により詳細に記載されるように制御カート130の一部のような、制御プロセッサを通じて、患者側カート110において遠隔操作される運動学的構造(例えば、マニピュレータアーム140a-140dに取り付けられた手術器具102a-102c及び内視鏡イメージング装置103)を作動させるよう、信号を伝達するために操作することができる、1又は複数の入力装置122a、122b及び124a-124dを有するコンソールを含む。外科医コンソール120はまた、外科医にフィードバックを提供することができる1又は複数の出力装置も含み得る。しかし、ここで使用されるとき、外科医コンソールは、様々な入力及び出力装置を、例えば、ディスプレイと統合させるユニット(例えば、実質的に
図1の要素120で示される)を含むことができるが、例えば、制御カートに設けられ且つ外科医によってアクセス可能であるコントローラのような、コントローラと信号通信する別々の入力及び/又は出力装置も含むことができ、必ずしもユニット内で様々な他の入力装置と統合されないことが理解されるべきである。例として、入力ユニットは、制御カート130に直接設けられ得るとともに、入力信号を制御カートのプロセッサに提供し得る。このようなものとして、「外科医コンソール」は、1つのユニットに統合されることになる入力及び出力装置の全てを必ずしも必要とせず、1又は複数の別個の入力及び/又は出力装置を含むことができる。
【0042】
さらに、本開示の範囲内で、マスタ入力装置は様々な形態を有することができ、外科医コンソール120に取り付けられた把持機構122a、122bは単なる例示であり限定するものではないことが考えられる。例えば、マスタ入力装置は、外科医コンソールの相対左及び相対右位置に向かって位置する台を介して外科医コンソールに結合されるよりも、浮動性であることができるが、ユーザの右手又は左手によって操作されることになる特定の構成を有する。他の代替では、例えば、光学センサのような、センサが、その特定の構成にかかわらず、ユーザの手のどちらが(すなわち、左又は右)マスタ入力装置を操作しているかを決定するために、使用され得る。また、ユーザの手の動きを検知し且つ追跡することができる様々なセンサ技術が、マスタ入力装置としての使用のために実装され得ることが考えられる。このようなセンサ技術を使用することは、どの手がどの器具を制御しているかを決定するためにユーザの左手又は右手の動きの検出を可能にし得る。ユーザの手の動きを検知し且つ追跡するように構成されたセンサ技術の例示的な実施形態は、Leap Motion, Inc.によって開発されたセンサ技術を含む。したがって、マスタ入力装置及びユーザの手のどちらがマスタ入力装置を操作しているかの決定は、
図1に示されたシステム100の把持機構の構成に限定されない。
【0043】
図1の例示的な実施形態は、それぞれマニピュレータインタフェース組立体104(例示的なこのような組立体204は
図2の一部に示される)を支持し得るとともにそこに取付けられる様々な手術器具(例えば、手術器具102a-102c)を保持するとともに操作するように構成される、多数の独立して動かせるマニピュレータアーム140a-140dを持つ患者側カート110を示す。しかし、当業者は、
図3の例示的な実施形態でのように、
図1に描かれたものだけではなく他の患者側カートの構成が、使用され得ることを理解するであろう。
図3では、患者側カートは、複数の手術器具302a、302b(2つのみが簡単にするために
図3に示される)を複数のマニピュレータインタフェース組立体304a、304b(この場合も2つのみが簡単にするために
図3に示される)において支持することができるベース350を持つシングルマニピュレータアーム340(このアーム部分が
図3に分離して示されている)を有することができ、これらのマニピュレータインタフェース組立体は、多数の手術器具302a、302bのトランスミッションハウジング306a、306bに収容されたトランスミッション機構とインタフェース接続する。
図3の例示的な実施形態では、取り付けられた器具302a、302bの遠位部分は、1つの切開部位又は「ポート」において患者の体内に挿入されるカニューレ308に通じ得るエントリガイド構造307を通って受けられる。
図3に描かれていないが、器具の遠位端部分は、遠隔手術部位にアクセスするために、カニューレ307(又は他のアクセス構造)の遠位端部の外に出ることができる。
図1の例示的な実施形態では、取り付けられた器具の全てを挿入するために複数の別々の切開部位又は「ポート」があり得る(例えば、手術器具102a-102c及び内視鏡イメージング装置103に適応するために4つ)ことが留意される。
【0044】
4つのマニピュレータアーム140a-140dが
図1に示されるとともに1つのマニピュレータアーム304が
図3に示されているが、当業者は、本教示の原理が、患者側マニピュレータアームの数にかかわらず当てはまり、本開示は、4つより多い若しくは少ない患者側マニピュレータアーム、又は多数のマニピュレータインタフェース組立体を持つ1つより多い患者側マニピュレータアームに当てはまることが分かるであろう。
【0045】
例えば、外科医コンソール120における、把持機構122a、122bのような、マスタ入力装置へのコマンド入力に基づいて、患者側カート110は、所望の医療処置を行うために、器具102a-102c及び103を位置決めし且つ作動させることができる。例えば、把持機構122a、122bが操作されるとき、患者側カート110において、能動的且つ別々に把持機構122a、122bと関連付けられるマニピュレータアーム140a-140dの2つは、それらにそれぞれ取り付けられた手術器具102a-102cを操作する。さらに、把持機構122a、122bは、
図1及び2に示されるマニピュレータインタフェース組立体104、204、並びに
図3に示されるマニピュレータインタフェース組立体304a、304bのような、マニピュレータインタフェース組立体を介して、もしあればリスト又はエンドエフェクタのような器具102a-102cの作動を生じさせることができ、これらのマニピュレータインタフェース組立体は、手術器具102a-102c、202、302a-302bのそれぞれの近位端部に設けられたトランスミッションハウジング106a-106c、206(
図2に分離して示される)、306a-306bに係合するように構成される。当業者は、
図2に示されるマニピュレータインタフェース組立体204のアクチュエータ205のような、マニピュレータインタフェース組立体のアクチュエータによって作動される様々な歯車装置及び力伝達機構を収容するロボット手術器具のこのようなトランスミッションハウジングに精通している。「近位」及び「遠位」方向は、
図2及び3に手術器具に対して示される。
【0046】
トランスミッションハウジングを介して手術器具は、器具を操作することができるようにマニピュレータインタフェース組立体に機械的及び/又は電気的に結合されることができる。
図2に示される、少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、滅菌野の間に滅菌境界を作るために、滅菌ドレープ208が、患者側カート110、特にマニピュレータアーム140a-140dの上と手術器具102との間に設けられ得る。マニピュレータインタフェース組立体204はまた、滅菌手術器具トランスミッションハウジング206(
図1に106a-106dで示される)と係合するための滅菌アダプタ面を有し得る。トランスミッションハウジング206は、
図2に部分的に示される器具シャフト202とともに分離して示され、マニピュレータインタフェース組立体204と係合されていない。
【0047】
制御システムは、患者側カート110及び外科医コンソール120に及び患者側カート110及び外科医コンソール120から、様々な制御信号を送受信し、光を送信し且つ画像を(例えば、患者側カート110の内視鏡イメージング装置103からの)を、例えば、外科医コンソール120のディスプレイ126及び/又は制御カート130に付随するディスプレイ132のような、ディスプレイのために処理することができる。
【0048】
制御カート130は、患者側カート110に設置された手術器具102a-102c及び内視鏡103並びに手術器具102a-102c及び内視鏡103が結合される患者側マニピュレータアーム140a-140dの動作を制御する、少なくとも1つのプロセッサ、例えば、コアプロセッサ(又はコントローラ)150を含み得る。例示的な実施形態では、コアプロセッサ150は、例えば、エネルギ(例えば、レーザ、超音波、電気手術、神経刺激等)及び/又は他のフラックス(flux)の供給(洗浄、吸引)及び/又はクランプ、切断、ステープル留め、並びに/又は他の補助操作のような、手術器具102の補助機能の実行を制御することができる。
【0049】
例示的な実施形態では、制御システムは、全ての制御機能を、制御カート130のコアプロセッサ150のような、1又は複数のプロセッサに統合し得る、又は追加的なコントローラが、別個のユニットとして設けられ得る及び/又は便宜のために制御カート130に(例えば、棚に)支持され得る。後者は、例えば、モノポーラ及びバイポーラ印加での使用のために電気エネルギを供給することによる、追加的な機能を必要とする手術器具を制御するために、既存の制御カートを改良するとき、有益であり得る。例えば、制御カート130は、電気手術ユニット(ESU)160を含むことができ、この電気手術ユニットは、モノポーラ又はバイポーラエネルギ源のようなフラックス源を供給することができ、コアプロセッサ150から離れたユニットとして設けられ且つ制御カート130に支持され得る。様々な例示的な実施形態では、ESU160は、コアプロセッサ150に又はコアプロセッサ150から信号を送受信するように配置され得る。代替実施形態では、コアプロセッサ150及び、ESUの構成要素は、モノポーラ又はバイポーラエネルギ源のようなフラックス源を提供することができる、ESU160の構成要素は、1つの統合ユニットとして制御カート130に組み込まれることができ、その中でESU160の構成要素の少なくとも1つは、コアプロセッサ150に及びコアプロセッサ150から信号を送受信するように通信し得る。
【0050】
当業者は、制御カート130に設けられるコントローラ、例えば、コアプロセッサ150が、以下により詳細に議論されるように、本開示の様々な機能を制御する、制御システムの一部として実装され得ることを理解するであろう。当業者は、コントローラ、例えば、コアプロセッサ150の機能及び特徴が、限定されるものではないが、外科医コンソール120、患者側カート110及び/又はプロセッサをその中に組み込んでいる、ESUのような他の装置のいずれかのプロセッサを含む、幾つかのデバイス又はソフトウェアコンポーネントに分散され得ることを理解するであろう。コアプロセッサ150を含み得る、制御システムの機能及び特徴は、幾つかの処理装置にわたって分散され得る。
【0051】
位置マッピングシステム及び方法
以下の記載では、様々な例示的な実施形態は、
図1の手術器具102a-102cのような手術器具との補助入力装置のマッピング(対応付け)を記載する。しかし、当業者は、イメージング器具(例えば、
図1の内視鏡カメラ器具103)のような、他のタイプの器具もまた、補助入力装置及びここに記載された位置マッピングを通じて制御されることができることを理解するであろう。したがって、請求項で使われるとき、手術器具は、特定の形態の器具に限定されるべきではなく、上述のように、手術、診断、又は治療を実行するため使用され且つ遠隔制御される手術システムの様々な器具を包含するように広く解釈されるべきである。
【0052】
様々な例示的な実施形態によるワークフローの例示的なステップを描くフロー図が
図4に示される。描かれたステップのそれぞれは、いずれかの特定の実施形態に必要とされない場合があり、描かれたステップの幾つかは、他の順番で及び/又は図示されたものとは違って1より多く発生する場合があることが理解されるべきである。
【0053】
理解を容易にするために、
図4の例示的なワークフローは、
図1の例示的な実施形態の様々な構成要素への実施を参照して以下に記載される。しかし、当業者は、
図1を参照するこのような記載が、限定することを意図せず、
図4のワークフローが、例えば、
図3のもののような患者側カート構造を有する手術システムを含む、様々なロボット手術システムで実行されることができることを理解するであろう。
【0054】
次に
図4を参照すると、少なくとも1つの例示的な実施形態では、
図1に示されるとともに記載された遠隔手術システム100は、本開示の実施に使用することができ、これは、補助機能、例えば、フラックス供給、クランプ、ステープル留め、切断、等を遠隔手術システムの外科医コンソールの補助機能入力装置に割り当てるための方法及びシステムを提供することを考慮する。
図4は、手術器具に対する補助機能制御を補助機能入力装置に自動的に割り当てるためのワークフローの例示的な実施形態である。本開示による様々な例示的な実施形態では、
図4の例示的なワークフローで、動作402において、複数のマスタ入力装置、例えば、把持機構122a、122bの1つに反応し且つ同把持機構122a、122bの1つとスレーブ制御関係にある、手術器具102のタイプが検出される。マスタ入力装置に反応するそれぞれの手術器具102a-102cは、「追従」状態と称される状態であり、この「追従」状態は、マスタ入力装置122a、122bの1つによって能動的に制御されている手術器具102a-102cの状態である。
【0055】
例えば、本開示の範囲内に包含されるロボット手術システムの幾つかの例示的な実施形態では、設置された手術器具を持つマニピュレータインタフェース組立体、例えば104(
図1)又は304(
図3)(例えば、患者側カート110、301に3以上)より少ない一時に操作可能であるマスタ入力装置(例えば、外科医側コンソール120の2つの把持機構122a、122b)がある。他の実施形態では、設置された手術器具を持つマニピュレータインタフェース組立体より多い一時に操作可能であるマスタ入力装置があり得る。このような状況は、例えば、当業者が精通している、デュアル外科医コンソール遠隔手術システム構成において起こり得る。いずれの場合でも、外科医側コンソール120は、複数のマニピュレータインタフェース組立体のいずれが、与えられたマスタ入力装置にマップされるか(対応付けられるか)及び同マスタ入力装置の制御下にあるかを制御システムに対して特定するために使用される。
図1を参照すると、例えば、外科医側コンソール120は、マニピュレータインタフェース組立体104a-104cのどれが、2つの把持機構122a、122bの一方と現在マスタ-スレーブ関係に対応付けられ、したがってどの取り付けられた手術器具102a-102cがそれぞれの把持機構122a、122bに追従しているかを、制御システムに対して特定する。
【0056】
例示的な実施形態では、マニピュレータアーム140bのマニピュレータインタフェース組立体104bは、外科医側コンソール120の左把持機構122aに対応付けられ得る。マニピュレータインタフェース組立体がマスタ入力装置とマスタ-スレーブ関係にあるとき、マニピュレータインタフェース組立体、その結果、マニピュレータインタフェース組立体に設置された手術器具(例えば、この例では102)は、「追従している」と示され、この状態を示す信号が、制御カート130のプロセッサ150のように、制御システムに提供される。
【0057】
幾つかのシステムでは、患者側カート110の追加のマニピュレータアーム、例えば、140aが、患者側カート110の左側(
図1に示される)又は右側(図示せず)のいずれかにあるように回ることができ、したがって、その位置に応じて左マスタ入力装置122a又は右マスタ入力装置122bのいずれかによって制御される。以下の記載に関して、マニピュレータアーム140aは、
図1に示される左動作位置で示され且つ記載される。
図3の例示的な実施形態では、把持機構122a及び122bは、マニピュレータインタフェース組立体304a、304bそれぞれと、したがって、それに取り付けられた器具302a、302bそれぞれと追従制御関係にある状態に置かれ得る。しかし、2より多いマニピュレータインタフェースが
図3の実施形態に設けられ得るとともにしたがって、選択的にマスタ入力装置と追従する状態に置かれ得る。
【0058】
様々な例示的な実施形態では、手術器具102は、例えば、手術器具が実行できる補助機能を含む、特定の手術器具及び手術器具のタイプを識別する手術器具にエンコードされた固有識別子を含む。固有識別子は、例えば、特定の手術器具に対する固有のシリアルナンバであり得る。固有識別子は、手術器具102に設けられ、例えば、器具タイプ、使用回数等、当業者が精通しているような、手術器具102に関する様々な情報を含む、1又は複数のメモリストレージ構造に提供され得る。例として、そこに固有識別子が提供されるメモリストレージ構造は、無線、例えば、無線ID(RFID)タグであり得る、固有識別子がエンコードされる、送信機であり得る。
【0059】
固有識別子は、手術器具102から送信されることができ、例えば、それぞれの作動インタフェース組立体の近くの又はそれぞれの作動インタフェース組立体に関連付けられた、患者側カート110の1又は複数のメモリ構造リーダ装置(図示せず)によって感知される。例示的な実施形態によれば、メモリ構造リーダ装置は、作動インタフェース組立体が取付けられる1又は複数の支持構造に設けられ得る。例示的な器具リーダ装置は、限定されるものではないが、例えば、各手術器具に配置される固有RFIDタグを読み取るRFIDセンサ;各手術器具に設けられる固有メモリチップとインタフェース接続するとともに同固有メモリチップからデータを受信するメモリチップ(例えば、SRAM又はEEPROMメモリチップ)リーダ;バーコードリーダ;及び/又は磁気媒体リーダ(例えば、磁気ストリップリーダ)を含むことができる。当業者は、器具に関連付けられる読み込み可能又は読み書き可能なメモリストレージ構造から記憶された情報を読み込む能力を有する他の種類のリーダ装置が、使用できることを理解するであろう。このようなメモリストレージ構造リーダ装置は、それを用いて器具メモリストレージ装置がプログラムされる固有の情報を読み込む能力が、患者側カートのそれぞれの作動インタフェース組立体と近距離にある、例えば、結合又は係合されている、器具に依存するという点で、近接ベースであることができる。
【0060】
本開示の例示的な実施形態によれば、マニピュレータインタフェース組立体104a-104dを有するマニピュレータアーム140a-140dのそれぞれは、手術器具102の送信機によって送信された情報を感知するための受信機を含み得る。他の例示的な実施形態によれば、マニピュレータインタフェース組立体を支持する様々な支持構造のいずれかが、手術器具102の送信機によって送信される情報を感知するために器具リーダ装置を含むことができる。送信機及び受信機は両方、当業者が精通している、様々な無線通信プロトコルをサポートし得る。
【0061】
本開示の例示的な実施形態によれば、器具リーダ装置が固有識別子を感知した後、固有識別子情報は、制御システムに送信されることができ、この制御システムは、検出された手術器具102のタイプを解析することができる1又は複数のプロセッサ150を含み得る。
【0062】
固有識別子は、器具タイプ及び患者側カート110に設置された器具102に関する他の情報を決定するために使用されることができる。器具タイプに関して、例示的な実施形態によれば、それぞれの手術器具に関連付けられる固有識別子情報は、それがエネルギ供給(例えば、電気手術器具)のようなフラックス供給用に構成された手術器具であるかどうか、及びどのような種類のエネルギが供給されるように構成されるか(例えば、バイポーラ、モノポーラ、混在モード、等)を含むことができる。
【0063】
当業者は、器具識別情報のようなデータが、制御システムによって受信されるとき、データは、制御システムの一部として上述された1又は複数のコントローラ又はプロセッサで受信され得ることを理解するであろう。さらに、データの受信及び/又は処理は、制御システムの1又は複数のコントローラ又はプロセッサに渡って分散され得る。
【0064】
器具識別(ID)ストレージ及びリーダ装置技術は、例えば、様々な光学エンコーディング/読み込み、無線周波数エンコーディング/読み込み、磁気エンコーディング/読み込み、デジタル(例えば、EEPROM及び他の同様のストレージデバイス/リーダ)エンコーディング/読み込みのいずれかのような、当業者に知られた様々な技術を用いることができる。
【0065】
器具識別情報がコアプロセッサ150に提供されるとき、コアプロセッサ150は、器具識別情報がそこに特定の器具102a-102cが取付けられる特定のマニピュレータインタフェース組立体104a-104cと関連付けられることを、認識する。これは、例えば、作動インタフェース組立体に取り付けられた器具からのみ識別タグを読み込むことができるように識別子リーダがマニピュレータインタフェース組立体に近接して配置されることによることができる。作動インタフェース組立体104が結合される任意の構造、例えば、マニピュレータアーム140、アーム140の支持部、
図2のアダプタ、等が、器具識別信号を認識するために器具識別リーダを備え得る。制御システムはしたがって、器具識別信号が、器具識別信号を読み込まれるとともに送信されるリーダと関連付けられる特定のマニピュレータインタフェース組立体に関連付けられることを決定することができる。
【0066】
様々な例示的な実施形態によれば、制御システムは、マニピュレータインタフェース組立体104のどれが、マスタ入力装置、例えば、把持機構122a、122bのどれとマスタ-スレーブ関係にあるかを決定するように構成され、また、特定の手術器具102が、特定のマニピュレータインタフェース組立体104に設置されることを検出するように構成される。したがって、様々な例示的な実施形態によれば、遠隔手術システム100は、設置された器具102a-102cのどれが、マスタ入力装置、例えば、把持機構122a、122bのどれによって制御されているかを決定するように構成される。
【0067】
本開示による様々な例示的な実施形態において、
図4の例示的なワークフローでは、動作404において、制御システムは、ユーザの手のどちらが、手術器具102が追従しているマスタ入力装置を操作しているかを検出する。例えば、制御システムは、器具102aが、ユーザの左手によって操作される、把持機構122aに追従していることを、及び器具102cが、ユーザの右手によって操作される、把持機構122bに追従していることを、決定し得る。上で説明されたように、ユーザの手のどちらがマスタ入力装置を操作しているかの決定は、例えば、マスタ入力装置の相対位置及び/又は構造、及び/又は他の感知及び追跡技術によるなどのような様々な方法で検出されることができる。
【0068】
様々な例示的な実施形態によれば、
図4のワークフローの動作406において、遠隔手術システム100は、他の補助機能入力装置と比べた補助機能入力装置の相対左又は右位置、及び追従している手術器具を制御しているマスタ入力装置を操作するそれぞれのユーザの手に基づいて、追従している手術器具102に(例えば、信号通信を介して)動作可能に結合するように及び追従している手術器具を作動させるように、1又は複数の補助機能入力装置を割り当てるように構成される。補助機能が割り当てられる1又は複数の補助機能入力装置は、例えば、ペダルの左列(例えば、
図1の124a、124b)又はパダルの右列(例えば、124c、124d)に配置されることができ、したがって、ユーザの左手又はユーザの右手にそれぞれ位置的に対応する。
【0069】
さらに、様々な例示的な実施形態では、408において描かれるように、制御システムは、ステップ402で検出された器具の補助機能タイプに基づいて、割り当てられた補助機能入力装置の作動の際、特定の補助機能信号タイプを対応する位置的に対応付けられた手術器具に送らせることができる。
【0070】
例として、遠隔手術システム100は、手術器具102aが、ステップ402においてバイポーラ電気手術器具であると検出されるとともにステップ404において左把持機構122aに追従していることも決定されるとき、フットペダルの左列にある、フットペダル124aの作動に応じて、補助機能、例えば、バイポーラエネルギ供給を割り当て得る。上で議論されたように、フットペダルの左列は、
図1の例示的な実施形態では、フットペダル124a及び124bを含むと考えられ得るとともに、フットペダルの右列は、
図1の例示的な実施形態では、フットペダル124c及び124dを含むと考えられ得る。さらなる例として、検出された手術器具102aのタイプに基づいて制御機能が割り当てられるフットペダル124aは、補助機能を実行するように手術器具を作動させる他のフットペダル124c-124dに対して、例えば、左の、相対位置を有する。フットペダル124aの相対位置は、手術器具102aを操作するための信号を出力するようにマスタ把持機構122aを操作するユーザの左手に対応する。したがって、左手用把持機構122aによって制御される、手術器具102aに対する補助機能は、
図1の例示的な実施形態では、124a、124bを含むフットペダルの左列に割り当てられる。例として、検出された手術器具のタイプが永久焼灼へらである場合、フットペダル124aは、モノポーラ切断補助機能を実行するようにモノポーラエネルギ発生器に信号を送るように自動的に割り当てられることができ、フットペダル124bは、モノポーラ凝固補助機能を実行するようにモノポーラエネルギ発生器に信号を送るように割り当てられることができる。
【0071】
様々な例示的な実施形態では、補助入力装置の補助機能信号タイプへの割り当ては、位置的及び/又は検出された器具タイプ対応付けに加えて、認められた業界標準にも依存することができる。限定ではない例として、補助入力装置は、着色されることができ、機能的な割り当てはこれらの色に基づくことができる。例えば、フットペダル124a-124dは、青いペダルが凝固プロセスを生じさせるエネルギ供給に割り当てられ且つ黄色いペダルが切断プロセスを生じさせるエネルギ供給プロセスに割り当てられて、これらが補助入力装置の制御下で器具に対して利用可能である機能であるとき、青又は黄色のいずれかであり得る。
【0072】
様々な例示的な実施形態では、
図4のワークフローの動作410において、補助機能入力装置、例えば、フットペダル124a-124dの1つの作動の際、入力コマンド信号が、作動された補助入力装置から、制御システムの、例えば、コアプロセッサ150に出力される。その後、コアプロセッサ150は、作動された補助機能入力装置に現在割り当てられている手術補助機能にしたがって、割り当てられ且つ追従している手術器具102を制御するように、補助機能作動信号を、送信する。特定の例として、フットペダル124aが特定の補助機能タイプの手術器具102aに割り当てられ且つその手術器具102aが左把持機構122aに追従しているとき、フットペダル124aの作動(例えば、押し下げ)は、手術器具102aをモノポーラ焼灼エネルギを供給するよう作動させる。しかし、モノポーラ焼灼エネルギ供給器具ではなく、手術器具102aが代わりに例えばステープル留めするように構成される場合、フットペダル124aの作動は、ステープル留め補助機能を行うように手術器具102aを作動させる。
【0073】
様々な例示的な実施形態では、
図1を参照すると、例えば、上方ペダル124a、124cは、下方ペダル124b、124dより高い又は強い補助機能レベルを作動させることができる。例えば、ペダル124a、124bの左列に位置的に対応付けされる手術器具タイプが、電気手術エネルギタイプの器具である場合、ペダル124aを押し下げることは、124bを押し下げることより高い電圧エネルギを供給するように手術器具を作動させ得る、又はその逆である。他の例示的な実施形態では、列の上方及び下方ペダルは、例えば、モノポーラ切断及びモノポーラ凝固;ステープラ発射及びステープラクランプ;吸引及び洗浄;機械的な切断、及び血管シール、等のような、異なる形態に対応することができる。
【0074】
さらに以下に記載されるように、制御システムはまた、ユーザに、どのタイプの器具が特定のマスタ入力装置と追従し、また補助入力装置のそれぞれの補助機能のどれが作動するように割り当てられているかをユーザに知らせるために、外科医コンソール、例えば、ディスプレイ132において、ユーザに情報を提供することもできる。この情報を用いて、手術システムは、様々な外科処置を実行するようにユーザによって知的に制御されることができる。
【0075】
様々な例示的な実施形態によるワークフローの例示的なステップを描くフロー図が、
図5に示される。描かれたステップのそれぞれは、いずれかの特定の実施形態に必要とされない場合があり、描かれたステップの幾つかは、他の順番で及び/又は図示されたものとは違って1回より多く発生する場合があることが理解されるべきである。例えば、1つの例示的な実施形態では、ステップ506及び508は、502及び504が発生することなしに、発生することができる。
【0076】
図5は、グラフィカルユーザインタフェース上の補助機能入力装置に関する指標を表示するためのワークフローの例示的な実施形態であり、そのグラフィカルユーザインタフェースの例示的な実施形態は
図6及び7に示される。様々な例示的な実施形態では、グラフィカルユーザインタフェースが、外科医コンソール120のユーザのような、遠隔手術システムのユーザによる視覚化のためにディスプレイに表示され得る。本開示によれば、
図5の例示的なワークフローでは、動作502において、フットペダル124a-124dのような、補助機能入力装置の1又は複数の近くにおけるユーザの存在が検出される。様々な例示的な実施形態によれば、ユーザの存在は、1又は複数の存在センサ、例えば、
図1に示される、足存在センサ128a-128dの使用により検出されることができ、この足存在センサは、フットペダル124a-124dのそれぞれに設けられ得る又はフットペダル124a-124dに相対的に近くに設けられ得る。様々な例示的な実施形態では、各ペダルは、それ自体のセンサを有し得る又はペダルのグループ(例えば、左列及び右列それぞれ)は、共通の存在センサに関連付けられることができ、したがって、
図1に描かれたセンサ128の2つだけを用いることができる。とにかく、例えば、ユーザの足が、1又は複数のフットペダル124a-124dの上で検出されるとき、ユーザは、1又は複数のフットペダル124a-124dの近くにいると検出される。例として、ユーザの足は、フットペダル124a、124bの左列の上又はフットペダル124c、124dの右列の上を動いていることが検出され得る。
【0077】
当業者は、ユーザの足が光ビームを遮るとき、センサが、プロセッサに、ペダルの上に物体があることが感知されたことを示す信号を送信するように配置された光エミッタ及び光検出器を含む1つの限定ではない例を用いる存在センサとして実現され得る様々な種類のセンシング技術に精通しているであろう。
【0078】
ユーザの、例えばユーザの足(右足又は左足のいずれかであり得る)の存在が、フットペダル124a-124dの1又は複数の上で検出されるとき、ユーザの存在を検出する1又は複数の足存在センサ(例えば、センサ128a-128dの1又は複数)は、ユーザの存在を示す存在検出信号を送信する。存在検出信号は、例えば、外科医コンソール120に配置された1又は複数のプロセッサで受信され得る、又は、例えば、制御カート130のコアプロセッサ150に送信され得る。プロセッサは、存在検出信号を受信し、例えばディスプレイ132においてのように、ユーザへの表示を提供するように信号を出力する。
【0079】
次に
図6及び7を見ると、本開示の例示的な態様を示すグラフィカルユーザインタフェースのスクリーンキャプチャの例示的な部分が描かれる。
図6及び7はそれぞれ、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)600、700を示し、これらは、遠隔手術システム100のユーザによってアクセス可能なディスプレイに提供されることができる。例示的な実施形態では、GUI600、700は、ディスプレイ126に提供され得る。しかし、当業者は、本開示がそれらに限定されず、GUI600、700は、例えば、ロボット手術システム100の制御カート130に設けられる、ディスプレイ132のような、任意のディスプレイに提供され得ることが分かるであろう。また、GUI600、700は、システムに付随する1より多いディスプレイで表示され得る。
【0080】
さらに、簡単化のために、全体的な表示を構成するGUIディスプレイ600、700の一部のみが示される。一般的に、
図6及び7において空白で表示される、ディスプレイの主要部分は、内視鏡カメラからの画像を表示することができ、例えば、手術部位及び/又は関連のある追従している手術器具の画像を含むことができる。
【0081】
GUI600、700の左側602、702及び右側604、704を含むGUI600、700は、例示的な実施形態によれば、以下により詳細に記載されるように、それぞれ強調可能であり得る(
図6及び7に陰影によって示される)表示バー606a、706a及び606b、706bを提供し得る。表示バー606a、706aは、GUI600、700の左側602、702の外側部分の一部又は全体に沿って設けられ得るとともに、表示バー606b、706bは、GUI600、700の右側604、704の外側部分の一部又は全体に沿って設けられ得る。当業者は、本開示が、例えば表示バーに限定されず、GUI600、700の外側部分に設けられることに限定されず、GUI600、700の相対的に位置する側(すなわち左及び右)の間を区別する能力をユーザに提供する、任意の様々な表示が、GUI600、700に設けられ得ることを認識するであろう。例えば、表示は、GUI600、700の、左側602、702又は右側604、704全体、又はそれらの一部を強調し得る。
【0082】
GUI600、700はまた、左器具識別表示608a、708a及び右器具識別表示608b、708bも含むことができ、これらは、ユーザに、現在、マスタ入力装置に対応している、例えば、把持機構122a、122bに追従している、器具のタイプを示す。
図6及び7に示される例では、左識別表示608a、708aは、左把持機構122a(したがってユーザの左手)によって制御される器具が、メリーランド型バイポーラ鉗子であることを示し、右識別表示608b、708bは、右把持機構122b(したがってユーザの右手)によって制御される器具が、永久焼灼へらであることを示す。もちろん、当業者は、これらは、単なる2つの例示的な手術器具タイプであり、開示はそれに限定されないことを理解するであろう。加えて、GUI600、700は、左ペダル補助機能指標610a、710a及び右ペダル補助機能指標610b、710bを含むことができ、これらはそれぞれ、相対左手位置及び相対右手位置において、それぞれのペダル、例えば、ペダル124a-124dに割り当てられた補助機能を示す。他のペダル(図示せず)もまた、表示されることができるとともに、本開示にしたがって同様の方法でユーザに伝達されることができる異なる補助機能を割り当てられることができる。
【0083】
図5に戻り、且つ
図6に示されたスクリーンキャプチャを参照すると、動作504において、例えば、外科医カート120、制御カート130等において、制御システムの1又は複数のプロセッサからの表示信号の受信に基づいて、ユーザの検出された存在の指標がGUI600に表示される。
図6に示された例示的な実施形態では、表示バー606aは、強調されていない状態を示す一方、表示バー606bは、強調された状態を示す。
図6の説明例の表示バー606aにおける強調されていない状態は、ユーザの存在が、左列のフットペダル124a、124bのいずれかの直ぐ近くで検出されていないことを示す。
【0084】
様々な例示的な実施形態によれば、ユーザの検出された存在は、特定の左列又は右列のフットペダルに、又はその上に、あることが、制御システムによって、決定される。特定の例として、ユーザの存在が、フットペダル124c、124dの左列にある、フットペダル124cの上に検出されるとき、制御システムは、ユーザの存在が検出された補助入力装置を示すディスプレイに信号を送信する。指標が表示されるGUI600の部分は、フットペダル、例えば、右列のフットペダル124cが対応付けられる、左手又は右手に対応し、そこではユーザの存在が検出されている。例えば、GUI600の右側604の表示バー606bは、ユーザの手及びフットペダルの右列のフットペダル124cの対応する位置の指標を表示する。この場合、表示バー606bは、検出された存在を示すように(例えば、特定の色を用いて)強調されるようになり、強調されていないバー(及び/又は異なる色のバー)とは異なり、この強調されていないバーは表示バー606aで示される。
【0085】
図5の例示的なワークフローを再び参照すると、動作506において、補助機能入力装置、例えばフットペダル124a-124dの1つの作動が、フットペダル124a-124dのそれぞれに設けられた、又は接続された様々な作動検出装置のいずれかによって検出される。1又は複数のフットペダル124a-124dの作動が生じるとき、特定のフットペダル、例えばフットペダル124aの作動を検出する作動検出装置は、フットペダルの作動を示す作動検出信号を送信する。作動検出信号は、例えば、外科医コンソール120に、配置された1又は複数のプロセッサで受信され得る、又は、例えば、制御カート130のコアプロセッサ150に、送信され得る。プロセッサは、作動検出信号を受信し、ディスプレイ126又はディスプレイ132のような、ディスプレイに信号を出力する。1つの例示的な実施形態では、作動検出は、当業者が精通しているような、ペダルに付随するスイッチによって、生じる
次に、
図7に示されたスクリーンキャプチャを参照すると、
図5の例示的な実施形態によるワークフローの動作508において、相対左又は右手に対応付けされた作動された入力装置、例えば、フットペダル124a-124dの1つの指標が、GUI700に表示される。表示された指標は、例えば、外科医コンソール130、制御カート130等の、制御システムの1又は複数のプロセッサからの表示信号の受信に基づいて、例えば、ディスプレイ126又は132に、表示される。
図7に示される例示的な実施形態では、表示バー706aは強調された状態を示す一方、表示バー706bは強調されていない状態を示す。
図7の例示的な実施形態の表示バー706bにおける強調されていない状態は、フットペダルの右列のフットペダル124c、124dのいずれも作動されていないことを示す。
【0086】
様々な例示的な実施形態によれば、制御システムは、ユーザの左又は右手によって制御されている器具の補助機能を制御するように対応付けられたフットペダル124a-124dの1つが作動されていることを決定する。例えば、システムは、左列のペダル124a、124b又は右列のペダル124c、124dの1つが作動されていることを検出することができる。フットペダルの左列に配置されている、フットペダル124aが作動されるとき、制御システムは、作動された補助入力装置、例えば、フットペダル124aの相対左手又は右手対応付けを表示するディスプレイに信号を送信する。指標が表示されるGUI700の部分は、作動されるフットペダルが対応付けられる手に対応する。例えば、GUI700の左側702の表示バー706aは、左列位置に基づいて左手に対応付けられた手術器具を制御するように割り当てられた作動されるフットペダル124aの指標を表示する。この場合、表示バー706aは、作動を示す特定の色に強調されるようになり(又は幾つかの他の表示を含む)、
図7において表示バー706bで示された、強調表示されていないバー、及び、
図6において表示バー606bで示される1又は複数のフットペダルの近くにおけるユーザの存在を示す強調されたバーの両方とも異なる。
【0087】
したがって、様々な例示的な実施形態によれば、ユーザの存在が検出されている又は作動されている補助機能入力装置、例えば、フットペダル124a-124dの1つの左手又は右手に対応付けられる位置の指標が、GUI上で遠隔手術システム100のユーザに表示される。このように、GUIは、特定の近位に配置された補助機能入力装置(例えば、存在検出を用いて)又は作動される補助機能入力装置の左手又は右手に対応付けられた補助入力装置をユーザに即座に示すことができる。
【0088】
本開示の様々な例示的な実施形態は、患者側助手のディスプレイのためのグラフィカルユーザインタフェースを含み、この患者側助手のディスプレイは、例えば、制御カート130のディスプレイ132に、配置され得る。
図8及び9を参照すると、遠隔手術システムに関する様々な情報を伝えるのに役立ち得る、特に、患者側助手に役立ち得る、グラフィカルユーザインタフェースの1つの例示的な実施形態が描かれている。
図6及び7と同様に、
図8及び9のスクリーンショットは、例えば、内視鏡イメージング装置から提供される画像及び/又は他のGUIコンポーネントのような、図示されたGUIコンポーネントとともにディスプレイに示され得る様々な画像を示していない。
【0089】
図8及び9では、ユーザの左及び右手のそれぞれに追従している状態にある手術器具はそれぞれ、スクリーンの左及び右側に配置された表示機能802a、802bによって、並びに、それぞれ互いに対して左右にスクリーンの上部に配置された表示機能804a、804bによって、左及び右が画面を向いている観察者の視点からである状態で、概して示される。表示機能802及び804は、左及び/又は右手によって制御されるマスタ入力装置に現在応答している、例えば、把持機構122a、122bに追従している、器具のタイプをユーザに示す左器具識別表示803a、805a及び右器具識別表示803b、805bを含み得る。1又は複数の他の表示機能、例えば表示機能813もまた、他の手術器具がマニピュレータインタフェース組立体に動作可能に結合されているが、マスタ入力装置の制御下で追従している状態にないことを示すために、器具識別表示815とともに表示され得る。器具識別表示815は、手術器具がどのタイプであるかを示す。手術器具のタイプを示すことに加えて、表示機能はまた、外科医コンソールのどれの制御下にあるように器具が割り当てられているかに関する情報も含むことができ、これは、デュアル又は複数外科医コンソール設定において有益であり得る。したがって、
図8及び9では、表示機能802、804、813のそれぞれは、820においてコンソール指示表示を描く。
【0090】
図6及び7に示された例に対応して、左器具識別表示803a、805aは、左把持機構122a(したがって、ユーザの左手)によって制御される器具がメリーランド型バイポーラ鉗子であることを示し、右器具識別表示803b、805bは、右把持機構122b(したがって、ユーザの右手)によって制御される器具が永久焼灼へらであることを示す。もちろん、当業者は、これらが単なる2つの例示的な手術器具タイプであり、開示はこれに限定されないことを理解するであろう。スクリーンの左および右側におけるこれらの表示機能802、804のそれぞれの配置に加えて、様々な例示的な実施形態では、左手アイコン806a、807a及び右手アイコン806b、807bが、どのユーザの手が、どの追従している手術器具を制御しているかの追加的な可視表現を提供するように表示され得る。
【0091】
様々な例示的な実施形態では、表示機能802、804はまた、手術器具が、補助入力装置からのコマンドを受けて、補助機能を実行する準備ができていることを示すアイコンも表示する。例として、
図8及び9のスクリーンショットは、表示機能802、804のそれぞれにおいて、手術器具が補助機能を実行する準備ができていることを示す、稲妻アイコン810を表示する。アイコン810は、補助入力装置によって制御される補助機能を実行することができる器具が、マスタ入力装置の制御下にある(追従している)マニピュレータインタフェース組立体に動作可能に結合されるとき、表示される。当業者は、稲妻が、補助機能を実行するための手術器具の準備ができていることを示すために表示され得る例示的なアイコンであり、様々な他のアイコンが、このような状態を示すために表示されることができることを理解するであろう。さらに、異なるアイコンが、例えば、どの補助機能を器具が実行するかに応じて使用され得る、加えて、1より多いこのようなアイコンが、同時に、例えば、器具が、1より多い補助機能を実行するために準備完了状態であることを示すために、表示され得る。
【0092】
図6及び7を参照して上述されたグラフィカルユーザインタフェースのように、
図8及び9のグラフィカルユーザインタフェースは、例示的な実施形態において、補助入力装置が対応付けられた左又は右手制御器具に対応する補助入力装置の近くにおけるユーザの検出された存在(
図8)又は同補助入力装置の作動(発射)(
図9)を示すことができる。
【0093】
例えば、
図8では、表示機能802、804は、ユーザの存在が、補助入力装置の右又は左列のいずれかの近くで検出されたことをユーザに伝えるように、異なる色で強調されることができる又は別の方法で変更され得る。
図8に示されるように、例えば、陰影の無い表示機能802a、804aに対する802b、804bにおける強調又は異なる色を示すための陰影は、例えば、ユーザの存在が、補助入力装置の右列、例えばフットペダル124c、124dのいずれかの近くで検出されるとき、表示され得る。したがって、
図8に描かれるように、表示機能802b、804bは、左手及び右手制御器具のどちらを、ユーザが、補助入力装置の特定の列の近くにおける存在検出に基づいて、作動させようとしているかを示すために、異なって強調されることができる(例えば、特定の色を用いて)又は別な方法で変更されることができる。
【0094】
同様に、表示機能802、804のこのような変更は、特定の補助入力装置が、手術器具の補助機能を作動させるためにコマンド信号を提供するように作動されていることを示すために使用されることができる。
図9はまた、作動された補助入力装置、例えば、その左列位置に基づいて左手対応付け手術器具を制御するように割り当てられたフットペダル124a、124bの1つの指標を表示するために、GUI900の左側において802a、804aの陰影でこれを示すための例示的な方法として使用される。例示的な実施形態では、
図8及び9で用いられた異なる陰影によって描かれるように、強調、色、又は他の指標が、作動に対して存在検出を示すように異なる。
【0095】
当業者は、様々な変更が、同様の情報を遠隔手術システムのユーザに伝えながら且つ本教示の範囲から離れることなしに、
図6-9の例示的な実施形態で描かれたGUIスクリーンに行われ得ることを理解するであろう。例えば、異なる種類及び組み合わせのアイコン及び/又はテキストが、上述の情報を伝えるために用いられることができ、点滅又は他の標識が、色若しくは表示機能の強調の代わりに又は色若しくは表示機能の強調との組み合わせで、用いられることができる、及び/又は、スクリーンショットの特定の特徴の異なる配置もまた、本開示の範囲から離れることなしに、ある程度使用され得る。
【0096】
ここに記載された様々な動作方法を含む、例示的な実施形態は、コンピューティングハードウェア(コンピューティング装置)及び/又はソフトウェア、例えば(限定されない例では)、データを記憶する、取得する、処理する及び/又は出力する並びに/又は他のコンピュータと通信する任意のコンピュータ等、に実装されることができる。生成される結果は、コンピューティングハードウェアのディスプレイに表示されることができる。様々な応答及び本開示の様々な例示的な実施形態による信号処理を生じさせるためのアルゴリズムを含む1又は複数のプログラム/ソフトウェアは、例えば、データインタフェースモジュールのような、コアプロセッサを含む制御カートの又はコアプロセッサを含む制御カートと併せて、コアプロセッサによって実装されることができ、コンピュータ可読記録及び/又は記憶媒体を含むコンピュータ可読媒体に記録され得る。コンピュータ可読記録媒体の例は、磁気記録装置、光ディスク、光磁気ディスク、及び/又は半導体メモリ(例えば、RAM、ROM等)を含む。磁気記録装置の例は、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、及び磁気テープ(MT)を含む。光ディスクの例は、DVD(デジタル多用途ディスク)、DVD-RAM、CD-ROM(コンパクトディスク-リードオンリメモリ)、及びCD-R(記録可能な)/RWを含む。
【0097】
さらなる変形形態及び代替実施形態は、本書の開示を考慮することで、当業者にとって明らかとなる。例えば、システム及び方法は、動作の明確化のために図及び記載から省略された追加的な構成要素又はステップを含み得る。したがって、この記載は、単に例示的なものと解釈されるべきであり、また、本教示を実施する際の一般的な方法を当業者に教示することを目的とする。ここに図示され且つ説明された種々の実施形態は例示的なものであることが理解されるべきである。要素及び材料、並びに、それら要素及び材料の配置は、本書で図示され且つ説明されたものを代替でき、部品及びプロセスは逆にされてもよく、また、本教示の特定の特徴は独立して利用されてもよく、それら全ては、本明細書の記載の利益を得た後で、当業者にとって明らかとなるであろう。本教示及び以下の請求項の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された要素に対して変更が行われ得る。
【0098】
本明細書で説明された特定の例及び実施形態は非限定的なものであり、構造、寸法、材料、及び手順に対する変更は、本教示の範囲を逸脱することなく行われ得る。
【0099】
本発明の他の実施形態は、明細書及びここに開示された本発明の実施の検討から当業者に明らかになるであろう。明細書及び例は、単なる例示としてみなされ、真の範囲及び精神は以下の請求項によって示されることが意図される。