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特許7146878テレメトリ・アプリケーションのための干渉ロバスト・パケット検出のための最適化されたプリアンブル及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】テレメトリ・アプリケーションのための干渉ロバスト・パケット検出のための最適化されたプリアンブル及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 7/04 20060101AFI20220927BHJP
【FI】
H04L7/04 200
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020192475
(22)【出願日】2020-11-19
(62)【分割の表示】P 2019502139の分割
【原出願日】2016-03-31
(65)【公開番号】P2021048600
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2020-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】591037214
【氏名又は名称】フラウンホッファー-ゲゼルシャフト ツァ フェルダールング デァ アンゲヴァンテン フォアシュンク エー.ファオ
(73)【特許権者】
【識別番号】518348791
【氏名又は名称】フリードリヒ-アレクサンダー-ウニフェルジテート エアランゲン-ニュルンベルク
【氏名又は名称原語表記】Friedrich-Alexander-Universitaet Erlangen-Nuernberg
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
(72)【発明者】
【氏名】キリアン ゲルト
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト ヨーゼフ
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト イェルク
(72)【発明者】
【氏名】クナイスル ヤーコプ
【審査官】阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-333011(JP,A)
【文献】特開2006-238421(JP,A)
【文献】特開平08-084096(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1120270(CN,A)
【文献】特開2005-168000(JP,A)
【文献】国際公開第2005/088884(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0209979(US,A1)
【文献】特表2002-530926(JP,A)
【文献】特表2007-531330(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイロット・シーケンス(108)を含むデータ・パケット(106)を受信するように構成された受信ユニット(102)と、
相関結果を得るために、前記パイロット・シーケンス(108)と参照シーケンスとを相関させるように構成された同期ユニット(104)と、
を備えるレシーバ(100)であって、
前記同期ユニット(104)は、前記データ・パケット(106)のシンボルにウエイト・ファクタを適用する、または前記パイロット・シーケンス(108)のシンボルにウエイト・ファクタを適用する、または前記パイロット・シーケンス(108)の各シンボルに個別のウエイト・ファクタを適用するように構成され
前記同期ユニット(104)は、少なくとも2つの部分的な参照シーケンス(112_1-112_n)のそれぞれについて部分的な相関結果(116_1-116_n)を得るために、前記パイロット・シーケンス(108)を前記少なくとも2つの部分的な参照シーケンス(112_1-112_n)と個別に相関させるように構成され、
前記同期ユニット(104)は、前記データ・パケット(106)についての粗い相関結果(118)を得るために、前記部分的な相関結果(116_1-116_n)を非コヒーレントに加算するように構成される、レシーバ(100)。
【請求項2】
前記ウエイト・ファクタは、タイム・スロットにおける想定された同期シンボル上の分散によって計算される、請求項1に記載のレシーバ(100)。
【請求項3】
前記ウエイト・ファクタは、タイム・スロットの内側にある全てのシンボルの能力分散から得られる、請求項1に記載のレシーバ(100)。
【請求項4】
前記ウエイト・ファクタは、決定された信号対ノイズ比に基づいて得られる、請求項1に記載のレシーバ(100)。
【請求項5】
前記パイロット・シーケンスの各シンボルに個別のウエイト・ファクタが適用され、
前記パイロット・シーケンスの干渉されたシンボルは、より低いウエイト・ファクタを有し、その結果、これらのシンボルは前記相関結果により少ない影響を与える、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のレシーバ(100)。
【請求項6】
前記同期ユニット(104)は、前記部分的な相関結果(116_1-116_n)の絶対値、または絶対値の二乗、または近似絶対値、または任意の他の非線形演算を加算することによって前記部分的な相関結果(116_1-116_n)を非コヒーレントに加算するように構成される、請求項に記載のレシーバ(100)。
【請求項7】
前記少なくとも2つの部分的な参照シーケンス(112_1-112_n)は、前記データ・パケット(106)の前記パイロット・シーケンス(108)についての参照シーケンス(114)の少なくとも2つの異なる部分である、請求項または請求項に記載のレシーバ(100)。
【請求項8】
前記データ・パケット(106)は、少なくとも2つの部分的な参照シーケンス(108_1-108_n)を前記参照シーケンスとして含む、請求項1、請求項6または請求項のいずれかに記載のレシーバ(100)。
【請求項9】
前記同期ユニット(104)は、前記データ・パケット(106)についての精緻な相関結果を得るために、前記部分的な相関結果(116_1-116_n)をコヒーレントに加算するようにさらに構成される、請求項1、請求項6ないし請求項のいずれかに記載のレシーバ(100)。
【請求項10】
前記同期ユニット(104)は、前記データ・パケット(106)の周波数オフセットを推定するように構成される、請求項1、請求項6ないし請求項のいずれかに記載のレシーバ(100)。
【請求項11】
前記データ・パケット(106)は、前記パイロット・シーケンス(108)の位相シフトで符号化されたヘッダ情報を含み、
前記レシーバ(100)は、前記推定された周波数オフセットを使用して前記データ・パケット(106)に周波数補正を適用し、前記パイロット・シーケンス(108)の前記位相シフトを推定することによって、前記データ・パケット(106)から前記ヘッダ情報を抽出するように構成されたヘッダ抽出ユニットを備える、請求項1に記載のレシーバ(100)。
【請求項12】
前記同期ユニット(104)は、結合された粗い相関結果を得るために、前記少なくとも2つの部分的な参照シーケンスの前記粗い相関結果を正規化し、そして、前記少なくとも2つの部分的な参照シーケンスの前記正規化された粗い相関結果を結合するように構成される、請求項1、請求項6ないし請求項1のいずれかに記載のレシーバ(100)。
【請求項13】
前記同期ユニット(104)は、前記パイロット・シーケンスのシンボルを正規化して正規化されたパイロット・シーケンスを得て、前記正規化されたパイロット・シーケンスを前記少なくとも2つの部分的な参照シーケンス(112_1-112_n)と個別に相関させるように構成される、請求項1、請求項6ないし請求項12のいずれかに記載のレシーバ(100)。
【請求項14】
前記同期ユニット(104)は、前記データ・パケット(106)についての前記部分的な相関結果(116_1-116_n)の分散を計算し、前記データ・パケット(106)についての前記部分的な相関結果の前記分散が所定の閾値以下である場合に、前記データ・パケット(106)を検出するように構成される、請求項1、請求項6ないし請求項1のいずれかに記載のレシーバ(100)。
【請求項15】
前記同期ユニット(104)は、前記相関のメイン・ローブとサイド・ローブとを検出し、前記メイン・ローブと前記サイド・ローブとの間の既知の距離を使用して、検出された前記メイン・ローブを相関結果として提供するように構成される、請求項1、請求項6ないし請求項1のいずれかに記載のレシーバ(100)。
【請求項16】
前記同期ユニット(104)は、前記データ・パケット(106)を検出するために相関ウインドウを使用するように構成され、前記データ・パケット(106)は、前記相関ウインドウ内で所定の閾値を超える全ての相関ピークのうちの最も高いピークを検出することによって検出される、請求項1、請求項6ないし請求項1のいずれかに記載のレシーバ(100)。
【請求項17】
パイロット・シーケンス(108)を含むデータ・パケット(106)を受信するステップと、
相関結果を得るために、前記パイロット・シーケンス(108)と参照シーケンスを相関させるステップと
を含む方法であって
前記データ・パケット(106)のシンボルにウエイト・ファクタが適用される、または前記パイロット・シーケンス(108)のシンボルにウエイト・ファクタが適用される、または前記パイロット・シーケンス(108)の各シンボルに個別のウエイト・ファクタが適用され、
前記パイロット・シーケンス(108)と前記参照シーケンスを相関させるステップは、少なくとも2つの部分的な参照シーケンス(112_1-112_n)のそれぞれについて部分的な相関結果(116_1-116_n)を得るために、前記パイロット・シーケンス(108)を前記少なくとも2つの部分的な参照シーケンス(112_1-112_n)と個別に相関させるステップを含み、
前記パイロット・シーケンス(108)と前記参照シーケンスを相関させるステップは、前記データ・パケット(106)についての粗い相関結果(118)を得るために、前記部分的な相関結果(116_1-116_n)を非コヒーレントに加算するステップ
を含む、方法。
【請求項18】
請求項1に記載の前記方法を実行するためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、レシーバに関する。さらなる実施形態は、データ・パケットを受信するための方法に関する。いくつかの実施形態は、最適化されたプリアンブルに関する。いくつかの実施形態は、干渉ロバスト検出に関する。いくつかの実施形態は、プリアンブル分割に関する。いくつかの実施形態は、非コヒーレント相関に関する。いくつかの実施形態は、パイロット・シグナリングに関する。
【背景技術】
【0002】
多数のノード、例えば、加熱、電気又は水道メータから少量のデータ例えばセンサ・データを基地局に送信するためのシステムは、知られている。基地局は、多数のノードからの信号を受信し、場合によっては多数のノードを制御する。基地局では、より高い計算能力とより複雑なハードウェアすなわちより高いパフォーマンスを有するレシーバが、利用可能である。ノードにおいては、一般に10ppm以上の周波数オフセットを有する安価な結晶のみが利用可能である。
【0003】
[G. Kilian, H. Petkov, R. Psiuk, H. Lieske, F. Beer, J. Robert, and A. Heuberger, "Improved coverage for low-power telemetry systems using telegram splitting," in Proceedings of 2013 European Conference on Smart Objects, Systems and Technologies (SmartSysTech), 2013]において、テレグラム分割を使用する低電力テレメトリ・システムについての適用範囲の改善は、示されている。
【0004】
[G. Kilian, M. Breiling, H. H. Petkov, H. Lieske, F. Beer, J. Robert, and A. Heuberger, "Increasing Transmission Reliability for Telemetry Systems Using Telegram Splitting," IEEE Transactions on Communications, vol. 63, no. 3, pp. 949-961, Mar. 2015]において、テレグラム分割を使用するテレメトリ・システムについての送信信頼性の向上は、示されている。
【0005】
[R. De Gaudenzi, F. Giannetti, and M. Luise, "Signal recognition and signature code acquisition in CDMA mobile packet communications," IEEE Transactions on Vehicular Tecohnology, vol. 47, no. 1, pp. 196-208, Feb. 1998]において、CDMA(CDMA=code division multiple access)モバイル・パケット通信における信号認識およびシグニチャ・コード取得は、議論されている。
【0006】
[J. Block and E. W. Huang, "Packet Acquisition Performance of Frequency-Hop Spread-Spectrum Systems in Partial-Band Interference," in IEEE Military Communications Conference, 2007. MILCOM 2007, 2007, pp. 1-7]において、部分的なバンド干渉における周波数ホップ拡散スペクトル・システムのパケット取得パフォーマンスは、議論されている。
【0007】
国際公開第2013/030303号公報は、一方向のデータ送信を有するバッテリ駆動の固定されたセンサ・アセンブリを示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、トランスミッタとレシーバとの間の通信を改善する概念を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、独立請求項によって解決される。
【0010】
実施形態は、受信ユニットと同期ユニットとを備えるレシーバを提供する。受信ユニットは、パイロット・シーケンスを含むデータ・パケットを受信するように構成される。同期ユニットは、少なくとも2つの部分的な参照シーケンスのそれぞれについての部分的な相関結果を得るために、パイロット・シーケンスをデータ・パケットのパイロット・シーケンスについての参照シーケンスに対応する少なくとも2つの部分的な参照シーケンスと個別に相関させるように構成されている。そして、同期ユニットは、データ・パケットについての粗い相関結果を得るために部分的な相関結果を非コヒーレントに加算するように構成される。
【0011】
本発明の考えは、少なくとも2つの部分的な参照シーエンスのそれぞれについての部分的な相関結果を得るために、データ・パケット(又はデータ・パケットのパイロット・シーケンス)をデータ・パケットに含まれるパイロット・シーケンスよりもぞれぞれ短い少なくとも2つの部分的な参照シーケンスと相関させることによってデータ・パケットを同期することである。ここで、部分的な相関結果は、非コヒーレントに加算され、それによって、同期パフォーマンスを改善するために、データ・パケットが減少される送信チャンネルの効果を減少する。
【0012】
更なる実施形態は、方法を提供し、方法は、
-パイロット・シーケンスを含むデータ・パケットを受信するステップと、
-少なくとも2つの部分的な参照シーケンスについての部分的な相関結果を得るために、パイロット・シーケンスをデータ・パケットのパイロット・シーケンスについての参照シーケンスに対応する少なくとも2つの部分的な参照シーケンスと個別に相関させるステップと、
-データ・パケットについての相関結果を得るために部分的な相関結果を非コヒーレントに加算するステップと、
を備える。
【0013】
更なる実施形態は、受信ユニットと同期ユニットとを備えるレシーバを提供する。受信ユニットは、データ・パケット(例えば、少なくとも2つのデータ・パケット)を受信するように構成される。データ・パケットのうちの少なくとも2つ(例えば、少なくとも2つのデータ・パケットのそれぞれ)は、少なくとも2つの部分的なパイロット・シーケンスのうちの1つの部分的なパイロット・シーケンスを含む。同期ユニットは、少なくとも2つの部分的な参照シーケンスのそれぞれについての部分的な相関結果を得るために、部分的なパイロット・シーケンスを少なくとも2つの部分的な参照シーケンスと個別に相関させるように構成される。それによって、同期ユニットは、2つのデータ・パケットについての粗い相関結果を得るために部分的な相関結果を非コヒーレントに加算するように構成される。
【0014】
更なる実施形態は、方法を提供し、方法は、
-少なくとも2つのデータ・パケットを受信するステップであって、少なくとも2つのデータ・パケットのそれぞれが少なくとも2つの部分的なパイロット・シーケンスのうちの部分的なパイロット・シーケンスを含むステップと、
-少なくとも2つの部分的な参照シーケンスのそれぞれについて部分的な相関結果を得るために、部分的なパイロット・シーケンスを少なくとも2つの部分的な参照シーケンスと個別に相関させるステップと、
-2つのデータ・パケットについての粗い相関結果を得るために部分的な相関結果を非コヒーレントに加算するステップと、
を備える。
【0015】
更なる実施形態は、受信ユニットと同期ユニットとを備えるレシーバを提供する。受信ユニットは、パイロット・シーケンスを含むデータ・パケットを受信するように構成される。同期ユニットは、相関結果を得るために、参照シーケンスをパイロット・シーケンスと相関させるように構成される。それによって、同期ユニットは、データ・パケットのシンボルにウエイト・ファクタを適用する、パイロット・シーケンスのシンボルにウエイト・ファクタを適用する、又は、パイロット・シーケンスの各シンボルに個別のウエイト・ファクタを適用するように構成される。
【0016】
更なる実施形態は、受信ユニットと同期ユニットとを備えるレシーバを提供する。受信ユニットは、パイロット・シーケンスを含むデータ・パケットを受信するように構成される。同期ユニットは、相関結果を得るために、参照シーケンスをパイロット・シーケンスと相関させるように構成される。それによって、同期ユニットは、データ・パケットを検出するための相関ウインドウを使用するように構成される。ここで、データ・パケットは、相関ウインドウの範囲内の所定の閾値を超える全ての相関ピークのうちの最も高いピークを検出することによって検出される。
【0017】
有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0018】
いくつかの実施形態において、部分的な相関結果を非コヒーレントに加算することは、相関後の位相情報を、例えば、部分的な相関結果の絶対値、2乗された絶対値又は近似絶対値を加算することによって、破棄することを含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、同期ユニットは、部分的な相関結果の絶対値、2乗された絶対値又は近似絶対値を加算することによって部分的な相関結果を非コヒーレントに加算するように構成されることができる。
【0020】
いくつかの実施形態において、少なくとも2つの部分的な参照シーケンスは、参照シーケンスの少なくとも2つの異なる部分であることができる。
【0021】
いくつかの実施形態において、データ・パケットは、参照シーケンスとして少なくとも2つの部分的な参照シーケンスを含むことができる。
【0022】
いくつかの実施形態において、受信ユニットは、少なくとも2つのデータ・パケットを受信するように構成されることができる。ここで、少なくとも2つのデータ・パケットの一部のみは、パイロット・シーケンスを含み、例えば、受信ユニットは、パイロット・シーケンスを伴うことなく、データ・パケットを受信するように構成されることができる。
【0023】
いくつかの実施形態において、受信ユニットは、少なくとも2つのデータ・パケットを受信するように構成されることができる。ここで、少なくとも2つのデータ・パケットのそれぞれは、パイロット・シーケンスを含むことができる。同期ユニットは、少なくとも2つのデータ・パケットのそれぞれについての少なくとも2つの部分的な参照シーケンスのそれぞれについての部分的な相関結果を得るために、少なくとも2つのデータ・パケットのそれぞれのパイロット・シーケンスを対応するデータ・パケットのパイロット・シーケンスについての参照シーケンスに対応する少なくとも2つの部分的な参照シーケンスと個別に相関させるように構成されることができる。さらに、同期ユニットは、少なくとも2つのデータ・パケットのそれぞれについての粗い相関結果を得るために少なくとも2つのデータ・パケットのぞれぞれについての部分的な相関結果の少なくとも一部を非コヒーレントに加算するように構成されることができ、そして、結合された粗い相関結果を得るために少なくとも2つのデータ・パケットの粗い相関結果の少なくとも一部を結合するように構成されることができる。
【0024】
同期ユニットは、少なくとも2つのデータ・パケットの粗い相関結果の理想的なネイマン-ピアソン検出器の和又は近似値を使用することによって少なくとも2つのデータ・パケットの粗い相関結果を結合するように構成されることができる。
【0025】
いくつかの実施形態において、少なくとも2つのデータ・パケットは、少なくとも2つのデータ・パケットへ分離されて送信されることができるテレグラムの一部となることができる。レシーバは、テレグラムを得るために少なくとも2つのデータ・パケットを結合するように構成されるデータ・パケット結合ユニットを更に備えることができる。
【0026】
同期ユニットは、データ・パケットについての細かな相関を得るために部分的な相関結果をコヒーレントに加算するように更に構成されることができる。
【0027】
さらに、結合された粗い相関結果が所定の閾値を超える場合、同期ユニットは、少なくとも2つのデータ・パケットのそれぞれについての細かな相関結果を得るために少なくとも2つのデータ・パケットのそれぞれについての部分的な相関結果をコヒーレントに加算するように更に構成されることができる。例えば、同期ユニットは、結合された細かな相関結果を得るために、少なくとも2つのデータ・パケットの細かな相関結果を結合するように構成されることができる。
【0028】
同期ユニットは、テレグラムについての粗い相関結果を得るために、少なくとも2つのデータ・パケットの粗い相関結果を正規化し、少なくとも2つのデータ・パケットの正規化された粗い相関結果を結合するように構成されることができる。
【0029】
さらに、同期ユニットは、結合された細かな相関結果を得るために、少なくとも2つのデータ・パケットの細かな相関結果を正規化し、少なくとも2つのデータ・パケットの正規化された細かな相関結果を結合するように構成されることができる。
【0030】
いくつかの実施形態において、同期ユニットは、データ・パケットの周波数オフセットを推定するように構成されることができる。
【0031】
例えば、同期ユニットは、周波数領域におけるオーバーサンプリングと複数の周波数上の平行な相関とによって大きなオフセット(例えば、データ・レート以上)の場合に周波数オフセットを推定するように構成されることができる。最も高いピークを有する相関結果は、粗い周波数オフセットを供給する。
【0032】
さらに、同期ユニットは、隣接するシンボルの間の位相差に基づいて小さなオフセット(例えば、データ・レート未満)の場合に周波数オフセットを推定するように構成されることができる。
【0033】
さらに、同期ユニットは、これらの部分的なパイロット・シーケンスに直接的に基づいて十分に大きな部分的なパイロット・シーケンス(例えば、信号対ノイズ比に依存する)の場合に周波数オフセットを推定するように構成されることができる。
【0034】
さらに、同期ユニットは、粗い周波数オフセットを得るために粗い相関結果に基づいて、または、細かな周波数オフセットを得るために細かな相関結果に基づいて周波数オフセットを推定するように構成されることができる。
【0035】
レシーバは、推定された周波数オフセットを使用してデータ・パケットの周波数補正を適用してパイロット・シーケンスの位相シフトを推定することによってパイロット・シーケンスの位相シフトにおいて符号化されたデータ・パケットからヘッダ情報を抽出するように構成されたヘッダ抽出ユニットを備えることができる。
【0036】
いくつかの実施形態において、同期ユニットは、パイロット・シーケンスのシンボルを正規化して、正規化されたパイロット・シーケンスを得て、そして、正規化されたパイロット・シーケンスを少なくとも2つの部分的な参照シーケンスと個別に相関させるように構成されることができる。
【0037】
いくつかの実施形態において、同期ユニットは、データ・パケットについての部分的な相関結果の分散を計算し、データ・パケットについての部分的な相関結果の分散が所定の閾値以下である場合にデータ・パケットを検出するように構成されることができる。
【0038】
いくつかの実施形態において、同期ユニットは、データ・パケットのシンボルにウエイト・ファクタを適用するように構成されるか、少なくとも2つの部分的なパイロット・シーケンスのそれぞれのシンボルに個別のウエイト・ファクタを適用するように構成されるか、少なくとも2つの部分的なパイロット・シーケンスの各シンボルに個別のウエイト・ファクタを適用するように構成されるか、少なくとも2つの部分的な参照シーケンスのそれぞれに個別のウエイト・ファクタを適用するように構成されるか、又は、データ・パケットの各シンボルに個別のウエイト・ファクタを適用するように構成されることができる。
【0039】
いくつかの実施形態において、同期ユニットは、相関のメイン・ローブおよびサイド・ローブを検出し、メイン・ローブとサイド・ローブとの間の既知の距離を使用して相関結果として検出されたメイン・ローブを提供するように構成されることができる。
【0040】
いくつかの実施形態において、同期ユニットは、データ・パケットを検出するための相関ウインドウを使用するように構成されることができる。ここで、データ・パケットは、相関ウインドウの範囲内で所定の閾値を超える全ての相関ピークのうちの最も高いピークを検出することによって検出される。
【0041】
実施形態は、サブパケットの範囲内のプリアンブルの部分的な相関の使用と多数のサブパケットを跨ぐ結合とによってテレグラムの計算的に効率の良い周波数集中検出を提供する。
【0042】
更なる実施形態は、サブパケットのパイロットの部分的なプリアンブル・パート(部分的なプリアンブル)の送信についての位相オフセットを使用することによってレシーバ・パフォーマンスへの影響を与えないか又は僅かな影響しかを与えない同期パイロットと検出とを使用して(付加的な)ヘッダ情報のロバスト送信を提供する。
【0043】
更なる実施形態は、干渉ロバスト検出を提供する。
【0044】
本発明の実施形態は、添付された図面を参照しながら明細書で説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1図1は、一実施形態による、レシーバの概略的なブロック図を示す。
図2a図2aは、一実施形態による、データ・パケット(サブパケット)の概略図である。
図2b図2bは、更なる実施形態による、データ・パケット(サブパケット)の概略図を示す。
図2c図2cは、更なる実施形態による、データ・パケット(サブパケット)の概略図を示す。
図2d図2dは、更なる実施形態による、データ・パケット(サブパケット)の概略図を示す。
図2e図2eは、更なる実施形態による、データ・パケット(サブパケット)の概略図を示す。
図2f図2fは、更なる実施形態による、データ・パケット(サブパケット)の概略図を示す。
図3図3は、EP 2 914 039 A1による、データ・パケットの同期の概略図を示す。
図4図4は、一実施形態による、データ・パケットの同期の概略図を示す。
図5図5は、経時的にBarker-7コード・プロッタの自己相関関数の振幅を示す。
図6図6は、経時的に干渉子プロッタによって引き起こされるより高いサイド・ローブを有するBarker-7コードの自己相関関数の振幅を示す。
図7a図7aは、3つの異なるタイム・スロットについて、2つの部分的なパイロット・シーケンスとデータ・シーケンスと、データ・パケットをオーバーレイする長い干渉子と、を有するデータ・パケットの概略図を示す。
図7b図7bは、3つの異なるタイム・スロットのそれぞれについて経時的にプロットされたテレグラムの広い正規化またはサブパケットのための受信能力および正規化された受信能力を示す。
図8a図8aは、3つの異なるタイム・スロットについて、2つの部分的なパイロット・シーケンスとデータ・シーケンスと、データ・パケットをオーバーレイする短い干渉子と、を有するデータ・パケットの概略図を示す。
図8b図8bは、3つの異なるタイム・スロットのそれぞれについて経時的にプロットされたテレグラムの広い正規化またはサブパケットのための受信能力および正規化された受信能力を示す。
図9a図9aは、3つの異なるタイム・スロットについて、2つの部分的なパイロット・シーケンスとデータ・シーケンスと、データ・パケットをオーバーレイする短い干渉子と、を有するデータ・パケットの概略図を示す。
図9b図9bは、3つの異なるタイム・スロットのそれぞれについて経時的にプロットされたシンボルの広い正規化のための受信能力および正規化された受信能力を示す。
図10図10は、一実施形態による、全ての(又は少なくとも一部の)データ・パケットにわたる分散の計算の概略図とともにコミュニケーション・チャンネルにわたる複数のデータ・パケットに分離されて送信されるテレグラムの一部である複数のデータ・パケットを示す。
図11図11は、一実施形態による、データ・パケットのそれぞれが2つの部分的なパイロット・シーケンスを有し、各データ・パケットについての部分的なパイロット・シーケンスのそれぞれに対して個別のウエイティング・ファクタを適用することによって実行されるパイロット・シーケンスの重み付けを3つのデータ・パケットの概略図で示す。
図12図12は、一実施形態による、経時的にプロットされた相関関数の振幅を示す。
図13図13は、一実施形態による、検出ウインドウの概略図を示す。
図14図14は、一実施形態による、検出ウインドウを使用してデータ・パケットを検出する方法のフローチャートを示す。
図15図15は、一実施形態による、データ・パケットを検出するために用いられる検出ウインドウおよび閾値と、3つの異なるタイム・スロットについて経時的にプロットされた相関結果の振幅と、を3つの図で示す。
図16図16は、一実施形態による、コミュニケーション・チャンネルにわたる複数のデータ・パケットに分離されて送信されるテレグラムの一部である複数のデータ・パケットと3つのデータ・パケットにわたる部分的な相関の概略図とを示す。
図17図17は、データ・パケットを受信する方法のフローチャートを示す。
図18図18は、一実施形態による、レシーバの概略的なブロック図を示す。
図19図19は、一実施形態による、データ・パケットを受信する方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
同じ又は同等の機能を有する同じ又は同等の要素は、以下の説明において、同じ又は同等の参照符号で示されている。
【0047】
以下の説明では、複数の詳細は、本発明の実施形態のより完全な説明を提供するために示されている。しかし、当業者には、本発明の実施形態がこれらの特定の詳細なしに実施され得ることは、明らかであろう。他の例では、周知の構造および装置は、本発明の実施形態を不明瞭にすることをさけるために詳細であるよりもむしろブロック図の形態で示されている。加えて、以下に説明される異なる実施形態の特徴は、特記しない限り、互いに組み合わせることができる。
【0048】
図1は、一実施形態によるレシーバ100の概略的なブロック図を示す。レシーバ100は、受信ユニット102と同期ユニット104とを備える。受信ユニット102は、パイロット・シーケンス108を含むデータ・パケット106を受信するように構成されている。
【0049】
例えば、受信ユニット102は、レシーバ100にコミュニケーション・チャンネルに渡ってトランスミッタから送信された信号を受信し復調し、そして、それに基づいてデータ・パケット106を含むデータ・ストリームを提供するように構成されている。
【0050】
データ・パケット106は、パイロット・シーケンス108と、パイロット・シーケンス108の前、後又は間(図1に示されておらず、例えば、図2参照)に配置された1つ又は複数のデータ・シーケンス110と、を含むことができる。データ・パケット106は、複数のデータ・パケット(又はサブパケット)に分離されて送信されるテレグラムの一部となることができる。
【0051】
同期ユニット104は、少なくとも2つの部分的な参照シーケンス112_1から112_nのそれぞれについての部分的な相関結果116_1から116_nを得るために、パイロット・シーケンス108を少なくとも2つの部分的な参照シーケンス112_1から112_n(nは2以上の自然数とすることができる)と個別に相関させるように構成されている。ここで、同期ユニット104は、データ・パケット106についての粗い相関結果118を得るために部分的な相関結果116_1から116_nを非コヒーレントに加算するように構成されている。
【0052】
例えば、同期ユニット104は、受信ユニット102によって提供されるデータ・ストリームを少なくとも2つの部分的な参照シーケンス112_1から112_nまでと個別に相関させるように構成されることができる。
【0053】
少なくとも2つの部分的な参照シーケンス112_1から112_nのそれぞれは、データ・パケットのパイロット・シーケンス108よりも短くあることができる。
【0054】
少なくとも2つの部分的な参照シーケンス112_1から112_nは、データ・パケット106のパイロット・シーケンス108についての参照シーケンス114に対応することができる。すなわち、少なくとも2つの部分的な参照シーケンス112_1から112_nは、データ・パケットのパイロット・シーケンス108についての参照シーケンス114の一部となることができる。トランスミッタとレシーバ100との間の理想的なコミュニケーション・チャンネルを仮定すると、参照シーケンス108とパイロット・シーケンスとは、同じである。少なくとも2つの部分的な参照シーケンス112_1から112_nのそれぞれは、参照シーケンス114よりも短くあることができる。例えば、参照シーケンス114は、少なくとも2つの(又はnの)部分的な参照シーケンス112_1から112_nを得るために、少なくとも2つの(又はnの)部分(又は集合)へ分けられることができる。すなわち、参照シーケンス114の第1部分は、少なくとも2つの部分的な参照シーケンス112_1から112_nの第1であり、参照シーケンス114の第2部分は、少なくとも2つの部分的な参照シーケンス112_1から112_nの第2であり、以下同様である(該当する場合)。
【0055】
同期ユニット104は、部分的な相関結果の絶対値、2乗された絶対値又は近似絶対値を加算することによって部分的な相関結果を非コヒーレントに加算するように構成されることができる。
【0056】
パイロット(又はパイロット・シンボルのシーケンス(パイロット・シーケンス))は、データ・パケット又はサブパケットの範囲内で送信されることができる。パイロットは、パケット、時間同期及び周波数同期の検出のうちの少なくとも1つについて使用されることができる。
【0057】
図2aから図2fまでの以下の議論から明らかになるであろうように、サブパケットの範囲内でパイロットの位置決めのための異なる方法が存在する。
【0058】
図2aは、一実施形態によるデータ・パケット(サブパケット)106の概略図を示す。データ・パケット106は、パイロット・シーケンス108と、パイロット・シーケンス108の前後に配置された2つのデータ・シーケンス110と、を含む。データ・パケット106のシンボルは、複素ベクトル図を用いて示される。すなわち、各矢印は、データ・パケットを送信するために用いられる変調方法の1つのシンボルを図示することができる。
【0059】
図2aに示されるように、実施形態において、パイロット・シーケンス108は、少なくとも2つの部分的なパイロット・シーケンス108_1から108_nを含むことができる。すなわち、パイロット・シーケンス108は、少なくとも2つの部分的なパイロット・シーケンス108_1から108_nに分離されることができる。これによって、部分的なパイロット・シーケンス108_1から108_nのそれぞれは、対応する部分的な参照シーケンス112_1から112_nを有することできる。例えば、第1の部分的な参照シーケンス112_1は、対応する第1の部分的なパイロット・シーケンス108_1を有することができ(すなわち、第1の部分的なパイロット・シーケンス108_1を第1の部分的な参照シーケンス112_1と相関させるとき、相関ピークが最大化される。)、第2の部分的な参照シーケンス112_2は、対応する第2の部分的なパイロット・シーケンス108_2を有することができ(すなわち、第2の部分的なパイロット・シーケンス108_2を第2の部分的な参照シーケンス112_2と相関させるとき、相関ピークが最大化される。)、以下同様である(該当する場合に)。
【0060】
図2bは、一実施形態によるデータ・パケット(サブパケット)106の概略図を示す。データ・パケット106は、2つの部分的なパイロット・シーケンス108_1及び108_2と、2つの部分的なパイロット・シーケンス108_1及び108_2の間に配置されたデータ・シーケンス110と、を含む。データ・パケット106のシンボルは、複素ベクトル図を用いて示されている。すなわち、各矢印は、データ・パケットを送信するために用いられる変調方法の1つのシンボルを図示することができる。
【0061】
図2cは、一実施形態によるデータ・パケット(サブパケット)106の概略図を示す。データ・パケット106は、2つの部分的なパイロット・シーケンス108_1及び108_2と、2つの部分的なパイロット・シーケンス108_1及び108_2の間に配置されたデータ・シーケンス110と、を含む。これによって、第2の部分的なパイロット・シーケンス108_2は、第1の参照シーケンス108_1よりも(例えば2倍)長い。データ・パケット106のシンボルは、複素ベクトル図を用いて示されている。すなわち、各矢印は、データ・パケットを送信するために用いられる変調方法の1つのシンボルを図示することができる。
【0062】
図2dは、一実施形態によるデータ・パケット(サブパケット)106の概略図を示す。データ・パケット106は、2つの部分的なパイロット・シーケンス108_1及び108_2と、2つの部分的なパイロット・シーケンス108_1及び108_2の前、後及び間に配置された3つのデータ・シーケンス110と、を含む。データ・パケット106のシンボルは、複素ベクトル図を用いて示されている。すなわち、各矢印は、データ・パケットを送信するために用いられる変調方法の1つのシンボルを図示することができる。
【0063】
図2eは、一実施形態によるデータ・パケット(サブパケット)106の概略図を示す。データ・パケット106は、2つの部分的なパイロット・シーケンス108_1及び108_2と、2つの部分的なパイロット・シーケンス108_1及び108_2の前、後及び間に配置された3つのデータ・シーケンス110と、を含む。データ・パケット106のシンボルは、複素ベクトル図を用いて示されている。すなわち、各矢印は、データ・パケットを送信するために用いられる変調方法の1つのシンボルを図示することができる。データ・パケット106のシンボルは、複素ベクトル図を用いて示されている。すなわち、各矢印は、データ・パケットを送信するために用いられる変調方法の1つのシンボルを図示することができる。
【0064】
図2fは、一実施形態によるデータ・パケット(サブパケット)106の概略図を示す。データ・パケット106は、2つの部分的なパイロット・シーケンス108_1及び108_2に分離される(又はレシーバ100によって分離されることができる)パイロット・シーケンス108からなる。データ・パケット106のシンボルは、複素ベクトル図を用いて示されている。すなわち、各矢印は、データ・パケットを送信するために用いられる変調方法の1つのシンボルを図示することができる。
【0065】
パイロット108は、データ・パート110と同様の変調方式を使用する必要はないが使用することができる。各データ・パケット106のパイロット108は、少なくとも2つの部分、ここでは例えばp1(108_1)及びp2(108_2)に分割されることができる。少なくとも2つの部分p1(108_1)及びp2(108_2)は、時間的に分離される必要はないが、時間的に分離されることができる。p1(108_1)及びp2(108_2)の時間にわたる信号は、レシーバ100に知られることができる。レシーバ100で受信された信号は、ノイズのようなチャンネル障害によって影響されることができる。トランスミッタ及びレシーバ100によって使用される結晶のオフセットのために、受信信号の正確な時間、周波数オフセットおよび位相オフセットは、最初はレシーバ100に知られていない。
【0066】
信号を検出するために、レシーバ100は、受信信号に対して全体信号p1(108_1)及びp2(108_2)の相互相関を実行することができる。周波数オフセットの存在において、このことは、相関ピークを減少する。
【0067】
EP 2 914 039 A1は、図3の議論から明らかになるように、これらの効果を減少するためにサブパケット・バージョンを使用することを提案する。
【0068】
詳細には、図3は、EP 2 914 039 A1によるデータ・パケット106の同期の概略図を示す。受信されたデータ・パケット106は、図2bで示されるデータ・パケット106に対応する。しかし、データ・パケット106は、周波数オフセットによって影響される。このことは、図3においてデータ・パケットのシンボルを説明するために用いられるベクトルの回転によって示されている。
【0069】
さらに、図3において、参照シーケンス(又は相関シーケンス)112_1及び112_2と、参照シーケンス(又は相関シーケンス)112_1及び112_2をデータ・パケット106と相関させることによって得られる相関積115_1および115_2と、全ての積にわたる合計としての相関結果118と、は示されている。これによって、相関ピークの長さは、周波数オフセットにより減少される。
【0070】
より大きな周波数オフセットについては、図2aで示されるサブパケットの相関ピークでさえも、重要な方法で低減されることができる。
【0071】
<結合された部分的なプリアンブル相関の検出>
図3とは対称的に、実施形態は、結合された部分的なプリアンブル相関(cppc)の検出を提供する。これによって、小さなサブパケットの範囲内で少なくとも2つの受信された部分的なプリアンブル・パート(rp1、rp2、…)の非コヒーレントな結合は、使用されることができる。
【0072】
例えば、いくつかの実施形態は、CDMA検出のためのコード整合フィルタ出力の非コヒーレントな結合を提案する。データの長いストリームにおいて、単一のCDMAシンボルの複合的な整合フィルタ出力は、結合されることができる。
【0073】
さらに、実施形態は、周波数ホップ拡散スペクトル・システムの単一のホップの相関結果の非コヒーレントな結合の異なる方法を提案する。単一のホップの相関結果は、結合されることができる。
【0074】
以下の議論から明らかになるように、第1に、サブパケット(又はHOP)レベル上の非コヒーレントな結合は、使用されることができ(図4参照)、そして第2に、全体的な結果への既に結合されたサブパケット・レベル結果の結合は、使用されることができる。
【0075】
図4は、一実施形態によるデータ・パケット106の同期の概略図を示す。受信されたデータ・パケット106は、図2bに示されるデータ・パケット106に対応する。しかしながら、データ・パケット106は、周波数オフセットに影響され、このことは、図4においてデータ・パケットのシンボルを記述するために用いられるベクトルの回転によって示されている。
【0076】
さらに、図4において、少なくとも2つの部分的な参照シーケンス(又は相関シーケンス)rp1(108_1)及びrp2(108_2)と、少なくとも2つの部分的な参照シーケンス(又は相関シーケンス)108_1及び108_2をデータ・パケット106と相関させることによって得られる相関積cp1(115_1)及びcp2(115_2)と、個別の相関積cp1(115_1)及びcp2(115_2)を合計すること(例えば、等式cp1=rp1*conj(p1)及びcp2=rp2*conj(p2)を使用すること)によって得られる部分的な相関結果c1(116_1)及びc2(116_2)と、そして、部分的な相関結果c1(116_1)及びc2(116_2)を非コヒーレントに加算することによって得られるデータ・パケット106についての粗い相関結果spm(118)と、は示されている。
【0077】
言い換えれば、図4に示されるように、第1の部分的な参照シーケンスp1(112_1)及び第2の部分的な参照シーケンスp2(112_2)と第1の部分的なパイロット・シーケンスrp1(108_1)及び第2の部分的なパイロット・シーケンスrp2(108_2)との相関は、それぞれ実行される。このことは、部分的な相関結果c1(116_1)及びc2(116_2)に帰着する。
【0078】
さらに、abs()のような非線形演算、abs()の近似値、又は、任意の他の非線形演算は、サブパケットの部分的なプリアンブル・パートの部分的な相関結果c1(116_1)及びc2(116_2)、又は、理想的なネイマン-ピアソン検出器の任意の近似値に適用されることができる。このことは、値L1及びL2に帰着する。値の加算は、サブパケット・プリアンブル・メトリックspm=L1+L2に帰着する。周波数オフセットが存在する場合にspm=L1+L2は、図2aに示されるサブパケットについてさえ、直接的な相関cdirect=abs(c1+c2)に関して、より長い。
【0079】
このことは、次の利点を提供する。方法は、周波数オフセットに対するロバストである。トランスミッタとレシーバとの間の大きな結晶オフセットの存在下において、プリアンブルを発見するために、より少ないサブバンドは検索されなければならない。
【0080】
既に述べたように、データ・パケット106は、複数のデータ・パケット(又はサブ・パケット)に分離されて送信されるテレグラムの部分となることができる。
【0081】
受信ユニット102は、少なくとも2つのデータ・パケット106を受信するように構成されることができる。ここで、少なくとも2つのデータ・パケット106のそれぞれは、パイロット・シーケンス108を含み、少なくとも2つのデータ・パケット106は、少なくとも2つのデータ・パケット106に分離されて送信されるテレグラムの一部である。同期ユニット104は、少なくとも2つのデータ・パケット106のそれぞれについての少なくとも2つの部分的な参照シーケンスp1(112_1)及びp2(112_2)のそれぞれについての部分的な相関結果c1(116_1)及びc2(116_2)を得るために、少なくとも2つのデータ・パケットのそれぞれのパイロット・シーケンス108を対応するデータ・パケット106のパイロット・シーケンスについての参照シーケンスに対応する少なくとも2つの部分的な参照シーケンスp1(112_1)及びp2(112_2)と個別に相関させるように構成されることができる。さらに、同期ユニット104は、少なくとも2つのデータ・パケット106のそれぞれについての粗い相関結果spm(118)を得るために少なくとも2つのデータ・パケット106のそれぞれについての部分的な相関結果c1(116_1)及びc2(116_2)を非コヒーレントに加算するように構成されることができる。さらに、同期ユニット104は、テレグラムについての粗い相関結果を得るために、少なくとも2つのデータ・パケット106の粗い相関結果spm(118)を結合するように構成されることができる。
【0082】
言い換えれば、サブパケットの粗い相関結果spm(118)(それは1つの部分的な相関のみに基づくこともできる)は、テレグラム・プリアンブル・メトリック(又はテレグラムについての粗い相関結果)tpmに結合されることができる。結合は、例えば、単一の合計によって、又は、理想的なネイマン-ピアソン検出器の他の近似値によって実行されることができる。
【0083】
これは、より少ない計算能力が必要とされるという利点を有する。
【0084】
例えば、図2aに示されるサブパケット・バージョンa)の15倍及び図2bに示されるサブパケット・バージョンb)の15倍のような、各サブパケットにおける2つの部分的なプリアンブルを有する30個のサブパケット、は、使用されることができる。各時間ステップで唯一の合計を使用すると、60個の加算、すなわち、2つの部分的なプリアンブルが乗算された30個のサブパケットは、必要とされる。仮に、提案されるように、2つの連続する合計が使用される場合に、計算能力は、減少されることができる。各時間ステップにおいて、サブパケット・バージョンa)にわたるspmとサブパケット・バージョンb)にわたる1つの合計とは、計算されることができる。結果的なspm a)およびspm b)は、メモリに保存されることができる。それから、予め計算されたspm
a)及びspm b)にわたる合計は、メモリに保存された値に従って計算されることができる。その場合、予め計算されたものについての唯2個の加算と最終合計についての30個の加算とは、必要とされる。
【0085】
同期ユニット104は、テレグラムについての粗い相関結果が所定の閾値を超える場合に、少なくとも2つのデータ・パケット106のそれぞれについての細かな相関結果を得るために少なくとも2つのデータ・パケット106のそれぞれについての部分的な相関結果c1(116_1)及びc2(116_2)をコヒーレントに加算するように更に構成されることができる。さらに、同期ユニット104は、テレグラムについての細かな相関結果を得るために、少なくとも2つのデータ・パケットの細かな相関結果を結合するように構成されることができる。
【0086】
言い換えれば、非コヒーレントな加算を有する第1の検索(又は段階)は、コヒーレントな加算を有する第2の検索(又は段階)に結合されることができる。
【0087】
1つのサブパケットの少なくとも2つの同期部分の非コヒーレントな加算を有する前述の技術は、使用されることができる。その後、全てのサブパケットにわたる合計は、計算されることができる。この値は、閾値と比較されることができ、その値が閾値を上回る場合に第2の相関は、行われることができる。
【0088】
第2の段階は、サブパケットの内側にある又はテレグラムの全てのホップにわたる全ての部分のコヒーレントな加算を有する相関を計算することができる。このことは、多数の異なる仮説的な周波数オフセットについての仮説テストとして行われる。準相関結果のコヒーレントな加算から得られる値も、閾値に対して比較される。その値が検出範囲内にある場合に、パケットの始まりは、検出される。第1の段階(非コヒーレントな加算)は、粗い周波数オフセットを生じ、粗い周波数オフセットは、第2の段階について必要となる。第2の段階は、より正確な周波数オフセットを提供し、より正確な周波数オフセットは、次のデコーダに使用されることができる。
【0089】
この技術は、2段階の検出を必要とする。第2の相関は、第1の相関よりも遥かに周波数感度がよく、したがって必要とされる異なる周波数オフセットに関するより多くの計算が生じる。計算能力を減少するために、第1の段階がパケットを検出する場合にのみ、第2の相関は、行われる。したがって、計算能力の増大は、とても低い。
【0090】
この技術は、細かな推定された周波数オフセットを提供し、細かな推定された周波数オフセットは、デコーダに有益である。デコーダは、計算能力を節約する。なぜなら、それは、周波数オフセットを再び計算する必要がないからである。
【0091】
<ヘッダ情報のシグナリングのためのパイロットの使用>
以下では、ヘッダ情報のシグナリングのためにパイロットを使用する実施形態を説明する。
【0092】
データ・パケット106は、パイロット・シーケンス108の位相シフトにおいて符号化されたヘッダ情報を含むことができる。レシーバ100は、データ・パケット106の推定された周波数オフセットを使用してデータ・パケットに周波数補正を適用することとパイロット・シーケンスの位相シフトを推定することとによってデータ・パケットからヘッダ情報を抽出するように構成されたヘッダ抽出ユニットを備えることができる。
【0093】
結合された部分的なプリアンブル相関(cppc)又は他の方式が使用される場合に、プリアンブル検出器のパフォーマンスは、完全に感受性がないか、または、送信された部分的なパイロット・シーケンスp1(108_1)及びp2(108_2)の位相回転に対する忍耐強い方法で感受性がない。
【0094】
トランスミッタは、部分的なパイロット・シーケンスp1(108_1)及びp2(108_2)に[-pi,pi]の範囲の任意の位相シフトphiを加算することができる。
【0095】
提案されたシフト方式は、他にもある。
‐ p1’=p1*exp(2*pi*phi),p2’=p2*exp(-2*pi*phi)、すなわち、p1とp2とは、反対方向にシフトされる。
‐ p1’=p1,p2’=p2*exp(-2*pi*phi)、すなわち、p2のみが、シフトされる。
‐ p1’=p1*exp(2*pi*phi),p2’=p2、すなわち、p1のみが、シフトされる。
ここで、p1’は、p1の位相シフトバージョンであり、p2’は、p2の位相シフトバージョンの位相である。
【0096】
さらに、説明された方式の結合は、可能である。全ての差動位相変調方式は、使用されることができる。位相シフトは、フォワード・エラー補正(FEC)がトランスミッタ・コード・シンボルcに帰着する状態で送信bされるべきヘッダ・ビットを符号化することによって部分的なパイロット・シーケンス/サブパケットの全て又はサブセットについて計算されることができる。Golay Codes、BCH Codes、Convolutional code又はTurbo Codes又はLDPC Codes又は他の符号は、使用されることができる。コード・シンボルは、部分的なパイロット・シーケンス/サブパケットiについてインデックスiを有する位相シフトphi_iにマップされることができる。
【0097】
(プリアンブルが変調されたMSK/GMSKである場合のp1からp2までの位相オフセットの生成)
次に、MSK(MSK=minimum shift keying)又はGMSK(GMSK=Gaussian filtered minimum shift keying)変調プリアンブル108の部分的なパイロット・シーケンスp1(108_1)及びp2(108_2)の位相オフセットの生成は、説明される。
【0098】
システムがパケットについてMSK又はGMSK変調を使用する場合に、トランスミッタは、部分的なパイロット・シーケンスp1(108_1)又はp2(108_2)についての位相オフセットを導入するために容易に採用されることができる。さらに、p2に集中する。
【0099】
差動MSK/GMSKが使用される場合に、p2の第1のビットは、反転されることができ、かつ/又は、p2の後のデータ部分の第1のシンボルは、存在する場合に、反転されることができる。
【0100】
予め符号化されたMSK/GMSKが使用される場合に、p2の全てのシンボルは、反転されることができる。
【0101】
(受信された位相シフトの復号化)
レシーバ100(又は同期ユニット104)は、次のことにより構成されることができる。:
1.部分的なプリアンブルの検査(例えば、cp1及びcp2における受信シンボルの位相差が分析されることができる)によって受信信号の周波数オフセットf_rのおおよその推定を実行すること
2.おおよその周波数補正rp1’=rp1*exp(-2*p*f_r)及びrp2’=rp2*exp(-2*p*f_r)を実行すること
3.rp1’とrp2’との間の位相オフセットphi’を推定すること(例えば、phi’=arg(c1*conj(c2))の計算を行うことによって、おおよその周波数補正が十分でありphi’がほとんどの場合に位相の曖昧さを伴うことなく推定されることができるように、p1及びp2のデザインが予め形成されることができることを注釈する)
4.送信されたphi_iの対数見込みIIr_i又は簡易推定を計算すること
5.チャンネル・デコーダによってIIr_iの中から送信されたヘッダ・ビット・ベクトルh_eを復号化すること
【0102】
(プリアンブルにおける送信された位相オフセットの除去)
ベクトルh_eがレシーバで復号化されたとき、それは、再び符号化されることができる。このことは、位相オフセットphi_e_iのリストを与える。
【0103】
この位相オフセットphi_e_iは、受信信号において受信された部分的なプリアンブル(ここではrp2)の位相シフトを除去するために用いられることができる。したがって、デコーダは、ヘッダ情報の送信を伴わない方法と同様の方法で受信されたサブパケットを復号化することを継続することができる。
【0104】
<干渉ロバスト検出>
送信は、通常、免許不要バンド(例えば、ISM(ISM=工業、化学および医療(industrial, scientific and medical))バンド)で行われ、かつ/又は、センサ・ノードは、基地局で同期されない。それゆえに、同じタイム・スロットを使用する他のシステムとの干渉は、発生する。システムが基地局と同期されない場合に、他のセンサ・ノードとの干渉も、発生する。
【0105】
この干渉は、レシーバにおける検出のパフォーマンスに消極的な影響を与える。一方では、それは、メイン・ローブの相関の相関結果を減少することができ、他方では、それは望まれないサイド・ローブを増大する。これらのサイド・ローブは、7の長さを有するバーカー・コードについて図5に示されている。サイド・ローブは、ピークであり、それは、自己相関関数の中間にはなく、0に等しくない。
【0106】
サイド・ローブでの誤検出を避けるために、閾値は、最も高いサイド・ローブよりも大きくなければならない。
【0107】
自己相関関数13において、値は、計算される。その結果、1つのタイム・スロットは、1つのシンボル・タイムに等しい。より多くのタイム・スロット(例えば、1/2シンボル・タイムに等しい1つのタイム・スロット)又はより少ないタイム・スロット(2つのシンボル・タイムに等しい1つのタイム・スロット)を使用することも、可能である。
【0108】
レシーバでの強力な能力を有する干渉子が空中にある場合、相関結果は、このタイム・スロットでのほとんどの場合において、非常に高く、そして、誤検出は、発生し得る。このことは、図6に示されている。干渉子は、相関結果を増大し、「干渉ピーク」を生じる。その結果、値は、所定の閾値を上回り、誤検出に繋がる。
【0109】
干渉子の場合にかつ/又は非理想的な相関シーケンスについて、誤検出の数を減少するためのいくつかの技術は、存在する。そして、それらは、以下で説明される。それらは、スタンドアローンで使用されることができ、または、それらは、より良い結果を達成するために結合されて使用されることができる。
【0110】
(正規化)
望まれる信号の使用されるバンドにおいて干渉子が発生する場合、送信されたシンボルの歪は、発生する可能性がある。この場合における歪は、干渉子の送信時間の間の各シンボル上での任意の位相及び振幅オフセットである。
【0111】
そのような干渉子の影響を減少するために、正規化が行われる。この非線形演算は、1つのサブパケット、テレグラムにわたる又は各送信されたシンボルの能力に等しい。
【0112】
言い換えれば、サブパケット・ワイズ正規化のために、例えば、1つのサブパケットの長さにわたる平均能力は、計算される。この計算は、各タイム・スロットについて個別に行われる。Pmean[m]=sum(Pin)/N (Pinは、サブパケット長さの内側にあるシンボルの能力である。Nは、シンボルの中の1つのサブパケットの長さである。mは、各タイム・スロットについてのインデックスである。)
【0113】
この値は、従うタイム・スロットの内側にある1つのサブパケットの長さの全てのシンボルに適用される。例えば、各シンボルの受信能力は、1つのサブパケット(Pout[k]=Pin[k]/Pmean[m],k=サブパケット長さの内側にあるシンボル数)の平均能力によって分けられる。
【0114】
図7aは、2つの部分的なパイロット・シーケンス108_1及び108_2とデータ・シーケンス110とを有するデータ・パケット106の概略図を示す。ここで、データ・パケット106は、長い干渉子130によってオーバーレイされる(又は重ねられる)。図7bは、図7aの3つのタイム・スロットのそれぞれについて経時的にプロットされた受信能力および正規化された受信能力を示す。
【0115】
詳細には、図7a及び図7bは、3つの異なるタイム・スロットを有する、この技術についての例を示す。各タイム・スロットについてシンボルにおける1つのサブパケットの長さは、カットされる。第2のタイム・スロットは、完璧なものを示す。ここでサブパケットの全てのシンボルは、カット・エリアの内側にある。第1の及び最後のものは、早すぎ又は遅すぎる。
【0116】
全ての3つのタイム・スロットに関して、干渉子は、全体時間でアクティブであり、干渉子の能力がシンボル能力よりもはるかに高いことは、想定される。受信能力(使用されるバンドにおける信号と干渉子との和の合計)は、図7bにおける全ての3つの場合においてライン132として示されている。
【0117】
カットの後、上述の等式を有する平均能力は、各タイム・スロットについて計算される。各タイム・スロットにおいて、各シンボルは、上記等式で記述されるこの平均能力値によって分けられる。それゆえ、各タイム・スロットにおける平均能力は、現在1に等しい。空中での送信の間干渉子が存在しない場合に、正規化の後の平均能力も、1に等しい。完全に干渉されたサブパケットの影響は、現在、干渉子を伴わないものと同じである。正規化された受信能力は、図7bの全ての3つの場合においてライン134として示されている。
【0118】
正規化値の計算について、1つのサブパケットの長さよりも長く、例えば、2つのサブパケットの長さで、カットすることも、可能である。この場合も、サブパケットの前後の長さの1/2をカットする。正規化値の計算に使用される長さが長くなればなるほど、短い干渉子に対する結果は、良くなる。短い干渉子は、そのエリアの内側にあるシンボルのサブセットのみを増大し、計算に使用される。シンボルの小さなサブセットのみが干渉される場合に、これらのシンボルの影響は、非常に低い。
【0119】
この方法は、干渉子の期間が1つのサブパケットの期間よりもはるかに大きい場合に、うまく機能する。その期間が、サブパケット期間と同じ領域内にあるか又はサブパケット期間より短い場合に、この正規化は、不要な結果を生ずる。この問題は、図8a及び図8bにおける例で説明されている。
【0120】
図8aは、2つの部分的なパイロット・シーケンス108_1及び108_2とデータ・シーケンス110とを有するデータ・パケット106の概略図を示す。データ・パケット106は、短い干渉子130によってオーバーレイされる(又は重ねられる)。図8bは、図8aの3つのタイム・スロットのそれぞれについて経時的にプロットされた受信能力および正規化された受信能力を示す。受信能力(使用されるバンドにおける信号と干渉子との和の合計)は、図8bにおける全ての3つの場合でのライン132として示されている。正規化された受信能力は、図8bにおける全ての3つの場合でのライン134として示されている。
【0121】
図8a及び図8bに示すように、干渉子130は、アクティブなサブパケット期間の部分的な時間についてのみのものであり、それゆえ、全てのシンボルは、同じ受信能力を有している訳ではない。
【0122】
正規化ファクタは、このタイム・スロットにおける全てのシンボルにわたって計算される。その後、このファクタは、サブパケット長さの内側にある全てのシンボルに適用される。それゆえ、干渉されたシンボルは、正規化後にはるかに高い振幅を有する。
【0123】
第1のタイム・スロットにおいて、干渉子は、アクティブなシンボルの小さなサブセットについてのみのものであり、そして、正規化ファクタにおける干渉子能力の影響は、とても小さい。両方の他の場合において、干渉子の影響は、より高い。正規化は、このタイム・スロットの内側において平均能力分布を1にするために、このタイム・スロットにおける全てのシンボルを減少する。干渉されていないシンボルも、干渉されたシンボルとして減少される。その後、相関において正確なシンボルは、干渉されたシンボルよりも低く抑えられる。正規化後の出力は、図8bにおけるライン134で示されている。干渉されたシンボルが相関結果により多くの影響を有する場合に、誤検出は、発生する可能性がある。
【0124】
干渉子長さが未知であるか又はサブパケット上の期間よりもはるかに長くない場合に、シンボル・ワイズ正規化は、前述の問題を解決するために行われることができる。
【0125】
シンボル・ワイズ正規化は、正規化ファクタを除いて、サブパケット・ワイズ正規化と同じ方法で機能する。これらは、サブパケット長さの内側にある各シンボルについて個別に計算され、全体のサブパケット長さについてのみではない。図9a及び図9bは、この技術を示す。
【0126】
図9aは、2つの部分的なパイロット・シーケンス108_1及び108_2とデータ・シーケンス110とを有するデータ・パケット106の概略図を示す。データ・パケット106は、短い干渉子130によってオーバーレイされる(又は重ねられる)。図9bは、図9aの3つのタイム・スロットのそれぞれについて経時的にプロットされた受信能力および正規化された受信能力を示す。受信能力(使用されるバンドにおける信号と干渉子との和の合計)は、図9bにおける全ての3つの場合におけるライン132として示されている。正規化された受信能力は、図9bにおける全ての3つの場合におけるライン134として示されている。
【0127】
各シンボルは、同じ能力に対して、例えば、それ自身のシンボル能力で分けることによって、正規化される。さらにその上、相関の出力は、同期シーケンスの受信された位相にのみ依存する。
【0128】
相関において、全てのシンボルは、等しく抑えられ、干渉されたシンボルの効果は、正規化なしの場合よりも小さい。
【0129】
相関前に正規化を行うことの代わりに、相関積の正規化も、可能である。
【0130】
相関積は、各タイム・スロットにおいて、cp1=rp1*conj(p1)を使用して導出されることができる。rp1は、受信された同期(又はパイロット)シーケンスであり、p1は、既知の理想的な同期(又はパイロット)シーケンスであり、そして、cp1は、相関結果である。この技術は、全体のシーケンスにわたって1つの相関で行われることができ、または、前述のように、準相関で行われることができる。
【0131】
しかしながら、強いノイズ・インパルスもcp1の高いレベルに繋がることができるので、出力信号cp1は、信号が存在するか否かにかかわらず明確な情報を提供することはできない。それゆえ、1つの可能性は、norm1=abs(rp1)*abs(p1)によって出力信号の正規化を行うことである。
【0132】
正規化された出力は、cp1norm=cp1/norm1によって与えられる。パイロット・シーケンス108が(以下において想定されている)一定の能力を有する場合に、cp1normの値は、0から1までの値をとることができる。1の値は、完全な相関を示す。信号p1を含まない信号の場合に、cp1の絶対値は、常にnorm1よりも小さい。
【0133】
あるいは、norm1は、norm1=abs(rp1)*cとして計算されることができる。ここで、cは、cp1normが最大値1に到達するように調整されることができる定数である。
【0134】
あるいは、norm1は、norm1=sqrt(abs(rp1^2))*2,又はnorm1=sqrt(abs(rp1)*abs(p1))^2)として計算されることができる。
【0135】
入力シンボルの正規化は、行われることができる。正規化は、非線形技術であり、例えば、絶対値又は能力は、使用される。次の干渉シナリオに依存する異なる技術は、存在する。
‐ サブパケット・ワイズ正規化
‐ テレグラム・ワイズ正規化
‐ シンボル・ワイズ正規化
【0136】
このことは、相関結果における干渉子の影響を減少する利点を有する。それゆえ、誤検出の数は、減少する。誤検出が生じた場合に、デコーダは、パケットを符号化しようとするが、CRC(CRC=cyclic redundancy check)は、失敗する。誤検出の数が減少する場合に、使用されるCPU時間は、減少され、かつ、他のアプリケーションは、CPU時間を使用することができ、または、デバイスの能力消費量は、低下する。
【0137】
(分散)
上述のように、パケット検出は、全ての同期シーケンスについて相関を計算し、全ての準相関の絶対値の加算は、出力を生ずる。1つのシーケンスのみが使用される場合に、シーケンスは、前述のようにサブ・パートに分割されることができる。相関値が所定の閾値を上回る場合に、新しいパケットは、検出される。この技術は、チャンネルにおいて干渉子が存在しない場合に、うまく機能する。
【0138】
もう一つの技術は、サブパケット相関の分散に基づく。離散的な有限の長さについての分散は、var=1/n*sum((xi-μ)2)によって計算されることができる。平均値は、μ=1/n*sum(xi)によって計算されることができる。この場合に、nは、使用された準相関の数であり、μは、前に計算された平均値であり、xiは、準相関iの相関結果である。
【0139】
部分的な相関結果は、受信能力に対して且つ相関部分の長さに対して正規化される。それゆえ、1つの準相関の相関結果は、0と1との間にある。
【0140】
信号にノイズも干渉子も適用されない場合に、完璧なタイム・スロットでの各準相関の相関は、同じ値を生じ、準相関の相関結果の間での分散は、観察されることがない。最適なタイム・スロットは、自己相関関数の中間に存在し、ピークは、最も高い値を有する。他のタイム・スロットにおいて未知のデータによって引き起こされる高い分散は、存在する。
【0141】
分散の計算は、次の図におけるサブパケット・ワイズ相関についての例として示されている。
【0142】
チャンネル上にノイズが存在する場合に、完璧なタイム・スロットでの分散は、減少するSNRとともに増大する。最大の分散は、可能性なかぎり最低のSNRで到達されることができ、ここで、パケットは、復号化されたものを補正することができる。この値は、閾値として使用されることができる。計算された分散がこの閾値を下回る場合に、パケットは、検出される。
【0143】
この閾値は、パケット検出についてスタンドアローンに使用されることができ、又は、第1の段階の検出が誤りであったか否かの決定についての第2の段階として標準的な検出と一緒に使用されることができる。
【0144】
図10は、コミュニケーション・チャンネルにわたる複数のデータ・パケット106に分離されて送信されるテレグラムの一部である複数のデータ・パケット(又はサブパケット、又はホップ)106と、全ての(又は少なくとも一部の)データ・パケット(サブパケット)106にわたる分散の計算の概略図と、を示す。図10において、縦座標は、周波数を示し、横座標は、時間を示す。
【0145】
このアルゴリズムは、必然的に干渉から生じるのではない相関におけるサイド・ローブを検出するためにも使用されることができる。例えば、それらは、非理想的な相関シーケンスによって発生することができる。
【0146】
2つの段階での検出についての例として、初めに、相関は、正規化されたシンボルで計算されることができる。第1の段階がパケットを検出する場合に、検出されたタイム・スロットにおける全ての準相関の相関結果は、分散を計算するために使用されることができる。この分散が閾値よりも小さい場合に、パケット検出は、駆動させられる。
【0147】
典型的に、第1の段階の閾値は、サイド・ローブのピークより低く選択されることができる。閾値を上回る値が検出された場合に、分散は、計算されることができる。両方の値が検出範囲内にある場合にのみ、新しいパケットは、検出されることができる。
【0148】
全体のパケットについての相関は、準相関に分割されることができる。これらの準相関は、1つの相関シーケンスのみが全体のパケットの中にある場合に、使用されることもできる。この場合に、プリアンブルは、準相関について分割されることができる。全ての準相関にわたって、分散は、計算され閾値と比較されることができる。
【0149】
この技術の利点は、干渉された場合において誤検出されたパケットの数が減少されることである。さらにその上、閾値は、減少されることができ、このことは、低SNR(SNR=信号対ノイズ比(signal-to-noise ratio))についてのより良い検出レートをもたらす。
【0150】
(重み付けされた同期シンボル)
さらに、プリアンブル・シンボル(又はパイロット・シンボル)は、相関前に重み付けされることができる。3つの異なる技術が存在する:
- 全ての同期シンボルについてのウエイト・ファクタ
- 各サブパケット106についてのウエイト・ファクタ
- 各プリアンブル・パートについてのウエイト・ファクタ
【0151】
重み付けは、1つのサブパケットにわたる又は相関シーケンスの一部にわたる相関の後にも行われることができる。それゆえ、部分的な相関は、行われ、その後、ウエイト・ファクタで乗算される。
【0152】
一例として、ウエイト・ファクタは、タイム・スロットにおける想定された同期シンボル上の分散によって計算されることができる。または、ウエイト・ファクタは、タイム・スロットの内側にある全てのシンボルの能力分散から又は決定された信号対ノイズ比に基づいて得られることができる。
【0153】
相関が行われる前に、ウエイト・ファクタは、同期シンボルに適用されることができる。干渉された同期シンボルは、より低いウエイト・ファクタを有し、その結果、これらのシンボルは、相関結果により少ない影響を与える。
【0154】
図11は、データ・パケット106のそれぞれが2つの部分的なパイロット・シーケンス108_1及び108_2を有し、各データ・パケット106についての部分的なパイロット・シーケンス108_1及び108_2のそれぞれに対して個別のウエイティング・ファクタを適用することによって実行されるパイロット・シーケンス108_1及び108_2の重み付けを3つのデータ・パケット106の概略図で示す。
【0155】
言い換えれば、図11は、プリアンブル・パート・ワイズ重み付けについてのこの概念を示す。ファクタは、プリアンブル・パートにわたる合計と非線形演算の後に乗算される。重み付けは、相関前に行われる場合に、図の中の値は、絶対値の計算が行われる前に、ファクタで乗算される。
【0156】
唯1つの相関シーケンスが使用される場合に、このシーケンスは、サブ・シーケンスに分割されることができる。それゆえ、すべてのサブ・シーケンスは、固有のウエイト・ファクタを得る。
【0157】
同期シンボルは、ウエイト・ファクタで乗算されることができる。プリアンブル・パート・パートのみがシンボル・ワイズ重み付けの代わりに重み付けされることも、可能である。ウエイト・ファクタは、相関前に又は準相関の後に適用されることができる。
【0158】
このことは、干渉されたチャンネルにおいて誤検出の数が減少されることができるという利点を有する。それゆえ、レシーバの能力消費は、減少されることができる。
【0159】
(サイド・ローブ検出)
非理想的な相関シーケンスにより、サイド・ローブは、相関出力において発生する。これらのサイド・ローブは、決定論的であり、メイン・ローブから一定のオフセットした位置にある。レシーバは、相関シーケンスが既知である(レシーバにおいてほぼ常に既知である)場合に、これらの位置を計算することができる。
【0160】
このことは、次の図において示されており、そこで、メイン・ローブと2つのサイド・ローブとは、示されている。これらのサイド・ローブは、メイン・ローブよりも低いピークを有する。誤検出を避けるために、閾値は、最も大きなサイド・ローブ・ピークよりも高く設定されている。
【0161】
閾値が最も高いサイド・ローブ・ピークよりも低く設定されている場合に、誤検出は、発生する。この誤検出を避けるために、レシーバは、より高いピークが生じる場合に、既知のサイド・ローブ時間的距離において検索する。YESである場合に、サイド・ローブは、検出され、そうでない場合に、レシーバは、メイン・ローブを既に発見してしまっている。
【0162】
これらのサイド・ローブは、異なる周波数オフセットも発生することもできる。レシーバは、異なる周波数オフセットで自己相関関数を行うことによってサイド・ローブを得る。
【0163】
図12は、経時的にプロットされた相関出力の振幅を示す。言い換えれば、図12は、典型的な相関出力を示す。横軸に時間がプロットされ、縦軸に相関出力が示されている。メイン・ローブ136、2つのサイド・ローブ138及びノイズ・フロア140は、図12に示されている。
【0164】
サイド・ローブ相関値が相関におけるより早い段階で計算され、履歴に(又はメモリに)保存されることができるので、付加的な計算能力は、とても低い。
【0165】
サイド・ローブ検出は、行われることができる。閾値を上回る値が発見された場合に、サイド・ローブ距離における相関値は、実際の相関値と比較される。サイド・ローブ距離における値がより高い場合に、サイド・ローブ138は、検出される。さもなければ、メイン・ローブ136は、実際のタイム・スロットの中に存在する。
【0166】
このことは、検出のための閾値がサイド・ローブ138の最も高いピークの下に設定されることができるという利点を有する。これによって、改善された検出レートは、低い信号対ノイズ比についてさえも達成されることができる。サイド・ローブ検出を伴わない同じ閾値で比較すると、誤検出の数は、減少されることができる。
【0167】
(検出ウインドウ)
図12に示したように、メイン・ローブ136の周辺で理想的な相関は、存在しない。このことは、非理想的な相関シーケンスによって、相関部分をデータ・パートに分割することによって、そして、干渉によって引き起こされる。それゆえ、誤検出を避けるために、閾値は、メイン・ローブ136を除く最も高い値にわたって設定されなければならない。メイン・ローブ136は、ノイズの多いチャンネルにおいて悪い検出パフォーマンスを生ずる。SNRが減少すると、相関結果の値は、低くなる。パケット検出は、相関値が所定の閾値を上回る場合にのみ、想定される。
【0168】
ノイズに対するより良いパフォーマンスを得るために、検出ウインドウは、導入されることができる。このウインドウは通常、メイン・ローブ136の前後の領域のサイズを有する。新しいパケット検出を直接的に駆動させる代わりに、閾値を上回る値が検出される場合に、ウインドウの内側にある最も高いピークは、検索される。パケット検出出力は、検出ウインドウの内側にある最も高いピークのインデックスが所定の値(検出インデックス)を得るまで、ブロックすることができる。相関値が閾値を上回りインデックスが所定の値で正確である場合に、パケット検出は、駆動されることができる。
【0169】
図13は、そのような検出ウインドウを示す。この例において、検出ウインドウは、11個の要素を有する。検出インデックスは、ウインドウの中間に設定される。
【0170】
図14は、一実施形態による、検出ウインドウを使用してデータ・パケットを検出する方法160のフローチャートを示す。第1のステップ162において、タイム・スロット(インデックス)は、増加させられることができる。第2のステップ164において、相関は、実際のタイム・スロットについて計算されることができる。第3のステップ166において、(相関の)結果は、検出ウインドウに挿入されることができる。第4のステップ168において、検出ウインドウ内における最大値は、決定されることができる。第5のステップ170において、最大値が閾値よりも大きいか否かは、判定されることができる。最大値が閾値よりも大きくない場合に、第1のステップ162から第5のステップ170は、繰り返される。最大値が閾値よりも大きい場合に、第6のステップ172において、最大値のインデックスは、決定される。第7のステップ174において、インデックスが検出インデックスに等しいか否かは、判定される。インデックスが検出インデックスに等しくない場合に、第1のステップ162から第7のステップ174は、繰り返される。インデックスが検出インデックスに等しい場合に、第8のステップ176において、新しいパケットは、検出される。
【0171】
言い換えれば、図14は、検出がどのように行われるかの概略を示す。検出が開始される前に、ウインドウは、生成され、初期値(例えば全ての値を0)に設定される。その後、連続的な検出は、開始される。
【0172】
第1のステップ162において、タイム・スロットのインデックスは、アップデートされる。その後(164)、実際のタイム・スロットにおける相関は、行われる。この相関について、上述の技術は、使用されることができ、または、全ての他の技術も、よく機能する。相関結果は、最新のタイム・インデックス166で検出ウインドウに保存される。それゆえ、最も古いものは、アレイから削除される(全ての値を1つ右にシフトし、左側に新しい値を挿入する)。
【0173】
ステップ168において、このウインドウの中で最大のピークが検索される。ステップ170において、ウインドウ内の最大ピークが閾値よりも低い場合には、処理は第1のステップ162に戻る。それ以外の場合は、ステップ172において、最大値のインデックスを抽出し、ステップ174において、検出インデックスと比較する。両方の値が同じ場合、ステップ176において、新しいパケットが検出される。
【0174】
図15は、一実施形態による、データ・パケットを検出するために用いられる検出ウインドウ172および閾値171と、3つの異なるタイム・スロットについて経時的にプロットされた相関出力170の振幅と、を3つの図で示す。
【0175】
言い換えれば、図15は、3つの異なるタイム・スロットでのこの方法を示す。第1の部分において、閾値を上回る値は、検出されることができ、それは、検出インデックスでのことではない。パケット検出がこのスロットにおいて行われる場合に、誤検出は、発生する。
【0176】
検出ウインドウ172において、最も高い値は、得られる。現在、このウインドウ172の内側の最も高い値が閾値を上回るかどうかは、証明される。
【0177】
これは、図15において第1のタイム・スロットについての場合である。しかし、最も高い値のインデックスは、厳密に検出インデックスであらなければならない。検出インデックスは、第1の場合にあてはまらない。インデックスは、検出インデックスよりも大きいので、このピークは、検出インデックスでの少数のステップの中に存在する。このピークがそこに存在する場合に、パケット検出を駆動させることは、ウインドウの内側にある最も高い値でなければならない。検出インデックスにより近づくまで、他の相関値は、ウインドウに加算される。この例において、より高い相関値を有するので、最大値のインデックスは、検出インデックスに等しくない。
【0178】
第2の場合において、最も高い値は、検出インデックスで正確であり、値は、閾値を上回り、パケット検出は、想定される。
【0179】
最後の場合において、最大値インデックスは、ウインドウの中間を下回る。
【0180】
最大のインデックスは、検出インデックスよりも高い場合に、タイム・スロットは、検出に対して早すぎ、遅く検出されることとなる。値が検出インデックスよりも低い場合に、パケット検出は、すでに前から駆動されていた。
【0181】
検出ウインドウ172は、導入されることができる。閾値171を上回る値が検出された場合に、パケット検出は、即時に駆動されない。代わりに、パケット検出は、検出ウインドウ171の内側にある最大値のインデックスが所定の検出インデックスに到達するまで、ブロックされることができる。
【0182】
このことは、閾値が低く設定されることができるという利点を有し、より少ない誤検出レートを有する低SNRでより良い検出レートを生じる。
【0183】
(部分的な相関)
全ての準相関にわたる相関を計算することの代わりに、相関は、全ての相関シーケンスの一部にわたってのみ行われることができる。1つの相関シーケンスのみが使用される場合にも、この技術は、機能する。この場合に、相関シーケンスは、前述のようにサブ・パートに分割されることができる。
【0184】
図16は、コミュニケーション・チャンネルにわたる複数のデータ・パケット106に分離されて送信されるテレグラムの一部である複数のデータ・パケット(又はサブパケット、又はホップ)106と3つのデータ・パケット(サブパケット)106にわたる部分的な相関の概略図とを示す。図16において、縦座標は、周波数を示し、横座標は、時間を示す。
【0185】
言い換えれば、図16は、サブパケット・ワイズ相関を有するこの技術についての一例を与える。全てのサブパケットにわたる相関を計算する代わりに、相関は、3つのサブパケットのみにわたって行われる。その後、サブセットの合計は、相関出力を生じる。
【0186】
閾値は、より少ない数の準相関に適合されることができる。
【0187】
残念なことに、最小化された相関シーケンスは、干渉子によって又はノイズによって引き起こされる誤検出についてのより高い可能性を有する。改善された(又は最高の)パフォーマンスを得るために、2つの段階決定は、使用される。第1の段階において、相関は、相関シーケンスのサブセットにわたって行われることができる。パケットが第1の段階において検出される場合に、第2の段階において、相関は、全ての相関部分にわたって行われることができる。第2の相関も閾値を上回る場合にのみ、パケット検出は、駆動されることができる。
【0188】
第1の段階の相関出力は、全体の相関の計算について使用されることができる。それゆえ、残りの相関シーケンスにわたる相関は、計算され、第1の段階の結果に加算される。
【0189】
相関は、同期シーケンスのサブセットにわたってのみ計算されることができる。パケットがこの方法によって検出される場合に、全てのシーケンスにわたる第2の相関は、行われることができる。
【0190】
このことは、アルゴリズムが全ての部分の相関を計算してはならないので、レシーバの消費能力が減少されることができるという利点を有する。準相関がパケットを検出する場合にのみ、全体の相関は、計算される。
【0191】
(方法)
図17は、データ・パケットを受信する方法200のフローチャートを示す。方法は、パイロット・シーケンスを含むデータ・パケットを受信するステップ202と、少なくとも2つの部分的な参照シーケンスについての部分的な相関結果を得るために、パイロット・シーケンスをデータ・パケットのパイロット・シーケンスについての参照シーケンスに対応する少なくとも2つの部分的な参照シーケンスと個別に相関させるステップ204と、データ・パケットについての相関結果を得るために部分的な相関結果を非コヒーレントに加算するステップ206と、を含む。
【0192】
装置の文脈においていくつかの態様が記述されているが、これらの態様が対応する方法の記述も表すことは、明らかである。ここで、ブロック又はデバイスは、方法ステップ又は方法ステップの特徴に対応する。類似的に、方法ステップの文脈において記述された態様も、対応するブロックもしくはアイテム又は対応する装置の特徴の記述を表す。いくつかの又は全ての方法ステップは、ハードウェア装置、例えばマイクロプロセッサ、プログラマブル・コンピュータ又は電子回路(を用いること)によって実行されることができる。いくつかの実施の形態において、1つ以上の最も重要な方法は、そのような装置によって実行されることができる。
【0193】
(更なる実施の形態)
図18は、一実施形態によるレシーバ100の概略的なブロック図を示す。レシーバ100は、受信ユニット102と同期ユニット104とを備える。受信ユニット102は、データ・パケット106(例えば、少なくとも2つのデータ・パケット)を受信するように構成されており、データ・パケット106のうちの少なくとも2つ(例えば、少なくとも2つのデータ・パケットのそれぞれ)は、少なくとも2つの部分的なパイロット・シーケンスの部分的なパイロット・シーケンスを含む(レシーバが、部分的なパイロット・シーケンスを有さない付加的なデータ・パケットを受信してもよいことは、留意されたい)。
【0194】
例えば、受信ユニット102は、コミュニケーション・チャンネルにわたってトランスミッタからレシーバ100へ送信された信号を受信し復調し、そして、それに基づき少なくとも2つのデータ・パケット106を含むデータ・ストリームを提供するように構成されることができる。
【0195】
少なくとも2つのデータ・パケット106のうちの第1のデータ・パケット106は、少なくとも2つの部分的なパイロット・シーケンス108_1-108_nのうちの第1の部分的なパイロット・シーケンス108_1を含むことができ、第2のデータ・パケット106は、少なくとも2つの部分的なパイロット・シーケンス108_1-108のうちの第2の部分的なパイロット・シーケンス108_2を含むことができる。さらに、少なくとも2つのデータ・パケット106は、部分的なパイロット・シーケンス108_1及び108_2の前又は後に配置された1つ以上のデータ・シーケンス110を含むことができる。
【0196】
同期ユニット104は、少なくとも2つの部分的な参照シーケンス112_1-112_nのそれぞれについての部分的な相関結果116_1-116_nを得るために、部分的なパイロット・シーケンス108_1-108_nを少なくとも2つの部分的な参照シーケンス112_1-112_nと個別に相関させるように構成されている。ここで、同期ユニット104は、2つのデータ・パケット106についての粗い相関結果118を得るために部分的な相関結果112_1-112_nを非コヒーレントに加算するように構成されている。
【0197】
例えば、同期ユニット104は、第1の部分的な参照シーケンス112_1についての部分的な相関結果116_1を得るために、第1のデータ・パケット106の部分的なパイロット・シーケンス108_1を第1の部分的な参照シーケンス112_1と相関させるように構成されることができ、そして、第2の部分的な参照シーケンス112_2についての部分的な相関結果116_2を得るために、第2のデータ・パケット106の部分的なパイロット・シーケンス108_2を第2の部分的な参照シーケンス112_2と相関させるように構成されることができる。
【0198】
同期ユニット104は、部分的な相関結果116_1-116_nの絶対値、2乗された絶対値、近似絶対値又は任意の他の非線形演算を加算することによって部分的な相関結果116_1-116_nを非コヒーレントに加算するように構成されることができる。
【0199】
少なくとも2つの部分的な参照シーケンス112_1-112_nは、参照シーケンス114の少なくとも2つの異なる部分であることができる。ここで、少なくとも2つの部分的なパイロット・シーケンス108_1-108_nは、パイロット・シーケンス108の少なくとも2つの異なる部分であることができる。
【0200】
したがって、図1から図16までに関して記述されたレシーバ100の実施形態と比較して、少なくとも2つの部分的なパイロット・シーケンス108_1-108_nを含むデータ・パケット106の代わりに、データ・パケット106(例えば、少なくとも2つのデータ・パケット)、少なくとも2つの部分的なパイロット・シーケンスの部分的なパイロット・シーケンスを含むデータ・パケット106のうちの少なくとも2つ(例えば、少なくとも2つのデータ・パケットのそれぞれ)は、受信される。しかし、同期ユニット104の機能は、実質的に同じである。すなわち、部分的な相関結果112_1-112_nは、粗い相関結果118を得るために非コヒーレントに加算されることができる。少なくとも2つの更なるデータ・パケットが受信される場合に、同じ方法で、少なくとも2つの更なるデータ・パケットの部分的な相関結果は、少なくとも2つの更なるデータ・パケットについての粗い相関結果を得るために非コヒーレントに加算されることができる。さらに、少なくとも2つのデータ・パケットについての粗い相関結果と少なくとも2つの更なるデータ・パケットとは、結合された粗い相関結果を得るために結合されることができる。
【0201】
図1から図16までに関して示され説明されたレシーバの記述は、図18に示されるレシーバにも適用されることができることは、明らかであり、その逆も可能である。
【0202】
図19は、受信する方法210のフローチャートを示す。方法210は、データ・パケットのうちの少なくとも2つ(例えば、少なくとも2つのデータ・パケットのそれぞれ)が少なくとも2つの部分的なパイロット・シーケンスのうちの部分的なパイロット・シーケンスを含む、データ・パケット(例えば、少なくとも2つのデータ・パケット)を受信するステップ212と、少なくとも2つの部分的な参照シーケンスのそれぞれについての部分的な相関結果を得るために部分的なパイロット・シーケンスを少なくとも2つの部分的な参照シーケンスと個別に相関させるステップ214と、2つのデータ・パケットについての粗い相関結果を得るために部分的な相関結果を非コヒーレントに加算するステップ216と、を含む。
【0203】
(全般)
実施形態は、少量のデータ、例えばセンサ・データを、多数のノード、例えば加熱、電気又は水道メータから、既知の基地局へ送信するためのシステムに使用されることができる。基地局は、多数のノードを受信(そして可能であれば制御)する。基地局では、より多くの計算能力とより複雑なハードウェア、すなわち、より高いパフォーマンスを有するレシーバは、利用可能である。ノードにおいて、安価な結晶のみは、利用可能である。そして、安価な結晶は、一般的に10ppmまたはそれ以上の周波数オフセットを有する。しかしながら、実施形態は、他のアプリケーション・シナリオにも適用されることができる。
【0204】
実施形態は、複数の最適化されたプリアンブル(又はパイロット・シーケンス)分割を提供する。複数の最適化されたプリアンブル(又はパイロット・シーケンス)分割は、干渉子ロバスト性を改善する。
【0205】
実施形態は、相関方法を提供する。相関方法は、周波数オフセットに対してロバストである。それによって、部分的な相関は、使用され、その後非コヒーレントに加算される。部分的な相関の非コヒーレントな加算は、プリアンブルにおける更なる情報、例えば長さ情報を送信するために使用されることができる。
【0206】
実施形態は、コミュニケーション・チャンネルが妨害された場合でも良いパフォーマンスでパケット検出を実行することが可能である複数の方法を提供する。これらの方法のうちのいくつかは、ノイズに関して付加的なゲインを可能にする。
【0207】
特定の実施形態の要求に依存して、本発明の実施形態は、ハードウェア又はソフトウェアにおいて実施されることができる。実施形態は、デジタル・ストレージ・メディア、例えば、フロッピー・ディスク、DVD、ブルーレイ、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROM又はフラッシュ・メモリを使用して実行されることができる。そして、デジタル・ストレージ・メディアは、その上に保存された電子的に読み取り可能な制御信号を有し、それぞれの方法が実行されるようにプログラマブル・コンピュータ・システムと協働する(又は協働可能である)。それゆえ、デジタル・ストレージ・メディアは、コンピュータ読み取り可能である。
【0208】
本発明によるいくつかの実施形態は、電子的に読み取り可能な制御信号を有するデータ・キャリアを備え、データ・キャリアは、本明細書で記述される方法の1つが実行されるように、プログラマブル・コンピュータ・システムと協働可能である。
【0209】
一般的に、本発明の実施形態は、プログラム・コードを有するコンピュータ・プログラム製品として実施されることができる。プログラム・コードは、コンピュータ・プログラム製品がコンピュータ上で稼働するとき方法の1つを実行するように動作する。プログラム・コードは、例えば、マシン読み取り可能なキャリア上に保存されることができる。
【0210】
他の実施形態は、本明細書で記述される方法の1つを実行するためのコンピュータ・プログラムを備える。コンピュータ・プログラムは、マシン読み取り可能なキャリアに保存される。
【0211】
言い換えれば、本発明の方法の実施形態は、それゆえ、コンピュータ・プログラムがコンピュータ上で稼働するとき、本明細書で記述された方法の1つを実行するためのプログラム・コードを有するコンピュータ・プログラムである。
【0212】
本発明の方法の更なる実施形態は、それゆえ、そこに記録された、本明細書で記述された方法の1つを実行するためのコンピュータ・プログラムを備えるデータ・キャリア(又はデジタル・ストレージ・メディア又はコンピュータ読み取り可能なメディア)である。データ・キャリア、デジタル・ストレージ・メディア又は記録されたメディアは、典型的に有形的かつ/又は非遷移的である。
【0213】
本発明の方法の更なる実施形態は、それゆえ、本明細書で記述された方法の1つを実行するためのコンピュータ・プログラムを表現している信号のシーケンス又はデータ・ストリームである。データ・ストリーム又は信号のシーケンスは、例えば、データ通信接続例えばインターネットを介して転送されるように構成されることができる。
【0214】
更なる実施形態は、処理手段、例えば、コンピュータ又はプログラマブル・ロジック・デバイスを備える。処理手段は、本明細書で記述された方法の1つを実行するように構成又は適合されている。
【0215】
更なる実施形態は、そこにインストールされた、本明細書で記述された方法の1つを実行するためのコンピュータ・プログラムを有するコンピュータを備える。
【0216】
本発明による更なる実施形態は、本明細書で記述された方法の1つを実行するためのコンピュータ・プログラムをレシーバへ(例えば電子的に又は光学的に)転送するように構成された装置又はシステムを備える。レシーバは、例えば、コンピュータ、モバイル・デバイス、メモリ・デバイスなどであることができる。装置又はシステムは、例えば、コンピュータ・プログラムをレシーバへ転送するためのファイル・サーバを備えることができる。
【0217】
いくつかの実施形態において、プログラマブル・ロジック・デバイス(例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)は、本明細書で記述された方法の機能のいくつか又は全てを実行するために使用されることができる。いくつかの実施形態において、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイは、本明細書で記述された方法の一つを実行するためにマイクロプロセッサと協働することができる。一般的に、方法は、好ましくは、任意のハードウェア装置によって実行される。
【0218】
本明細書で記述された装置は、ハードウェア装置を使用して、又は、コンピュータを使用して、又は、ハードウェア装置及びコンピュータの組み合わせを使用して実施されることができる。
【0219】
本明細書で記述された装置又は本明細書で記述された装置の任意の構成要素は、ハードウェア及び/又はソフトウェアにおいて少なくとも部分的に実施されることができる。
【0220】
本明細書で記述された方法は、ハードウェア装置を使用して、又は、コンピュータを使用して、又は、ハードウェア装置及びコンピュータの組み合わせを使用して実行されることができる。
【0221】
本明細書で記述された方法又は本明細書で記述された装置の任意の構成要素は、ハードウェア及び/又はソフトウェアによって少なくとも部分的に実行されることができる。
【0222】
上記の実施形態は、本発明の原理の単なる例示である。本明細書で記述された配列および詳細の修正および変形が当業者には明らかであることは、理解される。したがって、本発明は、添付された特許請求の範囲によってのみ限定され、本明細書の実施形態の記述および説明によって示される特定の詳細によっては限定されないことは、意図される。
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図2f
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8a
図8b
図9a
図9b
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19