(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】ネットワークベースのCRSの緩和
(51)【国際特許分類】
H04W 72/04 20090101AFI20220927BHJP
【FI】
H04W72/04 136
H04W72/04 131
(21)【出願番号】P 2020507017
(86)(22)【出願日】2018-08-09
(86)【国際出願番号】 US2018046066
(87)【国際公開番号】W WO2019032868
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2020-02-07
(32)【優先日】2017-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100122563
【氏名又は名称】越柴 絵里
(72)【発明者】
【氏名】チェルブヤコフ アンドレイ
(72)【発明者】
【氏名】ツイ ジエ
(72)【発明者】
【氏名】ベロフ ドミトリー
(72)【発明者】
【氏名】タン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】コリャエフ アレクセイ
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/079574(WO,A1)
【文献】Intel Corporation,Frequency domain CRS muting for efeMTC[online],3GPP TSG RAN WG1 #88b R1-1704695,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88b/Docs/R1-1704695.zip>,2017年04月03日
【文献】Samsung,DMRS Design Aspects[online],3GPP TSG RAN WG1 #88 R1-1702974,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88/Docs/R1-1702974.zip>,2017年02月13日
【文献】Pantech,Discussion on signaling methods for TDD UL-DL reconfiguration[online],3GPP TSG-RAN WG1#72b R1-131524,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_72b/Docs/R1-131524.zip>,2013年04月15日
【文献】Ericsson,Discussions on the impact of UE performance of legacy receiver under network CRS mitigation[online],3GPP TSG RAN WG4 #84 R4-1707185,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG4_Radio/TSGR4_84/Docs/R4-1707185.zip>,2017年08月10日
【文献】Ericsson,Discussion on CRS muting[online],3GPP TSG RAN WG4 #83 R4-1705484,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG4_Radio/TSGR4_83/Docs/R4-1705484.zip>,2017年05月15日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続する無線周波数(RF)回路と、
前記RF回路と通信可能に結合するプロセッサと、
を備えたユーザ機器(UE)の装置であって、
前記プロセッサは、
セル固有参照信号(CRS)のミューティングがセルによって使用されることをあらわすシステム情報を前記ネットワークの前記セルから受信するオペレーションと、
前記ネットワークの前記セルから1つ以上のサブフレームを受信するオペレーションであって、前記CRSのミューティングが使用されないときは、前記1つ以上のサブフレーム内のセル固有参照信号(CRS)送信パターンが前記セルの全帯域幅にわたり、そして、前記CRSのミューティングが使用されるときは、前記1つ以上のサブフレーム内のセル固有参照信号(CRS)送信パターンが前記セルの全帯域幅の中央6個の物理リソースブロック(PRB)にわたるよう構成された当該オペレーションと、
前記物理リソースブロック(PRB)の中央セット(RSRP IN)上のCRS参照信号受信電力(RSRP)を推定し、前記1つ以上のサブフレームのPRBの外側セット(RSRP OUT)上のCRS RSRPを推定すること、
RSRP INがRSRP OUT及びマージンを超えている場合に、CRSのミューティングが前記セルによって使用されると判定すること、
を実行する、ユーザ機器(UE)の装置。
【請求項2】
前記セルが、サービングセル又は隣接セルを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
CRSのミューティングが使用されるとき、無線リソース管理(RRM)手順又は復調手順が調整される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記RSRP OUTを推定することは、前記PRBの中央セットを含まない、請求項
1に記載の装置。
【請求項5】
前記RSRP OUTを推定することは、前記物理リソースブロック(PRB)の中央セットのうちの1つ以上を含む広帯域RSRP測定を含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項6】
ネットワークに接続する無線周波数(RF)回路と、
前記RF回路と通信可能に結合するプロセッサと、
を備えたユーザ機器(UE)の装置であって、
前記プロセッサは、
セル固有参照信号(CRS)のミューティングがセルによって使用されることをあらわすシステム情報を前記ネットワークの前記セルから受信するオペレーションと、
前記ネットワークの前記セルから1つ以上のサブフレームを受信するオペレーションであって、前記CRSのミューティングが使用されないときは、前記1つ以上のサブフレーム内のセル固有参照信号(CRS)送信パターンが前記セルの全帯域幅にわたり、そして、前記CRSのミューティングが使用されるときは、前記1つ以上のサブフレーム内のセル固有参照信号(CRS)送信パターンが前記セルの全帯域幅の中央6個の物理リソースブロック(PRB)にわたるよう構成された当該オペレーションと、
前記1つ以上のサブフレームの物理リソースブロック(PRB)の外側セットの周波数領域で第1のCRS信号(CRS信号1)を再構成し、前記1つ以上のサブフレームの全帯域幅の周波数領域で第2のCRS信号(CRS信号2)を再構成し、CRS信号1又はCRS信号2を用いて相互相関又は部分相互相関を実行し、相互相関ピークが見つからない場合には、CRSのミューティングは前記セルによって使用され、又は相互相関ピークが見つかる場合には、CRSのミューティングは前記セルによって使用されないこと、
を実行する、ユーザ機器(UE)の装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、CRS信号1との前記相互相関又は前記部分相互相関を実行するものであり、修正された受信信号は、前記物理リソースブロック(PRB)のヌリングされた中央セットを有する受信信号を含む、請求項
6に記載の装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、完全受信信号を有するCRS信号2との前記相互相関又は前記部分相互相関を実行する、請求項
6に記載の装置。
【請求項9】
前記第1のCRS信号及び前記第2のCRS信号は、周波数領域の代わりに時間領域で再構成される、請求項
6に記載の装置。
【請求項10】
前記CRSのミューティングが前記1つ以上のサブフレームに対して検出されたときに、前記CRS干渉緩和(CRS-IM)処理が全ての物理リソースブロック(PRB)で無効化される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
CRSのミューティングが前記1つ以上のサブフレームに対して検出されたときに、ネットワーク支援型干渉除去及び抑制(NAICS)受信機処理が、CRS信号を伴わずに物理リソースブロック(PRB)内で無効化される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記CRSのミューティングが前記1つ以上のサブフレームに対して検出されたときに、参照信号受信電力(RSRP)又は参照信号受信品質(RSRQ)を含む無線リソース管理(RRM)測定が、CRS信号を有する物理リソースブロック(PRB)のみを用いて隣接セル上で実行される、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記1つ以上のベースバンドプロセッサは、前記CRSのミューティングが前記1つ以上のサブフレームに対して検出されたときに、無線リンクモニタリング(RLM)が、CRS信号を有する物理リソースブロック(PRB)のみを用いて隣接セル上で実行される、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2017年8月11日に出願された米国仮出願第62/544,260号(AA2952-Z)の利益、及び2017年11月17日に出願された米国仮出願第62/587,917号の利益を主張する。当該出願第62/544,260号及び当該出願第62/587,917号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ネットワークベースのセル固有参照信号(CRS)の緩和機能は、LTE(Long-Term Evolution)規格の第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)リリース15に導入されるように計画されている。ネットワークベースのCRSの緩和の一般的な考え方は、発展型NodeB(eNB)がサブフレームの全て又はサブセットにおける物理リソースブロック(PRB)のサブセット内のCRS信号送信をオフに切り替えたり、ミュートしたりすることを可能にすることである。CRSのミューティングの基準はまだ決定されておらず、CRSの送信のオン又はオフを切り替える決断は、eNBに委ねられると予想されている。
【0003】
しかし、ネットワークベースのCRSの緩和を導入する場合、ユーザ機器(UE)デバイスでの無線リソース管理(RRM)及び復調性能にある程度の影響があることがある。例えば、隣接セルがCRSのミューティングを適用し、UEがこれに関する情報を有しない場合は、以下の影響が予想され得る。第1に、参照信号受信電力(RSRP)測定の精度は、UEが広帯域RSRP測定を実行する場合には、かなり劣化することがある。第2に、セル固有参照信号干渉緩和(CRS-IM)は、電力消費に対する悪影響を含むUE実装に応じて、高度な受信機の性能に悪影響を及ぼすことに加えて、悪影響を受けることがある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
請求項に記載された主題は、詳細に、本明細書の結論付け部分において指摘され、明確に特許請求される。しかし、このような主題は、添付の図面を用いて読むと、以下の詳細な説明を参照することによって理解することができる。
【
図1】1つ以上の実施形態に係るセル固有参照信号(CRS)の緩和を実施することが可能なネットワークの図である。
【
図2A】1つ以上の実施形態に係る、それぞれ、CRSの緩和をオフした、及び、CRSの緩和をオンしたCRS信号送信パターンの図である。
【
図2B】1つ以上の実施形態に係る、それぞれ、CRSの緩和をオフした、及び、CRSの緩和をオンしたCRS信号送信パターンの図である。
【
図3】1つ以上の実施形態に係る自律的隣接セルCRS送信パターン検出の図である。
【
図4】1つ以上の実施形態に係る、ネットワーク制御されたCRSミューティングを通知するためにeNBシグナリングが使用される場合のユーザ機器(UE)の挙動の図である。
【
図5】ネットワーク制御されたCRSパターン自律的検出が常にアクティブ化されている場合のユーザ機器(UE)の挙動の図である。
【
図6】いくつかの実施形態に係る、ネットワークのシステムのアーキテクチャを示す。
【
図7】いくつかの実施形態に係るデバイスの例示の構成要素を示す。
【
図8】いくつかの実施形態によるベースバンド回路の例示的なインターフェースを示す。
【0005】
図示の簡潔性及び明瞭性のために、図に示す要素は必ずしも縮尺どおりに描かれていないことが理解されるであろう。例えば、いくつかの要素の寸法は、明瞭性のため、他の要素に対して誇張される場合がある。更に、適切であると考えられる場合、参照番号は、対応する要素及び/又は類似の要素を示すために図面の中で繰り返されている。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の詳細な説明において、請求項に記載された主題の完全な理解を提供するために、数多くの具体的な詳細を説明する。しかし、請求項に記載された主題は、これらの具体的な詳細を伴わずとも実施され得ることを、当業者は理解するであろう。他の例では、周知の方法、手順、構成要素、及び/又は回路は、詳細に説明されていない。
【0007】
ここで
図1を参照して、1つ以上の実施形態に係るセル固有参照信号(CRS)の緩和を実施することが可能なネットワークの図について議論する。
図1に示すように、ネットワーク100は、ユーザ機器(UE)110のための第1のサービングセルを提供することができる発展型NodeB(eNB)112と、隣接セルを実装するための隣接するeNB114と、を備えることができる。ネットワークベースのCRSの緩和では、eNB112は、UE110によって受信されるCRS信号パターン116を送信することができ、CRSの緩和はオンであってもよいし、CRSの緩和がオフであってもよい。同様に、隣接するeNB114は、UE110によって受信され得るCRS信号パターン118を送信することができ、CRSの緩和はオンであってもよいし、CRSの緩和がオフであってもよい。
【0008】
UE110の性能に対する悪影響を回避するために、UE110は、サービングセル及び/又は1つ以上の隣接セルがネットワークベースのCRSの緩和を使用しているかどうかの情報を持つべきである。本明細書で更に詳細に議論するように、いくつかの実施形態では、UEは、ネットワーク100がネットワークベースのCRSの緩和を使用しているかどうかを判定するために、自律的検出又は自己検出を使用してもよい。このような実施形態では、UE110は、ネットワーク支援のオーバーヘッドを回避するために、サービングセル及び/又は1つ以上の隣接セル内の使用又はネットワークベースのCRSの緩和の動的追跡をサポートしてもよい。他の実施形態では、ネットワーク支援プロセスを利用して、ネットワークベースのCRSの緩和の検出を有効化又は無効化することができる。更なる実施形態では、UE110は、サービングセル及び/又は1つ以上の隣接セルにおいて使用されるCRSミューティングからの悪影響を回避するために、受信機復調及び/又は1つ以上の無線リソース管理(RRM)アルゴリズムを調整してもよい。このような実施形態は、UEによるより単純な実装を可能にし、UEがその挙動を最適化し、その性能を向上させることを可能にすることがある。以下に、CRSの緩和をオフにする、かつCRSの緩和をオンにするCRS信号パターンの例を、
図2A及び
図2Bの中に示し、それらに対して説明する。
【0009】
ここで
図2A及び
図2Bを参照して、1つ以上の実施形態に係る、それぞれCRSの緩和をオフした、かつCRSの緩和をオンしたCRS信号送信パターンの図について議論する。
図2Aに示すように、例示的なサブフレーム200は、サブフレーム200の中央6個のPRB212及び外側PRB214内にCRS信号210を有することを含むスロット0及びスロット1の中のサブフレーム200の物理リソースブロック(PRB)全体にわたって分散したいくつかのCRS信号210を含み得る。サブフレーム200内のCRS信号210のパターンは、CRSの緩和がオフである標準的なCRSパターンであってもよい。
【0010】
図2Aに示すように、例示的なサブフレーム202は、サブフレーム202の物理リソースブロック(PRB)全体にわたって分散したいくつかのCRS信号210を含み得る。サブフレーム200内のCRS信号210のパターンは、CRSの緩和がオンであるパターンであってもよい。CRSの緩和がオンであるこのような例示的な構成では、サブフレーム202の外側PRB214にはCRS信号210が存在しない。CRSの緩和では、CRS送信は、典型的に無線リソース管理(RRM)関連手順、例えば参照信号受信電力(RSRP)測定に使用される中央6個のPRB212を除いて、全てのPRBにおいてミュートされ得る。したがって、サービングセルによって又は隣接セルによって送信されるCRS信号のパターンは、
図2Aのサブフレーム200の例が示すようにCRSの緩和をオンさせてもよいし、
図2Bのサブフレーム202の例が示すようにCRSの緩和をオフにさせてもよい。以下の実施形態は、UE110がCRSの緩和がオンであるか、それともオフであるかどうかの見識を得ることができる様々な手順について議論する。
【0011】
ここで
図3を参照して、1つ以上の実施形態に係る自律的な隣接セルCRS送信パターン検出の図について議論する。
図3に示すように、ネットワーク100のセルによって利用されるネットワークベースのCRSの緩和の検出のためのプロセス300が、UE110によって自律的に実行されてもよい。UE110は、隣接セル(NC)又はサービングセル(SC)によって利用されるCRS信号送信パターンの自律的検出を実行することができ、これは自己検出とも称される場合がある。UE110は、NC CRS受信信号処理又はSC CRS受信信号処理を用いて、NC CRS送信パターン又はSC CRS送信パターンを検出し、ネットワークベースのCRSの緩和が、特定のサブフレーム内又はサブフレームのセットにおいて、隣接セル又はサービングセル内で使用されるかどうかを決断する。
【0012】
一実施形態では、動作310において、UE110は、中央6個のPRB212と外側PRB214のCRS参照信号受信電力(RSRP)の比較を実行する。UEは中央6個のPRB212内のCRS RSRP、例えばRSRP_INを推定し、UE110は外側PRB214内でCRS RSRP、例えばRSRP_OUTを推定する。第1の選択肢では、推定が行われる外側PRB214のセットは、中央6個のPRB214を含まない。第2の選択肢では、外側PRB214のセットは、広帯域RSRP測定として全てのPRBを含む。動作312では、UE110は、RSRP比較に基づいてネットワークベースのCRSの緩和が適用されるかどうかの決断を行う。RSRP_INがRSRP_OUT+XdBより大きいかどうかを決断ブロック314で判定を行うことができる。XdBのマージンは、ネットワークベースのCRSの緩和の誤検出を回避するために使用される。判定が真(YES)であれば、UE110はその後、動作316において、隣接セルのネットワークベースの緩和がオンであると判定する。そうでなければ、判定が偽(NO)であれば、UE110は、動作318において、隣接セルのネットワークベースの緩和がオフであると判定する。プロセス300が隣接セル又はeNB114によって送信される1つ以上のサブフレームに適用されてもよく、またPRB毎のCRS存在検出に拡張されてもよいことに留意されたい。
【0013】
別の実施形態では、周波数領域内の信号に対して相互相関又は部分相関を実行してもよい。本実施形態では、UE110は、周波数領域内の信号を受信し、周波数領域内のCRS信号を再構成する。測定動作はセル識別及び/又は検出の後であるため、ターゲットセルの物理セル識別子(PCI)情報は、UE110によって既に知られており、UE110はCRS信号を再構成することができる。
【0014】
再構成は、以下のとおり行うことができる。UE110は、ターゲットPCIによって導出されるCRSシーケンスを生成し、次いで、このシーケンスを周波数領域信号にマッピングする。2種類の信号を考慮することができる。CRS信号1については、外側PRB214に対して、すなわち、中央6個のPRB212を除いて全てのPRBに対して信号を生成することができる。中央6個のPRB212に対応する信号は、ヌリングされるか、又はパンクチャされる。CRS信号2については、CRS信号が全帯域幅に対して生成される。UE110の挙動を、2つの選択肢に分割することができる。
【0015】
第1の選択肢では、UE110は、再構成されたCRS信号1を使用し、修正された受信信号との相互相関又は部分相関を実行する。修正された受信信号は、ヌリングされた中央6個のPRB212を有する受信信号である。相互相関ピークが見つかる場合には、CRS信号は中央6個のPRB212の外側に存在する。第2の選択肢では、UE110は、再構成されたCRS信号2を使用し、完全受信信号との相互相関又は部分相関を実行する。相互相関ピークが見つかり、かつそれが閾値を上回っている場合、CRS信号は中央6個のPRB212の外側に存在する。相関プロセスのいくつかの特定の実施形態は、相互相関を適用する前の時間オフセット補償を含み得る。
【0016】
更に別の実施形態では、時間領域内の信号の相互相関を実行してもよい。UE110は、時間領域内の信号を受信し、時間領域内のCRS信号を再構成する。時間領域の実施形態は、上記の周波数領域の実施形態と実質的に同様であるが、ただし、相互相関が時間領域信号に対して行われ、再構成されたCRS信号は、時間領域に変換される。いくつかの特定の実施形態では、異なる隣接セル及び/又はサービングセルに対して別々に検出を行うことができる。キャリアアグリゲーション(CA)動作の場合には、検出も異なるコンポーネントキャリアに対して別々に行われてもよい。UE110による自律的検出を、各サブフレームに、又はサブフレームのサブセットに、例えば、N番目毎のサブフレームに実行してもよい。
【0017】
ここで
図4及び
図5を参照して、ネットワーク制御されたパターン自律的検出が常にアクティブ化された場合、eNBシグナリングを使用してネットワーク制御されたCRSミューティングを通知するときのユーザ機器(UE)の挙動の図について、1つ以上の実施形態にしたがって議論する。CRSの緩和検出の別の実施形態は、セル固有参照信号干渉緩和(CRS-IM)のためのネットワーク支援を対象とすることができる。一般的な場合、全てのネットワークがネットワークベースのCRSの緩和を使用しているわけではなく、したがって、全ての状況下でUE110側での隣接セル(NC)又はサービングセル(SC)のCRS送信パターンの自律的検出を使用することは、妥当ではない場合があり、追加の電力消費及び処理複雑性を暗に示す場合がある。したがって、プロセス400に示すように、eNB112又はeNB114のようなeNBは、隣接セル又はサービングセルがネットワークベースのCRSの緩和を使用しているかどうかの情報をUE10に指示することができる。例えば、
図4に示すように、eNBは、動作410でeNBシグナリングを使用して、動作412で、ネットワークベースのCRS-IMが、例えば、隣接セル又はサービングセルで使用され得ることをUE110に通知したり、動作414でネットワークベースのCRS-IMが使用されないことをUE110に通知したりする。
【0018】
第1の選択肢では、そのような情報は、例えば、無線リソース制御(RRC)シグナリングを介して半静的方法で提供することができる。eNBは、ネットワークベースのCRSの緩和を使用できる可能性を指示する。eNBは、その決断に基づいて、CRS送信をオンにするか、又はオフにするかを動的に切り替えることができる。eNBはまた、CRSのミューティングが使用されることを保証しない場合がある。eNBは、例えば、サブフレームのサブセット又はサブフレームのパターン内でCRSミューティングが使用される、又は潜在的に使用され得るリソースのセットに関する情報を提供することができる。eNBが動作414でネットワークベースのCRSの緩和が使用されないことをUE110に通知すると、UE110は動作418で旧来又は従来の手順、例えば従来の無線リソース管理(RRM)及び/又は復調を用いる。eNBがネットワークベースのCRSの緩和を使用できることを動作412でUE110に通知すると、UE110はサービングセル若しくは1つ以上の隣接セルのいずれかの自律的検出プロセス又はパターン検出器416をアクティブ化することができる。UE110はネットワークベースのCRSの緩和が使用されることを想定することができ、広帯域CRS信号があることを想定して、その挙動を調整することができる。動作420で隣接セルネットワークベースのCRS-IMがオフになった場合、UE110は、動作418で旧来又は従来の手順、例えば従来の無線リソース管理(RRM)及び/又は復調を用いる。
【0019】
第2の選択肢では、隣接セル又はサービングセルのCRSミューティングに関する情報を動的な方法で提供することができる。eNBは、CRSミューティングがネットワーク100によって使用されるであろう正確なセットリソースをUE110に通知することができる。eNBは、ミューティングが適用されるサブフレームのセットをUE110に通知することができる。eNBシグナリングを、周期的に、例えば、X個のサブフレーム数毎にUE110に提供してもよい。eNBシグナリング410を、下りリンク制御情報(DCI)で提供してもよい。UE110は、指示されたリソースに対してCRSパターン検出をアクティブ化する必要がなく、CRSミューティングがこれらのサブフレームに適用されると想定してもよい。したがって、eNBシグナリング410は、隣接セル毎に、又はコンポーネントキャリア(CC)毎に、かつ隣接セル毎に提供されてもよい。共通のシグナリングは、全ての隣接セルに適用可能であってもよく、また、シグナリングもサービングセルに対して提供されてもよい。
【0020】
eNBはまた、ネットワーク100で使用されるCRSミューティングパラメータをUE110に通知することもできる。eNBは、UE110に、特定のイベントのセットの前に/又は後にネットワーク100によって保証されるウォームアップサブフレーム及びクールダウンサブフレームの最大量を通知することができる。ウォームアップサブフレームは、イベントの前の全帯域幅CRSを有するサブフレームである。クールダウンサブフレームは、イベント後の全帯域幅CRSを有するサブフレームである。イベントは、ページング機会(IDLE、接続)、システム情報(SI)読み取りウィンドウ、拡張間欠受信(eDRX)中のページング送信ウィンドウ(PTW)、UEの接続DRX(C-DRX)のアクティブ時間、位置決定参照信号(PRS)送信、ランダムアクセスチャネル(RACH)応答(RAR)ウィンドウを含むRACH機会、及び/又はスケジューリング要求送信のうちの任意の1つ以上を含むことができる。
【0021】
CRSミューティングパターンのeNBシグナリング410は、全てのイベントに対して共同で、又は異なるイベントに対して別々に提供されてもよい。eNBシグナリング410は、専用のRRCシグナリングによって、又は例えばシステム情報ブロック(SIB)でブロードキャストすることによって、搬送することができる。ウォームアップサブフレーム及びクールダウンサブフレームの最大量は、シグナリングのセットIDに関連付けられてもよく、すなわち、セットIDは、ウォームアップサブフレーム及びクールダウンサブフレームの所定の最大量に関連付けられてもよい。UE110は、eNBからのCRSミューティングの情報、例えば、CRSミューティングが使用されているか否か、又は、特定のイベントのセットの前にネットワーク100によって保証されるウォームアップサブフレーム及びクールダウンサブフレームの最大量はどのくらいかの要求を要求することができる。eNBシグナリング410を、サービングセル及び/又は1つ以上の隣接セルに提供してもよい。
【0022】
更なる実施形態は、1つ以上の隣接セルによって使用されるネットワークベースのCRSの緩和を取り扱うためのUE110の挙動を対象とすることができる。隣接セルがCRS信号送信パターンを変更する、すなわち、隣接セルがネットワークベースのCRSの緩和を使用するという情報をUE110が取得すると、UE110の挙動は、CRSミューティングに対するロバスト性を向上させるために以下のように調整されてもよい。隣接セルがネットワークベースのCRSの緩和を使用する場合、例えば、動作422と同じように、その使用がUE110によって検出される場合、UE110は、RRM及び/又は復調調整などの隣接セルCRS処理に関する最適化された受信処理手順を使用することができる。動作424では、UE110は、隣接セルCRS干渉緩和のための受信機アルゴリズムを調整することができる。例えば、UEは、隣接セルCRS干渉を伴わずに、PRB内の動作426におけるCRS-IM処理を部分的に又は完全にオフにしてもよいし、CRS-IMを完全に無効化してもよい。CRS-IMマットが、DL制御チャネルIMタイプA/B受信機による物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)及び下りリンク(DL)制御チャネル処理に適用されることに留意されたい。ネットワーク支援型干渉除去及び抑制(NAICS)及びDL制御チャネルIMタイプA/Bなどの他の受信機の挙動も、CRS干渉が存在しない、例えば、NAICS処理をオフに切り替えてもよいPRBに対して調整されてもよい。
【0023】
UE110は、動作428において、中央6個のPRBなどのCRS送信のみを有するPRBを用いて、参照信号受信電力(RSRP)又は参照信号受信品質(RSRQ)などの隣接セル無線リソース管理(RRM)RRM測定を実行することができる。UE110は、隣接セルCRS送信のみを有するPRBを用いて、無線リンクモニタリング(RLM)を実行することができる。UE110は、中央6個のPRB212内のCRSを用いて、隣接セル信号の時間及び/又は周波数推定を実行することができる。
【0024】
隣接セルがネットワークベースのCRSの緩和を使用しない、例えば、動作420でネットワークベースのCRSの緩和が検出されない、又はオフである場合、UE110は、隣接セルCRS処理に関連する動作418において、復調及び/又はRRMなどの旧来又は従来の受信処理を使用することができる。可能性のあるネットワーク支援を考慮に入れて、以下のUE挙動を検討してもよい。UE110の第1の挙動は、
図4のプロセス400を用いて実行することができ、UE110は、ネットワークベースのCRSの緩和を使用できるという情報のeNBシグナリング410の後に自律的検出をアクティブ化する。UE100の第2の挙動は、
図5のプロセス500を用いて実行することができ、UE110は常に自律的検出を適用する。
【0025】
図6は、いくつかの実施形態に係る、ネットワークのシステム600のアーキテクチャを示す。システム600は、図示するように、ユーザ機器(UE)601及びUE602を含む。UE601及びUE602は、スマートフォン(例えば、1つ以上のセルラネットワークに接続可能なハンドヘルド型タッチスクリーンモバイルコンピューティングデバイス)として図示されているが、携帯情報端末(PDA)、ページャ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、無線ハンドセット、又は無線通信インターフェースを含む任意のコンピューティングデバイスなどの任意のモバイル又は非モバイルコンピューティングデバイスを含んでもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、UE601及びUE602のいずれかは、IoT(Internet of Things)UEを含むことができ、それは、短期UE接続を利用する低電力IoTアプリケーション用に設計されたネットワークアクセスレイヤを含み得る。IoT UEは、PLMN(パブリックランドモバイルネットワーク)、ProSe(Proximity-Based Service)又はD2D(device-to-device)通信、センサネットワーク、又はIoTネットワークを介して、MTC(machine-type communication)サーバ若しくはデバイスとデータを交換するためのM2M(machine-to-machine)又はMTCなどの技術を利用することができる。M2M又はMTCデータ交換は、データの機械起動の交換であってもよい。IoTネットワークは、相互に接続するIoT UEを記載し、それは、短期接続による、(インターネットインフラストラクチャ内の)一意に識別可能な埋め込み型コンピューティングデバイスを含み得る。IoT UEは、IoTネットワークの接続を容易にするために、バックグラウンドアプリケーション(例えば、キープアライブメッセージ、ステータス更新など)を実行してもよい。
【0027】
UE601及びUE602は、無線アクセスネットワーク(RAN)610と接続する、例えば、通信可能に連結するように構成されてもよく、RAN610は、例えば、発展型UMTS(Evolved Universal Mobile Telecommunications System)E-UTRAN(Evolved Terrestrial Radio Access Network)、NG RAN(NextGen RAN)、又はいくつかの他のタイプのRANであってもよい。UE601及びUE602は、それぞれ接続603及び接続604を利用し、これらはそれぞれ、物理通信インターフェース又はレイヤ(以下で更に詳細に議論する)を含む。本例では、接続603及び接続604は、通信可能な連結を可能にするためのエアインターフェースとして図示されており、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)プロトコル、CDMA(code-division multiple access)ネットワークプロトコル、PTT(Push-to-Talk)プロトコル、POC(PTT over Cellular)プロトコル、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)プロトコル、3GPP LTE(Long Term Evolution)プロトコル、5G(第5世代)プロトコル、NR(新しい無線)プロトコルなどのセルラ通信プロトコルと合致することができる。
【0028】
本実施形態では、UE601及びUE602は、更に、ProSeインターフェース605を介して通信データを直接交換することができる。ProSeインターフェース605は、代替的に、サイドリンクインターフェースと称される場合があり、限定されないが、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)、物理サイドリンク共用チャネル(PSSCH)、物理サイドリンクディスカバリーチャネル(PSDCH)、及び物理サイドリンクブロードキャストチャネル(PSBCH)を含む、1つ以上の論理チャネルを備える。
【0029】
UE602は、図示するように、接続607を介してアクセスポイント(AP)606にアクセスするように構成される。接続607は、任意のIEEE802.11プロトコルと合致する接続などのローカルワイヤレス接続を含むことができ、AP606は、WiFi(Wireless Fidelity)(登録商標)ルータを備えるであろう。本例では、AP606は、図示するように、ワイヤレスシステムのコアネットワークに接続せずにインターネットに接続される(以下で更に詳細に説明する)。
【0030】
RAN610は、接続603及び接続604を可能にする1つ以上のアクセスノードを含むことができる。これらのアクセスノード(AN)は、基地局(BS)、NodeB、発展型NodeB(eNB)、次世代NodeB(gNB)、RANノードなどと称される場合があり、地理的エリア(例えば、セル)内にカバレッジを提供する地上局(例えば、地上アクセスポイント)又はサテライト局を備えることができる。RAN610は、マクロセル、例えば、マクロRANノード611を提供するための1つ以上のRANノードと、フェムトセル又はピコセル(例えば、マクロセルと比較して、より小さいカバレージエリア、より小さいユーザ容量、又はより高い帯域幅を有するセル)例えば、低電力(LP)ノード612を提供するための1つ以上のRANノードと、を含んでもよい。
【0031】
RANノード611及びRANノード612のいずれかは、エアインターフェースプロトコルを終了することができ、UE601及びUE602の第1の接触点とすることができる。いくつかの実施形態では、RANノード611及びRANノード612のいずれも、RAN610のための様々な論理機能を果たすことができ、その機能は、限定されないが、無線ベアラ管理、上りリンク及び下りリンク動的無線リソース管理、並びにデータパケットスケジューリング、並びにモビリティ管理などの無線ネットワークコントローラ(RNC)機能を含む。
【0032】
いくつかの実施形態によれば、UE601及びUE602は、様々な通信技術に従ったマルチキャリア通信チャネルにより、直交周波数分割多重(OFDM)通信信号を用いて、互いに又はRANノード611及び612のいずれかと通信するように構成することができ、この様々な通信技術は、例えば、(例えば、下りリンク通信用の)直交周波数分割多元接続(OFDMA)通信技術、又は(例えば、上りリンク及びProSe又はサイドリンク通信用の)シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)通信技術であるが、これらに限定されず、実施形態の範囲は、この点において限定されない。OFDM信号は、複数の直交サブキャリアを含むことができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、下りリンクリソースグリッドは、RANノード611及びRANノード612のいずれかからUE601及びUE602に下りリンク送信のために使用することができ、上りリンク送信は同様の技術を利用することができる。グリッドは、リソースグリッド又は時間周波数リソースグリッドと呼ばれる時間周波数グリッドとすることができ、それは、各スロット内の下りリンクの物理的リソースである。このような時間-周波数平面表現は、OFDMシステムの一般的な慣習であり、それは無線リソース割り当ての直感的なものにする。リソースグリッドの各列及び各行は、それぞれ、1つのOFDMシンボル及び1つのOFDMサブキャリアに対応する。時間領域内のリソースグリッドの持続時間は、無線フレーム内の1つのスロットに対応する。リソースグリッドの最小時間周波数単位は、リソースエレメントと表記する。各リソースグリッドは、多数のリソースブロックを含み、それは、リソースエレメントへの特定の物理チャネルのマッピングを説明する。各リソースブロックは、リソースエレメントの集合を含み、周波数領域において、これは、現在割り当てられ得るリソースの最小量を表すことができる。このようなリソースブロックを用いて伝達されるいくつかの異なる物理下りリンクチャネルが存在する。
【0034】
物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)は、ユーザデータ及び上位レイヤシグナリングをUE601及びUE602に搬送することができる。物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)は、とりわけ、PDSCHチャネルに関するトランスポートフォーマット及びリソース割り当てに関する情報を搬送することができる。また、それは、上りリンク共用チャネルに関するトランスポートフォーマット、リソース割り当て、及びH-ARQ(ハイブリッド自動再送要求)情報について、UE601及びUE602に通知することもできる。典型的には、下りリンクスケジューリング(制御及び共有チャネルリソースブロックをセル内のUE102に割り当てる)は、UE601及びUE602のいずれかからフィードバックされるチャネル品質情報に基づいて、RANノード611及びRANノード612のいずれかで実行されてもよい。下りリンクリソース割り当て情報は、UE601及びUE602のそれぞれに対して使用される(例えば、割り当てられた)PDCCHで送信されてもよい。
【0035】
PDCCHは、制御チャネルエレメント(CCE)を使用して制御情報を伝達してもよい。リソースエレメントにマッピングされる前に、PDCCH複素数値シンボルは最初に、4つの組(quadruplets)に編成されてもよく、その後、レートマッチングのためのサブブロックインターリーバを用いて入れ替えられてもよい。各PDCCHを、これらのCCEのうちの1つ以上を用いて送信してもよく、各CCEは、リソースエレメントグループ(REG)として知られる4つの物理リソースエレメントの9つのセットに対応することができる。4つの四位相偏移変調(QPSK)シンボルを各REGにマッピングしてもよい。PDCCHは、下りリンク制御情報(DCI)のサイズ及びチャネル状態に応じて、1つ以上のCCEを用いて送信することができる。異なる数のCCE(例えば、アグリゲーションレベル、L=1、2、4、又は8)を有するLTEに定義される4つ以上の異なるPDCCHフォーマットが存在し得る。
【0036】
いくつかの実施形態は、上記の概念の拡張である制御チャネル情報のためのリソース割り当てのための概念を使用することができる。例えば、いくつかの実施形態は、制御情報送信のためにPDSCHリソースを使用する拡張型物理下りリンク制御チャネル(EPDCCH)を利用することができる。EPDCCHを、1つ以上の拡張された制御チャネルエレメント(ECCE)を用いて送信してもよい。上記と同様に、各ECCEは、拡張されたリソースエレメントグループ(EREG)として知られる4つの物理リソースエレメントからなる9つのセットに対応し得る。ECCEは、一部の状況では、他の数のEREGを有してもよい。
【0037】
RAN610は、図示するように、S1インターフェース613を介してコアネットワーク(CN)620に通信可能に連結される。実施形態では、CN620は、発展型パケットコア(EPC)ネットワーク、NextGenパケットコア(NPC)ネットワーク、又は他の何らかのタイプのCNであってもよい。本実施形態では、S1インターフェース613は、2つの部分に、すなわち、RANノード611及び612とサービングゲートウェイ(S-GW)622との間でトラフィックデータを搬送するS1-Uインターフェース614と、RANノード611及び612とMME621との間でトラフィックデータを搬送するシグナリングインターフェースであるS1-モビリティ管理エンティティ(MME)インターフェース615と、に分割される。
【0038】
本実施形態では、CN620は、MME621、S-GW622、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(P-GW)623、及びホーム加入者サーバ(HSS)624を備える。MME621は、レガシーサービング汎用パケット無線サービス(GPRS)サポートノード(SGSN)の制御面と機能が同様であってもよい。MME621は、ゲートウェイ選択及びトラッキングエリアリスト管理などのアクセスのモビリティ態様を管理することができる。HSS624は、ネットワークユーザのデータベースを備えることができ、それは、ネットワークエンティティの通信セッションの取り扱いをサポートするための加入関連情報を含む。CN620は、モバイル加入者数、機器の容量、ネットワークの組織などに応じて、1つ又はいくつかのHSS624を含んでもよい。例えば、HSS624は、ルーティング/ローミング、認証、認可、名前/アドレス解決、位置依存性などのためのサポートを提供することができる。
【0039】
S-GW622は、RAN610に対するS1インターフェース613を終了し、RAN610とCN620との間でデータパケットをルーティングすることができる。加えて、S-GW622は、RANノード間ハンドオーバーのためのローカルモビリティアンカーポイントであってもよく、また、3GPP間モビリティのためのアンカーを提供してもよい。他の責任は、合法の傍受、課金、及び一部のポリシー施行を含んでもよい。
【0040】
P-GW623は、PDNに対するSGiインターフェースを終了することができる。P-GW623は、インターネットプロトコル(IP)インターフェース625を介して、EPCネットワーク623と、アプリケーションサーバ630(代替的にアプリケーション機能(AF)と称される)を含むネットワークなどの外部ネットワークとの間でデータパケットをルーティングすることができる。一般に、アプリケーションサーバ630は、IPベアラリソースを、コアネットワーク(例えば、UMTSパケットサービス(PS)ドメイン、LTE PSデータサービスなど)と共に使用するアプリケーションを提供する要素であってもよい。本実施形態では、P-GW623は、図示するように、IP通信インターフェース625を介してアプリケーションサーバ630に通信可能に連結される。アプリケーションサーバ630はまた、CN620を介してUE601及びUE602のために1つ以上の通信サービス(例えば、ボイスオーバーインターネットプロトコル(VoIP)セッション、PTTセッション、グループ通信セッション、ソーシャルネットワーキングサービスなど)をサポートするように構成することもできる。
【0041】
P-GW623は、更に、ポリシー施行及び課金データ収集のためのノードであってもよい。ポリシー及び課金施行機能(PCRF)626は、CN620のポリシー及び課金制御要素である。非ローミングシナリオでは、UEのインターネットプロトコル接続アクセスネットワーク(IP-CAN)セッションに関連付けられたHPLMN(Home Public Land Mobile Network)内に単一のPCRFが存在してもよい。トラフィックのローカルブレークアウトを伴うローミングシナリオでは、UEのIP-CANセッションに関連付けられた2つのPCRF、すなわち、HPLMN内のHomePCRF(H-PCRF)とVPLMN(Visited Public Land Mobile Network)内のVisitedPCRF(V-PCRF)が存在し得る。PCRF626は、P-GW623を介してアプリケーションサーバ630に通信可能に連結されてもよい。アプリケーションサーバ630は、PCRF626に信号を送って、新しいサービスフローを指示し、適切なサービス品質(QoS)及び課金パラメータを選択することができる。PCRF626は、アプリケーションサーバ630によって指定されたQoS及び課金を開始する、適切なトラフィックフローテンプレート(TFT)及びQoSクラスの識別子(QCI)を有するポリシー及び課金施行機能(PCEF)(図示せず)に、このルールをプロビジョニングすることができる。
【0042】
図7は、いくつかの実施形態に係るデバイス700の例示の構成要素を示す。いくつかの実施形態では、デバイス700は、少なくとも図示されるように共に連結されたアプリケーション回路702と、ベースバンド回路704と、無線周波数(RF)回路706と、フロントエンドモジュール(FEM)回路708と、1つ以上のアンテナ710と、電力管理回路(PMC)712と、を含み得る。図示されたデバイス700の構成要素は、UE又はRANノードに含まれてもよい。いくつかの実施形態では、デバイス700は、より少ない要素しか含まなくてもよい(例えば、RANノードは、アプリケーション回路702を利用しなくてもよく、代わりに、EPCから受信したIPデータを処理するためのプロセッサ/コントローラを含んでもよい)。いくつかの実施形態では、デバイス700は、例えば、メモリ/記憶装置、ディスプレイ、カメラ、センサ、又は入出力(I/O)インターフェースなどの追加の要素を含んでもよい。他の実施形態では、以下に記載する構成要素は、2つ以上のデバイスに含まれてもよい(例えば、上記回路は、クラウドRAN(C-RAN)実装のために2つ以上のデバイスに別々に含まれてもよい)。
【0043】
アプリケーション回路702は、1つ以上のアプリケーションプロセッサを含み得る。例えば、アプリケーション回路702は、限定されないが、1つ以上のシングルコア又はマルチコアプロセッサなどの回路を含むことができる。プロセッサ(単数又は複数)は、汎用プロセッサ及び専用プロセッサ(例えば、グラフィックプロセッサ、アプリケーションプロセッサなど)の任意の組み合わせを含んでもよい。プロセッサは、メモリ/記憶装置に連結されてもよいし、メモリ/記憶装置を含んでもよく、様々なアプリケーション又はオペレーティングシステムをデバイス700上で実行することを可能にするために、メモリ/記憶装置に記憶された命令を実行するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、アプリケーション回路702のプロセッサは、EPCから受信したIPデータパケットを処理することができる。
【0044】
ベースバンド回路704は、限定されないが、1つ以上のシングルコアプロセッサ又はマルチコアプロセッサなどの回路を含むことができる。ベースバンド回路704は、RF回路706の受信信号経路から受信したベースバンド信号を処理し、RF回路706の送信信号経路のためのベースバンド信号を生成するための、1つ以上のベースバンドプロセッサ又は制御ロジックを含むことができる。ベースバンド処理回路704は、ベースバンド信号の生成及び処理のために、かつRF回路706の動作を制御するために、アプリケーション回路702とインターフェース接続することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ベースバンド回路704は、第3世代(3G)ベースバンドプロセッサ704A、第4世代(4G)ベースバンドプロセッサ704B、第5世代(5G)ベースバンドプロセッサ704C、又は他の既存世代、開発中の、若しくは将来開発される世代(例えば、第2世代(2G)、第6世代(6G)など)の他のベースバンドプロセッサ704Dを含み得る。ベースバンド回路704(例えば、1つ以上のベースバンドプロセッサ704A~D)は、RF回路706を介した1つ以上の無線ネットワークとの通信を可能にする様々な無線制御機能を取り扱うことができる。他の実施形態では、ベースバンドプロセッサ704A~Dの機能の一部又は全部は、メモリ704Gに記憶されたモジュールに含まれ、中央処理装置(CPU)704Eを介して実行されてもよい。無線制御機能としては、信号変調/復調、符号化/復号、無線周波数シフトなどを挙げることができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ベースバンド回路704の変調/復調回路は、高速フーリエ変換(FFT)、プリコーディング、又はコンステレーションマッピング/デマッピング機能を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ベースバンド回路704の符号化/復号回路は、畳込み、テールバイティング畳込み、ターボ、ビタビ、又は低密度パリティチェック(LDPC)エンコーダ/デコーダ機能を含んでもよい。変調/復調及びエンコーダ/デコーダ機能の実施形態は、これらの実施例に限定されず、他の実施形態では他の好適な機能を含んでもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、ベースバンド回路704は、1つ以上の音声デジタル信号プロセッサ(DSP)(単数又は複数)704Fを含み得る。音声DSP(単数又は複数)704Fは、圧縮/展開及びエコー除去のための要素を含んでもよく、他の実施形態では、他の好適な処理要素を含んでもよい。ベースバンド回路の構成要素は、いくつかの実施形態では、単一のチップ、単一のチップセット内で好適に組み合わされてもよいし、同じ回路基板上に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、ベースバンド回路704及びアプリケーション回路702の構成要素の一部又は全部は、例えば、SOC(system on a chip)上に、一緒に実装されてもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、ベースバンド回路704は、1つ以上の無線技術と互換性のある通信を提供することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ベースバンド回路704は、発展型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(EUTRAN)又は他のワイヤレスメトロポリタンエリアネットワーク(WMAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)との通信をサポートすることができる。ベースバンド回路704が2つ以上のワイヤレスプロトコルの無線通信をサポートするように構成される実施形態は、マルチモードベースバンド回路と称される場合がある。
【0047】
RF回路706は、非固体媒体を通した変調電磁放射線を用いてワイヤレスネットワークとの通信を可能にすることができる。様々な実施形態では、RF回路706は、無線ネットワークとの通信を容易にするために、スイッチ、フィルタ、増幅器などを含んでもよい。RF回路706は、FEM回路708から受信したRF信号をダウンコンバートし、ベースバンド信号をベースバンド回路704に提供するための回路を含み得る受信信号経路を含み得る。RF回路706はまた、ベースバンド回路704によって提供されるベースバンド信号をアップコンバートし、送信のためにRF出力信号をFEM回路708に提供するための回路を含み得る送信信号経路も含んでもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、RF回路706の受信信号経路は、ミキサ回路706a、増幅器回路706b及びフィルタ回路706cを含み得る。いくつかの実施形態では、RF回路706の送信信号経路は、フィルタ回路706c及びミキサ回路706aを含み得る。RF回路706はまた、受信信号経路及び送信信号経路のミキサ回路706aによって使用される周波数を合成するための合成回路706dを含んでもよい。いくつかの実施形態では、受信信号経路のミキサ回路706aは、合成回路706dによって提供される合成周波数に基づいて、FEM回路708から受信したRF信号をダウンコンバートするように構成されてもよい。増幅器回路706bは、ダウンコンバートされた信号を増幅するように構成することができ、フィルタ回路706cは、ダウンコンバートされた信号から不要な信号を除去して出力ベースバンド信号を生成するように構成されたローパスフィルタ(LPF)又はバンドパスフィルタ(BPF)であってもよい。出力ベースバンド信号は、更に処理するためにベースバンド回路704に提供されてもよい。いくつかの実施形態では、出力ベースバンド信号は、ゼロ周波数ベースバンド信号であってもよいが、これは必須ではない。いくつかの実施形態では、受信信号経路のミキサ回路706aは、受動ミキサを含んでもよいが、実施形態の範囲はこの点で限定されない。
【0049】
いくつかの実施形態では、送信信号経路のミキサ回路706aは、合成回路706dによって提供される合成周波数に基づいて入力ベースバンド信号をアップコンバートして、FEM回路708のためのRF出力信号を生成するように構成されてもよい。ベースバンド信号は、ベースバンド回路704によって提供されてもよく、フィルタ回路706cによってフィルタリングされてもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、受信信号経路のミキサ回路706a及び送信信号経路のミキサ回路706aは、2つ以上のミキサを含んでもよく、直交ダウンコンバージョン及びアップコンバージョンのためにそれぞれ配置されてもよい。いくつかの実施形態では、受信信号経路のミキサ回路706a及び送信信号経路のミキサ回路706aは、2つ以上のミキサを含んでもよく、画像除去(例えば、ハートレー(Hartley)画像除去)のために配置されてもよい。いくつかの実施形態では、受信信号経路のミキサ回路706a及びミキサ回路706aは、それぞれ直接ダウンコンバージョン及び直接アップコンバージョンのために配置されてもよい。いくつかの実施形態では、受信信号経路のミキサ回路706a及び送信信号経路のミキサ回路706aは、スーパーヘテロダイン動作のために構成されてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、出力ベースバンド信号及び入力ベースバンド信号はアナログベースバンド信号であってもよいが、実施形態の範囲はこの点で限定されない。いくつかの代替実施形態では、出力ベースバンド信号及び入力ベースバンド信号は、デジタルベースバンド信号であってもよい。これらの代替実施形態では、RF回路706は、アナログデジタル変換器(ADC)及びデジタルアナログ変換器(DAC)回路を含むことができ、ベースバンド回路704は、RF回路706と通信するためのデジタルベースバンドインターフェースを含んでもよい。
【0052】
いくつかのデュアルモード実施形態では、各スペクトルの信号を処理するために別個の無線IC回路が提供されてもよいが、実施形態の範囲はこの点で限定されない。いくつかの実施形態では、合成回路706dは、フラクショナルN合成器であってもよく、又はフラクショナルN/N+1合成器であってもよいが、他の種類の周波数合成器が適している場合があるので、本実施形態の範囲はこの点で限定されない。例えば、合成回路706dは、デルタ-シグマ合成器、周波数逓倍器、又は周波数分割器を有する位相同期回路(phase-locked loop)を備える合成器であってもよい。
【0053】
合成回路706dは、周波数入力及び分割器制御入力に基づいて、RF回路706のミキサ回路706aによって使用される出力周波数を合成するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、合成回路706dは、フラクショナルN/N+1合成器であってもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、周波数入力は、電圧制御発振器(VCO)によって提供されてもよいが、それは必須ではない。分割器制御入力は、所望の出力周波数に応じてベースバンド回路704又はアプリケーションプロセッサ702のいずれかによって提供されてもよい。いくつかの実施形態では、分割器制御入力(例えば、N)は、アプリケーションプロセッサ702によって示されるチャネルに基づいてルックアップテーブルから決定されてもよい。
【0055】
RF回路706の合成回路706dは、分割器、遅延ロックループ(DLL)、マルチプレクサ、及び位相アキュムレータを含み得る。いくつかの実施形態では、分割器は、デュアルモジュラス分割器(DMD)であってもよく、位相アキュムレータは、デジタル位相アキュムレータ(DPA)であってもよい。いくつかの実施形態では、DMDは、入力信号を(例えば、実行に基づいて)N又はN+1のいずれかに分割して、フラクショナル分割比を提供するように構成されてもよい。いくつかの例示的実施形態では、DLLは、カスケード式同調可能な遅延素子、位相検出器、チャージポンプ、及びD型フリップフロップのセットを含み得る。これらの実施形態では、遅延素子は、VCO周期を、Ndの等しい位相のパケットに分割するように構成することができ、ここでNdは遅延線内の遅延素子の数である。このようにして、DLLは、遅延線を通した合計遅延が1つのVCOサイクルであることを保証することに寄与すべく、負のフィードバックを提供する。
【0056】
いくつかの実施形態では、合成回路706dは、出力周波数としてキャリア周波数を生成するように構成されてもよい一方、他の実施形態では、出力周波数は、キャリア周波数の倍数(例えば、キャリア周波数の2倍、キャリア周波数の4倍)であってもよく、直交発生器及び分割器回路と併用して、互いに対して複数の異なる位相を有するキャリア周波数で複数の信号を生成することができる。いくつかの実施形態では、出力周波数はLO周波数(fLO)であってもよい。いくつかの実施形態では、RF回路706は、IQ/極性変換器を含んでもよい。
【0057】
FEM回路708は、1つ以上のアンテナ710から受信したRF信号上で動作し、受信信号を増幅し、更に処理するために受信信号の増幅バージョンをRF回路706に提供するように構成された回路を含み得る受信信号経路を含んでもよい。FEM回路708はまた、1つ以上のアンテナ710のうちの1つ以上によって送信するためにRF回路706によって提供される送信のための信号を増幅するように構成された回路を含み得る送信信号経路を含んでもよい。様々な実施形態では、送信又は受信信号経路を通じた増幅は、RF回路706のみにおいて、FEM708のみにおいて、又はRF回路706及びFEM708の両方において行われてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、FEM回路708は、送信モードと受信モード動作との間で切り替えるためのTX/RXスイッチを含んでもよい。FEM回路は、受信信号経路及び送信信号経路を含み得る。FEM回路の受信信号経路は、受信されたRF信号を増幅し、増幅された受信RF信号を出力として(例えば、RF回路706に)提供するためのLNAを含んでもよい。FEM回路708の送信信号経路は、(例えば、RF回路706によって提供される)入力RF信号を増幅するための電力増幅器(PA)と、(例えば、1つ以上のアンテナ710のうちの1つ以上による)後続する送信のためにRF信号を生成するための1つ以上のフィルタとを含むことができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、PMC712は、ベースバンド回路704に提供される電力を管理することができる。具体的には、PMC712は、電源選択、電圧スケーリング、バッテリ充電、又はDC-DC変換を制御することができる。デバイス700がバッテリによって給電可能である場合、例えば、このデバイスがUEに含まれている場合に、多くの場合、PMC712が含まれてもよい。PMC712は、望ましい実装サイズ及び放熱特性を付与しながら、電力変換効率を高めることができる。
【0060】
図7は、ベースバンド回路704のみと連結されたPMC712を示す。しかし、他の実施形態では、PMC712は、追加的に又は代替的に、他の構成要素と連結され、同様の電力管理動作を実行することができ、他の構成要素は、限定されないが、アプリケーション回路702、RF回路706又はFEM708などのである。
【0061】
いくつかの実施形態では、PMC712は、デバイス700の様々な省電力機構を制御するか、又は別の方法でその一部とすることができる。例えば、デバイス700がRRC接続状態にある場合(トラフィックを間もなく受信することが予期される際、RANノードに依然として接続されている場合)、デバイスは、非アクティブ期間後に間欠受信モード(DRX)として知られる状態に入ることができる。この状態の間は、デバイス700は、短時間電力を落とすことができ、それによって節電することができる。
【0062】
長期間データトラフィックアクティビティがない場合、デバイス700はその後、オフにしてRRCアイドル状態(ネットワークから切断し、チャネル品質フィードバック、ハンドオーバーなどの動作を実行しない)に遷移してもよい。デバイス700は、極低電力状態になり、ネットワークをリッスンするため再び周期的に起動し、その後、再び電源を落とすというページングを実行する。デバイス700は、この状態でデータを受信することができず、データを受信するためには、RRC接続状態に遷移しなければならない。
【0063】
付加的な省電力モードにより、ページング間隔より長期間(秒から数時間に及ぶ)、デバイスがネットワークを利用不可にすることを可能にしてもよい。この間、デバイスは、ネットワークに全く接続できず、完全に電力を落とすことができる。この間に送信されるどんなデータも、大きな遅延をもたらし、遅延が許容できるものと想定される。
【0064】
アプリケーション回路702のプロセッサ及びベースバンド回路704のプロセッサを使用して、プロトコルスタックの1つ以上のインスタンスの要素を実行することができる。例えば、ベースバンド回路704のプロセッサを単独で又は組み合わせて使用することができ、レイヤ3、レイヤ2、又はレイヤ1の機能を実行することができる一方で、アプリケーション回路704のプロセッサは、これらのレイヤから受信したデータ(例えば、パケットデータ)を利用してもよく、更に、レイヤ4の機能(例えば、伝送通信プロトコル(TCP)及びユーザデータグラムプロトコル(UDP)レイヤ)を実行してもよい。本明細書で言及するように、レイヤ3は、以下に更に詳細に記載する無線リソース制御(RRC)レイヤを含んでもよい。本明細書で言及するように、レイヤ2は、以下に更に詳細に記載する、メディアアクセス制御(MAC)レイヤ、無線リンク制御(RLC)レイヤ、及びパケットデータ収束プロトコル(PDCP)レイヤを含み得る。本明細書で言及するように、レイヤ1は、以下に更に詳細に記載する、UE/RANノードの物理(PHY)レイヤを含み得る。
【0065】
図8は、いくつかの実施形態によるベースバンド回路の例示的なインターフェースを示す。上記に議論したように、
図7のベースバンド回路704は、プロセッサ704A~704Eと、そのプロセッサによって利用されるメモリ704Gと、を含み得る。プロセッサ704A~704Eのそれぞれは、メモリ704Gに/メモリGからデータを送信/受信するために、メモリインターフェース804A~804Eをそれぞれ含み得る。
【0066】
ベースバンド回路704は、他の回路/デバイスに通信可能に連結するための1つ以上のインターフェースを更に含むことができ、それは、メモリインターフェース812(例えば、ベースバンド回路704の外部のメモリに/からデータを送信/受信するインターフェース)、アプリケーション回路インターフェース814(例えば、
図7のアプリケーション回路702に/からデータを送信/受信するためのインターフェース)、RF回路インターフェース816(例えば、
図7のRF回路706に/からデータを送信/受信するインターフェース)、ワイヤレスハードウェア接続インターフェース818(例えば、近距離無線通信(NFC)構成要素、Bluetooth(登録商標)構成要素(例えば、Bluetooth(登録商標)Low Energy)、Wi-Fi(登録商標)構成要素、及び他の通信構成要素に/からデータを送信/受信するインターフェース)、及び、電力管理インターフェース820(例えば、PMC712に/から電力又は制御信号を送信/受信するためのインターフェース)などである。
【0067】
以下は、本明細書に記載する主題の例示的な実装態様である。本明細書に記載する実施例及びその変形例のいずれも、任意の他の1つ以上の実施例又は変形例の任意の順列又は組み合わせで使用される場合があるが、請求項に記載される主題の範囲は、これらの点で限定されないことに留意されたい。
【0068】
実施例1では、ユーザ機器(UE)の装置は、ネットワークのセルから1つ以上のサブフレームを受信し、CRSの緩和がセルによって使用されるかどうかを判定するために、1つ以上のサブフレーム内のセル固有参照信号(CRS)送信パターンを検出するための1つ以上のベースバンドプロセッサであって、1つ以上のベースバンドプロセッサは、CRSの緩和が使用されるときに、1つ以上のサブフレームの処理を調整するものである、1つ以上のベースバンドプロセッサと、1つ以上のサブフレームを記憶するメモリと、を備える。実施例2は、実施例1又は本明細書に記載される実施例のうちのいずれかの主題を含んでもよく、セルは、サービングセル又は隣接セルを含む。実施例3は、実施例1又は本明細書に記載される実施例のうちのいずれかの主題を含んでもよく、1つ以上のベースバンドプロセッサは、CRSの緩和が使用されるときに無線リソース管理(RRM)手順又は復調手順を調整するものである。実施例4は、実施例1又は本明細書に記載される実施例のうちのいずれかの主題を含んでもよく、CRSの緩和がセルによって使用されるかどうかを判定することは、物理リソースブロック(PRB)の中央セット(RSRP_IN)上のCRS参照信号受信電力(RSRP)を推定し、1つ以上のサブフレームのPRBの外側セット(RSRP_OUT)上のCRS RSRPを推定することと、RSRP_INがRSRP_OUT及びマージンを超えている場合に、CRSの緩和がセルによって使用されると判定することと、を含む。実施例5は、実施例1又は本明細書に記載される実施例のうちのいずれかの主題を含んでもよく、RSRP_OUTを推定することは、PRBの中央セットを含まない。実施例6は、実施例1又は本明細書に記載される実施例のうちのいずれかの主題を含んでもよく、RSRP_OUTを推定することは、物理リソースブロック(PRB)の中央セットのうちの1つ以上を含む広帯域RSRP測定を含む。実施例7は、実施例1又は本明細書に記載される実施例のうちのいずれかの主題を含んでもよく、CRSの緩和がセルによって使用されるかどうかを判定することは、1つ以上のサブフレーム物理リソースブロック(PRB)の外側セットの周波数領域で第1のCRS信号(CRS信号1)を再構成し、1つ以上のサブフレームの全帯域幅の周波数領域で第2のCRS信号(CRS信号2)を再構成することと、CRS信号1又はCRS信号2を用いて相互相関又は部分相互相関を実行することであって、相互相関ピークが見つからない場合には、CRSの緩和がセルによって使用され、又は相互相関ピークが見つかる場合には、CRSの緩和がセルによって使用されない、ことと、を含む。実施例8は、実施例1又は本明細書に記載される実施例のうちのいずれかの主題を含んでもよく、1つ以上のベースバンドプロセッサはCRS信号1との相互相関又は部分相互相関を実行するものであり、修正された受信信号は、物理リソースブロック(PRB)のヌリングされた中央セットを有する受信信号を含む。実施例9は、実施例1又は本明細書に記載される実施例のうちのいずれかの主題を含んでもよく、1つ以上のベースバンドプロセッサは、完全受信信号を有するCRS信号2との相互相関又は部分相互相関を実行するものである。実施例10は、実施例1又は本明細書に記載される実施例のうちのいずれかの主題を含んでもよく、第1のCRS信号及び第2のCRS信号は、周波数領域の代わりに時間領域で再構成される。実施例11は、実施例1又は本明細書に記載される実施例のうちのいずれかの主題を含んでもよく、1つ以上のベースバンドプロセッサは、CRS信号が1つ以上のサブフレームの外側物理リソースブロック(PRB)で送信されないときに、1つ以上のサブフレームの処理を調整するものである。実施例12は、実施例1又は本明細書に記載される実施例のうちのいずれかの主題を含んでもよく、1つ以上のベースバンドプロセッサは、CRSの緩和が1つ以上のサブフレームに対して検出されたときに、CRS信号を伴わずに、CRS干渉緩和(CRS-IM)処理を無効化するものである。実施例13は、実施例1又は本明細書に記載される実施例のうちのいずれかの主題を含んでもよく、1つ以上のベースバンドプロセッサは、1つ以上のサブフレームに対してCRSの緩和が検出されたときに、全ての物理リソースブロック(PRB)におけるCRS干渉緩和(CRS-IM)処理を無効化するものである。実施例14は、実施例1又は本明細書に記載される実施例のうちのいずれかの主題を含んでもよく、1つ以上のベースバンドプロセッサは、CRSの緩和が1つ以上のサブフレームに対して検出されたときに、CRS信号を伴わずに、物理リソースブロック(PRB)内のネットワーク支援型干渉除去及び抑制(NAICS)受信機処理を無効化するものである。実施例15は、実施例1又は本明細書に記載される実施例のうちのいずれかの主題を含んでもよく、1つ以上のベースバンドプロセッサは、CRSの緩和が1つ以上のサブフレームに対して検出されたときに、CRS信号を有する物理リソースブロック(PRB)のみを用いて、隣接セル上の参照信号受信電力(RSRP)又は参照信号受信品質(RSRQ)を含む無線リソース管理(RRM)測定を実行するものである。実施例16は、実施例1又は本明細書に記載される実施例のうちのいずれかの主題を含んでもよく、1つ以上のベースバンドプロセッサは、CRSの緩和が1つ以上のサブフレームに対して検出されたときに、CRS信号を有する物理リソースブロック(PRB)のみを用いて、隣接セル上で無線リンクモニタリング(RLM)を実行するものである。
【0069】
実施例17では、発展型NodeB(eNB)の装置は、ネットワークのセルが、セルによって送信される1つ以上のサブフレーム上でセル固有参照信号(CRS)を使用することができるかどうかについてユーザ機器(UE)に指示を送信するための1つ以上のベースバンドプロセッサと、その指示を記憶するメモリと、を備える。実施例18は、実施例17又は本明細書に記載される実施例のいずれかの主題を含んでもよく、セルは、サービングセル又は隣接セルを含む。実施例19は、実施例17又は本明細書に記載される実施例のうちのいずれかの主題を含んでもよく、この指示は、無線リソース制御(RCC)シグナリング経由を含む半静的方法でUEに送信され、1つ以上のベースバンドプロセッサは、CRS送信を動的にオンに切り替えるか又はオフに切り替えるものである。実施例20は、実施例17又は本明細書に記載される実施例のうちのいずれかの主題を含んでもよく、この指示は、下りリンク制御情報(DCI)経由を含む動的な方法でUEに送信され、この指示は、CRSの緩和が適用される正確なリソース、及びCRSの緩和が適用される1つ以上のサブフレームのセットに関する情報を含む。実施例21は、実施例17又は本明細書に記載される実施例のうちのいずれかの主題を含んでもよく、この指示は、イベントの前のウォームアップサブフレームの最大数、又はイベント後のクールダウンサブフレームの最大数を含み、ウォームアップサブフレーム及びクールダウンサブフレームは、全帯域幅CRSサブフレームを含む。実施例22は、実施例17又は本明細書に記載の実施例のいずれかの主題を含んでもよく、このイベントは、ページング機会、SI読み取りウィンドウ、拡張間欠受信(eDRX)中のページング送信ウィンドウ、UEの接続DRX(C-DRX)のアクティブ時間、位置決定参照信号(PRS)送信、ランダムアクセスチャネル(RACH)機会、若しくはスケジューリング要求送信、又はそれらの組み合わせを含む。実施例23は、実施例17又は本明細書に記載される実施例のうちのいずれかの主題を含んでもよく、この指示は、専用の無線リソース制御(RRC)シグナリングによって、又はシステム情報ブロック(SIB)でブロードキャストすることによって送信される。
【0070】
実施例24では、1つ以上の機械可読媒体は、命令を有し、それがユーザ機器(UE)の装置によって実行されると、ネットワークのセルから1つ以上のサブフレームを受信し、CRSの緩和が前記セルによって使用されるかどうかを判定するために、前記1つ以上のサブフレーム内のセル固有参照信号(CRS)送信パターンを検出し、CRSの緩和が使用されるときに1つ以上のサブフレームの処理を調整することになる命令を有する。実施例25は、実施例24又は本明細書に記載される実施例のいずれかの主題を含んでもよく、セルは、サービングセル又は隣接セルを含む。実施例26は、実施例24又は本明細書に記載の実施例のいずれかの主題を含んでもよく、命令は、実行されると、更に、CRSの緩和が使用されるときに無線リソース管理(RRM)手順又は復調手順を調整することになる。実施例27は、実施例24又は本明細書に記載の実施例のいずれかの主題を含んでもよく、命令は、実行されると、更に、物理リソースブロック(PRB)の中央セット(RSRP_IN)上のCRS参照信号受信電力(RSRP)を推定し、1つ以上のサブフレームのPRBの外側セット(RSRP_OUT)上のCRS RSRPを推定し、RSRP_INがRSRP_OUT及びマージンを超えている場合に、CRSの緩和がセルによって使用されると判定することによって、CRSの緩和がセルによって使用されるかどうかを判定することになる。
【0071】
実施例28では、1つ以上の機械可読媒体は、命令を有し、それが発展型NodeB(eNB)の装置によって実行されるとき、ネットワークのセルが、セルによって送信される1つ以上のサブフレーム上でセル固有参照信号(CRS)の緩和を使用することができるかどうかのユーザ機器(UE)への指示を符号化し、専用の無線リソース制御(RRC)シグナリングによって、又はシステム情報ブロック(SIB)でブロードキャストすることによって、UEに指示を送信することになる命令を有する。実施例29は、実施例28又は本明細書に記載される実施例のうちのいずれかの主題を含んでもよく、この指示は、半静的にUEに送信され、命令は、実行されると、更に、CRS送信を動的にオンに切り替えるか又はオフに切り替えることになる。実施例30は、実施例28又は本明細書に記載される実施例のうちのいずれかの主題を含んでもよく、この指示は、下りリンク制御情報(DCI)経由を含む動的な方法でUEに送信され、この指示は、CRSの緩和が適用される正確なリソース、及びCRSの緩和が適用される1つ以上のサブフレームのセットに関する情報を含む。実施例31では、機械可読記憶装置は、実行されると、先行するいずれかの実施例に記載されている装置を実現するための機械可読命令を含む。
【0072】
本明細書における説明及び/又は特許請求の範囲において、連結されている及び接続されているという用語は、これらの派生語と共に使用される場合がある。特定の実施形態では、接続されるが、2つ以上の要素が互いに直接物理的にかつ/又は電気的に接触していることを示すために使用される場合がある。連結されているは、2つ以上の要素が直接物理的にかつ/又は電気的に接触していることを意味し得る。しかし、連結されているは、2つ以上の要素が互いに直接接触していなくてもよいが、依然として互いに協働及び/又は相互作用し得ることを意味する場合もある。例えば、「連結されている」とは、2つ以上の要素が互いに接触していないが、別の要素又は中間要素を介して間接的に互いに接合されることを意味する場合がある。最後に、用語「上に(on)」、「上に重なる(overlying)」、及び「の上方に(over)」は、以下の説明及び特許請求の範囲において使用される場合がある。「上に(on)」、「上に重なる(overlying)」、及び「の上方に(over)」は、2つ以上の要素が互いに直接物理的に接触していることを示すために使用される場合がある。しかし、「の上方に(over)」はまた、2つ以上の要素が互いに直接接触していないことを意味する場合があることに留意されたい。例えば、「の上方に(over)」は、1つの要素が別の要素の上方にあるが互いに接触していないことを意味する場合があり、2つの要素間に別の要素又は複数の要素を有する場合があることを意味する場合がある。更に、用語「及び/又は」は、「及び」を意味してもよく、「又は」を意味してもよく、「排他的な又は」を意味してもよく、「1つ」を意味してもよく、「一部ではあるが、全部ではない」を意味してもよく、「いずれも~ない」ことを意味してもよく、かつ/又は「両方」を意味してもよく、請求項に記載される主題の範囲は、この点において限定されない。本明細書の記載及び/又は特許請求の範囲において、用語「含む/備える(comprise)」及び「含む(include)」は、それらの派生語と共に使用されてもよく、互いに同義語として意図される。
【0073】
請求項に記載される主題は、特定の詳細度で記載されているが、請求項に記載される主題の趣旨及び/又は範囲から逸脱することなく、その要素が当業者によって変更され得ることを認識されたい。ネットワークベースのCRSの緩和に関する主題及びその付随する効用の多くは、前述の説明によって理解されるであろうと考えられ、請求項に記載される主題の範囲及び/若しくは趣旨から逸脱することなく、又はその材料の利点の全てを犠牲にすることなく、構成要素の形態、構成、及び/又は配置において様々な変更がなされ得ることが明らかとなるであろう。記載前の本明細書の形態は、その説明上の実施形態に過ぎず、かつ/又はそれに実質的な変化を提供することない。特許請求の範囲は、そのような変更を包含するかつ/又は含むことが、請求項の意図である。