(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】溶解度が向上したアピゲニンを含む脱毛緩和組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/34 20060101AFI20220927BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20220927BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20220927BHJP
A61Q 7/00 20060101ALI20220927BHJP
A61K 31/352 20060101ALI20220927BHJP
A61P 17/14 20060101ALI20220927BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20220927BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20220927BHJP
A61K 47/14 20060101ALI20220927BHJP
【FI】
A61K8/34
A61K8/49
A61K8/37
A61Q7/00
A61K31/352
A61P17/14
A61K9/08
A61K47/10
A61K47/14
(21)【出願番号】P 2020507990
(86)(22)【出願日】2018-09-13
(86)【国際出願番号】 KR2018010747
(87)【国際公開番号】W WO2019066325
(87)【国際公開日】2019-04-04
【審査請求日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】10-2017-0125657
(32)【優先日】2017-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506213681
【氏名又は名称】アモーレパシフィック コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】AMOREPACIFIC CORPORATION
【住所又は居所原語表記】100, Hangang-daero, Yongsan-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】イン,ビョン ギュ
【審査官】松元 麻紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-221761(JP,A)
【文献】特開2015-120847(JP,A)
【文献】Hair Serum, MINTEL GNPD [ONLINE], 2015.11,[検索日 2022.03.30]インターネット:<URL:https://www.gnpd.com/sinatra>,(Database accession no.3597873)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/34
A61K 8/49
A61K 8/37
A61Q 7/00
A61K 31/352
A61P 17/14
A61K 9/08
A61K 47/10
A61K 47/14
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.1~1重量%のアピゲニン;
10~30重量%の極性オイル;
5~20重量%のポリオール;及び
20~50重量%の一価アルコール;を有効成分として含み、
前記極性オイルのcLog P値は1~5
であり、
前記極性オイルは、サクシネート(Succinate)系オイルであることを特徴とする
、アピゲニンを含む脱毛緩和組成物。
【請求項2】
前記極性オイルは、ジエトキシエチルサクシネート(Diethoxyethyl Succinate)、ジカプリルサクシネート(Dic
apryl Succinate)及びジエチルサクシネート(Diethyl Succinate)からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1に記載
のアピゲニンを含む脱毛緩和組成物。
【請求項3】
前記ポリオールは、グリセロール、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びプロパンジオールからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1に記載
のアピゲニンを含む脱毛緩和組成物。
【請求項4】
前記一価アルコールは、炭素数2~5の低級アルコールであることを特徴とする、請求項1に記載
のアピゲニンを含む脱毛緩和組成物。
【請求項5】
前記一価アルコールは、エタノール、n-ブタノール及びイソブタノールからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1に記載
のアピゲニンを含む脱毛緩和組成物。
【請求項6】
前記一価アルコールは、エタノールであることを特徴とする、請求項1に記載
のアピゲニンを含む脱毛緩和組成物。
【請求項7】
前記脱毛緩和組成物は、水、色素、防腐剤及び香料からなる群より選択されるいずれか1つ以上をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載
のアピゲニンを含む脱毛緩和組成物。
【請求項8】
前記脱毛緩和組成物の濁度は、1~5NTUであることを特徴とする、請求項1に記載
のアピゲニンを含む脱毛緩和組成物。
【請求項9】
前記脱毛緩和組成物は、ヘアトニック又は毛髪栄養化粧水のタイプで剤形化されることを特徴とする、請求項1に記載
のアピゲニンを含む脱毛緩和組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年9月28日付け韓国特許出願第10-2017-0125657号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含む。
【0002】
本発明は、アピゲニンを含む脱毛緩和組成物に関し、より詳細には、組成物内のアピゲニンの濃度が増大するようにアピゲニンの溶解度を向上させた、溶解度が向上したアピゲニンを含む脱毛緩和組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
アピゲニン(Apigenin)は難溶性のフラボノイド系物質として、各種の生物学的経路を介して育毛を刺激して、毛髪の厚さを増加させ、白髪の出現は減少させ、豊富な毛髪の外観を提供するなど、脱毛緩和の主成分として知られている(論文 Arch Dermatol Res(2009)301:381-385参照)。しかし、アピゲニンは、従来の化粧料組成物に適用するときには、溶解しないのであり、また、長期間保管したときの析出の問題により、有効量のアピゲニンが溶解した組成物を製造することが非常に難しい。一方、多量のエタノール、界面活性剤、及びポリオールを用いてアピゲニンを溶解するときには、技術が公知となっているが、このような組成物を用いる場合に軽い使用感を出すのが困難であるだけでなく、高い含有量のアルコール(エタノール)によって、過度な頭皮の刺激をもたらしうるという問題がある。このような観点から、毛髪の外観を改善するために有効な量の育毛刺激剤、すなわち、言い換えると、アピゲニンの濃度を増加させ、且つ、過度な頭皮の刺激からも逃れることができるヘアケア組成物の開発が切実である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、極性オイルを用いてアピゲニンの溶解度を向上させ、且つ、アピゲニンの析出を防止することができる、溶解度が向上したアピゲニンを含む脱毛緩和組成物を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、従来に比べてアルコール成分の含有量を減少させ、頭皮の損傷を最小化することができ、溶解度が向上したアピゲニンを含む脱毛緩和組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は、アピゲニン;極性オイル;ポリオール;及び一価アルコール;を有効成分として含み、前記極性オイルのcLog P値は1~5であることを特徴とする、溶解度が向上したアピゲニンを含む脱毛緩和組成物を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る溶解度が向上したアピゲニンを含む脱毛緩和組成物によれば、極性オイルを組成物に含ませることでアピゲニンの溶解度の向上及び析出防止が可能であり、従来に比べてアルコール成分の含有量を減少させ、頭皮の損傷を最小化することができるのであり、また、このような組成物は軽い使用感を有し、単一層の透明剤形で製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明に係る溶解度が向上したアピゲニンを含む脱毛緩和組成物は、アピゲニン、極性オイル、ポリオール及び一価アルコールを有効成分として含み、前記極性オイルのcLog P値は1~5であることを特徴とする。
【0010】
前記アピゲニン(Apigenin)は難溶性のフラボノイド系物質として、各種の植物などに含まれて抗酸化効果や脳細胞の生成及び保護効果などを発現する成分として知られている。それだけではなく、最近では、アピゲニンが各種の生物学的経路を介して育毛を刺激して、毛髪の厚さを増加させ、白髪の出現は減少させ、豊富な毛髪の外観を提供するなど、アピゲニンは脱毛緩和の主成分としても用いられている。
【0011】
前記アピゲニンの含有量は、トータルの組成物に対して0.1~1重量%、好ましくは0.2~0.8重量%、より好ましくは0.4~0.6重量%である。前記アピゲニンの含有量が全組成物に対して0.1重量%未満である場合、アピゲニンによる脱毛緩和効果(育毛効果)が微々たるものでありうるのであり、1重量%を超える場合には、大量生産するときに、他の成分によるアピゲニンの溶解度が低下して組成物の安定性が低くなるか、または高濃度のアピゲニンによる頭皮刺激のおそれがある。ここで、前記アピゲニンの含有量の下限を0.1重量%に設定した理由について見てみると、次のとおりである。本出願人がアピゲニンの育毛効果を実験した結果、10~20ppmの量でアピゲニンを用いたときに、Wnt活性が促進されることを確認したのであり、これを人体に適用する場合には、250~1000倍の量を用いなければならないと分析されたのである。そして、本発明に同様に適用する場合には、少なくとも0.1重量%のアピゲニンが含まれれば育毛効果が発現可能であるため、前記のような含有量を下限に設定したのである。
【0012】
前記極性オイルは、組成物内におけるアピゲニンの濃度が増大するように、前記アピゲニンの溶解度を向上させるだけではなく、常温及び冷温などの条件下で組成物を長期間保管してもアピゲニンが析出されることを防止する役割をする。このような役割を行うために、前記極性オイルは、化合物の親水性の程度を立証するために用いられるcLog P値が1~5を満たさなければならず、アピゲニンの溶解が、より容易になるようにアピゲニンのcLog P値(2.90)に収束することが好ましい。
【0013】
一方、前記「cLog P」は、通常の分配係数(Log P)のソフトウェア計算値を意味するもので、ここで分配係数とは、対象物質がオクタノールと水のうちの、どちらの溶液に、より多く溶解するかの程度を示すものであり、Log P値が高いほど、オクタノールによく溶け(疎水性が強い)、Log P値が低いほど、水によく溶けること(親水性が強い)を意味する。その他に、「c」は、計算によるものであることを表記するcalculateの略語である。
【0014】
このような特性を持つ極性オイルとして、サクシネート(Succinate)系オイルが挙げられ、より具体的には、ジエトキシエチルサクシネート(Diethoxyethyl Succinate)、ジカプリルサクシネート(Dicarpryl Succinate)及びジエチルサクシネート(Diethyl Succinate)を例示することができる。また、前記極性オイルの含有量は、トータルの組成物に対して10~30重量%、好ましくは15~30重量%である。前記極性オイルの含有量が全組成物に対して10重量%未満である場合、アピゲニンに対する溶解力又は安定度が低下しうるのであり、30重量%を超える場合には、使用感的にオイリーなものであって化粧品として使用することに適さないおそれがある。
【0015】
前記ポリオールもまた、前記アピゲニンを溶解させるための成分であり、グリセロール(Glycerol;グリセリン)、1,3-ブチレングリコール(1,3-Butylene Glycol)、プロピレングリコール(Propylene Glycol)、ポリエチレングリコール(Polyethylene Glycol)、ジプロピレングリコール(Dipropylene Glycol)及びプロパンジオール(Propanediol)などの通常の多価アルコール化合物を例示することができ、単独又は2種以上の混合使用が可能である。前記ポリオールの含有量は、全体組成物に対して5~20重量%、好ましくは10~20重量%である。前記ポリオールの含有量が全組成物に対して5重量%未満である場合、アピゲニンに対する溶解力又は安定度が低下しうるのであり、20重量%を超える場合には、使用感的にオイリーなものであって化粧品として使用することに適さないおそれがある。
【0016】
前記一価アルコールもまた、前記極性オイル及びポリオールと同様に、前記アピゲニンを溶解させるための成分であり、通常の一価アルコール化合物を用いることができるが、エタノール、n-ブタノール、及びイソブタノールなどとして例示することができる炭素数2~5の低級アルコールを用いることが好ましく、このうち、エタノールの使用が最も好ましい。前記一価アルコールの含有量は、全体組成物に対して20~50重量%、好ましくは30~50重量%である。前記一価アルコールの含有量が全組成物に対して20重量%未満である場合、アピゲニンに対する溶解力又は安定度が低下しうるのであり、50重量%を超える場合には、アピゲニンに対する溶解力又は安定度が向上しうるが、頭皮・皮膚刺激が発生するおそれがある。一方、本発明の脱毛緩和組成物は、従来の脱毛緩和剤に比べてアルコール成分の含有量を減少させたもので、頭皮の損傷を最小化することができるという利点も持っている。
【0017】
一方、前記脱毛緩和組成物は、必要に応じて(すなわち、アピゲニン、ポリオール、一価アルコール及び極性オイルのトータルの含有量が100重量%未満である場合)、蒸留水及び精製水などの、当業界において通常用いる水(Water)をさらに含むことができる。その他に、本発明に係る脱毛緩和組成物は、必要に応じて、組成物の安定度を維持する範囲内で、色素、防腐剤及び香料などの当業界において通常用いられる、いずれか1つ以上の添加剤を、適正量、さらに含むことができる。
【0018】
一方、本発明に係る脱毛緩和組成物は、1~5NTU(Nepthelometric Turbidity Unit)、好ましくは1.10~5NTUの濁度を示す。その他に、本発明に係る脱毛緩和組成物は、ヘアトニック又は毛髪栄養化粧水などのタイプで剤形化することができるが、ヘアトニックへの剤形化が最も好ましい。
【0019】
以上、前述した、溶解度が向上したアピゲニンを含む脱毛緩和組成物は、特定の物性を有する極性オイルを含むことによって、アピゲニンの溶解度の向上及び析出防止を可能にするだけではなく、従来に比べてアルコール成分の含有量を減少させ、頭皮の損傷を最小化することができるのであり、また、軽い使用感まで有して使用者の満足感を倍加させることができるのであって、単一層の透明剤形で製造可能であるという利点を持っているなど、これまで当業界において見出すことができなかった本発明固有の構成といえる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示するが、下記の実施例は本発明を例示するに過ぎず、本発明の範疇及び技術思想の範囲内で様々な変更及び修正が可能であることは当業者にとって明らかであり、このような変更及び修正が、添付された特許請求の範囲に属するのも当然のことである。
【0021】
[実施例1] 脱毛緩和組成物の製造
まず、下記表1の組成にしたがい、0.5重量%のアピゲニン、20重量%のジプロピレングリコール(ポリオール)、49.5重量%のエタノール(一価アルコール)、及び、cLog P値が1.42である30重量%のジエトキシエチルサクシネート(極性オイル)を容器に順次供給したのであり、この際、各原料の投入時毎に、60℃まで加温し、約3,600rpmの速度で1分間以上ずつホモミキシング(HOMOGENIZING MIXER Model 2.5、製造社:PRIMIX、国名:米国)した。続いて、60℃まで加温した水を供給した後、10分間、約3,600rpmの速度でミキシングし、脱毛緩和組成物を製造した。
【0022】
[実施例2] 脱毛緩和組成物の製造
下記表1の組成のように、ジプロピレングリコール(ポリオール)の含有量を20重量%から10重量%に、エタノール(一価アルコール)の含有量を49.5重量%から30重量%に、ジエトキシエチルサクシネート(極性オイル)の含有量を30重量%から15重量%にそれぞれ変更し、残りは水を用いたことを除いては、前記実施例1と同様に行って、脱毛緩和組成物を製造した。
【0023】
[比較例1] 脱毛緩和組成物の製造
下記表1の組成のように、一価アルコールと極性オイルの代わりに水を用いたことを除いては、前記実施例1と同様に行って、脱毛緩和組成物を製造した。
【0024】
[比較例2] 脱毛緩和組成物の製造
下記表1の組成のように、ポリオールと極性オイルの代わりに水を用いたことを除いては、前記実施例1と同様に行って、脱毛緩和組成物を製造した。
【0025】
[比較例3] 脱毛緩和組成物の製造
下記表1の組成のように、ポリオールと一価アルコールの代わりに水を用いたことを除いては、前記実施例1と同様に行って、脱毛緩和組成物を製造した。
【0026】
[比較例4] 脱毛緩和組成物の製造
下記表1の組成のように、極性オイルの代わりに水を用いたことを除いては、前記実施例1と同様に行って、脱毛緩和組成物を製造した。
【0027】
[比較例5] 脱毛緩和組成物の製造
下記表1の組成のように、ポリオールの代わりに水を用いたことを除いては、前記実施例1と同様に行って、脱毛緩和組成物を製造した。
【0028】
[比較例6] 脱毛緩和組成物の製造
下記表1の組成のように、一価アルコールの代わりに水を用いたことを除いては、前記実施例1と同様に行って、脱毛緩和組成物を製造した。
【0029】
[比較例7] 脱毛緩和組成物の製造
表2の組成のように、極性オイルとしてジエトキシエチルサクシネートの代わりにエステル系オイル(C12-15 alkyl benzoate)を用いたことを除いては、前記実施例1と同様に行って、脱毛緩和組成物を製造した。
【0030】
[比較例8] 脱毛緩和組成物の製造
表2の組成のように、極性オイルとしてジエトキシエチルサクシネートの代わりに、アルコール系オイル(Oleyl alcohol)を用いたことを除いては、前記実施例1と同様に行って、脱毛緩和組成物を製造した。
【0031】
[比較例9] 脱毛緩和組成物の製造
表2の組成のように、極性オイルとしてジエトキシエチルサクシネートの代わりに、トリグリセリド系オイル(Caprylic/capric triglyceride)を用いたことを除いては、前記実施例1と同様に行って、脱毛緩和組成物を製造した。
【0032】
[比較例10] 脱毛緩和組成物の製造
表2の組成のように、極性オイルとしてジエトキシエチルサクシネートの代わりに、リンゴ酸系オイル(C12-13 alkyl malate)を用いたことを除いては、前記実施例1と同様に行って、脱毛緩和組成物を製造した。
【0033】
【表1】
※ 単位:重量%(wt%) To 100:「100」になるまで
【0034】
【0035】
[試験例1] アピゲニンの溶解度評価
前記実施例1、2及び比較例1~10でそれぞれ製造された脱毛緩和組成物を、製造当日(D+0)と、製造日から30日が経過した後(D+30)に、目視でそれぞれ観察して、アピゲニンが溶解した程度を評価し、その結果を下記表3及び4に示す。一方、下記表3及び4において、「○」の表示はアピゲニンが完全に溶解し、組成物が透明であることを意味し、「△」の表示はアピゲニンが溶解するが析出したことを意味し、「×」の表示はアピゲニンが溶解せず、組成物が不透明であることを意味する。
【0036】
【0037】
【0038】
前記のように組成物内のアピゲニンの溶解度を確認した結果、表3に示すように、ポリオール、一価アルコール及び極性オイルの両方を含む実施例1及び2の組成物でのみアピゲニンが完全に溶解し、30日が経過してもアピゲニンの析出現象や組成物が不透明になる現象が発生しなかった。一方、ポリオール、一価アルコール及び極性オイルのいずれか一つでも除かれた比較例の場合には、D+0とD+30ともに、アピゲニンが析出するか、または組成物が不透明になった。
【0039】
一方、極性オイルとしてジエトキシエチルサクシネートの代わりにエステル系オイル(cLog P値:7)、アルコール系オイル(cLog P値:9)、トリグリセリド系オイル(cLog P値:7)又はリンゴ酸系オイル(cLog P値:8)を用いた、比較例7~10の場合、表4に示すように、ジエトキシエチルサクシネートを用いた実施例1及び2に比べてアピゲニンの溶解度が著しく低くなったのであり、このことを通じて、同種の極性オイルであってもcLog P値に基づいてアピゲニンの溶解度が異なることを確認することができた(一方、他のエステル系オイルであるCetyl ehtylhexanoateとDicaprylyl carbonate、そして、他のアルコール系オイルである2-Octyl dodecanolを用いた場合にも、前記比較例7~10と同様に、実施例1に比べてアピゲニンの溶解度が著しく低かった)。
【0040】
[試験例2] 脱毛緩和組成物の濁度評価
前記試験例1で透明性が確認された実施例1の脱毛緩和組成物を、濁度携帯用測定器(Turbidity Portable Meter(HI-98703、HANNA instruments社、米国))で経過日数に応じて濁度を測定し、その結果を表5に示した。一方、下記表5において、濁度の単位はNTU(Nepthelometric Turbidity Unit)である。
【0041】
【0042】
前記実施例1で製造された脱毛緩和組成物の濁度を測定した結果、表5に示すように、組成物の製造日から30日が経過しても、濁度は大きな変化なしに維持されたのであり、これにより、本発明による脱毛緩和組成物は、時間が経過しても、アピゲニンが析出せず、最初の溶解度をそのまま維持することが知られた。