(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】車両用前照灯
(51)【国際特許分類】
F21S 43/50 20180101AFI20220927BHJP
B60Q 1/28 20060101ALI20220927BHJP
B60Q 1/14 20060101ALI20220927BHJP
F21S 41/147 20180101ALI20220927BHJP
F21S 41/32 20180101ALI20220927BHJP
F21S 41/663 20180101ALI20220927BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20220927BHJP
F21S 43/239 20180101ALI20220927BHJP
F21S 43/245 20180101ALI20220927BHJP
F21S 43/249 20180101ALI20220927BHJP
B62J 6/024 20200101ALI20220927BHJP
B62J 6/026 20200101ALI20220927BHJP
B62J 6/26 20200101ALI20220927BHJP
B62J 50/40 20200101ALI20220927BHJP
F21W 102/13 20180101ALN20220927BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20220927BHJP
F21W 103/55 20180101ALN20220927BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220927BHJP
【FI】
F21S43/50
B60Q1/28
B60Q1/14 Z
F21S41/147
F21S41/32
F21S41/663
F21S43/14
F21S43/239
F21S43/245
F21S43/249
B62J6/024
B62J6/026
B62J6/26
B62J50/40
F21W102:13
F21W103:10
F21W103:55
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020524435
(86)(22)【出願日】2018-11-02
(86)【国際出願番号】 IB2018058623
(87)【国際公開番号】W WO2019087142
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-07-12
(31)【優先権主張番号】102017000125832
(32)【優先日】2017-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】512185877
【氏名又は名称】ピアッジオ・エ・チ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】PIAGGIO & C. S.P.A.
【住所又は居所原語表記】Viale Rinaldo Piaggio, 25, I-56025 Pontedera, PI,Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】マルコ・ランブリ
(72)【発明者】
【氏名】ミルコ・ゾッコ
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-040322(JP,A)
【文献】特開2015-176859(JP,A)
【文献】特開2002-274253(JP,A)
【文献】特開2017-013712(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/50
B60Q 1/28
B60Q 1/14
F21S 41/147
F21S 41/32
F21S 41/663
F21S 43/14
F21S 43/239
F21S 43/245
F21S 43/249
B62J 6/024
B62J 6/026
B62J 6/26
B62J 50/40
F21W 102/13
F21W 103/10
F21W 103/55
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(M)用前照灯(1)であって、
開口(2a)を備える放物面リフレクタ(2)であって、前記放物面リフレクタ(2)は、前記開口(2a)に向けて少なくとも一つの光線(5a、5b)を均質に反射し分散するように構成されている、放物面リフレクタ(2)と、
前記開口(2a)を閉じる透明シールド(3)と、
支持隔壁(4)であって、前記支持隔壁(4)に対して互いに反対側に前記
放物面リフレクタの第1セクタ(15)と前記
放物面リフレクタの第2セクタ(16)とを定めるように、前記放物面リフレクタ(2)に配置された支持隔壁(4)と、
前記
放物面リフレクタの前記第1セクタ(15)に向けられた第1光線(5a)、
前記
放物面リフレクタの前記第2セクタ(16)に向けられた第2光線(6a)、および
第3光線(7a)、
を生成するように構成された少なくとも一つの光源と、
部分的に透明な少なくとも一つの窓(9)および前記窓(9)を囲む不透明部(8’)を備えるマスク(8)と、を備え、
前記マスク(8)は、前記支持隔壁(4)の前方に配置され、前記第3光線(7a)は、前記窓(9)の後方から光を当てるように前記開口(2a)に向けられ、
前記窓(9)は、シンボルまたはロゴの輪郭を描くように形成された
外周縁(9’)によって特徴付けられている、車両(M)用前照灯(1)。
【請求項2】
前記第3光線(7a)は、車幅灯または昼間走行灯として機能する、請求項1に記載の前照灯(1)。
【請求項3】
前記第3光線(7a)は、車両が動作しているときは常に点灯している、請求項1または請求項2に記載の前照灯(1)。
【請求項4】
前記第3光線(7a)は、前記窓(9)の前記外周縁(9’)の少なくとも一部を照らすように向けられている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の前照灯(1)。
【請求項5】
前記少なくとも一つの光源は、前記第1光線(5a)を生成するように構成された第1の複数のLED(5)、前記第2光線(6a)を生成するように構成された第2の複数のLED(6)、および前記第3光線(7a)を生成するように構成された第3の複数のLED(7)を備える、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の前照灯(1)。
【請求項6】
前記第3の複数のLED(7)は、前記支持隔壁(4)または前記マスク(8)に設置されている、請求項5に記載の前照灯(1)。
【請求項7】
前記第1の複数のLED(5)および前記第2の複数のLED(6)は、前記放物面リフレクタ(2)に向かって面して前記支持隔壁(4)に配置されている、請求項6に記載の前照灯(1)。
【請求項8】
前記第1の複数のLED(5)は、前記放物面リフレクタ(2)に向かって面する前記支持隔壁(4)の第1部分(40a)に配置され、前記第2の複数のLED(6)は、前記放物面リフレクタ(2)に向かって面する前記支持隔壁(4)の第2部分(40b)に配置され
、前記第1部分(40a)と前記第2部分(40b)は、中間面(X-X)に対して互いに反対側に位置し、前記第1の複数のLED(5)および前記第2の複数のLED(6)は、前記支持隔壁(4)の後壁(4p)および/または各側壁(4L1、4L2)に少なくとも部分的に配置され、前記第1の複数のLED(5)と前記第2の複数のLED(6)は、前記放物面リフレクタのそれぞれのセクタ(15)とセクタ(16)を照らすように配向されている、請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の前照灯(1)。
【請求項9】
前記支持隔壁(4)は、前記放物面リフレクタ(2)内を左右に横方向に配置され、前記支持隔壁(4)は、前記放物面リフレクタ(2)の内部側壁に結合されている、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の前照灯(1)。
【請求項10】
前記第1光線(5a)は、すれ違い用前照灯であり、前記第1光線(5a)と合わせて前記第2光線(6a)は、走行用前照灯である、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の前照灯(1)。
【請求項11】
正面向きに配置された請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の少なくとも一つの前照灯(1)を備える、車
両(M)。
【請求項12】
前記車両は、原動機付き車両である、請求項11に記載の車両(M)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の前照灯に関する。特に、例えば、自動二輪車(モータバイク)またはモペッドなどの原動機付き車両で用いられるのが好ましいが排他的ではない、LED技術または類似のものを備える前照灯に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の前照灯(ヘッドライト)は、車幅灯(ポジションライト)、すれ違い用前照灯(いわゆる、ロービーム)および走行用前照灯(いわゆる、ハイビーム)に主に分類される、異なる光線を放射するように設計される。
【0003】
複数のLEDを備える前照灯が知られており、異なる類いの光線を生成するために反射キャップに適切に配置されている。
【0004】
原動機付き車両において、夜間および日中の視認性を改善するために、LEDによって生成された光線の効率および効果を改善する必要性が感じられる。特に、光線の均質性を最適化する必要性、およびはっきりと表示され、かつ照明としても機能する少なくとも商用シンボル/ロゴを前照灯内に再現する必要性が感じられる。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明の目的は、生成された光線が均質になるような構造的に効率のよい車両用前照灯を提供することである。
【0006】
また、本発明の目的は、構造的に単純かつ製造するのに費用効果が高い車両用前照灯を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、前述の前照灯を備えた車両、特に原動機付き車両、を提供することであり、同じ目的を実現する。
【0008】
これらおよび他の目的は、
開口を備える放物面リフレクタであって、前記放物面リフレクタは、前記開口に向けて光線を均質に反射し分散するように構成されている、放物面リフレクタと、
前記開口を閉じるように配置された透明シールドと、
支持隔壁であって、前記支持隔壁に対して互いに反対側に前記リフレクタの第1セクタと前記リフレクタの第2セクタとを定めるように、前記放物面リフレクタに配置された支持隔壁と、
前記リフレクタの前記第1セクタに向けられた第1光線、
前記リフレクタの前記第2セクタに向けられた第2光線、および
第3光線、
を生成するように構成された少なくとも一つの光源と、
前記第3光線が窓を照らすように配置された少なくとも一つの部分的に透明な窓を備えるマスクと、
を備える車両用前照灯によって実現される。
【0009】
第1の実施形態において、マスクは、支持隔壁の前方に配置され、第3光線は、窓の後方から光を当てるように開口に向けられている。したがって、第3光線は、実質的に窓の正面にある。
【0010】
第2の実施形態において、窓は、外周縁を備え、第3光線は、窓の外周縁の少なくとも一部を照らすように向けられている。したがって、第3光線は、互いに反対側の側部に配置され、窓の縁に向けられたLEDの少なくとも一対を提供し、そのため、LEDによって生成された第3光線は、屈折によって拡散し、窓を照らす。
【0011】
それによって、本発明による前照灯により、多様化された光線を生成する独立したリフレクタ区域を定めることができる。さらに、可変構造および形状の窓を備えるマスクの提供により、窓を照らすことで生じる、車幅灯または昼間走行灯(デイランニングライト、DRL)を着想することができる。照らされた窓の形状自体は、したがって、窓の構造を再現する。すなわち、照らされた形状は、窓の外周縁によって定められる。
【0012】
具体的には、窓は、第3光線によって照らされている商用ロゴまたはシンボルを再現してもよい。それによって、窓は、照明として機能することに加えて、製造業者または車両モデルのシンボルまたはロゴを備えて前照灯を特徴付ける。
【0013】
マスクは、窓を囲む不透明部を備える。それによって、照明は、窓を通じてのみ通る。窓の縁は、透明領域と不透明領域を区切る。これにより、任意の光を散乱させることなく均質的に照らされた窓を得ることができる。これは、日中でさえ、照らされた窓の縁によって定められた形状に対応した、光像のはっきりとした視認を可能とする。
【0014】
好ましい実施形態において、光源は、第1光線を生成するように調整された第1の複数のLED、第2光線を生成するように調整された第2の複数のLED、および第3光線を生成するように調整された第3の複数のLEDを備える。
【0015】
好適には、第1の複数のLEDおよび第2の複数のLEDは、放物面リフレクタに向かって面して支持隔壁に配置されている。これにより、リフレクタによって反射され、開口に向かって配向される光線を提供できる。当該配置、すなわち、支持隔壁に対する角度においての位置、出力、LEDの形状により、異なる特徴を有する光線を得ることができる。具体的には、これらのパラメータを変化させることで、走行用前照灯若しくはすれ違い用前照灯、または別の種類の光線を生成することができる。
【0016】
より詳細には、第1の複数のLEDは、開口と反対側の放物面リフレクタの基部に向かって面する支持隔壁の第1部分に配置され、第1光線を生成する。第2の複数のLEDは、放物面リフレクタの基部に向かって常に面する支持隔壁の第2部分に配置され、第2光線を生成する。第1部分および第2部分は、支持隔壁の中央面X-Xに対して互いに反対側に位置する。
【0017】
好適には、第3の複数のLEDは、前方部分において、支持隔壁に設置される。代替的に、第3の複数のLEDは、マスクの縁に設置され、または第3の複数のLEDは、支持隔壁およびマスクに設置される。窓の照明は、窓の均質な照明を得るために、支持隔壁とマスクの両方に配置されたLEDの組み合わせによって生成されてもよい。
【0018】
好適には、第1の複数のLEDおよび第2の複数のLEDは、支持隔壁の後壁または各側壁に、例えば下壁および上壁に、少なくとも部分的に配置されている。第1の複数のLEDと第2の複数のLEDは、リフレクタのそれぞれのセクタを照らすように配向されている。
【0019】
具体的には、第1光線は、リフレクタの第1セクタに当たり反射され、開口に向けられた第1反射光線を生成する、第1の複数のLEDによって生成された第1の源となる光線を備える。第1光線は、走行用前照灯である。
【0020】
具体的には、第2光線は、リフレクタの第2セクタに当たり反射され、開口に向けられた第2反射光線を生成する、第2の複数のLEDによって生成された第2の源となる光線を備える。第2光線は、すれ違い用前照灯である。
【0021】
具体的には、第3光線は、開口に向けられた第3の複数のLEDによって生成された第3の源となる光線を備える。第3光線は、車幅灯である。
【0022】
好適には、第3の複数のLEDは、窓の後方に配置され、特に、LEDは、窓の構造に追従するように、互いに連続して配置されている。それによって、開口に向けて配向された光線は、したがって、正面から見て、窓の形状自体を再現する。
【0023】
支持隔壁は、放物面リフレクタ内で、第1端と、第1端とは反対側の第2端との間に延びることが好ましい。
【0024】
具体的には、支持隔壁は、放物面リフレクタ内を左右に横方向に配置されている。支持隔壁は、放物面リフレクタの内壁に結合されると好適である。それによって、支持隔壁は、リフレクタに安定して結合される。
【0025】
実施形態において、窓は、横方向に、支持隔壁と平行に延びている。支持隔壁は、前照灯が通常に使用される位置において、水平に延びていると好ましい。
【0026】
好ましい実施形態において、マスクは、支持隔壁の前方に配置され、少なくとも一部で支持隔壁に沿って延びる。具体的には、支持隔壁は、リフレクタの基部とリフレクタの開口との間の中間部に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
これらのおよび他の利点は、表示するが限定する目的ではない、添付図面を参照して、与えられている実施形態の下記記載により詳細に示されている。
【0028】
【
図1】
図1は、本発明による前照灯を装着された自動二輪車の部分側面図を示す。
【
図2】
図2は、本発明による前照灯の図式断面側面図を示す。
【
図3】
図3は、本発明による前照灯の図式正面図を示す。
【
図4】
図4は、本発明による、前照灯のマスクの後部の詳細図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1を参照すると、本発明による前照灯1を装着された原動機付き車両Mが部分的に示されている。前照灯、特にLEDまたは別の技術による前照灯は、あらゆる車両/原動機付き車両に、特にフロントヘッドライトとして、利用できることが記載されている。
【0030】
前照灯1は、基部2bおよび基部2bとは反対側にある開口2aを備える放物面リフレクタ2を含む。また、必要に応じて、基部2bは、電気ケーブルまたは他のものを通すための開口(示されていない)を有してもよい。放物面リフレクタ2は、開口2aに向けて、少なくとも一つの光線5b、6bを均質に反射し分散するように構成された内側面Sを有し、したがって道路を正面から照らす。
【0031】
また、放物面リフレクタ2の機能は、放物線キャップによって、または同様の機能を有する他の適切な形状の部材によって行われ得ると理解される。
【0032】
開口2aを閉じるために透明シールド3が設けられ、例えば透明または半透明のガラスまたはプラスチック材料で作られている。シールド3は、前照灯の基礎本体(示されていない)または開口2a自体の縁と結合されて、開口2aを閉じる。例えば、シールド3は、外部または内部的に液密な開口2aを包囲する縁に取り付けられる。
【0033】
前照灯1はさらに、互いに反対側にある(
図3参照)第1端4aと第2端4bとの間に延びる放物面リフレクタ2に配置された支持隔壁4を備える。それにより、支持隔壁4は、支持隔壁4に対して互いに反対側にあるリフレクタの第1セクタ15とリフレクタの第2セクタ16とを定める。すなわち、支持隔壁4とは分けられ区別される。
【0034】
図2に示す支持隔壁4は、例えば、多角形断面、具体的には実質的に長方形形状を有する。具体的には、支持隔壁4は、放物面リフレクタ2内を左右に横方向に配置され、全長Lに沿って延びており、放物面リフレクタ2の内部側壁に結合されている(
図3参照)。隔壁は、リフレクタ2の高さHに対して実質的に中央部のX-X平面にあり、水平に延びている。
【0035】
構成的な変形において、示されていないが、支持隔壁4は、例えば、リフレクタ2の高さHにしたがって延びてもよく、リフレクタの第1セクタと第2セクタを、それぞれ、右と左に定める。
【0036】
前照灯1は、互いに異なる第1光線5a、第2光線6a、および第3光線7aを生成する少なくとも一つの光源5、光源6、および光源7を備える。
【0037】
三つの光線は、例えば、反射部材と結合されて、三つの異なる光線を発生する単一の光源によって生成されてもよい。
【0038】
好ましい実施形態において、リフレクタの第1セクタ15に向けて第1光線5aを生成するように調整された第1の複数のLED5、およびリフレクタの第2セクタ16に向けて第2光線6aを生成するように調整された第2の複数のLED6が設けられている。さらに、第3光線7aを生成するように調整された第3の複数のLED7が設けられている。
【0039】
加えて、前照灯1は、第3光線7aによって照らされる少なくとも一つの部分的に透明な窓9を装着されたマスク8を備える。
【0040】
具体的には、第3光線は、反射せずに、マスク8の窓9へ向けて直接配向されている。
【0041】
第1の構成的な変形において、マスク8は、第3の複数のLED7に面して配置され、開口2aへと向けられた、(源となる光線である)第3光線7aを生成し、したがって後方から窓9を通過しおよび窓9に光を当てる(
図3参照)。
【0042】
つまり、第3の複数のLED7は、窓9の後方に配置され、LEDは、窓9の構造に続くように、互いに連続して配置されている。
【0043】
図4に示す実施形態において、好ましくは二つの、LED7は、窓9とは反対側の外周縁に配置されている。この場合、第3光線は、互いに対して反対の方向に、窓9の中央に向けて配向されたLED7のそれぞれによって放射された個別の光線7a’、7a”によって定められる。周知の効果によると、光線は、窓9を作る透明材料の厚みS’内で屈折により伝搬する。すなわち、LEDは、厚みS’内を屈折することで窓9を照らす。
【0044】
一般に、第3の複数のLEDは、支持隔壁4の縁、マスク8の縁、または支持隔壁4の縁の一部およびマスク8の一部にさえ設置されてもよい。
【0045】
マスク8は、支持隔壁4に沿った少なくとも一部に延びる(
図3参照)。窓9は、支持隔壁4と平行に延びる。前述の窓9は、第3光線7aによって照らされるシンボルまたはロゴの形状を定める縁9’によって特徴付けられる。(車両が起動されているとき)第3光線7aを常に点灯させることで、車両の型またはモデルを特徴付けるロゴまたはシンボルの視認が日中と夜間の両方で可能になり、車両の魅力および識別性を向上させる。窓9は、縁9’によって実質的に平坦部を備えた、透明なプラスチックまたはガラス部材によって構成されて、当該平坦部を受けるように調整された形状を有するマスク8の開口内に挿入されてもよい。窓9の可視面(縁9’によって範囲を定められている部分)は、平坦であるため、これにより、
図3、
図4及び
図5に示すようなシンボルまたはロゴを作ることができるような、複雑な二次元形状を有してもよい。
【0046】
マスク8は、窓9を囲っている部分8’において透明でないまたは不透明な材料で作られている。窓の縁9’は、透明領域と不透明領域を区切る。これにより、任意の光を散乱させることなく均質的に照らされた窓9を得ることができ、とりわけ、窓9の縁9’によって定められた形状と同一の光像を得ることができる。
【0047】
具体的なものとして、窓は、第3光線によって完全に照らされた平行六面体形状を有し、マスクの不透明部分の開口形状により、窓の一部のみの正面視が不透明部分から見ることができるままにできる。
【0048】
詳細には、窓9は、デイライトまたはポジションとしての機能を果たすために、産業規制に従って、25cm2の最小領域を有する。
【0049】
他の構成的な態様において、
図2に示すように、第1の複数のLED5は、リフレクタの基部2bに向かって面する支持隔壁4の第1部分40aに配置され、第1光線5aを生成する。
【0050】
第2の複数のLED6は、リフレクタの基部2bに向かって常に面する支持隔壁4の第2部分40bに配置され、第2光線6aを生成する。
【0051】
第1部分40aと第2部分40bは、中間面X-Xに対して互いに反対側に位置する。
【0052】
より具体的には、第1の複数のLED5および第2の複数のLED6は、少なくとも部分的に、支持隔壁4の後壁4pおよび/または各側壁4L1、4L2に配置されている。第1と第2の複数のLEDは、したがって、支持隔壁4の上壁および下壁に配置されてもよい(実施形態は示されていない)。後壁4pは、例えば、リフレクタの各セクタ15、16に向けて配向されて照らすLEDが取り付けられる、傾斜部を備える壁である。すなわち、第1の複数のLEDおよび/または第2の複数のLEDは、支持隔壁4の延長部に対して傾斜してもよい。
【0053】
詳細には、動作原理によると、第1光線は、リフレクタの第1セクタ15に影響を与える面に当たり反射され、開口2aに向けられた第1反射光線5bを生成する、源となる光線5aを含む。第1光線5aは、例えば、走行用前照灯である。
【0054】
同様に、第2光線は、リフレクタの第2セクタ16に影響を与える面に当たり反射され、開口2aに向けられた第2反射光線6bを生成する、第2の源となる光線6aを含む。
【0055】
第2光線6aは、例えば、すれ違い用前照灯である。
【0056】
図5Bに示されている特定の実施形態において、第1の複数のLED5(図に示されていない)によって生成された第1光線5aは、リフレクタの第1セクタ15とリフレクタの第2セクタ16の両方に向けて配向されている。第1光線5aは、リフレクタの第1セクタ15の第1部分15aおよびリフレクタの第2セクタ16の第1部分16aを照らすように調整されている。第1部分15a、16aは、前照灯1を正面から見たとき、前照灯1の中央に対して互いに反対側にある。
【0057】
図5Cに示すような、特定に実施形態において、複数のLED6(図に示されていない)によって生成された第2光線6aは、リフレクタの第1セクタ15とリフレクタの第2セクタ16の両方に向けて配向されている。第2光線6aは、リフレクタの第1セクタ15の第2部分15bおよびリフレクタの第2セクタ16の第2部分16bを照らすように調整されている。第1部分15a、16aおよび第2部分15b、16bは、前照灯1を正面から見たとき、前照灯1を完全に照らすように相互補完的である。特定の実施形態において、第1の複数のLED5と第2の複数のLED6の両方が、支持隔壁4の上側に部分的に、および下側に部分的に配置される。LED5、6を当該特定の配置にすると、そうしなければ、支持隔壁4の存在により、リフレクタの第1セクタ15またはリフレクタの第2セクタ16のみを照らすことで生成されるであろう影を除去できる。
【0058】
図5Aに示すように、第3光線7aは、窓9に向けられた、代わりの直接の源となる光線であり、車幅灯または昼間走行灯(デイランニングライト、DRL)、すなわち、車両が起動しているときは常に点灯しているデイタイムランニングライト、として機能する(
図5A、
図5B、
図5C参照)。縁9’によって範囲を定められた窓9は、車両のスイッチが入っているときは常に見ることができ、したがって、再現されたロゴまたはシンボルは、裏から光で照らされ、暗闇の中ですら車両の独自性が非常に向上する。ロゴまたはシンボルは、第3光線6aが昼間走行灯または車幅灯であり、したがって、すれ違い用前照灯または走行用前照灯に対して強くないため、および(保護眼鏡またはサングラスなしに)肉眼で窓9の形状を明確に区別できるため、常に見ることができる。
【0059】
多様化された光線、例えば、光のハイ/ロービーム版、を得るために、LEDの形状、位置、出力およびLEDの数などのパラメータを考慮する必要がある。
【0060】
本発明の実施形態の上述された記載は、他者が、背景技術を用いて、さらなる研究をすることなく、本発明の観念を逸脱することなく、そのような特定の実施形態を様々な用途で修正および/または調整をすることができるように、概念的な観点から発明を示すことができる。したがって、そのような調整および/または修正は、特定の実施形態と同等であると考えられることが理解される。記載された様々な機能を実行するために使用される手段および材料は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な性質のものであってもよい。使用されている語句または専門用語は、単なる説明であり、したがって制限するものではないことが理解される。