(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】アイドルモード及び非アクティブモードでのBWP処理
(51)【国際特許分類】
H04W 48/16 20090101AFI20220927BHJP
H04W 48/10 20090101ALI20220927BHJP
H04W 48/12 20090101ALI20220927BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20220927BHJP
【FI】
H04W48/16
H04W48/10
H04W48/12
H04W72/04 132
(21)【出願番号】P 2020526536
(86)(22)【出願日】2017-11-14
(86)【国際出願番号】 FI2017050782
(87)【国際公開番号】W WO2019097104
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2020-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】515076873
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オサケユイチア
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】コスキネン ユッシ-ペッカ
(72)【発明者】
【氏名】コスケラ ヤルッコ
(72)【発明者】
【氏名】ヘンットネン テロ
【審査官】田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-531856(JP,A)
【文献】Ericsson,"On Bandwidth Parts and Multiple SSBs",3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #99bis R2-1711822,[online],2017年09月29日,pages 1-6,[retrieved on 2021-07-30], <URL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_99bis/Docs/R2-1711822.zip>
【文献】OPPO (et al.),"WF on bandwidth part configuration",3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #89 R1-1709519,[online],2017年05月18日,slides 1-3,[retrieved on 2021-07-30], <URL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_89/Docs/R1-1709519.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える装置であって、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードを用いて、前記装置に対して、
基地局から、前記基地局のセルでサポートされる1又は2以上の帯域幅部分の制限に関する情報を受け取るステップと、
前記セルでサポートされる1又は2以上の帯域幅部分の制限、及び前記装置でサポートされる1又は2以上の帯域幅部分の制限に基づいて、前記セルへのアクセスを禁止するステップと、
を少なくとも行わせるように構成され、
各帯域幅部分は、サブキャリア間隔に特有であり、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードを用いて、前記装置に、
前記セルでサポートされる1又は2以上の帯域幅部分の制限が前記装置でサポートされる1又は2以上の帯域幅部分の制限とマッチしない場合に、前記装置が前記セルにキャンプオンしないようにするステップを行わせるように構成される、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードを用いて、前記装置に、
前記セルでサポートされる1又は2以上の帯域幅部分の制限に関する前記情報をブロードキャストチャネル上で受け取ったか、又は前記装置への専用シグナリングで受け取ったか否かを監視するステップを行わせる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードを用いて、前記装置に、
前記装置でサポートされる1又は2以上の帯域幅部分に関する優先順位に基づいて前記セルへのアクセスを禁止するステップを行わせるように構成される、
請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードを用いて、前記装置に、
前記セルでサポートされる1又は2以上の帯域幅部分の制限、及び前記装置でサポートされる1又は2以上の帯域幅部分の制限に関する前記情報に基づいて、アクセスパラメータを選択するステップと、
前記選択されたアクセスパラメータを使用して、前記セルを再選択するか、前記セルにキャンプオンするように前記装置に指示するステップと、
を行わせるように構成される、請求項1から3の何れかに記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードを用いて、前記装置に、
前記セルでサポートされる1又は2以上の帯域幅部分の制限、及び前記装置でサポートされる1又は2以上の帯域幅部分の制限に関する前記情報に基づいて、1又は2以上のアクセスタイプを選択するステップと、
前記選択された1又は2以上のアクセスタイプに従って前記セルにアクセスするように前記装置に指示するステップと、
前記装置が、前記選択された1又は2以上のアクセスタイプと異なるアクセスタイプに従って前記セルにアクセスすることを禁止するステップと、
を行わせるように構成される、請求項1から4の何れかに記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードを用いて、前記装置に、
前記装置のタイプに基づいて前記セルにアクセスすることを禁止するステップを行わせるように構成される、請求項1から5の何れかに記載の装置。
【請求項7】
前記セルでサポートされる1又は2以上の帯域幅部分の前記制限は、以下、すなわち、
アーリーデータ伝送に使用できるネットワーク帯域幅部分、
INACTIVEモードでのデータ伝送に前記端末が使用できる帯域幅部分、
CONNECTEDモードでのデータ伝送に前記端末が使用できる帯域幅部分、
アクティブデータ転送に使用できる帯域幅部分、
制御プレーンメッセージ内にカプセル化されたデータを送るのに使用できる帯域幅部分、
超高信頼性低遅延通信伝送に使用できる帯域幅部分、
特定のCSGの端末にのみ予約された帯域幅部分、
キャリアアグリゲーションのために使用できる帯域幅部分、
デュアル接続性のために使用できる帯域幅部分、及び
セル内のサポートされる帯域幅部分のセット、
のうちの少なくとも1つに関連する、請求項1から6の何れかに記載の装置。
【請求項8】
少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える装置であって、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードを用いて、前記装置に、
基地局によって提供される1又は2以上の帯域幅部分の制限に関する情報を提供するように前記基地局に指示するステップを行わせるように構成され、
各帯域幅部分は、サブキャリア間隔に特有であり、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードを用いて、前記装置に、
前記端末でサポートされる1又は2以上の帯域幅部分の各々に関するそれぞれの優先順位を示すように前記基地局に指示するステップを行わせせるように構成されることを特徴とする装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードを用いて、前記装置に、
ブロードキャスト又は専用シグナリングを介して前記帯域幅部分の制限に関する前記情報を端末に提供するステップを行わせるように構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
基地局から、前記基地局のセルでサポートされる1又は2以上の帯域幅部分の制限に関する情報を受け取るステップと、
前記セルでサポートされる1又は2以上の帯域幅部分の制限、及び前記端末でサポートされる1又は2以上の帯域幅部分の制限に基づいて、端末が前記セルにアクセスすることを禁止するステップと、
前記セルでサポートされる1又は2以上の帯域幅部分の制限に関する前記情報をブロードキャストチャネル上で受け取ったか、又は前記端末への専用シグナリングで受け取ったかを監視するステップと、
前記セルでサポートされる1又は2以上の帯域幅部分の制限が前記端末でサポートされる1又は2以上の帯域幅部分の制限とマッチしない場合に、前記端末が前記セルにキャンプオンしないようにするステップと、
を含み、
各帯域幅部分は、サブキャリア間隔に特有である、方法。
【請求項11】
前記端末でサポートされる1又は2以上の帯域幅部分に関する優先順位に基づいて、前記端末が前記セルにアクセスすることを禁止するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記セルでサポートされる1又は2以上の帯域幅部分の制限、及び前記端末でサポートされる1又は2以上の帯域幅部分の制限に関する前記情報に基づいて、アクセスパラメータを選択するステップと、
前記選択されたアクセスパラメータを使用して、前記セルを再選択するか、前記セルにキャンプオンするように前記端末に指示するステップと、
を含む、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記セルでサポートされる1又は2以上の帯域幅部分の制限、及び前記端末でサポートされる1又は2以上の帯域幅部分の制限に関する前記情報に基づいて、1又は2以上のアクセスタイプを選択するステップと、
前記選択された1又は2以上のアクセスタイプに従って前記セルにアクセスするように前記端末に指示するステップと、
前記端末が、前記選択された1又は2以上のアクセスタイプと異なるアクセスタイプに従って前記セルにアクセスすることを禁止するステップと、
を含む、請求項10から12の何れかに記載の方法。
【請求項14】
前記端末のタイプに基づいて、前記端末が前記セルにアクセスすることを禁止するステップを含む、請求項10から13の何れかに記載の方法。
【請求項15】
前記セルでサポートされる1又は2以上の帯域幅部分の前記制限は、以下、すなわち、
アーリーデータ伝送に使用できるネットワーク帯域幅部分、
INACTIVEモードでのデータ伝送に前記端末が使用できる帯域幅部分、
CONNECTEDモードでのデータ伝送に前記端末が使用できる帯域幅部分、
アクティブデータ転送に使用できる帯域幅部分、
制御プレーンメッセージ内にカプセル化されたデータを送るのに使用できる帯域幅部分、
超高信頼性低遅延通信伝送に使用できる帯域幅部分、
特定のCSGの端末にのみ予約された帯域幅部分、
キャリアアグリゲーションのために使用できる帯域幅部分、
デュアル接続性のために使用できる帯域幅部分、及び
セル内のサポートされる帯域幅部分のセット、
のうちの少なくとも1つに関連する、請求項10から14の何れかに記載の方法。
【請求項16】
基地局によって提供される1又は2以上の帯域幅部分の制限に関する情報を提供するように前記基地局に指示するステップと、
ブロードキャスト又は専用シグナリングを介して前記基地局でサポートされる1又は2以上の帯域幅部分の制限に関する前記情報を端末に提供するステップと、
前記端末でサポートされる1又は2以上の帯域幅部分の各々に関するそれぞれの優先順位を示すように前記基地局に指示するステップと、
を含み、
各帯域幅部分は、サブキャリア間隔に特有である、方法。
【請求項17】
命令のセットを含むコンピュータ
読み取り可能記録媒体であって、前記命令は、装置上で実行された場合に、前記装置に、請求項10から16の何れかに記載の方法を実行させるように構成される、ことを特徴とするコンピュータ
読み取り可能記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯域幅部分の処理、具体的にはNRにおける帯域幅部分の処理に関連する装置、方法、及びコンピュータプログラム製品に関する。
【0002】
略語
3GPP 第3世代パートナーシッププロジェクト
5G 第5世代
5GC 5Gコアネットワーク
BWP 帯域幅部分
CN コアネットワーク
CP 制御プレーン
DL ダウンリンク
EDT アーリーデータ伝送
EPC 進化型パケットコア
FDM 周波数分割多重化
gNB 5GノードB
IOT モノのインターネット
LTE ロングタームエボリューション
LTE-A LTEアドバンスト
MF マルチファイア
MSG メッセージ
NAS 非アクセス層
NR 新無線
NW ネットワーク
PCell プライマリセル
PRB 物理リソースブロック
PSCell プライマリSCell
RACH ランダムアクセスチャネル
Rel リリース
RRC 無線リソース制御
RRM 無線リソース管理
SCell セカンダリセル
SS 同期信号
SSB SSブロック
SUL セカンダリアップリンク
TDM 時分割多重化
UE ユーザ機器
UL アップリンク
UP ユーザプレーン
WB 広帯域
WiFi ワイヤレスフィデリティ
【背景技術】
【0003】
帯域幅部分は、UL/DLにおいてUEをスケジューリングできるPRB(特定の周波数における特定の帯域幅を示す)の数として規定される。DLの場合、使用されるBWPはまた、UEが測定を行うと予期される帯域幅にも影響する。また、各帯域幅部分は、異なるニューマロロジー(すなわち、サブキャリア間隔)を有することができる。BWPの幾つかの基本的な使用例が、
図1及び
図2に記載されている。ネットワーク(NW)帯域幅(BW)は、ネットワークによって(例えば、セルによって、ここでセルは、ネットワークを表すものとみなされる)提供される全帯域幅を指定する。
【0004】
図1に示されているように、ネットワークは、異なるタイムスロットにおいてUEに対して異なるBWP(BWP1、BWP2)をスケジューリングして、例えば、NW BWを構成する広帯域(WB)キャリアへの負荷を適応させることができる。異なるBWPは、異なる中心周波数であるが同じ帯域幅(PRBの数)を共有することができ(
図1の左側)、又は異なる帯域幅を有することができる(
図1の右側)。
【0005】
図2に示されているように、BWPは、異なるタイムスロットで異なるニューマロロジーを有する場合がある。TDM運用では、異なるニューマロロジーのBWPが同じ帯域幅を占有する(
図2の左側)が、一方で、FDM運用では、異なるニューマロロジーのBWPは、重複しない場合がある(
図2の右側)。ネットワークの異なるセルが、異なるBWP(NW BWPとも呼ばれる)を提供する場合がある。
【0006】
従って、帯域幅部分(BWP)は、gNB帯域幅全体(NW BWPとも呼ばれる)の一部分からなる。各UEは、接続(connected)モードにおいてUL/DLセル帯域幅の潜在的に異なる部分を割り当てられる場合があり、これは、BWPと呼ばれる。NR Rel-15では、各サービングセルにて単一のアクティブなBWP(PCell/SCellのUL及びDL両方の場合、UL及び/又はDL)が存在することが合意されているが、UEにおいて構成された1つより多いBWPが存在することができ、現在アクティブなBWPが、他の構成されたBWPのうちの1つと切り替えることができる(すなわち、構成されている(但し非アクティブな)BWPがアクティブBWPになり、以前アクティブだったBWPが、構成されている(但し非アクティブな)BWPになる)ようになる。
【0007】
以下の内容が、RAN2において合意されている。
【0008】
接続モードでのBWP運用の合意事項
1.CONNECTEDモードへのBWPの影響は、12月17日までに進展することになる。IDLEモード/INACTIVE(非アクティブ)モードUEへの影響は、12月17日後にSAで議論される。
2a.RRCシグナリングは、サービングセル(PCell、PSCell)用の1又は2以上のBWP(DL BWP及びUL BWPの両方用)を構成するようにサポートする。
2b.RRCシグナリングは、サービングセルSCell(少なくとも1つのDL BWP)用の0、1又は2以上のBWP(DL BWP及びUL BWPの両方用)を構成するようにサポートする(SULの影響は、依然として議論されることになる)。
3.UEに関して、PCell、PSCell、及び各SCellは、周波数において単一の関連SSBを有する(RAN1の用語では、これは「セル規定SSB」である)。
4.セル規定SSBブロックは、PCell/PSCellに対する同期再構成、及びSCellに対するSCell解放/追加によって変更することができる。
5.UEによって測定する必要がある各SSブロック周波数は、個々の測定オブジェクトとして構成すべきである(すなわち、1つの測定オブジェクトは、単一のSSブロック周波数に対応する)。
6.セル規定SSブロックは、サービングセルの時間基準とみなされ、SSBに基づくRRMサービングセル測定値に関するものである(どのBWPがアクティブになっているかにかかわらず)。
【0009】
以下の論文は、IDLEモードの処理に関する幾つかの記述を含む。
R2-1711387:「Impacts of BWP for UE in IDLE and INACTIVE(IDLE及びINACTIVEでのUEに対するBWPの影響)」LG Electronics Inc.(LGエレクトロニクス社)、議論、Rel-15、NR_newRAT-Core
R2-1710216:「Definition of cells for idle and connected UEs(アイドルであり接続されたUEに対するセルについての規定)」Huawei、HiSilicon、議論、Rel-15、NR_newRAT-Core
【0010】
5Gは、LTE及びLTE-Aから知られているIDLE及びCONNECTEDに加えて新しいモード、すなわち「INACTIVE」とも呼ばれる「RRC-INACTIVE CONNECTED」を導入している。UEがINACTIVEモードに移行すると、UE及びRANの両方は、RRC接続セットアップ中に得られた、UE能力及びセキュリティコンテキストなどのUEのRRC接続についてのコンテキスト情報を保持する。対照的に、IDLEモードでは、コンテキスト情報は維持されず、UEは、IDLEからCONNECTEDに移行するときに、ネットワークとの新しいコンテキスト情報を常に確立する必要がある。従って、データ伝送のためのINACTIVEからCONNECTEDへの遷移は、IDLEからCONNECTEDへの遷移と比較して低負荷である(すなわち、より高速であり、より少ないシグナリングを必要とする)。
【0011】
RRC-INACTIVE接続モードでは、UEは、CN-CONNECTEDであり、すなわち、CNは、UEが接続(connected)モードにあるとみなす。従って、UEへのDLトラフィックが到着すると、CNは、単純にこのトラフィックをRANに転送する。次に、RANは、UEに対するページング(「RANページング」と呼ばれる)をトリガーして、セルレベルでのUEの位置を特定し、UEがこのページングに応答すると、RANは、データをUEに転送する。
【0012】
IDLEモード及びINACTIVEモードの両方において、UEは、セルにキャンプオンしてページング信号をリッスンし、セルの再選択及びシステム情報の受け取りのような他の関連手順を行う。UEが移動する場合に、UEは、具体的には関与するセルの信号強度に応じて、別のセルを再選択してそのセルにキャンプオンすることができる(すなわち、UEは、現在のサービングセルからブロードキャストされた再選択情報に従って、指定されたセル再選択ルールに従う)。IDLEモード及びINACTIVEモードの両方において、セル再選択は、UEによって制御され、セルブロードキャストからの再選択情報によって間接的にのみ影響を受ける。
【0013】
より詳細な情報は、J.Kim他による「5G移動通信システムに関する3GPP SA2アーキテクチャ及び機能」ICT Express 3(2017年)1-8頁において入手できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、従来技術を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1の態様によれば、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える装置が提供され、該少なくとも1つのプロセッサは、該少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードを用いて、該装置に対して、ネットワーク帯域幅部分の制限に関する情報をセルから受け取ったか否かを監視するステップと、制限に関する情報を受け取った場合に、該制限に関する情報及び端末帯域幅部分をサポートするための端末の能力に基づいて、端末がセルにキャンプオンするか否か、及び端末がセルを再選択するか否かのうちの少なくとも1つに関する決定を行うステップと、該決定に基づいて、該セルにキャンプオンすること及びセルを再選択することのうちの少なくとも1つに関して端末に指示するステップ、とを少なくとも実行させるように構成される。
【0016】
監視するステップは、制限に関する情報をブロードキャストチャネル上で受け取ったか否かを監視するステップ、及び該制限に関する情報を端末への専用シグナリングで受け取ったか否かを監視するステップのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0017】
決定は、端末がセルにキャンプオンするか否かに関するものとすることができ、少なくとも1つのプロセッサは更に、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードを用いて、制限が端末の能力とマッチしない場合に、端末がセルにキャンプオンしないようにするステップを装置に実行させるように構成することができる。
【0018】
少なくとも1つのプロセッサは更に、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードを用いて、装置に、端末帯域幅部分に関する優先順位を受け取ったか否かを管理するステップを実行させるように構成することができ、決定は更に、該端末帯域幅部分に関する優先順位を受け取った場合に、該優先順位に基づくことができる。
【0019】
少なくとも1つのプロセッサは更に、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードを用いて、装置に、決定がセルにキャンプオンすることであるか、又はセルを再選択することである場合に、制限に関する情報及び端末の能力に基づいて、複数のアクセスパラメータのうちの1つを選択するステップと、該アクセスパラメータの選択された1つを使用して、それぞれ、セルを再選択する及びセルにキャンプオンするように端末に指示するステップとを実行させるように構成することができる。
【0020】
少なくとも1つのプロセッサは更に、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードを用いて、装置に、決定がセルにキャンプオンすることであるか、又はセルを再選択することである場合に、制限に関する情報及び端末の能力に基づいて、複数のアクセスタイプのうちの1又は2以上を選択するステップと、選択された1又は2以上のアクセスタイプに従ってセルにアクセスするように端末に指示するステップと、端末が、選択された1又は2以上のアクセスタイプと異なるアクセスタイプに従ってセルにアクセスすることを禁止するステップとを実行させるように構成することができる。
【0021】
少なくとも1つのプロセッサは更に、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードを用いて、装置に、端末が端末タイプに属するか否かをチェックするステップと、端末が該端末タイプに属さない場合に、制限に関する情報に基づいて決定を行うことを禁止するステップとを実行させるように構成することができる。
【0022】
制限は、以下、すなわち、
-アーリーデータ伝送に使用できるネットワーク帯域幅部分、
-INACTIVEモードでのデータ伝送に端末が使用できる帯域幅部分、
-CONNECTEDモードでのデータ伝送に端末が使用できる帯域幅部分、
-アクティブデータ転送に使用できる帯域幅部分、
-制御プレーンメッセージ内にカプセル化されたデータを送るのに使用できる帯域幅部分、
-超高信頼性低遅延通信伝送に使用できる帯域幅部分、
-特定のCSGの端末にのみ予約された帯域幅部分、
-キャリアアグリゲーションのために使用できる帯域幅部分、
-デュアル接続性のために使用できる帯域幅部分、及び
-セル内のサポートされる帯域幅部分のセット、
のうちの少なくとも1つに関連することができる。
【0023】
本発明の第2の態様によれば、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える装置が提供され、該少なくとも1つのプロセッサは、該少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードを用いて、該装置に、少なくとも、基地局によって提供されるネットワーク帯域幅部分の制限に関する情報を提供するように基地局に指示するステップを実行させるように構成される。
【0024】
該提供するステップは、該制限に関する情報をブロードキャストするステップ、及び制限に関する情報を専用シグナリングで端末に提供するステップのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0025】
少なくとも1つのプロセッサは更に、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードを用いて、該装置に、1又は2以上の端末帯域幅部分の各々に関するそれぞれの優先順位を示すように基地局に指示するステップを実行させるように構成することができる。
【0026】
本発明の第3の態様によれば、方法が提供され、該方法は、ネットワーク帯域幅部分の制限に関する情報をセルから受け取ったか否かを監視するステップと、該制限に関する情報を受け取った場合に、制限に関する情報及び端末帯域幅部分をサポートするための端末の能力に基づいて、端末がセルにキャンプオンするか否か、及び端末がセルを再選択するか否かのうちの少なくとも1つに関する決定を行うステップと、該決定に基づいて、該セルにキャンプオンすること及びセルを再選択することのうちの少なくとも1つに関して端末に指示するステップとを含む。
【0027】
監視するステップは、制限に関する情報をブロードキャストチャネル上で受け取ったか否かを監視するステップ、及び制限に関する情報を端末への専用シグナリングで受け取ったか否かを監視するステップのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0028】
決定は、端末がセルにキャンプオンするか否かに関するものとすることができ、本方法は更に、制限が端末の能力とマッチしない場合に、該端末がセルにキャンプオンしないようにするステップを含むことができる。
【0029】
本方法は更に、端末帯域幅部分に関する優先順位を受け取ったか否かを管理するステップを含むことができ、決定は更に、端末帯域幅部分に関する優先順位を受け取った場合に、該優先順位に基づくことができる。
【0030】
本方法は更に、決定がセルにキャンプオンすることであるか、又はセルを再選択することである場合に、制限に関する情報及び端末の能力に基づいて、複数のアクセスパラメータのうちの1又は2以上を選択するステップと、アクセスパラメータの選択された1つを使用して、それぞれ、セルを再選択する及びセルにキャンプオンするように端末に指示するステップとを含むことができる。
【0031】
本方法は更に、決定がセルにキャンプオンすることであるか、又はセルを再選択することである場合に、制限に関する情報及び端末の能力に基づいて、複数のアクセスタイプのうちの1又は2以上を選択するステップと、選択された1又は2以上のアクセスタイプに従ってセルにアクセスするように端末に指示するステップと、端末が、選択された1又は2以上のアクセスタイプと異なるアクセスタイプに従ってセルにアクセスすることを禁止するステップと、を含むことができる。
【0032】
本方法は更に、端末が端末タイプに属するか否かをチェックするステップと、端末が該端末タイプに属さない場合に、制限に関する情報に基づいて決定を行うことを禁止するステップと、を含むことができる。
【0033】
制限は、以下、すなわち、
-アーリーデータ伝送に使用できるネットワーク帯域幅部分、
-INACTIVEモードでのデータ伝送に端末が使用できる帯域幅部分、
-CONNECTEDモードでのデータ伝送に端末が使用できる帯域幅部分、
-アクティブデータ転送に使用できる帯域幅部分、
-制御プレーンメッセージ内にカプセル化されたデータを送るのに使用できる帯域幅部分、
-超高信頼性低遅延通信伝送に使用できる帯域幅部分、
-特定のCSGの端末にのみ予約された帯域幅部分、
-キャリアアグリゲーションのために使用できる帯域幅部分、
-デュアル接続性のために使用できる帯域幅部分、及び
-セル内のサポートされる帯域幅部分のセット、
のうちの少なくとも1つに関連することができる。
【0034】
本発明の第4の態様によれば、方法が提供され、該方法は、基地局によって提供されるネットワーク帯域幅部分の制限に関する情報を提供するように基地局に指示するステップを含む。
【0035】
提供するステップは、該制限に関する情報をブロードキャストするステップ、及び制限に関する情報を専用シグナリングで端末に提供するステップのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0036】
本方法は更に、1又は2以上の端末帯域幅部分の各々に関するそれぞれの優先順位を示すように基地局に指示するステップを含むことができる。
【0037】
第3及び第4の態様の方法の各々は、帯域幅部分処理の方法とすることができる。
【0038】
本発明の第5の態様によれば、命令のセットを含むコンピュータプログラム製品が提供され、該命令は、装置上で実行された場合に、該装置に、第3及び第4の態様の何れかによる方法を実行させるように構成される。該コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読媒体として具現化すること、又はコンピュータに直接ロードすることができる。
【0039】
本発明の幾つかの実施形態によれば、以下の利点、すなわち、
・BWPがIDLEモード及びINACTIVEモードの両方で動作すること、
・NWとUEとの間のBWPの不整合に起因してUL/DLメッセージが失われることがないこと、
・BWPが、IDLEモード又はINACTIVEモードでさえUEの挙動をある程度制御するのに使用できること、
・NWが、UEがサポートしているBWPをサポートしていない場合に、UEが不必要な接続確立を開始しないこと、
・不必要なシグナリングが回避されること、
・UEバッテリが節約されること、
のうちの少なくとも1つを達成することができる。
【0040】
上記の修正形態の何れもが、それらが代替例を除外するものとして明示的に述べられていない限り、それらが言及するそれぞれの態様に単独で又は組み合わせて適用できることを理解されたい。
【0041】
更なる詳細、特徴、目的、及び利点は、添付図面と併せて解釈される本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】BWPに関する2つの基本的な使用例を示す。
【
図2】BWPに関する別の2つの基本的な使用例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下の本明細書では、本発明の特定の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明し、これらの実施形態の特徴は、別途記載のない限り、互いに自由に組み合わせることができる。しかしながら、特定の実施形態の説明は、単に例として与えられており、開示する詳細に本発明を限定するものとして理解されることは決して意図されていないことを明確に理解されたい。
【0044】
更に、場合によっては、装置のみ又は方法のみが説明されるが、装置は、対応する方法を実行するように構成されることを理解されたい。
【0045】
本発明は、主として、IDLE及びINACTIVEモードでのBWP処理に焦点を合わせている。
【0046】
UW及びNWの両方がサポートする幾つかの最小BWが存在することが予期されるが、実際には、NWは、UEがサポートするものと比較して異なる最小帯域幅をサポートする場合がある。例えば、UEは、5MHzのみをサポートし、NWは、例えば、スケジューラがより低い帯域幅選択肢を実装していないことにより、20MHzのみをサポートする場合がある。加えて、異なるBWPサイズが、異なる目的で使用でき、例えば、非常に低いBW対応のUEは、gNB BWの1つの部分(NW BW)でサービスを受け、「標準的」UEは、gNB BWの異なる部分で(又はNW BW全体でさえ)サービスを受ける場合がある。従って、UEが、IDLE又はINACTIVEにおいてどのようにして異なるBWPに誘導され得るか、又は更に、UEが、そのUEでサポートされているものと異なる最小BWを有するセルにキャンプオンすることをどのようにして防止できるかは、明確でない。
【0047】
UEは、データ伝送に様々な帯域幅を使用する場合があり、ネットワークに向けてデータを送信するための様々な機構が存在する場合がある。典型的に、UEは、データを送信するのにユーザプレーン、すなわち、UEとネットワークとの間で確立される通信を使用し、この通信は、UEとネットワークとの間で暗黙的又は明示的にスケジューリングされ構成されたリソースを利用する。しかしながら、或る特定の事例では、制御プレーンが、データを送信するのに使用される場合もあり、この制御プレーンは、典型的に、UEとネットワークとの間のデータ伝送をセットアップするのに使用される。具体的には、データ伝送は、例えば、UEとネットワークとの間でNAS情報を交換するのに通常使用されるシグナリングプロトコル、又はUEとネットワークとの間でRRC接続を確立するのに使用されるシグナリングメッセージを利用する場合がある。これらの選択肢は、データ転送用の「制御プレーン」又は「アーリーデータ伝送」最適化と呼ばれることがあり、典型的に、UEとネットワークとの間で少量のデータのみを転送する必要がある場合に使用されることを想定されている。
【0048】
本発明の幾つかの実施形態によれば、ネットワークは、そのBWP制限情報を全てのUEにブロードキャストして、IDLE又はINACTIVEモード動作を支援する。この情報は、UEのIDLE又はINACTIVEモードセル選択/再選択基準に影響を与えて、セルのBWをサポートしていないUEが、BWPの不整合によりこれらのUEがサービスを得ることができないセルにキャンプオンしないようにすることができる。更に、UEのセルアクセスは、NW及びUEによってサポートされるBWの量に依存することができる。
【0049】
本発明の幾つかの態様は、以下を含む。
-NWは、DL及び/又はUL動作用のNWのBWP制限に関する情報(例えば、最小及び/又は最大のNW BWPサイズ)をブロードキャスト(広告)する。
-UEは、BWP制限に関する情報を受け取る。
UEは、例えば以下のように、この情報を考慮に入れることができる。
・セルにキャンプオンする基準に関して、UEでサポートされるBWP(UE BWP制限)が、広告されたNW BWP制限(例えば、最小/最大BW)を満たさない場合に、セルは適切でない。すなわち、好ましくは、BWP制限に関するUEの能力は、NW BWPに関する制限と同じである。幾つかの実施形態では、セルは、DLにおいて、NW BWPがUE BWPより小さく、ULにおいて、NW BWPがUE BWPより大きい場合に、選択され得る。従って、異なるサイズのBWPが原因で送信が失われないことが保証される。
・セル再選択基準に関して、UEは、特定のタイプのBWPをサポートするセル/キャリアを優先することができる。このような優先順位付けは、事前に規定することができ、又はネットワークが、優先順位を提供することができる。
事前に規定された優先順位の例として、UEはまた、このUEがサポートする帯域幅部分のサイズを正確にサポートするセルを優先することもできる。すなわち、帯域幅部分のサイズが、UEのものを超過する(アップリンクにおいて)か、又はUEのものよりも小さい(ダウンリンクにおいて)セルは、実現可能ではあるが、好ましくない。このような実施形態では、UEは、広告されたNW BWP制限に基づいて、優先順位を暗黙的に構築する。これらの実施形態では、NWは、優先順位を明示的に送信する必要がない。
NWは、BWPがUEのセル再選択優先順位に影響を与えるための異なる能力を有するUEに対して異なる優先順位を示すことができ、UEでサポートされる特定のBWP(端末帯域幅部分とも呼ばれる)の優先順位は、ネットワークのセルが異なる場合に異なること又は同じであることができる。
優先順位は更に、UEのカテゴリに依存することができ、例えば、異なるCN(EPC/MF)に登録されたUEは、異なる再選択パラメータを使用して、異なるUEが異なるセルを再選択することができるようにする(例えば、或る特定のUEを更に、このようなUEをより効率的に処理できる特定の周波数帯域に向けるように誘導するため)。
NWは、システム情報において又は専用シグナリングを介して、RRC接続解放の最後でUEに与えられIDLE又はINACTIVE状態でUEによって使用される優先順位を示すことができる。NWは、BWP制限に関する情報とともに、或いは別個のブロードキャストメッセージ又はUEへの専用シグナリングにおいて、優先順位を示すことができる。
・また、セルアクセスパラメータは、許可されたアクセス帯域幅に従ってグループ化することもできる。
例えば、制限されたBWをサポートするUEは、より広いBWをサポートするUEと異なるアクセスリソースを利用することができる。
また、異なるネットワークスライスをサポートするUEは、セル内で特定のBWを必要とするように指示されて、特定のネットワークスライスに従って接続を試みるUEが、アクセスパラメータの異なるセットに従ってアクセスを行うことができるようになる。
NWは、ブロードキャストシグナリング又は専用シグナリングを介して、グループ化に関してUEに通知する。
・広告されたNW BWPの制限に応じて、UEは、セルにキャンプオンすることを許可され得るが、特定のタイプのアクセスのみが許可される。
アーリーデータ伝送(EDT)、例えば、RACH MSG3及びMSG4内のデータ伝送を許可することができる。
CPメッセージ内にカプセル化されたデータを許可することができる。
シグナリングは、NASシグナリング又はRRCシグナリングによって許可することができる。
事前に規定されたアクセスタイプは、例えば、低/高優先度データなどとすることができる。
【0050】
本発明の幾つかの実施形態では、特定のタイプのUEのみが、NW BWP制限に関する情報を考慮に入れることができる。例えば、「標準的」UEのみが、NW BWP制限を考慮に入れることができるが、IOTデバイス(例えば「標準的」のUEよりも小さいBWをサポートすることができる)はそうでない。別の例として、特定のネットワークスライスをサポートするUEのみが、何らかのスライス特有のBWPを含むスライス特有のリソースを利用することができる。
【0051】
最小/最大BWPに加えて、又はその代わりに、NWは、例えば、以下、すなわち、
・EDT BWP(すなわち、EDTのために使用されるBWP)
・RRC INACTIVE BWP(すなわち、INACTIVEで使用されるBWP)
・RRC CONNECTED BWP(すなわち、CONNECTEDでUEによって使用されるBWP)
・データ転送BWP(すなわち、アクティブなデータ転送に使用されるBWP)
・制御プレーン上のデータBWP(すなわち、制御プレーンメッセージ内にカプセル化されたデータを送るのに使用されるBWP)
・超高信頼性低遅延伝送(URLLC)BWP(すなわち、URLLC伝送のために使用されるBWP)
・限定加入者グループ(CSG)BWP(すなわち、特定のCSGを利用するUEに対してのみ予約されたBWP)
・キャリアアグリゲーションBWP(すなわち、CAのために使用されるBWP)
・デュアル接続性BWP(すなわち、DCのために使用されるBWP)
・セルでサポートされるBWPのセット(例えば、セルで使用される全てのBWP)
うちの1つを信号で伝えることができる。
【0052】
UEは、それぞれの特定の事例の場合にキャンプオンすること及び/又はセル再選択を決定するときに、BWPに関するこの情報を考慮に入れることができる。
【0053】
本発明の幾つかの実施形態では、NW BWP制限に関する情報は、IDLE/INACTIVEモードで使用されるように、UEがCONNECTEDモードにある間(例えば、CONNECTEDモードからIDLE/INACTIVEモードへの遷移中)に、IDLE又はINACTIVEモード使用に関して専用シグナリングを使用して広告することができる。
【0054】
表1は、IDLE/INACTIVEモードでのBWP処理に関するシグナリング例を提示するものである。ステップ7において、UEは、IDLEモードにあり、従って、このUEにサービスを提供できないセルにキャンプオンすることは意味がないため、データ転送に関するNW BWP制限が関係することに留意されたい。
【0055】
一方、ステップ14において、UEは、INACTIVEモードにあり(ステップ12を参照)、従って、INACTIVEモードに関するNW BWP制限が関係する。INACTIVEモードでは、INACTIVE BWPが、INACTIVE状態でのデータ伝送、すなわち、ランダムアクセスメッセージ3及び4でのデータ伝送に使用することができる。メッセージ3は、アップリンクでのデータ伝送に使用でき、メッセージ4は、ダウンリンクでのデータ伝送に使用することができる。データ転送BWPは、接続(connected)モードで使用される。
【0056】
一方、CONNECTEDモードでは、ダウンリンクでのデータ伝送に関するUE及びセル5のBWP制限がマッチしないため、UEは、セル5においてCONNECTEDモードに移行することができない。
【0057】
【0058】
図3は、本発明の一実施形態による装置を示している。本装置は、UE、IoTデバイス、MTCデバイス、又はそれらの要素などの端末とすることができる。
図4は、本発明の一実施形態による方法を示している。
図3による装置は、
図4の方法を実行することができるが、この方法に限定されるものではない。
図4の方法は、
図3の装置によって実行できるが、この装置によって実行されることに限定されるものではない。
【0059】
装置は、監視手段10、決定手段20、及び指示手段30を備える。監視手段10、決定手段20、及び指示手段30の各々は、それぞれ、モニタ、決定器、及び指示器とすることもできる。監視手段10、決定手段20、及び指示手段30の各々は、それぞれ、監視プロセッサ、決定プロセッサ、及び指示プロセッサとすることもできる。
【0060】
監視手段10は、ネットワーク帯域幅部分の制限に関する情報をセルから受け取ったか否かを監視する(S10)。
【0061】
制限に関する情報を受け取った場合(S10=「yes」)、決定手段20は、この制限に関する情報及び端末帯域幅部分をサポートするための端末の能力に基づいて決定を行う(S20)。この決定は、端末がセルにキャンプオンするか否か、及び端末がセルを再選択するか否かのうちの少なくとも1つに関するものである。
【0062】
指示手段30は、この決定に基づいて、セルにキャンプオンすること及びセルを再選択することのうちの少なくとも1つに関して端末に指示する(S30)。
【0063】
図5は、本発明の一実施形態による装置を示している。本装置は、gNB、eNB、もしくはNBなどの基地局、又はそれらの要素とすることができる。
図6は、本発明の一実施形態による方法を示している。
図5による装置は、
図6の方法を実行することができるが、この方法に限定されるものではない。
図6の方法は、
図5の装置によって実行できるが、この装置によって実行されることに限定されるものではない。
【0064】
装置は、指示手段110を備える。指示手段110は、指示器とすることもできる。指示手段110は、指示プロセッサとすることもできる。
【0065】
指示手段110は、基地局によって提供されるネットワーク帯域幅部分の制限に関する情報を提供するように基地局に指示する(S110)。
【0066】
図7は、本発明の一実施形態による装置を示している。本装置は、少なくとも1つのプロセッサ410と、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリ420とを備え、この少なくとも1つのプロセッサ410は、少なくとも1つのメモリ420及びコンピュータプログラムコードを用いて、この装置に、
図4及び
図6による方法のうちの少なくとも1つを実行させるように構成される。
【0067】
本発明の実施形態は、UEに関して説明される。UEは、特定の種類の端末である。他の端末が、本発明の実施形態に属することができる。例えば、本発明の実施形態が実施される端末は、IoTデバイス、MTCデバイス、ラップトップ、タブレット、スマートフォン、携帯電話機などとすることができる。
【0068】
本発明の幾つかの実施形態は、3GPPデバイスに採用することができる。しかしながら、本発明の実施形態は、3GPPデバイスに限定されるものではない。例えば、本発明の実施形態は、この実施形態が帯域幅部分に対応する機能を提供する場合に、WiFiなどの他の無線又は有線通信システムに採用することができる。
【0069】
本発明の幾つかの実施形態は、UEアプリケーションとして具現化される。しかしながら、これらの実施形態は、異なったように具現化でき、例えば、UEに組み込むことができるチップ上にハードコードすることができる。
【0070】
情報の1つの要素は、1つのエンティティから別のエンティティに1つ又は複数のメッセージで送信することができる。これらのメッセージの各々は、更に別の(異なる)情報要素を含むことができる。
【0071】
ネットワーク要素、プロトコル、及び方法の名称は、現行の基準に基づく。他のバージョン又は他の技術では、これらのネットワーク要素及び/又はプロトコル及び/又は方法の名称は、それらが対応機能を提供する限り、異なることができる。
【0072】
別途記載がない限り、又は文脈から明らかでない限り、2つのエンティティが異なるという記載は、これらのエンティティが異なる機能を実行することを意味する。このことは、必ずしも、これらのエンティティが異なるハードウェアに基づくことを意味するものではない。すなわち、本明細書に記載されたエンティティの各々は、異なるハードウェアに基づくことができ、又はエンティティの一部もしくは全部は、同じハードウェアに基づくことができる。このことは、必ずしも、これらのエンティティが異なるソフトウェアに基づくことを意味するものではない。すなわち、本明細書に記載されたエンティティの各々は、異なるソフトウェアに基づくことができ、又はエンティティの一部もしくは全部は、同じソフトウェアに基づくことができる。本明細書に記載されたエンティティの各々は、クラウド内で具現化することができる。
【0073】
従って、上記の説明によると、本発明の例示的な実施形態は、例えば、UE、IoTデバイス、MTCデバイスなど、又はそれらの構成要素などの端末、これらを具現化する装置、これらを制御及び/又は動作させる方法、これらを制御及び/又は動作させるコンピュータプログラム、並びに、このようなコンピュータプログラムを保持し、コンピュータプログラム製品を形成する媒体を提供することが明らかであろう。従って、上記の説明によると、本発明の例示的な実施形態は、例えば、NodeB、eNodeB、又はgNodeB、又はそれらの組み合わせなどの基地局、これらを具現化する装置、これらを制御及び/又は動作させる方法、これらを制御及び/又は動作させるコンピュータプログラム、並びに、このようなコンピュータプログラムを保持し、コンピュータプログラム製品を形成する媒体を提供することが明らかであろう。
【0074】
上述のブロック、装置、システム、技法又は方法の何れかの実装形態は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路又はロジック、汎用ハードウェア又はコントローラ又は他のコンピューティングデバイス、又はこれらの幾つかの組み合わせとしての実装形態を含む。
【0075】
上述の内容は、現在のところ本発明の好ましい実施形態とみなされているものであることを理解されたい。しかしながら、好ましい実施形態の説明は、単に例として与えられており、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正が行われ得ることに留意されたい。