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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】衣類処理機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/12 20060101AFI20220927BHJP
【FI】
D06F39/12 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020542975
(86)(22)【出願日】2019-01-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 CN2019074143
(87)【国際公開番号】W WO2019154260
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2021-02-03
(31)【優先権主張番号】201810144723.7
(32)【優先日】2018-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514114622
【氏名又は名称】青島海爾滾筒洗衣机有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】李文偉
(72)【発明者】
【氏名】趙志偉
(72)【発明者】
【氏名】▲シン▼本▲フ▼
(72)【発明者】
【氏名】衣少磊
(72)【発明者】
【氏名】艾磊磊
(72)【発明者】
【氏名】潘継輝
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-184790(JP,A)
【文献】特開2004-065961(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0115105(US,A1)
【文献】特開平08-299684(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 21/00-25/00
D06F 37/00-39/14
D06F 58/02-58/08
D06F 58/20-58/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、中継部材と、前記フレームに装着されるハウジングを含み、前記ハウジングは衣類投入口が設けられた前板を含む衣類処理機であって、
前記前板は、前記衣類処理機の前面を覆う一体プレート状構造をなしており、前記前板の上縁が下方に折り曲げられることで第1装着面が形成されており、前記前板の上部は、前記第1装着面を介して前記フレームに固定され、
前記中継部材は長尺状構造をなしており、前記中継部材は第1接触面及び第2接触面を含み、前記第1接触面及び前記第2接触面はいずれも長尺状の面であり、ネジで接続固定するために、前記第1接触面の長さ方向に複数のネジ孔が間隔を置いて設置されるとともに、前記第1装着面に複数のネジ孔が設置されており、
前記第1装着面は前記第1接触面に接続固定され、前記フレームは前記第2接触面に接続固定される、ことを特徴とする衣類処理機。
【請求項2】
前記中継部材の前記第1接触面は、前記第2接触面に対して垂直であり、前記第接触面は、前記フレームにおける前記前板と係合する側の上端に水平に固定され、前記第接触面は垂直な面であって、前記第1装着面に密着して緊締部材により固定されることを特徴とする請求項に記載の衣類処理機。
【請求項3】
前記第1装着面は、前記第1接触面に密着して緊締部材により固定するために、少なくとも辺縁部分が垂直な平面となっていることを特徴とする請求項2に記載の衣類処理機。
【請求項4】
前記第1装着面と前記第1接触面には事前位置決め構造が更に設けられており、前記事前位置決め構造は、前記第1接触面に開設される水平なフランジと、前記第1装着面に開設されるスロットを含み、前記水平なフランジを前記スロット内に挿接することで、前記中継部材と前記前板の事前位置決めが実現されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の衣類処理機。
【請求項5】
前記前板の両側の辺縁をそれぞれ対向するもう一方の側に折り曲げることで第2装着面が形成され、前記第2装着面が前記フレーム及び/又は中継部材に固定されることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の衣類処理機。
【請求項6】
前記中継部材の第1接触面の両端は、それぞれ緊締部材によって前記第2装着面に固定されることを特徴とする請求項に記載の衣類処理機。
【請求項7】
前記中継部材における前記第1接触面の両端の辺縁にそれぞれネジ孔が開設され、前記前板の両側の前記第2装着面には、前記第1接触面にネジで固定するためにネジ孔がそれぞれ開設されていることを特徴とする請求項5に記載の衣類処理機。
【請求項8】
前記第2装着面の一部を前記第1接触面に向かって突出させることで部分的に垂直な平面が形成され、前記垂直な平面は、前記第1接触面に密着してネジで緊締されることを特徴とする請求項5に記載の衣類処理機。
【請求項9】
前記フレームは、垂直に設置される4本の補強部材を含み、前記前板と係合する2本の前記補強部材の上部に横ビームが接続されており、中継部材が前記横ビームに固定されることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の衣類処理機。
【請求項10】
前記横ビームが2本の前記補強部材の上部の端面を覆うことで、前記フレーム上に水平な面が形成され、前記中継部材の第2接触面が前記水平な面と密着し、緊締部材により接続固定されることを特徴とする請求項9に記載の衣類処理機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は家電分野に関し、特に、外観が一体化効果を有する衣類処理機に関する。
【背景技術】
【0002】
社会の発展に伴って、家電製品の外観に対する要求は高まる一方である。競争の激しい家電販売において、人々は好みの家電製品の外観を選択する。よって、家電の売れ行きには家電の構造設計が影響を及ぼすことになる。従来の衣類処理機、とりわけ衣類乾燥機には様々な種類が存在する。従来の衣類処理機の多くは、前面の下部に前板が設けられており、前板の上部に制御パネルが装着されている。当該制御パネルの底端と前板の上端の間には、衣類処理機の前面においてスリットが形成されるため、外観に影響を及ぼすだけでなく、衣類処理機の前板構造が複雑化するほか、構造の安定性にも劣る。そこで、衣類処理機全体の一体化効果を実現するためには、衣類処理機の前板を一体構造とすればよい。つまり、前板を一体化した一体プレートとし、当該一体プレートで衣類処理機の前面全体を覆えばよい。しかし、前板を一体構造とする際には安定的な固定効果を実現することが難しい。これは、前板の上方が衣類処理機の盤面に直接接触することから、従来技術のように、衣類処理機の前板の上部にフランジを形成して筐体のフレームに直接掛接したあと、前板の上方に制御パネルを取り付けて前記フランジを覆い隠すことができないためである。また、一部の衣類処理機のように、前板の上部に接続用の凸条を平行に直接突設し、当該凸条を衣類処理機の内部のフレームに固定することで前板の上部の固定を実現することもできない。これらの衣類処理機は、いずれも制御パネル部を前板の上部に設置するとともに、接続構造を覆い隠す構成を有しているため、前板の接続構造がシンプル且つ大まかである。これに対し、前板を一体化した一体プレート状構造とする場合には、従来の上記固定構造は使用できず、見栄えが悪いだけでなく、接続構造の安定性にも劣る。
【0003】
上記に鑑みて、本発明を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消し、前板の上縁を下方に折り曲げて装着面を形成し、当該装着面を介してフレームと堅固に固定接続することで、前板と衣類処理機のフレームを一体化するよう安定的に固定して、衣類処理機の前板の前後及び両側にスリットが形成されないよう防止する衣類処理機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術的課題を解決すべく、本発明で採用する技術方案の基本思想について以下に述べる。
【0006】
衣類処理機であって、フレームと、フレームに装着されるハウジングを含み、前記ハウジングは衣類投入口が設けられた前板を含む。前記前板は、衣類処理機の前面を覆う一体プレート状構造をなしている。また、前板の上縁が下方に折り曲げられることで第1装着面が形成されている。前板の上部は、当該第1装着面を介して前記フレームに固定される。
【0007】
上記の方案において、前板は、衣類処理機の前面を覆う一体成型された一体プレート状構造をなしているため、衣類処理機全体が一体化された外観を有する。しかし、当該一体成型された前板は固定しにくいことから、衣類処理機の構造の安定性に直接影響を及ぼすことになる。そこで、前板の上縁を下方に折り曲げて装着面を形成し、当該装着面を介してフレームと堅固に固定接続することで、前板と衣類処理機のフレームを一体化するよう安定的に固定する。これにより、衣類処理機における前板の前後及び両側にスリットが形成されないよう防止する。
【0008】
好ましくは、中継部材を更に含む。前記第1装着面は前記中継部材に固定され、前記中継部材はフレームに固定される。
【0009】
上記の方案では、前記中継部材によって前板とフレームの中継接続を実現することで、前板とフレームの接続構造を簡略化している。また、第1装着面は下方に延伸する装着面であり、これと平行な面をフレームに設置して固定する必要がある。そこで、本発明では、中継部材を設置することでフレームと前板との中継固定を実現している。
【0010】
好ましくは、前記中継部材は第1接触面と第2接触面を含む。また、前記第1装着面と前記第1接触面が接続固定され、前記フレームと第2接触面が接続固定される。
【0011】
上記の方案では、中継部材を第1装着面及びフレームにそれぞれ接続される第1接触面及び第2接触面を有するように設計することで、フレームと前板との中継接続を実現している。
【0012】
好ましくは、前記中継部材は互いに垂直な第1接触面と第2接触面を含んでいる。当該第1接触面は、フレームにおける前板と係合する側の上端に水平に固定される。また、当該第2接触面は垂直な面であって、第1装着面に密着して緊締部材により固定される。
【0013】
好ましくは、中継部材は横断面が槽型となるよう設けられている。且つ、外側に位置する辺が内側に位置する辺よりも高くなっているため、前板に対するフレームの中継接続が容易に実現される。また、当該中継部材をフレームの上部における前板と係合する側の辺縁に設置することで、フレームに、第1装着面と接触及び接続する第1接触面が形成される。
【0014】
好ましくは、前記第1装着面は、第2接触面に密着して緊締部材により固定するために、少なくとも辺縁部分が垂直な平面となっている。
【0015】
前記中継部材は複数としてもよい。複数の中継部材はフレームの上部における前面の辺縁に間隔を置いて固定され、各中継部材の第1装着面には、前板の第1装着面に接続固定するための接続構造が設置されている。或いは、フレームは中継部材を1つだけ含む。当該中継部材は、フレームの上部において長さ方向に延設され、前板に接触するとともに固定される。
【0016】
好ましくは、前記中継部材を長尺状構造とし、前記第1接触面と第2接触面をいずれも長尺状の面とする。また、ネジで接続固定するために、第1接触面の長さ方向に複数のネジ孔を間隔を置いて設置するとともに、これに応じて、前記第1装着面にネジ孔を設置する。
【0017】
好ましくは、前記第1装着面と第1接触面には、事前位置決め構造が更に設けられている。前記事前位置決め構造は、第1接触面に開設される水平なフランジと、第1装着面に開設されるスロットを含む。前記水平なフランジを前記スロット内に挿接することで、中継部材と前板の事前位置決めが実現される。
【0018】
上記の方案では、事前位置決め構造によって中継部材と前板の事前位置決めを実現することで、その後のこれらの固定装着過程が容易となる。
【0019】
好ましくは、前記前板の両側の辺縁をそれぞれ対向するもう一方の側に折り曲げることで第2装着面を形成し、前記第2装着面をフレーム及び/又は中継部材に固定する。
【0020】
好ましくは、前記中継部材の第1接触面の両端は、それぞれ緊締部材によって第2装着面に固定される。
【0021】
好ましくは、前記中継部材における第1接触面の両端の辺縁にそれぞれネジ孔を開設する。また、これに対応して、前板の両側の第2装着面には、前記第1接触面にネジで固定するためにネジ孔がそれぞれ開設されている。
【0022】
好ましくは、前記第2装着面の一部を前記第1接触面に向かって突出させることで、部分的に垂直な平面を形成する。当該垂直な平面は、第1接触面に密着してネジで緊締される。
【0023】
上記の方案では、第2装着面に垂直な平面を設けることで、中継部材の第1接触面との密着及び固定が容易となり、固定の安定効果が向上する。
【0024】
好ましくは、前記フレームは、垂直に設置される4本の補強部材を含む。前板と係合する2本の補強部材の上部には横ビームが接続されており、前記中継部材が前記横ビームに固定される。
【0025】
好ましくは、前記横ビームは、前記2本の補強部材の上部の端面を覆うことで、フレーム上に水平な面を形成する。前記中継部材の第2接触面は当該水平な面と密着し、緊締部材により接続固定される。
【発明の効果】
【0026】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0027】
1.本発明の衣類処理機は、フレームと、フレームに装着されるハウジングを含む。前記ハウジングは衣類投入口が設けられた前板を含む。前記前板は、衣類処理機の前面を覆う一体プレート状構造をなしている。また、前板の上縁が下方に折り曲げられることで第1装着面が形成されている。前板の上部は、当該第1装着面を介して前記フレームに固定される。本発明において、前板は、衣類処理機の前面を覆う一体成型された一体プレート状構造をなしているため、衣類処理機全体が一体化された外観を有する。しかし、当該一体成型された前板は固定しにくいことから、衣類処理機の構造の安定性に直接影響を及ぼすことになる。そこで、本発明では、前板の上縁を下方に折り曲げて装着面を形成し、当該装着面を介してフレームと堅固に固定接続することで、前板と衣類処理機のフレームを一体化するよう安定的に固定する。これにより、衣類処理機における前板の前後及び両側にスリットが形成されないよう防止する。
【0028】
2.本発明において、フレームはフレームと中継部材を含んでいる。第1装着面は中継部材に固定され、中継部材はフレームに固定される。前記中継部材によって前板とフレームの中継接続を実現することで、前板とフレームの接続構造を簡略化している。また、第1装着面は下方に延伸する装着面であり、これと平行な面をフレームに設置して固定する必要がある。そこで、本発明では、中継部材を設置することでフレームと前板との中継固定を実現している。前記中継部材は第1接触面と第2接触面を含む。また、前記第1装着面と前記第1接触面が接続固定され、前記フレームと第2接触面が接続固定される。中継部材を第1装着面及びフレームにそれぞれ接続される第1接触面及び第2接触面を有するように設計することで、フレームと前板との中継接続を実現している。
【0029】
3.本発明の中継部材は互いに垂直な第1接触面と第2接触面を含んでいる。当該第1接触面は、フレームにおける前板と係合する側の上端に水平に固定される。また、当該第2接触面は垂直な面であって、第1装着面に密着して緊締部材により固定される。中継部材は横断面が槽型となるよう設けられている。且つ、外側に位置する辺が内側に位置する辺よりも高くなっているため、前板に対するフレームの中継接続が容易に実現される。また、当該中継部材をフレームの上部における前板と係合する側の辺縁に設置することで、フレームに、第1装着面と接触及び接続する第1接触面が形成される。
【0030】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【0031】
図面は本願の一部として、本発明の更なる理解のために提供される。本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要することなくこれらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、本発明における衣類処理機のフレームと前板との接続構造の側面図である。
図2図2は、図1のA部分の拡大図である。
図3図3は、本発明におけるフレームと前板との接続構造の別の構造を示す図である。
図4図4は、図3のB部分の拡大図である。
図5図5は、図3のC部分の拡大図である。
図6図6は、本発明における前板の背部の構造を示す図である。
図7図7は、図6のD部分の拡大図である。
図8図8は、図6を別の角度から見た図である。
図9図9は、図8のE部分の拡大図である。
図10図10は、本発明の中継部材の第1接触面の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
説明すべき点として、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0034】
本発明における実施例の目的、技術方案及び利点をより明確とすべく、以下では、本発明の実施例にかかる図面を組み合わせて、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0035】
本発明の記載において、「上」、「下」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であり、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、且つ特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと理解すべきではない。
【0036】
本発明の記載において、別途明確に規定及び限定しない限り、「装着する」、「接続する」との用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体接続であってもよい。また、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。更には、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【実施例1】
【0037】
図1図10を参照して、本発明は、フレーム1と、フレーム1に装着されるハウジングを含む衣類処理機を提供する。前記ハウジングは、衣類投入口が設けられた前板2を含む。前記前板2は、衣類処理機の前面を覆う一体プレート状構造をなしている。また、前板2の上縁が下方に折り曲げられることで第1装着面21が形成されている。前板2の上部は、当該第1装着面21を介して前記フレーム1に固定される。
【0038】
前記衣類処理機は、上下に設置される第1衣類処理装置と第2衣類処理装置を含む。衣類処理機のハウジングは、2つの衣類処理装置の側部を取り囲む側板と、2つの衣類処理装置の裏側を覆う後カバープレートと、2つの衣類処理装置の上部を覆う盤面と、2つの衣類処理装置の前部に位置し、盤面及び側板に緊密に接続される前板2を含む。前記前板2は一体的なプレート状構造をなしており、前記第1衣類処理装置と第2衣類処理装置に対応して、第1衣類投入口4と第2衣類投入口5がそれぞれ設けられている。
【0039】
上記の方案で限定する第1衣類処理装置と第2衣類処理装置は、衣類乾燥槽としてもよいし、洗濯槽としてもよいし、一方を衣類乾燥槽とし、もう一方を洗濯槽としてもよい。また、前板を一体的なプレート状構造として設計することで、当該衣類処理機は一体的な外観効果を有する。
【0040】
本発明において、前板2は、衣類処理機の前面を覆う一体成型された一体プレート状構造をなしているため、衣類処理機全体が一体化された外観を有する。しかし、当該一体成型された前板2は固定しにくいことから、衣類処理機の構造の安定性に直接影響を及ぼすことになる。そこで、前板の上縁を下方に折り曲げて装着面を形成し、当該装着面を介してフレーム1と堅固に固定接続することで、前板2と衣類処理機のフレーム1を一体化するよう安定的に固定する。これにより、衣類処理機の筐体における前板2の前後及び両側にスリットが形成されないよう防止する。
【0041】
好ましくは、図2図4図8に示すように、当該衣類処理機は中継部材3を更に含む。前記第1装着面21は前記中継部材3に固定され、前記中継部材3はフレーム1に固定される。
【0042】
上記の方案では、前記中継部材3によって前板2とフレーム1の中継接続を実現することで、前板2とフレーム1の接続構造を簡略化している。また、第1装着面21は下方に延伸する装着面であり、これと平行な面をフレーム1に設置して固定する必要がある。そこで、本発明では、中継部材3を設置することでフレーム1と前板2との中継固定を実現している。
【0043】
好ましくは、図2図4図7に示すように、前記中継部材3は第1接触面31と第2接触面32を含む。また、前記第1装着面21と前記第1接触面31が接続固定され、前記フレーム1と第2接触面32が接続固定される。
【0044】
上記の方案では、中継部材3を第1装着面21及びフレーム1にそれぞれ接続される第1接触面31及び第2接触面32を有するように設計することで、フレーム1と前板2との中継接続を実現している。
【0045】
好ましくは、前記中継部材3の横断面は槽型をなしており、互いに垂直な第1接触面31と第2接触面32を含んでいる。当該第1接触面31は、フレーム1における前板2と係合する側の上端に水平に固定される。また、当該第2接触面32は垂直な面であって、第1装着面21に密着して緊締部材により固定される。
【0046】
上記の方案において、中継部材3は横断面が槽型となるよう設けられている。槽型の外側に位置する辺は内側に位置する辺よりも高くなっているため、前板2に対するフレーム1の中継接続が容易に実現される。また、当該中継部材3をフレーム1の上部における前板2と係合する側の辺縁に設置することで、フレーム1に、第1装着面21と接触及び接続する第1接触面31が形成される。
【0047】
好ましくは、前記第1装着面21は、第2接触面32に密着して緊締部材により固定するために、少なくとも辺縁部分が垂直な平面221となっている。
【0048】
一実施形態において、前記中継部材3は複数としてもよい。複数の中継部材3はフレーム1の上部における前面の辺縁に間隔を置いて固定され、各中継部材3の第1装着面21には、前板2の第1装着面21に接続固定するための接続構造が設置されている。好ましい実施形態において、衣類処理機には中継部材3を1つだけを設ける。当該中継部材3は、フレーム1の上部において長さ方向に延設され、前板2に接触するとともに固定される。中継部材3を1つとすることで、平坦な装着面を形成可能である。即ち、前記第1接触面31が形成され、前板の第1装着面21に係合及び固定されることで、前板2に対して安定的な固定効果を有することが可能となる。
【0049】
好ましくは、前記中継部材3を長尺状構造とし、前記第1接触面31と第2接触面32をいずれも長尺状の面とする。また、ネジで接続固定するために、第1接触面31の長さ方向に複数のネジ孔を間隔を置いて設置するとともに、これに応じて、前記第1装着面21にネジ孔を設置する。また、当該第2接触面32の長さ方向にも、フレーム1に対しネジで固定するために複数のネジ孔が設置されている。
【0050】
好ましくは、前記第1装着面21と第1接触面31には、事前位置決め構造が更に設けられている。前記事前位置決め構造は、第1接触面31に開設される水平なフランジ33と、第1装着面21に開設されるスロット211を含む。前記水平なフランジ33を前記スロット211内に挿接することで、中継部材3と前板2の事前位置決めが実現される。前記水平なフランジは、第1接触面の上縁の一部が折り返されて形成される水平なフランジとしてもよいし、第1接触面の中央部に方形槽を開設することでフランジを形成してもよい。
【0051】
上記の方案では、事前位置決め構造によって中継部材3と前板2の事前位置決めを実現することで、その後のこれらの固定装着過程が容易となる。好ましくは、当該第1接触面31の長さ方向に複数の前記水平フランジを間隔を置いて設けることで、事前位置決めを安定させる。
【0052】
好ましくは、図4に示すように、前記前板2の両側の辺縁をそれぞれ対向するもう一方の側に折り曲げることで第2装着面22を形成し、前記第2装着面22をフレーム1及び/又は中継部材3に固定する。
【0053】
好ましくは、前記中継部材3の第1接触面31の両端は、それぞれ緊締部材によって第2装着面22に固定される。
【0054】
好ましくは、図4及び図10に示すように、前記中継部材3における第1接触面31の両端の辺縁にそれぞれネジ孔34を開設する。また、これに対応して、前板2の両側の第2装着面22には、前記第1接触面31にネジで固定するためにネジ孔がそれぞれ開設されている。
【0055】
好ましくは、前記第2装着面22の一部を前記第1接触面31に向かって突出させることで、部分的に垂直な平面221を形成する。当該垂直な平面221は、第1接触面31に密着してネジで緊締される。
【0056】
上記の方案では、第2装着面22に垂直な平面221を設けることで、中継部材3の第1接触面31との密着及び固定が容易となり、固定の安定効果が向上する。
【0057】
また、前板2の両側の第2装着面22は、前板2の両側の辺縁を折り曲げることで前板2の表面に形成される屈曲面である。当該第2装着面22は、上部にネジ孔が設けられて第1接触面31に接続固定されるほか、下部に複数の固定構造が開設されてフレーム1に接続固定される。当該固定構造は、ネジ孔としてもよいし、フレーム1に係接するための係合溝としてもよい。
【0058】
好ましくは、図1図2図3に示すように、前記フレーム1は、垂直に設置される4本の補強部材11を含む。前板2と係合する2本の補強部材11の上部には横ビーム12が接続されており、前記中継部材3が前記横ビーム12に固定される。
【0059】
好ましくは、前記横ビーム12は、前記2本の補強部材11の上部の端面を覆うことで、フレーム1上に水平な面を形成する。前記中継部材3の第2接触面32は当該水平な面と密着し、緊締部材により接続固定される。
【0060】
更に、図3及び図5を参照して、当該前板2の底部はフレーム1に係接されるか、緊締部材によって固定される。好ましくは、前板2の底部には凸条222が下方に向かって突設されており、凸条222には、フレーム1に接続固定するために孔が開設されている。
【0061】
当該フレーム1は、垂直に設置される4本の補強部材11を含んでいる。前板2と係合する2本の補強部材11の底部には横ビーム12が接続されており、前記中継部材3が前記横ビーム12に固定されている。また、当該横ビーム12の両端が下方に延伸することで凸条が設けられており、当該凸条が前板2の凸条222と密着し、ネジにより緊締される。前板2の凸条222は前板2の本体から突出している。これにより、装着過程では前板2の表面からネジを取り付ければよいため、接続構造が簡略化される。
【0062】
装着過程では、まず前板2と中継部材3を接続固定してから、中継部材3が接続された前板2をフレーム1に固定する。この装着過程は簡単であり、且つ、フレームに対する中継部材の第2接触面の掛接が容易なことから、位置決め及び装着に都合がよい。
【実施例2】
【0063】
実施例2は、実施例1と以下の点において異なる。即ち、衣類処理機は前記中継部材3を有していない。衣類処理機の前板2の上縁は、下方に折り曲げられたあと、更に外側に水平に折り曲げられることで、フレーム1に接続固定される水平面を形成する。これにより、実施例1における前板2と中継部材を一体接続するとの構造効果が形成される。また、フレーム1は同様に、垂直に設置される4本の補強部材11を含んでいる。前板2と係合する2本の補強部材11の上部には横ビーム12が接続されており、前記水平面が前記横ビーム12に密着し、固定される。当該方案では、前板2を構成するプレート材に、当該水平面を折り曲げるだけの材料を予め確保しておく必要がある。前板2は、上縁を下方に1回折り曲げたあと、形成された屈曲面上で引き続き衣類処理機の内部に向かって2回目の折り曲げを行うことで前記水平面を形成可能である。当該水平面は、フレーム1に対し、係接及び/又は緊締部材による固定がなされる。前板2の両側については実施例1と同様であり、内側に折り曲げて第2装着面22を形成する。本実施例では、中継部材3を別途設けていないため、前板2がフレーム1に直接固定される。よって、装着過程が簡略化されるほか、設計が一体的となり、構造がより安定する。
【0064】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に限定するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲内とされる。
【符号の説明】
【0065】
1 フレーム
11 補強部材
12 横ビーム
2 前板
21 第1装着面
211 スロット
22 第2装着面
221 垂直な平面
222 凸条
3 中継部材
31 第1接触面
32 第2接触面
33 水平なフランジ
34 ネジ孔
4 第1衣類投入口
5 第2衣類投入口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10