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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】給油式スクリューコンプレッサ装置
(51)【国際特許分類】
   F04C 29/00 20060101AFI20220927BHJP
   F04C 29/04 20060101ALN20220927BHJP
【FI】
F04C29/00 B
F04C29/04 H
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020555801
(86)(22)【出願日】2019-03-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 IB2019052400
(87)【国際公開番号】W WO2019197927
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2021-02-24
(31)【優先権主張番号】2018/5249
(32)【優先日】2018-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】593074329
【氏名又は名称】アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】ATLAS COPCO AIRPOWER,naamloze vennootschap
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】ドレ ヤニー フランシーヌ
(72)【発明者】
【氏名】マルテンス クリシュトフ アドリアン
(72)【発明者】
【氏名】ローラン スティーヴン レイ モーリッツ
(72)【発明者】
【氏名】アドリアーンセンス ヴァルテル ジョゼ ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ファン ハム ブレヒト
【審査官】大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107842503(CN,A)
【文献】特開平02-233896(JP,A)
【文献】特表2011-510258(JP,A)
【文献】中国実用新案第202946384(CN,U)
【文献】中国実用新案第205190218(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 29/00
F04C 29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム又はアンダーフレーム(2)と、スクリューコンプレッサ要素(3)と、電気キャビネット(6)と、油分離器容器(5)と、空冷冷却モジュール(8)とを含む給油式スクリューコンプレッサ装置であって、
前記スクリューコンプレッサ要素(3)は前記フレーム(2)の一方の半部(2a)に水平に配置され、前記電気キャビネット(6)と前記油分離器容器(5)と前記空冷冷却モジュール(8)とは前記フレーム(2)の他方の半部(2b)に配置され、前記空冷冷却モジュール(8)は前記コンプレッサ要素(3)にわたって横方向であり且つ前記コンプレッサ要素(3)の長手方向X-X’に対して垂直であり、かつ該冷却モジュール(8)によって吸引された空気(9)が前記電気キャビネット(6)と該空冷冷却モジュール(8)の間を流れることになるように配置され、
更に、前記空冷冷却モジュール(8)に連結された最低圧力バルブ(7)が設けられている、
ことを特徴とする給油式スクリューコンプレッサ装置。
【請求項2】
全ての油フィルタ及びサーモスタットが閉じ込められたバルブマニホルド(11)が更に設けられている、
請求項1に記載の給油式スクリューコンプレッサ装置。
【請求項3】
前記バルブマニホルド(11)は、前記スクリューコンプレッサ要素(3)があるのと前記アンダーフレーム(2)の同じ半部(2a)にある、
請求項2に記載の給油式スクリューコンプレッサ装置。
【請求項4】
圧縮ガスを乾燥させるための乾燥器と、前記アンダーフレーム(2)に結合された又は結合することができるこの乾燥器のための個別の追加アンダーフレーム(13)とが更に設けられている、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の給油式スクリューコンプレッサ装置。
【請求項5】
前記スクリューコンプレッサ要素(3)は、油冷モータ(4)によって駆動される、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の給油式スクリューコンプレッサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給油式スクリューコンプレッサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
公知の給油式スクリューコンプレッサ装置は、様々な構成要素が常にケーシング内のフレーム、フレームワーク、又はアンダーフレーム上で互いに対して固定された位置に配置される標準レイアウトを有することが公知である。
【0003】
これらの構成要素は、取り分け、以下に限定されるものではないが、コンプレッサ要素、冷却器又は冷却モジュール、電気キャビネット、油分離器容器、フィルタ、バルブ及びフラップ、サーモスタット、乾燥器などを含む。
【0004】
公知の給油式スクリューコンプレッサ装置に関して、給油式スクリューコンプレッサ要素が、典型的にアンダーフレームの一方の側に水平に配置され、電気キャビネットが、水冷式冷却モジュールに関する場合に油分離器容器及び冷却モジュールと共にアンダーフレームの他方の側に配置される。
【0005】
フィルタ、バルブ、フラップ、及び他の制御及び点検構成要素の位置も大体で決められる。
【0006】
このようにして、最低圧力バルブが油分離器容器上に配置される。
【0007】
上述の電気キャビネットには、配電器、制御モジュール又は制御ユニット、恐らくは周波数インバータ、及び他の必要な電子機器が存在する。
【0008】
コンプレッサ装置が空冷式である場合に、空冷モジュールは、空冷モータの適正な機能に必要である暖気及び冷気区画がコンプレッサ要素に生成されるようにコンプレッサ要素の上に横方向に配置されるか、又はケーシングの一部としてフレーム又はアンダーフレームの輪郭に位置合わせされて、正しい冷却空気流れを空冷モータに送るために適切な空気ダクトを設けなければならないかのいずれかである。
【0009】
そのような公知の配置は、いくつかの欠点を有する。
【0010】
空冷モジュールがコンプレッサ要素の上に配置される時に、コンプレッサ装置の作成又は組み立ては、最初にコンプレッサ要素、次にその上に空冷モジュールを置くといった特定の順序に従って順番に進行しなければならない。
【0011】
コンプレッサ装置からのコンプレッサ要素の取り出しは、コンプレッサ要素を持ち上げることが必要である場合は空冷モジュールを最初に取り出した後で、コンプレッサ要素を空冷モジュールの下から取り込むことによってのみ行うことができる。
【0012】
空冷モジュールがフレーム又はアンダーフレームの輪郭と位置合わせされている時に、洗浄のために冷却モジュールから冷却器を取り出すことは容易ではなく、更に騒音放射は非常に高い。
【0013】
更に別の欠点は、公知の給油式スクリューコンプレッサ装置が一体型乾燥器を含む時に、これがコンプレッサ装置のアンダーフレーム又はフレーム上に又は内に装着され、その結果として、この乾燥器を含むコンプレッサ装置のためのより大きいフレームを設けなければならず、又はコンプレッサ装置が乾燥器を含まない時に全てのコンプレッサ装置のためのただ1つのより大きいフレームが設けられる場合にフレームに未使用ゾーンが存在するということである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、それが、コンプレッサ装置の様々な構成要素がケーシング内のアンダーフレーム又はフレーム上に別々に位置決めされる給油式スクリューコンプレッサ装置を提供するという理由で、上述の及び他の欠点のうちの少なくとも1つに対するソリューションを提供する目的を有する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、フレーム又はアンダーフレームと、スクリューコンプレッサ要素と、電気キャビネットと、油分離器容器と、空冷モジュールとを含む給油式スクリューコンプレッサ装置を主題として有し、フレームの一方の側では、スクリューコンプレッサ要素は水平に配置され、電気キャビネット、油分離器容器、及び空冷モジュールは、フレームの他方の側に配置され、冷却モジュールはコンプレッサ要素に対して垂直であり、かつ冷却モジュールによって吸引された空気が電気キャビネットと冷却モジュールの間を流れることになるように配置されることを特徴とする。
【0016】
上述の電気キャビネットには、すでに上記で言及したように、配電器、制御モジュール又は制御ユニット、恐らくは周波数インバータ、及び他の必要な電子機器が存在する。
【0017】
上述の空冷モジュールには、例えば、以下の冷却器:1又は2以上の油冷却器と圧縮ガスのための1又は2以上のアフタークーラーとが存在する。更に、空冷モジュールは、1又は2以上のファンを含む。
【0018】
別の利点は、空冷モジュールの特定の位置決めに起因して、これがコンプレッサ要素上で垂直に延びることにより、かつ空気入口が電気キャビネットに面することにより、吸引された空気流れ又は冷却空気を電気キャビネットに対する追加冷却として使用することができることである。
【0019】
更に、冷却モジュールの騒音放射は、遙かにより低いことになる。
【0020】
更に別の利点は、例えば油冷却器及びアフタークーラーのような冷却器を空冷モジュールから横方向に容易に取ることができることである。
【0021】
追加の利点は、更に、冷却モジュールがコンプレッサ要素へのアクセスを遮断しないこと、及びコンプレッサ装置の組み立て又は生成中に、例えば最初に冷却モジュール、それに続いてコンプレッサ要素を置くことが可能であるように、フレーム又はアンダーフレーム上に様々な要素を置く順序により多くの自由度があることである。
【0022】
好ましくは、給油式スクリューコンプレッサ装置には、全ての油フィルタ及びサーモスタットが閉じ込められたバルブマニホルドが更に設けられ、好ましい変形でのこのバルブマニホルドは、スクリューコンプレッサ要素とアンダーフレームの同じ側にある。
【0023】
これは、全てのこれらの構成要素が1つの容易にアクセス可能な位置にあることを保証することになり、これは、勿論、組み立て、保守、及び修理タスクに関して有利である。
【0024】
実際的な実施形態では、給油式スクリューコンプレッサ装置には、最低圧力バルブが更に設けられ、この最低圧力バルブは、圧縮ガスのアフタークーラー上に装着され、このアフタークーラーは、空冷モジュール内にある。
【0025】
この実施形態での最低圧力バルブは油分離器容器から切り離されるので、油分離器容器及び最低圧力バルブの両方の保守及び恐らくは修理又は交換は、より容易に実施することができる。
【0026】
好ましい実施形態では、給油式スクリューコンプレッサ装置には、上述のアンダーフレームに結合された又は結合することができる個別の追加アンダーフレーム上に組み立てられた圧縮ガスを乾燥させるための乾燥器が更に設けられる。
【0027】
個別の追加アンダーフレームの結合は、例えばスクリュー締めによって実施することができる。
【0028】
これは、必要に応じて乾燥器のための個別の追加アンダーフレームをその上に取り付けることができるただ1つの「ベース」アンダーフレーム又はフレームを全ての給油式スクリューコンプレッサ装置に対して設ければよいという利点を有する。
【0029】
更に別の利点は、後の時点での給油式スクリューコンプレッサ装置には、コンプレッサ装置の設置後に、必要に応じて乾燥器を容易に設けることができるという事実に関する。乾燥器を有する個別の追加アンダーフレームは、次に、フレーム又はアンダーフレームに非常に容易に取り付けることができる。
【0030】
好ましくは、スクリューコンプレッサ要素は、油冷モータによって駆動される。
【0031】
利点は、油冷モータの使用に起因して、コンプレッサ要素内に暖気区画及び冷気区画に対する必要性がないことである。
【0032】
仮に空冷モータが使用された場合に、モータに冷気冷却空気が供給されることを保証するために余分な板配置又は仕切りの形態の余分な規定を課すことが必要であろう。
【0033】
本発明による給油式スクリューコンプレッサ装置は、必要な油パイプ及び圧力パイプがより少なくかつ遙かにより短いという追加の利点を有する。
【0034】
本発明の特徴をより良く例示する目的で本発明による給油式スクリューコンプレッサ装置の一部の好ましい実施形態を添付の図面を参照していずれの制限する性質もなしに一例として以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】公知の給油式スクリューコンプレッサ装置を概略的にかつ斜視図に示す図である。
図2】給油式スクリューコンプレッサ装置を概略的にかつ斜視図に示す図である。
図3図2の矢印F3による視野を概略的に示す図である。
図4】追加のアンダーフレームを概略的にかつ斜視図に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1に概略的に示す古典的な公知の給油式スクリューコンプレッサ装置1は、以下の設定を有する。
【0037】
アンダーフレーム又はフレーム2の一方の半部2a上には、スクリューコンプレッサ要素3が、空冷モータ4であるモータ4と共に水平に配置される。
【0038】
油分離器容器5及び電気キャビネット6は、フレーム2の他方の半部2b上に配置される。
【0039】
最低圧力バルブ7は、油分離器容器5上に配置される。
【0040】
コンプレッサ要素3にわたって横方向に配置される空冷モジュール8が更に設けられる。
【0041】
これに起因して、暖気区画3a及び冷気区画3bが、空冷モータ4が十分に機能するのに必要であるケーシング内に作成される。
【0042】
更に、フィルタ、バルブ、サーモスタット、及び制御及び点検構成要素は、給油式スクリューコンプレッサ装置1内のあちこちに配置される。
【0043】
同時に、構成要素の全てを互いに接続するのに多くの油パイプ及び圧力パイプが必要である。
【0044】
給油式スクリューコンプレッサ装置1の全ての構成要素の周りに明瞭さの目的で図1では省かれたケーシングが設けられることが可能である。
【0045】
図2及び図3では、本発明による給油式スクリューコンプレッサ装置1は、明瞭さの目的でここでもまたケーシングが省かれて示されている。
【0046】
コンプレッサ装置1は、一方の側2aでスクリューコンプレッサ要素3がその上に水平に配置されるフレーム2又はアンダーフレームを含む。
【0047】
本発明により、このスクリューコンプレッサ要素3は、油冷モータ4によって駆動される。モータ4は、スクリューコンプレッサ要素3に当接して装着される。
【0048】
更に本発明により、油分離器容器5は、電気キャビネット6及び空冷モジュール8と共にフレーム2の他方の側2bに設けられる。
【0049】
冷却モジュール8は、これがコンプレッサ要素3に対して垂直であるように、すなわち、スクリューコンプレッサ要素3の長手方向X-X’に対して垂直であるように配置される。
【0050】
更に、冷却モジュール8によって吸引された空気9は、電気キャビネット6と冷却モジュール8の間を流れることになる。これは、矢印9を用いて概略的に示されている。
【0051】
冷却モジュール8は、コンプレッサ要素3にわたって延びないが、フレーム2の他方の側2bに全体的に位置付けられることをここで言及することは重要である。
【0052】
この理由により、冷却モジュール8は、それが地面により近いので、取り分け保守、修理、及び/又は交換タスクに関してより容易にアクセス可能であることになる。
【0053】
そのような設定の他の利点は、上記で既に解説している。
【0054】
この場合に、本発明に必要不可欠ではないが、冷却モジュール8は、1又は2以上のファン10を含む。これらのファン10は、空気9の吸引を担うことになる。
【0055】
これに加えて、本発明に必要不可欠ではないが、スクリューコンプレッサ装置1には、全ての油フィルタ及びサーモスタットが閉じ込められたバルブマニホルド11が更に設けられる。
【0056】
図3に示されているように、このバルブマニホルド11は、この場合に、まさにスクリューコンプレッサ要素3がそうであるようにフレーム2の側2aにある。
【0057】
同じくこれに加えて、本発明に必要不可欠ではないが、最低圧力バルブ7は、空冷モジュール8上に装着される。この場合に、空冷モジュール8からの圧縮ガスのための冷却器の入口12上である。
【0058】
図4は、図2及び図3からの給油式スクリューコンプレッサ装置1が装備することができる個別の追加アンダーフレーム13を示す。
【0059】
この個別の追加アンダーフレーム13は、圧縮ガスをそれによって乾燥させることができ、かつ給油式スクリューコンプレッサ装置1のフレーム2に取り付けることができる乾燥器のためのものであることを意図している。
【0060】
図4に示されているように、個別の追加アンダーフレーム13には、それを給油式スクリューコンプレッサのフレーム2の上にそれによってスクリュー締めすることができる取り付け要素14が設けられる。取り付けは、異なる方法で行うこともできることは明白である。
【0061】
図2及び図3との図1の比較から明らかであるように、本発明による給油式スクリューコンプレッサ装置1では、必要な油パイプ及び圧力パイプが遙かに少ない。これは、空冷モジュール8の特別な位置決め、バルブマニホルド11の使用、及び最低圧力バルブ7の場所を用いた本発明による給油式スクリューコンプレッサ装置1の特定の組み立て又はアーキテクチャ又は設定に起因するものである。
【0062】
本発明は、一例として説明して図面に示した実施形態に決して限定されず、むしろ本発明による給油式スクリューコンプレッサ装置は、本発明の範囲から外れることなく全ての種類の形状及びサイズに実現することができる。
図1
図2
図3
図4