(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】自動車投光装置用照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 41/29 20180101AFI20220927BHJP
F21S 41/24 20180101ALI20220927BHJP
F21S 41/143 20180101ALI20220927BHJP
F21S 41/153 20180101ALI20220927BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20220927BHJP
F21W 102/13 20180101ALN20220927BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220927BHJP
【FI】
F21S41/29
F21S41/24
F21S41/143
F21S41/153
F21V8/00 320
F21V8/00 360
F21W102:13
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020567574
(86)(22)【出願日】2019-05-14
(86)【国際出願番号】 EP2019062307
(87)【国際公開番号】W WO2019233713
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-01-05
(32)【優先日】2018-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】タウト、ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】ブラウナー、ニーナ
(72)【発明者】
【氏名】シュラーグル、マティアス
(72)【発明者】
【氏名】レンガウアー、クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ヘフラー、ヨハン
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-523677(JP,A)
【文献】特表2017-528901(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/29
F21S 41/24
F21S 41/143
F21S 41/153
F21V 8/00
F21W 102/13
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車投光装置用の照明装置であって、該照明装置は、
・光ビームを主放射方向へ放射するよう構成された複数の光源(10)、
・複数の導光体(110)を有する一次光学系(100)、ここで、複数の導光体(110)は光源(10)の主放射方向に配置されており、夫々光源の光ビームが入射可能な光入射面(120)と、共通の光出射面(130)とを有し、複数の導光体(110)は共通の光出射面(130)において合流しており、及び、
・導光体(110)の光入射面(120)を光源(10)に対して位置を維持するよう構成されたホルダ(200)
を含み、
ホルダ(200)は、一次光学系(100)の固定のために、少なくとも1つの係止要素(210)を有し、係止要素(210)は該係止要素(210)に対応付けられ一次光学系(100)に設けられた対応係止要素(140)内に嵌め込まれるよう構成されていること
を特徴とする照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置において、
少なくとも1つの係止要素(210)は係止ノーズ(220)を有するか又はアンダーカット部として構成されていること
を特徴とする照明装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の照明装置において、
対応係止要素(140)は係止ノーズを有するか又はアンダーカット部(140)として構成されていること
を特徴とする照明装置。
【請求項4】
請求項1~3の何れかに記載の照明装置において、
少なくとも1つの係止要素(210)はホルダ(200)と一体的に製造されていること
を特徴とする照明装置。
【請求項5】
請求項1~4の何れかに記載の照明装置において、
一次光学系(100)は透明で、導光性で成形可能なプラスチックで一体的に製造されていること
を特徴とする照明装置。
【請求項6】
請求項1~5の何れかに記載の照明装置において、
一次光学系(100)はシリコーン材料
又はポリオルガノシロキサンで製造されていること
を特徴とする照明装置。
【請求項7】
請求項1~6の何れかに記載の照明装置において、
ホルダ(200)は、導光体(110)を受容可能かつ位置決め可能な少なくとも1つの開口部(231)を有する受容部(230)を備えること
、ホルダ(200)は、導光体(110)の個数に応じて、夫々1つの導光体(110)に対応付けられている開口部(231)を有すること
を特徴とする照明装置。
【請求項8】
請求項1~7の何れかに記載の照明装置において、
ホルダ(200)は、一次光学系(100)に設けられた凹部に嵌り込むよう構成され主放射方向に突出している位置決め壁(240)を少なくとも1つ有すること
を特徴とする照明装置。
【請求項9】
請求項8に記載の照明装置において、
主放射方向においてホルダ(200)の受容部(230)の両側部に夫々少なくとも1つの位置決め壁(240)が配されていること
を特徴とする照明装置。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の照明装置において、
少なくとも1つの位置決め壁(240)には少なくとも1つの隆起部(241)が配されており、該少なくとも1つの隆起部(241)は、主放射方向の方向に長手に延伸し、かつ、一次光学系(100)の当該少なくとも1つの隆起部(241)に対応付けられた案内溝に形状結合的に(即ち蟻継式に)嵌り込むよう構成されていること
を特徴とする照明装置。
【請求項11】
請求項1~10の何れかに記載の照明装置において、
導光体(110)は、光ビームの主放射方向においてその横方向よりもより大きな広がりを有するよう長手に構成されていること
を特徴とする照明装置。
【請求項12】
請求項1~11の何れかに記載の照明装置において、
導光体(110)は、その光入射面(120)に向かって次第に狭くなる横断面を有すること
を特徴とする照明装置。
【請求項13】
請求項1~12の何れかに記載の照明装置において、
複数の光源(10)は夫々1つ以上の発光ダイオードを含むこと
を特徴とする照明装置。
【請求項14】
請求項1~13の何れかに記載の照明装置を少なくとも1つ含むライトモジュール。
【請求項15】
請求項1~13の何れかに記載の照明装置を少なくとも1つ又は請求項14に記載のライトモジュールを少なくとも1つ含む自動車投光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車投光装置用の照明装置であって、
・光ビームを主放射方向へ放射するよう構成された複数の光源、
・複数の導光体を有する一次光学系、ここで、複数の導光体は光源の主放射方向に配置されており、夫々光源の光ビームが入射可能な光入射面と、共通の光出射面とを有し、複数の導光体は共通の光出射面において合流(ないし一体化)しており(muenden)、及び、
・導光体の光入射面を光源に対して位置を維持するよう構成されたホルダ
を含む、照明装置に関する。
【0002】
本発明は、更に、少なくとも1つの本発明の照明装置を含むライトモジュールに関する。
【0003】
本発明は、更に、少なくとも1つの本発明の照明装置又は少なくとも1つの本発明の照明装置を含む少なくとも1つのライトモジュールを有する自動車投光装置に関する。
【背景技術】
【0004】
通常は、上記の照明装置は、光分布(配光パターン)を生成するために、ライトモジュールないし自動車投光装置との関連で使用される。そのために、一般的に、一次光学系のための単純な幾何形状を可能にするガラス製の一次光学系が使用される。これに対し、一次光学系のためにより複雑な幾何形状が必要である場合、そのためのガラスの使用はしばしば不適切である。
【0005】
複雑な幾何形状の製造のためにガラスの代わりに、透明で、とりわけ高透明で、導光性で成形可能な(formbar)プラスチックが材料として良好に適することが判明している。複雑な前置光学系の製造のためには、ポリオルガノシロキサン(Poly(organo)siloxane)が格別に好適であり、一次光学系がシリコーン材料で製造される場合、格別に有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】WO 2013166535 A2
【文献】WO 2015061822 A1
【文献】WO 2014124477 A1
【文献】WO 2014094018 A1
【文献】FR 3056700 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、一次光学系の製造のためのそのようなプラスチック、とりわけシリコーン樹脂の使用の欠点は、そのような一次光学系はガラス体のような強度を有しないことである。しかしながら、光学的観点からは、とりわけ発光手段ないし光源に対するその光入射面ないしその光出射面の位置決めを考慮すれば、一次光学系が可及的に安定な形状を有することは有利ないし不可欠である。発光手段ないし光源に対する光入射面のズレは、とりわけ光源として発光ダイオードを使用する場合、例えば不所望の光損失をもたらす。
【0008】
前置光学系の光出射面のズレもまた、結像された光像が所望の要求を満たさないという結果をもたらし得る。
【0009】
本発明の課題は、改善された照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題を解決するために、本発明の第1の視点により、自動車投光装置用の照明装置が提供される。該照明装置は、
・光ビームを主放射方向へ放射するよう構成された複数の光源、
・複数の導光体を有する一次光学系、ここで、複数の導光体は光源の主放射方向に配置されており、夫々光源の光ビームが入射可能な光入射面と、共通の光出射面とを有し、複数の導光体は共通の光出射面において合流しており、及び、
・導光体の光入射面を光源に対して位置を維持するよう構成されたホルダ
を含み、
ホルダが一次光学系の固定のために少なくとも1つの係止要素を有し、係止要素は当該係止要素に対応付けられ一次光学系に設けられた対応係止要素内に嵌め込まれるよう構成されていることを特徴とする(形態1)。
更に、本発明の第2の視点により、本発明の照明装置を少なくとも1つ含むライトモジュールが提供される(形態14)。
更に、本発明の第3の視点により、本発明の照明装置を少なくとも1つ又は本発明のライトモジュールを少なくとも1つ含む自動車投光装置が提供される(形態15)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
かくして、ホルダにおいて一次光学系を保持するために、例えば従来技術においてしばしば使用されるような更なる付加的部材は不要になることが保証される。
【0012】
有利には、照明装置は、複数の光源が列(複数)及び行(複数)に配置されている「ピクセルライト装置(Pixel-Licht-Vorrichtung)」である。
【0013】
そのようなピクセルライト装置の場合、複数の光源は互いに対し独立に制御可能であり、これにより、複数の異なる光分布、とりわけアダプティブ(可変適応型)遠方ライト(ハイビーム)用光分布を生成することができる。
【0014】
少なくとも1つの係止要素は係止ノーズを有するか又はアンダーカット部(係合凹部:Hinterschnitt)として構成されていることが可能である。
【0015】
対応係止要素は係止ノーズを有するか又はアンダーカット部として構成されていることも可能である。
【0016】
実用に適う一実施形態では、少なくとも1つの係止要素は係止ノーズを有しかつ対応係止要素はアンダーカット部として構成されることができる。
【0017】
有利には、一次光学系が光源の主放射方向に対し横方向に長手に構成されている場合、一次光学系の縦軸に沿って複数のアンダーカット部を配することができる。この場合、ホルダには、アンダーカット部の個数に応じて、係止要素が配される。
【0018】
有利には、少なくとも2つの係止要素と夫々に対応付けられたアンダーカット部を備えることができる。
【0019】
とりわけ、アンダーカット部ないし相応の係止要素は光出射面ないし光源の上方ないし下方に配される。ここで、「上方」/「下方」とは、照明装置の組立状態において光源の主放射方向に対し横方向に(長手に構成された)一次光学系の既述の縦軸に関する概念である。
【0020】
「主放射方向」とは、光源がその指向性のために最も強いないし最も多い光を放射する方向と理解されるべきである。
【0021】
係止要素がアンダーカット部として構成されかつ対応係止要素が係止ノーズを有することも可能である。
【0022】
少なくとも1つの係止要素はホルダと一体的に製造されていると、有利であり得る。
【0023】
ホルダは熱可塑性物質で製造されることが可能である。
【0024】
熱可塑性物質は、熱硬化性物質と比べてより良好にないしより容易に成形可能(formbar)である。
【0025】
ホルダは、とりわけ隣接する光源からの迷光が遮断されるよう、迷光を遮断する材料即ち非透光性材料で、例えば黒色のプラスチック、とりわけ―例えば黒色の―熱可塑性物質で製造されていると、とりわけ有利である。
【0026】
位置決めホルダ(Positionshalter)(ないしホルダ)内への光の損失を回避するための、代替的な又は有利には付加的な更なる一措置は、位置決めホルダが、1つの導光体(ないし複数の導光体)と位置決めホルダとの接触面が可及的に小さいように、構成されることである。
【0027】
そのために、導光体は、位置決めホルダに、狭い接触領域においてのみ、例えば各導光体の周囲に延在するラインにおいて、接触する。
【0028】
有利には、一次光学系は透明で、導光性で成形可能なプラスチックで一体的に製造されることができる。
【0029】
「一体的に」とは、一次光学系が、有利には射出成形法によって、単一体(ないし一個の物:Stueck)として製造されることと理解されるべきである。
【0030】
一次光学系は、そのすべての「部材」が、例えば光出射面、導光体、対応係止要素及び一次光学系に配される更なる「部材」が、1つの製造プロセスないし製造方法で一体的にないし単一体として製造されていることに注意すべきである。
【0031】
目的に適う一実施形態では、一次光学系はシリコーン(樹脂)材料で製造されることができる。
【0032】
シリコーン材料はエラストマー特性を有するため、一次光学系の製造における離型は付加的なスライダが無くても可能である。というのは、一次光学系は好ましくは射出成形法によって製造されるからである。
【0033】
同様に、有利には、一次光学系はポリオルガノシロキサンで製造されることができる。
【0034】
有利には、ホルダは、導光体を受容可能かつ位置決め可能な少なくとも1つの開口部を有する受容部を備えることが可能である。
【0035】
ホルダが、各導光体のために、対応付けられた導光体をぴったり正確に(passgenau)受容しかつ位置決めする開口部を有する場合、個々の導光体はそれらの位置が光源に対して格別に良好に維持されることができる。
【0036】
開口部は、夫々の導光体について正確に(寸法形状が)適合された横断面を有する、ホルダの穴ないし収容部(Aufnahmen)である。導光体は対応付けられた開口部に嵌め込まれ、ホルダによって所望の位置に保持される。
【0037】
ホルダは、導光体の個数に応じて、夫々1つの導光体に対応付けられている開口部を有することができる。
【0038】
ホルダが導光体(複数)を光入射面に指向されたそれらの端部領域において受容する場合、好都合であり得る。
【0039】
この場合、導光体は、収容部から後方に僅かに突出するか又はホルダと面一になることが可能である。
【0040】
更に、ホルダは一次光学系に設けられた凹部(Vertiefung)に嵌り込むよう構成され主放射方向に突出している位置決め壁を少なくとも1つ有することができる。
【0041】
「壁」とは、基本的に、平面状の1つの突出部としてのみ理解すべきではない。この概念は、例えば互いに対し直角に配置されている及び/又は一種の開いた四角形(Karree)を形成する即ち全部合わせてU字形状を形成する複数の平面状の壁の結合体も包含し得る。
【0042】
位置決め壁(複数)は同じ又は異なる高さを有することが可能であり、とりわけ、高さが漸次的に(徐々に)変化するようにも構成可能である。
【0043】
少なくとも1つの位置決め壁は、一般に、照明装置の組立状態において一次光学系の更なる安定性をもたらし、そのため、光源の主放射方向に対する横方向における振動を大幅に防止することができる。
【0044】
主放射方向においてホルダの受容部の両側部に夫々少なくとも1つの位置決め壁が配されることができる。
【0045】
少なくとも1つの位置決め壁には少なくとも1つの隆起部(突出部)が配され、該少なくとも1つの隆起部は、主放射方向の方向に長手に(長く)延伸し、かつ、一次光学系の当該少なくとも1つの隆起部に対応付けられた案内溝に形状結合(蟻継結合等のような輪郭形状間の嵌め合いによる結合)的に嵌り込むよう構成されると、好都合であり得る。
【0046】
少なくとも1つの隆起部はホルダに一次光学系が固定された状態において付加的な安定性をもたらすことが(本発明により)判明した。
【0047】
更に、ホルダと導光体(複数)の間の開口部(複数)に、夫々、導光体の材料よりもより小さい屈折率を有する材料を挿入することも可能である。
【0048】
より小さい屈折率を有する材料が、導光体が位置決めホルダに接触しないよう導光体を包囲すると、とりわけ有利である。
【0049】
それによって、全反射の臨界角は大きくなり、そのため、導光体から漏れ出る光の量は全くないか又はごく僅かだけである。
【0050】
有利には、導光体は、光ビームの主放射方向においてその横方向よりもより大きな広がりを有するよう長手に(長く)構成されることができる。
【0051】
導光体は、その光入射面に向かって次第に狭くなる(先細になる)横断面を有することができる。
【0052】
導光体がそのように主放射方向に拡大する横断面を有することによって、ホルダは導光体の或る位置にまでのみ(外側から)嵌め込まれることができる。
【0053】
例えば、導光体は円錐台状に又は台形状に構成されることができる。
【0054】
原理的には、すべての多辺角錐台、例えば、ほぼ楔形の(先細の)蜂房(蜂の巣ないしハニカム)の形状の、六角錐台が、考慮の対象となる。底面形状はLEDチップ構造及び所望の光入出射と密接に関連する。
【0055】
光源(複数)は夫々1つ以上の発光ダイオードを含むと、好都合であり得る。
【0056】
有利には、各光源は夫々1つ以上の発光ダイオードを含むことができる。有利には、各光源は別々に制御可能であり、それに応じて(別々に)オンオフ切替可能であり、好ましくは(別々に)明暗調節可能である。1つの光源が複数の発光ダイオードから構成される場合、複数の発光ダイオードの各々が別々に制御可能である場合も、有利であり得る。
【0057】
同様に、上記の課題は、少なくとも1つの本発明の照明装置を含むライトモジュールによっても解決される。
【0058】
更に、上記の課題は、少なくとも1つの本発明の照明装置又は少なくとも1つの本発明の照明装置を含む少なくとも1つのライトモジュールを含む自動車投光装置(自動車前照灯等)によって解決される。
【0059】
本発明の照明装置によって、例えば、減光ライト(ロービーム)及び/又は遠方ライト(ハイビーム)を生成することができ、そのために、例えば、左側前照灯及び右側前照灯は夫々光分布(配光パターン)の左側部分及び右側部分を生成する本発明の照明装置を含む。この場合、光出射方向においてホルダの前方には夫々更に、夫々の光分布の生成を可能にする二次光学系、一般的にはレンズ、が設けられる。
【0060】
尤も、本発明の照明装置は、後退灯(Rueckfahrleuchte)にも使用可能である。
【0061】
ここに、本発明の好ましい形態を示す。
(形態1)上記本発明の第1の視点参照。
(形態2)形態1の照明装置において、少なくとも1つの係止要素は係止ノーズを有するか又はアンダーカット部として構成されていることが好ましい。
(形態3)形態1又は2の照明装置において、対応係止要素は係止ノーズを有するか又はアンダーカット部として構成されていることが好ましい。
(形態4)形態1~3の何れかの照明装置において、少なくとも1つの係止要素はホルダと一体的に製造されていることが好ましい。
(形態5)形態1~4の何れかの照明装置において、一次光学系は透明で、導光性で成形可能なプラスチックで一体的に製造されていることが好ましい。
(形態6)形態1~5の何れかの照明装置において、一次光学系はシリコーン材料又はポリオルガノシロキサンで製造されていることが好ましい。
(形態7)形態1~6の何れかの照明装置において、ホルダは、導光体を受容可能かつ位置決め可能な少なくとも1つの開口部を有する受容部を備えること、ホルダは、導光体の個数に応じて、夫々1つの導光体に対応付けられている開口部を有することが好ましい。
(形態8)形態1~7の何れかの照明装置において、ホルダは、一次光学系に設けられた凹部に嵌り込むよう構成され主放射方向に突出している位置決め壁を少なくとも1つ有することが好ましい。
(形態9)形態8の照明装置において、主放射方向においてホルダの受容部の両側部に夫々少なくとも1つの位置決め壁が配されていることが好ましい。
(形態10)形態8又は9の照明装置において、少なくとも1つの位置決め壁には少なくとも1つの隆起部が配されており、該少なくとも1つの隆起部は、主放射方向の方向に長手に延伸し、かつ、一次光学系の当該少なくとも1つの隆起部に対応付けられた案内溝に形状結合的に(即ち蟻継式に)嵌り込むよう構成されていることが好ましい。
(形態11)形態1~10の何れかの照明装置において、導光体は、光ビームの主放射方向においてその横方向よりもより大きな広がりを有するよう長手に構成されていることが好ましい。
(形態12)形態1~11の何れかの照明装置において、導光体は、その光入射面に向かって次第に狭くなる横断面を有することが好ましい。
(形態13)形態1~12の何れかの照明装置において、複数の光源は夫々1つ以上の発光ダイオードを含むことが好ましい。
(形態14)上記本発明の第2の視点参照。
(形態15)上記本発明の第3の視点参照。
以下において、本発明は例示的な図面を用いて詳細に説明される。
なお、特許請求の範囲に付記した図面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものであり、本発明を図示の態様に限定することは意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1】ホルダと一次光学系を含む例示的な一照明装置の分解斜視図。ホルダは一次光学系を固定するための2つの係止要素を有する。
【
図4】照明装置を備えた例示的な一ライトモジュールの分解斜視図。
【実施例】
【0063】
図1は、主放射方向へ光ビームを放出するよう構成された複数の光源10と、複数の導光体110を有する一次光学系100と、ホルダ200を含む例示的な一照明装置を示す。ここで、複数の導光体110は、光源(複数)10の主放射方向に配置(配向)されており、かつ、夫々、光入射面120と光出射面130を有し、ホルダ200は、光源10に対する導光体110の光入射面120の位置を維持するよう、構成されている。更に、複数の導光体110は共通の光出射面130において合流(ないし一体化)している(muenden):即ち複数の導光体110は光入射側では相互に結合されておらず、光出射側において共通の光出射面130を介して相互に構造的に結合されている)。
【0064】
光源(複数)10は夫々1つ以上の発光ダイオードを含み、有利には、各光源が夫々1つ以上の発光ダイオードを含む。有利には、各光源は別々に(個別に)制御可能であり、それに応じて(別々に)オンオフ切替可能であり、有利には(別々に)明暗調節も可能である。1つの光源が複数の発光ダイオードから構成される場合、発光ダイオードの各々が別々に制御可能である場合も有利であり得る。
【0065】
「主放射方向」とは、一般に、光源10がその指向性のために最も強いないし最も多い光を放射する方向と理解されるべきである。
【0066】
図示の構造では、主放射方向は各図に夫々記載された座標系のx方向に対応する。
【0067】
更に、ホルダ200は、一次光学系100の固定のために、夫々係止ノーズ220を備えて構成された2つの係止要素210を有し、係止ノーズは当該係止ノーズに夫々対応付けられたアンダーカット部(係合凹部:Hinterschnitt)140に嵌り込むよう構成されている。このアンダーカット部140は一次光学系100に配されているが、
図1では表示の関係上視認できない。
【0068】
尤も、一次光学系100には3つ以上の係止要素210と夫々に対応するアンダーカット部140を設けることも可能である。
【0069】
照明装置の図示の例では、係止要素210はホルダ200と一体的に製造されている。
【0070】
一次光学系100は、透明で導光性で成形可能な(formbar)プラスチック、有利にはシリコーン(樹脂)材料ないしポリオルガノシロキサンで製造されている。
【0071】
更に、ホルダ200が導光体(複数)の個数に対応して設けられた開口部(複数)231を備えた受容部230を有すること、(各)開口部231は夫々1つの導光体110に対応付けられていること、一次光学系100の導光体110は開口部231において受容可能かつ位置決め可能であること、ホルダ200は導光体(複数)110を光入射面120に指向されたそれらの終端部分において受容することが、
図1において―
図2にはより良好に―見て取ることができる。
【0072】
更に、ホルダ200は、一次光学系100に設けられた凹部に嵌り込むよう構成された主放射方向ないしx方向に突出する2つの位置決め壁(構造部)240を有する。
【0073】
「位置決め壁」とは、基本的に、平面状の1つの突出部としてのみ理解すべきではない。この概念は、例示的照明装置について図示されているように、有利には夫々の側辺部において、互いに結合された複数の平面状の壁の結合体も含み得る。この場合、個々の壁は互いに対し直角をなして立設されており、一種の開いた(開口した)四角形ないしU字形状を形成し、結合により生じるコーナー領域は丸みをつけることも可能である。
【0074】
更に、位置決め壁240の個々の部分は同じ高さを有さず、徐々に(なだらかに)高さが変化ないし推移していることが
図1において見て取ることができる。
【0075】
位置決め壁240は、一般に、照明装置の組立状態において一次光学系100の更なる安定性をもたらし、そのため、主放射方向に対する横方向における振動ないしy方向における振動を大幅に防止することができる。
【0076】
更に、位置決め壁240には隆起部ないしリブ(複数)241を配することが可能であり、隆起部241は主放射方向の方向ないしx方向に長手に(長く)延伸し、かつ、一次光学系100の当該隆起部241に夫々対応付けられた案内溝に形状結合的に嵌り込むよう構成されている。そのような隆起部241は、ホルダ200に一次光学系100を固定した状態において付加的な安定性をもたらす。
【0077】
図1に示されているように、(2つの)位置決め壁240は夫々受容部230のy軸の側方にないしy軸に沿って配置されており、(2つの)位置決め壁240の開放側部は互いに向かい合うよう整列(配向)されており、かつ、受容部230を部分的に制限ないし境界形成している。
【0078】
図2は
図1の照明装置を後方から見た図である。
図2において、図示の照明装置の導光体110は、光ビームの放射方向ないしx軸においてその横方向(y方向)におけるよりもより大きな(z方向の)広がりを以って(即ち(x軸の任意の或る位置で見て)z方向の寸法がy方向の寸法よりもより大きくなるよう)、(x軸に沿って)長手に(長く)構成されていることを見て取ることができる。更に、導光体110はその光入射面120に向かって次第に狭くなる(先細になる)横断面を有する。そのように導光体110の横断面が主放射方向ないしx方向に応じて拡大することによって、ホルダ200は導光体110の或る位置にまでのみ(外側から)嵌め込まれることができる(所定位置で開口部231に係止される)。
【0079】
図3は
図1~
図2の照明装置の組立状態を示す。
図3aはC-C線に沿って切った断面を示す。同図において、個々の導光体110が開口部231にぴったり正確に(passgenau)受容されかつ位置決めされている様子を見て取ることができる。
【0080】
開口部231は、夫々の導光体110について正確に(寸法形状が)適合された横断面を有する、ホルダの穴ないし収容部(Aufnahmen)を構成する。導光体は対応付けられた開口部231に嵌め込まれ、その際、
図3aにおいて見て取ることができるように、開口部231から後方に僅かに突出するか、又は、ホルダ200ないし開口部231と面一になることが可能である。
【0081】
図4は、前図の照明装置を含む例示的ライトモジュールを示す。ライトモジュールは、付加的に、光源10が配置されている回路基板11と、光源の運転時に発生する熱を排出するよう構成された冷却体500と、二次光学系300と、他の部材を収容するためのハウジング400を含む。二次光学系は、所望の光分布、例えば減光ライト(ロービーム)用光分布及び/又は遠方ライト(ハイビーム)用光分布、を獲得するために、照明装置の光出射面130から出射する光ビームを成形するよう、構成されている。なお、他のないし更なる光分布も可能である。
【0082】
ライトモジュールの組立状態において、光源10を有する回路基板11は冷却体500とホルダ200の間に保持され、冷却体に設けられた突起(複数)は回路基板をそのために形成された開口部(穴)を貫通して据え付けられる。
【0083】
ここに、本発明の可能な態様を付記する。
[付記1]自動車投光装置用の照明装置。該照明装置は、
・光ビームを主放射方向へ放射するよう構成された複数の光源、
・複数の導光体を有する一次光学系、ここで、複数の導光体は光源の主放射方向に配置されており、夫々光源の光ビームが入射可能な光入射面と、共通の光出射面とを有し、複数の導光体は共通の光出射面において合流しており、及び、
・導光体の光入射面を光源に対して位置を維持するよう構成されたホルダ
を含む。
ホルダは、一次光学系の固定のために、少なくとも1つの係止要素を有し、係止要素は該係止要素に対応付けられ一次光学系に設けられた対応係止要素内に嵌め込まれるよう構成されている。
[付記2]上記の照明装置において、少なくとも1つの係止要素は係止ノーズを有するか又はアンダーカット部として構成されている。
[付記3]上記の照明装置において、対応係止要素は係止ノーズを有するか又はアンダーカット部として構成されている。
[付記4]上記の照明装置において、少なくとも1つの係止要素はホルダと一体的に製造されている。
[付記5]上記の照明装置において、一次光学系は透明で、導光性で成形可能なプラスチックで一体的に製造されている。
[付記6]上記の照明装置において、一次光学系はシリコーン材料で、好ましくはポリオルガノシロキサンで製造されている。
[付記7]上記の照明装置において、ホルダは、導光体を受容可能かつ位置決め可能な少なくとも1つの開口部を有する受容部を備えること、好ましくは、ホルダは、導光体の個数に応じて、夫々1つの導光体に対応付けられている開口部を有する。
[付記8]上記の照明装置において、ホルダは、一次光学系に設けられた凹部に嵌り込むよう構成され主放射方向に突出している位置決め壁を少なくとも1つ有する。
[付記9]上記の照明装置において、主放射方向においてホルダの受容部の両側部に夫々少なくとも1つの位置決め壁が配されている。
[付記10]上記の照明装置において、少なくとも1つの位置決め壁には少なくとも1つの隆起部が配されており、該少なくとも1つの隆起部は、主放射方向の方向に長手に延伸し、かつ、一次光学系の当該少なくとも1つの隆起部に対応付けられた案内溝に形状結合的に(即ち蟻継式に)嵌り込むよう構成されている。
[付記11]上記の照明装置において、導光体は、光ビームの主放射方向においてその横方向よりもより大きな広がりを有するよう長手に構成されている。
[付記12]上記の照明装置において、導光体は、その光入射面に向かって次第に狭くなる横断面を有する。
[付記13]上記の照明装置において、複数の光源は夫々1つ以上の発光ダイオードを含む。
[付記14]上記の照明装置を少なくとも1つ含むライトモジュール。
[付記15]上記の照明装置を少なくとも1つ又は上記のライトモジュールを少なくとも1つ含む自動車投光装置。
【符号の説明】
【0084】
10 光源
11 回路基板
100 一次光学系
110 導光体
120 光入射面
130 光出射面
140 アンダーカット部
200 ホルダ
210 係止要素
220 係止ノーズ
230 受容部
231 開口部
240 位置決め壁(構造部)
241 隆起部
300 二次光学系
400 ハウジング
500 冷却体