(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】電話機、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 1/00 20060101AFI20220927BHJP
H04M 1/72 20210101ALI20220927BHJP
【FI】
H04M1/00 K
H04M1/00 S
H04M1/72
(21)【出願番号】P 2021033812
(22)【出願日】2021-03-03
(62)【分割の表示】P 2017120794の分割
【原出願日】2017-06-20
【審査請求日】2021-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【氏名又は名称】坪内 伸
(74)【代理人】
【識別番号】100203264
【氏名又は名称】塩川 未久
(72)【発明者】
【氏名】岩泉 朋樹
(72)【発明者】
【氏名】森田 永愛
(72)【発明者】
【氏名】松尾 正樹
(72)【発明者】
【氏名】上窪 浩嗣
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-087917(JP,A)
【文献】特開2011-250152(JP,A)
【文献】特開2009-290304(JP,A)
【文献】特開2006-094421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04M1/00
1/24-1/82
99/00
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不在着信を繰り返し報知する電話機であって、当該報知の繰り返しの間隔を1日の中の時間帯
に応じた少なくとも異なる時間間隔を含むパターンによって異ならせ、ユーザが移動中であると特定したとき、不在着信の存在の報知を延期する、電話機。
【請求項2】
不在着信を繰り返し報知する電話機であって、当該不在着信を報知する繰り返しの間隔を一日の中の時間帯
に応じた少なくとも異なる時間間隔を含むパターンによって異ならせ、ユーザが移動中であると特定したとき、不在着信の存在の報知を延期する、電話機。
【請求項3】
不在着信を繰り返し報知する電話機の報知の方法であって、当該報知の繰り返しの間隔を1日の中の時間帯
に応じた少なくとも異なる時間間隔を含むパターンによって異ならせ、ユーザが移動中であると特定したとき、不在着信の存在の報知を延期する、方法。
【請求項4】
不在着信を繰り返し報知する電話機の報知の方法であって、当該不在着信を報知する繰り返しの間隔を一日の中の時間帯
に応じた少なくとも異なる時間間隔を含むパターンによって異ならせることと、ユーザが移動中であると特定したとき、不在着信の存在の報知を延期することとを含む、方法。
【請求項5】
不在着信を繰り返し報知する電話機に用いられるプログラムであって、当該報知の繰り返しの間隔を1日の中の時間帯
に応じた少なくとも異なる時間間隔を含むパターンによって異ならせ、ユーザが移動中であると特定したとき、不在着信の存在の報知を延期する、プログラム。
【請求項6】
不在着信を繰り返し報知する電話機に用いられるプログラムであって、当該電話機に、当該不在着信を報知する繰り返しの間隔を一日の中の時間帯
に応じた少なくとも異なる時間間隔を含むパターンによって異ならせることと、ユーザが移動中であると特定したとき、不在着信の存在の報知を延期することとを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電話機、電話機の制御方法及び電話機のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザが応答できなかった着信を不在着信として記録する電話機が存在する。このような電話機は、一般的に、不在着信の存在を、ユーザに報知する。例えば、特許文献1に記載の電話機は、キーを点灯させることによって、不在着信の存在を、ユーザに報知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の電話機において、不在着信を報知する方法には、改善の余地がある。
【0005】
かかる点に鑑みてなされた本開示の目的は、改善された、電話機、電話機の制御方法及び電話機のプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る電話機は、センサ部と、報知部と、コントローラとを備える。前記センサ部は、前記電話機の状態を検出する。前記コントローラは、着信に対する第1ユーザ操作が検出されないとき、当該着信の存在を、前記状態に応じる少なくとも異なる時間間隔を含むタイミングで、前記報知部に報知させる。
【0007】
本開示の一実施形態に係る電話機の制御方法は、センサ部と、報知部と、コントローラとを備える電話機の制御方法である。前記電話機の制御方法は、前記センサ部が、前記電話機の状態を検出するステップを含む。さらに、前記電話機の制御方法は、前記コントローラが、着信に対する第1ユーザ操作が検出されないとき、当該着信の存在を、前記状態に応じる少なくとも異なる時間間隔を含むタイミングで、前記報知部に報知させるステップを含む。
【0008】
本開示の一実施形態に係る電話機のプログラムは、電話機に、前記電話機の状態を検出するステップを実行させる。さらに、前記電話機のプログラムは、着信に対する第1ユーザ操作が検出されないとき、当該着信の存在を、前記状態に応じる少なくとも異なる時間間隔を含むタイミングで、前記電話機が備える報知部に報知させるステップを実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、改善された、電話機、電話機の制御方法及び電話機のプログラムが提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の第1実施形態に係る携帯電話機の前面図である。
【
図2】本開示の第1実施形態に係る携帯電話機の背面図である。
【
図3】本開示の第1実施形態に係る携帯電話機のブロック図である。
【
図4】本開示の第1実施形態に係るディスプレイに表示される報知画像を含む画面である。
【
図5】本開示の第1実施形態に係るディスプレイに表示されるスヌーズ処理の解除画像を含む画面である。
【
図6】本開示の第1実施形態に係るディスプレイに表示される通話履歴を示す画面である。
【
図7】本開示の第1実施形態に係る携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【
図8】本開示の第2実施形態に係る報知タイミングを示す図である。
【
図9】本開示の第2実施形態に係る携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【
図10】変形例に係るディスプレイに表示されるスヌーズ機能に関する表示を含む画面である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書では、電話機は、携帯電話機であるものとするが、これに限定されない。電話機は、通話機能を有する機器であればよく、例えば、固定電話回線に接続された電話機、インターネットを利用したIP(Internet Protcol)電話、及び、通話機能を有するその他の機器等であってもよい。
【0012】
(第1実施形態)
まず、
図1及び
図2を参照しながら、本開示の第1実施形態に係る携帯電話機1の外観について説明する。
図1は、本開示の第1実施形態に係る携帯電話機1の前面図である。
図2は、本開示の第1実施形態に係る携帯電話機1の背面図である。
【0013】
携帯電話機1は、例えば、スマートフォンである。携帯電話機1は、前面に、ディスプレイ2と、操作キー3A,3B,3Cと、ランプ4と、カメラ5Aと、近接センサ6と、レシーバ7と、マイク8とを備える。携帯電話機1は、側面に、音量キー3Dと、電源キー3Eとを備える。携帯電話機1は、背面に、カメラ5Bと、ライト9と、スピーカ10とを備える。
【0014】
続いて、
図3を参照しながら、携帯電話機1の機能について説明する。
図3は、本開示の第1実施形態に係る携帯電話機1のブロック図である。
【0015】
携帯電話機1は、通話機能を有する。携帯電話機1は、さらに、伝言メモ機能を有してもよい。携帯電話機1は、さらに、キー3と、振動部11と、バッテリ12と、通信ユニット13と、センサ部14と、ストレージ20と、コントローラ21とを備える。携帯電話機1は、例えば、報知部として、ディスプレイ2、スピーカ10及び振動部11を含む。携帯電話機1の報知部は、ディスプレイ2、スピーカ10及び振動部11に限定されず、任意のものであってよい。
【0016】
ディスプレイ2は、表示パネル2Aと、タッチセンサ2Bとを有する。表示パネル2Aは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等で構成される。表示パネル2Aは、コントローラ21から取得した情報に基づいて、文字、画像、操作用オブジェクト及びポインタ等を表示する。
【0017】
タッチセンサ2Bは、透明なシート状に形成され、表示パネル2A上に配置される。ユーザは、タッチセンサ2Bを透かして表示パネル2Aを視認する。タッチセンサ2Bは、例えば、ユーザの指及びスタライスペン等がディスプレイ2に接触した位置を、ユーザのディスプレイ2に対する入力として検出する。
【0018】
タッチセンサ2Bの検出方式は、例えば、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式(又は超音波方式)、赤外線方式、電磁誘導方式及び荷重検出方式等の任意の方式であってよい。
【0019】
キー3は、ユーザによって操作される。コントローラ21は、キー3と協働して、キーに対するユーザ操作を検出する。キー3に対するユーザ操作は、例えば、クリック、ダブルクリック、プッシュ、ロングプッシュ及びマルチプッシュである。キー3は、操作キー3A~3Cと、音量キー3Dと、電源キー3Eとを含む。
【0020】
操作キー3A~3Cは、例えば、タッチセンサ式のソフトキーである。操作キー3A~3Cは、ディスプレイ2上に表示される。なお、操作キー3A~3Cは、押しボタン式のハードキーであってもよい。
【0021】
操作キー3Aは、例えば、バックキーである。操作キー3Aは、ディスプレイ2に表示されている現在の画面を1つ前の画面に戻すときに、ユーザによって操作される。操作キー3Bは、例えば、メニューキーである。操作キー3Bは、ディスプレイ2にメニュー画面を表示させるとき、ユーザによって操作される。操作キー3Cは、例えば、ホームキーである。操作キー3Cは、ディスプレイ2にホーム画面を表示させるとき、ユーザによって操作される。
【0022】
音量キー3Dは、例えば、押しボタン式のハードキーである。音量キー3Dは、スピーカ10から出力される音量を調整するときに、ユーザによって操作される。音量キー3Dは、例えば、アップキー及びダウンキーから構成される。アップキーを操作するとスピーカ10から出力される音量が大きくなり、ダウンキーを操作すると、スピーカ10から出力される音量が小さくなる。
【0023】
電源キー3Eは、例えば、押しボタン式のハードキーである。電源キー3Eは、携帯電話機1の電源をオン/オフさせるときに、ユーザによって操作される。さらに、電源キー3Eは、携帯電話機1をスリープモードに移行させるとき及び携帯電話機1のスリープモードを解除するときに、ユーザによって操作されてもよい。加えて、電源キー3Eは、伝言メモ機能の実行中に、伝言メモ機能の実行を中断するときに、ユーザによって操作されてもよい。
【0024】
ランプ4は、例えば、LED(Light Emitting Diode)を含む。ランプ4は、他の通信機器からの電話の着信中及びバッテリ12の充電中、点灯する。また、ランプ4は、不在着信があるとき及び新着メールがあるとき等、予め設定されたパターンに従って点滅する。
【0025】
カメラ5Aは、いわゆるインカメラである。カメラ5Aは、携帯電話機1の前面側に存在する被写体を撮影する。カメラ5Bは、いわゆるアウトカメラである。カメラ5Bは、携帯電話機1の背面側に存在する被写体を撮影する。
【0026】
レシーバ7は、コントローラ21から送信される音声信号を、音声に変換して出力する。レシーバ7からは、通話中、通話している相手の声が出力される。マイク8は、通話中のユーザの声及び付近の音を、音声信号に変換してコントローラ21に送信する。
【0027】
ライト9は、例えば、LEDを含む。ライト9は、カメラ5Bが物体を撮影するときに発光する。また、ライト9は、簡易的な照明として発光することもできる。
【0028】
スピーカ10は、他の通信機器からの電話の着信中及びメールを受信したとき、着信音を出力する。
【0029】
振動部11は、例えば、圧電素子等の振動子を含む。振動部11は、他の通信機器からの電話の着信中及びメールを受信したときに、予め設定された振動パターンに従って振動する。
【0030】
バッテリ12は、外部から供給される電力によって充電される。バッテリ12は、携帯電話機1内の各構成要素に電力を供給する。
【0031】
通信ユニット13は、無線により通信する。通信ユニット13によって行われる通信方式は、無線通信規格である。例えば、無線通信規格として、2G、3G、4G等のセルラーフォンの通信規格がある。例えば、セルラーフォンの通信規格として、LTE(Long Term Evolution)、W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、CDMA2000、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、PHS(Personal Handy-Phone System)等がある。例えば、無線通信規格として、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、IEEE802.11、Bluetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)、NFC(Near Field Communication)等がある。通信ユニット13は、上述した通信規格の1つ又は複数をサポートしていてもよい。
【0032】
センサ部14は、携帯電話機1の状態を検出する。センサ部14は、検出した携帯電話機の状態を、コントローラ21に出力する。センサ部14は、例えば、
図1に示す近接センサ6、加速度センサ、磁気センサ、ジャイロセンサ及び気圧センサを含む。
【0033】
近接センサ6は、近隣の物体の存在を非接触で検出する。例えば、ユーザは、携帯電話機1を用いて通話するとき、ディスプレイ2を顔に近付ける。このとき、近接センサ6は、ユーザの顔を、近隣の物体として検出する。コントローラ21は、近接センサ6がユーザの顔を近隣の物体として検出すると、ディスプレイ2の表示機能をオフ状態にする。
【0034】
加速度センサは、携帯電話機1に働く加速度を検出する。加速度センサは、検出した加速度を、コントローラ21に出力する。
【0035】
磁気センサは、携帯電話機1の周囲の磁気の大きさ及び向きを検出する。磁気センサは、検出した磁気の大きさ及び方向を、コントローラ21に出力する。
【0036】
ジャイロセンサは、携帯電話機1の角速度を検出する。ジャイロセンサは、検出した角速度を、コントローラ21に出力する。
【0037】
気圧センサは、携帯電話機の外側の気圧すなわち大気圧を検出する。気圧センサは、検出した気圧を、コントローラ21に出力する。
【0038】
ストレージ20は、記憶部としてプログラム及びデータを記憶する。ストレージ20は、コントローラ21の処理結果を一時的に記憶する記憶部としても利用される。ストレージ20は、半導体記憶デバイス及び磁気記憶デバイス等の任意の記憶デバイスを含んでもよい。また、ストレージ20は、複数種類の記憶デバイスを含んでもよい。また、ストレージ20は、メモリカード等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせを含んでもよい。
【0039】
ストレージ20に記憶されるプログラムには、例えば、フォアグランド又はバックグランドで実行されるアプリケーションと、アプリケーションの動作を支援する制御プログラムとが含まれる。アプリケーションは、例えば、ディスプレイ2に所定の画面を表示させ、タッチセンサ2Bを介して検出されるユーザ操作に応じた処理を、コントローラ21に実行させる。制御プログラムは、例えば、OS(Operating System)である。アプリケーション及び制御プログラムは、通信ユニット13による無線通信又は記憶媒体を介してストレージ20にインストールされてもよい。本実施形態では、ストレージ20は、例えば、アプリケーション20A、アプリケーション20B、アプリケーション20C及び、制御プログラム20Dを記憶する。
【0040】
アプリケーション20Aは、発信履歴データ及び着信履歴データを管理するアプリケーションである。発信履歴データは、例えば、携帯電話機1が発信した電話番号(又は電話帳データに登録された個人名)と発信日時とを含む情報である。着信履歴データは、例えば、携帯電話機1にて着信した電話番号(又は電話帳データに登録された個人名)と着信日時とを含む情報である。アプリケーション20Aは、発信履歴データ及び着信履歴データを格納する機能と、ユーザ操作に応じて、発信履歴及び着信履歴を含む通話履歴を示す画面を、ディスプレイ2に表示させる機能とを提供する。
【0041】
アプリケーション20Bは、電話帳データを管理するアプリケーションである。電話帳データは、例えば、予め登録された、個人名と当該個人名に対応する少なくとも1つの電話番号とを含む情報である。電話番号は、例えば、固定電話の加入者線、及び、移動体通信・IP電話の特定サービスアカウント等に接続するために用いられる識別子である。アプリケーション20Bは、電話帳データを格納する機能と、ユーザ操作に応じて、電話帳データを、ディスプレイ2に表示させる機能とを提供する。
【0042】
アプリケーション20Cは、ユーザのスケジュールを管理するアプリケーションである。アプリケーション20Cは、カレンダーとともに登録されたスケジュールをディスプレイ2に表示させるカレンダー機能を提供する。
【0043】
制御プログラム20Dは、携帯電話機1を稼働させるための各種制御に関する機能を提供する。制御プログラム20Dは、レシーバ7、マイク8及び通信ユニット13等を制御することによって、通話機能を提供する。制御プログラム20Dが提供する機能は、他のプログラムが提供する機能と組み合わされて利用されてもよい。
【0044】
ストレージ20に記憶されるデータには、例えば、ユーザによって設定されたスピーカ10の着信音量(以下「設定音量」という)が含まれる。さらに、ストレージ20には、伝言メモ、発信履歴データ、着信履歴データ及び電話帳データが含まれる。伝言メモは、携帯電話機1が有する伝言メモ機能によって、発信元の通信機器から送信された音声情報である。加えて、ストレージ20に記憶されるデータには、後述の
図4に示すスヌーズ処理を行うタイミングが含まれる。
【0045】
コントローラ21は、演算処理装置である。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、SoC(System On a Chip)、MCU(Micro Control Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)及びコプロセッサを含むが、これらに限定されない。コントローラ21は、複数の演算処理装置を含んでもよい。コントローラ21は、携帯電話機1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。
【0046】
具体的には、コントローラ21は、ストレージ20に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、ストレージ20に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。さらに、コントローラ21は、データ及び命令に応じて各機能部を制御することによって、各種機能を実現する。機能部は、例えば、表示パネル2A、レシーバ7、マイク8、スピーカ10、振動部11、及び、通信ユニット13を含むが、これらに限定されない。コントローラ21は、検出部の結果に応じて、制御を変更することがある。検出部は、例えば、タッチセンサ2B、キー3、及び、センサ部14を含むが、これらに限定されない。コントローラ21は、例えば、ストレージ20に記憶されている制御プログラム20Dに含まれる命令を実行して各種機能を実現する。
【0047】
本実施形態では、コントローラ21は、他の通信機器からの着信を検出する。コントローラ21は、検出した着信に対し、通話機能を実行するためのユーザ操作(着信応答操作)を検出したときは、通話機能を実行する。このような制御によって、携帯電話機1のユーザは、発信者と通話し得る。
【0048】
一方、コントローラ21は、検出した着信に対して第1ユーザ操作が検出されないとき、当該着信の存在を、報知部によって、ユーザに報知する。第1ユーザ操作は、着信中に、当該着信に対して実行されるユーザ操作である。つまり、第1ユーザ操作とは、着信に気付いたユーザが、着信中に携帯電話機1に対して取り得る操作である。第1ユーザ操作には、例えば、上述の着信応答操作、伝言メモの録音開始前に伝言メモ機能の実行を中断するためのユーザ操作、及び、着信を他の通信機器に転送するためのユーザ操作が含まれる。さらに、ユーザ操作に基づいて伝言メモ機能が実行されるように携帯電話機1が設定されている場合、第1ユーザ操作には、伝言メモ機能を一時的に実行させるためのユーザ操作が含まれてもよい。
【0049】
このような制御によって、通話機能が実行されなかった着信(一般的には「不在着信」と称される)のうち、第1ユーザ操作が検出されない着信の存在、すなわち、ユーザが気付かなかった着信の存在が、ユーザに報知され得る。以後、第1ユーザ操作が検出されない着信を「不知着信」と表記する。
【0050】
不知着信の例として、次の(1)~(4)が挙げられる。
(1)通話機能が実行される前に発信者の操作によって切断された着信
(2)伝言メモの録音開始前に発信者の操作によって伝言メモ機能の実行が中断された着信
(3)伝言メモの録音が完了した着信
(4)ユーザが留守番電話サービスを利用している場合に、留守番電話機能の実行によって留守番電話センターに自動転送された着信
本実施形態に係るコントローラ21は、上述(1)~(4)を含み得る不知着信の存在を、ユーザに報知し得る。
【0051】
コントローラ21は、不知着信の存在を、携帯電話機1の状態に応じる少なくとも異なる時間間隔を含むタイミングで、報知部に報知させる。以後、この処理をスヌーズ処理とも表記する。このスヌーズ処理の詳細は、下記の<スヌーズ処理>にて説明する。さらに、コントローラ21は、スヌーズ処理の実行による不知着信の存在の報知に対して、後述の第2ユーザ操作を検出したとき、スヌーズ処理を中断する。この処理の詳細は、下記の<解除処理>にて説明する。
【0052】
<スヌーズ処理>
(i)1回目の報知
コントローラ21は、不知着信を検出してから第1時間経過後に、1回目の不知着信の存在の報知を実行する。第1時間は、例えば、予め設定された時間(例えば、5分)であってよい。
【0053】
1回目の報知では、コントローラ21は、マナーモードが設定されていなければ、スピーカ10に着信音を出力させることによって、ユーザに報知してもよい。このときのスピーカ10の着信音量は、予め設定された音量であってもよい。また、コントローラ21は、振動部11を振動させることによって、不知着信の存在を、ユーザに報知してもよい。このときの振動部11の振動パターンは、予め設定されたパターンであってもよい。さらに、コントローラ21は、不知着信の存在を報知させるための報知画像を、ディスプレイ2に表示させることによって、不知着信の存在をユーザに報知してもよい。この場合、コントローラ21は、携帯電話機1の画面ロック機能が有効であるか無効であるかに応じて、ディスプレイ2における報知画像の位置を変更してもよい。ディスプレイ2に表示される報知画像の一例を、
図4を参照して説明する。
【0054】
図4は、本開示の一実施形態に係るディスプレイ2に表示される報知画像30を含む画面である。
【0055】
図4(A)は、携帯電話機1の画面ロック機能が有効であるときのディスプレイ2の画面である。「スライドしてスタート」の部分は、画面ロック機能を解除するためのユーザ操作を受け付ける。コントローラ21は、「スライドしてスタート」の部分に対するユーザ操作を検出したとき、画面ロック機能を解除する。コントローラ21は、画面ロック機能が有効であるとき、報知画像30を、「スライドしてスタート」の部分と重ならないように、ディスプレイ2の中央に表示する。報知画像30をディスプレイ2の中央に表示させることによって、ユーザの注意を引くことができる。
【0056】
図4(B)は、携帯電話機1の画面ロック機能が無効であるときのディスプレイ2の画面である。ディスプレイ2の(Any screen)の部分には、多様なアイコンが表示される。コントローラ21は、報知画像30を、ディスプレイ2の上部に表示する。報知画像30をディスプレイ2の上部に表示させることによって、報知画像が多様なアイコンに埋もれてしまうことを防ぐことができる。
【0057】
コントローラ21は、報知するタイミングで携帯電話機1がスリープモードになっているときは、スリープモードを解除して、
図4(A)又は
図4(B)に示すような画面をディスプレイ2に表示させてもよい。さらに、コントローラ21は、アニメーションによって報知画像30を表示させてもよい。アニメーションによって報知画像30を表示させることによって、ユーザの注意をより引くことができる。
【0058】
報知画像30には、スヌーズ処理の解除を受け付けるタッチセンサ式のソフトキー31が配置されてもよい。コントローラ21は、ソフトキー31に対するユーザ操作を検出したとき、スヌーズ処理を中断する。この処理の詳細については、下記の<解除処理>にて説明する。
【0059】
(ii)2回目以後の報知
コントローラ21は、2回目以後の報知では、不知着信の存在を、携帯電話機1の状態に応じたタイミングで、報知部に報知させる。
【0060】
具体的には、コントローラ21は、センサ部14によって携帯電話機1の状態を検出する。コントローラ21は、検出した携帯電話機1の状態に基づいて、ユーザの行動を特定する。コントローラ21が特定可能なユーザの行動は、ユーザが携帯電話機1を保持しないで行動中(以下、「携帯電話機1の不保持」と略記する)、ユーザが携帯電話機1を保持して歩行中(以下、「歩行中」と略記する)、ユーザが携帯電話機1を保持して乗り物を運転中(以下、「運転中」と略記する)、及び、ユーザが携帯電話機1を保持して電車で移動中(以下、「電車で移動中」と略記する)を含んでもよい。さらに、コントローラ21は、特定したユーザの行動に応じて、不知着信の存在を前回報知したタイミングから、当該不知着信の存在を次に報知するタイミングまでの時間(以下、「第2時間」という)を設定する。加えて、コントローラ21は、第2時間経過後に、不知着信の存在を報知部に報知させる。
【0061】
例えば、コントローラ21は、加速度センサの検出結果に基づいて、携帯電話機1の静止を検出したとき、ユーザの行動を、携帯電話機1の不保持と特定し得る。携帯電話機1の不保持は、ユーザがイベントに出席中であったり、ユーザが入浴中であったりするときに生じ得る。コントローラ21は、ユーザの行動を携帯電話機1の不保持と特定したとき、カレンダー機能に登録されたスケジュールをチェックし、現在開催されているイベントがあるか否か判定してもよい。コントローラ21は、現在開催されているイベントがあると判定したとき、当該イベントの終了後に報知部による報知が実行され得るように、第2時間を設定してもよい。又は、コントローラ21は、現在開催されているイベントがないと判定したとき、第1時間よりも長い時間(例えば、30分)を、第2時間として設定してもよい。
【0062】
例えば、コントローラ21は、加速度センサ及びジャイロセンサの検出結果に基づいて、携帯電話機1に働く所定値未満の加速度を検出したとき、ユーザの行動を、歩行中と特定し得る。ユーザは、歩行中、携帯電話機1に注意を向けることが少ない。従って、ユーザは、歩行中、不知着信の存在の報知に気付きにくい。コントローラ21は、ユーザの行動を歩行中と特定したとき、第1時間よりも短い時間(例えば、3分)を、第2時間として設定してもよい。
【0063】
例えば、コントローラ21は、加速度センサの検出結果に基づいて、携帯電話機1に働く所定値以上の加速度を検出してとき、ユーザの行動を、運転中と特定し得る。ユーザは、自転車又は自動車等の運転中、携帯電話機1を操作することが困難である。コントローラ21は、ユーザの行動を運転中と特定したとき、第1時間よりも長い時間(例えば、30分)を、第2時間として設定してもよい。又は、コントローラ21は、ユーザの行動を運転中と特定しなくなるまで、不知着信の報知を延期してもよい。
【0064】
例えば、コントローラ21は、加速度センサ及び磁気センサの検出結果に基づいて、携帯電話機1に働く所定値以上の加速度及び所定強度以上の磁界を検出したとき、ユーザの行動を、電車で移動中と特定し得る。走行中の電車内では、騒音が大きい。従って、ユーザは、電車で移動中、不知着信の存在の報知に気付きにくい。コントローラ21は、ユーザの行動を電車で移動中と特定したとき、第1時間よりも短い時間(例えば、3分)を、第2時間として設定してもよい。
【0065】
さらに、コントローラ21は、2回目以後の報知では、報知の態様を、携帯電話機1の状態に応じて設定してもよい。具体的には、コントローラ21は、特定したユーザの行動に応じて、報知の態様を設定してもよい。
【0066】
例えば、コントローラ21は、ユーザの行動を歩行中又は運転中と特定したとき、マイク8で携帯電話機1の周囲の環境音を集音してもよい。コントローラ21は、環境音と同程度の音量で、スピーカ10に着信音を出力させることによって、ユーザに報知してもよい。さらに、コントローラ21は、ユーザの行動を歩行中又は運転中と特定したとき、予め設定されたパターンよりも長いパターンで、振動部11を振動させることによって、ユーザに報知してもよい。
【0067】
加えて、コントローラ21は、不知着信を検出してから第3時間経過したとき、又は、報知回数が設定回数に達したとき、スヌーズ処理を停止してもよい。コントローラ21は、第3時間及び設定回数を、携帯電話機1の状態に応じて設定してもよい。具体的には、コントローラ21は、特定したユーザの行動に応じて、第3時間及び設定回数を設定してもよい。この場合、コントローラ21は、携帯電話機1の不保持、運転中、電車で移動中、歩行中の順に、第3時間が長くなるように、所定時間を設定してもよい。また、コントローラ21は、歩行中、電車で移動中、運転中、携帯電話機1の不保持の順に、設定回数が多くなるように、設定回数を設定する。
【0068】
コントローラ21は、1回目の報知と同様に、2回目以後の報知でも、
図4に示すような報知画像をディスプレイ2に表示させることによって、不知着信の存在をユーザに報知してもよい。ここで、
図4に示す報知画像30にソフトキー31が配置される場合、コントローラ21は、最後の報知タイミングでユーザに対して報知するときは、報知画像30をディスプレイ2に表示させなくてもよい。このとき、コントローラ21は、スピーカ10から着信音を出力させることによって若しくは振動部11を振動させることによって、又は、その両方によって、ユーザに対して報知してもよい。
【0069】
<解除処理>
コントローラ21は、不知着信の存在の報知に対して、第2ユーザ操作を検出したとき、第3時間経過前であっても、スヌーズ処理を中断してもよい。同様に、コントローラ21は、不知着信の存在の報知に対して、第2ユーザ操作を検出したとき、報知回数が設定回数に達していなくても、スヌーズ処理を中断してもよい。第2ユーザ操作は、不知着信の存在の報知に対するユーザ操作である。つまり、第2ユーザ操作は、不知着信の存在の報知によって、不知着信の存在に気付いたユーザが、携帯電話機1に対して取り得る操作である。
【0070】
第2ユーザ操作には、報知画像30に配置されるソフトキー31に対するユーザ操作が含まれる。コントローラ21は、報知画像30をディスプレイ2に表示させている間に、ソフトキー31に対するユーザ操作を検出したときは、スヌーズ処理を中断する。コントローラ21は、スヌーズ処理を解除するときは、ディスプレイ2にスヌーズ処理の解除を示す解除画像を表示させてもよい。解除画像の一例を、
図5を参照して説明する。
【0071】
図5は、本開示の一実施形態に係るディスプレイ2に表示されるスヌーズ処理の解除画像32を含む画面である。
図5(A)は、携帯電話機1の画面ロック機能が有効であるときのディスプレイ2の画面である。
図5(B)は、携帯電話機1の画面ロック機能が無効であるときのディスプレイ2の画面である。解除画像32は、
図5(A)及び
図5(B)に示すように、ディスプレイ2の下部に表示される。コントローラ21は、アニメーションによって解除画像32を表示させてもよい。アニメーションによって解除画像32を表示させることによって、ユーザの注意をより引くこともできる。
【0072】
さらに、第2ユーザ操作には、携帯電話機1から不知着信の発信元に電話を発信するためのユーザ操作、及び、通話履歴を示す画面から不知着信の表示を消去するためのユーザ操作が含まれてもよい。これらのユーザ操作について
図6を参照して説明する。
【0073】
図6は、本開示の一実施形態に係るディスプレイ2に表示される通話履歴を示す画面である。
図6(A)では、コントローラ21は、1月20日10時39分に不知着信を検出している。
【0074】
ソフトキー33は、タッチセンサ式のソフトキーである。ソフトキー33は、不知着信の発信元に電話を発信するためのユーザ操作を受け付ける。コントローラ21は、ソフトキー33に対するユーザ操作を検出したとき、スヌーズ処理を中断してもよい。このとき、コントローラ21は、ディスプレイ2の下部に、解除画像32を表示させてもよい。
【0075】
コントローラ21は、不知着信を示す表示34を消去するためのユーザ操作(例えば、表示34を長押しする操作)を検出したとき、スヌーズ処理を中断してもよい。このとき、コントローラ21は、ディスプレイ2の下部に、解除画像32を表示させてもよい。
【0076】
なお、コントローラ21は、通話履歴をディスプレイ2に表示させたときに、スヌーズ処理を中断してもよい。コントローラ21は、この処理を、ディスプレイ2に通話履歴を表示させると、
図6に示すような不在着信を示す表示34が消去され得るときに、実行してもよい。
【0077】
図7は、第1実施形態に係る携帯電話機の動作の一例を示すフローチャートである。コントローラ21は、他の通信機器からの電話の着信を検出すると、
図7に示す動作を開始する。
【0078】
コントローラ21は、検出した着信に対して第1ユーザ操作が検出されたか否か判定する(ステップS1)。コントローラ21は、検出した着信に対して第1ユーザ操作が検出されたと判定したとき(ステップS1:Yes)、処理を終了する。一方、コントローラ21は、検出した着信に対して第1ユーザ操作が検出されないと判定したとき(ステップS1:No)、すなわち、不知着信を検出したとき、ステップS2の処理に進む。
【0079】
ステップS2の処理では、コントローラ21は、第1時間経過後に、報知部によって不知着信の存在を、ユーザに対して報知する。ステップS2の処理の実行による報知は、1回目の報知である。
【0080】
ステップS3の処理では、コントローラ21は、不知着信の存在の報知に対して第2ユーザ操作が検出されたか否か判定する。コントローラ21は、不知着信の存在の報知に対して第2ユーザ操作が検出されたと判定したとき(ステップS3:Yes)、処理を終了する。一方、コントローラ21は、不知着信の存在の報知に対して第2ユーザ操作が検出されないと判定したとき(ステップS3:No)、ステップS4の処理に進む。
【0081】
ステップS4の処理では、コントローラ21は、センサ部14によって携帯電話機1の状態を検出する。ステップS5の処理では、コントローラ21は、マイク8によって携帯電話機1の周囲の環境音を集音する。
【0082】
ステップS6の処理では、コントローラ21は、携帯電話機1の状態及び環境音に基づいて、第2時間及びスピーカ10の音量を設定する。ステップS7の処理では、コントローラ21は、第2時間経過後、報知部によって不知着信の存在を、ユーザに対して報知する。ステップS7の処理の実行による報知は、2回目以後の報知である。
【0083】
ステップS8の処理では、コントローラ21は、不知着信を検出してから第3時間経過したか否か判定する。コントローラ21は、第3時間経過したと判定したとき(ステップS8:Yes)、処理を終了する。一方、コントローラ21は、第3時間経過前であると判定したとき(ステップS8:No)、ステップS9の処理に進む。
【0084】
ステップS9の処理では、コントローラ21は、報知回数が設定回数に達したか否か判定する。コントローラ21は、報知回数が設定回数に達したと判定したとき(ステップS9:Yes)、処理を終了する。一方、コントローラ21は、報知回数が設定回数に達しないと判定したとき(ステップS9:No)、ステップS3の処理に戻る。
【0085】
なお、コントローラ21は、ステップS1~S8の処理を行っている間に、同一発信者からの再度の着信を検出し、当該着信に対して通話機能が実行されなかったとき、再度、ステップS1からの処理を行ってもよい。
【0086】
以上のように、第1実施形態に係る携帯電話機1は、不知着信の存在を、携帯電話機1の状態に応じる少なくとも異なる時間間隔を含むタイミングで、報知部に報知させる。このような制御によって、以下に説明するように、ユーザに適切に報知することが可能になる。
【0087】
例えば、一定時間間隔で不知着信の存在を報知することを想定する。この場合、ユーザに確実に報知するためには、5分間隔程度の一定時間間隔で不知着信の存在を報知する必要がある。しかしながら、例えば、ユーザがイベントに出席しているために、携帯電話機1を保持していないとき、5分間隔程度の一定時間間隔で不知着信の存在を報知しても、ユーザは、イベントが終了するまで、報知によって不知着信の存在に気付くことができない。このような場合、イベントが終了するまでの間、不要な報知が実行されることになる。不要な報知によって、携帯電話機1の消費電力が増加してしまうことがある。また、不要な報知によって、周囲に迷惑を掛けてしまうことが想定される。
【0088】
これに対し、本実施形態に係る携帯電話機1は、不知着信の存在を、一定時間間隔で報知するのではなく、携帯電話機1の状態に応じたタイミングで報知する。従って、本実施形態に係る携帯電話機1によれば、上述のような不要な報知を低減させることができ、ユーザに適切に報知することが可能になる。さらに、不要な報知を低減させることによって、携帯電話機1の消費電力削減することができる。加えて、不要な報知を低減させることによって、周囲に迷惑を掛けてしまうことを防ぐことができる。従って、本実施形態によれば、改善された、携帯電話機1が提供され得る。
【0089】
さらに、本実施形態に係る携帯電話機1は、
図4(A)又は
図4(B)に示すような画面を、ディスプレイ2に表示させることによって、不知着信の存在を報知することできる。このような処理によって、携帯電話機1は、不知着信の存在の報知が、通常の着信の報知に紛れてしまうことを防ぐことができる。
【0090】
加えて、本実施形態に係るスヌーズ機能は、携帯電話機1の初期設定において有効となるようにしてもよい。このような処理によって、本実施形態に係るスヌーズ機能を利用するために、ユーザが携帯電話機1に対して設定等を行う手間を省くことができる。また、本実施形態に係るスヌーズ機能を携帯電話機1が実行可能であることを、ユーザが知らなくても、携帯電話機1は当該スヌーズ機能を実行し得る。これにより、本実施形態に係る携帯電話機1は、ユーザの利便性に優れたものとなる。
【0091】
(第2実施形態)
次に、本開示の第2実施形態に係る携帯電話機について説明する。第2実施形態に係る携帯電話機は、第1実施形態に係る携帯電話機1と同様の構成を採用することができる。従って、以下では、
図3を参照しつつ、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0092】
第2実施形態に係るコントローラ21は、携帯電話機1の状態に基づいてユーザが移動中であると特定したとき、不知着信の存在の報知を延期する。移動中は、例えば、第1実施形態にて上述した、歩行中、運転中及び電車で移動中を含む。例えば、コントローラ21は、ユーザの行動が、センサ部14の検出結果に基づいて、歩行中、運転中及び電車で移動中の何れかであると特定したとき、不知着信の存在の報知を延期する。
【0093】
一方で、コントローラ21は、ユーザが移動中ではないと特定したとき、少なくとも異なる時間間隔を含む報知タイミングで、不知着信の存在を報知する。報知タイミングは、時間帯に応じたパターンであってよい。コントローラ21は、現在時刻に基づいて、報知タイミングを選択してもよい。以下、
図8を参照して、報知タイミングの一例を説明する。
【0094】
図8は、本開示の第2実施形態に係る報知タイミングを示す図である。
図8(A)~
図8(C)に示す時刻0秒は、不知着信が検出された時刻に対応する。
図8(A)~
図8(C)に示す報知タイミングは、ストレージ20に記憶させておいてもよい。
【0095】
図8(A)に示す報知タイミングは、ユーザが自宅にいる時間帯に採用され得る。ユーザが自宅にいる時間帯は、例えば、18時から6時までの時間帯である。このような時間帯では、ユーザがトイレに行っている間、ユーザが通勤中に自宅から駅まで(又は駅から自宅まで)歩いている間及びユーザが入浴している間等に、不知着信が検出され得る。ここで、ユーザがトイレに要する時間は、5分程度である。ユーザが通勤中の歩行に要する時間は、20分程度である。ユーザが入浴に要する時間は、40分程度である。
【0096】
上述を考慮して、
図8(A)では、コントローラ21は、不知着信の存在を検出してから、5分、10分、20分及び60分のタイミングで、不知着信の存在を報知する。つまり、コントローラ21は、0秒から5分まで及び5分から10分までの5分間隔、10分から20分までの10分間隔及び20分から60分までの40分間隔の異なる時間間隔で、不知着信の存在を報知する。
【0097】
図8(B)に示す報知タイミングは、ユーザが仕事場で働いている時間帯に採用され得る。ユーザが仕事場で働いている時間帯は、例えば、9時から12時までの時間帯、及び、13時から17時までの時間帯を含む。このような時間帯では、ユーザが離席している間、不知着信が検出され得る。
【0098】
上述を考慮して、
図8(B)では、コントローラ21は、不知着信の存在を検出してから、5分、12分、20分及び60分のタイミングで、不知着信の存在を報知する。つまり、コントローラ21は、0秒から5分までの5分間隔、5分から12分までの7分間隔、12分から20分までの8分間隔及び20分から60分までの40分間隔の異なる時間間隔で、不知着信の存在を報知する。
【0099】
図8(C)に示す報知タイミングは、昼休みの時間帯に採用され得る。昼休みの時間帯は、例えば、12時から13時までの時間帯である。このような時間帯では、ユーザが昼食を採るために、ユーザが社員食堂へ行ったり、外出したりしている間に、不知着信が検出され得る。ユーザが食事に要する時間は、例えば、50分程度である。
【0100】
上述を考慮して、
図8(C)では、コントローラ21は、不知着信の存在を検出してから、5分、55分、60分のタイミングで、不知着信の存在を報知する。つまり、コントローラ21は、0秒から5分まで及び55分から60分までの5分間隔及び5分から55分までの50分間隔の異なる時間間隔で、不知着信の存在を報知する。
【0101】
コントローラ21は、現在時刻に基づいて、
図8(A)~
図8(C)に示すような報知タイミングを選択してもよい。例えば、コントローラ21は、現在時刻が19時であるとき、
図8(A)に示す報知タイミングを選択してもよい。また、例えば、コントローラ21は、現在時刻が10時であるとき、
図8(B)に示す報知タイミングを選択してもよい。また、例えば、コントローラ21は、現在時刻が12時30分であるとき、
図8(C)に示す報知タイミングを選択してもよい。なお、ユーザが、自身の生活パターンに合うように、
図8(A)~
図8(C)に示すような報知するタイミングを、予め設定しておいてもよい。
【0102】
また、コントローラ21は、不知着信の存在の報知に対して後述の第2ユーザ操作を検出したとき、スヌーズ処理を中断してもよい。例えば、
図8(A)において、コントローラ21は、5分に不在着信の存在を報知した後、7分にユーザによるスヌーズ処理の解除操作を検出したとき、スヌーズ処理を中断し、10分以降の報知は行わなくてもよい。このような処理によって、不要な報知を行うことで携帯電話機1の消費電力が増加してしまうことを、低減することができる。また、このような処理によって、不要な報知を行うことで周囲に迷惑を掛けてしまうことを、防ぐことができる。
【0103】
ここで、発信者が携帯電話機1のユーザに伝えたい要件の緊急度が高いほど、着信が切断されてから発信者が再度電話を掛けるまでの時間が短くなる。一方で、発信者が携帯電話機1のユーザに伝えたい要件の緊急度が低いほど、着信が切断されてから発信者が再度電話を掛けるまでの時間が長くなる。加えて、携帯電話機1のユーザは、緊急度の高い要件に関する電話を受ける予定があるとき、携帯電話機1に注意を向けていることが多い。一方で、携帯電話機1のユーザは、緊急度の高い要件に関する電話を受ける予定がないとき、携帯電話機1に注意を向けていることは少ない。
【0104】
上述に鑑みて、コントローラ21は、第1時間間隔で不知着信の存在を報知した後、不知着信の存在の報知に対して後述の第2ユーザ操作を検出しないとき、第1時間間隔よりも長い第2時間間隔で不知着信の存在を報知してもよい。例えば、
図8(B)のように、コントローラ21は、0秒から5分の5分間隔間で不知着信の存在を報知した後、報知に対する後述の第2ユーザ操作を検出しないとき、5分から12分の7分間隔で不知着信の存在を報知してもよい。また、上述に鑑みて、不知着信の存在を報知する時間間隔は、
図8(B)に示すように、不知着信を検出した後の経過時間とともに長くなるようにしてもよい。
【0105】
このような制御によって、例えばユーザがトイレに行っているために、不知着信が検出されても、緊急度の高い要件に関する不知着信の存在を速やかに報知することができる。ユーザは、緊急度の高い要件に関する電話を受ける予定があるとき、携帯電話機1に注意を向けていることが多いため、当該報知によって、速やかに不知着信の報知を把握することができる。さらに、緊急度の高くない要件に関する不知着信が検出されたときは、携帯電話機1に注意を向けることが少ないユーザに対し、不要に報知することを防ぐことができる。
【0106】
また、60分程度の所定時間、不知着信の存在を報知し続けてもユーザが不知着信の存在に気付かないときは、その後、不在着信の存在を報知し続けても、ユーザが不知着信の存在に気付かないことが多い。言い換えれば、60分程度の所定時間、不知着信の存在を報知し続けてもユーザが不知着信の存在に気付かないときは、その後、不在着信の存在を報知し続ける必要性は少ない。
【0107】
上述に鑑みて、コントローラ21は、不知着信の存在を検出してから所定時間経過すると、不知着信の存在の報知を停止してもよい。
図8(A)~
図8(C)の例では、所定時間を60分とし、60分が経過した後は、不知着信の報知を停止している。本実施形態では、不知着信の存在を検出してから所定時間経過後に不知着信の報知を停止することによって、携帯電話機1の消費電力を削減することができる。さらに、不在着信の存在を報知し続けることによる周囲への迷惑を防ぐことができる。
【0108】
図9は、本開示の第2実施形態に係る携帯電話機1の動作の一例を示すフローチャートである。コントローラ21は、他の通信機器からの電話の着信を検出すると、
図9に示す動作を開始する。ステップS10の処理は、
図7に示すステップS1の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0109】
コントローラ21は、携帯電話機1の状態に基づいてユーザが移動中であるか否か特定する(ステップS11)。コントローラ21は、ユーザが移動中であると特定したとき(ステップS11:Yes)、スヌーズ処理を延期し、再びステップS11の処理を行う。一方、コントローラ21は、ユーザが移動中ではないと特定したとき(ステップS11:No)、ステップS12の処理に進む。
【0110】
ステップS12の処理では、コントローラ21は、例えば携帯電話機1に搭載されたタイマから、現在時刻を取得する。ステップS13の処理では、コントローラ21は、現在時刻に基づいて、例えばストレージ20から、報知タイミングを取得する。
【0111】
ステップS14の処理では、コントローラ21は、ステップS13の処理で選択した報知タイミングを参照して、報知するタイミングであるか否か判定する。コントローラ21は、報知するタイミングであると判定したとき(ステップS14:Yes)、ステップS15の処理に進む。一方、コントローラ21は、報知するタイミングではないと判定したとき(ステップS14:No)、再びステップS14の処理を行う。
【0112】
ステップS15の処理では、コントローラ21は、報知部によって不知着信の存在を、ユーザに対して報知する。ステップS16の処理では、コントローラ21は、不知着信の存在の報知に対して第2ユーザ操作が検出されたか否か判定する。コントローラ21は、不知着信の存在の報知に対して第2ユーザ操作が検出されたと判定したとき(ステップS6:Yes)、処理を終了する。一方、コントローラ21は、不知着信の存在の報知に対して第2ユーザ操作が検出されないと判定したとき(ステップS16:No)、ステップS17の処理に進む。
【0113】
ステップS17の処理では、コントローラ21は、不知着信を検出してから所定時間経過したか否か判定する。コントローラ21は、所定時間経過したと判定したとき(ステップS17:Yes)、処理を終了する。一方、コントローラ21は、所定時間経過前であると判定したとき(ステップS17:No)、ステップS11の処理に戻る。
【0114】
なお、コントローラ21は、ステップS10~S17の処理を行っている間に、同一発信者からの再度の着信を検出し、当該着信に対して通話機能が実行されなかったとき、再度、ステップS1からの処理を行ってもよい。
【0115】
また、コントローラ21は、ステップS13の処理においてユーザが自宅にいる時間帯の報知タイミングを選択した場合、不知着信の発信者が仕事関係者であるときは、スヌーズ処理を延期してもよい。この場合、コントローラ21は、電話帳に基づいて、不知着信の発信者が仕事関係者であるか否か判定してもよい。
【0116】
また、コントローラ21は、ステップS13の処理においてユーザが仕事場で働いている時間帯の報知タイミングを選択した場合、現在開催されているイベントがあるときは、当該イベントが終了するまで、スヌーズを延期してもよい。この場合、コントローラ21は、カレンダー機能に登録されたスケジュールをチェックし、現在開催されているイベントがあるか否か判定してもよい。同様に、コントローラ21は、ステップS13の処理において昼休みの時間帯の報知タイイングを選択した場合、現在開催されているイベントがあるときは、当該イベントが終了するまで、スヌーズを延期してもよい。
【0117】
以上のように、第2実施形態に係る携帯電話機1は、携帯電話機1の状態に基づきユーザが移動中であるか否か特定する。さらに、本実施形態に係る携帯電話機は、ユーザが移動中ではないと特定すると、一定時間間隔で不知着信の存在を報知するのではなく、少なくとも異なる時間間隔を含む報知タイミングで、不知着信の存在を報知する。このような制御によって、第1実施形態にて上述したように、不要な報知を低減させることができ、ユーザに適切に報知することが可能になる。これにより、携帯電話機1の消費電力削減することができ、さらに周囲に迷惑を掛けてしまうことを防ぐことができる。従って、本実施形態によれば、改善された、携帯電話機1が提供され得る。
【0118】
第2実施形態に係る携帯電話機1において、その他の効果及び構成は、第1実施形態に係る携帯電話機1と同様である。
【0119】
本開示の一実施形態を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形及び修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。各構成部、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部及びステップ等を1つに組み合わせたり、或いは、分割したりすることが可能である。また、本開示の一実施形態について装置を中心に説明してきた。しかしながら、本開示の内容は、装置が備えるプロセッサにより実行される方法、プログラム又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものである。従って、これらも、本開示の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【0120】
例えば、コントローラ21は、スヌーズ機能が携帯電話機1の初期設定において有効となるよう設定されているときに、最初に第2ユーザ操作を検出したときは、
図10に示すようなスヌーズ機能に関する表示を、ディスプレイ2に表示させてもよい。さらに、コントローラ21は、タッチセンサ式のソフトキー35に対するユーザ操作を検出したとき、スヌーズ機能に関する詳細な設定(例えば、報知のときにスピーカ10から出力される着信音量等)を、ユーザから受け付けてもよい。
【0121】
例えば、第1実施形態において、コントローラ21は、GPS(Global Positioning System)技術によってユーザの行動が運転中であると特定してもよい。この場合、通信ユニット13は、GPSに対応するように設計されてもよい。
【0122】
例えば、第2実施形態において、コントローラ21は、GPS技術によってユーザが移動中であるか否か特定してもよい。この場合、通信ユニット13は、GPSに対応するように設計されてもよい。さらに、コントローラ21は、ユーザが移動中ではないと特定したとき、GPS技術によってユーザの位置情報を取得してもよい。ユーザは、取得したユーザの位置情報に基づいて、
図8(A)~
図8(C)に示すような報知タイミングのうち、適した報知タイミングを選択してもよい。
【0123】
さらに、本開示の実施形態は、例えば、上述したような携帯電話機1に実行させるプログラムとして実現することもできる。すなわち、本実施形態に係るプログラムは、携帯電話機1に、携帯電話機1の状態を検出するステップを実行させる。さらに、当該プログラムは、携帯電話機1に、着信に対する第1ユーザ操作が検出されないとき、当該着信の存在を、当該状態に応じたタイミングで、携帯電話機1が備える報知部に報知させるステップを実行させる。
【符号の説明】
【0124】
1 携帯電話機
2 ディスプレイ(報知部)
2A 表示パネル
2B タッチセンサ
3 キー
3A,3B,3C 操作キー
3D 音量キー
3E 電源キー
4 ランプ
5A,5B カメラ
6 近接センサ
7 レシーバ
8 マイク
9 ライト
10 スピーカ(報知部)
11 振動部(報知部)
12 バッテリ
13 通信ユニット
30 報知画像
31 ソフトキー
32 解除画像
33 ソフトキー
34 表示
35 ソフトキー