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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】冷却システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/32 20180101AFI20220927BHJP
   F25B 39/04 20060101ALI20220927BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20220927BHJP
   F25B 5/02 20060101ALI20220927BHJP
   F25B 6/02 20060101ALI20220927BHJP
【FI】
F24F11/32
F25B39/04 N
F25B1/00 A
F25B5/02 C
F25B6/02 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021086787
(22)【出願日】2021-05-24
(65)【公開番号】P2021120615
(43)【公開日】2021-08-19
【審査請求日】2021-05-24
(31)【優先権主張番号】202010530689.4
(32)【優先日】2020-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202021077135.5
(32)【優先日】2020-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514322098
【氏名又は名称】ベイジン バイドゥ ネットコム サイエンス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing Baidu Netcom Science Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】2/F Baidu Campus, No.10, Shangdi 10th Street, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】ルオ,ジミン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥアン,イーイー
(72)【発明者】
【氏名】イー,ビン
(72)【発明者】
【氏名】リー,シャオゾン
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-247491(JP,A)
【文献】特開2017-040459(JP,A)
【文献】特開2011-196629(JP,A)
【文献】特開2018-197613(JP,A)
【文献】特開2009-019875(JP,A)
【文献】特開平11-294879(JP,A)
【文献】特開2009-243828(JP,A)
【文献】特開2017-106653(JP,A)
【文献】特開2012-172920(JP,A)
【文献】特開2014-185832(JP,A)
【文献】特開2010-025466(JP,A)
【文献】国際公開第2014/073150(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/32
F25B 39/04
F25B 1/00
F25B 5/02
F25B 6/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒が吸熱するための室内熱交換モジュールと、
圧縮装置と凝縮装置を有し、前記冷媒が発熱するための室外熱交換モジュールと、を備え、
前記室外熱交換モジュールは、スタンバイモードとプライマリモードとの間で切り替え可能であり、前記プライマリモードである場合、前記室外熱交換モジュールが前記室内熱交換モジュールに接続され、前記スタンバイモードである場合、前記室外熱交換モジュールと前記室内熱交換モジュールとの接続が切断され、且つ前記室外熱交換モジュールの圧縮装置が稼働中であり、
複数の前記室外熱交換モジュールのうち、一部はプライマリモードにあり、他の部分はスタンバイモードにあ
前記圧縮装置は、前記室内熱交換モジュールの出力端と前記凝縮装置の入力端との間に接続されるエアサスペンション圧縮機を有し、
前記圧縮装置は、前記エアサスペンション圧縮機に接続される給気循環パイプラインをさらに有し、前記室外熱交換モジュールがスタンバイモードにある場合、前記室外熱交換モジュールの前記エアサスペンション圧縮機が、前記給気循環パイプラインに接続されて、前記冷媒を前記給気循環パイプライン内に循環させるように駆動する、
ことを特徴とする冷却システム。
【請求項2】
前記室外熱交換モジュールは、前記凝縮装置の出力端と前記室内熱交換モジュールの入力端との間に接続され、前記凝縮装置から出力された冷媒を貯留するための液体貯留部をさらに有し、
前記給気循環パイプラインは、前記ガスサスペンション圧縮機の出力端から入力端までの方向に沿って順次接続される液体変換部と、第1の液体ポンプと、ガス変換部とを含み、
前記液体変換部は、前記ガスサスペンション圧縮機から出力された冷媒を気体状態から液体状態に変換し、前記液体貯留部に輸送することに用いられ、
前記ガス変換部は、前記液体貯留部と前記ガスサスペンション圧縮機の入力端との間に接続され、前記液体貯留部内の冷媒を気体状態から液体状態に変換することに用いられ、
前記第1の液体ポンプは、前記液体貯留部と前記ガス変換部との間に接続され、前記液体貯留部内の冷媒を前記ガス変換部にポンピングすることに用いられ、
前記第1の液体ポンプと前記ガスサスペンション圧縮機とは、共に無停電電源から給電される、
ことを特徴とする請求項に記載の冷却システム
【請求項3】
前記給気循環パイプラインは、前記給気循環パイプラインを開閉するための第1の開閉をさらに含み、
前記液体貯留部と前記室内熱交換モジュールとの間には、前記液体貯留部内の冷媒を前記室内熱交換モジュールにポンピングするための第2の液体ポンプと、前記液体貯留部と前記室内熱交換モジュールとの間の冷媒輸送管を開閉するための第2の開閉弁とが設けられ、
前記室外熱交換モジュールがプライマリモードにある場合、前記第1の開閉弁が閉状態であり、前記第2の開閉弁が開状態であり、前記室外熱交換モジュールがスタンバイモードにある場合、前記第1の開閉弁が開状態であり、前記第2の開閉弁が閉状態である、
ことを特徴とする請求項に記載の冷却システム。
【請求項4】
前記凝縮装置は、
入力端が前記圧縮装置の出力端に接続され、出力端が前記室内熱交換モジュールの入力端に接続される凝縮コイルと、
前記凝縮コイル内の冷媒を気体状態から液体状態に変換するように、前記凝縮コイルに冷却液をスプレーするスプレー装置とを備える、
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の冷却システム。
【請求項5】
前記室外熱交換モジュールと前記室内熱交換モジュールとの間に接続され、前記室外熱交換モジュールと前記室内熱交換モジュールとの間で冷媒を輸送するための冷媒輸送管網をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の冷却システム。
【請求項6】
前記冷媒輸送管網は、第1の輸送管網と第2の輸送管網を含み、
前記室外熱交換モジュールは、出力端が前記第1の輸送管網を介して前記室内熱交換モジュールの入力端に接続され、出力端が前記第2の輸送管網を介して前記室外熱交換モジュールの入力端に接続される、
ことを特徴とする請求項に記載の冷却システム。
【請求項7】
前記室外熱交換モジュールは、第3の開閉弁および第4の開閉弁をさらに含み、前記第3の開閉弁が前記室外熱交換モジュールの出力端と第1の輸送管網との間に配置され、前記第4の開閉弁が前記室外熱交換モジュールの入力端と第2の輸送管網との間に配置され、
ここで、前記室外熱交換モジュールがプライマリモードにある場合、前記第3の開閉弁および前記第4の開閉弁が共に開状態であり、前記室外熱交換モジュールがスタンバイモードにある場合、前記第3の開閉弁および前記第4の開閉弁が共に閉状態である、
ことを特徴とする請求項に記載の冷却システム。
【請求項8】
前記室内熱交換モジュールは、入力端が前記第1の輸送管網に並列に接続され、出力端が前記第2の輸送管網に並列に接続される複数の板状熱交換器を備える、
ことを特徴とする請求項に記載の冷却システム。
【請求項9】
前記室外熱交換モジュールの数が前記室内熱交換モジュールの数よりも多く、複数の前記室外熱交換モジュールのうち、前記プライマリモードにある室外熱交換モジュールの数をMとし、前記スタンバイモードにある室外熱交換モジュールの数をNとし、
M<6の場合はN=1であり、M≧6の場合はN=2である、
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の冷却システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱交換技術の分野に関するものであり、特に、クラウドコンピューティング、クラウドストレージ、ビッグデータコンピューティング、ディープラーニング、画像処理などのアプリケーションのデータセンターに使用できる(含むがこれらに限定されない)冷却技術の分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インターネット技術の発展に伴い、近年、クラウドコンピューティング、クラウドストレージ、ビッグデータコンピューティング、ディープラーニング、画像処理などのアプリケーションのデータセンターに使用できる(含むがこれらに限定されない)冷却に対して要求がますます高まっている。関連技術では、データセンターの冷却方式は、従来の冷水データセンター設計案を多く使用しているが、全体的な省エネ効果が劣っている。一方、より省エネ効果の高い大型相変化システムは、安定性が悪いため、データセンターの連続の冷却需要を満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、冷却システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示による冷却システムは、
冷媒が吸熱するための室内熱交換モジュールと、
冷媒が発熱するための室外熱交換モジュールであって、圧縮装置と凝縮装置を含む室外熱交換モジュールと、を備え、
室外熱交換モジュールは、スタンバイモードとプライマリモードとの間で切り替え可能であり、プライマリモードでは、室外熱交換モジュールは室内熱交換モジュールに接続され、スタンバイモードでは、室外熱交換モジュールは室内熱交換モジュールとの接続が切断され、且つ室外熱交換モジュールの圧縮装置は稼働中である。
【0005】
ここで、複数の室外熱交換モジュールの一部がプライマリモードにあり、他の部分がスタンバイモードにある。
【0006】
1つの実施形態では、圧縮装置が、室内熱交換モジュールの出力端と凝縮装置の入力端との間に接続される空気サスペンション圧縮機を備え、
圧縮装置はまた、エアサスペンション圧縮機に接続される給気循環パイプラインを含み、室外熱交換器モジュールがスタンバイモードにある場合、室外熱交換モジュールのエアサスペンション圧縮機は、給気循環パイプラインに接続され、給気循環パイプライン内を循環するように冷媒を駆動する。
【0007】
1つの実施形態では、室外熱交換モジュールが、凝縮装置の出力端と室内熱交換モジュールの入力端との間に接続され、凝縮装置から出力された冷媒を貯留するための液体貯留部をさらに備え、
給気循環パイプラインは、ガスサスペンション圧縮機の出力端から入力端までの方向に沿って順次接続される液体変換部と、第1の液体ポンプと、ガス変換部とを含み、液体変換部は、ガスサスペンション圧縮機から出力された冷媒を気体状態から液体状態に変換し、液体貯留部に輸送するためのものであり、ガス変換部は、液体貯留部とガスサスペンション圧縮機の入力端との間に接続され、液体貯留部内の冷媒を気体状態から液体状態に変換するためのものであり、第1の液体ポンプは、液体貯留部とガス変換部との間に接続され、液体貯留部内の冷媒をガス変換部にポンピングするためのものであり、
ここで、第1の液体ポンプとガスサスペンション圧縮機とが共に無停電電源から給電される。
【0008】
1つの実施形態では、給気循環パイプラインが、給気循環パイプラインを開閉するための第1の開閉バルブも含み、
液体貯留部と室内熱交換モジュールとの間に、液体貯留部内の冷媒を室内熱交換モジュールにポンピングするための第2の液体ポンプと、液体貯留部と室内熱交換モジュールとの間の冷媒輸送管を開閉するための第2の開閉弁とが設けられ、
ここで、室外熱交換モジュールがプライマリモードにある場合、第1の開閉弁が閉状態であり、第2の開閉弁が開状態である。室外熱交換モジュールがスタンバイモードにある場合、第1の開閉弁が開状態であり、第2の開閉弁が閉状態である。
【0009】
1つの実施形態では、凝縮装置は、
入力端が圧縮装置の出力端に接続され、出力端が室内熱交換モジュールの入力端に接続される凝縮コイルと、
凝縮コイル内の冷媒を気体状態から液体状態に変換するために、凝縮コイルに冷却液をスプレーするスプレー装置とを備える。
【0010】
1つの実施形態では、さらに、当該冷却システムは、室外熱交換モジュールと室内熱交換モジュールとの間に接続され、室外熱交換モジュールと室内熱交換モジュールとの間で冷媒を輸送する冷媒輸送管網を備える。
【0011】
1つの実施形態では、冷媒輸送管網が第1の輸送管網と第2の輸送管網を含み、室外熱交換モジュールの出力端が第1の輸送管網を介して室内熱交換モジュールの入力端に接続され、室内熱交換モジュールの出力端が第2の輸送管網を介して室外熱交換モジュールの入力端に接続される。
【0012】
1つの実施形態では、室外熱交換モジュールがさらに第3の開閉弁および第4の開閉弁を含み、第3の開閉弁が室外熱交換モジュールの出力端と第1の輸送管網との間に配置され、第4の開閉弁が室外熱交換モジュールの入力端と第2の輸送管網との間に配置され、
ここで、室外熱交換モジュールがプライマリモードにある場合、第3の開閉弁および第4の開閉弁が共に開状態であり、室外熱交換モジュールがスタンバイモードにある場合、第3の開閉弁および第4の開閉弁が共に閉状態である。
【0013】
1つの実施形態では、室内熱交換モジュールが複数の板状熱交換器を備え、複数の板状熱交換器の入力端が第1の輸送管網に並列に接続され、複数の板状熱交換器の出力端が第2の輸送管網に並列に接続される。
【0014】
1つの実施形態では、室外熱交換モジュールの数が室内熱交換モジュールの数よりも多く、複数の室外熱交換モジュールにおいて、プライマリモードにある室外熱交換モジュールの数をMとし、スタンバイモードにある室外熱交換モジュールの数をNとし、
M<6の場合はN=1、M≧6の場合はN=2である。
【0015】
本開示の実施形態の冷却システムは、前記技術案を採用することにより、プライマリモードにある室外熱交換モジュールが故障した場合にスタンバイモードに切り替えられる室外熱交換モジュールは、室内熱交換モジュールの冷却能力の付与を確保し、冷却システムの作業安定性を向上させることができ、且つ、連続的な冷却能力を有する。
【0016】
発明の概要の項に記載されていることは、本開示の実施形態の主要なまたは重要な特徴を限定することを意図したものではなく、本開示の範囲を限定することを意図したものでもないことが理解されるべきである。本開示のその他の特徴は、以下の説明を読むことで容易に理解できると思う。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本開示の各実施形態の上記および他の特徴、利点、および側面は、添付の図面と関連して、以下の詳細な説明を参照して、より明らかになる。添付の図面において、同一または類似の符号は、同一または類似の要素を表している。
図1】本開示の実施形態による冷却システムの構成を示す模式図である。
図2】本開示の実施形態による冷却システムの稼働メカニズムを示す図である。
図3】本開示の実施形態による冷却システムの圧縮装置の構成を示す模式図である。
図4】本開示の実施形態による冷却システムの凝縮装置の構成を示す模式図である。
図5】本開示の実施形態による冷却システムの室内熱交換モジュールの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照し、本開示の例示的な実施形態を説明し、理解を容易にするために本開示の実施形態の様々な詳細を含んでいるが、これらは単に例示的なものとみなされるべきである。したがって、当業者は、本開示の範囲および要旨から逸脱することなく、本明細書に記載された実施形態に様々な変更および修正を加えることができることを認識すべきである。同様に、以下の説明では、明瞭で簡潔にするために、既知の機能と構造の説明を省略している。
【0019】
本開示の実施形態による冷却システム1を、図1図5を参照して以下に説明する。本開示の実施形態による冷却システム1は、データセンター内のユニットが適切な温度で作動するように、データセンターに冷却能力を付与するために使用されてもよい。
【0020】
図1は本開示の実施形態による冷却システムの構成を示す模式図である。図1に示すように、冷却システム1は、室外熱交換モジュール20と室内熱交換モジュール10とを含む。
【0021】
具体的には、室内熱交換モジュール10は、冷媒が吸熱するためのものである。室外熱交換モジュール20は、冷媒が発熱するためのものである。冷媒は、室内熱交換モジュール10内で室内の空気と熱交換することができ、室内の空気中の熱は、冷房の目的を達成するために室内の温度を下げるように冷媒に吸収され、吸熱後の冷媒は、冷媒の熱を外気に放熱させるために室外熱交換モジュール20内で発熱することができ、温度を下げた後の冷媒は、室内熱交換モジュール10に還流し、これで循環でき、これにより冷媒が室内熱交換モジュール10と室外熱交換モジュール20との間に循環に流動することを完成する。
【0022】
室外熱交換モジュール20は、圧縮装置20aと、凝縮装置23とを含む。ここで、圧縮装置20aは、室内熱交換モジュール10から出力された低温低圧ガス状冷媒を高温高圧ガス状冷媒に圧縮し、高温高圧ガス状冷媒を凝縮装置23で凝縮してガス状冷媒を気体状態から液体状態に変換した後、液状冷媒が室内熱交換モジュール10の入力端に還流し、液状冷媒が室内熱交換モジュール10で熱を吸収してガス状冷媒に変換され、ガス状冷媒は圧縮装置20aに還流する。
【0023】
室外熱交換モジュール20は、プライマリモードとスタンバイモードとの間で切り替え可能である。プライマリモードでは、室外熱交換モジュール20は室内熱交換モジュール10に接続され、スタンバイモードでは、室外熱交換モジュール20は室内熱交換モジュール10との接続が切断され、室外熱交換モジュール20の圧縮装置20aは稼働中である。ここで、複数の室外熱交換モジュール20の一部はプライマリモードにあり、他の部分はスタンバイモードにある。室外熱交換モジュール20がプライマリモードにあることは、室外熱交換モジュール20が現在使用中であること、すなわち、冷媒が室外熱交換モジュール20で放熱し室内熱交換モジュール10に還流し吸熱を行うことを意味する。室外熱交換モジュール20がスタンバイモードにあることは、室外熱交換モジュール20が現在使用中ではないこと、すなわち、冷媒が室外熱交換モジュール20で放熱しなかったり放熱後の冷媒が室内熱交換モジュール10には還流されなかったりすることを意味する。
【0024】
一例では、室外熱交換モジュール20は複数があり、その中に、接続された室外熱交換モジュール20と室内熱交換モジュール10との間で冷媒が循環に流動するように、プライマリモードにある室外熱交換モジュール20の数は室内熱交換モジュール10の数に対応して一対一に配置され、すなわち、一対一に対応してプライマリモードにある複数の室外熱交換モジュール20が複数の室内熱交換モジュール10に接続される。スタンバイモードにある室外熱交換モジュール20は、待機状態にあり、すなわち、この室外熱交換モジュール20の圧縮装置20aが稼働中であり、且つ圧縮装置20aのみに冷媒を循環・流動させる。
【0025】
このように、プライマリモードにおける、ある室外熱交換モジュール20が故障した場合、その室外熱交換モジュール20をスタンバイモードに切り替えてその室外熱交換モジュール20を室内熱交換モジュール10から切断し、同時に、スタンバイモードにある室外熱交換モジュール20をプライマリモードに切り替えて室内熱交換モジュール10に接続し、故障した室外熱交換モジュール20を交換するようにしてもよい。なお、室外熱交換モジュール20がスタンバイモードにある時、その圧縮装置20aが途切れることなく稼働し、それによって、室外熱交換モジュール20がプライマリモードに切り替わったときに、室外熱交換モジュール20が室内熱交換モジュール10に冷却能力を適時に付与でき、室内熱交換器モジュール10に冷却能力を途切れることなく付与することを確実にし、室外熱交換モジュール20がスタンバイモードからプライマリモードに切り替わった際の圧縮機の起動時間に起因する冷却能力の不足が回避されるため、冷却システム1の連続的な冷却能力を実現し、データセンタの作業安定性を確保することができる。
【0026】
1つの実施形態では、図2に示すように、圧縮装置20aは、室内熱交換モジュール10の出力端と凝縮装置23の入力端との間に接続されるガスサスペンション圧縮機21を含む。なお、ガスサスペンション圧縮機21がオイルフリー圧縮機であり、すなわち、ガスサスペンション圧縮機21のシリンダには潤滑油が含まれていないため、冷媒が室内熱交換モジュール10と室外熱交換モジュール20との間を循環・流動する過程においては、圧縮機のオイルリターン問題を考慮せず、関連技術における、冷媒の流路が長いために冷却システム1の圧縮機がオイルリターン効果を確保しにくく、冷却システム1の安定性に影響を与えるという技術的課題を解決することができる。このように、本開示の実施形態による冷却システム1は、ガスサスペンション圧縮機21を使用することで、圧縮機のオイルリターン問題を考慮する必要がなく、安定した稼働が可能であり、設備コストを低く抑えることができるという利点がある。
【0027】
さらに、圧縮装置20aはまた、ガスサスペンション圧縮機21に接続される給気循環パイプライン22を備え、当該給気循環パイプライン22は、室外熱交換モジュール20がスタンバイモードにあるとき、室外熱交換モジュール20のガスサスペンション圧縮機21が給気循環パイプライン22に接続され、給気循環パイプライン22内を循環するように冷媒を駆動する。スタンバイモードにある室外熱交換モジュール20は、エアサスペンション圧縮機21の軸受をサスペンション状態に維持するために、給気循環パイプライン22を介してガス状冷媒がエアサスペンション圧縮機21を連続的に通過することを実現し、それによってエアサスペンション圧縮機21の連続稼働状態を確保することができることが理解されよう。このように、室外熱交換モジュール20をスタンバイモードからプライマリモードに切り替える際に、エアサスペンション圧縮機21の起動時間を待つ必要がなく、室外熱交換モジュール20と室内熱交換モジュール10との間で冷媒を直接循環・流動させて、室外熱交換モジュール20と室内熱交換モジュール10との間で冷媒の熱交換効果を確保することができる。
【0028】
1つの実施形態では、図2に示すように、室外熱交換モジュール20は、凝縮装置23の出力端と室内熱交換モジュール10の入力端との間に接続され、凝縮装置23から出力された冷媒を貯留するための液体貯留部24も含む。給気循環パイプライン22は、ガスサスペンション圧縮機21の出力端から入力端までの方向に沿って順次接続された液体変換部221と、第1の液体ポンプ222と、ガス変換部223とを含む。液体変換部221は、ガスサスペンション圧縮機21から出力された冷媒を気体状態から液体状態に変換して液体貯留部24に輸送するためのものである。ガス変換部223は、液体貯留部24とガスサスペンション圧縮機21の入力部との間に接続され、液体貯留部24内の冷媒を気体状態から液体状態に変換するためのものである。第1の液体ポンプ222は、液体貯留部24とガス変換部223との間に接続され、液体貯留部24内の冷媒をガス変換部223にポンピングするためのものである。ここで、第1の液体ポンプ222とエアサスペンション圧縮機21は共に、無停電電源(Uninterruptible Power System、UPS)によって給電され、室外熱交換モジュール20がスタンバイモードにある時に、エアサスペンション圧縮機21は無停電稼働が可能である。
【0029】
一例では、室外熱交換モジュール20がスタンバイモードにあるとき、ガスサスペンション圧縮機21が給気循環パイプライン22に接続され、凝縮装置23の代わりに液体変換部221が使用され、ここで、液体変換部221は凝縮器であってもよく、すなわち、ガスサスペンション圧縮機21から出力された気体状態の冷媒が液体状態に凝縮されてから、液体貯留部24に輸送され、第1の液体ポンプ222が液体貯留ポンプ内の液状冷媒を気体変換部223に輸送し、後に液状冷媒が気体状態に変換した。ここで、気体変換部223は、給気タンクであってもよく、給気タンクには加熱装置が設けられ、当該加熱装置が、冷媒を加熱して冷媒を液体状態から気体状態に変換してから、気体懸濁圧縮機21への入力端に輸送し入って、これで循環する。そこでは、第1の液体ポンプ222及びガスサスペンション圧縮機21が共に無停電電源で連続的に給電されている。無停電電源は、エネルギー貯蔵装置を備える無停電電源であり、主電源入力が正常な場合、無停電電源は、主電源を調整した後、負荷(すなわち、第1の液体ポンプ222およびエアサスペンション圧縮機21)に供給し使用し、その時のUPSは、交流式電圧調整器に相当し、また、機内のバッテリを充電する。主電源が遮断される(事故による停電)と、無停電電源は直ちにインバータ切替方式によりバッテリの直流電力を変換して負荷に220Vの交流電力を供給し続け、これにより、負荷が正常な作業を維持し、損傷から負荷のソフトウェアとハードウェアを保護する。無停電電源装置は通常、高すぎる電圧または低すぎる電圧に対する保護を提供できる。
【0030】
1つの実施形態では、室外熱交換モジュール20の数は室内熱交換モジュール10の数よりも多く、複数の室外熱交換モジュール20のうち、プライマリモードにある室外熱交換モジュール20の数はMであり、スタンバイモードにある室外熱交換モジュール20の数はNである。ここで、室内熱交換モジュール10の数は、プライマリモードにある室外熱交換モジュール20の数Mと同じ、1対1に設定され、M<6の場合はN=1、M≧6の場合はN=2となる。このように、室内熱交換モジュール10の数が多い場合(例えば、M≧6のとき)には、プライマリモードにある室外熱交換モジュール20のうち2つ以上が故障したときに、故障した室外熱交換モジュール20に対応する室内熱交換モジュール10の冷却要求を満足させ、データセンタに対する冷却システム1の冷却効果を確保する。
【0031】
1つの実施例では、図1に示すように、室外熱交換モジュール20の数は4つであってもよく、そのうち3つの室外熱交換モジュール20がプライマリモードであり、他の1つの室外熱交換モジュール20がスタンバイモードである。また、室内熱交換モジュール10の数は、プライマリモードにおける3つの室外熱交換モジュール20と1対1に対応して設定された3つであってもよく、スタンバイモードにある室外熱交換モジュール20は、プライマリモードへ切り替わる時に、3つの室内熱交換モジュール10のいずれかに接続されていてもよい。
【0032】
1つの実施形態では、図2に示すように、給気循環パイプライン22は第1の開閉バルブ224をさらに含み、当該第1の開閉バルブ224が給気循環パイプライン22を開閉にし、即ち、給気循環パイプラインをオン又はオフするためのものである。例えば、第1の開閉弁224は、電磁弁であってもよく、且つ、第1の液体ポンプ222と気体変換部223との間に設けられ、電磁弁の開閉を制御することで第1の液体ポンプ222と気体変換部223とを接続または切断するようにしてもよい。
【0033】
さらに、液体貯留部24と室内熱交換モジュール10との間に第2の液体ポンプ25と第2の開閉弁26とが設けられ、第2の液体ポンプ25は液体貯留部24内の冷媒を室内熱交換モジュール10にポンピングするために使用され、第2の開閉弁26は液体貯留部24と室内熱交換モジュール10との間の冷媒輸送管を開閉するために使用される。例えば、第2の開閉弁26は、電子膨張弁であってもよく、且つ、第2の液体ポンプ25と室内熱交換モジュール10との間に設けられており、電子膨張弁は、調節されるパラメータによって生成された電気信号を用いて、電子膨張弁に印加される電圧または電流を制御することで、第2の液体ポンプ25によって室内熱交換モジュール10に輸送される液状冷媒の流量を調節する目的を実現できることが理解されよう。
【0034】
ここで、室外熱交換モジュール20がプライマリモードにある場合は、第1の開閉弁224は閉状態であり、第2の開閉弁26は開状態である。その結果、給気循環パイプライン22が切断され、室外熱交換モジュール20が室内熱交換モジュール10に接続され、第2の液体ポンプ25及び第2の開閉弁26を介して、ガスサスペンション圧縮機21と凝縮器と室内熱交換モジュール10との間で冷媒を循環・流動させるようになっている。室外熱交換モジュール20がスタンバイモードにある場合は、第1の開閉弁224は開状態であり、第2の開閉弁26は閉状態である。これにより、室外熱交換モジュール20が室内熱交換モジュール10との接続が切断され、給気循環パイプライン22にガスサスペンション圧縮機21が接続され、第1の液体ポンプ222とガスサスペンション圧縮機21が無停電電源で連続的に給電され、これにより、エアサスペンション圧縮機21を通過した冷媒が気体供給パイプライン23内を循環・流動し、エアサスペンション圧縮機21の連続稼働が確実に行われる。
【0035】
具体的な例では、図3に示すように、圧縮装置20aは、ポンプキャビネットを含み、ガスサスペンション圧縮機21、流体液体貯留部24、および給気循環パイプライン22の一部がポンプキャビネット内に配置されている。具体的には、ポンプキャビネットは、ガス状冷媒入力端225a、液状冷媒出力端225b、ガス状冷媒出力端225c及び液状冷媒入力端225dを含み、ガス状冷媒入力端225a及び液状冷媒出力端225bは、室内熱交換器の出力端及び入力端にそれぞれ接続され、ガス状冷媒出力端225c及び液状冷媒入力端225dは、凝縮装置23の出力端及び入力端にそれぞれ接続され、且つ、給気循環パイプライン22の液体変換部221の入力端及び出力端もガス状冷媒出力端225c及び液冷媒入力端225dにそれぞれ接続され、すなわち、給気循環パイプライン22の液体変換部221が凝縮装置23と並列に設けられている。
【0036】
液体貯留部24とガス懸濁圧縮機21の入力端との間には、第1の液体ポンプ222、第1の開閉弁224、及びガス変換部223が順次接続される。また、液体貯留部24と液状冷媒の出力端との間には液体出口分岐がさらに設けられ、この液体出口分岐には第2の液体ポンプ25が設けられている。ここで、第2の液体ポンプ25は、液体貯留部24から室内熱交換モジュール10への液状冷媒の輸送効率を向上させるために2つ並列に設けられていてもよい。さらに、ガスサスペンション圧縮機21の出力端とガス状冷媒の出力端との間にはバイパス分岐が設けられており、且つ、このバイパス分岐にはバイパス弁211が設けられている。
【0037】
1つの実施形態では、凝縮装置23は、蒸発式凝縮器であってもよい。具体的には、図4に示すように、凝縮装置23は、凝縮コイル231とスプレー装置232とを含む。その中に、凝縮コイル231の入力端は圧縮装置20aの出力端に接続され、凝縮コイル231の出力端は室内熱交換モジュール10の入力端に接続される。スプレー装置232は、凝縮コイル231に冷却液をスプレーするものであり、凝縮コイル231内の高温高圧のガス状冷媒が冷却液と熱交換して、凝縮コイル231内の冷媒が気体状態から液体状態に変換される。凝縮装置23として蒸発式凝縮器を用いることで、凝縮効果が良好であり、設備コストが低いという利点がある。
【0038】
具体的な例では、蒸発式凝縮器は、スプレー装置232に接続されたスプレーポンプ233をさらに含み、スプレーポンプ233は、蒸発式凝縮器の底部の冷却液を上部のスプレー装置232にポンピングするために使用される。凝縮コイル231の入力端と出力端にはそれぞれ、遮断弁236が設けられ、当該遮断弁236は凝縮コイル231の入力端と出力端を開閉し凝縮コイル231内で冷媒と冷却液との熱交換時間を制御する。蒸発式凝縮器はさらに、蒸発式凝縮器に入力された冷却液の品質を検出するための水質センサ234と、蒸発式凝縮器内の冷却液の外部への出力を制御するためのドレン弁237とを含む。
【0039】
1つの実施形態では、冷却システム1はまた、室外熱交換モジュール20と室内熱交換モジュール10との間に接続され、室外熱交換モジュール20と室内熱交換モジュール10との間で冷媒を輸送するための冷媒輸送管網30を含む。このように、室外熱交換モジュール20をプライマリモードで冷媒輸送管網30に接続したり、スタンバイモードで冷媒輸送管網30に接続しないように制御することで、室外熱交換モジュール20をプライマリモードで室内熱交換モジュール10に接続したり、スタンバイモードで室内熱交換モジュール10に接続しなかったりすることを実現できるので、配管配置が便利であり、室外熱交換モジュール20のプライマリモードとスタンバイモードとの間の切り替えに便利である。
【0040】
一例では、図1に示すように、室内熱交換モジュール10は複数であり、冷媒輸送管網30は複数であり、複数の室内熱交換モジュール10に対応して1対1に設けられており、プライマリモードにある室外熱交換モジュール20は、冷媒輸送管網30を介して対応する室内熱交換モジュール10に接続される。スタンバイモードにある室外熱交換モジュール20は、複数の室内熱交換モジュール10の冷媒輸送管網30のいずれかに接続でき、これにより、プライマリモードにおける、ある室外熱交換モジュール20が故障した場合に、スタンバイモードにある室外熱交換モジュール20をプライマリモードに切り替えて、対応する室内熱交換モジュール10の冷媒輸送管網30に接続され、故障した室外熱交換モジュール20を交換し、室内熱交換モジュール10の冷却要求を維持して、冷却システム1の冷却効果を確保する。
【0041】
オプションとして、図1に示すように、冷媒輸送管網30は、第1の輸送管網31と第2の輸送管網32とを含み、室外熱交換モジュール20の出力端は、第1の輸送管網31を介して室内熱交換モジュール10の入力端に接続され、室内熱交換モジュール10の出力端は、第2の輸送管網32を介して室外熱交換モジュール20の入力端に接続される。1つの実施例では、第1の輸送管網31に第1の遮断弁311が設けられ、第2の輸送管網32に第2の遮断弁321が設けられており、第1の輸送管網31は、室外熱交換モジュール20から出力された液状冷媒を室内熱交換モジュール10に輸送するために使用され、液状冷媒が室内熱交換モジュール10内で熱を吸収して気化した後、ガス状冷媒が第2の輸送管網32を介して室外熱交換モジュール20に輸送され、ガス状冷媒が室外熱交換モジュール20で圧縮・凝縮された後、液状冷媒に変換され、再び第1の輸送管網31を介して室内熱交換モジュール10に輸送され、これで循環する。
【0042】
オプションとして、室外熱交換モジュール20はまた、第3の開閉弁27および第4の開閉弁28を含み、第3の開閉弁27は室外熱交換モジュール20の出力端と第1の輸送管網31との間に配置され、第4の開閉弁28は室外熱交換モジュール20の入力端と第2の輸送管網32との間に配置されている。ここで、室外熱交換モジュール20がプライマリモードにある時には、第3の開閉弁27と第4の開閉弁28の両方が開放されており、室外熱交換モジュール20がスタンバイモードにある時には、第3の開閉弁27と第4の開閉弁28の両方が閉鎖されている。ここで、第3の開閉弁27及び第4の開閉弁28は、いずれも電磁弁であってもよい。このように、室外熱交換モジュール20と第1の輸送管網31および第2の輸送管網32との接続が簡単になり、且つ、室外熱交換モジュール20は、プライマリモードとスタンバイモードとの切り替えが便利になる。
【0043】
1つの実施形態では、室内熱交換モジュール10は、複数の板状熱交換器11を含み、複数の板状熱交換器11の入力端は第1の輸送管網31に並列に接続され、複数の板状熱交換器11の出力端は第2の輸送管網32に並列に接続される。1つの実施形態では、板状熱交換器11は、板状熱交換器11がキャビネットに対する冷却効果を改善するために、データセンターのキャビネットの側壁に取り付けられてもよい。中でも、板状熱交換器11は、従来の銅管アルミフィン熱交換器であってもよいし、自動車空調分野におけるマイクロチャンネル熱交換器であってもよく、本実施例では特に限定されない。また、室内熱交換モジュール10に複数の板状熱交換器11を設けることで、室内熱交換モジュール10の熱交換面積を大きくすることができ、データセンタに対する冷却システム1の冷却効果や冷却効率を確保することができる。
【0044】
1つの実施例では、板状熱交換器11の入力端で第1の輸送管網31に接続された管路に、板状熱交換器11の入力端に入った液状冷媒の圧力および温度を監視するための圧力端センサ14および温度センサ15が設けられている。板状熱交換器11の出力端で第2の輸送管網32に接続された管路に、板状熱交換器11の出力端と第2の輸送管網42とが接続する管路を開閉にし、第2の輸送管網32に輸送されたガス状冷媒の流量を調整する、遮断ボール弁12と電子膨張弁13が設けられている。
【0045】
本開示の実施形態の冷却システム1よれば、プライマリモードとスタンバイモードとの間で切り替え可能な複数の室外熱交換モジュール20を設け、それらの室外熱交換モジュール20の一部がプライマリモードにあり、他の部分がスタンバイモードにあることにより、プライマリモードにある室外熱交換モジュール20が故障した場合に、スタンバイモードにおける室外熱交換器20に切り替えることができる。これにより、室内熱交換モジュール10への冷却能力の付与を確保し、冷却システム1の作業安定性を向上させる。さらに、スタンバイモードにある室外熱交換モジュール20の圧縮装置20aを稼働中にさせ、室外熱交換モジュール20がプライマリモードに切り替わったときの圧縮機の起動時間に起因する冷却能力の不足という技術的問題を回避することができ、これにより、室外熱交換モジュール20がプライマリモードに切り替わった最初の時点で100%の冷却能力に達することができるようにして、冷却システム1の連続的な冷却能力が確保される。
【0046】
上記の具体的な実施形態は、本開示の保護範囲の制限を構成するものではない。設計要件および他の要因に応じて、様々な変更、組み合わせ、サブ組み合わせおよび置換が行われ得ることは、当業者によって理解されるべきである。本開示の要旨および原則の範囲内で行われた修正、同等の代替、改良等は、本開示の保護範囲に含まれるものとする。

図1
図2
図3
図4
図5