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  • 特許-秤のゼロ調整をする方法および装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】秤のゼロ調整をする方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 23/36 20060101AFI20220927BHJP
   G01G 19/52 20060101ALI20220927BHJP
   G01G 11/00 20060101ALI20220927BHJP
   G01G 23/37 20060101ALI20220927BHJP
   G01G 23/01 20060101ALI20220927BHJP
【FI】
G01G23/36 B
G01G19/52 J
G01G11/00 D
G01G11/00 E
G01G23/37 B
G01G23/01 Z
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021176112
(22)【出願日】2021-10-28
(65)【公開番号】P2022071867
(43)【公開日】2022-05-16
【審査請求日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】10 2020 128 350.4
(32)【優先日】2020-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506186673
【氏名又は名称】ヴィポテック ゲーエムベーハー
【住所又は居所原語表記】ADAM-HOFFMANN STRASSE 26, 67657 KAISERSLAUTERN,GERMANY
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100093997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】ベルンド ジンケ
(72)【発明者】
【氏名】ミハエル ロスフックス
【審査官】森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05308930(US,A)
【文献】特許第6521225(JP,B2)
【文献】特許第6521224(JP,B2)
【文献】特許第6521220(JP,B2)
【文献】特開2016-102716(JP,A)
【文献】特許第5554189(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
秤(W)の、特に自動式の秤(W)の、自動的なゼロ調整をする方法であって、前記秤は計量セル(D)により担持される計量プラットフォーム(M)を含み、前記計量プラットフォーム(M)に搬送方向(X)で離散した製品(P1,P2...)が供給され、該製品が連続する計量サイクルで個別に計量される、方法において、
a)直近に前記計量プラットフォームに搬送された、特に計量された製品(P1)が前記計量プラットフォーム(M)から離脱して、搬送されるべき離散した製品により前記計量プラットフォームが負荷されなくなったときに、計量されるべき各々の製品(P1,P2...)によってそれぞれの計量サイクルの終了時にゼロ調整機能が自動的にリリースされ、
b)ゼロ調整機能が成功裏に完了する前に、後続する製品(P2,P3...)が前記計量プラットフォーム(M)に到達したときに、ゼロ調整機能が自動的に中止されて破棄されることを特徴とする方法。
【請求項2】
直接的に連続して計量ベルトに供給される2つの製品(P1,P2...)が互いの間でギャップを形成し、前記ギャップの前側の端部が前記計量プラットフォームから離脱するとただちにゼロ調整機能がリリースされることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各々の製品(P)が前側の端部を前側面(A)として有するとともに後側の端部を後側面(B)として有し、前記方法は次の各ステップを含み、
a)製品(P)が搬送方向(X)に搬送され、
b)前側面(A)または後側面(B)が前記計量プラットフォーム(M)の下流側の設定可能な目標位置(xT)に到達する時点(T)が判定され、
c)前記時点(T)に依存して前記秤(W)でのゼロ調整機能がリリースされる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記時点(T)は、搬送方向(X)で見て
a)前記計量プラットフォーム(M)の上流側に位置決めされたセンサ(S1)によって、または
b)前記計量プラットフォーム(M)の下流側に位置決めされたセンサ(S2)によって、または
c)前記計量プラットフォーム(M)に沿って位置決めされたセンサ(Se)によって判定され、
前記センサ(S1,S2,Se)は前記時点(T)を判定するために、
i)前側面(A)および/または
ii)後側面(B)
を検出することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記時点(T)は、製品長さ(L)および/または製品(P)の搬送速度および/または搬送方向における前記計量プラットフォーム(M)の長さおよび/または請求項2に記載のギャップの長さを考慮したうえで判定されることを特徴とする、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
請求項4の構成要件b)および構成要件ii)に記載されている方法。
【請求項7】
前記計量プラットフォーム(M)の上流側に位置決めされるセンサ(S1)が設けられ、前記センサ(S1)による製品(P)の前側面(A)の検出が、すでに進行しているゼロ調整機能を即座に、または設定可能な時間の後に、終了させることを特徴とする、先行請求項1-6のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記計量プラットフォーム(M)の上流側に位置決めされるセンサ(S1)が設けられる、先行請求項1-7のうちいずれか1項に記載の方法において、上流側の前記センサ(S1)が製品の前側面(A)を検出し、その時点でゼロ調整機能が進行していないときにゼロ調整機能がリリースされることを特徴とする方法。
【請求項9】
それまでアクティブであったゼロトラッキング機能が作動し得なくなった場合に、請求項1a)に記載のゼロ調整機能がモードとしてオンになることを特徴とする、先行請求項1-8のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
ゼロトラッキング機能は特に前記秤(W)のデジタル式ないしインテリジェント式の計量セルで進行し、それに対してゼロ調整機能は計量セルとは別個に構成された制御ユニット(C)で進行することを特徴とする、両方の先行請求項1-9のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
計量プラットフォーム(M)を有する自動式の秤(W)であって、前記秤(W)は計量されるべき製品(P)を搬送方向(X)で前記計量プラットフォーム(M)に運び上げ、およびこれから運び下ろすために構成され、製品(P)は搬送方向(X)で見て前側の端部を前側面(A)として有するとともに後側の端部を後側面(B)として有する、自動式の秤において、
前記秤(W)は先行方法請求項のうちいずれか1項に記載の方法を実施するために構成されることを特徴とする、自動式の秤。
【請求項12】
前記秤(W)は、X方向に搬送される製品(P)の前側面(A)および/または後側面(B)を設定可能なセンサ位置(x)または目標位置(xT)で検出するために少なくとも1つのセンサ(S1,S2,Se)を有することを特徴とする、先行請求項11に記載の自動式の秤(W)。
【請求項13】
設定可能な目標位置(XT)は前記計量プラットフォーム(M)の下流側に位置することを特徴とする、請求項3に記載の方法のための先行請求項11または12に記載の自動式の秤(W)。
【請求項14】
前記秤は、製品(P)の前側面(A)または後側面(B)が目標位置(xT)に到達する時点(T)を判定するために構成されることを特徴とする、請求項11から13のいずれか1項に記載の自動式の秤(W)。
【請求項15】
制御ユニット(C)を含み、前記制御装置(C)は少なくとも1つの前記センサ(S1,S2,Se)の信号を検出して処理するために構成され、および/または製品搬送を制御するために構成され、および/またはゼロ調整機能を実行するために構成される、請求項11から14のいずれか1項に記載の自動式の秤(W)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、秤のゼロ調整をする方法および装置に関し、秤は計量セルにより担持される計量プラットフォームを含む。この方法では、個々の製品が、その重量を判定するために計量プラットフォームに供給される。引き続いて、製品が計量プラットフォームから運び出される。このとき各々の製品が、独自の計量サイクルで計量される。順次搬送される製品の計量サイクルは、互いに時間的にすぐ連続させることができ、または、別の方法ステップを通じて時間的に互いに間隔をおいていてもよい。
【背景技術】
【0002】
秤の測定精度にとってゼロ点は、すなわち、測定されるべき荷重による計量プラットフォームへの負荷がないときの表示値は、大きな意義がある。秤のゼロ点が十分に正確に規定されていないと、もしくは大きすぎる誤差が生じていると、たとえば計量プラットフォームの上に載っている荷重がないときにゼロと相違する表示がなされ、あるいは、荷重が載っているにもかかわらずゼロの値が出力される(計量プラットフォームという用語は床下式の秤の受容手段も含むものとし、その場合には、計量されるべき荷重がこのような受容手段に懸架され、付属の計量セルは多くの場合に受容手段の上方に配置される)。
【0003】
したがって、ゼロ点について特定の基準が生じたときには、新たにゼロ点を調整することが必要である(「ゼロ調整」または「ゼロ調整プロセス」)。自動式に作業を行う秤では、このことは時間的に決められた間隔をおいて、たとえば15分ごとに、自動的に行うことができる。その代替または補足として、行われた個々の計量プロセスの回数も、ゼロ調整の必要性についての基準となり得る。予想される目標値に対する設定可能な許容範囲を超える表示値の所定の誤差も、そのような基準となり得る(たとえば、負荷のない状態で表示が0.5校正値を超えてゼロと相違している)。
【0004】
ゼロ調整では、本発明に準ずるゼロ調整機能と、ゼロトラッキング機能とを区別することができる。ゼロトラッキング機能では、継続的なプログラムループでゼロ点が恒常的に修正(トラッキング)される。校正された秤には法律上の規定があり、それによるとゼロトラッキング機能の場合、たとえば1秒(トラッキング速度)につき最大で校正値の半分の修正が許容される。このようなパラメータにより、短い時間ないし少数のステップの内部での、比較的強いゼロ点のトラッキングが防止される。これに加えてゼロ点は全体として、秤の計量範囲の最大4パーセントだけしか変化してはならない。ただしトラッキング速度には限界があるので、こうした最大値に即座に到達することはあり得ず、せいぜいのところ許容されるパラメータの枠内でしか到達することがないので、誤って判定された新たなゼロ点というリスクが低く抑えられる。
【0005】
ゼロ調整機能では事情が異なる。その場合には法律上の規定が、ただ1回の修正ステップの内部においても、計量範囲の最大4%までのゼロ点の変更を許容している。ゼロ調整機能の1つの典型的な用途は、たとえば、ばらばらのバルク材料が計量されるべき包装から出て計量プラットフォームの上に残るというケースを対象とする。こうした不足量を、引き続いての計量プロセスでの後続する容器について、即座に全面的に考慮に入れなければならない。そのためには、ただ1回のゼロ調整機能で十分であり(たとえば許容される4%のゼロ点変更の範囲内で)、それにより、場合により明らかに変更される新たなゼロ点をもって、すぐに引き続いて計量をすることができる。それに対してゼロトラッキング機能は、トラッキング速度の制約のためにそれが可能ではなく、作業ができなくなる可能性がある。
【0006】
個々の計量プロセスの前にゼロ調整機能を実行することができれば特別に好ましいはずである。そのために、独立したゼロ調整機能の作動化として、計量プラットフォームの上流側に配置された光バリアの信号を利用することができる。計量されるべき製品がこの光バリアに到達すると、ゼロ調整機能がリリースされる。製品のために計量プロセスの直前に規定されるゼロ点は、特別に正確である。しかしながらゼロ調整機能は、多くの場合に数百ミリ秒である、ある程度の時間を要する。この時間が経過するまでは、まだ製品が秤の計量プラットフォームに到達してこれを負荷してはならず、すなわちセンサと計量プラットフォームとの間には、特に搬送速度に依存する相応に十分な間隔がなければならない。
【0007】
それと同時に、連続する2つの製品の間の間隔は、先行する製品によってリリースされたゼロ調整機能が成功裏に完了する前に後続する製品がゼロ調整機能をリリースしない程度に広くなければならない。高速で連続する製品の場合-たとえば搬送速度が上昇している場合-、2つの製品の間に残されるタイムスロット(ギャップ)は完全なゼロ調整機能にとって短すぎる可能性があり、搬送速度ないし製品処理量の不都合な低減によって当該タイムスロット(ギャップ)を創出するほかない。十分な広さのギャップを製品流で的確に生成することで、連続する2つの製品の間隔を場合により意図的に広げることもできるであろう。しかしながら、センサ(およびこれと接続された制御部)が秤の上流側でギャップの到来をそれ自体として初めて「認識」できるのは、規則的に連続する2つの製品の通常の時間的間隔を超えた後になってからであり、そのため、そのときまでにすでに経過した時間はゼロ調整機能に利用することができない。このことを回避するには、秤にギャップが到来する時点を事前計算しておかなければならない。しかしこのような時点を十分に正確に事前決定できるのは、計量プラットフォームの上流側のギャップが場所と搬送速度からして既知であり、異なる製品についても変更されない場合に限られる。生産設備の運営者が、生産プロセスを通る搬送経路に沿って秤の位置を変更することもあり、そのため、秤の位置変更のたびごとに、あらためての設備のパラメータ化と使用許可テストのために貴重な生産時間が割かれてしまう。
【0008】
計量プラットフォームの上流側に取り付けられたセンサによって開始されるべきゼロ調整機能では、「ギャップ」を創出したとしても、上流側のセンサと計量プラットフォームとの間の間隔が、当該センサによりリリースされるゼロ調整機能を適時に成功裏に完了させるために、搬送速度如何によっては短すぎることがあり得るという問題が解決されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって本発明の課題は、自動式の秤の自動ゼロ調整を簡易な方式で改良するための、および、外部の状況にいっそう左右されないことによっていっそう高い信頼度で構成するための、方法および装置を提供することにあった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、請求項1に記載の方法および請求項11に記載の秤によって解決される。
【0011】
本発明の根底にある思想は、製品が計量プラットフォームから離脱するときに、ゼロ調整機能を好ましく自動的にリリースすることができるというものである。このとき本発明の方式では、製品が計量プロセスの終了時に計量プラットフォームから離脱するとただちに、ゼロ調整のために十分に広いタイムスロットが製品流で毎回生じているものとさしあたり仮想的に想定される。このような想定のもとで、各々の計量プロセスの終了時にゼロ調整機能を自動的に開始することができる。計量プラットフォームの上流側の位置への製品の到来が、ゼロ調整機の開始についての信号として援用される場合とは異なり、下流側の目標位置への製品の到来は、計量プラットフォームが無負荷になるタイムスロットないし時点の開始をただちに特徴づけるので、ゼロ調整機能もただちに開始することができる。それに対して上流側のセンサが利用されると、後続する製品が計量プラットフォームへとすでに再び接近し、その際に上流側のセンサに到達したときに初めて、ゼロ調整機能をリリースすることができる。
【0012】
したがって、先行する製品が計量プラットフォームから離脱する瞬間と、後続する製品が上流側のセンサに到達する瞬間との間の時間を、本発明に基づく方法遂行によりゼロ調整機能のために完全に利用することができる。
【0013】
通常、連続するサイクルで恒常的に、かつ各々サイクルをそのつどリリースをする物理的事象なしに行われるゼロトラッキング機能の場合とは異なり、本発明によるゼロ調整機能は、秤の通常動作中に実行される、自動的なイベントトリガー型のオートマチック機能である。このときリリースをする事象は、本発明によると、計量プラットフォームへと直近に搬送されて特に計量された製品が計量プラットフォームから離脱していて、搬送されるべき離散した製品によって計量プラットフォームが負荷されていないことによって与えられる。
【0014】
本発明による方法は、ゼロ調整機能の実行に適している前述したギャップを確実に、かつ時間最適化して「捉える」ことを可能にする。このことは、設備中で製造区間に沿って変化する可能性がある、秤の配置に関わりなく行われる。というのも、ギャップの大きさや計量プラットフォームへの到来を、上位の設備制御部により判定して秤制御部に伝えなくてよいからである。それに代えてこれを秤の内部で行うことができ、またはさらに、下流側のセンサがゼロ調整機能のリリースのために利用されれば、省略することさえできる。それによって秤がゼロ調整に関して自律的になる。
【0015】
さらに本発明によると、ゼロ調整機能が成功裏に完了する前に後続する製品が計量プラットフォームに到達したときには、ゼロ調整機能が自動的に中止されて破棄されることが意図される。そのために、たとえば計量プラットフォームの上流側に配置されたセンサを、または計量セルの計量信号そのものを、評価することができる。
【0016】
ただし計量セル(ないしその重量関連の計量信号)は、ゼロ調整機能をリリースするために、製品による計量プラットフォームからの離脱を検出するのには適していない。すなわち計量信号は、製品が計量プラットフォームから運び下ろされた後もしばらく振動を続けるため、計量プラットフォームからの離脱についての定義された信号は、計量信号からは不十分な精度でしか生起することができない。
【0017】
本発明によるとゼロ調整機能は、計量プラットフォームから離脱していく各々の製品によって、計量プラットフォームがその瞬間に他の離散した製品で負荷されていないときに開始される。ゼロ調整機能の成功裏の完了前に後続する製品が計量プラットフォームに到達すると、目下実行されているゼロ調整機能が中止されて破棄され、それにより、こうしたケースでは新たなゼロ点がセットないし定義されない(ゼロ調整機能が「成功」したとは、新たなゼロ点が規定された場合をいう)。後続するこの製品がさらに計量プラットフォームから離脱すると、ただちにゼロ調整機能があらためてリリースされる。それに対して、連続する2つの製品がそれぞれの間に、完全なゼロ調整機能のための十分に広いタイムスロットに相当する十分に広い間隔(ギャップ)を有しているときには、このタイムスロットを完全に、ないしは最初から、すなわち前の製品による計量プラットフォームからの離脱とともに、利用することができる。
【0018】
本発明の意味において、計量プラットフォームが「搬送されるべき離散した製品によって負荷されていない」とみなされるのは、通常の動作のときに-たとえば計量サイクルの内部で、またはその最後に-、たとえば計量プラットフォームから運び下ろされることによって計量プラットフォームから再び離脱するように定められている製品が、計量プラットフォーム上に載っていないときである。理想化された動作条件のもとでは、計量されるべき離散した製品だけが計量プラットフォームに運び上げられ、引き続き、これから再び運び下ろされると想定することができる。その場合、計量されてさらに運搬されるべき製品がいずれも計量プラットフォームを負荷していなければ、ゼロ調整機能をいつでも実行することができる。
【0019】
このことは、搬送されるべき他の製品の重量とは場合により重量が明らかに相違する、たとえば秤の校正値のわずか数倍のオーダーである、さらに運搬される製品にも該当する。このような製品も、通常の動作時に計量プラットフォームから再び運び下ろされるので、その(わずかな)重量が、誤ったゼロ調整器の帰結として、その後に続いて計量されるべき製品の重量値と相殺されてはならない。そのような(軽い)製品も、各々のゼロ調整機能の開始前に計量プラットフォームから離脱することを保証するために、画像認識手段または他の適切なセンサによって、計量プラットフォームへの搬入とこれからの搬出を監視することが考えられる。
【0020】
ただしこのことは、本来計量されて搬送されるべき離散した製品が上に載っていないときにも、プラットフォームが重量の力を受けることを排除するものではない。たとえば、離散した製品がセメント袋であることがあり得る。こぼれたセメントの残留物が、袋から計量プラットフォームに到達してそこにとどまっていると、このことは、それに続いて計量されてさらに搬送されるセメント袋の測定される重量値を狂わせる。それに対してゼロ調整機能(この例ではその間にセメント残留物だけが計量プラットフォームに載っている)は、計量プラットフォームの上に追加的に載置されるセメント袋の重量のみが引き続いて実際に計量されることを保証し、それに対して、変わらずに計量プラットフォームに載っているセメント残留物はもはや検出されない。それにより、洗浄目的での生産停止を回避できるという利点がある。
【0021】
本発明による方法は、製品が計量プラットフォームから離脱したときに(好ましくはそこで事前に計量された後に)、実施されるのがよい。このときゼロ調整機能のリリースは、本発明によると計量サイクルに直接的にリンクされ、ないしはその構成要素である。各々の計量サイクルの完了時に、好ましくは搬送されるべき離散した製品によって計量プラットフォームが負荷されなくなるとただちに、ゼロ調整機能が自動的に開始される。それにより、後続する製品が計量プラットフォームに到来するまでに利用できる時間が、ゼロ調整プロセスのために可能な限り最善に利用される。
【0022】
この状態は、計量プラットフォームの下流側での設定可能な目標位置(xT)を利用して、製品がこの目標位置に到達する時点を判定したうえで判定されるのが好ましい。目標位置として、製品が計量プラットフォームから離脱する、搬送経路に沿った製品の位置が選択される。この状態は、ゼロ調整機能のための貴重な時間を利用できるようにするために、可能な限り迅速に認識されるのが好ましい。したがって目標位置は、計量プラットフォームの下流側の端部の後ろにできる限り近く位置するのが好ましい。その際には、目標位置をさまざまな方式で定義ないし規定することができるように、目標位置への製品の到来をどのように決定するのがよいかを考慮すべきである。
【0023】
さしあたり、計量されるべき製品は搬送方向で見て前側の端部を前側面として有し、後側の端部を後側面として有することが前提とされる。このように前側面として理解されるのは、搬送方向で見てもっとも大きく前方に突き出している、搬送時にたとえば最初に計量プラットフォームに到達し、またはこれから離脱する製品の区域(先端、エッジ、端面など)である。それに応じて後側面は、運搬方向でもっとも後方に位置し、計量プラットフォームにたとえば最後に到達し、またはこれから離脱する製品の区域によって形成される。製品の後側面が計量プラットフォームから離脱しているときには常に、計量プラットフォームがさしあたり無負荷であり、基本的にゼロ調整機能の準備ができていると考えられる。
【0024】
前側面または後側面は、特に、好ましくは搬送方向に対して横向きに向く光バリアを用いて良好に検出することができる。センサとしてのこのような光バリアは、前側面がセンサに到達したか否か、または後側面がセンサから離脱した否かを検出することができる(光バリアが遮断または解放される)。不規則な形状の製品の場合には、製品の側面を確実に検出できるようにするために、複数のセンサが設けられていてもよい。光バリアに代えて、当業者に周知の別の種類の位置検出を適用することもできる。
【0025】
目標位置(xT)は、製品が計量プラットフォームから確実に離脱している程度に製品の前側面または後側面のいずれかが計量プラットフォームから大きく隔たっている、計量プラットフォームの下流側の位置を定義するのが好ましい。前側面が目標位置に到達する場合、製品が計量プラットフォームを完全に離脱するのは、目標位置が少なくとも製品長さの間隔をおいて計量プラットフォームの下流側で規定されているときである。後側面が目標位置に到達する場合には、製品が計量プラットフォームを離脱したはずであることがただちに明らかとなる。
【0026】
目標位置への到達は、少なくとも1つのセンサによって検出することができ、このセンサは必ずしも目標位置に配置されていなくてよい。原則としてセンサは、時間Tの判定のためにいずれの側面が検出されて評価されるかに依存して、目標位置に直接存在するか、または、目標位置の上流側の任意のセンサ位置(x)に存在していてよい。
【0027】
a)目標位置の上流側(たとえば計量プラットフォームの上流側の、またはこれに沿ったセンサ位置)に配置されるセンサは、前側面がセンサに到来したか否か、または後側面がセンサから離脱したか否かを検出することができる。後側面がセンサによって検出されて評価されるときには、搬送速度の知見のもとで、後側面が計量プラットフォームの下流側の目標位置に到達し、計量プラットフォームがゼロ調整機能を準備できる時点を計算することができる。それに対して、前側面がセンサによって検出されて評価されるときには、後側面が計量プラットフォームから離脱した時点を判定できるようにするために、搬送速度に加えて、搬送方向における製品長さも考慮しなければならない。
【0028】
b)少なくとも1つのセンサは、計量プラットフォームの下流側で規定される目標位置(xT)に直接配置されるか、もしくは、目標位置への前側面または後側面の到来を検出するように調整されるのが特別に好ましい。センサがたとえば製品の前側面を検出および評価するために意図され、目標位置が少なくとも製品長さの分だけ計量プラットフォームから間隔をおいている(およびそれに伴って十分に離れている)とき、検出された前側面の到来を、ゼロ調整機能の開始のために直接利用することができる。目標位置が計量プラットフォームのさらに近傍に位置するときには、搬送速度と製品長さとを考慮したうえで、製品が計量プラットフォームをいつ完全に離脱したかを計算してから、ゼロ調整機能を開始することができる。
【0029】
しかしながら目標位置に配置されたセンサが、製品の後側面を検出して評価するために利用されるのがきわめて好ましい。このケースでは、搬送速度も製品長さもゼロ調整機能のリリースについて何ら役割を演じないので、他のパラメータ(およびそのために必要な保存ないし検出)を考慮することなく、ゼロ調整機能をリリースするためにセンサの信号を直接利用することができる。したがってこの態様は、長さの変更がある製品が処理される生産プロセスや、変化する搬送速度あるいはさらにゼロまで低減される搬送速度が予想される生産プロセス(スタート・ストップ動作)の場合にも、特別に良く適している。
【0030】
c)本方法の別の実施形態では、センサが目標位置の下流側のセンサ位置に配置されていてもよく、そこで前側面の到来を検出することができる(この個所での後側面の検出は、ゼロ調整機能の開始が不必要に遅らせることになる)。そのためには、目標位置への到達を製品の後側面によって判定できるようにするために、センサと目標位置との間隔、製品長さ、ならびに搬送速度が既知でなければならない。
【0031】
本発明による方法は示差計量でも適用することができる。その場合、計量されるべき1列の製品が計量プラットフォームに順次供給され、同じ順序で再びこれから運び出され、複数の製品が同時に計量プラットフォームの上に存在していてもよい。そしてこの列の特定の製品の重量は、それぞれの製品が計量プラットフォームに到達する、またはこれから離脱する前と後での計量プラットフォームの負荷の差異から求められる。
【0032】
本発明の以下の説明では、計量プラットフォームに順次供給される、またはこれから運び出される、離散した個々の製品を取り上げ、常に1つの製品だけが計量プラットフォームを負荷する。示差計量についても本発明を説明するには、離散した個々の製品を、示差計量時に計量プラットフォームを介して案内される1列の製品で理論的に置き換えるだけでよい。このケースでは、本発明の意味における「製品」がセンサまたは計量プラットフォームに到達するのは、ないしこれから離脱するのは、この列の最初ないし最後の製品がそれぞれのセンサまたは計量プラットフォームに到達するとき、ないしはこれから離脱するときであり、このとき製品の列全体が、本発明の意味における離散した製品であると理解される。
【0033】
本方法の好ましい実施形態は、すでに進行しているゼロ調整機能を終了させるために、センサが計量プラットフォームの上流側に配置されることを意図する。このセンサは、計量プラットフォームに搬送されるべき製品の前側面または後側面を検出するために構成され、これに依存して(必要な場合には搬送速度および/または製品長さおよび/またはギャップの長さを考慮したうえで)、以前に開始されたゼロ調整機能を早期に中止させることができる。それにより、後続する製品が計量プラットフォームを負荷することになる間は、またはすでに負荷していて、表示値「ゼロ」のために無負荷の計量プラットフォームを前提とする測定値に影響を及ぼすことになる間は、まだ進行しているゼロ調整機能が完了されないことが保証される。
【0034】
計量プラットフォームの上流側に配置されるセンサは、代替的または追加的に、上で説明したようにゼロ調整機能をリリースできるようにするため、時点Tを決定するために利用することもできる。本発明の好ましい実施形態では、上流側のセンサへの到達は、計量プラットフォームを離脱していく製品によって本発明に基づきリリースされるゼロ調整機能に加えて行われるゼロ調整機能のリリースのために意図することもできる。このような組合せは、まず、上流側のセンサに到来した各々の製品が、当該センサから計量プラットフォームまで製品が搬送される時間がゼロ調整のために十分である場合に(かつ、計量プラットフォームがゼロ調整機能中に上述した定義の意味において無負荷であるという前提のもとで)、ゼロ調整機能をリリースすることができることにつながる。製品が計量プラットフォームから離脱すると、-請求項1に記載の条件のもとで-本発明に基づき、あらためてこの製品がゼロ調整機能をリリースする。それにより、上記の製品がゼロ調整機能を2回リリースし、すなわちそれは、製品が計量プラットフォームに搬入される前または搬入されるときに検出されたときと、計量プラットフォームから離脱するときである。
【0035】
この製品と次の製品との間のギャップが十分に広ければ、このゼロ調整機能も成功裏に完了し、そうでない場合には完了しない。そして、たとえば制御部にパラメータの形態で保存可能である設定可能な基準に従い、両方のゼロ調整機能のいずれが(ないしはその際に判定されるゼロ点のいずれが)秤の以後の動作についての基礎とされるべきかを決めることができる。
【0036】
本発明の1つの実施形態によれば、請求項1の構成要件a)に基づく基準が満たされているとき、ゼロトラッキング機能の中止をゼロ調整機能の開始のために利用することができる。このようにして、秤の作動中に少なくとも1つのゼロ調整モードが作動化されることが保証される。「ゼロ調整機能」モードから「ゼロトラッキング機能」モードへの復帰は、たとえば所定のタイムスパンの後に実行または試行することができる。そして本発明の別の実施形態によれば、継続して反復されるゼロトラッキング機能を秤の計量セルで進行させることができ、それに対してイベントトリガー式のゼロ調整機能は、計量セルとは別個に構成される制御ユニットで進行する。それにより、制御ユニットでのプログラム実行が時間的に負担軽減される。
【0037】
本発明による秤は、上に説明した方法を実施するために構成される。この秤は、計量プラットフォームと、計量プラットフォームから製品を運び下ろすための手段とを含む。計量プラットフォームの上流側で製品を引き取って計量プラットフォームへと搬送するために秤が構成されるのも好ましい。秤は、製品が計量プラットフォームから離脱したかどうかを確認し、これに依存してゼロ調整機能をリリースするために設計された少なくとも1つのセンサを含む。センサは、秤により搬送される製品の前側面および/または後側面を検出するために設計されるのが好ましく、その信号を、製品が計量プラットフォームの下流側の設定可能な目標位置(xT)に到達した時点の判定のために処理可能である。秤は、ゼロ調整機能を実行するために構成されるのが好都合である。
【0038】
秤は、少なくとも1つのセンサの信号を供給可能である、ゼロ調整機能を実行するために構成された制御ユニットも含むのが好ましい。制御ユニットは、製品が搬送される駆動装置を制御するためにも意図されていてよい。制御ユニットは、動作パラメータが一時的または恒久的に保存され、必要時に呼び出すことができる記憶装置も含むのが好ましい。このような動作パラメータには、搬送されるべき製品の搬送方向の長さを含めることができ、および、エンコーダにより検出されて信号形式で制御ユニットへ伝送することができる搬送速度も含めることができる。制御ユニットは、上位の制御ユニット、表示装置、データ記憶装置、またはプリンタなどが含まれ得る他のデータ処理機器への有線式または無線式の信号伝送のために構成されるのが好ましい。
【0039】
特に計量プラットフォームの上流側に配置されるセンサは、自動ゼロトラッキングのオンとオフを切り替えるために利用できるという利点がある。上で説明したとおり、ゼロトラッキング機能ではゼロ点の恒常的な修正が小さなステップで行われる。このときゼロ点を検出するために、計量プラットフォームの上に製品があってはならない。原則として、計量セルから出力される重量信号を評価することで、このような状態をチェックすることができる(ウェイトトリガー)。その際に問題となるのは、重量が非常に小さい製品が、規定された(たとえば校正値1eの)閾値を下回る場合があることであり、それが秤制御部によって製品として解釈されることになる。その帰結として、見分けられなかった製品のわずかな重量が、誤って気づかれることなく新たなゼロ点の形成に援用されることになる。たとえば校正値がe=50gの小包秤では、20gの手紙は製品として認識されないことになる。
【0040】
したがって本出願の1つの態様は、特に計量プラットフォームの上流側に配置されたセンサが、遅くとも製品が計量プラットフォームに到達したときにゼロトラッキング機能を不作動化するために利用される方法、およびこれを実施するために構成された装置を対象とする。このように、製品が計量プラットフォームを負荷しているか、またはこれから負荷することになるという理由からゼロトラッキング機能が中止されなければならないか否かのチェックは、計量信号の評価によってではなく、製品の存在をその重量に関わりなく特に光学式または触覚式に検出することができる他の物理的手段を利用して行われる。それにより、どのような製品でも(重量が非常に軽い製品でも)確実に検出して、ゼロトラッキング機能の制御のために考慮できることが保証される。計量プラットフォームの上流側に配置されたセンサを用いてのゼロトラッキング機能のこのような作動化または不作動化は、請求項1に記載のイベントトリガー式のゼロ調整機能から独立して進行させることもできよう。
【0041】
上記のa)で説明したように、上流側のセンサはたとえば製品の前側面または後側面を検出することができる。搬送速度の知見のもとで(前側面の検出)、またはその補足として搬送方向での製品長さの知見のもとで(後側面の検出)、製品が計量プラットフォームに到達する時点を計算することができ、それにより遅くともその時点で、進行しているゼロトラッキング機能を不作動化することができる。自動ゼロトラッキング機能はそのような中止後に、上記で主としてゼロ調整機能について説明した適切な手段(たとえば計量プレートの下流側に配置された別のセンサ)によって計量プラットフォームが製品で負荷されていないことが検知された後に、たとえば(ゼロ調整機能に準じて)再び作動化することができる。
【0042】
本件出願で挙げているセンサは、非接触式に作動するセンサ(特に光バリア、画像認識手段、X線システム、磁気システム、または誘導式および容量式のセンサ)、あるいは接触式のセンサ(特に製品により負荷される触針)などであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本発明による秤Wを示す模式的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
次に、図面の例を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
唯一の図1は、個々の製品P1、P2(全般にP)の生産プロセスに組み込まれた本発明による秤Wを模式的な側面図で示している。製品Pの重量を検出するために、これが秤に上流側の端部で搬送方向Xに(図1では左から右へ)順次供給され、計量プロセスの後に下流側の端部で運び出される。そのために必要な計量プラットフォームの上流側と下流側の搬送手段は図1では示唆されているにすぎず、詳しくは図示していない。
【0045】
秤Wは、計量セルDの上に載置された計量プラットフォームMを含んでいる。計量プラットフォームMはベルトコンベヤとして構成されており、モータFを通じて駆動可能である。計量プラットフォームMを用いて、個々の製品Pを計量プラットフォームMを介して搬送可能であり、その間にその重量を計量セルDによって検出する。
【0046】
計量されるべき製品は、搬送方向で見て前側の端部に前側面Aを有し、後側の端部に後側面Bを有する。したがって製品長さLは、搬送方向Xで見て前側面Aと後側面Bとの間の間隔に相当する。計量プラットフォームMの下流側には、計量プラットフォームMによって運び下ろされる製品Pの後側面Bを検出するために、センサS2が目標位置xTに配置されている。このセンサS2は光バリアであるのが好ましい。制御ユニットCは、センサS2から伝送された信号を検出するために構成されている。制御ユニットCは、計量セルDおよびモータFならびに図示しないエンコーダとも接続されており、さらに、表示器Eでの重量値の出力ならびにゼロ調整プロセスを制御する。その代替として、センサが計量セルに直接接続されていてよく、ゼロ調整機能を特にインテリジェント式ないしデジタル式の計量セルで直接進行させることもできる。
【0047】
本発明による方法は以下のように進行する:
計量プラットフォームによって搬送されている製品P1が、計量プロセスの後に計量プラットフォームMから離脱する。このとき製品がその後側面Bで目標位置xTに到達し、このことがセンサS2により検出されて、制御ユニットCに報知される。この時点で計量プラットフォームMは負荷されていないので(連続する製品P1,P2の間の十分に広い間隔をここではさしあたり前提とする)、制御ユニットCはゼロ調整機能をリリースして、無負荷の計量プラットフォームMのもとで、対応する表示値を「ゼロ」にセットすることができる。次の製品P2が計量プラットフォームMに到達する前に、ゼロ調整機能が完了するのが好ましい。このような次の製品P2を引き続いて計量することができる。次の製品P2の後側面Bが計量プラットフォームMの下流側の目標位置xTに到達すると、さらなるゼロ調整機能を再び開始することができる。
【0048】
本発明による方法は、連続する2つの製品の間で利用可能な時間(「ギャップ」)を、前の製品が計量プラットフォームから離脱する時点から、ないしはこの状態を反映する目標位置xTに側面(AまたはB)をもって到達した時点から、ただちにゼロ調整機能のために利用することを可能にする。そして、ゼロ調整機能を即座に開始することができる(必要に応じて、計量プラットフォームMないし計量セルDが無負荷状態に落ち着くのを待機、保証するために、追加の時間的なバッファが意図されていてよい)。
【0049】
目標位置への製品の到来(より正確には、その前側面Aまたは後側面Bの到来)を判定するのに、そのために利用されるセンサが必ずしも目標位置xTに配置されていなくてよい。それに代えて、制御ユニットに接続された、計量プラットフォームの上流側に設けられるセンサS1あるいは計量プラットフォームMに沿って配置されるセンサSeを、そのために評価することが可能である。このようなセンサによっても、ゼロ調整機能を開始するために、製品がその後側面Bをもって製品が計量プラットフォームMから離脱した時点Tを判定することができる。たとえば製品Pの前側面Aを検出するために、計量プラットフォームの上流側でセンサ位置xに配置されるセンサS1が設けられていてよい。その瞬間から製品がその後側面Bをもって計量プラットフォームから離脱するために要する時間が、センサ位置xと目標位置xTとの間の距離、搬送速度、製品長さL、および場合により低減された速度で、または動かずに製品が計量されるべき場合における搬送休止から明らかとなる。
【0050】
それと同時に、またはその代替として、センサS1は、後続する製品が計量プラットフォームまたはセンサS1自体に早期に到達したときに、まだ進行しているゼロ調整機能またはゼロトラッキング機能を本発明に基づいて中止して破棄するために利用することもできる。すなわち連続する2つの製品の間隔が、これらの間でゼロ調整機能を実行するのにしばしば十分でないことが考えられ、さらにはその蓋然性が高い。計量プラットフォームMの上流側のこのセンサS1によって、計量プラットフォームMの上流側のセンサ位置xへの後続する製品P2の到来が認識され、その間に、先行する製品P1によってリリースされたゼロ調整機能がまだ進行しているときは、このプロセスを中止することができる。こうしたケースでは、先行する製品の後にゼロ調整機能が成功裏に実行されることなしに、後続する製品P2が計量される。すなわちこの場合、本発明は高い中止率をあえて犠牲にし、その見返りとして、十分に長い各々のギャップを確実に「捉える」ことを基本とする。
【符号の説明】
【0051】
A 前側面
B 後側面
C 制御ユニット
D 計量セル
E 表示器
F モータ
L 製品長さ
M 計量プラットフォーム
P 製品
1 センサ
2 センサ
e 計量プラットフォームに沿ったセンサ
T 時点
W 秤
X 搬送方向
x センサ位置
T 目標位置
図1