(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】力作動型イヤホン
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20220927BHJP
【FI】
H04R1/10 104E
(21)【出願番号】P 2021506959
(86)(22)【出願日】2019-08-26
(86)【国際出願番号】 US2019048159
(87)【国際公開番号】W WO2020060725
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-02-09
(32)【優先日】2018-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】ハルジー ナヒド
(72)【発明者】
【氏名】トウェヒューズ ブライアン アール
(72)【発明者】
【氏名】ソンガティカマス ティーラ
【審査官】辻 勇貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-272898(JP,A)
【文献】特開2014-194591(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0025631(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0208383(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0167714(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0094389(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
力入力面を画定する筐体と、
前記筐体内に配置された第1力電極と、
前記筐体内に配設された第2力電極と、
前記第1力電極を前記筐体に向かって付勢し、入力の力が前記力入力面に印加されるとき、前記第1力電極を前記第2力電極に向かって移動させるばね部材と、
前記第1力電極と前記第2力電極との間のキャパシタンスの変化を使用して、前記入力の力の非バイナリ量を判定するように動作するコントローラと、
前記筐体内に配設されたタッチセンサと、
を備
え、
前記筐体はタッチ入力面を画定し、
前記ばね部材は、
前記タッチセンサを前記タッチ入力面に向かって付勢する第1アームと、
前記第1力電極を前記力入力面に向かって付勢する第2アームと、
を含む、電子デバイス。
【請求項2】
前記キャパシタンスは相互キャパシタンスである、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記ばね部材は、金属又はプラスチックのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記ばね部材は、M字形状の断面を有する、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項5】
力入力面を画定する筐体と、
前記筐体内に配置された第1力電極と、
前記筐体内に配設された第2力電極と、
前記第1力電極を前記筐体に向かって付勢し、入力の力が前記力入力面に印加されるとき、前記第1力電極を前記第2力電極に向かって移動させるばね部材と、
前記第1力電極と前記第2力電極との間のキャパシタンスの変化を使用して、前記入力の力の非バイナリ量を判定するように動作するコントローラと、
を備え、
前記筐体は、追加の力入力面を画定し、
第3力電極が前記追加の力入力面に隣接して前記筐体内に配設され、
第4力電極が前記筐体内に配設され、
前記コントローラは、前記第1力電極と前記第2力電極との間の前記キャパシタンス、及び前記第3力電極と前記第4力電極との間の追加のキャパシタンスを使用して、前記入力の力の前記非バイナリ量を判定するように動作する、
電子デバイス。
【請求項6】
力入力面を画定する筐体と、
前記筐体内に配置された第1力電極と、
前記筐体内に配設された第2力電極と、
前記第1力電極を前記筐体に向かって付勢し、入力の力が前記力入力面に印加されるとき、前記第1力電極を前記第2力電極に向かって移動させるばね部材と、
前記第1力電極と前記第2力電極との間のキャパシタンスの変化を使用して、前記入力の力の非バイナリ量を判定するように動作するコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、前記第1力電極と前記第2力電極との間の前記キャパシタンスの追加の変化を使用して、前記力入力面以外の前記筐体の領域に印加される追加の力を判定するように動作する
、電子デバイス。
【請求項7】
前記領域は、前記力入力面に直交し、
前記キャパシタンスの前記追加の変化は、前記キャパシタンスの前記変化と反対である、請求項
6に記載の電子デバイス。
【請求項8】
筐体と、
前記筐体に力が印加されたときに移動する前記筐体内に配設されたばね部材と、
前記筐体上のタッチを検出するように構成された、前記ばね部材に連結されたタッチセンサと、
前記ばね部材に連結された力センサと、
前記力センサ及び前記タッチセンサを使用して前記力の量を判定するコントローラと、
を備える、イヤホン。
【請求項9】
前記タッチは前記筐体の第1の領域上にあり、前記力は前記筐体の第2の領域に印加される、請求項
8に記載のイヤホン。
【請求項10】
前記第1の領域は前記第2の領域の反対側に位置する、請求項
9に記載のイヤホン。
【請求項11】
前記第1の領域及び前記第2の領域は両方とも、前記イヤホンの使用中のユーザの頭部から約90度に位置付けられる、請求項
9に記載のイヤホン。
【請求項12】
前記タッチセンサは、前記第2の領域上のタッチを検出するように動作不能である、請求項
9に記載のイヤホン。
【請求項13】
前記コントローラは、複数の異なる種類の入力として前記力を解釈するように動作する、請求項
8に記載のイヤホン。
【請求項14】
スピーカと、
前記スピーカから延びたステムであって、
タッチ
入力面と、
前記タッチ入力面と反対側の力入力面と、
を画定するステムと、
を含む筐体と、
前記筐体内に配設され、
第1回路区画と、
第2回路区画と、
第3回路区画と、
を含むフレキシブル回路であって、
前記フレキシブル回路は、
力が前記力入力面に印加されるときは、前記第3回路区画に向かって、
前記力がもはや印加されていないときは、前記第3回路区画から離れて、
前記第2回路区画を移動させるように屈曲し、
前記第1回路区画を使用して検出された第1の相互キャパシタンスにおける第1の変化を使用して、前記タッチ入力面へのタッチを、並びに、前記第2回路区画及び前記第3回路区画を使用して検出された第2の相互キャパシタンスにおける第2の変化を使用して、前記力の非バイナリ量を、判定するように動作する、前記筐体内に配設されたコントローラと、
を備える、イヤホン。
【請求項15】
前記コントローラは、前記第2回路区画及び前記第3回路区画を使用して、前記タッチを判定する際の前記力の前記非バイナリ量を判定する、請求項
14に記載のイヤホン。
【請求項16】
前記筐体内に配設されたアンテナを更に備え、
前記フレキシブル回路は前記アンテナに搭載される、
請求項
14に記載のイヤホン。
【請求項17】
前記スピーカは音響ポートを画定し、
前記タッチ入力面及び前記力入力面は、前記音響ポートに実質的に直交する、
請求項
14に記載のイヤホン。
【請求項18】
前記コントローラは、前記力が印加される時間を判定する、請求項
14に記載のイヤホン。
【請求項19】
前記コントローラは、前記力を、
前記力の前記非バイナリ量が力閾値未満の場合は、第1の入力として、及び
前記力の前記非バイナリ量が前記力閾値を少なくとも満たす場合は、第2の入力として、
解釈する、請求項
14に記載のイヤホン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
特許協力条約に基づく本出願は、2019年8月13日に出願された「Force-Activated Earphone」と題する米国特許非仮出願第16/539,515号、及び、2018年9月21日に出願された「Force-Activated Earphone」と題する米国特許仮出願第62/734,389号の優先権を主張しており、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
記載される実施形態は概ね、イヤホンに関する。より具体的には、本実施形態は、力作動型イヤホンに関する。
【背景技術】
【0003】
イヤホンは、多くの場合、ユーザの周りの人々を過度に邪魔せずに、音声出力を電子デバイスのユーザに提供するために使用される。例えば、パーソナル電子デバイス(コンピューティングデバイス、デジタルメディアプレーヤ、音楽プレーヤ、トランジスタラジオなど)用のヘッドセットは典型的には、一対のイヤホンを含む。これらのイヤホンは、通常、ユーザの耳を覆うイヤカップで、又はユーザの耳で音響チャンバを形成するためにユーザの外耳道に挿入されるイヤピース若しくはスピーカで構成される。イヤホンは、典型的には、1つ以上の音響ポートを通じて音響チャンバ内に伝達される音響波を生成する。このようにして、ユーザは、ユーザの周りの環境内の人々を過度に邪魔せずに音声出力を聞くことができる。
【0004】
このような多くのイヤホンは、入力デバイスを含まない。その代わりに、そのようなイヤホンは、イヤホンが有線又は無線で連結され得る外部電子デバイスに組み込まれた入力デバイスを使用して制御され得る。
【0005】
他のイヤホンは、1つ以上の入力デバイスを含み得る。例えば、イヤホンは、1つ以上のボタン、ダイヤル、スイッチ、スライダなどで構成される場合がある。このような入力デバイスは、イヤホンを作動する(例えば、それに入力を提供する)ために使用される場合がある。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、イヤホンなどの力作動型電子デバイスに関する。イヤホンの筐体によって画定される力入力面に印加される力の非バイナリ量は、第1力電極と第2力電極との間の相互キャパシタンスの変化を使用して判定可能である。筐体内に配設されたばね部材は、第1力電極を筐体に向かって付勢し、力が印加されるとき、それを第2力電極に向かって移動させることができる。いくつかの実装形態では、イヤホンは、筐体によって画定されたタッチ入力面上のタッチを検出することができる。このような実装形態の様々な実施例では、イヤホンは、タッチの検出時に、力の非バイナリ量を判定することができる。特定の実施形態では、第1及び第2力電極は、単一のフレキシブル回路の別々の区画を使用して実装されてもよい。このフレキシブル回路は、力が印加されると、第1力電極を第2力電極に向かって移動させるように屈曲することができる。このフレキシブル回路はまた、力がもはや印加されないとき、第1力電極を第2力電極から離れるように移動させるように屈曲することができる。
【0007】
様々な実施形態では、電子デバイスは、力入力面を画定する筐体と、筐体内に配設された第1力電極と、筐体内に配設された第2力電極と、第1力電極を筐体に向かって付勢し、入力の力が力入力面に印加されると、第1力電極を第2力電極に向かって移動させるばね部材と、コントローラと、を備える。コントローラは、第1力電極と第2力電極との間のキャパシタンスの変化を使用して、入力の力の非バイナリ量を判定するように動作する。
【0008】
いくつかの実施例では、電子デバイスは、筐体内に配設されたタッチセンサを更に含む。このような実施例のいくつかの実装形態では、筐体はタッチ入力面を画定し、ばね部材は、タッチセンサをタッチ入力面に向かって付勢する第1アームと、第1力電極を力入力面に向かって付勢する第2アームと、を含む。様々な実施例では、キャパシタンスは相互キャパシタンスである。
【0009】
様々な実施例では、ばね部材は、金属又はプラスチックのうちの少なくとも1つである。多くの実施例では、ばね部材は、M字形状の断面を有する。
【0010】
いくつかの実施例では、筐体は追加の力入力面を画定する。このような実施例のいくつかの実装形態では、第3力電極は、追加の力入力面に隣接して筐体内に配設され、第4力電極が筐体内に配設される。このような実装形態では、コントローラは、第1力電極と第2力電極との間のキャパシタンス、及び第3力電極と第4力電極との間の追加のキャパシタンスを使用して、入力の力の非バイナリ量を判定するように動作する。
【0011】
多くの実施例では、コントローラは、第1力電極と第2力電極との間のキャパシタンスの更なる変化を使用して、力入力面以外の筐体の領域に印加される追加の力を判定するように動作する。領域は力入力面に直交してもよく、キャパシタンスの追加の変化は、キャパシタンスの変化と反対であってもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、イヤホンは、筐体と、力が筐体に印加されたときに移動する筐体内に配設されたばね部材と、筐体上のタッチを検出するように構成されたばね部材に連結されたタッチセンサと、ばね部材に連結された力センサと、コントローラと、を含む。コントローラは、力センサ及びタッチセンサを使用して力の量を判定する。
【0013】
いくつかの実施例では、タッチは筐体の第1の領域上にあり、力は筐体の第2の領域に印加される。そのような様々な実施例では、第1の領域は第2の領域の反対側に位置する。いくつかのそのような実施例では、第1の領域及び第2の領域は両方とも、イヤホンの使用中にユーザの頭部から約90度に位置付けられる。
【0014】
様々な実施例では、タッチセンサは、第2の領域上のタッチを検出するように動作不能である。いくつかの実施例では、コントローラは、複数の異なる種類の入力として力を解釈するように動作する。
【0015】
多くの実施形態では、イヤホンは、筐体と、筐体内に配設されたフレキシブル回路と、筐体内に配設されたコントローラと、を含む。筐体は、スピーカと、スピーカから延在し、タッチ入力面及びタッチ入力面の反対側の力入力面を画定するステムと、を含む。フレキシブル回路は、第1回路区画と、第2回路区画と、第3回路区画と、を含む。フレキシブル回路は、力が力入力面に印加されたとき、第2回路区画を第3回路区画に向かって移動させ、力がもはや印加されていないとき、それを第3回路区画から離れて移動させるように屈曲する。コントローラは、第1回路区画を使用して検出された第1の相互キャパシタンスにおける第1の変化を使用して、タッチ入力面へのタッチを、並びに、第2回路区画及び第3回路区画を使用して検出された第2の相互キャパシタンスにおける第2の変化を使用して、力の非バイナリ量を、判定するように動作する。
【0016】
いくつかの実施例では、コントローラは、第2回路区画及び第3回路区画を使用して、タッチを判定する際に力の非バイナリ量を判定する。多くの実施例では、イヤホンは、筐体内に配設されたアンテナを更に含む。フレキシブル回路は、アンテナに搭載されてもよい。いくつかの実施例では、スピーカは、音響ポートを画定し、タッチ入力面及び力入力面は、音響ポートに実質的に直交する。
【0017】
様々な実施例では、コントローラは、力が印加される時間を判定する。いくつかの実施例では、コントローラは、力の非バイナリ量が力閾値未満の場合は、力を第1の入力として解釈し、力の非バイナリ量が少なくとも力閾値を満たす場合には第2の入力と解釈する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本開示は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明によって容易に理解され、同様の参照番号は同様の構造要素を示す。
【
図1A】電子デバイス内に実装され得る例示的な構成要素間の例示的な機能的関係を示すブロック図である。
【
図1C】
図1Bの例示的な電子デバイスを使用したユーザを示す。
【
図1D】ユーザの外耳道とともに音響チャンバを形成する
図1Cの電子デバイスを示す。
【
図2B】力が入力面に印加されたときの
図2Aの電子デバイスを示す。
【
図3A】
図2Aに示す電子デバイスを実装するために使用され得る例示的なフレキシブル回路の第1の面を示す。
【
図3B】
図3Aの例示的なフレキシブル回路の第2の面を示す。
【
図4】筐体が取り外された
図2Aの電子デバイスのアセンブリを示す。
【
図5】
図2Aに示すタッチセンサを実装するために使用され得る例示的な積層体を示す。
【
図6】
図2Aに示す力センサを実装するために使用され得る例示的な積層体を示す。
【
図7】
図2Aの電子デバイスの第1の代替例を示す。
【
図8】
図2Aの電子デバイスの第2の代替例を示す。
【
図9】
図2Aの電子デバイスの第3の代替例を示す。
【
図11】力センサを含むデバイスを動作させるための例示的な方法を示すフローチャートを示す。本方法は、
図1A~
図2Bの電子デバイスを使用して実行することができる。
【
図12】電子デバイスを組み立てるための例示的な方法を示すフローチャートを示す。本方法は、
図2Aの電子デバイスを組み立てることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで、添付図面に図示される代表的な実施形態が詳細に説明される。以下の説明は、これらの実施形態を1つの好ましい実施形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。反対に、以下の説明は、添付の特許請求の範囲により画定される記載された実施形態の趣旨及び範囲に含むことができるような、代替形態、修正形態及び均等物を包含することを意図している。
【0020】
以下の説明は、本開示の様々な要素を具現化する例示のシステム、方法、装置及び製品を含む。しかし、説明する開示は、本明細書に記載されたものに加えて、各種形態で実施することができることを理解されたい。
【0021】
筐体面に配設された、又はそれを通じてアクセス可能な機械式入力デバイス(例えば、ボタン、ダイヤル、スイッチ、スライダなど)を含むイヤホンは、イヤホンが装着されている間にユーザが機械的入力デバイスを見ることができないため、操作することが困難な場合がある。いくつかのイヤホンは、ユーザからの1つ以上のタップを検出する入力機構を使用することで、これを解決しようとすることがある。しかしながら、ユーザは、ボタンを見つけ、押下するよりも、タップすることで容易にイヤホンを作動する(例えば、入力を提供する)ことができる場合があるが、イヤホンをタップすることによって音が伝わる場合がある。これは、ユーザにとって不快な場合がある。これは、イヤホンによって生成された音声出力を妨害する場合もある。更に、イヤホンが1つ以上のマイクロフォンを含む実装形態では、タップをマイクロフォンが拾う場合がある。
【0022】
以下の開示は、イヤホンなどの力作動型電子デバイスに関する。実施形態は、第1力電極と第2力電極との間のキャパシタンスの変化を測定することによって、筐体上の力入力面に印加される力の非バイナリ量を推定又は判定することができる。筐体内のばね部材は、第1力電極を筐体に向かって付勢し、力が印加されたときにそれを第2力電極に向かって移動させる。このようにして、イヤホンは、外部機械式入力デバイスを必要とせずに、若しくはそれを使用せずに、かつ/又はタップせずに、力によって作動することができる。
【0023】
いくつかの実装形態では、イヤホンは、筐体のタッチ入力面上のタッチを検出することができる。いくつかの実施形態では、イヤホンは、タッチの検出時の非バイナリ量の入力の力を判定することができる。このようにして、イヤホンは、力判定がより頻繁に実行される実装形態によって電力使用量を改善することができる。例えば、イヤホンは、バッテリ給電式デバイスであってもよく、改善された電力使用量により、バッテリ寿命が改善され得る。他の実装形態では、イヤホンは、タッチセンサ及び力センサの両方からの信号を使用して、タッチも検出されたとき、検出された力のみを使用して印加された力を判定することができる。
【0024】
特定の実施形態では、第1及び第2力電極は、単一のフレキシブル回路の別々の区画として実装されてもよい。このフレキシブル回路は、力が印加されると、第1力電極を第2力電極に向かって移動させるように屈曲することができる。このフレキシブル回路はまた、力がもはや印加されないとき、第1力電極を第2力電極から離れるように移動させるように屈曲することができる。
【0025】
特定の実施形態では、イヤホンは、ステムの第1の側面上のタッチ及びステムの他方の側面の力を検出することができる。タッチ及び力が検出される側面は、ユーザがユーザの指の間でステムを押し込むときに、同時に両側面に接触できるように、(180度に向いた)互いに対して反対かつ実質的に直交してもよい。イヤホンは力を判定し、タッチが検出された場合に、力を使用することができ、タッチが検出されない場合には、判定された力を無視する場合がある。このようにして、イヤホンは、2つの側面のタッチ及び力の検出をともに使用し、イヤホンの動作を制御することができる。
【0026】
いくつかの実施例では、ユーザの頭部と、タッチ及び/若しくは力を検出するために使用される1つ以上のセンサとの間の干渉を防止又は軽減するために使用されるとき、2つの側面は、ユーザの頭部又は他の身体部分から実質的に垂直(90度)に向いてもよい。例えば、この向きにより、イヤホンの使用中に、2つの側面がユーザの頭部又は顔に触れることを防止することができる。ユーザの頭部又は顔が2つの側面に触れることにより、入力として誤って解釈される場合がある。したがって、この向きにより、使用中にユーザの頭部又は顔が2つの側面に触れることを防止することで、誤った入力を低減することができる。
【0027】
しかし、これは例示であることが理解される。様々な実装形態では、側面は、他の構成で構成されてもよい。例えば、2つの側面は、ユーザがイヤホンを着用しているときに、互いから45度離れて、かつユーザからそれぞれ135度離れて位置付けられてもよい。
【0028】
以下に、これらの実施形態及び他の実施形態を、
図1A~
図9を参照して考察する。しかしながら、当業者であれば、これらの図に関して本明細書により与えられた詳細な記述は、説明目的のものに過ぎず、限定するものとして解釈されるべきではないことを容易に理解するであろう。
【0029】
図1Aは、電子デバイス101を実装するために使用され得る例示的な構成要素間の例示的な機能的関係を示すブロック図を示す。電子デバイス101は、電子デバイス101に作用する様々なタッチ及び/又は力を入力として解釈するように動作するコントローラ132を含んでもよい。例えば、電子デバイス101は、筐体上に画定された1つ以上の入力面を有するイヤホンであってもよい。コントローラ132は、1つ以上のタッチセンサ130及び/又は力センサ131を使用して、1つ以上の入力面へのタッチ、入力面の1つ以上に印加された力などを検出することができる。例えば、電子デバイス101は、1つ以上の相互キャパシタンスタッチセンサ、自己キャパシタンスタッチセンサ、相互キャパシタンス力センサ、自己キャパシタンス力センサ、ひずみゲージ、光学センサ、圧力センサ、近接センサ、スイッチ、温度センサ、ドームスイッチ、変位センサなどを含んでもよい。
【0030】
電子デバイス101はまた、アンテナ106、1つ以上の非一時的記憶媒体180(これは、磁気記憶媒体、光記憶媒体、光磁気記憶媒体、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、消去可能プログラマブルメモリ、フラッシュメモリなどの形態をとることができるが、これらに限定されない)、及び/又は1つ以上の他の構成要素も含むことができる。コントローラ132は、タッチを検出するためにタッチセンサ130を使用する、印加力を検出するためにタッチセンサ131を使用する、関連するデバイスと通信するためにアンテナ106を使用するなど、様々な機能を実行するための非一時的記憶媒体180に格納された命令を実行することができる。
【0031】
図1Bは、電子デバイス101の例示的な実装形態を示す。図示されるように、いくつかの実装形態では、電子デバイス101はイヤホンであってもよい。この例では、電子デバイス101はワイヤレスイヤホンである。しかし、それは例示であることが理解される。様々な実装形態では、電子デバイス101は、モバイルコンピューティングデバイス、スタイラスなどの任意の種類の電子デバイスであってもよい。様々な構成が可能であり意図されている。
【0032】
電子デバイス101は、スピーカ102及びステム103を含む筐体を含んでもよい。ステム103は、入力面104a、104bを画定することができる。ユーザは、入力面104a、104bのうち1つ以上にタッチする、それを押圧する、保持する、押し込む、及び/又は他の方法で相互作用することができる。これにより、ユーザは、電子デバイス101を作動させることが、かつ/若しくは別の方法で電子デバイスへタッチ、力、及び/又は他の入力を提供することが可能になり得る。
【0033】
スピーカ102は、ユーザの耳と協働して音響チャンバを画定することができる。いくつかの実装形態では、スピーカ102はまた、マイクロフォン音響ポート105を含んでもよい。
【0034】
図示されるように、入力面104a、104bは、ステム103の反対側面(すなわち、互いに反対側に位置する)上に画定され得る。入力面104a,104bを互いに対して位置決めすることにより、入力面104a、104bを押し込むことによって力を印加することができる。
図1Aに関して上記したように、電子デバイス101は、入力面104a、104bのうちの1つ以上に印加されたタッチ及び/又は力を検出するための多数の異なるセンサを含んでもよい。
【0035】
例えば、電子デバイス101は、1つ以上の入力面104a、104bに印加された非バイナリ量の力を検出することができる。電子デバイス101は、力が印加されているか否かのバイナリ検出だけではなく、力の量の範囲内で印加される力の量を判定するように動作するため、検出される力の量は非バイナリであってもよい。電子デバイス101は、力の量が力閾値未満の場合、印加された力を第1の入力として解釈することができる。しかし、電子デバイス101は、力の量が力閾値を少なくとも満たす場合には、力を第2の入力として解釈することができる。
【0036】
いくつかの実施例では、電子デバイス101は、タッチ又は印加された力に関する他の情報を判定することができる。例えば、電子デバイス101(又はコントローラ又はその他の処理ユニット)は、力が印加される時間も判定することができる。電子デバイス101は、長期間印加される力を、印加された後直ちに解放される力とは異なる入力として解釈することができる。このような実施例では、電子デバイス101は、印加される力の量、力が印加される時間、力が印加される方向、及び/又は印加された力の他の態様に応じて、印加された力を、複数の異なる種類の入力として解釈してもよい。
【0037】
いくつかの実装形態では、入力面104a、104bは、ステム103内の窪みであってもよい。これにより、ユーザを入力面104a、104bに案内するための物理的手がかり(cue)を与えることができる。しかし、これは例示であることが理解される。他の実装形態では、入力面104a、104bは、本開示の範囲から逸脱することなく、他の方法で構成されてもよい。例として、他の実装形態では、入力面104a、104bは、本開示の範囲から逸脱することなく、ステム103の隆起部、ステム103の稜線などであってもよい。
【0038】
例えば、いくつかの実装形態では、入力面104a、104bは、ステム103からの突出部として構成されてもよい。他の実装形態では、入力面104a、104bは、ステム103の他の区画と物理的に連続していてもよいが、ステム103の他の区画とは異なる色で示されてもよい。更に他の実装形態では、入力面104a、104bは、ステム103の他の区画から視覚的に区別できなくてもよい。様々な構成が可能であり意図されている。
【0039】
いくつかの実施例では、電子デバイス101は、力センサ及びタッチセンサの両方を含んでもよい。例えば、力センサは、入力面104a、104bのうちの一方に隣接して位置付けられてもよく、タッチセンサは、入力面104a、104bの他方に隣接して位置付けられてもよい。したがって、電子デバイス101は、入力面104a、104bへのタッチ及び力の両方を判定するように動作し得る。
【0040】
様々な実施例では、電子デバイス101は、力センサを使用して、タッチの検出時にのみ印加される力の非バイナリ量を判定することができる。これにより、ユーザ以外の物体が筐体に力を及ぼし得る際の誤った読み取りを防止することができる。これにより、また、より多く又は連続して力センサを動作させるのと比較して、電力消費を低減することができる。電子デバイス101が1つ以上のバッテリによって電力供給され、かつ/又はそうでなくても持ち運び可能である実施例では、このように低減された電力消費により、バッテリ及び/又は他の構成要素の寿命を節約することができる。
【0041】
他の実施例では、電子デバイス101は、力センサ及びタッチセンサを使用して力の量を判定することができる。例えば、電子デバイス101は、タッチが検出されたか否かにかかわらず力センサを使用することができるが、タッチが検出されたときに力センサからの信号のみを使用してもよい。
【0042】
更に他の実施例では、力センサは、入力面104a、104bの両方に隣接して位置付けられてもよい。力センサは、異なる電力レベルで動作することができる。力センサが動作する電力レベルが高いほど、力センサからの力データの信号対雑音比が高くなり得る。逆に、力センサが動作する電力レベルが低くなるほど、力データの信号対雑音比が低くなり得、結果として、より高いノイズにより力データの精度が低くなる。より高い信号対雑音比は望ましいが、より高い電力は望ましくない。この実施例では、2つの力センサからの力データを評価して、印加された力の非バイナリ量を判定することができるので、力センサは、それほど正確ではないが低電力を使用する方法で動作することができる。これは、個々の力センサの低電力動作にもかかわらず、より高い信号対雑音比の力データを組み合わせることができることに起因し得る。複数のセットの力データを使用することにより、それほど正確ではないが低電力で動作するどちらか一方の力センサをそれぞれに補うことができる。
【0043】
更に他の実施例では、複数の力センサは、それらのデータを平均化することによって信号対雑音比を増加させること以外の目的で使用されてもよい。例えば、複数の力センサからのデータにより、力ベクトル情報の判定が可能になることがある。換言すれば、複数の力センサにより、力の大きさ及び方向の両方の判定が可能になることがある。この力ベクトル情報は、入力を提供する意図的な力の印加と、ユーザが電子デバイス101の位置を調整するなどの偶発的な力の印加とを見分けるために使用されてもよい。本開示の範囲から逸脱することなく、種々の構成が可能であり、企図される。
【0044】
図示されるように、入力面104a、104bは、マイクロフォン音響ポート105と実質的に直交してもよい。これにより、電子デバイス101の使用中に入力面104a、104bがユーザの頭部に触れるのを防止することができる。
【0045】
図1Cは、
図1Bの例示的な電子デバイス101を使用したユーザ190を示す。図示するように、ユーザは、ユーザの指と親指との間で入力面104a、104bを押し込むことで、同時に入力面104a、104bをタッチし力を加えることができる。また図示するように、入力面104a、104bは、電子デバイス101の使用中にユーザの頭部との接触を防止するように配置される。
【0046】
図1Dは、ユーザ190の外耳道192とともに音響チャンバ191を形成する電子デバイス101を示す。音響チャンバ191は、ユーザ190の外耳道192の一方の側で電子デバイス101のスピーカ102によって、及び、ユーザ190の外耳道192の他方の側でユーザ190の鼓膜193によって、画定されてもよい。電子デバイス101は、出力音響ポート121を通して音響波を音響チャンバ191内に伝達することができる。このようにして、ユーザ190は、ユーザ190の周囲の環境内の人々を過度に邪魔せずに音波を聴くことができる。
【0047】
図2Aは、
図1Bの線A-Aに沿った電子デバイス101の例示的な断面図を示す。ステム103内に配設されたアセンブリ170は、フレキシブル回路108、ばね部材109、取り付けばね部材107、アンテナ106、及びコントローラ132を含み得る。
【0048】
フレキシブル回路108は、入力面104aに隣接するタッチセンサ130、及び入力面104bに隣接する力センサ131を形成してもよい。したがって、入力面104aはタッチ入力面であってもよく、入力面104bは力入力面であってもよい。
【0049】
様々な実装形態では、力入力面に印加される力は、タッチ入力面へのタッチの検出時に判定又は推定され得る。これにより、力検出が絶えず、又はより頻繁に実行される実装形態によって電力消費が低減され得る。
【0050】
他の実施例では、力センサ131及びタッチセンサ130を使用して力の量を判定することができる。例えば、タッチセンサ131は、タッチが検出されたか否かにかかわらず動作されてもよいが、力センサ131からの信号は、タッチセンサ130がタッチを検出したときだけ使用することができる。これにより、ユーザが意図的に力を印加したことが保証され得る。
【0051】
フレキシブル回路108は、互いに接続された複数の回路区画を含み得る。例えば、図示するように、フレキシブル回路108は、第1回路区画111、第2回路区画113、及び第3回路区画112を含み得る。タッチセンサ130は、第1回路区画111によって形成され得る。力センサ131は、第2回路区画113及び第3回路区画112によって形成され得る。
【0052】
フレキシブル回路108は、力が力入力面などの筐体に印加されると、第2回路区画113を第3回路区画112に向かって移動させるように、屈曲、湾曲、又は他の方法で変形することができる。これにより、第2回路区画113と第3回路区画112との間の間隙114(空隙であってもよいし、そうでなければ、シリコーンなどの誘電材料で充填されてもよい)が縮小され得る。フレキシブル回路108はまた、力がもはや印加されないとき、第2回路区画113を第3回路区画112から離れさせるように、屈曲、湾曲、又は他の方法で変形することができる。
図2Bは、力が入力面104a、104bに印加されたときの
図2Aの電子デバイス101を示す。
【0053】
図2A及び
図2Bを参照すると、ばね部材109がステム103内に配設され得る。ばね部材109は、第2回路区画113をステム103の力入力面に向かって付勢することができる。換言すれば、ばね部材109は、力がない場合は、第2回路区画113を(図示する)初期位置に維持することができ、ステム103を移動させる力が印加されたときには第2回路区画113を移動させ、力がもはや印加されないときには第2回路区画113を初期位置に戻させる。ばね部材109はまた、第1回路区画111をステム103のタッチ入力面に向かって付勢することができる。
【0054】
ばね部材109は、ねじりばね及び/又は任意の他の種類のばねであってもよい。ばね部材109は、金属、プラスチック、これらの組み合わせなどで形成されてもよい。ばね部材109は、ばね部材109がM字形状の断面を有することができるように、第1アーム110a及び第2アーム110bを含んでもよい。第1アーム110aは、第1回路区画111をステム103のタッチ入力面に向かって付勢することができる。第2アーム110bは、第2回路区画113をステム103の力入力面に向かって付勢することができる。他の実装形態では、ばね部材109は、ばね部材109がC字形の断面、U字形の断面などを有する実施形態など、他の方法で成形されてもよい。
【0055】
フレキシブル回路108の様々な部分は、ばね部材109に連結又は接続されてもよい。例えば、接着剤により、フレキシブル回路108をばね部材109に連結し、第1回路区画111を第1アーム110aに連結し、第2回路区画113を第2アーム110bに連結することができる。
【0056】
図示するように、第1回路区画111は、第1アーム110aとステム103の内部表面171との間に位置付けられる。同様に図示されるように、第2アーム110bは、第2回路区画113とステム103の内部表面171との間に位置付けられて示されている。しかし、これらは例示である。様々な実装形態では、これらの位置は、逆であってもよく、かつ/又は、本開示の範囲から逸脱せずに、別の方法で変更されてもよい。
【0057】
フレキシブル回路108及びばね部材109のこうした構成により、タッチセンサ130及び/若しくは力センサ131を、積層せずに、かつ/又は他の方法でステム103に固定せずに、ステム103の内部に配設することが可能になり得る。これにより、電子デバイス101の製造を簡略化することができる。
【0058】
フレキシブル回路108は、例えば、接着剤を使用して、取り付けばね部材107(ばね部材109はフレキシブル回路108を取り付けるのではなく移動を容易にするため、ばね部材109は移動ばね部材である)、又は他の取り付け部材に連結されてもよい。取り付けばね部材107は、アンテナ106の周りをクランプしてもよく、又は別の方法で取り付けてもよい。アンテナ106は、その上に配設された導電性材料(金、銀、銅、合金など)から成るアンテナ共振器を有するアンテナキャリアを含むアセンブリであってもよい。アンテナ106は、ステム103によって適所に保持され得る。アンテナ106に連結されることにより、(取り付けばね部材107、フレキシブル回路108、及びばね部材109などの)他の要素も、適所に保持され得る。
【0059】
上記は、アンテナ106の周囲に取り付けられた取り付けばね部材107を図示し説明しているが、これは例示であることが理解される。他の実装形態では、取り付けばね部材107及び/又は他の要素(例えば、フレキシブル回路108、ばね部材109など)は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の構成要素に取り付けられてもよい。例えば、いくつかの実装形態では、電子デバイス101は、バッテリパックを含んでもよい。そのような実装形態では、取り付けばね部材107は、バッテリパックに取り付けられてもよい。
【0060】
図2A及び
図2Bに関して、コントローラ132、又は他のプロセッサ若しくは処理ユニット(又は他の制御回路)もステム103内に配設されてもよい。コントローラ132は、フレキシブル回路108の様々な部分に電気的に、かつ/又は他の方法で通信可能に連結されてもよい。コントローラ132は、タッチセンサ130からのタッチデータを受信及び/又は評価し、力センサ131からの力データを受信及び/又は評価し、タッチデータを使用して1つ以上のタッチを判定し、力データ(及び/又は力が印加される持続時間などの力についての他の情報)を使用して、印加された力の非バイナリ量を判定するなど、することができる。コントローラ132は、コントローラ132によって実行可能な命令を記憶することができる非一時的記憶媒体に接続されてもよい。
【0061】
様々な実装形態では、タッチセンサが、ステム103又は(入力面104aなどの)筐体の他の部分上のタッチを検出したとき、コントローラ132は、力センサ131のみを使用して、ステム103又は(入力面104bなどの)筐体の他の部分に印加された力を検出することができる。いくつかの実施例では、タッチは筐体の第1の領域上にあり、力は筐体の第2の領域に印加される。様々な実施例では、第1の領域は、第2の領域の反対側に位置する。多くの実施例では、第1の領域及び第2の領域は両方とも、イヤホンの使用中にユーザの頭部から約90度に位置付けられる。様々な実施例では、タッチセンサ130は、第2の領域へのタッチを検出するように動作不能である。多くの実施例では、コントローラ132は、複数の異なる種類の入力として力を解釈するように動作する。
【0062】
上記では、入力面104a、104bへのタッチ及び/又はそれらに印加される力としての入力を図示し説明したが、これは例示であることが理解される。様々な実装形態では、電子デバイス101は、本開示の範囲から逸脱することなく、筐体の他の部分へのタッチ及び/又はそれに印加された力を検出するように動作可能であってもよい。
【0063】
例えば、ステム103は、力が入力面104a104bに直交する領域に印加されると、移動する場合がある。これにより、間隙114を減少させる代わりに増加させることができる。それにもかかわらず、これにより、第2回路区画113と第3回路区画112との間のキャパシタンスが変化し得る。したがって、こうした力の非バイナリ量は、相互キャパシタンスの変化によって表される力データを使用して判定され得る。
【0064】
いくつかの実装形態では、この変化は、入力面104bに作用する力から生じる相互キャパシタンスの変化とは反対であってもよい。したがって、力が作用される位置は、相互キャパシタンスの変化に基づいて判定され得る。本開示の範囲から逸脱することなく、種々の構成が可能であり、企図される。
【0065】
フレキシブル回路108は、フレキシブルプリント回路基板(例えば、「フレックス」)であってもよい。いくつかの実装形態では、フレキシブル回路108は、ポリイミド又はポリエステルなどの誘電体上に形成された、銅、銀、金、又は他の金属トレースなどの導電性材料で形成されてもよい。
【0066】
タッチセンサ130を形成する第1回路区画111は、1つ以上のタッチ電極を含んでもよい。例えば、第1回路区画111は、タッチ駆動電極及びタッチ感知電極を含み得る。タッチ入力面上のタッチは、タッチ駆動電極とタッチ感知電極との相互キャパシタンスの変化を使用して判定することができる。別の例として、第1回路区画111は、単一のタッチ電極を含んでもよく、タッチ入力面へのタッチは、単一のタッチ電極の自己キャパシタンスの変化を使用して判定されてもよい。
【0067】
力センサ131を形成する第2回路区画113は、第1力電極を含んでもよく、第3回路区画112は、第2力電極を含んでもよい。例えば、いくつかの実装形態では、第1力電極は、力駆動電極であってもよく、第2力電極は、力感知電極であってもよい。他の実装形態では、これらは逆であってもよい。第2回路区画113と第3回路区画112との間の相互キャパシタンスの変化(第2回路区画113及び第3回路区画112にそれぞれ含まれる第1力電極と第2力電極との間など)は、力の非バイナリ量を判定するために使用されてもよい。
【0068】
したがって、いくつかの実装形態では、タッチセンサ130及び力センサ131は両方とも、キャパシタンスセンサであってもよい。両方とも相互キャパシタンスセンサであってもよい。しかし、それは例示であることが理解される。様々な実装形態では、タッチセンサ130及び力センサ131のうちの1つ以上は、本開示の範囲から逸脱することなく、自己キャパシタンスセンサ及び/又は別の種類のセンサであってもよい。
【0069】
例えば、
図3Aは、
図2Aに示す電子デバイス101を実装するために使用され得る例示的なフレキシブル回路108の第1の面を示す。
図3Bは、
図3Aに示す例示的なフレキシブル回路108の第2の面を示す。
図3A及び
図3Bは、(ポリイミド、ポリエステルなどの)誘電材料の単一のシート又は他の構造が、第1回路区画111、第2回路区画113、及び第3回路区画112を形成するように構成され得る様子、コントローラ132、タッチ駆動電極117、タッチ感知電極118、第1力電極120及び第2力電極119などの構成要素が、それに連結され得る様子、並びに、金属トレースなどの導電性材料が、そのような構成要素を接続するためにそれに加えられ得る様子を示す。こうした単一のシート又は他の構造体は、次に、
図2A~
図2Bに示されるようにフレキシブル回路108を構成するように湾曲され、折り畳まれ、かつ/又は別の方法で変形されてもよい。
【0070】
例えば、タッチ駆動電極117及びタッチ感知電極118を含む第1回路区画111がフレキシブル回路108の中央部分に対してほぼ垂直に位置付けられるように、フレキシブル回路108は、線C-Cに沿って折り畳まれてもよい。同様に、第1力電極120を含む第2回路区画113、及び第2力電極119を含む第3回路区画112がフレキシブル回路108の中央部分に対してほぼ垂直に位置付けられるように、フレキシブル回路108は、線D-D及び線F-Fに沿って折り畳まれてもよい。次いで、第1力電極120を含む第2回路区画113及び第2力電極119を含む第3回路区画112が互いにほぼ平行に位置付けられるように、フレキシブル回路108は、線E-Eに沿って折り畳まれてもよい。最後に、フレキシブル回路108の中央部分の上にコントローラ132を位置付けるように、フレキシブル回路108は、線B-Bに沿って折り畳まれてもよい。これにより、
図2A~
図2B及び
図4に示されるものと同様の構成がもたらされ得る。
【0071】
図4は、筐体が取り外されたアンテナ106を含む、
図2Aの電子デバイス101のアセンブリ170を示す。
図2A~
図2Bは、実質的に平坦にステム103に接触するばね部材109、第1アーム110a、第1回路区画111、第2アーム110b、及び第2回路区画113の部分を示す。しかし、これは例示であり、簡潔さ及び明瞭さのためにこのように示されていることが理解される。様々な実装形態では、(1つ以上の突出部、ドーム、及び/又は他の特徴などの)様々な特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、これらの構成要素のうちの1つ以上の上又はそれらの間に構成されてもよい。様々な構成が可能であり意図されている。
【0072】
図5は、
図2Aに示すタッチセンサ130を実装するために使用され得る例示的な積層体を示す。積層体の向きは、
図2Aに示す、ステム103、第1回路区画111及び第1アーム110aの位置に対応し得る。積層体は、ステム103、第1回路区画111、接着剤115及び第1アーム110aを含み得る。第1回路区画111は、(ポリイミド、ポリエステルなどの)誘電体116上に、又はその内部に配置された1つ以上のタッチ駆動電極117及びタッチ感知電極118を含んでもよい。
【0073】
ステム103へのユーザのタッチは、タッチ駆動電極117とタッチ感知電極118との間のキャパシタンスを変えることができる。
図3に示すように、コントローラ132は、タッチ駆動電極117及びタッチ感知電極118と電気的に接続されてもよく、タッチ駆動電極117とタッチ感知電極118との間のキャパシタンスを監視して、キャパシタンスの変化を使用してタッチがいつ発生するかを判定することができる。
【0074】
タッチ駆動電極117及びタッチ感知電極118は、特定の構成及び互いに対し向きを有するものとして示されている。タッチ駆動電極117及びタッチ感知電極118の構成及び互いに対する向きは、タッチ駆動電極117とタッチ感知電極118との間のキャパシタンスに、及び、ユーザがステム103に触れるとき、そのキャパシタンスがどう変化するかに影響を及ぼし得る。タッチ駆動電極117及びタッチ感知電極118は、タッチ駆動電極117とタッチ感知電極118との間のキャパシタンスに対して、及び、ユーザがステム103に触れるときそのキャパシタンスがどのように変化するかについて特定の特性を得るような多様な異なる構成及び向きで配置され得る。
【0075】
図6は、
図2Aに示す力センサ131を実装するために使用され得る例示的な積層体を示す。積層体の向きは、
図2Aのステム103、第2アーム110b、第2回路区画113、第3回路区画112、取り付けばね部材107、及びアンテナ106の位置に対応し得る。積層体は、アンテナ106、取り付けばね部材107、接着剤115、第3回路区画112、間隙114、第2回路区画113、接着剤115、第2アーム110b及びステム103を含み得る。第2回路区画113は、(ポリイミド、ポリエステルなどの)誘電体116の上に又はその内部に配置された1つ以上の第1力電極120を含んでもよい。第3回路区画112は、(ポリイミド、ポリエステルなどの)誘電体116の上に又はその内部に配置された1つ以上の第2力電極119を含んでもよい。いくつかの実装形態では、第1力電極120は力駆動電極であってもよく、第2力電極119は力感知電極であってもよい。他の実装形態では、第1力電極120は力感知電極であってもよく、第2力電極119は力駆動電極であってもよい。
【0076】
ユーザがステム103に及ぼす力は、第1力電極120と第2力電極119との間の間隙114を変える場合がある。第1力電極120と第2力電極119との間の間隙114を変えることにより、第1力電極120と第2力電極119との間のキャパシタンスを変えることができる。
図3に示すように、コントローラ132は、第1力電極120及び第2力電極119と電気的に接続されてもよく、第1力電極120と第2力電極119との間のキャパシタンスを監視して、キャパシタンスの変化を使用して、印加される力の非バイナリ量を判定又は推定することができる。
【0077】
第1力電極120及び第2力電極119は、互いに対して特定の構成及び向きを有するものとして示されている。互いに対する第1力電極120及び第2力電極119の構成及び向きは、第1力電極120と第2力電極119との間のキャパシタンス、及びユーザがステム103に力を印加するとき、そのキャパシタンスがどう変化するかに影響を及ぼし得る。第1力電極120及び第2力電極119は、様々な異なる構成及び向きで配置されて、第1力電極120と第2力電極119との間のキャパシタンスに対して、及び、ユーザがステム103に力を印加するとき、そのキャパシタンスがどう変化するかについての特定の特性を得ることができる。
【0078】
図2A~
図6は、特定の構成及び特定の動作様式を有するタッチセンサ130及び力センサ131を図示し説明する。しかし、これらは例示であり、他の実装形態が可能であり、意図されていることが理解される。例えば、タッチセンサ130は、本開示の範囲から逸脱することなく、1つ以上の近接センサと置き換えられてもよい。
【0079】
別の例として、いくつかの実装形態では、1つ以上のひずみゲージは、入力面104a、104bのうちの1つ以上に隣接して筐体の内部領域に積層されてもよい、かつ/又は別の方法で連結若しくは取り付けられてもよい。印加された力により、筐体内又は筐体上にひずみが生じることがある。ひずみゲージはひずみを検出することができる。係るひずみデータは、加えられた力の非バイナリ量を判定するために評価され得る。
【0080】
更に別の例として、いくつかの実装形態では、1つ以上のタッチセンサ又は力センサ(及び/又は係るタッチ若しくは力センサの1つ以上のタッチ感知電極)は、入力面104a、104bのうちの1つ以上に隣接して筐体の(かつ/又は筐体内に埋め込まれた)内部領域に積層されてもよい、かつ/又は別の方法でそれに連結若しくは取り付けられてもよい。筐体は、力が印加されたときに初期位置から変形し、力が除去されたときに初期位置に戻ることができる。したがって、筐体は、いくつかの実施形態においては、ばね部材109として機能し得る。タッチ又は力センサは、変形を検出し、タッチ及び/又は印加された力の量を判定するために使用され得る信号を出力することができる。
【0081】
いくつかの実施例では、1つ以上のドームスイッチなどの1つ以上のスイッチは、入力面104a、104bに隣接して位置付けられてもよい。印加された力は、筐体を変形することができ、これによりドームがつぶされ、スイッチを閉じることができる。スイッチからの出力は、印加された力の非バイナリ量を判定するために使用されてもよい。
【0082】
様々な実施例では、1つ以上の光センサが筐体内に配設されてもよい。光センサは、力の印加によって生じる筐体の動きを検出することができる。そのような実施例では、光センサからの出力を評価して、印加される力の非バイナリ量を判定することができる。
【0083】
多くの実施例では、1つ以上の温度センサを使用して、入力面104a、104bの温度変化を検出することができる。ユーザ190が入力面104a、104bに異なる量の力を加えると、ユーザ190の身体により、入力面104a、104bの温度が変化することがある。例えば、ユーザ190が入力面104a、104bに力を加えると、ユーザ190の体温は、入力面104a、104bに熱伝導し、それにより、入力面104a、104bの温度を上昇させることがある。この熱伝導熱は、ユーザ190が大きい力を加えるほど、入力面104a、104bの温度をより高く上昇させ得る。したがって、力の非バイナリ量は、温度センサによって検出された温度変化に基づいて判定され得る。
【0084】
いくつかの実施例では、1つ以上の圧力センサが筐体内に配設されてもよい。圧力センサは、筐体内に画定された内部空洞の圧力を測定することができる。入力面104a、104bのうちの1つ以上に印加される力は、内部空洞の圧力を変化させることがある。電子デバイス101は、圧力センサによって検出された圧力変化に基づいて、力の非バイナリ量を判定することができる。
【0085】
様々な実施例では、力は、力電極の自己キャパシタンスを使用して判定され得る。例として、
図7は、
図2Aの電子デバイス101の第1の代替例を示す。電子デバイス701は、タッチ入力面704a及び力入力面704bを画定する筐体のステム703を含んでもよい。電子デバイス701はまた、タッチセンサ730を形成する第1回路区画711、及び力センサ731を形成する第2回路区画712を有するフレキシブル回路708を含んでもよい。電子デバイス701は、追加的に、第1回路区画711をタッチ入力面704a及び第2アーム710bに向かって付勢する第1アーム710aを有するばね部材709を含んでもよい。
【0086】
第2回路区画712は、力電極を含んでもよい。力センサ731は、その力電極の自己キャパシタンスを監視することができる。第2アーム710bは、第2回路区画712と第2アーム710bとの間の間隙714のサイズに応じて自己キャパシタンスに影響を及ぼす接地として機能し得る。力入力面704bに印加される力の非バイナリ量は、力電極の自己キャパシタンスの変化を使用して判定されてもよい。
【0087】
加えて、電子デバイス701は、アンテナアセンブリ706、アンテナアセンブリ706及びフレキシブル回路708に連結された取り付けばね707を含むことができる。また、電子デバイス701は、フレキシブル回路708に電気的に、かつ/又は他の方法で通信可能に連結されたコントローラ732を含んでもよい。
【0088】
更に他の実装形態では、電子デバイス701の構成要素のうちの1つ以上を変更してもよい。例えば、いくつかの実装形態では、タッチセンサ730は近接センサと置き換えられてもよい。このような実装形態では、力センサ731は、近接センサを使用して近接性を検出すると動作され得る。
【0089】
他の実施例では、タッチセンサ730は、別の力センサと置き換えられてもよい。力センサは、力センサ731、
図2A~
図2Bの力センサ131(第3力電極と第4力電極との間の相互キャパシタンスの変化に基づいて、非バイナリ量の力が判定され得る場合における、力が印加されたとき又は除去されたときに互いに対して移動する第3力電極及び第4力電極の使用など)と同様であってもよい、かつ/又は他の方法で構成されてもよい。複数の力センサが使用される場合、タッチ又は近接は、力センサの動作をトリガするために使用されなくてもよい。このような実施例では、2つの力センサは、より頻繁に動作することができる。いくつかの実装形態では、2つの力センサは、それほど正確ではない測定値をもたらす低電力で動作されてもよい。測定精度の低さは、複数の力センサを有することから供給される追加の力データを使用することによって補償され得る。
【0090】
いくつかの実施態様では、タッチ入力面704a及び力入力面704bは、逆であってもよい。タッチセンサ730又は力センサ731のうちの1つ以上は、ユーザの首又は他の身体部分に近いことにより干渉に対してより敏感である場合がある。したがって、干渉を最小限に抑えることが可能であるように、それぞれのセンサをその身体部分から遠く離して配置してもよい。本開示の範囲から逸脱することなく、種々の構成が可能であり、企図される。
【0091】
例えば、
図8は、
図2Aの電子デバイス101の第2の代替例を示す。この例では、電子デバイス801は、フレキシブル回路808をばね部材809及び取り付けばね部材807に電気的に接続することができる。絶縁体840は、ばね部材809と取り付けばね部材807を互いに分離及び/又は電気的に絶縁することができる。取り付けばね部材807に対する第1アーム810a及び第2アーム810bの移動は、ばね部材809と取り付けばね部材807との間のキャパシタンスを変化させる。この例では、電子デバイス801は、ばね部材809と取り付けばね部材807との間のキャパシタンスの変化を使用して、印加される力の量を判定することができる。したがって、ばね部材809及び取り付けばね部材807は、力センサの電極として機能することができる。
【0092】
この例のいくつかの実装形態では、取り付けばね部材807は、駆動力センサとして使用されてもよく、ばね部材809は、感知力電極として使用されてもよい。しかし、他の実施例では、これらの電極の役割は、本開示の範囲から逸脱せずに、逆となる場合がある。
【0093】
図9は、
図2Aの電子デバイス101の第3の代替例を示す。この例示の電子デバイス901では、コントローラ932は、フレキシブル回路908を介して取り付けばね部材907に電気的に接続されてもよい。コントローラ932は、取り付けばね部材907の自己キャパシタンスを監視するように動作することができる。ばね部材909はまた、取り付けばね部材907に対する接地として動作可能となるように、レーザ溶接部941などを介してコントローラ932に連結されてもよい。取り付けばね部材907に対する第1アーム910a及び第2アーム910bの移動は、取り付けばね部材907の自己キャパシタンスを変化させる。この例では、電子デバイス901は、取り付けばね部材907の自己キャパシタンスの変化を使用して、印加される力の量を判定することができる。
【0094】
この実施例は、取り付けばね部材907の自己キャパシタンスのための接地としてばね部材909を使用しているが、これは例示であることが理解される。他の実装形態では、コントローラ932がばね部材909と取り付けばね部材907との間の相互キャパシタンスを監視するように動作可能であるように、ばね部材909は、コントローラ932に電気的に接続されてもよい。
【0095】
図10は、
図2Aの電子デバイス101の第4の代替例を示す。この例示の電子デバイス1001では、ばね部材1009は、力が印加されると、フレキシブル回路1008を取り付けばね部材1007に対して移動させることができる。フレキシブル回路1008は、取り付けばね部材1007に電気的に連結されてもよく、それは、絶縁体1040によってばね部材1009から電気的に絶縁され得る。ばね部材1009の第1アーム1010a及び第2アーム1010bの移動は、取り付けばね部材1007とフレキシブル回路1008に含まれる回路との間のキャパシタンスを変化させ得る。キャパシタンスを使用して、印加される力の量を判定することができる。したがって、取り付けばね部材1007及び/又はフレキシブル回路1008の1つ以上の部分は、力センサ及び/又はタッチセンサを形成することができる。
【0096】
他の実装形態では、絶縁体1040は省略されてもよい。そのような他の実装形態では、
図9のコントローラ932及びフレキシブル回路908がばね部材909と取り付けばね部材907とを接続する方法と同様に、ばね部材1009は、コントローラ及びフレキシブル回路を介して、取り付けばね部材1007に連結されてもよい。本開示の範囲から逸脱することなく、種々の構成が可能であり、企図される。
【0097】
様々な実装形態では、イヤホンは、筐体と、筐体内に配設されたフレキシブル回路と、筐体内に配設されたコントローラと、を含む。筐体は、スピーカと、スピーカから延在し、タッチ入力面及びタッチ入力面の反対側の力入力面を画定するステムと、を含む。フレキシブル回路は、第1回路区画と、第2回路区画と、第3回路区画と、を含む。フレキシブル回路は、力が力入力面に印加されるとき、第2回路区画を第3回路区画に向かって移動させ、力がもはや印加されていないとき、それを第3回路区画から離れて移動させるように屈曲する。コントローラは、第1回路区画を使用して検出された第1の相互キャパシタンスの第1の変化を使用して、タッチ入力面へのタッチを、並びに、第2回路区画及び第3回路区画を使用して検出された第2の相互キャパシタンスにおける第2の変化を使用して、力の非バイナリ量を判定するように動作する。
【0098】
いくつかの実施例では、コントローラは、第2回路区画及び第3回路区画を使用して、タッチを判定する際に力の非バイナリ量を判定する。多くの実施例では、イヤホンは、筐体内に配設されたアンテナを更に含む。フレキシブル回路は、アンテナに搭載されてもよい。いくつかの実施例では、スピーカは音響ポートを画定し、タッチ入力面及び力入力面は、音響ポートに実質的に直交する。
【0099】
様々な実施例では、コントローラは、力が印加される時間を判定する。いくつかの実施例では、コントローラは、力の非バイナリ量が力閾値未満の場合には、第1の入力として力を解釈し、力の非バイナリ量が力閾値を少なくとも満たす場合には、第2の入力として力を解釈する。
【0100】
いくつかの実装形態では、電子デバイスは、力入力面を画定する筐体と、筐体内に配設された第1力電極と、筐体内に配設された第2力電極と、第1力電極を筐体に向かって付勢し、入力の力が力入力面に印加されると、第1力電極を第2力電極に向かって移動させるばね部材と、コントローラと、を含む。コントローラは、第1力電極と第2力電極との間のキャパシタンスの変化を使用して、力の非バイナリ量を判定するように動作する。キャパシタンスは、相互キャパシタンスであってもよい。
【0101】
いくつかの実施例では、電子デバイスは、筐体内に配設されたタッチセンサを更に含む。このような実施例のいくつかの実施形態では、筐体はタッチ入力面を画定し、ばね部材は、タッチセンサをタッチ入力面に向かって付勢する第1アームと、第1力電極を力入力面に向かって付勢する第2アームと、を含む。
【0102】
様々な実施例では、ばね部材は、金属又はプラスチックのうちの少なくとも1つである。多くの実施例では、ばね部材は、M字形状の断面を有する。
【0103】
いくつかの実施例では、筐体は追加の力入力面を画定する。このような実施例のいくつかの実施形態では、イヤホンは、追加の力入力面に隣接して筐体内に配設された第3力電極、及び筐体内に配設された第4力電極を更に含む。係る実施形態では、入力の力の非バイナリ量は、第1力電極と第2力電極との間のキャパシタンス、及び第3力電極と第4力電極との間の追加のキャパシタンスを使用して判定可能である。
【0104】
多くの実施例では、コントローラは、第1力電極と第2力電極との間のキャパシタンスの更なる変化を使用して、力入力面以外の筐体の領域に印加される追加の力を判定するように動作する。領域は力入力面に直交してもよく、キャパシタンスの追加の変化は、相互キャパシタンスの変化と反対であってもよい。
【0105】
図11は、力センサを含むデバイスを動作させるための例示的な方法1100を説明するフローチャートを示す。この方法は、
図1A~
図2Bの電子デバイス101を使用して実行することができる。
【0106】
1110において、コントローラは、タッチが検出されたか否かを判定する。コントローラは、1つ以上のタッチセンサを使用してタッチが検出されたか否かを判定することができる。そうであれば、フローは1120に進む。そうでなければ、フローは1110に戻り、コントローラは、タッチが検出されたか否かを再び判定する。
【0107】
1120において、タッチが検出された後、コントローラは、力センサを使用して力データを検出する。次いで、フローは1130に進み、コントローラは、力データからの力の非バイナリ量を判定又は推定する。次いで、フローは1110に戻り、コントローラは、タッチが検出されたか否かを再び判定する。
【0108】
例示的な方法1100が特定の順序で実行される特定の動作を含むものとして図示及び説明されているが、これは例示であることが理解される。様々な実施態様では、本開示の範囲から逸脱することなく、同じ、類似の、及び/又は異なる動作を様々な順序で実行することができる。
【0109】
例えば、いくつかの実装形態では、判定された非バイナリ量の力を使用して措置を実行することができる。いくつかの実施例では、コントローラは、判定された非バイナリ量の力を入力として解釈することができる。コントローラは、判定された非バイナリ量の力に対応する入力に従って、1つ以上の措置を実行することができる。
【0110】
様々な実装形態では、イヤホンは、筐体と、筐体に力が印加されたときに移動する、筐体内に配設されたばね部材と、ばね部材に連結されたタッチセンサと、筐体上のタッチを検出するように構成された、ばね部材に連結されたタッチセンサと、ばね部材に連結された力センサと、力センサ及びタッチセンサを使用して力の量を判定するコントローラと、を含む。
【0111】
いくつかの実施例では、タッチは筐体の第1の領域上にあり、力は筐体の第2の領域に印加される。そのような様々な実施例では、第1の領域は、第2の領域の反対側に位置する。そのようないくつかの実施例では、第1の領域及び第2の領域は両方とも、イヤホンの使用中にユーザの頭部から約90度に位置付けられる。
【0112】
様々な実施例では、タッチセンサは、第2の領域へのタッチを検出するように動作不能である。いくつかの実施例では、コントローラは、複数の異なる種類の入力として力を解釈するように動作する。
【0113】
図12は、電子デバイスを組み立てるための例示的な方法1200を説明するフローチャートを示す。方法1200は、
図2Aの電子デバイスを組み立てることができる。
【0114】
1210において、取り付けばね部材を、アンテナに連結することができる。1220において、フレキシブル回路を取り付けばね部材に連結することができる。1230において、フレキシブル回路を移動ばね部材に連結することができる。1240において、移動ばね部材を変形することができる。例えば、移動ばね部材は、1210~1230によって製造されたアセンブリが筐体内の開口部に嵌合できるように変形されてもよい。1250において、1210~1240によって製造されたアセンブリを筐体内に挿入する。1260において、筐体を封止する。
【0115】
例えば、筐体を封止することは、1210~1240によって製造されたアセンブリが挿入される筐体内の開口部にキャップを連結することを含んでもよい。開口部は、筐体のステムの端部にあってもよい。電子デバイスは、ステム及びスピーカを含む筐体を有するイヤホンであってもよい。
【0116】
例示的な方法1200が特定の順序で実行される特定の動作を含むものとして図示及び説明されているが、これは例示であることが理解される。様々な実施態様では、本開示の範囲から逸脱することなく、同じ、類似の、及び/又は異なる動作を様々な順序で実行することができる。
【0117】
例えば、移動ばね部材を変形させ、次いで、1210~1240によって製造されたアセンブリを筐体内に挿入するものとして、方法1200を図示し説明する。しかし、いくつかの実装形態では、筐体内へのアセンブリの挿入は、挿入可能なように移動ばね部材を十分に変形させることができる。このような実装形態では、移動ばね部材を変形させるための別個の動作を省略してもよい。
【0118】
上記に説明し、添付の図面に示したように、本開示は、イヤホンなどの力作動型電子デバイスに関する。筐体によって画定される力入力面に印加される力の非バイナリ量は、第1力電極と第2力電極との間のキャパシタンスの変化を使用して判定可能である。筐体内に配設されたばね部材は、第1力電極を筐体に向かって付勢し、力が印加されるとき、それを第2力電極に向かって移動させることができる。いくつかの実装形態では、イヤホンは、筐体によって画定されたタッチ入力面上のタッチを検出することができる。このような実装形態の様々な実施例では、イヤホンは、タッチの検出時に、力の非バイナリ量を判定することができる。他の実装形態では、イヤホンは、タッチセンサ及び力センサの両方からの信号を使用して、印加された力を判定することができる。特定の実施形態では、第1及び第2力電極は、単一のフレキシブル回路の別個の区画を使用して実装されてもよい。このフレキシブル回路は、力が印加されると、第1の力電極を第2の力電極に向かって移動させるように屈曲することができる。このフレキシブル回路はまた、力がもはや印加されないとき、第1力電極を第2力電極から離れるように移動させるように屈曲することができる。
【0119】
本開示では、開示された方法は、デバイスによって読み取り可能な命令又はソフトウェアの1つ以上のセットを使用して実装されてもよい。更に、開示された方法におけるステップの特定の順序又は階層は、サンプルアプローチの例であることが理解される。他の実施形態では、本方法のステップの特定の順序又は階層は、開示された主題内にとどまりながら再編成することができる。添付の方法の請求項は、様々なステップの要素をサンプル順に提示し、提示された特定の順序又は階層に限定されることを必ずしも意味しない。
【0120】
説明された開示は、コンピュータシステム(又は他の電子デバイス)が本開示に係る方法を実行するようにプログラムするために使用され得る命令を記憶した非一時的機械可読媒体を含み得るコンピュータプログラム製品又はソフトウェアとして提供してもよい。非一時的機械可読媒体には、機械(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形式(例えば、ソフトウェア、処理アプリケーション)で情報を記憶するための任意の機構が含まれる。非一時的機械可読媒体は、磁気記憶媒体(例えば、フロッピー(登録商標)ディスケット、ビデオカセットなど)、光記憶媒体(例えば、CD-ROM)、光磁気記憶媒体、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブルメモリ(例えば、EPROM及びEEPROM)、フラッシュメモリ等、の形態をとることができるが、これらに限定されるものではない。
【0121】
前述の記載では、説明のために、記載された実施形態の完全な理解をもたらすために特定の専門用語を用いた。しかし、記述される実施形態を実施するために、具体的な詳細は必要とされないことは、当業者には明らかであろう。したがって、本明細書に述べられる特定の実施形態の前述の説明は、実例及び説明の目的で提示されている。これらの説明は、網羅的であること、又は開示されるまさにその形態に実施形態を限定することをターゲットとしたものではない。上記の教示を考慮すれば、多くの変更及び変形が可能であることが、当業者には明らかであろう。