IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】基準を用いた位置合わせの判定
(51)【国際特許分類】
   B41J 25/20 20060101AFI20220927BHJP
   H04N 1/04 20060101ALI20220927BHJP
   H04N 1/047 20060101ALI20220927BHJP
   B41J 29/19 20060101ALI20220927BHJP
【FI】
B41J25/20
H04N1/12 Z
H04N1/047
B41J29/19
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021551768
(86)(22)【出願日】2019-03-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-21
(86)【国際出願番号】 US2019021686
(87)【国際公開番号】W WO2020185210
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】511076424
【氏名又は名称】ヒューレット-パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.
【氏名又は名称原語表記】Hewlett‐Packard Development Company, L.P.
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】キアン,リ
(72)【発明者】
【氏名】ドミンゴ,レグアント,シャビエル
(72)【発明者】
【氏名】ヴィセンテ,ヴィセンテ,セカンディノ
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-216737(JP,A)
【文献】特開2012-121285(JP,A)
【文献】特開2016-137637(JP,A)
【文献】特開2008-129543(JP,A)
【文献】特開2011-186241(JP,A)
【文献】特開平01-264871(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0116413(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 25/20
H04N 1/04
H04N 1/047
B41J 29/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置であって、
印刷薬剤を基材上へ付着するためのプリントヘッドと、
基準を検出するための検出器と、
第1の光源からの光が前記基材を通り抜けて前記検出器により検出されることができるように、前記基材をバック照明するための第1の光源と、
処理装置とを含み、前記処理装置は、
前記基材の第1の面上に第1の基準を形成するために印刷薬剤を付着するように前記プリントヘッドを動作させ、前記第1の基準は、第1の色の印刷薬剤を用いて形成された所定の形状からなり、第1の寸法、及び前記第1の色とは異なる第2の色の印刷薬剤の背景を有し、前記所定の形状の前記第1の寸法は、前記背景の対応する寸法を越えず、
前記基材の前記第1の面とは反対側の第2の面上に第2の基準を形成するために印刷薬剤を付着するように前記プリントヘッドを動作させ、前記第2の基準は、前記第1の色の印刷薬剤を用いて形成された所定の形状の反転バージョンからなり、
前記基材をバック照明するために前記第1の光源を動作させ、
前記第1及び第2の基準を検出するように前記検出器を動作させ、
前記第1の基準が前記第2の基準とそろっているか否かを判定する、印刷装置。
【請求項2】
前記処理装置は、
前記そろっているかの判定に基づいて、前記基材の前記第1の面または前記第2の面上へ印刷されるべきイメージの位置に対してなされるべき調整を決定することができる、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記処理装置は、
印刷されるべきイメージの位置の決定された調整を実施することができる、請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記第2の基準を検出するために前記検出器の動作中、前記基材を照明するための第2の光源を更に含む、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記背景を形成する前記第2の色の印刷薬剤は、それを通り抜ける前記第1の光源からの光の透過を実質的に阻止する、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項6】
印刷された基準がそろっているか否かを判定するための方法であって、
印刷可能な媒体の裏面上に第1の基準を印刷し、前記第1の基準は、第1の色の印刷薬剤を用いて形成された所定の形状からなり、第1の寸法、及び第2の色の印刷薬剤の背景を有し、前記所定の形状の前記第1の寸法は、前記背景の対応する寸法に実質的に等しい又は前記背景の対応する寸法より小さく、
前記印刷可能な媒体の前面上に第2の基準を印刷し、前記第2の基準は、前記第1の色の印刷薬剤を用いて形成された所定の形状の鏡映されたバージョンからなり、
前記印刷可能な媒体をバック照明し、
前記第1及び第2の基準の位置を求めるために前記印刷可能な媒体をスキャニングし、
前記第1及び第2の基準の求められた位置に基づいて、前記第1及び第2の基準がそろっているか否かを判定することを含む、方法。
【請求項7】
前記そろっているかの判定に基づいて、前記印刷可能な媒体上へ印刷されるべきイメージの位置を調整することを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の色は、光が前記第2の色の印刷薬剤を通り抜けて透過されることを実質的に阻止するようになっている、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の色は黒色である、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記形状は、N形状のパターンからなる、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記印刷可能な媒体の前記前面上へ光を送ることにより、前記印刷可能な媒体を照明することを更に含み、前記光は、前記第1の色とは対照的である色からなる、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の色は黄色であり、前記印刷可能な媒体上へ送られる光は青色光からなる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
械可読媒体であって、命令を含み、その命令は、プロセッサにより実行された際、そのプロセッサに以下のこと、即ち
(i)印刷基材の第1の面上に、第1の色の第1の位置合わせマークを形成するようにプリントヘッドを動作させること、ここで、前記第1の位置合わせマークは、第1の寸法、及び第2の色の印刷薬剤の背景を有し、前記第1の位置合わせマークの前記第1の寸法は、前記背景の対応する寸法を越えず、
(ii)前記印刷基材の第2の面上に第2の位置合わせマークを形成するようにプリントヘッドを動作させること、ここで、前記第2の位置合わせマークは、前記第1の位置合わせマークの反転された表現を含み、前記背景を有さず、
(iii)前記印刷基材に向けて光を放出するように光源を動作させること
(iv)前記光の放出中に、前記印刷基材上の前記第1の位置合わせマークの位置および前記第2の位置合わせマークの位置を検出するようにセンサを動作させること
(v)前記第1及び第2の位置合わせマークの検出された位置に基づいて、前記第1と第2の位置合わせマークとの間の位置合わせの程度を求めること、を行わせる、機械可読媒体。
【請求項14】
ロセッサにより実行された際、前記位置合わせの求められた程度に基づいて、プリントヘッドのパラメータ及び/又はプリントヘッドに対する前記印刷基材の進行を変更し、イメージが前記印刷基材上へ印刷されるべき位置を変更すること、をプロセッサに行わせるための命令を更に含む、請求項13に記載の機械可読媒体。
【請求項15】
前記第1の位置合わせマークは、N形状のパターンからなり、前記第2の位置合わせマークは、反転されたN形状のパターンからなり、前記背景を形成する前記第2の色の印刷薬剤は、黒色印刷薬剤からなる、請求項13に記載の機械可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
幾つかの広告用掲示板および看板(標識)は、昼間および夜間の双方において明確に視認されることが意図される。昼間、看板は太陽からの日光により照らされるが、夜間において、看板は、光源により照明される。幾つかの例において、看板は、看板の背後に配置された光源により、バック照明され得る。
【0002】
バックライト付きであることができる看板は、両面印刷技術を用いて、半透明基材上へ印刷され得る。イメージは、日光の下で明確に視認され得る、基材の前面上へ印刷され得る。イメージの鏡映されたバージョンが、基材の裏面上に印刷され得る。夜間において、看板が裏から光で照らし出される場合、視認されるイメージは、前面のイメージと裏面のイメージの組み合わせである。
【0003】
さて、例が、制限しない例として、添付図面に関連して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】基準の位置合わせを判定するための印刷装置の一例に関する略図である。
図2】基準の位置合わせを判定するための印刷装置の更なる例に関する略図である。
図3】基準の例に関する図である。
図4】基準がそろっているか否かを判定するための方法に関する一例の流れ図である。
図5】基準がそろっているか否かを判定するための方法に関する更なる例の流れ図である。
図6】プロセッサ及び機械可読媒体の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
詳細な説明
昼間、及び背面照明を用いる夜間の双方において視認されることが意図される広告用掲示板および看板は、「昼夜」看板または「D&N」看板と呼ばれることもある。イメージ(例えば、広告)は、基材または媒体の前面上に印刷され、イメージのミラーコピーが基材または媒体の裏面上に印刷される。D&N看板に使用される基材は、基材がバック照明される際に、基材の前面上に印刷されたイメージ及び基材の裏面上の当該イメージの鏡映されたバージョンが互いにそろって、基材の前面および裏面上のイメージが単一のイメージとして閲覧者に見えるべきであるように、半透過または半透明であることができる。かくして、基材の裏面上に印刷されるイメージの鏡映されたバージョンは、基材の前面上に印刷されるイメージとそろえられる(位置合わせされる)ことが意図される。
【0006】
位置合わせパターン又は基準は、主イメージ(例えば、閲覧者により視認されることになるイメージ)に別個に印刷されることができ且つ前面上のイメージ及び裏面上のイメージの鏡映されたコピーが互いにそろっているか否かを判定するために使用され得る記号、パターン又はマークである。印刷された基材が掲示される(例えば、広告用掲示板において)場合、当該基準は一般に閲覧者に見えない(又は閲覧者に少なくとも目立って表示されない)。印刷位置合わせパターン又は基準を印刷することに関する1つの方法は、基材の裏面上に第1の位置合わせマーカを印刷し、基材の裏面上に意図されたイメージ(即ち、閲覧者に表示されることになるイメージの鏡映されたバージョン)を印刷し、基材の前面上に第2の位置合わせマーカ(即ち、第1の位置合わせマーカのミラーイメージ)を印刷することを含む。第2の位置合わせマーカは、イメージが基材の前面上に印刷される前に印刷されることができ、その結果、何らかの位置合わせ問題は、イメージが印刷される前に解決され得る。位置合わせマーカを分析することにより、イメージがそろって見えるという結果になる基材上の係る場所に、それらが印刷されたか否かを判定することが可能になる。しかしながら、基材の一方の面上に印刷された位置合わせマーカは、基材の他方の面上に印刷された位置合わせマーカに干渉する場合があり(例えば、当該マーカと重なる又は当該マーカを覆い隠す)、その結果、位置合わせマーカの相対位置が明確に特定されることができない。
【0007】
本開示によれば、位置合わせマーカが基材の両面上に印刷されることができ、且つ基材の一方の面上の位置合わせマーカの場所が基材の他方の面上の位置合わせマーカから干渉されずに、正確に測定され得る、メカニズムが開示される。更に、本明細書に開示されるメカニズムは、印刷ワークフローへ組み込まれることができ、その結果、位置合わせマーカの位置合わせの判定は、印刷ワークフローの一部として、自動的に実行され得る。
【0008】
図1は、基準の位置合わせを判定するための印刷装置100の一例に関する略図である。印刷装置100は、プリントヘッド102、検出器104、第1の光源106、及び処理装置108を含む。
【0009】
プリントヘッド102は、基材上へ印刷薬剤を付着するために設けられる。プリントヘッド102は例えば、印刷薬剤が基材上へ付着される際に、基材を横断するキャリッジ(図示せず)の一部を形成することができる、又は当該キャリッジに収容され得る。幾つかの例において、プリントヘッド102は、レールに沿って、基材の幅を横切って移動することができる。印刷薬剤(例えば、インク)は、プリントヘッドのノズルから基材上へ付着または噴射され得る。幾つかの例において、キャリッジは、複数のプリントヘッドを支持することができ、各プリントヘッドは、異なる色の印刷薬剤を付着することができる。基材は、幾つかの例において、半透過または半透明であることができる。基材の裏面上に印刷されたイメージが基材を通して視認されることを可能にするために(例えば、バック照明された際)、D&N看板に使用される基材は、約50%から95%の不透明さの不透明度を有することができる。幾つかの例において、D&N看板に使用される基材の不透明度は、90%の不透明さであることができる。
【0010】
検出器104は、基準を検出するために設けられる。例えば、検出器104は、基材上の基準の位置を検出するために設けられ得る。基準は例えば、プリントヘッド102を用いて印刷された基準を含むことができる。幾つかの例において、検出器104は、キャリッジに搭載され得る、又はキャリッジにより支持され得る。例えば、検出器104は、電荷結合素子(CCD)のような、検出することができる任意のタイプの検出器またはセンサを含むことができる。検出器104は、基材上に印刷された基準の場所を求めるためのスキャニング工程中に使用され得る。
【0011】
第1の光源106は、基材をバック照明するために設けられ、その結果、第1の光源からの光が基材を通り抜けて、検出器104により検出され得る。第1の光源106は例えば、白色LEDのような、LEDを含むことができる。他の例において、異なるタイプの及び/又は異なる色の光源が、基材をバック照明するために使用され得る。基材の透光性または半透明性に起因して、第1の光源106からの多少の光が基材を通り抜けて伝えられ、その結果、基材の裏面上に印刷されたイメージ又はパターン(例えば、基準)が、検出器104に認知可能になることができる。
【0012】
例えばプロセッサ又は処理回路を含むことができる処理装置108は、プリントヘッド102、検出器104及び第1の光源106に関連して動作するように接続されることができ、その結果、処理装置は、それらを個別的に又は並行して動作させる又は制御することができる。処理装置108は、印刷装置100に関する様々な処理活動を実行するために設けられる。処理装置108は、基材の第1の面上に第1の基準を形成するために印刷薬剤を付着するようにプリントヘッド102を動作させることができ、第1の基準は、第1の色の形状からなり、第1の寸法、及び第2の異なる色の印刷薬剤の背景を有する。当該形状の第1の寸法は、背景の対応する寸法を越えない。幾つかの例において、第1の寸法は、形状の高さを含むことができる。かくして、形状の高さは、背景の高さを越えないことができる。このように、形状は、背景を越えて垂直方向に延びることができない。他の例において、幅のような異なる寸法が使用され得る。
【0013】
幾つかの例において、形状の第1の寸法は、背景の対応する寸法と実質的に同じであることができる。例えば、背景は、第1の高さに実質的に等しい高さを有することができる。言い換えれば、背景は、形状の高さに実質的に等しい高さを有することができる。このように、背景は、形状を越えて垂直方向に延びることができない。他の例において、背景は、形状を完全に包囲することができる。
【0014】
基材の第1の面は例えば、基材の裏面と呼ばれ得る。かくして、幾つかの例において、印刷装置100は、最初に基材の裏面上に第1の基準を印刷することができ、基材の前面上に印刷するために基材がひっくり返される前に、基材の裏面上にイメージも印刷することができる。更なる例において、第1の色は、第2の色と異なり、そのため、或る程度のコントラストが形状と背景を形成する印刷薬剤との間に存在し、形状と背景が互いを区別することを可能にする。
【0015】
また、処理装置108は、基材の第2の反対面に第2の基準を形成するために印刷薬剤を付着するようにプリントヘッド102を動作させることもでき、第2の基準は、第1の色の形状の反転バージョンからなる。基材の第2の面は例えば、基材の前面と呼ばれ得る。基材の第2の面上に第2の基準を印刷するために、基材は、手作業で又は印刷装置100の構成要素を用いて、裏返される又はひっくり返され得る。第2の基準を形成する形状の反転バージョンは、形状のミラーイメージ、例えば、形状の垂直方向反転バージョン(例えば、形状のx軸の回りに反転された)、又は形状の水平方向反転バージョン(例えば、形状のy軸の回りに反転された)を含むことができる。上述されたように、基材の第2の面(例えば、前面)上に形状の反転バージョンを印刷する目的は、第1及び第2の基準が基材の一方の側から視認される際に、形状が同じであるように見えることである。
【0016】
また、処理装置108は、基材をバック照明するように第1の光源106を動作させることもできる。第1の光源106からの多少の光は、基材を通り抜けて、及び第1の基準を通り抜けて透過することができ、その結果、第1の基準は、検出器104により検出され得る。
【0017】
また、処理装置108は、第1及び第2の基準を検出するように検出器104を動作させることもできる。幾つかの例において、第2の基準は、第1の光源106により基材がバック照明されていない状態で検出され得る。かくして、処理装置108は、幾つかの例において、第2の基準を検出するように検出器を動作させ、次いで基材をバック照明するために第1の光源を動作させ、次いで第1の基準を検出するように検出器を動作させることができる。第1及び第2の基準を検出するために、処理装置108により、検出器104は、(例えば、基材を横切るようにキャリッジを動作させることにより)基材の上をスキャンすることができ、ひとたび第1又は第2の基準が基材上で検出されれば、処理装置は、基準の位置を求めることができる。後述されるように、第1の基準に対する基材の第1の面上のイメージの位置は、予め定められており、第2の基準に対する基材の第2の面上に印刷されるべきイメージの位置は、予め定められている。かくして、基準の位置を求める(判定する)ことにより、イメージの位置も求められ(判定され)得る。第1の基準は、基材の第1の面のエッジ(又は複数のエッジ)から定められた距離(例えば、所定の距離)の所に印刷され得る。基材の両面上の基準が同じ論理位置に印刷されるので、基材の両面上の基準の位置の何らかの差異を互いに対して求めることが可能である。
【0018】
幾つかの例において、基材の第2の面(例えば、前面)(即ち、第2の基準が印刷されるべき基材の面)は、検出器104による第2の基準の検出を支援するために照明され得る。幾つかの例において、基材の第2の面(例えば、前面)は、第2の基準の検出を改善するために、第1の色とは対照的である色の光を用いて照明され得る。基材がその第2の面(例えば、前面)から照明される間、処理装置により、第1の光源は、光を放出しないことができ、その結果、基材はバック照明されない。かくして、基材の前面と裏面からの照明は、一時的に交互に起こることができる。
【0019】
幾つかの例において、処理装置108は、第1の基準の位置を検出するように検出器104を別個に動作させることができる。上述されたように、第1の基準の位置は、基材のエッジ(又は複数のエッジ)に対して求められることができる。第1の光源106によるバック照明に起因して、検出器104は、第1の基準(即ち、基材の裏面上に印刷された基準)を識別することができ、(例えば、基材のエッジに対する)その位置を求めることができる。
【0020】
また、処理装置108は、第1の基準が第2の基準とそろっているか否かを判定することができる。第1の基準および第2の基準は、基材の個々の面上のイメージに対して同じ位置に印刷される。このように、第1の基準が第2の基準とそろっている場合、基材の対向する面上に印刷されたイメージも互いにそろっていると判定されることができる。しかしながら、第1の基準が第2の基準と適切にそろっていない場合、基準を位置合わせするために適切な処置(動作)が実行され、それ故に、基材の第1の面と第2の面上に印刷されるべきイメージを位置合わせすることができる。
【0021】
印刷装置100の更なる例が図2に示される。図2は、印刷装置100の一例に関する側面図である。印刷装置100は、プリントヘッド102、検出器104、第1の光源106、及び処理装置108を含む。プリントヘッド102、検出器104及び/又は処理装置108は、印刷エンジン202内に収容され得る、印刷エンジン202の一部を形成することができる、印刷エンジン202に接続または搭載され得る、或いは印刷エンジン202と関連付けられ得る。幾つかの例において、印刷エンジン202は、上述されたように、基材の幅を横切って行ったり来たり移動するキャリッジを含むことができる、又はキャリッジとして形成され得る。図2に示された例において、基材204は、例えば基材のロールを含むことができる基材源206から、印刷エンジン202に向かって、印刷装置100の中を通って供給され得る巻き取り媒体からなる。基材は、矢印Aにより示されたような印刷方向において供給される。基材204は、張力をかける及び位置合わせのような、様々な機能を果たすことができるローラ208を回って又はローラ208間を通過することができる。基材204は、第1の面210(例えば、裏面)及び第2の面212(例えば、前面)を有する。印刷装置100の動作の幾つかのモードにおいて、基準とイメージは、基材204の第1の面(例えば、裏面)210上へ印刷され得る。ひとたびイメージ及び基準が基材204の第1の面210上へ印刷されたならば、基材は、(例えば、操作者により手作業で又は印刷装置100の構成要素により)ひっくり返されることができ、第2の面212の印刷が開始され得る。次いで、基準が、基材の第2の面(例えば、前面)212上に印刷され、基準の位置合わせの評価が行われ得るようになっている。
【0022】
印刷装置100は、幾つかの例において、第2の基準を検出するための検出器104の動作中に、基材204を照明するための第2の光源214を更に含む場合がある。例えば、第2の光源214は、第2の基準の位置を求める際に検出器104を支援するために基材204を照明することができる。第2の光源214は、基材204の第2の面212に隣接して(即ち、第1の光源106に対して基材の反対側に)位置することができる。幾つかの例において、第2の光源214は、印刷エンジン202内に位置することができる、又は印刷エンジン202の一部を形成することができる。かくして、第2の光源214は、処理装置108により、基材の第2の面212上の第2の基準の検出を支援するために基材204を照明するように動作され得る。第2の光源214は例えば、LEDを含むことができる。他の例において、異なるタイプの光源が使用され得る。幾つかの例において、第2の光源214は、検出器104による第2の基準の検出を支援するために、第1の色とは対照的である色の光を放出するための光源を含むことができる。一例において、第2の基準は黄色の印刷薬剤で印刷されることができ、第2の光源214は青色光を放出することができる。
【0023】
ひとたび第1の基準が第2の基準とそろっているか否かを処理装置108が判定したならば、適切な処置が実行され得る。第1の基準が第2の基準とそろっている(即ち、基材が裏から光で照らし出されて前面から視認される際に、基準の形状が互いに合致して見えるように、第1の基準と第2の基準が基材の両面上の対応する位置にある)と判定される場合、是正処置または修正処置は実行されないことができ、処理装置108は、基材204の前面(即ち、第2の面212)上にイメージを印刷するようにプリントヘッド102を制御することができる。しかしながら、第1の基準が第2の基準とそろっていないと判定される場合(例えば、所定の閾値を越える位置ずれが存在する場合)、適切な是正処置が実行され得る。実行されるべき適切な処置は、処理装置108により行われる位置合わせ判定に依存することができる。例えば、処理装置108は、位置合わせ判定に基づいて、基材の第1の面または第2の面上へ印刷されるべきイメージの位置に行われるべき調整を決定することができる。例えば、イメージが基材204の裏面210上に既に印刷されており、第1の基準と第2の基準が互いにそろっていないと判定される場合、調整は、イメージが基材の前面212上に印刷されることになる位置を変更するために行われ得る。処理装置108は、印刷されるべきイメージの位置の決定された調整を更に実施することができる。係る調整は、そのスキャニング軸に沿った(即ち、基材の幅を横切る)異なる位置でイメージを印刷することを開始するようにプリントヘッド102を制御することにより、及び/又は印刷方向Aにおいて又は印刷方向Aに逆らって基材204を移動することにより、行われ得る。
【0024】
さて、図3を参照すると、図3は、位置合わせの判定の目的で、印刷装置100を用いて形成され得る基準の例を示す。図3の(a)は、基材204の第1の面210(即ち、裏面)上に形成されるべき第1の基準302の一例であり、図3の(b)は、基材の第2の面212(即ち、前面)上に形成されるべき第2の基準304の一例である。第1の基準302は、この例において、文字「N」の形態である形状を含む。第1の基準302の形状(例えば、文字「N」)は、高さhを有する。第2の基準304は、イメージの水平方向に反転されたバージョン(即ち、形状の中心を通る垂直y軸の回りに反転された)、又はイメージの垂直方向に反転されたバージョン(即ち、形状の中心を通る水平x軸の回りに反転された)からなることができる「N」形状のミラーイメージからなる。第2の基準304の形状(例えば、反転された又は鏡映された「N」形状)も、高さhを有することができる。形状(即ち、「N」形状および反転された「N」形状)は、任意の色の印刷薬剤を用いて形成され得る。しかしながら、幾つかの例において、双方の基準の形状は、黄色の印刷薬剤を用いて形成され得る。形状は、この例において第1の基準に関して文字「N」、及び第2の基準に関して反転された「N」の形態であるが、他の例において、異なる形状が使用され得る。一般に、第2の基準に使用される形状は、第1の基準に使用される形状の反転された(即ち、鏡映された)バージョンであることができる。
【0025】
基材204の第1の面(例えば、裏面)210上に形成される第1の基準302は、第2の異なる色の印刷薬剤の背景306を含む。背景306は、第1の高さhに実質的に等しい高さを有することができる。かくして、幾つかの例において、背景306の高さ及び形状(例えば、文字「N」)の高さは、同じ又は実質的に同じであることができる。他の例において、背景306の高さは、形状の高さhより大きい場合があり、その結果、背景は形状を包囲する。一般に、形状(例えば、「N」の形状)の高さは、背景306の高さを超えることができない。かくして、背景306は、少なくとも部分的に形状を包囲することになる場合がある。幾つかの例において、背景は、x方向において形状を越えて延びることができるが、y方向においては形状を越えて延びることができない。他の例において、背景は、x方向およびy方向において形状を越えて延びることができる。背景306を形成する第2の色の印刷薬剤は、幾つかの例において、それを通る第1の光源106からの光の透過を実質的に阻止することができる。一例において、第2の色の印刷薬剤は、黒色であることができる。このように、第1の光源106からの光は、背景306を形成する印刷薬剤により実質的に吸収されることができ、検出器104に到達することが阻止される。図3に示された例において、第1の基準302及び背景306の形状(例えば、「N」形状)は同じ高さhを有することができるが、他の例において、形状および背景は同じ幅または他の寸法を有することができる。一般に、形状(例えば、「N」形状)は、背景306の対応する寸法を越えない寸法を有することができる。一例において、背景の高さ及び幅は、形状の高さ及び幅を越えることができない。
【0026】
図3の(c)は、例えば第1の光源106によりバック照明されている間に、基材の前面212(即ち第2の基準304が印刷された面)から視認される際に、第1の基準302と第2の基準304が如何にして見えることができるかに関する例である。この例において、第1の基準302と第2の基準304は、互いにそろっておらず、結果として、第2の基準304の一部が第1の基準302の領域306のエッジから延びていて見ることができる。しかしながら、領域306は、第1の光源106からの光が基材204を通り抜けて透過されることを阻止する又は実質的に阻止するので、第2の基準304は、第1の基準302の出現を妨げない。バック照明が存在せず(即ち、光が第1の光源106から基材204を通り抜けて放出されず)、且つ基材が第2の光源214からの光により照明される場合、第2の基準304は、検出器104により検出されることができ、第1の基準302は、第2の基準の出現を妨げない。かくして、このように基準を形成することにより、双方の基準は、個別的に分析されることができ、基材204上のそれらの場所が求められ得る。
【0027】
位置合わせ判定を印刷ワークフローへ組み込むことにより、位置合わせ評価は自動化されることができ、その結果、印刷装置100は、操作者が基準に関連して何らかの手動測定を行わずに、基準が互いにそろっているか否かを判定することができる。このように、位置合わせ評価は、迅速に行われることができ、行われるべき何らかの調整は、印刷装置100により自動的に実施され得る。係る自動化された手順を用いて位置合わせを評価して何らかの調整を行うことは、係るタスクを手動で作り出すことに比べて、より正確になることができる。
【0028】
また、本開示は、印刷された基準がそろっているか否かを判定する方法にも関係する。図4は、印刷された基準がそろっているか否かを判定するための方法400に関する一例の流れ図である。方法400は、ブロック402において、印刷可能な媒体の裏面上に、第1の基準を印刷することを含み、第1の基準は、第1の色の形状を含み、第1の寸法、及び第2の色の印刷薬剤の背景を有し、この場合、形状の第1の寸法は、背景の対応する寸法に実質的に等しい又は背景の対応する寸法より小さい。幾つかの例において、形状の第1の寸法(例えば、高さ又は幅)は、背景の対応する寸法を越えることができない。第1の基準302は、印刷可能な媒体(例えば、基材204)の裏面(例えば、第1の面210)上に印刷され得る。第1の基準302に加えて、イメージ(例えば、広告用のイメージ)が印刷可能な媒体の裏面上へ印刷され得る。ひとたび印刷可能な媒体の裏面210の印刷が完了したならば、印刷可能な媒体は、ひっくり返されることができ、その結果、その前面212の印刷が開始され得る。
【0029】
方法400は更に、ブロック404において、印刷可能な媒体の前面上に第2の基準304を印刷することを含み、この場合、第2の基準は、第1の色の形状の鏡映されたバージョンからなる。例えば、第2の基準は、背景306を備えない「N」形状からなることができる。第1の基準302及び第2の基準304は、幾つかの例において、基材のエッジの近くに印刷され得る。例えば、基準(単数または複数)は、基材の先端に沿って印刷されることができ、及び/又は基準(単数または複数)は、イメージが印刷される又は印刷されるべき領域のそばに、基材の一辺または両辺に沿って印刷され得る。このように、基準は、イメージに重ならず、又はイメージを妨げない。
【0030】
方法400は、ブロック406において、印刷可能な媒体をバック照明することを含む。バック照明は、第1の光源106を用いて達成され得る。第1の光源は、幾つかの例において、白色光を放出することができ、その結果、放出された光の一部は、印刷可能な媒体を通り抜けて検出器104まで伝わることができ、それにより、検出器が第1の基準302を識別することが可能になる。
【0031】
ブロック408において、方法400は、第1の基準302と第2の基準304の位置を求めるために、印刷可能な媒体をスキャニングすることを含む。ブロック408のスキャニングは例えば、検出器104を用いて実行され得る。スキャニングは、第1の基準302と第2の基準304を検出して、それらの位置を求めるために、印刷可能な媒体の幅にわたって(例えば、キャリッジを用いて)検出器104を移動させることを含むことができる。
【0032】
ブロック410において、方法400は、第1の基準302及び第2の基準304の求められた位置に基づいて、第1及び第2の基準がそろっているか否かを判定することを含む。第1及び第2の基準が基材204のそれらの個々の面上の対応する相対位置にある場合、それらは(例えば、互いに)そろっていると考えられ得る。基材204の各面上のイメージに対する基準の位置が予め定められているので、ひとたび基準の位置が求められれば、イメージの位置も求められると考えられ得る。使用される基準の特質、及び基準が印刷される印刷可能な媒体204上の位置に起因して、印刷可能な媒体が印刷のために適切に配置されているか否か、印刷エンジン202及び/又は印刷エンジンの構成要素が適切に較正されているか否か(例えば、プリントヘッド102が意図された位置かつ意図された時間に、印刷可能な媒体上へ印刷薬剤を発射するように較正されているか否か)、及び/又は印刷装置100へ供給されている印刷可能な媒体が斜めに進んでいるか否かを判定することが可能になることができる。
【0033】
ブロック410の判定は、処理装置108のような、プロセッサにより実行され得る。処理装置108は、幾つかの例において、ブロック402、404、406及び408に関連して説明されたような、上述された他の動作の命令をもたらすために使用され得る。
【0034】
幾つかの例において、方法は、印刷可能な媒体がバック照明される(ブロック406)前に、第2の基準の位置を求めるために印刷可能な媒体をスキャニングすることを含むことができる。次いで、ひとたび印刷可能な媒体がバック照明されれば、方法は、第1の基準の位置を求めるために印刷可能な媒体をスキャニングすることを含むことができる。ブロック408のスキャニングと同様、スキャニングは、第1の基準302を検出するために且つその位置を求めるために、印刷可能な媒体の幅にわたって(例えば、キャリッジを用いて)検出器104を移動させることを含むことができる。
【0035】
図5は、印刷されたイメージがそろっているか否かを判定するための方法500の更なる例に関する流れ図である。方法500は、上述された方法400のブロックを含むことができる。幾つかの例において、方法500は、ブロック502において、印刷可能な媒体の前面上へ光を送ることにより、印刷可能な媒体を照明することを更に含むことができ、当該光は、第1の色とは対照的な色からなる。照明すること(ブロック502)は例えば、印刷可能な媒体の前面212上へ送られる光を用いて、スキャニング中に第2の基準304を照明することができるように、スキャニング(ブロック408)の前に実行され得る。幾つかの例において、第1の色(即ち、形状を印刷するために使用される色)は黄色であることができ、(ブロック502において)印刷可能な媒体上へ送られる光は、青色光からなることができる。ブロック502の照明すること及びブロック406のバック照明することは、別個に行われることができ、その結果、印刷可能な媒体は、それがバック照明されている(ブロック406)のと同時に照明(ブロック502)されない。
【0036】
幾つかの例において、第2の色(即ち、背景306の色)は、光が第2の色の印刷薬剤を通り抜けて透過されることを実質的に阻止するようになることができる。第2の色は、幾つかの例において、黒色であることができる。他の例において、異なる暗色が使用され得る。
【0037】
上述されたように、第2の基準304及び第1の基準302の一部を形成する形状は、幾つかの例において、「N」形状パターンからなることができる。
【0038】
方法500は、幾つかの例において、ブロック504において、そろっているか(位置合わせ)の判定(ブロック410)に基づいて、印刷可能な媒体上へ印刷されるべきイメージの位置を調整することを更に含むことができる。ブロック504の調整は、幾つかの例において、処理装置108を用いて実行され得る。例えば、処理装置108により、印刷可能な媒体の位置は、イメージを印刷する前に調整されることができ、及び/又は異なる場所の印刷可能な媒体上へ印刷薬剤を発射するようにプリントヘッド102が制御され得る。他の例において、他の処置が、ブロック410でなされた、そろっているかの判定に基づいて、実行され得る。
【0039】
また、本開示は、機械可読媒体にも関係する。図6は、プロセッサ602及び機械可読媒体604の略図である。機械可読媒体604は、命令を含み、プロセッサ602により実行された際、当該命令により、プロセッサは、様々な動作を実行する。プロセッサ602により実行される動作は、方法400、500のブロックに関連して上述されたプロセスを含むことができる。幾つかの例において、プロセッサ602によって実行される動作により、方法400、500のブロックに関連して上述されたプロセスが実行され得る。
【0040】
機械可読媒体604は、命令(例えば、第1のプリントヘッド動作命令606)を含み、プロセッサ602により実行された際、当該命令により、プロセッサは、印刷基材の第1の面上に、第1の色の第1の位置合わせマークを形成するようにプリントヘッドを動作させ、第1の位置合わせマークは、第1の寸法および第2の色の印刷薬剤の背景を有し、この場合、第1の位置合わせマークの第1の寸法は、背景の対応する寸法を越えない。幾つかの例において、寸法は、高さを含むことができる。幾つかの例において、背景は、位置合わせマークの高さと実質的に同じ寸法(例えば、高さ)を有することができる。機械可読媒体604は、命令(例えば、第2のプリントヘッド動作命令608)を含み、プロセッサ602により実行された際、当該命令により、プロセッサは、印刷基材の第2の面上に第2の位置合わせマークを形成するようにプリントヘッドを動作させ、この場合、第2の位置合わせマークは、第1の位置合わせマークの反転された表現を含み、背景を備えない。幾つかの例において、同じプリントヘッドを用いて、第1及び第2の位置合わせマークを形成することができる。
【0041】
機械可読媒体604は、命令(例えば、光源動作命令610)を含み、プロセッサ602により実行された際、当該命令により、プロセッサは、印刷基材へ向けて光を放出するように光源を動作させる。機械可読媒体604は、命令(例えば、センサ動作命令612)を含み、プロセッサ602により実行された際、当該命令により、プロセッサは、光の放出中に、印刷基材上の第1の位置合わせマークの位置および第2の位置合わせマークの位置を検出するようにセンサを動作させる。機械可読媒体604は、命令(例えば、位置合わせの判定命令614)を含み、プロセッサ602により実行された際、当該命令により、プロセッサは、第1及び第2の位置合わせマークの検出された位置に基づいて、第1と第2の位置合わせマークとの間の位置合わせの程度を求める。
【0042】
幾つかの例において、機械可読媒体604は、命令を含むことができ、プロセッサ602により実行された際、当該命令により、プロセッサは、光源が光を放出することを引き起こされる前に、印刷基材上の第2の位置合わせマークの位置を検出するようにセンサを動作させる。光源からの光は印刷基材をバック照明することができる。このように、第2の位置合わせマークは最初に検出されることができ、次いで、センサが第1の位置合わせマークの位置を検出するように動作される前に、光源が印刷基材をバック照明することができる。
【0043】
幾つかの例において、機械可読媒体604は、命令(例えば、パラメータ変更命令)を含むことができ、プロセッサ602により実行された際、当該命令により、プロセッサは、位置合わせの求められた程度に基づいて、プリントヘッドのパラメータ及び/又はプリントヘッドに対する印刷基材の進行を変更し、イメージが印刷基材上へ印刷されるべき位置を変更することができる。
【0044】
第1の位置合わせマークは、幾つかの例において、「N」形状のパターンからなる場合がある。幾つかの例において、第2の位置合わせマークは、反転された「N」形状のパターンからなり、背景を形成する第2の色の印刷薬剤は、黒色の印刷薬剤を含むことができる。
【0045】
本開示の例は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又は同種のものの任意の組み合わせのような、方法、システム又は機械可読命令として提供され得る。係る機械可読命令は、内部にコンピュータ可読プログラムコードを有するコンピュータ可読記憶媒体(以下に限定されないが、ディスク記憶装置、CD-ROM、光学式記憶装置などを含む)に含まれ得る。
【0046】
本開示は、本開示の例による、方法の流れ図および/またはブロック図、装置およびシステムに関連して説明された。上述された流れ図は特定の順序の実行を示すが、実行の順序は、図示されたものと異なることができる。1つの流れ図に関連して説明されたブロックは、別の流れ図のブロックと組み合わせされ得る。理解されるべきは、流れ図および/またはブロック図の各流れ及び/又はブロック、並びに流れ図および/またはブロック図の流れ及び/又はブロックの組み合わせは、機械可読命令により実現され得る。
【0047】
機械可読命令は例えば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、本説明および図面で説明された機能を実現するための他のプログラム可能データ処理デバイスの埋込みプロセッサ(単数または複数)により、実行され得る。特に、プロセッサ又は処理装置は、機械可読命令を実行することができる。かくして、装置およびデバイスの機能モジュールは、メモリに格納された機械可読命令を実行するプロセッサにより、又は論理回路に埋め込まれた命令に従って動作するプロセッサにより、実現され得る。用語「プロセッサ」は、CPU、処理ユニット、ASIC、論理ユニット、又はプログラム可能ゲートアレイなどを含むように広く解釈されるべきである。方法および機能モジュールは全て、単一のプロセッサにより実行され得る、又は幾つかのプロセッサ間に分割され得る。
【0048】
また、係る機械可読命令は、特定のモードで動作するようにコンピュータ又は他のプログラム可能データ処理デバイスを案内することができるコンピュータ可読記憶装置に格納され得る。
【0049】
また、係る機械可読命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理デバイスへロードされることもでき、その結果、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理デバイスは、コンピュータ実施処理をもたらすように一連の動作を実行し、かくして、コンピュータ又は他のプログラム可能デバイス上で実行された命令は、流れ図の流れ(単数または複数)及び/又はブロック図のブロック(単数または複数)により指定された機能を実現する。
【0050】
更に、本明細書の教示は、コンピュータソフトウェア製品の形態で実現されることができ、当該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に格納され、本開示の例に列挙された方法をコンピュータデバイスに実現させるための複数の命令を含む。
【0051】
方法、装置および関連した態様が特定の例に関連して説明されたが、様々な変形、変更、省略および代用が、本開示の思想から逸脱せずに行われ得る。従って、方法、装置および関連した態様は、以下の特許請求の範囲およびそれらの等価物によってのみ制限されることが意図される。留意されるべきは、上述した例は、本明細書に説明されたものを制限する代わりに例示されており、当業者は、添付の特許請求の範囲から逸脱せずに多くの代替の具現化形態を設計することができるであろう。一例に関連して説明された特徴は、別の例の特徴と組み合わされ得る。
【0052】
単語「含む」は、請求項に列挙された要素以外の要素の存在を排除せず、「a」又は「an」は複数を排除せず、単一のプロセッサ又は他のユニットは、請求項に列挙された幾つかのユニットの機能を遂行することができる。
【0053】
任意の従属項の特徴は、独立項の何れか又は他の従属項の特徴と組み合わされ得る。
図1
図2
図3(a)】
図3(b)】
図3(c)】
図4
図5
図6