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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】配管構造および建築物
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/068 20060101AFI20220927BHJP
   E04D 13/08 20060101ALI20220927BHJP
【FI】
E04D13/068 503C
E04D13/08 301Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022124659
(22)【出願日】2022-08-04
(62)【分割の表示】P 2021161197の分割
【原出願日】2021-03-25
【審査請求日】2022-08-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】高柳 聡
(72)【発明者】
【氏名】元 隆明
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-203610(JP,A)
【文献】特開2022-100873(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/068
E04D 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水部材と、
前記排水部材の下方に位置し、底部に貫通孔が設けられた軒樋と、
前記軒樋に固定され、前記貫通孔に配置されて前記底部を貫通する貫通部材と、
前記排水部材と接続され、前記貫通部材を通過して前記底部を貫通する竪樋と、
前記軒樋から排水する呼び樋と、を備え、
前記竪樋は、
前記排水部材から下方に延びる第1竪樋と、
前記軒樋の下方に配置され、前記第1竪樋よりも大径である第2竪樋と、を備え、
前記第1竪樋の下端は、前記貫通部材内または前記第2竪樋内に配置され、
前記貫通部材の下端は、前記第2竪樋の上端の内部に配置され、
前記貫通部材の内周面および前記第2竪樋の内周面と、前記第1竪樋の外周面との間には、隙間がある、
配管構造。
【請求項2】
前記第2竪樋の呼び径は、前記第1竪樋の呼び径よりも1サイズ以上大きい、
請求項1に記載の配管構造。
【請求項3】
前記第2竪樋は、上端に両受口の継手を備え、
前記貫通部材の下端は、前記両受口の継手の上端内に配置されている、
請求項1に記載の配管構造。
【請求項4】
前記貫通部材は、
前記貫通孔に配置される第1管と、前記軒樋の前記底部の上面に配置され、前記第1管の外面から径方向の外側に向けて延びる第1フランジを有し、
前記第1フランジは、前記第1管の上端に配置されている、
請求項1に記載の配管構造。
【請求項5】
前記第1竪樋の呼び径が75であり、
前記第2竪樋の呼び径が100であり、
前記貫通部材の呼び径が125である、
請求項1に記載の配管構造。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の配管構造を備えている、建築物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管構造および建築物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば下記特許文献1に記載の雨樋が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-007340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種の雨樋において、例えば、軒樋から排水する竪樋を、軒樋から下方に延ばそうとすると、竪樋が地表に至るまでに、竪樋が他の軒樋に干渉することがある。
ここで、竪樋に他の軒樋を貫通させず、竪樋から他の軒樋に排水させると、例えば豪雨時などに、他の軒樋から排水があふれるおそれがある。
なお、このような干渉を回避するため、竪樋と軒樋とが干渉する位置において軒樋を分断し、軒樋に竪樋を回避させる構造が考えられる。しかしながらこの場合、分断位置の決定や各種寸法測定などの手間が増加したり、分断した各軒樋に対して排水口を設けたり、各軒樋に対して分断位置での止水加工が必要となったりと、費用や手間が増加する。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、竪樋と軒樋とが干渉するときに、竪樋に軒樋を容易に貫通させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
<1>本発明の一態様に係る配管構造は、サイフォン現象を発生させる排水部材と、前記排水部材の下方に位置し、底部に貫通孔が設けられた軒樋と、前記軒樋に固定され、前記貫通孔に配置されて前記底部を貫通する貫通部材と、前記排水部材と接続され、前記貫通部材を通過して前記底部を貫通する竪樋と、を備え、前記竪樋は、前記排水部材から下方に延びる第1竪樋と、前記軒樋から下方に延び、前記第1竪樋よりも大径であり内部に前記第1竪樋の下端が配置された第2竪樋と、を備え、前記第1竪樋または前記第2竪樋は、前記貫通部材内に配置され前記底部を貫通する。
【0007】
<2>本発明の一態様に係る配管構造は、底部に貫通孔が設けられた軒樋と、前記軒樋に固定され、前記貫通孔に配置されて前記底部を貫通する貫通部材と、前記貫通部材を通過して前記底部を貫通する竪樋と、を備え、前記竪樋は、前記軒樋の上方に位置する第1竪樋と、前記軒樋の下方に位置し、前記第1竪樋よりも大径であり内部に前記第1竪樋の下端が配置された第2竪樋と、を備え、前記第1竪樋または前記第2竪樋は、前記貫通部材内に配置され前記底部を貫通する。
【0008】
竪樋が、貫通部材を通過して軒樋の底部を貫通する。したがって、作業者が、竪樋に軒樋を貫通させるために、貫通部材を軒樋に固定することにより、竪樋と軒樋とが干渉する位置において必要とされる処理を実施することができる。例えば、貫通部材を軒樋に固定することで、軒樋内の水が、貫通孔から予期せず流出することを、貫通部材によって規制することができる。その上、単に貫通部材に竪樋を通過させるだけでよいので、施工性を高めることができる。
以上から、竪樋と軒樋とが干渉するときに、竪樋に軒樋を容易に貫通させることができる。
第2竪樋が、第1竪樋よりも大径であり、かつ、第1竪樋の下端が、第2竪樋内に配置されている。したがって、第1竪樋を流れる水が、第2竪樋に確実に排水される。また、第1竪樋と第2竪樋との間に継手が不要となる。
【0009】
<3>上記<1>または<2>に係る配管構造では、前記軒樋から排水する呼び樋を更に備え、前記第2竪樋は、前記呼び樋が接続される合流継手を備えている、構成を採用してもよい。
【0010】
第2竪樋が、合流継手を備えている。したがって、第2竪樋に、軒樋からの雨水が呼び樋を通して合流する。
ここで第2竪樋が、第1竪樋よりも大径である。したがって、第2竪樋に軒樋からの雨水が合流しても、第2竪樋が満水になりにくく、水が第2竪樋を通して確実に排水される。
【0011】
<4>本発明の一態様に係る貫通部材は、上記<1>から<3>のいずれか1項に記載されている配管構造に用いられる貫通部材であって、前記貫通孔に配置される第1管と、前記第1管から径方向の外側に向けて延び前記底部の上面に配置される第1フランジと、を含む第1部材と、前記第1管の下端部に配置され、かつ、前記貫通孔の下方に配置される第2管と、前記第2管から径方向の外側に向けて延び、前記底部の下面に配置される第2フランジと、を含む第2部材と、を備えている。
【0012】
貫通部材が、第1部材と第2部材とを備える。したがって、第1部材の第1フランジと第2部材の第2フランジとによって軒樋の底部を挟んだ状態で、貫通部材を軒樋に固定することができる。
【0013】
<5>上記<4>に係る貫通部材では、前記第1部材および前記第2部材のうちの少なくとも1つは、射出成型品である、構成を採用してもよい。
【0014】
第1部材および第2部材のうちの少なくとも1つが、射出成型品である。したがって、第1部材や第2部材の形状が複雑であっても、第1部材や第2部材が高精度に成形される。
【0015】
<6>上記<4>または<5>に係る貫通部材では、前記第1管の上端は、前記軒樋の上端よりも上方に位置する、構成を採用してもよい。
【0016】
第1管の上端が、軒樋の上端よりも上方に位置する。したがって、例えば、軒樋内の雨水が、第1管内に意図せず流入するのを抑制することができる。
【0017】
<7>上記<4>から<6>のいずれか1項に係る貫通部材では、前記第1管を径方向の外側から覆い、前記第1フランジから上方に延びるさや管を更に備え、前記さや管の上端は、前記軒樋の上端よりも上方に位置する、構成を採用してもよい。
【0018】
さや管の上端が、軒樋の上端よりも上方に位置する。したがって、例えば、軒樋内の雨水が、さや管内に意図せず流入するのを抑制することができる。
さや管が、第1管を径方向の外側から覆っている。したがって、軒樋に流入する雨水の流入を規制するため、第1管を長くするのに代えて、さや管を長くすればよい。そのため、例えば、第1管を含む第1部材が射出成型品であっても、第1部材を容易に成形することができる(なお一般的に、射出成型では、極端に長尺の部材が製造され難い)。
【0019】
本発明の一態様に係る配管構造は、排水部材と、前記排水部材の下方に位置し、底部に貫通孔が設けられた軒樋と、前記軒樋に固定され、前記貫通孔に配置されて前記底部を貫通する貫通部材と、前記排水部材と接続され、前記貫通部材を通過して前記底部を貫通する竪樋と、前記軒樋から排水する呼び樋と、を備え、前記竪樋は、前記排水部材から下方に延びる第1竪樋と、前記軒樋の下方に配置され、前記第1竪樋よりも大径である第2竪樋と、を備え、前記第1竪樋の下端は、前記貫通部材内または前記第2竪樋内に配置され、前記貫通部材の下端は、前記第2竪樋の上端の内部に配置され、前記貫通部材の内周面および前記第2竪樋の内周面と、前記第1竪樋の外周面との間には、隙間がある。
本発明の一態様に係る建築物は、前記配管構造を備えている。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、竪樋と軒樋とが干渉するときに、竪樋に軒樋を容易に貫通させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1実施形態に係る雨樋、およびこの雨樋が適用された建築物を示す斜視図である。
図2図1に示す雨樋を側方から見た側面図である。
図3図1および図2に示す雨樋を前方から見た正面図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る雨樋の正面図である。
図5】本発明の第3実施形態に係る雨樋の正面図である。
図6】本発明の第4実施形態に係る雨樋の正面図である。
図7】本発明の第5実施形態に係る雨樋の正面図である。
図8】本発明の第6実施形態に係る雨樋の正面図である。
図9図8に示す雨樋の縦断面図である。
図10図8に示す雨樋を構成する貫通部材の分解斜視図である。
図11図8に示す雨樋の施工方法を説明する斜視図であって、第1竪樋、貫通部材、第2軒樋を、貫通孔と同軸上に配置した状態を示す図である。
図12図8に示す雨樋の施工方法を説明する斜視図であって、図11に示す状態の後、第1竪樋に第1部材を配置した状態を示す図である。
図13図8に示す雨樋の施工方法を説明する斜視図であって、図12に示す状態の後、第1竪樋を貫通孔に配置した状態を示す図である。
図14図8に示す雨樋の第1変形例を示す縦断面図である。
図15図8に示す雨樋の第2変形例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
以下、図1から図3を参照し、本発明の一実施形態に係る雨樋(配管構造)を説明する。
図1に示すように、雨樋50は、マンションなどの建築物40に降る雨を排水する。建築物40は、屋根41と、庇42と、を備えている。
屋根41には、勾配が設けられている。庇42は、建築物40の壁面のうち、屋根41の勾配の下端が位置する壁面に設けられている。庇42は、例えば、建築物40の開口部(例えば、窓や出入口43(玄関))の雨除け等として機能する。庇42は、マンションにおけるベランダ等として機能してもよい。
【0023】
雨樋50は、第1軒樋51と、第2軒樋52と、竪樋53と、排水部材54と、貫通部材55と、を備えている。
第1軒樋51は、屋根41に降る雨水を排水する。第1軒樋51は、例えば、屋根41の軒先に配置されている。なお以下では、水平方向のうち、第1軒樋51が延びる方向を第1水平方向という。
第1軒樋51は、底部51aと、2つの側部51bと、を備えている。底部51aは、排水勾配を有する平板である。2つの側部51bは、底部51aの幅方向の両端に配置されている。側部51bは、底部51aから上方に延びる。
【0024】
第2軒樋52は、庇42に降る雨水を排水する。第2軒樋52は、例えば、建築物40の壁面と庇42との間に配置されている。第2軒樋52は、第1水平方向に延びる。第2軒樋52は、第1軒樋51よりも第1水平方向に短い。第2軒樋52は、第1軒樋51に対して真下に位置している。
第2軒樋52は、底部52aと、2つの側部52bと、を備えている。底部52aは、排水勾配を有する平板である。2つの側部52bは、底部52aの幅方向の両端に配置されている。側部52bは、底部52aから上方に延びる。
【0025】
竪樋53は、第1軒樋51から下方に延びている。竪樋53は、第1軒樋51の排水を下方に排出する。竪樋53は、第1水平方向に間隔をあけて複数設けられている。竪樋53間の第1水平方向の間隔は、例えば、30m以下となっている。複数の竪樋53のうち、第1水平方向の最も端の竪樋53から第1軒樋51の端部(止り)までの第1水平方向の距離は、例えば15m以下となっている。竪樋53の高さは、例えば、2m以上、好ましくは3m以上である。
【0026】
図2および図3に示すように、排水部材54は、第1軒樋51の内部に配置されている。排水部材54は、第1軒樋51の底部51aを貫通している。排水部材54は、大雨時に軒樋内に流入した雨水の排水能力を向上させるための高排水機能を有する。排水部材54の単位面積あたりの排水流量は、例えば0.25L/秒・cm以上、好ましくは0.30L/秒・cm以上である。
【0027】
排水部材54は、竪樋53の上端に接続されている。排水部材54は、第1軒樋51から竪樋53に排水を円滑に流入させる。雨樋50では、例えば、竪樋53内に雨水が充満する状態となると、サイフォン現象が発生し、大量の雨水が排水部材54により軒樋から排水される。このとき、サイフォン現象に基づく雨水の流速の上昇を排水部材54が妨げないことで、大量の雨水を軒樋から竪樋53に排水することができる。
【0028】
ここで本実施形態では、複数の竪樋53のうちの1つの竪樋53Aは、第2軒樋52を鉛直方向に貫通する。竪樋53Aは、第1軒樋51の雨水を排水する。しかしながら、竪樋53Aは、第2軒樋52の雨水を直接は排水しない。図1に示すように、竪樋53Aは、第1水平方向に並ぶ複数の竪樋53のうちの中央に位置する竪樋53Aである。図2および図3に示すように、竪樋53Aは、貫通部材55を通過して、第2軒樋52を貫通する。
【0029】
貫通部材55は、第2軒樋52に固定される。貫通部材55は、貫通孔52cに配置される。貫通孔52cは、第2軒樋52の底部52aに形成されている。なお貫通孔52cの開口面積は、例えば、5cm~300cm、好ましくは13~190cm、より好ましくは20~140cmである。貫通部材55は、第2軒樋52の底部52aを貫通する。
【0030】
貫通部材55は、第1部材61と、第2部材62と、を備えている。第1部材61は、底部52aに対して上方から配置される。第1部材61は、底部52aに対して固定されていても、固定されていなくてもよい。第2部材62は、底部52aに対して下方から配置される。第2部材62は、第1部材61および底部52aのうちの少なくとも一方に固定されている。
【0031】
第1部材61および第2部材62のうちの少なくとも1つは、射出成型品である。本実施形態では、第1部材61および第2部材62の両方が射出成型品である。第1部材61および第2部材62は、硬質塩化ビニル樹脂やポリカーボネート、ABS、AES等の合成樹脂の射出成型品である。なお、第2部材62および第1部材61は、合成樹脂材料に限られず、鋳型を用いた鋳鉄材料により形成されてもよい。また、第1部材61および第2部材62は、互いに異なる材料により形成されてもよい。
【0032】
図3に示すように、第1部材61は、第1管63と、第1フランジ64と、を含む。第1管63および第1フランジ64は同軸上に配置されている。
第1管63は、円管である。第1管63は、貫通孔52cに配置される。図示の例では、第1管63は、鉛直方向の全長にわたって同径である。第1管63の外径は、貫通孔52cの内径に対して同等か、僅か(例えば、前記内径の5%程度)に小さい。第1管63の上端は、第2軒樋52の上端(側部52bの上端)よりも下方に位置する。ただし、第1管63の上端は、第2軒樋52の上端よりも上方に位置していてもよく、第2軒樋52の上端に対して同じ高さであってもよい。第1管63の上端が、第2軒樋52の上端よりも上方に位置する場合、例えば、第2軒樋52内の雨水が、第1管63内に意図せず流入するのを抑制することができる。
【0033】
第1フランジ64は、第1管63から径方向の外側に向けて延びる。第1フランジ64は、底部52aの上面に配置される。第1フランジ64は、第1管63における鉛直方向の中央に配置されている。第1フランジ64は、第1管63の管軸に直交する方向に延びる平らな環状(円環状)である。第1フランジ64は、周方向の全周にわたって連続して延びる。第1フランジ64の下面は、底部52aの上面に固着(例えば接着)されていてもよい。
なお、第1管63のうち、第1フランジ64よりも下方に位置する部分(以下、下端部ともいう)に、雄ねじが形成されていてもよい。
【0034】
第2部材62は、第2管65と、第2フランジ66と、を含む。第2管65および第2フランジ66は同軸上に配置されている。
第2管65は、円管である。第2管65は、貫通孔52cの下方に配置されている。第2管65は、第1管63の下端部に配置されている。第2管65は、第1管63よりも大径である。第2管65は、第1管63を径方向の外側から覆う。第2管65内には、第1管63の下端部が配置されている。図示の例では、第2管65の下端は、第1管63の下端よりも下方に位置する。第2管65の下端は、第1管63の下端よりも上方に位置していてもよく、第1管63の下端に対して同じ高さであってもよい。
【0035】
第2管65の内周面には、前記雄ねじに嵌め合わされる雌ねじが形成されていてもよい。第2管65が、第1管63の下端部に螺着(ねじ嵌合)されていてもよい。第2管65が、第1管63に接着されていても、されていなくてもよい。
【0036】
第2フランジ66は、第2管65から径方向の外側に向けて延びる。第2フランジ66は、底部52aの下面に配置される。第2フランジ66は、第2管65の上端に配置されている。第2フランジ66は、第2管65の管軸に直交する方向に延びる平らな環状(円環状)である。第2フランジ66は、周方向の全周にわたって連続して延びる。第2フランジ66の上面は、底部52aの下面に固着(例えば接着)されていても、されていなくてもよい。第2フランジ66の外径は、第1フランジ64の外径に対して、同等であってもよく、大きくてもよく、小さくてもよい。第2フランジ66は、第1フランジ64との間に、底部52aを挟む。
【0037】
竪樋53Aは、第1竪樋71と、第2竪樋72と、を備えている。第1竪樋71および第2竪樋72は、主に管材によって構成されるが、管材だけでなく、継手を含んでいてもよい。
図2に示すように、第1竪樋71は、排水部材54から下方に延びる。第1竪樋71は、第1軒樋51から下方に延びる。第1竪樋71は、第1軒樋51の雨水を下方に排水する。本実施形態では、第1竪樋71は、1つの管材によって構成されている。
【0038】
第2竪樋72は、第2軒樋52から下方に延びる。第2竪樋72は、第2軒樋52の下方に位置する。第2竪樋72は、第1竪樋71よりも大径である。例えば、第2竪樋72の呼び径は、第1竪樋71の呼び径よりも1サイズ以上大きい。図3に示すように、第2竪樋72の内部には、第1竪樋71の下端が配置される。第2竪樋72内において、第1竪樋71の下端は、移動自在である。第2竪樋72の内周面と第1竪樋71の外周面とは、接着されていない。第2竪樋72の内周面と第1竪樋71の外周面との間には、隙間がある。第1竪樋71と第2竪樋72とは、互いの熱伸縮が許容される。
【0039】
そして本実施形態では、第1竪樋71または第2竪樋72は、貫通部材55内に配置され底部52aを貫通する。図示の例では、第2竪樋72が貫通部材55内に配置され底部52aを貫通する。第2竪樋72の上端は、第2軒樋52の上端よりも上方に位置している。
ただし、第2竪樋72の上端は、第2軒樋52の上端よりも下方に位置していてもよい。この場合、第2軒樋52内の雨水が、第2軒樋52の上端に直接、流入することが考えられる。
【0040】
なお、第2竪樋72の呼び径は、貫通部材55の呼び径よりも1サイズ以上小さい。貫通部材55内において、第2竪樋72は、移動自在である。貫通部材55の内周面と第2竪樋72の外周面とは、接着されていない。貫通部材55の内周面と第2竪樋72の外周面との間には、隙間がある。貫通部材55と第2竪樋72とは、互いの熱伸縮が許容される。
【0041】
第2竪樋72は、複数の部材(管材および継手)が組み合わされてなる。第2竪樋72は、第1管材73と、合流継手74と、第2管材75と、を備えている。第1管材73、合流継手74および第2管材75は、上方から下方に向けてこの順に配置されている。第1管材73、合流継手74および第2管材75の各呼び径は、互いに同径である。
【0042】
第1管材73は、第2竪樋72の上端を構成する。第1管材73は、貫通部材55内に配置されている。第1管材73の上端は、貫通部材55の上端よりも上方に位置する。第1管材73の下端は、貫通部材55の下端よりも下方に位置する。なお図示の例では、第1竪樋71の下端は、第1管材73内に位置している。第1竪樋71の下端は、第1管材73の下端よりも上方に位置している。
【0043】
図3に示すように、合流継手74は、例えばチーズである。チーズとしては、いわゆる90°チーズや45°Yチーズなどが挙げられる。合流継手74は、第1受口76と、第2受口77と、第3受口78と、を備えている。第1受口76は、上方を向く、第2受口77は、下方を向く。第3受口78は、側方(水平方向)を向く。
【0044】
第1受口76には、第1管材73の下端が配置(接着)されている。第2受口77には、第2管材75の上端が配置(接着)されている。第2管材75は、合流継手74から下方に延びる。第3受口78には、呼び樋80が接続(接着)されている。呼び樋80は、第2軒樋52の雨水を排水する。呼び樋80は、第2軒樋52の底部52aに形成された排水孔(不図示)からの雨水を、合流継手74に合流させる。前記排水孔は、底部52aにおいて、貫通部材55とは異なる位置に設けられている。呼び樋80の呼び径は、合流継手74の呼び径と同径である。
【0045】
なお例えば、第1竪樋71の呼び径は75、第2竪樋72(第1管材73、合流継手74、第2管材75)の呼び径は100、貫通部材55の呼び径は125、呼び樋80の呼び径は100とすることができる。
【0046】
以上説明したように、本実施形態に係る雨樋50によれば、竪樋53Aが、貫通部材55を通過して第2軒樋52の底部52aを貫通する。したがって、作業者が、竪樋53Aに第2軒樋52を貫通させるために、貫通部材55を第2軒樋52に固定することにより、竪樋53Aと第2軒樋52とが干渉する位置において必要とされる処理を実施することができる。例えば、貫通部材55を第2軒樋52に固定することで、第2軒樋52内の水が、貫通孔52cから予期せず流出することを、貫通部材55によって規制することができる。その上、単に貫通部材55に竪樋53Aを通過させるだけでよいので、施工性を高めることができる。
以上から、竪樋53Aと第2軒樋52とが干渉するときに、竪樋53Aに第2軒樋52を容易に貫通させることができる。
第2竪樋72が、第1竪樋71よりも大径であり、かつ、第1竪樋71の下端が、第2竪樋72内に配置されている。したがって、第1竪樋71を流れる水が、第2竪樋72に確実に排水される。また、第1竪樋71と第2竪樋72との間に継手が不要となる。
【0047】
第2竪樋72が、合流継手74を備えている。したがって、第2竪樋72に、第2軒樋52からの雨水が合流する。
ここで第2竪樋72が、第1竪樋71よりも大径である。したがって、第2竪樋72に第2軒樋52からの雨水が合流しても、第2竪樋72が満水になりにくく、水が第2竪樋72を通して確実に排水される。
【0048】
貫通部材55が、第1部材61と第2部材62とを備える。したがって、第1部材61の第1フランジ64と第2部材62の第2フランジ66とによって第2軒樋52の底部52aを挟んだ状態で、貫通部材55を第2軒樋52に固定することができる。
【0049】
第1部材61および第2部材62のうちの少なくとも1つが、射出成型品である。したがって、第1部材61や第2部材62の形状が複雑であっても、第1部材61や第2部材62が高精度に成形される。
【0050】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る雨樋50Aを、図4を参照して説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0051】
本実施形態では、第2竪樋72は、貫通部材55内に配置されていない。第2竪樋72の上端は、第2軒樋52の底部52aよりも下方に位置している。第2竪樋72の上端は、貫通部材55の下端よりも下方に位置している。第2竪樋72の内径は、貫通部材55の内径よりも大きい。そのため、仮に第2軒樋52内の雨水が貫通部材55内に流入したとしても、この雨水が、第2竪樋72内に流入し、雨樋50Aの外部に排出されにくくなる。
【0052】
そして本実施形態では、第2竪樋72に代えて第1竪樋71が貫通部材55内に配置され底部52aを貫通する。第1竪樋71の下端は、第2軒樋52の底部52aよりも下方に位置している。第1竪樋71の下端は、第1管材73内に配置されている。第1竪樋71の下端は、第1管材73の下端よりも上方に位置している。
【0053】
第1竪樋71の呼び径は、貫通部材55の呼び径よりも1サイズ以上小さい。貫通部材55内において、第1竪樋71は、移動自在である。貫通部材55の内周面と第1竪樋71の外周面とは、接着されていない。貫通部材55の内周面と第1竪樋71の外周面との間には、隙間がある。貫通部材55と第1竪樋71とは、互いの熱伸縮が許容される。
【0054】
なお例えば、第1竪樋71の呼び径は75、第2竪樋72(第1管材73、合流継手74、第2管材75)の呼び径は100、貫通部材55の呼び径は100、呼び樋80の呼び径は100とすることができる。
このように第2実施形態の貫通部材55の呼び径(100)が、第1実施形態の貫通部材55の呼び径(125)に対して小さくなっている。そのため、第2実施形態に係る雨樋50Aでは、第1実施形態に係る雨樋50に比べて、第2軒樋52における雨水の排水が、貫通部材55によって阻害され難くなっている。
【0055】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る雨樋50Bを、図5を参照して説明する。
なお、この第3実施形態においては、第2実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0056】
本実施形態では、第2竪樋72が、第1管材73、合流継手74、第2管材75に加えて、ソケット79を備えている。ソケット79は、両受口の管状の継手である。ソケット79は、第1管材73の上方に位置する。ソケット79は、第2竪樋72の上端を構成する。ソケット79は、貫通部材55の下端と、第1管材73の上端と、を接続する。ソケット79の上端内には、第2部材62(第2管65)の下端が配置(接着)されている。ソケット79の下端内には、第1管材73の上端が配置(接着)されている。ソケット79と合流継手74とは、第1管材73を介して接続されている。
この雨樋50Bでは、仮に第2軒樋52内の雨水が貫通部材55内に流入したとしても、この雨水が、ソケット79内に流入し、雨樋50Bの外部に排出されにくくなる。
【0057】
第1竪樋71の下端は、ソケット79内に配置されている。第1竪樋71の下端は、ソケット79の上端よりも下方に、かつ、ソケット79の下端よりも上方に位置している。ここで、第1竪樋71の下端は、貫通部材55の下端よりも上方に配置されていてもよいし、貫通部材55の下端に対して同じ高さに配置されていてもよいし、貫通部材55の下端よりも下方に配置されていてもよい。
【0058】
なお例えば、第1竪樋71の呼び径は75、第2竪樋72(ソケット79、第1管材73、合流継手74、第2管材75)の呼び径は100、貫通部材55の呼び径は100、呼び樋80の呼び径は100とすることができる。
【0059】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る雨樋50Cを、図6を参照して説明する。
なお、この第4実施形態においては、第3実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0060】
本実施形態では、第2竪樋72が、合流継手74および第2管材75を備えていて、ソケット79および第1管材73を備えていない。本実施形態では、合流継手74が、第2竪樋72の上端を構成する。合流継手74は、貫通部材55の下端と、第2管材75の上端と、を接続する。第1受口76内には、第2部材62(第2管65)の下端が配置(接着)されている。
この雨樋50Cでは、仮に第2軒樋52内の雨水が貫通部材55内に流入したとしても、この雨水が、合流継手74内に流入し、雨樋50Cの外部に排出されにくくなる。
【0061】
第1竪樋71の下端は、合流継手74内に配置されている。第1竪樋71の下端は、合流継手74の上端よりも下方に位置し、かつ、合流継手74の下端よりも上方に位置している。ここで、第1竪樋71の下端は、貫通部材55の下端よりも上方に配置されていてもよいし、貫通部材55の下端に対して同じ高さに配置されていてもよいし、貫通部材55の下端よりも下方に配置されていてもよい。
【0062】
なお例えば、第1竪樋71の呼び径は75、第2竪樋72(合流継手74、第2管材75)の呼び径は100、貫通部材55の呼び径は100、呼び樋80の呼び径は100とすることができる。
【0063】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係る雨樋50Dを、図7を参照して説明する。
なお、この第5実施形態においては、第2実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0064】
本実施形態では、第2竪樋72が、第1管材73、合流継手74、第2管材75を備えている。第2竪樋72の呼び径は、貫通部材55の呼び径よりも大きい。貫通部材55の下端は、第1管材73内に配置されている。貫通部材55の下端は、第1管材73の上端よりも下方に位置し、かつ、第1管材73の下端よりも上方に位置している。
この雨樋50Dでは、仮に第2軒樋52内の雨水が貫通部材55内に流入したとしても、この雨水が、第1管材73内に流入し、雨樋50Dの外部に排出されにくくなる。
【0065】
第1竪樋71の下端は、第1管材73内に配置されている。第1竪樋71の下端は、第1管材73の上端よりも下方に位置し、かつ、第1管材73の下端よりも上方に位置している。ここで、第1竪樋71の下端は、貫通部材55の下端よりも上方に配置されていてもよいし、貫通部材55の下端に対して同じ高さに配置されていてもよいし、貫通部材55の下端よりも下方に配置されていてもよい。
【0066】
なお例えば、第1竪樋71の呼び径は75、第2竪樋72(第1管材73、合流継手74、第2管材75)の呼び径は125、貫通部材55の呼び径は100とすることができる。
【0067】
ここで、呼び樋80の呼び径の説明にあたり、呼び樋80の周辺の構成について改めて説明する。
第2軒樋52と呼び樋80との間には、ドレン81と、第1継手82と、短管83と、第2継手84と、が配置されている。ドレン81は、第2軒樋52の底部52aに配置されている。ドレン81は、排水口81aを有する。第1継手82は、ドレン81と短管83とを接続する。第1継手82は、例えばソケットである。短管83は、第1継手82から下方に延びる。第2継手84は、短管83と呼び樋80とを接続する。第2継手84は、例えば、エルボである。
【0068】
第2竪樋72の呼び径が125である場合、本来的には呼び樋80の呼び径も125となる。しかしながら、呼び樋80、およびこの呼び樋80よりも第2軒樋52側(上流側)に位置する各部材(第2継手84、短管83、第1継手82、ドレン81)の呼び径を125にすると、第2軒樋52の底部52aも呼び径が125のドレン81が収まるサイズにする必要がある。よって、第2軒樋52のサイズを大型にせざるを得なくなるというサイズの制約が生じる。
【0069】
そのため、第1継手82や第2継手84において、第2軒樋52に対する呼び樋80側(下流側)が拡径されるように、呼び径を変換することが好ましい。例えば、第1継手82や第2継手84が拡径継手(インクリーザー)などであってもよい。
または、図7に示すように、呼び樋80と合流継手74との間に、呼び径を変換する変換継手85を設けることが好ましい。
これらのいずれの場合においても、ドレン81の呼び径を、例えば75や100など、第2竪樋72の呼び径よりも小さくすることができる。結果として、前述のようなサイズの制約の発生が抑えられる。
【0070】
なお、図7に示すような変換継手85を採用する場合、ドレン81、第1継手82、短管83、第2継手84、呼び樋80の呼び径はいずれも100とした上で、変換継手85として、呼び径を100から125に変換する構成を採用することができる。
【0071】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態に係る雨樋50Eを、図8から図13を参照して説明する。
なお、この第6実施形態においては、第2実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0072】
図8から図10に示すように、本実施形態では、第1竪樋71の外周面と貫通部材55(第1管63)の内周面との間に、実質的に隙間がない。貫通部材55が第1竪樋71に組み付けられたとき、貫通部材55と第1竪樋71との間の摩擦力によって、貫通部材55が第1竪樋71から離脱されるのが抑制されてもよい。
【0073】
また本実施形態では、第2部材62が、第2管65、第2フランジ66に加えて、リブ67を備えている。リブ67は、第2管65の周方向に間隔をあけて複数配置されている。リブ67の上端は、第2フランジ66の下面に連なっている。リブ67の径方向の大きさ(幅)は、リブ67の上端から下端に向かうに従い小さくなっている。リブ67は、板状である。リブ67を正面(周方向)から見たとき、リブ67は、直角三角形状である。
【0074】
この雨樋50Eを施工するため、作業者が、竪樋53Aに第2軒樋52を貫通させるときの一例を説明する。作業者は、図11および図12に示すように、第1竪樋71に第1部材61を差し込む。作業者は、図13に示すように、第1部材61が差し込まれた第1竪樋71を、貫通孔52cに差し込む。作業者は、第1竪樋71の下端から第2部材62を第1竪樋71に差し込み、第2部材62を第1部材61に組み付ける。
【0075】
なお雨樋50Eの変形例として、図14に示す第1変形例に係る雨樋50Fや、図15に示す第2変形例に係る雨樋50Gを採用してもよい。
【0076】
図14に示す第1変形例に係る雨樋50Fでは、第1管63の上端は、第2軒樋52の上端よりも上方に位置している。したがって、例えば、第2軒樋52内の雨水が、第1管63内に意図せず流入するのを抑制することができる。
【0077】
図15に示す第2変形例に係る雨樋50Gでは、貫通部材55が、第1部材61、第2部材62に加えて、さや管68を更に備えている。さや管68は、第1管63を径方向の外側から覆う。さや管68は、第1フランジ64から上方に延びている。さや管68の上端は、第2軒樋52の上端よりも上方に位置する。したがって、例えば、第2軒樋52内の雨水が、さや管68内に意図せず流入するのを抑制することができる。なお、さや管68は、例えば押出成型品である。
さや管68が、第1管63を径方向の外側から覆っている。したがって、第2軒樋52に流入する雨水の流入を規制するため、第1管63を長くするのに代えて、さや管68を長くすればよい。そのため、例えば、第1管63を含む第1部材61が射出成型品であっても、第1部材61を容易に成形することができる(なお一般的に、射出成型では、極端に長尺の部材が製造され難い)。
【0078】
これらの各変形例において、第1竪樋71の外周面と貫通部材55の内周面との間に、隙間があってもよい。
【0079】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0080】
排水部材54がなくてもよい。竪樋53Aが、サイフォン現象を利用せずに第1軒樋51から雨水を排水してもよい。
第1部材61、第2部材62が射出成型品でなくてもよい。
【0081】
第1部材61の第1フランジ64は、第1管63における鉛直方向の上端に配置され、第1管63は第2軒樋52内に配置されていなくてもよい。特に、図5、6、7に示したような、第2部材62の下端が第2竪樋72の上端部と接続、または第2竪樋72の上端部の内部に配置されている場合、第2軒樋52内の雨水が第1管63内に意図せず流入しても、第2竪樋72に流入するため、雨樋50の外部に流出することがない。
【0082】
貫通部材55は、第1部材61を備えなくても良い。特に、図5、6、7に示したような、第2部材62の下端が第2竪樋72の上端部と接続、または第2竪樋72の上端部の内部に配置されている場合、第2軒樋52内の雨水が第1管63内に意図せず流入しても、第2竪樋72に流入するため、雨樋50の外部に流出することがない。
【0083】
貫通部材55は、第2部材62を備えなくてもよい。特に、図5、6、7に示したような、第1部材61の下端が第2竪樋72の上端部の内部に配置されている場合、第2軒樋52内の雨水が第1管63内に意図せず流入しても、第2竪樋72に流入するため、雨樋50の外部に流出することがない。
【0084】
第1部材61の第1管63または第2部材62の第2管65は円管でなくてもよく、例えば、第2軒樋52の長軸方向に長い楕円の筒や矩形の筒であってもよい。第2軒樋52の熱伸縮に伴って第1部材61、第2部材62が前記長軸方向に移動しても、第1竪樋71、第2竪樋72が第1部材61、第2部材62と干渉するのを防止できる。
【0085】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0086】
50、50A、50B、50C、50D、50E、50F、50G 雨樋(排水構造)
52 第2軒樋(軒樋)
52a 底部
52c 貫通孔
53A 竪樋
54 排水部材
55 貫通部材
61 第1部材
62 第2部材
63 第1管
64 第1フランジ
65 第2管
66 第2フランジ
68 さや管
71 第1竪樋
72 第2竪樋
74 合流継手
80 呼び樋
【要約】
【課題】竪樋と軒樋とが干渉するときに、竪樋に軒樋を容易に貫通させる。
【解決手段】配管構造は、サイフォン現象を発生させる排水部材と、排水部材の下方に位置し、底部52aに貫通孔52cが設けられた軒樋52と、軒樋52に固定され、貫通孔52cに配置されて底部52aを貫通する貫通部材55と、排水部材と接続され、貫通部材55を通過して底部52aを貫通する竪樋53と、を備え、竪樋53は、排水部材から下方に延びる第1竪樋71と、軒樋52から下方に延び、第1竪樋71よりも大径であり内部に第1竪樋71の下端が配置された第2竪樋72と、を備え、第1竪樋71または第2竪樋72は、貫通部材55内に配置され底部52aを貫通する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15