(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】ハイブリッド車両の駆動制御装置
(51)【国際特許分類】
B60W 20/10 20160101AFI20220928BHJP
B60K 6/485 20071001ALI20220928BHJP
B60W 10/06 20060101ALI20220928BHJP
B60K 6/54 20071001ALI20220928BHJP
【FI】
B60W20/10 ZHV
B60K6/485
B60W10/06 900
B60K6/54
(21)【出願番号】P 2016251355
(22)【出願日】2016-12-26
【審査請求日】2019-11-07
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】弁理士法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 大悟
(72)【発明者】
【氏名】千速 健太
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-215762(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2005-0061126(KR,A)
【文献】特開2012-153175(JP,A)
【文献】特開2014-113934(JP,A)
【文献】特開2000-038939(JP,A)
【文献】特開2013-075534(JP,A)
【文献】特開2016-022867(JP,A)
【文献】特開2013-107539(JP,A)
【文献】特開2014-184910(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 6/20 - 6/547
B60W 10/00 - 10/30
B60W 20/00 - 20/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関と、モータと、前記内燃機関の駆動トルクおよび前記モータの駆動トルクを制御する制御部と、を備え、前記内燃機関または前記モータのうち少なくとも一方の駆動トルクで走行するハイブリッド車両の駆動制御装置であって、
前記内燃機関の出力軸は車両の駆動軸と接続され、前記モータは前記内燃機関の出力軸と動力伝達機構を介して接続され、
前記制御部は、
アクセル操作およびブレーキ操作がない状態で前記モータの駆動トルクによる走行を開始した後、前記ブレーキ操作が
なく、前進走行中に車速が所定値以下の状態で所定時間が経過した場合、走行負荷が高いと判定し、走行負荷が高いと判定した場合、前記内燃機関に駆動トルクを発生させることを特徴とするハイブリッド車両の駆動制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド車両の駆動制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のハイブリッド車両にあっては特許文献1に記載された技術が知られている。特許文献1に記載の技術にあっては、車両がコースト走行するときにモータから内燃機関のクランクシャフトまたは車軸に回転駆動力を付与している。また、特許文献1に記載の技術にあっては、モータの出力の大きさを、内燃機関の温度、内燃機関のクランクシャフトと車軸との間に介在する変速機の温度に応じて変更している。特許文献1に記載の技術によれば、車両の減速度を緩和でき、内燃機関や駆動系の温度が低い状況におけるコースト走行時の燃料カット期間を延長でき、燃費向上効果を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のもののように、燃料カット状態を維持してコースト走行を行う際に、車両に重量物を積載している場合、重量物を積載していない場合と比較して走行負荷が高くなり、車両のもたつき感をドライバに与えるという課題がある。
【0005】
そこで、本発明は、走行負荷が高い場合に車両のもたつき感を抑制することができるハイブリッド車両の駆動制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明は、内燃機関と、モータと、前記内燃機関の駆動トルクおよび前記モータの駆動トルクを制御する制御部と、を備え、前記内燃機関または前記モータのうち少なくとも一方の駆動トルクで走行するハイブリッド車両の駆動制御装置であって、前記内燃機関の出力軸は車両の駆動軸と接続され、前記モータは前記内燃機関の出力軸と動力伝達機構を介して接続され、前記制御部は、アクセル操作およびブレーキ操作がない状態で前記モータの駆動トルクによる走行を開始した後、前記ブレーキ操作がなく、前進走行中に車速が所定値以下の状態で所定時間が経過した場合、走行負荷が高いと判定し、走行負荷が高いと判定した場合、前記内燃機関に駆動トルクを発生させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
このように本発明によれば、走行負荷が高い場合に車両のもたつき感を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例に係るハイブリッド車両の駆動制御装置を示す構成図である。
【
図2】
図1は、本発明の一実施例に係るハイブリッド車両の駆動制御装置を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施例に係るハイブリッド車両の駆動制御装置の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施の形態に係るハイブリッド車両の駆動制御装置は、内燃機関と、モータと、前記内燃機関の駆動トルクおよび前記モータの駆動トルクを制御する制御部と、を備え、前記内燃機関または前記モータのうち少なくとも一方の駆動トルクで走行するハイブリッド車両の駆動制御装置であって、前記内燃機関の出力軸は車両の駆動軸と接続され、前記モータは前記内燃機関の出力軸と動力伝達機構を介して接続され、前記制御部は、前記モータの駆動トルクにより前記車両を走行させている状態で、走行負荷が高いと判定した場合、前記内燃機関に駆動トルクを発生させることを特徴とする。これにより、本発明の一実施の形態に係るハイブリッド車両の駆動制御装置は、走行負荷が高い場合に車両のもたつき感を抑制することができる。
【実施例】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施例に係るハイブリッド車両の駆動制御装置について詳細に説明する。
【0011】
図1において、本発明の一実施例に係るハイブリッド車両の駆動制御装置を搭載した車両1は、エンジン2と、電源システム3と、制御部としてのECU(Electronic Control Unit)4とを含んで構成されている。また、本実施形態に係る車両1は、後述するようにアイドルストップ機能を備えた車両である。
【0012】
エンジン2は、不図示のピストン、シリンダ、コネクティングロッド等を備え、ピストンがシリンダ内を2往復する間に吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程からなる一連の4行程を行なう4サイクルのエンジンによって構成されている。
【0013】
シリンダに収納されたピストンは、コネクティングロッドを介して出力軸としてのクランクシャフト2aに連結されている。コネクティングロッドは、ピストンの往復動をクランクシャフト2aの回転運動に変換するようになっている。
【0014】
エンジン2には、変速機23が接続されている。変速機23は、エンジン2のクランクシャフト2aの回転を所定の変速比で変速して不図示のディファレンシャルギア等を介して駆動軸としてのドライブシャフト25に伝達し、左右の車輪26を回転させるようになっている。
【0015】
変速機23は例えばCVT(Continuously Variable Transmission)から構成されており、このCVTは、図示しない金属ベルトが巻掛けられた1組のプーリにより無段階に自動で変速を行う。なお、
図1では、2つの車輪26のみ図示しており、残りの2つの車輪については図示を省略している。
【0016】
電源システム3は、第1バッテリとしてのメインバッテリ31と、第2バッテリとしてのサブバッテリ32と、モータ33と、スイッチ(SW)回路34とを含んで構成されている。
【0017】
メインバッテリ31は、例えば鉛蓄電池で構成されている。このメインバッテリ31は、スイッチ回路34を介してモータ33と電気的に接続されている。メインバッテリ31には、バッテリ状態センサ31aが設けられている。バッテリ状態センサ31aは、バッテリ31の充放電電流、電圧及びバッテリ温度を検出する。バッテリ状態センサ31aは、ECU4に接続されている。ECU4は、バッテリ状態センサ31aの出力によりメインバッテリ31の充電状態を検知できるようになっている。
【0018】
サブバッテリ32は、例えばリチウムイオン蓄電池で構成されている。このサブバッテリ32は、スイッチ回路34を介してモータ33と電気的に接続されている。サブバッテリ32には、バッテリ状態センサ32aが設けられている。バッテリ状態センサ32aは、ECU4に接続されている。ECU4は、バッテリ状態センサ32aの出力によりサブバッテリ32の充電状態を検知できるようになっている。
【0019】
スイッチ回路34は、モータ33に電力を供給する電源として、メインバッテリ31及びサブバッテリ32の少なくともいずれか一方を選択して接続するようになっている。スイッチ回路34は、ECU4の制御によりモータ33とメインバッテリ31及びサブバッテリ32との接続を行なうようになっている。
【0020】
モータ33は、エンジン2を始動するスタータとしての機能に加え、エンジン2の駆動により発電するオルタネータとしての機能を有するモータである。モータ33は、少なくともメインバッテリ31及びサブバッテリ32のいずれか一方から供給される電力によって駆動される。モータ33は、ECU4の出力するトルク指令信号に従って出力トルクを制御するようになっている。
【0021】
モータ33は、エンジン2のクランクシャフト2aと動力伝達機構29を介して相互に動力伝達可能に接続されている。動力伝達機構29は、モータ33の回転子軸33aに連結されたモータ用プーリ33bと、エンジン2のクランクシャフト2aに連結されたクランク軸プーリ2bと、クランク軸プーリ2bおよびモータ用プーリ33bに巻き掛けられたベルト28とからなる。動力伝達機構29は、モータ33の回転を減速してエンジン2に伝達する。
【0022】
ECU4は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、フラッシュメモリと、入力ポートと、出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
【0023】
ECU4のROMには、各種制御定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットをECU4として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、CPUがROMに記憶されたプログラムを実行することにより、当該コンピュータユニットは、ECU4として機能する。
【0024】
ECU4の入力ポートには、上述のバッテリ状態センサ31a、バッテリ状態センサ32aに加え、エンジン回転数センサ51、車速センサ52、アクセル開度センサ53、ブレーキスイッチ54等の各種センサ類が接続されている。
【0025】
エンジン回転数センサ51は、エンジン2の機関回転数を検出する。車速センサ52は、車輪26の回転速度などから車両1の速度を検出する。
【0026】
アクセル開度センサ53は、例えば加速要求時等に運転者によって操作される図示しないアクセルペダルの開度であるアクセル開度を検出する。
【0027】
ブレーキスイッチ54は、図示しないブレーキペダルが踏まれているか否かを検知する。ブレーキスイッチ54は、ブレーキペダルが踏まれているとオン信号を出力し、ブレーキペダルが踏まれていないとオフ信号を出力する。
【0028】
一方、ECU4の出力ポートには、エンジン2、モータ33、スイッチ回路34等の各種制御対象類が接続されている。
【0029】
ECU4は、
図2に示すように、バッテリ状態センサ31a、バッテリ状態センサ32a、エンジン回転数センサ51、車速センサ52、アクセル開度センサ53、ブレーキスイッチ54の検出信号に基づいて、エンジン2の駆動トルクおよびモータ33の駆動トルクを制御する。
【0030】
ECU4は、ドライバの要求または車両状態に応じて、エンジン2の駆動トルク(エンジントルク)で走行するエンジン走行、またはモータ33の駆動力(モータトルク)で走行するEV走行、またはエンジン2とモータ33の両方の駆動トルクで走行するHEV走行、を実施する。したがって、車両1は、エンジン2またはモータ33のうち少なくとも一方の駆動トルクで走行するハイブリッド車両を構成する。
【0031】
ここで、EV走行時は、ECU4は、エンジン2の燃料噴射を停止してエンジン2の運転を停止した状態で、モータ33に駆動トルクを発生させる。EV走行時は、エンジン2はモータ33に連れ回って回転している。
【0032】
ECU4は、EV走行時は、サブバッテリ32をモータ33に接続し、メインバッテリ31を図示しない他の電気負荷に接続するように、スイッチ回路34を制御する。ここで、電気負荷には、図示しないエアコンディショナ、メータ、灯火類が含まれる。
【0033】
ECU4は、HEV走行時は、サブバッテリ32をモータ33と電気負荷に接続し、メインバッテリ31をモータ33と電気負荷の何れとも接続しないように、スイッチ回路34を制御する。
【0034】
ECU4は、所定の自動停止条件が成立するとエンジン2を自動停止させ、所定の再始動条件が成立するとエンジン2を再始動させるアイドルストップ制御を実行可能である。所定の自動停止条件としては、例えば車両速度が所定値より小さいこと、ブレーキが踏まれていること、メインバッテリ31及びサブバッテリ32のSOC(State Of Charge)が所定値より大きいこと等が含まれる。また、所定の再始動条件としては、例えばアクセル操作がなされたこと、ブレーキが踏まれなくなったこと等が含まれる。
【0035】
ECU4は、前述の所定の再始動条件が成立した場合、エンジン2を再始動させる。ECU4は、メインバッテリ31からモータ33に電力を供給させてエンジン回転数を上昇させ、エンジン回転数を所定の目標回転数に到達させて、エンジン2を再始動させる。ここで、所定の目標回転数は、例えばエンジン2のアイドル回転数である。ECU4は、エンジン回転数が所定の目標回転数に到達したときに、エンジン2の再始動が完了したと判定する。なお、目標回転数は、エンジン2が完爆したときのエンジン回転数とするとよい。
【0036】
ECU4は、車両1の減速中においても、前述の自動停止条件が成立するとエンジン2を自動停止させる。
【0037】
ECU4は、エンジン2が自動停止されてエンジン回転数が0となっている状態で、ブレーキスイッチ54からの信号がオンからオフに変化した場合、再始動条件の成立によりエンジン2を再始動する。ECU4は、エンジン2の再始動後、アクセル開度、メインバッテリ31及びサブバッテリ32のSOCに基づいて、EV走行が可能であるかを判定する。
【0038】
ECU4は、EV走行が可能であると判定した場合、エンジン2への燃料噴射を停止し、モータ33の駆動トルクで車両1を走行させる。
【0039】
ECU4は、アクセル操作およびブレーキ操作がない場合に、EV走行の一態様としてEVクリープを実施する。EVクリープは、アクセル開度が0の状態に対応する駆動トルクをモータ33に発生させ、この駆動トルクにより車両1を走行させることである。言い換えると、ECU4は、非ハイブリッド車におけるクリープによる車両の発進を、EV走行により実現するようになっている。
【0040】
ここで、EVクリープ時に、車両に重量物を積載している場合、重量物を積載していない場合と比較して走行負荷が高くなり、車両のもたつき感をドライバに与えることがある。ドライバは、車両のもたつき感を感じた場合、アクセル操作を行うことで、エンジン2に燃料噴射を行わせてHEV走行又はエンジン走行に移行させることもできる。しかし、EVクリープ時に走行負荷が高い場合であっても、車両のもたつき感をドライバが感じることを未然に回避し、ドライバによるアクセル操作を不要にして、ドライバビリティを向上することが望まれる。
【0041】
そこで、本実施例では、ECU4は、モータ33の駆動トルクにより車両を走行させているEV走行時に走行負荷が高いと判定した場合、エンジン2に駆動トルクを発生させてHEV走行又はエンジン走行に移行する。
【0042】
ECU4は、EVクリープの開始後、ブレーキ操作が行われていない状態で所定時間が経過した場合、走行負荷が高いと判定する。また、ECU4は、EVクリープの開始後、車速が所定値以下の状態で所定時間が経過した場合、走行負荷が高いと判定する。
【0043】
以上のように構成された本実施例に係るハイブリッド車両の駆動制御装置によるEV走行制御処理について、
図3を参照して説明する。なお、以下に説明するEV走行制御処理は、ECU4が処理を開始すると開始され、予め設定された時間間隔で実行される。
【0044】
ステップS1において、ECU4は、EVクリープを実施し、車両1を発進させる。次いで、ステップS2において、ECU4は、ブレーキがオフ、かつ、現在の車速が低加速判定車速以下であるか否かを判定する。ここでは、ECU4は、ブレーキスイッチ54がオフ信号を出力している場合にブレーキがオフであると判定する。また、低加速判定車速は、車両に重量物を積載している等により走行負荷が高いか否かを、EVクリープの開始後の所定時間経過時の車速により判定するための閾値である。
【0045】
ステップS2の判定がNOの場合(ブレーキがオフではない場合、または現在の車速が低加速判定車速以下ではない場合)、ECU4は、ステップS1に戻る。
【0046】
ステップS2の判定がYESの場合(ブレーキがオフ、かつ、現在の車速が低加速判定車速以下の場合)、ECU4は、ステップS3において、ステップS2でYESと判定してから所定時間が経過したか否かを判定する。
【0047】
ステップS3で所定時間経過していないと判定した場合、ECU4は、ステップS3の処理を繰り返し、所定時間経過するのを待つ。所定時間経過したと判定した場合、ECU4は、ステップS4において、HEV走行又はエンジン走行を実施する。
【0048】
このように、
図3のEV走行制御処理において、ECU4は、EVクリープの開始後、ブレーキがオフ、かつ、現在の車速が低加速判定車速以下の状態が所定時間継続した場合、EV時に走行負荷が高い状態になっていることを表すEV高負荷判定が成立したと判定する。そして、ECU4は、このままEVクリープ走行を維持したとしても、EVクリープによるクリープ走行を継続する為に必要な車速を維持することが困難であると判断し、HEV走行又はエンジン走行を実施する。このHEV走行又はエンジン走行が実施されると、エンジン2とモータ33の両方の駆動トルクにより車両1が速やかに加速する。一方、ECU4は、EVクリープの開始後、ブレーキがオフ、かつ、現在の車速が低加速判定車速以下の状態が所定時間継続しなかった場合、EV高負荷判定が成立しなかったと判定する。そして、ECU4は、EVクリープによるクリープ走行を維持することが可能であると判断し、EVクリープを継続する。
【0049】
なお、ECU4は、EVクリープの開始後、ブレーキがオフの状態で所定時間が経過した場合に、EV高負荷判定が成立したと判定してもよい。すなわち、走行負荷が高い状態では、車速が低加速判定車速に到達しない場合、または低加速判定車速への到達に長時間を要することもあるため、ブレーキがオフの状態での所定時間の経過のみを条件として、EV高負荷判定の成立の有無を判定してもよい。
【0050】
以上説明したように、本実施例では、エンジン2の出力軸は車両の駆動軸と接続され、モータ33はエンジン2の出力軸と動力伝達機構29を介して接続されている。
【0051】
そして、ECU4は、モータ33の駆動トルクにより車両を走行させている状態で、走行負荷が高いと判定した場合、エンジン2に駆動トルクを発生させる。
【0052】
この構成により、モータ33の駆動トルクにより車両を走行させているEV走行時に走行負荷が高い場合、HEV走行又はエンジン走行が実施されるので、車速が速やかに加速する。この結果、走行負荷が高い場合に車両のもたつき感を抑制することができる。
【0053】
また、本実施例では、ECU4は、モータ33の駆動トルクによる走行を開始後、ブレーキ操作が行われていない状態で所定時間が経過した場合、走行負荷が高いと判定する。
【0054】
このため、モータ33の駆動トルクによる走行を開始後のブレーキ操作の有無に基づいて、走行負荷が高いか否かを明確に判定できる。
【0055】
また、本実施例では、ECU4は、モータ33の駆動トルクによる走行を開始後、車速が所定値以下の状態で所定時間が経過した場合、走行負荷が高いと判定する。
【0056】
このため、モータ33の駆動トルクによる走行を開始後の車速に基づいて、走行負荷が高いか否かを明確に判定できる。
【0057】
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0058】
1 車両(ハイブリッド車両)
2 エンジン(内燃機関)
2a クランクシャフト(出力軸)
4 ECU(制御部)
25 ドライブシャフト(駆動軸)
29 動力伝達機構
33 モータ