(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
F21V 23/00 20150101AFI20220928BHJP
H05K 7/00 20060101ALI20220928BHJP
F21V 15/01 20060101ALN20220928BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220928BHJP
【FI】
F21V23/00 130
F21V23/00 120
F21V23/00 160
F21V23/00 200
H05K7/00 B
F21V15/01 300
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2018034191
(22)【出願日】2018-02-28
【審査請求日】2020-08-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】特許業務法人イトーシン国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076233
【氏名又は名称】伊藤 進
(74)【代理人】
【識別番号】100101661
【氏名又は名称】長谷川 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100135932
【氏名又は名称】篠浦 治
(72)【発明者】
【氏名】小塚 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】加藤 剛
(72)【発明者】
【氏名】小西 達也
(72)【発明者】
【氏名】石橋 久志
(72)【発明者】
【氏名】横山 浩
(72)【発明者】
【氏名】黒木 律男
(72)【発明者】
【氏名】小和田 貴勇
(72)【発明者】
【氏名】緒方 正弘
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-070887(JP,A)
【文献】特開2000-164379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 23/00
H05K 7/00
F21V 15/01
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有するケース本体と、前記ケース本体の開口を覆うように取付けられる蓋体と、を有する筐体と;
前記ケース本体の内部に設けられているとともに、1つ以上の回路素子が設けられた回路基板と;
前記蓋体の内面側に一端が接続され、前記ケース本体の
内面の所定の位置に他端が固定されているとともに、前記蓋体が前記ケース本体に対して取り付けられている状態において、前記回路素子
に接触しない配線長を有して構成された配線部材と;
を具備したことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記回路基板には、一端側に第1回路素子が配置され、他端側に前記第1回路素子よりも大きな高さの第2回路素子が配置され、
前記蓋体が前記ケース本体に対して取り付けられている状態における前記配線部材の
一端が、
平面視した際に前記第2回路素子よりも前記第1回路素子側に配置されるように、前記蓋体に取り付けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記配線部材の一端が、所定の構造物を介して前記蓋体の内面側に取り付けられる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ケース本体及び当該ケース本体に対して取り付けられる蓋体を有する電気機器の内部配線に係る提案が従来行われている。
【0003】
具体的には、例えば、特許文献1には、ケース本体及び当該ケース本体に対して取り付けられる蓋体で構成される筐体に対し、当該ケース本体の内部に設けられた配線基板と当該筐体との間をアース引出線により接続した構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実施形態は、ケース本体に対する蓋体の着脱に係る作業における作業性を確保しつつ、雑音を抑制することが可能な電源装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の電源装置は、開口を有するケース本体と、前記ケース本体の開口を覆うように取付けられる蓋体と、を有する筐体と;前記ケース本体の内部に設けられているとともに、1つ以上の回路素子が設けられた回路基板と;前記蓋体の内面側に一端が接続され、前記ケース本体の内面の所定の位置に他端が固定されているとともに、前記蓋体が前記ケース本体に対して取り付けられている状態において、前記回路素子に接触しない配線長を有して構成された配線部材と;を具備する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の電源装置によれば、ケース本体に対する蓋体の着脱に係る作業における作業性を確保しつつ、雑音を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る電源装置を有する照明装置の構成の一例を説明するための図。
【
図2A】実施形態に係る電源装置の外観の一例を示す図。
【
図2B】実施形態に係る電源装置を
図2Aの矢印ARに示す方向から見た場合の図。
【
図3】実施形態に係る電源装置における蓋体の内面側の構成を説明するための図。
【
図5】実施形態に係る電源装置におけるケース本体の内部の構成を説明するための図。
【
図6】実施形態に係る電源装置におけるケース本体の内部の構成を説明するための図。
【
図7】実施形態に係る電源装置において、蓋体がケース本体に対して取り付けられた状態で当該ケース本体の長手方向断面を幅方向から見たときの断面図。
【
図8】
図5の構成に対応する配線禁止領域を設定した場合の例を示す図。
【
図9A】実施形態に係る電源装置において、ケース本体の開口縁に蓋体の縁が略一致するように配置してアース線を接続した状態を示す図。
【
図9B】実施形態に係る電源装置において、蓋体の縁をケース本体の開口内側までずらして配置してアース線を接続した状態を示す図。
【
図9C】実施形態に係る電源装置において、アース線取付部材同士を結ぶ線分が筐体の長手方向に直交するように蓋体及びケース本体を配置してアース線を接続した状態を示す図。
【
図10】実施形態に係る電源装置において、
図5とは異なる位置にアース線取付部材を設置した場合の例を示す図。
【
図11】実施形態に係る電源装置に対して追加機能を付与する装置を設けた場合の例を説明するための図。
【
図12】実施形態に係る電源装置に対して追加機能を付与する装置を設けた場合の例を説明するための図。
【
図13】実施形態に係る電源装置に対して追加機能を付与する装置を設けた場合の例を説明するための図。
【
図14】実施形態に係る電源装置に対して追加機能を付与する装置を設けた場合の例を説明するための図。
【
図15】実施形態に係る電源装置に対して追加機能を付与する装置を設けた場合の例を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
【0010】
照明装置1は、
図1に示すように、光源ユニット11と、電源装置12と、を有して構成されている。
図1は、実施形態に係る電源装置を有する照明装置の構成の一例を説明するための図である。
【0011】
光源ユニット11は、例えば、LEDを有して構成されている。また、光源ユニット11は、電源装置12から供給される駆動電力によって点灯されるように構成されている。
【0012】
電源装置12は、商用電源等の外部電源101から電力が供給されるとともに、当該供給された電力を光源ユニット11の点灯に必要な電力に変換する。なお、電源装置12は図示しない調光線を介して調光信号を受信し、当該受信した調光信号に基づいて光源ユニット11に供給する駆動電力へ変換するようにしてもよい。また、電源装置12は、
図2A及び
図2Bに示すように、金属製の筐体21を有して構成されている。
図2Aは、実施形態に係る電源装置の外観の一例を示す図である。
図2Bは、実施形態に係る電源装置を
図2Aの矢印ARに示す方向から見た場合の図である。
【0013】
筐体21は、蓋体21Aと、上方に開口を有する断面凹状のケース本体21Bと、を有する箱形に形成されている。また、
図2A及び
図2Bに示すように、ケース本体21Bの長手方向一端には配線開口が設けられており、この配線開口を塞ぐようにケース蓋21Cが取り付けられている。ケース蓋21Cには、外部電源101から供給される電力を入力するための入力線と、光源ユニット11に対して駆動電力を供給するための出力線と、がそれぞれ挿通される導入部22が設けられている。導入部22は、入力線及び出力線を挿通した状態で締めこむことにより、当該入力線または当該出力線との隙間を塞ぐように密着して防水されるように構成されている。ケース蓋21Cもまた、ケース本体21Bとの間が防水構造となるように取り付けられる。
【0014】
蓋体21Aは、ケース本体21Bとは別体に構成されており、ケース本体21Bの開口を覆うようにケース本体21Bに着脱可能に取り付けられる。また、蓋体21Aは、例えば、ねじ等の固定部材により、ケース本体21Bの開口に固定される。さらに、蓋体21Aとケース本体21Bとの間には、図示しないパッキンが配設されている。そのため、蓋体21Aとケース本体21Bとの間から筐体21内への水の浸入を防止することができる。
【0015】
図3は、実施形態に係る電源装置における蓋体の内面側の構成を説明するための図である。
図3に示すように、蓋体21Aの内面側には、アース線取付部材31と、拡張スロット32と、が設けられている。
【0016】
アース線取付部材31は、アース線62(後述)の一端を蓋体21Aの内面側に取り付けるための取付部材として構成されている。また、アース線取付部材31は、例えば、ねじ等の固定部材を具備し、蓋体21Aの内面側における後述の条件を満たすような所定の位置に設置されているとともに、当該所定の位置にアース線62の一端を固定することができるように構成されている。
【0017】
拡張スロット32は、例えば、
図3及び
図4に示すように、蓋体21Aに取り付けられている。
図4は、
図3のIV-IV線断面図である。
【0018】
ケース本体21Bの内底部には、
図5及び
図6に示すように、3つの回路基板33A、33B及び33Cが、ケース本体21Bの長手方向(
図5の左右方向に相当)に沿って並べられた状態で設けられている。なお、本実施形態においては、図示及び説明の便宜のため、3つの回路基板33A、33B及び33Cを総称して回路基板33と記述する場合があるものとする。ケース本体21Bの内部には、
図5に示すように、導入部22に挿通された入力線及び出力線と接続される端子部23が配設されている。端子部23は、入力端子23A及び出力端子23Bを有して構成されている。入力端子23Aは、回路基板33A、33B及び33Cの入力側との間をそれぞれ入力側配線部材42によって接続される。出力端子23Bは、回路基板33A、33B及び33Cの出力側との間をそれぞれ出力側配線部材52によって接続される。
図5及び
図6は、実施形態に係る電源装置におけるケース本体21Bの内部の構成を説明するための図である。
【0019】
図5及び
図6に示すように、回路基板33A、33B及び33Cの入力側には、ノイズ除去等を行うための1つ以上の回路素子41Aが設けられている。また、回路素子41Aは、ケース本体21Bの幅方向(
図5の上下方向及び
図6の左右方向に相当)に対して平行な方向である、回路基板33の長手方向の一端側に設けられている。また、回路素子41Aは、
図6に示すように、回路基板33の表面からの最大高さがLHAになるような部品を用いて構成されている。
【0020】
図5及び
図6に示すように、回路基板33A、33B及び33Cの出力側には、駆動電力を生成するための1つ以上の回路素子51Aが設けられている。また、回路素子51Aは、回路基板33の長手方向の他端側に設けられている。また、回路素子51Aは、
図6に示すように、回路基板33の表面からの最大高さがLHAよりも大きな高さであるLHBになるような部品を用いて構成されている。
【0021】
すなわち、以上に述べたような構成によれば、回路基板33は、1つ以上の回路素子を表面上に設けて構成されている。また、以上に述べたような構成によれば、回路素子41Aおよび回路素子51Aは、回路基板33の表面上における、ケース本体21Bの幅方向に対して平行な方向に沿って離れた位置にそれぞれ設けられている。
【0022】
ケース本体21Bの内部には、
図5及び
図7に示すように、アース線取付部材61が設けられている。
図7は、実施形態に係る電源装置において、蓋体がケース本体に対して取り付けられている状態の一例を示す図である。
【0023】
アース線取付部材61は、アース線62の他端をケース本体21Bの内底部に取り付けるための取付部材として構成されている。なお、アース線取付部材61は、例えば、ケース本体21Bの内底部に直接固定してもよく、または、端子部23を取り付けるための図示しない取付板の一部として構成してもよい。また、アース線取付部材61は、例えば、ねじ等の固定部材を具備し、ケース本体21Bの内底部の所定の位置に設置されているとともに、当該所定の位置にアース線62の他端を固定することができるように構成されている。
【0024】
アース線62は、アース線取付部材31に一端が接続されるとともに、アース線取付部材61に他端が固定されるように構成されている。具体的には、アース線62は、例えば、アース線取付部材31においてねじ止め可能な圧着端子を一端に設けて構成されているとともに、アース線取付部材61においてねじ止め可能な圧着端子を他端に設けて構成されている。このように、アース線62の両端がアース線取付部材31及びアース線取付部材61に固定されることにより、蓋体21Aとケース本体21Bとの間のアースの連続性を確保することができる。特に、蓋体21Aとケース本体21Bとが別体で構成されるとともに、防水等の目的で蓋体21Aとケース本体21Bとの間にパッキン等の絶縁部材を介在させる場合であっても、蓋体21Aとケース本体21Bとを電気的に接続してアースの連続性を確保することができる。
【0025】
ここで、本実施形態に係る電源装置12においては、
図7及び
図8に示すように、蓋体21Aがケース本体21Bに対して取り付けられている状態において、アース線62が配線禁止領域WPAの内部に入らないように配置される。
図7は、ケース本体21Bに蓋体21Aを取り付けた状態でケース本体21Bの長手方向断面を幅方向から見たときの断面図である。
図7の一点鎖線により囲まれる領域が回路素子51Aに対応する配線禁止領域WPAとして設定される。
図8は、
図5の構成に対応する配線禁止領域を設定した場合の例を示す図である。本実施形態では、アース線取付部材31とアース線取付部材61とを接続するアース線62が、回路素子41A及び51Aの周囲に設定される配線禁止領域WPAの内部に入らないような配線長を有して構成される。言い換えると、アース線62の全長は、蓋体21Aがケース本体21Bに対して取り付けられている状態におけるアース線取付部材31とアース線取付部材61とを結ぶ直線距離EKに対し、所定の長さ未満の余長を加えた長さとなるように構成されている。アース線62が過度に長い場合には、蓋体21Aがケース本体21Bに対して取り付けられている状態において、アース線62の少なくとも一部が回路素子41Aまたは回路素子51Aのいずれかに近接した位置に配置されることに起因し、当該回路素子から発せられる雑音がアース線62に侵入し易くなってしまうおそれがある。
【0026】
そのため、本実施形態においては、回路素子41Aおよび回路素子51Aとアース線とが接触した際のまたは近接配置された際の雑音の強度が所定の強度よりも大きな領域を配線禁止領域WPAとして設定するとともに、蓋体21Aがケース本体21Bに対して取り付けられている状態において、アース線62が当該配線禁止領域WPAの内部に入らないように、アース線62の余長及びアース線取付部材31及び61の設置位置をそれぞれ規定するようにしている。
【0027】
なお、配線禁止領域WPAは、回路素子41A及び51Aの各々の周囲を囲むように設定される領域である。そのため、
図5に例示したような位置に回路素子41A及び51Aが設けられている場合には、配線禁止領域WPAが存在しない領域である、回路基板33の長手方向の中心付近の領域をアース線62が通過するように、アース線62の余長及びアース線取付部材31の設置位置をそれぞれ規定すればよい。
【0028】
また、本実施形態に係る電源装置12においては、回路素子41A及び回路素子51Aが回路基板33の幅方向にそれぞれ配置されているとともに、ケース本体21Bの幅方向の中央領域にアース線62を配置するようにアース線取付部材31及び61を配設している。そのため、本実施形態に係る電源装置12においては、アース線62に余長を持たせることができ、その結果、蓋体21Aにアース線62を接続するときの施工性を向上させることができる。
【0029】
次に、アース線62の余長を規定したときの施工方法について、
図9A、
図9B及び
図9Cを参照しつつ説明する。
図9A、
図9B及び
図9Cは、内面側を上方に向けた蓋体21Aのアース線取付部材31と、開口を上方に向けて配置したケース本体21Bのアース線取付部材61と、の間をアース線62で接続した状態を示している。なお、
図9A、
図9B及び
図9Cにおいては、図示の簡単のため、以下に述べる施工方法の説明に関係する部分以外の各部の記載を省略しているものとする。
【0030】
アース線62の両端をアース線取付部材31及びアース線取付部材61に接続する作業は、ケース本体21Bに対して蓋体21Aを取り付ける前に行われる。従って、アース線62に十分な余長が無い場合には、アース線62の両端をアース線取付部材31及び61に接続する作業が困難になる。
図9Aは、ケース本体21Bの開口縁に蓋体21Aの縁が略一致するように配置してアース線62を接続した状態を示している。
図9Aに示すような状態においては、アース線取付部材31とアース線取付部材61との間の距離に対してアース線62に余長を持たせることにより施工性を向上させることができる。その一方で、
図9Aに示すような状態でケース本体22Bの開口を塞ぐように蓋体22Aを取り付けた場合には、アース線62の余長が長いことに起因し、アース線62が配線禁止領域WPAの内部に入る可能性が生じる。
【0031】
そこで、本実施形態においては、例えば、
図9Bに示すように、蓋体22Aの縁をケース本体22Bの開口内側までずらした状態でアース線62がアース線取付部材31及びアース線取付部材61に接続されるようにしている。なお、
図9Bにおいては、アース線取付部材61がケース本体22Bの幅方向中央に配設されているとともに、アース線取付部材31が蓋体22Aの幅方向中央よりも側縁側に配設されている場合を示している。そして、
図9Bに示すような状態からケース本体22Bの開口を塞ぐように蓋体22Aを取り付けた場合には、蓋体22Aがケース本体22Bに対して取り付けられた状態で、余長を規制した全長を有するアース線62が配線禁止領域WPAの内部に入ることを抑制することができる。このような場合には、アース線62の全長(配線長)を、アース線取付部材61の設置位置(ケース本体21Bの内底部の所定の位置)からケース本体21Bの開口までの高さ方向(
図6の上下方向に相当)の長さELに対し、蓋体22Aの縁からアース線取付部材31までの最短距離を余長として加えた長さになるようにすればよい。すなわち、本実施形態においては、アース線62の全長(配線長)が、少なくとも、
図7の破線で示した部分の長さELに対して余長を加えた長さとして設定される。このように、アース線62の全長は、アース線取付部材31の位置に関わらず、長さELよりも長く設定される。
図9Bは、アース線62の全長が最も短くなり、かつ、アース線62の余長が極力小さくなるように設定した場合を示している。
【0032】
また、本実施形態においては、例えば、
図9Cに示すように、ケース本体22Bの開口の縁と蓋体22Aの縁とを一致させ、かつ、蓋体22Aとケース本体22Bとを互いに長手方向にずらした状態でアース線62が接続されるようにしてもよい。
図9Cは、アース線取付部材31とアース線取付部材61とを結ぶ線分が筐体22の長手方向に直交するように蓋体22A及びケース本体22Bを配置した状態を示している。
図9Cに示すような状態におけるアース線62の全長は、少なくともアース線取付部材31とアース線取付部材61との間を接続可能な長さ、つまり直線距離EKよりも長く、かつ、蓋体22Aをケース本体22Bに取り付けた際に配線禁止領域WPAの内部に入らないような長さとして設定される。なお、
図9Cにおいては、アース線取付部材31とアース線取付部材61とがそれぞれ蓋体22Aとケース本体22Bの幅方向中央に配設されている場合を示している。そして、このような場合においては、蓋体22Aをケース本体22Bに対して取り付けることにより、アース線取付部材31とアース線取付部材61とが長手方向にずれるように配設される。ここで、
図9Cに示すようにケーケ本体22Bの開口の縁と蓋体22Aの縁とを一致させ、かつ、蓋体22Aとケース本体22Bとを互いに長手方向にずらした状態において、アース線取付部材31を蓋体22Aのアース線取付部材61側の縁側に配設するとともに、アース線62の全長をアース線取付部材31とアース線取付部材61とを結ぶ最短距離で接続する長さとすることにより、アース線62の余長を短くすることができる。また、アース線取付部材31を蓋体22Aのアース線取付部材61と反対側の縁側に配設した場合には、アース線62の余長を長く設定することができる。
【0033】
図10は、実施形態に係る電源装置において、
図5とは異なる位置にアース線取付部材を設置した場合の例を示す図である。本実施形態に係る電源装置12においては、回路素子41Aの最大高さLHAが回路素子51Aの最大高さLHBよりも小さいこと(
図6参照)に起因し、回路素子41Aに対応する配線禁止領域WPAを、回路素子51Aに対応する配線禁止領域WPAに比べて相対的に小さな領域に設定することができる。そのため、本実施形態に係る電源装置12においては、例えば、
図10に示すように、蓋体21Aがケース本体21Bに対して取り付けられている状態におけるアース線62の配線方向を、アース線取付部材61の設置位置(ケース本体21Bの内底部の所定の位置)から回路素子41A側(配線禁止領域WPAが小さな領域)へ向かう方向に誘導するような位置にアース線取付部材31を設置してもよい。そして、
図10に例示した構成によれば、
図5に例示した構成に比べてアース線62の余長を長くすることができる。
【0034】
以上に述べたように、本実施形態の電源装置12によれば、アース線62の両端がアース線取付部材31及び61に接続されている状態における蓋体21Aの可動域と、回路基板33の表面上に設けられた各回路素子から発せられる雑音の強度と、をそれぞれ考慮しつつ、アース線62の余長及びアース線取付部材31の設置位置が規定されるようにしている。そのため、本実施形態の電源装置12によれば、ケース本体に対する蓋体の着脱に係る作業における作業性を確保しつつ、雑音を抑制することができる。
【0035】
なお、本実施形態においては、前述したようなアース線62の余長及びアース線取付部材31の設置位置の規定方法を、拡張スロット32に設けられた装置に接続される配線部材の余長と、拡張スロット32の設置位置と、を規定する際の規定方法として応用してもよい。
【0036】
具体的には、例えば、
図11に示すように、電源装置12をサージから保護する機能を有する装置である、サージ防護装置71が拡張スロット32に設けられている場合においては、入力側配線部材42の一端と、アース線62とは別体のアース線62Aの一端と、がサージ防護装置71に接続される。そのため、サージ防護装置71が拡張スロット32に設けられている場合においては、前述したようなアース線62の余長及びアース線取付部材31の設置位置の規定方法を、端子部23の入力端子23Aに他端が固定されている入力側配線部材42の余長と、アース線取付部材61に他端が固定されているアース線62Aの余長と、拡張スロット32の設置位置と、を規定する際の規定方法として応用することができる。
図11は、実施形態に係る電源装置に対して追加機能を付与する装置を設けた場合の例を説明するための図である。
【0037】
また、例えば、
図12に示すように、外部電源101から供給される電力に含まれる雑音を低減する機能を有する装置である、雑音低減装置72が拡張スロット32に設けられている場合においては、入力側配線部材42の一端と、アース線62Aの一端と、が雑音低減装置72に接続される。そのため、雑音低減装置72が拡張スロット32に設けられている場合においては、前述したようなアース線62の余長及びアース線取付部材31の設置位置の規定方法を、端子部23の入力端子23Aに他端が固定されている入力側配線部材42の余長と、アース線取付部材61に他端が固定されているアース線62Aの余長と、拡張スロット32の設置位置と、を規定する際の規定方法として応用することができる。
図12は、実施形態に係る電源装置に対して追加機能を付与する装置を設けた場合の例を説明するための図である。
【0038】
また、例えば、
図13に示すように、外部電源101から供給される電力の電圧を変圧する機能を有する装置である、変圧装置73が拡張スロット32に設けられている場合においては、入力側配線部材42の一端と、アース線62Aの一端と、が変圧装置73に接続される。そのため、変圧装置73が拡張スロット32に設けられている場合においては、前述したようなアース線62の余長及びアース線取付部材31の設置位置の規定方法を、端子部23の入力端子23Aに他端が固定されている入力側配線部材42の余長と、アース線取付部材61に他端が固定されているアース線62Aの余長と、拡張スロット32の設置位置と、を規定する際の規定方法として応用することができる。
図13は、実施形態に係る電源装置に対して追加機能を付与する装置を設けた場合の例を説明するための図である。
【0039】
また、例えば、
図14に示すように、光源ユニット11の点灯時の光量を調整するために電源装置12の外部から供給されるパルス状の調光信号のデューティー比を変換する機能を有する装置である、調光信号変換装置74が拡張スロット32に設けられている場合においては、端子部23から入力される調光信号を回路基板33へ伝送するための配線部材である調光線81の一端が調光信号変換装置74に接続される。そのため、調光信号変換装置74が拡張スロット32に設けられている場合においては、前述したようなアース線62の余長及びアース線取付部材31の設置位置の規定方法を、端子部23に他端が固定されている調光線81の余長と、拡張スロット32の設置位置と、を規定する際の規定方法として応用することができる。
図14は、実施形態に係る電源装置に対して追加機能を付与する装置を設けた場合の例を説明するための図である。
【0040】
また、例えば、
図15に示すように、回路基板33と同様の機能を有する回路基板を内蔵した装置である、電気回路装置75が拡張スロット32に設けられている場合においては、回路基板33に接続されている入力側配線部材42とは別体の入力側配線部材42Aの一端と、出力回路部51に接続されている出力側配線部材52とは別体の出力側配線部材52Aの一端と、が電気回路装置75に接続される。そのため、電気回路装置75が拡張スロット32に設けられている場合においては、前述したようなアース線62の余長及びアース線取付部材31の設置位置の規定方法を、端子部23の入力端子23Aに他端が固定されている入力側配線部材42Aの余長と、端子部23の出力端子23Bに他端が固定されている出力側配線部材52Aの余長と、拡張スロット32の設置位置と、を規定する際の規定方法として応用することができる。
図15は、実施形態に係る電源装置に対して追加機能を付与する装置を設けた場合の例を説明するための図である。なお、拡張スロット32は、任意の形状及び/または部材を用いて形成されていてもよい。また、本実施形態においては、拡張スロット32を設けずに、サージ防護装置71等を直接または他の部材を介して蓋体21Aに取り付けるように構成されていてもよい。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として例示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0042】
1 照明装置
11 光源ユニット
12 電源装置
21 筐体
21A 蓋体
21B ケース本体
31,61 アース線取付部材
33A,33B,33C 回路基板
42 入力側配線部材
52 出力側配線部材
62 アース線