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特許7147267画像処理装置、及び、画像処理装置のためのコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】画像処理装置、及び、画像処理装置のためのコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/12 20130101AFI20220928BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20220928BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20220928BHJP
   G06F 21/62 20130101ALI20220928BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
G06F21/12 310
B41J29/42 F
G06F3/12 305
G06F3/12 322
G06F3/12 326
G06F3/12 338
G06F21/62
H04N1/00 127A
H04N1/00 838
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018098806
(22)【出願日】2018-05-23
(65)【公開番号】P2019204275
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】任 勇勇
【審査官】打出 義尚
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-125478(JP,A)
【文献】特開2013-150131(JP,A)
【文献】特開2012-187867(JP,A)
【文献】特開2016-219952(JP,A)
【文献】特開2012-248123(JP,A)
【文献】特開2014-215927(JP,A)
【文献】特開2016-031718(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/12
B41J 29/42
G06F 3/12
G06F 21/62
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置であって、
表示部と、
画像処理を実行する画像処理実行部と、
前記画像処理装置に関する情報をサーバに登録するための登録指示を受け付ける第1の受付部と、
前記登録指示が受け付けられる場合に、不可能情報を含む第1の登録要求を前記サーバに送信する第1の登録要求送信部であって、前記不可能情報は、前記画像処理のための複数個の画像処理設定のいずれも指定不可能であることを示し、前記サーバは、前記画像処理装置から受信された前記第1の登録要求に含まれる前記不可能情報と、前記画像処理装置のユーザに対応するアカウント情報と、を関連付けて登録し、前記不可能情報と前記アカウント情報とを関連付けて登録した後に、端末装置から前記アカウント情報を受信する場合に、前記アカウント情報に関連付けられている前記不可能情報に従った第1の指示画面データであって、第1の指示画面を表わす前記第1の指示画面データを前記端末装置に送信し、前記第1の指示画面は、前記ユーザから前記画像処理を前記画像処理装置に実行させることを指示する操作を受け付けるための指示領域を含むと共に、前記端末装置から受信された前記アカウント情報に関連付けられている前記不可能情報に起因して、前記ユーザから前記複数個の画像処理設定のうちのいずれかの画像処理設定を指定する操作を受け付けるための設定指定領域を含まない、前記第1の登録要求送信部と、
前記第1の指示画面内の前記指示領域が選択されることに応じて、前記端末装置から、画像処理設定を含まない第1の機能実行要求が前記サーバに送信された後に、前記サーバから、前記アカウント情報を含むと共に、画像処理設定が指定されていないことに関係する第1の関係情報を含む第1の機能実行指示を受信する第1の指示受信部であって、前記第1の関係情報は、前記サーバに記憶されている第1の情報であって、画像処理設定が指定されていないことを示す前記第1の情報の位置を示す第1のURL(Uniform Resource Locatorの略)と、画像処理設定が指定されていないことを示す前記第1の情報そのものと、のうちの一方である、前記第1の指示受信部と、
メモリから、前記サーバから受信された前記第1の機能実行指示に含まれる前記アカウント情報に関連付けられている対象の設定特定情報を取得する第1の取得部であって、前記メモリは、前記ユーザを含む1以上のユーザのそれぞれについて、当該ユーザに対応するアカウント情報と、当該ユーザに対応する設定特定情報と、を関連付けて記憶可能であり、前記設定特定情報は、前記複数個の画像処理設定のうち、対応するユーザに利用が許可されている1個以上の画像処理設定を特定するための情報である、前記第1の取得部と、
前記メモリから取得された前記対象の設定特定情報によって特定される1個以上の画像処理設定の中から1個の画像処理設定を前記ユーザに指定させるための指定画面を前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記指定画面において第1の画像処理設定が前記ユーザによって指定される場合に、前記第1の画像処理設定に従った前記画像処理を前記画像処理実行部に実行させる第1の画像処理制御部と、
を備える、画像処理装置。
【請求項2】
前記第1の登録要求送信部は、前記画像処理装置のモードが、前記画像処理装置が前記設定特定情報を利用すべき第1のモードである状況において、前記登録指示が受け付けられる場合に、前記不可能情報を含む前記第1の登録要求を前記サーバに送信し、
前記画像処理装置は、さらに、
前記画像処理装置のモードが、前記画像処理装置が前記設定特定情報を利用すべでない第2のモードである状況において、前記登録指示が受け付けられる場合に、可能情報を含む第2の登録要求を前記サーバに送信する第2の登録要求送信部であって、前記可能情報は、前記画像処理のための前記複数個の画像処理設定のいずれも指定可能であることを示し、前記サーバは、前記画像処理装置から受信された前記第2の登録要求に含まれる前記可能情報と、前記アカウント情報と、を関連付けて登録し、前記可能情報と前記アカウント情報とを関連付けて登録した後に、前記端末装置から前記アカウント情報を受信する場合に、前記アカウント情報に関連付けられている前記可能情報に従った第2の指示画面データであって、第2の指示画面を表わす前記第2の指示画面データを前記端末装置に送信し、前記第2の指示画面は、前記指示領域を含むと共に、前記端末装置から受信された前記アカウント情報に関連付けられている前記可能情報に起因して、前記設定指定領域を含む、前記第2の登録要求送信部と、
前記第2の指示画面内の前記設定指定領域において前記複数個の画像処理設定のうちの第2の画像処理設定が指定され、かつ、前記第2の指示画面内の前記指示領域が選択されることに応じて、前記端末装置から、前記第2の画像処理設定を含む第2の機能実行要求が前記サーバに送信された後に、前記サーバから、前記アカウント情報を含むと共に、前記第2の画像処理設定が指定されたことに関係する第2の関係情報を含む第2の機能実行指示を受信する第2の指示受信部であって、前記第2の関係情報は、前記サーバに記憶されている第2の情報であって、前記第2の画像処理設定を示す前記第2の情報の位置を示す第2のURLと、前記第2の画像処理設定を示す前記第2の情報そのものと、のうちの一方である、前記第2の指示受信部と、
前記指定画面が前記表示部に表示されることなく、前記サーバから受信された前記第2の機能実行指示に含まれる前記第2の関係情報を用いて得られる前記第2の画像処理設定に従った前記画像処理を前記画像処理実行部に実行させる第2の画像処理制御部と、
を備える、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
記画像処理装置は、さらに、
前記画像処理装置のモードが前記第1のモードである状況において、前記サーバから前記第1の機能実行指示が受信される場合に、前記サーバから前記第1の情報を取得せず、
前記画像処理装置のモードが前記第2のモードである状況において、前記サーバから前記第2の機能実行指示が受信される場合に、前記第2の機能実行指示に含まれる前記第2の関係情報である前記第2のURLを利用して、前記サーバから前記第2の情報を取得する第2の取得部を備え、
前記第2の画像処理制御部は、前記第2の情報によって示される前記第2の画像処理設定に従った前記画像処理を前記画像処理実行部に実行させる、請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、
前記対象の設定特定情報によって2個以上の画像処理設定が特定される場合に、前記2個以上の画像処理設定の中から1個の画像処理設定を前記ユーザに指定させるための前記指定画面を前記表示部に表示させ、
前記対象の設定特定情報によって所定の1個の画像処理設定のみが特定される場合に、前記所定の1個の画像処理設定を前記ユーザに指定させるための前記指定画面を前記表示部に表示させず、
前記第1の画像処理制御部は、
前記指定画面において前記2個以上の画像処理設定の中から前記第1の画像処理設定が前記ユーザによって指定される場合に、前記第1の画像処理設定に従った前記画像処理を前記画像処理実行部に実行させ、
前記対象の設定特定情報によって前記所定の1個の画像処理設定のみが特定されることに起因して前記指定画面が表示されない場合に、前記所定の1個の画像処理設定に従った前記画像処理を前記画像処理実行部に実行させる、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記複数個の画像処理設定は、第1の設定項目に対応する2個以上の設定値と、前記第1の設定項目とは異なる第2の設定項目に対応する2個以上の設定値と、の組み合わせである4個以上の画像処理設定を含み、
前記表示制御部は、
前記対象の設定特定情報によって、前記第1の設定項目に対応する前記2個以上の設定値と、前記第2の設定項目に対応する前記2個以上の設定値と、が特定される場合に、前記第1の設定項目に対応する前記2個以上の設定値の中から1個の設定値を前記ユーザに指定させるための第1の指定領域と、前記第2の設定項目に対応する前記2個以上の設定値の中から1個の設定値を前記ユーザに指定させるための第2の指定領域と、を含む前記設定指定領域を含む前記指定画面を前記表示部に表示させ、
前記対象の設定特定情報によって、前記第1の設定項目に対応する1個の設定値のみと、前記第2の設定項目に対応する前記2個以上の設定値と、が特定される場合に、前記第1の指定領域を含まないと共に前記第2の指定領域を含む前記設定指定領域を含む前記指定画面を前記表示部に表示させる、請求項1から4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記画像処理装置は、さらに、
前記ユーザを識別するユーザ識別情報の入力を受け付ける第2の受付部を備え、
前記表示制御部は、
前記サーバから前記第1の機能実行指示が受信された後であって、前記ユーザから前記ユーザ識別情報の入力が受け付けられる前に、前記指定画面を前記表示部に表示させず、
前記サーバから前記第1の機能実行指示が受信された後であって、前記ユーザから前記ユーザ識別情報の入力が受け付けられた後に、前記指定画面を前記表示部に表示させる、請求項1から5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画像処理は、印刷処理であり、
前記画像処理装置は、さらに、
前記サーバから、印刷対象の画像を表わす画像データを受信する画像データ受信部を備え、
前記第1の画像処理制御部は、前記指定画面において前記第1の画像処理設定が指定され、かつ、前記サーバから前記画像データが受信される場合に、前記第1の画像処理設定に従った印刷処理であって、前記画像データによって表わされる前記画像の前記印刷処理を前記画像処理実行部に実行させる、請求項1から6のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記画像データ受信部は、前記指定画面において前記第1の画像処理設定が前記ユーザによって指定された後に、前記サーバから前記画像データを受信する、請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記画像処理装置は、さらに、前記メモリを備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
画像処理装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記画像処理装置は、
表示部と、
画像処理を実行する画像処理実行部と、を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記画像処理装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、
前記画像処理装置に関する情報をサーバに登録するための登録指示を受け付ける第1の受付部と、
前記登録指示が受け付けられる場合に、不可能情報を含む第1の登録要求を前記サーバに送信する第1の登録要求送信部であって、前記不可能情報は、前記画像処理のための複数個の画像処理設定のいずれも指定不可能であることを示し、前記サーバは、前記画像処理装置から受信された前記第1の登録要求に含まれる前記不可能情報と、前記画像処理装置のユーザに対応するアカウント情報と、を関連付けて登録し、前記不可能情報と前記アカウント情報とを関連付けて登録した後に、端末装置から前記アカウント情報を受信する場合に、前記アカウント情報に関連付けられている前記不可能情報に従った第1の指示画面データであって、第1の指示画面を表わす前記第1の指示画面データを前記端末装置に送信し、前記第1の指示画面は、前記ユーザから前記画像処理を前記画像処理装置に実行させることを指示する操作を受け付けるための指示領域を含むと共に、前記端末装置から受信された前記アカウント情報に関連付けられている前記不可能情報に起因して、前記ユーザから前記複数個の画像処理設定のうちのいずれかの画像処理設定を指定する操作を受け付けるための設定指定領域を含まない、前記第1の登録要求送信部と、
前記第1の指示画面内の前記指示領域が選択されることに応じて、前記端末装置から、画像処理設定を含まない第1の機能実行要求が前記サーバに送信された後に、前記サーバから、前記アカウント情報を含むと共に、画像処理設定が指定されていないことに関係する第1の関係情報を含む第1の機能実行指示を受信する第1の指示受信部であって、前記第1の関係情報は、前記サーバに記憶されている第1の情報であって、画像処理設定が指定されていないことを示す前記第1の情報の位置を示す第1のURL(Uniform Resource Locatorの略)と、画像処理設定が指定されていないことを示す前記第1の情報そのものと、のうちの一方である、前記第1の指示受信部と、
メモリから、前記サーバから受信された前記第1の機能実行指示に含まれる前記アカウント情報に関連付けられている対象の設定特定情報を取得する第1の取得部であって、前記メモリは、前記ユーザを含む1以上のユーザのそれぞれについて、当該ユーザに対応するアカウント情報と、当該ユーザに対応する設定特定情報と、を関連付けて記憶可能であり、前記設定特定情報は、前記複数個の画像処理設定のうち、対応するユーザに利用が許可されている1個以上の画像処理設定を特定するための情報である、前記第1の取得部と、
前記メモリから取得された前記対象の設定特定情報によって特定される1個以上の画像処理設定の中から1個の画像処理設定を前記ユーザに指定させるための指定画面を前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記指定画面において第1の画像処理設定が前記ユーザによって指定される場合に、前記第1の画像処理設定に従った前記画像処理を前記画像処理実行部に実行させる第1の画像処理制御部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、サーバを介して画像処理装置に画像処理を実行させる技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているプリンタは、ログイン情報と、プリンタのプリンタ名と、当該プリンタが実行可能な全ての印刷条件を示すCapability情報と、を格納管理サーバに送信して、これらの情報を格納管理サーバに記憶させる。格納管理サーバは、PCからログインされる場合に、上記のCapability情報によって示される各印刷条件の中から、印刷で利用されるべき印刷条件を選択するための印刷設定画面を表わすデータをPCに送信する。そして、格納管理サーバは、PCから、印刷データと、印刷設定画面で選択された印刷条件を示す条件データと、を受信し、これらの情報をプリンタに送信することによって、プリンタに印刷を実行させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-190337号公報
【文献】特開2014-056320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、プリンタの或るユーザに対して、プリンタが実行可能な全ての印刷条件のうちの一部のみ(例えばカラー印刷とモノクロ印刷のうちのモノクロ印刷のみ)が許可されている状況を想定する。上記の特許文献1の技術では、プリンタが実行可能な全ての印刷条件を示すCapability情報が格納管理サーバに送信され、そのCapability情報に応じた印刷設定画面がPCに表示される。このために、上記のユーザに許可されていない印刷条件が印刷設定画面から選択され得るので、その印刷条件に応じた印刷がプリンタで実行され得る。
【0005】
本明細書は、サーバを介して画像処理装置に画像処理を実行させるシステムにおいて、ユーザに利用が許可されていない画像処理設定に従った画像処理が画像処理装置によって実行されることを抑制するための技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される画像処理装置は、表示部と、画像処理を実行する画像処理実行部と、前記画像処理装置に関する情報をサーバに登録するための登録指示を受け付ける第1の受付部と、前記登録指示が受け付けられる場合に、不可能情報を含む第1の登録要求を前記サーバに送信する第1の登録要求送信部であって、前記不可能情報は、前記画像処理のための複数個の画像処理設定のいずれも指定不可能であることを示し、前記サーバは、前記画像処理装置から受信された前記第1の登録要求に含まれる前記不可能情報と、前記画像処理装置のユーザに対応するアカウント情報と、を関連付けて登録し、前記不可能情報と前記アカウント情報とを関連付けて登録した後に、端末装置から前記アカウント情報を受信する場合に、前記アカウント情報に関連付けられている前記不可能情報に従った第1の指示画面データであって、第1の指示画面を表わす前記第1の指示画面データを前記端末装置に送信し、前記第1の指示画面は、前記ユーザから前記画像処理を前記画像処理装置に実行させることを指示する操作を受け付けるための指示領域を含むと共に、前記端末装置から受信された前記アカウント情報に関連付けられている前記不可能情報に起因して、前記ユーザから前記複数個の画像処理設定のうちのいずれかの画像処理設定を指定する操作を受け付けるための設定指定領域を含まない、前記第1の登録要求送信部と、前記第1の指示画面内の前記指示領域が選択されることに応じて、前記端末装置から、画像処理設定を含まない第1の機能実行要求が前記サーバに送信された後に、前記サーバから、前記アカウント情報を含むと共に、画像処理設定が指定されていないことに関係する第1の関係情報を含む第1の機能実行指示を受信する第1の指示受信部と、メモリから、前記サーバから受信された前記第1の機能実行指示に含まれる前記アカウント情報に関連付けられている対象の設定特定情報を取得する第1の取得部であって、前記メモリは、前記ユーザを含む1以上のユーザのそれぞれについて、当該ユーザに対応するアカウント情報と、当該ユーザに対応する設定特定情報と、を関連付けて記憶可能であり、前記設定特定情報は、前記複数個の画像処理設定のうち、対応するユーザに利用が許可されている1個以上の画像処理設定を特定するための情報である、前記第1の取得部と、前記メモリから取得された前記対象の設定特定情報によって特定される1個以上の画像処理設定の中から1個の画像処理設定を前記ユーザに指定させるための指定画面を前記表示部に表示させる表示制御部と、前記指定画面において第1の画像処理設定が前記ユーザによって指定される場合に、前記第1の画像処理設定に従った前記画像処理を前記画像処理実行部に実行させる第1の画像処理制御部と、を備えてもよい。
【0007】
画像処理装置が不可能情報を含む第1の登録要求をサーバに送信することによって、サーバでは、不可能情報とアカウント情報とが関連付けて登録される。この結果、サーバは、端末装置からアカウント情報を受信する場合に、複数個の画像処理設定のうちのいずれかの画像処理設定を指定する操作を受け付けるための設定指定領域を含まない第1の指示画面を表わす第1の指示画面データを端末装置に送信する。このために、端末装置では、設定指定領域を含まない第1の指示画面が表示されるので、端末装置において画像処理設定が指定されない。即ち、画像処理装置は、不可能情報を含む第1の登録要求をサーバに送信することによって、サーバから、アカウント情報と、画像処理設定が指定されていないことに関係する第1の関係情報と、を含む第1の機能実行指示を受信する。そして、画像処理装置は、メモリからアカウント情報に関連付けられている対象の設定特定情報を取得し、対象の設定特定情報によって特定される1個以上の画像処理設定、即ち、ユーザに利用が許可されている1個以上の画像処理設定の中から1個の画像処理設定をユーザに指定させるための指定画面を表示する。これにより、当該指定画面において、ユーザに利用が許可されている1個以上の画像処理設定の中から第1の画像処理設定がユーザによって指定されるので、画像処理装置は、第1の画像処理設定に従った画像処理を実行することができる。従って、サーバを介して画像処理装置に画像処理を実行させるシステムにおいて、ユーザに利用が許可されていない画像処理設定に従った画像処理が画像処理装置によって実行されることを抑制することができる。
【0008】
上記の画像処理装置を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。また、上記の画像処理装置と、他の装置(例えば端末装置及び/又はサーバ)と、を備える通信システムも、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】通信システムの構成を示す。
図2】通常印刷プロセスのシーケンス図を示す。
図3】登録プロセスのケースAのシーケンス図を示す。
図4図3の続きのシーケンス図を示す。
図5】共用プロセスのシーケンス図を示す。
図6】サーバ印刷プロセスのケースAのシーケンス図を示す。
図7図6の続きのシーケンス図を示す。
図8】登録プロセスのケースBのシーケンス図を示す。
図9】サーバ印刷プロセスのケースBのシーケンス図を示す。
図10図9の続きのシーケンス図を示す。
図11図10の続きのシーケンス図を示す。
図12図11の続きのシーケンス図を示す。
図13図12の続きのシーケンス図を示す。
図14】第2実施例の登録プロセスのシーケンス図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施例)
(通信システム2の構成;図1
まず、図1を参照して、通信システム2の構成を説明する。通信システム2は、プリンタ10と、画像処理サーバ50と、複数個のPC(Personal Computerの略)90-1~90-3,91と、を備える。以下では、画像処理サーバ50のことを単に「サーバ50」と記載することがある。プリンタ10及び各PC90-1等は、同じLAN6に接続されており、さらに、LAN6を介して、インターネット4に接続されている。サーバ50は、インターネット4に接続されている。従って、プリンタ10及び各PC90-1等は、インターネット4を介して、サーバ50と通信可能である。
【0011】
(プリンタ10の構成)
プリンタ10は、印刷を実行可能な周辺機器(即ち各PC90-1等の周辺機器)である。プリンタ10は、モデル名MNと、デバイス名DNと、登録ID「R」と、を有する。プリンタ10は、操作部12と、表示部14と、ネットワークインターフェース16と、印刷実行部18と、制御部30と、を備える。各部12~30は、バス線(符号省略)に接続されている。以下では、インターフェースのことを「I/F」と記載する。
【0012】
操作部12は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示をプリンタ10に入力することができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。ネットワークI/F16は、LAN6に接続されている。印刷実行部18は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構を備える。
【0013】
制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラム36に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。メモリ34は、さらに、ユーザ管理テーブル38と、制限フラグ40と、を格納する。
【0014】
ユーザ管理テーブル38では、プリンタ10を利用する1以上のユーザのそれぞれについて、ログイン状態情報と、ユーザ名と、パスワードと、アカウント情報と、制限情報と、が関連付けられている。なお、以下では、ユーザ管理テーブル38のことを単に「テーブル38」と記載することがある。ユーザ名及びパスワードは、ユーザを識別する情報であり、当該ユーザがプリンタ10にログインするために利用される。アカウント情報は、ユーザがサーバ50にログインするために利用される情報である。例えば、プリンタ10の管理者は、ユーザ毎に、ユーザ名、パスワード、及び、アカウント情報をテーブル38に記憶させる。ログイン状態情報は、「ログイン」及び「ログアウト」のどちらかを示す情報であり、「ログイン」は、ユーザがプリンタ10にログインしていることを示し、「ログアウト」は、ユーザがプリンタ10にログインしていないことを示す。
【0015】
制限情報は、プリンタ10によって実行される印刷のための複数個の印刷設定のうち、対応するユーザに利用が許可されている1個以上の印刷設定を示す。本実施例では、色設定に対応する2個の設定値「カラー」及び「モノクロ」と、印刷面設定に対応する2個の設定値「片面」及び「両面」と、の組み合わせである4個の印刷設定が存在する。設定値「カラー」は、カラー印刷がユーザに許可されていることを示し、設定値「モノクロ」は、モノクロ印刷がユーザに許可されていることを示す。設定値「片面」は、印刷媒体の一方の面のみに印刷対象の画像を印刷する片面印刷がユーザに許可されていることを示し、設定値「両面」は、印刷媒体の両面に印刷対象の画像を印刷する両面印刷がユーザに許可されていることを示す。
【0016】
例えば、ユーザ名UN1及びパスワードP1によって識別されるユーザ(以下では「第1のユーザ」と記載する)は、2個の設定値「カラー」及び「モノクロ」と2個の設定値「片面」及び「両面」との組み合わせである4個の印刷設定の利用が許可されている。また、ユーザ名UN2及びパスワードP2によって識別されるユーザ(以下では「第2のユーザ」と記載する)は、1個の設定値「モノクロ」と2個の設定値「片面」及び「両面」との組み合わせである2個の印刷設定の利用が許可されている。また、ユーザ名UN3及びパスワードP3によって識別されるユーザ(以下では「第3のユーザ」と記載する)は、1個の設定値「モノクロ」と1個の設定値と「両面」との組み合わせである1個の印刷設定のみの利用が許可されている。なお、制限情報は、色設定及び印刷面設定のみならず、例えば、印刷用紙のサイズ、印刷枚数等の設定をさらに含んでいてもよい。
【0017】
制限フラグ40は、テーブル38内の制限情報に基づいて印刷設定の利用をユーザに制限することを示す「ON」と、印刷設定の利用をユーザに制限しないことを示す「OFF」と、のどちらかに設定される。
【0018】
(画像処理サーバ50の構成)
サーバ50は、インターネット上に設置されるサーバであり、例えば、Google(登録商標)によって提供されるGCP(Google Cloud Printの略)サーバである。ただし、変形例では、サーバ50は、例えば、プリンタ10のベンダによって提供されるサーバであってもよい。サーバ50は、プリンタ10と各PC90-1等との間で印刷の仲介を実行するためのサーバである。即ち、サーバ50は、例えばPC90-1からサブミットされる画像ファイルを変換して、プリンタ10が解釈可能なデータ形式を有する印刷データを生成し、当該印刷データをプリンタ10に送信する。従って、PC90-1は、画像ファイルを印刷データに変換するためのプリンタドライバを備えていなくても、サーバ50に画像ファイルをサブミットすれば、プリンタ10に印刷を実行させることができる。プリンタ10の各ユーザは、当該ユーザのアカウント情報(例えばGoogle Account)をサーバ50に予め登録しておく。
【0019】
(各PC90-1,90-2,90-3,91の構成)
PC90-1~90-3は、プリンタ10に印刷を実行させるためのプリンタドライバを備えていない。PC91は、プリンタ10に印刷を実行させるためのプリンタドライバを備える。また、各PC90-1等は、例えば、Google Chrome(登録商標)等のブラウザプログラム(図示省略)を備えている。各PC90-1等は、本実施例では、据置型の端末装置(例えばデスクトップPC等)であるが、変形例では、携帯電話(例えばスマートフォン)、PDA、ノートPC、タブレットPC等の可搬型の端末装置であってもよい。
【0020】
(通常印刷プロセス:図2
続いて、図2を参照して、プリンタ10とPC91との間で実行される通常印刷プロセスを説明する。通常印刷プロセスは、PC91がプリンタドライバによって生成される印刷データをプリンタ10に送信することによって、プリンタ10に印刷を実行させるプロセスである。即ち、通常印刷プロセスは、サーバ50を介さずに、プリンタ10に印刷を実行させるプロセスである。図2では、プリンタ10の制限フラグ40は「ON」に設定されている。なお、以下では、理解の容易化のために、各デバイスのCPU(例えばCPU32)が実行する動作を、CPUを主体として記載せずに、各デバイス(例えばプリンタ10)を主体として記載する。また、プリンタ10によって実行される全ての通信は、ネットワークI/F16を介して実行される。従って、以下では、「ネットワークI/F16を介して」という記載を省略する。
【0021】
T3では、第1のユーザは、印刷操作をPC91に実行する。印刷操作は、印刷対象を表わす画像ファイルの選択と、印刷設定の指定と、を含む。この場合、PC91は、プリンタドライバを利用して、当該印刷設定に応じて当該画像ファイルを変換して、プリンタ10が解釈可能なデータ形式を有する印刷データを生成する。
【0022】
T4では、PC91は、ユーザ名及びパスワードを入力するための入力画面を表示する。T5では、PC91は、第1のユーザからユーザ名UN1及びパスワードP1の入力を受け付ける。そして、T6では、PC91は、プリンタ10に印刷を実行させるための印刷指示をプリンタ10に送信する。当該印刷指示は、T5で入力されたユーザ名UN1及びパスワードP1と、変換済みの印刷データと、T3で指定された印刷設定(図2のケースでは、カラー及び片面)と、を含む。
【0023】
T6では、プリンタ10は、PC91から印刷指示を受信する。T7では、プリンタ10は、メモリ34内の制限フラグ40が「ON」に設定されていると判断し、印刷指示に含まれる印刷設定の利用が第1のユーザに許可されているのか否かを判断する。具体的には、プリンタ10は、テーブル38から、ユーザ名UN1及びパスワードP1に関連付けられている制限情報を特定する。次いで、プリンタ10は、特定済みの制限情報を利用して、印刷指示に含まれる印刷設定(即ち、カラー、片面)の利用が許可されているのか否かを判断する。本ケースでは、プリンタ10は、当該印刷設定の利用が第1のユーザに許可されていると判断して(T7でYES)、T8において、印刷設定(即ち、カラー、片面)及び印刷指示に含まれる印刷データに従った印刷を印刷実行部18に実行させる。一方、プリンタ10は、印刷指示に含まれる印刷設定の利用が許可されていないと判断する場合(T7でNO)に、印刷を実行しない。
【0024】
上記のように、プリンタ10は、第1のユーザからサーバ50を介さずに印刷の実行が指示される場合(T6)に、テーブル38内の第1のユーザに対応する制限情報に基づいて、第1のユーザに利用が許可されている印刷設定に従った印刷を実行し、第1のユーザに利用が許可されていない印刷設定に従った印刷を実行しない。これにより、ユーザに利用が許可されていない印刷設定に従った印刷がプリンタ10によって実行されることを抑制することができる。
【0025】
(登録プロセスのケースA:図3及び図4
続いて、図3及び図4を参照して、プリンタ10をサーバ50に登録する登録プロセスのケースAの処理について説明する。図3の初期状態では、プリンタ10の制限フラグ40は、「OFF」に設定されている。各PC90-1等によって実行される以下の各処理は、ブラウザプログラムに従って実行される。
【0026】
T10では、PC90-1は、ユーザ名UN1及びパスワードP1によって識別される第1のユーザから、アカウント情報「user1@zzz.com」の入力と、サーバ50へのログインの指示と、を受け付けることに応じて、当該アカウント情報を含むログイン要求をサーバ50に送信する。
【0027】
サーバ50は、T10において、PC90-1からログイン要求を受信し、当該ログイン要求に含まれるアカウント情報が登録済みである場合に、T12において、所定画面を表わす所定画面データをPC90-1に送信する。
【0028】
PC90-1は、T12において、サーバ50から所定画面データを受信すると、T14において、所定画面データによって表わされる所定画面を表示する。所定画面は、PC90-1の周囲に存在するプリンタを検索するための検索ボタンを含む。そして、PC90-1は、T20において、第1のユーザによって所定画面内の検索ボタンが選択される場合に、プリンタを検索するための検索信号をブロードキャストによってLAN6に送信する。
【0029】
プリンタ10は、T22において、PC90-1から検索信号を受信することに応じて、T24において、プリンタ10のデバイス名DNを検索信号の送信元であるPC90-1に送信する。
【0030】
PC90-1は、T24において、プリンタ10からデバイス名DNを受信すると、T26において、デバイス名DNを含む検索結果を表示する。T30では、PC90-1は、第1のユーザからデバイス名DNの選択を受け付ける。この場合、T32では、PC90-1は、サーバ50に現在ログインしているログイン済みアカウント情報「user1@zzz.com」を含む登録指示をプリンタ10に送信する。登録指示は、プリンタ10に関する情報をサーバ50に登録することをプリンタ10に指示するコマンドである。
【0031】
プリンタ10は、T32において、PC90-1から登録指示を受信すると、メモリ34内の制限フラグが「OFF」に設定されていると判断して、T40において、通常登録要求をサーバ50に送信する。通常登録要求は、プリンタ10のモデル名MNと、プリンタ10において予め決められている登録ID「R」と、通常機能情報と、を含む。通常機能情報は、4個の印刷設定の全てを指定可能であることを示す情報であり、色設定に対応する2個の設定値「カラー」及び「モノクロ」と、印刷面設定に対応する2個の設定値「片面」及び「両面」と、を含む。
【0032】
サーバ50は、T40において、プリンタ10から登録要求を受信すると、T42において、登録要求に含まれる登録ID「R」がサーバ50に既に登録されているのか否かを判断する。本ケースでは、サーバ50は、登録ID「R」がまだ登録されていないと判断し、T42以降の処理を実行する。一方、サーバ50は、登録ID「R」が既に登録されていると判断する場合には、T42以降の処理を実行せず、登録プロセスを終了する。
【0033】
T42では、サーバ50は、管理ID「Printer1」及び登録トークンRTを生成する。サーバ50は、過去に生成された管理ID及び登録トークンに重複しないように、ユニークな管理ID「Printer1」及び登録トークンRTを生成する。T44では、サーバ50は、デバイス情報を登録する。デバイス情報は、T40の登録要求に含まれる各情報(即ち、モデル名MN、登録ID「R」、通常機能情報)と、生成済みの管理ID「Printer1」と、生成済みの登録トークンRTと、が関連付けられている情報である。そして、T50では、サーバ50は、管理ID「Printer1」及び登録トークンRTをプリンタ10に送信する。T50の処理が終了すると、図3の処理が終了する。
【0034】
図3の続き;図4
続いて、図4を参照して、図3の続きの処理を説明する。プリンタ10は、図3のT50において、サーバ50から管理ID「Printer1」及び登録トークンRTを受信すると、図4のT100において、登録トークンRTをPC90-1に送信する。ここで、プリンタ10は、サーバ50へのアカウント情報「user1@zzz.com」の登録が完了したのかを確認するための登録確認(後述のT120参照)をサーバ50に定期的に送信することを開始する。
【0035】
PC90-1は、T100において、プリンタ10から登録トークンRTを受信する場合に、T110において、アカウント情報「user1@zzz.com」及び登録トークンRTを含む登録要求をサーバ50に送信する。当該登録要求は、アカウント情報の登録をサーバ50に要求するコマンドである。
【0036】
サーバ50は、T110において、PC90-1から登録要求を受信すると、T112において、登録要求に含まれる登録トークンRTと、図3のT44で登録された登録トークンRTと、が一致するのか否かを判断する。本ケースでは、サーバ50は、これらの登録トークンが一致すると判断し、デバイス情報を更新する。具体的には、サーバ50は、図3のT44で登録された各情報に関連付けて、登録要求に含まれるアカウント情報「user1@zzz.com」を登録アカウント情報としてさらに登録する。なお、以降の処理では登録トークンRTが利用されないので、T112以降に示されるデバイス情報では、登録トークンRTを図示省略している。
【0037】
T120では、サーバ50は、プリンタ10から登録確認を受信する。この場合、T122では、サーバ50は、登録済みのアカウント情報「user1@zzz.com」を含む登録通知をプリンタ10に送信する。当該登録通知は、アカウント情報の登録が完了したことをプリンタ10に通知するための情報である。
【0038】
プリンタ10は、T122において、サーバ50から登録通知を受信する場合に、T124において、トークン要求をサーバ50に送信する。トークン要求は、アクセストークンの送信をサーバ50に要求するコマンドである。
【0039】
サーバ50は、T124において、プリンタ10からトークン要求を受信する場合に、T126において、ユニークな文字列であるアクセストークンATを生成する。さらに、サーバ50は、T112で更新された各情報に関連付けて、生成済みのアクセストークンATをさらに登録する。そして、T130では、サーバ50は、アクセストークンATをプリンタ10に送信する。なお、サーバ50は、アクセストークンATの有効期限が経過した際に新たなアクセストークンを生成するためのリフレッシュトークンをさらに生成し、当該リフレッシュトークンをプリンタ10にさらに送信してもよい。一般的に言えば、プリンタ10を認証可能な情報が送信されればよい。
【0040】
プリンタ10は、T130において、サーバ50からアクセストークンATを受信する場合に、アクセストークンATをメモリ34に記憶し、T132において、アクセストークンATを含む接続要求をサーバ50に送信する。接続要求は、いわゆる常時接続であるXMPP(eXtensible Messaging and Presence Protocolの略)接続の確立をサーバ50に要求するコマンドである。
【0041】
サーバ50は、T132において、プリンタ10から接続要求を受信する場合に、接続要求に含まれるアクセストークンATがデバイス情報として登録済みであると判断し(T126参照)、T134において、プリンタ10とのXMPP接続を確立する。このようにXMPP接続が確立されると、サーバ50は、プリンタ10から信号を受信しなくても、XMPP接続を利用して、LAN6のファイヤウォールを越えて信号(例えば後述の図7のT300のジョブ通知)をプリンタ10に送信することができる。
【0042】
プリンタ10は、T134において、サーバ50とのXMPP接続が確立される場合に、T136において、登録完了通知をPC90-1に送信する。登録完了通知は、サーバ50への登録が完了したことを示す情報である。T136の処理が終了すると、登録プロセスのケースAの処理が終了する。
【0043】
(共用プロセス;図5
続いて、図5を参照して、サーバ50に登録されたプリンタ10を他のユーザと共用するための共用プロセスを説明する。図5の処理は、第1のユーザが図3及び図4の登録プロセスを実行した後に実行される。上記のように、プリンタ10は、登録ID「R」をサーバ50に登録する(図3のT44)。このために、例えば、第2のユーザが、アカウント情報「user2@zzz.com」を利用して、図3のT10~T40と同様の処理を実行しても、サーバ50では、登録ID「R」が登録済みであるので、T42以降の処理が実行されない。従って、本実施例では、以下に示す共用プロセスによって、プリンタ10を複数のユーザで共用することを実現する。
【0044】
T150では、PC90-1は、第1のユーザから、アカウント情報「user1@zzz.com」の入力と、プリンタ10を他のユーザと共用するためのプリンタ共用操作と、を受け付ける。この場合、T152では、PC90-1は、当該アカウント情報を含む共用画面要求をサーバ50に送信する。
【0045】
サーバ50は、T152において、PC90-1から共用画面要求を受信する場合に、T154において、共用画面を表わす共用画面データをPC90-1に送信する。
【0046】
PC90-1は、T154において、サーバ50から共用画面データを受信すると、T156において、共用画面データによって表わされる共用画面を表示する。共用画面は、アカウント情報を入力するための入力欄と、当該入力欄に入力されたアカウント情報をサーバ50に送信するための送信ボタンと、を含む。
【0047】
T160では、PC90-1は、第1のユーザから、第2のユーザのためのアカウント情報「user2@zzz.com」及び第3のユーザのためのアカウント情報「user3@zzz.com」の入力と、送信ボタンの選択と、を受け付ける。この場合、T162では、PC90-1は、入力済みの2個のアカウント情報をサーバ50に送信する。
【0048】
サーバ50は、T162において、PC90-1から2個のアカウント情報を受信する場合に、T164において、図4のT126で更新された各情報に関連付けて、当該2個のアカウント情報を共用アカウント情報としてさらに登録する。これにより、例えば、第2又は第3のユーザは、自身のアカウント情報を利用して、サーバ50を介した印刷をプリンタ10に実行させることができる。
【0049】
(サーバ印刷プロセスのケースA:図6及び図7
続いて、図6及び図7を参照して、サーバ50を利用してプリンタ10に印刷を実行させるサーバ印刷プロセスのケースAを説明する。図6の処理は、図5の共用プロセスが実行された後に実行される。PC90-2は、T200において、第2のユーザからのアカウント情報「user2@zzz.com」の入力と、プリンタ10に印刷を実行させるための印刷操作と、を受け付けることに応じて、T202において、当該アカウント情報をサーバ50に送信する。
【0050】
サーバ50は、T202において、PC90-2からアカウント情報を受信する場合に、T204において、当該アカウント情報を含むデバイス情報を特定し、特定済みのデバイス情報に含まれるモデル名MNと管理ID「Printer1」とが関連付けられた情報を含むデバイス選択画面データをPC90-2に送信する。
【0051】
PC90-2は、T204において、サーバ50からデバイス選択画面データを受信する場合に、T206において、当該画面データによって表わされるデバイス選択画面を表示する。デバイス選択画面は、モデル名MNを含む。PC90-2は、T210において、第2のユーザからデバイス選択画面内のモデル名MNの選択を受け付ける場合に、T212において、モデル名MNに関連付けられている管理ID「Printer1」を含む指示画面要求をサーバ50に送信する。当該要求は、印刷設定を選択する画面を表わすデータの送信をサーバ50に要求するコマンドである。
【0052】
サーバ50は、T212において、PC90-2から指示画面要求を受信する場合に、指示画面要求に含まれる管理ID「Printer1」に関連付けられている通常機能情報(即ち、色設定「カラー、モノクロ」、印刷面設定「片面、両面」)を特定する。サーバ50は、特定済みの通常機能情報によって示される4個の印刷設定のいずれかを選択可能な指示画面を表わす指示画面データを生成する。そして、サーバ50は、T214において、生成済みの指示画面データをPC90-2に送信する。
【0053】
PC90-2は、T214において、サーバ50から指示画面データを受信する場合に、T216において、指示画面データによって表わされる指示画面を表示する。当該指示画面は、色設定に対応する設定値を指定するためのボタン(即ち、「カラー」及び「モノクロ」)と、印刷面設定に対応する設定値を指定するためのボタン(即ち、「片面」及び「両面」)と、プリンタ10に印刷を実行させるための印刷ボタンと、を含む。T220では、PC90-2は、第2のユーザから指示画面内の「カラー」及び「片面」の指定と、印刷ボタンの選択と、を受け付け、次いで、印刷対象の画像を表わす画像ファイルF1の選択を受け付ける。そして、T222では、PC90-2は、画像ファイルF1と、指定済みの印刷設定(即ち、カラー、片面)と、を含む印刷要求をサーバ50に送信する。
【0054】
サーバ50は、T222において、PC90-2から印刷要求を受信する場合に、T224において、画像ファイルF1を変換して、プリンタ10が解釈可能なデータ形式を有する印刷データPD1を生成し、印刷ジョブを識別する情報であるジョブID「Job1」を生成する。次いで、サーバ50は、印刷ジョブJ1を登録する。印刷ジョブJ1は、生成済みのジョブID「Job1」と、T212で受信された管理ID「Printer1」と、生成済みの印刷データPD1と、サーバ50における印刷データPD1の格納場所の位置を示すURL(Uniform Resource Locatorの略)「U1」と、T222で受信された印刷設定(即ち、カラー、片面)と、サーバ50における当該印刷設定の格納場所の位置を示すURL「U2」と、T202で受信されたアカウント情報「user2@zzz.com」と、を含む。T224の処理が終了すると、図6の処理が終了する。
【0055】
図6の続き;図7
続いて、図7を参照して、図6の続きの処理を説明する。サーバ50は、図6のT224において、印刷ジョブJ1を登録することに応じて、図7のT300において、XMPP接続(図4のT134参照)を利用して、管理ID「Printer1」を含むジョブ通知をプリンタ10に送信する。ジョブ通知は、印刷ジョブが登録されたことをプリンタ10に通知するための情報である。
【0056】
プリンタ10は、T300において、サーバ50からジョブ通知を受信する場合に、T310において、ジョブリスト要求をサーバ50に送信する。ジョブリスト要求は、サーバ50に登録されている印刷ジョブの一覧であるジョブリストを表わすジョブリストデータの送信をサーバ50に要求するためのコマンドであり、管理ID「Printer1」とアクセストークンATとを含む。
【0057】
サーバ50は、T310において、プリンタ10からジョブリスト要求を受信する場合に、T312において、管理ID「Printer1」を含む印刷ジョブJ1を特定し、印刷ジョブJ1に含まれるジョブID「Job1」とアカウント情報「user2@zzz.com」とが関連付けられた情報を含むジョブリストデータをプリンタ10に送信する。
【0058】
プリンタ10は、T312において、サーバ50からジョブリストデータを受信する場合に、T332において、ジョブリストデータ内のジョブID「Job1」と、管理ID「Printer1」と、を含む印刷ジョブ要求をサーバ50に送信する。
【0059】
サーバ50は、T332において、プリンタ10から印刷ジョブ要求を受信する場合に、T334において、印刷ジョブ要求内のジョブID「Job1」を含む印刷ジョブJ1を特定し、印刷ジョブJ1内のアカウント情報「user2@zzz.com」と、URL「U1」と、URL「U2」と、を含む印刷指示をプリンタ10に送信する。
【0060】
プリンタ10は、T334において、サーバ50から印刷指示を受信する場合に、印刷を実行するための以下の各処理を実行する。即ち、まず、プリンタ10は、T340において、印刷指示内のURL「U2」を利用してサーバ50にアクセスして、T342において、サーバ50から印刷設定(即ち、カラー、片面)を受信する。次いで、プリンタ10は、T350において、印刷指示内のURL「U1」を利用してサーバ50にアクセスして、T352において、サーバ50から印刷データPD1を受信する。そして、T360では、プリンタ10は、受信済みの印刷設定(即ち、カラー、片面)及び受信済みの印刷データPD1に従った印刷を印刷実行部18に実行させる。
【0061】
T370では、プリンタ10は、ジョブID「Job1」を含む完了通知をサーバ50に送信する。当該完了通知は、印刷ジョブJ1の処理が完了したことをサーバ50に通知するための情報である。
【0062】
サーバ50は、T370において、プリンタ10から完了通知を受信する場合に、T372において、ジョブID「Job1」を含む印刷ジョブJ1を削除する。T372の処理が終了すると、図7の処理が終了する。
【0063】
(登録プロセスのケースB;図8
続いて、図8を参照して、登録プロセスのケースBの処理を説明する。図8の処理は、図3及び図4の処理に代えて実行される。プリンタ10は、T400において、第1のユーザから、メモリ34内の制限フラグ40を変更するためのフラグ変更操作を受け付けると、T402において、制限フラグ40を「OFF」から「ON」に変更する。その後、図3のT10~T30と同様の処理が実行される。
【0064】
プリンタ10は、T432において、PC90-1から登録指示を受信すると、メモリ34内の制限フラグが「ON」に設定されていると判断して、T440において、特定登録要求をサーバ50に送信する。特定登録要求は、プリンタ10のモデル名MNと、プリンタ10において予め決められている登録ID「R」と、特定機能情報と、を含む。特定機能情報は、4個の印刷設定のいずれも指定不可能であることを示す情報であり、色設定及び印刷面設定に対応するいずれの設定値も含まない。
【0065】
T442は、図3のT42と同様である。T444では、サーバ50は、デバイス情報を登録する。当該デバイス情報は、図3のT44とは異なり、通常機能情報に代えて特定機能情報を含む。T450は、図3のT50と同様である。その後、図4のT100~T136及び図5のT150~T164と同様の処理が実行される。即ち、サーバ50には、モデル名MNと、登録ID「R」と、特定機能情報と、管理ID「Printer1」と、登録アカウント情報「user1@zzz.com」と、アクセストークンATと、2個の共用アカウント情報(即ち、「user2@zzz.com」、「user3@zzz.com」)と、が関連付けられたデバイス情報が登録される。
【0066】
(サーバ印刷プロセスのケースB;図9図13
続いて、図9図13を参照して、サーバ印刷プロセスのケースBの処理を説明する。図9の処理は、図8の処理の後に実行される。T500~T512は、PC90-1が利用される点、及び、第1のユーザのためのアカウント情報「user1@zzz.com」が利用される点を除いて、図6のT200~T212と同様である。サーバ50は、T512において、PC90-1から指示画面要求を受信する場合に、指示画面要求に含まれる管理ID「Printer1」に関連付けられている特定機能情報(即ち、色設定「NULL」、印刷面設定「NULL」)を特定する。サーバ50は、特定済みの特定機能情報に従った指示画面を表わす指示画面データを生成する。そして、サーバ50は、T514において、生成済みの指示画面データをPC90-1に送信する。
【0067】
PC90-1は、T514において、サーバ50から指示画面データを受信すると、T516において、指示画面データに従った指示画面を表示する。当該指示画面は、印刷ボタンを含むと共に、デバイス情報が特定機能情報を含むことに起因して、印刷設定を指定するためのボタンを含まない。即ち、第1のユーザは、当該指示画面において、プリンタ10に実行させる印刷のための印刷設定を指定することができない。PC90-1は、T520において、第1のユーザから印刷ボタンの選択を受け付け、次いで、画像ファイルF2の選択を受け付ける。そして、PC90-1は、画像ファイルF2と、未指定であることを示す印刷設定(即ち、NULL)と、を含む印刷要求をサーバ50に送信する。
【0068】
サーバ50は、T522において、PC90-1から印刷要求を受信する場合に、T524において、画像ファイルF2を変換して印刷データPD2を生成し、ジョブID「Job2」を生成する。次いで、サーバ50は、印刷ジョブJ2を登録する。印刷ジョブJ2は、生成済みのジョブID「Job2」と、T512で受信された管理ID「Printer1」と、生成済みの印刷データPD2と、印刷データPD2の格納場所の位置を示すURL「U3」と、T522で受信された印刷設定(即ち、NULL)と、当該印刷設定の格納場所の位置を示すURL「U4」と、T502で受信されたアカウント情報「user1@zzz.com」と、を含む。
【0069】
T530及びT532は、図7のT300及びT310と同様である。T534では、サーバ50は、管理ID「Printer1」を含む印刷ジョブJ2を特定し、印刷ジョブJ2に含まれるジョブID「Job2」とアカウント情報「user1@zzz.com」とを含むジョブリストデータをプリンタ10に送信する。
【0070】
本ケースでは、プリンタ10は、T534において、サーバ50からジョブリストデータを受信すると、メモリ34内の制限フラグ40が「ON」であると判断し、次いで、ジョブリストデータ内のアカウント情報「user1@zzz.com」に対応する第1のユーザがプリンタ10にログインしているのか否かを判断する。本ケースでは、プリンタ10は、第1のユーザがプリンタ10にログインしていないと判断する。また、同時に、プリンタ10は、テーブル38内の制限情報を利用して、第1のユーザに2個以上の印刷設定の利用が許可されているのか否かを判断する。本ケースでは、プリンタ10は、第1のユーザに2個以上の印刷設定の利用が許可されていると判断する。この場合、プリンタ10は、受信済みのジョブリストデータに従ったジョブリストを表示部14に表示させることなく、当該ジョブリストデータを破棄する。T534の処理が終了すると、図9の処理が終了する。
【0071】
図9の続き;図10
続いて、図10を参照して、図9の続きの処理を説明する。PC90-2は、図9のT500~T520と同様の処理をサーバ50と実行し、T622において、第2のユーザによって選択された画像ファイルF3と、未指定であることを示す印刷設定(即ち、NULL)と、を含む印刷要求をサーバ50に送信する。
【0072】
サーバ50は、T624において、PC90-2から印刷要求を受信すると、T624において、画像ファイルF3を変換して印刷データPD3を生成し、ジョブID「Job3」を生成し、印刷ジョブJ3を登録する。印刷ジョブJ3は、ジョブID「Job3」と、管理ID「Printer1」と、印刷データPD3と、印刷データPD3の格納場所の位置を示すURL「U5」と、T622で受信された印刷設定(即ち、NULL)と、当該印刷設定の格納場所の位置を示すURL「U6」と、アカウント情報「user2@zzz.com」と、を含む。
【0073】
T630及びT632は、図7のT300及びT310と同様である。T634では、サーバ50は、管理ID「Printer1」を含む各印刷ジョブJ2,J3を特定し、ジョブリストデータをプリンタ10に送信する。当該ジョブリストデータは、印刷ジョブJ2に含まれるジョブID「Job2」とアカウント情報「user1@zzz.com」とが関連付けられた情報と、印刷ジョブJ3に含まれるジョブID「Job3」とアカウント情報「user2@zzz.com」とが関連付けられた情報と、を含む。
【0074】
プリンタ10は、T634において、サーバ50からジョブリストデータを受信すると、メモリ34内の制限フラグ40が「ON」であると判断し、かつ、第1及び第2のユーザがプリンタ10にログインしていないと判断する。また、同時に、プリンタ10は、第1及び第2のユーザには2個以上の印刷設定の利用が許可されていると判断する。この場合、プリンタ10は、受信済みのジョブリストデータに従ったジョブリストを表示部14に表示させることなく、当該ジョブリストデータを破棄する。
【0075】
次いで、PC90-3は、図9のT500~T520と同様の処理をサーバ50と実行し、T640において、第3のユーザによって選択された画像ファイルF4と、未指定であることを示す印刷設定(即ち、NULL)と、を含む印刷要求をサーバ50に送信する。
【0076】
サーバ50は、T640において、PC90-3から印刷要求を受信すると、T642において、画像ファイルF4を変換して印刷データPD4を生成し、ジョブID「Job4」を生成し、印刷ジョブJ4を登録する。印刷ジョブJ4は、ジョブID「Job4」と、管理ID「Printer1」と、印刷データPD4と、印刷データPD4の格納場所の位置を示すURL「U7」と、T640で受信された印刷設定(即ち、NULL)と、当該印刷設定の格納場所の位置を示すURL「U8」と、アカウント情報「user3@zzz.com」と、を含む。T642の処理が終了すると、図10の処理が終了する。
【0077】
図10の続き;図11
続いて、図11を参照して、図10の続きの処理を説明する。サーバ50は、図10のT642において、印刷ジョブJ4を登録すると、図11のT700において、管理ID「Printer1」を含むジョブ通知をプリンタ10に送信する。
【0078】
T710は、図7のT310と同様である。T712では、サーバ50は、管理ID「Printer1」を含む各印刷ジョブJ2,J3,J4を特定し、ジョブリストデータをプリンタ10に送信する。当該ジョブリストデータは、ジョブID「Job2」とアカウント情報「user1@zzz.com」とが関連付けられた情報と、ジョブID「Job3」とアカウント情報「user2@zzz.com」とが関連付けられた情報と、ジョブID「Job4」とアカウント情報「user3@zzz.com」とが関連付けられた情報と、を含む。
【0079】
プリンタ10は、T712において、サーバ50からジョブリストデータを受信すると、メモリ34内の制限フラグ40が「ON」であると判断し、かつ、第1、第2、及び、第3のユーザがプリンタ10にログインしていないと判断する。また、同時に、プリンタ10は、第3のユーザには1個の印刷設定(即ち、モノクロ、両面)のみの利用が許可されていると判断する。この場合、プリンタ10は、T712で受信されたジョブリストデータから、第3のユーザのためのアカウント情報「user3@zzz.com」に関連付けられているジョブID「Job4」を特定する。そして、T732では、プリンタ10は、特定済みのジョブID「Job4」と管理ID「Printer1」とを含む印刷ジョブ要求をサーバ50に送信する。
【0080】
T734は、アカウント情報「user3@zzz.com」、URL「U7」、及び、URL「U8」が利用される点を除いて、図7のT334と同様である。次いで、プリンタ10は、印刷を実行するための以下の各処理を実行する。即ち、まず、プリンタ10は、メモリ34内の制限フラグ40が「ON」に設定されていると判断して、T735において、テーブル38から第3のユーザに対応する制限情報を取得し、T742において、当該制限情報によって示される印刷設定(即ち、モノクロ、両面)を記憶する。この場合、プリンタ10は、受信済みのURL「U8」を利用して、サーバ50から印刷設定を取得しない。これにより、プリンタ10の処理負荷を軽減できる。なお、変形例では、プリンタ10は、受信済みのURL「U8」を利用してサーバ50にアクセスして、サーバ50から印刷設定(NULL)を取得してもよい。
【0081】
次いで、プリンタ10は、T750において、印刷指示内のURL「U7」を利用してサーバ50にアクセスして、T752において、サーバ50から印刷データPD4を受信する。そして、T760では、プリンタ10は、記憶済みの印刷設定(即ち、モノクロ、カラー)及び受信済みの印刷データPD4に従った印刷を印刷実行部18に実行させる。T770及びT772は、ジョブID「Job4」が利用される点を除いて、図7のT370及びT372と同様である。T772の処理が終了すると、図11の処理が終了する。
【0082】
上記のように、プリンタ10は、取得済みの制限情報が1個の印刷設定のみを示す場合(T735)に、印刷設定を指定するための画面(例えば、後述の図12のT836の指定画面)を表示しない。これにより、プリンタ10の処理負荷を軽減することができる。なお、変形例では、プリンタ10は、取得済みの制限情報によって示される1個の印刷設定に従って、「モノクロ」を示すボタンと「両面」を示すボタンとを含む指定画面を表示部14に表示させてもよい。
【0083】
また、プリンタ10は、取得済みの制限情報が1個の印刷設定のみを示す場合(T735)に、第3のユーザがプリンタ10にログインしていなくても、T732以降の処理を実行して、印刷設定を指定するための画面を表示することなく、印刷を実行する(T760)。これにより、第3のユーザは、プリンタ10に印刷を実行させるためのユーザ操作をプリンタ10に実行する必要がないので、ユーザの利便性が向上する。
【0084】
図11の続き;図12
続いて、図12を参照して、図11の続きの処理を説明する。プリンタ10は、T810において、第1のユーザから、ユーザ名UN1及びパスワードP1の入力を含むログイン操作を受け付けると、T812において、テーブル38においてユーザ名UN1及びパスワードP1に関連付けられているログイン情報を「ログアウト」から「ログイン」に変更する。この場合、T820では、プリンタ10は、管理ID「Printer1」とアクセストークンATとを含むジョブリスト要求をサーバ50に送信する。
【0085】
T822は、図10のT634と同様である。プリンタ10は、T822において、サーバ50からジョブリストデータを受信すると、テーブル38において、アカウント情報「user1@zzz.com」に対応するログイン状態情報が「ログイン」である、即ち、第1のユーザがプリンタ10にログイン中であると判断する。この場合、プリンタ10は、T824において、当該アカウント情報に関連付けられているジョブID「Job2」を含むが、アカウント情報「user2@zzz.com」に関連付けられているジョブID「Job3」を含まないジョブリストを表示部14に表示させる。
【0086】
プリンタ10は、T830において、第1のユーザからジョブリスト内のジョブID「Job2」の選択を受け付けると、T832において、ジョブID「Job2」と管理ID「Printer1」とを含む印刷ジョブ要求をサーバ50に送信する。
【0087】
T834は、アカウント情報「user1@zzz.com」、URL「U3」、及び、URL「U4」が利用される点を除いて、図7のT334と同様である。そして、プリンタ10は、印刷を実行するための以下の各処理を実行する。即ち、まず、プリンタ10は、メモリ34内の制限フラグ40が「ON」に設定されていると判断し、T835において、テーブル38から、印刷指示内のアカウント情報「user1@zzz.com」に対応する第1のユーザの制限情報(即ち、「カラー、モノクロ」、「片面、両面」)を取得する。次いで、プリンタ10は、当該制限情報によって示される4個の印刷設定のいずれかを指定可能な指定画面を表わす指定画面データを生成する。そして、T836では、プリンタ10は、当該指定画面データによって表わされる指定画面を表示部14に表示させる。当該指定画面は、色設定に対応する設定値を指定するための2個のボタン(即ち、「カラー」及び「モノクロ」)と、印刷面設定に対応する設定値を指定するための2個のボタン(即ち、「片面」及び「両面」)と、プリンタ10に印刷を実行させるための印刷ボタンと、を含む。
【0088】
プリンタ10は、T840において、第1のユーザから、指定画面内の「カラー」及び「片面」の指定と、印刷ボタンの選択と、を受け付けると、T842において、指定済みの印刷設定(即ち、カラー、片面)を記憶する。そして、プリンタ10は、T850において、印刷指示内のURL「U3」を利用してサーバ50にアクセスして、T852において、サーバ50から印刷データPD2を受信する。
【0089】
T860では、プリンタ10は、記憶済みの印刷設定(即ち、カラー、片面)及び受信済みの印刷データPD2に従った印刷を印刷実行部18に実行させる。T870及びT872は、ジョブID「Job2」が利用される点を除いて、図7のT370及びT372と同様である。T872の処理が終了すると、図11の処理が終了する。
【0090】
上記のように、プリンタ10は、第1のユーザがプリンタ10にログインする場合(T810)に、T820以降の処理を実行する。ここで、第1のユーザがプリンタ10にログインしていない状況とは、第1のユーザがプリンタ10から比較的に離れた場所に存在する可能性が高いことを意味する。このような状況において、T820以降の処理が実行されて、ジョブリストがプリンタ10に表示されると、第1のユーザとは異なる第三者によってジョブリスト内のジョブID「Job2」が選択されて、T832~T872と同様の処理が実行され得る。従って、印刷物が第三者によって持ち去られ得る。これに対し、本実施例では、プリンタ10は、第1のユーザがプリンタ10にログインする場合、即ち、第1のユーザがプリンタ10の比較的に近くに存在する場合に、T820以降の処理を実行する。従って、第三者によって印刷物が持ち去られることを抑制できる。なお、変形例では、プリンタ10は、第1のユーザがプリンタ10にログインしていない状況においても、T820以降の処理を実行してもよい。
【0091】
図12の続き;図13
続いて、図13を参照して、図12の続きの処理を説明する。T910~T934は、ユーザ名UN2及びパスワードP2、ジョブID「Job3」、アカウント情報「user2@zzz.com」、URL「U5」、及び、URL「U6」が利用される点を除いて、図12のT810~T834と同様である。T935では、プリンタ10は、テーブル38から、印刷指示内のアカウント情報「user2@zzz.com」に対応する第2のユーザの制限情報(即ち、「モノクロ」、「片面、両面」)を取得し、当該制限情報によって示される2個の印刷設定のどちらかを指定可能な指定画面を表わす指定画面データを生成する。そして、T936では、プリンタ10は、当該指定画面データによって表わされる指定画面を表示部14に表示させる。当該指定画面は、色設定に対応する設定値を指定するためのボタンを含まないと共に、印刷面設定に対応する設定値を指定するための2個のボタン(即ち、「片面」及び「両面」)と、プリンタ10に印刷を実行させるための印刷ボタンと、を含む。このように、プリンタ10は、色設定に対応する設定値として1個の設定値(即ち、モノクロ)しか指定できない場合には、色設定に対応する設定値を指定するためのボタンを含まない指定画面を表示部14に表示させる。このため、第2のユーザは、指定画面において色設定に対応する設定値を指定する必要がない。従って、ユーザの利便性が向上する。なお、変形例では、プリンタ10は、「モノクロ」を示すボタンをさらに含む指定画面を表示部14に表示させてもよい。
【0092】
プリンタ10は、T940において、第2のユーザから、指定画面内の「片面」の指定と、印刷ボタンの選択と、を受け付けると、T942において、指定済みの印刷設定(即ち、モノクロ、片面)を記憶する。T950及びT952は、URL「U5」及び印刷データPD3が利用される点を除いて、図7のT350及びT352と同様である。
【0093】
T960では、プリンタ10は、記憶済みの印刷設定(即ち、モノクロ、片面)及び受信済みの印刷データPD3に従った印刷を印刷実行部18に実行させる。T970及びT972は、ジョブID「Job3」が利用される点を除いて、図7のT370及びT372と同様である。T972の処理が終了すると、図13の処理が終了する。
【0094】
(本実施例の効果)
本実施例では、プリンタ10が特定機能情報を含む特定登録要求をサーバ50に送信することによって(図8のT440)、サーバ50では、特定機能情報とアカウント情報「user1@zzz.com」とが関連付けて登録される(T444)。この結果、サーバ50は、PC90-1からアカウント情報「user1@zzz.com」を受信する場合(図11のT502)に、印刷設定を指定するためのボタンを含まない指示画面を表わす指示画面データをPC90-1に送信する(T514)。このために、PC90-1では、印刷設定を指定するためのボタンを含まない指示画面が表示されるので(T516)、PC90-1において印刷設定が指定されない。即ち、プリンタ10は、特定機能情報を含む登録要求をサーバ50に送信することによって、サーバ50から、アカウント情報「user1@zzz.com」と、印刷設定(NULL)の格納場所の位置を示すURL「U4」と、を含む印刷指示を受信する(図12のT834)。そして、プリンタ10は、メモリ34内のテーブル38からアカウント情報「user1@zzz.com」に関連付けられている制限情報(即ち、「カラー、モノクロ」、「片面、両面」)を取得し(T835)、当該制限情報によって特定される4個の印刷設定、即ち、第1のユーザに利用が許可されている4個の印刷設定の中から1個の印刷設定を第1のユーザに指定させるための指定画面を表示する(T836)。これにより、当該指定画面において、第1のユーザに利用が許可されている印刷設定(即ち、カラー、片面)が第1のユーザによって指定されるので、プリンタ10は、当該印刷設定に従った印刷を実行することができる(T860)。従って、サーバ50を介してプリンタ10に印刷を実行させるシステムにおいて、ユーザに利用が許可されていない印刷設定に従った印刷がプリンタ10によって実行されることを抑制することができる。
【0095】
なお、図3図4の処理が実行された後、即ち、通常機能情報を含むデバイス情報がサーバ50に登録された後に、プリンタ10において制限フラグ40が「OFF」から「ON」に変更される状況が想定される。この場合、プリンタ10は、通常機能情報に代えて、特定機能情報をサーバ50に登録するためのデバイス情報更新指示をサーバ50に送信する。これにより、サーバ50では、通常機能情報に代えて、特定機能情報を含むデバイス情報が登録される。このような状況でも、サーバ50を介してプリンタ10に印刷を実行させるシステムにおいて、ユーザに利用が許可されていない印刷設定に従った印刷がプリンタ10によって実行されることを抑制することができる。
【0096】
(対応関係)
プリンタ10、画像処理サーバ50、PC90-1~90-3が、それぞれ、「画像処理装置」、「サーバ」、「端末装置」の一例である。印刷、印刷実行部18、印刷設定が、それぞれ、「画像処理」、「画像処理実行部」、「画像処理設定」の一例である。特定機能情報、通常機能情報が、それぞれ、「不可能情報」、「可能情報」の一例であり、特定登録要求、通常登録要求が、それぞれ、「第1の登録要求」、「第2の登録要求」の一例である。第1のユーザのためのアカウント情報「user1@zzz.com」、第2のユーザのためのアカウント情報「user2@zzz.com」、及び、第3のユーザのためのアカウント情報「user3@zzz.com」が、「アカウント情報」の一例である。図9のT516の指示画面、図6のT216の指示画面が、それぞれ、「第1の指示画面」、「第2の指示画面」の一例である。色設定、印刷面設定が、それぞれ、「第1の設定項目」、「第2の設定項目」の一例である。指示画面内の印刷ボタン、印刷設定を指定するためのボタン、色設定に対応する設定値を指定するためのボタン、印刷面設定に対応する設定値を指定するためのボタンが、それぞれ、「指示領域」、「設定指定領域」、「第1の指定領域」、「第2の指定領域」の一例である。図9のT522(又は、図10のT622、T640)の印刷要求、図6のT222の印刷要求が、それぞれ、「第1の機能実行要求」、「第2の機能実行要求」の一例である。URL「U4」(又は、「U6」、「U8」)、URL「U2」が、それぞれ、「第1の関係情報」、「第2の関係情報」の一例である。ユーザ管理テーブル38が、「メモリ」の一例である。テーブル38内の制限情報が、「設定特定情報」の一例である。T842の印刷設定(カラー、片面)、図6のT222の印刷設定(カラー、片面)が、それぞれ、「第1の画像処理設定」、「第2の画像処理設定」の一例である。
【0097】
メモリ34内の制限フラグ40が「ON」に設定されている状態、メモリ34内の制限フラグ40が「OFF」に設定されている状態が、それぞれ、「第1のモード」、「第2のモード」の一例である。ユーザ名及びパスワードが、「ユーザ識別情報」の一例である。印刷データPD1~PD4が、「画像データ」の一例である。
【0098】
図3のT32(又は、図8のT432)の処理、T440の処理、図11のT734(又は、図12のT834、図13のT934)の処理、T735(又は、T835、T935)の処理、T836(又は、T936)の処理、T760(又は、T860、T960)の処理が、それぞれ、「第1の受付部」、「第1の登録要求送信部」、「第1の指示受信部」、「第1の取得部」、「表示制御部」、「第1の画像処理制御部」によって実行される処理の一例である。
【0099】
(第2実施例;図14
続いて、図14を参照して、第2実施例を説明する。本実施例では、プリンタ10は、いわゆるWEBサーバ機能を備えており、PC等の外部装置から当該サーバに対する指示を受け付けることができる。そして、図8の登録プロセスに代えて、図14の登録プロセスが実行される。
【0100】
図14のT1000では、PC90-1は、第1のユーザから、プリンタ10の制限フラグ40を変更するための指示を受け付ける場合に、制限フラグ40を変更するための変更画面を要求する変更画面要求をプリンタ10に送信する。変更画面要求は、ユーザ名UN1及びパスワードP1を含む。
【0101】
プリンタ10は、T1000において、PC90-1から変更画面要求を受信する場合に、T1002において、テーブル38において変更画面要求に含まれるユーザ名UN1に関連付けられているログイン状態情報を「ログアウト」から「ログイン」に変更する。次いで、T1010では、プリンタ10は、変更画面を表わす変更画面データをPC90-1に送信する。
【0102】
PC90-1は、T1010において、プリンタ10から変更画面データを受信すると、T1012において、変更画面データによって表わされる変更画面を表示する。変更画面は、制限フラグ40を「ON」に変更することを示すYESボタンと、制限フラグ40を変更しないことを示すNOボタンと、を含む。
【0103】
PC90-1は、T1020において、第1のユーザから変更画面内のYESボタンの選択を受け付けると、T1022において、フラグ変更指示をプリンタ10に送信する。フラグ変更指示は、制限フラグ40を「OFF」から「ON」に変更することをプリンタ10に指示するコマンドである。
【0104】
プリンタ10は、T1022において、PC90-1からフラグ変更指示を受信する場合に、T1024において、メモリ34内の制限フラグ40を「OFF」から「ON」に変更する。
【0105】
T1030では、PC90-1は、第1のユーザからプリンタ10をサーバ50に登録するための登録操作を受け付ける。この場合、PC90-1は、T1032において、所定画面の送信をプリンタ10に要求する所定画面要求をプリンタ10に送信する。即ち、本実施例では、第1のユーザはサーバ50にログインしない。
【0106】
プリンタ10は、T1032において、PC90-1から所定画面要求を受信すると、T1034において、登録ボタンを含む所定画面を表わす所定画面データをPC90-1に送信する。
【0107】
PC90-1は、T1034において、プリンタ10から所定画面データを受信する場合に、T1036において、所定画面データによって表わされる所定画面を表示する。そして、PC90-1は、T1040において、第1のユーザによって所定画面内の登録ボタンが選択される場合に、T1042において、登録指示をプリンタ10に送信する。当該登録指示は、第1のユーザのアカウント情報「user1@zzz.com」を含まない。その後、図8のT440~T444と同様の処理が実行される。
【0108】
T1050では、サーバ50は、管理ID「Printer1」と、URL「U10」と、をプリンタ10に送信する。URL「U10」は、サーバ50内の位置を示す位置情報であり、登録トークンRTをクエリとして含む。
【0109】
プリンタ10は、T1050において、サーバ50から、管理ID「Printer1」及びURL「U10」を受信する場合に、T1052において、URL「U10」をPC90-1に送信する。
【0110】
PC90-1は、T1052において、プリンタ10からURL「U10」を受信する場合に、T1060において、URL「U10」をサーバ50に送信して、サーバ50にアクセスする。
【0111】
サーバ50は、T1060において、PC90-1からURL「U10」を受信する場合に、URL「U10」に含まれる登録トークンRTと、デバイス情報(図3のT44参照)に含まれる登録トークンRTと、が一致するのか否かを判断する。本ケースではこれらの登録トークンが一致するので、サーバ50は、T1062において、アカウント情報を入力するための入力画面を表わす入力画面データをPC90-1に送信する。
【0112】
PC90-1は、T1062において、サーバ50から入力画面データを受信する場合に、T1064において、入力画面を表示する。そして、PC90-1は、T1070において、第1のユーザからアカウント情報「user1@zzz.com」の入力を受け付ける場合に、T1072において、アカウント情報「user1@zzz.com」を含む登録要求をサーバ50に送信する。その後、図4のT112~T136と同様の処理が実行される。この結果、サーバ50へのプリンタ10の登録が完了する。
【0113】
(本実施例の効果)
本実施例によると、第1のユーザがPC90-1において登録操作及び登録ボタンの選択を実行することによって、PC90-1からプリンタ10に登録指示が送信される。これにより、PC90-1はプリンタ10を検索せずに済み、また、第1のユーザは、検索結果として表示される複数個のデバイス名の中からプリンタ10のデバイス名DNを選択する必要がない。従って、ユーザの利便性を向上できる。
【0114】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0115】
(変形例1)上記の実施例では、テーブル38内の制限情報は、対応するユーザに利用が許可されている1個以上の印刷設定を示す情報であったが、対応するユーザに利用が許可されていない1個以上の印刷設定を示す情報であってもよい。この場合、例えば、第3のユーザに対応する制限情報は、1個の設定値「カラー」と1個の設定値「片面」とを含み、プリンタ10は、図11のT742において、当該制限情報を利用して、第3のユーザに利用が許可されている1個の印刷設定(即ち、モノクロ、両面)を特定して、当該印刷設定を記憶する。即ち、「設定特定情報」は、複数個の画像処理設定のうち、対応するユーザに利用が許可されている1個以上の画像処理設定を特定するための情報であればよい。
【0116】
(変形例2)テーブル38が、プリンタ10とは異なる外部サーバに格納されていてもよい。この場合、プリンタ10は、図11のT735において、印刷指示に含まれるアカウント情報「user3@zzz.com」を当該外部サーバに送信する。外部サーバは、プリンタ10からアカウント情報「user3@zzz.com」を受信する場合に、当該アカウント情報に関連付けられている制限情報(即ち、「モノクロ」、「両面」)を特定し、当該制限情報をプリンタ10に送信する。これによっても、プリンタ10は、第3のユーザに対応する制限情報を取得することができる。即ち、「メモリ」は、「画像処理装置」とは異なる装置に備えられていてもよい。
【0117】
(変形例3)制限フラグ40が常に「ON」に設定されていてもよい。本変形例では、「第2の登録要求送信部」、「第2の指示受信部」、「第2の画像処理制御部」が省略可能である。
【0118】
(変形例4)上記の実施例では、プリンタ10は、メモリ34内の制限フラグ40が「OFF」である状態では、通常登録要求をサーバ50に送信し、メモリ34内の制限フラグ40が「ON」である状態では、特定登録要求をサーバ50に送信したが、変型例では、プリンタ10は、メモリ34内に制限情報が記憶されていない状態では、通常登録要求をサーバ50に送信し、メモリ34内に制限情報が記憶されている状態では、特定登録要求をサーバ50に送信するように構成されてもよい。本変形例では、メモリ34内に制限情報が記憶されている状態、メモリ34内に制限情報が記憶されていない状態が、それぞれ、「第1のモード」、「第2のモード」の一例である。
【0119】
(変形例5)例えば、図7のT334において、プリンタ10は、サーバ50から、URL「U1」及びURL「U2」に代えて、印刷データPD1及び印刷設定(カラー、片面)を含む印刷指示を受信してもよい。本変形例では、印刷設定そのものが、「関係情報」の一例である。
【0120】
(変形例6)プリンタ10は、図12のT834において、サーバ50から印刷指示を受信する場合に、T835~T842の処理を実行する前に、T850及びT852の処理を実行してもよい。即ち、「画像データ受信部」は、指定画面において第1の画像処理設定がユーザによって指定される前に、サーバから画像データを受信してもよい。
【0121】
(変形例7)図12のT820において、プリンタ10は、テーブル38において、ユーザ名UN1及びパスワードP1に関連付けられているアカウント情報「user1@zzz.com」をさらに含むジョブリスト要求をサーバ50に送信してもよい。この場合、サーバ50は、プリンタ10からジョブリスト要求を受信することに応じて、当該アカウント情報を含む印刷ジョブJ2を特定し、ジョブリストデータをプリンタ10に送信する。当該ジョブリストデータは、印刷ジョブJ2に含まれるジョブID「Job2」とアカウント情報「user1@zzz.com」とが関連付けられた情報のみを含む。プリンタ10は、サーバ50からジョブリストデータを受信することに応じて、当該ジョブリストデータによって表わされるジョブリストを表示部14に表示させる。
【0122】
(変形例8)「画像処理装置」は、プリンタ10に限られず、印刷処理以外の処理(例えばスキャン処理)をさらに実行可能な装置(例えば、多機能機)であってもよい。また、「画像処理装置」は、スキャン処理のみを実行可能なスキャナであってもよい。この場合、サーバ50は、スキャナと各PC90-1等との間のスキャンの仲介を実行してもよい。例えば、図8のT440では、スキャナは、複数個のスキャン設定のいずれも指定不可能であることを示す特定機能情報を含む特定登録要求をサーバ50に送信する。これにより、図9のT516では、スキャン設定を指定するためのボタンを含まない指示画面が表示される。サーバ50は、PC90-1から、未指定を示すスキャン設定(即ち、NULL)を含むスキャン要求を受信することに応じて、図9のT530~T534に代えて、アカウント情報「user1@zzz.com」を含むスキャン指示をスキャナに送信する。その結果、スキャナは、テーブル38からアカウント情報「user1@zzz.com」に対応する第1のユーザの制限情報を取得して、当該制限情報によって示されるスキャン設定を指定可能な指定画面を表示する。そして、スキャナは、第1のユーザから当該指定画面においてスキャン設定の指定を受け付ける場合に、当該スキャン設定に従ったスキャンを実行し、スキャンデータをサーバ50に送信する。この場合、サーバ50は、当該スキャンデータをPC90-1に送信する。本変形例では、スキャン処理、スキャン設定がそれぞれ、「画像処理」、「画像処理設定」の一例である。
【0123】
(変形例9)上記の各実施例では、図2図14の各処理がソフトウェア(即ちプログラム36)によって実現されるが、これらの各処理のうちの少なくとも1つが論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0124】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0125】
2:通信システム、4:インターネット、6:LAN、10:プリンタ、12:操作部、14:表示部、16:ネットワークインターフェース、18:印刷実行部、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、36:プログラム、38:ユーザ管理テーブル、40:制限フラグ、50:画像処理サーバ、90-1,90-2,90-3,91:PC
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