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特許7147318端末装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】端末装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/00 20220101AFI20220928BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20220928BHJP
   G06F 3/0487 20130101ALI20220928BHJP
【FI】
H04L67/00
G06F3/0484
G06F3/0487
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018136992
(22)【出願日】2018-07-20
(65)【公開番号】P2020013488
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】坂本 勇規
(72)【発明者】
【氏名】中西 義人
(72)【発明者】
【氏名】山内 隆伸
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-106862(JP,A)
【文献】特開2013-250849(JP,A)
【文献】特開2014-64115(JP,A)
【文献】特開2018-109802(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
G06F 3/04842
G06F 3/0487
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示要素を含む表示内容が表示画面に表示された状態の電子機器を撮像して撮像画像を生成する撮像装置と、
前記撮像画像から、前記表示内容に含まれる前記表示要素を認識する認識部と、
前記電子機器の型式を表す型式情報を取得する型式情報取得部と、
前記表示要素の説明文を含む、前記型式情報に関連付けられた説明情報を取得する説明情報取得部と、
前記説明情報に含まれる前記説明文を提示する提示部と、
を備える端末装置。
【請求項2】
前記表示要素は、ピクトグラムである、請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
表示装置と、
前記撮像装置による撮像を行う動作モードにおいて、前記認識部による認識が行われる範囲を示すガイドを前記表示装置に表示させる表示制御部と、
をさらに備える請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記説明情報取得部は、インターネットを経由して外部記憶装置から前記説明情報を取得する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項5】
前記説明情報は、前記表示要素に関連するWebページのURL(Uniform Resource Locator)をさらに含み、前記提示部は、前記Webページへのハイパーリンクをさらに提示する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項6】
表示要素を含む表示内容が表示画面に表示された状態の電子機器を撮像して撮像画像を生成する撮像装置を備える端末装置によって実行される情報処理方法であって、
前記撮像画像から、前記表示内容に含まれる前記表示要素を認識する過程と、
前記電子機器の型式を表す型式情報を取得する過程と、
前記表示要素の説明文を含む、前記型式情報に関連付けられた説明情報を取得する過程と、
前記説明情報に含まれる前記説明文を提示する過程と、
を備える情報処理方法。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の端末装置が備える各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、電子機器に関する説明をユーザに提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の表示画面に不明な表示要素(例えばピクトグラム)が表示された場合のように電子機器について不明なことがある場合には、スマートフォンなどの端末装置で電子機器に関連するWebサイトにアクセスし、電子機器の電子マニュアル(操作ガイドと称されることもある)を参照するということが一般に行われている。
【0003】
上記の方法では、所望する情報(例えばピクトグラムの意味を説明する説明文)に到達するまでの手順が多い。例えば、Webサイトにアクセスするために検索などの操作が必要となる。さらに、所望する情報が電子マニュアル内のどこにあるかを探索する必要がある。電子マニュアルではキーワード検索を利用できることがあるが、検索を行うためにキーワードを入力する必要がある。また、ピクトグラムなどの表示要素については、ユーザは、どのようなキーワードで検索を行えばよいかわからず、キーワード検索を利用可能な電子マニュアルであったとしても、所望する情報を何ページにもわたって探索することになる。さらに、該当する電子マニュアルにたどりつくための検索を行うためには、正しい商品名又は型式といった情報が必要となる場合があるが、そのような情報が容易に得られないことも多々ある。
【0004】
例えば、引用文献1には、電子マニュアルを表示する端末装置が開示されている。この端末装置は、複数のポイントを含む車両の画像を表示し、ユーザにタップされたポイントに対応する部位の項目を示す吹き出しを画像上に重ね合わせて表示する。そして、端末装置は、ユーザが吹き出しをタップしたことに応答して、前記の項目に応じたマニュアル情報を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-162155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
引用文献1では、マニュアル情報へのアクセスは容易である。しかしながら、マニュアル情報から所望する情報を探索する必要があり、所望する情報に容易に到達することはできない。
【0007】
本発明は、上記の事情に着目してなされたものであり、ユーザが電子機器に表示されている表示要素の説明を容易に得ることを可能にする端末装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0009】
一態様に係る端末装置は、表示要素を含む表示内容が表示画面に表示された状態の電子機器を撮像して撮像画像を生成する撮像装置と、前記撮像画像から、前記表示内容に含まれる前記表示要素を認識する認識部と、前記表示要素の説明文を含む説明情報を取得する説明情報取得部と、前記説明情報に含まれる前記説明文を提示する提示部と、を備える。
【0010】
上記の構成によれば、ユーザが端末装置の撮像装置で電子機器を撮影すると、電子機器に表示中の表示内容に含まれる表示要素が認識され、認識された表示要素の説明文がユーザに提示される。このように、ユーザは、表示要素の説明を得るためには、電子機器の撮影を含む簡単な操作を行えばよい。したがって、ユーザは、電子機器に表示中の表示要素の説明を容易に得ることができる。
【0011】
一態様では、前記表示要素は、ピクトグラムであってよい。当該構成によれば、キーワードで表現することが難しいピクトグラムであっても、その説明を容易に得ることが可能になる。
【0012】
一態様では、上記端末装置は、表示装置と、前記撮像装置による撮像を行う動作モードにおいて、前記認識部による認識が行われる範囲を示すガイドを前記表示装置に表示させる表示制御部と、をさらに備えてよい。当該構成によれば、撮影時にユーザがその意味を知りたい表示要素を選択することが可能になる。このため、ユーザにとって利便性が向上する。
【0013】
一態様では、前記説明情報取得部は、インターネットを経由して外部記憶装置から前記説明情報を取得してよい。当該構成によれば、説明情報はそれを提示する直前にインターネット経由で取得される。それにより、最新の説明情報をユーザに提示することができるようになる。
【0014】
一態様では、前記説明情報は、前記表示要素に関連するWebページのURL(Uniform Resource Locator)をさらに含んでよく、前記提示部は、前記Webページへのハイパーリンクをさらに提示してよい。当該構成によれば、ユーザは表示要素のより詳細な説明を容易に得ることができるようになる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザが電子機器に表示されている表示要素の説明を容易に得ることを可能にする端末装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、一実施形態に係る端末装置を例示する図である。
図2図2は、一実施形態に係る血圧計の外観を示す図である。
図3図3は、一実施形態に係る端末装置のハードウェア構成を例示するブロック図である。
図4図4は、一実施形態に係る端末装置のソフトウェア構成を例示するブロック図である。
図5図5は、一実施形態に係る端末装置に表示される撮影画面を例示する図である。
図6図6は、一実施形態に係る端末装置に表示される説明画面を例示する図である。
図7図7は、一実施形態に係る端末装置によって実行される情報処理方法を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0018】
[適用例]
図1を参照して、本発明が適用される場面の一例について説明する。図1は、一実施形態に係る端末装置10を例示する。端末装置10は、典型的には、カメラ11及びタッチスクリーン12を搭載したモバイルデバイスである。端末装置10は、例えば、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話機などであり得る。
【0019】
端末装置10は、電子機器に関する取扱説明サービスを提供する。取扱説明サービスは、電子機器の表示画面(表示装置の画面)に表示される表示要素(項目と称されることもある)の説明文をユーザに提示するサービスである。ここで、表示要素とは、電子機器の表示画面に表示される表示内容に含まれる情報を指し、それ単体で意味を成すものである。例えば、電子機器の一例である血圧計20は、最高血圧(収縮期血圧)の測定値、最低血圧(拡張期血圧)の測定値、日付、時刻、ピクトグラム(単に「ピクト」と称されることもある)、エラーコード、エラーメッセージなどの表示要素を表示することが可能である。ピクトグラムは、情報を絵記号で表現したものである。エラーコードは、血圧計20に発生し得るエラーの種類(内容)に割り当てられたコードである。例えば、ユーザは、血圧計20の表示画面21に表示されているピクトグラムが何を意味するかわからないことがあり、そのピクトグラムの意味を知りたいと望むことがある。その場合、ユーザは、端末装置10のカメラ11を使用して血圧計20を撮影し、それにより、そのピクトグラムの説明文を得ることができる。
【0020】
端末装置10は、カメラ11及びタッチスクリーン12に加えて、情報処理部13を備える。
【0021】
カメラ11は、対象物を撮像して撮像画像を生成する。対象物は、表示装置を搭載した電子機器である。電子機器は、個人又は家庭向けの健康機器であるが、これに限定されない。健康機器の例には、血圧計、心電計、体重計、体組成計、歩数計、睡眠計など、人間の身体に関する指標を測定する測定機器や、経皮的末梢神経電気刺激(TENS)マッサージ器など、人間の身体に対する治療を行う治療機器が含まれる。また、電子機器は、電話機、オーディオ機器、エアコンディショナのリモコンなどであってもよい。また、電子機器は、オフィス、工場、又は病院などで使用されるものであってもよい。図1の例では、対象物は家庭用の血圧計20である。カメラ11は、本発明の「撮像装置」に相当する。
【0022】
タッチスクリーン12は、表示装置12Aと、表示装置12Aの画面(例えば液晶パネル)に設けられたタッチパネル12Bと、を備える。表示装置12Aは、情報処理部13から画像データを受け取り、この画像データに応じた画像を表示する。タッチパネル12Bは、指などの物体が接触した画面上の位置(接触位置)を検出し、接触位置を表す操作信号を情報処理部13に出力する。情報処理部13は、表示装置12Aへ与えた画像データとタッチパネル12Bから受け取った操作信号とに基づいて、ユーザによる操作の内容を判断する。
【0023】
情報処理部13は、カメラ11から撮像画像を受け取る。情報処理部13は、受け取った撮像画像に基づいて、血圧計20の表示画面21に表示された表示要素を認識し、認識した表示要素に関する説明情報を表示装置12Aに表示させる。
【0024】
以上のように、本実施形態に係る端末装置10は、カメラ11で血圧計20を撮像し、血圧計20に表示されている表示要素を認識し、認識した表示要素に関する説明情報をユーザに提示する。このため、ユーザは、表示要素の説明を得るためには、血圧計20の撮影を含む簡単な操作を行えばよい。したがって、ユーザは、血圧計20に表示されているピクトグラムなどの表示要素の説明を容易に得ることができる。
【0025】
次に、一実施形態に係る端末装置について詳細に説明する。
【0026】
[構成例]
<血圧計>
まず、本実施形態に係る端末装置を説明するために参照する血圧計について説明する。
【0027】
図2は、電子機器としての血圧計200の外観を例示する。図2に示される血圧計200は、オシロメトリック式の血圧計であって、本体201とユーザの上腕に巻き付けられるカフ(腕帯)とが別体である据置型の血圧計である。なお、図2では、簡略化のために、カフ及び本体201とカフとを接続するエアチューブについては図示が省略されている。また、血圧計200は一般的な血圧計であってよいので、血圧計200についての詳細な説明は省略する。
【0028】
本体201には、血圧計200のブランド(製造業者)を表すブランド情報202及び血圧計200の型式を表す型式情報203が印字されている。
【0029】
本体201は、入力装置として複数のプッシュ式ボタン211~216を備える。ボタン211は、血圧測定を開始するためのボタンである。ボタン211が押下されると、血圧計200の電源が入り、血圧計200は血圧測定を開始する。血圧測定中にボタン211が押下されると、血圧計200は血圧測定を停止(中断)する。ボタン212は、時計を合わせるためのボタンである。ボタン213は、記録(履歴)を閲覧するためのボタンである。ボタン215、216は、時計合わせ、閲覧する記録の選択などに使用される。ボタン214は、最高血圧、最低血圧、及び脈拍数の平均値を閲覧するためのボタンである。平均値は、例えば、直近1週間に得られた測定値の平均である。ボタン214が押下されると、朝に実施した測定に関する平均値が表示される。ボタン214がもう一度押下されると、晩に実施した測定に関する平均値が表示される。
【0030】
本体201は、表示装置220及びランプ231、232をさらに備える。表示装置220は、日付、時刻、最高血圧値、最低血圧値、脈拍数、血圧値レベル表示、体動マーク、カフマーク、測定完了表示、エラーコードなどの複数の表示要素を表示することができる。体動マーク及びカフマークはピクトグラムの例である。図2の例では、表示装置220は、セグメント方式の液晶表示装置である。このため、各表示要素が表示される領域(位置)は決まっている。図2では、血圧測定が完了した直後における血圧計200が示されており、いくつかの表示要素は表示装置220の画面に表示されていない。
【0031】
表示装置220の画面は、領域221~229を含む複数の領域を備える。日付は領域221に表示され、時刻は領域222に表示される。測定完了表示は領域223に表示される。最高血圧値は領域224に表示され、最低血圧値は領域225に表示され、脈拍数は領域226に表示される。血圧値レベル表示は領域227に表示される。血圧値レベル表示は、血圧の状態を17段階で表現する。体動マークは領域228に表示される。体動マークは、測定中に体が動いたことを表す。測定中に体が動いたことが検出されなかった場合には、体動マークは点灯しない。カフマークは領域229に表示される。カフマークは、カフが適切な強さで巻かれているか否かを示す。図2に示されるカフマークは、カフが適切な強さで巻かれていることを表す。
【0032】
領域224及び/又は領域226には、エラーコードが表示されることもある。血圧計200に生じたエラーの種類に応じた複数のエラーコードが用意される。例えば、エラーコード「E1」は、カフが本体201に正しく接続されていないことを表す。エラーコード「E2」は、測定中に腕又は体が動いたために測定が失敗したことを表す。エラーコード「Er」は、本体201が故障していることを表す。
【0033】
ランプ231は、カフの巻き方が適切であるときに点灯する。ランプ232は、カフの巻き方が不適切であるときに点灯する。
【0034】
血圧計200は、図2に示した構成に限定されない。例えば、表示装置220は、ドットマトリクス方式の表示装置であってもよい。また、血圧計200が通信機能を有しないことを想定するが、血圧計200は、Bluetooth(登録商標)モジュールなどの無線モジュールを備えていてもよい。血圧計200は、ウェアラブル型の血圧計であってもよい。
【0035】
<端末装置>
(ハードウェア構成)
図3を参照して、一実施形態に係る端末装置100のハードウェア構成の一例を説明する。図3に示される例では、端末装置100は、制御部101、記憶部105、表示装置106、入力装置107、通信インタフェース108、カメラ109、スピーカ110、マイクロフォン111、及び電池112を備える。
【0036】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)102、RAM(Random Access Memory)103、ROM(Read Only Memory)104などを含み、各構成要素を制御する。記憶部105は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、半導体メモリ(例えばフラッシュメモリ)などの補助記憶装置であり、制御部101で実行されるプログラムや、プログラムを実行するために必要な設定データなどを非一時的に記憶する。記憶部105が備える記憶媒体は、コンピュータその他装置、機械等が記録されたプログラムなどの情報を読み取り可能なように、当該プログラムなどの情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用によって蓄積する媒体である。なお、いくつかのプログラムは、ROM104に記憶されていてよい。
【0037】
表示装置106は、情報を表示する。具体的には、表示装置106は、制御部101から画像データを受け取り、受け取った画像データに応じた画像を表示する。表示装置106は、例えば、液晶表示装置又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイであり得る。有機ELディスプレイは、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイと呼ばれることもある。
【0038】
入力装置107は、ユーザからの端末装置10に対する操作を受け付ける。典型的には、入力装置107は、表示装置106の画面に設けられたタッチパネルを備える。タッチパネルは、指などの物体が接触した表示装置106の画面上の位置(接触位置)を検出し、接触位置を表す操作信号を制御部101に出力する。制御部101は、表示装置106に与えた画像データとタッチパネルから受け取った操作信号とに基づいて、ユーザが行った操作の内容を判断する。タッチパネルは、例えば、静電容量式のタッチパネルであり得る。入力装置107は、プッシュ式ボタンをさらに備えてもよい。
【0039】
通信インタフェース108は、外部装置と通信するためのインタフェースである。通信インタフェース108は、外部装置に情報を送信したり、外部装置から情報を受信したりする。通信インタフェース108は、例えば、アンテナを含む無線モジュールを備える。一例では、通信インタフェース108は、LTE(登録商標)(Long Term Evolution)モジュール及びBluetoothモジュールを備える。これにより、端末装置100は、LTEモジュールを用いて、移動体通信網を介してWebサーバなどの装置と通信したり、Bluetoothモジュールを用いて、ユーザが所有する他の端末装置と直接に通信したりすることができる。なお、通信インタフェース108は、マイクロUSB(Universal Serial Bus)コネクタなどの端子を備えていてもよい。
【0040】
カメラ109は、対象物を撮像して撮像画像を生成し、撮像画像のデータを制御部101に出力する。カメラ109は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサと、CCD又はCMOSセンサの出力に基づいて撮像画像を生成する画像処理回路と、を含む。カメラ109は本発明の「撮像装置」に相当する。なお、画像処理回路が行う処理の少なくとも一部は制御部101によって行われてもよい。この場合、本発明の「撮像装置」はカメラ109及び制御部101によって実現される。
【0041】
スピーカ110は、制御部101から供給される音響信号を音に変換する。マイクロフォン111は、音を電気信号に変換する。マイクロフォン111は、ユーザが音声で端末装置100に対する操作(例えば文字入力)を行うことを可能にする。
【0042】
電池112は、各構成要素に電力を供給する。電池112は、例えば、充電可能なバッテリである。
【0043】
なお、端末装置100の具体的なハードウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が可能である。例えば、制御部101は、複数のプロセッサを含んでいてもよい。
【0044】
(ソフトウェア構成)
図4を参照して、端末装置100のソフトウェア構成の一例を説明する。図4に示される例では、端末装置100は、マニュアル情報取得部151、入力部152、表示制御部153、認識部154、説明情報取得部155、提示部156、及びマニュアル情報記憶部161を備える。マニュアル情報取得部151、入力部152、表示制御部153、認識部154、説明情報取得部155、及び提示部156は、端末装置100の制御部101が記憶部105に記憶されたプログラムを実行することによって下記の処理を実行する。制御部101がプログラムを実行する際は、制御部101は、プログラムをRAM103に展開する。そして、制御部101は、RAM103に展開されたプログラムをCPU102により解釈及び実行して、各構成要素を制御する。マニュアル情報記憶部161は記憶部105により実現される。
【0045】
マニュアル情報取得部151は、血圧計200に関するマニュアル情報を取得し、このマニュアル情報をマニュアル情報記憶部161に記憶させる。マニュアル情報は、血圧計200が表示可能な各表示要素に関する説明情報と、各表示要素の画像データと、を含む。各表示要素に関する説明情報は、その表示要素の説明文を含む。説明情報は、その表示要素に関連するWebページのURL(Uniform Resource Locator)をさらに含んでよい。例えば、ユーザが入力装置107を用いて血圧計200の型式情報(例えばHEM-XXXXT)を入力すると、マニュアル情報取得部151は、入力された型式情報に関連付けられたマニュアル情報を、通信インタフェース108を介してインターネット上のサーバから取得する。
【0046】
入力部152は、ユーザ入力を受け付ける。ユーザ入力は、例えば、カメラ109による撮影を行う撮影モードにおいて撮影を実行する指示、型式情報などである。型式情報はマニュアル情報取得部151へ与えられる。例えば、入力部152は、タッチパネルから操作信号を受け取り、表示制御部153から、表示装置106に表示中の画像の内容を表す表示内容情報を受け取り、操作信号及び表示内容情報に基づいて、ユーザが入力した指示の内容を特定する。
【0047】
表示制御部153は、表示装置106を制御する。表示制御部153は、画像を表示装置106に表示させる。例えば、表示制御部153は、説明情報を含む説明画面(例えば図6に示される説明画面600)を表示装置106に表示させる。表示制御部153は、撮影モードにおいて、その意味を知りたい表示要素を収めるべき範囲を示すガイドを表示装置106に表示させてよい。この範囲は、後述する認識部154による認識が行われることになる認識範囲に対応する。
【0048】
認識部154は、カメラ109から撮像画像を受け取る。認識部154は、この撮像画像に基づいて、血圧計200の表示画面に表示された表示要素を認識する。具体的には、認識部154は、撮像画像から認識範囲に対応する部分画像を抽出し、部分画像とマニュアル情報記憶部161に記憶されているマニュアル情報に含まれる画像データとの比較に基づいて、血圧計200の表示装置220に表示されている表示要素を認識する。本実施形態で認識対象とする表示要素は、例えば、ピクトグラム、エラーコード、及び/又はエラーメッセージである。例えば、認識部154は、抽出した部分画像と各表示要素の画像データとのマッチングを行うことにより、抽出した部分画像にその表示要素が含まれるか否かを判定する。認識部154は、認識した表示要素を示す情報を含む認識結果を出力する。なお、認識部154は、ニューラルネットワークなどのAI(Artificial Intelligence)技術を使用した画像認識を行うものであってもよい。
【0049】
説明情報取得部155は、認識部154により認識された表示要素に関する説明情報を取得する。具体的には、説明情報取得部155は、マニュアル情報記憶部161に記憶されているマニュアル情報から、認識部154により認識された表示要素に関する説明情報を抽出する。
【0050】
提示部156は、説明情報取得部155により取得された説明情報をユーザに提示する。本実施形態では、提示部156は、表示制御部153であり、表示要素の説明文を表示装置106に表示させる。提示部156は、表示要素に関連するWebページへのハイパーリンクを表示装置106に表示させてもよい。他の実施形態では、提示部156は、説明文を音声合成し、スピーカ110を通じて説明文を出力してよい。なお、説明文は、表示装置106に表示されるとともに、スピーカ110を通じて音声として出力されてもよい。
【0051】
図5は、撮影モードで表示装置106に表示されるガイドの一例を示す。図5に示されるように、表示制御部153は、ガイドとしてのフレーム501と、カメラ109で撮影されることになる画像と、を表示装置106に表示させる。図5では、カメラ109で撮影されることになる画像は示されていない。ユーザは、特定の表示要素(例えば体動マーク)がフレーム501内に収まるようにして血圧計200を撮影する。これにより、特定の表示要素に関する説明情報が提示されることになる。
【0052】
なお、表示制御部153は、ユーザがその意味を知りたい表示要素を選択するためのポインタを表示してもよい。それにより、2つの表示要素が近接する場合にも、1つの表示要素を選択することが容易になる。また、表示制御部153は、撮影モードにおいてガイドを表示しなくてもよい。この場合、ユーザは、例えば、カメラ109のズーム機能を用いて特定の表示要素を選択的に撮影する。
【0053】
説明画面600は、認識部154により認識された表示要素の画像601と、その表示要素に関する説明情報602と、を含む。図6の例では、説明情報602は、表示要素に関する説明文602Aと、その表示要素に関連するWebページへのハイパーリンク602Bと、を含む。ユーザがハイパーリンク602Bをタップしたことに応答して、ブラウザが起動し、Webページがブラウザに表示される。Webページには、動画が埋め込まれていてもよい。カフマークに関連するWebページは、例えば、カフの装着方法を説明する動画を含む。これにより、ユーザは、取扱説明書(例えば電子マニュアル)に一般に記載される各表示要素に関する説明よりも詳細な説明を得ることができる。
【0054】
説明画面600は、オペレータを呼び出すためのボタン603をさらに含んでいてもよい。典型的には、ボタン603は、最初は非アクティブであって、ユーザがハイパーリンク602Bをタップした後にアクティブ化される。ユーザがアクティブな状態のボタン603をタップしたことに応答して、端末装置100の制御部101は、血圧計200に関するコールセンターに発呼する。ユーザが何度も連続してオペレータを呼び出すことを防止するために、ボタン603は、一旦ボタン603が押されてから所定時間(例えば1時間)が経過するまでは非アクティブ又は非表示にされてもよい。
【0055】
なお、本実施形態では、端末装置100の機能がいずれも汎用のプロセッサによって実現される例について説明している。しかしながら、機能の一部又は全部が1又は複数の専用のプロセッサにより実現されてもよい。
【0056】
[動作例]
図7は、端末装置100が取扱説明サービスを提供する際の動作フローを例示する。
【0057】
図7のステップS11では、端末装置100の制御部101は、カメラ109から撮像画像を取得する。例えば、ユーザは、血圧計200の表示画面に表示された体動マークの意味を調べるために、端末装置100上で取扱説明アプリケーションを起動させる。取扱説明アプリケーションが起動すると、端末装置100は撮影モードになる。ユーザはカメラ109で体動マークが表示画面に表示された状態の血圧計200を撮影し、カメラ109は撮像画像を制御部101に出力する。具体的には、ユーザは、体動マークが認識範囲に対応するフレーム501内に収まるようにしてカメラ109で血圧計200を撮影する。
【0058】
ステップS12では、制御部101は、認識部154として動作し、取得した撮像画像に基づいて、血圧計200の表示画面に表示された表示要素を認識する。例えば、制御部101は、撮像画像から認識範囲に対応する部分画像を抽出し、部分画像と複数の画像データとのマッチングを行い、類似度が最も高い画像データに対応する表示要素を特定する。例えば、制御部101は、血圧計200の表示画面に体動マークが表示されていることを認識する。
【0059】
ステップS13では、制御部101は、説明情報取得部155として動作し、認識した表示要素に関する説明情報を取得する。例えば、制御部101は、記憶部105に記憶されているマニュアル情報から、体動マークに関連付けられた説明情報を抽出する。
【0060】
ステップS14では、制御部101は、提示部156として動作し、取得した説明情報に含まれる説明文を表示装置106に表示させる。例えば、制御部101は、体動マークの説明文を含む説明画面(例えば図6に示される説明画面600)を表示装置106に表示させる。説明画面は、体動マークに関連するWebページへのハイパーリンクをさらに含んでいてもよい。
【0061】
このようにして、端末装置100は、血圧計200に表示された表示要素に関する説明情報を表示する。
【0062】
なお、図7に示した処理手順は一例に過ぎず、処理手順又は各処理の内容を適宜変更することが可能である。例えば、ステップS12において制御部101が複数の表示要素を認識した場合、制御部101は、表示要素それぞれに関する説明情報を表示装置106に表示させてよい。あるいは、制御部101は、ユーザに1つの表示要素を選択させるために、認識した複数の表示要素を表示装置106に一覧で表示させてもよい。この場合、ユーザによって選択された表示要素に関する説明情報が表示装置106に表示されることになる。
【0063】
[効果]
上述した端末装置100は、表示内容が表示画面に表示された状態の血圧計200をカメラ109で撮像することで生成された撮像画像に基づいて、表示内容に含まれる表示要素を認識し、認識した表示要素の説明文を含む説明情報を取得し、その説明情報を表示装置106に表示する。これにより、ユーザは、血圧計200の撮影を含む簡単な操作を行うことにより、表示要素に関する説明情報を得ることができる。言い換えると、ユーザは、少ない手順で表示要素に関する説明情報に到達することができる。したがって、ユーザは、電子機器に表示されている表示要素の意味を素早くかつ容易に知ることができる。
【0064】
ユーザは、ユーザがその意味を知りたい表示要素がガイド(例えば図5に示したフレーム501)内に収まるようにカメラ109で撮影を行う。すなわち、ユーザがその意味を知りたい表示要素の選択は、カメラ109での撮影によりなされる。このため、ピクトグラムのようなキーワードで表現することが困難な表示要素についても、簡単にその説明を得ることが可能である。
【0065】
[変形例]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0066】
例えば、マニュアル情報取得部151及びマニュアル情報記憶部161は必ずしも必要というわけではない。マニュアル情報取得部151及びマニュアル情報記憶部161が設けられない実施形態では、端末装置100は、取扱説明サービスを提供するたびに、インターネット経由でマニュアル情報を保持するサーバにアクセスする。例えば、認識部154は、通信インタフェース108を介してサーバから、型式情報に関連付けられた画像データを取得し、取得した画像データと撮像画像とに基づいて認識を行う。説明情報取得部155は、インターネット経由で、認識部154により認識された表示要素に関する説明情報を取得する。例えば、説明情報取得部155は、通信インタフェース108を介してサーバに、認識部154により認識された表示要素に関する説明情報を要求する要求信号を送信し、通信インタフェース108を介してサーバから、その表示要素に関する説明情報を受信する。説明情報は任意のタイミングで更新されることがある。取扱説明サービスを提供するたびに説明情報を取得することにより、最新の説明情報をユーザに提示することができるようになる。さらに、端末装置100がマニュアル情報を保持しておく必要がないので、記憶資源を節約することができる。
【0067】
また、端末装置100がその都度インターネット経由で説明情報を取得するようにした場合には、製造業者は、サーバによって収集された要求信号に基づいて、ユーザがどのような情報を要求したかを把握することが可能である。すなわち、製造業者は、製品(この例では血圧計200)の改善に役立つ情報を得ることができる。要求信号は、ユーザによって選択された表示要素を特定する情報とともに、ユーザに関する情報を含んでよい。ユーザに関する情報は、例えば、ユーザの性別及び/又は年齢を含む。
【0068】
上述した実施形態では、ユーザが血圧計200の型式情報を入力している。一実施形態では、端末装置100は、撮像画像から血圧計200の型式を識別する型式識別部を備えていてもよい。型式識別部は、制御部101が記憶部105に記憶されたプログラムを実行することによって所定の処理を実行する。
【0069】
一例では、図2に示されるように血圧計200の表示画面の近傍に型式情報203が印字されており、いずれかの表示要素がガイド(例えば図5に示されるフレーム501)内に収まるように血圧計200を撮影した場合には、撮像画像に型式情報203が含まれる。型式識別部は、撮像画像に対して文字認識を行い、それにより血圧計200の型式を識別する。型式情報203に代えて又は追加して、血圧計200の表示画面の近傍に、型式を識別するための識別符号が設けられてもよい。識別符号は、例えば2次元コードであり得る。型式識別部は、撮像画像に含まれる識別符号を解読し、それにより血圧計200の型式を識別する。識別符号は、取扱説明アプリケーションを起動するための命令を含んでいてもよい。この場合、識別符号がカメラ109により読み込まれると、制御部101は、取扱説明アプリケーションを起動するとともに、血圧計200の型式を識別する。
【0070】
マニュアル情報記憶部161では、複数の型式それぞれに関連付けてマニュアル情報が記憶されている。認識部154は、マニュアル情報記憶部161から、上述した型式識別部により識別された型式に関連付けられたマニュアル情報を読み出し、撮像画像から認識範囲に対応する部分画像を抽出し、抽出した部分画像と読み出したマニュアル情報に含まれる画像データとの比較に基づいて、電子機器の表示装置に表示されている表示要素を認識する。説明情報取得部155は、マニュアル情報記憶部161から、認識部154により認識された表示要素に関する説明情報を取得する。提示部156は、説明情報取得部155により取得された説明情報をユーザに提示する。
【0071】
端末装置100が型式識別部を備える場合には、ユーザが型式情報を入力する必要がなくなる。このため、ユーザにとって利便性が向上する。
【0072】
取扱説明サービスは、血圧測定結果などを記録し管理するための健康管理アプリケーションの一機能であってもよい。例えば、健康管理アプリケーションのユーザインタフェースに、取扱説明サービスを実行するためのヘルプボタンが設けられる。ユーザがそのボタンをタップすると、図7を参照して説明した処理が実行される。
【0073】
要するに本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0074】
[付記]
上記各実施形態の一部または全部は、特許請求の範囲のほか以下の付記に示すように記載することも可能であるが、これに限られない。
【0075】
表示要素を含む表示内容が表示画面に表示された状態の電子機器を撮像して撮像画像を生成する撮像装置(109)と、
前記撮像画像から、前記表示内容に含まれる前記表示要素を認識する認識部(154)と、
前記表示要素の説明文を含む説明情報を取得する説明情報取得部(155)と、
前記説明情報に含まれる前記説明文を提示する提示部(156)と、
を備える端末装置(100)。
【符号の説明】
【0076】
10…端末装置、
11…カメラ、
12…タッチスクリーン、
12A…表示装置、
12B…タッチパネル、
13…情報処理部、
20…血圧計、
21…表示画面、
100…端末装置、
101…制御部、
102…CPU、
103…RAM、
104…ROM、
105…記憶部、
106…表示装置、
107…入力装置、
108…通信インタフェース、
109…カメラ、
110…スピーカ、
111…マイクロフォン、
112…電池、
151…マニュアル情報取得部、
152…入力部、
153…表示制御部、
154…認識部、
155…説明情報取得部、
156…提示部、
161…マニュアル情報記憶部、
200…血圧計、
201…本体、
202…ブランド情報、
203…型式情報、
211~216…ボタン、
220…表示装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7