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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20220928BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20220928BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
G09F9/00 336J
G09F9/00 350Z
G02F1/1333
G02F1/13357
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018155978
(22)【出願日】2018-08-23
(65)【公開番号】P2020030327
(43)【公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】小林 智弘
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-068931(JP,A)
【文献】中国実用新案第205809486(CN,U)
【文献】特開2013-097037(JP,A)
【文献】特開2013-191563(JP,A)
【文献】特開2012-230264(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0031924(US,A1)
【文献】特開2014-139870(JP,A)
【文献】特開2014-059502(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
G02F 1/1333
G02F 1/13357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示面を有する表示部と、
複数のLEDを含む光源部と、
前記光源部を覆うように取り付けられ、前記光源部の光を屈折および反射させるレンズと、
前記表示部の前記表示面と反対側の背面側に設けられ、前記レンズによって屈折および反射した光を反射する反射シートと、
前記表示部と前記反射シートとの間に配置されるとともに、前記表示部と平行である光学シートと、
前記反射シートを背面側から覆うリアフレームと、を備える表示装置であって、
前記光源部は前記表示装置の上部に配置され、
前記反射シートと前記光学シートとの間に中空の導光領域が設けられており、
前記反射シートは、前記光学シートとの間の距離が、上部よりも下部のほうが小さく構成され
前記リアフレームの長手方向において、前記リアフレームの下部は、両端における前記光学シートとの距離が中央における前記光学シートとの距離よりも大きくなるように構成されている、表示装置。
【請求項2】
前記リアフレームの下部における前記光学シートとの距離は、前記リアフレームの上部における前記光学シートとの間の距離よりも小さい、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記リアフレームの下部の背面側には、構成部品が取り付けられている、請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記構成部品は、スピーカおよび電子部品が搭載された基板を含む、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記反射シートと前記光学シートとの距離は、前記反射シートの長手方向の両端のほうが中央部よりも小さい、請求項1~のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記光源部は、前記表示部のベゼルに囲まれた画像表示領域の背面側に配置されている、請求項1~のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
複数の前記LEDは、前記表示部の長手方向に延びるように配置されており、
複数の前記LEDの延びる方向に沿って前記表示部の長手方向に延びるように取り付けられ、前記レンズから出射された光を反射する反射部材をさらに備える、請求項1~のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記反射部材は、前記光学シートに対して傾斜して配置されており、前記導光領域において前記光学シートにより反射された光を前記光学シートに向かって反射するように構成されている、請求項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記リアフレームは中央部から端部に向かって前記光学シートに近づくように傾斜しており、
前記リアフレームの前記光学シートに対する傾斜角は鋭角である、請求項1~のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記リアフレームの前記光学シートに対する傾斜角は35度以下である、請求項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記光源部を上面側および背面側から覆うカバーを有し、
前記カバーの上面側には第1通気口が設けられている、請求項1~10のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記カバーの背面側には開口部が設けられている、請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記リアフレームの上面側には第2通気口が設けられており、
前記第1通気口と前記第2通気口とが平面視において重なる位置に設けられている、請求項11または12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記リアフレームの上面側には第2通気口が設けられており、
前記第1通気口と前記第2通気口とが平面視において重ならない位置に設けられている、請求項11または12に記載の表示装置。
【請求項15】
前記光源部は、光源ベースを介して前記リアフレームに取り付けられ、
前記光源ベースは、前記リアフレームの放熱性より大きい放熱性を有する、請求項1~14のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示装置に関し、特に、表示部と光源部とを備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示部と光源部とを備える表示装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、表示パネル(表示部)と、表示パネルを照射するバックライト(光源部)と、バックライト(光源部)の発光制御を行うメイン基板(構成部品)とを備えた表示装置が開示されている。上記表示装置では、メイン基板は光源とともに表示装置の下部に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-115436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載されているように従来の表示装置では、配線の関係でスピーカや電子部品が取り付けられたメイン基板など厚みのある構成部品を下部の背面側に設けている。そのため、光源部を表示装置の下部に設けることにより、表示装置の表示部側から光源部までの距離と光源部から構成部品までの距離とを合計した長さ分だけ、表示装置全体の前後方向の厚みが大きくなるという問題点がある。また、光源部および基板に取り付けられた電子部品は熱を発するため、光源部と構成部品とを下部に設けることにより表示装置の下部が高温になるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、表示装置全体の前後方向の厚みを小さくすることが可能であるとともに、表示装置の下部が高温になることを抑制することが可能な表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一の局面による表示装置は、画像を表示する表示面を有する表示部と、複数のLEDを含む光源部と、光源部を覆うように取り付けられ、光源部の光を屈折および反射させるレンズと、表示部の表示面と反対側の背面側に設けられ、レンズによって屈折および反射した光を反射する反射シートと、表示部と反射シートとの間に配置されるとともに、表示部と平行である光学シートと、反射シートを背面側から覆うリアフレームと、を備える表示装置であって、光源部は表示装置の上部に配置され、反射シートと光学シートとの間に中空の導光領域が設けられており、反射シートは、光学シートとの間の距離が、上部よりも下部のほうが小さく構成され、リアフレームの長手方向において、リアフレームの下部は、両端における光学シートとの距離が中央における光学シートとの距離よりも大きくなるように構成されている
【0008】
この発明の一の局面による表示装置では、上記のように、光源部と、光学シートと、リアフレームと、を備え、光源部が表示装置の上部に配置され、反射シートと光学シートとの間に中空の導光領域が設けられており、反射シートは、光学シートとの間の距離が、上部よりも下部のほうが小さい。このように構成することにより、中空の導光領域を設けることにより導光板を設ける必要がない。そのため、表示装置の下部の光学シートと反射シートとの距離を近づけることができるため、その分、下部にスペースを設けることができる。それにより、構成部品を下部のスペースに配置することができる。また、光源部を上部に設けることにより、下部に光源部の前後方向の厚みに相当するスペースを設ける必要がない。そのため、表示装置全体の厚みを小さくすることができるとともに、表示装置の下部が高温になることを抑制することができる。また、リアフレームの長手方向において、リアフレームの下部は、両端における光学シートとの距離が中央における光学シートとの距離よりも大きくなるように構成されている。これにより、リアフレームのうち光学シートとの距離が小さい中央部分に構成部品を取り付けることにより、表示装置全体の前後方向の厚みを小さくすることができる。また、リアフレームのうち長手方向の両端の部分の光学シートとの距離を大きくすることにより、リアフレームの長手方向の両端部が突出した形状になるので、リアフレームの強度を十分に保つことができる。
【0009】
この発明の一の局面による表示装置では、好ましくは、リアフレームの下部における光学シートとの距離は、リアフレームの上部における光学シートとの間の距離よりも小さい。このように構成すれば、リアフレームの下部の前後方向の長さを小さくすることができるため、リアフレームの下部の背面側に構成部品を取り付けた場合に表示装置の前後方向の厚みが大きくなることを抑制することができる。
【0010】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、リアフレームの下部の背面側には、構成部品が取り付けられている。このように構成すれば、リアフレームの下部の背面側に設けられたスペースに構成部品を取り付けることができるため、表示装置全体の厚みを確実に小さくすることができる。
【0011】
この場合、好ましくは、構成部品は、スピーカおよび電子部品が搭載された基板を含む。このように構成すれば、熱を発する電子部品が搭載された基板と光源部とがそれぞれ下部と上部とに別々に設けられるため、表示装置の下部が高温になるのを抑制することができる。また、構成部品から発せられる熱によって、光源部が影響を受けることを抑制することができる。
【0013】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、反射シートと光学シートとの距離は、反射シートの長手方向の両端のほうが中央部よりも小さい。このように構成すれば、反射シートの中央部は背面側に突出し、長手方向の両端にかけて光学シートに近づくような形状になる。それにより、反射シートに沿ってリアフレームを取り付けた場合に、表示部からリアフレームまでの距離が長手方向の両端部で小さくすることができるため、表示装置の長手方向の両端部の前後方向の厚みを小さくすることができる。
【0014】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、光源部は、表示部のベゼルに囲まれた画像表示領域の背面側に配置されている。このように構成すれば、光源部の高さに合わせてベゼルの枠部分の幅を大きくする必要がないため、ベゼルの幅を小さくすることができる。
【0015】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、複数のLEDは、表示部の長手方向に延びるように配置されており、複数のLEDの延びる方向に沿って表示部の長手方向に延びるように取り付けられ、レンズから出射された光を反射する反射部材をさらに備える。このように構成すれば、光源部を画像表示領域に設けた場合にも、レンズから出射された光が反射部材により反射されるので、レンズから漏れた光が光学シートに到達することに起因して、光源部の近くに位置する表示部の輝度が大きくなることを抑制することができる。
【0016】
この場合、好ましくは、反射部材は、光学シートに対して傾斜して配置されており、導光領域において光学シートにより反射された光を光学シートに向かって反射するように構成されている。このように構成すれば、反射部材によって光が遮断されることにより光が届かない光学シートに光源部からの光を照射することができる。そのため、輝度が小さい箇所が発生することを抑制することができる。
【0017】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、リアフレームは中央部から端部に向かって光学シートに近づくように傾斜しており、リアフレームの光学シートに対する傾斜角は鋭角である。このように構成すれば、表示装置を正面側から斜めに見た場合に、リアフレームの背面側に取り付けられた構成部品が見えることを抑制することができる。
【0018】
この場合、好ましくは、リアフレームの光学シートに対する傾斜角は35度以下である。このように構成すれば、表示装置を正面側から斜めに見た場合に、リアフレームの背面側に取り付けられた構成部品が見えることを確実に抑制することができる。
【0019】
上記一の局面による表示装置において、光源部を上面側および背面側から覆うカバーを有し、カバーの上面側には第1通気口が設けられている。このように構成すれば、高温状態の光源部にユーザが直接触れることをカバーにより抑制することができるとともに、第1通気口によって、リアフレームを介して発せられる光源部の熱を逃がすことができる。
【0020】
この場合、好ましくは、カバーの背面側には開口部が設けられている。このように構成すれば、光源部によって熱せられた空気は、外気よりも高温であるとともに外気よりも密度が低くなる。そのため、光源部によって熱せられた空気に浮力が生じ、煙突効果によって開口部から温度の低い外気を取り込みながら上昇し、第1通気口から排出される。それにより、光源部で発生した熱を逃すことができる。
【0021】
上記カバーを有している構成において、リアフレームの上面側には第2通気口が設けられており、第1通気口と第2通気口とが平面視において重なる位置に設けられている。このように構成すれば、光源部で発生した熱を第2通気口および第1通気口を介して上方へ逃がすことができるため排熱効率を向上させることができる。
【0022】
上記カバーを有している構成において、好ましくは、第1通気口と第2通気口とが平面視において重ならない位置に設けられている。このように構成すれば、光源部からの熱によって熱せられた空気が第2通気口から排出され、カバー背面側の開口部から流入した空気の流れによって、第2通気口から第1通気口に移動した後に、第1通気口から外部に排出される。その結果、効率よく光源部を冷却することができる。
【0023】
上記一の局面による表示装置において、光源部は、光源ベースを介してリアフレームに取り付けられ、光源ベースは、リアフレームの放熱性より大きい放熱性を有する。このように構成すれば、光源部からの熱が光源ベースによって効率よく放熱されることにより、光源部からの熱量が大きくなった場合でも効率よく排熱することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、上記のように、光源部と基板とを別の位置に設けることにより表示装置の前後方向の厚みを小さくすることができるとともに、表示装置の下部が高温になることを抑制することが可能な表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1~第5実施形態によるテレビジョン装置を前方から見た全体斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態によるテレビジョン装置を示す図1の600-600線に沿った断面図である。
図3】本発明の第1実施形態によるテレビジョン装置の光源部とレンズとを示した斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態によるテレビジョン装置のレンズと光源部とをリアフレームに取り付けた様子を示す模式図である。
図5】本発明の第1実施形態によるテレビジョン装置のレンズの構成を示した模式図である。
図6】本発明の第1実施形態によるテレビジョン装置の700-700線に沿った断面図である。
図7】本発明の第1実施形態によるテレビジョン装置の背面側からの斜視図である。
図8】本発明の第2実施形態によるテレビジョン装置のレンズと光源部と反射部材とを示した斜視図である。
図9】本発明の第2実施形態によるテレビジョン装置の600-600線に沿った部分断面図である。
図10】本発明の第3実施形態によるテレビジョン装置の700-700線に沿った断面図である。
図11】本発明の第4実施形態によるテレビジョン装置の背面図を示した側面図である。
図12】本発明の第4実施形態によるテレビジョン装置の600-600線に沿った断面図である。
図13】本発明の第5実施形態によるテレビジョン装置のレンズと光源部と光源ベースとを示す模式図である。
図14】本発明の第5実施形態によるテレビジョン装置の600-600線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
[第1実施形態]
図1図7を参照して、本発明の第1実施形態によるテレビジョン装置100の構成について説明する。なお、テレビジョン装置100は、特許請求の範囲の「表示装置」の一例である。
【0028】
本発明の第1実施形態によるテレビジョン装置100は、図1および図2に示すように表示部1、光源部2、レンズ3、反射シート4、光学シート5、リアフレーム6および中空の導光領域7を備えている。表示部1は画像が表示される画像表示領域1aを有している。
【0029】
テレビジョン装置100は、光源部2から照射された光がレンズ3によって反射または屈折し、レンズ3から出射された光は略平行光となって中空の導光領域7に照射される。そして、中空の導光領域7に照射された光は、反射シート4の傾斜面に反射して光学シート5に照射される。さらに、光学シート5に照射された光は、表示部1に向かって照射される。
【0030】
テレビジョン装置100は、光源部2から照射された光が、導光板を介さずに中空の導光領域7を介して反射シート4から光学シート5に直接照射されるように構成されている。
【0031】
図1に示すように、表示部1の周囲にはベゼル8が取り付けられている。画像表示領域1aは、表示部1のベゼル8に囲まれている部分である。画像表示領域1aには、光学シート5から照射された光によって画像が表示される。
【0032】
以下では、ユーザが、表示部1を見る方向をZ2方向とし、反対方向をZ1方向とし、Z1方向とZ2方向とを合わせてZ方向とする。Z方向と垂直に交わる方向のうち表示部1の長手方向をX方向とし、短手方向をY方向とする。Z1側を正面とし、Z2側を背面とする、また、図2に示すように、上部Aは、短手方向(Y方向)からみて、中心Cより上側のことを指し、下部Bは、Z方向の中心Cより下側のことを指す。両端(部)Dとは、長手方向(X方向)あるいは短手方向(Y方向)の両方の端部およびその周辺の範囲を指し、中央(部)Eとは端部以外の部分を指し、長手方向あるいは短手方向の距離を半分にする中心点を含む範囲を指す、
【0033】
図2および図3に示すように、第1実施形態では、光源部2はテレビジョン装置100の上部に取り付けられる。光源部2は、複数のLED(Light Emitting Diode)2aを有する。LED2aは、表示部1の長手方向(X方向)に一直線状に並んで配置されている。
【0034】
図2および図4に示すように、光源部2およびレンズ3は、画像表示領域1aの背面側(X2側)のリアフレーム6に取り付けられる。なお、図4では、リアフレーム6の半分しか図示していないが、光源部2およびレンズ3は同様に延びている。また、図4では、わかり易くするため光源部2を露出しているが、レンズ3は光源部2を完全に覆う。また、レンズ3は、光源部2を覆うように長手方向(X方向)に延びるように取り付けられる。図5に示すように、レンズ3は、光源部2の下方(Y2方向)に湾曲して配置されている屈折面3aと、屈折面3aを挟むように光源部2の側方(Z方向に交差するY方向)に配置される反射面3bとを有している。レンズ3は、光源部2からの光を反射および屈折させることにより略平行な光にする。
【0035】
図6に示すように、反射シート4は、表示部1側(前方)に光を反射する反射面を有している。反射シート4の下部Bの両端Dは光学シート5に近づくように傾斜している。なお、図6は半分しか図示していないが、反対側でも同様に反射シート4は光学シート5に近づいている。
【0036】
光学シート5は、拡散板や偏光フィルタ等からなり、表示部1と反射シート4との間で、表示部1に沿って配置される。これにより、光源部2から照射された光は、光学シート5に照射され、光学シート5により、拡散および偏光方向が揃えられる。なお、光学シート5は、1枚のシートとして構成されている場合に限らず、それぞれ所定の機能を有する複数枚のシートの組み合わせから構成されていてもよい。
【0037】
図2に示すように、リアフレーム6は、背面側(Z2側)から反射シート4を覆っている。また、リアフレーム6は、Z方向に延びる背面部6aと上部Aおよび下部Bの表示部1側に曲がっている平坦面部6bとを有している。光源部2は上部Aの平坦面部6bに取り付けられる。たとえば、上部Aの平坦面部6bは、表示部1と垂直になるように設けられる。
【0038】
図2に示すように、第1実施形態におけるリアフレーム6と表示部1との距離は、リアフレーム6の上部Aよりも下部Bの方が小さく構成されている。リアフレーム6の下部の背面側(Z2側)には、構成部品9が取り付けられる、構成部品9は、スピーカ9aや電子部品9bが搭載された基板9cなどである。
【0039】
リアフレーム6の下部Bは、長手方向において、両端Dにおける光学シート5との距離が中央Eにおける光学シート5との距離よりも大きい。図7に示すように、リアフレーム6の下部の両端Dが背面方向に突出している。リアフレーム6の中央Eに部分に構成部品9を取り付ける場合は、たとえば、ねじで固定してもよい。
【0040】
リアフレーム6の下部Bの構成部品9が取り付けられる部分には、ユーザが高温の構成部品9に触れないように保護カバー10が取り付けられる。図2では、保護カバー10と表示部1との距離と、リアフレーム6の背面部6aと表示部1との距離が同じであるように記載されているが、保護カバー10と表示部1との距離をリアフレーム6の背面部6aと表示部1との距離よりも小さくしてもよい。
【0041】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0042】
第1実施形態では、上記のように、光源部2と、光学シート5と、リアフレーム6と、を備え、光源部2がテレビジョン装置100の上部に配置され、反射シート4と光学シート5との間に中空の導光領域7が設けられており、反射シート4は、光学シート5との間の距離が、上部Aよりも下部Bのほうが小さい。このようにすることにより、中空の導光領域7を設けることにより導光板を設ける必要がない。そのため、テレビジョン装置100の下部Bの光学シート5と反射シート4との距離を近づけることができるため、その分、下部Bにスペースを設けることができる。それにより、構成部品9を下部Bのスペースに配置することができる。また、光源部2を上部に設けることにより、下部Bに光源部2の前後方向の厚みに相当するスペースを設ける必要がない。そのため、テレビジョン装置100全体の厚みを小さくすることができるとともに、テレビジョン装置100の下部Bが高温になることを抑制することができる。
【0043】
また、第1実施形態では、上記のように、リアフレーム6の下部Bにおける光学シート5との距離は、リアフレーム6の上部Aにおける光学シート5との間の距離よりも小さい。このようにすれば、リアフレーム6の下部Bの前後方向の長さを小さくすることができるため、リアフレーム6の下部の背面側に構成部品9を取り付けた場合にテレビジョン装置100の前後方向の厚みが大きくなることを抑制することができる。
【0044】
また、第1実施形態では、上記のように、リアフレーム6の下部の背面側には、構成部品9が取り付けられている。このように構成すれば、リアフレーム6の下部の背面側に設けられたスペースに構成部品9を取り付けることができるため、テレビジョン装置100全体の厚みを確実に小さくすることができる。
【0045】
また、第1実施形態では、上記のように、構成部品9は、スピーカ9aおよび電子部品9bが搭載された基板9cを含む。このようにすれば、熱を発する電子部品9bが搭載された基板9cと光源部2とがそれぞれ下部Bと上部Aとに別々に設けられるため、テレビジョン装置100の下部が高温になるのを抑制することができる。また、構成部品9から発せられる熱によって、光源部2が影響を受けることを抑制することができる。
【0046】
また、第1実施形態では、上記のように、リアフレーム6の長手方向において、リアフレーム6の下部は、両端Dにおける光学シート5との距離が中央における光学シート5との距離よりも大きくなるように構成されている。このようにすれば、リアフレーム6のうち光学シート5との距離が小さい中央部分に構成部品9を取り付けることにより、テレビジョン装置100全体の前後方向の厚みを小さくすることができる。また、リアフレーム6のうち長手方向の両端Dの部分の光学シート5との距離を大きくすることにより、リアフレーム6の長手方向の両端部が突出した形状になるので、リアフレーム6の強度を十分に保つことができる。
【0047】
また、第1実施形態では、上記のように、反射シート4と光学シート5との距離は、反射シート4の長手方向の両端Dのほうが中央部Eよりも小さい。このようにすれば、反射シート4の中央部は背面側に突出し、長手方向の両端にかけて光学シート5に近づくような形状になる。それにより、反射シート4に沿ってリアフレーム6を取り付けた場合に、表示部1からリアフレーム6までの距離が長手方向の両端部で小さくすることができるため、テレビジョン装置100の長手方向の両端部の前後方向の厚みを小さくすることができる。
【0048】
また、第1実施形態では、光源部2は、表示部1のベゼル8に囲まれた画像表示領域1aの背面側に配置されている。このようにすれば、光源部2の高さに合わせてベゼル8の枠部分の幅を大きくする必要がないため、ベゼル8の幅を小さくすることができる。
【0049】
[第2実施形態]
次に、図1図8および図9を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態のテレビジョン装置200では、第1実施形態のテレビジョン装置100の構成に加えて、反射部材11をさらに備えている。なお、第1実施形態と同様の部分は同じ番号を付し、説明を省略する。
【0050】
図8に示すように、反射部材11はLED2aの延びる方向に沿って取り付けられる。図9に示すように、反射部材11は、光源部2と同じく上部の画像表示領域1aの背面側(Z2側)に取り付けられる。反射部材11は、レンズ3から出射された光を反射する面11aと光学シート5から照射された光を反射する面11bとを表裏一体で有する。図9では光の反射の一例を矢印で示す。
【0051】
反射部材11は、レンズ3からZ1方向に漏れた光を背面側の反射シート4に反射する。これにより、光源部2に近い光学シート5に多くの光が照射されることを抑制し、光源部2に近い上部Aの表示部1の輝度が局所的に大きくなることを抑制できる。
【0052】
反射部材11は、光学シート5に対して傾斜して取り付けられている。第2実施形態では、反射部材11は下部Bに行くにつれ光学シート5から離れるように傾斜している。光学シート5から離れるように傾斜させることにより、光学シート5で反射された光を光学シート5に反射する。これにより光学シート5の輝度が小さい部分の輝度が補われる。
【0053】
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0054】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0055】
第2実施形態では、上記のように、複数のLED2aは、表示部1の長手方向に延びるように配置されており、複数のLED2aの延びる方向に沿って表示部1の長手方向に延びるように取り付けられ、レンズ3から出射された光を反射する反射部材11をさらに備える。このようにすれば、光源部2を画像表示領域1aに設けた場合にも、レンズ3から出射された光が反射部材11により反射されるので、レンズ3から漏れた光が光学シート5に到達することに起因して、光源部2の近くに位置する表示部1の輝度が大きくなることを抑制することができる。
【0056】
第2実施形態では、上記のように、反射部材11は、光学シート5に対して傾斜して配置されており、導光領域7において光学シート5により反射された光を光学シート5に向かって反射するように構成されている。このように構成すれば、反射部材11によって光が遮断されることにより光が届かない光学シート5に光源部2からの光を照射することができる。そのため、輝度が小さい箇所が発生することを抑制することができる
【0057】
第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0058】
[第3実施形態]
次に、図1および図10を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態のテレビジョン装置300では、リアフレーム6が中央部から端部に向かって光学シート5に近づくように傾斜している。なお、第1実施形態と同様の部分は同じ番号を付し、説明を省略する。
【0059】
図10に示すように、リアフレーム6は、中央部から端部にかけて円弧形状である。傾斜角θは、リアフレーム6の接線と表示部1の長手方向の延長線との間の角度である。
【0060】
傾斜角θは、35度以下が好ましく、20度以下がより好ましい。なお、傾斜角θは、正面から斜めに見て背面部の保護カバー10等が見えないように設定する。反射シート4の長手方向の中央の光学シート5との距離と、両端の光学シート5との差が大きくなるように反射シート4を光学シート5に近づけ、反射シート4に沿ってリアフレーム6を設けることによりリアフレーム6の傾斜角θを小さくすることができる。
【0061】
第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0062】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0063】
第3実施形態では、上記の通り、リアフレーム6は中央部から端部に向かって光学シート5に近づくように傾斜しており、リアフレーム6の光学シート5に対する傾斜角θは鋭角である。このように構成すれば、テレビジョン装置300を正面側から斜めに見た場合に、リアフレーム6の背面側に取り付けられた構成部品9が見えることを抑制することができる。
【0064】
第3実施形態では、上記の通り、リアフレーム6の光学シート5に対する傾斜角θは35度以下である。このようにすれば、テレビジョン装置300を正面側から斜めに見た場合に、リアフレーム6の背面側に取り付けられた構成部品9が見えることを確実に抑制することができる。
【0065】
第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0066】
[第4実施形態]
次に、図1図11および図12を参照して、第4実施形態について説明する。この第4実施形態では、第1実施形態のテレビジョン装置100の構成に加えて、第1通気口13をさらに備えている。なお、第1実施形態と同様の部分は同じ番号を付し、説明を省略する。
【0067】
図11に示すように、第4実施形態のテレビジョン装置400は、光源部2を上面側および背面側から覆うカバー12に第1通気口13を設ける。図12に示すようにカバー12は、リアフレーム6の上面側および背面側の一部を覆う。
【0068】
第1通気口13には、ほこりなどが入らないように、複数の幅の小さい孔が設けられている。
【0069】
図11および図12に示すように、カバー12の背面には、開口部14が設けられる。開口部14から流入する外気は、光源部2で熱せられた空気よりも冷たい。そうすると、カバー12の内部には、光源部2で熱せられた外気より高温の空気と外気とが存在することになる。高温の空気は低温の空気より密度が低く浮力が生じるため、煙突効果によってカバー12の開口部14から外部の冷たい空気を引き入れながら暖かい空気が上昇し熱が第1通気口13から排出される。
【0070】
図12に示すように、リアフレーム6の上面側には第2通気口15が設けられている。第2通気口15は、光源部2の上方に位置するように設けられる、一例として、第2通気口15は、第1通気口13と第2通気口15とが上面視において重なる位置に設けられている。第1通気口13および第2通気口15の大きさは、同じであってもよく、異なっていてもよい。第1通気口13と第2通気口15とが上面視において重なる位置とは、第1通気口13と第2通気口15とが完全に重なるように配置される位置と、一部分が重なるように配置される位置を含む。
【0071】
第2通気口15を設ける他の例は、第1通気口13と第2通気口15とが上面視において重ならない位置に設けることである。第1通気口13および第2通気口15の大きさは、同じであってよく異なっていてもよい。この場合、第2通気口15は、第1通気口13よりも正面側に配置することで、カバー12の背面部に設けられた開口部14からの空気の流れに沿って効率よく光源部2の熱を逃がすことができる。
【0072】
第4実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0073】
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0074】
第4実施形態では、上記の通り、テレビジョン装置400は、光源部2を上面側および背面側から覆うカバー12を有し、カバー12の上面側には第1通気口13が設けられている。このようにすれば、高温状態の光源部2にユーザが直接触れることをカバーにより抑制することができるとともに、第1通気口13によって、リアフレーム6を介して発せられる光源部2の熱を逃がすことができる
【0075】
第4実施形態では、上記の通り、カバー12の背面側には開口部14が設けられている。このようにすれば、光源部2によって熱せられた空気は、外気よりも高温であるとともに外気よりも密度が低くなる。そのため、光源部2によって熱せられた空気に浮力が生じ、煙突効果によって開口部14から温度の低い外気を取り込みながら上昇し、第1通気口13から排出される。それにより、光源部2で発生した熱を逃すことができる。
【0076】
第4実施形態では、上記の通り、リアフレーム6の上面側には第2通気口15が設けられており、第1通気口13と第2通気口15とが平面視において重なる位置に設けられている。このようにすれば、光源部2で発生した熱を第2通気口15および第1通気口13を介して上方へ逃がすことができるため排熱効率を向上させることができる。
【0077】
第4実施形態では、上記の通り、第1通気口13と第2通気口15とが平面視において重ならない位置に設けられている。このようにすれば、光源部2からの熱によって熱せられた空気が第2通気口15から排出され、カバー背面側の開口部14から流入した空気の流れによって、第2通気口15から第1通気口13に移動した後に、第1通気口13から外部に排出される。その結果、効率よく光源部2を冷却することができる。
【0078】
第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0079】
[第5実施形態]
次に、図1図13および図14を参照して、第5実施形態のテレビジョン装置500について説明する。この第5実施形態では、第1実施形態のテレビジョン装置100の構成に加えて、光源ベース16をさらに備えている。なお、第1実施形態と同様の部分は同じ番号を付し、説明を省略する。
【0080】
図13および図14に示すように、第5実施形態では、光源部2が光源ベース16を介して、リアフレーム6に取り付けられる。取り付け方は、たとえば、ねじ止めでもよい。図13では半分しか示していないが、残りの部分も同様な構成である、
【0081】
光源ベース16は、リアフレーム6の放熱性より大きい放熱性を有する。放熱性とは、熱伝導率、熱輻射率、熱容量などを指す。リアフレーム6を例えば鋼板で製造しているのに対し、光源ベース16をアルミニウム材で製造することにより、放熱性を向上させることができる。光源ベース16は、たとえば、L字状でもよく平板であってもよい。
【0082】
第5実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0083】
(第5実施形態の効果)
第5実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0084】
第5実施形態では、上記の通り、光源部2は、光源ベース16を介してリアフレーム6に取り付けられ、光源ベース16は、リアフレーム6の放熱性より大きい放熱性を有する。このようにすれば、光源部2からの熱が光源ベース16によって効率よく放熱されることにより、光源部2からの熱量が大きくなった場合でも効率よく排熱することができる。
【0085】
第5実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0086】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0087】
たとえば、上記第1~第5実施形態では、テレビジョン装置に本発明を適用した例を示したが、テレビジョン装置以外の表示装置に本発明を適用してもよい。
【0088】
また、上記第1~第5実施形態では、光源部の光を屈折および反射させるレンズの例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、レンズが反射または屈折の一方だけを行ってもよい。
【0089】
また、上記第1~第5実施形態では、光源部がテレビジョン装置(表示装置)の上部にある例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、光源部がテレビジョン装置(表示装置)の上部ではなく長手方向の端部に設けられていてもよい。
【0090】
また、上記第1~第5実施形態では、リアフレームの背面側の下部に構成部品が取り付けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示装置の下部に設けられたスペースに構成部品を配置することができれば、リアフレームに取り付けられている必要はない。
【0091】
また、上記第1~第5実施形態では、光源部が表示領域の背面側に取り付けられる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、光源部をベゼルの背面側に設けてもよい。
【0092】
また、上記第2実施形態では、反射部材が下部に行くにつれ光学シートから離れるように傾斜している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、反射部材は、光学シートに近づくように傾斜させてもよい。
【0093】
また、上記第3実施形態では、リアフレームが中央部から端部にかけて円弧形状である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、リアフレームが中央部から端部にかけて傾斜角θの斜面でもよい。
【0094】
また、上記第4実施形態では、カバーは、リアフレームの上面側および背面側の一部を覆う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、カバーが、リアフレームの全面を覆ってもよい。
【符号の説明】
【0095】
1 表示部
2 光源部
2a LED
3 レンズ
4 反射シート
5 光学シート
6 リアフレーム
7 導光領域
8 ベゼル
9 構成部品
10 保護カバー
11 反射部材
12 カバー
13 第1通気口
14 開口部
15 第2通気口
16 光源ベース
100、200、300、400、500 テレビジョン装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14