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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】液晶パネル及び液晶パネルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1335 20060101AFI20220928BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
G02F1/1335
G02F1/1333
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2018178918
(22)【出願日】2018-09-25
(65)【公開番号】P2019066842
(43)【公開日】2019-04-25
【審査請求日】2021-08-25
(31)【優先権主張番号】P 2017192884
(32)【優先日】2017-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】森田 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】志摩 昌司
(72)【発明者】
【氏名】土屋 賢人
【審査官】鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-166306(JP,A)
【文献】特開2012-168493(JP,A)
【文献】特開2010-194809(JP,A)
【文献】国際公開第2005/081210(WO,A1)
【文献】特開2003-202408(JP,A)
【文献】特開2016-114822(JP,A)
【文献】特開2001-318612(JP,A)
【文献】国際公開第2014/083692(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0261033(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1335
G02F 1/1333
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の一部に形成され、且つ光透過性を有する表示部と、
前記基板のうち平面視で前記表示部よりも外周側の部分を形成する外周部と、
前記外周部を前記基板の厚さ方向に貫通する開口部と、を備える液晶パネルであって、
前記基板の一方の面のうち前記表示部を形成する部分には、アンチグレア処理が施され、
前記一方の面のうち前記外周部を形成する部分には、紫外線硬化性樹脂を用いた型押し加工が施され、
前記一方の面と前記開口部の内部が連続する部分には、前記紫外線硬化性樹脂により内壁側面取り部が形成されていることを特徴とする液晶パネル。
【請求項2】
前記外周部は、前記平面視で前記表示部を包囲していることを特徴とする請求項1に記載した液晶パネル。
【請求項3】
前記一方の面と前記基板の外周面が連続する部分には、前記紫外線硬化性樹脂により外周側面取り部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載した液晶パネル。
【請求項4】
前記アンチグレア処理は、ショットブラスト加工を用いて施されていることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載した液晶パネル。
【請求項5】
前記基板の他方の面のうち前記外周部を形成する部分には、遮光性を有する塗料が塗装されていることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載した液晶パネル。
【請求項6】
変角光度計の光源から前記表示部を形成する部分への光の入射角を60°とし、透過拡散のピークを0以上60以下の範囲内としたときに、前記表示部を形成する部分に対する透過拡散分布の測定値の標準偏差が0以上15以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載した液晶パネル。
【請求項7】
前記表示部を形成する部分は、二乗平均平方根傾斜角が28.6°以上であり、粗さ曲線の展開長さ率の値に100を乗じて%表示した値が1.2以上であり、輪郭曲線の断面レベル差が3.4μm以上であり、二乗平均平方根傾斜角の平均値が0.7以上であり、粗さ曲線のクルトシスが3.5μm以下であり、算術平均傾斜角が22.6°以上であることを特徴とする請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載した液晶パネル。
【請求項8】
前記表示部を形成する部分は、反射像鮮明度が3.6以上20.7以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載した液晶パネル。
【請求項9】
前記表示部を形成する部分は、有効負荷粗さが5.6μm以上7.2μm以下の範囲内であり、平均高さが8.0μm以上10.2μm以下の範囲内であり、平均粗さが2.0μm以上2.4μm以下の範囲内であり、二乗平均平方根粗さが2.5μm以上3.0μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載した液晶パネル。
【請求項10】
基板の一部に形成され、且つ光透過性を有する表示部と、
前記基板のうち平面視で前記表示部よりも外周側の部分を形成する外周部と、
前記外周部を前記基板の厚さ方向に貫通する開口部と、を備える液晶パネルの製造方法であって、
前記基板のうち前記開口部を形成する位置に開口部の形状に応じた凹部を形成する凹部形成工程と、
前記凹部形成工程の後工程であり、前記基板の一方の面のうち前記表示部を形成する部分にアンチグレア処理を施すアンチグレア処理工程と、
前記アンチグレア処理工程の後工程であり、前記一方の面のうち前記外周部を形成する部分に紫外線硬化性樹脂を用いた型押し加工を施す型押し工程と、
前記型押し工程の後工程であり、前記一方の面と前記開口部の内部が連続する部分に前記紫外線硬化性樹脂により内壁側面取り部が形成されるように、前記凹部を含む前記基板の一部及び前記紫外線硬化性樹脂の一部を除去する開口部形成工程と、を含むことを特徴とする液晶パネルの製造方法。
【請求項11】
前記アンチグレア処理工程では、前記一方の面のうち前記表示部を形成する部分に、ショットブラスト加工を用いてアンチグレア処理を施すことを特徴とする請求項10に記載した液晶パネルの製造方法。
【請求項12】
前記ショットブラスト加工は、ビーズの外径を150μm以上200μm以下の範囲内とし、前記ビーズの吐出圧力を0.35MPa以上0.5MPa以下の範囲内とし、前記ビーズのショット回数を4回以上8回以下の範囲内とし、前記ビーズの吐出距離を200mm以上300mm以下の範囲内に設定して行うことを特徴とする請求項11に記載した液晶パネルの製造方法。
【請求項13】
前記型押し工程と前記開口部形成工程との間に行う工程であり、前記基板の他方の面のうち前記外周部を形成する部分に遮光性を有する塗料を塗装する塗装工程を含むことを特徴とする請求項10から請求項12のうちいずれか1項に記載した液晶パネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、カーナビゲーションシステムに用いる液晶パネルと、液晶パネルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーションシステムに用いる液晶パネルには、車室内外に存在する物の像が映って画面が見にくくなることの防止、すなわち、映り込みの防止が要求される。
映り込みを防止するための技術としては、例えば、特許文献1に記載されているように、液晶パネルを形成する透明な基板の全面に、アンチグレア層を形成する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-196116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている技術のように、透明な基板の全面にアンチグレア層を形成すると、液晶パネルの全体がマット調となり、画像の表示部以外の部分(例えば、スイッチ等を配置する部分)の光沢度が低下するという問題点がある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、映り込みを防止することが可能であるとともに、光沢度の低下を抑制することが可能な、液晶パネル及び液晶パネルの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、基板の一部に形成され、且つ光透過性を有する表示部と、基板のうち平面視で表示部よりも外周側の部分を形成する外周部と、外周部を基板の厚さ方向に貫通する開口部を備える液晶パネルである。基板の一方の面のうち表示部を形成する部分には、アンチグレア処理が施されている。基板の一方の面のうち外周部を形成する部分には、紫外線硬化性樹脂を用いた型押し加工が施されている。基板の一方の面と開口部の内部が連続する部分には、紫外線硬化性樹脂で形成された内壁側面取り部が形成されている。
【0006】
また、本発明の一態様は、基板の一部に形成され、且つ光透過性を有する表示部と、基板のうち平面視で表示部よりも外周側の部分を形成する外周部と、外周部を基板の厚さ方向に貫通する開口部を備える液晶パネルの製造方法である。液晶パネルの製造方法は、凹部形成工程と、アンチグレア処理工程と、型押し工程と、開口部形成工程を含む。凹部形成工程は、基板のうち開口部を形成する位置に開口部の形状に応じた凹部を形成する工程である。アンチグレア処理工程は、凹部形成工程の後工程であり、基板の一方の面のうち表示部を形成する部分にアンチグレア処理を施す工程である。型押し工程は、アンチグレア処理工程の後工程であり、基板の一方の面のうち外周部を形成する部分に紫外線硬化性樹脂を用いた型押し加工を施す工程である。開口部形成工程は、型押し工程の後工程であり、基板の一方の面と開口部の内部が連続する部分に紫外線硬化性樹脂により内壁側面取り部が形成されるように、凹部を含む基板の一部及び紫外線硬化性樹脂の一部を除去する工程である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、映り込みを防止することが可能であるとともに、光沢度の低下を抑制することが可能な、液晶パネル及び液晶パネルの製造方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第一実施形態の液晶パネルを表す平面図である。
図2図1のII-II線断面図である。
図3】外周部に施す型押し加工の説明図である。
図4】液晶パネルの材料となる基板を表す平面図である。
図5】凹部形成工程の説明図である。
図6】アンチグレア処理工程の説明図である。
図7】型押し工程の説明図であり、図6のVII-VII線断面図である。
図8】塗装工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の説明で参照する図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係等は、現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚さや寸法は、以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
さらに、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。また、以下の説明における「左右」や「上下」の方向は、単に説明の便宜上の定義であって、本発明の技術的思想を限定するものではない。よって、例えば、紙面を90度回転すれば「左右」と「上下」とが交換され、紙面を180度回転すれば「左」が「右」に、「右」が「左」になることは勿論である。
【0010】
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1から図3を参照して、液晶パネル1の構成について説明する。
第一実施形態では、一例として、液晶パネル1を、カーナビゲーションシステムが備え、地図情報等の情報を表示するパネルとした場合について説明する。
図1中に表すように、液晶パネル1は、表示部2と、外周部4と、複数の開口部6を備えている。
表示部2は、液晶パネル1の材料となる基板10(図2及び図3参照)の一部に形成されている。
【0011】
第一実施形態では、一例として、表示部2の構成を、平面視で長方形に形成された構成とした場合について説明する。
なお、「平面視」とは、図1における、液晶パネル1に対する視点であり、液晶パネル1を、液晶パネル1の厚さ方向(板厚方向)から見た視点である。
基板10は、例えば、ポリカーボネートを材料として形成されている。このため、表示部2は、光透過性を有している。
基板10の一方の面(第一実施形態では、図1中で紙面に表す面)のうち、表示部2を形成する部分には、アンチグレア処理(AG処理)が施されている。
【0012】
第一実施形態では、一例として、アンチグレア処理が、ショットブラスト加工を用いて施されている場合について説明する。
ショットブラスト加工の加工条件は、例えば、投射材としてガラスビーズを用い、ガラスビーズの吐出圧を2[kgf]とし、ワーク(基板10)との距離を50[cm]に設定する。
外周部4は、基板10のうち、平面視で表示部2よりも外周側の部分を形成している。
【0013】
第一実施形態では、一例として、外周部4の構成を、基板10のうち、平面視で表示部2を包囲している構成とした場合について説明する。
したがって、基板10は、光透過性を有する表示部2を形成する第一領域と、平面視で第一領域よりも外周側に配置されている表示部2を形成する第二領域とを有している。
また、基板10の一方の面のうち、外周部4を形成する部分には、紫外線硬化性樹脂(UV樹脂)を用いた型押し加工が施されている。
紫外線硬化性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂を主成分とした微黄色透明液体のUV硬化剤を用いる。
なお、型押し加工の説明は、後述する。
【0014】
また、図2中に表すように、基板10の一方の面10a(図2中では、上側の面)と基板10の外周面10cが連続する部分には、紫外線硬化性樹脂UVRにより外周側面取り部8outが形成されている。
外周側面取り部8outは、基板10の一方の面10aと基板10の外周面10cとを連続するR面取り形状に形成されている。
さらに、基板10の他方の面10b(図2中では、下側の面)のうち、外周部4を形成する部分には、遮光性を有する塗料が塗装されている。
遮光性を有する塗料としては、例えば、ウレタン系/2液イソシアネート硬化型の黒インクを用いる。
また、遮光性を有する塗料は、基板10の他方の面のうち、外周部4に印刷する文字の形状及び位置に対応する領域を除く部分に塗装されている。これにより、外周部4には、遮光性を有する塗料を塗装しない領域を用いて、文字が印刷されている。
【0015】
外周部4に印刷する文字は、液晶パネル1を用いる装置等に応じた文字である。
ここで、第一実施形態では、液晶パネル1が、カーナビゲーションシステムが備える表示パネルとして用いられる。このため、外周部4に印刷する文字は、例えば、「POWER」、「HOME」、「MENU」、「AUDIO」、「MAP」等となる。
各開口部6は、それぞれ、基板10のうち、外周部4に形成されている。
また、各開口部6は、型押し加工の後に行う抜き加工やプレス加工等により、基板10のうち開口部6を形成する部分を除去して形成されている。
【0016】
したがって、各開口部6は、それぞれ、外周部4を基板10の厚さ方向に貫通している。
また、各開口部6は、基板10のうち、カーナビゲーションシステムが備える機能に応じたスイッチ(ボタンやダイヤル等)や、データ(音楽、映像、地図等のデータ)を記録した記録媒体(光ディスク等)の出入り口を配置する位置に形成されている。
また、図2中に表すように、基板10の一方の面10aと開口部6の内部が連続する部分には、紫外線硬化性樹脂UVRにより内壁側面取り部8inが形成されている。
内壁側面取り部8inは、基板10の一方の面10aと開口部6の内壁面6aとを連続するR面取り形状に形成されている。
【0017】
(外周部4に施す型押し加工)
図1及び図2を参照しつつ、図3を用いて、外周部4に施す型押し加工について説明する。
型押し加工は、基板10のうち開口部6を形成する部分を除去する前に行う加工であり、紫外線硬化性樹脂UVRを用いる加工である。
具体的には、基板10のうち開口部6を形成する部分に、開口部6の形状に対応する凹部が形成されている状態で、基板10の一方の面10aのうち外周部4を形成する部分(第二領域)に、紫外線硬化性樹脂UVRを塗布する。そして、紫外線硬化性樹脂UVRを塗布した基板10の一方の面10aに、開口部6の形状に対応する突出部が形成された型板を載せた状態で、ローラー等を用いて基板10を型板に押し付ける。さらに、基板10から型板を外し、基板10に塗布した紫外線硬化性樹脂UVRに紫外線を照射して、硬化させる。なお、型板に形成されている、開口部6の形状に対応する突出部は、R面取りを有する形状に形成されている。
【0018】
このとき、基板10の一方の面10aに塗布した紫外線硬化性樹脂UVRは、図3中に表すように、基板10の一方の面10aに加え、開口部6の形状に対応する凹部12の内部にも塗布される。
したがって、型押し加工の後に行う加工により、基板10のうち開口部6を形成する部分を除去すると、開口部6の形状に対応する凹部12の内部に塗布されて硬化した紫外線硬化性樹脂UVRも除去される。このため、基板10には、開口部6が形成されるとともに、硬化した紫外線硬化性樹脂UVRによる内壁側面取り部8inも形成される。
【0019】
(液晶パネルの製造方法)
図1から図3を参照しつつ、図4から図8を用いて、第一実施形態の液晶パネル1を用いた、液晶パネル1の製造方法(以降の説明では、「パネル製造方法」と記載する場合がある)について説明する。
パネル製造方法は、凹部形成工程と、アンチグレア処理工程と、型押し工程と、塗装工程と、開口部形成工程とを含む。
凹部形成工程は、図4中に表す基板10のうち開口部6を形成する位置に対して、図5中に表すように、開口部6の形状に応じた凹部12を形成する工程である。
なお、第一実施形態では、液晶パネル1の輪郭を、基板10の一方の面10aに形成した凹部により形成する場合について説明する。これに伴い、図5中では、液晶パネル1の輪郭を形成する凹部を、符号12outで表す。
【0020】
アンチグレア処理工程は、凹部形成工程の後工程である。
また、アンチグレア処理工程は、図6中に表すように、基板10の一方の面10aのうち、表示部2を形成する部分にアンチグレア処理を施す工程である。なお、図6中では、基板10の一方の面10aのうち、アンチグレア処理を施した領域であるアンチグレア処理領域を、符号14で表す。
第一実施形態では、一例として、アンチグレア処理工程において、基板10の一方の面10aのうち表示部2を形成する部分に、ショットブラスト加工を用いてアンチグレア処理を施す場合を説明する。
型押し工程は、アンチグレア処理工程の後工程である。
【0021】
また、型押し工程は、図7中に表すように、基板10の一方の面10aのうち、外周部4を形成する部分に紫外線硬化性樹脂UVRを用いた型押し加工を施す工程である。
塗装工程は、型押し工程と開口部形成工程との間に行う工程である。
また、塗装工程は、図8中に表すように、基板10の他方の面10bのうち、外周部4を形成する部分に、遮光性を有する塗料を塗装する工程である。なお、図8中では、基板10うち、遮光性を有する塗料を塗装した領域である着色領域を、符号16で表す。また、図8中では、説明のために、外周部4に印刷する文字の図示を省略している。
【0022】
開口部形成工程は、型押し工程の後工程である。
また、開口部形成工程は、凹部形成工程で形成した凹部12を含む基板10の一部と、紫外線硬化性樹脂UVRの一部を除去する工程である。これにより、開口部形成工程を行うと、基板10の一方の面10aと開口部6の内部が連続する部分に、紫外線硬化性樹脂UVRにより内壁側面取り部8inが形成される(図2を参照)。
なお、上述した第一実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した第一実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0023】
(第一実施形態の効果)
第一実施形態の液晶パネル1であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)基板10の一方の面10aのうち表示部2を形成する部分には、アンチグレア処理が施されており、基板10の一方の面10aのうち外周部4を形成する部分には、紫外線硬化性樹脂UVRを用いた型押し加工が施されている。これに加え、基板10の一方の面10aと開口部6の内部が連続する部分には、紫外線硬化性樹脂UVRにより内壁側面取り部8inが形成されている。
このため、アンチグレア処理が施されている部分である、基板10の一方の面10aのうち表示部2を形成する部分において、映り込みを防止することが可能となる。これに加え、紫外線硬化性樹脂UVRを用いた型押し加工が施されている部分である、基板10の一方の面10aのうち外周部4を形成する部分において、光沢度の低下を抑制することが可能となる。
【0024】
その結果、映り込みを防止することが可能であるとともに、光沢度の低下を抑制することが可能な、液晶パネル1を提供することが可能となる。
また、切削加工によって内壁側面取り部8inを形成する場合と比較して、品質の安定性を向上させることが可能であるとともに、作業工程を減少させることが可能な、液晶パネル1を提供することが可能となる。
【0025】
(2)外周部4が、平面視で表示部2を包囲している。
その結果、情報を表示する表示部2の周囲を、スイッチ等を配置する外周部4で包囲した構成の液晶パネル1を形成することが可能となる。
(3)基板10の一方の面10aと基板10の外周面が連続する部分に、紫外線硬化性樹脂UVRにより外周側面取り部8outが形成されている。
その結果、液晶パネル1に使用者等が接触しても、使用者や液晶パネル1の損傷を抑制することが可能となる。
【0026】
(4)アンチグレア処理が、ショットブラスト加工を用いて施されている。
その結果、基板10のうち表示部2を形成する位置に、アンチグレア処理を施したフィルムを貼り付けて液晶パネルを形成する構成と比較して、フィルム及び液晶パネルに発生する反りを抑制することが可能となる。なお、フィルム及び液晶パネルに発生する反りは、例えば、フィルムの収縮率と液晶パネルの収縮率との違いにより発生する。
また、金型を用いて部分的にシボ(ブラスト)処理を行うことで、基板10に部分的なアンチグレア処理が施された表示部2を形成する構成と比較して、寸法の安定性を向上させることが可能となる。
【0027】
(5)基板10の他方の面10bのうち外周部4を形成する部分に、遮光性を有する塗料が塗装されている。
その結果、表示部2に表示する地図等の情報と外周部4とのコントラストを明確にすることが可能となり、表示部2に表示する情報の見やすさを向上させることが可能となる。これに加え、スイッチ等を配置する外周部4において、光の反射を抑制することが可能となる。
第一実施形態の液晶パネル1の製造方法であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
【0028】
(6)基板10のうち開口部6を形成する位置に開口部6の形状に応じた凹部12を形成する凹部形成工程と、凹部形成工程の後工程であり、基板10の一方の面10aのうち表示部2を形成する部分にアンチグレア処理を施すアンチグレア処理工程を含む。これに加え、アンチグレア処理工程の後工程であり、基板10の一方の面10aのうち外周部4を形成する部分に紫外線硬化性樹脂UVRを用いた型押し加工を施す型押し工程を含む。さらに、型押し工程の後工程であり、凹部12を含む基板10の一部及び紫外線硬化性樹脂UVRの一部を除去する開口部形成工程を含む。開口部形成工程は、基板10の一方の面10aと開口部6の内部が連続する部分に紫外線硬化性樹脂UVRにより内壁側面取り部8inが形成されるように行う。
【0029】
このため、アンチグレア処理が施されている部分である、基板10の一方の面10aのうち表示部2を形成する部分において、映り込みを防止することが可能となる。これに加え、紫外線硬化性樹脂UVRを用いた型押し加工が施されている部分である、基板10の一方の面10aのうち外周部4を形成する部分において、光沢度の低下を抑制することが可能となる。
その結果、映り込みを防止することが可能であるとともに、光沢度の低下を抑制することが可能な、液晶パネル1の製造方法を提供することが可能となる。
また、切削加工によって内壁側面取り部8inを形成する場合と比較して、品質の安定性を向上させることが可能であるとともに、作業工程を減少させることが可能な、液晶パネル1の製造方法を提供することが可能となる。
【0030】
(7)アンチグレア処理工程では、基板10の一方の面10aのうち表示部2を形成する部分に、ショットブラスト加工を用いてアンチグレア処理を施す。
その結果、基板10のうち表示部2を形成する位置に、アンチグレア処理を施したフィルムを貼り付けて液晶パネルを形成する構成と比較して、フィルム及び液晶パネルに発生する反りを抑制することが可能となる。
また、金型を用いて部分的にシボ(ブラスト)処理を行うことで、基板10に部分的なアンチグレア処理が施された表示部2を形成する構成と比較して、寸法の安定性を向上させることが可能となる。
【0031】
(8)型押し工程と開口部形成工程との間に行う工程であり、基板10の他方の面10bのうち外周部4を形成する部分に遮光性を有する塗料を塗装する塗装工程を含む。
その結果、表示部2に表示する地図等の情報と外周部4とのコントラストを明確にすることが可能となり、表示部2に表示する情報の見やすさを向上させることが可能となる。これに加え、スイッチ等を配置する外周部4において、光の反射を抑制することが可能となる。
【0032】
(変形例)
(1)第一実施形態では、型押し加工を、基板10のうち開口部6を形成する部分に、開口部6の形状に対応する凹部が形成されている状態で行ったが、これに限定するものではない。すなわち、型押し加工は、例えば、基板10のうち開口部6を形成する部分に、開口部6の輪郭に沿って溝が形成されている状態で行ってもよい。
この場合、型押し加工の後に行う加工により、開口部6の輪郭に沿って形成された溝に加え、開口部6の輪郭に沿って形成された溝の内側を切除することで、開口部6を形成する。
【0033】
(第二実施形態)
以下、本発明の第二実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1から図3を参照して、液晶パネル1の構成について説明する。
第二実施形態の液晶パネル1は、基板10の一方の面のうち、表示部2を形成する部分の構成と、表示部2を形成する部分にアンチグレア処理を施すために用いるショットブラスト加工の加工条件を除き、第一実施形態と同様である。このため、以降の説明では、表示部2を形成する部分の構成と、ショットブラスト加工の加工条件を主体に説明する。
基板10の一方の面のうち、表示部2を形成する部分には、アンチグレア処理が施されている。
第二実施形態では、第一実施形態と同様、一例として、アンチグレア処理が、ショットブラスト加工を用いて施されている場合について説明する。
【0034】
また、表示部2を形成する部分は、表示部2を形成する部分に対する透過拡散分布の測定値の標準偏差が、0以上15以下の範囲内となるように形成されている。
ここで、透過拡散分布の測定値の標準偏差は、変角光度計の光源から表示部2を形成する部分への光の入射角を60°とし、透過拡散のピークを0以上60以下の範囲内としたときの値である。
また、透過拡散分布の測定は、例えば、村上色彩技術研究所製の自動変角光度計(ゴニオフォトメーター)「GP-200」を用いて行う。なお、透過拡散分布を測定する際には、例えば、感度を950、電圧の上限値を461[V]、光源のビーム径を7[mm]、受光部の開口を6.8[mm]、角度の分解能を0.1[deg]に設定する。
【0035】
また、表示部2を形成する部分は、輝度の標準偏差が5.53以下である。
具体的に、表示部2を形成する部分は、二乗平均平方根傾斜角(RΔq)が28.6°以上であり、粗さ曲線の展開長さ率の値に100を乗じて%表示した値(Rlr)が1.2以上であり、輪郭曲線の断面レベル差(Rδc)が3.4[μm]以上である。これに加え、表示部2を形成する部分は、二乗平均平方根傾斜角(RΔq)の平均値が0.7以上であり、粗さ曲線のクルトシス(Rku)が3.5[μm]以下であり、算術平均傾斜角(RΔa)が22.6°以上である。
なお、クルトシス(Rku)とは、表示部2を形成する部分に山と谷で形成された凸部の尖り度である。
ここで、輝度は、例えば、JIS C6101-1(1998)に準拠して測定した。
また、表面粗さは、例えば、表面粗さ測定器(型番:SE-3400/小坂研究所株式会社製)を用い、JIS B0601:2001に準拠して測定した。
【0036】
また、表示部2を形成する部分は、反射像鮮明度(DOI)が3.6以上20.7以下の範囲内である。
なお、反射像鮮明度は、表示部2を形成する部分の表面に写る物体の像が、どの程度鮮明に歪みなく見えるかの度合いである。また、反射像鮮明度は、物体の像が全く歪んでいない場合にはDOI=100となり、DOIの値が小さくなるほど物体の像がぼやけることとなる。
具体的に、表示部2を形成する部分は、有効負荷粗さ(Rk)が5.6[μm]以上7.2[μm]以下の範囲内であり、平均高さ(Rc)が8.0[μm]以上10.2[μm]以下の範囲内である。これに加え、表示部2を形成する部分は、平均粗さ(Ra)が2.0[μm]以上2.4[μm]以下の範囲内であり、二乗平均平方根粗さ(Rq)が2.5[μm]以上3.0[μm]以下の範囲内である。
なお、平均高さ(Rc)とは、表示部2を形成する部分に山と谷で形成された凸部の平均高さである。
【0037】
(液晶パネルの製造方法)
図1から図8を参照して、第二実施形態の液晶パネル1を用いたパネル製造方法について説明する。
パネル製造方法は、凹部形成工程と、アンチグレア処理工程と、型押し工程と、塗装工程と、開口部形成工程とを含む。
凹部形成工程と、型押し工程と、塗装工程と、開口部形成工程は、上述した第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
アンチグレア処理工程は、基板10の一方の面10aのうち、表示部2を形成する部分にアンチグレア処理を施す工程である。
第二実施形態では、一例として、アンチグレア処理工程において、基板10の一方の面10aのうち表示部2を形成する部分に、ショットブラスト加工を用いてアンチグレア処理を施す場合を説明する。
【0038】
第二実施形態におけるショットブラスト加工の加工条件は、投射材としてビーズ(例えば、ガラスビーズ)を用い、ビーズの外径を150[μm]以上200[μm]以下の範囲内に設定する。これに加え、加工条件は、ビーズの吐出圧力を0.35[MPa]以上0.5[MPa]以下の範囲内とし、ビーズのショット回数を4回以上8回以下の範囲内とし、ビーズの吐出距離を200[mm]以上300[mm]以下の範囲内に設定する。
なお、第二実施形態では、一例として、ショットブラスト加工の加工条件を、ビーズの外径を150[μm]、ビーズの吐出圧力を0.35[MPa]、ビーズのショット回数を6回、ビーズの吐出距離を250[mm]に設定した場合について説明する。
【0039】
(第二実施形態の効果)
第二実施形態の液晶パネル1であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)変角光度計の光源から表示部2を形成する部分への光の入射角を60°とし、透過拡散のピークを0以上60以下の範囲内としたときに、表示部2を形成する部分に対する透過拡散分布の測定値の標準偏差が、0以上15以下の範囲内である。
その結果、液晶パネル1のギラツキを抑制することが可能となる。
なお、「ギラツキ」は、カーナビゲーションシステムが備え、液晶パネル1により覆われているバックライトが発光する光が液晶パネル1で屈折することで、チラついて見えることで発生する。
また、「ギラツキ」は、表示部2を形成する部分に山と谷で形成された凹凸構造がレンズとして作用することで、表示部2に表示する画像(ナビゲーション画像等)を形成する表示体のRGB画素が視認されることで発生する。
【0040】
(2)表示部2を形成する部分は、輝度の標準偏差が5.53以下である。
その結果、表示部2を形成する部分の、輝度の標準偏差が5.53を超える構成と比較して、液晶パネル1のギラツキを抑制することが可能となる。
(3)表示部2を形成する部分は、二乗平均平方根傾斜角が28.6°以上であり、粗さ曲線の展開長さ率の値に100を乗じて%表示した値が1.2以上であり、輪郭曲線の断面レベル差が3.4[μm]以上である。これに加え、表示部2を形成する部分は、二乗平均平方根傾斜角の平均値が0.7以上であり、粗さ曲線のクルトシスが3.5[μm]以下であり、算術平均傾斜角が22.6°以上である。
その結果、各パラメータが条件を満たさない構成と比較して、液晶パネル1のギラツキを抑制することが可能となる。
【0041】
(4)表示部2を形成する部分は、反射像鮮明度が3.6以上20.7以下の範囲内である。
その結果、液晶パネル1の防眩性を向上させることが可能となる。
なお、「防眩性」は、蛍光灯や太陽光等、外部から液晶パネル1に入射して乱反射した光が表示部2に映り込むことで発生する。
【0042】
(5)表示部2を形成する部分は、有効負荷粗さが5.6[μm]以上7.2[μm]以下の範囲内であり、平均高さが8.0[μm]以上10.2[μm]以下の範囲内である。これに加え、表示部2を形成する部分は、平均粗さが2.0[μm]以上2.4[μm]以下の範囲内であり、二乗平均平方根粗さが2.5[μm]以上3.0[μm]以下の範囲内である。
その結果、各パラメータが条件を満たさない構成と比較して、液晶パネル1の防眩性を向上させることが可能となる。
第一実施形態の液晶パネル1の製造方法であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
【0043】
(6)ビーズの外径を150[μm]以上200[μm]以下の範囲内とし、ビーズの吐出圧力を0.35[MPa]以上0.5[MPa]以下の範囲内に設定する。これに加え、ビーズのショット回数を4回以上8回以下の範囲内とし、ビーズの吐出距離を200[mm]以上300[mm]以下の範囲内に設定する。そして、設定した条件で、ショットブラスト加工を行う。
その結果、各パラメータが条件を満たさない条件でショットブラスト加工を行った場合と比較して、液晶パネル1のギラツキを抑制することが可能となるとともに、液晶パネル1の防眩性を向上させることが可能となる。
【実施例
【0044】
第一実施形態及び第二実施形態を参照しつつ、以下、実施例の液晶パネルと、比較例の液晶パネルについて説明する。
(実施例1)
実施例1の液晶パネルは、表1及び表2中に示すように、以下の構成とした。
・ショットブラスト加工の加工条件
ビーズの外径:150[μm]、ビーズの吐出圧力:0.35[MPa]、ビーズのショット回数:6回、ビーズの吐出距離:250[mm]に設定した。
・構成
Rk:6.2[μm]、Rc:10.13[μm]、RΔqの平均値:0.71、Rlr:1.2、RΔa:23.2°、RΔq:29.02°、Ra:2.4[μm]、Rq:3.0[μm]、Rku:3.63[μm]、Rδc:3.9[μm]である。
【0045】
(実施例2)
実施例2の液晶パネルは、表1及び表2中に示すように、以下の構成とした。
・ショットブラスト加工の加工条件
ビーズの外径:150[μm]、ビーズの吐出圧力:0.5[MPa]、ビーズのショット回数:8回、ビーズの吐出距離:300[mm]に設定した。
・構成
Rk:7.37[μm]、Rc:11.5[μm]、RΔqの平均値:0.92、Rlr:1.31、RΔa:28.8°、RΔq:34.73°、Ra:2.8[μm]、Rq:3.4[μm]、Rku:3.22[μm]、Rδc:4.8[μm]である。
【0046】
(実施例3)
実施例3の液晶パネルは、表1及び表2中に示すように、以下の構成とした。
・ショットブラスト加工の加工条件
ビーズの外径:180[μm]、ビーズの吐出圧力:0.5[MPa]、ビーズのショット回数:4回、ビーズの吐出距離:250[mm]に設定した。
・構成
Rk:8.33[μm]、Rc:11.47[μm]、RΔqの平均値:1.01、Rlr:1.35、RΔa:29.17°、RΔq:34.61°、Ra:2.9[μm]、Rq:3.6[μm]、Rku:2.98[μm]、Rδc:5.2[μm]である。
【0047】
(実施例4)
実施例4の液晶パネルは、表1及び表2中に示すように、以下の構成とした。
・ショットブラスト加工の加工条件
ビーズの外径:180[μm]、ビーズの吐出圧力:0.35[MPa]、ビーズのショット回数:8回、ビーズの吐出距離:200[mm]に設定した。
・構成
Rk:6.37[μm]、Rc:10.5[μm]、RΔqの平均値:0.88、Rlr:1.27、RΔa:26.92°、RΔq:32.93°、Ra:2.5[μm]、Rq:3.1[μm]、Rku:3.47[μm]、Rδc:4.1[μm]である。
【0048】
(実施例5)
実施例5の液晶パネルは、表1及び表2中に示すように、以下の構成とした。
・ショットブラスト加工の加工条件
ビーズの外径:200[μm]、ビーズの吐出圧力:0.35[MPa]、ビーズのショット回数:4回、ビーズの吐出距離:300[mm]に設定した。
・構成
Rk:5.9[μm]、Rc:9.37[μm]、RΔqの平均値:0.83、Rlr:1.25、RΔa:25.35°、RΔq:31.56°、Ra:2.2[μm]、Rq:2.7[μm]、Rku:3.26[μm]、Rδc:3.7[μm]である。
【0049】
(実施例6)
実施例6の液晶パネルは、表1及び表2中に示すように、以下の構成とした。
・ショットブラスト加工の加工条件
ビーズの外径:200[μm]、ビーズの吐出圧力:0.5[MPa]、ビーズのショット回数:6回、ビーズの吐出距離:200[mm]に設定した。
・構成
Rk:8.47[μm]、Rc:12.23[μm]、RΔqの平均値:1.13、Rlr:1.42、RΔa:31368°、RΔq:37.67°、Ra:3.0[μm]、Rq:3.7[μm]、Rku:0.61[μm]、Rδc:5.4[μm]である。
【0050】
(比較例1)
比較例1の液晶パネルは、表1及び表2中に示すように、以下の構成とした。
・ショットブラスト加工の加工条件
ビーズの外径:150[μm]、ビーズの吐出圧力:0.35[MPa]、ビーズのショット回数:4回、ビーズの吐出距離:300[mm]に設定した。
・構成
Rk:4.57[μm]、Rc:6.37[μm]、RΔqの平均値:0.51、Rlr:1.11、RΔa:17.83°、RΔq:23.12°、Ra:1.7[μm]、Rq:2.2[μm]、Rku:3.71[μm]、Rδc:2.9[μm]である。
【0051】
(比較例2)
比較例2の液晶パネルは、表1及び表2中に示すように、以下の構成とした。
・ショットブラスト加工の加工条件
ビーズの外径:180[μm]、ビーズの吐出圧力:0.25[MPa]、ビーズのショット回数:6回、ビーズの吐出距離:300[mm]に設定した。
・構成
Rk:3.73[μm]、Rc:6.3[μm]、RΔqの平均値:0.54、Rlr:1.12、RΔa:18.42°、RΔq:23.82°、Ra:1.6[μm]、Rq:2.2[μm]、Rku:3.51[μm]、Rδc:2.7[μm]である。
【0052】
(比較例3)
比較例3の液晶パネルは、表1及び表2中に示すように、以下の構成とした。
・ショットブラスト加工の加工条件
ビーズの外径:200[μm]、ビーズの吐出圧力:0.25[MPa]、ビーズのショット回数:8回、ビーズの吐出距離:250[mm]に設定した。
・構成
Rk:4.97[μm]、Rc:7.67[μm]、RΔqの平均値:0.72、Rlr:1.2、RΔa:23.62°、RΔq:29.45°、Ra:1.8[μm]、Rq:2.2[μm]、Rku:0.67[μm]、Rδc:3.0[μm]である。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
(性能評価)
実施例の液晶パネルと、比較例の液晶パネルに対し、それぞれ、防眩性とギラツキに対する性能試験を行った。性能試験の結果は、表3中に示す。
防眩性は、反射像鮮明度が3.6以上20.7以下の範囲内であるか否かと、反射像鮮明度が30.0を超えているか否かで評価した。その際、反射像鮮明度が3.6以上20.7以下を「○」とし、反射像鮮明度が1.1以上3.6未満の範囲内と、20.7を超えているとともに28.9以下を「△」とし、反射像鮮明度が1.1未満と、28.9を超えていると「×」とした。
ギラツキは、輝度の標準偏差が5.53以下であるか否かで評価した(標準偏差が5.53以下を「○」、5.53を超えていると「×」)。
【0056】
【表3】
【0057】
(評価結果)
表3中に表されるように、実施例の液晶パネルは、比較例の液晶パネルと比較して、ギラツキを抑制する性能が高いことが確認された。
さらに、実施例の液晶パネルは、比較例の液晶パネルと比較して、防眩性が高いことが確認された。特に、実施例1の液晶パネルは、他の液晶パネルと比較して、防眩性が高いことが確認された。
【符号の説明】
【0058】
1…液晶パネル、2…表示部、4…外周部、6…開口部、6a…開口部の内壁面、8out…外周側面取り部、8in…内壁側面取り部、10…基板、10a…基板の一方の面、10b…基板の他方の面、10c…基板の外周面、12…凹部、14…アンチグレア処理領域、16…着色領域、UVR…紫外線硬化性樹脂
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8