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特許7147449報酬発行装置、報酬発行システム、車載器及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】報酬発行装置、報酬発行システム、車載器及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/04 20120101AFI20220928BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20220928BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20220928BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20220928BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20220928BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20220928BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
G06Q10/04 310
G01C21/26 C
G06Q30/02 320
G06Q30/06 350
G08G1/0969
G09B29/00 A
G09B29/10 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018192596
(22)【出願日】2018-10-11
(65)【公開番号】P2020061010
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】宇田 尚典
(72)【発明者】
【氏名】赤井 良行
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-026035(JP,A)
【文献】特開2010-043964(JP,A)
【文献】特開2016-148910(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G01C 21/26
G08G 1/0969
G09B 29/00
G09B 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行位置を受信する通信部と、
前記車両の走行位置から目的地に向かうための経路であって、最短経路を含む複数の経路を探索するルート探索部と、
前記複数の経路の各々に対し、前記経路上の位置との距離が閾値以下となるランドマークに関する情報が提示された場合に付与される報酬の合計又は前記報酬の合計を用いて算出される値を計算する報酬計算部と、
前記車両と、前記車両の走行する経路の周辺の複数のランドマークの各々との距離を算出する距離算出部と、
前記距離算出部により算出された距離が、前記閾値以下となる前記ランドマークに関する情報を、前記車両の乗員に対して提示するように前記車両の車載器に対して指示する情報提示指示部と、
前記車両の乗員に対して前記ランドマークに関する情報が前記車載器により提示された場合に、前記車両のユーザに対して与える報酬を発行する報酬発行部と、を含み、
前記通信部は、前記複数の経路と、前記複数の経路の各々に対して計算された前記報酬の合計又は前記報酬の合計を用いて算出される値とを、前記車両の車載器へ送信する
酬発行装置。
【請求項2】
前記通信部は、前記ユーザにより入力されたランドマークの属性を受信し、
前記距離算出部は、前記車両と前記車両の走行する経路上における複数のランドマークのうち、前記ランドマークの属性に対応する前記ランドマークの各々との距離を算出する
請求項1記載の報酬発行装置。
【請求項3】
前記車両は、シェアカーであり、
前記報酬は、前記シェアカーの利用料金の割引金額である
請求項1又は2記載の報酬発行装置。
【請求項4】
前記ランドマークに関する情報とは、前記ランドマークに対して対応付けられた広告である
請求項1乃至3の何れか1項記載の報酬発行装置。
【請求項5】
請求項1記載の報酬発行装置と、
前記車両の走行位置及び目的地を前記報酬発行装置へ送信する車載器側通信部、及び前記ランドマークに関する情報を提示する情報提示部
を含む車載器と、
を含む報酬発行システムであって
記車載器は、
前記報酬発行装置から受信した、前記複数の経路と、前記複数の経路の各々に対して計算された前記報酬の合計又は前記報酬の合計を用いて算出される値とを提示する経路提示部と、
前記提示された前記複数の経路のうち何れか一つの選択を受け付ける経路選択部と、
前記選択された経路を案内する経路案内部と、
を更に含む報酬発行システム。
【請求項6】
前記経路提示部は、前記報酬発行装置から受信した、前記複数の経路と、前記複数の経路の各々に対して計算された前記報酬の合計と、前記複数の経路の各々に対して計算される、前記経路を走行した場合の前記目的地までの所要時間とを提示する
請求項5記載の報酬発行システム。
【請求項7】
予め定められた、走行路周辺の複数のランドマークのうち、車両の走行位置との距離が閾値以下となるランドマークに関する情報を提示する情報提示部と、
車両の走行位置から目的地に向かうための経路であって、最短経路を含む複数の経路と、前記複数の経路の各々に対し、前記経路上の位置との距離が前記閾値以下となるランドマークに関する情報が提示された場合に付与される報酬の合計とを提示する経路提示部と、
前記提示された前記複数の経路のうちの何れか一つの選択を受け付ける経路選択部と、
前記選択された経路を案内する経路案内部と、
を含む車載器。
【請求項8】
コンピュータを、
車両の走行位置を受信する通信部、
前記車両の走行位置から目的地に向かうための経路であって、最短経路を含む複数の経路を探索するルート探索部、
前記複数の経路の各々に対し、前記経路上の位置との距離が閾値以下となるランドマークに関する情報が提示された場合に付与される報酬の合計又は前記報酬の合計を用いて算出される値を計算する報酬計算部、
前記車両と、前記車両の走行する経路の周辺の複数のランドマークの各々との距離を算出する距離算出部、
前記距離算出部により算出された距離が、前記閾値以下となる前記ランドマークに関する情報を、前記車両の乗員に対して提示するように前記車両の車載器に対して指示する情報提示指示部、及び
前記車両の乗員に対して前記ランドマークに関する情報が前記車載器により提示された場合に、前記車両のユーザに対して与える報酬を発行する報酬発行部として機能させるためのプログラムであって
前記通信部は、前記複数の経路と、前記複数の経路の各々に対して計算された前記報酬の合計又は前記報酬の合計を用いて算出される値とを、前記車両の車載器へ送信する
ログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
予め定められた、走行路周辺の複数のランドマークのうち、車両の走行位置との距離が閾値以下となるランドマークに関する情報を提示する情報提示部、
車両の走行位置から目的地に向かうための経路であって、最短経路を含む複数の経路と、前記複数の経路の各々に対し、前記経路上の位置との距離が前記閾値以下となるランドマークに関する情報が提示された場合に付与される報酬の合計又は前記報酬の合計を用いて算出される値とを提示する経路提示部、
前記提示された前記複数の経路のうちの何れか一つの選択を受け付ける経路選択部、及び
前記選択された経路を案内する経路案内部
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、報酬発行装置、報酬発行システム、車載器及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、カーナビゲーションシステムでは、現在地から目的地までの経路を、目的地までの到達時間又は目的までの距離に基づいて算出・選択している。
【0003】
また、車の利用に対してポイント・特典等の報酬を与えるサービスを実現する技術がある(例えば、特許文献1)。特許文献1では、ETCを使って、有料道路、施設の利用度に応じた報酬を与えるサービスを実現している。
【0004】
また、商品を購入してポイント等の報酬を与えるサービスが広く行われている。また、広告料でサービスを無料にしたり、割引を行ったりすることは、ウェブサービス等で広く行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-216187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、ETCに関する利用に応じた報酬を与えるにすぎないため、広告などの情報提示に対して報酬を与えて誘導しようとする場合には、上記特許文献1に記載の技術を適用できない、という問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、ランドマークに関する情報を車両の乗員に対して提示するように誘導することができる報酬発行装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
【0008】
また、ランドマーク関する情報の提示により得られる報酬を考慮した経路を選択することができる報酬発行システム、車載器及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の報酬発行装置は、車両の走行位置を受信する通信部と、前記車両と、予め定められた走行路周辺の複数のランドマークの各々との距離を算出する距離算出部と、前記距離算出部により算出された距離が、閾値以下となる前記ランドマークに関する情報を、前記車両の乗員に対して提示するように前記車両の車載器に対して指示する情報提示指示部と、前記車両の乗員に対して前記ランドマークに関する情報が前記車載器により提示された場合に、前記車両のユーザに対して与える報酬を発行する報酬発行部と、を含んで構成されている。ここで、ランドマークとは、観光地や店舗の場所等を表すものである。
【0010】
また、本発明のプログラムは、コンピュータを、車両の走行位置を受信する通信部、前記車両と、予め定められた走行路周辺の複数のランドマークの各々との距離を算出する距離算出部、前記距離算出部により算出された距離が、閾値以下となる前記ランドマークに関する情報を、前記車両の乗員に対して提示するように前記車両の車載器に対して指示する情報提示指示部、及び前記車両の乗員に対して前記ランドマークに関する情報が前記車載器により提示された場合に、前記車両のユーザに対して与える報酬を発行する報酬発行部として機能させるためのプログラムである。
【0011】
本発明の報酬発行装置及びプログラムによれば、通信部が、車両の走行位置を受信し、距離算出部が、当該車両と、予め定められた走行路周辺の複数のランドマークの各々との距離を算出する。
【0012】
そして、情報提示指示部が、距離算出部により算出された距離が、閾値以下となる当該ランドマークに関する情報を、当該車両の乗員に対して提示するように当該車両の車載器に対して指示し、報酬発行部が、当該車両の乗員に対して当該ランドマークに関する情報が当該車載器により提示された場合に、当該車両のユーザに対して与える報酬を発行する。
【0013】
このように、車両と、予め定められた走行路周辺の複数のランドマークの各々との距離を算出し、算出された距離が、閾値以下となる当該ランドマークに関する情報を、当該車両の乗員に対して提示するように当該車両の車載器に対して指示し、当該車両の乗員に対して当該ランドマークに関する情報が当該車載器により提示された場合に、当該車両のユーザに対して与える報酬を発行することにより、ランドマークに関する情報を車両の乗員に対して提示するように誘導することができる。
【0014】
また、本発明の報酬発行装置の前記通信部は、前記ユーザにより入力されたランドマークの属性を受信し、前記距離算出部は、前記車両と前記車両の走行する経路上における複数のランドマークのうち、前記ランドマークの属性に対応する前記ランドマークの各々との距離を算出することができる。
【0015】
また、本発明の報酬発行装置の前記車両は、シェアカーであり、前記報酬は、前記シェアカーの利用料金の割引金額であるとすることができる。
【0016】
また、本発明の報酬発行装置の前記ランドマークに関する情報とは、前記ランドマークに対して対応付けられた広告であるとすることができる。
【0017】
また、本発明の報酬発行システムは、上記の報酬発行装置と、前記車両の走行位置及び目的地を前記報酬発行装置へ送信する車載器側通信部、及び前記ランドマークに関する情報を提示する情報提示部を含む車載器と、を含む報酬発行システムであって、前記報酬発行装置は、前記車両の走行位置から前記目的地に向かうための経路であって、最短経路を含む複数の経路を探索するルート探索部と、前記複数の経路の各々に対し、前記経路上の位置との距離が前記閾値以下となるランドマークに関する情報が提示された場合に付与される報酬の合計又は前記報酬の合計を用いて算出される値を計算する報酬計算部と、を更に含み、前記通信部は、前記複数の経路と、前記複数の経路の各々に対して計算された前記報酬の合計とを、前記車両の車載器へ送信し、前記車載器は、前記報酬発行装置から受信した、前記複数の経路と、前記複数の経路の各々に対して計算された前記報酬の合計又は前記報酬の合計を用いて算出される値とを提示する経路提示部と、前記提示された前記複数の経路のうち何れか一つの選択を受け付ける経路選択部と、前記選択された経路を案内する経路案内部と、を更に含んで構成されている。
【0018】
本発明の報酬発行システムによれば、報酬発行装置が、車両の走行位置から目的地に向かうための経路であって、最短経路を含む複数の経路を探索し、複数の経路の各々に対し、当該経路上の位置との距離が閾値以下となるランドマークに関する情報が提示された場合に付与される報酬の合計又は当該報酬の合計を用いて算出される値を計算し、複数の経路と、複数の経路の各々に対して計算された当該報酬の合計とを、当該車両の車載器へ送信する。
【0019】
そして、車載器が、報酬発行装置から受信した、複数の経路と、複数の経路の各々に対して計算された当該報酬の合計又は当該報酬の合計を用いて算出される値とを提示し、提示された複数の経路のうち何れか一つの選択を受け付け、選択された経路を案内する。
【0020】
このように、車両の走行位置から目的地に向かうための経路であって、最短経路を含む複数の経路を探索し、複数の経路の各々に対し、当該経路上の位置との距離が閾値以下となるランドマークに関する情報が提示された場合に付与される報酬の合計又は当該報酬の合計を用いて算出される値とを提示し、提示された複数の経路のうち何れか一つの選択を受け付け、選択された経路を案内することにより、ランドマーク関する情報の提示により得られる報酬を考慮した経路を選択することができる。
【0021】
また、本発明の報酬発行システムの前記経路提示部は、前記報酬発行装置から受信した、前記複数の経路と、前記複数の経路の各々に対して計算された前記報酬の合計と、前記複数の経路の各々に対して計算される、前記経路を走行した場合の前記目的地までの所要時間とを提示することができる。
【0022】
また、本発明の車載器は、予め定められた、走行路周辺の複数のランドマークのうち、車両の走行位置との距離が閾値以下となるランドマークに関する情報を提示する情報提示部と、車両の走行位置から目的地に向かうための経路であって、最短経路を含む複数の経路と、前記複数の経路の各々に対し、前記経路上の位置との距離が前記閾値以下となるランドマークに関する情報が提示された場合に付与される報酬の合計とを提示する経路提示部と、前記提示された前記複数の経路のうちの何れか一つの選択を受け付ける経路選択部と、前記選択された経路を案内する経路案内部と、を含んで構成されている。
【0023】
また、本発明のプログラムは、コンピュータを、予め定められた、走行路周辺の複数のランドマークのうち、車両の走行位置との距離が閾値以下となるランドマークに関する情報を提示する情報提示部、車両の走行位置から目的地に向かうための経路であって、最短経路を含む複数の経路と、前記複数の経路の各々に対し、前記経路上の位置との距離が前記閾値以下となるランドマークに関する情報が提示された場合に付与される報酬の合計又は前記報酬の合計を用いて算出される値とを提示する経路提示部、前記提示された前記複数の経路のうちの何れか一つの選択を受け付ける経路選択部、及び前記選択された経路を案内する経路案内部として機能させるためのプログラムである。
【0024】
本発明の車載器及びプログラムによれば、情報提示部が、予め定められた、走行路周辺の複数のランドマークのうち、車両の走行位置との距離が閾値以下となるランドマークに関する情報を提示し、経路提示部が、車両の走行位置から目的地に向かうための経路であって、最短経路を含む複数の経路と、複数の経路の各々に対し、当該経路上の位置との距離が当該閾値以下となるランドマークに関する情報が提示された場合に付与される報酬の合計又は当該報酬の合計を用いて算出される値とを提示する。
【0025】
そして、経路選択部が、提示された複数の経路のうちの何れか一つの選択を受け付け、経路案内部が、選択された経路を案内する。
【0026】
このように、予め定められた、走行路周辺の複数のランドマークのうち、車両の走行位置との距離が閾値以下となるランドマークに関する情報を提示し、車両の走行位置から目的地に向かうための経路であって、最短経路を含む複数の経路と、複数の経路の各々に対し、当該経路上の位置との距離が当該閾値以下となるランドマークに関する情報が提示された場合に付与される報酬の合計又は当該報酬の合計を用いて算出される値とを提示し、提示された複数の経路のうちの何れか一つの選択を受け付け、選択された経路を案内することにより、ランドマーク関する情報の提示により得られる報酬を考慮した経路を選択することができる。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように、本発明の報酬発行装置及びプログラムによれば、ランドマークに関する情報を車両の乗員に対して提示するように誘導することができる、という効果が得られる。
【0028】
また、本発明の報酬発行システム、車載器及びプログラムによれば、ランドマークに関する情報の提示により得られる報酬を考慮した経路を選択することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施の形態における報酬発行システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態における車載器の概略構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態におけるナビゲーション画面の一例を示す図である。
図4】本発明の実施の形態における報酬発行装置の概略構成を示すブロック図である。
図5】本発明の実施の形態における複数の経路の一例を示すイメージ図である。
図6】本発明の実施の形態におけるルート設定処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施の形態におけるルート案内処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施の形態における報酬発行処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0031】
<本発明の実施の形態の概要>
本発明の実施の形態では、シェアカーの費用を削減するための報酬発行システムに本発明を適用した場合を例に説明する。
【0032】
本実施形態では、ランドマークの近傍にシェアカーが到達すると、当該ランドマークに関する地域情報や店・商品をイメージさせる音の広告を発し、この音の広告を聞くことにより、報酬としてシェアカーの費用を削減させる。ここで、ランドマークとは、観光地や店舗の場所等を表すものである。
【0033】
通常、カーナビゲーションシステムでは、目的地への最短な距離又は最短時間に基づいて経路(ルート)を検索し、ユーザに提示する。
【0034】
これに対し、本実施形態では、広告が提示されるランドマークの周辺を通過するルートを加えたルートを提示する(図6)。
【0035】
ユーザがランドマークの周辺を通過するルートを選択し、当該ルート上のランドマークの周辺を通ると、当該ランドマークに対応付けられた広告が提示され、報酬としてシェアカーの費用を削減するためのポイントが発行され、シェアカーの費用を削減することができる。
【0036】
遠回りしてでもポイントを得たい場合、ユーザは、最短ルート(図6のルート1)ではなく、他のルート(図6のルート2、ルート3)を選択することができる。また、目的地までに休憩場所等の中継場所を用意したいときには、遠回りとなる場合も多く、そのような場合には、ユーザが積極的に費用の削減を図りたいと考えるため、有用である。
【0037】
また、広告主である自治体や企業等にとっては、本実施形態に係る報酬発行システムを利用することにより、ユーザにランドマークに関した音の広告を聞かせることができるため、ユーザに、当該自治体に係る地域を知ってもらうことや、当該自治体・当該企業等に対する関心を高め、興味を持ってもらえることができる。
【0038】
また、ランドマークに関した音を大量に用いるため、ランドマークに関する音として、例えばイメージ音や音商標を作る仕事を増やすことができる。
【0039】
<報酬発行システムのシステム構成>
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る報酬発行システム1は、車両に搭載されたセンサ10及び車載器20と、報酬発行装置30と、基地局40と、ネットワーク50とを備え、基地局40と報酬発行装置30とは、インターネットなどのネットワーク50で接続されており、基地局40と車載器20とは、無線通信により接続されている。
【0040】
基地局40は、車載器20が在圏している基地局であり、在圏している基地局が複数ある場合には、いずれの基地局を用いても良い。
【0041】
センサ10は、GPS情報を取得するためのGPSを含む。
【0042】
センサ10は、GPS情報を取得すると、車載器20に取得したGPS情報を渡す。
【0043】
車載器20は、CPUと、RAMと、後述するルート設定処理ルーチン及びルート案内処理ルーチンを実行するためのプログラムを記憶したROMと、スピーカーとを備え、機能的には次に示すように構成されている。
【0044】
図2は、本発明の実施の形態における車載器20の概略構成を示すブロック図である。
【0045】
図2に示すように、車載器20は、入力部210と、センサ情報取得部220と、サービス制御部230と、通信部240と、表示部250と、音再生部260と、経路案内部270とを備えて構成される。
【0046】
入力部210は、ユーザから、タッチパネルや音声認識等の入力手段により入力を受け付ける。
【0047】
具体的には、入力部210は、ユーザから、報酬発行システムに係るサービスの利用をするか否か入力を受け付ける。より具体的には、当該サービスは、ランドマークに対する広告を見聞きすることにより、ポイントを報酬としてシェアカーの費用を削減させるサービスのことである。当該サービスでは、当該ポイントに応じて、シェアカーの利用料金の割引金額が決定される。
【0048】
そして、入力部210は、サービスの利用をするか否かの入力を受け付けると、サービスの利用をするか否かをサービス制御部230に渡す。
【0049】
また、入力部210は、ユーザから、ナビゲーションシステムにおける目的地の入力を受け付ける。
【0050】
そして、入力部210は、目的地の入力を受け付けると、目的地をサービス制御部230に渡す。
【0051】
また、入力部210は、ユーザから、ポイントの利用方法の入力を受け付ける。
【0052】
ポイントの利用方法としては、今回発行したポイントを利用する、今回発行したポイントを貯める、貯めていたポイントと今回発行したポイントの全てを利用する等の方法がある。利用したポイントに応じて、最終的にシェアカーの利用料金が割り引かれる。
【0053】
そして、入力部210は、ポイントの利用方法の入力を受け付けると、ポイントの利用方法をサービス制御部230に渡す。
【0054】
また、入力部210は、ユーザから、ランドマーク属性の入力を受け付ける。
【0055】
また、ランドマーク属性とは、ランドマークの種類のことである。すなわち、ユーザが関心を持つランドマーク属性が、入力部210に入力される。
【0056】
そして、入力部210は、ランドマーク属性の入力を受け付けると、ランドマーク属性をサービス制御部230に渡す。
【0057】
また、入力部210は、提示された複数のルートのうちの何れか一つの選択の入力を受け付ける。
【0058】
そして、入力部210は、ルートの選択の入力を受け付けると、選択されたルートをサービス制御部230に渡す。
【0059】
センサ情報取得部220は、センサ10から、GPS情報を取得する。
【0060】
そして、センサ情報取得部220は、取得したGPS情報をサービス制御部230に渡す。
【0061】
サービス制御部230は、サービスに関する制御を行う。また、サービス制御部230は、予め定められた、走行路周辺の複数のランドマークのうち、車両の走行位置との距離が閾値以下となるランドマークに対して対応付けられた広告を提示する。
【0062】
具体的には、サービス制御部230は、表示部250に対し、サービスの利用をするか否かの表示をする指示を渡す。
【0063】
また、サービス制御部230は、入力部210から、サービスの利用をする旨の情報を受け取った場合、センサ情報取得部220から受け取ったGPS情報と、入力部210から受け取った目的地、ポイント利用法、及びランドマーク属性と、当該ユーザを示すIDとを設定情報として、通信部240に渡す。
【0064】
一方、サービス制御部230は、入力部210から、サービスの利用をしない旨の情報を受け取った場合、センサ情報取得部220から受け取ったGPS情報と、入力部210から受け取った目的地と、当該ユーザを示すIDとを設定情報として、通信部240に渡す。
【0065】
また、サービス制御部230は、報酬発行装置30から受信した、車両の走行位置から目的地に向かうためのルートであって、最短ルートを含む複数のルートと、複数のルートの各々に対して計算された当該報酬の合計を考慮した利用料と、複数の経路の各々に対して計算される、当該経路を走行した場合の目的地までの所要時間とを提示する。
【0066】
具体的には、サービス制御部230は、通信部240から複数のルート及び複数のルートの各々についての利用料並びに所要時間を受け取ると、これらを表示部250に渡して、ユーザに提示させる。
【0067】
また、サービス制御部230は、提示された複数の経路のうちの何れか一つの選択を受け付ける。
【0068】
具体的には、サービス制御部230は、入力部210から選択されたルートを受け取ると、通信部240に選択されたルートを渡し、経路案内部270に、ルート案内を開始する指示を渡す。
【0069】
サービス制御部230は、経路案内部270によるルート案内が開始されると、所定時間毎に、センサ情報取得部220からGPS情報を受け取る。
【0070】
サービス制御部230は、センサ情報取得部220からGPS情報を受け取ると、通信部240に、GPS情報及びIDを渡す。
【0071】
また、サービス制御部230は、GPS情報から得られる現在の走行位置と、目的地とが同一の場合、車両から鍵が抜かれたことを検知した場合等によりサービスの利用が終了したか否かを判定する。
【0072】
利用が終了したと判定した場合、サービス制御部230は、清算処理要求を、通信部240に渡す。
【0073】
また、サービス制御部230は、通信部240から清算処理の結果を受け取ると、表示部250に清算処理の結果を渡す。
【0074】
利用が終了していない場合において、通信部240から音再生指示及び音データを受け取った場合、サービス制御部230は、当該音再生指示及び音データを、音再生部260に渡す。
【0075】
当該音データが、ランドマークに対して対応付けられた広告を表す音データである。また、サービス制御部230は、当該音データを記憶部(図示しない)に保管しておく。
【0076】
一方、利用が終了していない場合において、通信部240から音再生指示のみを受け取った場合、サービス制御部230は、当該音再生指示で指定される音データを記憶部から取得し、当該音再生指示及び音データを音再生部260に渡す。
【0077】
そして、サービス制御部230は、音データの再生結果を、通信部240に渡す。
【0078】
通信部240は、基地局40を介して、報酬発行装置30との通信を行う。
【0079】
具体的には、通信部240は、サービス制御部230から受け取った設定情報を、報酬発行装置30に送信する。
【0080】
また、通信部240は、サービスの利用をする場合、報酬発行装置30から、ルート候補である複数のルート、及び複数のルートの各々についての利用料並びに所要時間を受信する。一方、通信部240は、サービスの利用をしない場合、報酬発行装置30から、ルートを受信する。
【0081】
そして、通信部240は、受信した複数のルート及び利用料、又はルートを、サービス制御部230に渡す。
【0082】
また、通信部240は、サービス制御部230から選択されたルートを受け取ると、ID及び選択されたルートを報酬発行装置30に送信する。
【0083】
また、通信部240は、サービス制御部230から、GPS情報及びIDを受け取ると、報酬発行装置30にGPS情報及びIDを送信する。
【0084】
また、通信部240は、サービス制御部230から清算処理要求を受け取ると、ID及び当該清算処理要求を報酬発行装置30に送信する。
【0085】
また、通信部240は、報酬発行装置30から清算処理結果を受信すると、サービス制御部230に清算処理結果を渡す。
【0086】
また、通信部240は、報酬発行装置30から音再生指示、又は音再生指示及び音データを受信すると、当該音再生指示、又は当該音再生指示及び音データをサービス制御部230に渡す。
【0087】
また、通信部240は、サービス制御部230から音データの再生結果を受け取ると、当該音データの再生結果及びIDを報酬発行装置30に送信する。
【0088】
また、通信部240は、報酬発行装置30から清算処理の結果を受信すると、サービス制御部230に清算処理の結果を渡す。
【0089】
表示部250は、ユーザ及び乗員に対し、所定の情報をディスプレイ等に表示する。
【0090】
具体的には、表示部250は、サービス制御部230から、サービスの利用をするか否かを選択するための表示画面を表示する指示を受け取ると、当該指示に対応する表示を行う。
【0091】
また、表示部250は、経路案内部270から案内指示を受け取ると、当該案内指示の表示を行う。
【0092】
また、表示部250は、サービス制御部230から、複数のルート及び複数のルートの各々についての利用料並びに所要時間を表示するルート選択画面を表示する指示を受け取ると、これらを表示する。
【0093】
例えば、図3に示すように、ルートAについては利用料が210円、所要時間7分であること、ルートBについては利用料が160円、所要時間10分であることを表すルート選択画面を、ユーザに提示する。
【0094】
また、表示部250は、サービス制御部230から清算処理の結果を受け取ると、清算処理の結果を表示する。
【0095】
音再生部260は、サービス制御部230からランドマークに関する音を再生する指示を受けると、ユーザ及び乗員に対し、当該音データの再生を行う。
【0096】
具体的には、音再生部260は、サービス制御部230から当該音再生指示及び音データを受け取ると、当該音再生指示に従って音データを再生する。音再生指示には、例えば、10秒間音データを再生する、再生する際の音量等の指示が含まれる。
【0097】
経路案内部270は、選択されたルートを案内する。
【0098】
具体的には、経路案内部270は、カーナビゲーション機能を有しており、サービス制御部230からルート案内を開始する指示を受け取ると、選択されたルートに応じた案内を開始する。
【0099】
そして、経路案内部270は、ルート案内において、ユーザに対する、直進する、右方向へ進む等の案内指示を、表示部250に渡して表示するように指示する。なお、音再生部260に渡して、音声によりユーザに対し案内指示を出すようにしてもよい。
【0100】
報酬発行装置30は、CPUと、RAMと、後述する報酬発行処理ルーチンを実行するためのプログラムを記憶したROMとを備え、機能的には次に示すように構成されている。
【0101】
図4は、本発明の実施の形態における報酬発行装置30の概略構成を示すブロック図である。
【0102】
図4に示すように、報酬発行装置30は、通信部310と、判定部320と、ランドマーク情報記憶部330と、ルート探索部340と、設定部350と、ユーザ情報記憶部360と、距離算出部370と、情報提供指示部380と、報酬発行部390と、清算処理部400とを備えて構成される。
【0103】
通信部310は、車載器20から受信したデータを判定部320に渡す。
【0104】
具体的には、通信部310は、車載器20から設定情報を受信する。
【0105】
そして、通信部310は、受信した設定情報を、判定部320に渡す。
【0106】
また、通信部310は、ルート探索部340から複数のルートを受け取ると、車載器20に当該複数のルートを送信する。
【0107】
また、通信部310は、車載器20から、ID及び選択されたルートを受信する。
【0108】
そして、通信部310は、受信したID及び選択されたルートを、判定部320に渡す。
【0109】
また、通信部310は、車載器20から、GPS情報及びIDを受信する。
【0110】
そして、通信部310は、受信したGPS情報及びIDを、判定部320に渡す。
【0111】
また、通信部310は、車載器20から、ID及び清算処理要求を受信する。
【0112】
そして、通信部310は、受信したID及び清算処理要求を、判定部320に渡す。
【0113】
また、通信部310は、情報提供指示部380から音再生指示、又は音再生指示及び当該音データを受け取ると、受け取った音再生指示、又は受け取った音再生指示及び当該音データを車載器20に送信する。
【0114】
また、通信部310は、車載器20から、音データの再生結果及びIDを受信する。
【0115】
そして、通信部310は、受信した音データの再生結果及びIDを、情報提供指示部380に渡す。
【0116】
また、通信部310は、清算処理部400から清算処理の結果を受け取ると、清算処理の結果を、車載器20に送信する。
【0117】
判定部320は、受信したデータが、設定情報、車両の走行位置及び速度、又は、清算処理要求の何れであるかを判定する。
【0118】
具体的には、判定部320は、通信部310から設定情報を受け取ると、受信したデータは設定情報であると判定し、当該設定情報を、ルート探索部340及び設定部350に渡す。
【0119】
また、判定部320は、通信部310からGPS情報及びIDを受け取ると、受信したデータは車両の走行位置であると判定し、GPS情報及びIDを距離算出部370に渡す。
【0120】
また、判定部320は、通信部310からID及び選択されたルートを受け取ると、受け取ったID及び選択されたルートを設定部350に渡す。
【0121】
また、判定部320は、通信部310からID及び清算処理要求を受信すると、受信したデータは清算処理要求であると判定し、ID及び清算処理要求を清算処理部400に渡す。
【0122】
ランドマーク情報記憶部330には、複数のランドマークの各々について、当該ランドマークの位置情報及び当該ランドマークの属性が予め格納されている。
【0123】
具体的には、ランドマーク情報記憶部330には、複数のランドマークの各々について、当該ランドマークのID、当該ランドマークの位置情報、当該ランドマークの属性及び当該ランドマークに関する複数の音データが格納されている。
【0124】
ルート探索部340は、ルート候補である複数のルートを探索する。
【0125】
具体的には、ルート探索部340は、判定部320から受け取った設定情報に含まれるGPS情報と、設定情報に含まれる目的地とから、車両の走行位置と目的地との最短ルート(図5のルート1)とランドマークの周辺を通過するルート(図5のルート2、ルート3)とを含む複数のルート(例えば図5に示す3つのルート)を探索する。
【0126】
ルート探索部340は、各ルートに含まれるランドマークの数が異なるように探索する。ランドマークの数により、最終的に得られるポイントを変動させるためである。
【0127】
また、ルート探索部340は、設定情報に含まれるランドマークの属性に対応するランドマークが含まれるルートを探索する。ランドマークの属性には、例えば、観光、ファッション、食べ物、混合などがある。
【0128】
次に、ルート探索部340は、探索した複数のルートの各々について、利用料並びに所要時間を推定する。ルート毎に利用料と所要時間をユーザに提示することで、ユーザのニーズに合ったサービスを提供するためである。
【0129】
ルート探索部340は、予測所要時間tを、各ルートのランドマークを経由した総距離から求める。
【0130】
また、予測利用料T[円]、目的地までの距離L[km]、燃費F[km/リットル]、ランドマーク数N、ランドマーク1個当たりの削減費V[円]とすると、予測利用料Tは下記式(1)で求めることができる。
【0131】
【数1】
【0132】
また、シェアカーの場合、時間当たりで費用が設定される場合もある。この設定される値をC[円/時]とすると、予測利用料Tは、下記式(2)で求めることができる。
【0133】
【数2】
【0134】
そして、ルート探索部340は、探索した複数のルート、及び当該複数のルートの各々について予測した利用料並びに所要時間を、通信部310に渡す。
【0135】
設定部350は、判定部320から受け取った設定情報を、ユーザのサービス利用情報として設定する。
【0136】
具体的には、設定部350は、設定情報に含まれるGPS情報、目的地、ポイント利用法、及びランドマーク属性を、当該設定情報に含まれるIDに紐づけて、ユーザ情報記憶部360に格納する。また、設定部350は、設定情報にGPS情報、目的地、及びIDのみが含まれている場合には、設定情報に含まれるGPS情報及び目的地を、当該設定情報に含まれるIDに紐づけて、ユーザ情報記憶部360に格納する。
【0137】
また、設定部350は、判定部320から受け取ったID及び選択されたルートを、当該IDに紐づけて、ユーザ情報記憶部360に格納する。
【0138】
ユーザ情報記憶部360には、複数のユーザのサービス利用情報が格納される。
【0139】
距離算出部370は、車両と、当該車両の走行する経路の周辺に存在する複数のランドマークのうち、選択されたランドマークの属性に対応する当該ランドマークの各々との距離を算出する。
【0140】
具体的には、距離算出部370は、判定部320からGPS情報及びIDを受け取ると、ユーザ情報記憶部360から、当該IDに紐づく選択されたルートの情報を取得する。
【0141】
次に、距離算出部370は、取得した選択されたルート上に位置する複数のランドマークの位置情報を、ランドマーク情報記憶部330から取得する。
【0142】
距離算出部370は、GPS情報と、取得した複数のランドマークの位置情報とに基づいて、車両と複数のランドマークの各々との距離を算出する。
【0143】
そして、距離算出部370は、算出した車両と複数のランドマークの各々との距離を、情報提供指示部380に渡す。
【0144】
情報提供指示部380は、距離算出部370により算出された距離が、閾値以下となるランドマークに関する音データを、当該車両の乗員に対して提示するように当該車両の車載器20に対して指示する。
【0145】
具体的には、情報提供指示部380は、まず、距離算出部370により算出された距離が、閾値以下となるランドマークのうち、最も車両に近いランドマークを選択する。
【0146】
次に、情報提供指示部380は、車両と選択したランドマークとの距離に応じて、車載器20に再生すべき指示をする音データを選択し、ランドマーク情報記憶部330から取得する。
【0147】
選択される音データは、例えばランドマークがコンビニエンスストアである場合には、当該コンビニエンスストアの入店時になる音、ランドマークが観光スポットであればその観光スポットに関する風景の音、街並みの音、解説の音声等である。
【0148】
また、音量の異なる音データや、音の要素の数が異なる音データ(例えば、2つの楽器で演奏している音データと、3つの楽器で演奏している音データ)は、同一でないものとする。
【0149】
このため、距離に応じて、音量を上げる、新しい音を追加する等により、新たな音データが選択され、広告効果を高めることができる。
【0150】
情報提供指示部380は、選択した音データを、車載器20に送信済みであるか否かを判定する。
【0151】
送信済みである場合、情報提供指示部380は、当該音データを再生すべき旨の音再生指示を、通信部310に渡す。
【0152】
一方、送信済みでない場合、情報提供指示部380は、当該音データを、ランドマーク情報記憶部330から取得し、音再生指示及び当該音データを、通信部310に渡す。
【0153】
また、情報提供指示部380は、音データの再生結果及びIDを受け取ると、ユーザ情報記憶部360に、当該音データが再生された情報を当該IDに紐づけて格納する。
【0154】
また、情報提供指示部380は、音データの再生結果及びIDを、報酬発行部390に渡す。
【0155】
報酬発行部390は、車両の乗員に対して音データが車載器20により提示された場合に、車両のユーザに対して与える報酬を発行する。
【0156】
具体的には、報酬発行部390は、情報提供指示部380から音データの再生結果及びIDを受け取ると、当該音データに対応するランドマークに関する音データの全てが再生されたか否かを判定する。
【0157】
全てが再生されていない場合には、報酬発行部390は、ポイントを発行しない。
【0158】
一方、全てが再生されている場合、報酬発行部390は、ユーザに対し、予め定められたポイントを発行する。ランドマークごとに、発行するポイントを定めておけばよく、例えば、あるランドマークに対しては100円分のポイントが定められている。
【0159】
そして、報酬発行部390は、発行したポイントを、取得したIDに紐づけてユーザ情報記憶部360に格納する。この際、ユーザ情報記憶部360には、ポイントの累計が格納される。
【0160】
清算処理部400は、判定部320からID及び清算処理要求を受け取ると、ユーザ情報記憶部360から、当該IDに紐づくポイント利用法及びポイントを取得する。
【0161】
清算処理部400は、ポイント利用法に応じて、シェアカーの利用料の清算処理を行う。例えば、ポイントを利用する場合には、発行されたポイントを利用して、シェアカーの利用料を割引き、割引後の利用料の清算処理を行う。
【0162】
そして、清算処理部400は、清算処理の結果を、通信部310に渡す。
【0163】
<報酬発行システム1の動作>
【0164】
<<車載器20の動作>>
次に、図6を参照して、本実施形態の車載器20のルート設定処理ルーチンについて説明する。
【0165】
まず、ステップS100において、入力部210は、サービスの利用をするか否かの入力を受け付ける。
【0166】
ステップS110において、上記ステップS100において受け付けた情報が、サービスの利用をするか否かの判定を行う。
【0167】
サービスを利用するものである場合(上記ステップS110のYES)、ステップS120において、センサ情報取得部220は、センサ10から、GPS情報を取得する。
【0168】
ステップS130において、入力部210は、ユーザから、ナビゲーションシステムにおける目的地の入力を受け付ける。
【0169】
ステップS140において、入力部210は、ユーザから、ポイントの利用方法の入力を受け付ける。
【0170】
ステップS150において、入力部210は、ユーザから、選択されたランドマーク属性の入力を受け付ける。
【0171】
ステップS160において、通信部240は、上記ステップS130~S150により受け付けた設定情報を、報酬発行装置30に送信する。
【0172】
ステップS170において、通信部240は、報酬発行装置30から、ルート候補である複数のルート、及び複数のルートの各々についての利用料並びに所要時間を受信する。
【0173】
ステップS180において、表示部250は、上記ステップS170により受信した複数のルート及び複数のルートの各々についての利用料並びに所要時間を表示するルート選択画面の表示を行う。
【0174】
ステップS190において、入力部210は、提示された複数のルートのうちの何れか一つの選択の入力を受け付ける。
【0175】
ステップS200において、通信部240は、ID及び上記ステップS170により受け付けた選択されたルートを報酬発行装置30に送信する。
【0176】
ステップS210において、サービス制御部230は、経路案内部270に、ルート案内を開始する指示を渡す。
【0177】
一方、サービスを利用するものでない場合(上記ステップS110のNO)、ステップS220において、サービス制御部230は、ルート探索が必要か否かを判定する。
【0178】
ルート探索が必要である場合(上記ステップS220のYES)、ステップS230において、センサ情報取得部220は、センサ10から、GPS情報を取得する。
【0179】
ステップS240において、入力部210は、ユーザから、ナビゲーションシステムにおける目的地の入力を受け付ける。
【0180】
ステップS250において、通信部240は、上記ステップS230~S240により受け付けた設定情報を、報酬発行装置30に送信する。
【0181】
ステップS260において、通信部240は、報酬発行装置30から、ルートを受信し、ステップS210に進む。
【0182】
一方、ルート探索が必要でない場合(上記ステップS220のNO)、処理を終了する。
【0183】
次に、図7を参照して、本実施形態の車載器20のルート案内処理ルーチンについて説明する。
【0184】
経路案内部270が、サービス制御部230からルート案内を開始する指示を受け取ると、ルート案内処理ルーチンが実行される。
【0185】
まず、ステップS300において、経路案内部270は、選択されたルートに応じた案内を開始する。
【0186】
ステップS310において、サービス制御部230は、所定時間を経過したか否かを判定する。所定時間は、例えば1秒、5秒等の時間であり、サービス制御部230は、所定時間の間隔毎に後続の処理を行うか否かを判定する。
【0187】
所定時間が経過していない場合(上記ステップS310のNO)、所定時間経過まで、ステップS310を繰り返す。
【0188】
一方、所定時間が経過している場合(上記ステップS310のYES)、ステップS320において、センサ情報取得部220は、センサ10から、GPS情報を取得する。
【0189】
ステップS330において、通信部240は、報酬発行装置30にGPS情報及びIDを送信する。
【0190】
ステップS340において、サービス制御部230は、GPS情報から得られる現在の走行位置と、目的地とが同一の場合、車両から鍵が抜かれたことを検知した場合等によりサービスの利用が終了したか否かを判定する。
【0191】
サービスの利用が終了していない場合(上記ステップS340のNO)、ステップS350において、報酬発行装置30から音再生指示を受信したか否かを判定する。
【0192】
音再生指示を受信していない場合(上記ステップS360のNO)、ステップS310に戻る。
【0193】
一方、音再生指示を受信した場合(上記ステップS350のYES)、ステップS360において、音再生部260は、ユーザ及び乗員に対し、音再生指示に基づく当該音データの再生を行う。
【0194】
ステップS370において、通信部240は、音データの再生結果及びIDを報酬発行装置30に送信する。
【0195】
サービスの利用が終了している場合(上記ステップS340のYES)、ステップS380において、通信部240は、ID及び当該清算処理要求を報酬発行装置30に送信する。
【0196】
ステップS390において、表示部250は、清算処理の結果を表示し、処理を終了する。
【0197】
<<報酬発行装置300の動作>>
次に、図8を参照して、本実施形態の報酬発行装置300の報酬発行処理ルーチンについて説明する。
【0198】
まず、ステップS500において、通信部310は、車載器20からデータを受信する。
【0199】
ステップS510において、判定部320は、受信したデータからIDを検出する。
【0200】
ステップS520において、判定部320は、車載器20から受信したデータが、設定情報か否かを判定する。
【0201】
ステップS530において、設定部350は、車載器20から受信した設定情報を、ユーザのサービス利用情報として設定する。
【0202】
ステップS540において、ルート探索部340は、上記ステップS530で設定されたサービス利用情報に基づいて、ルート候補である複数のルートを探索する。
【0203】
ステップS550において、通信部310は、車載器20に複数のルートを送信する。
【0204】
ステップS560において、通信部310は、車載器20から、ID及び選択されたルートを報酬発行装置30に受信する。
【0205】
ステップS570において、通信部310は、車載器20から、ID及び選択されたルートを受信する。
【0206】
ステップS580において、判定部320は、車載器20から受信したデータが、清算処理要求か否かを判定する。
【0207】
清算処理要求でない場合(上記ステップS580のNO)、ステップS590において、判定部320は、上記ステップS510において検出したIDに紐づく車両が、移動中か否かを判定する。具体的には、位置情報が直前の位置情報と異なるか否かに基づいて判定する。
【0208】
ステップS600において、距離算出部370は、ユーザ情報記憶部360から、当該IDに紐づく選択されたルートの情報を取得する。
【0209】
ステップS610において、距離算出部370は、取得した選択されたルートの周辺に位置する複数のランドマークの位置情報を、ランドマーク情報記憶部330から取得する。
【0210】
ステップS620において、距離算出部370は、GPS情報と、取得した複数のランドマークの位置情報とに基づいて、車両と複数のランドマークの各々との距離を算出する。
【0211】
ステップS630において、情報提供指示部380は、まず、距離算出部370により算出された距離が、閾値以下となるランドマークがあるか否かを判定する。
【0212】
閾値以下となるランドマークがない場合(上記ステップS630のNO)、ステップS500に戻る。
【0213】
閾値以下となるランドマークがある場合(上記ステップS630のYES)、ステップS640において、情報提供指示部380は、車両と選択したランドマークとの距離に応じて音データを選択する。
【0214】
ステップS650において、情報提供指示部380は、選択した音データが、車載器20に送信済みであるか否かを判定する。
【0215】
送信済みである場合(上記ステップS650のYES)、ステップS660において、通信部310は、音データを再生すべき旨の音再生指示を、車載器20に送信する。
【0216】
送信済みでない場合(上記ステップS650のNO)、ステップS670において、通信部310は、音データを、ランドマーク情報記憶部330から取得し、音再生指示及び当該音データを、車載器20に送信する。
【0217】
ステップS680において、通信部310は、車載器20から、音データの再生結果及びIDを受信する。
【0218】
ステップS690において、報酬発行部390は、情報提供指示部380から音データの再生結果及びIDを受け取ると、当該音データに対応するランドマークに関する音データの全てが再生されたか否かを判定する。
【0219】
全てが再生されていない場合(上記ステップS690のNO)、ステップS500に戻る。
【0220】
全てが再生された場合(上記ステップS690のYES)、ステップS700において、報酬発行部390は、ユーザに対し、予め定められた方法によりポイントを発行し、ステップS500に戻る。
【0221】
一方、清算処理要求である場合(上記ステップS580のNO)、ステップS710において、清算処理部400は、ポイント利用法に応じて、シェアカーの利用料の清算処理を行う。
【0222】
ステップS720において、通信部310は、清算処理部400から清算処理の結果を受け取ると、清算処理の結果を、車載器20に送信する。
【0223】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る報酬発行装置によれば、車両と、予め定められた走行路周辺の複数のランドマークの各々との距離を算出し、算出された距離が、閾値以下となる当該ランドマークに関する情報を、当該車両の乗員に対して提示するように当該車両の車載器に対して指示し、当該車両の乗員に対して当該ランドマークに関する情報が当該車載器により提示された場合に、当該車両のユーザに対して与える報酬を発行することにより、ランドマークに関する情報を車両の乗員に対して提示するように誘導することができる。
【0224】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0225】
例えば、上述の実施の形態では、シェアカーの場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、タクシー、ライドシェア等において適用してもよい。
【0226】
シェアカー、タクシー等の利用料を削減することができるため、これらのユーザを増やすことができる。
【0227】
また、上述の実施の形態では、広告のターゲットがシェアカーを運転するユーザであるため、運転中であることを考慮して音の広告としたが、これに限定されるものではない。文字や映像等の広告を、乗員に提示するように構成してもよい。
【0228】
また、周辺のランドマークに対応付けられた広告を提示する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、広告以外の、ランドマークに関する情報を提示するようにしてもよい。
【0229】
また、ルートの探索を報酬発行装置30側で行ったが、車載器20においてルートの探索をする構成としてもよい。この場合には、車載器20が、ルート探索部340と同様の構成を備えていればよい。
【0230】
上記実施の形態では、センサとして、GPSセンサのみ用いた場合を例に説明したが、センサとして、GPSセンサ及び車両の速度情報を得るためのCAN(Controller Area Network)情報を取得する車載センサ(例えば、車速計)を用いて構成してもよい。
【0231】
この場合、上記S590において、判定部320は、上記ステップS510において検出したIDに紐づく車両が、移動中か否かを判定する際に、速度を用いて判定することができる。
【0232】
また、情報提供指示部380は、選択した音データを、所定時間内に車載器20に送信済みであるか否かを判定する構成としてもよい。例えば、所定時間として、1時間等を定めておくことができる。
【0233】
また、ルート案内の際に、周辺のランドマークに対応付けられた広告を提示して報酬を発行する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、ルート案内をしていない場合に、周辺のランドマークに対応付けられた広告を提示して報酬を発行するようにしてもよい。
【0234】
また、ルート選択画面において、ルートの各々について、得られるポイントの合計で割り引いた利用料を表示する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、ルートの各々について、得られるポイントの合計を表示するようにしてもよい。
【0235】
また、本願明細書中において、プログラムが予めインストールされている実施形態として説明したが、当該プログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0236】
1 報酬発行システム
10 センサ
20 車載器
30 報酬発行装置
40 基地局
50 ネットワーク
210 入力部
220 センサ情報取得部
230 サービス制御部
240 通信部
250 表示部
260 音再生部
270 経路案内部
300 報酬発行装置
310 通信部
320 判定部
330 ランドマーク情報記憶部
340 ルート探索部
350 設定部
360 ユーザ情報記憶部
370 距離算出部
380 情報提供指示部
390 報酬発行部
400 清算処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8