(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】物品移載設備
(51)【国際特許分類】
B65G 47/90 20060101AFI20220928BHJP
B25J 9/02 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
B65G47/90 A
B25J9/02 A
(21)【出願番号】P 2018205276
(22)【出願日】2018-10-31
【審査請求日】2020-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】清水 清
【審査官】山▲崎▼ 歩美
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-081053(JP,A)
【文献】特開2018-115076(JP,A)
【文献】特開2017-218267(JP,A)
【文献】国際公開第2006/006624(WO,A1)
【文献】特開2007-098501(JP,A)
【文献】特開2006-124122(JP,A)
【文献】特開2012-229111(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/90-47/91
B25J 1/00-21/02
B65B 35/00-35/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1位置から第2位置へ物品を移載する物品移載設備であって、
前記物品を保持する保持部と、
前記物品が載置される載置部と、
前記保持部及び前記載置部を移動させる駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
予め定められた基準方向をZ方向とし、当該Z方向視で互いに直交する2つの方向の一方をX方向、他方をY方向として、
前記駆動部は、
前記保持部を前記Z方向に案内しつつ移動させる第1Z軸駆動部と、
前記保持部を前記X方向に案内しつつ移動させる第1X軸駆動部と、
前記保持部を前記Y方向に案内しつつ移動させる第1Y軸駆動部と、
前記載置部を前記X方向に案内しつつ移動させる第2X軸駆動部と、を含み、
前記制御部は、前記第1位置の前記物品を前記載置部に載置する第1制御と、前記載置部に載置された前記物品を前記第2位置に配置する第2制御と、を実行し、
前記第1制御では、前記保持部が前記第1位置の前記物品を保持して前記載置部の上方に移動した後、前記物品の保持を解除して前記物品を前記載置部に載置するように前記駆動部を制御し、
前記制御部は、前記第1制御において、前記物品を保持した前記保持部と前記載置部とを前記第2位置に向けて同期して移動させつつ、前記保持部が保持している前記物品を前記載置部に載置させるように前記駆動部を制御する、物品移載設備。
【請求項2】
第1位置から第2位置へ物品を移載する物品移載設備であって、
前記物品を保持する保持部と、
前記物品が載置される載置部と、
前記保持部及び前記載置部を移動させる駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
予め定められた基準方向をZ方向とし、当該Z方向視で互いに直交する2つの方向の一方をX方向、他方をY方向として、
前記駆動部は、
前記保持部を前記Z方向に案内しつつ移動させる第1Z軸駆動部と、
前記保持部を前記X方向に案内しつつ移動させる第1X軸駆動部と、
前記保持部を前記Y方向に案内しつつ移動させる第1Y軸駆動部と、
前記載置部を前記X方向に案内しつつ移動させる第2X軸駆動部と、を含み、
前記制御部は、前記第1位置の前記物品を前記載置部に載置する第1制御と、前記載置部に載置された前記物品を前記第2位置に配置する第2制御と、を実行し、
前記第1制御では、前記保持部が前記第1位置の前記物品を保持して前記載置部の上方に移動した後、前記物品の保持を解除して前記物品を前記載置部に載置するように前記駆動部を制御し、
前記制御部は、前記第1制御及び前記第2制御と、第3制御と、を選択的に実行可能に構成され、
前記第3制御では、前記保持部が前記第1位置の前記物品を保持して前記第2位置の上方に移動した後、前記物品の保持を解除して前記第2位置に前記物品を配置するように前記駆動部を制御すると共に、前記物品を前記第1位置から前記第2位置へ移載する際の前記保持部の移動経路の少なくとも一部で、前記載置部が、前記保持部によって保持されている前記物品の下方に位置して前記保持部と同期して移動するように前記駆動部を制御する、物品移載設備。
【請求項3】
第1位置から第2位置へ物品を移載する物品移載設備であって、
前記物品を保持する保持部と、
前記物品が載置される載置部と、
前記保持部及び前記載置部を移動させる駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
予め定められた基準方向をZ方向とし、当該Z方向視で互いに直交する2つの方向の一方をX方向、他方をY方向として、
前記駆動部は、
前記保持部を前記Z方向に案内しつつ移動させる第1Z軸駆動部と、
前記保持部を前記X方向に案内しつつ移動させる第1X軸駆動部と、
前記保持部を前記Y方向に案内しつつ移動させる第1Y軸駆動部と、
前記載置部を前記X方向に案内しつつ移動させる第2X軸駆動部と、を含み、
前記制御部は、前記第1位置の前記物品を前記載置部に載置する第1制御と、前記載置部に載置された前記物品を前記第2位置に配置する第2制御と、を実行し、
前記第1制御では、前記保持部が前記第1位置の前記物品を保持して前記載置部の上方に移動した後、前記物品の保持を解除して前記物品を前記載置部に載置するように前記駆動部を制御し、
前記物品を収容する容器を、前記第1位置を通る搬送経路で、前記Z方向に交差する搬送方向の一方側である搬送方向第1側に向かって搬送する搬送装置を更に備え、
前記容器は、前記Z方向の一方側であるZ方向第1側に開口する開口部を有し、
前記制御部は、前記第1制御において、前記第1位置にある前記容器に収容されている前記物品を前記保持部によって保持した後、前記容器を前記搬送方向第1側に搬送するように前記搬送装置を制御すると共に、前記保持部を前記搬送方向第1側に移動させつつ前記Z方向第1側に移動させて前記物品を前記容器から取り出すように前記駆動部を制御する、物品移載設備。
【請求項4】
前記載置部に載置された前記物品を前記載置部から直接降ろすように前記載置部を動作させる降ろし動作部を更に備え、
前記制御部は、前記第2制御において、前記載置部が前記第2位置の上方に移動するように前記駆動部を制御した後、前記載置部に載置された前記物品を前記載置部から前記第2位置に降ろすように前記降ろし動作部を制御する、請求項1から
3のいずれか一項に記載の物品移載設備。
【請求項5】
前記降ろし動作部は、前記Z方向に直交する仮想面に沿う軸回りに前記載置部を回転させて前記物品が載置された載置面を傾斜させることで、前記載置部に載置された前記物品を降ろす、請求項
4に記載の物品移載設備。
【請求項6】
前記保持部を第1保持部とし、前記第1保持部とは別に第2保持部を更に備え、
前記駆動部は、前記第2保持部を前記Z方向に案内しつつ移動させる第2Z軸駆動部と、
前記第2保持部を前記X方向に案内しつつ移動させる第3X軸駆動部と、
前記第2保持部を前記Y方向に案内しつつ移動させる第2Y軸駆動部と、を更に含み、
前記制御部は、前記第2制御において、前記第2保持部が前記載置部に載置された前記物品を保持して前記第2位置の上方に移動した後、前記物品の保持を解除して前記第2位置に前記物品を配置するように前記駆動部を制御する、請求項1から
3のいずれか一項に記載の物品移載設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1位置から第2位置へ物品を移載する物品移載設備に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、第1位置にある第1容器(単品パレットTa)から第2位置にある第2容器(仕分けパレットTb)へ物品を移載するロボットアーム(ピッキングロボット5)を備えた物品移載設備が開示されている。なお、背景技術の説明において括弧内に示す部材名及び符号は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1の物品移載設備は、ロボットアーム(ピッキングロボット5)が第1容器(単品パレットTa)に収容された物品を保持し、保持した物品を第2容器(仕分けパレットTb)に収容するように構成されている。
【0004】
そのため、特許文献1の物品移載設備では、ロボットアーム(ピッキングロボット5)は、保持した物品を第2容器(仕分けパレットTb)に収容し終えるまで、次に第2容器(仕分けパレットTb)に収容すべき物品を第1容器(単品パレットTa)から取り出すことができない。その結果、多数の物品を移載する場合に、移載作業に要する時間が長くなり易いという課題が生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5237856号公報(段落0019、
図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、物品の移載作業に要する時間を短く抑えることができる物品移載設備の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記に鑑みた、物品移載設備の特徴構成は、
第1位置から第2位置へ物品を移載する物品移載設備であって、
前記物品を保持する保持部と、
前記物品が載置される載置部と、
前記保持部及び前記載置部を移動させる駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
予め定められた基準方向をZ方向とし、当該Z方向視で互いに直交する2つの方向の一方をX方向、他方をY方向として、
前記駆動部は、
前記保持部を前記Z方向に案内しつつ移動させる第1Z軸駆動部と、
前記保持部を前記X方向に案内しつつ移動させる第1X軸駆動部と、
前記保持部を前記Y方向に案内しつつ移動させる第1Y軸駆動部と、
前記載置部を前記X方向に案内しつつ移動させる第2X軸駆動部と、を含み、
前記制御部は、前記第1位置の前記物品を前記載置部に載置する第1制御と、前記載置部に載置された前記物品を前記第2位置に配置する第2制御と、を実行し、
前記第1制御では、前記保持部が前記第1位置の前記物品を保持して前記載置部の上方に移動した後、前記物品の保持を解除して前記物品を前記載置部に載置するように前記駆動部を制御し、
前記制御部は、前記第1制御において、前記物品を保持した前記保持部と前記載置部とを前記第2位置に向けて同期して移動させつつ、前記保持部が保持している前記物品を前記載置部に載置させるように前記駆動部を制御する点にある。
【0008】
この特徴構成によれば、第1制御において保持部が第1位置の物品を保持し、当該物品を載置部に載置する。そのため、保持部が物品を載置部に載置した後、直ちに次の物品を保持するために第1位置に向けて移動を開始することができる。これにより、保持部が単独で第1位置から第2位置へ物品を移載する構成と比較して、物品の移載作業に要する時間を短く抑えることができる
また、本特徴構成によれば、駆動部が、第1Z軸駆動部、第1X軸駆動部、第1Y軸駆動部、及び第2X軸駆動部を含んでいる。つまり、駆動部が、互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向のそれぞれに保持部を案内しつつ移動させると共に、X方向に載置部を案内しつつ移動させる、所謂、直交ロボットとして構成されている。これにより、複数の関節を有するロボットアーム等と比較して、駆動部を簡易な構成とすることができる。したがって、物品移載設備の製造コストを低く抑えることができる。
また、本特徴構成によれば、第1制御において保持部と載置部との干渉を回避することができる。また、本特徴構成によれば、物品を第2位置へ向けて搬送しつつ、第1制御による載置部への物品の載置動作を行うことができる。したがって、第1位置から第2位置までの物品の移載作業に要する時間を短く抑えることができる。
【0009】
上記に鑑みた、物品移載設備の特徴構成は、
第1位置から第2位置へ物品を移載する物品移載設備であって、
前記物品を保持する保持部と、
前記物品が載置される載置部と、
前記保持部及び前記載置部を移動させる駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
予め定められた基準方向をZ方向とし、当該Z方向視で互いに直交する2つの方向の一方をX方向、他方をY方向として、
前記駆動部は、
前記保持部を前記Z方向に案内しつつ移動させる第1Z軸駆動部と、
前記保持部を前記X方向に案内しつつ移動させる第1X軸駆動部と、
前記保持部を前記Y方向に案内しつつ移動させる第1Y軸駆動部と、
前記載置部を前記X方向に案内しつつ移動させる第2X軸駆動部と、を含み、
前記制御部は、前記第1位置の前記物品を前記載置部に載置する第1制御と、前記載置部に載置された前記物品を前記第2位置に配置する第2制御と、を実行し、
前記第1制御では、前記保持部が前記第1位置の前記物品を保持して前記載置部の上方に移動した後、前記物品の保持を解除して前記物品を前記載置部に載置するように前記駆動部を制御し、
前記制御部は、前記第1制御及び前記第2制御と、第3制御と、を選択的に実行可能に構成され、
前記第3制御では、前記保持部が前記第1位置の前記物品を保持して前記第2位置の上方に移動した後、前記物品の保持を解除して前記第2位置に前記物品を配置するように前記駆動部を制御すると共に、前記物品を前記第1位置から前記第2位置へ移載する際の前記保持部の移動経路の少なくとも一部で、前記載置部が、前記保持部によって保持されている前記物品の下方に位置して前記保持部と同期して移動するように前記駆動部を制御する点にある。
【0010】
この特徴構成によれば、第1制御において保持部が第1位置の物品を保持し、当該物品を載置部に載置する。そのため、保持部が物品を載置部に載置した後、直ちに次の物品を保持するために第1位置に向けて移動を開始することができる。これにより、保持部が単独で第1位置から第2位置へ物品を移載する構成と比較して、物品の移載作業に要する時間を短く抑えることができる
また、本特徴構成によれば、駆動部が、第1Z軸駆動部、第1X軸駆動部、第1Y軸駆動部、及び第2X軸駆動部を含んでいる。つまり、駆動部が、互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向のそれぞれに保持部を案内しつつ移動させると共に、X方向に載置部を案内しつつ移動させる、所謂、直交ロボットとして構成されている。これにより、複数の関節を有するロボットアーム等と比較して、駆動部を簡易な構成とすることができる。したがって、物品移載設備の製造コストを低く抑えることができる。
また、本特徴構成によれば、第3制御において、保持部による物品の保持が意図せずに解除された場合であっても、当該物品の下方に位置している載置部に物品が載置されることになる。したがって、保持部による物品の保持が意図せずに解除された場合であっても、物品の破損等が生じる可能性を低減できる。
なお、第3制御では、保持部が単独で第1位置から第2位置への物品の移載を行う。そのため、第3制御を選択した場合は、第1制御及び第2制御を選択した場合と比較して、物品の移載作業に要する時間が長くなる可能性がある。しかし、移載対象の物品が破損し易いものである場合や、第1位置から第2位置までの物品の移載作業に時間的な余裕がある場合等には、第3制御が望まれることがある。本特徴構成によれば、第1制御及び第2制御と第3制御とを選択的に実行できるため、物品の移載作業を状況に応じて適切に行うことができる。
【0011】
上記に鑑みた、物品移載設備の特徴構成は、
第1位置から第2位置へ物品を移載する物品移載設備であって、
前記物品を保持する保持部と、
前記物品が載置される載置部と、
前記保持部及び前記載置部を移動させる駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
予め定められた基準方向をZ方向とし、当該Z方向視で互いに直交する2つの方向の一方をX方向、他方をY方向として、
前記駆動部は、
前記保持部を前記Z方向に案内しつつ移動させる第1Z軸駆動部と、
前記保持部を前記X方向に案内しつつ移動させる第1X軸駆動部と、
前記保持部を前記Y方向に案内しつつ移動させる第1Y軸駆動部と、
前記載置部を前記X方向に案内しつつ移動させる第2X軸駆動部と、を含み、
前記制御部は、前記第1位置の前記物品を前記載置部に載置する第1制御と、前記載置部に載置された前記物品を前記第2位置に配置する第2制御と、を実行し、
前記第1制御では、前記保持部が前記第1位置の前記物品を保持して前記載置部の上方に移動した後、前記物品の保持を解除して前記物品を前記載置部に載置するように前記駆動部を制御し、
前記物品を収容する容器を、前記第1位置を通る搬送経路で、前記Z方向に交差する搬送方向の一方側である搬送方向第1側に向かって搬送する搬送装置を更に備え、
前記容器は、前記Z方向の一方側であるZ方向第1側に開口する開口部を有し、
前記制御部は、前記第1制御において、前記第1位置にある前記容器に収容されている前記物品を前記保持部によって保持した後、前記容器を前記搬送方向第1側に搬送するように前記搬送装置を制御すると共に、前記保持部を前記搬送方向第1側に移動させつつ前記Z方向第1側に移動させて前記物品を前記容器から取り出すように前記駆動部を制御する点にある。
【0012】
この特徴構成によれば、第1制御において保持部が第1位置の物品を保持し、当該物品を載置部に載置する。そのため、保持部が物品を載置部に載置した後、直ちに次の物品を保持するために第1位置に向けて移動を開始することができる。これにより、保持部が単独で第1位置から第2位置へ物品を移載する構成と比較して、物品の移載作業に要する時間を短く抑えることができる
また、本特徴構成によれば、駆動部が、第1Z軸駆動部、第1X軸駆動部、第1Y軸駆動部、及び第2X軸駆動部を含んでいる。つまり、駆動部が、互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向のそれぞれに保持部を案内しつつ移動させると共に、X方向に載置部を案内しつつ移動させる、所謂、直交ロボットとして構成されている。これにより、複数の関節を有するロボットアーム等と比較して、駆動部を簡易な構成とすることができる。したがって、物品移載設備の製造コストを低く抑えることができる。
また、本特徴構成によれば、物品が収容された容器を第1位置に自動的に供給することができると共に、物品が取り出された後の容器を自動的に搬出することができる。したがって、物品の移載作業を効率的に行うことができる。
また、本特徴構成によれば、第1制御において、第1位置にある容器に収容されている物品を保持部によって保持した後、容器を搬送方向第1側に搬送すると共に、保持部を搬送方向第1側に移動させつつZ方向第1側に移動させて物品を容器から取り出す。これにより、第1位置にある容器に収容されている物品を保持部によって保持した後、容器を搬送方向第1側に搬送させた場合であっても、保持部によって保持された物品が容器の一部に接触する可能性を低減することができる。したがって、容器の搬送効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】第1の実施形態に係る物品移載設備の制御ブロック図
【
図3】第1の実施形態に係る制御部による第1制御を示す平面図及び正面図
【
図4】第1の実施形態に係る制御部による第1制御を示す平面図及び正面図
【
図5】第1の実施形態に係る制御部による第1制御を示す平面図及び正面図
【
図6】第1の実施形態に係る制御部による第1制御を示す平面図及び正面図
【
図7】第1の実施形態に係る制御部による第1制御を示す平面図及び正面図
【
図8】第1の実施形態に係る制御部による第2制御を示す平面図及び正面図
【
図10】第2の実施形態に係る物品移載設備の制御ブロック図
【
図11】第2の実施形態に係る制御部による第1制御を示す平面図
【
図12】第2の実施形態に係る制御部による第1制御を示す平面図
【
図13】第2の実施形態に係る制御部による第2制御を示す平面図
【
図14】第2の実施形態に係る制御部による第2制御を示す平面図
【
図15】第2の実施形態に係る制御部による第2制御を示す平面図
【
図16】第2の実施形態に係る制御部による第2制御を示す正面図
【
図19】更に別の実施形態に係る載置部を示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
1.第1の実施形態
以下では、第1の実施形態に係る物品移載設備100について図面を参照して説明する。物品移載設備100は、第1位置P1から第2位置P2へ物品Wを移載するように構成されている。
【0017】
なお、以下の説明では、予め定められた基準方向を「Z方向」とし、当該Z方向視で互いに直交する2つの方向の一方を「X方向」、他方を「Y方向」とする。これらのX方向、Y方向、及びZ方向は、図面において、それぞれ、「X」、「Y」、及び「Z」を付した矢印で示している。なお、本実施形態では、Z方向は鉛直方向に一致しており、鉛直方向の上側を「上側Z1」とし、鉛直方向の下側を「下側Z2」とする。上側Z1は、Z方向の一方側である「Z方向第1側」に相当する。
【0018】
また、X方向の一方側を「X方向第1側X1」とし、その反対側を「X方向第2側X2」とする。更に、Y方向の一方側を「Y方向第1側Y1」とし、その反対側を「Y方向第2側Y2」とする。なお、本実施形態では、第1位置P1及び第2位置P2がX方向に並んで配置されている。そして、第1位置P1がX方向第1側X1に配置され、第2位置P2がX方向第2側X2に配置されている。
【0019】
図1に示すように、本実施形態では、物品移載設備100は、第1位置P1にある第1容器C1に収容された物品Wを、第2位置P2にある第2容器C2に収容するように、物品Wの移載作業を行う。
【0020】
第1容器C1は、上側Z1に開口する第1開口部C1aを有している。本実施形態では、第1容器C1は、上側Z1の面が開口した直方体状に形成されている。そして、第1容器C1は、Z方向視で、長辺及び短辺がそれぞれX方向及びY方向に沿うように、第1位置P1に配置される。第2容器C2は、上側Z1に開口する第2開口部C2aを有している。本実施形態では、第2容器C2も第1容器C1と同様に、上側Z1の面が開口した直方体状に形成されている。そして、第2容器C2は、Z方向視で、長辺及び短辺がそれぞれX方向及びY方向に沿うように、第2位置P2に配置される。
【0021】
図1に示すように、物品移載設備100は、物品Wを保持する保持部1と、物品Wが載置される載置部2と、保持部1及び載置部2を移動させる駆動部3と、を備えている。
【0022】
本実施形態では、保持部1は、吸着パッド11と、吸着パッド11を支持する支持体12と、を有している。吸着パッド11は、物品Wに対して作用する吸着状態と、物品Wに対して作用しない非吸着状態とを切り替え可能に構成されている。吸着パッド11は、物品Wに接触した状態で、吸着パッド11と物品Wと間の空間を負圧とすることで、物品Wを吸着する。吸着パッド11は、Z方向に直交する仮想面に沿う軸回りに回動できるように、支持体12に支持されている。支持体12は、Z方向に延在する軸心を有する円柱状に形成されている。支持体12の下側Z2の端面に、吸着パッド11が取り付けられている。本実施形態では、保持部1は、吸着パッド11を物品Wの上側Z1の表面に吸着させることで、物品Wを保持する。
【0023】
載置部2は、物品Wが載置される載置面21aが形成された本体部21を有している。本体部21は、板状に形成されており、本体部21の一方の表面に載置面21aが形成されている。本実施形態では、載置面21aは矩形状の平面として形成されている。また、載置面21aのY方向の寸法は、第2容器C2における物品Wが載置される底面のY方向の寸法以下に設定される。ただし、載置面21aのY方向の寸法が、第2容器C2の底面のY方向の寸法と同程度に設定されていると、載置部2をY方向に移動させる必要がないため好適である。図示の例では、載置面21aのY方向の寸法は、第2容器C2における物品Wが載置される底面のY方向の寸法よりも若干小さい(
図8参照)。また、本実施形態では、載置面21aのY方向の両端部から、載置面21aに直交する方向に立ち上がる一対の連結部22が設けられている。
【0024】
図1に示すように、物品移載設備100は、載置部2に載置された物品Wを載置部2から直接降ろすように載置部2を動作させる降ろし動作部4を更に備えている。本実施形態では、降ろし動作部4は、一対の連結部22に連結された回転軸41と、回転軸41をその軸心回りに回転させる回転駆動力源42(
図2参照)と、を有している。
【0025】
回転軸41は、Z方向に直交する仮想面に沿って延在している。本実施形態では、回転軸41は、Y方向に延在している。回転軸41は、一対の連結部22における載置面21aから離れた部分に連結されている。回転駆動力源42の駆動力によって回転軸41が回転することにより、一対の連結部22及び本体部21が回転軸41回りに回転する。つまり、降ろし動作部4によって載置部2が回転軸41回りに回転される。これにより、載置面21aが水平面に対して傾斜し、載置面21aに載置された物品Wを傾斜した載置面21aに沿って滑らせながら載置部2から降ろすことができる。
【0026】
駆動部3は、保持部1をZ方向に案内しつつ移動させる第1Z軸駆動部3Zaと、保持部1をX方向に案内しつつ移動させる第1X軸駆動部3Xaと、保持部1をY方向に案内しつつ移動させる第1Y軸駆動部3Yaと、載置部2をX方向に案内しつつ移動させる第2X軸駆動部3Xbと、を含む。つまり、駆動部3が、互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向のそれぞれに保持部1を案内しつつ移動させると共に、X方向に載置部2を案内しつつ移動させる、所謂、直交ロボットとして構成されている。
【0027】
図1及び
図2に示すように、本実施形態では、駆動部3は、保持部1をZ方向に案内するZ軸案内体31と、保持部1をZ方向に移動させるZ軸駆動機構32と、Z軸案内体31をY方向に案内するY軸案内体33と、Z軸案内体31をY方向に移動させるY軸駆動機構34と、回転軸41を介して載置部2に連結されたX軸移動体35と、Y軸案内体33及びX軸移動体35をX方向に案内するX軸案内体36と、Y軸案内体33をX方向に移動させる第1X軸駆動機構371と、X軸移動体35をX方向に移動させる第2X軸駆動機構372と、を有している。
【0028】
Z軸案内体31は、Z方向に延在するレール部材である。Z軸案内体31には、保持部1の支持体12がZ方向に移動可能に取り付けられている。本実施形態では、Z軸駆動機構32は、Z方向に延在して支持体12が螺合するZ軸ボールネジと、当該Z軸ボールネジを回転させるZ軸モータと、を有している(図示を省略)。Z軸駆動機構32は、Z軸モータによってZ軸ボールネジを回転させることで、Z軸案内体31に支持された支持体12をZ方向に移動させる。このように、本実施形態では、Z軸案内体31及びZ軸駆動機構32が、保持部1をZ方向に案内しつつ移動させる第1Z軸駆動部3Zaとして機能する。
【0029】
Y軸案内体33は、Y方向に延在するレール部材である。Y軸案内体33は、Z軸案内体31のX方向第1側X1に配置されている。Y軸案内体33には、Z軸案内体31がY方向に移動可能に取り付けられている。本実施形態では、Y軸駆動機構34は、Y方向に延在してZ軸案内体31が螺合するY軸ボールネジと、当該Y軸ボールネジを回転させるY軸モータと、を有している(図示を省略)。Y軸駆動機構34は、Y軸モータによってY軸ボールネジを回転させることで、Y軸案内体33に支持されたZ軸案内体31をY方向に移動させる。このように、本実施形態では、Y軸案内体33及びY軸駆動機構34が、保持部1をY方向に案内しつつ移動させる第1Y軸駆動部3Yaとして機能する。
【0030】
X軸案内体36は、X方向に延在するレール部材である。X軸案内体36は、所定の位置に固定された支持フレーム5に支持されている。本例では、X軸案内体36は、Y軸案内体33の下側Z2に配置されている。X軸案内体36には、Y軸案内体33がX方向に移動可能に取り付けられている。本実施形態では、第1X軸駆動機構371は、X方向に延在してY軸案内体33が螺合する第1X軸ボールネジと、当該X軸ボールネジを回転させる第1X軸モータと、を有している(図示を省略)。第1X軸駆動機構371は、第1X軸モータによって第1X軸ボールネジを回転させることで、X軸案内体36に支持されたY軸案内体33をX方向に移動させる。このように、本実施形態では、X軸案内体36及び第1X軸駆動機構371が、保持部1をX方向に案内しつつ移動させる第1X軸駆動部3Xaとして機能する。
【0031】
X軸移動体35は、X軸案内体36に対して、X方向に移動可能に取り付けられている。X軸移動体35は、Y軸案内体33よりもX方向第2側X2に配置されている。X軸移動体35に対してY方向第2側Y2に載置部2が配置され、当該載置部2が回転軸41回りに回転可能にX軸移動体35に対して取り付けられている。本実施形態では、第2X軸駆動機構372は、X方向に延在してX軸移動体35が螺合する第2X軸ボールネジと、当該第2X軸ボールネジを回転させる第2X軸モータと、を有している(図示を省略)。第2X軸駆動機構372は、第2X軸モータによって第2X軸ボールネジを回転させることで、X軸案内体36に支持されたX軸移動体35をX方向に移動させる。このように、本実施形態では、X軸移動体35及びX軸案内体36が、載置部2をX方向に案内しつつ移動させる第2X軸駆動部3Xbとして機能する。
【0032】
本実施形態では、物品移載設備100は、第1容器C1を搬送する第1搬送装置61と、第2容器C2を搬送する第2搬送装置62と、を備えている。
【0033】
第1搬送装置61は、第1容器C1を、第1位置P1を通る搬送経路でY方向第1側Y1に向かって搬送する。本実施形態では、Y方向が、Z方向に交差する「搬送方向」に相当し、Y方向第1側Y1が、搬送方向の一方側である「搬送方向第1側」に相当する。第1搬送装置61は、第1位置P1にある第1容器C1を第1位置P1からY方向第1側Y1に搬送すると共に、当該第1容器C1とは別の第1容器C1をY方向第2側Y2から第1位置P1に搬送する。第1搬送装置61によってY方向第2側Y2から第1位置P1に搬送される第1容器C1には、少なくとも1つの物品Wが収容されている。図示の例では、第1搬送装置61は、X方向に沿う回転軸を有し、Y方向に一定の間隔を空けて配置された複数の第1ローラ611を備えたローラコンベヤである。
【0034】
第2搬送装置62は、第2容器C2を、第2位置P2を通る搬送経路でY方向第2側Y2に向かって搬送する。第2搬送装置62は、第2位置P2にある第2容器C2を第2位置P2からY方向第2側Y2に搬送すると共に、当該第2容器C2とは別の第2容器C2をY方向第1側Y1から第2位置P2に搬送する。図示の例では、第2搬送装置62は、X方向に沿う回転軸を有し、Y方向に一定の間隔を空けて配置された複数の第2ローラ621を備えたローラコンベヤである。
【0035】
また、本実施形態では、物品移載設備100は、第1撮像装置71と、第2撮像装置72と、を備えている。第1撮像装置71は、第1位置P1にある第1容器C1よりも上側Z1に配置され、第1位置P1にある第1容器C1の内部を、第1開口部C1aを通して撮像する。第2撮像装置72は、第2位置P2にある第2容器C2よりも上側Z1に配置され、第2位置P2にある第2容器C2の内部を、第2開口部C2aを通して撮像する。図示の例では、第1撮像装置71及び第2撮像装置72は、支持フレーム5に支持されている。
【0036】
図2に示すように、物品移載設備100は、駆動部3を制御する制御部10を備えている。本実施形態では、制御部10は、Z軸駆動機構32、Y軸駆動機構34、第1X軸駆動機構371、及び第2X軸駆動機構372を制御する。具体的には、制御部10は、Z軸駆動機構32のZ軸モータ、Y軸駆動機構34のY軸モータ、第1X軸駆動機構371の第1X軸モータ、及び第2X軸駆動機構372の第2X軸モータを制御する。
【0037】
また、本実施形態では、制御部10は、以下のように各要素を制御する。
即ち、制御部10は、降ろし動作部4の回転駆動力源42を制御することで、載置部2の載置面21aの傾斜角度を制御する。また、制御部10は、保持部1の吸着パッド11を制御することで、物品Wに対して作用する吸着状態と、物品Wに対して作用しない非吸着状態とを切り替える。また、制御部10は、第1搬送装置61及び第2搬送装置62を制御する。具体的には、制御部10は、第1搬送装置61の第1ローラ611を駆動する第1ローラ駆動源(図示を省略)、及び第2搬送装置62の第2ローラ621を駆動する第2ローラ駆動源(図示を省略)を制御する。また、制御部10は、第1撮像装置71及び第2撮像装置72を制御する。制御部10は、第1撮像装置71から送信される撮像情報に基づいて、第1位置P1にある第1容器C1の位置及び姿勢、並びに、その第1容器C1の内部の状態(物品Wの有無、並びに、物品Wの位置及び姿勢等)を認識する。更に、制御部10は、第2撮像装置72から送信される撮像情報に基づいて、第2位置P2にある第2容器C2の位置及び姿勢、並びに、その第2容器C2の内部の状態(物品Wの有無、並びに、物品Wの位置及び姿勢等)を認識する。
【0038】
制御部10は、第1位置P1の物品Wを載置部2に載置する第1制御と、載置部2に載置された物品Wを第2位置に配置する第2制御と、を実行する。制御部10は、第1制御では、保持部1が第1位置P1の物品Wを保持して載置部2の上側Z1に移動した後、物品Wの保持を解除して物品Wを載置部2に載置するように駆動部3を制御する。
【0039】
以下では、本実施形態の制御部10による第1制御及び第2制御について、
図3から
図8を参照して説明する。なお、以下の説明では、説明の便宜上、第1容器C1及び第2容器C2のそれぞれに収容される物品Wの数は1とする。
【0040】
図3は、本実施形態に係る第1制御開始前の物品移載設備100の初期状態の一例を示している。この状態では、第1位置P1にある第1容器C1には物品Wが収容され、第2位置P2にある第2容器C2には物品Wが収容されていない。また、載置部2の載置面21aが水平となっている。更に、保持部1と載置部2とがX方向に近接した状態で、それらが第1位置P1にある第1容器C1に対して、Z方向視で重複する位置に配置されている。ここで、2つの要素の配置に関して、「特定方向視で重複する」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線と直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの部材の双方に交わる領域が存在することを指す。
【0041】
第1制御では、第1撮像装置71が、第1位置P1にある第1容器C1の内部を、第1開口部C1aを通して撮像する。制御部10は、第1撮像装置71からの撮像情報に基づいて、第1位置P1にある第1容器C1に、第2容器C2に移載されるべき物品Wが存在していると判断した場合に、第1制御を継続する。なお、制御部10は、第1位置P1にある第1容器C1に、第2容器C2に移載されるべき物品Wが存在していないと判断した場合は、例えば、第1搬送装置61を制御して、第1位置P1に新たな第1容器C1を供給する。
【0042】
図4に示すように、第1制御では、保持部1の吸着パッド11が第1位置P1にある第1容器C1の物品WとZ方向視で重複するように、駆動部3が駆動する。図示の例では、初期状態での吸着パッド11のX方向の位置は、第1位置P1にある第1容器C1の物品WとZ方向視で重複する際の吸着パッド11のX方向の位置と同一である。そのため、図示の例では、吸着パッド11が第1位置P1にある第1容器C1の物品WとZ方向視で重複するように、Z軸案内体31がY方向第2側Y2に移動する。その後、吸着パッド11が物品Wの上側Z1の表面を吸着可能な位置となるまで、支持体12がZ軸案内体31に対して下側Z2に移動し、吸着パッド11が吸着状態となる。こうして、保持部1が第1位置P1にある第1容器C1の物品Wを保持する。
【0043】
図5に示すように、保持部1が第1位置P1にある第1容器C1の物品Wを保持した後、第1搬送装置61がY方向第1側Y1への第1容器C1の搬送を開始する。それと同時に、支持体12がZ軸案内体31に対して上側Z1に移動し、吸着パッド11に吸着された物品Wを上側Z1に移動させる。支持体12は、吸着パッド11に吸着された物品Wが載置部2の載置面21aよりも上側Z1に位置するまで上側Z1に移動する。なお、第1搬送装置61は、物品Wが取り出された第1容器C1に対してY方向第2側Y2に隣接する第1容器C1が、第1位置P1に搬送された時点で第1容器C1の搬送を停止する。
【0044】
このとき、本実施形態では、支持体12の上側Z1への移動に加えて、Z軸案内体31がY方向第1側Y1に移動して、吸着パッド11に吸着された物品WをY方向第1側Y1に移動させる。このように、本実施形態では、制御部10は、第1制御において、物品Wを保持部1によって保持した後、第1容器C1をY方向第1側Y1に搬送するように第1搬送装置61を制御すると共に、保持部1をY方向第1側Y1に移動させつつ上側Z1に移動させて物品Wを第1容器C1から取り出すように駆動部3を制御する。これにより、第1位置P1にある第1容器C1に収容されている物品Wを保持部1によって保持した後、第1容器C1をY方向第1側Y1に搬送させた場合であっても、保持部1によって保持された物品Wが第1容器C1の一部(ここでは、第1容器C1における物品Wが載置される底面の外縁部から上側Z1に立ち上がる側壁部)に接触する可能性を低減することができる。
【0045】
更に、本実施形態では、支持体12の上側Z1への移動に加えて、Y軸案内体33がX方向第2側X2に移動し、Y軸案内体33に同期してX軸移動体35もX方向第2側X2に移動する。このように、本実施形態では、制御部10は、第1制御において、物品Wを保持した保持部1と載置部2とを第2位置P2に向けて同期して移動させつつ、保持部1が保持している物品Wを載置部2に載置させるように駆動部3を制御する。
【0046】
続いて、
図6及び
図7に示すように、保持部1によって保持された物品Wが載置部2の載置面21aとZ方向視で重複するように、X軸移動体35がX方向第1側X1に移動する。そして、
図7に示すように、吸着パッド11が非吸着状態となり、保持部1による保持が解除された物品Wが載置部2の載置面21aに載置される。
【0047】
続いて、制御部10は、載置部2に載置された物品Wを第2位置に配置する第2制御を開始する。第2制御では、第2撮像装置72が、第2位置P2にある第2容器C2の内部を、第2開口部C2aを通して撮像する。制御部10は、第2撮像装置72からの撮像情報に基づいて、第2位置P2にある第2容器C2に、物品Wが収容されるスペースが存在している(ここでは、第2位置P2にある第2容器C2に物品Wが存在していない)と判断した場合に、第2制御を継続する。
【0048】
図8に示すように、第2制御では、載置部2に載置された物品Wが第2位置P2にある第2容器C2の底面とZ方向視で重複するように、X軸移動体35がX方向第2側X2に移動する。その後、降ろし動作部4が、回転軸41回りに載置部2を回転させて物品Wが載置された載置面21aを傾斜させることで、載置部2に載置された物品Wを第2位置P2にある第2容器C2の底面に降ろす。このように、本実施形態では、制御部10は、第2制御において、載置部2が第2位置P2の上側Z1に移動するように駆動部3を制御した後、載置部2に載置された物品Wを載置部2から第2位置P2に降ろすように降ろし動作部4を制御する。その後、制御部10は、第2搬送装置62を制御して、物品Wが収容された第2容器C2を第2位置P2からY方向第2側Y2に搬送すると共に、Y方向第1側Y1から第2位置P2に新たに第2容器C2を搬送する。
【0049】
制御部10は、このような第2制御と重複して、第1位置P1に新たに供給された第1容器C1に収容された物品Wを載置部2に載置する第1制御を実行する。好ましくは、制御部10は、第2制御の開始と同時に、次の第1制御を開始する。そして、制御部10は、以上のような制御を繰り返す。
【0050】
本実施形態では、載置面21aに沿う方向であって回転軸41に直交する方向(以下、「偏り方向」と記す)における載置面21aの中央部よりも、偏り方向の一方側に回転軸41が偏って配置されている。そのため、載置面21aにおける偏り方向の他方側が一方側よりも下側Z2となるように載置面21aを傾斜させることで、第2容器C2の底面に近い位置まで物品Wを滑らせて降ろすことができる。これにより、物品Wを第2位置P2に降ろす際に当該物品Wに作用する衝撃を小さく抑えることができる。なお、載置部2がZ方向に移動する構成としても良い。
【0051】
前述のように、本実施形態では、載置面21aのY方向の寸法は、第2容器C2における物品Wが載置される底面のY方向の寸法と同程度に設定されているため、駆動部3には載置部2をY方向に案内しつつ移動させる機能は不要である。つまり、この構成によれば、制御部10は、載置面21a上の物品WのY方向の位置を制御することにより、第2容器C2の底面に降ろす物品WのY方向の位置を制御することができる。
【0052】
2.第2の実施形態
以下では、第2の実施形態に係る物品移載設備100について図面を参照して説明する。本実施形態では、保持部1の数、載置部2の数及び構造、並びに、駆動部3の構造が、上記第1の実施形態のものとは異なっている。また、本実施形態では、降ろし動作部4が設けられておらず、載置部2の載置面21aが水平な状態で固定されている。更に、本実施形態では、第1搬送装置61及び第2搬送装置62が設けられていない。以下では、上記第1の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、上記第1の実施形態と同様とする。
【0053】
図9に示すように、本実施形態では、第1容器C1は、Z方向視で、長辺及び短辺がそれぞれY方向及びX方向に沿うように、第1位置P1に配置される。第2容器C2は、Z方向視で、長辺及び短辺がそれぞれY方向及びX方向に沿うように、第2位置P2に配置される。また、本実施形態では、載置部2における載置面21aのY方向の寸法は、第2容器C2における物品Wが載置される底面のY方向の寸法よりも小さく設定されている。
【0054】
本実施形態では、物品移載設備100は、一対の保持部1と、一対の載置部2と、これらを移動させる駆動部3と、を備えている。一対の保持部1はX方向に並んで配置されており、一対の載置部2もX方向に並んで配置されている。なお、図示は省略するが、一対の保持部1の一方と一対の載置部2の一方とがX方向に並んで配置され、一対の保持部1の他方と一対の載置部2の他方とがX方向に並んで配置された構成としても良い。以下の説明では、X方向第1側X1の保持部1を「第1保持部1A」とし、X方向第2側X2の保持部1を「第2保持部1B」とする。更に、X方向第1側X1の載置部2を「第1載置部2A」とし、X方向第2側X2の載置部2を「第2載置部2B」とする。
【0055】
本実施形態では、駆動部3は、第1保持部1AをZ方向に案内しつつ移動させる第1Z軸駆動部3Zaと、第2保持部1BをZ方向に案内しつつ移動させる第2Z軸駆動部3Zbと、を含む。更に、駆動部3は、第1保持部1AをX方向に案内しつつ移動させる第1X軸駆動部3Xaと、第1載置部2AをX方向に案内しつつ移動させる第2X軸駆動部3Xbと、第2保持部1BをX方向に案内しつつ移動させる第3X軸駆動部3Xcと、第2載置部2BをX方向に案内しつつ移動させる第4X軸駆動部3Xdと、を含む。更に、駆動部3は、第1保持部1AをY方向に案内しつつ移動させる第1Y軸駆動部3Yaと、第2保持部1BをY方向に案内しつつ移動させる第2Y軸駆動部3Ybと、第1載置部2AをY方向に案内しつつ移動させる第3Y軸駆動部3Ycと、第2載置部2BをY方向に案内しつつ移動させる第4Y軸駆動部3Ydと、を含む。つまり、駆動部3が、互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向のそれぞれに第1保持部1A及び第2保持部1Bを案内しつつ移動させると共に、X方向及びY方向のそれぞれに第1載置部2A及び第2載置部2Bを案内しつつ移動させる、所謂、直交ロボットとして構成されている。
【0056】
図9及び
図10に示すように、本実施形態では、駆動部3は、第1保持部1AをZ方向に案内する第1Z軸案内体311と、第2保持部1BをZ方向に案内する第2Z軸案内体312と、第1保持部1AをZ方向に移動させる第1Z軸駆動機構321と、第2保持部1BをZ方向に移動させる第2Z軸駆動機構322と、を有している。
【0057】
更に、本実施形態では、駆動部3は、第1Z軸案内体311に連結された第1X軸移動体351と、第2Z軸案内体312に連結された第2X軸移動体352と、第1載置部2Aに連結された第3X軸移動体353と、第2載置部2Bに連結された第4X軸移動体354と、第1X軸移動体351及び第2X軸移動体352をX方向に案内する第1X軸案内体361と、第3X軸移動体353及び第4X軸移動体354をX方向に案内する第2X軸案内体362と、第1X軸移動体351をX方向に移動させる第1X軸駆動機構371と、第2X軸移動体352をX方向に移動させる第2X軸駆動機構372と、第3X軸移動体353をX方向に移動させる第3X軸駆動機構373と、第4X軸移動体354をX方向に移動させる第4X軸駆動機構374と、を有している。
【0058】
更に、本実施形態では、駆動部3は、第1X軸案内体361及び第2X軸案内体362をY方向に案内する第1Y軸案内体331及び第2Y軸案内体332と、第1X軸案内体361をY方向に移動させる第1Y軸駆動機構341及び第2Y軸駆動機構342と、第2X軸案内体362をY方向に移動させる第3Y軸駆動機構343及び第4Y軸駆動機構344と、を有している。
【0059】
第1Z軸案内体311は、Z方向に延在するレール部材である。第1Z軸案内体311には、第1保持部1Aの支持体12がZ方向に移動可能に取り付けられている。本実施形態では、第1Z軸駆動機構321は、Z方向に延在して第1保持部1Aの支持体12が螺合する第1Z軸ボールネジと、当該第1Z軸ボールネジを回転させる第1Z軸モータと、を有している(図示を省略)。第1Z軸駆動機構321は、第1Z軸モータによって第1Z軸ボールネジを回転させることで、第1Z軸案内体311に支持された第1保持部1Aの支持体12をZ方向に移動させる。このように、本実施形態では、第1Z軸案内体311及び第1Z軸駆動機構321が、第1保持部1AをZ方向に案内しつつ移動させる第1Z軸駆動部3Zaとして機能する。
【0060】
第2Z軸案内体312は、Z方向に延在するレール部材である。第2Z軸案内体312には、第2保持部1Bの支持体12がZ方向に移動可能に取り付けられている。本実施形態では、第2Z軸駆動機構322は、Z方向に延在して第2保持部1Bの支持体12が螺合する第2Z軸ボールネジと、当該第2Z軸ボールネジを回転させる第2Z軸モータと、を有している(図示を省略)。第2Z軸駆動機構322は、第2Z軸モータによって第2Z軸ボールネジを回転させることで、第2Z軸案内体312に支持された第2保持部1Bの支持体12をZ方向に移動させる。このように、本実施形態では、第2Z軸案内体312及び第2Z軸駆動機構322が、第2保持部1BをZ方向に案内しつつ移動させる第2Z軸駆動部3Zbとして機能する。
【0061】
第1X軸移動体351は、X方向に延在するレール部材である第1X軸案内体361に対して、X方向に移動可能に取り付けられている。第1X軸移動体351は、第2X軸移動体352よりもX方向第1側X1に配置されている。第1X軸移動体351に対してY方向第2側Y2に第1Z軸案内体311が配置され、当該第1Z軸案内体311が第1X軸移動体351に支持されている。本実施形態では、第1X軸駆動機構371は、X方向に延在して第1X軸移動体351が螺合する第1X軸ボールネジと、当該第1X軸ボールネジを回転させる第1X軸モータと、を有している(図示を省略)。第1X軸駆動機構371は、第1X軸モータによって第1X軸ボールネジを回転させることで、第1X軸案内体361に支持された第1X軸移動体351をX方向に移動させる。このように、本実施形態では、第1X軸移動体351、第1X軸案内体361、及び第1X軸駆動機構371が、第1保持部1AをX方向に案内しつつ移動させる第1X軸駆動部3Xaとして機能する。
【0062】
第2X軸移動体352は、第1X軸案内体361に対して、X方向に移動可能に取り付けられている。第2X軸移動体352は、第1X軸移動体351よりもX方向第2側X2に配置されている。第2X軸移動体352に対してY方向第2側Y2に第2Z軸案内体312が配置され、当該第2Z軸案内体312が第2X軸移動体352に支持されている。本実施形態では、第2X軸駆動機構372は、X方向に延在して第2X軸移動体352が螺合する第2X軸ボールネジと、当該第2X軸ボールネジを回転させる第2X軸モータと、を有している(図示を省略)。第2X軸駆動機構372は、第2X軸モータによって第2X軸ボールネジを回転させることで、第1X軸案内体361に支持された第2X軸移動体352をX方向に移動させる。このように、本実施形態では、第2X軸移動体352、第1X軸案内体361、及び第2X軸駆動機構372が、第2保持部1BをX方向に案内しつつ移動させる第3X軸駆動部3Xcとして機能する。
【0063】
第3X軸移動体353は、X方向に延在するレール部材である第2X軸案内体362に対して、X方向に移動可能に取り付けられている。第3X軸移動体353は、第4X軸移動体354よりもX方向第1側X1に配置されている。第3X軸移動体353に対してY方向第1側Y1に第1載置部2Aが配置され、当該第1載置部2Aが第3X軸移動体353に支持されている。本実施形態では、第3X軸駆動機構373は、X方向に延在して第3X軸移動体353が螺合する第3X軸ボールネジと、当該第3X軸ボールネジを回転させる第3X軸モータと、を有している(図示を省略)。第3X軸駆動機構373は、第3X軸モータによって第3X軸ボールネジを回転させることで、第2X軸案内体362に支持された第3X軸移動体353をX方向に移動させる。このように、本実施形態では、第3X軸移動体353、第2X軸案内体362、及び第3X軸駆動機構373が、第1載置部2AをX方向に案内しつつ移動させる第2X軸駆動部3Xbとして機能する。
【0064】
第4X軸移動体354は、第2X軸案内体362に対して、X方向に移動可能に取り付けられている。第4X軸移動体354は、第3X軸移動体353よりもX方向第2側X2に配置されている。第4X軸移動体354に対してY方向第1側Y1に第2載置部2Bが配置され、当該第2載置部2Bが第4X軸移動体354に支持されている。本実施形態では、第4X軸駆動機構374は、X方向に延在して第4X軸移動体354が螺合する第4X軸ボールネジと、当該第4X軸ボールネジを回転させる第4X軸モータと、を有している(図示を省略)。第4X軸駆動機構374は、第4X軸モータによって第4X軸ボールネジを回転させることで、第2X軸案内体362に支持された第4X軸移動体354をX方向に移動させる。このように、本実施形態では、第4X軸移動体354、第2X軸案内体362、及び第4X軸駆動機構374が、第2載置部2BをX方向に案内しつつ移動させる第4X軸駆動部3Xdとして機能する。
【0065】
第1Y軸案内体331は、Y方向に延在するレール部材である。第1Y軸案内体331は、第1X軸案内体361及び第2X軸案内体362のX方向第1側X1の端部がY方向に移動できるように、それらを下側Z2から支持している。第2Y軸案内体332は、Y方向に延在するレール部材である。第2Y軸案内体332は、第1X軸案内体361及び第2X軸案内体362のX方向第2側X2の端部がY方向に移動できるように、それらを下側Z2から支持している。
【0066】
本実施形態では、第1Y軸駆動機構341は、Y方向に延在して第1X軸案内体361のX方向第1側X1の端部が螺合する第1Y軸ボールネジと、当該第1Y軸ボールネジを回転させる第1Y軸モータと、を有している(図示を省略)。また、本実施形態では、第2Y軸駆動機構342は、Y方向に延在して第1X軸案内体361のX方向第2側X2の端部が螺合する第2Y軸ボールネジと、当該第2Y軸ボールネジを回転させる第2Y軸モータと、を有している(図示を省略)。第1Y軸駆動機構341が第1Y軸モータによって第1Y軸ボールネジを回転させると共に、第2Y軸駆動機構342が第2Y軸モータによって第2Y軸ボールネジを回転させることで、第1Y軸案内体331及び第2Y軸案内体332に支持された第1X軸案内体361をY方向に移動させる。このように、本実施形態では、第1Y軸案内体331及び第2Y軸案内体332、並びに、第1Y軸駆動機構341及び第2Y軸駆動機構342が、第1保持部1AをY方向に案内しつつ移動させる第1Y軸駆動部3Ya、及び、第2保持部1BをY方向に案内しつつ移動させる第2Y軸駆動部3Ybとして機能する。
【0067】
また、本実施形態では、第3Y軸駆動機構343は、Y方向に延在して第2X軸案内体362のX方向第1側X1の端部が螺合する第3Y軸ボールネジと、当該第3Y軸ボールネジを回転させる第3Y軸モータと、を有している(図示を省略)。また、本実施形態では、第4Y軸駆動機構344は、Y方向に延在して第2X軸案内体362のX方向第2側X2の端部が螺合する第4Y軸ボールネジと、当該第4Y軸ボールネジを回転させる第4Y軸モータと、を有している(図示を省略)。第3Y軸駆動機構343が第3Y軸モータによって第3Y軸ボールネジを回転させると共に、第4Y軸駆動機構344が第4Y軸モータによって第4Y軸ボールネジを回転させることで、第1Y軸案内体331及び第2Y軸案内体332に支持された第2X軸案内体362をY方向に移動させる。このように、本実施形態では、第1Y軸案内体331及び第2Y軸案内体332、並びに、第3Y軸駆動機構343及び第4Y軸駆動機構344が、第1載置部2AをY方向に案内しつつ移動させる第3Y軸駆動部3Yc、及び、第2載置部2BをY方向に案内しつつ移動させる第4Y軸駆動部3Ydとして機能する。
【0068】
図10に示すように、本実施形態では、制御部10は、第1Z軸駆動機構321及び第2Z軸駆動機構322、第1Y軸駆動機構341から第4Y軸駆動機構344、並びに第1X軸駆動機構371から第4X軸駆動機構374を制御する。具体的には、制御部10は、第1Z軸駆動機構321及び第2Z軸駆動機構322の第1Z軸モータ及び第2Z軸モータ、第1Y軸駆動機構341から第4Y軸駆動機構344の第1Y軸モータから第4Y軸モータ、並びに第1X軸駆動機構371から第4X軸駆動機構374の第1X軸モータから第4X軸モータを制御する。
【0069】
また、本実施形態では、制御部10は、以下のように各要素を制御する。
即ち、制御部10は、第1保持部1A及び第2保持部1Bの各吸着パッド11を制御することで、物品Wに対して作用する吸着状態と、物品Wに対して作用しない非吸着状態とを切り替える。また、制御部10は、第1撮像装置71及び第2撮像装置72を制御する。制御部10は、第1撮像装置71から送信される撮像情報に基づいて、第1位置P1にある第1容器C1の位置及び姿勢、並びに、その第1容器C1の内部の状態(物品Wの有無、並びに、物品Wの位置及び姿勢等)を認識する。更に、制御部10は、第2撮像装置72から送信される撮像情報に基づいて、第2位置P2にある第2容器C2の位置及び姿勢、並びに、その第2容器C2の内部の状態(物品Wの有無、並びに、物品Wの位置及び姿勢等)を認識する。
【0070】
以下では、本実施形態の制御部10による第1制御及び第2制御について、
図9、及び
図11から
図16を参照して説明する。
【0071】
図9は、本実施形態に係る第1制御開始前の物品移載設備100の初期状態の一例を示している。この状態では、第1容器C1には物品Wが収容され、第2容器C2には物品Wが収容されていない。図示の例では、第1容器C1には、物品WがX方向に2つ並ぶと共にY方向に4つ並ぶように、合計8つの物品Wが整列した状態で収容されている。また、第1X軸移動体351及び第2X軸移動体352が第1X軸案内体361における移動範囲の最もX方向第1側X1に位置し、第3X軸移動体353及び第4X軸移動体354が第2X軸案内体362における移動範囲の最もX方向第1側X1に位置している。更に、第1X軸案内体361が第1Y軸案内体331及び第2Y軸案内体332における移動範囲の最もY方向第1側Y1に位置し、第2X軸案内体362が第1Y軸案内体331及び第2Y軸案内体332における移動範囲の最もY方向第2側Y2に位置している。
【0072】
図11に示すように、第1制御では、まず、第2保持部1Bの吸着パッド11のX方向の位置が、保持を解除して第2容器C2内に物品Wを降ろす際のX方向の位置となるように、第2X軸移動体352がX方向第2側X2に移動する。
【0073】
次に、第1保持部1Aが第1容器C1に収容された1つの物品Wを保持する。なお、図示の例では、第1保持部1Aは、最もY方向第1側Y1かつX方向第2側X2の物品Wを保持する。
【0074】
具体的には、第1保持部1Aの吸着パッド11が第1容器C1に収容された物品Wに対してZ方向視で重複するように、第1X軸案内体361がY方向第2側Y2に移動すると共に、第1X軸移動体351がX方向第2側X2に移動する。そして、第1保持部1Aが物品Wを保持するために、第1保持部1Aの支持体12が第1Z軸案内体311に対して下側Z2に移動する。第1保持部1Aが物品Wを保持した後、当該物品Wが第2載置部2Bの載置面21aよりも上側Z1に位置するように、第1保持部1Aの支持体12が第1Z軸案内体311に対して上側Z1に移動する。その後、第1保持部1Aによって保持された物品Wが第2載置部2Bの載置面21aとZ方向視で重複するように、第4X軸移動体354がX方向第2側X2に移動すると共に、第2X軸案内体362がY方向第1側Y1に移動する。そして、第1保持部1Aの吸着パッド11が非吸着状態となり、第1保持部1Aによる保持が解除された物品Wが第2載置部2Bの載置面21aに載置される。
【0075】
その後、
図12に示すように、上記と同様にして、第1保持部1Aが第1容器C1に収容された別の1つの物品Wを保持すると共に、当該物品Wを第1載置部2Aの載置面21aに載置させる。なお、図示の例では、第1保持部1Aは、最もY方向第1側Y1かつX方向第1側X1の物品Wを保持する。
【0076】
続いて、制御部10は、載置部2に載置された物品Wを第2位置に配置する第2制御を開始する。
図13及び
図14に示すように、第2制御では、第1X軸案内体361及び第2X軸案内体362をY方向第1側Y1に移動させると共に、それぞれ物品Wが載置された第1載置部2A及び第2載置部2Bを支持する第3X軸移動体353及び第4X軸移動体354が、第2容器C2とZ方向視で重複するように、X方向第2側X2に移動する。
【0077】
そして、
図14に示すように、第2保持部1Bが第2載置部2Bに載置された物品Wを保持する。具体的には、第2保持部1Bの吸着パッド11が第2載置部2Bに載置された物品Wよりも上側Z1に位置するように、第2保持部1Bの支持体12が第2Z軸案内体312に対して上側Z1に移動する。そして、第2保持部1Bの吸着パッド11が第2載置部2Bに載置された物品WとZ方向視で重複するように、第4X軸移動体354及び第2X軸案内体362が移動する。その後、第2保持部1Bが第2載置部2Bに載置された物品Wを保持するために、第2保持部1Bの支持体12が第2Z軸案内体312に対して下側Z2に移動する。第2保持部1Bが第2載置部2Bに載置された物品Wを保持した後、当該物品Wが第2載置部2Bの載置面21aよりも上側Z1に位置するように、第2保持部1Bの支持体12が第2Z軸案内体312に対して上側Z1に移動する。そして、第2保持部1Bによって保持された物品Wが第2載置部2Bの載置面21aとZ方向視で重複しないように、第2X軸案内体362がY方向第2側Y2に移動する。
【0078】
その後、
図16に示すように、第2保持部1Bによって保持された物品Wが、第2開口部C2aを通して第2容器C2内に侵入し、第2容器C2の底面に近接するまで、第2保持部1Bの支持体12が、第2Z軸案内体312に対して下側Z2に移動する。そして、第2保持部1Bの吸着パッド11が非吸着状態となり、第2保持部1Bによる保持が解除された物品Wが第2容器C2の底面に載置される。
【0079】
その後、
図15に示すように、上記と同様にして、第2保持部1Bが第1載置部2Aに載置された物品Wを保持すると共に、当該物品Wを第2容器C2の底面に載置させる。なお、図示の例では、第2容器C2の底面に物品WがX方向に並ぶように配置される。制御部10は、以上のような制御を繰り返す。
【0080】
3.その他の実施形態
(1)上記第1の実施形態では、載置部2が、載置面21aが形成された本体部21と一対の連結部22とを有し、一対の連結部22に連結された回転軸41回りに回転する構成を例として説明したが、そのような構成に限定されない。例えば、
図17及び
図18に示すように、載置部2が、載置面21aが形成された板状の本体部21を有し、回転軸41が本体部21に連結された構成としても良い。このような構成では、
図17に示すように、載置部2が回転軸41回りに回転することで、載置面21aが水平面に対して傾斜し、載置面21aに載置された物品Wを傾斜した載置面21aに沿って滑らせながら載置部2から降ろすことができる。また、第2制御に要する時間を短縮するため、載置部2がX方向に移動しつつ回転軸41回りに回転することで、物品WのX方向への移動と載置面21aを傾斜させて物品Wを滑らせながら降ろす動作とを並行して行っても良い。更に、
図18に示すように、本体部21を、Z方向に延在した状態で、第2容器C2に対してX方向第2側X2に隣接させることで、例えば載置部2を複数備える場合等において、他の載置部2の動作を妨げないように退避させることができる。
【0081】
(2)上記第1の実施形態では、載置部2が、載置面21aが形成された本体部21と、一対の連結部22とを有すると共に、降ろし動作部4が、載置部2に連結された回転軸41と、回転軸41をその軸心回りに回転させる回転駆動力源42とを有する構成を例として説明したが、そのような構成に限定されない。例えば、
図19に示すように、載置部2が、X軸案内体36にX方向に案内される第1本体部21A及び第2本体部21Bを有すると共に、降ろし動作部4が、第1本体部21Aと第2本体部21BとをX方向に近接及び離間させるX軸駆動力源(図示を省略)を有する構成としても良い。第1本体部21Aは、第2本体部21Bに対してX方向第1側X1に配置されている。第1本体部21Aは、X軸案内体36による支持部分からZ方向に沿って下側Z2に延出し、更に下側Z2に向かうに従ってX方向第2側X2に位置するようにZ方向に対して傾斜している。この傾斜部分におけるX方向第2側X2の表面には、第1載置面21Aaが形成されている。第2本体部21Bは、X軸案内体36による支持部分からZ方向に沿って下側Z2に延出し、更に下側Z2に向かうに従ってX方向第1側X1に位置するようにZ方向に対して傾斜している。この傾斜部分におけるX方向第1側X1の表面には、第2載置面21Baが形成されている。第1本体部21Aの下側Z2の端部と第2本体部21Bの下側Z2の端部とが接触又は近接した状態で、第1載置面21Aa及び第2載置面21Baに物品Wが載置される。そして、第1本体部21Aと第2本体部21Bとが互いに離間するようにX方向に移動することで、第1載置面21Aa及び第2載置面21Baに載置された物品Wを、傾斜した第1載置面21Aa及び第2載置面21Baに沿って滑らせながら載置部2から降ろすことができる。
【0082】
(3)上記の実施形態では、第1搬送装置61の搬送経路の途中に移載対象箇所としての第1位置P1が設定されると共に、第2搬送装置62の搬送経路の途中に移載対象箇所としての第2位置P2が設定され、駆動部3がこれらの移載対象箇所を跨ぐように設置された構成を例として説明した。しかし、移載対象箇所や、第1搬送装置61及び第2搬送装置62に対する駆動部3の設置位置等は適宜変更してもよい。例えば、第1搬送装置61の搬送経路の下流側端部に第1位置P1が設定されると共に、第2搬送装置62の搬送経路の下流側端部に第2位置P2が設定され、駆動部3がこれらを跨ぐように設置されていてもよい。或いは、物品Wの搬送経路が屈曲又はカーブしている構成であって、これらの屈曲部分やカーブの途中に移載対象箇所が設置され、当該移載対象箇所に対して移載可能な位置に駆動部3が設置されていてもよい。
【0083】
(4)上記の実施形態では、第1容器C1(容器)を搬送する第1搬送装置61(搬送装置)及び第2容器C2(容器)を搬送する第2搬送装置62(搬送装置)のそれぞれがローラコンベヤである構成を例として説明した。しかし、容器を搬送する搬送装置の構成はこれに限定されず、搬送台車やカルーセル型の搬送機構等、公知の各種の搬送装置を用いることができる。また、物品Wの移載を行う対象箇所は、このような搬送装置によって搬送される容器には限定されず、物品Wが置かれる各種の場所を移載対象箇所とすることができる。例えば、作業者によって搬送される容器が移載対象箇所とされてもよいし、或いは、容器がない搬送装置の搬送面が移載対象箇所とされてもよい。
【0084】
例えば、
図15に示すように、カルーセル型の搬送機構を備えたピッキングステーションを移載対象箇所としても好適である。この図に示す例では、物品移載設備100は、第1容器C1をX方向に沿う軸心周りに旋回させるように搬送する第1ピッキング装置101と、第2容器C2をX方向に沿う軸心周りに旋回させるように搬送する第2ピッキング装置102と、を備えている。そして、これらのピッキング装置(第1ピッキング装置101及び第2ピッキング装置102)により搬送される容器(第1容器C1及び第2容器C2)を移載対象箇所としている。そのため、駆動部3は、X方向に並ぶ第1ピッキング装置101と第2ピッキング装置102とに対して上側Z1に設置されている。第1ピッキング装置101は、第1容器C1を支持する複数の支持体103と、これら複数の支持体103をX方向に沿う軸心周りに回転させる支持回転体104と、第1コンベヤ105と、第2コンベヤ106と、を備えている。第1ピッキング装置101は、第1コンベヤ105から支持体103に第1容器C1を渡し、その第1容器C1をX方向に沿う軸心周りに回転させるように回転搬送した後に、支持体103から第2コンベヤ106に渡すように、第1容器C1を搬送する。この第1ピッキング装置101における回転搬送の途中に第1位置P1が設定されている。第2ピッキング装置102は、第1ピッキング装置101と同様に構成されており、支持体103は第2容器C2を支持して搬送する。また、第2ピッキング装置102の回転搬送の途中に、第2位置P2が設定されている。そして、駆動部3が駆動して、第1ピッキング装置101の第1位置P1にある支持体103に支持されている第1容器C1から、第2ピッキング装置102の第2位置P2にある支持体103に支持されている第2容器C2に、物品Wを移載する。
【0085】
(5)上記第1の実施形態では、制御部10が、第1制御において、保持部1が第1位置P1の物品Wを保持して載置部2の上側Z1に移動した後、物品Wの保持を解除して物品Wを載置部2に載置するように駆動部3を制御すると共に、第2制御において、載置部2が第2位置P2の上側Z1に移動するように駆動部3を制御した後、載置部2に載置された物品Wを載置部2から第2位置P2に降ろすように降ろし動作部4を制御する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、制御部10が、第1制御及び第2制御と、これらとは異なる第3制御とを選択的に実行する構成としても良い。第3制御では、制御部10は、保持部1が第1位置P1の物品Wを保持して第2位置P2の上側Z1に移動した後、物品Wの保持を解除して第2位置P2に物品Wを配置するように駆動部3を制御する。更に、第3制御では、制御部10は、物品Wを第1位置P1から第2位置P2へ移載する際の保持部1の移動経路の少なくとも一部で、載置部2が、保持部1によって保持されている物品Wの下側Z2に位置して保持部1と同期して移動するように駆動部3を制御すると好適である。載置部2をこのように動作させることにより、保持部1による物品Wの保持が意図せずに解除された場合であっても、当該物品Wを載置部2により受け止めることができるため、物品Wの破損等が生じる可能性を低減できる。
【0086】
(6)上記第1の実施形態では、第1搬送装置61が第1容器C1をY方向第1側Y1に搬送し、第2搬送装置62が第2容器C2をY方向第2側Y2に搬送する構成を例として説明した。しかし、第1搬送装置61及び第2搬送装置62が容器を搬送する方向は適宜変更しても良い。例えば、第1搬送装置61及び第2搬送装置62がいずれも容器をY方向の同じ側に搬送するようにしても良い。或いは、第1搬送装置61の搬送方向と第2搬送装置62の搬送方向とが互いに交差する方向であっても良い。この場合において、第1搬送装置61と第2搬送装置62との設置高さが異なっていても良い。
【0087】
(7)上記の実施形態では、物品Wが収容される第1容器C1及び第2容器C2がそれぞれ第1位置P1及び第2位置P2に配置される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、第1容器C1及び第2容器C2がそれぞれ第1位置P1及び第2位置P2に配置されず、第1位置P1に配置された物品Wを第2位置P2に移載する構成としても良い。また、第1位置P1及び第2位置P2のいずれか一方に第1容器C1又は第2容器C2が配置される構成としても良い。
【0088】
(8)上記の実施形態では、Z方向が鉛直方向に一致した構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、Z方向が鉛直方向に対して傾斜した構成としても良い。
【0089】
(9)上記の実施形態では、1つの保持部1と1つの載置部2とを備えた構成(第1の実施形態)、及び2つの保持部1(第1保持部1A及び第2保持部1B)と2つの載置部2(第1載置部2A及び第2載置部2B)とを備えた構成(第2の実施形態)を例として説明した。しかし、保持部1及び載置部2の数は限定されず、保持部1及び載置部2のそれぞれが3つ以上設けられても良いし、保持部1の数と載置部2の数とが異なっていても良い。
【0090】
(10)保持部1(第1保持部1A及び第2保持部1B)及び載置部2(第1載置部2A及び第2載置部2B)を移動させる駆動部3の構成は、上記の各実施形態に記載した構成には限定されない。駆動部3を構成するX軸、Y軸、Z軸の各軸の案内体の連結関係は、適宜入れ替えることが可能である。また、いずれの軸の案内体を兼用するか、或いは全てを独立の案内体とするかについても、適宜変更可能である。
【0091】
(11)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0092】
4.上記実施形態の概要
以下では、上記において説明した物品移載設備の概要について説明する。
【0093】
物品移載設備は、
第1位置から第2位置へ物品を移載する物品移載設備であって、
前記物品を保持する保持部と、
前記物品が載置される載置部と、
前記保持部及び前記載置部を移動させる駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
予め定められた基準方向をZ方向とし、当該Z方向視で互いに直交する2つの方向の一方をX方向、他方をY方向として、
前記駆動部は、
前記保持部を前記Z方向に案内しつつ移動させる第1Z軸駆動部と、
前記保持部を前記X方向に案内しつつ移動させる第1X軸駆動部と、
前記保持部を前記Y方向に案内しつつ移動させる第1Y軸駆動部と、
前記載置部を前記X方向に案内しつつ移動させる第2X軸駆動部と、を含み、
前記制御部は、前記第1位置の前記物品を前記載置部に載置する第1制御と、前記載置部に載置された前記物品を前記第2位置に配置する第2制御と、を実行し、
前記第1制御では、前記保持部が前記第1位置の前記物品を保持して前記載置部の上方に移動した後、前記物品の保持を解除して前記物品を前記載置部に載置するように前記駆動部を制御し、
前記制御部は、前記第1制御において、前記物品を保持した前記保持部と前記載置部とを前記第2位置に向けて同期して移動させつつ、前記保持部が保持している前記物品を前記載置部に載置させるように前記駆動部を制御する。
【0094】
この構成によれば、第1制御において保持部が第1位置の物品を保持し、当該物品を載置部に載置する。そのため、保持部が物品を載置部に載置した後、直ちに次の物品を保持するために第1位置に向けて移動を開始することができる。これにより、保持部が単独で第1位置から第2位置へ物品を移載する構成と比較して、物品の移載作業に要する時間を短く抑えることができる
また、本構成によれば、駆動部が、第1Z軸駆動部、第1X軸駆動部、第1Y軸駆動部、及び第2X軸駆動部を含んでいる。つまり、駆動部が、互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向のそれぞれに保持部を案内しつつ移動させると共に、X方向に載置部を案内しつつ移動させる、所謂、直交ロボットとして構成されている。これにより、複数の関節を有するロボットアーム等と比較して、駆動部を簡易な構成とすることができる。したがって、物品移載設備の製造コストを低く抑えることができる。
また、本構成によれば、第1制御において保持部と載置部との干渉を回避することができる。また、本構成によれば、物品を第2位置へ向けて搬送しつつ、第1制御による載置部への物品の載置動作を行うことができる。したがって、第1位置から第2位置までの物品の移載作業に要する時間を短く抑えることができる。
【0095】
物品移載設備は、
第1位置から第2位置へ物品を移載する物品移載設備であって、
前記物品を保持する保持部と、
前記物品が載置される載置部と、
前記保持部及び前記載置部を移動させる駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
予め定められた基準方向をZ方向とし、当該Z方向視で互いに直交する2つの方向の一方をX方向、他方をY方向として、
前記駆動部は、
前記保持部を前記Z方向に案内しつつ移動させる第1Z軸駆動部と、
前記保持部を前記X方向に案内しつつ移動させる第1X軸駆動部と、
前記保持部を前記Y方向に案内しつつ移動させる第1Y軸駆動部と、
前記載置部を前記X方向に案内しつつ移動させる第2X軸駆動部と、を含み、
前記制御部は、前記第1位置の前記物品を前記載置部に載置する第1制御と、前記載置部に載置された前記物品を前記第2位置に配置する第2制御と、を実行し、
前記第1制御では、前記保持部が前記第1位置の前記物品を保持して前記載置部の上方に移動した後、前記物品の保持を解除して前記物品を前記載置部に載置するように前記駆動部を制御し、
前記制御部は、前記第1制御及び前記第2制御と、第3制御と、を選択的に実行可能に構成され、
前記第3制御では、前記保持部が前記第1位置の前記物品を保持して前記第2位置の上方に移動した後、前記物品の保持を解除して前記第2位置に前記物品を配置するように前記駆動部を制御すると共に、前記物品を前記第1位置から前記第2位置へ移載する際の前記保持部の移動経路の少なくとも一部で、前記載置部が、前記保持部によって保持されている前記物品の下方に位置して前記保持部と同期して移動するように前記駆動部を制御する。
【0096】
この構成によれば、第1制御において保持部が第1位置の物品を保持し、当該物品を載置部に載置する。そのため、保持部が物品を載置部に載置した後、直ちに次の物品を保持するために第1位置に向けて移動を開始することができる。これにより、保持部が単独で第1位置から第2位置へ物品を移載する構成と比較して、物品の移載作業に要する時間を短く抑えることができる
また、本構成によれば、駆動部が、第1Z軸駆動部、第1X軸駆動部、第1Y軸駆動部、及び第2X軸駆動部を含んでいる。つまり、駆動部が、互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向のそれぞれに保持部を案内しつつ移動させると共に、X方向に載置部を案内しつつ移動させる、所謂、直交ロボットとして構成されている。これにより、複数の関節を有するロボットアーム等と比較して、駆動部を簡易な構成とすることができる。したがって、物品移載設備の製造コストを低く抑えることができる。
また、本構成によれば、第3制御において、保持部による物品の保持が意図せずに解除された場合であっても、当該物品の下方に位置している載置部に物品が載置されることになる。したがって、保持部による物品の保持が意図せずに解除された場合であっても、物品の破損等が生じる可能性を低減できる。
なお、第3制御では、保持部が単独で第1位置から第2位置への物品の移載を行う。そのため、第3制御を選択した場合は、第1制御及び第2制御を選択した場合と比較して、物品の移載作業に要する時間が長くなる可能性がある。しかし、移載対象の物品が破損し易いものである場合や、第1位置から第2位置までの物品の移載作業に時間的な余裕がある場合等には、第3制御が望まれることがある。本構成によれば、第1制御及び第2制御と第3制御とを選択的に実行できるため、物品の移載作業を状況に応じて適切に行うことができる。
【0097】
物品移載設備は、
第1位置から第2位置へ物品を移載する物品移載設備であって、
前記物品を保持する保持部と、
前記物品が載置される載置部と、
前記保持部及び前記載置部を移動させる駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
予め定められた基準方向をZ方向とし、当該Z方向視で互いに直交する2つの方向の一方をX方向、他方をY方向として、
前記駆動部は、
前記保持部を前記Z方向に案内しつつ移動させる第1Z軸駆動部と、
前記保持部を前記X方向に案内しつつ移動させる第1X軸駆動部と、
前記保持部を前記Y方向に案内しつつ移動させる第1Y軸駆動部と、
前記載置部を前記X方向に案内しつつ移動させる第2X軸駆動部と、を含み、
前記制御部は、前記第1位置の前記物品を前記載置部に載置する第1制御と、前記載置部に載置された前記物品を前記第2位置に配置する第2制御と、を実行し、
前記第1制御では、前記保持部が前記第1位置の前記物品を保持して前記載置部の上方に移動した後、前記物品の保持を解除して前記物品を前記載置部に載置するように前記駆動部を制御し、
前記物品を収容する容器を、前記第1位置を通る搬送経路で、前記Z方向に交差する搬送方向の一方側である搬送方向第1側に向かって搬送する搬送装置を更に備え、
前記容器は、前記Z方向の一方側であるZ方向第1側に開口する開口部を有し、
前記制御部は、前記第1制御において、前記第1位置にある前記容器に収容されている前記物品を前記保持部によって保持した後、前記容器を前記搬送方向第1側に搬送するように前記搬送装置を制御すると共に、前記保持部を前記搬送方向第1側に移動させつつ前記Z方向第1側に移動させて前記物品を前記容器から取り出すように前記駆動部を制御する。
【0098】
この構成によれば、第1制御において保持部が第1位置の物品を保持し、当該物品を載置部に載置する。そのため、保持部が物品を載置部に載置した後、直ちに次の物品を保持するために第1位置に向けて移動を開始することができる。これにより、保持部が単独で第1位置から第2位置へ物品を移載する構成と比較して、物品の移載作業に要する時間を短く抑えることができる
また、本構成によれば、駆動部が、第1Z軸駆動部、第1X軸駆動部、第1Y軸駆動部、及び第2X軸駆動部を含んでいる。つまり、駆動部が、互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向のそれぞれに保持部を案内しつつ移動させると共に、X方向に載置部を案内しつつ移動させる、所謂、直交ロボットとして構成されている。これにより、複数の関節を有するロボットアーム等と比較して、駆動部を簡易な構成とすることができる。したがって、物品移載設備の製造コストを低く抑えることができる。
また、本構成によれば、物品が収容された容器を第1位置に自動的に供給することができると共に、物品が取り出された後の容器を自動的に搬出することができる。したがって、物品の移載作業を効率的に行うことができる。
また、本構成によれば、第1制御において、第1位置にある容器に収容されている物品を保持部によって保持した後、容器を搬送方向第1側に搬送すると共に、保持部を搬送方向第1側に移動させつつZ方向第1側に移動させて物品を容器から取り出す。これにより、第1位置にある容器に収容されている物品を保持部によって保持した後、容器を搬送方向第1側に搬送させた場合であっても、保持部によって保持された物品が容器の一部に接触する可能性を低減することができる。したがって、容器の搬送効率を向上させることができる。
【0101】
また、前記載置部に載置された前記物品を前記載置部から直接降ろすように前記載置部を動作させる降ろし動作部を更に備え、
前記制御部は、前記第2制御において、前記載置部が前記第2位置の上方に移動するように前記駆動部を制御した後、前記載置部に載置された前記物品を前記載置部から前記第2位置に降ろすように前記降ろし動作部を制御すると好適である。
【0102】
この構成によれば、第2制御において物品を載置部から直接第2位置に降ろすように載置部が動作する。そのため、他の装置等を用いることなく、載置部に載置された物品を第2位置に配置することができる。これにより、簡易な構成で第2制御を実行することができる。
【0103】
降ろし動作部を備えた構成において、
前記降ろし動作部は、前記Z方向に直交する仮想面に沿う軸回りに前記載置部を回転させて前記物品が載置された載置面を傾斜させることで、前記載置部に載置された前記物品を降ろすと好適である。
【0104】
この構成によれば、物品が載置された載置面が傾斜するように載置部を回転させるだけで、載置部に載置された物品を載置部から降ろすことができる。したがって、載置部を簡易な構成とすることができる。また、本構成によれば、傾斜した載置面に沿って物品を滑らせながら第2位置に降ろすことができる。したがって、物品を第2位置に降ろす際に物品に作用する衝撃を緩和することができる。
【0105】
また、前記保持部を第1保持部とし、前記第1保持部とは別に第2保持部を更に備え、
前記駆動部は、前記第2保持部を前記Z方向に案内しつつ移動させる第2Z軸駆動部と、
前記第2保持部を前記X方向に案内しつつ移動させる第3X軸駆動部と、
前記第2保持部を前記Y方向に案内しつつ移動させる第2Y軸駆動部と、を更に含み、
前記制御部は、前記第2制御において、前記第2保持部が前記載置部に載置された前記物品を保持して前記第2位置の上方に移動した後、前記物品の保持を解除して前記第2位置に前記物品を配置するように前記駆動部を制御すると好適である。
【0106】
この構成によれば、X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれに移動可能な第2保持部が、載置部に載置された物品を第2位置に配置する。そのため、第2制御において、第2保持部によって保持された物品を第2位置における載置面に近づけてから、当該物品の保持を解除することができる。これにより、物品を第2位置に降ろす際に当該物品に作用する衝撃を小さく抑えることができる。本構成は、衝撃等に弱い物品を移載する場合に適している。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本開示に係る技術は、第1位置から第2位置へ物品を移載する物品移載設備に利用することができる。
【符号の説明】
【0108】
100 :物品移載設備
1 :保持部
2 :載置部
3 :駆動部
3Za :第1Z軸駆動部
3Ya :第1Y軸駆動部
3Xa :第1X軸駆動部
3Xb :第2X軸駆動部
4 :降ろし動作部
10 :制御部
W :物品
C1 :第1容器
C1a :第1開口部
C2 :第2容器
C2a :第2開口部
P1 :第1位置
P2 :第2位置
X :X方向
Y :Y方向(搬送方向)
Y1 :Y方向第1側(搬送方向第1側)
Y2 :Y方向第2側
Z :Z方向
Z1 :上側(Z方向第1側)
Z2 :下側