(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】車両のアンテナ支持ブラケット
(51)【国際特許分類】
B60R 11/02 20060101AFI20220928BHJP
H01Q 1/22 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
B60R11/02 A
H01Q1/22 E
(21)【出願番号】P 2018217055
(22)【出願日】2018-11-20
【審査請求日】2021-03-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【氏名又は名称】真田 有
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 弘和
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-280496(JP,A)
【文献】実開昭57-197679(JP,U)
【文献】特開2004-276770(JP,A)
【文献】特開2010-120403(JP,A)
【文献】実開昭53-101638(JP,U)
【文献】特開2003-291746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 11/02
H01Q 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のインストルメントパネルの内部において、前記インストルメントパネルの基材であるインストルメントパネルコアに固定され、当該インストルメントパネルコアに取り付けられる電子制御装置に接続されるアンテナを支持するブラケットであって、
前記アンテナを前記ブラケットの上面に支持する支持部と、
前記アンテナから延出し前記電子制御装置に接続されるフィーダー線のコネクターと前記電子制御装置に接続される他の複数のハーネスのコネクターとを前記支持部より車両後方側に仮止めする複数の仮止め部とを備え、
前記複数の仮止め部は、前記インストルメントパネルの後面の前記電子制御装置が取り付けられる取付開口から目視可能な位置に設けられる
ことを特徴とする車両のアンテナ支持ブラケット。
【請求項2】
前記支持部が設けられる第一面部と、前記第一面部の車両後方側で前記第一面部に対して傾斜し、前記複数の仮止め部が設けられる第二面部とを有し、
前記第一面部に対する前記第二面部の傾斜方向は、前記複数の仮止め部が前記取付開口に面するように配置される方向とされる
ことを特徴とする、請求項1記載の車両のアンテナ支持ブラケット。
【請求項3】
前記第二面部は、車幅方向一方側の部位に前記複数の仮止め部が配置され、車幅方向他方側の部位に前記ブラケットを前記インストルメントパネルコアに固定する第一固定具が挿通される第一固定孔が設けられ、
前記第二面部のうち車幅方向一方側の部位から車両前方側に延設された第三面部と、前記第三面部に穿孔され前記ブラケットを前記インストルメントパネルコアに固定する第二固定具が挿通される第二固定孔とを有する
ことを特徴とする、請求項2記載の車両のアンテナ支持ブラケット。
【請求項4】
前記第二面部が、前記インストルメントパネルコアとの間に所定の隙間を有し、
前記隙間の寸法が、前記フィーダー線のコネクターおよび前記複数のハーネスのコネクターを前記複数の仮止め部に仮止めさせたときに前記フィーダー線のコネクターおよび前記複数のハーネスのコネクターが前記第二面部から前記インストルメントパネルコアの方向に突出する寸法よりも大きな寸法に設定される
ことを特徴とする、請求項2または3記載の車両のアンテナ支持ブラケット。
【請求項5】
前記ブラケットは、前記第一面部が形成された第一ブラケットと、前記第二面部が形成された第二ブラケットとを備える
ことを特徴とする、請求項2~4のいずれか1項に記載の車両のアンテナ支持ブラケット。
【請求項6】
前記第一ブラケットが金属または導電性繊維を含む樹脂製であり、前記第二ブラケットが前記第一ブラケットよりも軽量かつ軟質なプラスチック製である
ことを特徴とする、請求項5記載の車両のアンテナ支持ブラケット。
【請求項7】
前記第一ブラケットが、前記第一面部に対して傾斜して設けられるとともに前記第二ブラケットに固定される第一固定面部を有し、
前記第二ブラケットが、前記第二面部に対して段差が生じるように設けられるとともに前記第一固定面部に固定される第二固定面部を有する
ことを特徴とする、請求項5または6記載の車両のアンテナ支持ブラケット。
【請求項8】
前記第二固定面部が、前記第一固定面部に向かって突設される位置決めピンと前記第一固定面部側からビス止めされるビス受け孔とを有し、
前記第一固定面部が、前記位置決めピンと嵌合する位置決め孔と前記ビス止め孔にビス止めされるビスが挿通されるビス孔とを有する
ことを特徴とする、請求項7記載の車両のアンテナ支持ブラケット。
【請求項9】
前記複数の仮止め部は、前記フィーダー線のコネクターを仮止めする第一仮止め部と前記他の複数のハーネスのコネクターを仮止めする複数の第二仮止め部とで構成され、
前記第一仮止め部と前記第二仮止め部は、車幅方向に並べて配置され、
前記アンテナを基準とした前記フィーダー線の延出方向が、前記複数の前記第二仮止め部の平均中心位置を基準とした前記第一仮止め部の配置方向に対応する
ことを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の車両のアンテナ支持ブラケット。
【請求項10】
前記複数の仮止め部は、千鳥状に配置される
ことを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の車両のアンテナ支持ブラケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のインストルメントパネルコアに固定されるアンテナ支持ブラケットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報通信技術(IT,Information Technology)を基盤とした第四次産業革命への戦略がさまざまな産業界で議論されている。自動車産業界における関心の的は、車両外部のネットワークに常時接続された情報通信端末の一つとして機能するコネクテッドカーである。コネクテッドカーは、自動運転,自動ブレーキといった運転支援システムや、走行履歴の分析システム,緊急通報システム,盗難管理システム,カーシェアリングシステム,メンテナンス支援システムなど、多様な分野で幅広く活用できるものと期待されている。
【0003】
車両と車両外部との情報交換は、アンテナを介した無線通信によって実現される。車両に搭載されるアンテナの種類としては、移動電話用アンテナ,車両間通信アンテナ,路車間通信アンテナ,GPS(Global Positioning System)アンテナ,ETC(Electronic Toll Collection)アンテナ,電子キー用アンテナなどが知られている。これらのアンテナは、ルーフやインストルメントパネル(インパネ)の内部などに配置される(特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-101956号公報
【文献】特開2011-130115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アンテナで受信された信号は、カーナビゲーション装置やオーディオビジュアル装置といった車載の電子制御装置に入力され、その信号に基づく音声情報や視覚情報が乗員に提供される。一方、車両のグレードや仕向け先によってはアンテナのみが標準装備され、電子制御装置が非搭載(オプション扱い)になることがある。この場合、アンテナフィーダー線のコネクターが未固定の状態でインパネ内に収容されることから、コネクターとインパネとの接触による騒音や振動が走行中に発生することがあり、車両の静粛性や乗り心地が低下してしまう。
【0006】
また、アンテナのみが標準装備された車両のユーザーが、自分で電子制御装置を取り付けるときには、インパネ内に収容されたコネクターを探り出して電子制御装置に接続する必要がある。しかし、インパネの内部には多数の配線材やワイヤーハーネスが配索されているため、目的のコネクターを特定することが難しく、取り付け作業に手間取ることがある。また、たとえ目的のコネクターを特定できたとしても、他の配線材との絡み合いにより引き出すことが難しく、取り付け作業が難航する場合がある。
【0007】
本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑みて創案されたものであり、車両のインストルメントパネル内に配置されるアンテナと電子制御装置との接続に係る作業性を改善しつつ車両の静粛性を向上させることができるようにした車両のアンテナ支持ブラケットを提供することである。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術では得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)車両のアンテナ支持ブラケットは、車両のインストルメントパネルの内部において、前記インストルメントパネルの基材であるインストルメントパネルコアに固定され、当該インストルメントパネルコアに取り付けられる電子制御装置に接続されるアンテナを支持するブラケットであって、前記アンテナを前記ブラケットの上面に支持する支持部と、前記アンテナから延出し前記電子制御装置に接続されるフィーダー線のコネクターと前記電子制御装置に接続される他の複数のハーネスのコネクターとを前記支持部より車両後方側に仮止めする複数の仮止め部とを備え、前記複数の仮止め部は、前記インストルメントパネルの後面の前記電子制御装置が取り付けられる取付開口から目視可能な位置に設けられる。
【0009】
(2)前記支持部が設けられる第一面部と、前記第一面部の車両後方側で前記第一面部に対して傾斜し、前記複数の仮止め部が設けられる第二面部とを有し、前記第一面部に対する前記第二面部の傾斜方向は、前記複数の仮止め部が前記取付開口に面するように配置される方向とされることが好ましい。
【0010】
(3)前記第二面部は、車幅方向一方側の部位に前記複数の仮止め部が配置され、車幅方向他方側の部位に前記ブラケットを前記インストルメントパネルコアに固定する第一固定具が挿通される第一固定孔が設けられ、前記第二面部のうち車幅方向一方側の部位から車両前方側に延設された第三面部と、前記第三面部に穿孔され前記ブラケットを前記インストルメントパネルコアに固定する第二固定具が挿通される第二固定孔とを有することが好ましい。
【0011】
(4)前記第二面部が、前記インストルメントパネルコアとの間に所定の隙間を有し、前記隙間の寸法が、前記フィーダー線のコネクターおよび前記複数のハーネスのコネクターを前記複数の仮止め部に仮止めさせたときに前記フィーダー線のコネクターおよび前記複数のハーネスのコネクターが前記第二面部から前記インストルメントパネルコアの方向に突出する寸法よりも大きな寸法に設定されることが好ましい。
【0012】
(5)前記ブラケットは、前記第一面部が形成された第一ブラケットと、前記第二面部が形成された第二ブラケットとを備えることが好ましい。
(6)前記第一ブラケットが金属または導電性繊維を含む樹脂製であり、前記第二ブラケットが前記第一ブラケットよりも軽量かつ軟質なプラスチック製であることが好ましい。
【0013】
(7)前記第一ブラケットが、前記第一面部に対して傾斜して設けられるとともに前記第二ブラケットに固定される第一固定面部を有し、前記第二ブラケットが、前記第二面部に対して段差が生じるように設けられるとともに前記第一固定面部に固定される第二固定面部を有することが好ましい。
【0014】
(8)前記第二固定面部が、前記第一固定面部に向かって突設される位置決めピンと前記第一固定面部側からビス止めされるビス受け孔とを有し、前記第一固定面部が、前記位置決めピンと嵌合する位置決め孔と前記ビス止め孔にビス止めされるビスが挿通されるビス孔とを有することが好ましい。
【0015】
(9)前記複数の仮止め部は、前記フィーダー線のコネクターを仮止めする第一仮止め部と前記他の複数のハーネスのコネクターを仮止めする複数の第二仮止め部とで構成され、前記第一仮止め部と前記第二仮止め部は、車幅方向に並べて配置され、前記アンテナを基準とした前記フィーダー線の延出方向が、前記複数の前記第二仮止め部の平均中心位置を基準とした前記第一仮止め部の配置方向に対応することが好ましい。
【0016】
(10)前記複数の仮止め部は、千鳥状に配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
アンテナを固定するためのブラケットにコネクターを仮保持するための仮止め部を設け、その仮止め部を取付開口から目視可能な位置に配置することで、電子制御装置をインストルメントパネルコアに後付けする場合であっても容易に第一コネクターを電子制御装置に接続することができ、アンテナ接続の作業性を改善することができる。また、コネクターがブラケットに仮保持されるため、コネクターとインパネとの接触による騒音や振動の発生を防ぐことができ、車両の静粛性や乗り心地を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施形態のアンテナ支持ブラケットが適用された車両の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[1.構成]
図1~
図8を参照して、実施形態としてのアンテナ支持ブラケットの構造を説明する。図中の方向(前後左右上下)は、車両1の進行方向を基準とした方向(車両1の運転手から見たときの前後,左右,上下の方向)を表す。
図1は、実施形態としてのアンテナ支持ブラケット9が適用された車両1の斜視図である。車両1の車室内には、計器,スイッチ類,空調装置,オーディオビジュアル装置,カーナビゲーション装置などが取り付けられるインパネ2(インストルメントパネル)が設けられる。
【0020】
インパネ2は、その主材(基材)であるインパネコア6(インストルメントパネルコア)の表面に、ウレタンフォーム,表皮部材,装飾品などを貼り付けた構造を持つ。インパネコア6の組成は、例えばABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合熱可塑性樹脂)やポリプロピレンなどの合成樹脂であり、車両1の無線通信に係る電磁波(電波)を透過させる特性を持つ。
【0021】
インパネコア6には、第一アンテナ4を固定するためのブラケット9(アンテナ支持ブラケット)が取り付けられる。ブラケット9は、インパネ2の内部(インパネ2の上面よりも下方)において、インパネコア6に固定される。
図2に示すように、ブラケット9はインパネ2の上面の裏側に取り付けられる。また、第一アンテナ4は、ブラケット9の上面に固定される。第一アンテナ4の形状は上面視でほぼ正方形の扁平形状であり、その頂面がほぼ水平となるように設置される。これにより、受信性能(スカイビュー)が確保される。
【0022】
第一アンテナ4の位置は、車両1のフロントガラス3やインパネ2の上面を透過した電磁波が届く位置に設定され、例えばフロントガラス3の直下となる範囲内に配置される。また、第一アンテナ4の車幅方向の位置は、中央部付近に設定される。第一アンテナ4の種類は不問であり、例えば移動電話用アンテナ,車両間通信アンテナ,路車間通信アンテナ,ETCアンテナ,電子キー用アンテナなどが適用されうる。本実施形態の第一アンテナ4はGPSアンテナであり、測位衛星から発せられる測位信号を受信するのに用いられる。
【0023】
また、この車両1には、第一アンテナ4とは異なる電磁波を受信する第二アンテナ5が設けられる。第二アンテナ5は、例えばフロントガラス3やルーフなどに固定される。
図2に示す第二アンテナ5は、地上波デジタルテレビ放送用の車載チューナー装置(例えば4チューナー4アンテナ型のフルセグ地デジチューナー)に接続されるDTVアンテナであり、独立した複数本のアンテナ線を有する。本実施形態の第二アンテナ5は、
図2に示すように、フロントガラス3の内側(車室側)に貼付される。また、それぞれの第二アンテナ5から延出される第二フィーダー線51は、フロントガラスの縁部やフロントピラーに沿ってインパネ2の内部まで配索される。
【0024】
第一アンテナ4から延出される第一フィーダー線41には、第一コネクター42が設けられる。第一コネクター42は、インパネコア6に装着される電子制御装置8と第一フィーダー線41とを接続するための部品であり、第一フィーダー線41の末端に配置される。同様に、第二アンテナ5から延出される複数の第二フィーダー線51には、第二コネクター52が設けられる。第二コネクター52は、電子制御装置8と第二フィーダー線51とを接続するための部品であり、それぞれの第二フィーダー線51の末端に配置される。
【0025】
電子制御装置8とは、例えば車載のオーディオビジュアル装置やカーナビゲーション装置,マルチメディア装置などであり、第一アンテナ4や第二アンテナ5で受信した信号に基づく音声情報や視覚情報を乗員に提供する機能を持つ。
図2に示すように、インパネ2の車室側には、電子制御装置8が装着される取付部7(取付開口部,取付開口)が設けられる。取付部7の位置は、車室前方における車幅方向の中央部付近であって、ブラケット9から見て車両1の後方側に設定される。
【0026】
ブラケット9には、第一仮止め部22と第二仮止め部23とが設けられる。これらの仮止め部22,23、第一コネクター42と第二コネクター52とを後述する第一面部11(支持部)より車両後方側(後述する第一フィーダー線41及び第二フィーダー線51が纏まった位置)に仮止めする役割を担い、インパネ2の後面の電子制御装置8が取り付けられる取付開口7から目視可能な位置に設けられる。また、これらの第一仮止め部22及び第二仮止め部23は、車幅方向に所定の間隔をあけて隣接するように、車幅方向に並んで配置される。
【0027】
第一仮止め部22は、電子制御装置8が取付部7に装着されていないときに、第一コネクター42を仮止めするための部位であり、第一コネクター42を保持する機能を持つ。同様に、第二仮止め部23は、電子制御装置8が取付部7に装着されていないときに、第二コネクター52を仮止めするための部位であり、第二コネクター52を保持する機能を持つ。これにより、電子制御装置8が装着されていないときに、第一コネクター42や第二コネクター52を車室内から目視で確認できる位置に仮止めすることが可能となる。
【0028】
図3~
図6に示すように、ブラケット9は、第一ブラケット10と第二ブラケット20とに分解可能とされる。第一ブラケット10は、第一アンテナ4が固定される部材であり、第二ブラケット20は少なくとも第一仮止め部22が設けられる部材である。第一ブラケット10の組成は、例えば金属や導電性繊維を含む硬質樹脂(電磁波シールド樹脂)とすることが好ましい。これにより、第一ブラケット10に固定される第一アンテナ4が下方から電磁ノイズの影響を受けにくくなり、EMC(Electro-Magnetic Compatibility)性能が向上する。一方、第二ブラケット20の組成は、金属や電磁波シールド樹脂よりも軽量かつ軟質なプラスチック(合成樹脂)とすることが好ましい。これにより、第一仮止め部22に仮止めされる第一コネクター42の破損やキズなどの発生が防止される。
【0029】
本実施形態の第一ブラケット10には、第一面部11,第一固定面部12,位置決め孔13,ビス孔14,延長面部15,クリップ孔16が設けられる。第一面部11は、第一アンテナ4が固定される平面状の部位である。換言すれば、第一面部11には第一アンテナ4が支持される部位である支持部が設けられる。第一アンテナ4は、第一面部11の上面に対して、両面テープや接着剤などで貼着固定される。一方、第一固定面部12は、第一面部11に対して傾斜して設けられた平面状の部位であり、第二ブラケット20に固定される部位である。
【0030】
第一固定面部12の傾斜角度は、後述する第二ブラケット20の傾斜角度に対応するように設定される。金属や硬質樹脂で形成される第一ブラケット10の第一面部11と第一固定面部12との間に傾斜を設けることで、屈曲箇所の剛性が確保されやすくなる。なお、第一面部11の縁端の一部には、剛性を高めるためのフランジ加工が施される。本実施形態では、第一面部11と第一固定面部12との境界をなす屈曲部分の剛性を確保するために、第一ブラケット10の右端辺全体と第一固定面部12の左端辺とにフランジが設けられている。
【0031】
図5に示すように、第一固定面部12には、位置決め孔13とビス孔14とが形成される。位置決め孔13は、第一ブラケット10の位置決めに用いられる部位であり、第二ブラケット20に対する第一ブラケット10の相対位置が適切であるときに、後述する位置決めピン25と嵌合する位置に設けられる。位置決め孔13の数は少なくとも二つ以上とする。本実施形態の位置決め孔13は二個であり、左右方向(車幅方向)に所定の間隔をあけて配置されている。
【0032】
ビス孔14は、第二ブラケット20に対する第一ブラケット10の相対位置が適切であるときに、後述するビス受け孔26に重なる位置に設けられる。ビス孔14の数も少なくとも二つ以上とする。本実施形態のビス孔14は二個であり、左右方向(車幅方向)に所定の間隔をあけて配置されている。ビス孔14の間隔は位置決め孔13の間隔よりも大きく設定されており、これにより位置決め精度が確保されている。なお、ビス孔14の径は、第一ブラケット10と第二ブラケット20とを固定するためのビス31と同径か、やや大径に設定される。
【0033】
延長面部15は、第一アンテナ4が取り付けられる位置を基準として第一面部11を第一フィーダー線41の延出方向に延長した部位である。延長面部15には、第一フィーダー線41に装着されたクリップ43が挿入されるクリップ孔16が穿孔される。クリップ孔16にクリップ43を係止させることで、第一フィーダー線41の配索方向が第一アンテナ4から左方向のみに制限される。
【0034】
第二ブラケット20には、第二面部21,第一仮止め部22,第二仮止め部23,第二固定面部24,位置決めピン25,ビス受け孔26,第三面部27,第一固定孔28,第二固定孔29が設けられる。第二面部21は、少なくとも第一仮止め部22が設けられ、好ましくは第一仮止め部22と第二仮止め部23とが設けられる平面状の部位である。第二面部21は、ここに仮止めされる第一コネクター42や第二コネクター52が車室側から視認されやすくするために、第一面部11に対して傾斜して設けられる。なお、第一仮止め部22に仮止めされる第一コネクター42の差し込み方向は、下から上へ向かう方向、かつ、後方から前方へ向かう方向である。第二仮止め部23に仮止めされる第二コネクター52の差し込み方向も同様である。
【0035】
第二面部21は、インパネコア6との間に所定の隙間を有する。この隙間は、
図8に示すように、第一コネクター42を第一仮止め部22に嵌合させたときに、第一コネクター42が第二面部21からインパネコア6の方向に突出する寸法(突出寸法X)よりも大きな寸法であって、第二コネクター52の突出寸法よりも大きな寸法に設定される。第二面部21とインパネコア6との間の隙間は、仮保持された第一コネクター42,第二コネクター52の配置スペースとして利用される。
【0036】
第一仮止め部22は、第二仮止め部23よりも第一フィーダー線41の延出方向に配置される。
図5に示すように、複数の第二仮止め部23の平均中心位置を基準とした第一仮止め部22の配置方向は、第一アンテナ4を基準とした第一フィーダー線41の延出方向に対応するように設定される。これにより、第一フィーダー線41を第二フィーダー線51と交差させずに短い距離で整然と配索することが容易となり、フィーダー線41,51同士の干渉によるノイズの発生が防止される。
【0037】
第二仮止め部23及び第二コネクター52には、外れ止め用のメカニカルロック機構が設けられている。例えば、第二仮止め部23の縁部から第二コネクター52が差し込まれる部分に向かって突起が設けられる。一方、第二コネクター52には第二仮止め部23の突起と弾性的に係合する係止爪53が設けられる。第二コネクター52を第二仮止め部23に差し込むことで、突起と係止爪53とが自動的に係合し、不用意な脱離が防止される。また、係止爪53を指で摘まむことで突起と係止爪53との係合が外れ、そのまま第二コネクター52を引き抜くことができるようになっている。
【0038】
また、第二仮止め部23は、第二コネクター52の係止爪53を摘むときに指が入りやすくなるように、千鳥状に配置される。第二仮止め部23のレイアウトは、それぞれの第二コネクター52の係止爪53が他の第二コネクター52に対向しないように設定される。好ましくは、係止爪53と他の第二コネクター52との間が、少なくとも指が楽に入る程度の所定距離以上は離隔するように、それぞれの第二コネクター52が配置される。
図7に示す第二コネクター52は、各々の係止爪53が後端部に位置する向きで、前後方向に重ならないように配置されている。複数の第二コネクター52を千鳥配置にすることで、第二コネクター52の着脱に係る作業性を向上させつつ、第二ブラケット20の車幅方向の寸法を小さくすることができる。
【0039】
本実施形態では第二仮止め部23だけでなく、第一仮止め部22を含む仮止め部22,23の全体が千鳥状に配置される。これにより、第一コネクター42及び第二コネクター52の着脱に係る作業性を向上させつつ、第二ブラケット20の車幅方向の寸法を削減している。なお、第一仮止め部22が複数設けられる場合(例えば、第一フィーダー線41が複数本存在する場合)においても同様であり、複数の第一仮止め部22を千鳥状に配置してもよいし、すべての第一仮止め部22及び第二仮止め部23を遍く千鳥状に配置してもよい。
【0040】
第二固定面部24は、第一ブラケット10の第一固定面部12に固定される平面状の部位である。
図6,
図8に示すように、第二固定面部24は、第二面部21に対して段差が生じるように設けられる。第二固定面部24は、第二面部21よりも第一コネクター42,第二コネクター52の差し込み方向側において、第二面部21とほぼ平行に配置される。第二面部21と第二固定面部24との間に段差を設けることで、第一仮止め部22,第二仮止め部23に仮止めされる第一コネクター42,第二コネクター52の差し込み代が確保される。なお、段差の寸法は、第二固定面部24の延長面に第一コネクター42,第二コネクター52の先端が接触しない程度の大きさに設定される。
【0041】
第二固定面部24には、位置決めピン25とビス受け孔26と第一固定孔28とが設けられる。位置決めピン25は、
図6に示すように、第一ブラケット10の第一固定面部12に向かって軸状に突設される。一方、ビス受け孔26は、
図5に示すように、第一固定面部12とは反対側に向かって中空円筒状に突設される。ビス受け孔26の内部には、第一ブラケット10と第二ブラケット20とを固定するためのビス31のネジ山と螺合するネジ溝が刻設される。第一固定面部12と第二固定面部24とを重ね合わせた状態で、ビス孔14よりも下方から上方のビス受け孔26に向かってビス31を螺合させる(あるいは、ねじ込む)ことで、第一ブラケット10と第二ブラケット20とが一体化される。第一固定孔28は、ブラケット9をインパネコア6に固定するための孔のひとつであり、ボルトやスクリューなどの第一固定具32が挿通される。
【0042】
第二ブラケット20の第三面部27には、第二固定孔29が設けられる。第二固定孔29には、ボルトやスクリューなどの第二固定具33が挿通される。ここで
図3に示すように、第二面部21に沿った平面内において、第一仮止め部22から第一面部へ向かう方向のことを「アンテナ配置方向」と定義する。第三面部27は、第二面部21のうち、第二仮止め部23が配置される部位からアンテナ配置方向へと延設された部位である。第二仮止め部23よりもアンテナ配置方向に位置する第三面部27に第二固定孔29を設けることで、第二ブラケット20の車幅方向の寸法が小さくなり、ブラケット9のコンパクト化が容易となる。また、第二固定孔29を第二仮止め部23よりも右側に配置した場合と比較して、第二固定孔29と第一アンテナ4との距離が縮まることから、ブラケット9の剛性や取り付け状態の安定性が向上する。
【0043】
図7に示すように、第一固定孔28(第一固定具32)と第二固定孔29(第二固定具33)の位置は、ブラケット9をその下方から見上げたときに、第一アンテナ4の右側方と第一アンテナ4の後方との二箇所に設定され、かつ、第一アンテナ4に対する距離がほぼ同一となる位置に設定される。また、第一固定具32および第二固定具33が固定されるインパネコア6の座面34は、
図8に示すように、インパネ2の上面の裏側から下方に向かって突設される。二つの座面34は、第二ブラケット20の第二面部21を基準とした高さ,左右方向位置,前後方向位置のすべてが相違するように配置される。例えば、第二面部21を基準とした高さについて、二つの座面34のうち前方に位置する一方が、後方に位置する他方よりも高い位置に配置される。これにより、インパネ2の上面に近い位置でブラケット9を固定することができ、取り付け状態の安定性が向上する。
【0044】
[2.作用,効果]
(1)本実施形態では、ブラケット9に第一アンテナ4が固定されるとともに、コネクター42,52を仮止めする仮止め部22,23がブラケット9に形成される。仮止め部22,23は、取付部7から目視可能な位置に設けられる。このような構造により、電子制御装置8をインパネコア6に後付けするような場合であっても、容易にコネクター42,52(第一アンテナ4の第一フィーダー線41や第二アンテナ5の第二フィーダー線51)を電子制御装置8に接続することができ、アンテナ接続作業の作業性や利便性を改善することができる。また、電子制御装置8のない状態であってもコネクター42,52が仮止め部22,23に仮止めされることから、コネクター42,52とインパネコア6との接触による騒音や振動を防止することができ、車両の静粛性や乗り心地を向上させることができる。
【0045】
(2)本実施形態では、仮止め部22,23が形成される第二面部21が、第一面部11に対して傾斜して配置される。第二面部21の傾斜方向は、仮止め部22,23に保持されたコネクター42,52が電子制御装置8の装着位置に面するように配置される方向とされる。これにより、電子制御装置8が未装着のときにコネクター42,52の仮止め状態を目視で確認しやすくすることができ、作業性,利便性をさらに改善することができる。
【0046】
なお、複数のチューナーを内蔵した地上波デジタルテレビ放送用の車載チューナー装置には複数のアンテナを接続する必要があり、セットアップ作業が煩雑となりやすい。一方、本実施形態では、四本の第二フィーダー線51に設けられた第二コネクター52のすべてが四つの第二仮止め部23に仮止めされるため、ユーザーが手軽にアンテナ接続作業を実施できるようになり、電子制御装置8の交換やカスタマイズが容易となる。
【0047】
(3)本実施形態では、第二仮止め部23が配置されている部位の車幅方向の反対側の部位に第一固定孔28が設けられ、第二仮止め部23が配置されている部位からアンテナ配置方向へと第三面部27が延設され、この第三面部27に第二固定孔29が設けられる。このように、第三面部27を第二面部21から車両前方側に延ばすことで、第二ブラケット20の車幅方向の寸法を小さくすることができ、ブラケット9を容易にコンパクト化することができる。また、第一固定具32が固定される位置(第一固定孔28)と第二固定具33が固定される位置(第二固定孔29)との距離を車両前後方向に大きくすることができるので、アンテナ4の支持部が設けられる第一面部11から第二面部21に荷重が作用したときに、第一固定具32および第二固定具33に作用する荷重を減少させることができる。また、荷重が車両前後方向に分散されやすくなることから、第一面部11と第二面部との間の屈曲箇所における変形を抑制することができる。これにより、ブラケット9の取り付け状態の安定性を向上させることができる。
【0048】
(4)本実施形態では、第二面部21とインパネコア6との間に第一コネクター42の突出寸法Xよりも大きな隙間が確保される。これにより、仮保持された第一コネクター42,第二コネクター52とインパネコア6との接触を防止することができ、第一コネクター42,第二コネクター52の変形や破損,キズなどの発生を防止することができる。
【0049】
(5)本実施形態では、ブラケット9が第一ブラケット10と第二ブラケット20とに二分割される。これにより、ブラケット9の下方や周囲に配置される空調用ダクトを取り外すことなく、第一ブラケット10を着脱することが可能となり、メンテナンス性を向上させることができる。なお、車両1の製造過程において、第二ブラケット20を先にインパネコア6に取り付けておけば、その後に固定される第一ブラケット10と空調用ダクトとの艤装順序は不問となる。このように、ブラケット9を二分割にすることで組付け作業性を改善することができる。また、第一アンテナ4が固定される部材と第一コネクター42が仮止めされる部材とを別の材料で製造することが可能となる。
【0050】
(6)本実施形態では、第一ブラケット10が金属または導電性繊維を含む硬質樹脂製とされる。これにより、第一ブラケット10よりも下方に配置されるワイヤーハーネスや各種配線材から放射される電磁ノイズをカットすることができ、第一アンテナ4のEMC性能を向上させることができる。一方、第二ブラケット20は、第一ブラケット10の軽量かつ軟質なプラスチック製(すなわち、第一ブラケット10の組成物よりも比重が軽く硬度が低い合成樹脂)とされる。これにより、第一仮止め部22に仮止めされる第一コネクター42の破損やキズなどの発生を防止することができる。
【0051】
(7)本実施形態では、第一ブラケット10の第一固定面部12と第二ブラケット20の第二固定面部24とが重ね合わされて固定される。また、第二固定面部24は、
図8に示すように、第二面部21に対して段差が生じるように設けられる。このような構造により、第二面部21をインパネコア6に接近させて取り付け安定性を向上させつつ、インパネコア6と第二面部21との間に隙間を設けることができ、第一コネクター42,第二コネクター52の差し込み代を確保することができる。
【0052】
(8)本実施形態では、第二固定面部24に位置決めピン25とビス受け孔26とが設けられる。これに対応して、第一固定面部12には、位置決め孔13とビス孔14とが設けられる。
図8に示すように、位置決めピン25の突設方向は上から下へ向かう方向であるのに対し、ビス受け孔26の突設方向は下から上へ向かう方向である。このように、位置決めピン25の差し込み方向とビス止め方向とを逆にすることで、第一ブラケット10と第二ブラケット20との固定状態をより安定させることができる。
【0053】
(9)本実施形態では、第一フィーダー線41の延出方向が第一仮止め部22の配置方向と同じ方向になっている。これにより、
図7に示すように、第一フィーダー線41の配索領域(左側)と第二フィーダー線51の配索領域(右側)とを整然と分離することができ、第一フィーダー線41と第二フィーダー線51との交差や接触,絡まりを生じにくくすることができる。したがって、フィーダー線41,51同士の干渉によるノイズの発生を防止することができる。
【0054】
なお、本実施形態では、延長面部15が第一面部11から第一フィーダー線41の延出方向に延設され、その延長面部15にクリップ孔16が設けられる。これにより、第一フィーダー線41の配索位置を精度よく設定,制限することができ、車体振動による第一フィーダー線41の位置ズレや乱れを防止することができる。また、第一アンテナ4の近傍で第一フィーダー線41が固定されることから、第一アンテナ4と第一フィーダー線41との結合部に集中しやすい負荷を軽減することができ、第一フィーダー線41の切断や破損を予防することができる。
【0055】
(10)本実施形態では、
図3~
図7に示すように、第二仮止め部23が千鳥状に配置される。それぞれの第二コネクター52の係止爪53は、他の第二コネクター52に対向しない位置に配置される。これにより、係止爪53を指で摘まむスペースが確保され、第二コネクター52の着脱に係る操作性を向上させることができる。また、複数の第二コネクター52を単に車幅方向に並べただけのレイアウトと比較して、同様の操作性を確保しつつ、第二ブラケット20の車幅方向の寸法を小さくすることができる。
【0056】
[3.変形例]
上記の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、本実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
【0057】
上述の実施形態では、ブラケット9が第一ブラケット10と第二ブラケット20との二部材から構成されているが、これらを一体化して一部材とすることも考えられる。この場合、電磁ノイズの遮断性を重視するならば金属や導電性繊維を含む硬質樹脂で製造すればよいし、加工性や第一コネクター42の破損防止を重視するならば軽量,軟質なプラスチックで製造すればよい。少なくとも、第一アンテナ4が固定されるブラケット9に第一コネクター42が保持される第一仮止め部22を設けることで、アンテナ接続作業の作業性や利便性を改善しつつ、車両の静粛性や乗り心地を向上させることができる。
【0058】
上述の実施形態では、第二面部21が第一面部11に対して傾斜した構造を例示したが、傾斜は必須の要素ではない。例えば、第一仮止め部22に保持された第一コネクター42が電子制御装置8の装着位置に面するようなレイアウトになっている場合には、あえて第二面部21を傾斜させる必要はない。また、上述の実施形態では、第二アンテナ5に繋がる第二コネクター52が第二仮止め部23に仮保持されるようになっているが、例えば第二アンテナ5のない車両1においては、第二仮止め部23は不要である。
【0059】
上述の実施形態の第二コネクター52が設けられる第二フィーダー線51は、第一アンテナ4とは異なる電磁波を受信する第二アンテナ5と電子制御装置8とを接続するものとなっている。一方、電子制御装置8に接続されるのは第二アンテナ5に限定されず、車両1の周辺を撮影するカメラやリアモニターなどであってもよい。つまり、第二フィーダー線51がカメラ,リアモニターなどから延びる配線材(信号線)であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 車両
2 インパネ
3 フロントガラス
4 第一アンテナ
5 第二アンテナ
6 インパネコア
7 取付部(取付開口)
8 電子制御装置
9 ブラケット
10 第一ブラケット
11 第一面部(支持部)
12 第一固定面部
13 位置決め孔
14 ビス孔
15 延長面部
16 クリップ孔
20 第二ブラケット
21 第二面部
22 第一仮止め部(仮止め部)
23 第二仮止め部(仮止め部)
24 第二固定面部
25 位置決めピン
26 ビス受け孔
27 第三面部
28 第一固定孔
29 第二固定孔
31 ビス
32 第一固定具
33 第二固定具
34 座面
41 第一フィーダー線(フィーダー線)
42 第一コネクター(フィーダー線のコネクター)
43 クリップ
51 第二フィーダー線(ハーネス)
52 第二コネクター(他の複数のハーネスのコネクター)
53 係止爪