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特許7147521自動改札システム、自動改札方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】自動改札システム、自動改札方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20220928BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20220928BHJP
【FI】
G07B15/00 B
G06Q50/30
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018226328
(22)【出願日】2018-12-03
(65)【公開番号】P2020091516
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-03-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(72)【発明者】
【氏名】長橋 賢一
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-020762(JP,A)
【文献】特開2010-039849(JP,A)
【文献】特開2009-294907(JP,A)
【文献】特開2011-192026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
G06Q 50/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動改札機を利用する利用者を撮像した撮像画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部により取得される前記撮像画像に通行弱者の画像が含まれるか否かを判定する判定処理部と、
前記判定処理部により前記撮像画像に前記通行弱者の画像が含まれると判定された場合に、前記通行弱者が利用しようとする改札通路である利用対象通路を特定する特定処理部と、
前記特定処理部により特定される前記利用対象通路に対して、前記通行弱者が通行する方向である第1方向の利用を許可し、前記第1方向とは反対方向である第2方向の利用を禁止する設定処理部と、
を備え
複数の前記自動改札機のそれぞれには周囲の前記利用者を撮像する撮像部が設けられており、
前記画像取得部は、複数の前記自動改札機のそれぞれから前記撮像画像を取得し、
複数の前記撮像画像に前記通行弱者の画像が含まれる場合に、前記特定処理部は、複数の前記撮像画像のうち、前記通行弱者の画像の占める割合が最も大きい前記撮像画像を撮像した前記自動改札機に対応する改札通路を前記利用対象通路として特定する、自動改札システム。
【請求項2】
前記設定処理部は、前記利用対象通路を形成する第1自動改札機及び第2自動改札機のうち、前記第1方向の通行に対する認証処理を行うことが可能な前記第1自動改札機を有効な状態に設定し、前記第2方向の通行に対する認証処理を行うことが可能な前記第2自動改札機を無効な状態に設定する、
請求項1に記載の自動改札システム。
【請求項3】
前記設定処理部は、前記通行弱者が前記第1自動改札機を通過するまで、前記第2自動改札機を無効な状態を維持する、
請求項2に記載の自動改札システム。
【請求項4】
前記第1自動改札機及び前記第2自動改札機のそれぞれの識別情報には、前記利用対象通路の識別情報が関連付けられており、
前記設定処理部は、前記第1自動改札機に対応する前記利用対象通路を利用許可に設定し、前記第2自動改札機に対応する前記利用対象通路を利用禁止に設定する、
請求項2又は3に記載の自動改札システム。
【請求項5】
前記判定処理部は、複数の前記自動改札機の周囲の混雑状況を判定し、
前記設定処理部は、前記判定処理部により判定される前記混雑状況に基づいて、複数の改札通路のうち前記利用対象通路に隣接する少なくとも一つの前記改札通路の利用を許可又は禁止する、
請求項1~のいずれかに記載の自動改札システム。
【請求項6】
前記設定処理部は、前記利用対象通路に対して前記通行弱者の位置とは反対側の所定の領域において、前記判定処理部により判定される前記混雑状況を表す利用者数が閾値を超える場合に、前記少なくとも一つの前記改札通路に対して、前記第1方向の利用を許可し、前記第2方向の利用を禁止する、
請求項に記載の自動改札システム。
【請求項7】
前記判定処理部は、前記撮像画像に前記通行弱者の画像が含まれると判定した場合に、さらに、前記通行弱者の画像が含まれる前記撮像画像に基づいて、前記通行弱者の移動速度を判定し、
前記判定処理部により判定される前記移動速度が閾値以下である場合に、前記自動改札機に前記通行弱者に対する音声案内を実行させる通知処理部をさらに備える、
請求項1~のいずれかに記載の自動改札システム。
【請求項8】
コンピュータが、
自動改札機を利用する利用者を撮像した撮像画像を取得する画像取得ステップと、
前記画像取得ステップにより取得される前記撮像画像に通行弱者の画像が含まれるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより前記撮像画像に前記通行弱者の画像が含まれると判定された場合に、前記通行弱者が利用しようとする改札通路である利用対象通路を特定する特定ステップと、
前記特定ステップにより特定される前記利用対象通路に対して、前記通行弱者が通行する方向である第1方向の利用を許可し、前記第1方向とは反対方向である第2方向の利用を禁止する設定ステップと、
実行し、
複数の前記自動改札機のそれぞれには周囲の前記利用者を撮像する撮像部が設けられており、
前記画像取得ステップにおいて、複数の前記自動改札機のそれぞれから前記撮像画像を取得し、
複数の前記撮像画像に前記通行弱者の画像が含まれる場合に、前記特定ステップにおいて、複数の前記撮像画像のうち、前記通行弱者の画像の占める割合が最も大きい前記撮像画像を撮像した前記自動改札機に対応する改札通路を前記利用対象通路として特定する、自動改札方法。
【請求項9】
自動改札機を利用する利用者を撮像した撮像画像を取得する画像取得ステップと、
前記画像取得ステップにより取得される前記撮像画像に通行弱者の画像が含まれるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより前記撮像画像に前記通行弱者の画像が含まれると判定された場合に、前記通行弱者が利用しようとする改札通路である利用対象通路を特定する特定ステップと、
前記特定ステップにより特定される前記利用対象通路に対して、前記通行弱者が通行する方向である第1方向の利用を許可し、前記第1方向とは反対方向である第2方向の利用を禁止する設定ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
複数の前記自動改札機のそれぞれには周囲の前記利用者を撮像する撮像部が設けられており、
前記画像取得ステップにおいて、複数の前記自動改札機のそれぞれから前記撮像画像を取得し、
複数の前記撮像画像に前記通行弱者の画像が含まれる場合に、前記特定ステップにおいて、複数の前記撮像画像のうち、前記通行弱者の画像の占める割合が最も大きい前記撮像画像を撮像した前記自動改札機に対応する改札通路を前記利用対象通路として特定する、プログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動改札機の改札通路の通行を制御する自動改札システム、自動改札方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
1つの改札通路において、改札口から駅構内に入場する利用者の改札処理(入場改札処理)と、駅構内から前記改札口の外側へ出場する利用者の改札処理(出場改札処理)とを行うことが可能な双方向型の自動改札機が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-72862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記自動改札機では、例えば改札通路に双方向から進入しようとする2人の利用者のうち乗車券を先に前記自動改札機に読み取らせた一方の利用者の通行が許可され、他方の利用者の通行が禁止される。このため、一方の利用者が改札通路に進入しようとしたときに反対側の他方の利用者が先に当該改札通路に進入した場合には、一方の利用者は当該改札通路を利用できないだけでなく他方の利用者と接触する恐れがある。よって、特に利用者が視覚障碍者、車椅子利用者、妊婦、高齢者などの所謂通行弱者である場合には、自動改札機をスムーズに利用できず、また不安、恐怖を感じてしまう。
【0005】
本発明の目的は、通行弱者が安心して自動改札機を利用することが可能な自動改札システム、自動改札方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る自動改札システムは、自動改札機を利用する利用者を撮像した撮像画像を取得する画像取得部と、前記画像取得部により取得される前記撮像画像に通行弱者の画像が含まれるか否かを判定する判定処理部と、前記判定処理部により前記撮像画像に前記通行弱者の画像が含まれると判定された場合に、前記通行弱者が利用しようとする改札通路である利用対象通路を特定する特定処理部と、前記特定処理部により特定される前記利用対象通路に対して、前記通行弱者が通行する方向である第1方向の利用を許可し、前記第1方向とは反対方向である第2方向の利用を禁止する設定処理部と、を備える。
【0007】
この構成によれば、通行弱者を検知した場合に、当該通行弱者が利用しようとする改札通路を特定し、当該改札通路を前記通行弱者の通行方向に限定した専用通路に設定する。すなわち、前記改札通路について、前記通行弱者の通行方向とは反対方向からの利用を禁止する。これにより、通行弱者が改札通路を利用しようとしたときに、利用が禁止されたり、反対方向から改札通路に進入してきた利用者と接触したりすることを防ぐことができる。よって、通行弱者が安心して自動改札機を利用することが可能となる。
【0008】
前記自動改札システムにおいて、前記設定処理部は、前記利用対象通路を形成する第1自動改札機及び第2自動改札機のうち、前記第1方向の通行に対する認証処理を行うことが可能な前記第1自動改札機を有効な状態に設定し、前記第2方向の通行に対する認証処理を行うことが可能な前記第2自動改札機を無効な状態に設定する。
【0009】
この構成によれば、改札通路を、通行弱者が通行する方向だけを有効な状態とすることができる。
【0010】
前記自動改札システムにおいて、前記設定処理部は、前記通行弱者が前記第1自動改札機を通過するまで、前記第2自動改札機を無効な状態を維持する。これにより、通行弱者は安心して改札通路を通過することができる。
【0011】
前記自動改札システムにおいて、前記第1自動改札機及び前記第2自動改札機のそれぞれの識別情報には、前記利用対象通路の識別情報が関連付けられており、前記設定処理部は、前記第1自動改札機に対応する前記利用対象通路を利用許可に設定し、前記第2自動改札機に対応する前記利用対象通路を利用禁止に設定する。
【0012】
この構成によれば、対向して配置される前記第1自動改札機及び前記第2自動改札機の間に形成される改札通路を一方向のみ利用可能な専用通路に設定することができる。
【0013】
前記自動改札システムにおいて、複数の前記自動改札機のそれぞれには周囲の前記利用者を撮像する撮像部が設けられており、前記画像取得部は、複数の前記自動改札機のそれぞれから前記撮像画像を取得し、複数の前記撮像画像に前記通行弱者の画像が含まれる場合に、前記特定処理部は、複数の前記撮像画像のうち、前記通行弱者の画像の占める割合が最も大きい前記撮像画像を撮像した前記自動改札機に対応する改札通路を前記利用対象通路として特定する。
【0014】
また前記自動改札システムにおいて、前記判定処理部は、前記撮像画像に前記通行弱者の画像が含まれると判定した場合に、さらに、前記通行弱者の画像が含まれる前記撮像画像に基づいて、前記通行弱者の移動方向を判定し、前記特定処理部は、前記判定処理部により判定される前記移動方向に基づいて、前記利用対象通路を特定する。
【0015】
また前記自動改札システムにおいて、前記特定処理部は、前記判定処理部により判定される前記移動方向の延長線上に位置する改札通路を前記利用対象通路として特定する。
【0016】
これらの構成によれば、通行弱者が利用する可能性が高い改札通路を特定することができる。
【0017】
前記自動改札システムにおいて、前記判定処理部は、複数の前記自動改札機の周囲の混雑状況を判定し、前記設定処理部は、前記判定処理部により判定される前記混雑状況に基づいて、複数の改札通路のうち前記利用対象通路に隣接する少なくとも一つの前記改札通路の利用を許可又は禁止する。
【0018】
前記自動改札システムにおいて、前記設定処理部は、前記利用対象通路に対して前記通行弱者の位置とは反対側の所定の領域において、前記判定処理部により判定される前記混雑状況を表す利用者数が閾値を超える場合に、前記少なくとも一つの前記改札通路に対して、前記第1方向の利用を許可し、前記第2方向の利用を禁止する。
【0019】
これにより、通行弱者と他の利用者が接触することを確実に防ぐことができる。また、通行弱者がより安心して自動改札機を利用することが可能となる。
【0020】
前記自動改札システムにおいて、前記判定処理部は、前記撮像画像に前記通行弱者の画像が含まれると判定した場合に、さらに、前記通行弱者の画像が含まれる前記撮像画像に基づいて、前記通行弱者の移動速度を判定し、前記判定処理部により判定される前記移動速度が閾値以下である場合に、前記自動改札機に前記通行弱者に対する音声案内を実行させる通知処理部をさらに備える。
【0021】
これにより、通行弱者を専用通路に案内することができるとともに、通行弱者に配慮した案内を実施することができる。
【0022】
本発明の他の局面に係る自動改札方法は、自動改札機を利用する利用者を撮像した撮像画像を取得する画像取得ステップと、前記画像取得ステップにより取得される前記撮像画像に通行弱者の画像が含まれるか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにより前記撮像画像に前記通行弱者の画像が含まれると判定された場合に、前記通行弱者が利用しようとする改札通路である利用対象通路を特定する特定ステップと、前記特定ステップにより特定される前記利用対象通路に対して、前記通行弱者が通行する方向である第1方向の利用を許可し、前記第1方向とは反対方向である第2方向の利用を禁止する設定ステップと、を含む。
【0023】
本発明の他の局面に係るプログラムは、自動改札機を利用する利用者を撮像した撮像画像を取得する画像取得ステップと、前記画像取得ステップにより取得される前記撮像画像に通行弱者の画像が含まれるか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにより前記撮像画像に前記通行弱者の画像が含まれると判定された場合に、前記通行弱者が利用しようとする改札通路である利用対象通路を特定する特定ステップと、前記特定ステップにより特定される前記利用対象通路に対して、前記通行弱者が通行する方向である第1方向の利用を許可し、前記第1方向とは反対方向である第2方向の利用を禁止する設定ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、通行弱者が安心して自動改札機を利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明の実施形態に係る駅務システムの各装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る自動改札機の一例を示す斜視図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る自動改札機の他の例を示す斜視図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る駅務システムで利用される利用設定情報DBの一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る自動改札機を利用する通行弱者の利用態様の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る自動改札機を利用する通行弱者の利用態様の他の例を示す図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る自動改札機を利用する通行弱者の利用態様の他の例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る自動改札機で実行される通路設定処理の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、本発明の実施形態に係る自動改札機を利用する通行弱者の利用態様の他の例を示す図である。
図10図10は、本発明の実施形態に係る自動改札機を利用する通行弱者の利用態様の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0027】
[駅務システム100]
図1に示すように、本発明の実施形態に係る駅務システム100は、自動改札機1及び駅サーバ2を含む。駅務システム100は、本発明の自動改札システムの一例であり、自動改札機1は、本発明の自動改札機の一例である。駅務システム100は、1つの駅に対応して設けられてもよいし、複数の駅に対応して設けられてもよい。1つの駅には、自動改札機1、駅サーバ2、券売機(不図示)、精算機(不図示)、及び、駅員が使用する駅員端末(不図示)等の駅務機器が設置されている。これら駅務機器は、LAN等のネットワークN1を介して互いに通信可能に接続されている。また、駅サーバ2は、専用回線、公衆回線等のネットワークを介して、鉄道事業者(鉄道会社)が管理するサーバ装置であるセンタ装置(図示せず)に通信可能に接続されてもよい。
【0028】
自動改札機1は、駅の改札口に設置されている。図1では、2台の自動改札機1A,1Bを示しているが、自動改札機1の数は限定されない。また自動改札機1は1台又は複数台で双方向に利用可能な双方向型の自動改札機を構成する。例えば図2に示すように、互い対向して配置された2台の自動改札機1A,1Bの間に改札通路6を形成することにより、自動改札機1Aは入場用の自動改札機として機能し、自動改札機1Bは出場用の自動改札機として機能する。すなわち、自動改札機1A,1Bは、双方向型の自動改札機として機能する。
【0029】
具体的には、一方の自動改札機1Aは、入場時の進行方向(矢印D10の方向)に沿って前記改札口から改札内に入場する利用者に対して改札処理(入場改札処理)を行う入場用自動改札機として機能する。他方の自動改札機1Bは、出場時の進行方向(矢印D11の方向)に沿って前記改札口から前記改札口の外側の改札外へ出場する利用者に対して改札処理(出場改札処理)を行う出場用自動改札機として機能する。
【0030】
図3には、複数の改札通路6を形成する双方向型の自動改札機を示している。図3では、自動改札機1A及び自動改札機1Bにより双方向に利用可能な改札通路L1が形成され、自動改札機1C及び自動改札機1Dにより双方向に利用可能な改札通路L2が形成され、自動改札機1E及び自動改札機1Fにより双方向に利用可能な改札通路L3が形成されている。自動改札機1A,1C,1Eは入場用自動改札機として機能し、自動改札機1B,1D,1Fは出場用自動改札機として機能する。通常、各自動改札機1は利用者の利用を受け付け可能な状態に設定されており、利用者は各改札通路を双方向に利用可能である。
【0031】
以下、駅務システム100を構成する自動改札機1及び駅サーバ2の具体的な構成について説明する。
【0032】
[自動改札機1]
図1には、自動改札機1の機能ブロックを示し、図2には、1つの改札通路6を形成する自動改札機1の外観を示している。自動改札機1は、駅の改札口に設置され、前記改札口を通る利用者に対して改札処理を行う。例えば図2に示すように、自動改札機1A,1Bは、互いに対向するように設置されて、両者の間に形成される改札通路6を双方向に利用可能な双方向型の自動改札機として機能する。
【0033】
図1及び図2に示すように、自動改札機1は、制御部11と、記憶部12と、表示部13と、通信部14と、ゲート15と、読取部16と、撮像部17とを備えており、これらが自動改札機1の筐体10(図2参照)に設けられている。
【0034】
記憶部12は、各種の情報を記憶するHDD又はSSDなどを含む不揮発性の記憶媒体である。なお、本実施形態では、記憶部12が自動改札機1に設けられた構成を例示するが、例えば、記憶部12内の各種情報の一部又は全部が、ネットワークN1などを通じて自動改札機1とデータ通信可能な他のサーバ装置、ネットワーク接続可能な記憶装置などの外部装置に記憶されていてもよい。記憶部12には、各種制御処理、自動改札機1で実行される各種処理などを制御部11に実行させるための制御プログラム、前記各種処理に用いられる各種のデータが記憶されている。
【0035】
表示部13は、制御部11からの指示に従って、改札通路6を通行する利用者に対してメッセージを表示する。表示部13は、例えば、液晶パネルを有している。図2に示すように、表示部13は、自動改札機1の筐体10の上面に配置されている。詳細には、表示部13は、筐体10の上面において、改札通路6(図2参照)における利用者の進行方向(矢印D10又は矢印D11の方向)の前方側に配置されている。本実施形態では、表示部13は、入場又は出場に用いられるゲート15と概ね同じ位置か、或いは、ゲート15よりも前記進行方向の前方側に配置されている。利用者の通行が許可される場合、表示部13には、利用者に通行可能であることを示すメッセージが表示される。また、利用者の通行が許可されない場合、表示部13には、利用者に通行不可(禁止)であることを示すメッセージが表示される。なお、自動改札機1が出場用として用いられる場合は、表示部13には、例えば、運賃が不足していることを示すメッセージが表示されてもよい。
【0036】
通信部14は、自動改札機1を有線又は無線でネットワークN1に接続し、ネットワークN1を介して駅サーバ2などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0037】
ゲート15は、自動改札機1の改札通路6において前記進行方向の前方側の出口の付近に設置される。ゲート15は、例えば開閉可能な扉である。ゲート15が開放されると、利用者は自動改札機1の改札通路6を通過することが可能となり、ゲート15が閉鎖されると、利用者は自動改札機1の改札通路6を通過することが不可能となる。なお、ゲート15は、物理的な扉に限られず、例えば、ホログラムを用いた立体画像で現された扉であってもよい。また、ゲート15は、音声により利用者の通過を許可又は禁止する音声ゲートであってもよい。
【0038】
読取部16は、筐体10の上面において、前記進行方向の手前側の端部に設けられ、利用者が所持する乗車券の情報(以下、「乗車券情報」という。)を読み取る。読取部16は、例えばICカード読取部である。読取部16は、ICカード形式の乗車券の情報を読み取る。読取部16により読み取られた乗車券情報は制御部11に送信される。制御部11は乗車券情報に基づいて改札処理を実行する。IC乗車券を利用する利用者は、読取部16にIC乗車券を翳して、改札通路6を通行する。なお、読取部16は、QRコード(登録商標)を含むQR乗車券の情報を読み取るQRコード読取部であってもよい。
【0039】
撮像部17は、利用者を撮像するデジタルカメラなどである。図2に示すように、撮像部17は、筐体10における改札通路6の入口側の前方側面に設けられている。撮像部17は、利用者が改札通路6に進入する前に利用者を撮像する。撮像部17は、自動改札機1の周囲の利用者を所定のフレームレートで撮像し、撮像データを順次、制御部11に送信する。
【0040】
本実施形態に係る駅務システム100は複数の自動改札機1を備えるため、各自動改札機1において、撮像部17による利用者の撮像が行われる。このため、自動改札機1を利用する各利用者は、通行場所に応じて1又は複数の自動改札機1により撮像される。
【0041】
制御部11は、自動改札機1の各部の動作を制御する。制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶媒体である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶媒体であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより自動改札機1を制御する。
【0042】
図1に示すように、制御部11は、通行制御部111、ゲート処理部112、撮像処理部113、通知処理部114などの各種処理部を含む。尚、制御部11は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。尚、前記制御プログラムは、複数のプロセッサを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0043】
通行制御部111は、読取部16により読み取られた乗車券情報(例えばIC乗車券情報)を取得する。前記IC乗車券情報には、IC乗車券の発行日及び有効期限、チャージされている金額(残金)、ユーザーIDなどの情報が含まれている。また、前記IC乗車券にはIC定期券が含まれ、当該IC定期券の場合の前記IC乗車券情報には、IC定期券の発行日及び有効期限、乗車区間、ユーザーIDなどの情報が含まれている。通行制御部111は、前記IC乗車券情報に基づいて、前記IC乗車券を認証する処理を行う。
【0044】
また通行制御部111は、前記IC乗車券が認証された場合に前記IC乗車券情報に改札記録(例えば、入場記録、出場記録など)を含む改札情報を付与してIC乗車券情報を更新する。例えば、出場用の自動改札機1において、通行制御部111は、IC乗車券にチャージされている金額から所定の金額(運賃)を減額し、減額された残りの金額(残金)をIC乗車券の情報保持部に書き込む。また、通行制御部111は、IC乗車券の入場記録及び出場記録の情報等を付与する。このように、通行制御部111は、IC乗車券情報を取得する機能と、IC乗車券情報に改札情報を付与する機能とを有する。なお、通行制御部111は、QR乗車券又は磁気乗車券など、他の媒体により認証処理を行ってもよい。
【0045】
また、通行制御部111は、前記認証処理の結果に基づいて、自動改札機1を利用する利用者の通過を制御する。具体的には、通行制御部111は、前記乗車券が有効であると判定された場合に、利用者が改札通路6を通行することを許可し、前記乗車券が無効であると判定された場合に、利用者が改札通路6を通行することを禁止する。
【0046】
ここで、通行制御部111は、利用者が所定位置を通過する前に前記認証処理を行う。前記所定位置は、例えば改札通路6の途中位置に設定されており、前記所定位置には、利用者の通過を検知するセンサ(不図示)が設けられている。これにより、通行制御部111は、前記乗車券情報を取得する前に前記センサにより利用者が検知された場合には、利用者が改札通路6を通行することを禁止する。
【0047】
また、通行制御部111は、駅サーバ2から取得する設定情報(後述)に基づいて、改札通路6の利用を許可又は禁止する。具体的には、通行制御部111は、駅サーバ2から改札通路6の利用を許可する設定情報(利用許可情報)を取得した場合に、改札通路6の利用を許可し、駅サーバ2から改札通路6の利用を禁止する設定情報(利用禁止情報)を取得した場合に、改札通路6の利用を禁止する。例えば、通行制御部111は、前記利用許可情報を取得すると、自動改札機1を有効な状態に設定して、前記乗車券情報を取得した場合に前記乗車券の認証処理を行い利用者の改札通路6の通行を許可する。一方、通行制御部111は、前記利用禁止情報を取得すると、自動改札機1を無効な状態に設定して、前記乗車券情報を取得した場合に前記乗車券の認証処理を行わずに利用者の改札通路6の通行を禁止する。
【0048】
ここで、詳細は後述するが、例えば、駅サーバ2は前記利用許可情報を自動改札機1A及び自動改札機1Bに送信することにより、改札通路L1(図3参照)を双方向に利用可能な改札通路(入出場用通路)に設定する。また例えば、駅サーバ2は前記利用禁止情報を自動改札機1Cに送信し、前記利用許可情報を自動改札機1Dに送信することにより、改札通路L2(図3参照)を出場用の改札通路(出場専用通路)に設定する。また例えば、駅サーバ2は前記利用許可情報を自動改札機1Eに送信し、前記利用禁止情報を自動改札機1Fに送信することにより、改札通路L3(図3参照)を入場用の改札通路(入場専用通路)に設定する。
【0049】
ゲート処理部112は、ゲート15の動作(開閉など)を制御する。例えば、通行制御部111により改札通路6における利用者の通行が許可された場合、ゲート処理部112は、ゲート15を開放する。一方、通行制御部111により改札通路6における利用者の通行が禁止された場合、ゲート処理部112は、ゲート15を閉鎖する。
【0050】
撮像処理部113は、撮像部17により撮像される利用者の撮像画像に対応する撮像データを取得し、当該撮像データを駅サーバ2に送信する。また撮像処理部113は、前記撮像データに自動改札機1の識別情報と撮像日時の情報とを付与し、これら情報を含む前記撮像データを駅サーバ2に送信する。
【0051】
通知処理部114は、改札通路6を通行する利用者に対する前記各メッセージを出力する。例えば、通知処理部114は、前記各メッセージを、表示部13に表示させてもよいし、スピーカー(不図示)から音声を出力させてもよい。
【0052】
[駅サーバ2]
駅サーバ2は、駅に設置される複数の自動改札機1を管理するサーバ装置である。駅サーバ2は、駅に設置されてもよいし、駅の外部に設置されてもよい。
【0053】
図1に示すように、駅サーバ2は、制御部21と、記憶部22と、操作表示部23と、通信部24とを備えている。
【0054】
通信部24は、駅サーバ2を有線又は無線でネットワークN1に接続し、ネットワークN1を介して自動改札機1などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0055】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。操作表示部23は、主に駅サーバ2の管理者により操作される。
【0056】
記憶部22は、各種の情報を記憶するHDD又はSSDなどを含む不揮発性の記憶媒体である。なお、本実施形態では、記憶部22が駅サーバ2に設けられた構成を例示するが、例えば、記憶部22内の各種情報の一部又は全部が、ネットワークN1などを通じて駅サーバ2とデータ通信可能な他のサーバ装置、ネットワーク接続可能な記憶装置などの外部装置に記憶されていてもよい。具体的に、記憶部22は、撮像データ格納部221及び利用設定情報データベース(以下、「利用設定情報DB」という。)222を含む。撮像データ格納部221は、駅に設置された複数の自動改札機1のそれぞれから制御部21(画像取得部211)が取得する前記撮像データを格納する。
【0057】
図4は利用設定情報DB222の一例を示す図である。利用設定情報DB222には、複数の自動改札機1のそれぞれに対応する改札通路6について、利用者の利用を許可する設定情報(利用許可情報)、又は、利用者の利用を禁止する設定情報(利用禁止情報)が登録される。具体的には、利用設定情報DB222には、改札機ID、通路番号、画像情報、及び利用設定情報が登録される。前記改札機IDは、自動改札機1の識別情報である。「ID_1A」は図3に示す自動改札機1Aを示し、「ID_1B」は図3に示す自動改札機1Bを示し、「ID_1C」は図3に示す自動改札機1Cを示し、「ID_1D」は図3に示す自動改札機1Dを示し、「ID_1E」は図3に示す自動改札機1Eを示し、「ID_1F」は図3に示す自動改札機1Fを示している。前記通路番号は、改札通路6の識別情報を示している。「L1」は図3に示す改札通路L1を示し、「L2」は図3に示す改札通路L2を示し、「L3」は図3に示す改札通路L3を示している。各自動改札機1には1つの改札通路6の識別情報が関連付けられている。互いに対向して配置されて双方向型の自動改札機を実現する2台の自動改札機1には、同一の改札通路6の識別情報が関連付けられる。
【0058】
前記画像情報は、前記撮像画像の識別情報であり、撮像データ格納部221に格納される前記撮像データと関連付けられる。ここで、利用設定情報DB222には、特定の利用者の撮像画像の撮像データに対応する画像情報が登録される。前記特定の利用者は、視覚障碍者、車椅子利用者、妊婦、高齢者などの通行弱者である。また、利用設定情報DB222には、同一人物の前記画像情報が登録されてもよい。例えば、図4に示す例では、通行弱者である利用者U1の撮像画像Pc及び撮像画像Peの画像情報が登録されている。なお、撮像画像Pcは、自動改札機1Cで撮像された画像であることを示し、撮像画像Peは、自動改札機1Eで撮像された画像であることを示している。
【0059】
前記利用設定情報は、自動改札機1に対応する改札通路6に対する利用者の利用を許可する設定情報(利用許可情報)、又は、利用者の利用を禁止する設定情報(利用禁止情報)である。図4に示す例では、入場用の自動改札機1Aに対応する改札通路L1に対して「許可」が設定され、出場用の自動改札機1Bに対応する改札通路L1に対して「許可」が設定されている。このため、改札通路L1は、双方向で利用可能な通路(入出場用通路)に設定される。同様に、入場用の自動改札機1Cに対応する改札通路L2に対して「許可」が設定され、出場用の自動改札機1Dに対応する改札通路L2に対して「許可」が設定されている。このため、改札通路L2は、双方向で利用可能な通路(入出場用通路)に設定される。一方、入場用の自動改札機1Eに対応する改札通路L3に対して「許可」が設定され、出場用の自動改札機1Fに対応する改札通路L3に対して「禁止」が設定されている。このため、改札通路L3は、一方向(入場時の進行方向D10)でのみ利用可能な通路(入場専用通路)に設定される。
【0060】
さらに、記憶部22には、制御部21に後述の通路設定処理(図8参照)を実行させるための通路設定プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記通路設定プログラムは、USB、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、駅サーバ2に電気的に接続されるUSBドライブ、CDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。また、前記通路設定プログラムは、駅サーバ2からアクセス可能な外部サーバからダウンロードされて、記憶部22に記憶されてもよい。
【0061】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより駅サーバ2を制御する。
【0062】
具体的に、制御部21は、図1に示されるように、画像取得部211、判定処理部212、特定処理部213、設定処理部214、通知処理部215などの各種の処理部を含む。なお、制御部21は、前記CPUで前記通路設定プログラムに従った各種の処理を実行することによって、画像取得部211、判定処理部212、特定処理部213、設定処理部214、通知処理部215として機能する。また、制御部21に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記通路設定プログラムは、複数のプロセッサを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0063】
画像取得部211は、駅に設置された複数の自動改札機1のそれぞれから前記撮像データを取得する。画像取得部211は、例えば、前記撮像データに付与された自動改札機1の識別情報に基づいて、前記撮像データを当該識別情報ごとに分類して撮像データ格納部221に格納する。また画像取得部211は、前記撮像データに付与された撮像日時の情報に基づいて、前記撮像データを時系列に並べて撮像データ格納部221に格納する。
【0064】
判定処理部212は、撮像データ格納部221に格納された複数の撮像データに対して画像解析を行い、通行弱者に対応する撮像データを抽出する。例えば、判定処理部212は、前記撮像データの撮像画像に杖、車椅子、ベビーカーなどの特定の画像が含まれるか否かを判定し、前記撮像画像に前記特定の画像が含まれる場合に当該撮像データを通行弱者の画像を含む撮像データであると判定する。また例えば、判定処理部212は、前記撮像データの撮像画像から顔画像を抽出し、当該顔画像の特徴量に基づいて当該顔画像が高齢者であるか否かを判定し、高齢者である場合に当該撮像データを通行弱者の画像を含む撮像データであると判定する。
【0065】
また判定処理部212は、前記撮像画像に通行弱者の画像が含まれる場合に、当該撮像画像の識別情報を利用設定情報DB222(図4参照)に登録する。
【0066】
特定処理部213は、判定処理部212により判定及び抽出された通行弱者の撮像データに付与された自動改札機1の識別情報に基づいて、前記通行弱者が利用しようとする改札通路である利用対象通路を特定する。
【0067】
例えば、図5に示すように、通行弱者である利用者U1が自動改札機1E付近にいる場合において、同時刻に自動改札機1A,1B,1C,1D,1E,1Fのそれぞれにおいて撮像された複数の撮像データのうち、自動改札機1Eにおいて撮像された撮像データにのみ利用者U1の撮像画像が含まれる場合には、特定処理部213は、自動改札機1Eに対応する改札通路L3を、利用者U1が利用しようとする前記利用対象通路として特定する。
【0068】
また例えば、図6に示すように、通行弱者である利用者U1が自動改札機1C,1E付近にいる場合において、同時刻に自動改札機1A,1B,1C,1D,1E,1Fのそれぞれにおいて撮像された複数の撮像データのうち、自動改札機1C,1Eにおいて撮像された撮像データに利用者U1の撮像画像が含まれる場合には、特定処理部213は、自動改札機1Cに対応する改札通路L2と、自動改札機1Eに対応する改札通路L3とを、前記利用対象通路として特定する。
【0069】
ここで、図6に示すように、通行弱者の撮像画像が含まれる複数の撮像データが存在する場合に、特定処理部213は、通行弱者が利用する可能性が最も高い改札通路6を前記利用対象通路として特定してもよい。例えば、図6に示す例において、特定処理部213は、図7に示すように、自動改札機1Cで撮像された撮像画像Pcと、自動改札機1Eで撮像された撮像画像Peとを比較し、前記通行弱者の画像の占める割合が大きい方の撮像画像(ここでは撮像画像Pe)を撮像した自動改札機1(ここでは自動改札機1E)に対応する改札通路L3を、前記利用対象通路として特定する。特定処理部213は、前記通行弱者の画像の占める割合が小さい方の撮像画像(ここでは撮像画像Pc)を撮像した自動改札機1(ここでは自動改札機1C)に対応する改札通路L2を、前記利用対象通路として特定しない。
【0070】
なお、図5又は図6に示すように、通行弱者である利用者U1が自動改札機1A付近にいない場合において、自動改札機1A,1Bにおいて撮像された撮像データに利用者U1の撮像画像が含まれない場合には、特定処理部213は、自動改札機1A,1Bに対応する改札通路L1を、前記利用対象通路として特定しない。
【0071】
設定処理部214は、駅サーバ2が管理する複数の自動改札機1のそれぞれに対応する複数の改札通路6のそれぞれを、双方向で利用可能な通路(入出場用通路)、一方向(入場時の進行方向D10)で利用可能な通路(入場専用通路)、及び一方向(出場時の進行方向D11)で利用可能な通路(出場専用通路)のいずれかに設定する。具体的には、設定処理部214は、複数の自動改札機1のそれぞれに対応する複数の改札通路6のそれぞれに対して、利用者の利用の許可又は利用の禁止を設定する。設定処理部214は、駅サーバ2が管理する複数の自動改札機1のそれぞれに対応する改札通路6に対して、利用者の利用の許可又は利用の禁止を設定する。具体的には、設定処理部214は、特定処理部213により特定された前記利用対象通路の情報に基づいて、複数の自動改札機1のそれぞれに対応する改札通路6に対して、利用者の利用の許可又は利用の禁止を設定し、利用設定情報DB222において、複数の自動改札機1のそれぞれに対応する改札通路6に対して、利用者の利用を許可する設定情報(利用許可情報)、又は、利用者の利用を禁止する設定情報(利用禁止情報)を登録する(図4参照)。
【0072】
図4に示す設定情報は、図7に示す例に対応する。例えば、改札通路L1を形成する自動改札機1A,1Bのそれぞれにおいて撮像された撮像データには通行弱者である利用者U1の画像が含まれないため、特定処理部213は、自動改札機1A,1Bに対応する改札通路L1を、利用者U1が利用しようとする前記利用対象通路として特定しない。この場合、設定処理部214は、自動改札機1A,1Bのそれぞれに対応する改札通路L1を利用許可に設定し、利用許可情報を登録する。すなわち、特定処理部213は、改札通路L1を双方向で利用可能な通路(入出場用通路)に設定する。
【0073】
また例えば、改札通路L2を形成する自動改札機1C、1Dのうち自動改札機1Cおいて撮像された撮像データには利用者U1の画像が含まれ、自動改札機1Cおいて撮像された撮像データには利用者U1の画像が含まれない。ここで、特定処理部213は、図7に示すように、利用者U1の画像の占める割合が小さい撮像画像Pcを撮像した自動改札機1Cに対応する改札通路L2を、前記利用対象通路として特定しない。すなわち、特定処理部213は、自動改札機1C,1Dに対応する改札通路L2を、前記利用対象通路として特定しない。このため、設定処理部214は、自動改札機1C,1Dに対応する改札通路L2を利用許可に設定し、利用許可情報を登録する。すなわち、特定処理部213は、改札通路L2を双方向で利用可能な通路(入出場用通路)に設定する。
【0074】
これに対して、例えば、改札通路L3を形成する自動改札機1E、1Fのうち自動改札機1Eおいて撮像された撮像データには利用者U1の画像が含まれ、自動改札機1Fおいて撮像された撮像データには利用者U1の画像が含まれない。ここで、特定処理部213は、図7に示すように、利用者U1の画像の占める割合が大きい撮像画像Peを撮像した自動改札機1Eに対応する改札通路L3を、前記利用対象通路として特定する。一方、特定処理部213は、自動改札機1Fに対応する改札通路L3を、前記利用対象通路として特定しない。この場合、設定処理部214は、自動改札機1Eに対応する改札通路L3を利用許可に設定して利用許可情報を登録し、自動改札機1Fに対応する改札通路L3を利用禁止に設定して利用禁止情報を登録する。すなわち、特定処理部213は、改札通路L3を一方向(入場時の進行方向D10)でのみ利用可能な通路(入場専用通路)に設定する。
【0075】
このように、設定処理部214は、前記利用対象通路を形成する第1自動改札機及び第2自動改札機のうち、第1方向(進行方向D10)の通行に対する認証処理を行うことが可能な前記第1自動改札機を有効な状態に設定し、第2方向(進行方向D11)の通行に対する認証処理を行うことが可能な前記第2自動改札機を無効な状態に設定する。
【0076】
また、設定処理部214は、通行弱者である利用者U1が専用通路に設定された改札通路6(利用対象通路)を通過した場合に、当該改札通路6を双方向で利用可能な通路(入出場用通路)に切り替える。例えば、設定処理部214は、自動改札機1Eから、利用者U1が改札通路L3を通行することを許可する情報(認証情報)と利用者U1が改札通路L3内の前記センサを通過したことを示す情報(通過情報)とを取得した場合に、利用設定情報DB222において、自動改札機1Fに対応する改札通路L3の利用設定情報を利用禁止から利用許可に変更する。
【0077】
このように、設定処理部214は、前記通行弱者が前記第1自動改札機(例えば自動改札機1E)を通過するまで、前記第2自動改札機(例えば自動改札機1F)の無効な状態を維持し、前記通行弱者が前記第1自動改札機を通過した場合に前記第2自動改札機を有効にする。
【0078】
通知処理部215は、設定処理部214により設定される、複数の自動改札機1に対応する改札通路6のそれぞれに対する利用の許可又は禁止の設定情報を、複数の自動改札機1のそれぞれに通知する。例えば、図4に示す例では、通知処理部215は、利用許可情報を自動改札機1A,1B,1C,1D,1Eに送信し、利用禁止情報を自動改札機1Fに送信する。
【0079】
自動改札機1A,1B,1C,1D,1Eのそれぞれは、上述のように、駅サーバ2から前記利用許可情報を取得すると、改札通路6の利用を許可する。一方、自動改札機1Fは、駅サーバ2から前記利用禁止情報を取得すると、改札通路6の利用を禁止する。これにより、改札通路L1,L2は双方向で利用可能となり、改札通路L3は一方向(入場時の進行方向D10)でのみ利用可能となる。
【0080】
[通路設定処理]
次に、図8を参照しつつ、駅務システム100において実行される通路設定処理について説明する。具体的に、本実施形態では、駅サーバ2の制御部21によって前記通路設定処理が実行される。
【0081】
なお、本発明は、前記通路設定処理に含まれる一又は複数のステップを実行する自動改札方法(通路設定方法)の発明として捉えることができる。また、ここで説明する前記通路設定処理に含まれる一又は複数のステップは適宜省略されてもよい。なお、前記通路設定処理における各ステップは同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部21によって前記通路設定処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、複数のプロセッサによって前記通路設定処理における各ステップが分散して実行される自動改札方法も他の実施形態として考えられる。
【0082】
ここでは、上述した図4に示す例を挙げて前記通路設定処理の手順を説明する。
【0083】
ステップS11において、制御部21は、駅に設置された複数の自動改札機1のそれぞれから、各自動改札機1の周囲の利用者を撮像した前記撮像データを取得する。
【0084】
次にステップS12において、制御部21は、前記撮像データの撮像画像に通行弱者の画像が含まれるか否かを判定する。前記撮像データの撮像画像に前記通行弱者の画像が含まれると判定された場合に(S12:YES)、処理はステップS13に移行する。一方、前記撮像データの撮像画像に前記通行弱者の画像が含まれないと判定された場合に(S12:NO)、処理はステップS16に移行する。
【0085】
ステップS13において、制御部21は、前記通行弱者の画像を含む撮像データに付与された自動改札機1の識別情報に基づいて、前記通行弱者が利用しようとする改札通路(利用対象通路)を特定する。
【0086】
次にステップS14において、制御部21は、前記利用対象通路を専用通路に設定する。具体的には、制御部21は、前記利用対象通路を形成する2台の自動改札機1のうち、前記通行弱者の画像を含む撮像データに付与された自動改札機1を利用許可に設定し、当該自動改札機1に対向する他方の自動改札機1を利用禁止に設定する(図4参照)。
【0087】
図4に示す例では、制御部21は、前記通行弱者の画像を含む撮像データ(撮像画像Pe)に付与された自動改札機1Eを利用許可に設定し、自動改札機1Eに対向する他方の自動改札機1Fを利用禁止に設定する。
【0088】
次にステップS15において、制御部21は、前記通行弱者が前記利用対象通路を通過したか否かを判定する。前記通行弱者が前記利用対象通路を通過したと判定された場合に(S15:YES)、処理はステップS16に移行する。制御部21は、前記通行弱者が前記利用対象通路を通過したと判定するまで判定処理を繰り返す(S15:NO)。例えば、制御部21は、前記通行弱者が自動改札機1Eを利用して改札通路L3を通過したと判定するまで判定処理を繰り返す。
【0089】
ステップS16において、制御部21は、専用通路に設定した前記利用対象通路を双方向に利用可能な通路(入出場用通路)に切り替える。以上の手順で前記通路設定処理が実行される。
【0090】
以上説明したように、本実施形態に係る駅務システム100では、通行弱者を検知した場合に、当該通行弱者が利用しようとする改札通路を特定し、当該改札通路を前記通行弱者の通行方向に限定した専用通路に設定する。すなわち、前記改札通路について、前記通行弱者の通行方向とは反対方向からの利用を禁止する。これにより、通行弱者が改札通路を利用しようとしたときに、利用が禁止されたり、反対方向から改札通路に進入してきた利用者と接触したりすることを防ぐことができる。よって、通行弱者が安心して自動改札機を利用することが可能となる。
【0091】
なお、駅務システム100は、通行弱者が利用しようとする改札通路(前記利用対象通路)と、前記利用対象通路に隣接する1又は複数の改札通路6とを前記専用通路に設定してもよい。また複数の改札通路6を前記専用通路に設定した場合には、通行弱者がいずれかの前記専用通路を通過した時点では、全ての前記専用通路を通常の通路(例えば入出場用通路)に切り替えてもよい。
【0092】
また、駅務システム100は、前記専用通路に設定した改札通路6に隣接する両側の改札通路6を双方向で利用禁止に設定してもよい。これにより、通行弱者の傍で同一方向に通行する利用者による自動改札機1の利用を禁止することができるため、通行弱者の通行の安全を確保することができる。
【0093】
本発明は上述の実施形態に限定されず、以下の変形例に示す形態であってもよい。
【0094】
[変形例1]
駅務システム100の他の実施形態として、例えば、各自動改札機1は撮像部17を備えていなくてもよい。この場合、駅務システム100では、少なくとも一つの撮像部(カメラ)が駅構内に設けられ、当該撮像部が、駅に設置された複数の自動改札機1と、各自動改札機1の周囲の利用者とを撮像する。なお、前記撮像部は、駅に既設のカメラであってもよい。
【0095】
この構成では、画像取得部211は、前記撮像部から撮像データを取得する。また判定処理部212は、前記撮像部の撮像画像に通行弱者の画像が含まれると判定した場合に、さらに、前記通行弱者の画像が含まれる前記撮像画像に基づいて、前記通行弱者の移動方向を判定する。そして、特定処理部213は、判定処理部212により判定される前記移動方向に基づいて、前記利用対象通路を特定する。例えば、特定処理部213は、前記移動方向の延長線上に位置する改札通路6を前記利用対象通路として特定する。
【0096】
なお、特定処理部213は、以下の方法により前記利用対象通路を特定してもよい。例えば、特定処理部213は、通行弱者の画像を含む撮像画像に基づいて、前記通行弱者の位置に最も近い改札通路6を前記利用対象通路として特定する。
【0097】
また例えば、特定処理部213は、図9に示すように、自動改札機1A,1B,1C,1D,1E,1Fが並ぶ方向に直交する位置の利用者U1を基準として、改札通路L1,L2,L3に向かう方向の角度R1,R2,R3を測定する。そして、特定処理部213は、前記角度が最も小さくなる改札通路6(ここでは角度R2の改札通路L2)を前記利用対象通路として特定する。
【0098】
また例えば、特定処理部213は、前記撮像データに基づいて利用者U1の進行方向を特定し、当該進行方向の改札通路6と、当該進行方向の角度よりも鋭角となる改札通路6とを前記利用対象通路として特定する。例えば、図9に示す例において、利用者U1の進行方向が改札通路L3に向かう方向である場合、特定処理部213は、改札通路L3と、前記進行方向の角度よりも鋭角となる改札通路L2とを前記利用対象通路として特定する。これにより、利用者U1が利用する可能性がある複数の改札通路6を専用通路に設定することができる。
【0099】
[変形例2]
また駅務システム100の他の実施形態として、例えば、駅サーバ2の制御部21(判定処理部212)は、複数の自動改札機1の周囲の混雑状況を判定し、制御部21(設定処理部214)は、前記混雑状況に基づいて、複数の改札通路6のうち前記利用対象通路に隣接する少なくとも一つの改札通路6の利用を許可又は禁止する。具体的には、設定処理部214は、前記利用対象通路に対して前記通行弱者の位置とは反対側の所定の領域において、判定処理部212により判定される前記混雑状況を表す利用者数が閾値を超える場合に、前記少なくとも一つの改札通路6に対して、前記利用対象通路と同一の通路設定を行う。
【0100】
例えば、図10に示すように、前記利用対象通路(例えば改札通路L3)に対して前記通行弱者の位置とは反対側の所定の領域ARにおいて、利用者数が閾値を超える場合に、改札通路L2に対して、一方向(入場時の進行方向D10)の利用を許可し、逆方向(出場時の進行方向D11)の利用を禁止する。これにより、通行弱者(利用者U1)と他の利用者U2~U4とが接触することを確実に防ぐことができるため、通行弱者がより安心して自動改札機1を利用することが可能となる。
【0101】
一方、前記所定の領域ARにおいて、利用者数が閾値以下である場合に、改札通路L2に対して、一方向(入場時の進行方向D10)の利用を許可し、逆方向(出場時の進行方向D11)の利用を禁止する構成としてもよい。この場合、利用者数が閾値を超える場合には、改札通路L2に対して、双方向の利用を許可する。これにより、所定の領域ARの他の利用者の通行の流れが妨げられることを防ぐことができる。なお、この場合、通行弱者に対して専用通路が限定されるため、制御部21は、前記専用通路に誘導する音声案内を実行してもよい。
【0102】
また、制御部21は、改札口付近の混雑状況に応じて複数の改札通路6を専用通路に設定してもよい。具体的には、制御部21は、前記混雑状況に応じて、複数の改札通路6を互いに連携させて、複数の改札通路6の通行方向の設定を切り替える。例えば前記所定の領域ARにおいて利用者数が閾値を超える場合には、前記通行弱者が利用する前記利用対象通路以外の複数の改札通路6を逆方向(出場時の進行方向D11)専用の改札通路に設定する。また、前記通行弱者の通行方向と同じ方向に通行する利用者数が閾値を超える場合には、前記通行弱者が利用する前記利用対象通路以外の改札通路6を同一方向(入場時の進行方向D10)専用の改札通路に設定する。これにより、改札口付近の混雑状況に応じて通行弱者及び他の利用者を適切な改札通路6に誘導することができるため、改札口付近の混雑を緩和することができる。
【0103】
なお、制御部21(判定処理部212)は、前記利用者数の代わりに、所定の領域の利用者の人口密度を用いて判定処理を行ってもよい。
【0104】
[変形例3]
また駅務システム100の他の実施形態として、例えば、前記利用対象通路を形成する自動改札機1の制御部11(通知処理部114)は、専用通路に設定したことを表すメッセージを音声出力(音声案内)してもよい。この場合に、他の自動改札機1が、前記専用通路の場所を音声案内してもよい。具体的には、駅サーバ2の制御部21(通知処理部215)が、所定の自動改札機1に前記音声案内の指示を行う。自動改札機1は、前記指示を取得すると前記音声案内を実行する。
【0105】
また例えば、自動改札機1は、前記通行弱者の移動速度に基づいて前記音声案内を実施してもよい。具体的には、駅サーバ2の制御部21(判定処理部212)が、撮像画像に通行弱者の画像が含まれると判定した場合に、さらに、前記通行弱者の画像が含まれる前記撮像画像に基づいて、前記通行弱者の移動速度を判定する。そして、制御部21(通知処理部215)は、前記移動速度が閾値以下の場合に前記音声案内の指示を、前記利用対象通路を形成する自動改札機1に送信する。また制御部21(通知処理部215)は、前記移動速度が閾値を超える場合には前記音声案内の指示を送信しない。自動改札機1は、前記指示を取得すると前記音声案内を実行する。このように、移動速度が比較的遅い通行弱者に対しては、自動改札機1の利用に不慣れな可能性があるため音声案内を実行する。一方、移動速度が比較的速い通行弱者に対しては、音声案内が煩わしくなる可能性があるため音声案内を省略する。これにより、通行弱者に配慮した案内を実施することができる。
【0106】
本発明の自動改札システム(駅務システム)は、上述の各実施形態に示したように駅サーバ2及び自動改札機1により構成されてもよいし、駅サーバ2のみで構成されてもよい。また、本発明の駅務システムは、自動改札機1のみで構成されてもよい。この構成では、各自動改札機1が、駅サーバ2の制御部21の各処理部を備える。また、本発明の自動改札機は、双方向に利用可能な1台の自動改札機1で構成されてもよい。
【0107】
なお、本発明の自動改札システムは、駅に限定されず、空港、店舗など自動改札機を備える施設に適用することができる。
【符号の説明】
【0108】
1 :自動改札機
2 :駅サーバ
6 :改札通路
11 :制御部
12 :記憶部
13 :表示部
14 :通信部
15 :ゲート
16 :読取部
17 :撮像部
21 :制御部
22 :記憶部
23 :操作表示部
24 :通信部
100 :駅務システム
111 :通行制御部
112 :ゲート処理部
113 :撮像処理部
114 :通知処理部
211 :画像取得部
212 :判定処理部
213 :特定処理部
214 :設定処理部
215 :通知処理部
図1
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