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  • 特許-家庭用精米機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】家庭用精米機
(51)【国際特許分類】
   B02B 5/02 20060101AFI20220928BHJP
   B02B 3/08 20060101ALI20220928BHJP
   B02B 7/00 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
B02B5/02 A
B02B3/08 101A
B02B7/00 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018247819
(22)【出願日】2018-12-28
(65)【公開番号】P2020104081
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(72)【発明者】
【氏名】川口 直子
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-188391(JP,A)
【文献】登録実用新案第3237080(JP,U)
【文献】特開平1-199652(JP,A)
【文献】特開2002-66352(JP,A)
【文献】特開2016-77962(JP,A)
【文献】特開2014-226584(JP,A)
【文献】特開2004-329990(JP,A)
【文献】特開2005-224683(JP,A)
【文献】特開2015-85209(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02B 5/02
B02B 3/08
B02B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
精米機本体内に設けた円筒状の内枠内に集糠容器を嵌脱可能に収容するとともに前記集糠容器内に精米容器を嵌脱可能に収容し、前記精米機本体には前記精米容器の開放上部を被覆する蓋を設ける一方、前記精米容器の底部中央に精米翼を立設し、前記精米機本体内には前記精米翼を駆動させる駆動手段を内蔵してなる家庭用精米機において、
前記集糠容器を加熱する加熱手段を前記内枠の周壁に設けるとともに、前記集糠容器内から前記精米容器及び前記精米翼を取り外した状態で、前記集糠容器の底部中央に撹拌翼を装着して前記駆動手段により駆動可能としたことを特徴とする家庭用精米機。
【請求項2】
前記加熱手段を前記内枠の周壁に加えて底壁に設けてなる請求項1の家庭用精米機。
【請求項3】
前記精米機本体上面に前記駆動手段を駆動させる操作部を設けるとともに該操作部に接続して前記加熱手段を制御する制御部を設け、該制御部によって前記撹拌翼が間欠作動するよう制御してなる請求項1又は2の家庭用精米機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は家庭用精米機に係り、特に、糠の焙煎機能を備えた家庭用精米機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家庭の台所等で使用する、いわゆる、家庭用精米機が特許文献1等で周知である。
この種の家庭用精米機は、モータ等を内蔵した本体内部に集糠容器を嵌脱可能に収容するとともに前記集糠容器内に嵌脱可能に精米容器を収容し、除糠用多孔壁(スクリーン)を備えた前記精米容器の底部中央には前記モータによって高速回転する精米翼を立設してなり、前記精米容器内に投入した玄米を前記精米翼で撹拌させることによって玄米が前記スクリーンに接触することで精白作用を生じるものである。
【0003】
前記精米容器のスクリーンから漏出する糠は前記集糠容器内に溜まり、精米終了後に、前記精米容器及び集糠容器を順に前記精米機本体から取り出して、前記集糠容器内に溜まった糠を機外へ排出する。
ところで、栄養価に富んだ精米直後の米糠の有効利用の一つとして、米糠を焙煎して煎り糠とし、これを糠床に用いることなどが行われる。通常、米糠の焙煎は、75℃程度に熱したフライパンに投入した米糠を、へらで3分程度かき混ぜながら乾煎りするが、混ぜ方が均等でないと糠が焦げるし、また、糠が周囲へこぼれてしまうことがあり、面倒であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008‐207148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記問題点にかんがみ、精米直後の米糠を容易に焙煎することのできる家庭用精米機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
精米機本体内に設けた円筒状の内枠内に集糠容器を嵌脱可能に収容するとともに前記集糠容器内に精米容器を嵌脱可能に収容し、前記精米機本体には前記精米容器の開放上部を被覆する蓋を設ける一方、前記精米容器の底部中央に精米翼を立設し、前記精米機本体内には前記精米翼を駆動させる駆動手段を内蔵してなる家庭用精米機において、
前記集糠容器を加熱する加熱手段を前記内枠の周壁に設けるとともに、前記集糠容器内から前記精米容器及び前記精米翼を取り外した状態で、前記集糠容器の底部中央に撹拌翼を装着して前記駆動手段により駆動可能としたことを特徴とする。
【0007】
前記加熱手段を前記内枠の周壁に加えて底壁に設けるとよい。
【0008】
前記撹拌翼を間欠的に作動するよう制御するとよい。
【発明の効果】
【0009】
精米時に発生した米糠を集糠容器内でそのまま撹拌しながら焙煎できるので、周囲に糠をこぼすこともなく、焦げのない煎り糠を容易に得ることができる。
【0010】
撹拌翼を間欠的に回動するよう制御することにより、糠を焦がすことなく焙煎することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態による家庭用精米機の斜視図である。
図2】前記家庭用精米機の断面図である。
図3】撹拌翼の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の実施の形態による家庭用精米機1を図1及び図2に基づいて説明する。
該家庭用精米機1の本体は略箱形の樹脂により形成され、該本体一側(後方)寄りに円筒状の内枠2を設けるとともに該内枠2の上部開口2aを被覆する蓋3を設け、同他側(前方)寄り上面に操作パネル4を配置する。前記蓋3の一側は、前記本体一側部に設けたヒンジ5を中心に開閉可能に形成されるとともに、前記蓋3の他側は、前記操作パネル4寄りに設けた係合部6によって係脱可能に設けられる。また、前記操作パネル4はタッチパネルからなり、運転開始/停止スイッチ、精米度設定スイッチ、精米量設定スイッチなどが適宜、配置される(図示せず)。
【0013】
前記家庭用精米機1の本体内部であって操作パネル4の下方には底板9に固定して駆動モータ7を設ける一方、前記内枠2の下方には前記底板9に挿通して回転軸8が立設され、前記底板9の下方には、前記モータ7のモータ軸7a下端に軸着したモータプーリ10と、前記回転軸8下端に軸着した受動プーリ11とを臨ませ、これらのプーリ10,11間に駆動ベルト12を掛け渡す。
【0014】
前記回転軸8の上部はクラッチ部13に接続される。すなわち、前記内枠2の底部中央に設けたクラッチ用開口部2bに臨ませた前記回転軸8の上端部に、前記クラッチ部13を形成する下部クラッチ爪13aを軸着する。前記下部クラッチ爪13aはディスクに複数の爪を植設して形成される。前記下部クラッチ爪13aに噛み合うように上方から上部クラッチ爪13bが配置される。前記上部クラッチ爪13bにもディスクに下向きに複数の爪を植設してあり、該上部クラッチ爪13bと前記下部クラッチ爪13aとを噛み合わせてクラッチ部13を形成する。前記上部クラッチ爪13bは、後述する精米容器15の底部中央に回転可能に立設する竪軸16(図1参照)の下端部に設けられ、前記精米容器15を後述する集糠容器14とともに前記内枠2内に嵌入したとき前記下部クラッチ爪13aと噛み合うように構成されている。
【0015】
前記内枠2の底部は防振台座17を介して前記底板9に支持される。また、前記内枠2はアルミ製となし、その外周面の少なくとも下半分にはアルミホイルヒータからなるヒータ部18を周設する。前記ヒータ部18は、前記内枠2の底部に設けることもできる。
前記内枠2には上部を開口したアルミ製の集糠容器14を収納する。前記集糠容器14は略気密状に前記内枠2内に嵌入される。前記集糠容器14の底部中央には、前記クラッチ部13を囲繞するべく前記底部面を立ち上げて円筒部19(図2参照)を形成する。
【0016】
前記集糠容器14内には精米容器15を収納する。該精米容器15はステンレス製で上半分を円筒状に、下半分を漏斗状にそれぞれ形成し、前記漏斗状の下半分の周面は多孔壁のスクリーン15aとなし、底面15bには竪軸16を回転可能に立設し、底面15bの外部には前記竪軸16に直結する前記上部クラッチ爪13bが設けられる。
前記竪軸16の表面は多角形状に形成するとともに、前記竪軸16に装着する精米翼20の軸部20a内部も前記竪軸16の表面と同形状の多角形状に形成することで前記精米翼20を回り止めしている。
また、前記軸部20aの四方にブレード20bが設けられる。
【0017】
前記集糠容器14を前記内枠2内に収納し、次いで、前記精米容器15底部の竪軸16
に前記精米翼20を装着した後、前記精米容器15を前記集糠容器14内に収納する。こ
のとき、前記精米容器15の底面15b外部が前記内枠2の底部中央に隆起した円筒部1
9の上端部に当接するとともに、前記精米容器15底部の上部クラッチ爪13bが前記ク
ラッチ用開口部2b内の下部クラッチ爪13aと噛み合うことになる。
【0018】
前記操作パネル4に設けた各種スイッチは制御部21に接続され(図2参照)、該制御
部21は、電源基板、CPU基板、I/O回路などを有し、前記I/O回路には前記ヒー
タ部18が接続される。前記ヒータ部18の温度は、140℃、120°といった複数の
中から選択可能とするとともに、前記集糠容器14の適宜位置に設けた温度センサの検出
値によりON/OFF制御するように形成される。
【0019】
次に、図2及び図3に基づいて撹拌翼30について説明する。該撹拌翼30は、下方を
開口した円筒形状の回転盤31と該回転盤31の周壁に対称的に設けた一対の撹拌羽根3
2を有し、前記回転盤31の内部には前記上部クラッチ爪13bを内設する。前記上部ク
ラッチ爪13bは、該上部クラッチ爪13bの中心部と前記回転盤31の中心部とを貫通
する連結ピン33によって前記回転盤31の内部に吊設される。なお、前記連結ピン33
の上端部は前記回転盤31の上面から突出させることで、該撹拌翼30を前記集糠容器1
4の底部に装着する際につまみとすることができる。前記一対の撹拌羽根32は前記集糠
容器14の底部に沿って回転しながら糠を撹拌するため、その形状は前記底部の底面、隅
部及び周面に近接するように形成され、材質は樹脂製又はステンレス製とする。
【0020】
精米運転を終了した後、前記精米容器15を前記内枠2から抜き出すとともに、前記撹
拌翼30の上部クラッチ爪13bを前記内枠2底部中央のクラッチ用開口部2b内の下部
クラッチ爪13aと噛み合わせるべく装着し、操作パネル4の「糠焙煎」スイッチをON
すると、前記ヒータ部18が加熱するとともに前記撹拌翼30が回転を開始する。前記ヒ
ータ部18は、前述したように所定の温度となるようON/OFFを繰り返す。また、前
記撹拌翼30は、前記精米翼20の回転数に比してはるかに低速回転とするが、例えば、
10分ごとに3秒間回転すべく間欠的に作動するよう制御する。さらに、精米時の玄米の
精米量設定値に基づいて焙煎時間を設定し、自動停止するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、家庭用精米機で生じる米糠をそのまま焙煎できるので有用である。
【符号の説明】
【0022】
1 家庭用精米機
2 内枠
3 蓋
4 操作パネル
5 ヒンジ
6 係合部
7 モータ
8 回転軸
9 底板
10 モータプーリ
11 受動プーリ
12 駆動ベルト
13 クラッチ部
14 集糠容器
15 精米容器
16 竪軸
17 防振台座
18 ヒータ部
19 円筒部
20 精米翼
30 撹拌翼
31 回転盤
32 撹拌羽根
33 連結ピン
図1
図2
図3