(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】電子計算機、その電子計算機の印刷方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 5/30 20060101AFI20220928BHJP
G06F 15/02 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
B41J5/30 B
G06F15/02 320C
G06F15/02 341N
(21)【出願番号】P 2021163782
(22)【出願日】2021-10-05
(62)【分割の表示】P 2017211414の分割
【原出願日】2017-10-31
【審査請求日】2021-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 博明
(72)【発明者】
【氏名】吉川 裕紀
【審査官】上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開昭56-143066(JP,A)
【文献】実開昭56-083851(JP,U)
【文献】特開2017-124585(JP,A)
【文献】米国特許第04635219(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 5/30
G06F 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部と、
表示部と、印刷部と、制御部とを備える電子計算機であって、
前記操作部は、
時間に関連する操作を含む演算指定操作、クリア操作及び再印刷操作を少なくとも受け付け可能であり、
前記時間に関連する操作は、時間情報を時、分、秒という構成成分で表すときの時間情報の構成成分の区切りのための区切り操作と、前記表示部において第1の表現形式で表示されている時間情報又は前記第1の表現形式と異なる第2の表現形式で表示されている時間情報を、前記第2の表現形式又は前記第1の表現形式で表される第1時間情報に変換する演算を指定する操作である時間変換操作と、を含み、
前記制御部は、
前記操作部の操作に応じた表示を前記表示部によって表示させ、
前記演算指定操作のうち前記時間に関連する操作を除く操作を基点として、前記印刷部によって印刷を実行させ、
前記操作部より前記クリア操作が行われた場合、前記表示部によって、表示されている表示内容をクリアさせ、
前記操作部より前記クリア操作が行われた後に、前記区切り操作以外の演算指定操作が行われることなしに、前記操作部より前記再印刷操作が行われることによって、前記クリア操作が行われる前に前記印刷部によって印刷させた内容を、前記印刷部によって再印刷させる、
電子計算機。
【請求項2】
前記制御部は、
前記時間変換操作の直後の演算指定操作が中間結果印刷キーの操作でない場合には、前記印刷部により、前記第1時間情報を前記時間変換操作による演算結果として印刷させない、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子計算機。
【請求項3】
前記制御部は、
前記クリア操作が行われた後に、前記区切り操作が行われた場合にも、前記再印刷操作を行うことを可能とさせる、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子計算機。
【請求項4】
前記制御部は、
前記操作部により、前記表示部に表示されている内容を前記印刷部に印刷させる中間結果印刷操作を行うことを可能とさせ、
前記印刷部により、前記時間変換操作に続いて前記中間結果印刷操作が行われると、前記時間変換操作に応じて前記表示部に表示された第1時間情報の印刷を行わせ、なおかつ、前記再印刷操作による
再印刷時にも前記第1時間情報の印刷を行わせることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の電子計算機。
【請求項5】
前記クリア操作が行われてから
前記区切り操作を除く前記演算指定操作が行われるまでの間、前記クリア操作前に前記印刷部が印刷した内容を記憶し、前記再印刷操作によって前記再印刷が行われる場合に用いられる再印刷用データを含むデータを記憶する記憶部を備え、
前記記憶部には、前記時間変換操作が行われると、前記再印刷操作によって前記再印刷が行われる場合に用いられるか否かにかかわらず、前記第1時間情報が登録されることを特徴とする請求項
1乃至請求項4の何れか1項に記載の電子計算機。
【請求項6】
前記クリア操作が行われてから
前記区切り操作を除く前記演算指定操作が行われるまでの間、前記クリア操作前に前記印刷部が印刷した内容を記憶し、前記再印刷操作によって前記再印刷が行われる場合に用いられる再印刷用データを含むデータを記憶する記憶部を備え、
前記記憶部には、前記時間変換操作に続いて前記中間結果印刷操作が行われるか否かにかかわらず、前記時間変換操作が行われると、前記第1時間情報が登録され、さらに、前記時間変換操作に続いて前記中間結果印刷操作が行われると、前記中間結果印刷操作の直前の前記時間変換操作によって登録された前記第1時間情報が前記再印刷操作によって前記再印刷が行われる場合に印刷されるデータとして登録されることを特徴とする請求項
4に記載の電子計算機。
【請求項7】
前記操作部の操作による直接入力によって第2時間情報が前記表示部に表示されているときに、前記中間結果印刷操作が行われると、前記印刷部による前記第2時間情報の印刷が行われるが、前記中間結果印刷操作では前記第2時間情報の前記記憶部への登録は行われないことを特徴とする請求項
6に記載の電子計算機。
【請求項8】
操作部と、
表示部と、印刷部と、制御部とを備える電子計算機によって実行される印刷方法であって、
前記操作部は、時間に関連する操作を含む演算指定操作、クリア操作及び再印刷操作を少なくとも受け付け可能であり、
前記時間に関連する操作は、時間情報を時、分、秒という構成成分で表すときの時間情報の構成成分の区切りのための区切り操作と、前記表示部において第1の表現形式で表示されている時間情報又は前記第1の表現形式と異なる第2の表現形式で表示されている時間情報を、前記第2の表現形式又は前記第1の表現形式で表される第1時間情報に変換する演算を指定する操作である時間変換操作と、を含み、
前記印刷方法は、
前記操作部の操作に応じた表示を前記表示部によって表示させ、
前記演算指定操作のうち前記時間に関連する操作を除く操作を基点として、前記印刷部によって印刷を実行させ、
前記操作部より前記クリア操作が行われた場合、前記表示部によって、表示されている表示内容をクリアさせ、
前記操作部より前記クリア操作が行われた後に、前記区切り操作以外の演算指定操作が行われることなしに、前記操作部より前記再印刷操作が行われることによって、前記クリア操作が行われる前に前記印刷部によって印刷させた内容を、前記印刷部によって再印刷させる、
ことを含む、印刷方法。
【請求項9】
前記時間変換操作の直後の演算指定操作が中間結果印刷キーの操作でない場合には、前記印刷部によって、前記第1時間情報を前記時間変換操作による演算結果として印刷させない、
ことを特徴とする請求項8に記載の印刷方法。
【請求項10】
前記クリア操作が行われた後に、前記区切り操作が行われた場合にも、前記再印刷操作を行うことを可能とさせる、
ことを特徴とする請求項8に記載の印刷方法。
【請求項11】
操作部と、
表示部と、印刷部と、制御部とを備える電子計算機のコンピュータによって所定の処理を実行させる、プログラムであって、
前記操作部は、時間に関連する操作を含む演算指定操作、クリア操作及び再印刷操作を少なくとも受け付け可能であり、
前記時間に関連する操作は、時間情報を時、分、秒という構成成分で表すときの時間情報の構成成分の区切りのための区切り操作と、前記表示部において第1の表現形式で表示されている時間情報又は前記第1の表現形式と異なる第2の表現形式で表示されている時間情報を、前記第2の表現形式又は前記第1の表現形式で表される第1時間情報に変換する演算を指定する操作である時間変換操作と、を含み、
前記所定の処理は、
前記操作部の操作に応じた表示を前記表示部によって表示させ、
前記演算指定操作のうち前記時間に関連する操作を除く操作を基点として、前記印刷部によって印刷を実行させ、
前記操作部より前記クリア操作が行われた場合、前記表示部によって、表示されている表示内容をクリアさせ、
前記操作部より前記クリア操作が行われた後に、前記区切り操作以外の演算指定操作が行われることなしに、前記操作部より前記再印刷操作が行われることによって、前記クリア操作が行われる前に前記印刷部によって印刷させた内容を、前記印刷部によって再印刷させる、
ことを含む、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子計算機、その電子計算機の印刷方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、計算を行いながら印刷する電子式卓上計算機(プリンタ付き電卓)であって、印刷されたデータと同じデータを再印刷できる電子式卓上計算機が知られている。
【0003】
また、同じ計算式を2回入力して、前回と今回の全てのデータの一致が確認された後に印刷することによって印刷紙を節約できる電子式卓上計算機が提案されている。例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、計算データメモリに保存される保存データは、再印刷を行うときに利用されるデータであるが、一連の計算が終わった後に、別の計算を行うためにCAキーが操作されると、計算データメモリに保存された保存データが初期化されてしまうため、その後は再印刷が一切できないことになる。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、CAキーを操作した後にも再印刷が行える電子計算機を提供することを1つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の構成により把握される。
本発明の電子計算機は操作部と、表示部と、印刷部と、制御部とを備える電子計算機であって、前記操作部は、時間に関連する操作を含む演算指定操作、クリア操作及び再印刷操作を少なくとも受け付け可能であり、前記時間に関連する操作は、時間情報を時、分、秒という構成成分で表すときの時間情報の構成成分の区切りのための区切り操作と、前記表示部において第1の表現形式で表示されている時間情報又は前記第1の表現形式と異なる第2の表現形式で表示されている時間情報を、前記第2の表現形式又は前記第1の表現形式で表される第1時間情報に変換する演算を指定する操作である時間変換操作と、を含み、前記制御部は、前記操作部の操作に応じた表示を前記表示部によって表示させ、前記演算指定操作のうち前記時間に関連する操作を除く操作を基点として、前記印刷部によって印刷を実行させ、前記操作部より前記クリア操作が行われた場合、前記表示部によって、表示されている表示内容をクリアさせ、前記操作部より前記クリア操作が行われた後に、前記区切り操作以外の演算指定操作が行われることなしに、前記操作部より前記再印刷操作が行われることによって、前記クリア操作が行われる前に前記印刷部によって印刷させた内容を、前記印刷部によって再印刷させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザの操作によりCAキーが操作された後にも再印刷が行える電子計算機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る実施形態の電子計算機の平面図である。
【
図2】本発明に係る実施形態の電子計算機のブロック図である。
【
図3】本発明に係る実施形態の電子計算機の印刷モードの動作を説明するためのフローチャートである。
【
図4】本発明に係る実施形態の電子計算機の操作例に従った表示部の表示、計算データメモリの記憶内容、合計メモリの記憶内容、及び、ジャーナル紙への印刷内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ符号を付している。
【0018】
図1は本発明に係る実施形態の電子計算機1の平面図であり、
図2は本発明に係る実施形態の電子計算機1のブロック図である。
図1及び
図2に示すように、電子計算機1は、操作部10と、表示部20と、印刷部30と、CPU40(
図2参照)と、記憶部50(
図2参照)と、記録媒体読取部60(
図2参照)と、データバス70(
図2参照)と、を備えており、操作部10、表示部20、印刷部30、記憶部50、及び、記録媒体読取部60のそれぞれは、データバス70で、CPU40に接続されている。
【0019】
操作部10は、ユーザによる数値の入力や演算を指定する操作を行う部分であり、数値の入力を行うための数入力キー11と、演算を指定する演算指定操作のための演算指定キー12と、表示部20に表示されている表示内容をクリアするクリア操作のためのCAキー13(クリアオールキー)と、後述する合計メモリ50b内のデータの印刷を印刷部30に実行させるための合計キー14と、表示部20に表示されている表示データの印刷を印刷部30に実行させるための中間結果印刷キー15と、後述するように印刷部30に再印刷を実行させるための再印刷キー16と、を備えている。
【0020】
また、操作部10は、電源のON/OFFや印刷部30の印刷実行を許す印刷モード(PRINT)の選択等を行うスライドスイッチ17等も備えている。
【0021】
表示部20は、操作部10の操作に応じた表示を行う部分であり、例えば、数入力キー11を操作して数値の入力が行われると、その入力された数値の表示を行う。
また、表示部20は、演算指定キー12を操作して演算が実行されると、その実行された演算の演算結果の表示を行う。
【0022】
印刷部30は、電子計算機1にセットされているジャーナル紙への印刷を行う部分である。
なお、どのように印刷が実行されるかは後ほど説明する。
【0023】
CPU40は、記憶部50のプログラム記憶領域50aに記憶されているプログラムに従って電子計算機1の全体的な制御を司る制御部である。
【0024】
記憶部50は、RAMやROM等で構成され、CPU40に電子計算機1の各種の制御を行わせるためのプログラムが記憶されているプログラム記憶領域50aの他、後ほど説明する合計データ記憶領域(以下、合計メモリともいう。)50bや計算データ記憶領域(以下、計算データメモリともいう。)50c等の記憶領域を備えている。
【0025】
なお、記憶部50には、操作部10の操作(例えば、数入力キー11の操作)によって、表示部20に表示される表示データの入力を行ったときの操作データを一時的に記憶するキー入力一時記憶領域(以下、キー入力バッファともいう。)50dや処理過程で必要なデータを一時的に記憶する処理過程一時領域50e等も設けられている。
【0026】
記録媒体読取部60は、着脱可能に接続ポートに接続された記録媒体M(例えば、USBメモリやCD-ROM、DVD-ROM等)に記録されているデータ等を読み取るための読取部である。
【0027】
データバス70は、各部(操作部10、表示部20、印刷部30、記憶部50、及び、記録媒体読取部60)とCPU40との間でのデータ通信を行うための伝送路である。
【0028】
次に、
図3及び
図4を参照しながら、具体的に、電子計算機1を操作して、1日の労働時間が7.75時間(7時間45分)である場合に、1回の作業時間が2分23秒である作業を230回行うために、残業時間の単位を0.25時間(15分)として、何時間の残業を申請する必要があるかを求める操作例を参考にして、印刷モード(PRINT)が選択されているときの電子計算機1の動作を説明しながら、より詳細な電子計算機1の説明を行う。
【0029】
図3は印刷モードが選択されているときの動作を説明するためのフローチャートであり、
図4は電子計算機1の操作例に従った表示部20の表示、計算データメモリ50cの記憶内容、合計メモリ50bの記憶内容、及び、ジャーナル紙への印刷内容を示す図である。
なお、
図4では右側にジャーナル紙の印刷状態を併せて示している。
【0030】
図3に示すように、電子計算機1は、CAキー13の操作(ステップA1)、数入力キー11による数値データの入力(ステップB1)、演算指定キー12の操作(ステップC1)、合計キー14の操作(ステップD1)、中間結果印刷キー15の操作(ステップE1)、再印刷キー16の操作(ステップF1)、その他のキーの操作(ステップG1)のいずれかの操作が行われるのを監視している。
なお、以下では、このいずれかの操作が行われるのを監視している状態のことを監視状態と呼ぶことにする。
【0031】
そして、
図4に示す手順1から手順4の操作を行うことで、1回の作業時間の入力が行われる。
具体的には、CAキー13の操作(手順1参照)が行われると、
図3に示すステップA1がYESとなり、ステップA2に進み、CPU40は、表示部20の表示をクリアし、表示部20にクリア状態になっていることを示す「0.」を表示させる。
【0032】
また、CPU40は、ステップA3に進み、CAキー13の操作が行われたことを示すクリア表示(・・0・・CA)のジャーナル紙への印刷を印刷部30に実行させる。
【0033】
さらに、CPU40は、ステップA4に進み、演算結果を記憶する合計メモリ50bを「0」として、初期化する処理を実行するとともに、計算データメモリ50cのクリアの有無を判定するための、計算データメモリクリアのフラグFL(以下、単にフラグFLともいう。)をクリアが行われていないことを示す「0」にし、再び、監視状態に戻る。
【0034】
続いて、
図4に示すように、数入力キー11の操作による数値「0」の入力(手順2参照)と、演算指定キー12である「TM」キーの操作(手順2参照)と、が行われると、表示部20に数値「0」と、その数値「0」の右上寄りの位置に時間情報を時・分・秒という構成成分で表すときの時間情報の構成成分の区切りを示す「
0」と、が表示される。
【0035】
具体的に、
図3を参照しながら説明すると、数入力キー11の操作による数値「0」の入力(
図4の手順2参照)があると、ステップB1がYESとなり、CPU40は、ステップB2に進み、表示部20に数値データ「0」を表示させる。
【0036】
さらに、演算指定キー12である「TM」キーの操作(
図4の手順2参照)があると、ステップC1がYESとなり、CPU40は、ステップC2に進み、操作された演算指定キー12が「TM」キーであるか否かの判定を行う。
【0037】
そして、
図4の手順2で操作されている演算指定キー12は「TM」キーであるため、ステップC2の判定はYESとなり、CPU40は、さらに、ステップC3に進み、表示部20の表示データが時・分・秒として表されている時間データ(時間情報に対応するデータ)又は小数データのどちらかであるかを判定する。
【0038】
ここで、現在、表示部20に表示されている表示データは、数値「0」であるため、時・分・秒として表されている時間データではなく、かつ、小数データでもないことから、ステップC3の判定はNOとなり、CPU40は、ステップC4に進み、表示部20に表示されている数値「0」の右上寄りの位置に、時間の区切り(時・分・秒の区切り)となる「0」を表示させ、再び、監視状態に戻る。
【0039】
続いて、
図4に示すように、数入力キー11の操作による数値「2」の入力(手順3参照)と、演算指定キー12である「TM」キーの操作(手順3参照)と、が行われると、先ほど、
図3を参照しながら説明したのと同様の処理をCPU40は実行し、表示部20に表示されている「0
0」の表示の右側に「02
0」が表示され、表示部20には「0
002
0」が表示される。
【0040】
さらに、
図4に示すように、数入力キー11の操作による数値「2」の入力(手順4参照)と、数入力キー11の操作による数値「3」の入力(手順4参照)と、演算指定キー12である「TM」キーの操作(手順4参照)と、が行われると、再び、CPU40は、先ほど、
図3を参照しながら説明したのと同様の処理を実行することになり、表示部20には「0
002
023」が表示され、表示部20の表示データが時・分・秒として表されている時間データとなる。
これによって、1回の作業時間である2分23秒の入力が完了する。なお、本実施形態では、表示部20において、秒を示す数値の右上寄りの位置に、時間情報の構成成分であることを示す区切り(時・分・秒の区切り)である「
0」を表示させていないが、表示させてもよい。
【0041】
そして、2分23秒の作業を230回行うのに必要な時間を求めるためには、2分23秒×230回の演算を行う必要があるため、
図4に示すように、演算指定キー12のうちの乗算を指定する「×」キーの操作(手順5参照)を行う。
【0042】
そうすると、
図3に示すステップC1がYESとなり、先ほどと同様に、CPU40は、ステップC2で演算指定キー12が「TM」キーであるかを判断することになるが、今回は、演算指定キー12が「×」キーであるため、ステップC2の判定がNOとなり、ステップC5に進むことになる。
【0043】
そして、ステップC5に進むと、CPU40は、CAキー13の操作後(
図4の手順1の操作後)に、演算結果を得るような演算が実施されておらず合計メモリ50bが「0」の状態であって、かつ、計算データメモリ50cの初期化が実施されていないフラグFLが「0」の状態であるか否かの判定を行う。
【0044】
これまでの操作(
図4の手順1から手順5の操作)では、演算結果を得るような演算が実施されていないため、合計メモリ50bは「0」の状態になっているとともに、ステップC6で行われる計算データメモリ50cをクリアする初期化に合わせて行われるフラグFLを「1」とする処理も実施されていないため、フラグFLも「0」の状態になっている。
【0045】
したがって、ステップC5の判定は、YESとなり、CPU40は、ステップC6に進み、計算データメモリ50cをクリアし、行番号が「000」である初期状態とする処理を実行するとともに、計算データメモリ50cをクリアする初期化を行ったことを記録するためにフラグFLを「1」にする処理を行って、ステップC7に進む。
【0046】
そして、ステップC7に進むと、CPU40は、計算データメモリ50cの行番号を1増やす処理(行番号N=N+1)を行い、行番号を「000」から「001」とし、ステップC8の判定に進む。
【0047】
ステップC8では、CPU40は、演算指定キー12が「TM」キー以外であるかを判定するが、
図4の手順5で操作された演算指定キー12は「×」キーであったから、この判定は、YESとなり、ステップC9に進んで、CPU40は、計算データメモリ50cの行番号N、つまり、現在の行番号「001」に、表示部20の表示データ(「0
002
023」)と、演算指定キー12(「×」)と、を保存する(
図4の手順5参照)。
【0048】
これによって、計算データメモリ50cのはじめの行となる行番号「001」には、時・分・秒として表される時間データ(「0
002
023」)に対して乗算(「×」)を行う操作、つまり、
図4の手順2から手順5に即した操作内容が記録される。
【0049】
なお、計算データメモリ50cのデータは、後ほど説明するが再印刷を行うときに利用されるデータであり、CAキー13を操作したときに、合計メモリ50bと同様に初期化を行うと(
図3のステップA4参照)、一連の計算が終わった後に、控え等のために、再印刷を行うのを忘れて、別の計算を行うためにCAキー13が操作されると、CAキー13操作後には再印刷ができないことになる。
【0050】
一方、計算データメモリ50cの初期化をCAキー13の操作によって行うのではなく、その後のはじめの演算指定キー12の操作による演算指定操作のときに行うようにすることで、別の計算に影響しないようにしつつ、CAキー13操作後でも、演算指定操作が行われるまでの間であれば再印刷を行うことができる。
【0051】
話を操作例に戻すと、ステップC9の処理が終わると、ステップC10に進み、CPU40は、先ほど記録した計算データメモリ50cの行番号Nのデータ、つまり、行番号「001」のデータをジャーナル紙に印刷する処理を印刷部30に実行させる。
【0052】
演算指定操作が行われるタイミングは、行っている一連の計算における式の一部が確定するタイミングであることから、ジャーナル紙を見て、後からどのような計算が行われているのかを確認できるようにするために、一般に印刷することが好ましいと考えられる。
【0053】
このため、演算を指定する演算指定操作が行われたタイミング(
図4の手順5のタイミング)を基点として(言い換えれば、演算指定操作が行われることをトリガとして)印刷部30に印刷を行わせるようにしている。
つまり、演算を指定する演算指定操作によって、計算データメモリ50cへの記録が行われるとともに、ジャーナル紙への印刷も行われるようになっている。
【0054】
そして、ステップC10の処理が終わると、ステップC11に進みCPU40は、現在の計算データメモリ50cの行番号が「1」より大きいかを判定する。
例えば、現在の計算データメモリ50cの行番号は「001」のため、ステップC11はNOとなり、再び、監視状態に戻る。
【0055】
なお、後ほど説明するが、現在の計算データメモリ50cの行番号が「002」以上の場合には、ステップC11がYESとなり、ステップC12で演算を実行することになる。
このように、現在の計算データメモリ50cの行番号が「001」である場合だけ、ステップC12の演算処理に移行させないのは、
図4の計算データメモリ50cの行番号「001」の記憶内容を見るとわかるように、計算データメモリ50cの行番号が「001」のときには、時間データ(「0
002
023」)に対して施す演算の指定(ここでは、乗算(「×」)の指定)までは入力が済んでいるものの、この演算をどのような数値で施すのか(ここでは、乗算をどのような数値で行うのか)という数値に関する情報の入力が済んでいないため、演算が実行できない、という理由からである。
【0056】
続いて、
図4に示すように、数入力キー11の操作による数値「2」の入力(手順6参照)と、数入力キー11の操作による数値「3」の入力(手順6参照)と、数入力キー11の操作による数値「0」の入力(手順6参照)と、を行って、乗算する数値「230(回)」の入力が行われると、先に説明したように、CPU40が
図3のステップB1及びステップB2の処理を3回行い、その結果、表示部20には「230.」が表示される。
【0057】
そして、
図4に示すように、引き続き、演算指定キー12である「+」キーの操作(手順7参照)が行われると、表示部20には、2分23秒×230回の演算結果である「9.13611111106」[時間]という時間情報が表示される。
【0058】
具体的に、
図3を参照しながら、
図4の手順7の「+」キーの操作が行われたときの動作について見て行くと、ステップC1がYES、ステップC2がNOとなるため、ステップC5に進むことになる。
【0059】
そして、先ほどの手順5の操作でステップC6に進んだときに、フラグFLが「1」にされているので、今回は、ステップC5がNOとなり、ステップC7に進むことになる。
ステップC7に進むと、CPU40は、計算データメモリ50cの行番号を1増やす処理(行番号N=N+1)を行い、新たに、記録を行うための領域を確保する。
つまり、計算データメモリ50cの行番号「002」の領域を確保する。
【0060】
引き続き、ステップC8に進んで演算指定キー12が「TM」キー以外であったかの判定を行い、演算指定キー12が「+」キーであることから、この判定がYESとなり、ステップC9に進んで、CPU40は、計算データメモリ50cの行番号N、つまり、行番号「002」に、表示部20に表示されている表示データ(「230」)と、演算指定キー12(「+」)と、を保存する(
図4の手順7参照)。
【0061】
なお、
図4では、手順7の表示部20の表示として「9.13611111106」が示されているが、ステップC9は、演算の実行が行われる前のステップであるため、ステップC9の段階では、
図4に手順6の表示部20の表示として示している「230」が表示されており、このためステップC9において、行番号「002」に保存される表示部20に表示されている表示データは「230」である。
【0062】
これによって、計算データメモリ50cの行番号「002」には、行番号「001」の乗算(「×」)に用いる数値である「230」と、その後の演算が加算「+」であることの記録、つまり、
図4の手順6及び手順7に即した内容が記録される。
なお、ここでの加算は、後述する演算結果を合計メモリ50bに加える操作を意味している。
【0063】
そして、ステップC10に進み、先ほど説明したのと同様に、CPU40は、演算を指定する演算指定操作が行われたタイミング(
図4の手順7のタイミング)を基点とする計算データメモリ50cの行番号「002」のデータ(「230」)をジャーナル紙に印刷する処理を印刷部30に実行させる。
なお、この時の印刷は、次に演算が実行されて演算結果が得られる状態での印刷であるので「230」とともに「=」も印刷され、ジャーナル紙には「230・ =」が印刷される。
【0064】
引き続き、CPU40は、ステップC11に進み、現在の計算データメモリ50cの行番号Nが1より大きいかの判定を行うが、現在の行番号Nは「002」であることから、ステップC11の判定がYESとなり、ステップC12に進み、CPU40は、指定された演算、つまり、2分23秒×230の演算を実行し、その演算結果(「9.13611111106」[時間])を合計メモリ50bに加算「+」して、合計メモリ50bを更新する(
図4の手順7参照)。
【0065】
そして、ステップC13に進み、CPU40は、実行した演算が積算(「×」)又は除算(「÷」)であったかを判定する。
先ほど、ステップC12で実行された演算は積算(「×」)であったから、ステップC13はYESとなり、CPU40は、ステップC14に進んで、演算結果(「9.13611111106」[時間]という時間情報)のジャーナル紙への印刷を印刷部30に実行させる。
【0066】
なお、ここでの印刷は、合計メモリ50bに演算結果を加算(「+」)して、合計メモリ50bが更新されたことを示す加算(「+」)の印も「9.13611111106」の右側に印刷される(
図4の手順7参照)。
【0067】
そして、ステップC15に進み、CPU40は、表示部20に演算結果(「9.13611111106」[時間]という時間情報)を表示させ、再び、監視状態に戻る。
これによって、2分23秒の作業を230回行うのに必要なトータル時間が求まったので、何時間の残業を申請すればよいかを求めるために、このトータル時間から1日の労働時間である7.75時間(7時間45分)を減算して、オーバーする時間を算出することになる。
【0068】
そこで、
図4に示すように、数入力キー11の操作による数値「7」の入力(手順8参照)と、数入力キー11の操作による小数点「・」の入力(手順8参照)と、数入力キー11の操作による数値「7」の入力(手順8参照)と、数入力キー11の操作による数値「5」の入力(手順8参照)と、を行って、減算する時間「7.75」(時間情報)を入力する操作を行うと、先に説明したように、CPU40が
図3のステップB1及びステップB2の処理を4回行い、その結果、表示部20には「7.75」[時間]という時間情報が表示される。
【0069】
そして、その入力した数値「7.75」[時間](時間情報)を、合計メモリ50bに記憶されている、先ほど求めたトータル時間から減算するために、
図4に示すように、引き続き、演算指定キー12である「-」キーの操作(手順9参照)が行われると、表示部20には、トータル時間(「9.13611111106」[時間])から労働時間(「7.75」[時間])を減算したオーバーする時間(「1.38611111106」[時間]という時間情報)が表示される。
【0070】
具体的に、
図3を参照しながら、
図4の手順9の「-」キーの操作が行われたときの動作について見て行くと、ステップC1がYES、ステップC2がNOとなるため、ステップC5に進むことになる。
また、先ほどと同様に、ステップC5もNOとなるため、CPU40は、ステップC7に進んで、計算データメモリ50cの行番号を1増やす処理(行番号N=N+1)を行い、新たに、記録を行うための領域を確保する。
つまり、計算データメモリ50cの行番号「003」の領域を確保する。
【0071】
引き続き、ステップC8に進んで演算指定キー12が「TM」キー以外であったかの判定を行い、演算指定キー12が「-」キーであることから、この判定がYESとなり、ステップC9に進んで、CPU40は、計算データメモリ50cの行番号N、つまり、行番号「003」に、表示部20に表示されている表示データ(「7.75」)と、演算指定キー12(「-」)と、を保存する(
図4の手順9参照)。
【0072】
なお、
図4では、手順9の表示部20の表示として「1.38611111106」[時間]が示されているが、ステップC9は、演算の実行が行われる前のステップであるため、ステップC9の段階では、手順8の表示部20の表示として示している「7.75」[時間]が表示されており、このためステップC9において、行番号「003」に保存される表示部20に表示されている表示データは「7.75」[時間]である。
【0073】
これによって、計算データメモリ50cの行番号「003」には、
図4の手順8及び手順9に即した内容が記録される。
【0074】
そして、ステップC10に進み、先ほど説明したのと同様に、CPU40は、演算を指定する演算指定操作が行われたタイミング(
図4の手順9のタイミング)を基点とする計算データメモリ50cの行番号「003」のデータをジャーナル紙に印刷する処理を印刷部30に実行させる。
【0075】
引き続き、CPU40は、ステップC11に進み、現在の計算データメモリ50cの行番号Nが1より大きいかの判定を行うが、現在の行番号Nは「003」であることから、ステップC11の判定がYESとなり、ステップC12に進み、CPU40は、指定された演算を実行し、合計メモリ50bを更新する(
図4の手順9参照)。
つまり、合計メモリ50bの数値(「9.13611111106」[時間])から「7.75」[時間]を減算する演算を実行し、合計メモリ50bの数値を「1.38611111106」[時間]に更新する。
【0076】
そして、ステップC13に進み、CPU40は、実行した演算が積算(「×」)又は除算(「÷」)であったかを判定する。
先ほど、ステップC12で実行された演算は減算(「-」)であったから、ステップC13はNOとなり、ステップC15に進んで、CPU40は、表示部20に演算結果(「1.38611111106」[時間]という時間情報)を表示させ、再び、監視状態に戻る。
【0077】
これにより、オーバーする時間、つまり、残業が必要な時間が求まったので、その時間(時間情報)を印刷するために、演算指定キー12である合計キー14(「*」キー)の操作(
図4の手順10参照)を行うと、
図3に示すステップD1がYESとなり、ステップD2に進むことになる。
【0078】
そして、ステップD2に進むと、CPU40は、計算データメモリ50cの行番号を1増やす処理(行番号N=N+1)を行い、新たに、記録を行うための領域を確保する。
つまり、計算データメモリ50cの行番号「004」の領域を確保する。
【0079】
続いて、ステップD3に進み、CPU40は、計算データメモリ50cの行番号N、つまり、行番号「004」に、合計キー14(「*」キー)を保存する(
図4の手順10参照)。
これによって、計算データメモリ50cの行番号「004」には、
図4の手順10に即した内容が記録される。
【0080】
そして、ステップD4に進み、CPU40は、表示部20に合計メモリ50bのデータ(「1.38611111106」[時間]という時間情報)を表示させるとともに、ステップD5に進み、合計メモリ50bのデータ(「1.38611111106」[時間]という時間情報)のジャーナル紙への印刷を印刷部30に実行させる(
図4の手順10参照)。
なお、ここでの印刷は、合計キー14(「*」キー)の操作に伴うことがわかるように「1.38611111106」[時間]の右側に「*」も印刷される。
【0081】
ここまでの操作によって、ジャーナル紙には、残業が必要な時間(時間情報)が印刷された状態となっているが、その時間(時間情報)は小数の表示で表されているため、何時間、何分、何秒の残業が必要であるのかがわかり難い。
【0082】
そこで、演算指定キー12である「TM」キーの操作(手順11参照)を行うと、小数、つまり、時で表されている時間情報を時・分・秒で表される第1時間情報(第1時間と記載する場合もある。)に変換することができる。
【0083】
なお、表示部20に表示されている時間情報が時・分・秒で表される時間情報であった場合、演算指定キー12である「TM」キーの操作を行うと、時で表されている第1時間情報(第1時間と記載する場合もある。)に変換することが可能である。
つまり、第1時間情報は、「TM」キーの操作によって、表現形式が変換された時間情報であり、表示部20に第1の表現形式(例えば、時・分・秒)で表される時間情報を変換によって第2の表現形式(例えば、時)で表されている時間情報としたもの、又は、表示部20に第2の表現形式(例えば、時)で表されている時間情報を変換によって第1の表現形式(例えば、時・分・秒)で表される時間情報としたものである。
そして、「TM」キーは、表示部20に、時・分・秒又は時で表される時間情報が表示されている場合に、その時間情報を時又は時・分・秒で表される第1時間に変換する演算を指定する操作が行える演算指定キー12になっている。
なお、この時間変換操作のための「TM」キーを時間変換操作のための時間キーともいう。
【0084】
具体的に、
図3を参照しながら、
図4の手順11が行われたときの処理について見て行くと、演算指定キー12である「TM」キーの操作によって、ステップC1がYESとなり、ステップC2に進むことになる。
【0085】
そして、操作された演算指定キー12は「TM」キーであるから、ステップC2もYESとなり、ステップC3に進むことになる。
ここで、現在、表示部20に表示されている表示データは、「1.38611111106」[時間]という小数データであるため、ステップC3はYESとなり、ステップC5に進むが、合計データは「1.38611111106」[時間]であり、また、フラグFLも「1」であることから、ステップC5はNOとなり、ステップC7に進むことになる。
【0086】
ステップC7に進むと、CPU40は、計算データメモリ50cの行番号を1増やす処理(行番号N=N+1)を行い、新たに、記録を行うための領域(計算データメモリ50cの行番号「005」の領域)を確保して、ステップC8に進む。
【0087】
そして、操作された演算指定キー12は「TM」キーであるから、ステップC8がNOとなり、ステップC16に進んで、CPU40は、計算データメモリ50cの行番号N、つまり、行番号「005」に、演算指定キー12(「TM」キー)を保存する(
図4の手順11参照)。
これによって、計算データメモリ50cの行番号「005」には、
図4の手順11に即した内容が記録される。
【0088】
引き続き、ステップC17に進み、CPU40は、表示部20に小数として表示(時として表示)されている時間情報を時・分・秒で表される第1時間に変換する時間変換演算を実行し、ステップC15に進んで、その演算結果、つまり、「1023010」という時間情報を表示部20に表示させ、再び、監視状態に戻る。
【0089】
そして、手順11の流れからわかるように、時間変換を行うための「TM」キーの操作では、その操作が行われるたびに、計算データメモリ50cへの記録は行われるものの、その時間変換後の第1時間情報のジャーナル紙への印刷は行われないようになっている。
【0090】
このため、例えば、単に確認だけのために時間変換操作を行っただけで、印刷が不要である場合に、ジャーナル紙に印刷が行われることを防ぐことができる。
一方、時間変換後の第1時間情報をジャーナル紙に印刷しておきたい場合も当然あり得る。
例えば、上記で説明した手順11によって、表示部20に表示されている、時・分・秒で表される変換後の第1時間情報(「1
023
010」)をジャーナル紙に印刷しておきたい場合も当然あり、その場合には、
図4の手順12に示すように、中間結果印刷キー15(「◇/#」キー)を操作する。
【0091】
そうすると、
図3のステップE1がYESとなり、ステップE2に進み、CPU40は、表示部20が演算結果の表示状態か否かを判定する。
そして、先ほどの手順11によって表示部20には、時間変換演算(時間を変換する演算)の演算結果である変換後の時間情報が表示されているので、CPU40は、ステップE2の判定をYESと判定し、ステップE3に進んで、計算データメモリ50cの行番号を1増やす処理(行番号N=N+1)を行い、新たに、記録を行うための領域(計算データメモリ50cの行番号「006」の領域)を確保して、ステップE4に進む。
【0092】
続いて、ステップE4で、CPU40は、計算データメモリ50cの行番号N、つまり、行番号「006」に、中間結果印刷キー15(「◇/#」キー)を保存する(
図4の手順12参照)。
これによって、計算データメモリ50cの行番号「006」には、
図4の手順12に即した内容が記録される。
【0093】
そして、ステップE5に進み、CPU40は、表示部20の表示データ(「1023010」という時間情報)のジャーナル紙への印刷を印刷部30に実行させ、再び、監視状態に戻る。
【0094】
一方、残業時間の申請が、15分単位の切捨て申請である場合、表示部20の表示データ(「1023010」という時間情報)を見ると、1時間15分の申請を行えばよいことがわかり、申請が小数点で表される時の記載で申請しなければならない場合、おそらく、1.25時間として申請することになると思っても、それが本当に1時間15分になっているのかを念のため確認したいような場合がある。
【0095】
そこで、そのような場合には、
図4の手順13に示すように、数入力キー11を操作して「1」、「・」、「2」及び「5」の入力を行い1.25[時間](時間情報)を表示部20に表示させた後、「TM」キーを操作して時間変換演算を実行すれば、表示部20に1.25時間を時・分・秒で表される第1時間にした時間(「1
015
000」という時間情報)が表示されるので、1.25時間が1時間15分であることを確認することができる。
【0096】
なお、既に、説明した内容と重複するため、
図3を参照して説明することは省略するが、手順13によって、計算データメモリ50cには、新たに、記録を行うための領域(計算データメモリ50cの行番号「007」の領域)が確保され、その行番号「007」に、手順13に即した記録(「1.25[TM]」)が記録されることになる。
【0097】
そして、確かに1.25時間が1時間15分であることが確認できたところで、後ほど忘れないようにするために、ジャーナル紙への印刷を行っておきたい場合には、引き続き、中間結果印刷キー15(「◇/#」キー)を操作(
図4の手順14参照)すると、計算データメモリ50cの行番号「008」に、その操作に即した記録(「◇/#」)が行われるとともに、ジャーナル紙への印刷(「1・15 00」という時間情報の印刷)が行われる。
【0098】
続いて、「TM」キーを操作(
図4の手順15参照)して時間変換演算を実行し、その後、中間結果印刷キー15(「◇/#」キー)を操作(
図4の手順16参照)すると、計算データメモリ50cの行番号「009」に、「TM」キーの操作(
図4の手順15参照)に即した記録(「TM」)が行われるとともに、計算データメモリ50cの行番号「010」に、中間結果印刷キー15(「◇/#」キー)の操作(
図4の手順16参照)に即した記録(「◇/#」)が行われ、ジャーナル紙に、時・分・秒で表される時間情報を変換して得られた、時で表される時間情報(「1.25」)の印刷が行われる。
【0099】
以上の手順で残業時間として申請する時間(1時間15分)が1.25時間であることの確認とジャーナル紙への印刷ができたが、後日、何日にどのような残業を行ったのかを確認できるように、ジャーナル紙に現在印刷されている内容と同じ内容の控えを作成しておきたい場合がある。その場合には、引き続き、
図4の手順17から手順22の操作を行えばよい。
【0100】
具体的には、手順17に示すように、CAキー13の操作を行い、ジャーナル紙に「・・0・・CA」を印刷させ、これまでの一連の計算とは別の操作であることがわかるようにする。
【0101】
そして、手順18に示すように、数入力キー11を操作して年月日の入力を行う。
例えば、2017年06月13日を入力するのであれば、数入力キー11を操作して「2」、「0」、「1」、「7」、「・」、「0」、「6」、「・」、「1」及び「3」の入力を行う。
【0102】
なお、この入力の時の表示部20の表示は「2017.0613」となっているが、これは、小数点を2つ表示できないことに伴うものであり、キー入力バッファ50dには「2017.06.13」として記憶されている。
【0103】
そして、この入力した日付を印刷するために、手順19に示すように、中間結果印刷キー15(「◇/#」キー)を操作すると、
図3のステップE1がYESとなるが、今回は、手順17のCAキー13の操作後に、演算が行われているわけではなく、表示部20の表示が演算結果の表示状態になっていないため、ステップE2がNOとなる。
【0104】
このため、ステップE6に進むことになり、CPU40は、表示部20の表示データ(キー入力バッファ50dのデータである「2017.06.13」)の先頭に「#」を付けるようにしてジャーナル紙への印刷を印刷部30に実行させて、監視状態に戻る。
これによって、ジャーナル紙には、作成日の印刷が行われる。
【0105】
なお、手順17から手順19までの操作では、演算指定キー12の操作が行われていないため、
図3のステップC1がYESになることはないのでステップC6の計算データメモリ50cをクリアする処理は実行されない。
また、手順19の操作のときは、ステップE2からステップE6に進み、計算データメモリ50cに新たな行番号を設けて新たな記録を行う処理は実行されないため、計算データメモリ50cが更新されることもない。
したがって、手順17から手順19までの操作を行っても、計算データメモリ50cの記録は、手順17のCAキー13の操作前の状態が維持されている。
【0106】
次に、先に手順2から手順4で説明したのと同様にして、時・分・秒で表される時間情報(17時25分15秒)の入力を行い(
図4の手順20参照)、手順21に示すように、中間結果印刷キー15(「◇/#」キー)を操作すると、先ほど手順19で説明したのと同様に、CPU40は、表示部20の表示データ(キー入力バッファ50dのデータである「17
025
015」)の先頭に「#」を付けるようにしてジャーナル紙への印刷を印刷部30に実行させて、監視状態に戻る。
【0107】
なお、手順20の操作では、演算指定キー12である「TM」キーが操作されるため、
図3のステップC1及びステップC2はYESとなるが、表示部20の表示が時・分・秒で表される時間情報(「17
025
015」)の状態となった後に「TM」キーが操作されていないので、ステップC5に進むことがなく、ステップC6の計算データメモリ50cをクリアする処理は実行されない。
また、手順21の操作のときには、先ほどの手順19と同様に、ステップE2からステップE6に進み、計算データメモリ50cに新たな行番号を設けて新たな記録を行う処理は実行されないため、計算データメモリ50cが更新されることもない。
したがって、手順20及び手順21の操作を行っても、計算データメモリ50cの記録は、手順17のCAキー13の操作前の状態が維持されている。
【0108】
そして、手順17から手順21の操作を行って、ジャーナル紙への日時の印刷が終わると、次に、再印刷キー16を操作(
図4の手順22参照)して、手順17のCAキー13の操作よりも前の操作のときにジャーナル紙に印刷した内容の印刷を行うと、控えの作成が終了する。
【0109】
具体的には、再印刷キー16を操作すると、
図3のステップF1がYESとなり、ステップF2に進んで、CPU40は、再印刷であることを示す「・・・・0・・・・」のジャーナル紙への印刷を印刷部30に実行させる。
【0110】
そして、ステップF3に進み、CPU40は、計算データメモリ50cのデータに従って、再印刷を実行する。
つまり、CPU40は、計算データメモリ50cに記録されている行番号「001~010」のデータを、例えば、処理過程一時領域50eに記憶させ、それに従った処理を、再度、実行することで、手順17のCAキー13の操作前と同じ処理を行い、その実行過程で実施された印刷がそのまま行われる。
【0111】
以上のように、印刷部30は、演算指定キー12による演算指定操作が、例えば、積算(「×」)等であった場合には、演算指定操作を基点として印刷を実行するが、先に説明したように、表示部20に時・分・秒又は時で表される時間情報を時又は時・分・秒で表される第1時間情報に変換する演算を指定する操作、すなわち、時間変換操作(「TM」キーによる時間変換)が行われたときには、時間変換操作に応じて表示部20に表示された第1時間情報の印刷を行わず、再印刷のときも、その状態が忠実に再現されるため、再印刷操作(再印刷キー16の再印刷)による再印刷時にも第1時間情報の印刷を行わないようになっている。
【0112】
一方、時間変換後の時間情報を印刷したい場合に対応して、印刷部30は、時間変換操作に続いて中間結果印刷操作(中間結果印刷キー15の操作)が行われると、時間変換操作に応じて表示部20に表示された第1時間情報の印刷を行い、かつ、再印刷操作による再印刷時にも第1時間情報の印刷を行うようになっている。
【0113】
したがって、ユーザが求める適切な状態での時間情報の印刷、及び、そのような印刷について再印刷が行えるようになっている。
【0114】
一方、記憶部50の計算データメモリ50cには、再印刷の場合に、先に行われたユーザによる操作を忠実に再現するため、時間変換操作が行われると、再印刷操作によって再印刷を行うときに用いられるか否かにかかわらず、第1時間情報を求める操作(「TM」キーの操作)の記録を行うことで、第1時間情報が登録され、さらに、時間変換操作に続いて中間結果印刷操作が行われると、その操作(「◇/#」キーの操作)の記録を行うことで、中間結果印刷操作の直前の時間変換操作によって登録された第1時間情報が再印刷操作によって再印刷を行うときに印刷するデータとして登録される。
【0115】
また、先に説明した手順20及び手順21のように、操作部10(数入力キー11及び「TM」キー)の操作による直接入力によって第2時間情報(「17025015」)が表示部20に表示されているときに、中間結果印刷操作が行われると、印刷部30による第2時間情報の印刷が行われるが、その中間結果印刷操作では、中間結果印刷キー15(「◇/#」キー)の計算データメモリ50cへの記録が行われないため、第2時間情報の記憶部50への登録が行われていない状態になっている。
つまり、第2時間情報は、操作部10の操作による直接入力によって入力された時間情報であり、ここでは、直接入力によって入力された時・分・秒で表される時間情報である。
【0116】
なお、上記では、スライドスイッチ17によって、印刷部30の印刷実行を許す印刷モード(PRINT)の選択が行われた状態での動作について説明してきたが、スライドスイッチ17がONの位置にある場合でも、印刷部30が印刷実行しないだけで、内部的な処理としては同じになっている。
【0117】
したがって、スライドスイッチ17がONの位置にある状態で
図4の手順1から手順16を実施して、その後、スライドスイッチ17を印刷モード(PRINT)の位置に変更し、手順17から手順22を行っても、先に説明した再印刷と同じ再印刷を行うことができる。
【0118】
以上、具体的な実施形態に基づいて本発明の印刷装置について説明してきたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されるものではなく、様々な変形や改良を加えたものも本発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0119】
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲のとおりである。
<請求項1>
操作部と、
前記操作部の操作に応じた表示を行う表示部と、
前記操作部により演算を指定する演算指定操作であって且つ前記表示部において第1の表現形式で表示されている時間情報又は前記第1の表現形式と異なる第2の表現形式で表示されている時間情報を、前記第2の表現形式又は前記第1の表現形式で表される第1時間情報に変換する演算を指定する操作である時間変換操作のための時間キーの操作を除く演算指定操作を基点として、印刷を実行する印刷部と、を備え、
前記操作部は、
前記表示部に表示されている表示内容をクリアするクリア操作と、
前記クリア操作が行われた後に前記演算指定操作が行われることなしに操作されることによって、前記クリア操作前に前記印刷部が印刷した内容を前記印刷部から再印刷させる再印刷操作と、を行うことが可能とされ、
前記印刷部は、
前記クリア操作が行われてから、前記時間キーによる操作である演算指定操作の直後に中間結果印刷キーによる操作がなされていない場合、前記クリア操作が行われてから、前記時間キーによる操作である演算指定操作による時間情報を印刷しない、
ことを特徴とする電子計算機。
<請求項2>
前記操作部は、前記表示部に表示されている内容を前記印刷部に印刷させる中間結果印刷操作を行うことが可能とされ、
前記印刷部は、前記時間変換操作に続いて前記中間結果印刷操作が行われると、前記時間変換操作に応じて前記表示部に表示された前記第1時間情報の印刷を行い、なおかつ、前記再印刷操作による前記再印刷時にも前記第1時間情報の印刷を行うことを特徴とする請求項1に記載の電子計算機。
<請求項3>
前記クリア操作が行われてから次の前記演算指定操作が行われるまでの間、前記クリア操作前に前記印刷部が印刷した内容を記憶し、前記再印刷操作によって前記再印刷が行われる場合に用いられる再印刷用データを含むデータを記憶する記憶部を備え、
前記記憶部には、前記時間変換操作が行われると、前記再印刷操作によって前記再印刷が行われる場合に用いられるか否かにかかわらず、前記第1時間情報が登録されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子計算機。
<請求項4>
前記クリア操作が行われてから次の前記演算指定操作が行われるまでの間、前記クリア操作前に前記印刷部が印刷した内容を記憶し、前記再印刷操作によって前記再印刷が行われる場合に用いられる再印刷用データを含むデータを記憶する記憶部を備え、
前記記憶部には、前記時間変換操作に続いて前記中間結果印刷操作が行われるか否かにかかわらず、前記時間変換操作が行われると、前記第1時間情報が登録され、さらに、前記時間変換操作に続いて前記中間結果印刷操作が行われると、前記中間結果印刷操作の直前の前記時間変換操作によって登録された前記第1時間情報が前記再印刷操作によって前記再印刷が行われる場合に印刷されるデータとして登録されることを特徴とする請求項2に記載の電子計算機。
<請求項5>
前記操作部の操作による直接入力によって第2時間情報が前記表示部に表示されているときに、前記中間結果印刷操作が行われると、前記印刷部による前記第2時間情報の印刷が行われるが、前記中間結果印刷操作では前記第2時間情報の前記記憶部への登録は行われないことを特徴とする請求項4に記載の電子計算機。
<請求項6>
操作部と、前記操作部の操作に応じた表示を行う表示部と、前記操作部により演算を指定する演算指定操作であって且つ前記表示部において第1の表現形式で表示されている時間情報又は前記第1の表現形式と異なる第2の表現形式で表示されている時間情報を、前記第2の表現形式又は前記第1の表現形式で表される第1時間情報に変換する演算を指定する操作である時間変換操作のための時間キーの操作を除く演算指定操作を基点として、印刷を実行する印刷部と、を備え、前記操作部が、前記表示部に表示されている表示内容をクリアするクリア操作と、前記クリア操作が行われた後に前記演算指定操作が行われることなしに操作されることによって、前記クリア操作前に前記印刷部が印刷した内容を前記印刷部から再印刷させる再印刷操作と、を行うことが可能とされた電子計算機の印刷方法であって、
前記クリア操作が行われてから、前記時間キーによる操作である演算指定操作の直後に中間結果印刷キーによる操作がなされていない場合、前記クリア操作が行われてから、前記時間キーによる操作である演算指定操作による時間情報を前記印刷部に印刷させない、ことを特徴とする印刷方法。
<請求項7>
操作部と、前記操作部の操作に応じた表示を行う表示部と、前記操作部により演算を指定する演算指定操作であって且つ前記表示部において第1の表現形式で表示されている時間情報又は前記第1の表現形式と異なる第2の表現形式で表示されている時間情報を、前記第2の表現形式又は前記第1の表現形式で表される第1時間情報に変換する演算を指定する操作である時間変換操作のための時間キーの操作を除く演算指定操作を基点として、印刷を実行する印刷部と、を備え、前記操作部が、前記表示部に表示されている表示内容をクリアするクリア操作と、前記クリア操作が行われた後に前記演算指定操作が行われることなしに操作されることによって、前記クリア操作前に前記印刷部が印刷した内容を前記印刷部から再印刷させる再印刷操作と、を行うことが可能とされた電子計算機のプログラムであって、
前記電子計算機に対して、
前記クリア操作が行われてから、前記時間キーによる操作である演算指定操作の直後に中間結果印刷キーによる操作がなされていない場合、前記クリア操作が行われてから、前記時間キーによる操作である演算指定操作による時間情報を前記印刷部に印刷させない処理を、少なくとも実行させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0120】
1 電子計算機
10 操作部
11 数入力キー
12 演算指定キー
13 CAキー
14 合計キー
15 中間結果印刷キー
16 再印刷キー
17 スライドスイッチ
20 表示部
30 印刷部
40 CPU
50 記憶部
60 記録媒体読取部
70 データバス
M 記録媒体