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▶ 千後瀧 正雄の特許一覧

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  • 特許-飲食時専用のプリーツ型家庭用マスク 図1
  • 特許-飲食時専用のプリーツ型家庭用マスク 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】飲食時専用のプリーツ型家庭用マスク
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220928BHJP
【FI】
A41D13/11 H
A41D13/11 B
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021169916
(22)【出願日】2021-09-06
(65)【公開番号】P2022001692
(43)【公開日】2022-01-06
【審査請求日】2021-09-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518355836
【氏名又は名称】千後瀧 正雄
(72)【発明者】
【氏名】千後瀧 正雄
【審査官】森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05699791(US,A)
【文献】特開2011-092698(JP,A)
【文献】米国特許第06123077(US,A)
【文献】特開2012-045144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリーツ型家庭用マスク1の左右両端上部に、不織布の上辺縁8から上方向に飛び出した部分と左右端縁から外側方向に張り出した部分を有する目尻にかからないように斜めにカットされた耳かけゴム接合部3が設けられ、左右の前記耳かけゴム接合部3において一本の耳かけゴム2の両端が接近してそれぞれ2カ所で接合されて、二本の耳かけゴム2が左右対称の形態で装着時に略水平となる位置に耳にかける輪っか6を形成していることを特徴とする家庭用マスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新型コロナウィルス対策で使用する家庭用マスクに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、マスクには使用用途に合わせた素材やデザインなど様々な種類があり、大きく分けて家庭用、医療用、防塵用がある。さらに、一般的な家庭用マスクの形状は、「平型」「プリーツ型」「立体型」の三種類があり、コロナ禍でのウィルス対策で各種使用されている。感染リスクの抑制効果を高めるために飛沫飛散抑制に優れた各種技術が公表され、また抗菌防臭、通気性、装着感に優れたマスクが多く提供されている。しかしながらこれまでは、飲食時専用の家庭用マスクは提供されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般的に使用されている不織布マスクのプリーツ型家庭用マスクを基本タイプとして記述する。コロナ禍での以下の外食時の不便さの解消を目的とする。
つまり具体的には、
(イ)マスクをつけたままで飲食する時は、食事で使わない他方の手でマスクの片方の耳かけゴムを外して、飲食物を口に運んで口に含んだら、また耳かけゴムをかけ直す。一口毎に、この動作を都度繰り返すのは現実的には無理がある。
(ロ)しかもこの方法は口に含んだ後、咀嚼するたびにマスクが唇と擦れ合って不快感があり、さらにマスク全体が上下にずれて落ち着かず、食事そのものの楽しみが半減する。
(ハ)食事の時だけマスクの顎付近のプリーツを縮めて、顎をすっぽり覆わないように着用して片手でマスクの下を持上げても、飲食物を口にうまく運べない。
(ニ)この方法も、マスク全体が持ち上がってガサガサすることに加えて、左右下端が広がらないので口に含めず、耳かけゴムの耳への圧迫感が耐え難い。
以上の不快感のために、現実的にはマスクを着用して食事をしている状況が極めて少ない。
【0004】
つまり、飲食時のマスク着用が感染症対策で極めて重要であるにも拘わらず定着しないのは、上記の問題、原因があるためであり、これを打破、解消する必要がある。
本発明はこのような課題を解決するために提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
プリーツ型家庭用マスク1の耳かけゴム2について、設置部位を以下の形態とする。これまでのプリーツ型家庭用マスク1においては、前記耳かけゴム2の設置部位はいずれの当該マスクも、一本の前記耳かけゴム2が左右両端において、上から下に繋がる形でそれぞれ一本ずつ設けられている。
それに対して本発明のプリーツ型家庭用マスク1は、
(イ)耳かけゴム2は、左右ともに一本ずつ設けられている。
(ロ)耳かけゴム2の接合部位は、左右ともに前記当該マスク1の左右両側縁の上部端に隣接して設けられた耳かけゴム接合部3である。
(ハ)一本の耳かけゴム2は、左右ともにその両端が当該マスク1の前記耳かけゴム接合部3の中で接近して繋がる形で設けられ、それぞれ前記当該マスク1の左右の上部において耳にかける輪っか6を形成する。
【本発明の効果】
【0006】
プリーツ型家庭用マスク1の左右両側縁の上部端に隣接して耳かけゴム接合部3を設けることにより、次の様態が発生して、飲食に便利でかつ感染防止の効用も維持される形態となる。
(イ)当該マスク1のプリーツ4を縮めて着用すれば、前記プリーツ型家庭用マスク1の上部でノーズフィツター5が目から下を押圧することにより、鼻から下に大きな空洞が生まれて、フェイスガードの状況となる。
(ロ)従って飲食時は、左右いずれかの手で前記プリーツ型家庭用マスク1の下部を持ち上げなくても、そのまま顎を少し上に上げるだけで、飲食物を容易に口に運ぶことが出来る。
(ハ)しかも、この状態で口を大きく動かして咀嚼しても、前記プリーツ型家庭用マスク1には一切顎の動きが響かない。
(ニ)さらに、食時中の会話も食べながら自由にできる状態となる。
(ホ)そして、食時中でも必要に応じて、顎部分の前記当該マスクのプリーツ4を下に広げて使用すればマスクの感染防止機能は発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】 プリーツ型家庭用マスクの肌側面から視た平面説明図
図2】 本発明のプリーツ型家庭用マスクの肌側面から視た平面説明図
【発明を実施するための形態】
【0008】
着用者の頭方向を上方向とし、図2に沿って説明する。
プリーツ型家庭用マスク1において、前記当該マスク1の左右両側縁の上部端に隣接して耳かけゴム接合部3が設けられ、その前記耳かけゴム接合部3にのみ左右一本ずつの耳かけゴム2が設けられている。
その前記耳かけゴム2は、前記耳かけゴム接合部3の範囲内において、前記当該マスク1の不織布の上辺縁8より上の部位で一本の耳かけゴム2の両端が接近して接合されて、それぞれ左右対称の形態で、耳にかける輪っか6を形成する。
これまでの耳かけゴム2は、左右両端で一本ずつ当該マスクの上部と下部で接合されて、上下に繋がる形で耳にかける輪っか6を形成する形態であるのに対し、本発明は上部のみで繋がる形で耳にかける輪っか6を形成する全く新しい形態である。
前記耳かけゴム2は、左右対称であるので以下の説明は右側で記述する。
【0009】
図1図2に沿って説明する。
これまでの耳かけゴム2は耳から鼻にかけてやや下向きに傾斜しているが、本発明は耳かけゴム接合部3の上部が当該マスクの不織布の上辺縁8より上にあるので、前記耳かけゴム2がより水平となり、ノーズフィツター5の鼻部分での安定感が増して、口を大きく動かしても前記プリーツ型家庭用マスク1が全く動かなくなる。
【0010】
前記耳かけゴム接合部3は、前記プリーツ型家庭用マスク1の右側縁の上部端に隣接して設けられて、前記当該マスク1の右外側に1センチ以上がはみ出した状態で、上方向は前記当該マスク1の不織布上辺縁8から1センチ以上高く上に飛び出した部分が設けられている。この1センチ以上高く上に飛び出した部分に、前記耳かけゴム2を設けることが最も好ましい。従って、接合するための凸状の飛び出し部分があれば良いので、不整形の台形や長方形でも良く、特に形状に限定はない。さらに、前記耳かけゴム接合部3の上辺部分は、目尻にかからないように右斜め上にカットされて設けられていることが好ましい。
【0011】
食事中に必要に応じて、当該マスク1の下部分を引き下げてプリーツ4を広げて顎を覆った状態で使用した場合、頬の空間が狭くなり感染防止の効果は充分にある。しかしながら本発明は食事を主たる目的とするものであり、食事以外で当該マスクのプリーツ4を縮めた状態での使用は好ましくない。
【0012】
前記耳かけゴム接合部3に設定する耳かけゴム2は、左右に繋がった一本の紐状で後頭部を通して.使用する形態でもよく、また本発明の前記耳かけゴム接合部3の形態は、家庭用マスクの「平型」や「立体型」にも適用可能である。
【0013】
外食時の望ましい状態は、ウィルスに感染しない、感染させないために、会食時は黙食で都度一口毎にマスクの耳かけゴムの片方をかけ、外しすることである。
しかしながら現実的には、数人での会食時にはそのような状態は見かけられず、マスクを取り外したままの状況がほとんどである。一方で、一人で食事の場合は一口毎にマスクを下に大きくずり下げて、すぐマスクを戻す様子を度々見かける。つまり、一人の時はウィルスの感染リスクを用心深く認識するので問題はないが、数人での会食において平易に着用されて会話も可能でかつ感染防止効果のあるマスクの提供が喫緊の課題となっている。本発明のプリーツ型家庭用マスク1はこの課題を解決するために、現在流通されている当該マスクの耳かけゴム2の形態を新しくして、製造面も楽で且つ使い捨て感覚で使用できるものとして提供する。
【符号の説明】
【0014】
1 プリーツ型家庭用マスク
2 耳かけゴム
3 耳かけゴム接合部
4 プリーツ
5 ノーズフィツター
6 輪っか
7 縁固め部分
8 不織布の上辺縁
図1
図2