(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】腐食試験方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/892 20060101AFI20220928BHJP
G01N 17/00 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
G01N21/892 B
G01N17/00
(21)【出願番号】P 2021144034
(22)【出願日】2021-09-03
【審査請求日】2022-02-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593213205
【氏名又は名称】板橋理化工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】506209422
【氏名又は名称】地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター
(74)【代理人】
【識別番号】110001391
【氏名又は名称】特許業務法人レガート知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】設楽 恭弘
(72)【発明者】
【氏名】木嶋 芳雄
(72)【発明者】
【氏名】石田 祐也
(72)【発明者】
【氏名】山田 麻祐子
(72)【発明者】
【氏名】村井 まどか
(72)【発明者】
【氏名】佐熊 範和
(72)【発明者】
【氏名】三木 大輔
【審査官】谷垣 圭二
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108982343(CN,A)
【文献】特開2019-178997(JP,A)
【文献】特表2019-528433(JP,A)
【文献】実開昭49-062090(JP,U)
【文献】特開昭58-024840(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 17/00-17/04
G01N 21/84-21/958
G01N 21/00-21/01
G01N 21/17-21/61
G01J 3/46-3/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な壁面を有する密閉された試験槽に試料片を載置し、
前記試験槽中で試料片を腐食促進液に曝し、
前記試料片の表面のカラー画像の撮影時にのみ、試験槽内部の水滴及び曇りを除去するための水を供給して、試料片を水没させ、
前記透明な壁面及び水を通して外部から経時的に同じレンズ条件で試料片を撮影し、
前記画像を色分解し、
任意の時間ステップに撮影した画像と、その前段階で撮影した画像とで差分を計算し、
差分に基づいて腐食の進行を評価する、
腐食評価方法。
【請求項2】
画像の色分解は、HSV色分解とし、
HSV色空間における色相(H)、彩度(S)、明度(V)に基づいて腐食の有無を判定し、
任意の時間ステップに撮影した画像と、その前段階で撮影した画像とで、色相(H)、彩度(S)、明度(V)それぞれの差分を計算し、
差分に基づいて腐食の進行を評価する、
請求項1に記載の腐食評価方法。
【請求項3】
試料片を腐食促進液に曝す前に、試料片のカラー画像を、経時的な撮影と同じ条件で撮影する、
請求項1又は2に記載の腐食評価方法。
【請求項4】
透明な撮影用壁面を有する密閉された試験槽内に、試料片の載置部と腐食促進液の供給装置が配設され、
前記試料片の載置部は、前記透明な壁面を通して外部から試料片を撮影できるように試料片が載置されるものとし、
前記試験槽には試料片を水没させるための、前記
腐食促進液の供給装置とは別途、水の供給部が設けられた、
腐食試験装置
【請求項5】
試験槽は水の深さを測定する水位センサーを備え、水位センサーの信号を試料片撮影用カメラの記録システムに連動させるようにした、
請求項4に記載の腐食試験装置
【請求項6】
透明な撮影用壁面は、試料片の撮影及び撮影時における試料片のライティングの用に資するものとした、
請求項4又は5に記載の腐食試験装置
【請求項7】
試験槽は、撮影用壁面以外は外光を遮断すべく不透明な素材で覆われ、試験槽の内部に撮影用の光源が設置された、請求項4又は5に記載の腐食試験装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鋼板などの金属表面のさび等の腐食の経時的変化を定量的に測定し、腐食状態を評価する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
腐食過程は、現在、JISで規定された塩水噴霧試験、JIS又は業界規格のCCT試験などで、一定期間、時間経過ごとに試料片を試験槽外に取り出し、一定時間ごとに観察し、腐食(評価項目としてさびの種類、さびの幅、基板と処理剤との界面の膨れや剥離など)を評価する方法がとられている。
他方、さび等の腐食がいつ発生し始めたのか知りたい、腐食がどう進んでいくのか(y=x型なのか、y=x2なのか)を知りたい、との要望がある。
しかし、上述の現象の変化の確認は、雰囲気の変化を避けるために、試料片を試験槽に載置したままで行うことが望ましいが、試料片を試験槽に載置したままで撮影することは困難であった。
【0003】
試料片表面の画像を撮影し、画像を解析することによって腐食状態を評価しようとする発明として、特開平7-77501号及び特開平9-178646号の発明がある。
特開平7-77501号の発明は、表面に赤錆のある鋼板2の表面をカラーテレビカメラで撮影し、画像を白と黒の2値化画像信号として白となった部分の画素数に基づいてさびの面積を計算するものである。この発明において、試料片を試験槽内に載置した状態で撮影することは開示されていない。
特開平9-178646号の発明は、反射光測定器により面状錆の発生面積を、分光測色方式の色彩計によって樹脂膜の色彩変化を、また、TVカメラと平行光照射器を備えた撮像装置によって点錆と皮膜膨れを検知し、各々の発生している面積を判定装置によって求めるものである。この発明においても撮影は、試料片を試験槽の外に取り出して行うものである。
【0004】
【文献】特開平7-77501号公報
【文献】特開平9-178646号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、試料片を試験槽に載置したままで撮影を行うこと、そして腐食の面積のみならず、腐食の発生した位置及び進行状況や皮膜の変化を判定することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1ないし4の発明は、腐食評価方法に関するものであり、請求項5及び7の発明は、この発明の腐食評価方法を実施するための腐食試験装置に関するものである。
【0007】
請求項1の発明の腐食評価方法は以下の通りである。
透明な壁面を有する密閉された試験槽に試料片を載置し、前記試験槽中で試料片を腐食促進液に曝す。前記試料片の表面のカラー画像の撮影時にのみ、試験槽内部の水滴及び曇りを除去するための水を供給して、試料片を水没させ、前記透明な壁面を通して外部から経時的に、同じレンズ条件でカラー画像を撮影する。次いで、前記画像を色分解し、任意の時間ステップに撮影した画像と、その前段階で撮影した画像とで差分を計算し、差分に基づいてさび等の腐食を評価する。
【0008】
この発明は、噴霧法(中性塩水噴霧、酢酸酸性塩水噴霧、キャス試験などの各種塩水噴霧法及び複合サイクル試験(=CCT))による試験に最も適しているが、浸漬法、流下法による腐食試験でも適用することができる。また、腐食促進液は塩水が一般的であるが、これに限定されるものではない。
前記透明な壁面は、試験槽内の試料片を外部からカメラで撮影するためのものである。また、前記密閉とは、外部雰囲気と隔てられていることであり、高い気密性を要求するものではない。
【0009】
この発明における試料片の撮影は、前記試料片の表面のカラー画像の撮影時にのみ、試験槽内部の水滴及び曇りを除去するための水を供給して、試料片を水没させて行う。噴霧法によって腐食試験を行う場合、腐食促進液のために試験槽内は曇り、試験槽の内壁に水滴が付着する。そのために外部のカメラで精緻な画像を撮影することが難しい。
しかるに、試験槽内に水を張り試料片を浸漬水没させることにより、水滴や曇りが除去され、クリアな状態で試料片の表面を撮影することができ、精度の高い画像の色情報を得ることができる。
前記「水」は、水滴や曇りを除去するためのものであるから、「水」は、水(純水)に限定されることはなく、腐食促進に用いるものと同じ(同濃度の)塩水等も含まれる。
【0010】
試料片の表面のカラー画像の撮影は、試料片表面の変化を評価するためのものであるから、評価に必要な間隔で行うのであり、その間隔は試料片の腐食や皮膜の変化の速度および評価の目的に対応して適宜定めることとなる。尤も、ビデオカメラで常時撮影することもこの発明に含まれる。
試料片の撮影は、全て同一のレンズ条件で行う。すなわち、試料片とカメラの距離、カメラレンズの焦点距離を一定とする。撮影条件を一定にするために、試験槽内又は試験槽外に光源を設置して撮影時における試料片表面の光量、色温度を一定にすることが望ましい。また、試験槽内の光を可及的に減らしてストロボ又はフラッシュで撮影することによっても光量、色温度を一定にすることができる。
【0011】
上記により取得した画像を色分解するが、色分解はRGBに限られず、CMYK、HSV分解としてもよい。色分解はピクセル単位で行うことができるので、撮影時ごとの差分を計算することによって、ピクセル単位で試料片の表面の変化を知ることができる。
そして、予め設定しておくさび等の腐食の定義に当てはめることで、ピクセル単位で腐食の有無、進行の度合いなどを評価することができる。
【0012】
請求項2の発明は、画像の色分解は、HSV色分解とし、HSV色空間における色相(H)、彩度(S)、明度(V)に基づいて腐食の有無を判定し、任意の時間ステップに撮影した画像と、その前段階で撮影した画像とで、色相(H)、彩度(S)、明度(V)それぞれの差分を計算し、差分に基づいて腐食の進行を評価するものである。
【0013】
請求項3の発明は、試料片を腐食促進液に曝す前に、試料片のカラー画像を、経時的な撮影と同じ条件で撮影するものである。
例えば、赤茶色に塗装された試料片の場合、所定のさびの定義に当てはめると、初期時点から全面が赤錆と評価されてしまう。しかるに、試料片を腐食促進液に曝す前に撮影し、その画像の色情報(色分解したもの)を取得することにより、初期の色情報との差分を試料片表面の変化として把握することが可能になる。
したがって、赤茶色に塗装された試料片であっても、さびの進行を的確に評価することができる。
【0014】
請求項4は腐食試験装置の発明であり、透明な撮影用壁面を有する密閉された試験槽内に、試料片の載置部と腐食促進液の供給装置を配設する。前記試料片の載置部は、前記透明な撮影用壁面を通して外部から試料片の表面を撮影できるように試料片が載置されるものとする。そして前記試験槽には、前記腐食促進液の供給装置とは別途、水の供給部を設けて腐食試験装置を構成する。水の供給部の設置位置は任意である。
【0015】
前記密閉及び腐食促進液の意味合いは先に説明した通りである。また、腐食促進液の供給装置は、噴霧法、浸漬法、流下法それぞれに対応した公知のものを設置する。
前記水の供給部は、試料片の撮影時に試料片を水没させるための水を試験槽内に供給するものである。水の供給は手動で行うものでもよいが、所定時間に水が供給されるようにプログラムしておくことが好ましい。
所定時間に水が供給されるとは、一定時間ごとに水が供給されることの他、例えば、最初は30分後、その時点で腐食が発生していた場合にはまた30分後、発生していなかった場合は2時間後と、腐食の具合を認識して、そこから予測して次の観察タイミングを決めることも含まれる。
そして、試験槽には水の深さを測定する水位センサーを備え、水位センサーの信号を試料片撮影用カメラの記録システムに連動させるようにすると、試料片の浸漬に十分な水深となったときに自動的に撮影をすることができる。
【0016】
前記水位センサーと試料片撮影用カメラの記録システムとの連動方法としては、以下の方法が考えられる。
タイプAとして、水位センサーとカメラとを直接接続し、水位センサーが水位の上昇を検知すると、その信号をトリガーとしてカメラに画像が記録される構成がある。この構成によれば、水位センサー以外の機器が不要であるから、撮影画像に他の機器(例えばセンサーライト)が映り込むことがない。
タイプBとして、水位の上昇によるセンサーの感知に合わせ発光するセンサーライトを設け、センサーライトの発光をトリガーとしてカメラに画像が記録される構成がある。この構成においてはカメラの種類に制約がないが、ライトの光を含めた画像を撮影するので画像の解析が複雑になるなどの欠点がある。
タイプCとして、水位の上昇によるセンサーの感知に合わせ発光するセンサーライトを設け、センサーライトの発光を補助カメラで検知し、補助カメラから試料片撮影用カメラに画像記録を指示する構成がある。この構成においては、センサーライトの光の映り込みはなく、カメラの種類の制約もない。
【0017】
この装置における撮影用の光は、複数回の撮影において一定であることが好ましい。そこで、外部からの光量が一定に維持できる場合は外部からの光によって撮影することができるが、外部からの光を遮断して内部に光源を設置することが好ましい。
そのために、試験槽は、撮影用壁面以外は外光を遮断すべく不透明な素材で覆い、試験槽の内部に撮影用の光源を設置する構成が考えられる(請求項7)。光源としては、屋内の蛍光灯やLED照明の他、従来の目視評価で用いていた「D65光源」、さらには白色光源以外の色を使うことで、さびや皮膜の変化をとらえやすくなる。
【発明の効果】
【0018】
この発明の方法によれば、試料片を試験槽内に載置したままでその表面を外部から撮影することができる。したがって、試験中に試料片を大気に曝すことがなく試料片への大気雰囲気の影響を阻止することができる。そして、試料片を移動させる必要がないので、試料片とカメラの位置関係を一定に保持して経時的な撮影を行うことができる。加えて、カラー画像を色分解することによりピクセル単位での変化を把握することができ、ピクセル単位でさびや皮膜の変化等の腐食の有無、進行の度合いなどを評価することができる。
【0019】
加えて、前記試料片の表面のカラー画像の撮影時にのみ、試験槽内部の水滴及び曇りを除去するための水を供給して、試料片を水没させて行うことにより、水滴や曇りが除去され、クリアな状態で試料片の表面を撮影することができ、精度の高い画像の色情報を得ることができる。
【0020】
この発明の装置によれば、透明な撮影用壁面を設けたので試験槽内に載置された試料片を外部から撮影することができる。加えて、前記腐食促進液の供給装置とは別途、水の供給装置を備えているので試験槽に水を供給することによって試験槽内の曇りや水滴を除去してクリアな状態で撮影することができ、もって精度の高い画像の色情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図4】試験槽を暗幕で覆って撮影する状態の断面図。
【実施例1】
【0022】
図1及び
図2において、試験装置1に試験槽2が設けてあり、試験槽2に腐食促進液の噴霧ノズル3、試料片Sの載置台4が配設してある。
この載置台4は、試験槽内における腐食促進液の噴霧や水の供給によって試料片Sの位置が変化しないように、試料片Sをしっかりと固定できるようにしてある。その手法としては、載置台4に試料片Sを固定するクリップを取り付けたり、載置台4に試料片Sをはめ込むゴム枠を取り付けてゴム枠に試料片Sをはめ込むことなどが考えられる。
また、載置台4は試料片Sの表面がJISの各種噴霧法で指定されている傾斜に対応させて傾斜させてある。そして、試験槽2における載置台4の対向部は撮影用透明壁5としてある。撮影用透明壁5の位置、大きさは試料片Sを撮影するカメラCによって、試料片Sを撮影できるように選定する。
【0023】
前記試験槽2には水の供給口6が設けてある。これは、試料片Sの撮影時に試験槽内に水を供給して試料片Sを水没させ、試料片Sの撮影の障害になる試験槽2内の曇りや撮影用透明壁5に付着した水滴を除去するためのものである。
そして、試験槽2内に水位センサー(図示しない)が設置してある。この水位センサーは、試験槽2内の水位が所定水位に達したときにランプを点灯させるようにしてあり、ランプの点灯を補助カメラが検知してその信号を試料片撮影用カメラに送り、画像を撮影してデータを保存するようにプログラムしてある。
【0024】
前記試験槽2の上部は透明な三角屋根7としてある。この透明な屋根7の外側に光源を設置することにより、噴霧液の付着しない外部光源を得ることができる。
【実施例2】
【0025】
図3は試験装置の別の実施例であり、実施例1の装置との相違点は、撮影用透明壁5が載置台4に載置される試料片の表面と並行になるように傾斜している点、及び透明な三角屋根7を設けずに試験槽の上部は不透明の板で塞ぎ、試験槽2内に撮影用の光源8を設けた点である。
【0026】
この実施例によれば、試料片と撮影用透明壁が並行になるので光の屈折がなく、自然光ではなく光源8による光で撮影するので試料片は一定の光の下で撮影される。したがって、一層精度の高い画像データを得ることができる。
なお、光源は透明壁の外側に設置することもできる。
【0027】
図4は、試験槽2及びカメラCを暗幕9で覆うことによって外部の光を遮断して試料片を撮影する状態を示すものである。図において、試料片は省略した。
この実施例においては、実施例1に示す光源8を試験槽の外部に設置して、透明な三角屋根7から光を試料片に照射している。光源8を試験槽内部に設置するためには光源が腐食促進液の影響を回避する必要があり、光源のコストが増大するが、外部に設置する場合は通常の光源を使用することができる。その際に外部の光の影響を確実に排除するために、暗幕内での撮影が有効である。
【0028】
これら実施例に示す装置を用い、カメラCの光軸Oを試料片と直角に位置させて撮影することにより、試料片Sの表面の画像を得る。腐食開始前、腐食中期、腐食後期の画像を
図5に示す。
【0029】
図5の画像を色分解し、特定のピクセル位置の数値を示すと表1の通りとなる。この色分解された数値を予め設定したさびの定義にあてはめると、特定のピクセル位置におけるさびの状態を判定することができる。この判定は試料片表面の全ての領域で可能であるから、試料片全体の腐食の状況を評価することができる。また経時的に処理を行うので、さびの進行状況も把握することができる。
【表1】
【0030】
表1は、A点とB点における画像を色分解したものであり、HSV色空間において、色相(H)が 0-60 or 340-360、彩度(S)が 20-100%、明度(V)が 0-71%という条件の全てに当てはまる場合に「さびが発生している」ものと定義づけてさびの有無を判定した。網掛けは個々の要素がさびの基準内にあるものを示す。
△H、△S、△Vは前回撮影時との差分であり、差分を検証することによりピクセル単位でさびの進行を知ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
この発明は、腐食試験におけるさび等の腐食の進行状況を精緻に把握することを可能とするものであり、産業上利用可能性を有するものである。
【符号の説明】
【0032】
1 試験装置
2 試験槽
3 噴霧ノズル
4 載置台
5 撮影用透明壁
6 水の供給口
7 三角屋根
8 光源
9 暗幕
S 試料片
C カメラ
O 光軸
【要約】
【課題】この発明は、試料片を試験槽に載置したままで撮影を行うこと、そしてさびの面積のみならず、さびの発生した位置及び進行状況や皮膜の変化を判定することを課題とするものである。
【解決手段】撮影用の透明な壁面5を有する密閉された試験槽2に試料片Sを載置し、前記試験槽中で試料片Sを腐食促進液に曝す。腐食促進液に曝された試験槽内の試料片を、前記透明な壁面5を通して外部から経時的に、同じレンズ条件でカラー画像を撮影する。次いで、前記画像を色分解し、任意の時間ステップに撮影した画像と、その前段階で撮影した画像とで差分を計算し、差分に基づいてさびを評価する。
【選択図】
図2