(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】吸引装置
(51)【国際特許分類】
B25J 15/06 20060101AFI20220928BHJP
【FI】
B25J15/06 Z
(21)【出願番号】P 2017180384
(22)【出願日】2017-09-20
【審査請求日】2020-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】397049158
【氏名又は名称】株式会社ハーモテック
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩坂 斉
(72)【発明者】
【氏名】徳永 英幸
(72)【発明者】
【氏名】河西 裕二
(72)【発明者】
【氏名】輿石 克洋
(72)【発明者】
【氏名】田中 秀光
(72)【発明者】
【氏名】小野 浩彦
(72)【発明者】
【氏名】箕浦 勝利
(72)【発明者】
【氏名】岩坂 直然
【審査官】木原 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-103648(JP,A)
【文献】特開2005-251948(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0042507(KR,A)
【文献】特開2013-013992(JP,A)
【文献】登録実用新案第3199452(JP,U)
【文献】特開2011-161529(JP,A)
【文献】特開昭50-118147(JP,A)
【文献】特開2010-016208(JP,A)
【文献】国際公開第2011/105596(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状の本体と、
前記本体の一面から前記一面に垂直な軸方向に凹むように形成される円柱形状の有底孔である凹部と、
前記凹部の内周側面上の位置であって、前記有底孔の前記軸方向における中央より底側の位置に配置される吐出口から、前記凹部内に流体を吐出して旋回流を形成することにより負圧を発生させて被吸引物を吸引する流体流形成手段と、
前記一面のうち前記凹部の開口部を除く環状の面である端面の内周縁から外周縁にかけて
、前記凹部内に吐出された流体が前記凹部から流出する方向に沿って形成された直線状の案内溝と
、
前記端面上に設けられ、前記負圧により吸引される前記被吸引物が前記端面に沿って移動するのを制限する移動制限手段と
を備え、
前記吐出口は前記案内溝よりも前記軸方向における底側に配置されている
吸引装置。
【請求項2】
前記流体流形成手段は、前記凹部内に流体を吐出して旋回流を形成する流体通路であって、
前記案内溝は、前記端面に向かって見て、前記流体通路が延びる方向に対して略45度の角度をなす方向に沿って前記端面に形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の吸引装置。
【請求項3】
前記案内溝は、その断面積が前記凹部から離れるにつれて拡大するように形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸引装置。
【請求項4】
前記案内溝は、その断面積が前記凹部から離れるにつれて縮小するように形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸引装置。
【請求項5】
前記移動制限手段は、角状の突起物であり、前記被吸引物に突き刺さることで前記被吸引物の移動を制限することを特徴とする請求項1に記載の吸引装置。
【請求項6】
柱状の本体と、
前記本体の一面から前記一面に垂直な軸方向に凹むように形成される円柱形状の有底孔である凹部と、
前記凹部の内周側面上の位置であって、前記有底孔の前記軸方向における中央より底側の位置に配置される吐出口から、前記凹部内に流体を吐出して旋回流を形成することにより負圧を発生させて被吸引物を吸引する流体流形成手段と、
前記一面のうち前記凹部の開口部を除く環状の面である端面の上に前記凹部の開口部を囲むように設けられた環状の部材であって、前記軸方向において前記本体から離れる程、内径が連続的に大きくなるように形成され、前記凹部内への前記被吸引物の侵入を阻害する環状壁と、
前記環状壁の内壁面の前記軸方向における前記本体に近い側の端から前記本体に遠い側の端にかけて直線状に形成された案内溝と
を備える吸引装置。
【請求項7】
柱状の本体と、
前記本体の一面から前記一面に垂直な軸方向に凹むように形成される円柱形状の有底孔である凹部と、
前記凹部の内周側面上の位置であって、前記有底孔の前記軸方向における中央より底側の位置に配置される吐出口から、前記凹部内に流体を吐出して旋回流を形成することにより負圧を発生させて被吸引物を吸引する流体流形成手段と、
前記一面のうち前記凹部の開口部を除く環状の面である端面の上に前記凹部の開口部を囲むように設けられた環状の部材であって、前記軸方向において前記本体から離れる程、内径が連続的に大きくなるように形成され、前記凹部内への前記被吸引物の侵入を阻害する環状壁と、
前記環状壁の内壁面の前記軸方向における前記本体に近い側の端から前記本体に遠い側の端にかけて形成された案内溝であって、前記凹部の開口に向かって見て、前記凹部の開口の円弧よりも曲率が小さい案内溝と
を備える吸引装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルヌーイ効果を利用して材料を吸引する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体ウェーハやガラス基板等の板状部材を非接触で搬送するための装置が利用されている。例えば、特許文献1には、ベルヌーイ効果を利用して板状部材を非接触で搬送する装置が記載されている。この装置は、装置下面に開口する円筒室内に旋回流を発生させて、旋回流中心部の負圧によって板状部材を吸引する一方で、当該円筒室から流出する流体によって当該装置と板状部材との間に一定の距離を保つことで板状部材の非接触での搬送を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の技術に鑑みてなされたものであり、被吸引物をより安定的に吸引する吸引装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため、本発明に係る吸引装置は、柱状の本体と、前記本体の一面から前記一面に垂直な軸方向に凹むように形成される円柱形状の有底孔である凹部と、前記凹部の内周側面上の位置であって、前記有底孔の前記軸方向における中央より底側の位置に配置される吐出口から、前記凹部内に流体を吐出して旋回流を形成することにより負圧を発生させて被吸引物を吸引する流体流形成手段と、前記一面のうち前記凹部の開口部を除く環状の面である端面の内周縁から外周縁にかけて、前記凹部内に吐出された流体が前記凹部から流出する方向に沿って形成された直線状の案内溝と、前記端面上に設けられ、前記負圧により吸引される前記被吸引物が前記端面に沿って移動するのを制限する移動制限手段とを備え、前記吐出口は前記案内溝よりも前記軸方向における底側に配置されている。
【0006】
前記流体流形成手段は、前記凹部内に流体を吐出して旋回流を形成する流体通路であって、前記案内溝は、前記端面に向かって見て、前記流体通路が延びる方向に対して略45度の角度をなす方向に沿って前記端面に形成されてもよい。
【0008】
前記案内溝は、その断面積が前記凹部から離れるにつれて拡大するように形成されてもよい。
【0009】
前記案内溝は、その断面積が前記凹部から離れるにつれて縮小するように形成されてもよい。
【0011】
前記移動制限手段は、角状の突起物であり、前記被吸引物に突き刺さることで前記被吸引物の移動を制限してもよい。
【0013】
また、本発明に係る別の吸引装置は、柱状の本体と、前記本体の一面から前記一面に垂直な軸方向に凹むように形成される円柱形状の有底孔である凹部と、前記凹部の内周側面上の位置であって、前記有底孔の前記軸方向における中央より底側の位置に配置される吐出口から、前記凹部内に流体を吐出して旋回流を形成することにより負圧を発生させて被吸引物を吸引する流体流形成手段と、前記一面のうち前記凹部の開口部を除く環状の面である端面の上に前記凹部の開口部を囲むように設けられた環状の部材であって、前記軸方向において前記本体から離れる程、内径が連続的に大きくなるように形成され、前記凹部内への前記被吸引物の侵入を阻害する環状壁と、前記環状壁の内壁面の前記軸方向における前記本体に近い側の端から前記本体に遠い側の端にかけて直線状に形成された案内溝とを備える。
【0014】
また、本発明に係る別の吸引装置は、柱状の本体と、前記本体の一面から前記一面に垂直な軸方向に凹むように形成される円柱形状の有底孔である凹部と、前記凹部の内周側面上の位置であって、前記有底孔の前記軸方向における中央より底側の位置に配置される吐出口から、前記凹部内に流体を吐出して旋回流を形成することにより負圧を発生させて被吸引物を吸引する流体流形成手段と、前記一面のうち前記凹部の開口部を除く環状の面である端面の上に前記凹部の開口部を囲むように設けられた環状の部材であって、前記軸方向において前記本体から離れる程、内径が連続的に大きくなるように形成され、前記凹部内への前記被吸引物の侵入を阻害する環状壁と、前記環状壁の内壁面の前記軸方向における前記本体に近い側の端から前記本体に遠い側の端にかけて形成された案内溝であって、前記凹部の開口に向かって見て、前記凹部の開口の円弧よりも曲率が小さい案内溝とを備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る吸引装置によれば、案内溝を備えない場合と比較して、被吸引物をより安定的に吸引することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
1.第1実施形態
図1は、第1実施形態に係る旋回流形成体1(本発明に係る「吸引装置」の一例)の一例の斜視図である。
図2は、旋回流形成体1の一例の底面図である。
図3は、
図2のA-A線断面図である。
図4は、
図3のB-B線断面図である。これらの図に示す旋回流形成体1は、旋回流を形成してベルヌーイ効果により被吸引物を吸引する装置である。被吸引物とは、例えば、コロッケやかき揚げ等の食品である。この吸引装置10は、例えば、ロボットアームの先端に取り付けられて使用される。
【0018】
旋回流形成体1は、本体11と、端面12と、凹部13と、2個の噴出口14と、傾斜面15と、8本の案内溝16とを備える。本体11は、アルミニウム合金等の材料からなり、円柱形状を有する。端面12は、本体11の一の面(具体的には、被吸引物に臨む面)(以下、「底面」という。)に平坦状に形成される。凹部13は、端面12に形成される円柱形状の有底孔である。この凹部13は、本体11と同軸に形成される。2個の噴出口14は、凹部13に面する本体11の内周側面111に形成される。これらの噴出口14は、内周側面111の軸方向中央より底側に配置される。また、これらの噴出口14は、互いに対向するように配置される。具体的には、本体11又は凹部13の中心軸の軸心を中心に点対称に配置される。旋回流形成体1に供給された流体は、各噴出口14を介して凹部13内に吐出される。ここで流体とは、例えば、圧縮空気等の気体や、純水や炭酸水等の液体である。傾斜面15は、本体11の開口端に形成される。
【0019】
8本の案内溝16は、端面12の内周縁から外周縁にかけて、凹部13内に吐出された流体が凹部13から流出する方向(具体的には、1つの噴出口14から吐出され、凹部13から流出する流体分子のベクトルの合成により表される方向)に沿って直線状に形成される。より具体的には、これらの案内溝16は、端面12に向かって見て、その案内溝16と凹部13の開口との接点を通る接線に対して略36度の角度をなす方向に沿って形成される。例えば、
図5に示す底面の例において、案内溝16Aは、当該案内溝と凹部13の開口との接点P1を通る接線L1に対して36度の角度をなす方向に沿って形成される。また、これらの案内溝16のうち、2本の案内溝16は、端面12に向かって見て、後述する供給路20が延びる方向に対して略45度の角度をなす方向に沿って形成される。そして、残りの6本の案内溝16は、隣り合う案内溝16が延びる方向が略45度の角度をなすように形成される。例えば、
図5に示す底面の例において、案内溝16Bは、供給路20Aが延びる方向(矢印A1)に対して45度の角度をなす方向(矢印A2)に沿って形成される。また、案内溝16Cは、供給路20Bが延びる方向(矢印A3)に対して45度の角度をなす方向(矢印A4)に沿って形成される。各案内溝16の断面形状は半円形である。
【0020】
以上説明したように構成される案内溝16は、凹部13の開口から流出する主な流体を整流しつつ凹部13から離れる方向に案内する。案内溝16により案内される流体は、端面12に沿って流れる流体と比較して、被吸引物との衝突が避けられる。
【0021】
また、旋回流形成体1は、供給口17と、環状通路18と、連通路19と、2本の供給路20(本発明に係る「流体流形成手段」の一例)とを備える。供給口17は、円形状を有し、本体11の上面(すなわち、底面と反対側の面)の中央に形成される。この供給口17は、例えばチューブを介して、図示せぬ流体供給ポンプに接続され、供給口17を介して本体11内に流体が供給される。環状通路18は、円筒形状を有し、凹部13を囲むように本体11の内部に形成される。この環状通路18は、凹部13と同軸に形成される。環状通路18は、連通路19から供給される流体を供給路20に供給する。連通路19は、本体11の底面又は上面の半径方向に直線状に延びるように本体11内部に形成される。この連通路19は、その両端部において環状通路18と連通する。連通路19は、供給口17を介して本体11内に供給される流体を環状通路18に供給する。2本の供給路20は、端面12に対して略平行、且つ凹部13の外周に対して接線方向に延びるように形成される。これらの供給路20は、互いに平行に延びる。各供給路20は、その一端が環状通路18と連通し、他端が噴出口14と連通する。各供給路20は、凹部13内に流体の旋回流を形成する。
【0022】
次に、以上説明した旋回流形成体1の吸引動作について説明する。旋回流形成体1の供給口17に対して流体供給ポンプから流体が供給されると、その流体は、連通路19、環状通路18及び供給路20を通って噴出口14から凹部13内に吐出される。凹部13に吐出された流体は、凹部13内において旋回流となって整流され、その後、凹部13の開口から流出する。その際、凹部13の開口に対向する位置に被吸引物が存在した場合、凹部13への外部流体の流入が制限され、旋回流の遠心力とエントレインメント効果により、旋回流中心部の単位体積あたりの流体分子の密度が小さくなり、凹部13内に負圧が発生する。その結果、旋回流形成体1の周囲の流体は、凹部13内への流入を開始し、被吸引物は周囲の流体によって押圧されて旋回流形成体1側に引き寄せられる。一方、凹部13の開口から流出した主な流体は、案内溝16により整流されて、旋回流形成体1の外へ排出される。
【0023】
以上説明した旋回流形成体1によれば、凹部13から流出する主な流体は案内溝16により整流されて排出されるため、流出流体が被吸引物と衝突して被吸引物をばたつかせたり回転させたりする現象が抑制される。また、流出流体と被吸引物の衝突に起因する騒音が軽減される。また、旋回流形成体と邪魔板の間にスペーサを挿入することで流出流体の流路を確保する従来の吸引装置(例えば、特開2016-159405号公報)と比較して、部品点数が削減され、より安価に製造することが可能になる。また、邪魔板により流路が遮蔽される従来の吸引装置と比較して、流路の清掃が容易になる。
【0024】
また、上記の旋回流形成体1によれば、吸引した流体はすべて旋回流形成体1の外に排出され、凹部13や噴出口14に侵入することがないため、被吸引物により流体の供給路が汚染されることが防止される。
【0025】
2.第2実施形態
第2実施形態に係る旋回流形成体2(本発明に係る「吸引装置」の一例)は、端面12と傾斜面15に代えて環状壁21を備え、この環状壁21に8本の案内溝22が形成されている点において第1実施形態に係る旋回流形成体1と相違する。以下、これらの相違点について説明する。
【0026】
図6は、本実施形態に係る旋回流形成体2の一例の斜視図である。
図7は、旋回流形成体2の一例の底面図である。これらの図に示す環状壁21は、台形の断面形状を有し、一端面の外径が本体11の径と等しくなり、かつ内径が凹部13の径と等しくなるように形成される。また、他端面の外径が一端面の外径よりも小さく、かつ内径が一端面の内径よりも大きくなるように形成される。言い換えると、環状壁21は、一端から他端にかけて厚みが連続的に小さくなるように形成される。または、一端から他端にかけて開口面積が連続的に小さくなるように形成される。このように形成された環状壁21は、凹部13を囲むように、その一端面が本体11に同軸に固定される。
【0027】
以上説明したように構成される環状壁21は、凹部13内で発生する負圧により吸引される被吸引物と接触することで、当該被吸引物の凹部13への進入を阻害する。また、環状壁21は、その一部が環状壁21の開口に陥入した被吸引物の径方向への移動を制限する。
【0028】
8本の案内溝22は、環状壁21の一端から他端にかけて、凹部13内に吐出された流体が凹部13から流出する方向(具体的には、1つの噴出口14から吐出され、凹部13から流出する流体分子のベクトルの合成により表される方向)に沿って直線状に形成される。より具体的には、これらの案内溝22は、環状壁21の他端面に向かって見て、その案内溝22と凹部13の開口との接点を通る接線に対して略20度の角度をなす方向に沿って形成される。例えば、
図8に示す底面の例において、案内溝22Aは、当該案内溝と凹部13の開口との接点P2を通る接線L2に対して20度の角度をなす方向に沿って形成される。また、これらの案内溝22のうち、2本の案内溝22は、環状壁21の他端面に向かって見て、供給路20が延びる方向に対して略45度の角度をなす方向に沿って形成される。そして、残りの6本の案内溝22は、隣り合う案内溝22が延びる方向が略45度の角度をなすように形成される。例えば、
図8に示す底面の例において、案内溝22Bは、供給路20Aが延びる方向(矢印A1)に対して45度の角度をなす方向(矢印A4)に沿って形成される。また、案内溝22Cは、供給路20Bが延びる方向(矢印A3)に対して45度の角度をなす方向(矢印A5)に沿って形成される。各案内溝22の断面形状は半円形である。
【0029】
以上説明したように構成される案内溝22は、凹部13の開口から流出する主な流体を整流しつつ凹部13から離れる方向に案内する。案内溝22により案内される流体は、環状壁21の内壁面に沿って流れる流体と比較して、被吸引物との衝突が避けられる。
【0030】
以上説明した旋回流形成体2では、その吸引動作時において、凹部13の開口から流出した主な流体が案内溝22により整流されて、旋回流形成体2の外へ排出される。そのため、この旋回流形成体2であっても、第1実施形態に係る旋回流形成体1と同様の効果が得られる。
【0031】
3.第3実施形態
第3実施形態に係る放射流形成体3(本発明に係る「吸引装置」の一例)は、旋回流を形成してベルヌーイ効果により被吸引物を吸引する点において第1実施形態に係る旋回流形成体1と相違する。以下、これら装置の相違点について説明する。
【0032】
図9は、放射流形成体3の一例の斜視図である。
図10は、放射流形成体3の一例の底面図である。
図11は、
図10のC-C線断面図である。これらの図に示す放射流形成体3は、本体31と、環状凹部32と、端面33と、対向面34と、傾斜面35と、8本の案内溝36とを備える。本体31は、アルミニウム合金等の材料からなり、円柱形状を有する。端面33は、本体31の一の面(具体的には、被吸引物に臨む面)(以下、「底面」という。)に平坦状に形成される。環状凹部32は、本体31の外周と同心円状に、端面33に形成される。対向面34は、本体31の底面に平坦状に形成される。その際、対向面34は、本体31の底面において、端面33に対して窪むように形成される。この対向面34は、周囲を環状凹部32に囲まれ、被吸引物と対向する。傾斜面35は、環状凹部32の開口端に形成される。
【0033】
8本の案内溝36は、端面33の内周縁から外周縁にかけて、環状凹部32内に吐出された流体が環状凹部32から流出する方向(具体的には、後述する1つのノズル孔37から吐出され、環状凹部32から流出する流体分子のベクトルの合成により表される方向)に沿って直線状に形成される。より具体的には、これらの案内溝36は、端面33に向かって見て、その案内溝36と環状凹部32の開口との接点を通る接線に対して略90度の角度をなす方向に沿って形成される。例えば、
図12に示す底面の例において、案内溝36Aは、当該案内溝と環状凹部32の開口との接点P3を通る接線L3に対して90度の角度をなす方向に沿って形成される。また、これらの案内溝36は、端面33に向かって見て、後述するノズル孔37が延びる方向に対して略平行な方向に沿って(より具体的には、一直線上に)形成される。例えば、
図12に示す底面の例において、案内溝36Bは、ノズル孔37Aが延びる方向(矢印A6)に沿って形成される。
【0034】
以上説明したように構成される案内溝36は、環状凹部32の開口から流出する主な流体を整流しつつ環状凹部32から離れる方向に案内する。案内溝36により案内される流体は、端面33に沿って流れる流体と比較して、被吸引物との衝突が避けられる。
【0035】
また、放射流形成体3は、8本のノズル孔37(本発明に係る「流体流形成手段」の一例)と、導入口38と、導入路39と、環状通路40と、連通路41とをさらに備える。導入口38は、円形状を有し、本体31の上面(すなわち、底面と反対の面)の中央に設けられる。この導入口38は、例えばチューブを介して、図示せぬ流体供給ポンプと接続される。導入路39は、本体31の中心軸に沿って直線状に延びるように本体31の内部に設けられる。この導入路39は、その一端が導入口38と連通し、他端が連通路41と連通する。導入路39は、導入口38を介して本体31内に供給される流体を連通路41に供給する。
【0036】
連通路41は、環状通路40の半径方向に直線的に延びるように本体31の内部に設けられる。この連通路41は、その軸方向中央部において導入路39と連通し、その両端部において環状通路40と連通する。連通路41は、導入路39から供給される流体を環状通路40に供給する。環状通路40は、円筒形状を有し、本体31の内部に設けられる。この環状通路40は、本体31と同軸に形成される。環状通路40は、連通路41から供給される流体をノズル孔37に供給する。
【0037】
8本のノズル孔37は、各々、端面33又は対向面34に対して略平行、且つ本体31の底面又は上面の半径方向に直線的に延びるように形成され、その一端は環状通路40と連通し、他端は環状凹部32と連通する。これらのノズル孔37は、隣り合うノズル孔37同士が略45度の角度をなすように同一平面上に配置される。各ノズル孔37は、環状凹部32内に流体を吐出して放射流を形成する。
【0038】
次に、以上説明した放射流形成体3の吸引動作について説明する。放射流形成体3の導入口38に対して流体が供給されると、その流体は、導入路39、連通路41及び環状通路40を通ってノズル孔37から環状凹部32内に吐出される。環状凹部32に吐出された流体は、環状凹部32の開口から放射流として流出する。その際、環状凹部32の開口に対向する位置に被吸引物が存在した場合、放射流形成体3と被吸引物の間の空間への外部流体の流入が制限され、放射流のエントレインメント効果により、当該空間の単位体積あたりの流体分子の密度が小さくなり、負圧が発生する。その結果、被吸引物は周囲の流体によって押圧されて放射流形成体3側に引き寄せられる。一方、環状凹部32の開口から流出した主な流体は、案内溝36により整流されて、放射流形成体3の外へ排出される。
【0039】
以上説明した放射流形成体3によれば、環状凹部32から流出する主な流体は案内溝36により整流されて排出されるため、流出流体が被吸引物と衝突して被吸引物をばたつかせたり回転させたりする現象が抑制される。また、流出流体と被吸引物の衝突に起因する騒音が軽減される。また、上述した従来の吸引装置と比較して、部品点数が削減され、より安価に製造することが可能になる。また、邪魔板により流路が遮蔽される従来の吸引装置と比較して、流路の清掃が容易になる。
【0040】
また、上記の放射流形成体3によれば、吸引した流体はすべて放射流形成体3の外に排出され、環状凹部32やノズル孔37に侵入することがないため、被吸引物により流体の供給路が汚染されることが防止される。
【0041】
4.第4実施形態
第4実施形態に係る放射流形成体4(本発明に係る「吸引装置」の一例)は、端面33に代えて環状壁42を備え、この環状壁42に8本の案内溝43が形成されている点において第3実施形態に係る放射流形成体3と相違する。以下、これらの相違点について説明する。
【0042】
図13は、本実施形態に係る放射流形成体4の一例の斜視図である。
図14は、放射流形成体4の一例の底面図である。これらの図に示す環状壁42は、台形の断面形状を有し、一端面の外径が本体31の径と等しくなり、かつ内径が環状凹部32の外径と等しくなるように形成される。また、他端面の外径が一端面の外径よりも小さく、かつ内径が一端面の内径よりも大きくなるように形成される。言い換えると、環状壁42は、一端から他端にかけて厚みが連続的に小さくなるように形成される。または、一端から他端にかけて開口面積が連続的に小さくなるように形成される。このように形成された環状壁42は、環状凹部32を囲むように、その一端面が本体31に同軸に固定される。
【0043】
以上説明したように構成される環状壁42は、本体31が発生させる負圧により吸引される被吸引物と接触することで、当該被吸引物の環状凹部32への進入を阻害する。また、環状壁42は、その一部が環状壁42の開口に陥入した被吸引物の径方向への移動を制限する。
【0044】
8本の案内溝43は、環状壁42の一端から他端にかけて、環状凹部32内に吐出された流体が環状凹部32から流出する方向(具体的には、1つのノズル孔37から吐出され、環状凹部32から流出する流体分子のベクトルの合成により表される方向)に沿って直線状に形成される。より具体的には、これらの案内溝43は、環状壁42の他端面に向かって見て、その案内溝43と環状凹部32の開口との接点を通る接線に対して略90度の角度をなす方向に沿って形成される。例えば、
図15に示す底面の例において、案内溝43Aは、当該案内溝と環状凹部32の開口との接点P4を通る接線L4に対して90度の角度をなす方向に沿って形成される。また、これらの案内溝43は、環状壁42の他端面に向かって見て、ノズル孔37が延びる方向に対して略平行な方向に沿って(より具体的には、一直線上に)形成される。例えば、
図15に示す底面の例において、案内溝43Bは、ノズル孔37Aが延びる方向(矢印A6)に沿って形成される。
【0045】
以上説明したように構成される案内溝43は、環状凹部32の開口から流出する主な流体を整流しつつ環状凹部32から離れる方向に案内する。案内溝43により案内される流体は、案内溝43の内壁面に沿って流れる流体と比較して、被吸引物との衝突が避けられる。
【0046】
以上説明した放射流形成体4では、その吸引動作時において、環状凹部32の開口から流出した主な流体が案内溝43により整流されて、放射流形成体4の外へ排出される。そのため、この放射流形成体4であっても、第3実施形態に係る放射流形成体3と同様の効果が得られる。
【0047】
5.変形例
上記の各実施形態は、以下のように変形してもよい。なお、以下の変形例は互いに組み合わせてもよい。
【0048】
5-1.変形例1
第1実施形態に係る旋回流形成体1の本体11と凹部13の形状は、円柱に限られず、例えば角柱や楕円柱でもよい。また、凹部13に面する本体11の内周側面111には、開口に向かって拡径するテーパが形成されてもよい。また、凹部13内には、その外周側面と本体11の内周側面111との間に流体流路を形成する凸部が形成されてもよい(例えば、特開2016-159405号公報の
図13参照)。また、旋回流形成体1に設けられる噴出口14及び供給路20の数は、2本に限られず、1本であっても3本以上であってもよい。また、噴出口14の配置は、内周側面111の軸方向中央よりも底側に限られず、軸方向中央や端面12側でもよい。また、傾斜面15の形成は省略されてもよい。また、供給口17の形状は、円形に限られず、例えば矩形や楕円でもよい。また、供給口17は、本体11上面ではなく側面に形成されてもよい。また、2本の供給路20は、必ずしも互いに平行に延びていなくてもよい。
【0049】
第1実施形態に係る旋回流形成体1において、本体11内に形成される流体通路群に代えて、旋回流を形成してベルヌーイ効果により被吸引物を吸引する電動ファン(例えば、特開2011-138948号公報参照)を採用してもよい。この電動ファンは、本発明に係る「流体流形成手段」の一例である。
【0050】
第3実施形態に係る放射流形成体3の本体31の形状は、円柱に限られず、例えば角柱や楕円柱でもよい。また、放射流形成体3に設けられるノズル孔37の数は、8本に限られず、7本以下であっても9本以上であってもよい。また、導入口38の形状は、円形に限られず、例えば矩形や楕円でもよい。また、導入口38は、本体31上面ではなく側面に形成されてもよい。
【0051】
第2実施形態に係る環状壁21と上記の第4実施形態に係る環状壁42の断面形状は、台形に限られず、半円形や三角形であってもよい。また、環状壁21は本体11と、環状壁42は本体31と一体に成形されてもよい。
【0052】
5-2.変形例2
図16~21は、第1実施形態に係る案内溝16の変形例を示す図である。
図16及び17に示す案内溝51は、その断面形状が矩形である点において案内溝16と相違している。なお、矩形以外にも、V字や半楕円であってもよい。
図18及び19に示す案内溝52は、その断面形状が矩形であり、かつその断面積が凹部13から離れるにつれて拡大するように形成されている点において案内溝16と相違している。なお、案内溝52は、その径が凹部13から離れるにつれて拡大しているが、径に加えて又は代えてその深さを拡大させてもよい。
図20及び21に示す案内溝53は、その断面形状が矩形であり、かつその断面積が凹部13から離れるにつれて縮小するように形成されている点において案内溝16と相違している。なお、案内溝53は、その径が凹部13から離れるにつれて縮小しているが、径に加えて又は代えてその深さを縮小させてもよい。
【0053】
なお、上記の案内溝16に対する各変形は、第2実施形態に係る案内溝22に適用してもよい。
【0054】
図22~27は、第3実施形態に係る案内溝36の変形例を示す図である。
図22及び23に示す案内溝61は、その断面形状が矩形である点において案内溝36と相違している。なお、矩形以外にも、V字や半楕円であってもよい。
図24及び25に示す案内溝62は、その断面形状が矩形であり、かつその断面積が環状凹部32から離れるにつれて拡大するように形成されている点において案内溝36と相違している。なお、案内溝62は、その径が環状凹部32から離れるにつれて拡大しているが、径に加えて又は代えてその深さを拡大させてもよい。
図26及び27に示す案内溝63は、その断面形状が矩形であり、かつその断面積が環状凹部32から離れるにつれて縮小するように形成されている点において案内溝36と相違している。なお、案内溝63は、その径が環状凹部32から離れるにつれて縮小しているが、径に加えて又は代えてその深さを縮小させてもよい。
【0055】
なお、上記の案内溝36に対する各変形は、第4実施形態に係る案内溝43に適用してもよい。
【0056】
上記の各実施形態に係る案内溝の本数は、8本に限られず、7本以下であっても9本以上であってもよい。また、各案内溝の幅と深さは、図示の例よりも大きくてもよい。例えば、第1実施形態に係る端面12を、
図28に例示するように、側面視で波形状の面としてもよい。また、案内溝の配置方法は上記の例に限られない。案内溝の最適な本数、寸法及び配置は、凹部から流出する流体の流量に応じて決まる。
【0057】
また、上記の各実施形態に係る案内溝は、必ずしも直線状に限られず、多少湾曲していてもよい。具体的には、本体の端面又は凹部に向かって見て、凹部の開口又は本体の外周の円弧よりも曲率が小さい案内溝としてもよい。例えば、凹部の開口又は本体の外周の円弧の半分の曲率の案内溝としてもよい。仮に本体が角柱形状を有する場合には、本体の端面又は凹部に向かって見て、本体の外側の頂点を通る外接円の円弧よりも曲率が小さい案内溝としてもよい。
【0058】
5-3.変形例3
第1実施形態に係る旋回流形成体1の端面12に、被吸引物の横ずれを防止するための突起71(本発明に係る「移動制限手段」の一例)を取り付けてもよい。
図29は、4本の角状の突起71が取り付けられた旋回流形成体1A(本発明に係る「吸引装置」の一例)の一例の斜視図である。
図30は、旋回流形成体1Aの一例の底面図である。これらの図に示す4本の突起71は、先端の尖った円柱形状を有し、端面12から略垂直に延びるように取り付けられる。各突起71の配置は、負圧により吸引された被吸引物の周囲を取り囲むようになされる。図示の例では、端面12の径方向中央に、等間隔に配置されている。このように構成される突起71は、高速搬送時に、負圧によって吸引された被吸引物が端面12に沿って移動するのを制限する。
【0059】
なお、突起71の形状は、先端の尖った角柱や円錐や角錐であってもよい。また、突起71の本数は、3本以下であっても5本以上であってもよい。また、突起71の位置は、端面12の径方向外縁又は内縁であってもよい。また、突起71の配置は、負圧により吸引された被吸引物に突き刺さるようになされてもよい。
【0060】
突起71は、第3実施形態に係る放射流形成体3の端面33に取り付けてもよい。
【0061】
5-4.変形例4
図31は、変形例3に係る旋回流形成体1Aの変形例である旋回流形成体1Bの一例の側面図である。同図に示す旋回流形成体1Bは、8本の案内溝16を有さず、また突起71がスペーサ81を介して端面12に取り付けられている点において旋回流形成体1Aと相違している。この旋回流形成体1Bが備える4本のスペーサ81は、突起71よりも大径の円柱形状を有し、突起71と同軸に取り付けられる。なお、変形例として、スペーサ81は角柱形状であってもよい。これらのスペーサ81は、旋回流形成体1Bが被吸引物を吸引する際に、突起71に突き刺さった被吸引物(例えば、かき揚げ)の表面と接触し、当該被吸引物が端面12と接触することを妨げることで、当該被吸引物と端面12との間に間隙を保持する。この保持された間隙を、凹部13の開口から流出した主な流体が流れることで、流出流体と被吸引物の衝突が軽減される。そのため、この旋回流形成体1Bによっても、第1実施形態に係る旋回流形成体1と同様の効果が得られる。
【0062】
5-5.変形例5
第1実施形態に係る旋回流形成体1の端面12に、被吸引物を保持するための筒体91を取り付けてもよい。
図32は、筒体91が取り付けられた旋回流形成体1C(本発明に係る「吸引装置」の一例)の一例の側面図である。同図に示す筒体91は、ゴム等の弾性材料からなる蛇腹状の円筒体であって、旋回流形成体1Cにより吸引された被吸引物を保持するための部材である。この筒体91は、旋回流形成体1Cが発生させる負圧により吸引される流体を通しつつ、凹部13内への被吸引物の進入を阻害するように、その一端が端面12に固定される。言い換えると、凹部13と同軸に固定される。この筒体91のくびれ部の内径は、凹部13の内径と被吸引物の最大径よりも小さく、その他端は、被吸引物に向かって拡径している。この筒体91の高さは、流体供給ポンプから旋回流形成体1Cに対して供給される流体の流量や、被吸引物の種類に応じて設定される。なお、筒体91の形状は、円筒に限られず、角筒や楕円筒等であってもよい。
【0063】
以上説明した旋回流形成体1Cによれば、被吸引物を吸引する際に筒体91により周囲の流体の流入が限定されることで、負圧発生領域から離れた位置に存在する被吸引物を吸引することができる。また、筒体91が伸縮可能な蛇腹形状を有しているため、旋回流形成体1Cが被吸引物を吸引する際に芯ずれが発生していたとしても、筒体91が被吸引物の形状に合わせて変形することで、被吸引物を安定的に吸引保持することができる。また、筒体91が蛇腹状であるため、被吸引物が筒体91と接触することで生じる被吸引物の損傷を抑えることができる。また、筒体91が蛇腹状であるため、旋回流形成体1Cと被吸引物との間の上下方向のクリアランスの確保が容易となる。言い換えると、被吸引物の各々に高さのばらつきがあったとしても、筒体91の伸縮性が当該ばらつきを吸収してくれる。
【0064】
なお、上記の筒体91のくびれ部の内径を、旋回流形成体1Cの凹部13の内径の1/2以下として、より小さい被吸引物を吸引可能としてもよい。また、筒体91の、被吸引物を保持する側の端部に複数の切り欠きを形成してもよい。切り欠きの形状は、鋸歯状や半円や半長円や矩形等であってよい。また、筒体91よりもくびれ部が小径の筒体を複数、端面12に取り付けて、一度に複数の被吸引物を吸引可能としてもよい。また、筒体91を、蛇腹形状を有しない形状としてもよい。また、筒体91を、端面12に固定される側の端部から、被吸引物を保持する側の端部にかけて漸次縮径させてもよい。
【0065】
筒体91は、第3実施形態に係る放射流形成体3の端面33に取り付けてもよい。
【0066】
5-6.変形例6
上記の各実施形態に係る旋回流形成体又は放射流形成体は、食品に限られず、半導体ウェーハやガラス基板等の板状又はシート状の部材を吸引して保持し、搬送するために使用されてもよい。その際、被吸引物のサイズによっては、板状のフレームに複数の旋回流形成体又は放射流形成体を取り付けて使用してもよい(例えば、特開2016-159405号公報の
図10及び11参照)。
【符号の説明】
【0067】
1、1A、1B、1C…旋回流形成体、2…旋回流形成体、3…放射流形成体、4…放射流形成体、11…本体、12…端面、13…凹部、14…噴出口、15…傾斜面、16…案内溝、17…供給口、18…環状通路、19…連通路、20…供給路、21…環状壁、22…案内溝、31…本体、32…環状凹部、33…端面、34…対向面、35…傾斜面、36…案内溝、37…ノズル孔、38…導入口、39…導入路、40…環状通路、41…連通路、42…環状壁、43…案内溝、51…案内溝、52…案内溝、53…案内溝、62…案内溝、63…案内溝、71…突起、81…スペーサ、91…筒体、111…内周側面