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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220928BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019122296
(22)【出願日】2019-06-28
(65)【公開番号】P2020009438
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2020-11-04
(31)【優先権主張番号】P 2018123289
(32)【優先日】2018-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517017908
【氏名又は名称】フィールド・フロー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 健
【審査官】萩島 豪
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/155978(WO,A1)
【文献】特開2015-183969(JP,A)
【文献】特開2013-073597(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1人以上のひとが介入している所定の時間を場として、当該場に関する客観的情報である第1情報と、前記ひとにとっての前記場に関する主観的情報である第2情報に基づいて生成された前記場の評価を示す第3情報とを取得する取得手段と、
複数の前記場の少なくとも1つに関与した前記ひと、前記複数の場のうち少なくとも1つに関与したもの、又は前記複数の場のうち少なくとも1つに関することを1つの要素として、前記複数の場に関する複数の前記要素の中から選択されたものを選択要素として、当該選択要素の評価を示す第4情報を、前記複数の場の夫々の前記第3情報に基づいて生成する第1生成手段と、
前記複数の場に関する前記複数の要素の中から選択された2つ以上の要素の組合せであって、前記もの又は前記ことを少なくとも1つ含む前記組合せについて、当該組合せに含まれる前記2つ以上の要素の夫々についての前記第4情報に基づいて、当該組合せに含まれる前記2つ以上の要素の夫々についての関係性の評価を示す第5情報を生成する第2生成手段と、
前記第1情報乃至前記第5情報を前記複数の場のうち少なくとも1つの場の利害関係者に提供する提供手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記第2生成手段は、さらに、前記第2情報の提供者の過去の評価実績に基づいて調整された前記場の評価を示す前記第3情報を用いて生成された前記第4情報に基づいて、前記第5情報を生成する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2生成手段は、前記関係性の評価として、前記複数の要素の夫々についての優先度を示す第6情報を生成する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得手段は、
前記ひとの役割に関する情報を含む前記第2情報を取得する、
請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第4情報は、前記ひとの信用に関する評価を含み、
前記信用に関する評価を所定の交換財に換算して前記ひと毎に管理する信用管理手段をさらに備える、
請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、健康のため肉体的及び精神的健康を管理及び増進することが、行われてきた。例えば、肉体的健康のため運動を促したり、体重等の身体情報を管理したりする発明等がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4305671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、健康は肉体的及び精神的なものだけではない。例えば、世界保健機関(以下、「WHO」と呼ぶ)のWHO憲章(日本WHO協会訳)前文によれば、「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。」とされている。即ち、肉体的及び精神的及び社会的に満たされ健康であること、つまり、夫々の健康の改善及び増進をすることが求められている。
【0005】
前述のように、肉体的・精神的健康に関しては盛んに取り組まれてきた。しかし、肉体的・精神的健康と比較して、社会的健康に関する取り組みは活発には行われていない。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、社会的健康を管理・改善するに留まらず、増進することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
1人以上のひとが介入している所定の時間を場として、当該場に関する客観的情報である第1情報と、前記ひとにとっての前記場に関する主観的情報である第2情報に基づいて生成された前記場の評価を示す第3情報とを取得する取得手段と、
前記第1情報及び前記第3情報を前記場の利害関係者に提供する提供手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、社会的健康を管理・改善するに留まらず、増進することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理の流れの例を示す図である。
図2図1の情報処理を行う情報処理システムの構成の例を示す図である。
図3図2の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図3のサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図5図4のサーバに格納される場情報の例を示す図である。
図6図4の機能的構成を有するサーバにより実行される、評価処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
図7】健康の夫々と、健康管理・健康増進の関係性を示す図である。
図8】生産性が高くかつ真に豊かで幸せで健康な社会を目指すため基盤であるイキイキ基盤を示す図である。
図9】つながりの量と質と、関係性に基づく信用評価とについて、場との関係を示した図である。
図10】「ひとものこと関係性情報」に基づき関係性を捉えなおすことに関する図である。
図11】場、当事者、及び関係者における、影響のループを示した図である。
図12】本発明の第2実施形態に係る情報処理システムが適用される本サービスの概要の一例を説明する模式図である。
図13】本サービスのうち、レーティングコントロールサービスの概要の一例を説明する模式図である。
図14】本サービスのうち、優先度算出サービスの概要の一例を説明する模式図である。
図15】本サービスのうち、役割管理サービスの概要の一例を説明する模式図である。
図16】本サービスのうち、信用資産ポイント管理サービスの概要の一例を説明する模式図である。
図17】信用資産ポイント管理サービスにおける、依頼元と、依頼先と、その仲介を行う仲介者の関係を示す図である。
図18】本発明の第2実施形態に係る情報処理システムのうちサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図19】信用資産ポイント管理サービスが提供される際、場情報入力端末に表示されるGUI(Graphical User Interface)の具体例を示す図である。
図20】事業やプロジェクトで社会的な成果をあげるために必要となる資本の構成を示す図である。
図21】サーバによる解析の具体例として、信用評価の具体例を示す図である。
図22】サーバによる解析の具体例として、信用評価の結果に基づいて生成される財務諸表の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報処理システムが適用されるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要の一例を説明する模式図である。
図1に示すように、本サービスでは、n個(nは1以上の整数値)の場F1乃至Fnの夫々が単位とされる。
ここで、「場」とは、1人以上の自然人が介入している時間のことである。以下、説明の便宜上、「場」は、複数の自然人(以下、「参加者」と適宜呼ぶ)が参加する会議により形成されているものとする。
例えば、場F1は、参加者U1と参加者U2とが参加する会議により形成されている。また、場F2は、参加者U2と参加者U3と参加者U4とが参加する別の会議により形成されている。
即ち、参加者U1は、場F1の会議のみに出席している。参加者U3と参加者U4とは、場F2の会議のみに出席している。これに対して、参加者U2は、場F1の会議と、場F2の会議との両方に出席している。
【0012】
ここで、図1の例では、場F1乃至Fnの夫々においては、所定の1人の参加者により議事録等の客観的な情報からなるログ情報(以下、「場ログ」と呼ぶ)が生成されると共に、全員の参加者の夫々により、当該会議(場)についての感想や見解等の客観的な情報(以下、「場見立」と呼ぶ)が生成される。また、全員の参加者の場見立に基づいて、会議(場)の評価(以下、「場評価」と呼ぶ)が生成される。場評価は、参加者等により生成されてもよいが、本実施形態では、後述するサーバにより自動生成されるものとする。
【0013】
具体的には例えば、場F1においては、参加者U1により場ログFL1が生成される。
場ログFL1は、場F1の会議についての客観的情報として、例えば会議についての、「開催日時・場所」、「参加者」、「関連情報参考資料」、「決定事項」、「課題・ToDo」等を構成要素として構成されている。なお、これらの構成要素は、場によって異なっていてもよいが、本実施形態では何れの場(例えば後述する場F2)でも同一であるものとする。
【0014】
また例えば、場F1においては、参加者U1と参加者U2の夫々により、場見立FM11と場見立FM12の夫々が生成される。
場見立FM11と場見立FM12との夫々は、場F1の会議の夫々の参加者U1,U2の夫々の客観的情報として、例えば、会議についての、「重要度」、「感想」、「評価点」を構成要素として構成されている。なお、これらの構成要素は、場によって異なっていてもよいが、本実施形態では何れの場(例えば後述する場F2)でも同一であるものとする。
【0015】
そして、場F1においては、場見立FM11と場見立FM12とに基づいて、場評価FE1が生成される。
場評価FE1とは、場F1に参加した参加者全体(参加者U1と参加者U2)の、当該場F1(会議)についての総合的な評価である。場評価FE1の生成手法は、特に限定されず、場見立FM11及び場見立FM12の夫々の評価点の平均を取る手法、夫々の重要度の平均を取る手法、場見立の項目の夫々を重みづけに用いて評価する手法等、各種各様な手法を適用できる。また、場評価FE1は、単一の項目(構成要素)の評価に限らず、いくつかの項目(構成要素)の各評価に基づくものでもよい。各評価に基づくものとは、各評価に基づいて生成された1つの評価の他、各評価に基づいて生成された複数の評価の集合体や、各評価の夫々自体の集合体も含む広義な概念である。
【0016】
以上まとめると、場F1においては、当該場F1に関する客観的な情報として場ログFL1が生成されると共に、当該場F1に関する主観的な情報として場見立FM11及び場見立FM12並びに場評価FE1が生成される。
なお、所定の場に関する客観的な情報を、以下「客観的場情報」と呼ぶ。また、当該所定の場に関する主観的な情報を、以下「主観的場情報」と呼ぶ。また、当該所定の場についての客観的場情報と主観的場情報との組を、以下「場情報」と呼ぶ。
即ち、場F1では、場ログFL1を含む客観的場情報FD1-Kと、場見立FM11及び場見立FM12並びに場評価FE1を含む主観的場情報FD1-Sとの組として、場情報FD1が生成される。
【0017】
同様に例えば、場F2においては、参加者U3により場ログFL2が生成される。
また、参加者U2と参加者U3と参加者U4との夫々により、場見立FM22と場見立FM23と場見立FM24の夫々が生成される。そして、場見立FM22と場見立FM23と場見立FM24とに基づいて、場評価FE2が生成される。
以上まとめると、場F2においては、当該場F2に関する客観的な情報として場ログFL2が生成されると共に、当該場F2に関する主観的な情報として場見立FM22乃至FM24並びに場評価FE2が生成される。
即ち、場F2では、場ログF2を含む客観的場情報FD2-Kと、場見立FM22乃至FM24並びに場評価FE2を含む主観的場情報FD2-Sとの組として、場情報FD2が生成される。
【0018】
以上のことは、他の場Fk(kは、3乃至nのうちの何れかの値)についても同様である。即ち、図示はしないが、場Fkでは、場ログFLkを含む客観的場情報FDk-Kと、各参加者の夫々による各場見立FMk並びに場評価FEkを含む主観的場情報FDk-Sとの組として、場情報FDkが生成される。
【0019】
なお以下、場F1乃至Fnの夫々を個々に区別する必要が無い場合、これらをまとめて「場F」と呼ぶ。また、「場F」と呼んでいる場合には、参加者U1等は「参加者U」と呼び、場情報FD1等は「場情報FD」と呼び、客観的場情報FD1-K等は「客観的場情報FD-K」と呼び、主観的場情報FD1-S等は「主観的場情報FD-S」と呼び、場ログFL1等は「場ログFL」と呼び、場見立FM11等は「場見立FM」と呼び、場評価FE1等は「場評価FE」と呼ぶ。
【0020】
このような場Fの場情報FDの少なくとも一部は、当該場Fの参加者Uのみならず、当該場Fには参加していない利害関係者SHにも共有される。
ここで、利害関係者SHとは、例えば、場F(会議)に参加したか否かは問わず、当該場Fに何かしら関わる者であり、具体的には例えば場Fの参加者Uの上司等の監督者である。なお、1つの場Fに参加したが、他の場Fに参加していない参加者Uも、他の場Fに関する利害関係者SHに含めることができる。更に、利害関係者SHは、図1の例では1人とされたが、特にこれに限定されず、複数人でもよい。
【0021】
具体的には例えば図1の例では、利害関係者SHにも共有される情報は、主観的場情報FD-Sのうち場評価FEと、客観的場情報FD-Kである場ログFLである。即ち、主観的場情報FD-Sのうち、参加者Uの個人情報ともいえる場見立FMは共有情報とはならずに、場全体の各参加者Uの総合的な評価を示す場評価FEが共有情報となる。
つまり、場Fに参加した参加者Uにとって、自身の意見が他の利害関係者SHに共有されることはない。これにより、場Fに参加した参加者Uは、素直な意見を盛り込んだ場見立FMを作成することができる。
ただし、図1は例示に過ぎないことは言うまでもない。即ち、状況に応じて、場見立FMの一部又は全部を利害関係者SHに共有されるようにしてもよい。これにより、利害関係者SHは、所定の場Fについて、参加者Uの見立(意見)を確認することができる。
【0022】
ここで、場Fには、上述の例では1人以上の参加者Uが介入するとしたが、これは会議を例としたためであって、必ずしも「参加」の概念が馴染むとは限らない。そこで、場Fに介入する自然人を、以下、広く一般的に「ひと」と呼ぶ。
更に、場Fには、「ひと」の他、当該場Fに関与した「もの」や、当該場Fに関する「こと」も存在し得る。
ここで、「もの」とは、場Fに関する有形物である。例えば、「もの」は、会議室の「ホワイトボード」や「プロジェクター」等を含んでもよく、更には「外国語の資料(もの)」や、「締切が近付いた原稿(もの)」等を含んでもよい。
また、「こと」とは、場Fに関する無形物である。例えば、「こと」は、「ある1つの案件(こと)」や「アイディア出しをすること」等を含んでもよく、更には「室温が高かったこと」や「会議中に電話の着信があったこと」等を含んでもよい。即ち、「こと」とは、事柄や、手法、環境、事象等、あらゆる無形物を含む。
【0023】
そこで、後述するサーバ(例えば図2のサーバ1)は、複数の場Fの夫々の場評価FEに基づいて、当該複数の場Fのうち少なくとも1つに関与した「ひと」、当該複数の場Fのうち少なくとも1つに関与した「もの」、又は当該複数の場Fに関する「こと」のうち少なくともひとつの評価を示す情報を生成することができる。
なお、以下、このようにして生成される情報を、「ひとものこと情報」と呼ぶ。
「ひとものこと情報」の詳細については、図4等を参照して後述する。
【0024】
更に、後述するサーバ(例えば図2のサーバ1)は、複数の「ひと」、複数の「もの」、複数の「こと」のうちの少なくとも2つ以上の組合せについて、当該組合せに含まれる「ひと」、「もの」、又は「こと」の夫々についての「ひとものこと情報」に基づいて、当該組合せに含まれる「ひと」、「もの」、又は「こと」の夫々についての関係性の評価を示す情報を生成する。
なお、以下、このようにして生成される情報を、「ひとものこと関係性情報」と呼ぶ。
「ひとものこと関係性情報」の詳細については、図4等を参照して後述する。
【0025】
図2は、図1の情報処理を行う情報処理システムの構成の例を示す図である。
【0026】
図2に示す情報処理システムは、サーバ1と、参加者U1乃至Umの夫々に利用される場情報入力端末2-1乃至2-mの夫々と、利害関係者SHに利用される利害関係者端末3とが、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されることで構成される。
【0027】
本実施形態では、m人の参加者U1乃至Umの夫々が、場情報入力端末2-1乃至2-mの夫々を使用するものとする。ただし、以下、場情報入力端末2-1乃至2-mを個々に区別する必要がない場合、「場情報入力端末2」と呼ぶ。
【0028】
参加者Uは、場情報入力端末2を操作して、場ログFL及び場見立FMを入力する。ただし、場ログFLは、ある1つの場F当たり1人のユーザが入力すれば足りる。その場合、同じ場に参加した他の参加者Uは、場情報入力端末2を操作して、場見立FMのみを入力する。
場情報入力端末2は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン等で構成される。
【0029】
サーバ1は、場情報入力端末2により入力された場ログFL及び場見立FMに基づいて、場評価FEの評価等各種各様な処理を実行する。
【0030】
利害関係者端末3は、サーバ1により処理された情報を、利害関係者SHに提示する。利害関係者端末3は、例えば、所定の場Fについての場見立FMや場評価FEを利害関係者SHに提示したり、更には、場情報FDに基づいてサーバ1により生成された「ひとものこと関係性情報」を提示することができる。
利害関係者端末3は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン等で構成される。
【0031】
以上まとめると、本実施形態の情報処理システムは、ネットワークNを利用し、参加者Uの参加した場Fに関する場ログFLや場見立FMを、場情報入力端末2を介して収集し、サーバ1において所定の処理を行った情報等を、利害関係者SHに対して提供することができる。
情報処理システムは、単に会議の議事録や会議に対する評価を利害関係者に提供するものを言うのではない。ここでいう場の解析は、場の客観的な情報と、場の参加者等からの主観的な情報とから、場に対する評価を行い、更には場に対する評価に影響を及ぼした、「ひとものこと情報」について解析し、更に「ひとものこと関係性情報」を評価することを含む。
【0032】
図3は、図2の情報処理システムのうちサーバ1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0033】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0034】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0035】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0036】
出力部16は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
入力部17は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。
【0037】
記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(図1の例では場情報入力端末2や利害関係者端末3)との間で通信を行う。
【0038】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア31は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0039】
なお、図示はしないが、図2の情報処理システムの場情報入力端末2及び利害関係者端末3は図3に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有している。
【0040】
図4は、図3のサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4の例では、図1における場F1についての場情報が入力される場合の機能的構成が描画されている。即ち、図4の例では、場情報入力端末2-1及び2-2のみが描画されているが、これは例示に過ぎず、場情報入力端末2の台数は特に2台に限定されない。
【0041】
場情報入力端末2-1は、参加者U1(図1)により操作される。入力部201-1は、参加者U1の操作により、場見立FM11及び場ログFL1を入力する。
場ログ取得部202-1は、入力部201-1により入力された場ログFL1を取得して、通信部204-1を介してサーバ1に送信する。場見立取得部203-1は、入力部201-1により入力された場見立FM11を取得して、通信部204-1を介してサーバ1に送信する。
【0042】
場情報入力端末2-2は、参加者U2(図1)により操作される。入力部201-2は、参加者U2の操作により、場見立FM12を入力する。
場見立取得部203-2は、入力部201-2により入力された場見立FM11を取得して、通信部204-1を介してサーバ1に送信する。
なお、参加者U2が何らかの場Fにおいて場ログFLを入力することもあり得るため、場情報入力端末2-2は、場ログ取得部202-2を有している。ただし、図1の例では参加者U2は場ログFL1を入力しないので、場ログ取得部202-2は機能しない(それを示すべく図4では点線で描画されている)。
【0043】
サーバ1のCPU11においては、場情報取得部101と、「ひとものこと」解析部102と、「ひとものこと」関係性解析部103と、解析結果送信部104とが機能する。
【0044】
場情報取得部101は、場ログ取得部111と、場見立取得部112と、場評価解析部113とを有する。
場ログ取得部111は、場情報入力端末2-1から供給された場ログFL1を、通信部19を介して取得する。
場見立取得部112は、場情報入力端末2-1から供給された場見立FM11を、通信部19を介して取得する。また、場見立取得部112は、場情報入力端末2-2から供給された場見立FM12を、通信部19を介して取得する。そして、場見立取得部112は、場見立FM11及び場見立FM12を場評価解析部113に供給する。
場評価解析部113は、場見立FM11及び場見立FM12を解析することで、場F1の評価である場評価FE1を生成する。
【0045】
場評価FEは、前述の通り、場に対する、当該場に参加した1人以上の参加者Uらによる総合的な評価である。
例えば、場評価FE1は、場見立FM11及び場見立FM12の夫々の評価点の平均値であったり、夫々の重要度の平均であったり、見立の項目の夫々を重みづけに用いて評価したものであってよい(以下、場評価FEの1項目として「場見立FMの評価点の平均値」を、「評価点平均値」と呼ぶ)。また、例えば、評価点の分散等でもよい。また、場評価は、1つの項目による評価に限らない。即ち、場評価は、いくつかの項目についての評価をまとめたものでよい。
【0046】
即ち、例えば、場評価FE1の評価点平均値が4点、場評価FE2の評価点平均値が5点、という場評価FEが与えられる。これにより、場F1より場F2の方が、(評価点平均値という観点で)良い場であった、ということがわかる。また、例えば、場評価FEの重要度の平均で評価すれば、場F1の点数が、場F2の点数よりも高かった場合、場F1より場F2の方が重要度を高く感じることができる場であった、ということがわかる。また、例えば、場評価FEの評価点の平均値が高く、分散が小さければ、出席者の多くが高い評価を与える場であった、ということが分かる。
【0047】
場情報取得部101は、場評価FE1、場見立FM11及びFM12、並びに場ログFL1、をまとめたものを場F1に関する場情報FD1として、場情報DB121に格納して管理する。以上が、場F1についての場情報を入力した場合の動作である。
同様に、場情報取得部101は、場F2乃至Fnの夫々について場情報FD2乃至FDnを格納して管理する。即ち、場情報DBには、場F毎に、場情報FDが格納される。場情報FDの内容の例については、図5にて後述する。
【0048】
「ひとものこと」解析部102は、一定量の場Fについて場情報FDが収集された場合、「ひとものこと」に関する評価を-行い、その評価に基づく「ひとものこと情報」を生成する。
【0049】
「ひとものこと」解析部102は、場情報DB121と事業組織人材情報DB122から、参加者U等が属する事業や、組織、人材等の情報を得ることで、「ひと」、「もの」、及び「こと」として、どういった要素をとるかを決定する。ここで、事業の情報とは、例えば、参加者Uが属する組織における、事業やプロジェクト等を指すものであってよい。
【0050】
即ち、事業組織人材情報DB122における事業の情報は、例えば、事業毎の情報であって、事業のタイトル、ジャンル等の分類、規模、実績、計画等を含むものであってよい。また、事業組織人材情報DB122における組織の情報とは、例えば、組織毎の情報であって、当該組織における、組織の構成、組織の業務内容、所属する人のリスト等を含むものであってよい。また、事業組織人材情報DB122における人材の情報とは、例えば、人材毎の情報であって、当該組織における、夫々の担当する業務内容、経歴、専門分野等を含むものであってよい。
【0051】
即ち、「ひとものこと」解析部102は、事業組織人材情報DB122から、ある事業という「こと」について解析するとした場合、場情報DB121に格納された場ログBL等と比較することにより、所定の場Fの会議が当該事業(こと)に関係する場であるかを区別することができる。
【0052】
「ひとものこと情報」は、場情報DB121に格納された場情報FDを用いて評価される情報である。例えば、場見立FM及び場評価FEの一方又はその両方、即ち、主観的場情報FD-Sを用いて評価するものが「ひとものこと情報」であってよい。
例えば、「ひと」の評価(以下、「ひと」評価と呼ぶ)は、参加者U等の「ひと」について、当該「ひと」の参加した場評価FEのある項目の平均点等を採用してもよい。「ひとものこと」解析部102は、例えば、図1の例では、場評価FE1の項目である評価点平均値と、場評価FE2の項目である評価点平均値との平均をとることにより、両方の場Fに参加した参加者U2についての「ひと」評価ができる。実際には、場F1乃至Fnのうち参加者U2の参加した場Fについて平均をとることもできる。
【0053】
例えば、参加者U1の「ひと」評価と、参加者U2の「ひと」評価を比較し、参加者U2の「ひと」評価が高ければ、参加者U2の方が場の評価を高める要素である可能性が高い、「ひと」であることがわかる。
【0054】
同様に、「ひとものこと」解析部102は、場情報DB121に格納された場情報FDと、事業組織人材情報DB122に格納された情報とを用いて、「もの」や「こと」についての評価も解析する。「ひとものこと」の解析結果これにより、「ひと」や「もの」や「こと」の評価ができる。これにより、夫々の評価の善し悪し、即ち場への影響を知ることができる。ただし、場評価FEと同様に、「ひとものこと情報」は、1つの項目による評価に限らない。即ち、場評価は、いくつかの項目についての評価をまとめたものでよい。
「ひとものこと」解析部102は、「ひとものこと情報」を解析結果DB124に格納して管理する。ここで、解析結果DB124には「ひとものこと情報」毎に、即ち「ひと」や「もの」、「こと」毎に、夫々の評価が格納される。
【0055】
「ひとものこと」解析部102は、事業組織人材情報DB122から、事業や、組織、人材等の情報を得ることで、「ひと」、「もの」、及び「こと」として、どういった要素をとるかを決定する。ここで、事業の情報とは、例えば、情報処理システムが提供される組織における、事業やプロジェクト等を指すものであってよい。
【0056】
「ひとものこと」関係性解析部103は、場情報DB121に格納された場情報FDと、解析結果DB124に格納された「ひとものこと」評価を用いて、「ひとものこと」の関係性を評価し、「ひとものこと関係性情報」を得て格納する。
ここで、「ひと」の関係性の評価(以下、「ひと」関係性評価と呼ぶ)は、ある「ひと」と、その他の「ひと」や「もの」、「こと」の関係性に関する評価である。参加者U1と参加者U2との「ひと」と「ひと」の関係性評価は、例えば、以下のように評価することができる。
【0057】
即ち例えば、参加者U1が出席し参加者U2が同席した場Fについて、参加者U1による場見立FMの場評価の平均値を導出する。次に、参加者U1が出席し参加者U2が同席しなかった場Fについて、参加者U1による場見立FMの場評価の平均値を導出する。これらを比較することにより、参加者U1は参加者U2が同席することにより、評価点の平均値がどのように変化するのかが評価できる。同様に、参加者U2は参加者U1が同席することにより、評価点の平均値がどのように変化するかが評価できる。これらを用いて、参加者U1と参加者U2との「ひと」と「ひと」の関係性評価ができる。
【0058】
同様に、例えば、参加者U1が出席した場Fについて、場Fを設けた場所、例えば会議室に、ホワイトボードという「もの」の有無により、評価点の平均値がどのように変化するのかが評価できる。これにより、参加者U1とホワイトボードとの「ひと」と「もの」の関係性評価ができる。
【0059】
同様に、「ひとものこと」関係性解析部103は、場情報DB121に格納された場情報FDと、事業組織人材情報DB122に格納された情報と、解析結果DB124とに格納された情報とを用いて、「ひと」や「もの」、「こと」についての関係性の評価、即ち「ひとものこと関係性情報」も解析する。これにより、夫々の関係性の善し悪し、即ち場への影響を知ることができる。ただし、場評価FEと同様に、「ひとものこと」関係性の評価は、1つの項目による評価に限らない。即ち、場評価は、いくつかの項目についての評価をまとめたものでよい。
【0060】
ここまで、説明の便宜上、「ひとものこと関係性情報」の評価について場見立FMを用いた評価について述べたが、「ひとものこと情報」を用いて、「ひとものこと関係性情報」の評価を行ってもよい。具体的には、例えば、参加者U2は「ひと」の評価が高いとする。このとき、参加者U1が参加した2つ以上の場Fがあった場合において、それらの場に参加者U2が同席していたかにより分類すると、参加者U2が同席している場合の方が、場の評価は高くなる事が期待される。しかし、参加者U1の評価値はそれに反し、逆に参加者U2が同席している場合に低くなったとする。この場合、参加者U1と参加者U2とは、相性が悪いということがわかる。つまり、「ひとものこと」の単体の評価は場の評価に対するバイアスとなりうるはずであり、その期待されるバイアスと実際の場の評価を比較することにより、「ひとものこと」の関係性が評価できる。
【0061】
「ひとものこと」関係性解析部103は、「ひとものこと関係性情報」を解析結果DB124に格納して管理する。ここで、解析結果DB124には「ひとものこと関係性情報」毎に、即ち「ひと」と「ひと」や「ひと」と「もの」、「ひと」と「こと」、「もの」と「こと」等の関係性毎に、夫々の評価が格納される。
【0062】
解析結果送信部104は、場情報DB121に格納された場情報FDの一部又は全部、若しくは解析結果DB124の「ひとものこと」評価の解析結果又は「ひとものこと関係性情報」の解析結果を取得し、通信部19を介して利害関係者端末3に送信する。
【0063】
利害関係者端末3は、利害関係者SHの操作に応じて、図示せぬ出力部より、解析結果送信部104から取得した解析結果を出力する。これにより、利害関係者SHは、「ひと」や「もの」、「こと」の夫々が、場Fに与える影響の善し悪しを把握することができる。更には、「ひと」や、「もの」、「こと」の夫々の関係性の健全・不健全を把握することができる。
【0064】
活発な議論や、社会的健康のためには、場Fの評価点等は良い方が望ましい。従って、利害関係者SHは、場Fの評価点が良くなるよう調整を行うことが望ましい。
利害関係者SHは、情報処理システムにより、評価点に影響を与えている「ひと」や、「もの」、「こと」の要素を把握することが可能となり、評価点に悪影響を与えている要素を排除や改善することができる。更には、「ひとものこと関係性情報」を評価することにより、「ひと」単体等の影響のみならず、「ひと」と「ひと」の関係性等、夫々の関係性に起因する、相性のような効果を把握することが可能となる。
【0065】
即ち、「ひと」と「ひと」でタッグを組ませるべき相手を判断する材料とすることができる。また、ある「ひと」はある「こと」との関係性が良好といった評価から、「ひと」の適正を判断する材料とすることもできる。これにより、場Fの夫々の評価を高め、イキイキとした場にすることができる。
【0066】
ここで、場情報FD及び、格納された場情報DB121の内容の例について説明する。図5は、格納された場情報DB121の内容の例を示す図である。
【0067】
図5の場情報DB121の内容の例は、図1の場F1乃至Fnがあった場合に沿って記載している。場情報DB121の内容の例は、具体的には、図4のサーバ1において、場情報取得部101が場情報DB121に格納する。
【0068】
図5に示すように、例えば、最上段の項目の欄には、左から「場ID」、「場ログ」、「場見立U1」、「場見立U2」、「場見立U3」、「・・・」、「場評価」の項目が表示されている。
「場ID」は、場Fに一意に与えられる場Fを特定するためのIDである。例えば表に有るようにF1、F2等の文字列でもよいし、単に格納される順番に与えられる整数値でもよい。
「場ログ」は、場Fの客観的場情報FD-Kに相当する、場のログである。即ち、前述の通り、「開催日時・場所」、「参加者」、「関連情報参考資料」、「決定事項」、「課題・ToDo」等から構成されてよい。
「場見立U1」は、場の見立のうち参加者U1によるものであり、場Fの主観的場情報FD-Sの一部である。即ち、前述の通り、「重要度」、「感想」、「評価点」等から構成されてよい。
「場見立U2」は、場の見立のうち参加者U1によるものである。内容は「場見立U1」と同様である。「場見立U3」及び「・・・」は同様に、参加者Uの夫々による場見立である。
「場評価」は、場の見立の夫々から解析された、場評価である。即ち、前述の通り、「場見立の評価点の平均値」等から構成されてよい。
【0069】
図5で示す、最上段の「場ID」が「F1」の欄について説明する。
図1で示す場F1の場IDが「F1」とする。「場ログ」は、場F1に対応する場ログである場ログFL1が格納される。「場見立U1」は、場F1に対する参加者U1による場見立である、場見立FM11が格納される。「場見立U2」は、場F1に対する参加者U2による場見立である場見立FM12が格納される。「場見立U3」は、場F1には参加者U3は参加していないので、「―」として場見立は格納されない。図示しないが、参加者U4乃至Umの夫々は場F1に参加していないので、「場見立U4」乃至「場見立Um」は、存在しないので「―」として場見立は格納されない。「場評価」は、場F1に対する場評価である場評価FE1が格納される。
【0070】
次に、「場ID」が「F2」の欄について説明する。
図1で示す場F2の場IDが「F2」とする。「場ログ」は、場F2に対応する場ログである場ログFL2が格納される。「場見立U1」は、場F2には参加者U1は参加していないので、「―」として場見立は格納されない。「場見立U2」は、場F2に対する参加者U2による場見立である、場見立FM22が格納される。「場見立U3」は、場F1に対する参加者U3による場見立である場見立FM12が格納される。「場評価」は、場F1に対する場評価である場評価FE1が格納される。
【0071】
同様に、場F1乃至場Fnの夫々について、「場ID」が「場Fn」の欄まで格納される。
【0072】
図6は、図4の機能的構成を有するサーバにより実行される、評価処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
評価処理は、場Fの場ログ及び場見立を取得する際に実行される。このとき、場情報DB121には場情報FDが既に格納されていても、格納されていなくてもよい。
【0073】
ステップS11において、場情報取得部101の場ログ取得部111は、場ログFLを取得する。同様に、場情報取得部101の場見立取得部112は、場見立FMを取得する。
【0074】
ステップS12において、場評価解析部113は、ステップS11において取得した場見立FMから、場評価を解析する。
【0075】
ステップS13において、場情報取得部101は、取得された客観的場情報FD-Kである場ログFLと、主観的場情報FD-Sである場見立FM及び場評価FEとを場情報DB121に格納する。
【0076】
ステップS14において、CPU11は、所定数の場について、場情報が格納されたか否かを判定する。
所定数の場について場情報FDが格納されていない場合、ステップS14においてNOと判断され、処理はステップS11に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、所定数の場について場情報FDが格納されるまで、ステップS11乃至S13が繰り返される。所定数の場について場情報FDが格納された場合、ステップS14においてYESと判定され、処理はステップS15に進む。
【0077】
ステップS15において、「ひとものこと」解析部102は、「ひとものこと情報」を評価する。
【0078】
ステップS16において、「ひとものこと」関係性解析部103は、「ひとものこと関係性情報」を評価する。
【0079】
以上、本システムを提供するための評価処理の一連の流れについて説明した。
【0080】
以下、従来の健康に対する取り組みと、本発明に係る関係性による健康に対する取り組みとについて、説明する。
【0081】
図7は、健康の夫々と、健康管理・健康増進の関係性を示す図である。
前述の通り、WHO憲章によれば、健康には、「肉体的健康」と、「精神的健康」と、更に「社会的健康」とがあり、夫々の健康管理・健康増進が期待されている。
図7には、横に3つの区分で、夫々の健康に関する事項が並んでいる。即ち、左から、「肉体的健康」、「精神的健康」、「社会的健康」に分類される。
【0082】
更に、健康を高めるには、2つの段階があると考えられる。即ち、健康が悪化した状態から平均的なレベルまで回復する「健康管理」の段階と、平均的なレベルから更に健康を高める段階にある「健康増進」の段階である。図7には、縦に2つの区分で、夫々の健康を高める2つの段階が並んでいる。即ち、下から、「健康管理」、「健康増進」に分類される。
また、「健康管理」の隣には、「マイナスから0へ」とある。即ち、健康管理とは、健康が悪化したマイナスの状態からゼロ、平均まで回復する段階を言う。「健康増進」の隣には、「0からプラスへ」とある。即ち、健康増進とは、平均的なゼロの状態からプラス、更に高める段階を言う。
【0083】
以下、健康に関する事項の夫々と、健康を高める段階の夫々について、説明する。
【0084】
例えば、肉体的健康の健康管理は、一般的な医療(予防医療・治療行為)である。即ち、肉体的健康が悪化している人は、一般的な医療(予防医療・治療行為)を行うことで、肉体的健康の健康管理をすることができる。
また、例えば、肉体的健康の健康増進は、身体的トレーニング(フィットネス)である。即ち、平均的な健康状態の人は、身体的トレーニング(フィットネス)を行うことで、肉体的健康の健康増進をすることができる。
【0085】
例えば、精神的健康の健康管理は、メンタルヘルスサポート(精神疾患予防・治療)である。即ち、肉体的健康が悪化している人は、メンタルヘルスサポート(精神疾患予防・治療)を行うことで、精神的健康の健康管理をすることができる。
また、精神的健康の健康増進は、メンタルトレーニング(マインドフルネス)である。即ち、平均的な健康状態の人は、メンタルトレーニング(マインドフルネス)を行うことで、精神的健康の健康増進をすることができる。
【0086】
一方で、WHO憲章では社会的健康に触れられているものの、従来の健康への取り組みとして、社会的健康への取り組みはなされてこなかった。
しかし、従来行われてきた手法でも社会的健康に寄与するものがある。例えば、社会的健康の健康管理は、従来型の組織管理手法が考えられる。即ち、社会的健康が悪化している人は、その人の所属する組織において組織がブラック化している場合等である。それに対して組織管理の手法を適用することで、組織を改善し、所属する人の社会的健康の健康管理をすることができる。
しかし、社会的健康の健康増進は特にされてこなかった。そのためのアプローチ手法の確立が期待される。そこで、社会的健康の健康増進に寄与するものが、本願発明である。即ち、「ひとものこと」の関係性を解析することにより、例えば、夫々の関係性から相性の良い組を知ることができ、場の評価を更に向上させることが可能となる。これにより、社会的健康の健康増進をすることができる。
【0087】
以上、従来の健康に対する取り組みと、本発明に係る関係性による健康に対する取り組みとについて、説明した。
【0088】
以下、生産性が高くかつ真に豊かで幸せで健康な社会を目指すため基盤であるイキイキ基盤と本願発明の関係性について説明する。
【0089】
図8は、生産性が高くかつ真に豊かで幸せで健康な社会を目指すため基盤であるイキイキ基盤を示す図である。
前述の通り、「社会的健康」を向上させるためのアプローチを確立することが期待されている。図8には、「生産性が高く、かつ真に“豊か”で“幸せ”で“健康”な社会へ」とある。そのための取り組みとして、「働き方改革」、「生産性向上・付加価値創出」、「環境改善」とがある。
【0090】
具体的には、例えば、「働き方改革」として、大企業、中小企業、行政組織の夫々に適した働き方の夫々に適した「働き方改革」を行うことで、「生産性が高く、かつ真に“豊か”で“幸せ”で“健康”な社会へ」寄与できる。
また、例えば、「生産性向上・付加価値創出」として、サービス産業、農林水産業、観光・おもてなしの夫々に適した「生産性向上・付加価値創出」を行うことで、「生産性が高く、かつ真に“豊か”で“幸せ”で“健康”な社会へ」寄与できる。
また例えば、「環境改善」として、福祉・介護、子育て・保育、教育(小中高)の夫々に適した「環境改善」を行うことで、「生産性が高く、かつ真に“豊か”で“幸せ”で“健康”な社会へ」寄与できる。
【0091】
これらのサービスを提供するためには、どのような対象に、どのようなアプローチを行っていくかを決定することが必要である。そのため、「イキイキ基盤」を活用することができる。「イキイキ基盤」は、「サービス」と、「人材」と、「技術」と、「データ」とから構成される。
例えば、「サービス」は、「社会制度(法規制、助成制度 etc.)」と、「既存サービス(金融、保険、店舗 etc.)」とからなる。即ち、「イキイキ基盤」は、前提となる「社会制度(法規制、助成制度 etc.)」と、「既存サービス(金融、保険、店舗 etc.)」とに関する情報を有し、それを活用することができる。
例えば、「人材」は、「プロフェッショナル(専門家、ファシリテーター)」からなる。即ち、「イキイキ基盤」は、「プロフェッショナル(専門家、ファシリテーター)」を有し、助言や提案をすることができる。
例えば、「データ」は、「既存データ(オープンデータ、企業内データ他)」からなる。即ち、「イキイキ基盤」は、「既存データ(オープンデータ、企業内データ他)」を有し、それらのデータを活用することができる。
例えば、「技術」は、「関連技術(エッジコンピューティング、アナリティクス)」からなる。即ち、「イキイキ基盤」は、「関連技術(エッジコンピューティング、アナリティクス)」を有し、それらを用いた結果を活用することができる。
【0092】
即ち、「イキイキ基盤」は、「サービス」と、「人材」と、「技術」と、「データ」とを有することにより、既存のサービスや社会制度に基づき、データを技術により解析し、解析結果に基づいた人材からの新たな提案を行うことで「生産性が高く、かつ真に“豊か”で“幸せ”で“健康”な社会へ」寄与できる。
本発明は、ここで示した「データ」と、「技術」とに関するものである。
【0093】
以上、生産性が高くかつ真に豊かで幸せで健康な社会を目指すため基盤であるイキイキ基盤と本発明の関係性について説明した。
【0094】
以下、つながりの量と質と、関係性に関して説明する。
【0095】
図9は、つながりの量と質と、関係性に基づく信用評価とについて、場との関係を示した図である。
図9には、7つの場Fの夫々が描かれている。また、場Fには夫々8人の参加者Uが描かれている。例えば、場F11には、参加者U11が参加している。また、場F12にも、参加者U11が参加している。
一方、図9には、組織とその下位の概念が夫々描かれている。例えば、組織は事業J1と事業J2の夫々を有している。更に、事業J1は、プロジェクトP11とプロジェクトP12の夫々を有している。また、事業J2はプロジェクトP21と、プロジェクトP22の夫々を有している。即ち、組織はいくつかの事業の夫々を推進しており、事業はいくつかのプロジェクトの夫々を推進している。
【0096】
場Fの夫々は、例えば、プロジェクトの1つに関する会議であったり、事業全体に関する会議であったり、組織全体に関する会議であったりする。即ち、場は、日常業務、日常生活において定義できるものであり、日常の中で場のログを蓄積し、関係性の見える化を行うことが可能となる。
【0097】
F場の夫々について、客観的場情報FD-Kである場ログFLや、主観的場情報FD-Sである場見立FMにより、「ひとものこと関係性情報」を、組織の構成等を含めて解析することができる。即ち、場情報から「ひとものこと関係性情報」を解析することにより、「つながりの量と質の見える化」が可能となり、「関係性に基づく信用評価指標」を得ることができる。
【0098】
以上、つながりの量と質と、関係性に関して説明した。
【0099】
以下、つながりの量と質である「ひとものこと関係性情報」に基づき、関係性を捉えなおすことに関して説明する。
【0100】
図10は、「ひとものこと関係性情報」に基づき関係性を捉えなおすことに関する図である。
図10の上段には、つながりの量と質の見える化のフローが示されている。上段の左には8つの「場」と5人の「ひと」が描かれている。これは場Fが多数存在し、その場に介入するひとが多数存在することを示している。また、場Fとひとの間の記号は、ひとは夫々が場Fに対し介入している事を示している。本発明では、まず、これらの場Fから場情報FDを収集し、解析をする。このとき、これらの場情報FDから、次の2つの観点で解析を行う事ができる。
1つ目に、「論理的」な観点として、「個人別の活動の実績・傾向」「個人別の得意・不得意」「個人別の成果」とがある。2つ目に、「感覚的」な観点として、「個人別の活動への意欲」「個人別の他のひととの相性」「個人別の感覚的評価」とがある。これは、前述の「ひとものこと情報」を解析することに相当する。
【0101】
更に、上段の右には、「組織」と「事業」と「プロジェクト」とがある。この左側の記号は、多数の「場」と多数の「ひと」が、「組織」と「事業」と「プロジェクト」とに属していることを示している。本発明では、前述の通り、解析した結果である「ひとものこと情報」から、「ひとものこと関係性情報」を解析する。このとき、これらの「ひとものこと情報」から、次の2つの観点で解析を行う事ができる。
1つ目に、「論理的」な観点として、「組織・事業・プロジェクト別の活動の実績・傾向」「組織・事業・プロジェクト別の得意・不得意」「組織・事業・プロジェクト別の成果」とがある。2つ目に、「感覚的」な観点として、「組織・事業・プロジェクト別の活動への意欲」「組織・事業・プロジェクト別の他のひととの相性」「組織・事業・プロジェクト別の感覚的評価」とがある。これは、前述の「ひとものこと関係性情報」を解析することに相当する。
【0102】
つまり、「場」があり、当該場Fに介在する「ひと」がいるとき、当該場Fの場情報を収集し、解析することにより、論理的な観点と感覚的な観点により、ひとの夫々の個人別の評価が可能となる。即ち、参加者Uの夫々の評価ができる。更に、参加者Uの夫々の評価や場情報を用いることにより、参加者Uの夫々の関係性(即ち、「ひとものこと関係性情報」)や、参加者Uの夫々の関与する「組織」や「事業」や「プロジェクト」の夫々の評価が可能となる。
【0103】
図10の下段には、「ひとものこと関係性情報」の図示の例がある。この図示の例では、「ひと」と「こと」と「もの」が、それぞれ実線と破線の別、また太線と細線の別の組み合わせで示されている。実線は関係性が健全、破線は関係性が不健全であることを夫々示す。また、太線は関係性が極めて健全若しくは不健全、細線は関係性がまずまず健全若しくは不健全であることを示す。以下、ひととひとの関係性に限らず、同様とする。
【0104】
例えば、ひとH1とひとH2は、実線の太線でつながっている。これは、ひとH1とひとH2は、関係性が極めて健全であることを示している。また、ひとH2とひとH3とは、実線の細線でつながっている。これは、関係性が健全であることを示している。一方、ひとH1とひとH3は、破線の細線でつながっている。これは、関係性が不健全であることを示している。
利害関係者SHは、これらの情報を共有されることで、ひとH1とひとH3が同じプロジェクトに同席しないように対応することができる。更には、ひとH1とひとH3の関係性が健全になるよう、対応することが可能となる。
【0105】
また、例えば、ひとH1とことM1は実線の太線でつながっている。また、ひとH2とことM2は実線の太線でつながっている。即ち、ひとH1とひとH2とことM1は、夫々関係性が極めて健全であることを示している。
利害関係者SHは、これらの情報を共有されることで、ことM1に関するプロジェクトにひとH1とひとH2を担当として割り当て、推進するよう対応することができる。これにより、当該プロジェクトはさらなる発展を望むことができるようになる。
【0106】
また、例えば、ひとH3とものT1は破線の太線でつながっている。即ち、ひとH3とものT1は、関係性が極めて不健全であることを示している。
利害関係者SHは、これらの情報を共有されることで、ひとH3とものT1に関する場Fを設けないようにすることができる。更には、不健全であることを発見し、その理由を調査するきっかけとすることができる。
【0107】
前述のように、「ひとものこと関係性情報」は図示することができ、それを利害関係者SHに共有することができる。即ち、所謂、適材適所のための情報とすることができ、不健全な関係性の発見や、関係性の改善のきっかけや手掛かりとすることができる。
【0108】
ここまで、「ひとものこと関係性情報」の図示の例を示した。ただし、図1は例示に過ぎないことは言うまでもない。即ち、状況に応じて、「ひとものこと関係性情報」は、表やランキング等の文字による形式や、前述の凡例に依らない別の図示によるもので示されてもよい。
【0109】
以上、つながりの量と質である「ひとものこと関係性情報」に基づき、関係性を捉えなおすことに関して説明した。
【0110】
以下、場、当事者、及び関係者のループ関して説明する。
【0111】
図11は、場、当事者、及び関係者における、影響のループを示した図である。
中心には、「場のループ」が示されている。「場のループ」は、「イキイキ(信頼・協調)」と、「主体性・楽観的思考」と、「積極的議論」と、「具体的結論」でループしている。即ち、「イキイキ(信頼・協調)」することにより「主体性・楽観的思考」を行うことができる。また、「主体性・楽観的思考」をすることにより「積極的議論」を行うことができる。また、「積極的議論」を行うことに依り、「具体的結論」を得ることができる。更に、「具体的結論」を得ることにより、「イキイキ(信頼・協調)」することができる。即ち、イキイキとした場F持つことで、「場のループ」が正のループとりなり、更にイキイキすることができる。
【0112】
左には、「当事者のループ(自分)」が示されている。「当事者のループ(自分)」は、「場のループ」と、「具体的実践活動」と、「現場の創意工夫/改善/イノベーション」と、「望む成果」と、「充実感・意欲」でループしている。
即ち、イキイキする正のループである「場のループ」により、「具体的実践活動」を行う事ができる。また、「具体的実践活動」をすることにより「現場の創意工夫/改善/イノベーション」を行うことができる。また、「現場の創意工夫/改善/イノベーション」をすることにより、「望む成果」を得ることができる。また、「望む成果」を得ることにより、「充実感・意欲」を得ることができる。更に、「充実感・意欲」を得ることにより、更にイキイキとした「場のループ」を得ることができる。即ち、当事者(参加者)は、イキイキとした「場のループ」に参加することで、ループを介して、さらなるイキイキとした「場のループ」を得ることができる。
【0113】
右には、「関係者のループ(周囲)」が示されている。「関係者のループ(周囲)」は、「場のループ」と、「連動施策の展開」と、「相乗効果の発揮」と、「成果に対する満足」と、「期待・応援・依頼」でループしている。
即ち、イキイキする正のループである「場のループ」により、「連動施策の展開」を行うことができる。また、「連動施策の展開」をすることにより、「相乗効果の発揮」を得ることができる。また、「相乗効果の発揮」を得ることにより、「成果に対する満足」を得ることができる。また、「成果に対する満足」を得ることにより、「期待・応援・依頼」を行う事ができる。更に、「期待・応援・依頼」を行うことにより、イキイキとした「場のループ」を得ることができる。即ち、関係者(利害関係者)は、イキイキとした「場のループ」により、ループを介して、さらなるイキイキとした「場のループ」を得ることができる。
【0114】
本発明は、場Fに関する場情報を収集し解析することで、イキイキとした場にするための情報となる「ひとものこと関係性情報」を得る。これにより、当事者(参加者)のループと、関係者(利害関係者)のループを介す事で、イキイキとした場を得ることができ、場のループにより、更にイキイキとした場を得ることができる。
即ち、社会的な場面である、場をイキイキとしたものにすることができる。これにより、社会的健康の増進をすることができる。
【0115】
以上、場、当事者、及び関係者のループに関して説明した。
【0116】
(第2実施形態)
図12は、本発明の第2実施形態に係る情報処理システムが適用される本サービスの概要の一例を説明する模式図である。
【0117】
図9を参照して上述したように、本サービスでは、場情報について「ひとものこと関係性情報」に関する解析が行われ、その解析結果に基づいて、「つながりの量と質の見える化」と、「関係性に基づく信用評価」とが行われる。
即ち、本サービスでは、図12の左側に示すように、まず複数の場Fの夫々に関する記録(ログ)が蓄積される。なお、蓄積される記録(ログ)には、場Fに紐付く課題、タスク、及び依頼が含まれている。
次に、蓄積された記録(ログ)に基づいて、関係性の見える化と数値化が行われる。つまり、上述の「つながりの量と質の見える化」が行われる。
【0118】
そして、本サービスでは、図12の右側に示す各項目について、上述の「関係性に基づく信用評価」が行われる。
具体的には、社会問題、ビジョン、参考情報、組織やコミュニティ、空間や場所、事業やプロジェクト、提供価値や資産、役割、及び人財の夫々について、関連性に基づいた信用評価が行われる。例えば「社会問題」の信用評価では、特定の社会問題に対する関心の度合いや、関連する活動の信用の度合いを評価基準とする評価が行われる。
また例えば、「ビジョン」の信用評価では、企業や政策などのビジョンに対する共感や、関連する活動の信用の度合いを評価基準とする評価が行われる。
また例えば、「役割」の信用評価では、ひとが事業やプロジェクトの中で担う役割の信用評価、及び成果への貢献の度合いを評価基準とする評価が行われる。
また例えば、「人財」の信用評価では、人自身に対する信用評価を評価基準とする評価が行われる。
なお、参考情報、組織やコミュニティ、空間や場所、事業やプロジェクト、及び提供価値や資産の夫々の関連性に基づく信用評価を行う際の評価基準については、図12に示すとおりである。
【0119】
また、本サービスによれば、上述のサービスに加え、例えば図13乃至図17に示すレーティングコントロールサービス、優先度算出サービス、役割管理サービス、及び信用資産ポイント管理サービスが提供される。
【0120】
図13は、本サービスのうち、レーティングコントロールサービスの概要の一例を説明する模式図である。
【0121】
「レーティングコントロールサービス」とは、場Fの評価を行う参加者Uによる忖度が行われ難くするためのレーティングコントロールを自動で行うサービスのことをいう。
即ち、「レーティングコントロールサービス」とは、場Fの参加者Uによる場Fの評価点が入力される際、その参加者Uの癖を考慮することで、評価結果を調整するサービスである。参加者Uの癖は、過去の評価パターンを解析することで導き出される。
レーティングコントロールサービスが提供されることにより、上述の場評価FEの信頼性を高めることができる。
【0122】
具体的には、図13に示すように、参加者Uの中には、場Fの評価に偏りがある参加者Uがいる。例えば、場Fに対する評価として5点満点中いつでも3点乃至5点しかつけないような参加者Uは、「場Fの評価に偏りがある」といえる。このような参加者Uの場合、実質的な最低点は3点であり、最高点は5点である。
そこで、このような参加者Uについては、レーティングコントロールサービスによって評価の中心となる値(例えば「4」)を取り直す等の処理が行われ、点数が再構成される。
つまり、図13に示すように、このような、評価に偏りがある参加者U1と、1点乃至5点を万遍なくつけるような、評価に偏りがない参加者U2とが存在する場合には、例えば以下のようなレーティングコントロールがなされる。
即ち、参加者U1による評価の値である3点、4点、及び5点の夫々と、参加者U2による評価の値である1点、3点、及び5点という評価の夫々とが同評価になるようなレーティングコントロールがなされる。
これにより、評価を行う参加者Uによる忖度が行われ難くい状態にすることができるので、場評価FEの信頼性を高めることができる。
【0123】
図14は、本サービスのうち、優先度算出サービスの概要の一例を説明する模式図である。
【0124】
「優先度算出サービス」とは、場Fの参加者Uが関与するプロジェクトに紐付けられているタスクや課題の量に応じて、プロジェクト等の優先度や影響度を自動で算出するサービスのことをいう。
「優先度算出サービス」では、場Fの記録(ログ)から派生する「課題」に基づいて「重要度」が設定され、派生した課題からさらに派生する「タスク」や「依頼」に基づいて「緊急度」が設定される。そして、設定された「重要度」と「緊急度」と、管理者や担当者が予め設定した内容とに基づいて、動的に変化し続ける役割、事業やプロジェクト、及び組織やコミュニティの優先度や影響力が自動で算出される。
【0125】
ここで、「課題」とは、図14に示すように、解決策や実施方法自体を考える必要があり、解決に「思考」が必要な状態をいう。「課題」の多さは重要性を表す。具体的には、「課題」とは、検討が必要なテーマ、解決が必要な問題、及び対処が必要なリスクのことをいう。
また、「タスク」とは、図14に示すように、解決策や実施方法は既に存在し、実施可能であるが、解決のためには「実務」が必要となる状態をいう。「タスク」の多さは緊急性を表す。具体的には、「タスク」とは、マニュアル的な業務、指示に対する対応、及び作業計画の実行のことをいう。
また、「依頼」とは、図14に示すように、解決策や実施方法は存在するが、自信で対応できず、他者の協力が必要な状態をいう。「依頼」の多さは「タスク」と同様に緊急性を表す。具体的には、「依頼」とは、業務委託や外注、作業指示のことをいう。
【0126】
具体的には例えば、課題とタスクの数が夫々5個と10個であるプロジェクトP1と、課題とタスクの数が夫々5個と3個であるプロジェクトP2とが存在する場合を想定する。
この場合、「重要度」は、課題の数が両プロジェクトともに5個であるため同一の水準で設定される。これに対し、「緊急度」は、プロジェクトP1のタスクの数(10個)がプロジェクトP2のタスクの数(3個)よりも7個も多いため、プロジェクトP1の方が高く設定される。
このように、両プロジェクトの「重要度」と「緊急度」とが夫々設定されると、その設定内容と、責任者や担当者等により予め設定された内容とに基づいて、両プロジェクトの優先度や影響度が算出される。
ここで、算出される優先度や影響度の態様は特に限定されないが、例えば、1乃至5の5段階で優先度や影響度を示してもよい。この場合、例えば最優先すべきプロジェクトの優先度を「5」とし、最も優先すべきでないプロジェクトの優先度を「1」とすることもできる。
このように、優先度算出サービスによれば、例えば複数のプロジェクトが併存してどのプロジェクトに力を注いだらよいのかを迷う場合であっても、プロジェクト毎に優先度や影響度を示してもらうことができる。
【0127】
図15は、本サービスのうち、役割管理サービスの概要の一例を説明する模式図である。
【0128】
「役割管理サービス」とは、場Fの参加者Uが、当該場Fにどのような「役割」で参加しているのかを管理しながら、「ひとものこと関係性情報」を解析してくれるサービスのことをいう。
即ち、「役割管理サービス」とは、参加者Uの自然人としての人格ではなく、事業やプロジェクトにより設定された役割から関係性を紐解くサービスである。
実社会において、場Fに参加する参加者Uは、単純に「ひと」として参加するのではなく、「役割」として参加していることが多い。そこで、役割管理サービスでは、場Fに紐付く「課題」や「タスク」等について、「ひと」ではなく「役割」に基づいて管理する。
つまり、役割設定サービスでは、参加者Uが「役割」として場F(例えば会議等)に参加する場合、プロジェクトに紐付く課題やタスク等に抜けや漏れがないように、設定内容の「見える化」が自動で行われる。
【0129】
具体的には例えば、参加者U1が、プロジェクトP1において、「プロジェクトマネージャー」という「役割」を持ち、またプロジェクトP2において「デザイナー」という役割を持っていた場合を想定する。
この場合、役割管理サービスによれば、プロジェクトP1において、参加者U1は「プロジェクトマネージャー」という「役割」が設定される。また、プロジェクトP2において、参加者U1は「デザイナー」という「役割」が設定される。
これにより、プロジェクトP1には、「プロジェクトマネージャー」としての課題やタスクが紐付けられて管理され、プロジェクトP2には、「デザイナー」としての課題やタスクが紐付けられて管理される。
その結果、プロジェクト毎に参加者Uの役割が夫々異なる場合であっても、課題やタスクが夫々分けて管理される。
【0130】
具体的には、役割管理サービスでは、図15に示すように、参加者Uを「人財」と捉え、人財に対し設定された役割に基づいて、「ひとものこと関係性情報」の解析が行われる。
つまり、役割管理サービスによれば、人財の「役割」に基づいて、その人財が所属する組織やコミュニティ、その人財が関心を寄せる対象(例えば社会問題、ビジョン、参考情報等)等についての関係性が紐解かれる。
これにより、例えば参加者Uが、プロジェクトP1に「プロジェクトマネージャー」という「役割」で参加している場合には、この「役割」に紐付くタスクや課題を一覧で確認することができるので、対応の抜け漏れを防ぐことができる。
【0131】
図16は、本サービスのうち、信用資産ポイント管理サービスの概要の一例を説明する模式図である。
【0132】
「信用資産ポイント管理サービス」とは、人財に対する信用評価指標を信用資産ポイントに換算可能とするサービスである。
「信用評価指標」とは、本サービスおいて行われる「関係性に基づく信用評価」の結果に基づいて導き出される指標のことをいう。
「信用資産ポイント」とは、参加者Uが他者に対し「依頼」(例えば業務委託、外注、作業指示等)を行う際に利用可能な、本サービスにおいて流通される擬似的な通貨のことをいう。
【0133】
具体的には、図16の左下に示すように、参加者Uによる場Fの見立が行われると、その内容(場見立FM)は、結果的に人財としての参加者Uの評価に反映される。人財としての参加者Uについての評価は、「信用評価指標」として示される。
ここで、信用資産ポイント管理サービスによれば、人財に対する信用評価指標を信用資産ポイントに換算し、参加者Uに付与することができる。信用資産ポイントを付与された参加者Uは、信用資産ポイントを消費することで、他者に対する「依頼」を行うことができる。
このように、依頼元である参加者Uは、「依頼」を行うことで自身の保有する信用資産ポイントを消費し、その「依頼」を受けた参加者Uは、その「依頼」に対応することで信用資産ポイントを取得することができる。ここで、「対応」とは、依頼を受けた者による協力によって「課題」が解決されることであり、「依頼」と「対応」の前提として、依頼元から依頼先に対する知識の流通が存在する。
依頼先による「対応」によって課題が解決されると、組織やコミュニティ、事業やプロジェクト、あるいは役割が活性化され、それとともに場Fが発展するので、結果的に場見立FMの結果も向上することが期待できる。
【0134】
即ち、信用資産ポイントは、依頼によって流通させることができる。つまり、依頼元は、自身が保有する信用資産ポイントを使用して他者(依頼先)に依頼を行い、依頼元は、それに対応することで信用資産ポイントを得ることができる。依頼元は、依頼内容に応じて使用する信用資産ポイントを設定する。依頼先は、対応後に、実績を踏まえて欲しい信用資産ポイントを改めて共有する。依頼元と依頼先の提示額を踏まえ、両者(依頼元及び依頼先)が合意できる信用資産ポイントに決定する。
換言すると、依頼元にとって、依頼する機会の量的な多さ、及び質的な難しさは、既に獲得している信頼の度合いとなる。また、依頼先にとって、対応する依頼の量的な多さ、及び質的な難しさは、期待の度合いとなる。依頼元および依頼先には、夫々価値観があるため、両者の価値観を踏まえて信用資産ポイントが決定される。即ち、差し引きされる信用資産が決定する。
【0135】
信用資産ポイントは、依頼に対応するほど増やすことができる。信用資産ポイントの消費分についても、人財評価に基づく標準値までは回復させることができる。その一方で、信用資産ポイントは、追加獲得分については使用しないと失効して消滅する。
また、信用資産ポイントは、依頼先が期限よりも前に対応した場合には、前倒しの日数に応じてボーナス加算することもできる。また、依頼先により設定された優先度に応じてボーナス加算することもできる。
また、信用資産ポイントは、期間が渡過した場合には、超過した日数や時間に応じてオーナス減算することもできる。
【0136】
図17は、信用資産ポイント管理サービスにおける、依頼元と、依頼先と、その仲介を行う仲介者の関係を示す図である。
【0137】
上述したように、信用資産ポイントは、「依頼」に「対応」するほどに増やすことができる。また、自分自身が「対応」せずとも、「対応できるひと」を仲介した場合には、その貢献に対して信用資産ポイントが付与されるようにしてもよい。
具体的には、図17に示すように、依頼元としての参加者U21と、依頼先としての参加者U23と、その仲介を行う仲介者としての参加者U22との関係が成り立つ場合を想定する。この場合、依頼先としての参加者U23のみならず、仲介者としての参加者U22にも信用資産ポイントが付与されてもよい。
【0138】
信用資産ポイントは、コミュニケーションへの貢献に応じて追加付与することができる。
ここで、ログ登録を行う者における信用資産ポイントの追加要因としては、例えばレコードの追加に伴う情報の作成、作成されたレコードの情報量(文字数、画像や音声解析に基づくデータ量等)、レコードに対する反応総数(例えば「いいね」の数等)、レコードに対するコメントの情報量(文字数、画像や音声解析に基づくデータ量等)等がある。
また、情報の共有先における信用資産ポイントの追加要因としては、例えばレコードに対して行った反応(例えば「いいね」等のサイン)、レコードに対して行ったコメントの情報量(文字数、画像や音声解析に基づくデータ量等)、自分のコメントに対する反応総数(例えば「いいね」等の総数)、自分のコメントに対するコメントの情報量(文字数、画像や音声解析に基づくデータ量等)等がある。
【0139】
信用資産ポイントは、動的に漸減させることができる。即ち、依頼対応やコミュニケーションにより獲得された、又は依頼元として消費した信用資産ポイントを時系列に応じて漸減させる。これにより、依頼対応の意欲を刺激し続けることが可能となる。
即ち、図示はしないが、信用資産ポイントは、始めの一定期間は初期値で固定される。この期間における、信用資産ポイントの獲得側に対する狙いとしては、量を確保して依頼機会を増やすことである。また、信用資産ポイントの消費側に対する狙いとしては、減少状態を継続させることで、信用資産ポイントを獲得する(依頼に対応する)意欲を刺激することである。
始めの一定期間が経過すると、時間が経つほどに信用資産ポイントの減少幅が増加する期間となる。この期間における、信用資産ポイントの獲得側に対する狙いとしては、信用資産ポイントが減少していくことで、早く使用する(依頼をする)動機付けとすることである。また、信用資産ポイントの消費側に対する狙いとしては、回復を緩やかにすることで、引き続き獲得する(依頼に対応する)意欲を刺激することである。
信用資産ポイントが一定の値を下回ると、定額消費する期間になる。この期間における、信用資産ポイントの獲得側に対する狙いとしては、利用できる期間を延ばすことで、依頼機会を拡大することである。また、信用資産ポイントの消費側に対する狙いとしては、回復期間を延ばすことで、依頼対応への意欲を継続させることである。
【0140】
なお、図12乃至図17に示す各種サービスを実現させるための情報処理を行う情報処理システムの構成は、図2に示すシステム構成と同様であるため説明を省略する。
また、図12乃至図17に示す各種サービスを実現させるための情報処理を行う情報処理システムのうち、サーバ1、場情報入力端末2、及び利害関係者端末3は、図3に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有している。このため、サーバ1、場情報入力端末2、及び利害関係者端末3のハードウェア構成についての説明は省略する。
【0141】
図18は、本発明の第2実施形態に係る情報処理システムのうちサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0142】
図18の例では、図4の例に加え、レーティングコントロール処理と、優先度算出処理と、役割管理処理と、信用資産ポイント管理処理が実行される場合の機能的構成が描画されている。
「レーティングコントロール処理」とは、上述のレーティングコントロールサービスが提供される際に実行される処理のことをいう。
優先度算出処理とは、上述の優先度算出サービスが提供される際に実行される処理のことをいう。
「役割管理処理」とは、上述の役割管理サービスが提供される際に実行される処理のことをいう。
「信用資産ポイント管理処理」とは、上述の信用資産ポイント管理サービスが提供される際に実行される処理のことをいう。
【0143】
なお、場情報入力端末2-1、及び場情報入力端末2-2の機能的構成は、図4に示す場情報入力端末2-1、及び場情報入力端末2-2の機能的構成と同様である。このため、図18に示す場情報入力端末2-1、及び場情報入力端末2-2の機能的構成の説明は省略する。
【0144】
サーバ1のCPU11においては、場情報取得部101と、「ひとものこと」解析部102と、「ひとものこと」関係性解析部103と、解析結果送信部104と、信用評価管理部105とが機能する。
【0145】
なお、場情報取得部101のうち場見立取得部112、「ひとものこと」解析部102、及び解析結果送信部104の機能的構成は、図4に示す夫々の機能的構成と同様である。このため、図18に示す場情報取得部101のうち場見立取得部112、「ひとものこと」解析部102、及び解析結果送信部104の機能的構成の説明は省略する。
【0146】
場情報取得部101の場ログ取得部111は、図4を参照して説明した機能に加え、参加者Uの役割に関する役割情報を取得する。
「役割情報」には、例えば参加者Uの役割と、これに紐付けられた課題やタスク等が含まれる。
【0147】
場情報取得部101の場評価解析部113は、図4を参照して説明した機能に加え、参加者Uの過去の評価パターンに基づいて、参加者U1乃至Umの夫々により入力された評価の参加者間の調整を行う。
具体的には、場評価解析部113は、参加者U1乃至Umの夫々の過去の評価パターンを示す評価実績情報に基づいて、自身が生成した場評価FEの内容の調整を行う。
ここで、場評価解析部113による調整の具体的手法は特に限定されない。例えば、場評価解析部113は、自身が生成した場評価FEの内容を正規化することで調整を行う。
これにより、生成された場評価FEに対し、評価者(参加者U)の過去の評価実績を反映させることができるので、信頼性の高い場評価FEを提供することができる。
【0148】
「ひとものこと」関係性解析部103は、図4を参照して説明した機能に加え、以下の処理を行う。即ち、「ひとものこと」関係性解析部103は、場情報DB121に格納された場情報FDと、事業組織人材情報DB122に格納された情報と、解析結果DB124とに格納された情報とを用いて、「ひと」、「もの」、「こと」の夫々についての優先度と影響力とを算出する。
具体的には、「ひとものこと」関係性解析部103は、場Fの記録(ログ)から派生する「課題」に基づいて「重要度」を設定し、派生した課題からさらに派生する「タスク」や「依頼」に基づいて「緊急度」を設定する。そして、設定された「重要度」と「緊急度」と、管理者や担当者が予め設定した内容とに基づいて、動的に変化し続ける役割、事業やプロジェクト、及び組織やコミュニティの優先度と影響力とを算出する。
これにより、例えば複数のプロジェクトが併存する場合であっても、プロジェクト毎に優先度や影響度を示すことができるので、力を注ぐべきプロジェクトを絞ることができる。
【0149】
信用評価管理部105は、参加者Uの信用評価を行うとともに、その評価結果としての信用評価指標を、信用資産ポイントに換算して管理する。
信用資産ポイントを付与された参加者Uは、信用資産ポイントを消費することで、他者に対する「依頼」を行う。この場合、信用評価管理部105は、参加者Uにより保有される信用資産ポイントの増減を管理する。
また、信用評価管理部105は、上述の仲介人が存在する場合には、依頼元、依頼先、及び仲介人の夫々の信用資産ポイントの管理を行う。
これにより、例えば依頼先による「対応」によって課題が解決されると、組織やコミュニティ、事業やプロジェクト、あるいは役割が活性化される。また、それとともに場Fが発展するので、結果的に場見立FMの結果を向上させることができる。
【0150】
図19は、信用資産ポイント管理サービスが提供される際、場情報入力端末に表示されるGUIの具体例を示す図である。
【0151】
図19(A)には、場情報入力端末2がパーソナルコンピュータで構成される場合に、場情報入力端末2のブラウザ機能により表示されるGUIの具体例が示されている。
図19(A)に示すGUIは、ユーザ名、お知らせ、各種メニュー、信用資産ポイント残高、信用評価指標、検索エンジン、及びタイムラインの夫々を示すアイコンや欄で構成されている。
お知らせを示すアイコンI1は、ログの共有、依頼、コメント等がある場合に、その旨を報知するためのアイコンである。
各種メニューを示すアイコンI2は、「ログ登録」、「レビュー」、「戦略」、「依頼」、「タスク」、及び「その他」と夫々表記されたアイコンで構成されている。このうち例えば、「ログ登録」と表記されたアイコンが押下されると、ログの登録を行うための他のGUI(図示せず)が表示される。
信用資産ポイント残高を示す欄R1は、現在の信用資産ポイントの残高と、直近1か月の間に獲得した信用資産ポイントの数と、直近1か月の間に利用した信用資産ポイントの数との夫々を示す欄で構成されている。
信用評価指標を示す欄R2は、将来発展性、論理性、共感、及び現実性からなる4つの指標の夫々のスコアがポイントによって示される。
検索エンジンを示す欄R3は、フリーワード検索を行うための入力欄と、検索対象とするテーブルを選択して指定するためのプルダウンボタンと、検索対象とする期間を選択して指定するためのプルダウンボタンとで構成されている。
タイムラインを示す欄R4には、例えば登録や更新に関する最新の情報が表示される。
【0152】
図19(B)には、場情報入力端末2がスマートフォンやタブレットで構成される場合に、場情報入力端末2にインストールされた専用のアプリケーションソフトウェアにより表示されるGUIの具体例が示されている。
図19(B)に示すGUIは、検索エンジン、及びタイムラインの夫々を示す欄で構成されている。
参加者Uは、図19(A)又は(B)に示すGUIを用いて容易に本サービスの提供を受けることができる。
【0153】
図20は、事業やプロジェクトで社会的な成果をあげるために必要となる資本の構成を示す図である。
【0154】
図20の左側には、事業やプロジェクトに活用できる財の構成を示すB/S(バランスシート)が描画されている。また、図20の右側には、事業やプロジェクトの成果の構成を示すP/L(プロフィット アンド ロスステイトメント)が描画されている。
【0155】
B/Sの右側(いわゆる貸方)は、「経済活動資本」と、「知的資本」と、「社会関係資本」との3種類の資本の組合せとなっている。また、B/Sの左側(いわゆる借方)は、これら3種類の資本の組合せの合計としての「活用できる総資本」となっている。
「活用できる総資本」を構成する各資本のうち、「経済活動資本」には「お金」や「物質的な価値」が含まれ、「知的資本」には、「知恵」や「ノウハウ」が含まれる。また、「社会関係資本」には、「関係性」や「社会信用」が含まれる。
B/Sの右側の「経済活動資本」と、「知的資本」と、「社会関係資本」との3種類の資本の夫々を最適化させることで、B/Sの左側の「活用できる総資本」を発展させるとともに、最大限に活用することができるようになる。
そして、B/Sの総資本を最大限活用することで、P/Lに示す社会的な成果を創出することができる。
【0156】
P/Lの左側(いわゆる借方)は「収益」と、「知見」と、「信頼」との3種類の成果の組合せとなっている。また、P/Lの右側(いわゆる貸方)は、これら3種類の成果の組合せの合計としての「社会共通価値」、即ち「財による成果」となっている。
「社会共通価値」を構成する各成果のうち、「収益」には「売上」や「利益」が含まれ、「知見」には、「気づき」や「経験」が含まれる。また、「信頼」には、「満足」や「幸福感」が含まれる。
P/Lの左側の「収益」と、「知見」と、「信頼」との3種類の成果の夫々を最適化させることで、P/Lの右側の「社会共通価値」(財による成果)を最大化させることができる。
また、P/Lの左側の「収益」と、「知見」と、「信頼」との3種類の成果の夫々を、B/Sの右側の「経済活動資本」と、「知的資本」と、「社会関係資本」との3種類の資本の夫々に還元する。
これにより、B/Sの右側の「経済活動資本」と、「知的資本」と、「社会関係資本」との3種類の資本の夫々を最適化させることができるので、B/Sの左側の「活用できる総資本」を発展させるとともに、最大限に活用することができるようになる。
そして、B/Sの総資本を最大限活用することで、P/Lに示す社会的な成果を創出することができるというサイクルができあがる。
【0157】
なお、上述の3種類の資本のうち「社会関係資本」は、他の2種類の資本(「経済活動資本」及び「知的資本」)の源泉であり、かつ回帰先となっている。
また、「社会関係資本」は、「何もない」状態から新たな挑戦を可能にする。これにより、複雑性を超えた新たな価値の創出(即ちイノベーション)を形にすることができる。
【0158】
図21は、サーバによる解析の具体例として、信用評価の具体例を示す図である。
【0159】
サーバ1では、参加者Uの信用評価が行われるが、具体的には例えば、図21に示す観点から個別の要素の状態が解析されることで、信用評価が行われる。
即ち、社会問題、ビジョン、参考情報、組織やコミュニティ、空間や場所、事業やプロジェクト、提供される価値や資源、役割、及び人財といった観点の夫々について、認知、評価、変化、強み、弱み、機会、及び脅威といった要素の状態が解析される。
【0160】
このうち、「認知」の状態については、例えばどれだけの認知を得ているか、どのような意味合いで受け取られているかといった解析が行われる。また「評価」の状態については、例えばどれだけの評価を得ているかについて、投資価値や適正価格を含めた解析が行われる。また「変化」の状態については、例えばどのくらい改善、成長、又は発達しているか、改善、成長、発達の要因は何であるのかといった解析が行われる。また、「強み」の状態については、どのような強みをもっているか、強みを発揮するためにはどのような周辺条件が必要となるかといった解析が行われる。また、「弱み」の状態については、どこに弱みがあるか、克服すべき内的な問題は何であるかといった解析が行われる。また、「機会」の状態については、どこに機会があるか、どのような状況であればより生産性を向上させることができるのかといった解析が行われる。また、「脅威」の状態については、何がリスクとなるのか、生産性を下げてしまう要因としては何があるのかといった解析が行われる。
【0161】
図22は、サーバによる解析の具体例として、信用評価の結果に基づいて生成される財務諸表の具体例を示す図である。
【0162】
サーバ1では、参加者Uの信用評価が行われ、その結果に基づいて、図22(A)乃至(C)に示す財務諸表が生成される。
図22(A)乃至(C)に示す財務諸表では、従来の財務諸表に対して、信用資産ポイントと、信用評価指標とが加味されるので、金銭を基準とする価値評価では見ることができなかった経営の状態を見える化させることができる。
【0163】
図22(A)には、信用評価に基づくB/S(バランスシート)が示されている。
B/Sの右側(いわゆる貸方)は、「経済活動資本を表す金銭価値(通貨)」と、「知的資本を表す信用資産ポイント」と、「社会関係資本を表す信用指標」との組合せとなっている。また、B/Sの左側(いわゆる借方)は、これらの組合せの合計としての「事業活動を表す総資産」となっている。
「事業活動を表す総資産」うち、「経済活動資本を表す金銭価値(通貨)」は、従来のB/Sの貸方に記載される項目が含まれ、「知的資本を表す信用資産ポイント」、及び「社会関係資本を表す信用指標」は、いずれも本サービスによって算出される。
B/Sの左側の事業活動を表す総資産」には、勘定科目毎に、金銭価値(通貨)、知的価値(信用資産ポイント)、及び社会関係価値(信用指標)の夫々の具体的内容が示される。なお、小計及び合計は左右(借方貸方)でバランスがとられる。
【0164】
図22(B)には、信用評価に基づくP/L(プロフィット アンド ロスステイトメント)が示されている。
信用評価に基づくP/Lには、提供価値(売上)、取得価値(費用)、最終評価(利益)の夫々について、金銭価値(通貨)、知的価値(信用資産ポイント)、及び社会関係価値(信用指標)の夫々の具体的内容が示される。なお、取引の実績がない信用指標については、前記との差分に基づいて計算される。
【0165】
図22(C)には、信用評価に基づくバリューフローが示されている。
信用評価に基づくバリューフローには、営業フロー、投資フロー、財務フローの夫々について、金銭価値(通貨)の具体的内容が示される。また、投資フロー、財務フローの夫々について、知的価値(信用資産ポイント)、及び社会関係価値(信用指標)の夫々の具体的内容が示される。つまり、財務フローについては、金銭価値(通貨)のみにおいて発生する。なお、取引の実績がない信用指標については、前記との差分に基づいて計算される。
【0166】
以上、本発明が適用される情報処理システムの実施形態を説明してきた。しかしながら、本発明が適用される実施形態は、例えば次のようなものであってもよい。
【0167】
本実施形態では、場Fは会議、場情報FDは場ログFLと場見立FMであり、場ログFLは議事録としたが、これに限るものではない。即ち、場Fは、1人以上の自然人が介入している時間であればどのような場であってもよい。また、場情報FDは、客観的場情報FD-Kと、主観的場情報FD-Sからなるものであればよい。
【0168】
また、場情報FDは場情報入力端末2からネットワークを介してサーバ1に送信されるものとしたが、サーバ1に場情報FDを入力されることが達成できれば足りる。即ち、例えば、参加者Uは場情報FDをサーバ1に直接入力してもよいし、場情報FDに相当する内容を紙等の媒体で回収し、サーバ1に入力されるものであってよい。
【0169】
また、サーバ1から共有される情報は利害関係者端末3を介して利害関係者SHに共有されるものとしたが、当該情報が利害関係者SHに情報が共有されれば足りる。即ち、例えば、当該情報はサーバ1で制御するプリンタから印刷され、紙等の媒体で利害関係者SHに提示されるものであってよい。
【0170】
また、本発明によれば、例えば以下のような効果を期待することができる。
即ち、地域の情報機関に持ち込まれる社会的な課題を起点として、新たな価値を創出するための対話の機会、及び実践の機会を築くことができる。これにより、新事業の展開及び事業の変容を実現させることができる。その結果、社会的な価値に転換することができる。
【0171】
また例えば、データ(情報)を対価とする信頼関係を築くことで、コミュニティを形成させることができる。また、データ(情報)に基づく事業を形成させることができる。コミュニティを形成させることと、事業を形成させることとは、両輪として同時に推進させていく必要がある。
【0172】
また例えば、地域の情報機関は、データ(情報)のエコシステムを形成することができる。これにより、データ(情報)に基づく事業の形成を支援することができる。なお、ここでいう「事業の形成」とは、例えばアプリケーションを開発したり活用したりすることをいう。
【0173】
また例えば、地域の情報機関は、価値の根源である人財の流通を促進することができる。具体的には、プロスポーツのクラブやリーグの運営をモデルとする、これにより、高度なスキルを有する人財の流通及び活性化を実現させることができる。
【0174】
また例えば、地域の情報機関は、余剰資産を適正に活用することができる。これにより、従来の組織内ではできなかったイノベーションを創出の可能性を拡大させることができる。
【0175】
また例えば、上述の関係性の解析によれば、自分にとってだれがどういう関係性となっているのかを俯瞰し、自分が置かれている状況を見える化させることができる。
この場合、最も中核的に信頼関係が結ばれている3名を「CORE3」、常時コミュニケーションをとれる、相互に支えあえる仲間である15名を「HOT15」、自分がコミュニケーションを適切に取れる範囲の150名を「My Community」、自分にアプローチしてきているが関係性ができていないひとたちを「My Contact」、及び自分がつながりたいと思っているが繋がれてないひとたちを「My Approach」と夫々定義することができる。
【0176】
また例えば、上述の関係性の解析によれば、ソーシャルグラフを質的にとらえ、アクションにつなげることができる。
この場合、例えば以下の5つの視点に基づいた解析を行うことができる。即ち、相性、専門、影響、利害、及びチャネルに基づいた解析を行うことができる。このうち、「相性」は、誰と誰の組み合わせだと生産性が高くなるか、誰がどのタイプの役割や事業に関わると生産性が高くなるか、といった視点からの解析を行うことができる。「専門」は、どこのだれが、どのような専門性を持っているか、専門分野どうしで連動性や親和性が高い領域はどの領域か、といった視点からの解析を行うことができる。「影響」は、全体に対して影響を及ぼしているのは誰か、制度の見た目上のものではなく、実質的に誰が意思決定や行動に影響を与えているか、といった視点からの解析を行うことができる。「利害」は、どこまでを直接利害関係者としてケアするべきか、巻き込むためには何が又は誰が必要か、巻き込まないためには何又は誰を対象とすべきか、といった視点からの解析を行うことができる。「チャネル」は、良好な関係性を築くためにはどのような順序でのコミュニケーションが必要か、誰から誰に言ってもらうことが効果的か、といった視点からの解析を行うことができる。
【0177】
また例えば、上述の関係性の解析によれば、個々の人財や、プロジェクトなどのチーム単位にて能力の状態を解析し、人財育成・組織開発戦略に活用することができる。
この場合、具体的には以下の要素に基づいて、能力の状態の評価を行うことができる。即ち、俯瞰能力、管理及び遂行能力、ビジョン設定、自律発達及び学習、実践行動、信頼及び協調、特化能力、及びデジタルリテラシーに基づいて、能力の状態の解析を行うことができる。
また、能力の状態は、0乃至10までの11段階のレベルで評価することができる。即ち、レベル「0」は、「当該分野の認識なし」、レベル「1」は、「当該分野の存在は認識あり」、レベル「2」は、「当該分野について概要は認識あり」、レベル「3」は、「当該分野の知識のみ」、レベル「4」は、「当該分野にかかわった経験あり」、レベル「5」は、「当該分野での実務経験あり」、レベル「6」は、「当該分野での十分な実務経験あり」、レベル「7」は、「当該分野で十分なリーダー経験あり」、レベル「8」は、「当該分野にて十分な実績あり」、レベル「9」は、「当該分野で実績ある指導者」、レベル「10」は、「社会的権威・第一人者」、といったレベル毎の評価を行うことができる。
【0178】
また例えば、上述の関係性の解析によれば、外部データとの連携を実現させることができる。
この場合、既に流通している外部データと連携することで、社会観点、事業観点、又は人財の観点からの解析を行い、成長発達のための課題や可能性を見える化させることができる。
外部データとしては、例えば政策関連データ(例えばオープン・ガバメント)、業務データ(例えば会計・人事・労務情報)、コマーシャル・データ(例えばWebサイト等)、個人データ(生体データ・生活データ等)がある。
社会観点からの解析は、具体的には例えば、社会課題解決や社会変容に対する影響、社会問題やビジョンを起点として関連する政策やNPO(Nonprofit Organization)等での活動との関連性、及び貢献の見える化を行うとともに、より高い成果を創出するための課題抽出の活用、といった観点からの解析である。
事業観点からの解析は、具体的には例えば、事業活動の市場評価、及び事業としての持続可能性、社会問題やビジョンの他、他者の事業に関する情報や会計、人事、労務データを組合せの把握、事業として必要な進化の在り方の明確化、といった観点からの解析である。
人財の観点からの解析は、具体的には例えば、社会や市場、人財価値、社会効果や事業性に対する貢献度と個人の活動データとの組合せ、人材活用のリスクや可能性の見える化(例えば工数的な問題、健康リスク)、といった観点からの解析である。
【0179】
また例えば、上述の関係性の解析に基づいて、AI(人工知能)等による機械学習による予測が可能となる。
即ち、データ解析に基づいた機械学習による予測を提供することで、より創造的な探求を促すことができるとともに、その実務成果をデータ化することで、ひとと機械による創造的な成長プログラムとすることができる。
具体的には、データの集積とデータの解析とが行われた後、例えば社会問題の予測、ビジョンや創発の提案、事業成長の予測、施策の提案、及びチーム編成の提案を行うことができる。
「社会問題の予測」では、すでに起きている社会問題のうち、関連するプロジェクトの変化を鑑み、今後注目度が上がるものが予測される。また、まだ社会問題となっていないが、各プロジェクトなどで上がるキーワードから今後何が社会問題となるのかが推定される。
「ビジョンや創発の提案」では、既に提示されているビジョンから関連するプロジェクトの変化を鑑み、より深く議論をすべきビジョンが提案される。また、ビジョンを探求するために必要な観点を関連する課題を踏まえた提示が行われ、対話による創発が促される。
「事業成長の予測」では、社会問題やビジョンの予測をもとに双方に関連深い事業やプロジェクト、及び組織やコミュニティが抽出される。また、事業やプロジェクト、及び組織やコミュニティが社会においてどのような価値を提供し得るのかが推定される。
「施策の提案」では、事業環境の変化を踏まえて、既存の事業やプロジェクトにおいて対応が必要となる施策を、過去の事例から類推されて提案される。また、必要となる役割や、設定している役割において対応が必要となる課題が明確化される。また、個々の課題に対して進めるための具体的なタスクや依頼事項が提案される。
「チーム編成の提案」では、事業環境の変化や事業の状態を鑑みて、必要なチームの編成が提案される。また、人財同士の相性や、施策内容に応じて、適正な人財が抽出される。また、人財に活躍してもらうための条件(給与等の待遇)や、交渉チャネルが併せて提案される。
その後、利害関係者による対話を通じて創作的探究や意思決定がなされ、実務施策として実施される。
【0180】
また例えば、本発明によれば、地域や組織等の任意のグループ毎にシステムを立ててデータを共有することができる。
即ち、共通システムとなる図2の情報処理システムを介して、複数のグループシステムにおいて信用評価を共有することができる。
【0181】
また例えば、本発明によれば、場を通じた情報共有環境を整えて、情報共有のルートを見える化させることで、情報管理及び知財管理を適正化させることができる。
具体的には、履歴管理、情報伝達ルート、情報のコントロール、知的財産の保証といった観点から見える化がなされる。
即ち、「履歴管理」では、いつ、どの場でつながったかの把握、関連情報からつながった経緯の明確化させる管理が行われる。これにより、問題発生時などの責任所在や原因探求に貢献することができる。
また、「情報伝達ルート」では、誰にどのように情報が伝わったかの把握、情報がどこまで広がっているかの把握、どこで情報が止まっているかの把握が行われる。
また、「情報のコントロール」では、情報伝達をどこの範囲まで行うか、事前に戦略設定が可能かどうかの判断、システム上でのデータ共有範囲の指定、情報漏洩の防止等が行われる。
また、「知的財産の保証」では、著作権者の自信の権利主張ためのエビデンスとして活用、成果への貢献を見える化等が行われる。これにより、正当な権利主張も可能になる。
【0182】
また例えば、図19(B)に示すGUIは、場情報入力端末2にインストールされた専用のアプリケーションソフトウェアによって表示される構成となっているが、これに限定されない。例えば場情報入力端末2が備えるブラウザ機能によって表示される構成であってもよい。
【0183】
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図4の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図4の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、図4に特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバ1の機能ブロックを場情報入力端末2等に移譲させてもよい。逆に場情報入力端末2の機能ブロックをサーバ1等に移譲させてもよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0184】
また例えば、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0185】
また例えば、このようなプログラムを含む記録媒体は、参加者Uにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で参加者Uに提供される記録媒体等で構成される。
【0186】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0187】
以上を換言すると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば図2図4のサーバ1)は、
1人以上のひとが介入している所定の時間(例えば参加者U1,U2が参加している会議の時間)を場として、当該場に関する客観的情報である第1情報(例えば図1の場ログFL1)と、前記ひとにとっての前記場に関する主観的情報である第2情報(例えば図1の場見立FM11,FM12)に基づいて生成された前記場の評価を示す第3情報(例えば図1の場評価FE1)とを取得する取得手段(例えば図4の場情報取得部101)と、
前記第1情報及び前記第3情報を前記場の利害関係者に提供する提供手段(例えば図4の解析結果送信部104)と、
を備える情報処理装置であれば足りる。
これにより、例えば、利害関係者は、場の内容と、場の評価を知ることができる。
【0188】
更に、複数の前記場の夫々の前記第3情報に基づいて、前記複数の場の少なくとも1つに関与した前記ひと、前記複数の場のうち少なくとも1つに関与したもの、又は前記複数の場のうち少なくとも1つに関することの評価を示す第4情報(例えば上述の「ひとものこと情報」)を生成する第1生成手段(例えば図4の「ひとものこと」解析部102)、
をさらに備え、
前記提供手段は、前記第4情報を前記利害関係者にさらに提供することができる。
これにより、例えば、利害関係者は、「ひと」、「もの」、「こと」の夫々の評価を知ることができる。
【0189】
更に、複数の前記ひと、複数の前記もの、複数の前記ことのうちの少なくとも2つ以上の組合せについて、当該組合せに含まれる前記ひと、前記もの、又は前記ことの夫々についての前記第4情報に基づいて、当該組合せに含まれる前記ひと、前記もの、又は前記ことの夫々についての関係性の評価を示す第5情報(例えば上述の「ひとものこと関係性情報」)を生成する第2生成手段(例えば図4の「ひとものこと」関係性解析部103)、
をさらに備え、
前記提供手段は、前記第5情報を前記利害関係者にさらに提供することができる。
これにより、例えば、利害関係者は、「ひと」、「もの」、「こと」の少なくとも2つ以上の組み合わせについて、関係性が健全か不健全か等の情報を得ることができる。即ち、所謂、適材適所のための情報とすることができ、不健全な関係性の発見や、関係性の改善のきっかけや手掛かりとすることができる。これにより、イキイキとした場を提供することにより、ループを介しさらなるイキイキとした場とすることができる。また、イキイキとした場により、社会的健康を増進することができる。
【0190】
また、前記第2生成手段は、さらに、前記第2情報の提供者の過去の評価実績に基づいて、前記第5情報を生成することができる。
これにより、レーティングコントロールが可能となる。その結果、場評価FEの信頼性を高めることができる。
【0191】
また、前記第2生成手段は、前記関係性の評価として、前記ひと、前記もの、又は前記ことの夫々についての優先度を示す第6情報を生成することができる。
これにより、例えば複数のプロジェクトが併存する場合であっても、プロジェクト毎に優先度や影響度を示すことができる。その結果、力を注ぐべきプロジェクトを絞ることができる。
【0192】
また、前記取得手段は、
前記ひとの役割に関する情報を含む前記第2情報を取得することができる。
これにより、取得手段が、役割情報を取得するので、例えば参加者Uが、「プロジェクトマネージャー」という「役割」でプロジェクトに参加している場合には、この「役割」に紐付くタスクや課題を一覧で確認することができる。その結果、対応の抜け漏れを防ぐことができる。
【0193】
前記第4情報は、前記ひとの信用に関する評価を含み、
前記信用に関する評価を所定の交換財に換算して前記ひと毎に管理する信用管理手段をさらに備える、
これにより、人財に対する信用評価指標を信用資産ポイントに換算し、参加者Uに付与することができる。信用資産ポイントを付与された参加者は、信用資産ポイントを消費することで、他者に対する「依頼」を行うことができる。
【符号の説明】
【0194】
1・・・サーバ、2・・・場情報入力端末、3・・・利害関係者端末、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・バス、15・・・入出力インターフェース、16・・・出力部、17・・・入力部、18・・・記憶部、19・・・通信部、20・・・ドライブ、31・・・リムーバブルメディア、101・・・場情報取得部、102・・・「ひとものこと」解析部、103・・・「ひとものこと」関係性解析部、104・・・解析結果送信部、105・・・信用評価管理部、111・・・場ログ取得部、112・・・場見立取得部、113・・・場評価解析部、18・・・記憶部、121・・・場情報DB、122・・・事業組織人材情報DB、123・・・既存データDB、124・・・解析結果DB、F・・・場、FL・・・場ログ、FD・・・場情報、FM・・・場見立、FE・・・場評価、U・・・参加者、SH・・・利害関係者、S・・・各ステップ、J・・・事業、P・・・プロジェクト、H・・・ひと、T・・・もの、I・・・アイコン、R・・・欄、N・・・ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22