(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】婦人疾患検出用のガス検出システムによる検出方法
(51)【国際特許分類】
A61B 10/00 20060101AFI20220928BHJP
G01N 1/22 20060101ALI20220928BHJP
G01N 33/497 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
A61B10/00 N ZDM
G01N1/22 A
G01N33/497 Z
(21)【出願番号】P 2021072672
(22)【出願日】2021-04-22
【審査請求日】2021-09-14
(32)【優先日】2021-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】521554893
【氏名又は名称】アイノス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ainos, Inc.
【住所又は居所原語表記】8880 Rio San Diego Drive, Suite 800, San Diego, CA 92108 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】廖家男
(72)【発明者】
【氏名】黄家彬
(72)【発明者】
【氏名】翁子庭
(72)【発明者】
【氏名】廖育萱
(72)【発明者】
【氏名】蔡群賢
(72)【発明者】
【氏名】李庭鵑
(72)【発明者】
【氏名】蔡群榮
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3232718(JP,U)
【文献】特開2017-138221(JP,A)
【文献】特開2017-096890(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/00
G01N 1/22
G01N 33/497
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
女性の陰部の被測定ガスを検出する婦人疾患検出用のガス検出システムを用いた検出方法であって、
前記婦人疾患検出用のガス検出システムは、
胴部と前記胴部に突設されたヘッドとを含み、前記ヘッドに前記被測定ガスを供給する吸気通路が穿設され、前記胴部が前記吸気通路に連通する検出チャンバ及び排気通路を含む本体と、
前記ヘッドに取り外し可能に外嵌され、前記吸気通路に対応する貫通溝を含むスリーブと、
少なくとも1つの前記検出チャンバ内に設けられたセンサを含み、前記少なくとも1つのセンサが前記被測定ガスのうちの少なくとも1つの検知対象を検知し、少なくとも1つの検知信号を生成する検出モジュールと、
前記本体に設けられ、且つ前記検出チャンバ及び前記排気通路にそれぞれ連通するガスポンプと、
前記検出モジュール及び前記ガスポンプの動作を制御し、処理ユニットと、前記処理ユニットに通信する第1通信ユニットとを含み、前記処理ユニットが、前記少なくとも1つの検知信号を受信し、前記第1通信ユニットを制御して前記少なくとも1つの検知信号を送信する制御モジュールとを含み、
前記スリーブを前記女性の陰部に接近させて、前記ガスポンプを起動させ、前記被測定ガスを前記検出チャンバに供給するサンプリングステップと、
前記少なくとも1つの検知対象を検知し、それに基づいて前記少なくとも1つの検知信号を生成する検知ステップと、
前記少なくとも1つの検知信号を分析モジュールに出力する出力ステップと、
前記分析モジュールは前記少なくとも1つの検知信号に基づいて検出結果情報を取得する分析ステップと、を含む、
検出方法。
【請求項2】
前記スリーブ及び前記ヘッドのうち、少なくとも一方には、前記吸気通路に対応する濾材が設けられる、請求項1に記載の検出方法。
【請求項3】
前記本体は、第1ケース、第2ケース及び前記第1ケースと前記第2ケースとの間に介在する第3ケースをさらに含み、前記第1ケースと前記第3ケース
に囲まれて前記検出チャンバを構成する、請求項1に記載の検出方法。
【請求項4】
前記本体は、収容チャンバと、前記検出チャンバと前記収容チャンバとの間に連通する第1連通路とをさらに含み、前記ガスポンプ及び前記制御モジュールは前記収容チャンバに設けられ、前記ガスポンプの吸気管路は前記第1連通路に接続される、請求項1に記載の検出方法。
【請求項5】
前記本体は、前記収容チャンバと前記排気通路との間に連通する第2連通路をさらに含み、前記ガスポンプの排気管路は前記第2連通路に接続される、請求項4に記載の検出方法。
【請求項6】
前記排気通路と前記第2連通路との間に、緩衝室がさらに設けられる、請求項5に記載の検出方法。
【請求項7】
前記本体と前記スリーブとの間に設けられた当接退避機構をさらに含み、前記当接退避機構は、前記胴部に設けられた押し当て部材を含み、前記押し当て部材は前記ヘッドから離れた方向へ前記スリーブを押し当てる、請求項1に記載の検出方法。
【請求項8】
前記胴部は、軸方向に延びる直線部と、前記直線部から、前記軸方向から離れた一側に延びる屈曲部とを含み、前記ヘッドは前記屈曲部に接続される、請求項1に記載の検出方法。
【請求項9】
前記スリーブ及び前記ヘッドのうち、少なくとも一方には、前記吸気通路に対応する濾材が設けられ、少なくとも1つの前記濾材は防水通気性膜であり、前記スリーブと前記ヘッドとの間に、少なくとも1つの第1シール部材が設けられ、前記本体は、第1ケース、第2ケース及び前記第1ケースと前記第2ケースとの間に介在する第3ケースをさらに含み、前記第1ケースと前記第3ケースは囲まれて前記検出チャンバを構成し、前記第1ケースと前記第3ケースとの間に、第2シール部材がさらに設けられ、前記第2シール部材の形状は少なくとも部分的に前記検出チャンバ、前記収容チャンバ及び前記緩衝室の形状に対応し、前記ガス検出システムは、前記本体と前記スリーブとの間に設けられた当接退避機構をさらに含み、前記当接退避機構は、前記胴部に設けられた押し当て部材を含み、前記押し当て部材は前記ヘッドから離れた方向へ前記スリーブを押し当て、前記当接退避機構は、前記本体と前記押し当て部材との間に弾性的に当接する弾性部材をさらに含み、前記スリーブには第1係合部が設けられ、前記押し当て部材及び前記ヘッドのうち、一方には、前記第1係合部に係合可能な第2係合部が設けられ、前記胴部は、軸方向に延びる直線部と、前記直線部から、前記軸方向から離れた一側に延びる屈曲部とを含み、前記ヘッドは前記屈曲部に一体的に接続され、前記第3ケースには、前記検出チャンバと前記収容チャンバとの間にある第1ボスと、前記緩衝室と前記収容チャンバとの間にある第2ボスとが記第1ケースに向かって延びて突設され、前記第1連通路には前記第1ボスが延びて挿通され、前記第2連通路には前記第2ボスが延びて挿通され、前記第2連通路及び前記排気通路は互いに直交に延び、それぞれ前記緩衝室の対向する両側に連通し、前記ガスポンプはマイクロポンプであり、前記制御モジュールは、前記処理ユニットに電気的に接続され、前記収容チャンバに収容された蓄電池及び外部電源が接続する電気的ソケットを含む給電ユニットをさらに含み、前記電気的ソケットと前記本体との間には第3シール部材が設けられる、請求項6に記載の検出方法。
【請求項10】
前記サンプリングステップでは、前記ガスポンプは、起動されてから所定時間後、動作を停止し、前記検知ステップの後、さらに起動されて、クリーニングガスを前記検出チャンバに供給する、請求項1~9のいずれか1項に記載の検出方法。
【請求項11】
前記分析ステップでは、前記分析モジュールは、前記少なくとも1つの検知信号をガススペクトルに変換し、前記ガススペクトルと複数の標準ガススペクトルとの対応する結果に基づいて、前記検出結果情報を取得する、請求項1~9のいずれか1項に記載の検出方法。
【請求項12】
前記サンプリングステップでは、前記スリーブと前記女性の陰部との間隔が1cm~30cmに維持される、請求項1~9のいずれか1項に記載の検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガス検出方法に関し、特に婦人疾患検出用のガス検出システムを用いる検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
女性の陰部に関連する婦人科疾患は、通常、陰部の感染や炎症につながり、一般的な膣炎は、その発症の原因により、真菌性膣炎(例えばカンジダ)、細菌性膣炎及びトリコモナス膣炎を含む。膣炎は陰部からの異臭、分泌物の状態異常、外陰部のかゆみ、さらに疼痛などの悩みを引き起こしやすく、将来の治療の難しさを増やさないように、できるだけ早く治療を求めるべきである。
【0003】
しかしながら、婦人科診断は、通常、接触式又は侵入式の方法により触診や目視検査を必要とするため、患者の心理及び身体上の不快感を与えやすい。さらに、感染源(例えば細菌や真菌の種類)又は感染源に関連する疾患の種類を特定するために、患部をサンプリングして、phテストや検体の培養(一般には、2,3日間の時間が必要)を必要とするので、診断結果をタイムリーに取得できず、治療を遅らせることがある。このように、改善しなければならない欠点が存在する。
【0004】
そこで、上記問題を解決するために、新規且つ進歩性を有する婦人疾患検出用のガス検出システムによる検出方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、非接触式で検出可能であり、検出結果を素早く取得できる婦人疾患検出用のガス検出システムによる検出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、女性の陰部の被測定ガスを検出する婦人疾患検出用のガス検出システムを提供する。本発明は、胴部と前記胴部に突設されたヘッドとを含み、前記ヘッドに前記被測定ガスを供給する吸気通路が穿設され、前記胴部が前記吸気通路に連通する検出チャンバ及び排気通路を含む本体と、前記ヘッドに取り外し可能に外嵌され、前記吸気通路に対応する貫通溝を含むスリーブと、少なくとも1つの前記検出チャンバ内に設けられたセンサを含み、前記少なくとも1つのセンサが前記被測定ガスのうちの少なくとも1つの検知対象を検知し、少なくとも1つの検知信号を生成する検出モジュールと、前記本体に設けられ、且つ前記検出チャンバ及び前記排気通路にそれぞれ連通するガスポンプと、前記検出モジュール及び前記ガスポンプの動作を制御し、処理ユニットと、前記処理ユニットに通信する第1通信ユニットとを含み、前記処理ユニットが、前記少なくとも1つの検知信号を受信し、前記第1通信ユニットを制御して前記少なくとも1つの検知信号を送信する制御モジュールとを含む。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、上記婦人疾患検出用のガス検出システムを用いた検出方法をさらに提供する。本発明は、前記スリーブを前記女性の陰部に接近させて、前記ガスポンプを起動させ、前記被測定ガスを前記検出チャンバに供給するサンプリングステップと、前記少なくとも1つの検知対象を検知し、それに基づいて前記少なくとも1つの検知信号を生成する検知ステップと、前記少なくとも1つの検知信号を分析モジュールに出力する出力ステップと、前記分析モジュールは前記少なくとも1つの検知信号に基づいて検出結果情報を取得する分析ステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】本発明の好ましい実施例の別の視角からの分解図である。
【
図6】本発明の好ましい実施例の部分断面図である。
【
図7】本発明の好ましい実施例の操作の模式図である。
【
図8】本発明の好ましい実施例の配置のブロック図である。
【
図9】本発明の好ましい実施例のステップのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施例にて本発明の可能な実施形態を説明するが、本発明の特許範囲を制限することを意図していない。
【0010】
図1~9には本発明の好ましい実施例が示されている。本発明の婦人疾患検出用のガス検出システムは、女性の陰部の被測定ガスを検出するために用いられ、本体10、スリーブ20、検出モジュール30、ガスポンプ40及び制御モジュール50を含む。
【0011】
該本体10は、胴部11と、該胴部11に突設されたヘッド12とを含み、該ヘッド12には該被測定ガスを供給する吸気通路121が穿設され、該胴部11は、該吸気通路121に連通する検出チャンバ111及び排気通路112を含む。該スリーブ20は、該ヘッド12に取り外し可能に外嵌され、該吸気通路121に対応する貫通溝21を含む。該検出モジュール30は、該検出チャンバ111内に設けられた少なくとも1つのセンサ31を含み、該少なくとも1つのセンサ31は、該被測定ガスのうちの少なくとも1つの検知対象を検知し、少なくとも1つの検知信号を生成する。
該ガスポンプ40は、該本体10に設けられ、該検出チャンバ111及び該排気通路112にそれぞれ連通する。該制御モジュール50は、該検出モジュール30及び該ガスポンプ40の動作を制御でき、処理ユニット51と、該処理ユニット51に通信する第1通信ユニット52とを含み、該処理ユニット51は、該少なくとも1つの検知信号を受信し、該第1通信ユニット52を制御して該少なくとも1つの検知信号を送信する。
該被測定ガスは、患者の陰部付近から収集するガスである。例えば、細菌やトリコモナスが繁殖するときにガス及び代謝産物が発生して陰部環境のガスの成分を変えるため、このガス検出システムにより、非接触式で該被測定ガスを収集して婦人疾患を検出することができる。
【0012】
該胴部11は、軸方向に延びる直線部113と、該直線部113から、該軸方向から離れた一側に延びる屈曲部114とを含み、該ヘッド12は該屈曲部114に一体的に接続される。このように、該直線部113が操作者により握持され、該屈曲部は、該ヘッド12がサンプリングしようとする部位に対応することを容易にする。例えば、他人対してサンプリングする場合、操作者は、該ヘッド12を上向きにし、該吸気通路121を該サンプリングしようとする部位に向ける。患者が自分でサンプリングする場合、該ヘッド12を下向きにし、該吸気通路121を該サンプリングしようとする部位に向けることができ、それにより、操作を容易にするために複数の握持方式を提供する。
詳しくは、該スリーブ20の径方向サイズは、該ヘッド12から離れた一側に向かうにしたがって減少し、それにより、該サンプリングしようとする部位への接近が容易になる。該スリーブ20及び該ヘッド12のうち、少なくとも一方には、該吸気通路121に対応する濾材122が設けられ、異物の侵入を防止する。本実施例では、該吸気通路121の1つのポートに該濾材122が向けられる。該濾材122は、液体の浸透を防止しながら、ガスを流通可能に維持する防水通気性膜である。
【0013】
該ガス検出システムは、該本体10と該スリーブ20との間に設けられた当接退避機構60をさらに含む。該当接退避機構60は、該胴部11に設けられた押し当て部材61を含み、該押し当て部材61は、該ヘッド12から離れた方向へ該スリーブ20(
図7参照)を押し当てることができる。このようにして、該スリーブ20を容易に交換できるとともに、衛生性を有し、交差感染を防止できる。好ましくは、該当接退避機構60は、該本体10と該押し当て部材61との間に弾性的に当接する弾性部材62をさらに含み、該押し当て部材61をその初期位置に自動的に復帰させることができる。
該スリーブ20には、好ましくは第1係合部22が設けられ、該押し当て部材61及び該ヘッド12のうち、一方には、該第1係合部22に係合可能な第2係合部63が設けられる。このようにして、位置を合わせて組み付けることが容易になり、また、該ヘッド12に対する該スリーブ20の回動を防止できる。本実施例では、該スリーブ20と該ヘッド12との間には、少なくとも1つの第1シール部材14aが設けられ、組み付けを容易にするとともに、気密効果を良好にする。該第1係合部22はボスであり、該第2係合部63は該押し当て部材61に設けられた係合凹部であり、該ボスは該係合凹部に挿入され、該スリーブ20の当接退避時の脱落を避ける。他の実施例では、該スリーブ及び該ヘッドは、例えば磁気吸着やスナップの方式で組み付けることもでき、該第1係合部には該係合凹部が設けられ、該第2係合部に係合凸部が設けられるようにしても、同様な効果を達成できる。
【0014】
該本体10は、収容チャンバ13と、該検出チャンバ111と該収容チャンバ13との間に連通する第1連通路115とをさらに含み、該ガスポンプ40及び該制御モジュール50は該収容チャンバ13に設けられ、該ガスポンプ40の吸気管路41は該第1連通路115に接続される。該本体10は、該収容チャンバ13と該排気通路112との間に連通する第2連通路116をさらに含み、該ガスポンプ40の排気管路42は該第2連通路116に接続される。それにより、該ガスポンプ40を起動させると、該検出チャンバ111で負圧を発生させ、さらに、該吸気通路121を介して該被測定ガスを吸入し、吸入したガスを、該排気通路112を介して排出することができる。このため、生産や組み立てが容易である。
本実施例では、該ガスポンプ40は、体積が小さく、消費電力が低いマイクロポンプである。該排気通路112と該第2連通路116との間には、緩衝室117がさらに設けられ、
図6に示すように、それにより、該ガスポンプ40が動作を停止し、該少なくとも1つのセンサ31が検知するときに、該被測定ガスが直接排出しにくく、該第2連通路116及び該排気通路112は、互いに直交に延び、該緩衝室117の対向する両側にそれぞれ連通し、緩衝効果に優れる。該検出チャンバ111、該第1連通路115、該第2連通路116及び該緩衝室117はいずれも該本体10の該ヘッド12に隣接する一側に位置し、配置空間を減らし、該本体10の体積を減少できる。
【0015】
該本体10は、第1ケース15、第2ケース16及び該第1ケース15と該第2ケース16との間に介在する第3ケース17をさらに含み、該第1ケース15と該第3ケース17に囲まれて該検出チャンバ111、該収容チャンバ13及び該緩衝室117を構成し、これによって、内部部材の配置を容易にする。好ましくは、該第1ケース15と該第3ケース17との間に、第2シール部材14bがさらに設けられ、該第2シール部材14bの形状は、少なくとも部分的に該検出チャンバ111、該収容チャンバ13及び該緩衝室117の形状に対応する。これにより、該検出チャンバ111、該収容チャンバ13及び該緩衝室117を気密に離隔させる。
該第3ケース17には、該検出チャンバ111と該収容チャンバ13との間にある第1ボス171と、該緩衝室117と該収容チャンバ13との間にある第2ボス172とが該第1ケース15に向かって一体に延びて突設され、該第1連通路115には該第1ボス171が延びて挿通され、該第2連通路116には該第2ボス172が延びて挿通される。これによって、生産、管部材の組み立てが容易になり、各ガス流路の配置空間が小さくなる。
【0016】
該制御モジュール50は、該処理ユニット51に電気的に接続された給電ユニット53をさらに含む。該給電ユニット53は、該収容チャンバ13に収容された蓄電池531と、外部電源が接続する電気的ソケット532とを含み、該電気的ソケット532は、好ましくは、該少なくとも1つの検知信号を有線で伝送する。好ましくは、該電気的ソケット532と該本体10との間には、第3シール部材14cが設けられ、この場合、液体の浸透を防止し、洗浄や消毒に有利である。詳しくは、該制御モジュール50は、該処理ユニット51に電気的に接続されたスイッチ54及び提示部55をさらに含む。該スイッチ54が動作させられると、該処理ユニット51は、該ガスポンプ40及び該検出モジュール30を起動させるように制御し、該提示部55を制御して少なくとも1つの提示信号を生成し、該操作者がその作動状態を確認できるようにする。
本実施例では、該提示部55は複数の発光素子を含み、一例として、該ガス検出システムが検出するときに、該処理ユニット51は該複数の発光素子を制御して持続的に発光させ、該ガス検出システムの電気量が不足する場合、該処理ユニット51は該複数の発光素子を制御してランプ色を変換する。ただしこれに制限されず、該提示部55は音声装置や振動装置としてもよい。
【0017】
該ガス検出システムは、該処理ユニット51に通信可能な分析モジュール72をさらに含み、該分析モジュール72は、該少なくとも1つの検知信号に基づいて検出結果情報を取得する。本実施例では、該ガス検出システムは外部装置70をさらに含み、該外部装置70には、該分析モジュール72と、該第1通信ユニット52に通信可能な第2通信ユニット71とが設けられる。該外部装置70は、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノート型コンピュータなどの電子装置であってもよいが、これらに制限されず、それにより、該検出結果情報を素早く分析して読み取ることができる。
該第1通信ユニット52及び該第2通信ユニット71は無線通信であり、該無線通信は無線電波、赤外線、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth)、Wi-Fi(登録商標)及びインターネットのうちの少なくともの1つである。該分析モジュール72は、複数の標準ガススペクトルを記憶するデータベース721をさらに含む。該分析モジュール72は、例えば、人工智能(AI)アルゴリズムを利用して、該少なくとも1つの検知信号をガススペクトルに変換し、該複数の標準ガススペクトルと比較して該検出結果情報を取得することができる。本実施例では、該少なくとも1つのセンサ31は、該被測定ガス中の複数のガス分子(複数の該検知対象)と接触し、複数の電気信号(複数の該検知信号)を生成し、該分析モジュール72は、この複数の電気信号を該被測定ガスのガス成分及び含有量に変換することにより、該ガススペクトルを形成することができる。このため、認識性が高く、反応速度が高い。
各該標準ガススペクトルは、既知のガスを検出することにより得られ(例えば臨床実験の分析結果)、該データベース721にあらかじめ構築されている。該データベース721は、好ましくはクラウドデータベースであり、該外部装置70にはアプリケーション(APP)が設けられ、該APPは、無線ネットワークを介して直接に該データベース721を接続して使用することができる。好ましくは、該検出結果情報をクラウドサーバーにロードすることにより、医療機関により利用して遠隔医療を行うことができる。該複数の検知対象は、例えば、硫化水素、アンモニア、一酸化炭素、二酸化炭素、揮発性有機化合物(TVOC)等のガス分子を含み、各該標準ガススペクトルは少なくとも1つの関連疾患に対応することができる。他の実施例では、該本体は該外部装置に有線で接続されてもよく、該分析モジュールが該本体内に直接設けられ、該外部装置が設けられなくてもよく、該本体には、該処理ユニットに通信する表示装置がさらに設けられてもよい。これにより、該処理ユニットは該表示装置を制御して、該分析モジュールの該検出結果情報に基づいて関連情報を表示させることができ、該処理ユニットは、該第1通信ユニットを制御して、該検出結果情報を外部存取ユニットに出力させて読み取ったり記憶したりすることもできる。
【0018】
本発明は、前記婦人疾患検出用のガス検出システムを用いた検出方法をさらに提供する。この方法は以下のステップを含む。
サンプリングS1:該スリーブ20を該女性の陰部に接近させて、該ガスポンプ40を起動させ、該被測定ガスを該検出チャンバ111に供給する。
検知S2:該少なくとも1つの検知対象を検知し、それに基づいて該少なくとも1つの検知信号を生成する。
出力S3:該少なくとも1つの検知信号を該分析モジュール72に出力する。
分析S4:該分析モジュール72はこの少なくとも1つの検知信号に基づいて検出結果情報を取得する。
【0019】
該サンプリングステップS1では、好ましくは、該スリーブ20と該女性の陰部との間隔は1cm~30cmの間に維持され、それにより、非接触式サンプリングをして外部の非被測定ガスを吸入しないようにし、該ガスポンプ40は、起動されてから所定時間後、動作を停止する。該被測定ガスを該検出チャンバ111に滞在させて検知を行う。該検知ステップS2の後、該ガスポンプ40は再度起動されて、クリーニングガスを該検出チャンバ111に供給し(
図9に示すクリーニングステップS5)、それにより、該被測定ガスをパージして内部の汚染や次回の検出への干渉を避ける。
本実施例では、該サンプリングステップS1の所定時間は、例えば10秒~30秒であり、該クリーニングステップS5の該クリーニングガスは、洗浄効果を得るために、例えば持続的に10秒供給される。該分析ステップS4では、該分析モジュール72は、この少なくとも1つの検知信号を該ガススペクトルに変換し、該ガススペクトルと該複数の標準ガススペクトルとの対応する結果に基づいて該検出結果情報を取得し、それにより、該被測定ガスの検出及び分析を素早く非接触式で実施でき、高速診断の効果を達成する。
【符号の説明】
【0020】
10 本体
11 胴部
111 検出チャンバ
112 排気通路
113 直線部
114 屈曲部
115 第1連通路
116 第2連通路
117 緩衝室
12 ヘッド
121 吸気通路
122 濾材
13 収容チャンバ
14a 第1シール部材
14b 第2シール部材
14c 第3シール部材
15 第1ケース
16 第2ケース
17 第3ケース
171 第1ボス
172 第2ボス
20 スリーブ
21 貫通溝
22 第1係合部
30 検出モジュール
31 センサ
40 ガスポンプ
41 吸気管路
42 排気管路
50 制御モジュール
51 処理ユニット
52 第1通信ユニット
53 給電ユニット
531 蓄電池
532 電気的ソケット
54 スイッチ
55 提示部
60 当接退避機構
61 押し当て部材
62 弾性部材
63 第2係合部
70 外部装置
71 第2通信ユニット
72 分析モジュール
721 データベース
S1~S5 ステップ
【要約】 (修正有)
【課題】非接触式で検出可能であり、検出結果を素早く取得できる婦人疾患検出用のガス検出システムによる検出方法を提供する。
【解決手段】女性の陰部の被測定ガスを検出する婦人疾患検出用のガス検出システムによる検出方法に関し、ガス検出システムは、胴部と胴部に突設されたヘッドとを含み、ヘッドに吸気通路が穿設され、胴部が検出チャンバ及び排気通路を含む本体と、ヘッドに取り外し可能に外嵌されたスリーブと、少なくとも1つのセンサを含み、少なくとも1つのセンサが被測定ガスのうちの少なくとも1つの検知対象を検知し、少なくとも1つの検知信号を生成する検出モジュールと、検出チャンバ及び排気通路にそれぞれ連通するガスポンプと、処理ユニット及び第1通信ユニットを含み、処理ユニットが少なくとも1つの検知信号を受信し、第1通信ユニットを制御して少なくとも1つの検知信号を送信する制御モジュールとを含む。
【選択図】
図1