(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】複合センサ及びカメラ一体型安全ドアを利用した非対面のホテルサービスシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20220928BHJP
G06Q 10/02 20120101ALI20220928BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20220928BHJP
G07C 9/27 20200101ALI20220928BHJP
G07C 9/29 20200101ALI20220928BHJP
【FI】
G06Q50/12
G06Q10/02
E05B49/00 R
G07C9/27
G07C9/29
(21)【出願番号】P 2021124580
(22)【出願日】2021-07-29
【審査請求日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0083499
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521327954
【氏名又は名称】株式会社セキュアコリア
【氏名又は名称原語表記】SECURE KOREA,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】チャン ウォン ソク
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-201665(JP,A)
【文献】国際公開第2021/106737(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
E05B 49/00
G07C 9/00- 9/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホテルの各客室に設置されている複合センサ及びカメラ一体型安全ドアを利用する非対面のホテルサービスシステムであって、
顧客のスマート端末にインストールされ、ホテルを利用するためのユーザインタフェースを提供する顧客エージェント部(3000)と、
ホテルサービスのために、ホテル利用者の顧客エージェント部(3000)と安全ドアとの間の相互連動及びデータ処理を行うホテル管理サーバ(2000)と、
ホテルの客室の出入口に設置され、ドアハウジングと一体に形成されている複数のセンサとカメラを利用して、ホテル利用者の権限及び安全性を確認する安全ドア(1000)と、
を含んで構成され、
前記顧客エージェント部(3000)が、顧客のスマート端末に対するユーザの操作に対応して、特定のホテルに対する利用日程、客室タイプ、及び費用決済を含むホテル予約情報の入力を受け、前記ホテル管理サーバ(2000)に送信し、ホテル予約者を確認するための証拠データを前記ホテル管理サーバ(2000)に送信するように構成され、
前記ホテル管理サーバ(2000)が、前記顧客エージェント部(3000)から前記ホテル予約情報を受け取って、ホテル予約処理を行い、前記ホテル予約処理に割り当てられた客室の安全ドア(1000)を識別して、その安全ドア(1000)に前記利用日程及び前記証拠データを送信するように構成され、
前記安全ドア(1000)が、前記ホテル管理サーバ(2000)から、その客室の予約処理に基づく利用日程及び証拠データを受信して保存し、その客室に対するドア開放要求に対応して、ドアハウジングに形成された前記カメラにより入室要求者からトライアルデータを取得し、そのドア開放要求時間に対応する前記利用日程にマッチする証拠データと前記トライアルデータとを比較することにより、前記ドア開放要求に対する権限確認を行い、ドアハウジングに形成された前記センサから得られた室内環境情報と、ドアハウジングに形成された前記カメラから得られた室外情報とに基づいて、前記安全ドアが開放されても安全な状況であるか否かの安全確認を行うように構成される、複合センサ及びカメラ一体型安全ドアを利用した非対面のホテルサービスシステム。
【請求項2】
前記証拠データが、ホテル予約者の自分撮り写真を含んで構成され、
前記トライアルデータが、前記安全ドア(1000)のカメラで取得した入室要求者の顔写真を含んで構成されることを特徴とする、請求項1に記載の複合センサ及びカメラ一体型安全ドアを利用した非対面のホテルサービスシステム。
【請求項3】
前記ホテル管理サーバ(2000)が、前記自分撮り写真の撮影デバイスと、前記顧客エージェント部(3000)がインストールされた顧客のスマート端末との間の同一性の有無に基づき、前記証拠データの適合性を検証するように構成されることを特徴とする、請求項2に記載の複合センサ及びカメラ一体型安全ドアを利用した非対面のホテルサービスシステム。
【請求項4】
前記安全ドア(1000)が、
ホテルの客室の出入口に設置され、その客室の室内空間と室外空間を区別するドアハウジング(1100)と、
前記ドアハウジング(1100)において室内方向に設置され、室内環境情報を取得する複合センサ部材(1200)と、
前記ドアハウジング(1100)において室外方向に設置され、前記ドアハウジング(1100)の前方の室外情報を取得するカメラ部材(1300)と、
前記複合センサ部材(1200)の室内環境情報と前記カメラ部材(1300)の室外情報とに基づいて、ドアが開放されても安全な状況であるか否かを判断する安全確認部材(1400)と、
ネットワークを介して外部とのデータ通信経路を提供する外部通信部材(1500)と、
前記外部通信部材(1500)を介して前記ホテル管理サーバ(2000)から前記利用日程及び前記証拠データを受信し、内部登録する出入登録部材(1600)と、
ドア開放要求に対応し、前記カメラ部材(1300)の室外情報から得られた入室要求者のトライアルデータが前記出入登録部材(1600)にホテル予約者として登録されているか否かに応じて、出入権限有無を判断する権限確認部材(1700)と、
ドアを選択的にロックするドア開閉部材(1800)と、
前記安全確認部材(1400)の判断結果と前記権限確認部材(1700)の判断結果とに基づいて、ドアを開放するか否かを決定し、それに対応して前記ドア開閉部材(1800)を制御する開閉制御部材(1900)と、
を含んで構成され、
前記複合センサ部材(1200)、カメラ部材(1300)、安全確認部材(1400)、外部通信部材(1500)、出入登録部材(1600)、権限確認部材(1700)、ドア開閉部材(1800)、及び開閉制御部材(1900)が前記ドアハウジング(1100)と一体に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の複合センサ及びカメラ一体型安全ドアを利用した非対面のホテルサービスシステム。
【請求項5】
前記カメラ部材(1300)が、第1のモジュール化構成からなり、前記ドアハウジング(1100)に対して起立状態の人の顔に対応する高さで室外方向に埋め込み固定設置され、
前記複合センサ部材(1200)が、第2のモジュール化構成からなり、前記ドアハウジング(1100)において、前記カメラ部材(1300)と整列されていない位置で室内方向に埋め込み固定設置されることを特徴とする、請求項4に記載の複合センサ及びカメラ一体型安全ドアを利用した非対面のホテルサービスシステム。
【請求項6】
前記カメラ部材(1300)が、
前記ドアハウジング(1100)の前方の室外空間に位置する入室要求者の体温測定データを取得するための熱画像カメラ(1310)と、
前記ドアハウジング(1100)の前方の室外空間に位置する入室要求者のトライアルデータを取得するための室外撮影カメラ(1320)と、
カメラ撮影の照明を提供するための発光部材(1330)と、
を含んで構成され、
前記安全確認部材(1400)が、
熱画像カメラ(1310)から得られた入室要求者の体温測定値が予め設定されたしきい値以上である場合には、ウイルス感染の可能性により、ドアを開くには危険な状況であると判断する感染防止部材(1410)を含んで構成されることを特徴とする、請求項5に記載の複合センサ及びカメラ一体型安全ドアを利用した非対面のホテルサービスシステム。
【請求項7】
前記複合センサ部材(1200)が、
室内空間の二酸化炭素濃度、一酸化炭素濃度、メタンガス濃度、及び有毒ガス濃度のうち少なくとも1つを検出するガス検出センサ(1210)と、
室内空間において火炎の有無を検出する火炎検出センサ(1220)と、
室内空間の温度を検出する温度検出センサ(1230)と、
室内空間の湿度を検出する湿度検出センサ(1240)と、
を含んで構成され、
前記安全確認部材(1400)が、
前記火炎検出センサ(1220)によって火炎が検出され、前記温度検出センサ(1230)によって温度上昇が検出され、前記湿度検出センサ(1240)によって湿度低下が検出され、前記ガス検出センサ(1210)によってガス濃度の増加が検出されると、室内空間の火災発生の可能性により、ドアを開くには危険な状況であると判断する火災防止部材(1420)を含んで構成されることを特徴とする、請求項5に記載の複合センサ及びカメラ一体型安全ドアを利用した非対面のホテルサービスシステム。
【請求項8】
前記複合センサ部材(1200)が、
前記ドアハウジング(1100)に対する振動を検出する振動検出センサ(1250)と、
前記ドアハウジング(1100)で発生した騒音を検出する騒音検出センサ(1260)と、
をさらに含んで構成され、
前記安全確認部材(1400)が、
前記振動検出センサ(1250)から得られた振動測定値が予め設定されたしきい値を超え、且つ、前記騒音検出センサ(1260)から得られた騒音測定値が予め設定されたしきい値を超えると、ドアが異常に開かれる可能性により、ドアを開くには危険な状況であると判断する侵入防止部材(1430)をさらに含んで構成されることを特徴とする、請求項7に記載の複合センサ及びカメラ一体型安全ドアを利用した非対面のホテルサービスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、非対面方式でホテルの客室を便利且つ安全に利用可能にする技術に関する。
特に、本発明は、客室の予約に対応して、ホテル予約者の自分撮り写真とホテル利用日程を各客室に設置された安全ドアに保存しておき、後にホテルの客室に入室要求者が現れると、安全ドアに設置されたカメラで取得した入室要求者の顔写真に基づいてその日程のホテル予約者であるか否かを検証することにより、ホテルの客室利用方法を非対面に実装するのみならず、非対面に切り替えることで利用者の安全管理に手抜きがないように、各種のセンサとカメラを安全ドアに取り付け、安全ドアを開放する際に、ホテルの客室内外の様々な危機状況を技術的に確認することで、人々がホテルの客室を便利且つ安全に利用できるようにする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ホテルの客室(例えば、客室、会議場)の利用を管理するために、ホテルフロントには管理者(マネージャー)が常駐している。管理者は、オンラインまたはオフラインからのホテル客室の予約を管理し、その決められた時間に利用者が現れると、ホテル予約者本人であることを身分証明書で確認した後、その客室に対するカードキー(card key)を引き渡すなどの空間管理業務を行っていた。
【0003】
しかしながら、通常のホテル利用の仕方は、利用者の利便性、管理コスト、ウイルス感染管理の面で好ましくない。
フロントデスクに管理者が常駐する必要があるためにかなりのコストが掛かり、万が一不在の間に利用者が現れると、やむを得ず利用者が一定時間待つことになるので、サービスの満足度も低くなる。また、管理者は業務の特性上、チェックイン及びチェックアウトの過程で複数のホテル利用者と接触するため、ウイルス伝播のハブの役割を担うことがある。
【0004】
よって、このような課題を解決するための技術開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、一般的に、非対面方式でホテルの客室を便利且つ安全に利用可能にする技術の提供を目的とする。
特に、本発明は、客室の予約に対応して、ホテル予約者の自分撮り写真とホテル利用日程を各客室に設置された安全ドアに保存しておき、後にホテルの客室に入室要求者が現れると、安全ドアに設置されたカメラで取得した入室要求者の顔写真に基づいてその日程のホテル予約者であるか否かを検証することにより、ホテルの客室利用方法を非対面に実装するのみならず、非対面に切り替えることで利用者の安全管理に手抜きがないように、各種のセンサとカメラを安全ドアに取り付け、安全ドアを開放する際に、ホテルの客室内外の様々な危機状況を技術的に確認することで、人々がホテルの客室を便利且つ安全に利用できるようにする技術の提供を目的とする。
【0007】
なお、本発明が解決しようとする課題は、これらの事項に限定されるものではなく、本明細書の記載から、他の課題を理解することもできる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明は、ホテルの各客室に設置されている複合センサ及びカメラ一体型安全ドアを利用する非対面のホテルサービスシステムを開示する。本発明に係る複合センサ及びカメラ一体型安全ドアを利用した非対面のホテルサービスシステムは、顧客のスマート端末にインストールされ、ホテルを利用するためのユーザインタフェースを提供する顧客エージェント部3000と、ホテルサービスのために、ホテル利用者の顧客エージェント部3000と安全ドアとの間の相互連動及びデータ処理を行うホテル管理サーバ2000と、ホテルの客室の出入口に設置され、ドアハウジングと一体に形成されている複数のセンサとカメラを利用して、ホテル利用者の権限及び安全性を確認する安全ドア1000と、を含んで構成される。
【0009】
そのとき、顧客エージェント部3000は、顧客のスマート端末に対するユーザの操作に対応して、特定のホテルに対する利用日程、客室タイプ、及び費用決済を含むホテル予約情報の入力を受け、ホテル管理サーバ2000に送信し、ホテル予約者を確認するための証拠データをホテル管理サーバ2000に送信するように構成される。
【0010】
また、ホテル管理サーバ2000は、顧客エージェント部3000からホテル予約情報を受け取って、ホテル予約処理を行い、ホテル予約処理に割り当てられた客室の安全ドア1000を識別して、その安全ドア1000に利用日程及び証拠データを送信するように構成される。
【0011】
また、安全ドア1000は、ホテル管理サーバ2000から、その客室の予約処理に基づく利用日程及び証拠データを受信して保存し、その客室に対するドア開放要求に対応して、ドアハウジングに形成されたカメラにより入室要求者からトライアルデータを取得し、そのドア開放要求時間に対応する利用日程にマッチする証拠データとトライアルデータとを比較することにより、ドア開放要求に対する権限確認を行い、ドアハウジングに形成されたセンサから得られた室内環境情報と、ドアハウジングに形成されたカメラから得られた室外情報とに基づいて、安全ドアが開放されても安全な状況であるか否かの安全確認を行うように構成される。
【0012】
そのとき、証拠データは、ホテル予約者の自分撮り写真を含んで構成され、トライアルデータは、安全ドア1000のカメラで取得した入室要求者の顔写真を含んで構成されてもよい。
【0013】
ここで、ホテル管理サーバ2000は、自分撮り写真の撮影デバイスと、顧客エージェント部3000がインストールされた顧客のスマート端末との間の同一性の有無に基づき、証拠データの適合性を検証するように構成されることが好ましい。
【0014】
本発明の安全ドア1000は、ホテルの客室の出入口に設置され、その客室の室内空間と室外空間を区別するドアハウジング1100と、ドアハウジング1100において室内方向に設置され、室内環境情報を取得する複合センサ部材1200と、ドアハウジング1100において室外方向に設置され、ドアハウジング1100の前方の室外情報を取得するカメラ部材1300と、複合センサ部材1200の室内環境情報とカメラ部材1300の室外情報とに基づいて、ドアが開放されても安全な状況であるか否かを判断する安全確認部材1400と、ネットワークを介して外部とのデータ通信経路を提供する外部通信部材1500と、外部通信部材1500を介してホテル管理サーバ2000から利用日程及び証拠データを受信し、内部登録する出入登録部材1600と、ドア開放要求に対応し、カメラ部材1300の室外情報から得られた入室要求者のトライアルデータが出入登録部材1600にホテル予約者として登録されているか否かに応じて、出入権限有無を判断する権限確認部材1700と、ドアを選択的にロックするドア開閉部材1800と、安全確認部材1400の判断結果と権限確認部材1700の判断結果とに基づいて、ドアを開放するか否かを決定し、それに対応してドア開閉部材1800を制御する開閉制御部材1900と、を含んで構成されてもよい。そのとき、安全ドア1000を構成する複合センサ部材1200、カメラ部材1300、安全確認部材1400、外部通信部材1500、出入登録部材1600、権限確認部材1700、ドア開閉部材1800、及び開閉制御部材1900は、ドアハウジング1100と一体に形成されることが好ましい。
【0015】
また、カメラ部材1300は、第1のモジュール化構成からなり、ドアハウジング1100に対して起立状態の人の顔に対応する高さで室外方向に埋め込み固定設置され、複合センサ部材1200は、第2のモジュール化構成からなり、ドアハウジング1100において、カメラ部材1300と整列されていない位置で室内方向に埋め込み固定設置されることが好ましい。
【0016】
本発明のカメラ部材1300は、ドアハウジング1100の前方の室外空間に位置する入室要求者の体温測定データを取得するための熱画像カメラ1310と、ドアハウジング1100の前方の室外空間に位置する入室要求者のトライアルデータを取得するための室外撮影カメラ1320と、カメラ撮影の照明を提供するための発光部材1330と、を含んで構成されてもよい。
【0017】
本発明の安全確認部材1400は、熱画像カメラ1310から得られた入室要求者の体温測定値が予め設定されたしきい値以上である場合には、ウイルス感染の可能性により、ドアを開くには危険な状況であると判断する感染防止部材1410を含んで構成されてもよい。
【0018】
本発明の複合センサ部材1200は、室内空間の二酸化炭素濃度、一酸化炭素濃度、メタンガス濃度、及び有毒ガス濃度のうち少なくとも1つを検出するガス検出センサ1210と、室内空間において火炎の有無を検出する火炎検出センサ1220と、室内空間の温度を検出する温度検出センサ1230と、室内空間の湿度を検出する湿度検出センサ1240と、を含んで構成されてもよい。ここで、安全確認部材1400は、火炎検出センサ1220によって火炎が検出され、温度検出センサ1230によって温度上昇が検出され、湿度検出センサ1240によって湿度低下が検出され、ガス検出センサ1210によってガス濃度の増加が検出されると、室内空間の火災発生の可能性により、ドアを開くには危険な状況であると判断する火災防止部材1420を含んで構成されてもよい。
【0019】
また、複合センサ部材1200は、ドアハウジング1100に対する振動を検出する振動検出センサ1250と、ドアハウジング1100で発生した騒音を検出する騒音検出センサ1260と、をさらに含んで構成されてもよい。そのとき、安全確認部材1400は、振動検出センサ1250から得られた振動測定値が予め設定されたしきい値を超え、且つ、騒音検出センサ1260から得られた騒音測定値が予め設定されたしきい値を超えると、ドアが異常に開かれる可能性により、ドアを開くには危険な状況であると判断する侵入防止部材1430をさらに含んで構成されてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ホテルの利用方法を非対面(untact)に切り替えることができるといった利点がある。非対面方式に切り替えることで、利用者の利便性、管理コスト、ウイルス感染管理の面でメリットがある。
【0021】
また、本発明によれば、熱画像カメラを用いて入室要求者の体温を確認し、安全な場合のみにドアを開放するので、アンチウイルス(anti-virus)を達成することができるといった利点がある。
【0022】
また、本発明によれば、室内に火災が発生したり、乱暴な行動をしながらその空間に入ろうとする場合には、ドアが開かないため、客室利用者の危険な状況を未然に防ぐことができる(anti-threat)といった利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明に係る安全ドアを利用した非対面のホテルサービスシステムの全体構成を示す概念図である。
【
図2】従来技術と本発明におけるホテル利用過程を示す比較図である。
【
図3】本発明に係る複合センサ及びカメラ一体型安全ドアの内部構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明に係る複合センサ及びカメラ一体型安全ドアのハードウェア構成の一例を示す概念図である。
【
図5】本発明の出入登録部材と権限確認部材の動作を示す概念図である。
【
図6】本発明の安全確認部材の動作を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照し、本発明について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る安全ドアを利用した非対面のホテルサービスシステムの全体構成を示す概念図であり、
図2は、従来技術と本発明におけるホテル利用過程を示す比較図である。
【0025】
図1を参照すると、本発明は、ホテルの各客室に設置されている安全ドア1000をホテル管理サーバ2000と連動して、顧客に非対面のホテルサービスを提供する技術を開示する。そのために、顧客のスマート端末(例えば、スマートフォン、コンピュータ)には、ソフトウェアの形態の顧客エージェント部3000がインストールされており、安全ドア1000には、複合センサとカメラが一体に構成されている。
【0026】
図1において、安全ドア1000、ホテル管理サーバ2000、及び顧客エージェント部3000は、互いに遠隔地に位置してもよく、これらは、インターネットを介して接続され、ホテルの客室の使用管理のために協調動作する。安全ドア1000は、内部に小型コンピュータを内蔵し、自主的に顔認識などによって開放またはロック(locking)を制御するように構成されることが、セキュリティと応答性の面で好ましい。その客室の管理に関する情報の更新とログのバックアップのために、安全ドア1000のコンピュータシステムは、ホテル管理サーバ2000と通信を行うことが好ましい。
【0027】
図2の(a)には、一般的なホテル利用の流れが示されている。ここで、ステップS120とS140において、ホテルの管理者とホテル利用者との間に対面接触が生じ、ホテルの管理者がウイルス伝播のハブになる虞がある。それに対して、
図2の(b)には、本発明によるホテル利用の流れが示されている。本発明では、ホテルの予約及び決済後にホテルの管理者との対面チェックインなしでその客室を利用し、また対面チェックアウトなしでそのホテルを出ることができる。本発明は、ウイルス感染防止のための非接触のホテル利用環境を提供し、サービス利用の手続きを簡略にする。
【0028】
図1を参照すると、本発明に係る非対面のホテルサービスシステムは、顧客のスマート端末にインストールされ、ホテルを利用するためのユーザインタフェースを提供する顧客エージェント部3000と、ホテルサービスのために、ホテル利用者の顧客エージェント部3000と安全ドアとの間の相互連動及びデータ処理を行うホテル管理サーバ2000と、ホテルの客室の出入口に設置され、ドアハウジングと一体に形成されている複数のセンサとカメラを利用して、ホテル利用者の権限及び安全性を確認する安全ドア1000と、を含んで構成される。
【0029】
まず、顧客エージェント部3000は、スマート端末に対するユーザの操作に対応して、特定のホテルに対する利用日程、客室タイプ、及び費用決済を含むホテル予約情報の入力を受け、ホテル管理サーバ2000に送信する構成要素である。顧客エージェント部3000は、一般的に顧客のスマート端末において、コンピュータプログラム、コード(ブラウザがホテルの予約画面を構成するために活用されるコード)、アプリ(app)の形態で実装され、ユーザの操作のためのメニュー画面を実装する。顧客エージェント部3000は、ホテル予約者を確認するための証拠データ(proof data)をホテル管理サーバ2000に送信する。これらの証拠データの好適な一例としては、ホテル予約者の自分撮り写真が挙げられる。
【0030】
ホテル管理サーバ2000は、顧客と安全ドア1000との間でホテル利用を媒介する構成要素である。ホテル管理サーバ2000は、サーバ装置、コンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォンなどで実装されてもよい。ホテル管理サーバ2000は、顧客エージェント部3000からホテル予約情報を受け取って、ホテル予約処理を行う。そのとき、ホテル管理サーバ2000は、顧客が指定した利用日程と客室タイプに対応する客室がどこであるかを確認し、その客室(例えば、西館704号)をそのホテル予約に割り当てる。そして、割り当てられた客室(例えば、西館704号)に設置されている安全ドア1000を識別し(例えば、IPアドレス)、その安全ドア1000にそのホテル予約に基づく利用日程(例えば、2021年6月4日にチェックイン、2021年6月7日にチェックアウト)及び証拠データ(例えば、自分撮り写真)を送信する。
【0031】
ホテル管理サーバ2000は、ホテルの予約管理のためにホテルの客室を棟と階に応じて区分管理し、これらの客室のタイプと使用可能可否を管理する客室データベース2100、ホテルの客室に対する予約状況を管理する予約データベース2200、及び客室に設置されている安全ドア1000の識別情報(例えば、IPアドレス)を客室ごとに管理するドアデータベース2300を備える。
【0032】
なお、ホテル管理サーバ2000は、ホテル予約者が提供した証拠データが適合しているか否かを検証することが好ましい。例えば、ホテル管理サーバ2000は、自分撮り写真の撮影デバイスと、顧客エージェント部3000がインストールされた顧客のスマート端末との間の同一性の有無に基づき、証拠データの適合性を検証してもよい。これは、他人の写真を不正使用することを防止するためである。また、ホテル管理サーバ2000は、自分撮り写真が撮影された時間とホテルの予約が行われた時間との差の長短に基づいて、証拠データの適合性を検証してもよい。これもまた、他人の写真を不正使用することを防止するためである。
【0033】
安全ドア1000は、ホテルの客室の出入口に設置され、その客室の出入りを制御するための器具物である。安全ドア1000は、客室の室内と室外の情報を取得するための複数のセンサ装置とカメラを備える。また、安全ドア1000は、内部に小型コンピュータを内蔵し、これらのセンサ装置とカメラを制御するのみならず、自主的に顔認識や虹彩認識、指紋認識、写真のマッチングなどにより開放またはロックを制御するように構成されてもよい。
【0034】
また、安全ドア1000は、自身が設置されているその客室に予約が入ってきた場合には、その予約処理に基づく利用日程及び証拠データ(例えば、予約者の自分撮り写真)をホテル管理サーバ2000から受け取って保存する。
【0035】
何者かが客室入口に到着し、カードキーを接近させるなどのドア開放要求をすると、安全ドア1000は、ドアハウジングに形成されたカメラにより入室要求者からトライアルデータ(trial data)を取得する。このようなトライアルデータの好適な一例としては、客室の入り口に立っている入室要求者の顔写真が挙げられる。
【0036】
安全ドア1000は、そのドア開放要求が入ってきた時間に対応する利用日程が保存されているか否かを確認する。登録された利用日程がないと、出入権限がないと判断してドア開放要求を拒否する。逆に、登録された利用日程があると、その時間にマッチングされて保存されている証拠データをロードし、そのトライアルデータと証拠データを比較する。証拠データとトライアルデータが一致しないと、出入権限がないと判断してドア開放要求を拒否する。逆に、証拠データとトライアルデータが一致すると(例えば、同一人物であると判断した場合)、出入権限があると判断する。
【0037】
また、安全ドア1000は、ドアハウジングに設置されている複数のセンサとカメラから得られた情報に基づき、安全ドアが開放されても安全な状況であるか否かについての安全確認を行う。そのとき、出入権限がないと判断したときは安全確認を行わず、出入権限があると判断したときのみ、安全確認を行うように構成されることが好ましい。安全ドア1000は、センサとカメラから得られた室内環境情報及び室外情報に基づき、安全ドアが開放されても安全な状況であるか否かを判断する。これについては、
図6を参照して後述する。
【0038】
図3は、本発明に係る複合センサ及びカメラ一体型安全ドアの内部構成を示すブロック図であり、
図4は、本発明に係る安全ドアのハードウェア構成の一例を示す概念図である。
【0039】
本発明では、安全ドア1000によって、その客室を利用しようとする人が自分の顔写真(自分撮り写真)を提供することで客室の予約(登録)が可能である。また、本発明では、管理者との対面チェックイン過程なしで、安全ドア1000が自主的に出入制御を行える。管理者がないことから生じ得る問題を防ぐために、安全ドア1000は、リスク要因を判断するための複合センサを使用し、顔認識と高熱及びマスクを把握するために、ステレオカメラと熱画像カメラを用いる。
【0040】
図3を参照すると、本発明に係る安全ドア1000は、ドアハウジング1100、複合センサ部材1200、カメラ部材1300、安全確認部材1400、外部通信部材1500、出入登録部材1600、権限確認部材1700、ドア開閉部材1800、及び開閉制御部材1900を含んで構成される。
【0041】
まず、ドアハウジング1100は、ホテルにおける特定の空間、例えば、客室、フィットネスジム、ロッカー、個々のワーク空間、会議場、ミーティングルームなどの出入口に設置され、室内と室外を区別する器具物である。
【0042】
複合センサ部材1200は、ドア開閉に関連する様々なリスク要因を判断するために室内環境情報を取得する構成要素である。一実施例として、
図4を参照すると、本発明において、複合センサ部材1200は、室内空間の二酸化炭素濃度、一酸化炭素濃度、メタンガス濃度、及び有毒ガス濃度のうち少なくとも1つを検出するガス検出センサ1210と、室内空間において火炎の有無を検出する火炎検出センサ1220と、室内空間の温度を検出する温度検出センサ1230と、室内空間の湿度を検出する湿度検出センサ1240と、ドアハウジング1100に対する振動を検出する振動検出センサ1250と、ドアハウジング1100で発生した騒音を検出する騒音検出センサ1260とを含んで構成されてもよい。
【0043】
図4に示すように、複合センサ部材1200は、個々の部品が散在されず、単一のモジュール内にセンサ部品が搭載されているモジュール化構成からなることが性能維持及び安全ドアの製造効率の面で好ましい。また、室内環境情報を取得することができるように、複合センサ部材1200は、ドアハウジング1100の室内方向に埋め込み固定設置されることが好ましい。
【0044】
カメラ部材1300は、ドアハウジング1100において室外方向に設置され、ドアハウジング1100の前方の室外情報を取得する構成要素である。一実施例として、
図4を参照すると、本発明のカメラ部材1300は、ドアハウジング1100の前方の室外空間に位置する入室要求者の体温を測定し、その結果データを取得するための熱画像カメラ1310と、ドアハウジング1100の前方の室外空間に位置する入室要求者のトライアルデータ(例えば、顔写真)を取得するための室外撮影カメラ1320と、カメラ撮影の照明を提供するための発光部材1330と、遠隔地の管理者やAIコンピュータが出入希望者とコミュニケーションを取るための双方向オーディオ部材1340とを含んで構成されてもよい。
【0045】
図4に示すように、カメラ部材1300は、個々の部品が散在されず、単一のモジュール(ボックス装置)内にカメラ部品、LED、マイク、スピーカなどが搭載されているモジュール化構成からなることが性能維持及び安全ドアの製造効率の面で好ましい。また、ドアハウジング1100の前方に位置している人の体温と顔写真を取得するために、カメラ部材1300は、ドアハウジング1100に対して起立状態の人の顔に対応する高さで室外方向に埋め込み固定設置されることが好ましい。なお、車椅子を利用する人(例えば、障害者、高齢者)がその空間を利用しようとする場合も考慮することが好ましい。そのときは、座った状態の人の顔に対応する高さにカメラをさらに備える。
【0046】
そして、複合センサ部材1200とカメラ部材1300は、ドアハウジング1100の両端面において、相互整列されていない位置に設置されることが好ましい。これらが整列された位置に設置されるか、あるいは単一のモジュールとして実装されると、ドアの外部からモジュールを強く打撃したとき、ドアを貫通する穴ができてしまい、その穴から手や機器を差し込んでドアを開けることができるので、セキュリティ面で大きな抜け穴が生じる。それに対して、本発明では、複合センサ部材1200とカメラ部材1300が整列されていない位置に配置されるので、ドアの外部から何者かがカメラ部材1300を打撃してもドアが貫通されず、反対側に位置する複合センサ部材1200を打撃すべき空間も確保することができないため、セキュリティが強化されるといった利点がある。
【0047】
安全確認部材1400は、複合センサ部材1200の室内環境情報とカメラ部材1300の室外情報とに基づいて、安全ドア1000が開放されても安全な状況であるか否かを判断する構成要素である。
図6を参照して、安全確認部材1400の構成について詳細に説明する。
【0048】
外部通信部材1500は、ネットワーク(例えば、インターネット、無線LAN、移動通信網など)を介して外部とのデータ通信経路を提供する。
図4を参照すると、本発明に係る安全ドア1000は、自主的に外部通信部材1500を備える。
【0049】
出入登録部材1600は、ホテルの予約過程でホテル予約者が自分のスマート端末で提供した利用日程及び証拠データ(例えば、顔写真)を、外部通信部材1500を介してホテル管理サーバ2000から受信し、例えば、安全ドア1000の内部のコンピュータ装置に登録する構成要素である。
図4を参照すると、安全ドア1000は、自主的に小型コンピュータ(MCU)を備えており、出入登録部材1600もまた、この小型コンピュータに実装されることが好ましい。
【0050】
権限確認部材1700は、ドア開放要求(例えば、ドアに設置されたオープンボタン、ドアノブを回す操作、カードキーの接近など)が識別されると、そのドア開放要求に対応し、カメラ部材1300の室外情報から得られた入室要求者のトライアルデータが出入登録部材1600に、その期間のホテル予約者として登録されているか否かに応じて、出入権限有無を判断する構成要素である。これらのトライアルデータの一例としては、ドアハウジング1100の室外方向に設置された室外撮影カメラ1320で撮影した顔写真が挙げられる。個人のスマートフォンで専用アプリ(app)を介して使用日程と空間の種類を選択し、決済後に顔写真を送るだけで、別途のチェックイン手続きなく、その空間(例えば、客室)を使用することもできる。なお、チェックアウトは、予約スケジュールによる自動チェックアウト、またはスマートフォンのアプリによるチェックアウトが可能である。
【0051】
ドア開閉部材1800は、ドアを選択的にロックする構成要素であり、例えば、電子開閉装置(magnetic switch)で実装することができる。
開閉制御部材1900は、安全確認部材1400の判断結果と権限確認部材1700の判断結果とに基づいて、安全ドア1000を開放するか否かを決定し、それに対応してドア開閉部材1800を制御する構成要素である。安全確認部材1400によって特別なリスク要因が発見されず、安全ドア1000を開放しても安全な状況であると判断され、且つ権限確認部材1700によって、現在安全ドア1000の前にいる人がその時間に対する正当なホテル予約者に該当すると判断した場合、開閉制御部材1900は、ドア開閉部材1800を制御して、安全ドア1000を開放する。
【0052】
なお、
図3及び
図4に示すように、本発明の安全ドア1000を構成する複合センサ部材1200、カメラ部材1300、安全確認部材1400、外部通信部材1500、出入登録部材1600、権限確認部材1700、ドア開閉部材1800、及び開閉制御部材1900は、ドアハウジング1100と一体に形成されることが好ましい。そのことから、ネットワークの遅延を防止することにより、安全ドア1000の応答性が向上され、ハッキングの可能性を排除することにより、セキュリティが向上される。また、従来の一般的な設備からドアを交換するだけで、本発明の実装が可能になるため、本発明をホテルに適用するための費用も下げることができる。
【0053】
図5は、本発明の出入登録部材1600と権限確認部材1700の動作を示す概念図である。
まず、ホテルの客室を利用しようとする人は、自分のスマート端末に実装された顧客エージェント部3000で予約関連情報を入力し、自分の顔写真を送信する。その顔写真は、ホテル管理サーバ2000を介して、外部通信部材1500から出入登録部材1600に伝達される。出入登録部材1600は、そのホテル予約者の証拠データとして、その顔写真を内部に登録管理する。そのとき、証拠データと利用日程を格納する証拠データベース1610と日程データベース1620は、安全ドア1000の内部に実装されることが好ましい。
【0054】
次いで、その予約に基づいてそのホテルの客室を利用しようとする人は、その予約した客室の前に到着して、ドア開放を要求する。ホテルの予約過程において、ホテル管理サーバ2000は、顧客エージェント部3000に客室情報(例えば、西館704号)を提供している。このようなドア開放要求に対応して、安全ドア1000のカメラ部材1300は、入室要求者の顔を撮影することでトライアルデータを取得し、権限確認部材1700は、そのトライアルデータがホテル予約者の証拠データとして登録されているか否かを確認する。そのとき、その予約された日程を考慮する。
【0055】
仮に登録されている場合は、権限確認部材1700は、入室要求者に出入権限があると判断する。その一方、仮に登録されていない場合は、権限確認部材1700は、入室要求者に出入権限がないと判断する。このような構成によれば、スマートフォンのカメラを用いて顔写真を送るだけで空間の使用を予約することができるので、ホテルの客室の使用管理において、管理者との接触が不要であり、管理者がウイルス拡散のハブの役割を担うリスクも排除される。
【0056】
また、本発明によれば、従来の問題点であった事実上の違法な出入りといえる、一つの認証(予約)で二人がその客室を利用することを排除することができ、アンチパスバック(anti-passback)が達成される。
【0057】
なお、本明細書では、証拠データとトライアルデータが生体情報、例えば、顔写真、虹彩写真、指紋画像である場合を中心に説明した。しかしながら、本発明が、他の実装方法を排除することではない。例えば、身分証明書の写真や自分が持ち歩いているもの(例えば、判子、人形、バッグ)の写真やペットの顔や足の写真を含む方法が排除されるものではない。
【0058】
図6は、本発明の安全確認部材1400の動作を示す概念図である。
本発明において、安全確認部材1400は、複合センサ部材1200の室内環境情報とカメラ部材1300の室外情報とに基づいて、ドアが開放されても安全な状況であるか否かを判断する構成要素である。安全ドア1000に複合センサ、顔認識及び体温検出カメラを搭載して、異常な状況下におけるドア開放を遮断し、外部からの異常なドア開放の試みを検出する構成である。
【0059】
安全確認部材1400が識別する異常な状況とは、入室要求者が高熱の場合(例えば、37.5度以上)、室内火災などで温度が急上昇している場合、室内で火炎が発生した場合、室内でガス漏れなどが発生した場合、異常なドア開放の試み(例えば、ドリル操作、ドライバの嵌めこみ、ドアラッチの強制開放、岩投擲など)が検出された場合、異常な方向のドア開放が検出された場合などである。この中で異常な方向のドア開放は、本発明者の特許文献1「発明の名称:異常なドア開放検出方法」に開示されているので、本明細書ではその説明を省略する。
【0060】
図6を参照すると、安全確認部材1400は、感染防止部材1410、火災防止部材1420、及び侵入防止部材1430を備える。
感染防止部材1410は、熱画像カメラ1310から得られた入室要求者の体温測定値が予め設定されたしきい値(例えば、37.5度)以上であると、ウイルス感染の可能性があると見て、ドアを開放すると室内空間がウイルスに感染する虞があるので、危険な状況であると判断する。
【0061】
従来の一般的なドアの場合には、管理者が注意深く観察しない限り、健康異常者も何の制裁なしに出入りしていたが、本発明では、ウイルス感染などで高熱が発生した出入者を検出し、ドア開放を遮断する。加えて、政府の行政命令に応じてマスクの着用が強制される場合に、感染防止部材1410は、室外撮影カメラ1320の撮影映像から入室要求者がマスクを着用していないことを確認した場合、危険な状況であると判断する。
【0062】
火災防止部材1420は、火炎検出センサ1220によって室内で火炎が検出され、温度検出センサ1230によって温度上昇が検出され、湿度検出センサ1240によって湿度低下が検出され、ガス検出センサ1210によってガス濃度の増加が検出されると、室内空間の火災発生の可能性があると見て、ドアを開放すると急激な酸素供給によって爆発が生じる虞があるため(バックドラフト現象)、危険な状況であると判断する。従来の一般的なドアの場合には、外部からドアを開いて入ろうとする人は、内部の火災状況を知ることができないために、バックドラフトによる爆発事故のリスクに無防備にさらされていた。
【0063】
侵入防止部材1430は、振動検出センサ1250から得られた振動測定値が予め設定されたしきい値を超え、且つ、騒音検出センサ1260から得られた騒音測定値が予め設定されたしきい値を超えると、ドアが異常に開かれる可能性により、ドアを開くには危険な状況であると判断する構成要素である。異常なドア開放の試みを振動検出センサ1250と騒音検出センサ1260を用いて検出する。そのとき、機械学習(machine learning)により、普段頻繁に検出される音や振動は無視し、異常なドア開放の試みで発生する音や振動を選択的に検出するように構成することが好ましい。
【0064】
ここで、異常なドア開放の試みとは、中に人がいることを確認するために石を投げる行為、ドアノブを強引に回したり、押し引きする行動、特定の道具(ドリル、ドライバー)でドアを開放しようとする行動が挙げられる。異常なドア開放の試みに適切に対応せずにドアが開いてしまうと、ドアが開く途端に銃撃、放火、凶器による攻撃が起こったり、警察と警備が出動する前に盗難などが発生する虞があるので、正当な利用者が危険に陥る可能性からして、ドアが開かないように、電子開閉装置を強く制御する必要がある。
【0065】
なお、
図6に示されてはいないが、安全確認部材1400は、悲鳴や爆発などの大きな音、誰もいない状況での照明点灯(不法侵入)、基準値以上の有害ガス(例えば、二酸化炭素、一酸化炭素など)の濃度、ガス漏れなどを検出して危険な状況であると判断する構成要素を備えてもよい。
【要約】
【課題】ホテルの客室利用方法を非対面に実装するのみならず、利用者の安全を確認し、人々がホテルの客室を便利且つ安全に利用できるようにする技術を提供する。
【解決手段】本発明は、客室の予約に対応して、ホテル予約者の自分撮り写真とホテル利用日程を各客室に設置された安全ドアに保存しておき、後にホテルの客室に入室要求者が現れると、安全ドアに設置されたカメラで取得した入室要求者の顔写真に基づいてその日程のホテル予約者であるか否かを検証する。さらに、各種のセンサとカメラを安全ドアに取り付け、安全ドアを開放する際に、ホテルの客室内外の様々な危機状況を技術的に確認する。
【選択図】
図1