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特許7148210野菜摂取量改善システム、野菜摂取食データベース、及び野菜摂取量改善プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】野菜摂取量改善システム、野菜摂取食データベース、及び野菜摂取量改善プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/60 20180101AFI20220928BHJP
【FI】
G16H20/60
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018213458
(22)【出願日】2018-11-14
(65)【公開番号】P2020080081
(43)【公開日】2020-05-28
【審査請求日】2020-06-02
【審判番号】
【審判請求日】2021-12-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000104113
【氏名又は名称】カゴメ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100183128
【弁理士】
【氏名又は名称】宮下 洋明
(72)【発明者】
【氏名】林 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】菅沼 大行
(72)【発明者】
【氏名】宮下 洋明
【合議体】
【審判長】高瀬 勤
【審判官】中野 浩昌
【審判官】松田 直也
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102012005583(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0233002(US,A1)
【文献】Igor V.Ermakov,et al.,”Optical assessment of skin carotenoid status as a biomarker of vegetable and fruit intake”,Archive of Biochemistry and Biophysics,Volume 646,15 May 2018,Pages46-54
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H10/00-80/00
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
野菜摂取量改善システムであって、それを構成するのは、少なくとも、以下である:
検出部:検出されるのは、少なくとも、皮膚状態値であり、及び、
処理部:出力部に対して出力させるのは、野菜摂取食の候補であり、当該候補で提供される野菜量は、野菜不足量以上であり、その際に参照されるのは、前記皮膚状態値である。
【請求項2】
請求項1のシステムであって、
当該野菜不足量の導出根拠は、少なくとも、前記皮膚状態値である。
【請求項3】
請求項1又は2のシステムであって、
前記候補の購入金額は、入力された予算額以下である。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかのシステムであって、
前記皮膚状態値は、皮膚カロテノイド値である。
【請求項5】
野菜摂取量改善プログラムであって、それによってコンピュータが実行するのは、以下の処理である:
出力:出力部に対して出力させるのは、野菜摂取食の候補であり、当該候補で提供される野菜量は、野菜不足量以上であり、その際に参照されるのは、皮膚状態値である。
【請求項6】
請求項のプログラムであって、
当該野菜不足量の導出根拠は、少なくとも、前記皮膚状態値である。
【請求項7】
請求項又はのプログラムであって、
前記野菜摂取食の購入金額は、入力された予算額以下である。
【請求項8】
請求項乃至の何れかのプログラムであって、
前記皮膚状態値は、皮膚カロテノイド値である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に関係するのは、野菜摂取量改善システム、野菜摂取食データベース、及び野菜摂取量改善プログラムである。
【背景技術】
【0002】
日本国民に推奨されているのは、野菜の摂取である。なぜなら、野菜に含まれているのは、健康維持に必要な栄養素だからである。当該栄養素を例示すると、ミネラルやビタミン等である。
【0003】
日本国民の平均的な野菜摂取量は、推奨量よりも少ない。推奨量は、1日当たり350g以上である。非特許文献1の開示によれば、日本国民の平均摂取量は、1日当たり約276.5gである。つまり、日本国民に不足している野菜量は、1日当たり約75gである。
【0004】
生活者にとって難しいのは、野菜摂取量の把握である。特許文献1で開示されているのは、非侵襲的皮膚測定方法である。この方法で測定されるのは、皮膚中のカロテノイドレベルである。この文献で示唆されているのは、果物及び野菜摂取の客観的指標の提供、抗酸化状態の評価、並びに、悪性疾患及びそのリスクの検出である。
【0005】
野菜摂取を促す方法は、食事の見直しである。特許文献2で開示されているのは、健康管理支援システムである。このシステムで推奨するのは、対象者の健康状態に適した商品である。商品を推奨する際に主に参照するのは、カロリーである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特表2011‐523059号
【文献】特開2014‐164411号
【非特許文献】
【0007】
【文献】「平成28年国民健康・栄養調査結果の概要」(厚生労働省、第22頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、野菜摂取量を個別に改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の要点は、野菜摂取食の選定基準の一つが皮膚の状態であることである。そのような観点から本発明を定義すると、以下のとおりである。
【0010】
第1に、野菜摂取量改善システムを構成するのは、少なくとも、検出部及び処理部である。検出部で検出されるのは、少なくとも、皮膚状態値であり、例示すると、皮膚カロテノイド値である。処理部が出力部に対して出力させるのは、野菜摂取食の候補である。この野菜摂取食で提供される野菜量は、野菜不足量以上である。この野菜不足量の導出根拠は、少なくとも、前述の皮膚状態値である。本システムにおいて、前述の野菜摂取食の購入金額は、入力された予算額以下である。
【0011】
第2に、野菜摂取食データベースを構成するのは、少なくとも、複数の野菜摂取食レコードである。この野菜摂取食レコードを構成する属性値は、少なくとも、野菜量及び説明である。野菜量で示されるのは、野菜摂取食で提供される野菜量である。説明で示されるのは、野菜摂取食の説明である。そのようなデータベースの構成によって、コンピュータが読み出すのは、当該説明であり、これに関連付けられた野菜量は、算出された野菜不足量以上である。本データベースにおいて、野菜摂取食レコードを更に構成する属性値は、金額である。金額で示されるのは、野菜摂取食の金額である。そのような構成によって、当該読み出された説明に関連付けられた金額は、入力された予算額以下である。
【0012】
第3に、野菜摂取量改善プログラムによってコンピュータが実行するのは、出力処理である。すなわち、出力部が出力するのは、野菜摂取食の候補である。この野菜摂取食で提供される野菜量は、野菜不足量以上である。この野菜不足量の導出根拠は、少なくとも、皮膚状態値であり、例示すると、皮膚カロテノイド値である。本プログラムにおいて、当該野菜摂取食の購入金額は、入力された予算額以下である。
【発明の効果】
【0013】
本発明で可能になるのは、野菜摂取量を個別に改善することである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】野菜摂取量改善システムにおける画面の遷移図
図2】受付画面の構成図
図3】選択画面の構成図
図4】説明画面の構成図
図5】野菜摂取量改善システムの概念構成図
図6】野菜摂取食データベースの概念構成図
図7】出力処理の流れ図
図8】野菜不足量でソートされた結果の概念構成図
図9】予算でソートされた結果の概念構成図
図10】野菜摂取量改善システムの具体的構成図
【発明を実施するための形態】
【0015】
<野菜摂取量改善システムでの画面遷移>
図1で示すのは、野菜摂取量改善システムでの画面遷移である。画面が遷移する順番は、受付画面10から選択画面20を経由して説明画面30となる。受付画面10が表示される条件は、野菜摂取量改善プログラムを起動することである。当該プログラムの詳細は、後述する。選択画面20が表示される条件は、皮膚が測定され、かつ、予算が入力されることである。説明画面30が表示される条件は、野菜摂取食が選択されることである。
【0016】
<受付画面>
図2で示すのは、受付画面の構成である。受付画面10で促すのは、皮膚の測定及び予算の入力である。受付画面10を構成するのは、少なくとも、ユーザ名11、野菜摂取量12、野菜不足量13、測定催促14、予算15、及び予算入力催促16である。野菜摂取量12及び野菜不足量13が空白なのは、測定前だからである。
【0017】
<選択画面>
図3で示すのは、選択画面の構成である。選択画面20で促すのは、野菜摂取食の選択である。選択画面20を構成するのは、少なくとも、ユーザ名21、野菜摂取量22、野菜不足量23、測定結果グラフ24、予算25、野菜摂取食候補の写真26である。
【0018】
<説明画面>
図4で示すのは、説明画面の構成である。説明画面30で促すのは、商品購入である。説明画面30を構成するのは、少なくとも、野菜摂取食候補の写真31、購入金額32、野菜摂取可能量33、詳細説明34、調理法リンク先35である。説明画面30が前提とするのは、野菜摂取食の調理であるが、これに限られない。例えば、野菜摂取食が調理済みである場合(例えば、総菜など)、詳細説明34及び調理法リンク先35が省略される。これら省略された事項に代替するのは、野菜摂取食の売り場案内である。
【0019】
<野菜摂取量改善システムの概念構成>
図5で示すのは、野菜摂取量改善システムの概念構成図である。野菜摂取量改善システム100を構成するのは、出力部110、入力部120、検出部130、及び、記憶部140、処理部150である。これらの部位を直接的又は間接的に接続しているのは、有線又は無線の通信路又は通信網である。
【0020】
<出力部>
出力部110とは、部品であって、その用途が出力であるものをいう。出力部110の実装形態は、不問であり、ハードウェア、ソフトウェア、又は、これらの結合品である。出力部110を例示すると、タッチパネルモニタやスピーカ等である。
【0021】
<入力部>
入力部120とは、部品であって、その用途が入力(操作)であるものをいう。入力部120の実装形態は、不問であり、ハードウェア、ソフトウェア、又は、これらの結合品である。入力部120を例示すると、タッチパネルモニタ、ボタンやキーボード等である。
【0022】
<検出部>
検出部130とは、部品であって、その用途が生体情報の検出であるものをいう。生体情報を例示すると、皮膚状態(例えば、色素沈着度合など)などである。検出部130の実装形態は、不問であり、ハードウェア、ソフトウェア、又は、これらの結合品である。検出部130を例示すると、フォトセンサ等であり、好ましくは、Quick Test(biozoom services社製)である。
【0023】
<記憶部>
記憶部140とは、部品であって、その用途が一時的又は永続的な記憶であるものをいう。記憶部140に記憶されるのは、入出力データ、データベース及びプログラムであり、例えば、野菜摂取食データベース160、野菜摂取量改善プログラム等である。これらの説明は、後述する。記憶部140の実装形態は、不問であり、ハードウェア、ソフトウェア、又は、これらの結合品である。記憶部140を例示すると、RAM、ROM、SSD、HDD等である。
【0024】
<処理部>
処理部150とは、部品であって、その用途が演算、制御又はこれらの結合であるものをいう。処理部150の実装形態は、不問であり、ハードウェア、ソフトウェア、又は、これらの結合品である。処理部150を例示すると、CPU等である。
【0025】
<野菜摂取食データベース>
図6で示すのは、野菜摂取食データベースの概念構成図である。野菜摂取食データベース160を構成するのは、複数の野菜摂取食レコード161である。野菜摂取食レコード161を構成する属性値は、野菜量162、購入金額163、説明画164、及び説明文165である。野菜量162で示されるのは、野菜摂取食で提供される野菜量である。購入金額163で示されるのは、野菜摂取食又はそれに必要な材料の購入金額である。説明画164及び説明文165で示されるのは、野菜摂取食の説明である。説明画164及び説明文165の属性値は、アドレスである。このアドレスに格納されているのは、説明画164のデータ及び説明文165のデータである。
【0026】
<野菜摂取量改善プログラム>
野菜摂取量改善プログラムによって処理部150が実行するのは、出力処理である。図7で示すのは、出力処理の流れ図である。出力処理の大まかな流れは、受付画面表示(S1)、皮膚状態検出判定(S2)、野菜不足量導出(S3)、予算入力判定(S4)、選択画面表示(S5)、野菜摂取食選択判定(S6)、及び、説明画面表示(S7)である。これらの処理の詳細は、以下のとおりである。
【0027】
<受付画面表示(S1)>
受付画面10が表示されるのは、野菜摂取量改善プログラムの起動後である。野菜摂取量改善プログラムの起動を指示する方法は、問わないが、例示すると、入力部120での操作である。
【0028】
<皮膚状態検出判定(S2)>
処理部150が参照するのは、記憶部140である。記憶部140に一時的に記憶されているのは、皮膚状態値(例えば、皮膚カロテノイド値。以下、同じ。)である。皮膚状態値を検出するのは、検出部130である。皮膚状態値が検出されなければ(S2の「N」)、皮膚状態検出判定(S2)は、再び実行される。
【0029】
<野菜不足量導出(S3)>
処理部150が導出するのは、野菜不足量であり、その際に参照するのは、記憶部140である。記憶部140に記憶されているのは、皮膚状態値、相関テーブルである。この相関テーブルが示すのは、皮膚状態値と野菜摂取量との相関である。相関テーブルの代替手段は、プログラム可能な演算式である。野菜摂取量が求まると、野菜不足量が求められる。ここで、野菜不足量は、求められた野菜摂取量を推奨野菜摂取量から引いた値である。推奨野菜摂取量を定めるにあたり参照するのは、公的機関の公表値である。例えば、日本の厚生労働省が公表している野菜摂取量の目標値は、350g以上/日である。
【0030】
<予算入力判定(S4)>
処理部150が参照するのは、記憶部140である。記憶部140に一時的に記憶されているのは、予算である。予算を入力する手段は、入力部120である。予算が検出されなければ(S4の「N」)、予算入力判定(S4)は、再び実行される。
【0031】
<選択画面表示(S5)>
選択画面20が表示されるのは、皮膚状態値が検出され(S2の「Y」)、かつ、予算が入力された時(S4の「Y」)である。処理部150が検索するのは、野菜摂取食データベース160であり、その際に用いるキーは、導出された野菜不足量23及び入力された予算25である。野菜摂取食候補の写真26を表示する際に参照するのは、説明画164である。例えば、導出された野菜不足量23が230g/日である場合、抽出された野菜摂取食レコード161が示す野菜量は、230g以上である(図8)。また、入力された予算が500円である場合、抽出された野菜摂取食レコード161が示す購入金額は、500円以下である(図9)。つまり、処理部150が最終的に読み出すのは、説明画164であって、そのレコードID「00002」及び「00006」であるものである(図9)。他方、野菜不足量導出(S3)において、野菜不足量がゼロ以下である場合(推奨野菜摂取量-野菜摂取量≦0)、充足通知が表示される。充足通知で示されるのは、野菜摂取量が足りている旨である。
【0032】
<野菜摂取食選択判定(S6)>
処理部150が参照するのは、記憶部140である。記憶部140に一時的に記憶されているのは、選択フラグ値である。野菜摂取食を選択する手段は、入力部120である。選択フラグ値が検出されなければ(S6の「N」)、野菜摂取食選択判定(S6)は、再び実行される。
【0033】
<説明画面表示(S7)>
説明画面30が表示されるのは、野菜摂取食が選択された時(S6の「Y」)である。処理部150が参照するのは、抽出された野菜摂取食レコード161の各属性値である。調理法リンク先35を定義する方法は、問わないが、好ましくは、説明文165である。
【0034】
<野菜摂取量改善システムの具体的構成>
図10で示すのは、野菜摂取量改善システムの具体的構成である。野菜摂取量改善システム200を構成するのは、少なくとも、利用者端末210、測定サーバ220、及び店舗端末230である。利用者端末210、測定サーバ220、及び店舗端末230を互いに接続しているのは、通信ネットワーク240である。通信ネットワーク240の通信形態は、不問であるが、好ましくは、無線ネットワークである。
【0035】
<利用者端末>
利用者端末210が具現化しているのは、出力部110、入力部120、及び検出部130である。すなわち、利用者端末210の主な機能は、予算の入力、皮膚状態の検出及び野菜摂取食の出力である。特に、利用者端末210が実装しているのは、生体センシングシステム「Quick Test」(biozoom services社製)である。利用者端末210の形態は、不問であるが、好ましくは、携帯型端末である。携帯型端末を例示すると、スマートフォンやタブレット等である。利用者端末210を構成するのは、コンピュータの一般的な部品である。
【0036】
<測定サーバ>
測定サーバ220が具現化しているのは、記憶部140及び処理部150部である。すなわち、測定サーバ220の主な機能は、野菜不足量の演算及び野菜摂取食の抽出である。測定サーバ220の形態は、不問であるが、好ましくは、据置型端末である。測定サーバ220を構成するのは、コンピュータの一般的な部品である。
【0037】
<店舗端末の構成>
店舗端末230の主な機能は、野菜摂取食データベース160の更新であり、とりわけ、購入金額の更新である。店舗端末230を構成するのは、コンピュータの一般的な部品である。店舗端末230の形態は、不問である。店舗端末230の設置場所は、実店舗に限らず、電子商取引における仮想店舗でもよい。
【0038】
<他の用途>
野菜摂取量改善システムの用途は、広く、商取引に限らず、例えば、健康診断での食事提案や学校給食のメニュー等である。当該用途が健康診断での食事提案や学校給食のメニューである場合、数日間分(例えば、1週間など)の野菜摂取食が表示される。この場合、予算を参照するか否かは、任意である。
【0039】
<本発明の範囲>
本発明が許容するのは、上述の具体的構成以外の構成である。すなわち、出力部110、入力部120、検出部130、及び、記憶部140、処理部150を具現化する装置は、不問である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10