IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日建設計の特許一覧 ▶ 銘建工業株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社光栄の特許一覧 ▶ 株式会社村田製作所の特許一覧

<>
  • 特許-簡易休憩施設 図1
  • 特許-簡易休憩施設 図2
  • 特許-簡易休憩施設 図3
  • 特許-簡易休憩施設 図4
  • 特許-簡易休憩施設 図5
  • 特許-簡易休憩施設 図6
  • 特許-簡易休憩施設 図7
  • 特許-簡易休憩施設 図8
  • 特許-簡易休憩施設 図9
  • 特許-簡易休憩施設 図10
  • 特許-簡易休憩施設 図11
  • 特許-簡易休憩施設 図12
  • 特許-簡易休憩施設 図13
  • 特許-簡易休憩施設 図14
  • 特許-簡易休憩施設 図15
  • 特許-簡易休憩施設 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】簡易休憩施設
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/12 20060101AFI20220928BHJP
   H02S 20/24 20140101ALI20220928BHJP
   E04D 13/18 20180101ALI20220928BHJP
   B05B 9/04 20060101ALI20220928BHJP
   B05B 1/20 20060101ALI20220928BHJP
   F25B 27/00 20060101ALI20220928BHJP
   F25B 21/02 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
E04H1/12 306B
H02S20/24
E04D13/18 ETD
B05B9/04
B05B1/20 101
F25B27/00 H
F25B21/02 T
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017232988
(22)【出願日】2017-12-04
(65)【公開番号】P2019100108
(43)【公開日】2019-06-24
【審査請求日】2020-12-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.平成29年6月5日~6月30日に株式会社日建設計東京オフィスにて開催されたID200展において、平成29年9月4日~9月15日に同・大阪オフィスにて開催されたID200展(巡回展 大阪)において、平成29年9月19日~9月29日に同・名古屋オフィスにて開催されたID200展(巡回展 名古屋)において、平成29年10月2日~10月13日に同・九州オフィスにて開催されたID200展(巡回展 九州)において、平成29年11月1日~11月30日に株式会社北海道日建設計にて開催されたID200展(巡回展 北海道)において、各々展示することによって公開。 2.平成29年7月3日に銘建工業株式会社CLT工場にて展示することによって公開。 3.平成29年6月12日に株式会社リアライズが提供するプレスリリースプラットフォーム(http://www.pressreleases.jp/)において発表することによって公開。 4.平成29年6月16日発行の日刊建設産業新聞第2面に掲載することによって公開。 5.平成29年6月20日発行の日刊建設通信新聞第3面に掲載することによって公開。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 6.平成29年8月21日に日本経済新聞電子版のNIKKEI STYLEのウェブサイトのオリパラページ(https://style.nikkei.com/article/DGXMZO19513440R00C17A8000000?channel=DF220420167276&style=1)に掲載することによって公開。 7.平成29年7月3日に株式会社日建設計のウェブサイトのビデオページ(http://www.nikken.co.jp/ja/archives/video/zeroenergycoolspot.html)に掲載することによって公開。 8.平成29年7月3日に銘建工業株式会社のウェブサイトのニュースページ(http://www.meikenkogyo.com/news/news_20170703.html)に掲載することによって公開。 9.平成29年7月3日に株式会社光栄のウェブサイトのニュースページ(http://www.koeiaquatec.co.jp/news/index.html)に掲載することによって公開。 10.平成29年9月22日にドーンセンター大会議室2にて開催された空気調和・衛生工学会、近畿支部、環境工学研究会(大阪)において発表することによって公開。 11.平成29年10月21日に中之島フェスティバルタワーウェストにて開催された学生対象企画:環境・情報・エネルギー研究会において発表することによって公開。
(73)【特許権者】
【識別番号】000152424
【氏名又は名称】株式会社日建設計
(73)【特許権者】
【識別番号】500460690
【氏名又は名称】銘建工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391051773
【氏名又は名称】株式会社光栄
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100103399
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 清
(72)【発明者】
【氏名】堀川 晋
(72)【発明者】
【氏名】大谷 弘明
(72)【発明者】
【氏名】水出 喜太郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏昌
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 健一
(72)【発明者】
【氏名】豊村 幸毅
(72)【発明者】
【氏名】加登 美喜子
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 隆允
(72)【発明者】
【氏名】浅田 翔大
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏明
(72)【発明者】
【氏名】阪上 丈一
(72)【発明者】
【氏名】杉野 真路
(72)【発明者】
【氏名】幸林 久詩
(72)【発明者】
【氏名】神谷 岳
【審査官】沖原 有里奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-213093(JP,A)
【文献】特開2016-141932(JP,A)
【文献】特開昭60-141937(JP,A)
【文献】特開2017-154091(JP,A)
【文献】特開2013-046600(JP,A)
【文献】特開2001-327748(JP,A)
【文献】特開2010-076652(JP,A)
【文献】特開2010-144438(JP,A)
【文献】特開2017-160677(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/00-1/14
E04B 1/00-1/36
H02S 20/24
E04D 13/18
B05B 1/00-3/18;
7/00-9/08
F25B 27/00
F25B 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面積の異なる複数の多角形状を呈する木製の土台構成板体を重ね合わせて構成し、前記土台構成板体は複数の構成板分割体に分割されるものである土台部と、
同一の表面積を有する複数の多角形状を呈する木製の支柱構成枠体を積層させて構成し、前記支柱構成枠体は複数の梁材を所定の位相差を為して複数段に配置して構成されるものである支柱部と、
表面積の異なる複数の多角形状を呈する木製の屋根構成枠体を積層させて構成し、前記屋根構成枠体は複数の梁材を所定の位相差を為して複数段に配置して構成されるものである屋根部と、
前記支柱部の外方に木製のベンチ構成体を配置し、前記ベンチ構成体の上面に座面部材を載置させたベンチ部と、
から構成される組立構成体と、
前記屋根部の上面に配設された複数の太陽電池パネルと、
前記太陽電池パネルの下方に配置され、前記太陽電池パネルによって生じた電気を充電するバッテリーと、
前記支柱部の内部空間に配設された空気供給タンクと、前記支柱部の内部空間に配設された水分供給タンクと、前記空気供給タンクから空気を供給すると共に前記水分供給タンクから水分を供給する駆動ポンプと、前記支柱部の内部空間及び前記屋根部に配設された噴霧供給配管と、前記屋根部に配設された噴霧ノズルと、から構成されると共に、前記バッテリーから供給される電力によって前記駆動ポンプを駆動させることによって作動する噴霧装置と、
前記ベンチ構成体の上面にセラミック製の座面部材を載置すると共に、前記座面部材にペルチェ素子を内蔵させて構成される冷却装置と、
前記噴霧装置及び前記冷却装置の作動を制御する電力制御ユニットと、
から構成される付設設備・装置と、
から構成したことを特徴とする簡易休憩施設。
【請求項2】
さらに、前記支柱部の支柱構成枠体の頂点位置に、垂直方向に照明装置を設置し、前記支柱部の周囲を照明するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の簡易休憩施設。
【請求項3】
さらに、前記空気供給タンクの上部側面に多数の送風口を形成すると共に、前記ベンチ構成体の下方位置に給気ファンを配設し、前記給気ファンの作動によって前記送風口から涼風が側方へ噴出するようにした送風装置を構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の簡易休憩施設。
【請求項4】
日照センサー又は照度センサーを前記屋根部の外周部に周方向に等間隔で配設し、日射方向を検知することによって、各時刻において日陰となる領域に、より多量に噴霧を吐出させるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の簡易休憩施設。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスビルの中庭、博覧会場、競技場の前庭、広場、公園、遊歩道等に設置され、人々が日差しを避けて休憩できるようにした簡易休憩施設に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスビルの中庭、博覧会場、競技場、体育館の前庭、広場、公園、遊歩道等には、勤労、見学、散策等して疲れた人々が日差しを避けて暫し休憩できるように、屋根及びベンチを備えた東屋、パーゴラ等の簡易休憩施設が設けられている。
【0003】
しかし、簡易休憩施設が設けられているのは屋外であるため、周囲の環境に大いに影響されて、夏期には蒸し暑く、冬期には肌寒いという状況で、必ずしも、人々が快適に休憩することができない場合があった。
【0004】
そこで、最近では、単に日差しを避けるだけでなく、人々がより快適に休憩することができるように、夏期には冷風又はミストを噴出させて冷却効果を、冬期には温風を噴出させて加温効果を発揮させるようにした簡易休憩施設も提案されている(特許文献1乃至3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-287166号公報
【文献】特開平09-060980号公報
【文献】特開平06-170293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1及び2に開示された簡易休憩施設は、平面状又は曲面状を呈する合成樹脂製の屋根及び側板によって被覆されたものであるから、人為的な構造物との印象が強く、人々が寛ぐほどの安心感を与えるものではなかった。
【0007】
又、特許文献1及び2に開示された簡易休憩施設は、屋根に太陽電池パネルを設置し、これによって生じた電力を用いて、照明を点灯させ、温風を噴出させてはいるが、生じた電力を未だ十分効率的に利用するものではなかった。
【0008】
さらに、特許文献1乃至3に開示された簡易休憩施設は、設置及び撤去するのに多大な時間及び労力を必要とするので、設置場所を容易には変更することができず、撤去後には構成部材を再利用できるものではなかった。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みて為されたものであって、自然に近い構造物との印象が強く、人々に寛ぐほどの安心感を与えることができ、太陽電池パネルで生じた電力を十分効率的に利用することができ、しかも、設置及び撤去するのに多大な時間及び労力を必要とせず、設置場所を容易に変更することができ、撤去後には構成部材を再利用できる簡易休憩施設を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の簡易休憩施設は、
表面積の異なる複数の多角形状を呈する木製の土台構成板体を重ね合わせて構成し、前記土台構成板体は複数の構成板分割体に分割されるものである土台部と、
同一の表面積を有する複数の多角形状を呈する木製の支柱構成枠体を積層させて構成し、前記支柱構成枠体は複数の梁材を所定の位相差を為して複数段に配置して構成されるものである支柱部と、
表面積の異なる複数の多角形状を呈する木製の屋根構成枠体を積層させて構成し、前記屋根構成枠体は複数の梁材を所定の位相差を為して複数段に配置して構成されるものである屋根部と、
前記支柱部の外方に木製のベンチ構成体を配置し、前記ベンチ構成体の上面に座面部材を載置させたベンチ部と、
から構成される組立構成体と、
前記屋根部の上面に配設された複数の太陽電池パネルと、
前記太陽電池パネルの下方に配置され、前記太陽電池パネルによって生じた電気を充電するバッテリーと、
前記支柱部の内部空間に配設された空気供給タンクと、前記支柱部の内部空間に配設された水分供給タンクと、前記空気供給タンクから空気を供給すると共に前記水分供給タンクから水分を供給する駆動ポンプと、前記支柱部の内部空間及び前記屋根部に配設された噴霧供給配管と、前記屋根部に配設された噴霧ノズルと、から構成されると共に、前記バッテリーから供給される電力によって前記駆動ポンプを駆動させることによって作動する噴霧装置と、
前記ベンチ構成体の上面にセラミック製の座面部材を載置すると共に、前記座面部材にペルチェ素子を内蔵させて構成される冷却装置と、
前記噴霧装置及び前記冷却装置の作動を制御する電力制御ユニットと、
から構成される付設設備・装置と、
から構成したことを特徴とする。
【0011】
ここで、さらに、前記支柱部の支柱構成枠体の頂点位置に、垂直方向に照明装置を設置し、前記支柱部の周囲を照明するようにしてもよい。
【0012】
又、さらに、前記空気供給タンクの上部側面に多数の送風口を形成すると共に、前記ベンチ構成体の下方位置に給気ファンを配設し、前記給気ファンの作動によって前記送風口から涼風が側方へ噴出するようにした送風装置を構成してもよい。
【0013】
又、日照センサー又は照度センサーを前記屋根部の外周部に周方向に等間隔で配設し、日射方向を検知することによって、各時刻において日陰となる領域に、より多量に噴霧を吐出させるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の簡易休憩施設は、土台部、支柱部、屋根部、ベンチ部の主たる構成部材を木材としてあるから、休憩する人々は自然に近い構造物との印象を強く受け、十分に寛ぐほどの安心感を与えることができる。
【0015】
又、本発明の簡易休憩施設は、太陽電池パネルによって生じた電力を電力制御ユニットによって効率的に使用し、噴霧装置及び冷却装置を作動させることができるから、人々に極めて快適な環境を与えると共に、高い省電力化を図ることができる。
【0016】
さらに、木材を主たる構成部材とする土台部、支柱部、屋根部を所定の構成体を積層したものとしたから、設置及び撤去するのに多大な時間及び労力を必要とせず、設置場所を容易に変更できると共に、撤去後には構成部材を再利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の簡易休憩施設の斜視図である。
図2】本発明の簡易休憩施設の組立構成体の斜視図である。
図3】土台部の各構成部材を示す説明図である。
図4】土台部の(A)は平面図、(B)は正面図である。
図5】土台部にベンチ部を設置した状態の(A)は平面図、(B)は正面図である。
図6】支柱構成枠体の平面図及び支柱構成枠体の構成方法を示す説明図である。
図7】土台部にベンチ部及び支柱部を設置した状態の(A)は平面図、(B)は正面図である。
図8】屋根部の構成方法を示す説明図である。
図9】土台部にベンチ部、支柱部及び屋根部を設置した状態の(A)は平面図、(B)は正面図である。
図10】本発明の簡易休憩施設の組立構成体に太陽電池パネルを設置した状態の平面図である。
図11】噴霧装置の設置状態の(A)は平面図、(B)は正面図である。
図12】ベンチ構成体の設置状態を示す平面図である。
図13】ペルチェ素子の概略構造を示す斜視図である。
図14】本発明の簡易休憩施設における付設設備・装置とその電源供給・制御システムを示す説明図である。
図15】時刻に対応した噴霧状態を示す説明図である。
図16】本発明の簡易休憩施設の構成部材の再使用サイクル及び再利用サイクルを説明する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の簡易休憩施設の好適な一実施形態について、以下、図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
本発明の簡易休憩施設1は、図1及び図2に示すように、土台部10と、支柱部20と、屋根部30と、ベンチ部40と、から構成される組立構成体100と、太陽電池パネル50と、バッテリー55と、照明装置60と、送風装置65と、噴霧装置70と、冷却装置80と、電力制御ユニット90と、から構成される付設設備・装置200と、から構成してある。
【0020】
土台部10は、図2乃至図4に示すように、表面積の異なる3体の六角形状を呈する木製の土台構成板体11,12,13を重ね合わせて構成してある。
土台構成板体11は、複数の構成板分割体11a,11a,11a,11a,11b,11b,11cに分割されており、これらを連結することによって構成してある。
他の土台構成板体12,13の構成も、土台構成板体11と同様である。
尚、本発明の簡易休憩施設1においては、各土台構成板体11,12,13の材料として、高強度、軽量性、断熱性に優れた直交集積材(CLT:Cross Laminated Timber)を採用している。
【0021】
支柱部20は、図2図6及び図7に示すように、同一の表面積を有する複数の六角形状を呈する木製の支柱構成枠体21を積層させて構成してある。
支柱構成枠体21は、図6に示すように、3本の梁材21a,21a,21bを位相差60°を為して3段に配置し、これらを連結することによって構成してある。
【0022】
屋根部30は、図2図8及び図9に示すように、表面積の異なる4体の六角形状を呈する木製の屋根構成枠体31,32,33,34を積層させて構成してある。
屋根構成枠体31は、図6に示すと同様にして、5本の梁材31a,31a,31b,31b,31cを位相差60°を為して3段に配置し、これらを連結することによって構成してある。
他の屋根構成枠体32,33,34の構成も、構成する梁材32,33,34の本数が異なることを除いて、屋根構成枠体31と同様である。
【0023】
ベンチ部40は、図2及び図5に示すように、前記支柱部20の3辺から外方に放射状に延びるように、木製のベンチ構成体41,41,41を配置してある。
そして、ベンチ構成体41の上面にセラミック製の座面部材42を載置してあり、座面部材42は、上面部材43と、下面部材44と、それらの間に介在させたペルチェ素子81と、から構成してある。
又、ベンチ構成体41の下方の適宜位置に、給気ファン67と、電力制御ユニット90と、を配設してある。
【0024】
太陽電池パネル50は、図1及び図10に示すように、多数の太陽電池セル50aを集積したものであって、支持部材51,51,51を屋根部30の上面に配設し、それら支持部材51,51,51に3体の太陽電池パネル50,50,50をそれぞれ60°の角度を為して配設してある。
【0025】
バッテリー55は、太陽電池パネル50の下方の適宜位置に配置されており、太陽電池パネル50によって生じた電気を充電するようになっている。
【0026】
照明装置60は、図1に示すように、支柱部20の支柱構成枠体21の各頂点位置に、垂直方向に設置されており、バッテリー55から電力を供給されて点灯するようになっている。
【0027】
送風装置65は、図1及び図11に示すように、空気供給タンク66と、ベンチ構成体41の下方の適宜位置に配設した給気ファン67と、から構成されている。
空気供給タンク66の上部側面には多数の送風口66aを形成してあり、給気ファン67の作動によって送風口66aから涼風が側方へ噴出するようになっている。
【0028】
噴霧装置70は、図1及び図11に示すように、支柱部20の内部空間に配設された空気供給タンク66と、水分供給タンク71と、駆動ポンプ72と、支柱部20の内部空間に配置された噴霧供給配管73と、屋根部30に配設された噴霧供給配管74と、噴霧ノズル75と、から構成されている。
【0029】
冷却装置80は、図1図5及び図12に示すように、ベンチ構成体41の上面に載置した座面部材42に内蔵させたペルチェ素子85から構成されている。
ペルチェ素子81は、異なる金属を接合した回路に直流電流を流すと、一方の接合部で吸熱作用、他方の接合部で発熱作用が惹起するというペルチェ効果を奏する熱電変換素子であって、図13に示すように、P型熱電半導体82、N型熱電半導体83の両端に銅電極84を固着し、その銅電極84に絶縁性及び熱伝導性を有するセラミック基板85,85を固着して使用される。
ここで、セラミック基板85,85をそのまま座面部材42の上面部材43、下面部材44としてもよい。
【0030】
電力制御ユニット90は、バッテリー55から供給される電力を制御して、前記照明装置60、送風装置65、噴霧装置70、冷却装置80等を作動させるものである。
尚、電力制御ユニット90は、クラウドコンピューティングによって、携帯端末機、携帯電話機によって、遠隔操作ができるようになっている。
【0031】
本発明の簡易休憩施設1は、以上のような構成であるから、以下のようにして組立て、設置することができる。
【0032】
先ず、図3に示すように、構成板分割体11a,11a,11a,11a,11b,11b,11cを連結して土台構成板体11を構成し、同様に、土台構成板体12,13を構成する。
そして、土台構成板体11に土台構成板体12,13を位相差60°を為して3層に載置し、連通ボルトによって互いを連結すれば、図4に示すように、土台部10を構成することができる。
【0033】
次に、図5に示すように、土台部10の中央部に1層目の支柱構成枠体21を載置し、その3辺から外方に放射状に延びるように、木製のベンチ構成体41,41,41を配置して、ベンチ部40を構成する。
【0034】
次に、図7に示すように、1層目の支柱構成枠体21の上方に、順次、支柱構成枠体21を積層していき、全部で支柱構成枠体21を12層積層し、連通ボルトによって互いを連結すれば、支柱部20を構成することができる。
【0035】
次に、支柱部20を構成する最上層の支柱構成枠体21の上面に屋根構成枠体31を載置し、順次、屋根構成枠体32,33,34を積層し、全部で4層積層し、連通ボルトによって互いを連結すれば、図9に示すように、屋根部30を構成することができる。
【0036】
以上のようにして、図2に示すように、土台部10と、支柱部20と、屋根部30と、ベンチ部40と、から構成される組立構成体100を構成することができる。
【0037】
さらに、支持部材51,51,51を屋根部30の上面に配設し、支持部材51,51,51に3体の太陽電池パネル50,50,50を配設すれば、図10に示すように、屋根部30の上面に太陽電池パネル50を設置することができる。
【0038】
一方、本発明の簡易休憩施設1は、以上のような組立て、設置する手順と逆の手順を実施することによって、容易に、分解し、撤去することができる。
【0039】
次に、本発明の簡易休憩施設1の付設設備・装置200について、その操作、動作等を説明する。
【0040】
先ず、照明装置60は、図14に示すように、適宜位置に配設したスイッチの操作又はセンサーの検知によってリレースイッチ61が作動することによって、支柱部20の周囲を照明することができる。
【0041】
次に、送風装置65は、図14に示すように、適宜位置に配設したスイッチの操作又はセンサーの検知によってリレースイッチ76が作動することによって、図11に示すように、給気ファン67が駆動して、支柱部20の内部空間に配設された空気供給タンク66から空気を供給し、上部側面に形成した送風口66aから涼風が側方へ噴出するようになっている。
よって、簡易休憩施設1のベンチ部40に座って休憩している人々の身体に涼風を送ることができる。
【0042】
次に、噴霧装置70は、図14に示すように、適宜位置に配設したスイッチの操作又はセンサーの検知によってリレースイッチ76が作動することによって、図11に示すように、駆動ポンプ72が駆動して、支柱部20の内部空間に配設された空気供給タンク66から空気を、水分供給タンク71から水分を噴霧供給配管73,74に供給する。
そして、図11に示すように、屋根部30に配設した複数の噴霧ノズル75,75から噴霧(ミスト)が下方に吐出することによって、簡易休憩施設1及びこれに休憩している人々の身体を冷却することができる。
【0043】
次に、冷却装置80は、図14に示すように、適宜位置に配設したスイッチの操作又センサーの検知によってリレースイッチ76が作動することによって、図12及び図13に示すように、ベンチ構成体41の上面に載置した座面部材42に内蔵させたペルチェ素子81に電圧が印加されることによって、ベンチ部40の座面部材42を冷却することができる。
【0044】
以上においては、スイッチの操作又はセンサーの検知によって、各付設設備・装置200を作動させることを説明したが、図14に示すように、クラウドコンピューティングを利用して、携帯端末機91、携帯電話機92によって遠隔操作し、電力制御ユニット90を作動させて、照明装置60、送風装置65、噴霧装置70、冷却装置80等を作動させることもできる。
【0045】
さらに、日照センサー、照度センサー等を屋根部30の外周部に周方向に等間隔で配設しておけば、図15に示すように、日射方向を検知することができて、各時刻において日陰となる領域に、より多量に噴霧(ミスト)を吐出させることができる。
これによって、本発明の簡易休憩施設1において休憩している人々に、あたかも木陰の下にいる涼感を体感して貰うことができる。
【0046】
以上のように、本発明の簡易休憩施設1は、現地で比較的容易に、かつ、短時間で組立て、設置することができるので、オフィスビルの中庭、博覧会場、競技場の前庭、広場、公園、遊歩道等、適宜場所に設置することができる。
又、屋根部30を連結し、複数の簡易休憩施設1を連結すれば、より広い簡易休憩施設を構成することができる。
【0047】
又、本発明の簡易休憩施設1は、電源コードを介して電力系統に連係させず、付設された太陽電池パネル50、バッテリー55及び電力制御ユニット90によって、その全ての電力を賄うように構成してあるから、電力系統との連係、分離等をする必要はなく、組立て、設置、解体、撤去を容易にすると共に、ある程度の面積の平地さえあれば、場所を選ぶことなく設置することができる。
【0048】
尚、電力制御ユニット90は、上述のように、バッテリー55から供給される電力を制御して、前記照明装置60、送風装置65、噴霧装置70、冷却装置80等を作動させるものであるが、さらに、太陽電池パネル50の発電量、バッテリー55の蓄電量をモニタリングする機能を保有させてもよい。これによれば、各装置を一時的に省エネルギー動作にして、電力の消耗を防止することができると共に、優先順位を付した動作を実行することもできる。
【0049】
又、照度センサー、温度センサー、湿度センサー等による検出値、現在の時刻に対応させて、照明装置60の設定照度、送風装置65、噴霧装置70、冷却装置80等の動作時間、設定温度、湿度等を制御する機能を保有させれば、フィードバック制御又はフィードフォワード制御を駆使して、簡易休憩施設1において休憩する人々に、より快適な環境を与えることができので、極めて好ましい。
【0050】
さらに、本発明の簡易休憩施設1は、上述のように、組立て、設置、解体、撤去が比較的に容易であるから、図16に示すように、公園、運動場に設置し、イベント会場に設置し、次いで、市中の広場に設置する等、いわゆる再使用(REUSE)ができて、極めて実用的である。
【0051】
又、図16に示すように、組立構成体100は、その殆どが木材を材料としているものであるから、使用後には各構成材に解体し、粉砕し、焼却することによって、バイオマス発電することができて、電気エネルギーを供給することができる。
さらに、焼却によって発生した二酸化炭素によって間接的に森林資源を育成でき、これを伐採し、製材することによって、再度、組立構成体100の各構成材を形成する材料とすることができ、いわゆる再利用(RECYCLE)ができて、環境にも好ましい。
【符号の説明】
【0052】
1 簡易休憩施設
10 土台部
11,12,13 土台構成板体
20 支柱部
21 支柱構成枠体
30 屋根部
31,32,33,34 屋根構成枠体
40 ベンチ部
41 ベンチ構成体
42 座面部材
50 太陽電池パネル
55 バッテリー
60 照明装置
65 送風装置
66 給気ファン
70 噴霧装置
66 空気供給タンク
71 水分供給タンク
72 駆動ポンプ
73,74 噴霧供給配管
75 噴霧ノズル
80 冷却装置
81 ペルチェ素子
90 電力制御ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16