(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】衛生用薄葉紙収納容器
(51)【国際特許分類】
B65D 83/08 20060101AFI20220928BHJP
A47K 7/00 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
B65D83/08 B
A47K7/00 D
(21)【出願番号】P 2018018994
(22)【出願日】2018-02-06
【審査請求日】2021-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】辻 馨子
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】実開昭51-132340(JP,U)
【文献】国際公開第2013/115713(WO,A1)
【文献】米国特許第05540354(US,A)
【文献】登録実用新案第3086985(JP,U)
【文献】特開2015-093673(JP,A)
【文献】特開2003-325378(JP,A)
【文献】特開2001-063778(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/08
A47K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性を有する材料によって形成された外装部と、前記外装部内に収納され、衛生用薄葉紙が載置される中枠部と、を備え、
前記外装部は、
円筒状又は角柱状に形成され、
側面部に内部の衛生用薄葉紙を取り出す取出部
を備え、
底面部に当該底面部を開閉自在の開口部
とした開閉部
を備え、
前記取出部は、切り込み状に形成され、前記外装部の前記取出部に沿う一端部である第一縁部と、前記外装部の前記取出部に沿う他端部である第二縁部とが、前記第一縁部が前記外装部の外側に位置し、前記第二縁部が前記外装部の内側に位置するようにして重なっており、
前記中枠部は、
対向する位置に備えられた二つの板状の部材である前面部及び後面部と、前記前面部の下部と前記後面部の下部とを繋ぐように備えられた板状の部材である下面部と、を備え、
前記前面部と前記後面部との間の部分は、前記下面部が備えられた部分を除く全体が開放されており、
前記外装部が円筒状に形成される場合には、前記前面部及び前記後面部の形状は、下部のみが直線となった前記底面部と比較して僅かに直径が小さい略円形の板状となり、
前記外装部が角柱状に形成される場合には、前記前面部及び前記後面部の形状は、前記底面部の形状と合致し、
前記開閉部から前記外装部内に出し入れすることができることを特徴とする衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項2】
前記取出部は、前記第一縁部と前記第二縁部とを、着脱自在に接続させる封止部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項3】
前記封止部材は、前記第一縁部の外面側に備えられた
複数の第一磁石と、前記第二縁部の内面側に備えられた
複数の第二磁石と、を備え
、
前記第一縁部は、前記複数の第一磁石の間の部分が凹むように形成された凹部又は前記複数の第一磁石の間の部分が突出するように形成された凸部を備えることを特徴とする請求項2に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項4】
前記外装部は、下面に滑り止め部を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項5】
前記外装部の下方に、前記外装部と比較して硬質な材料によって箱状に形成され、開口部を有する箱状部材が接続されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットシートやウェットティッシュ等の衛生用薄葉紙を収納する衛生用薄葉紙収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家屋の床若しくはトイレ又は人体などを拭くための衛生用薄葉紙を収納する衛生用薄葉紙収納容器として、衛生用薄葉紙を取り出す取出口を覆う蓋体を有し、当該蓋体をボタン状のスイッチ部を押すことによって開放させて使用する容器(例えば、特許文献1参照。)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
衛生用薄葉紙を使用する際には、使用者の手が汚れている場合が多いところ、このような状態でボタン状のスイッチ部を押すと、スイッチ部周辺が汚れてしまうことが多かった。さらに、このようなスイッチ部は、周囲の部材と別の部材として構成されていることから、周囲に凹凸や溝が多く、一度汚れがついてしまうと完全に除去することが困難であり、衛生上好ましくなかった。
【0005】
本発明の課題は、使用時に汚れても、容易に汚れを除去することのできる衛生用薄葉紙収納容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、衛生用薄葉紙収納容器において、
弾性を有する材料によって形成された外装部と、前記外装部内に収納され、衛生用薄葉紙が載置される中枠部と、を備え、
前記外装部は、
円筒状又は角柱状に形成され、
側面部に内部の衛生用薄葉紙を取り出す取出部を備え、
底面部に当該底面部を開閉自在の開口部とした開閉部を備え、
前記取出部は、切り込み状に形成され、前記外装部の前記取出部に沿う一端部である第一縁部と、前記外装部の前記取出部に沿う他端部である第二縁部とが、前記第一縁部が前記外装部の外側に位置し、前記第二縁部が前記外装部の内側に位置するようにして重なっており、
前記中枠部は、
対向する位置に備えられた二つの板状の部材である前面部及び後面部と、前記前面部の下部と前記後面部の下部とを繋ぐように備えられた板状の部材である下面部と、を備え、
前記前面部と前記後面部との間の部分は、前記下面部が備えられた部分を除く全体が開放されており、
前記外装部が円筒状に形成される場合には、前記前面部及び前記後面部の形状は、下部のみが直線となった前記底面部と比較して僅かに直径が小さい略円形の板状となり、
前記外装部が角柱状に形成される場合には、前記前面部及び前記後面部の形状は、前記底面部の形状と合致し、
前記開閉部から前記外装部内に出し入れすることができることを特徴とする。
本発明によれば、使用時に汚れても、容易に汚れを除去することのできる衛生用薄葉紙収納容器を提供することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記取出部は、前記第一縁部と前記第二縁部とを、着脱自在に接続させる封止部材を備えることを特徴とする。
本発明によれば取出部の気密性を高めることができる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記封止部材は、前記第一縁部の外面側に備えられた複数の第一磁石と、前記第二縁部の内面側に備えられた複数の第二磁石と、を備え、
前記第一縁部は、前記複数の第一磁石の間の部分が凹むように形成された凹部又は前記複数の第一磁石の間の部分が突出するように形成された凸部を備えることを特徴とする。
本発明によれば取出部の気密性をさらに高めることができる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記外装部は、下面に滑り止め部を備えることを特徴とする。
本発明によれば、衛生用薄葉紙収納容器を滑り難くし、安定性を高めることができる。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記外装部の下方に、前記外装部と比較して硬質な材料によって箱状に形成され、開口部を有する箱状部材が接続されていることを特徴とする。
本発明によれば、使用済みの衛生用薄葉紙や、衛生用薄葉紙以外の物品も収納可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、使用時に汚れても、容易に汚れを除去することのできる衛生用薄葉紙収納容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態に係る衛生用薄葉紙収納容器の斜視図である。
【
図2】実施形態に係る衛生用薄葉紙の斜視図である。
【
図4】実施形態に係る包装体取出口の変形例を示す図である。
【
図7】変形例1に係る衛生用薄葉紙収納容器の斜視図である。
【
図8】変形例2に係る衛生用薄葉紙収納容器の斜視図である。
【
図9】変形例3に係る衛生用薄葉紙収納容器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態である衛生用薄葉紙収納容器の具体的な態様について、
図1から
図9に基づいて説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、図示例に限定されるものではない。なお、以下においては、
図1に示すように、X軸、Y軸及びZ軸並びに前後方向、左右方向及び上下方向を定めて説明する。すなわち、外装部1の取出部11が形成された側を「上」、その反対側を「下」、外装部1の前底面部1aが形成された側を「前」、その反対側を「後」、後側を向いた状態における右手側を「右」、後側を向いた状態における左手側を「左」とし、前後方向に沿った軸をX軸、左右方向に沿った軸をY軸、上下方向の沿った軸をZ軸とする。
【0015】
[実施形態の構成]
{全体構成}
衛生用薄葉紙収納容器100は、
図1、5及び6に示すように、衛生用薄葉紙収納容器100の外装となる外装部1と、外装部1内に収納される中枠部2と、を備え、内部に包装体Tによって包装された衛生用薄葉紙Pが収納される。
【0016】
{衛生用薄葉紙}
衛生用薄葉紙Pとしては、例えば、
図2に示すような積層状の衛生用薄葉紙Pが使用される。
衛生用薄葉紙Pは、小型のウェットシート、ウェットティッシュ等が交互に折り重ねられた状態で積層され、1枚のウェットシート、ウェットティッシュ等を引き出した際に次のウェットシート、ウェットティッシュ等も引き出されるように形成された、所謂ポップアップ式のシートである。
【0017】
{包装体}
衛生用薄葉紙Pは、
図3に示すように、包装体Tによって覆われている。包装体Tは、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、等の材料によって形成された袋状の部材であり、上部に包装体取出口T1を有する。
【0018】
包装体取出口T1は、包装体Tの上面に形成された、衛生用薄葉紙Pを取り出すための孔部である。
包装体取出口T1の大きさとしては、前後方向、左右方向共に5mmから18mmに形成されることが好ましく、特に両方向において15mm程度となるように形成されていることが望ましい。
この大きさであれば、包装体取出口T1において衛生用薄葉紙Pに掛かる抵抗が適切なものとなり、衛生用薄葉紙Pを取出し易く、かつ不使用時において衛生用薄葉紙Pが包装体取出口T1からはずれ、包装体T内に落下してしまうことも防止できる。
【0019】
図3においては、包装体取出口T1が、十字状の切り込みとして形成された場合につき図示したが、これに限られず、例えば、
図4(a)に示す包装体取出口T2のように、十字状に形成した上で交点に近づくにつれて開口部が広くなるようにしてもよいし、
図4(b)に示す包装体取出口T3のように、六芒星型としてもよい。
【0020】
なお、包装体Tを備えることなく、衛生用薄葉紙Pを直接衛生用薄葉紙収納容器100内に収納することも可能である。
【0021】
{外装部}
外装部1は、
図1に示すように、前側に位置する略円形の前底面部1aと、後側に位置する略円形の後底面部1bと、前底面部1aと後底面部1bとを繋ぐ筒状の側面部1cと、からなる円筒状に形成された部材であり、使用者が手で後述の取出部11を開閉できる必要があることから、一定の弾性を有する材料を用いて形成されている必要がある。具体的には、硬度が50から70であることが望ましい。なお、上記硬度は、JIS K 6253(タイプAデュロメータ)によって測定されたものである。
具体的な材料としては、例えば、シリコンゴムや、スチレン-ブタジエン系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ウレタン系等の熱可塑性エラストマー等が用いられる。
外装部1は、前方又は後方から見た際に、直径が好ましくは70mmから110mm、さらに好ましくは80mmから100mmの略円形となり、前後方向に好ましくは140mmから180mm、さらに好ましくは150mmから170mmの長さを有する略円筒状に形成される。
また、外装部1は、上部に取出部11を備え、前部に開閉部12を備え、下部に滑り止め部13を備える。
【0022】
(取出部)
取出部11は、内部の衛生用薄葉紙Pを取り出すための開口部であり、
図1に示すように、外装部1の上面に、前後方向に切り込みを入れるようにして形成されている。
【0023】
(第一縁部及び第二縁部)
取出部11は、
図5に示すように、外装部1上面の取出部11右側の縁部である第一縁部111と、外装部1上面の取出部11左側の縁部である第二縁部112とが、第一縁部111が上側、すなわち外装部1の外側に位置し、第二縁部112が下側、すなわち外装部1の内側に位置するようにして重なるように形成されている。重なる幅は、左右方向に好ましくは10mmから30mm、さらに好ましくは15mmから25mm程度である。
【0024】
(封止部材)
封止部材113、113は、取出部11を開閉自在に封止するための部材であり、
図1及び
図5に示すように、第一縁部111の上面に備えられた小型の磁石である第一磁石113a、113aと、第二縁部112の下面に備えられた小型の磁石である第二磁石113b、113bと、からなる。
第一磁石113a、113aと、第二磁石113b、113bとは、平面視において重なる位置において、磁石のN局とS局とが向かい合うように備えられ、磁力によって、取出部11の第一縁部111と、第二縁部112とを吸着させるとともに、上下方向に力が掛かった際に吸着が外れ、取出部11が開放されるように形成されている。
【0025】
第一磁石113a、113a及び第二磁石113b、113bとしては、第一縁部111と、第二縁部112とを吸着させることで、取出部11を閉塞させるとともに、上下方向に力が掛かった際に吸着が外れ、取出部11が開放されるものであれば、任意の磁石を使用可能である。
ただし、下方に位置する第二縁部112の自重によって、吸着が外れてしまうことがなく、かつ、後述のように使用者が取出部11に手を差し入れた際には、容易に吸着が外れる程度の吸着力をもって、第一縁部111と、第二縁部112とを吸着させることができるものである必要がある。
【0026】
封止部材113における磁石の配置は、図示したものに限られず、取出部11を開閉自在に封止できるものであれば、その他の配置とされていてもよい。
また、
図1においては、前後二か所に封止部材113、113が備えられた場合につき図示したが、これに限られず、これより多数の封止部材113…を設けてもよいし、一か所にのみ設けてもよい。
また、封止部材は、図示したように点状に備えられた場合に限られず、例えば、第一縁部111及び第二縁部112の両者に、前後方向の全体に亘る長さを有する磁石を備え、第一縁部111の前後方向の全体と、第二縁部112の前後方向の全体とが吸着されるようにしてもよい。この場合、封止部材の磁石は、第一縁部111及び第二縁部112の上面、下面のいずれに備えられていてもよい。封止部材をこのように構成した場合、取出部の気密性をさらに向上させることができる。
【0027】
(開閉部)
図1に示すように、開閉部12は、外装部1の前底面部1aと側面部1cとの境に、下部の一部を残して切り込み設け、当該切り込みにファスナーを備えることによって、外装部1の前底面部1aの全面を開閉自在の開口部としたものであり、内部の衛生用薄葉紙Pの補充等の際に用いられる。
前底面部1aと、側面部1cとの間の切り込みを着脱自在に接続し、前底面部1aを開閉自在とする手段としては、ファスナーに限られず、例えば、磁石、ボタン等を用いてもよい。
【0028】
(滑り止め部)
滑り止め部13は、
図1及び5に示すように、外装部1の下部に形成された、衛生用薄葉紙収納容器100が、床面やテーブル等の上に載置された状態において滑り難くし、安定性を高めるための部材であり、例えば、シリコンゴムや、スチレンーブタジエン系、アクリル系、ウレタン系等のゴムを用いたシート状のゴム材を貼付することにより形成されている。
滑り止め部13は、前後方向に側面部1cの全体に亘り、左右方向に好ましくは50mmから90mm、さらに好ましくは60mmから80mmの幅を有するように形成されている。
【0029】
{中枠部}
中枠部2は、外装部1内に収納される部材であり、
図6に示すように、前面視において、下部のみが直線となった略円形の板状の部材である前面部2aと、前面部2aと同一の形状の板状の部材である後面部2bと、前面部2a下部の直線部分と、後面部2bの下部の直線部分とを繋ぐ、平面視矩形状の板状の部材である下面部2cと、を備える。
中枠部2は、外装部1と比較して硬質な材料によって形成されている。具体的には、硬度が100から120であることが望ましい。なお、上記硬度は、JIS K 6253(タイプAデュロメータ)によって測定されたものである。
具体的な材料としては、例えば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS樹脂等が用いられる。
【0030】
前面部2aと、後面部2bとは、外装部1の前底面部1a及び後底面部1bと比較して、僅かに直径が小さくなるように形成されている。また、下面部2cは、左右方向に好ましくは50mmから80mm、さらに好ましくは55mmから75mmの長さを有し、前後方向に外装部1の側面部1cと比較して僅かに短くなるように形成されている。
これによって、中枠部2を、開閉部12から外装部1の内部の空間に出し入れすることができると共に、外装部1内部の空間に収納された状態において、中枠部2の前面部2a及び後面部2bが、外装部1を支えることができる。
【0031】
[実施形態の使用方法]
本実施形態に係る衛生用薄葉紙収納容器100の使用時には、使用者は、まず、外装部1の開閉部12を開放し、開閉部12から中枠部2を引き出した上で、下面部2c上に、包装体Tに包まれた衛生用薄葉紙Pを載置する。当該状態において、中枠部2を開閉部12から外装部1内に戻すことによって、衛生用薄葉紙収納容器100内に衛生用薄葉紙Pが収納される。
【0032】
衛生用薄葉紙収納容器100内に収納された衛生用薄葉紙Pを使用する際には、使用者は、取出部11に、左方向から手を挿入する。そうすると、第一縁部111が上方に、第二縁部112が下方へと押されることで、自動的に封止部材113、113の第一磁石113a、113aと、第二磁石113b、113bとの吸着が外れて取出部11が開放され、使用者が内部の衛生用薄葉紙Pを取り出して使用することが可能となる。
【0033】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る衛生用薄葉紙収納容器100によれば、衛生用薄葉紙Pを使用する使用者が、取出部11に手を挿入するのみで、自動的に内部の衛生用薄葉紙Pを取り出すための開口部が形成される。
また、使用者が内部の衛生用薄葉紙Pを取り出した後には、使用者が取出部11から手を引き抜けば、外装部1の弾性により、取出部11が自動的に閉じ、封止部材113、113によって封止される。
したがって、衛生用薄葉紙収納容器に、容器の開閉のためのボタン状のスイッチ部を設ける必要がなくなり、衛生用薄葉紙の使用時に、使用者がこのようなスイッチ部を押すこともなくなる。これによって、凹凸や溝が多く、汚れが落とし難いスイッチ部の周囲が汚れてしまうことによる衛生上の問題を生じさせることなく、衛生用薄葉紙収納容器を使用することが可能となる。
【0034】
また、取出部11は、エラストマー等で形成された外装部1の側面部1cに設けられた切り込みに過ぎないことから、周囲に複雑な凹凸や溝は存在しない。したがって、仮に取出部11の周囲が、衛生用薄葉紙Pの取り出し時に汚れてしまったとしても、汚れの除去は容易であり、衛生上の問題は生じ難い。
【0035】
また、取出部11は、閉塞時には、第一縁部111と第二縁部112とが重なった上で、封止部材113、113によって閉じられていることから、十分な気密性を有し、内部に収納された衛生用薄葉紙Pがウェットティッシュ等のウェットシートである場合においても、これが乾燥してしまうことを防止することができる。
また、衛生用薄葉紙Pが包装体Tによって包装されていることによって、よりウェットシートが乾燥してしまうことを防止することができる。
【0036】
また、第一磁石113a、113aが、第一縁部111の上面側に備えられ、第二磁石113b、113bが第二縁部112の下面側に備えられていることによって、第一縁部111の下面と、第二縁部112の上面とを密着させることが可能となり、衛生用薄葉紙収納容器100内部の気密性をより高めることが可能となる。
【0037】
また、外装部1の開閉部12から中枠部2を引き出した上で、下面部2c上に包装体Tに包まれた衛生用薄葉紙Pを載置し、当該状態において、中枠部2を開閉部12から、外装部1内に戻すことによって、衛生用薄葉紙収納容器100内に衛生用薄葉紙Pを容易に収納することができる。したがって、衛生用薄葉紙収納容器100内への衛生用薄葉紙Pの補充も容易となる。
【0038】
また、外装部1の下面側に滑り止め部13が形成されていることによって、衛生用薄葉紙収納容器100が、床面やテーブル上等に載置された状態において滑り難くし、安定性を高めることができる。
【0039】
また、外装部1の内部に外装部1と比較して硬質な材料によって形成された中枠部2が収納されていることによって、外装部1を変形し易い軟質な材料を用いて形成しても、衛生用薄葉紙収納容器100の形状を保つことができる。
【0040】
[変形例]
以下、本実施形態の変形例につき説明する。なお、いずれの変形例についても、以下において説明する部分以外は、上記実施形態に係る衛生用薄葉紙収納容器100と同様であることから、同一の符号を付して説明を省略する。
【0041】
{変形例1}
外装部は、
図1に示した円筒状に限られず、多角柱状に形成されていてもよい。例えば、
図7(a)に示す三角柱状の外装部1Aを備えた衛生用薄葉紙収納容器100A、
図7(b)に示す四角柱状の外装部1Bを備えた衛生用薄葉紙収納容器100B、
図7(c)に示す五角柱状の外装部1Cを備えた衛生用薄葉紙収納容器100C等である。
【0042】
この場合、内部の中枠部も、外装部の形状に合致するものである必要があり、衛生用薄葉紙収納容器100Aにおいては、中枠部の前面部及び後面部が、前面視において三角形状となるように形成され、衛生用薄葉紙収納容器100Bにおいては、中枠部の前面部及び後面部が、前面視において四角形状となるように形成され、衛生用薄葉紙収納容器100Cにおいては、中枠部の前面部及び後面部が、前面視において五角形状となるように形成される。
【0043】
{変形例2}
変形例2は、
図8に示す衛生用薄葉紙収納容器100Dのように、外装部の下方に、箱状に形成され、開口部31を備えた箱状部材3を接続したものである。箱状部材3は、外装部1と比較して硬質な材料によって形成されている。具体的には、硬度が100から120であることが望ましい。なお、上記硬度は、JIS K 6253(タイプAデュロメータ)によって測定されたものである。
具体的な材料としては、例えばPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS樹脂等が用いられる。
図8においては、略三角柱状に形成され、下部に滑り止め部13を有しない外装部1Dの下方に、直方体状に形成され、矩形状の開口部31を有する箱状部材3が接続された場合につき図示したが、外装部及び箱状部材の形状はこれに限られない。
【0044】
本変形例によれば、箱状部材3を、例えば、使用済みの衛生用薄葉紙Pを、開口部31を介して収納するごみ箱として使用したり、小物入れとして使用したりすることができる。
【0045】
{変形例3}
図9(a)に示す衛生用薄葉紙収納容器100Eのように、取出部につき、凹部111aを第一縁部111Aに備えた取出部11Aとしてもよい。
また、
図9(b)に示す衛生用薄葉紙収納容器100Fのように、取出部につき、凸部111bを第一縁部111Bに備えた取出部11Bとしてもよい。
凹部111aを第一縁部111Aに備えた取出部11Aによれば、例えば、凹部111aから、取出部11Aに手を差し入れ易くなる。また、凸部111bを第一縁部111Bに備えた取出部11Bによれば、例えば、凸部111bを持ち手として上方へと引っ張ることによっても、取出部11Bを開放させることが可能となる。
【符号の説明】
【0046】
100、100A、100B、100C、100D、100E、100F 衛生用薄葉紙収納容器
1、1A、1B、1C、1D、1E,1F 外装部
11、11A、11B 取出部
111、111A、111B 第一縁部
112 第二縁部
113 封止部材
113a 第一磁石
113b 第二磁石
12 開閉部
13 滑り止め部
2 中枠部
3 箱状部材
31 開口部
P 衛生用薄葉紙