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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】皮膚外用剤又は化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/36 20060101AFI20220928BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20220928BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20220928BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
A61K8/36
A61K8/44
A61Q19/00
A61K8/06
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018058247
(22)【出願日】2018-03-26
(65)【公開番号】P2018172367
(43)【公開日】2018-11-08
【審査請求日】2020-11-24
(31)【優先権主張番号】P 2017068067
(32)【優先日】2017-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 薫
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 英美
【審査官】駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-168629(JP,A)
【文献】国際公開第2014/185317(WO,A1)
【文献】特開2014-073991(JP,A)
【文献】特開平03-020205(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Japio-GPG/FX
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(a)~(c);
(a)リノール酸 0.001~0.5%
(b)ジラウロイルグルタミン酸リシン塩
(c)水
を含有し、
前記(a)と前記(b)との含有質量割合(a)/(b)が0.01~5.75である
経時変臭が抑制される、皮膚外用剤又は化粧料(但し、水、ジラウロイルグルタミン酸リシン塩、リノール酸及びマカデミアナッツ脂肪酸エチルを含むスキンケア組成物を除く)
【請求項2】
水中油乳化型である請求項1に記載の皮膚外用剤又は化粧料。
【請求項3】
成分(b)ジラウロイルグルタミン酸リシン塩を含有させて用いることにより、
成分(a)炭素数16~22の多価不飽和脂肪酸、及び成分(c)水を含有する皮膚外用剤又は化粧料における経時での変臭を抑制する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素数16~22の多価不飽和脂肪酸を含有する皮膚外用剤又は化粧料に関し、さらに詳細には、炭素数16~22の多価不飽和脂肪酸、ジラウロイルグルタミン酸リシン塩、水を含有し、経時での変臭がなく、浸透感に優れた皮膚外用剤又は化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
リノール酸やリノレン酸など炭素数16~22の多価不飽和脂肪酸は、生体内で合成することができない必須脂肪酸である。これらの多価不飽和脂肪酸は、表皮バリア機能を支える細胞間脂質成分の構成要素であり、皮膚にうるおいを与えバリア機能改善に寄与することが知られている。また、メラニン生成抑制効果を有することから美白剤として使用することも従来より知られている(特許文献1,2参照)。美白効果のある成分としては多岐にわたる成分が知られているが、近年は安全性上の観点からより安全性の高い皮膚外用剤や化粧料を提供することが望まれている。そのため、皮膚内にもともと存在する成分である炭素数16~22の多価不飽和脂肪酸を化粧料に含有させて肌に適用する試みが種々検討されている。
【0003】
さらに近年の化粧料においては、肌効果だけでなく使用感の良さが重視される傾向にあり、中でも塗布中に油性成分によるぬるつきやべたつきを感じることなく肌馴染みが速いこと、すなわち浸透感が高い化粧料が好まれるようになってきた。しかし、前記不飽和脂肪酸は、分子内に不飽和結合が複数含まれていることから臭いが経時により変化しやすく、さらには大量に含有すると肌に対する浸透感が悪くなるという問題があった。そこで、経時安定性および浸透感を向上させるため、各種の検討がなされており、炭素数18~22の多価不飽和脂肪酸にチロシナーゼ活性阻害能を有するポリフェノール類を含有させた皮膚外用剤(特許文献3参照)や、炭素数18~22の多価不飽和脂肪酸、特定の酸化防止剤、レシチンを含有させ、さらに、リン酸、リン酸塩、脂肪族オキシ多塩基酸、その塩又はモノエステルおよびカルボキシビニルポリマーから選ばれる化合物を1種以上組み合せた化粧料(特許文献4参照)などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開昭63-284109号公報
【文献】特開平05-194176号公報
【文献】特開平05-271046号公報
【文献】特開平03-020205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献3の技術は、水の存在下や高温下など不飽和結合の酸化が進みやすい環境下においてその効果は十分ではなく、経時で変臭が生じるという課題があった。また、特許文献4の技術は、浸透感の面で満足のいくものではなかった。
【0006】
以上のように、炭素数16~22の多価不飽和脂肪酸を含有していながらも、経時での変臭がなく、浸透感に優れた皮膚外用剤又は化粧料が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる実情に鑑み、本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、(a)炭素数16~22の多価不飽和脂肪酸、(b)ジラウロイルグルタミン酸リシン塩、(c)水を含有する皮膚外用剤又は化粧料において、成分(a)と成分(b)の長鎖脂肪酸が強固に配向した状態すなわちパッキングした状態で存在し、成分(b)が成分(a)の保護基となることで経時の変臭原因である不飽和結合の酸化を抑制することができ、さらには成分(b)が成分(a)を捕捉した状態で角層内部に浸透することで、浸透感にも優れる化粧料又は皮膚外用剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、 次の成分(a)~(c);
(a)炭素数16~22の多価不飽和脂肪酸
(b)ジラウロイルグルタミン酸リシン塩
(c)水
を含有することを特徴とする皮膚外用剤又は化粧料を提供するものである。
【0009】
また、成分(a)がリノール酸である前記の皮膚外用剤又は化粧料を提供するものである。
【0010】
また、水中油乳化型である前記の皮膚外用剤又は化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の皮膚外用剤又は化粧料は、経時での変臭がなく、浸透感に優れた効果を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に用いられる成分(a)の炭素数16~22の多価不飽和脂肪酸は、炭素二重結合や三重結合等の不飽和炭素結合を分子内に2個以上有する炭素数16~22の脂肪酸である。成分(a)としては、例えば炭素数18の多価不飽和脂肪酸である、リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、ステアリドン酸、ピノレン酸、α-エレオステアリン酸、β-エレオステアリン酸、ボセオペンタエン酸等があげられ、また炭素数20の多価不飽和脂肪酸である、エイコサジエン酸、エイコサトリエン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ジホモ-γリノレン酸、アラキドン酸、ミード酸等があげられ、炭素数22の多価不飽和脂肪酸である、ドコサジエン酸、アドレン酸、イワシ酸、ドコサヘキサエン酸等があげられるが、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。成分(a)の由来は通常化粧料に用いられるものであれば特に限定されないが、天然品、合成品のいずれであってもよい。これら成分(a)の中でも経時での変臭のなさや浸透感の面から、リノール酸が特に好ましい。
【0013】
成分(a)の含有量は、特に限定されないが、浸透感を高める観点から0.00001~1質量%(以下、単に「%」と略す)が好ましく、バリア機能改善や美白効果といった肌効果を高める観点から0.0005~0.5%がより好ましい。
【0014】
本発明に用いられる成分(b)のジラウロイルグルタミン酸リシン塩は、N-ラウロイル-L-グルタミン酸およびリシンを反応して得られた化合物の塩であり、構造的に疎水基と親水基とを分子内に2個ずつ有する、多鎖多親水基型の界面活性剤である。塩として、ナトリウム塩、カリウム塩、等のアルカリ金属塩、トリエタノールアミン塩等の有機アミン塩、アルギニン等の塩基性アミノ酸塩が挙げられる。これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。成分(b)としては、例えば「International Nomenclature of Cosmetic Ingredients」(INCI)において「SODIUM DILAURAMIDOGULUTAMIDE LYSINE」と記載されるもの等が挙げられる
【0015】
成分(a)を含有する油相と成分(b)を含有する水相の界面において、成分(a)と成分(b)の骨格にそれぞれ含有される長鎖脂肪酸の間には強い分子間力が働くため、強固に配向した状態すなわちパッキングした状態で存在する。その結果、成分(b)が成分(a)の保護基となり不飽和結合の酸化を抑制することで経時での変臭を防ぎ、さらには成分(b)が成分(a)を捕捉した状態で角層内部に浸透することで浸透感を高めることから、成分(b)は必須の成分である。成分(b)の市販品としては、29%の水溶液として供給されているペリセアL-30(旭化成ファインケム社製)等が挙げられる。
【0016】
成分(b)の含有量としては、特に限定されないが、浸透感を高める観点から、0.001~2%が好ましく、さらには経時での変臭を防ぐ観点から0.01~0.5%が好ましい。
【0017】
本発明に用いられる成分(c)の水は、化粧料に一般的に使用される精製水の他、海洋深層水、温泉水、果実水、植物水、植物の水蒸気蒸留水等を挙げることができる。これらは、1種又は2種以上を適宜選択して組み合わせて用いることができる。
【0018】
本発明に用いられる成分(c)の含有量は、特に限定されるものではないが、経時での変臭のなさと浸透感に優れる点において、化粧料又は皮膚外用剤中、5~95%が好ましく、10%~90%がさらに好ましい。
【0019】
本発明における成分(a)と成分(b)の含有質量割合(a)/(b)は0.00025~500の範囲が好ましく、浸透感の観点から0.001~50がより好ましく、経時での変臭のなさの観点から0.01~10がさらに好ましい。
【0020】
本発明の皮膚外用剤又は化粧料には、上記必須成分の他に、通常化粧料に用いられる成分として、例えば、粉体、油剤、水溶性高分子、アルコール類、ゲル化剤、皮膜形成剤、樹脂、界面活性剤、紫外線吸収剤、保湿剤、pH調整剤、防腐剤、香料、酸化防止剤、金属封鎖剤、着色剤、各種薬効剤、動植物・微生物由来の抽出物、香料等を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜加えることができる。また、抗酸化剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、紫外線防止剤等の薬効成分を併用して、本発明の効果を更に高める、もしくは他の効果をさらに付加することもできる。
【0021】
本発明の皮膚外用剤又は化粧料の製造方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、あらかじめ混合した(b)と(c)に対し、ディスパーミキサー等で撹拌しながら(a)を徐々に添加することで乳化し、乳化化粧料を製造することができる。さらには、乳化した後にマイクロフルイダイザー等の高圧機器を使用してより微細な粒子径を持つ乳化化粧料を得ることもできる。
【0022】
本発明の皮膚外用剤又は化粧料の剤型としては、水系、油性系、乳化系(水中油乳化型、油中水乳化型)、可溶化系、粉体系、溶剤系リポソーム、マルチラメラベシクル、シングルラメラベシクル剤型等が挙げられる。ここで、浸透感の観点から水中油乳化型が特に好ましい。
【0023】
本発明の皮膚外用剤又は化粧料は、医薬品、医薬部外品、化粧料等が挙げられる。本発明の化粧料の好ましい例としては、メイクアップ化粧料、スキンケア化粧料、ヘアケア化粧料、日焼け止め化粧料等が挙げられ、より具体的には、化粧下地、ファンデーション、コンシーラー、アイカラー等のメイクアップ化粧料;化粧水、乳液、クリーム、美容液、マッサージ料、洗顔料、クレンジング、フェイスパック、フェイスマスク、オールインワン化粧料等のスキンケア化粧料;シャンプー、トリートメント、ヘアワックス、ヘアミルク、ヘアスプレー等のヘアケア化粧料として使用することができる。特にスキンケア化粧料およびスキンケア効果を有するメイクアップ化粧料が好ましく、さらに浸透感の観点から乳液、美容液、マッサージ料、パック料が好ましい。また、皮膚外用剤としては、外用固形剤、外用液剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤、パップ剤等が挙げられる。
【0024】
また、本発明の皮膚外用剤又は化粧料の形態としては、固形状、半固形状、液状等が挙げられ、また、透明、半透明、不透明それぞれの皮膚外用剤又は化粧料として使用することができる。
【実施例
【0025】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
【0026】
実施例1~5および比較例1~3:水中油乳化型乳液
下記表1に示す水中油乳化型乳液を下記製造方法により調製し、(イ)経時での変臭のなさ、(ロ)浸透感について、以下に示す評価方法および判定基準により評価判定し、結果を合わせて表1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】
*1:シリコン KF-96-20CS(信越化学工業社製)
*2:コスモール82(日清オイリオグループ社製)
*3:ニッコール HCO-60(日本サーファクタント工業社製)
*4:レシチン CLO(J-オイルミルズ社製)
*5:ペリセアL-30(固形分29%、旭化成ファインケム社製)
*6:CARBOPOL980(LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS社製)
【0029】
(製造方法)
A:成分(1)~(7)を70℃にて加熱溶解する。
B:成分(8)~(13)を混合し、70℃に加熱する。
C:BにAを添加し乳化する。
D:Cを室温まで冷却し、水中油乳化型乳液を得た。
【0030】
評価項目(イ)の経時での変臭のなさについては、各試料を50℃の恒温槽に1ヶ月間保管した後の臭いを専門評価者が評価し、5℃の恒温槽に1ヶ月保管した試料と比較し、以下の4段階評価判定基準を用いて判定した。
◎:まったく変化がみられない
〇:臭いの変化はごくわずかである
△:臭いの変化がみられる
×:臭いの変化がみられ、その程度が著しい
【0031】
評価項目(ロ)の浸透感については、5名の化粧料評価専門パネルが下記絶対評価を用いて5段階に評価し、各試料ごとの評点の平均値を4段階判定基準を用いて判定した。
【0032】
(絶対評価基準)
5点:非常に良好
4点:良好
3点:ふつう
2点:不良
1点:非常に不良
(4段階判定基準)
◎:平均点4.5以上
〇:平均点3.5以上4.5未満
△:平均点2.5以上3.5未満
×:平均点2.5未満
【0033】
(評価結果)
表1に示した結果より、本発明の水中油乳化型乳液は、経時での変臭がなく、浸透感に優れるものであった。一方、成分(b)の代わりにセスキオレイン酸ソルビタンあるいはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含有させた比較例1および比較例2においては、成分(a)の酸化劣化が生じることで経時で変臭が認められ、浸透感も著しく悪いものであった。また、成分(b)の代わりにレシチンを含有させた比較例3においては、レシチンが成分(a)の炭素鎖に配向するもののパッキングする効果が弱いため、成分(a)の酸化劣化を抑制できず経時で変臭が生じる課題があり、さらには浸透感においても十分に満足がいくものは得られなかった。
【0034】
実施例6:水中油乳化型クリーム
(成分) (%)
1.水素添加大豆リン脂質 *7 2.0
2.コレステロール *8 0.5
3.グリセリン 8.0
4.1,3-ブチレングリコール 10.0
5.プロピレングリコール 3.0
6.スクワラン 3.5
7.セトステアリルアルコール 3.0
8.ワセリン 2.0
9.シア脂 1.0
10.ホホバ油 1.0
11.リノール酸 0.1
12.ジブチルヒドロキシトルエン 0.05
13.ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム水溶液 *5 0.1
14.カルボキシビニルポリマー *9 0.3
15.水酸化ナトリウム 0.2
16.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
17.テアニン 0.01
18.精製水 残量
*7:ニッコール レシノールS-10(日光ケミカルズ社製)
*8:コレステロールNF(クローダジャパン社製)
*9:AQUPEC HV-501(住友精化社製)
【0035】
(製造方法)
A:成分(1)~(12)を70℃にて加熱溶解する。
B:成分(13)~(18)を70℃にて加熱後、Aを添加し乳化する。
C:Bを室温まで冷却し、水中油乳化型クリームをえた。
【0036】
実施例6の水中油乳化型クリームは、経時での変臭のなさと浸透感に優れるものであった。
【0037】
実施例7:水中油乳化型日焼け止め料(ジェル状)
(成分) (%)
1.α-リノレン酸 0.0005
2.ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシ
フェニルトリアジン *10 2.0
3.パラメトキシケイ皮酸オクチル 5.0
4.デカメチルシクロペンタシロキサン 1.0
5.ジメチルポリシロキサン *1 1.0
6.マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル 0.5
7.ポリオキシエチレン(5モル)フィトステロール 0.1
8.(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー *11 3.0
9.ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム水溶液 *5 1.0
10.1,3-ブチレングリコール 8.0
11.ジプロピレングリコール 5.0
12.エタノール 15.0
13.グリセリン 0.5
14.カルボキシビニルポリマー *9 0.3
15.水酸化カリウム 0.1
16.フェノキシエタノール 0.3
17.マイカ 3.0
18.タルク 1.0
19.メチルハイドロジェンポリシロキサン(15%)処理酸化亜鉛
(粒子径20nm) 0.1
20.エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.05
21.精製水 残量
*10:TINOSORB S(BASF社製)
*11:シリコン KSG-16(信越化学工業社製)
【0038】
(製造方法)
A.成分(1)~(8)を70℃に加温する。
B.成分(9)~(21)を混合し、70℃に加温する。
C.BにAを加え、乳化する。
D.Cを室温まで冷却して、水中油乳化型日焼け止め料(ジェル状)を得た。
【0039】
実施例7の水中油乳化型日焼け止め料(ジェル状)は、経時での変臭のなさと浸透感に優れるものであった。
【0040】
実施例8:水中油乳化型リキッドファンデーション(乳液状)
(成分) (%)
1.リノール酸 0.0004
2.メトキシケイ皮酸オクチル 5.0
3.オリーブ油 3.0
4.ミネラルオイル 1.0
5.ジメチルポリロキサン *12 2.0
6.トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 2.0
7.ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)
ジペンタエリスリチル 1.0
8.パラフィン 1.0
9.ステアリン酸 1.5
10.ステアリン酸グリセリル 0.5
11.ベヘニルアルコール 1.0
12.ポリステアリン酸スクロース 0.5
13.トリセテアレス―4リン酸 0.3
14.セスキオレイン酸ソルビタン 1.0
15.ポリソルベート80 1.0
16.レシチン *4 0.1
17.フェノキシエタノール 0.1
18.ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム水溶液 *5 5.0
19.アルキル変性カルボキシビニルポリマー *13 0.1
20.アクリル酸アルキルポリマーエマルション *14 3.0
21.合成金雲母 5.0
22.窒化ホウ素 3.0
23.シリカ 0.1
24.1,3ブチレングリコール 20.0
25.精製水 残量
26.トリエタノールアミン 1.0
27.酸化鉄 2.0
28.酸化チタン 10.0
*12:シリコン KF-96-2CS(信越化学工業社製)
*13:ペミュレンTR-2(NOVEON社製)
*14:ウルトラゾールV―280C(アイカ工業社製)
【0041】
(製造方法)
A.成分(1)~(17)を90℃に加温する。
B.成分(18)~(28)を均一分散し、90℃に加温する。
C.AにBを加え、乳化する。
D.Cを室温まで冷却して、水中油乳化型リキッドファンデーション(乳液状)を得た。
【0042】
実施例8の水中油乳化型リキッドファンデーション(乳液状)は、経時での変臭のなさと浸透感に優れるものであった。
【0043】
実施例9:水中油乳化型髪用美容液(液状)
(成分) (%)
1.リノール酸 1.0
2.ポリオキシエチレン(20モル)硬化ヒマシ油 0.3
3.イソステアリン酸ポリオキシエチレン(50モル)硬化ヒマシ油 0.3
4.スクワラン 0.5
5.ミリスチン酸イソプロピル 1.0
6.アモジメチコン 0.5
7.ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム水溶液 *15 0.02
8.エタノール 20.0
9.メチルパラベン 0.1
10.プロピレングリコール 3.0
11.1,3ブチレングリコール 1.0
12.パンテノール 0.1
13.香料 0.2
14.精製水 残量
*15:ペリセアLB-10(固形分10%、旭化成ファインケム社製)
【0044】
(製造方法)
A:成分(1)~(6)を混合する。
B:成分(7)~(14)を混合する。
C.BにAを加え乳化して、水中油乳化型髪用美容液(液状)を得た。
【0045】
実施例9の水中油乳化型髪用美容液(液状)は、経時での変臭のなさと浸透感に優れるものであった。
【0046】
実施例10:軟膏
(成分) (%)
1.ステアリルアルコール 18.0
2.モクロウ 20.0
3.ポリオキシエチレン(20モル)モノオレイン酸エステル 0.3
4.トコフェロール 0.1
5.ワセリン 40.0
6.(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー *11 0.5
7.リノール酸 0.5
8.パルミチン酸メチル 0.5
9.精製水 残量
10.グリセリン 10.0
11.ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム水溶液 *5 5.0
12.カルボキシビニルポリマー *6 0.5
【0047】
(製造方法)
A:成分(1)~(8)を70℃で均一に混合する。
B:成分(9)~(12)を70℃に加温する。
C:AにBを加え乳化し、軟膏を得た。
【0048】
実施例10の軟膏は、経時での変臭のなさと浸透感に優れるものであった。