IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クボタシーアイ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-通水制御装置 図1
  • 特許-通水制御装置 図2
  • 特許-通水制御装置 図3
  • 特許-通水制御装置 図4
  • 特許-通水制御装置 図5
  • 特許-通水制御装置 図6
  • 特許-通水制御装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】通水制御装置
(51)【国際特許分類】
   E02B 13/02 20060101AFI20220928BHJP
   E02B 11/00 20060101ALI20220928BHJP
   A01G 25/00 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
E02B13/02 Z
E02B11/00 302
A01G25/00 501E
A01G25/00 601D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018126235
(22)【出願日】2018-07-02
(65)【公開番号】P2020007699
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-06-08
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505142964
【氏名又は名称】株式会社クボタケミックス
(74)【代理人】
【識別番号】100090181
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 義人
(72)【発明者】
【氏名】原田 潤
(72)【発明者】
【氏名】新井 寛
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-243750(JP,A)
【文献】特開2017-192368(JP,A)
【文献】特開平10-178940(JP,A)
【文献】特開2002-330647(JP,A)
【文献】国際公開第2014/008553(WO,A1)
【文献】特開2018-093864(JP,A)
【文献】特開2009-106186(JP,A)
【文献】特開平09-065777(JP,A)
【文献】特開平10-248414(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 13/02
E02B 11/00
A01G 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開水路から圃場への給水または圃場から開水路への排水を制御するための通水制御装置であって、
前記開水路の壁部に形成された導水口に対して通水可能に接続される軟質管、
前記軟質管を変形させることで、当該軟質管を通水状態と止水状態とに切り替える電動アクチュエータ、および
前記軟質管との接続部として用いられる筒部を有し、前記導水口を手動で開閉可能なスライドゲートを備える、通水制御装置。
【請求項2】
開水路から圃場への給水または圃場から開水路への排水を制御するための通水制御装置であって、
前記開水路の壁部に形成された導水口に対して通水可能に接続される軟質管、および
上下動可能な押圧部材を有し、前記軟質管を変形させることで、当該軟質管を通水状態と止水状態とに切り替える電動アクチュエータを備え、
前記軟質管は、半円筒状の規制部材内を通すように設けられ、
前記押圧部材の形状は、弾丸形状または舌片形状であり、
前記押圧部材によって前記軟質管を外側から押し潰すことで前記止水状態とし、前記押圧部材による前記軟質管の押し潰しを解除することで前記通水状態とする、通水制御装置。
【請求項3】
前記電動アクチュエータは、前記軟質管と連結される上下動可能な連結部材を備え、
前記連結部材によって前記軟質管を持ち上げることで前記止水状態とし、前記連結部材による前記軟質管の持ち上げを解除することで前記通水状態とする、請求項1記載の通水制御装置。
【請求項4】
前記軟質管は、U字溝の底壁上を通るように配置され、
前記電動アクチュエータの装置本体は、前記U字溝の上に台座を用いて設置される、請求項1からのいずれかに記載の通水制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、通水制御装置に関し、特にたとえば、開水路から圃場への給水または圃場から開水路への排水を制御するための通水制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の通水制御装置の一例が特許文献1に開示される。特許文献1には、既存の給水堰(ゲート)に装着されて、給水堰の開閉を自動的に行う給水堰自動開閉装置(電動アクチュエータ)が開示されている。この給水堰自動開閉装置は、モータの出力軸と給水堰の駆動軸とを連結してモータの駆動力により給水堰を上下動させる駆動力伝達機構を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-70716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、電動アクチュエータでゲートを上下方向にスライドさせることによって、開水路から圃場への給水を制御している。しかしながら、ゲートのスライド部には土砂およびゴミ等が噛み込み易い。スライド部に土砂などが噛み込むと、ゲートを上下動させるのに大きなトルクが必要となり、場合によっては電動アクチュエータがゲートを上下動できなくなる不具合が生じてしまう。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、通水制御装置を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、電動アクチュエータにかかる負担を低減でき、圃場への給水または圃場からの排水を適切に実行できる、通水制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、開水路から圃場への給水または圃場から開水路への排水を制御するための通水制御装置であって、開水路の壁部に形成された導水口に対して通水可能に接続される軟質管軟質管を変形させることで、当該軟質管を通水状態と止水状態とに切り替える電動アクチュエータ、および軟質管との接続部として用いられる筒部を有し、導水口を手動で開閉可能なスライドゲートを備える、通水制御装置である。
【0008】
第1の発明では、通水制御装置は、軟質管と電動アクチュエータとを含む。軟質管は、ビニールホースおよびゴムホース等の柔軟性を有する管であり、開水路の壁部に形成された導水口に対して通水可能に接続される。通水制御装置は、電動アクチュエータによって軟質管を変形させて、当該軟質管を通水状態と止水状態とに切り替えることで、圃場における給水または排水を制御する。また、通水制御装置は、軟質管との接続部として用いられる筒部を有するスライドゲートを備え、軟質管の交換時や給水を長期間停止するとき等に、ユーザが導水口を手動で開閉することが可能である。
【0009】
第1の発明によれば、軟質管を変形させることで止水と通水との切り替えを行うので、必要トルクを低減できる。また、ゲートをスライドさせる装置と異なり、土砂などが噛み込むことで必要トルクが上昇することもない。したがって、電動アクチュエータにかかる負担が低減され、圃場への給水を適切に実行できる。また、装置の維持管理も容易となる。
【0010】
第2の発明は、開水路から圃場への給水または圃場から開水路への排水を制御するための通水制御装置であって、開水路の壁部に形成された導水口に対して通水可能に接続される軟質管、および上下動可能な押圧部材を有し、軟質管を変形させることで、当該軟質管を通水状態と止水状態とに切り替える電動アクチュエータを備え、軟質管は、半円筒状の規制部材内を通すように設けられ、押圧部材の形状は、弾丸形状または舌片形状であり、押圧部材によって軟質管を外側から押し潰すことで止水状態とし、押圧部材による軟質管の押し潰しを解除することで通水状態とする、通水制御装置である。
【0011】
の発明では、電動アクチュエータは、上下動可能な押圧部材を備える。そして、押圧部材による軟質管の押し潰しとその解除によって通水と止水との切り替えを行う。
【0012】
の発明によれば、軟質管を押し潰すだけで容易に止水することができる。
【0013】
の発明は、第1の発明に従属し、電動アクチュエータは、軟質管と連結される上下動可能な連結部材を備え、連結部材によって軟質管を持ち上げることで止水状態とし、連結部材による軟質管の持ち上げを解除することで通水状態とする。
【0014】
の発明では、電動アクチュエータは、軟質管と連結される上下動可能な連結部材を備える。そして、連結部材による軟質管の持ち上げとその解除によって通水と止水との切り替えを行う。
【0015】
の発明によれば、軟質管を持ち上げるだけで容易に止水することができる。
の発明は、第1から第の発明のいずれかに従属し、軟質管は、U字溝の底壁上を通るように配置され、電動アクチュエータの装置本体は、U字溝の上に台座を用いて設置される
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、軟質管を変形させることで止水と通水との切り替えを行うので、必要トルクを低減できる。また、ゲートをスライドさせる装置と異なり、土砂などが噛み込むことで必要トルクが上昇することもない。したがって、電動アクチュエータにかかる負担が低減され、圃場への給水を適切に実行できる。また、装置の維持管理も容易となる。
【0017】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う後述の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】この発明の一実施例である通水制御装置を圃場の給水側に設置した様子を示す図解図である。
図2図1の通水制御装置を軟質管の軸方向に見た様子を示す図解図である。
図3図1の通水制御装置に用いられるアタッチメントの一例を示す図解図である。
図4図1の通水制御装置における通水状態と止水状態とを示す図解図である。
図5】この発明の他の実施例の通水制御装置における通水状態と止水状態とを示す図解図である。
図6】この発明のさらに他の実施例の通水制御装置を圃場の排水側に設置した様子を示す図解図である。
図7】この発明のさらに他の実施例の通水制御装置における通水状態と止水状態とを示す図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1および図2を参照して、この発明の一実施例である通水制御装置10は、軟質管12と電動アクチュエータ14とを含み、開水路である用水路100から圃場102への給水を遠隔操作または自動制御などによって制御する。
【0020】
なお、この発明で言う開水路は、圃場102に供給する水または圃場102から排出された水を自由水面を持って流す水路であればよく、この発明においては、給水桝および排水桝(落水函)なども含む概念で使用するものとする。
【0021】
図1および図2に示すように、軟質管12は、用水路100から供給される用水を圃場102に導く導水管であって、用水路100の壁部に形成された導水口104に対して通水可能に接続される。軟質管12の内径は、たとえば100mmである。軟質管12としては、柔軟性を有しており、後述のように変形および復元が可能なものであれば、特に限定されることなく用いることができる。たとえば、ホームセンタ等で入手可能なビニールホースおよびゴムホース等を軟質管12として用いるとよい。
【0022】
軟質管12は、導水口104に対してアタッチメント16を用いて接続される。アタッチメント16としては、図3に示すような市販の水口栓を用いるとよい。図1および図3を参照して簡単に説明すると、アタッチメント16は、用水路100の内壁面に沿うように取り付けられる背板20と、導水口104に嵌め込まれる筒部22とを備える。背板20の下端部には、取水口24が形成されており、この取水口24の周縁部から突出するように筒部22が設けられる。筒部22は、導水口104に嵌め込まれた状態で、先端部が導水口104から圃場102側に突出する軸方向長さを有している。そして、この筒部22の先端部が軟質管12との接続部として用いられる。たとえば、筒部22の先端部に軟質管12の一方端部が外嵌めされて、バンド等の締付部材26で固定されることにより、導水口104に軟質管12が接続される。したがって、軟質管12は、締付部材26を取り外すことで、容易に交換可能である。
【0023】
また、背板20の両側部には、上下方向に延びるスライド溝28が設けられ、このスライド溝28に、取水口24(延いては導水口104)を開閉するスライドゲート30が取り付けられる。後述のように、この実施例では軟質管12を変形させることで用水路100から圃場102への給水を制御するので、スライドゲート30は、基本的には開状態とされる。なお、スライドゲート30は必ずしも必要ではないが、軟質管12の交換時や給水を長期間停止するときなどに、ユーザが手動で開閉可能な元栓として用いることができるので、スライドゲート30を備えることで利便性が向上する。
【0024】
図1および図2に戻って、電動アクチュエータ14は、軟質管12を変形させることで、軟質管12を通水状態と止水状態とに切り替える装置であって、ユーザによる遠隔操作または予め記憶されたプログラムに基づく自動制御などによって駆動される。
【0025】
この実施例では、電動アクチュエータ14は、上昇位置と下降位置との間で上下動可能な押圧部材40を備えるものであり、押圧部材40によって軟質管12を外側(上側)から押し潰すことで軟質管12を止水状態とし、その押し潰しを解除することで軟質管12を通水状態とする。
【0026】
たとえば、電動アクチュエータ14は、軟質管12の軸方向と直交する方向に延びる棒状の押圧部材40と、この押圧部材40を上下動させる駆動機構(図示せず)などが収容される装置本体42とを備える。装置本体42は、たとえば、導水口104の近くに配置されたコンクリート製などのU字溝44の上に台座46などを用いて設置される。また、軟質管12は、U字溝44の底壁上を通るように配置され、押圧部材40は、U字溝44の底壁との間に軟質管12を挟み込めるように配置される。
【0027】
電動アクチュエータ14としては、押圧部材40を上下動可能なものであれば、公知のものを適宜利用可能である。一例として、本出願人による特開2017-193914号公報に記載のものを利用することができる。
【0028】
このような通水制御装置10では、図4(A)に示すように、電動アクチュエータ14の押圧部材40が上昇位置にあるときには、軟質管12は略円筒状の通水状態となり、用水路100から圃場102への給水が行われる。一方、図4(B)に示すように、押圧部材40が下降位置にあるときには、軟質管12は、押圧部材40によって押し潰されて、その内部水路が閉じられた止水状態となる。これによって、用水路100から圃場102への給水が停止される。また、押圧部材40が上昇位置に再度移動して軟質管12の押し潰しが解除されると、軟質管12は、自己復元力および内部水路を流れる水の力によって略円筒状に復元し、図4(A)に示すような通水状態に戻る。
【0029】
以上のように、この実施例によれば、軟質管12を変形させること、つまり軟質管12の押し潰しとその解除によって止水と通水(給水)との切り替えを行う。この切り替えに要するトルクは、主として軟質管12を押し潰す力があればよいので、低く抑えることができる。また、軟質管12を用いるので、ゲートをスライドさせる装置と異なり、土砂などが噛み込むことで必要トルクが上昇することもない。したがって、電動アクチュエータ14にかかる負担が低減され、圃場102への給水を適切に実行できる。また、通水制御装置10の維持管理も容易となる。
【0030】
なお、軟質管12の配置態様および押圧部材40の形状などの具体的構成は、押圧部材40によって軟質管12の押し潰しおよびその解除を実行できるものであれば、適宜変更可能である。たとえば、図5に示すように、半円筒状などに形成される規制部材48内を通すように軟質管12を配置して、軟質管12の横方向のずれを防止することもできる。この場合、押圧部材40は、弾丸形状または舌片形状とし、規制部材48との間で軟質管12を押し潰すようにするとよい。
【0031】
また、図示は省略するが、押圧部材40の横方向のずれを規制して、押圧部材40の上下方向の移動をガイドすると共に、押圧部材40を防護するガイド部材を設けるようにしてもよい。
【0032】
さらに、用水路100から圃場102に延びる導水管の全てが軟質管12である必要はなく、少なくとも電動アクチュエータ14によって変形させる部分が軟質管12であれば、導水管の一部に硬質管が含まれていても構わない。導水管の全てが軟質管12である必要がないことは、後述する他の実施例においても同様である。
【0033】
また、上述の実施例では、圃場102の給水側に設けられる通水制御装置10の一例について説明したが、通水制御装置10は、圃場102の排水側に設置することもできる。以下、図6を参照して、通水制御装置10の他の実施例について説明するが、圃場102の排水側に通水制御装置10を設置すること以外は上述の実施例と同様であるので、共通する部分は同じ参照番号を付し、重複した説明は省略または簡略化する。
【0034】
図6に示すように、この実施例の通水制御装置10は、軟質管12と電動アクチュエータ14とを含み、圃場102から排水路106への排水を制御する。軟質管12は、落水函108の壁部に形成された導水口110に対して通水可能に接続される。なお、落水函108は、開水路である排水路106の一部を構成する水路である。
【0035】
電動アクチュエータ14は、上下動可能な押圧部材40を備えるものであり、押圧部材40によって軟質管12を外側から押し潰すことで軟質管12を止水状態とし、その押し潰しを解除することで軟質管12を通水状態とする。軟質管12を押し潰して止水状態とすることで、圃場102から落水函108を介した排水路106への排水が停止される。また、軟質管12の押し潰しを解除して軟質管12を通水状態とすることで、圃場102の水が落水函108を介して排水路106に排出される。
【0036】
図6に示す実施例においても、図1に示す実施例と同様の作用効果を奏するので、電動アクチュエータ14にかかる負担が低減され、圃場102からの排水を適切に実行できる。また、通水制御装置10の維持管理も容易となる。
【0037】
続いて、図7を参照して、この発明のさらに他の実施例である通水制御装置10について説明する。図7に示す実施例では、軟質管12を押し潰す代わりに、軟質管12を持ち上げることで止水する点が、図1に示す実施例と異なる。それ以外については図1に示す実施例と同様であるので、共通する部分については同じ参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0038】
図7に示すように、この実施例の通水制御装置10は、軟質管12と電動アクチュエータ14とを含み、用水路100から圃場102への給水を制御する。この実施例では、電動アクチュエータ14は、軟質管12と連結される上下動可能な連結部材60を備えるものであり、連結部材60によって軟質管12を持ち上げることで止水状態とし、連結部材60による軟質管12の持ち上げを解除することで軟質管12を通水状態とする。
【0039】
たとえば、電動アクチュエータ14は、軟質管12の先端部に連結されるリング状の連結部材60を備える。連結部材60は、装置本体42に設けられるウィンチ(図示せず)から延びるロープ62に連結されており、ウィンチを用いてロープ62を巻き取ることで軟質管12を持ち上げることが可能である。また、装置本体42は、架台64上に設置され、軟質管12の先端開口または内部水路の一部が用水路100の水面よりも高い位置となるまで、連結部材60によって軟質管12を持ち上げることが可能とされる。
【0040】
このような通水制御装置10では、図7(A)に示すように、電動アクチュエータ14の連結部材60が下降位置にあるときには、軟質管12は直管状の通水状態となり、用水路100から圃場102への給水が行われる。一方、図7(B)に示すように、電動アクチュエータ14の連結部材60が上昇位置に移動されると、軟質管12は、押圧部材40によって上向きに湾曲するように持ち上げられる。これによって、用水路100から圃場102への給水が停止される。また、連結部材60が下降位置に再度移動して軟質管12の持ち上げが解除されると、軟質管12は直管状の通水状態に戻る。
【0041】
図7に示す実施例によれば、軟質管12を変形させること、つまり軟質管12の持ち上げとその解除によって止水と通水との切り替えを行う。この切り替えに要するトルクは、主として軟質管12を持ち上げる力があればよいので、低く抑えることができる。また、土砂などが噛み込むことで必要トルクが上昇することもない。したがって、電動アクチュエータ14にかかる負担が低減され、圃場102への給水を適切に実行でき、通水制御装置10の維持管理も容易となる。
【0042】
なお、図7に示すような軟質管12を持ち上げて止水するタイプの通水制御装置10を圃場102の排水側に設置することも可能である。
【0043】
また、上で挙げた寸法などの具体的数値および具体的形状などは、いずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0044】
10 …通水制御装置
12 …軟質管
14 …電動アクチュエータ
16 …アタッチメント
40 …押圧部材
60 …連結部材
100 …用水路
102 …圃場
106 …排水路
108 …落水函
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7