(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】送電装置及び送電方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20220928BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20220928BHJP
H02J 50/60 20160101ALI20220928BHJP
H02J 50/90 20160101ALI20220928BHJP
B60M 7/00 20060101ALI20220928BHJP
B60L 53/124 20190101ALI20220928BHJP
B60L 53/38 20190101ALI20220928BHJP
【FI】
H02J7/00 301D
H02J7/00 P
H02J50/10
H02J50/60
H02J50/90
B60M7/00 X
B60L53/124
B60L53/38
(21)【出願番号】P 2018138865
(22)【出願日】2018-07-24
【審査請求日】2021-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】田中 良平
【審査官】早川 卓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-059239(JP,A)
【文献】特開2015-006056(JP,A)
【文献】特開2013-021886(JP,A)
【文献】特開2016-013033(JP,A)
【文献】特開2015-154539(JP,A)
【文献】特開2013-002085(JP,A)
【文献】特開2014-117058(JP,A)
【文献】国際公開第2014/184864(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J50/00-50/90
H02J7/00-7/12
H02J7/34-7/36
B60L1/00-3/12
B60L7/00-13/00
B60L15/00-58/40
B60M1/00-7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車スペースに駐車される車両のバッテリに電流を供給する受電部に非接触に送電する送電装置において、
前記駐車スペースに、フラップ板を有するフラップ装置が設けられ、
前記フラップ装置には、前記フラップ板が地面側に位置し、前記車両の駐車スペースからの離脱を許容する第1状態と、前記フラップ板の回転により前記フラップ板が地面から離隔し、前記車両の駐車スペースからの離脱を防止する第2状態とがあり、
前
記フラップ板上に配され、前記受電部に対向して送電を行う送電部と、
前記第2状態にて、前記送電部が前記受電部に対向するように前記送電部の位置を調整する調整部と
を備えること
を特徴とする送電装置。
【請求項2】
前記フラップ装置が
前記第2状態になった後、前記送電部が前記受電部への送電を開始するように前記送電部を制御する送電制御部を備えること
を特徴とする請求項1に記載の送電装置。
【請求項3】
車両が前記駐車スペースに駐車されているか否かを定期的に判定する駐車判定部と、
該駐車判定部が駐車されていないと判定した場合、前記フラップ装置を作動させるフラップ制御部と
を備えること
を特徴とする請求項1から請求項
2までのいずれか一項に記載の送電装置。
【請求項4】
前記フラップ板上の異物の除去を行う異物除去部を備えること
を特徴とする請求項1から請求項
3までのいずれか一項に記載の送電装置。
【請求項5】
前記異物除去部は、前記フラップ装置が
前記第2状態になった後、除去を行うこと
を特徴とする請求項
4に記載の送電装置。
【請求項6】
駐車スペースに駐車される車両のバッテリに電流を供給する受電部に非接触に送電する送電方法において、
前記駐車スペースに、フラップ板を有するフラップ装置が設けられ、
前記フラップ装置には、前記フラップ板が地面側に位置し、前記車両の駐車スペースからの離脱を許容する第1状態と、前記フラップ板の回転により前記フラップ板が地面から離隔し、前記車両の駐車スペースからの離脱を防止する第2状態とがあり、
前記フラップ板上に送電を行う送電部が配され、
前記第2状態になるように前記フラップ装置を作動させ、
前記送電部を前記受電部に対向させて、前記送電部から前記受電部に送電させる
ことを特徴とする送電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の受電部に送電する送電装置及び送電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年普及している電気自動車及びハイブリッド自動車等の電動モータを原動機として備える車両は、電動モータの駆動のためのバッテリを備える。バッテリの充電は、自宅又は駐車場等の駐車スペースに設けられた送電装置等により行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここで、バッテリの充電の方式としては例えば非接触給電がある。この場合、送電装置に送電コイルを含む送電部を設け、車両の車体の下部にバッテリに電気的に接続された受電コイルを設ける。送電部は、例えば駐車スペースに設置され、車両が駐車スペースに駐車された場合に送電コイルが受電コイルに対向するように位置している。送電コイル及び受電コイルが対向した状態で、送電コイルに電流を流すことにより、受電コイルを介してバッテリに電流を供給して充電する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、送電コイル及び受電コイル間に金属片等のような磁性体である異物が存在する場合、バッテリの充電効率が低下してしまう虞がある。
【0006】
本開示の目的は、送電部及び受電部間の異物を排除し、良好にバッテリの充電ができる送電装置及び送電方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る送電装置は、駐車スペースに駐車される車両のバッテリに電流を供給する受電部に非接触に送電する送電装置において、前記駐車スペースに設けられているフラップ装置のフラップ板と地面との間に配され、前記受電部に対向して送電を行う送電部を備えることを特徴とする。
【0008】
本開示にあっては、フラップ板の回転によりフラップ板上の異物を取り除いて、送電部及び受電部の間の異物を除去することができ、良好にバッテリの充電を行うことができる。
【0009】
本開示に係る送電装置は、前記フラップ装置が作動した後、前記送電部が前記受電部への送電を開始するように前記送電部を制御する送電制御部を備えることを特徴とする。
【0010】
本開示にあっては、送電部の送電開始前に、フラップ板の回転により送電部及び受電部の間の異物を除去することができ、良好にバッテリの充電を行うことができる。
【0011】
本開示に係る送電装置は、前記フラップ板において、前記送電部から前記受電部に送電を行う場合に前記送電部及び受電部間に位置する部分は非金属材料製であることを特徴とする。
【0012】
本開示にあっては、フラップ板において、送電部から受電に送電を行う場合に送電部及び受電部間に位置する部分が非金属材料製であるので、送電部及び受電部における充電に影響を与えず、良好にバッテリの充電を行うことができる。
【0013】
本開示に係る送電装置は、車両が前記駐車スペースに駐車されているか否かを定期的に判定する駐車判定部と、該駐車判定部が駐車されていないと判定した場合、前記フラップ装置を作動させるフラップ制御部と備えることを特徴とする。
【0014】
本開示にあっては、車両が長期間、駐車されていない場合において、定期的にフラップ板を作動させることで、異物を除去することができる。
【0015】
本開示に係る送電装置は、前記フラップ板上の異物の除去を行う異物除去部を備えることを特徴とする。
【0016】
本開示にあっては、異物除去部によりフラップ板上の異物を除去することができ、送電部及び受電部の間の異物をより良好に除去することができる。これにより、バッテリの充電をより良好に行なうことができる。
【0017】
本開示に係る送電装置は、前記異物除去部は、前記フラップ装置が作動した後、除去を行うことを特徴とする。
【0018】
本開示にあっては、フラップ板の回転により異物を除去した後、更に異物除去部による異物の除去を行うことにより、フラップ板上の異物を除去することができ、送電部及び受電部の間の異物をより良好に除去することができる。これにより、バッテリの充電をより良好に行なうことができる。
【0019】
本開示に係る送電装置は、駐車スペースに駐車される車両のバッテリに電流を供給する受電部に非接触に送電する送電装置において、前記駐車スペースに設けられているフラップ装置のフラップ板上に配され、前記受電部に対向して送電を行う送電部と、該送電部が前記受電部に対向するように前記送電部の位置を調整する調整部とを備えることを特徴とする。
【0020】
本開示にあっては、調整部により、送電部及び受電部を対向させて、送電を行うことができる。また、送電部及び受電が対向することにより、送電部から受電部への送電効率が上昇する。更に、フラップ板の回転により、送電部及び受電部の間の異物を除去することができ、良好にバッテリの充電を行うことができる。
【0021】
本開示に係る送電方法は、駐車スペースに駐車される車両のバッテリに電流を供給する受電部に非接触に送電する送電方法において、前記駐車スペースに車両が駐車されたか否かを判定し、前記駐車スペースに車両が駐車されたと判定した後、前記駐車スペースに設けられたフラップ装置を作動させ、前記フラップ装置のフラップ板と地面との間に配され、前記受電部に対向する送電部に送電させることを特徴とする。
【0022】
本開示にあっては、フラップ板の回転によりフラップ板上の異物を取り除いて、送電部及び受電部の間の異物を排除することができ、良好にバッテリの充電を行うことができる。
【発明の効果】
【0023】
本開示によれば、送電部及び受電部間の異物を排除し、良好にバッテリの充電ができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】実施形態1に係る送電装置が設けられた駐車場の模式図である。
【
図2】駐車スペースに車両が進入した状態を示す模式図である。
【
図4】送電装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【
図5】送電処理の手順を示すフローチャートである。
【
図6】実施形態2に係るフラップ装置及び送電部を示す図である。
【
図8】送電処理の手順を示すフローチャートである。
【
図9】実施形態3に係るフラップ装置及び送電部を示す模式図である。
【
図11】実施形態4に係る駐車スペースを示す模式図である。
【
図12】実施形態5に係る駐車場を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について説明する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る送電装置が設けられた駐車場の模式図である。図示の駐車場Pは、例えばコインパーキングであり、複数の駐車スペース100と、単一の精算機200とを有する。
【0026】
駐車スペース100は、駐車される車両に対応する幅及び長さを有する矩形領域である。各駐車スペース100は幅方向に並設されており、駐車場Pの地面に設けられた白線Lによって区画して形成されている。各駐車スペース100は同様の構成をなしているので、以下においては、一の駐車スペース100について説明する。
【0027】
駐車スペース100には、フラップ装置1、送電装置101及び車止め102が設けられている。フラップ装置1は、駐車スペース100の長さ方向中央部において、幅方向一端部側から中央部に亘って設けられている。
【0028】
フラップ装置1は、フラップ板10、土台部11、二つの支持部12を備える。二つの支持部12は箱状をなし、駐車スペース100の長さ方向中央部において、一方が駐車スペース100の幅方向一端部に位置し、他方が幅方向中央部に位置している。フラップ板10及び土台部11は、二つの支持部12間に架設されている。また、前記他方の支持部12には第1赤外線センサ16が設けられている。第1赤外線センサ16は、フラップ板10上の異物の存在を検出する。
【0029】
送電装置101は、送電部4、制御ユニット5及び接続部30を備える。送電部4は、フラップ装置1のフラップ板10と地面との間に配されている。制御ユニット5は、駐車スペース100の長さ方向一端部に設けられている。制御ユニット5は、地面に据え付けられた筐体50と、筐体50の上面に設けられた操作部51、通知部52、及び第2赤外線センサ53とを備える。
【0030】
操作部51により、利用者は送電装置101の充電開始、充電終了等の操作をする。また、通知部52は、液晶ディスプレイ及び音声装置等により形成され、送電装置101の運転状況、異常等を通知する。第2赤外線センサ53は、駐車スペース100に駐車される車両の存在を検出する。
【0031】
接続部30は、駐車スペース100の長手方向に沿って長く、制御ユニット5及び送電部4を接続する。接続部30は、制御ユニット5及び送電部4間に架設され、これらを電気的に接続する配線(不図示)を内部に収容している。なお、接続部30は、地中に埋設されていてもよい。
【0032】
車止め102は、フラップ装置1と、制御ユニット5との間に設けられている。車止め102は二つの直方体のブロック20を有し、長さ方向を、駐車スペース100の幅方向に沿わせて、所定距離離隔して並べて配されている。接続部30は、二つのブロック20の間を通るように配されている。
【0033】
車両103が駐車スペース100に進入した場合、二つのブロック20に車両103の二つの後輪又は前輪夫々に当接し、車両103は、それ以上侵入することができなくなり、また、車両103の運転者は駐車スペース100内に車両103を駐車できたことを認識する。
【0034】
精算機200は、駐車スペース100の近傍にて設置されており、駐車スペース100の利用者がその利用に係る料金又は後述する車両の充電の料金の精算を行う装置である。精算機200は、精算料金の表示等を行う表示部201と、利用者が料金を投入する投入口、カードを挿入する挿入口等を含み、精算機200における操作を行う操作部202とを備える。
【0035】
また、精算機200は、精算等における演算処理を行う精算制御装置203を備え、精算制御装置203は、操作部202からの操作による入力を受け付け、また、表示部201における表示を制御する。精算制御装置203は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等により構成される制御部、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random access memory)等を含む記憶部等により構成されている。
【0036】
図2は、駐車スペース100に車両103が進入した状態を示す模式図である。
図3は、フラップ装置1の作動を示す模式図である。フラップ装置1の土台部11は、駐車スペース100の幅方向に長いブロック状をなしており、断面が略直角三角形状である。土台部11は、三角形の斜辺部分が駐車スペース100の他端側を向くように地面に配されている。
【0037】
フラップ板10は、駐車スペース100の幅方向に沿って長い板状をなし、一の長辺部を土台部11の上側部分に沿わせて、他の長辺部を地面に沿わせて配されている。フラップ板10は、非金属製であり、例えば、繊維強化プラスチック、炭素繊維強化プラスチック等の樹脂製、セラミック製、又はその他の非金属材料製である。なお、フラップ板10においては、送電コイル410から受電コイル72に送電を行う場合に送電コイル410及び受電コイル72間に位置する部分が非金属製であれば、全体が非金属製であってもよく、一部だけが非金属製であってもよい。
【0038】
二つの支持部12間には、フラップ板10の一の長辺部を貫通する軸体13が軸回りに回動可能に設けられている。フラップ板10は該軸体13に固定されており、軸体13の回動に伴って上側に所定角度回転可能である。支持部12内には、軸体13を回転させるための後述するフラップ用モータ14が収容されている。
【0039】
フラップ装置1には、フラップ板10における軸体13の反対側部分が地面側に位置する第1状態と、該反対側部分が、フラップ板10の回転により地面から離隔する第2状態とがある。第2状態におけるフラップ板10の最大回転角は、地面に対して90度以下である。これにより、土台部11を乗り越えて駐車スペース100に進入した車両103が、フラップ装置1を乗り越えて駐車スペース100から離脱する場合に、後輪を係止してこれを防止する。また、フラップ装置1は、フラップ板10が限界まで回転した場合であっても、駐車スペース100に駐車される車両103の車体の下面に接触しないように設けられている。
【0040】
送電部4は、扁平な箱体40と、該箱体40に収容されている送電コイル410、支持板411及び後述の送電制御部42とを有する。送電コイル410は、支持板411上に配されている。支持板411は、フェライト又は軟磁性金属材料により形成されている。制御ユニット5から送電コイル410に電流を供給する信号が送電部4に出力される。
【0041】
図2に示すように、車両103は、バッテリ70と、該バッテリ70に接続されている受電制御部71と、該受電制御部71に接続されている受電コイル72を備える。受電コイル72は車両の車体の下側に配されており、受電制御部71は、受電コイル72から送られてくる電流のバッテリ70への供給を制御する。
【0042】
車両103は、フラップ装置1を乗り越え、後輪を車止め102に当接させて駐車されている。このとき、車両103の受電コイル72が、駐車スペース100における送電コイル410に対向している。この状態において、送電制御部42(
図4参照)から送電コイル410に電流が流れ、受電コイル72及び受電制御部71を介して車両103のバッテリ70が充電される。支持板411により、送電コイル410及び後述の受電コイル72における送受電において、効率よく磁力線を集束して電力伝送効率を上げ、また、ノイズの発生を抑制することができる。
【0043】
図4は、送電装置101の制御系の構成を示すブロック図である。制御装置6は、制御部60と、記憶部61と、RAM62と、通信部63と、計時部64と、第1入出力部65及び第2入出力部66とを有する。制御部60、記憶部61、RAM62、通信部63、計時部64、第1入出力部65及び第2入出力部66は互いに接続されており、信号の送受信を行う。
【0044】
制御部60は、CPU又はMPU等により構成してあり、記憶部61に予め記憶された送電プログラム610及びデータを読み出して実行することにより、種々の制御処理及び演算処理等を行う。これにより、制御部60は、送電装置101全体の動作を制御する。
【0045】
記憶部61は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)又はフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ素子により構成してあり、制御プログラム及び処理時に参照するデータがあらかじめ記憶してある。
【0046】
記憶部61に記憶された送電プログラム610は、制御部60が読み取り可能な記録媒体から読み出されたプログラムを記憶したものであってもよい。また、通信部63に接続されている図示しない外部コンピュータから制御プログラムをダウンロードされたものであってもよい。
【0047】
RAM62は、制御部60の送電処理等において行った演算の結果などを一時的に記憶する。通信部63は、例えば、車両103の受電制御部71、送電装置101を管理する管理センター等と無線通信を行い、バッテリ70の充電に関する情報の送受信を行う。
【0048】
計時部64は、例えばタイマであり、時間の計測を行う。第1入出力部65は、送電制御部42、通知部52、第2赤外線センサ53、操作部51に接続されている。操作部51からの入力に係る信号は、第1入出力部65を介して制御装置6に入力され、これに基づいて、制御部60は送電の開始、終了等に係る信号を送電制御部42に送信する。
【0049】
送電制御部42は、送電コイル410に接続されており、制御部60からの信号に従って、送電コイル410に電流を流す。制御部60は、操作部51から入力された信号を、第1入出力部65を介して通知部52に出力し、これにより、通知部52は、充電に関する情報を利用者に通知する。第2赤外線センサ53はフラップ制御装置15に接続され、車両103等を検知した場合に検知信号をフラップ制御装置15に送信する。
【0050】
第2入出力部66は、精算機200及びフラップ装置1に接続されている。制御部60は、第2入出力部66を介して、精算機200における料金の精算の完了等の情報を取得する。
【0051】
フラップ装置1は、軸体13を駆動するフラップ用モータ14の制御等を行うフラップ制御装置15を備える。フラップ制御装置15は、制御ユニット5の制御装置6と信号の送受信が可能である。制御部60は、第2入出力部66を介して、フラップ制御装置15にフラップ用モータ14の駆動及び解除信号を出力する。また、制御部60は、第1赤外線センサ16からフラップ制御装置15及び第2入出力部66を介して入力された信号に基づいて、フラップ装置1上に異物があるか否かを判定する。
【0052】
なお、制御ユニット5の第2赤外線センサ53によりフラップ板10上の異物を検知してもよく、フラップ装置1の第1赤外線センサ16により車両103を検知してもよい。また、第2赤外線センサ53及び第1赤外線センサ16のいずれか一方のみを設ける構成であってもよい。更に、第2赤外線センサ53及び第1赤外線センサ16夫々に代えて、カメラ等を配置して、異物、車両103の検出を行ってもよい。
更に第1入出力部65及び第2入出力部66は、一体に形成されていてもよい。
【0053】
制御部60は、下記の送電処理を行う。
図5は、制御部60が実行する送電処理の手順を示すフローチャートである。本送電処理により車両103のバッテリ70の充電が行なわれる。
【0054】
制御部60は、計時部64に計時を開始させる(S1)。その後、制御部60は、駐車スペース100における車両103が駐車されたか否かを、第2赤外線センサ53から取得した情報に基づいて判定する(S2)。制御部60が駐車されていないと判定した場合(S2:NO)、所定時間が経過したか否かを判定する(S3)。
【0055】
制御部60は、所定時間が経過したと判定した場合(S3:YES)、フラップ制御装置15にフラップ用モータ14の駆動信号を送信して駆動させ第2状態にした後、解除信号を送信して、フラップ板10を第1状態に戻し(S4)、処理をステップS1に戻す。このとき、計時部64のタイマはリセットされる。
図3に示すように、フラップ板10上に異物105が存在している場合、フラップ装置1が作動することにより、フラップ板10の回転による力及び傾斜で異物105が落下し、フラップ板10上の異物を排除できる。制御部60は、所定時間が経過していないと判定した場合(S3:NO)、処理をステップS2に戻す。
【0056】
制御部60は、車両103が駐車されたと判定した場合(S2:YES)、フラップ制御装置15にフラップ装置1の駆動信号を送信して第2状態にして、車両103をロックする(S5)。その後、制御部60は、充電開始信号を受けたか否かを判定する(S6)。ここで、充電開始信号とは、制御ユニット5の操作部51において、利用者が充電開始の操作をした場合に操作部51から第1入出力部65を介して制御部60に送信される信号を指す。
【0057】
制御部60は、充電開始信号を受信していないと判定した場合(S6:NO)、精算機200から第2入出力部66を介して情報を取得して料金の精算が完了したか否かを判定する(S7)。制御部60は、料金の精算が行われていないと判定した場合(S7:NO)、処理をステップS6に戻す。制御部60は、料金の精算が行われたと判定した場合(S7:YES)、フラップ装置1の解除信号を出力し、フラップ装置1のフラップ板10を第1状態に戻し(S8)、処理を終了する。
【0058】
制御部60は、充電開始信号を受信したと判定した場合(S6:YES)、第1赤外線センサ16から情報を取得し、フラップ装置1のフラップ板10上に異物があるか否かを判定する(S9)。制御部60は、フラップ装置1のフラップ板10上に異物があると判定した場合(S9:YES)、充電できない旨の信号を通知部52に送信し、通知部52から利用者に対して通知を行った後(S10)、処理をステップS7に進める。
【0059】
制御部60は、フラップ装置1のフラップ板10上に異物がないと判定した場合(S9:NO)、送電制御部42に信号を送信し、充電を開始させる(S11)。その後、制御部60は、充電終了信号を受信したか否かを判定する(S12)。ここで、充電終了信号は、利用者が、充電終了を意図して操作部51を操作したことにより入力される信号、又は車両103が、バッテリ70が満充電又は定められた分量の充電が完了した場合に、受電制御部71から制御部60に通信部63を介して送信される信号である。
【0060】
制御部60は、充電終了信号を受信したと判定した場合(S12:YES)、送電制御部42に停止信号を送信して送電を終了し(S13)、処理をステップS7に進める。このとき、精算機は、料金の算出を駐車料金+電力×単価により計算する。制御部60は、充電終了信号を受信していないと判定した場合(S12:NO)、料金の精算が行われたか否かを判定する(S14)。
【0061】
制御部60は、料金の精算が行われていないと判定した場合(S14:NO)、処理をステップS12に戻す。制御部60は、料金の精算が行われたと判定した場合(S14:YES)、送電制御部42に停止信号を送信して送電を終了し(S15)、処理をステップS8に進めた後、処理を終了する。
【0062】
上記の構成によれば、駐車スペース100に車両103が駐車される度に、フラップ装置1は車両103の抜け出し防止のために立ち上がるので、フラップ板10の回転により異物を取り除くことができる。これにより、送電コイル410及び受電コイル72間の異物を排除することができ、良好にバッテリ70の充電を行うことができる。また、送電部4がフラップ板10に覆われているので、箱体40に異物が付着しにくい。また、車両103が長期間、駐車されていない場合において、定期的にフラップ装置1のフラップ板10を作動させることで、異物を排除することができる。
【0063】
(実施形態2)
実施形態2はフラップ板10及び箱体40上の異物を排除する装置を備える。
図6は、実施形態2に係るフラップ装置1及び送電部4を示す図である。実施形態2に係る送電装置101の構成について、実施形態1と同様な構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0064】
実施形態2に係る送電部4は、回転除去装置43を備える。
図7は、回転除去装置43の平面図である。回転除去装置43は、回転軸部430、ブレード431及び第2モータ432を備える。回転軸部430は、箱体40の中央部において、送電コイル410の内側に同軸に配され、支持板411を貫通して一端部が箱体40の外側に突出している。ブレード431は棒状であり、長手方向が箱体40における上面に接するように、回転軸部430の一端部に固定されている。ブレード431は、箱体40の中央部から外縁部までの距離よりも長い。なお、ブレード431の下面にブラシを設けてもよい。回転軸部430の他端部は第2モータ432に接続されており、回転軸部430は第2モータ432の回転に伴って回転する。
【0065】
送電制御部42は制御ユニット5からの駆動信号及び停止信号により第2モータ432の回転を制御する。第2モータ432の回転により、回転軸部430の軸回りにブレード431が回転する。ブレード431の回転により、箱体40の上面にある異物を排除できる。
【0066】
更に、フラップ板10の上面には送風ノズル120が設けられている。制御ユニット5からの駆動信号及び停止信号により制御されるブロワなどの送風装置(不図示)の作動により、送風ノズル120の送風口121から風を送出する。これにより、フラップ板10上にある異物を排除できる。
【0067】
図8は、送電処理の手順を示すフローチャートである。制御部60は、計時部64に計時を開始させる(S20)。その後、制御部60は、駐車スペース100における車両103が駐車されたか否かを、第2赤外線センサ53から取得した情報に基づいて判定する(S21)。制御部60が駐車されていないと判定した場合(S21:NO)、所定時間が経過したか否かを判定する(S22)。
【0068】
制御部60は、所定時間が経過したと判定した場合(S22:YES)、フラップ装置1を駆動させてフラップ板10を回転させ第2状態にする(S23)。その後、送風ノズル120から所定時間送風した後(S24)、回転除去装置43を駆動して、ブレード431を所定時間回転(例えば1回転)させ、送電部4の箱体40の上面の異物を排除する(S25)。
【0069】
その後制御部60は、フラップ装置1の解除信号を送信して、フラップ板10を第1状態に戻し(S26)、その後処理をステップS20に戻す。制御部60は、所定時間が経過していないと判定した場合(S22:NO)、処理をステップS21に戻す。
【0070】
制御部60は、車両103が駐車されたと判定した場合(S21:YES)、また、フラップ装置1を駆動してフラップ板10を回転させて第2状態にして車両103をロックし(S27)、送風ノズル120からの所定時間送風を行う(S28)。その後、制御部60は、回転除去装置43の第2モータ432に駆動信号を送信して、ブレード431を所定時間回転させ(S29)、充電開始信号を受けたか否かを判定する(S30)。
【0071】
S30以降の処理は、実施形態1におけるS6以降の処理と同様であるので、その詳細な説明は省略する。なお、送風ノズル120からの送風、フラップ装置1及び回転除去装置43の駆動順序は本態様に限られず、いかなる順序であってもよい。
【0072】
以上の構成によれば、送風ノズル120からの送風により、フラップ板10の上面の異物を除去できる。フラップ装置1の駆動の後、回転除去装置43の駆動を行うことにより、送電部4の箱体40の上面の異物を排除することができ、送電コイル410及び受電コイル72の間の異物をより良好に排除することができる。これにより、バッテリ70の充電をより良好に行なうことができる。
【0073】
なお、フラップ装置1を駆動させた後、第2赤外線センサ53又は第1赤外線センサ16により異物を検出しない場合には、送風ノズル120からの送風をさせないこととしてもよい。本実施形態においては、回転除去装置43及び送風ノズル120の両方を設けているが、いずれか一方だけを設ける構成であってもよい。
【0074】
(実施形態3)
実施形態3は実施形態1及び2と異なり、フラップ装置1のフラップ板10上に送電部4が設けられている。
図9は、実施形態3に係るフラップ装置1及び送電部4を示す模式図である。
図10は、フラップ装置1の作動を示す模式図である。実施形態3に係るフラップ装置1及び送電部4の構成について、実施形態1及び2と同様な構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0075】
フラップ板10の上面には、フラップ板10の長さ方向に延びる第1軸状体17aと、フラップ板10の幅方向に延びる溝18aとが設けられている。第1軸状体17aは、土台部11側に位置し、溝18aは、フラップ板10の上面にて、第1軸状体17aとその反対側との中間部に位置している。第1軸状体17aは、軸回りに回転可能である。フラップ板10の軸体13の周面及び第1軸状体17aの周面には夫々ギア部が設けられており、フラップ板10は該ギア部夫々に噛合う中間ギア19を備える。前記ギア部及び中間ギア19の噛合いにより、軸体13の回転に伴って第1軸状体17aが同じ方向に回転する。
【0076】
第1軸状体17aには棒状体17bが取り付けられている。棒状体17bは一端が第1軸状体17aに固定されており、第1軸状体17aの回転に伴って、回転して立ち上がる。棒状体17bの他端部には第1軸状体17aと同軸である第2軸状体17cが設けられている。送電部4の箱体40において、下面には、第2軸状体17cを軸回りに回動可能に支持する軸受17dが設けられている。送電部4は、実施形態2のブレード431、第2モータ432、回転軸部430を有する回転除去装置43を備え、同様に箱体40の上面の異物を排除する。
【0077】
箱体40の下部において、第2軸状体17cの反対側には、ローラ18bが取り付けられており、ローラ18bは溝18aに転動可能に収容されている。該溝18aの縁部には、例えば、内向きに突出する鍔(不図示)が設けられ、ローラ18bが溝から脱落しないように形成されている。
【0078】
上記の構成によれば、フラップ装置1の軸体13の回転に伴って、中間ギア19を介して第1軸状体17aを中心として、棒状体17bが回転する。このとき、棒状体17bの他端部は、第2軸状体17cを軸心として、軸受17dに対して回転できるので、棒状体17bが立ち上がる。ローラ18bが溝18a内を転動し、送電部4の箱体40が移動し、
図10に示すように、送電部4が地面に対して略平行になる。これにより、送電コイル410が受電コイル72に接近して対向することが可能となる。軸体13、第1軸状体17a、棒状体17b、第2軸状体17c、軸受17d、中間ギア19、溝18a及びローラ18bは、送電部4の位置を調整する調整部をなす。
【0079】
上記の構成によれば、フラップ装置1が駆動されるとともに、箱体40が、送電コイル410が受電コイル72に対向し、送電コイル410及び受電コイル72が接近する。したがって、バッテリ70の充電をより良好に行なうことができる。なお、回転除去装置43に代えて又はこれと共に、実施形態2と同様に送風ノズルを設けて、送風を行うことによりフラップ板10及び箱体40上の異物を除去してもよい。
【0080】
(実施形態4)
実施形態4は、実施形態1と異なり、フラップ装置及び車止めが一体となっている。実施形態4に係る送電装置101の構成について、実施形態1と同様な構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図11は、実施形態4に係る駐車スペース100を示す模式図である。駐車スペース100には、実施形態1と同様に、制御ユニット5、接続部30及び送電部4が設置されている。
【0081】
送電装置101は、一体としてユニットを形成している車止め部31、連結部32及びフラップ装置部33を備える。車止め部31、連結部32及びフラップ装置部33は、夫々制御ユニット5の筐体50と略同幅である。車止め部31は、単一のブロック状をなし、制御ユニット5に連なっている。
【0082】
フラップ装置部33は、実施形態1のフラップ装置1と同様の位置に配され、該フラップ装置1のフラップ板10と同様に回動するように構成されているフラップ板330、及び土台部331等を備える。なお、実施形態4に係るフラップ板330及び土台部331は、駐車スペース100の幅方向の一端部から他端部に亘って延びている。フラップ装置部33のフラップ板330は、送電部4を覆っている。連結部32は、車止め部31及びフラップ装置部33を連結し、接続部30を覆っている。
【0083】
以上の構成の実施形態4に係る送電装置101は、実施形態1の送電装置101と同様の動作で車両103のバッテリ70を充電する。これにより、実施形態1と同様の効果を奏する。
【0084】
(実施形態5)
実施形態5においては、精算機200に駐車料金の精算及び送電処理が集約されている。実施形態5に係る送電装置101の構成について、実施形態1及び2と同様な構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0085】
図12は、実施形態5に係る駐車場を示す模式図である。駐車スペース100には、実施形態1と同様の構成の接続部30及び送電部4が設置されており、実施形態1と同様の構成の制御ユニット5が複数(図では3つ)駐車スペース100の外に位置している。また、接続部30は地中に埋設されている(
図12においては一の接続部30のみを図示)。なお、実施の形態5の制御ユニット5には、操作部51、通知部52、及び第2赤外線センサ53は設けられていない。また、制御ユニット5の台数は駐車スペース100及び送電部4の数に対応しており、3台に限られない。
【0086】
精算機200の精算制御装置203が、実施形態1と同様に、送電処理及び駐車料金の精算等を行う。精算制御装置203は、各制御ユニット5の制御装置6とデータの送受信が可能である。また、利用者は、操作部202において、駐車の手続きに加えて、駐車中における車両103の充電の開始、終了の入力が可能である。精算制御装置203は、操作部202における操作を受け付け、実施形態1と同様に車両のバッテリの充電に係る処理を行う。
【0087】
以上の構成により、駐車料金の精算及び充電処理をまとめて行うことができ、別々の場所での操作が不要となる。また、実施形態1と同様に、フラップ装置1のフラップ板10を回転させて異物を取り除いて、送電コイル410及び受電コイル72間の異物を排除することができ、良好にバッテリ70の充電を行うことができる。
【0088】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0089】
100 駐車スペース
101 送電装置
103 車両
105 異物
200 精算機(精算装置)
202 操作部
203 精算制御装置
1 フラップ装置
10、330 フラップ板
13 軸体(調整部の一部)
16 第1赤外線センサ(検出部)
17a 第1軸状体(調整部の一部)
17b 棒状体(調整部の一部)
17c 第2軸状体(調整部の一部)
17d 軸受(調整部の一部)
18a 溝(調整部の一部)
18b ローラ(調整部の一部)
19 中間ギア(調整部の一部)
4 送電部
40 箱体
410 送電コイル
51 操作部
60 制御部(駐車判定部、送電制御部)
70 バッテリ
72 受電コイル(受電部)
120 送風ノズル(異物除去部)