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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07B 13/00 20060101AFI20220928BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20220928BHJP
【FI】
G07B13/00 Z
G06Q50/30
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018186942
(22)【出願日】2018-10-01
(65)【公開番号】P2020057171
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-07-09
(73)【特許権者】
【識別番号】512200217
【氏名又は名称】株式会社Mobility Technologies
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(72)【発明者】
【氏名】米山 輝一
(72)【発明者】
【氏名】西村 泰保
(72)【発明者】
【氏名】山口 好久
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-036727(JP,A)
【文献】特開平09-073562(JP,A)
【文献】特開平01-155230(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 11/00-17/04
B60R 16/00-16/08
G06Q 10/00-10/10,
30/00-30/08,
50/00-50/20,
50/26-99/00
G06F 17/40,17/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タクシーメータと接続されるハーネスと接続され、前記タクシーメータからのメータ情報を受信するデータコネクタであって、複数の信号ラインを含むデータコネクタと、
前記複数の信号ラインのうち前記メータ情報が重畳する信号ライン以外の信号ラインである1又は複数の形式識別用ラインの信号に基づいて、前記メータ情報のデータ形式を識別するデータ形式識別部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記データ形式識別部が識別したデータ形式に応じて、前記メータ情報を解析するメータ情報解析部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記データ形式識別部が識別したデータ形式を示す形式情報及び前記メータ情報をサーバへ送信するメータ情報送信部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ハーネスは、前記タクシーメータと前記データコネクタとを接続、当該タクシーメータが出力する前記メータ情報のデータ形式に応じた配線となっており
前記ハーネスの配線によって、1又は複数の前記形式識別用ラインの信号が決定される、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ハーネスの前記タクシーメータ側のコネクタの形状は、前記タクシーメータの機種毎に異なる形状である、
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
タクシーメータと接続されるハーネスと接続され前記タクシーメータからのメータ情報を受信するデータコネクタに含まれる複数の信号ラインのうち前記メータ情報が重畳する信号ライン以外の信号ラインである1又は複数の形式識別用ラインの信号に基づいて、前記メータ情報のデータ形式を識別するデータ形式識別部として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タクシーに設置されたタクシーメータが取得するメータ情報に基づいて、売上管理あるいは労務管理などが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、タクシーに設置されたタクシーメータが取得したメータ情報(営業時系列データ)をサーバにアップロードし、端末から当該サーバにアクセスすることで、メータ情報を端末にダウンロード可能なシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-171566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
タクシーメータが出力するメータ情報には、様々なデータ形式がある。具体的には、メータ情報の記述の仕方が異なっていたり、メータ情報の内容が異なっていたりする。例えば、メーカあるいは機種が異なるタクシーメータからは、互いにデータ形式が異なるメータ情報が出力される。あるいは、タクシーメータが同一機種であっても、タクシーメータに接続される周辺機器が異なると、互いにデータ形式が異なるメータ情報が出力される場合もある。
【0006】
したがって、タクシーメータから出力されるメータ情報のデータ形式を識別せずに、メータ情報を画一的な方法で処理すると、メータ情報のデータ形式によっては適切に処理できない場合がある。もちろん、メータ情報を詳細に解析すれば、メータ情報のデータ形式を識別することはできるが、そのようにすると、メータ情報のデータ形式を識別するための解析処理が必要になってしまう。
【0007】
本発明の目的は、タクシーメータから出力されるメータ情報を解析することなく、メータ情報のデータ形式を識別することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、タクシーメータからのメータ情報を受信するデータコネクタであって、複数の信号ラインを含むデータコネクタと、前記複数の信号ラインのうち前記メータ情報が重畳する信号ライン以外の信号ラインである1又は複数の形式識別用ラインの信号に基づいて、前記メータ情報のデータ形式を識別するデータ形式識別部と、を備えることを特徴とする情報処理装置である。
【0009】
望ましくは、前記データ形式識別部が識別したデータ形式に応じて、前記メータ情報を解析するメータ情報解析部と、をさらに備えることを特徴とする。
【0010】
望ましくは、前記データ形式識別部が識別したデータ形式を示す形式情報及び前記メータ情報をサーバへ送信するメータ情報送信部と、をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
望ましくは、前記タクシーメータと前記データコネクタとを接続するハーネスであって、当該タクシーメータが出力する前記メータ情報のデータ形式に応じた配線となっているハーネス、をさらに含み、前記ハーネスの配線によって、1又は複数の前記形式識別用ラインの信号が決定される、ことを特徴とする。
【0012】
望ましくは、前記ハーネスの前記タクシーメータ側のコネクタの形状は、前記タクシーメータの機種毎に異なる形状である、ことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、コンピュータを、タクシーメータからのメータ情報を受信するデータコネクタであって、複数の信号ラインを含むデータコネクタと、前記複数の信号ラインのうち前記メータ情報が重畳する信号ライン以外の信号ラインである1又は複数の形式識別用ラインの信号に基づいて、前記メータ情報のデータ形式を識別するデータ形式識別部と、として機能させることを特徴とする情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、タクシーメータから出力されるメータ情報を解析することなく、メータ情報のデータ形式を識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態に係るメータ情報処理システムの構成概略図である。
図2】本実施形態に係るメータ情報中継装置の構成概略図である。
図3】メータ情報中継装置の正面図である。
図4】データコネクタの信号名を示す図である。
図5】ハーネスの配線例を示す図である。
図6】ハーネスの他の配線例を示す図である。
図7】データ形式対応情報の内容の例を示す図である。
図8】メータ情報中継装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0017】
図1には、本実施形態に係るメータ情報処理システム10の構成概略図が示されている。メータ情報処理システム10は、サーバ12、タクシーメータ14、情報処理装置としてのメータ情報中継装置16、及び携帯端末18を含んで構成されている。サーバ12と携帯端末18は、LANあるいはインターネットなどを含む通信回線20を介して通信可能に接続されている。
【0018】
サーバ12は、サーバコンピュータであり、ROM、RAM、あるいはハードディスクなどから構成される記憶部、通信モジュールなどから構成される通信部、及び、CPUなどから構成される制御部などを含んで構成される。なお、サーバ12はクラウドサーバであってもよく、すなわちサーバ12は複数のサーバコンピュータから構成されていてもよい。
【0019】
タクシーメータ14、メータ情報中継装置16、及び携帯端末18は、メータ情報処理システム10で管理されるタクシーに設置される。メータ情報処理システム10は複数のタクシーを管理することが可能であり、すなわち、タクシーメータ14、メータ情報中継装置16、及び携帯端末18の組は複数設けられてよい。
【0020】
タクシーメータ14は、タクシーに関する種々の情報を取得する装置である。タクシーメータ14には、液晶パネルなどから構成される表示部、あるいは、ボタンあるいはスイッチなどから構成される操作部を含んで構成される。
【0021】
例えば、タクシードライバーは、タクシーメータ14の操作部を操作することで、例えばタクシーの状態あるいは乗客の人数などをタクシーメータ14に入力することができる。タクシーの状態には、例えば、乗客が乗っていない状態である「空車」、乗客を乗せている状態である「賃走」、乗客の目的地に到着して乗客が支払いを行っている状態である「支払」、高速道路を走行中の状態である「高速」、無線などにより配車依頼を受けた状態である「迎車」などがある。また、タクシーメータ14の表示部には、タクシーの状態及び計算された運賃などが表示される。
【0022】
タクシーメータ14は、タクシーに関する種々の情報を取得する。タクシーに関する種々の情報とは、タクシーの状態、計算された運賃、タクシーの車速、乗客の人数、空車状態での走行距離、賃走状態での走行距離などが含まれる。もちろん、タクシーメータ14は、その他の情報を取得するようにしてもよい。
【0023】
また、タクシーメータ14は、上述のタクシーに関する各種情報を含むメータ情報を出力する。タクシーメータ14が出力するメータ情報は、複数のデータ形式が存在する。データ形式の違いとは、これに限定されるものではないが、各種情報の記載の仕方の違いであり、あるいは、メータ情報に含まれる情報の違いなどである。タクシーメータ14は、種々のメーカが製造する種々の機種があり、例えば、メーカの違いあるいは機種の違いにより、メータ情報のデータ形式が異なる。また、タクシーメータ14が同じ機種であったとしても、当該タクシーメータ14に接続される周辺機器の違いによって、当該タクシーメータ14が出力するメータ情報の形式が異なる場合もある。
【0024】
タクシーメータ14とメータ情報中継装置16は、ハーネス22で接続される。これにより、タクシーメータ14が出力したメータ情報は、ハーネス22を介してメータ情報中継装置16に渡される。メータ情報中継装置16及びハーネス22の詳細については後述する。
【0025】
携帯端末18は、例えばスマートフォンあるいはタブレット端末である。携帯端末18は、ROMあるいはRAMなどから構成される記憶部、通信モジュールなどから構成される通信部、ボタンあるいはタッチパネルなどから構成される入力部、液晶パネルなどから構成される表示部、及び、CPUあるいはマイクロコントローラなどから構成される制御部などを含んで構成される。
【0026】
メータ情報中継装置16と携帯端末18との間は、無線通信可能に接続されている。本実施形態では、メータ情報中継装置16及び携帯端末18はブルートゥース(登録商標)通信により無線通信を行う。具体的には、メータ情報中継装置16と携帯端末18は、予めペアリングされており、1対1の無線通信を行う。これにより、携帯端末18は、メータ情報中継装置16からメータ情報を受信する。また、携帯端末18は、無線通信により通信回線20を介してサーバ12と通信を行う。これにより、携帯端末18は、メータ情報中継装置16からのメータ情報をサーバ12に送信する。
【0027】
上述のように、メータ情報処理システム10においては、タクシーメータ14が取得したメータ情報は、メータ情報中継装置16及び携帯端末18を介してサーバ12に送信される。これにより、各タクシーに関するメータ情報がサーバ12に蓄積記憶される。ユーザは、サーバ12にアクセスすることで、各タクシーのメータ情報を参照でき、種々の解析、例えば、売上管理あるいは労務管理などのための解析を行うことができる。
【0028】
図2には、メータ情報中継装置16の構成概略図が示されている。
【0029】
電源コネクタ30は、メータ情報中継装置16の各部を動作させるための電力が供給されるコネクタである。本実施形態では、電源コネクタ30はUSBコネクタであり、タクシー本体からの電力がUSBケーブルを介してメータ情報中継装置16に供給される。なお、タクシー本体からの電力は、例えばシガーソケットにUSB端子への変換コネクタが接続され、当該変換コネクタと電源コネクタ30をUSBケーブルで接続することで、メータ情報中継装置16に供給される。
【0030】
データコネクタ32は、タクシーメータ14とメータ情報中継装置16とを繋ぐハーネス22が接続されるコネクタである。すなわち、データコネクタ32は、タクシーメータ14からのメータ情報を受信する。
【0031】
データコネクタ32は、複数の信号ラインを含んで構成される。本実施形態では、データコネクタ32は、図3のメータ情報中継装置16の正面図に示される通り、10本のピンを含んで構成される。なお、上述の電源コネクタ30は、メータ情報中継装置16の正面以外の面(例えば側面)に設けられている。データコネクタ32の複数の信号ラインは、タクシーメータ14からのメータ情報が重畳する信号ラインと、データコネクタ32が受信するメータ情報のデータ形式を識別するための信号ラインである形式識別用ラインを含んで構成される。
【0032】
図4にデータコネクタ32の各信号ライン(ピン)のピン番号と信号名が示されている。ピン番号1(TxD)及び2(RxD)は、メータ情報が重畳する信号ラインである。ピン番号3及び10(GND)はグラウンドラインであり、タクシーメータ14のグラインド電位とメータ情報中継装置16のグラインド電位を接続するためのラインである。ピン番号3から7(DI1~DI5)が形式識別用ラインである。各形式識別用ラインには、ハイ(H)電圧、すなわち基準電圧以上の電圧、又は、ロー(L)電圧、すなわち基準電圧未満の電圧のいずれかが重畳される。本実施形態では、形式識別用ラインは複数設けられているが、形式識別用ラインは少なくとも1本あればよい。なお、ピン番号9(Pout)は、電圧出力ラインでありメータ情報中継装置16から所定電圧が出力される。本実施形態では、ピン番号9には何も接続されない。
【0033】
本実施形態では、形式識別用ラインには、タクシーメータ14からハーネス22を介して信号が供給される。すなわち、タクシーメータ14は、メータ情報の他に、H電圧(例えば+12V)及びL電圧(例えばGND)を出力し、H電圧又はL電圧がハーネス22を介して各形式識別用ラインに供給される。
【0034】
ここで、ハーネス22の配線に応じて、各形式識別用ラインの信号が決定される。図5には、ハーネス22の配線によって形式識別用ラインの信号が異なる様子が示されている。例えば、図5(a)に示される通り、タクシーメータ14側のメータ情報出力コネクタにおいて、ピン番号1がTxD、ピン番号2がRxD、ピン番号3がGNDであってピン番号1~3においてメータ情報を出力し、ピン番号4からH電圧としての+12V、ピン番号5からL電圧としてのGNDが出力されるとする。
【0035】
この場合、図5(a)に示す通り、ハーネス22aの配線が、タクシーメータ14側コネクタの1~3番ピンとデータコネクタ32の1~3番ピンをストレートに接続し(メータ信号の信号ライン)、タクシーメータ14側コネクタの4番ピンとデータコネクタ32の4~6番ピンを接続し、タクシーメータ14側コネクタの5番ピンとデータコネクタ32の7、8、10番ピンを接続するものである場合、形式識別用ラインDI1、DI2、及びDI3の信号がHとなり、形式識別用ラインDI4及びDI5の信号がLとなる。
【0036】
また、図5(b)に示す通り、ハーネス22bの配線が、タクシーメータ14側コネクタの1~3番ピンとデータコネクタ32の1~3番ピンをストレートに接続し(メータ信号の信号ライン)、タクシーメータ14側コネクタの4番ピンとデータコネクタ32の4及び5番ピンを接続し、タクシーメータ14側コネクタの5番ピンとデータコネクタ32の6~8、及び10番ピンを接続するものである場合、形式識別用ラインDI1及びDI2の信号がHとなり、形式識別用ラインDI3、DI4、及びDI5の信号がLとなる。
【0037】
形式識別用ラインの信号は、データコネクタ32が受信するメータ情報のデータ形式を識別するための信号であり、ハーネス22の配線によって形式識別用ラインの信号が決定されるから、ハーネス22は、接続されるタクシーメータ14が出力するメータ情報のデータ形式に応じた配線のものが用いられる。例えば、タクシーメータ14の機種毎にメータ情報のデータ形式が異なるのであれば、それぞれ配線が異なるハーネス22が、タクシーメータ14の機種毎に用意され、タクシーメータ14の機種に応じた配線となっているハーネス22が使用される。例えば、機種Aのタクシーメータ14にはハーネスAが用いられ、機種Bのタクシーメータ14には、ハーネスAとは配線が異なるハーネスBが用いられる、などの如くである。もちろん、上述のように、タクシーメータ14が同機種であっても、周辺機器によってメータ情報のデータ形式が異なる場合は、タクシーメータ14の機種及びタクシーメータ14に接続されている周辺機器に応じた配線となっているハーネス22が使用される。
【0038】
好適には、ハーネス22のタクシーメータ14側のコネクタの形状は、タクシーメータ14の機種毎に異なる形状となっている。これにより、例えば機種Aのタクシーメータ14用のハーネス22は、機種Bのタクシーメータ14には接続できないこととなる。つまり、タクシーメータ14の機種に対応していないハーネス22が使用されることが確実に防止される。
【0039】
本実施形態では、形式識別用ラインには、タクシーメータ14から信号が供給されていたが、形式識別用ラインには、メータ情報中継装置16側から信号が供給されてもよい。例えば、形式識別用ラインの信号を図5(a)と同じにしたい場合には、図6に示すように、タクシーメータ14側コネクタの1~3番ピンとデータコネクタ32の1~3番ピンをストレートに接続し(メータ信号の信号ライン)、データコネクタ32の9番ピン(H電圧としてのPout)とデータコネクタ32の4~6番ピンを接続し、データコネクタ32の10番ピン(L電圧としてのGND)とデータコネクタ32の7及び8番ピンを接続する配線となっているハーネス22cを用いてもよい。
【0040】
図2に戻り、記憶部34は、例えばROMあるいはRAMなどを含んで構成される。記憶部34には、メータ情報中継装置16の各部を動作させるための情報処理プログラムが記憶される。また、図2に示される通り、記憶部34には、データ形式対応情報36が記憶される。
【0041】
データ形式対応情報36は、上述の形式識別用ラインの信号と、メータ情報のデータ形式との対応が示されている情報である。本実施形態では、データコネクタ32は、複数の形式識別用ラインを有しているため、データ形式対応情報36は、複数の形式識別用ラインの信号(H又はL)の組み合わせと、メータ情報のデータ形式との対応を示すものとなっている。
【0042】
図7に、データ形式対応情報36の内容の例が示されている。図7の例では、各メーカが1種類のタクシーメータ14のみ製造していること、及び、機種毎にメータ情報のデータ形式が異なることを前提としていることから、メータ情報のデータ形式としてメーカの名称と、複数の形式識別用ラインの信号の組み合わせとの対応が示されている。もちろん、データ形式対応情報36においては、メーカの名称に代えて、タクシーメータ14の機種名、あるいは、タクシーメータ14の機種名とそれに接続された周辺機器との組に対して、複数の形式識別用ラインの信号の組み合わせとの対応が示されていてもよい。
【0043】
再度図2に戻り、メータ情報処理部38は、例えばマイクロコントローラなどを含んで構成される。メータ情報処理部38は、データコネクタ32が受信したメータ情報を処理する。図2に示される通り、メータ情報処理部38は、データ形式識別部40及びメータ情報解析部42としての機能を発揮する。
【0044】
データ形式識別部40は、データコネクタ32の形式識別用ラインの信号と、データ形式対応情報36とに基づいて、データコネクタ32が受信したメータ情報のデータ形式を識別する。具体的には、データ形式識別部40は、データコネクタ32の複数の形式識別用ラインの電圧を読み取り、それらがH電圧なのかL電圧なのかを判定する。その上で、各複数の形式識別用ラインの信号の組み合わせに該当するデータ形式(本実施形態ではメーカ名)をデータ形式対応情報36に基づいて特定する。
【0045】
例えば、データ形式対応情報36の内容が図7に示されたものであり、形式識別用ラインDI1、DI2、及びDI3の信号がHであり、形式識別用ラインDI4及びDI5の信号がLである場合には、データ形式識別部40は、タクシーメータ14はA社製のものであり、すなわち、データコネクタ32が受信したメータ情報のデータ形式は、A社のデータ形式であると識別する。
【0046】
メータ情報解析部42は、データ形式識別部40が識別したデータ形式に応じて、メータ情報を解析する。具体的には、メータ情報解析部42は、メータ情報のデータ形式に基づくメータ情報の整形処理(例えば必要な情報だけを取り出す処理)などを実行する。
【0047】
通信部44は、例えばネットワークアダプタなどを含んで構成される。通信部44は、データコネクタ32が受信し、メータ情報処理部38によって処理されたメータ情報を携帯端末18へ送信し、携帯端末18は当該メータ情報をサーバ12に転送する。これにより、データ形式に応じて処理されたメータ情報がサーバ12へ蓄積される。なお、メータ情報処理部38は、処理したメータ情報をバッファ(不図示)に蓄積し、通信部44は、当該バッファからメータ情報を読み出して携帯端末18へ送信するようにしてもよい。
【0048】
本実施形態では、メータ情報解析部42がメータ情報のデータ形式に応じて当該メータ情報を処理した上で、通信部44が携帯端末18を介してサーバ12に送信していたが、メータ情報のデータ形式に応じた当該メータ情報に対する処理はサーバ12が実行してもよい。その場合は、メータ情報解析部42は処理を行わず、通信部44は、データコネクタ32が受信した未処理のメータ情報と、データ形式識別部40が識別した当該メータ情報のデータ形式を示す形式情報とを関連付けて、携帯端末18を介してサーバ12に送信するようにしてもよい。このように、通信部44は、メータ情報送信部としても機能する。形式情報と未処理のメータ情報を受信したサーバ12は、形式情報が示すデータ形式に基づいて、当該メータ情報を解析することができる。
【0049】
なお、本実施形態では、通信部44は、携帯端末18を介してサーバ12にメータ情報(あるいは形式情報)を送信していたが、通信部44が直接サーバ12と通信し、通信部44は携帯端末18を介さずにメータ情報などをサーバ12へ送信するようにしてもよい。
【0050】
メータ情報中継装置16の構成概要は以上の通りである。メータ情報中継装置16によれば、データコネクタ32が有する複数の信号ラインのうち、メータ情報が重畳する信号ライン以外の信号ラインである形式識別用ラインの信号に基づいて、当該メータ情報のデータ形式が識別される。したがって、メータ情報中継装置16は、メータ情報を解析することなく、当該メータ情報のデータ形式を識別することができる。
【0051】
また、形式識別用ラインの信号は、タクシーメータ14とメータ情報中継装置16とをつなぐハーネス22の配線によって決定される。したがって、メータ情報のデータ形式に応じた配線のハーネス22を正しく使用する限りにおいて、ユーザ(例えばタクシードライバー)は、別途設定(例えばディップスイッチの設定)をする必要なく、当該メータ情報のデータ形式が識別される。
【0052】
さらに、ハーネス22のタクシーメータ14側のコネクタは、タクシーメータ14の機種毎に異なる形状となっているから、タクシーメータ14の機種に対応していないハーネス22が当該タクシーメータ14に接続されることがない。つまり、タクシーメータ14の機種に応じた正しいハーネス22を確実に使用させることができ、これにより、メータ情報中継装置16がデータ形式を誤って識別することが防止される。
【0053】
以下、図8に示すフローチャートに従って、メータ情報中継装置16におけるメータ情報の中継処理の流れについて説明する。
【0054】
ステップS10において、データコネクタ32は、タクシーメータ14からメータ情報を受信する。それと共に、データコネクタ32の形式識別用ラインには、ハーネス22を介して、H電圧又はL電圧が供給される。
【0055】
ステップS12において、データ形式識別部40は、形式識別用ラインの信号及びデータ形式対応情報36に基づいて、ステップS10で受信したメータ情報のデータ形式を識別する。
【0056】
ステップS14において、メータ情報解析部42は、ステップS12で識別されたデータ形式に応じて、当該メータ情報を解析する。
【0057】
ステップS16において、通信部44は、ステップS14で処理されたメータ情報を携帯端末18を介してサーバ12に送信する。
【0058】
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0059】
10 メータ情報処理システム、12 サーバ、14 タクシーメータ、16 メータ情報中継装置、18 携帯端末、20 通信回線、30 電源コネクタ、32 データコネクタ、34 記憶部、36 データ形式対応情報、38 メータ情報処理部、40 データ形式識別部、42 メータ情報解析部、44 通信部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8