(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】電気駆動のガスブースター
(51)【国際特許分類】
F04B 35/04 20060101AFI20220928BHJP
F04B 27/02 20060101ALI20220928BHJP
F04B 39/06 20060101ALI20220928BHJP
F04B 49/06 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
F04B35/04
F04B27/02 A
F04B39/06 A
F04B49/06 331Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018238024
(22)【出願日】2018-12-20
【審査請求日】2021-03-22
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518399623
【氏名又は名称】ハスケル・インターナショナル・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Haskel International, LLC
【住所又は居所原語表記】100 East Graham Place, Burbank, California 91502, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・エイ・バロウズ
【審査官】大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-281056(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0219763(US,A1)
【文献】特開平10-288158(JP,A)
【文献】米国特許第06068448(US,A)
【文献】特開2007-120341(JP,A)
【文献】特開2007-056766(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0271262(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 35/04
F04B 27/02
F04B 39/06
F04B 49/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスの圧力を上昇させるためのガスブースターにおいて、
第1のガスシリンダであって、
第1のロッドを有する第1のピストン、
第1のチャンバ
および前記第1のピストンの前記第1のチャンバと反対側に配置された第2のチャンバ、
前記第1のチャンバの第1の端部におけるエンドキャップであって、第1の入口逆止弁、第1の出口逆止弁、第1の導管、および第2の導管を含み、前記第1の導管の端部は前記第1の入口逆止弁に連結され、前記第1の導管の別の端部は前記第1の出口逆止弁に連結され、前記第2の導管は、前記第1の導管に連結され、前記第1のチャンバへの出口を有する、エンドキャップ、
前記第1のピストンを駆動する駆動装置を収容する駆動ハウジングに、前記第1のガスシリンダを連結する、前記第1のチャンバの第2の端部におけるアダプタであって、第2の入口逆止弁、第2の出口逆止弁、第3の導管、および第4の導管を含み、前記第3の導管の端部は前記第2の入口逆止弁に連結され、前記第3の導管の別の端部は前記第2の出口逆止弁に連結され、前記第4の導管は、前記アダプタの中央部で前記第1のロッドの少なくとも一部を取り囲み、前記第1のロッドの軸に沿って延び、前記第4の導管は、前記第3の導管に連結され、前記第2のチャンバへの出口を有し、前記エンドキャップが、前記アダプタに対する前記エンドキャップの位置を維持する複数のタイロッドによって前記アダプタに取り付けられる、アダプタ、を含み、
前記第1のピストンは、
(a)第1の圧力で前記第1の入口
逆止弁を通じて前記第1のチャンバ内に前記ガスを引き込み、また、前記第1の圧力より高い第2の圧力で前記第1の出口
逆止弁を通じて前記第1のチャンバから前記ガスを押し出すように、
および、(b)前記第1の圧力で前記第2の入口逆止弁を通じて前記第2のチャンバ内に前記ガスを引き込み、また、前記第1の圧力より高い第3の圧力で前記第2の出口逆止弁を通じて前記第2のチャンバから前記ガスを押し出すように、前記第1のガスシリンダ内部で作動可能である、第1のガスシリンダ
を備え、
前記駆動装置は、電気エネルギーを直線運動に変換するように構成された電気モータを含
み、前記電気モータは、
前記第1の
ロッドによって前記第1のガスシリンダの前記第1のピストンに連結されて前記第1のピストンを作動させる
、ガスブースター。
【請求項2】
請求項1に記載のガスブースターにおいて、
前記電気モータは、ボールねじ駆動装置を含む、ガスブースター。
【請求項3】
請求項1に記載のガスブースターにおいて、
前記第1の
ロッドは、第1の端部および第2の端部
を含み、
前記第1のピストンが前記電気モータの前記直線運動により並進運動するよう構成されるように、前記第1の端部は、前記電気モータと連結され、前記第2の端部は、前記第1のガスシリンダの前記第1のピストンと連結されている、ガスブースター。
【請求項4】
請求項1に記載のガスブースターにおいて、
前記第1の
入口逆止弁は、
前記ガスを前記第1の
ガスシリンダ内へ流れ込ませるように構成され
た第1の一方向逆止弁
を含み、
前記第1の出口逆止弁は、前記ガスを前記第1の
ガスシリンダから流出させるように構成され
た第2の一方向逆止
弁を含む、ガスブースター。
【請求項5】
請求項1に記載のガスブースターにおいて、
前記第1のガスシリンダは、前記第1のチャンバ内部の前記ガスの温度を下げるように構成されている、前記第1のチャンバの周りに位置付けられた冷却ジャケットを含む、ガスブースター。
【請求項6】
請求項1に記載のガスブースターにおいて、
前記ガスブースターは、第2のガスシリンダを含み、前記第2のガスシリンダは、
第
3の入口および第
3の出口を有する第
3のチャンバと、
前記第2のガスシリンダ内部で作動可能な第2のピストンと、
を含み、
前記第2のピストンは
、前記第
3の入口を通じて前記第
3のチャンバ内に
前記第1のガスシリンダの前記第1の出口逆止弁または前記第2の出口逆止弁を通じて出力された前記ガスを引き込み、前記第2の圧力
または前記第3の圧力より高い第
4の圧力で前記第
3の出口を通じて前記第
3のチャンバから前記ガスを押し出すように構成され、
前記電気モータは
、機械的接続部によって前記第2のガスシリンダの前記第2のピストンに連結されて、前記第2のピストンを作動させる、ガスブースター。
【請求項7】
請求項
6に記載のガスブースターにおいて、
前
記機械的接続部は、第1の端部および第2の端部を有す
る第2のロッドを含み、
前記第2のピストンが前記電気モータの前記直線運動によって並進運動するよう構成されるように、前記第1の端部は、前記電気モータと連結され、前記第2の端部は、前記第2のガスシリンダの前記第2のピストンと連結されている、ガスブースター。
【請求項8】
請求項
6に記載のガスブースターにおいて、
前記ガスブースターは、前記第1のガスシリンダの前記第1の出口
逆止弁および前記第2の出口逆止弁を前記第2のガスシリンダの前記第
3の入口と流体連結する管を含み、
前記管は、前記第1のガスシリンダと前記第2のガスシリンダとの間で前記ガスの温度を下げるように構成された熱交換器を含む、ガスブースター。
【請求項9】
請求項
6に記載のガスブースターにおいて、
前記第1のガスシリンダおよび前記第2のガスシリンダの一方または両方は
、真空を引き込むように構成されている、ガスブースター。
【請求項10】
請求項1に記載のガスブースターにおいて、
前記電気モータを選択的に起動して、それによって前記
第1のピストンを作動させるようにプログラム可能であるコントロー
ラをさらに含む、ガスブースター。
【請求項11】
請求項
10に記載のガスブースターにおいて、
前記コントローラは、前記
第1のピストンの位置、前記
第1のピストンの最大力、前記
第1のピストンの速度、および前記
第1のピストンの加速度のうちの選択された1つ以上を選択的に制御するようにプログラム可能である、ガスブースター。
【請求項12】
請求項
10に記載のガスブースターにおいて、
前記コントローラは、インターネットを介した前記コントローラへの遠隔接続を可能にする無線性能を有する、ガスブースター。
【請求項13】
請求項
10に記載のガスブースターにおいて、
前記ガスブースターは、前記ガスブースターの圧力を測定するように構成された少なくとも1つの圧力センサを含み、
前記コントローラは、前記少なくとも1つの圧力センサからの測定された前記圧力に基づいて前記
第1のピストンを選択的に作動するようにプログラム可能である、ガスブースター。
【請求項14】
請求項1に記載のガスブースターにおいて、
前記第1のピストンと前記第1のガスシリンダの間に配置された双方向シールをさらに含む、ガスブースター。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔技術分野〕
本開示は、ガスブースターポンプを駆動させる器具および方法に関する。
【0002】
〔発明の背景〕
ブースターポンプは、ガスなどの流体の圧力を上昇させるのに使用され得る。ブースターは一般的に、シリンダ内のガスを圧縮するためにモータによって駆動されるシリンダ内部に収容されたピストンを有する1つ以上のステージを含む。これによって、シリンダ内のガスの圧力を上昇させ得る。ブースターのモータは、典型的には空気または油圧式組立体によって駆動される。
【0003】
例えば、2ステージブースター(40)の一例が
図1A~
図1Cに示されており、これは、低圧シリンダ(60)内部に収容された低圧ピストン(66)と、高圧シリンダ(70)内部に収容された高圧ピストン(76)と、を含む。これらのピストン(66、76)はそれぞれ、駆動ピストン(56)を含むモータ(50)によって作動され得る。例示された実施形態では、低圧ピストン(66)は、低圧ロッド(51)によって駆動ピストン(56)に連結され、高圧ピストン(76)は、高圧ロッド(53)によって駆動ピストン(56)に連結される。したがって、駆動ピストン(56)が右側へと高圧シリンダ(70)に向かって並進運動させられると、低圧ピストン(66)は、低圧ロッド(51)によって右側に作動され、低圧シリンダ(60)にぶつかり、
図1Aに示すように、入口管(34)および低圧入口逆止弁(61)を通じて、低圧で低圧ガス貯蔵タンク(32)から低圧シリンダ(60)の低圧ガスチャンバ(64)内へと、ガスを引き込み得る。駆動ピストン(56)は、次に、
図1Bに示すように、左側へと、低圧シリンダ(60)に向かって並進運動され得る。これにより、低圧ピストン(66)を左側へと、低圧シリンダ(60)内で外側に作動させて、低圧ガスチャンバ(64)内のガスを中間圧力まで圧縮し、低圧出口逆止弁(62)を通じて低圧ガスチャンバ(64)からガスを押し出すことができる。ガスはその後、中間の管(69)を通って高圧シリンダ(70)まで移動し得る。低圧ピストン(66)が左側に作動されると、高圧ピストン(76)も、高圧ロッド(53)によって左側に作動され、高圧シリンダ(70)にぶつかり、高圧入口逆止弁(71)を通じて中間の管(69)から高圧シリンダ(70)の高圧ガスチャンバ(74)内にガスを引き込むことができる。駆動ピストン(56)は次に、
図1Cに示すように、再び右側に、高圧シリンダ(70)に向かって並進運動され得る。これにより、低圧ピストン(66)が再び右側に作動され、低圧シリンダ(60)にぶつかり、低圧ガス貯蔵タンク(32)から低圧シリンダ(60)の低圧ガスチャンバ(64)内にガスを引き込むことができる。高圧ピストン(76)も、高圧ロッド(53)によって右側へと、高圧シリンダ(70)内で外側に並進運動して、高圧ガスチャンバ(74)内のガスを高圧まで圧縮し、高圧出口逆止弁(72)を通じて高圧ガスチャンバ(74)から、出口管(38)を通じて高圧ガス貯蔵タンク(36)に、ガスを押し出すことができる。ピストン(56、66、76)は、循環し続けることによって、ブースター(40)からの高圧ガスの流れを生成し得る。いくつかの変形体では、熱交換器(68、78)および/または冷却ジャケット(65、75)が、中間の管(69)および/またはガスシリンダ(60、70)の周辺に設けられて、ガスを冷却する。
【0004】
このようなブースター(40)のモータ(50)は、典型的には、別個の空気または油圧式システムによって駆動される。例えば、
図1A~
図1Cは、ブースター(40)のための別個の駆動システム(20)の例を示し、これは、駆動管(21)によって駆動ポンプ(24)に連結された供給源タンク(22)を含む。駆動ポンプ(24)は次に、第1の管(23)により低圧シリンダ(60)に隣接するモータ(50)の第1のチャンバ(52)に、また、第2の管(25)により高圧シリンダ(70)に隣接するモータ(50)の第2のチャンバ(54)に、連結され得る。供給源タンク(22)は、空気または油圧流体のいずれかである流体を含み、これは、駆動ポンプ(24)によってモータ(50)の第1のチャンバ(52)または第2のチャンバ(54)に送られて、モータ(50)を作動させることができる。したがって、駆動ポンプ(24)が流体を第1のチャンバ(52)内に送ると、駆動ピストン(56)は、右側へ、高圧シリンダ(70)に向かって並進運動し得る。駆動ポンプ(24)が流体を第2のチャンバ(54)内に送ると、駆動ピストン(56)は、左側へ、低圧シリンダ(60)に向かって並進運動し得る。流体は、チャンバ(52、54)から排出され、供給源タンク(22)に戻り、かつ/または大気に放出されてよい。このような空気または油圧式駆動システムは、別個の駆動システムの部品の量により、高価となり得、それらは、空気圧または油圧の低下により、エネルギー損失を被る場合がある。
【0005】
したがって、ガスブースターを駆動する、より有効な方法を提供する必要がある。
【0006】
〔発明の概要〕
別個の空気または油圧式駆動システムへの必要性を排除するために電気モータとガスピストンとの間に直接的な機械的接続部を有する、電気駆動のガスブースターが提供される。したがって、エアコンプレッサ、空気貯蔵タンク、圧縮空気輸送ライン、油圧式動力装置、油圧式貯蔵タンク、油圧弁、高圧油圧式配管などといった、別個の駆動システム機器がもはや必要なくなり得るので、機器費用を下げることができる。空気圧および油圧低下によるエネルギー損失も排除することができる。これによって、冷却および電気的な要件が減少した、より有効なガスブースターが提供され得る。
【0007】
一実施形態では、ガスの圧力を上昇させるためのガスブースターは、第1のガスシリンダと、駆動装置と、を含み得る。第1のガスシリンダは、第1の入口および第1の出口を有する第1のチャンバと、第1のガスシリンダ内部で作動可能な第1のピストンと、を含み得、第1のピストンは、第1の圧力で第1の入口を通じて第1のチャンバにガスを引き込み、また第1の圧力より高い第2の圧力で第1の出口を通じて第1のチャンバからガスを押し出すように、構成され得る。駆動装置は、電気エネルギーを直線運動に変換するように構成された電気モータを含み得、電気モータは、第1の機械的接続部によって第1のガスシリンダの第1のピストンに連結されて第1のピストンを作動させることができる。電気モータは、ボールねじ駆動装置(ball screw drive)を含み得る。第1の機械的接続部は、第1の端部および第2の端部を有するロッドを含んでよく、第1のピストンが、電気モータの直線運動により並進運動するよう構成されるように、第1の端部は電気モータと連結され、第2の端部は第1のガスシリンダの第1のピストンと連結されている。第1のガスシリンダは、第1のガスシリンダの第1の端部分にアダプタを含み得、アダプタは、駆動装置に対する第1のガスシリンダの位置を維持するために駆動装置のハウジングと連結可能である。第1のガスシリンダは、第1のガスシリンダの第2の端部分に端部キャップを含み得、複数のタイロッドが、端部キャップとアダプタとの間に位置付けられて、アダプタに対する端部キャップの位置を維持する。第1のガスシリンダは、ガスを第1のチャンバ内へ流れ込ませるように構成された、第1の入口における第1の一方向逆止弁と、ガスを第1のチャンバから流出させるように構成された、第1の出口における第2の一方向逆止弁と、を含み得る。第1のガスシリンダは、第1のピストンの、第1のチャンバとは反対側に第2のチャンバを含み得、第2のチャンバは、第2の入口および第2の出口を有する。第1のガスシリンダは、ガスを第2のチャンバ内へ流れ込ませるように構成された、第2の入口における第3の一方向逆止弁と、ガスを第2のチャンバから流出させるように構成された、第2の出口における第4の一方向逆止弁と、を含み得る。第1のガスシリンダは、第1のチャンバ内部のガスの温度を下げるように構成されている、第1のチャンバの周りに位置付けられた冷却ジャケットを含み得る。
【0008】
いくつかの変形体では、ガスブースターは、第2のガスシリンダを含み得る。第2のガスシリンダは、第2の入口および第2の出口を有する第2のチャンバと、第2のガスシリンダ内部で作動可能な第2のピストンと、を含み得、第2のピストンは、第2の圧力で第2の入口を通じて第2のチャンバ内にガスを引き込み、第2の圧力より高い第3の圧力で第2の出口を通じて第2のチャンバからガスを押し出すように、構成される。電気モータは、第2の機械的接続部によって第2のガスシリンダの第2のピストンに連結されて、第2のピストンを作動させることができる。第2の機械的接続部は、第1の端部および第2の端部を有するロッドを含み得、第2のピストンが電気モータの直線運動により並進運動するよう構成されるように、第1の端部は電気モータと連結され、第2の端部は第2のガスシリンダの第2のピストンと連結される。ガスブースターは、第1のガスシリンダの第1の出口を第2のガスシリンダの第2の入口と流体連結する管を含み得、この管は、第1のガスシリンダと第2のガスシリンダとの間でガスの温度を下げるように構成された、熱交換器を含み得る。ガスブースターは、ガスの圧力を、約689.48kPa(約100psi)から約48.26MPa(約7,000psi)までなど、103.42MPa(15,000psi)まで上昇させるように構成され得る。ガスブースターは、約40~50など、約64までの圧縮比を有し得る。第1のガスシリンダおよび第2のガスシリンダの一方または両方は、第1の入口および第2の入口を通じて真空を引き込むように構成され得る。
【0009】
別の実施形態では、ガスの圧力を上昇させるためのガスブースターは、ガスシリンダと、駆動装置と、コントローラと、を含み得る。ガスシリンダは、入口および出口を有するチャンバと、ガスシリンダ内部で作動可能なピストンと、を含み得、ピストンは、第1の圧力で入口を通じてチャンバにガスを引き込み、第1の圧力より高い第2の圧力で出口を通じてチャンバからガスを押し出すように、構成される。駆動装置は、電気エネルギーを直線運動に変換するように構成された電気モータを含み得、電気モータは、機械的接続部によってガスシリンダのピストンに連結されて、ピストンを作動させる。コントローラは、電気モータを選択的に起動して、それによってピストンを作動させるようにプログラム可能であってよい。コントローラは、ピストンの位置、最大ピストン力、ピストンの速度、およびピストン加速度のうちの選択された1つ以上を選択的に制御するようにプログラム可能であってよい。コントローラは、インターネットを介したコントローラへの遠隔接続を可能にする無線性能(wireless capabilities)を有し得る。ガスブースターは、ガスブースターの圧力を測定するように構成された少なくとも1つの圧力センサを含み得、コントローラは、少なくとも1つの圧力センサからの測定された圧力に基づいてピストンを選択的に作動するようにプログラム可能である。
【0010】
別の実施形態では、入口および出口を有するチャンバを画定するガスシリンダと、ガスシリンダ内部で作動可能なピストンと、を含むガスブースターを動作させる方法であって、ガスブースターは、ガスシリンダのピストンに連結された電気モータを有する駆動装置を含む、方法が、電気エネルギーを電気モータに加えることによって、入口を通じてチャンバ内にガスを引き込むために、ピストンをガスシリンダ内部で内側に並進運動させるステップと、電気エネルギーを電気モータに加えることによって、出口を通じてチャンバからガスを押し出すために、ピストンをガスシリンダ内部で外側に並進運動させるステップと、を含み得、ガスの圧力は、ガスシリンダの入口よりもガスシリンダの出口において高い。電気モータは、電気エネルギーを回転運動に変換し、かつ回転運動を直線運動に変換し、これによって、ピストンをガスシリンダ内部で並進運動させる、ボールねじ駆動装置を含み得る。ガスシリンダは、軸に沿って駆動装置と長さ方向に整列され得、ガスシリンダのピストンは、電気モータが軸に沿ってピストンを作動させるように、機械的接続部が軸に沿って位置付けられた状態で駆動装置の電気モータと連結される。電気エネルギーは、コントローラによって選択的に加えられ得る。
【0011】
前述のものは、以下に続く本発明の詳細な説明がよりよく理解され得るように、本発明の特徴および技術的利点をやや広範に略述している。本発明の特許請求の範囲の主題を形成する、本発明の追加的な特徴および利点は、以下で述べる。開示される概念および特定の実施形態が、本発明の同じ目的を実行するための他の構造を改変または設計する基礎として容易に利用され得ることを、当業者には認識されたい。このような等価な構造は特許請求の範囲に述べるような本発明の趣旨および範囲から逸脱しないことも、当業者に認識されたい。構造および動作方法の両方に関して、本発明に特徴的であると考えられる新規な特徴は、さらなる目的および利点と共に、添付図面に関連して検討された場合に、以下の説明からよりよく理解されるであろう。しかしながら、図面はそれぞれ、例示および説明目的のみで提供されており、本発明の範囲の定義とすることを意図していないことも、明確に理解される。
【0012】
本発明をより完全に理解するため、添付図面と共に理解される以下の説明をここで参照する。
【0013】
〔発明の詳細な説明〕
ここで
図2を参照して、電気駆動のガスブースターを使用する例示的なガスブースター組立体を説明する。例えば、ガスブースター組立体(100)は、コントローラ(110)と連結され、キャビネット(120)上に位置付けられたガスブースター(140)を含む。例示された実施形態のガスブースター(140)は、電気モータ(150)によって作動される低圧シリンダ(160)および高圧シリンダ(170)を有する2ステージ(two-stages)を含む。2ステージガスブースター(140)が記載されているが、任意の適切な数の1つ以上のステージが使用され得ることに注意されたい。
【0014】
図3および
図4で最もよく分かるように、モータ(150)は、低圧シリンダ(160)と連結された第1の端部および高圧シリンダ(170)と連結された第2の端部を備えた、実質的に円筒形のハウジング(158)を含む。電気エネルギーを直線運動に変換するように構成されている駆動装置(156)が、次にハウジング(158)内部に位置付けられる。例えば、駆動装置(156)は、リサーキュレーティングボールベアリングを備えた、ボールねじおよびボールナットを有するボールねじ駆動装置を含み得る。ボールねじとナットとの間の界面は、適合するボール形態で回転するボールベアリングによって作られ得る。回転要素により、ボールねじ駆動装置は、低い摩擦係数を有し得る。これによって、このようなボールねじ駆動装置は、電気エネルギーを回転運動に変換し、それから直線運動へと変換することができる。駆動装置(156)は、少なくとも約51.15kN(約11,500lbf)の力を生じるために約14.91kW~約44.74kW(約20馬力~約60馬力)の動力を有し得る。駆動装置(156)は、約100%のデューティサイクルで約20,000時間の寿命および約100ストローク/分の最高速度をさらに有し得る。駆動装置(156)は、駆動装置(156)が240ボルトを供給された場合に、駆動装置(156)の最高速度が半分だけ減少されると共に最大力を維持することができるように、最大で約480ボルトを有し得る。駆動装置(156)の電圧は、構成要素を変更する必要なく、50または60Hzで設定され得る。駆動装置(156)の他の適切な設定は、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。いくつかの変形体では、駆動装置(156)は、Techni Waterjetが供給するボールねじ駆動装置であってよい。次に、駆動装置(156)の第1の端部が、低圧ロッド(151)を介して低圧シリンダ(160)に連結され、駆動装置(156)の第2の端部が、高圧ロッド(153)を介して高圧シリンダ(170)に連結されて、ブースター(140)を作動させる。モータ(150)を駆動させるためのさらに他の適切な設定は、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0015】
低圧シリンダ(160)は、
図3および
図5においてさらに詳細に示されている。低圧シリンダ(160)は、低圧ロッド(151)の他端部に連結された低圧ピストン(166)を含み、これは、低圧シリンダ(160)の低圧端部キャップ(163)と低圧アダプタ(155)との間を並進運動する。低圧チャンバ(164)が、低圧ピストン(166)と低圧端部キャップ(163)との間に画定される。本実施形態では、低圧端部キャップ(163)は、低圧入口逆止弁(161)を含み、低圧入口逆止弁(161)は、低圧ガス貯蔵タンク(32)から低圧シリンダ(160)内へとガスを流れ込ませるが、低圧シリンダ(160)からガスを流出させない。低圧端部キャップ(163)は、低圧入口逆止弁(161)と連結された第1の端部と、低圧シリンダ(160)からガスを流出させるが低圧シリンダ(160)内にガスを流れ込ませない低圧出口逆止弁(162)と連結された第2の端部と、を備えた、第1の導管(181)をさらに含む。第2の導管(182)が、低圧端部キャップ(163)内の逆止弁(161、162)間で第1の導管(181)と連結され、低圧チャンバ(164)と第1の導管(181)との間にガスを流す、低圧チャンバ(164)への出口を有する。低圧端部キャップ(163)は、タイロッド(167)によって低圧シリンダ(160)の低圧アダプタ(155)に取り付けられる。4つのタイロッド(167)が例示された実施形態では示されているが、任意の他の適切な数のタイロッド(167)が使用され得る。各タイロッド(167)は、約19.05mm(約4分の3インチ)の直径を有し得るが、任意の他の適切な寸法が使用され得る。いくつかの変形体では、低圧シリンダ(160)は、低圧シリンダ(160)内部のガスの温度を下げるために低圧シリンダ(160)の周辺に位置付けられた冷却ジャケット(165)を含む。
【0016】
図3および
図5に示す低圧駆動ピストン(166)は、低圧チャンバ(164)に隣接して、低圧駆動ピストン(166)の端部分にダイナミックシールおよび安定化ベアリング(183)を含む。例えば、安定化ベアリングは、低圧駆動ピストン(166)を支持し、これを低圧シリンダ(160)内部で並進運動させることができる。ダイナミックシールは、低圧チャンバ(164)内のガスが低圧駆動ピストン(166)の周囲をモータ(150)まで流れるのを防ぐために、低圧駆動ピストン(166)が低圧シリンダ(160)内部を並進運動する間、低圧駆動ピストン(166)をシールすることができる。低圧アダプタ(155)は、低圧ロッド(151)を受容する低圧アダプタ(155)の開口部(186)を取り囲むシール(185)をさらに含む。このようなシール(185)は、低圧シリンダ(160)のガスセクションへの油の侵入を防ぎ、かつ/またはモータ(150)内へのガスの漏れを防ぐことができる。低圧アダプタ(155)は、
図7に示すようなねじ、ボルトなどといったファスナ(159)によって、モータ(150)のハウジング(158)と連結される。例えば、例示された実施形態では、12個のボルトを使用して低圧アダプタ(155)をハウジング(158)に保持しているが、任意の他の適切な数のファスナが使用され得る。アダプタ(155)は、複数の直径のシリンダ(160)を受け入れるように構成され得、また、ピストン漏出排出経路(piston leak vent path)(187)を提供し得る。例示された実施形態では、低圧シリンダ(160)の低圧チャンバ(164)は、約145mmの外径を有するが、任意の他の適切な寸法が使用され得る。いくつかの変形体では、約50mmの外径が使用され得る。低圧シリンダ(160)のさらに他の適切な設定は、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0017】
高圧シリンダ(170)は、
図3および
図6においてさらに詳細に示されている。高圧シリンダ(170)は、低圧シリンダ(160)と同様であり、高圧ロッド(153)の他端部に連結された高圧ピストン(176)を含み、高圧ピストン(176)は、高圧シリンダ(170)の高圧端部キャップ(173)と高圧アダプタ(157)との間を並進運動する。高圧チャンバ(174)が、高圧ピストン(176)と高圧端部キャップ(173)との間に画定されている。本実施形態では、高圧端部キャップ(173)は、高圧入口逆止弁(171)を含み、高圧入口逆止弁(171)は、低圧シリンダ(160)から高圧シリンダ(170)内へとガスを流れ込ませるが、高圧シリンダ(170)からガスを流出させない。高圧端部キャップ(173)は、高圧入口逆止弁(171)と連結された第1の端部と、高圧シリンダ(170)からガスを流出させるが高圧シリンダ(170)内にガスを流れ込ませない高圧出口逆止弁(172)と連結された第2の端部と、を備えた、第1の導管(191)をさらに含む。第2の導管(192)が、高圧端部キャップ(173)内の逆止弁(171、172)間で第1の導管(191)と連結され、高圧チャンバ(174)と第1の導管(191)との間にガスを流す、高圧チャンバ(174)への出口を有する。高圧端部キャップ(173)は、タイロッド(177)によって高圧シリンダ(170)の高圧アダプタ(157)に取り付けられる。4つのタイロッド(177)が例示された実施形態では示されているが、任意の他の適切な数のタイロッド(177)が使用され得る。いくつかの変形体では、高圧シリンダ(170)は、高圧シリンダ(170)内部のガスの温度を下げるために高圧シリンダ(170)の周辺に位置付けられた冷却ジャケット(175)を含む。
【0018】
図3および
図6に示す高圧駆動ピストン(166)は、高圧チャンバ(174)に隣接して、高圧駆動ピストン(176)の端部分にダイナミックシールおよび安定化ベアリング(193)を含む。例えば、安定化ベアリングは、高圧駆動ピストン(176)を支持し、これを高圧シリンダ(170)内部で並進運動させることができる。ダイナミックシールは、高圧チャンバ(174)内のガスが高圧駆動ピストン(176)の周囲をモータ(150)まで流れるのを防ぐために、高圧駆動ピストン(176)が高圧シリンダ(170)内部を並進運動する間、高圧駆動ピストン(176)をシールすることができる。高圧アダプタ(157)は、高圧ロッド(153)を受容する高圧アダプタ(157)の開口部(196)を取り囲むシール(195)をさらに含む。このようなシール(195)は、高圧シリンダ(170)のガスセクションへの油の侵入を防ぎ、かつ/またはモータ(150)内へのガスの漏れを防ぐことができる。高圧アダプタ(157)は、
図8に示すようなねじ、ボルトなどといったファスナ(159)によって、モータ(150)のハウジング(158)と連結される。アダプタ(157)は、複数の直径のシリンダ(170)を受け入れるように構成され得、また、ピストン漏出排出経路(189)を提供し得る。例示された実施形態では、高圧シリンダ(170)の高圧チャンバ(174)は、約50mmの外径を有するが、任意の他の適切な寸法が使用され得る。いくつかの変形体では、約145mmの外径が使用され得る。例えば、高圧シリンダ(170)は、低圧シリンダ(160)より大きく、低圧シリンダ(160)より小さく、かつ/または低圧シリンダ(160)と同じサイズであってよい。高圧シリンダ(170)のさらに他の適切な設定は、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0019】
図9に示すように、ブースター(140)は、ブースター(140)を動作させるように構成されたコントローラ(110)と連結され得る。例えば、コントローラ(110)は、モータ(150)の駆動装置(156)と連結されて、電気エネルギーを駆動装置(156)に選択的に加え、これによってモータ(150)を作動させることができる。コントローラ(110)は、スクリーン(112)をさらに含んで、ブースター(140)の設定を表示し、かつ/またはユーザがブースター(140)を操作することを可能にし得る。停止ボタン(114)もコントローラ(110)上に設けられて、ユーザがブースター(140)を停止させるのを可能にし得る。いくつかの変形体では、コントローラ(110)は、コントローラ(110)がインターネットを介してアクセスされ得るコンピュータネットワークに接続するのを可能にする、無線性能を有する。ユーザは、これによって、ブースター(140)を遠隔操作し、かつ/またはブースターの設定、診断などを遠隔で観察することができる。例えば、いくつかの変形体では、ブースター(140)は、1つ以上のセンサ(200)を含んで、ガスの圧力を測定し、コントローラ(110)にフィードバックを提供して、ブースター(140)の閉ループ制御を可能にする。これによって、ストローク位置、力、速度、および/または加速度の制御が可能となり、これは、上流および/または下流のガスパラメータに基づいてブースター(140)を加速および/または減速させ得る。コントローラ(110)の他の適切な設定は、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。例示された実施形態では、ブースター(140)は、低圧シリンダ(160)を高圧シリンダ(170)と流体接続する中間の管(169)、熱交換器(168)、および/またはシリンダ(160、170)の冷却ジャケット(165、175)と連結された冷却システムを収納し得る、キャビネット(120)上に位置付けられる。モータ(150)の冷却システムも、キャビネット(120)に収納され得る。キャビネット(120)の他の適切な設定は、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0020】
図10を参照すると、ブースター(140)を動作させる流路の例が示されている。例示された実施形態では、駆動装置(156)は、コントローラ(110)によって電気的に作動されて、駆動装置(156)を右側へ高圧シリンダ(170)に向かって並進運動させ、これによって、低圧ロッド(151)により低圧ピストン(166)を右側に作動させ、低圧シリンダ(160)にぶつからせる。これにより、ガスは、低圧で低圧ガス貯蔵タンク(32)から低圧シリンダ(160)の低圧ガスチャンバ(164)内へと、入口管(34)および低圧入口逆止弁(161)を通って引き込まれ得る。駆動装置(156)は次に、コントローラ(110)によって電気的に作動されて、駆動装置(156)を反対方向に、左側へ低圧シリンダ(160)に向かって並進運動させることができる。これによって、低圧ピストン(166)が左側へと、低圧シリンダ(160)内で外側に作動されて、低圧ガスチャンバ(164)内のガスを中間圧力まで圧縮し、低圧出口逆止弁(162)を通じて低圧ガスチャンバ(164)からガスを押し出すことができる。ガスはその後、中間の管(169)および熱交換器(168)を通って高圧シリンダ(170)まで移動し得る。低圧ピストン(166)が左側に作動されると、高圧ピストン(176)もまた、高圧ロッド(153)によって左側に作動され、高圧シリンダ(170)にぶつかり、中間の管(169)から、高圧入口逆止弁(171)を通じて高圧シリンダ(170)の高圧ガスチャンバ(174)内へガスを引き込むことができる。
【0021】
駆動装置(156)は次に、コントローラ(110)によって電気的に作動されて、駆動装置(156)を再び右側へと高圧シリンダ(170)に向かって並進運動させることができる。これにより、低圧ピストン(166)が再び右側に作動され、低圧シリンダ(160)にぶつかり、低圧ガス貯蔵タンク(32)から低圧シリンダ(160)の低圧ガスチャンバ(164)内にガスを引き込むことができる。高圧ピストン(176)も、高圧ロッド(153)によって右側へと、高圧シリンダ(170)内で外側に並進運動させられて、高圧ガスチャンバ(174)内のガスを高圧に圧縮し、高圧出口逆止弁(172)を通じて高圧ガスチャンバ(174)から、出口管(38)を通じて高圧ガス貯蔵タンク(36)へと、ガスを押し出すことができる。例示された実施形態では、低圧シリンダ(160)、モータ(150)、および高圧シリンダ(170)は、長さ方向軸(A)に沿って整列される。したがって、モータ(150)は、ロッド(151、153)を介して長さ方向軸(A)に沿ってピストン(166、176)を作動させるように構成される。ピストン(156、166、176)は、循環し続けることによって、ブースター(140)からの高圧ガスの流れを生成し得る。いくつかの変形体では、ブースター(140)は、ガスの圧力を約689.48kPa(約100psi)から約48.26MPa(約7,000psi)へと上昇させ、約148.89℃(約300°F)の最高温度で約0~約50サイクル/分で動作され得る。例えば、低圧シリンダ(160)を出るガスの圧力は、約5.57MPa(約808psi)であってよく、高圧シリンダ(170)を出るガスの圧力は、約46.85MPa(約6795psi)であってよい。ブースター(140)を動作させるさらに他の適切な設定は、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0022】
例えば、
図11に示すとおり、ブースター(140)が真空に引くよう構成され得るように、真空(31)がシリンダ(160、170)のうちの一方または両方の入口(161、171)と連結され得る。真空は、気圧より低い任意の圧力を含み得る。これにより、ブースター(140)は冷媒システムのためなど、異なる適用で使用されることが可能となり得る。これは、1ステージおよび/または2ステージブースター(140)上で使用されることもできる。いくつかの変形体では、高圧シリンダ(170)を出るガスの圧力は、最大で約103.42MPa(約15,000psi)であってよい。
【0023】
いくつかの変形体では、ブースター(140)は、複動ブースター(140)として構成され得る。
図12は、1ステージおよび/または2ステージ適用において前述したブースター(140)に組み込まれ得る複動ガスシリンダ(260)を示す。シリンダ(260)は、シリンダ(260)が、ピストン(266)の、端部キャップ(263)上のもう一方の逆止弁(261、262)とは反対側に、第2の対の一方向逆止弁(241、242)を含んで、シリンダ(260)の内部に第2のチャンバ(254)を形成することを除き、前述したシリンダ(160、170)と同様である。第2の入口逆止弁(241)および第2の出口逆止弁(242)により、ガスは、第2のチャンバ(254)から流出することができるが、第2のチャンバ(254)に入ることはできない。第2の対の逆止弁(241、242)は、シリンダ(260)をモータ(150)に連結するのに使用され得るアダプタ(255)上に位置付けられる。アダプタ(255)は、入口逆止弁(241)と連結された第1の端部と、シリンダ(260)からガスを流出させるが、シリンダ(260)内にガスを流れ込ませない出口逆止弁(242)と連結された第2の端部と、を備える、第1の導管(243)をさらに含む。第2の導管(244)が、アダプタ(255)内の逆止弁(241、242)間で第1の導管(243)と連結され、第2のチャンバ(254)と第1の導管(243)との間にガスを流す、第2のチャンバ(254)への出口を有する。第2の導管(244)は、駆動装置(156)と連結されたロッド(251)の周りに位置付けられる。シリンダ(260)のピストン(266)は、双方向シール(267)をさらに含む。複動シリンダ(260)のさらに他の適切な設定は、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0024】
したがって、ピストン(266)が左側へと作動されて、第1のチャンバ(264)内のガスを圧縮し、第1の出口逆止弁(262)を通じて第1のチャンバ(264)からガスを押し出すと、ガスは、第2の入口逆止弁(241)を通じて第2のチャンバ(254)内に引き込まれる。ピストン(266)が次に反対方向に作動されて、第1の入口逆止弁(261)を通じて第1のチャンバ(264)内へガスを引き込むと、第2のチャンバ(254)内のガスは圧縮され、第2の出口逆止弁(242)を通じて第2のチャンバ(254)から押し出される。これにより、ブースター(140)は、ピストン(266)が両方向に並進運動する際に、ガスを圧縮するように機能する。
【0025】
したがって、電気駆動のガスブースター(140)は、一体化された電気モータ(150)とガスピストン(166、176)との間に直接的な機械的接続部を設けて、空気または油圧式駆動システムなどの別個の流体エネルギーシステムの必要性を排除することによって、より有効となる。ブースター(140)のためのこのような選択的な駆動装置により、サイクル速度が上がり、サイクル速度をより容易に調節することができる。これによって、機器費用を減少させ、かつ/または空気圧および油圧低下によるエネルギー損失を排除することができる。
【0026】
本発明およびその利点を詳細に説明してきたが、さまざまな変更、置換、および改変を、特許請求の範囲により定めるような本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに、行うことができることを理解されたい。さらに、本出願の範囲は、本明細書に記載されるプロセス、機器、製造、組成物、手段、方法、およびステップの特定の実施形態に制限されることを意図していない。当業者であれば本発明の開示から容易に認識するであろうが、本明細書に記載される対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行するか、または実質的に同じ結果を達成する、現在存在するか、または後日開発される、プロセス、機器、製造、組成物、手段、方法、およびステップが、本発明に従って利用され得る。したがって、特許請求の範囲は、それらの範囲内に、そのようなプロセス、機器、製造、組成物、手段、方法、およびステップを含むことが意図されている。
【0027】
〔実施の態様〕
(1) ガスの圧力を上昇させるためのガスブースターにおいて、
第1のガスシリンダであって、
第1の入口および第1の出口を含む第1のチャンバ、ならびに、
前記第1のガスシリンダ内部で作動可能な第1のピストンであって、前記第1のピストンは、第1の圧力で前記第1の入口を通じて前記第1のチャンバ内に前記ガスを引き込み、また、前記第1の圧力より高い第2の圧力で前記第1の出口を通じて前記第1のチャンバから前記ガスを押し出すように、構成されている、第1のピストン、
を含む、第1のガスシリンダと、
電気エネルギーを直線運動に変換するように構成された電気モータを含む駆動装置であって、前記電気モータは、第1の機械的接続部によって前記第1のガスシリンダの前記第1のピストンに連結されて前記第1のピストンを作動させる、駆動装置と、
を含む、ガスブースター。
(2) 実施態様1に記載のガスブースターにおいて、
前記電気モータは、ボールねじ駆動装置を含む、ガスブースター。
(3) 実施態様1に記載のガスブースターにおいて、
前記第1の機械的接続部は、第1の端部および第2の端部を有するロッドを含み、
前記第1のピストンが前記電気モータの前記直線運動により並進運動するよう構成されるように、前記第1の端部は、前記電気モータと連結され、前記第2の端部は、前記第1のガスシリンダの前記第1のピストンと連結されている、ガスブースター。
(4) 実施態様1に記載のガスブースターにおいて、
前記第1のガスシリンダは、前記第1のガスシリンダの第1の端部分にアダプタを含み、
前記アダプタは、前記駆動装置に対する前記第1のガスシリンダの位置を維持するために前記駆動装置のハウジングと連結可能である、ガスブースター。
(5) 実施態様4に記載のガスブースターにおいて、
前記第1のガスシリンダは、前記第1のガスシリンダの第2の端部分に端部キャップを含み、
複数のタイロッドが、前記端部キャップと前記アダプタとの間に位置付けられて、前記アダプタに対する前記端部キャップの位置を維持する、ガスブースター。
【0028】
(6) 実施態様1に記載のガスブースターにおいて、
前記第1のガスシリンダは、ガスを前記第1のチャンバ内へ流れ込ませるように構成された、前記第1の入口における第1の一方向逆止弁と、ガスを前記第1のチャンバから流出させるように構成された、前記第1の出口における第2の一方向逆止弁と、を含む、ガスブースター。
(7) 実施態様6に記載のガスブースターにおいて、
前記第1のガスシリンダは、前記第1のピストンの、前記第1のチャンバとは反対側に第2のチャンバを含み、
前記第2のチャンバは、第2の入口および第2の出口を含み、
前記第1のガスシリンダは、ガスを前記第2のチャンバ内へ流れ込ませるように構成された、前記第2の入口における第3の一方向逆止弁と、ガスを前記第2のチャンバから流出させるように構成された、前記第2の出口における第4の一方向逆止弁と、を含む、ガスブースター。
(8) 実施態様1に記載のガスブースターにおいて、
前記第1のガスシリンダは、前記第1のチャンバ内部の前記ガスの温度を下げるように構成されている、前記第1のチャンバの周りに位置付けられた冷却ジャケットを含む、ガスブースター。
(9) 実施態様1に記載のガスブースターにおいて、
前記ガスブースターは、第2のガスシリンダを含み、前記第2のガスシリンダは、
第2の入口および第2の出口を有する第2のチャンバと、
前記第2のガスシリンダ内部で作動可能な第2のピストンと、
を含み、
前記第2のピストンは、前記第2の圧力で前記第2の入口を通じて前記第2のチャンバ内に前記ガスを引き込み、前記第2の圧力より高い第3の圧力で前記第2の出口を通じて前記第2のチャンバから前記ガスを押し出すように構成され、
前記電気モータは、第2の機械的接続部によって前記第2のガスシリンダの前記第2のピストンに連結されて、前記第2のピストンを作動させる、ガスブースター。
(10) 実施態様9に記載のガスブースターにおいて、
前記第2の機械的接続部は、第1の端部および第2の端部を有するロッドを含み、
前記第2のピストンが前記電気モータの前記直線運動によって並進運動するよう構成されるように、前記第1の端部は、前記電気モータと連結され、前記第2の端部は、前記第2のガスシリンダの前記第2のピストンと連結されている、ガスブースター。
【0029】
(11) 実施態様9に記載のガスブースターにおいて、
前記ガスブースターは、前記第1のガスシリンダの前記第1の出口を前記第2のガスシリンダの前記第2の入口と流体連結する管を含み、
前記管は、前記第1のガスシリンダと前記第2のガスシリンダとの間で前記ガスの温度を下げるように構成された熱交換器を含む、ガスブースター。
(12) 実施態様8に記載のガスブースターにおいて、
前記第1のガスシリンダおよび前記第2のガスシリンダの一方または両方は、前記第1の入口および前記第2の入口を通じて真空を引き込むように構成されている、ガスブースター。
(13) ガスの圧力を上昇させるためのガスブースターにおいて、
ガスシリンダであって、
入口および出口を有するチャンバ、ならびに、
前記ガスシリンダ内部で作動可能なピストンであって、前記ピストンは、第1の圧力で前記入口を通じて前記チャンバ内に前記ガスを引き込み、前記第1の圧力より高い第2の圧力で前記出口を通じて前記チャンバから前記ガスを押し出すように、構成されている、ピストン、
を含む、ガスシリンダと、
電気エネルギーを直線運動に変換するように構成された電気モータを含む駆動装置であって、前記電気モータは、機械的接続部によって前記ガスシリンダの前記ピストンに連結されて、前記ピストンを作動させる、駆動装置と、
前記電気モータを選択的に起動して、それによって前記ピストンを作動させるようにプログラム可能であるコントローラと、
を含む、ガスブースター。
(14) 実施態様13に記載のガスブースターにおいて、
前記コントローラは、前記ピストンの位置、前記ピストンの最大力、前記ピストンの速度、および前記ピストンの加速度のうちの選択された1つ以上を選択的に制御するようにプログラム可能である、ガスブースター。
(15) 実施態様13に記載のガスブースターにおいて、
前記コントローラは、インターネットを介した前記コントローラへの遠隔接続を可能にする無線性能を有する、ガスブースター。
【0030】
(16) 実施態様13に記載のガスブースターにおいて、
前記ガスブースターは、前記ガスブースターの圧力を測定するように構成された少なくとも1つの圧力センサを含み、
前記コントローラは、前記少なくとも1つの圧力センサからの測定された前記圧力に基づいて前記ピストンを選択的に作動するようにプログラム可能である、ガスブースター。
(17) 入口および出口を有するチャンバを画定するガスシリンダと、前記ガスシリンダ内部で作動可能なピストンと、を含むガスブースターを動作させる方法であって、前記ガスブースターは、前記ガスシリンダの前記ピストンに連結された電気モータを有する駆動装置を含む、方法において、
電気エネルギーを前記電気モータに加えることによって、前記入口を通じて前記チャンバ内にガスを引き込むために、前記ピストンを前記ガスシリンダ内部で内側に並進運動させるステップと、
電気エネルギーを前記電気モータに加えることによって、前記出口を通じて前記チャンバからガスを押し出すために、前記ピストンを前記ガスシリンダ内部で外側に並進運動させるステップと、
を含み、
前記ガスの圧力は、前記ガスシリンダの前記入口よりも前記ガスシリンダの前記出口において高い、方法。
(18) 実施態様17に記載の方法において、
前記電気モータは、前記電気エネルギーを回転運動に変換し、かつ前記回転運動を直線運動に変換し、これによって、前記ピストンを前記ガスシリンダ内部で並進運動させる、ボールねじ駆動装置を含む、方法。
(19) 実施態様17に記載の方法において、
前記ガスシリンダは、軸に沿って前記駆動装置と長さ方向に整列され、
前記ガスシリンダの前記ピストンは、前記電気モータが前記軸に沿って前記ピストンを作動させるように、機械的接続部が前記軸に沿って位置付けられた状態で前記駆動装置の前記電気モータと連結される、方法。
(20) 実施態様17に記載の方法において、
前記電気エネルギーは、コントローラによって選択的に加えられる、方法。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1A】低圧シリンダにガスを引き込むためにブースターの駆動ピストンを並進運動させるように別個の駆動システムによって作動されている2ステージガスブースターの概略図を描く。
【
図1B】低圧シリンダから高圧シリンダにガスを押し込むために駆動ピストンを並進運動させるように駆動システムによってさらに作動されている
図1Aのブースターの概略図を描く。
【
図1C】高圧シリンダから再び低圧シリンダにガスを押し込むために駆動ピストンを並進運動させるように駆動システムによってさらに作動されている
図1Aのブースターの概略図を描く。
【
図2】電気駆動のガスブースター組立体の斜視図を描く。
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図3】
図2の電気駆動のガスブースター組立体の電気駆動のガスブースターの上面図を描く。
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図4】
図3の電気駆動のガスブースターのモータの断面図を描く。
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図5】
図3の電気駆動のガスブースターの低圧シリンダの断面図を描く。
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図6】
図3の電気駆動のガスブースターの高圧シリンダの断面図を描く。
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図7】
図5の低圧シリンダの低圧アダプタの斜視図を描く。
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図8】
図6の高圧シリンダの高圧アダプタの斜視図を描く。
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図9】
図2の電気駆動のガスブースター組立体の正面図を描く。
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図10】ガス流路を示す
図3の電気駆動のガスブースターの概略図を描く。
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図11】真空を備えた
図3の電気駆動のガスブースターの概略図を描く。
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図12】
図3の電気駆動のブースターと共に使用されるガスシリンダの概略図を描く。