(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】低曲げ損失光ファイバ
(51)【国際特許分類】
G02B 6/036 20060101AFI20220928BHJP
G02B 6/02 20060101ALI20220928BHJP
G02B 6/44 20060101ALI20220928BHJP
C03C 13/04 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
G02B6/036
G02B6/02 376A
G02B6/44 331
C03C13/04
(21)【出願番号】P 2018550835
(86)(22)【出願日】2017-03-28
(86)【国際出願番号】 US2017024472
(87)【国際公開番号】W WO2017172714
(87)【国際公開日】2017-10-05
【審査請求日】2020-03-30
(32)【優先日】2016-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ブックバインダー,ダナ クレイグ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ミン-ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ミシュラ,スニグダラージ クマール
(72)【発明者】
【氏名】タンドン,プシュカール
【審査官】堀部 修平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0027951(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0294575(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0301708(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0044596(US,A1)
【文献】特開昭64-065038(JP,A)
【文献】特表2007-503028(JP,A)
【文献】特表2013-501705(JP,A)
【文献】国際公開第2015/195177(WO,A2)
【文献】国際公開第2004/092794(WO,A1)
【文献】特表2003-511736(JP,A)
【文献】布目智宏 et al.,低曲げ損失光ファイバFutureGuide‐BIS‐B,フジクラ技報,2009年11月25日,No. 117,pp. 5-10
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/02 - 6/036
G02B 6/44
JSTPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(I)外径r
1、最大屈折率デルタパーセントΔ
1max及び5より大きいコアアルファを有する、コア;並びに
(II)前記コアを取り囲むクラッド
を備える、単一モード光ファイバであって、
前記クラッドは:
(i)外径r
2及び屈折率デルタパーセントΔ
2を有し、Δ
1max>Δ
2である、内側クラッド領域;
(ii)10マイクロメートルより大きい外径r
3及び屈折率デルタパーセントΔ
3を有する、前記内側クラッド領域を取り囲むトレンチ領域;並びに
(iii)屈折率デルタパーセントΔ
4を備え、前記トレンチ領域を取り囲
む外側クラッド領域であって、Δ
1max>Δ
4、Δ
2>Δ
3及びΔ
4>Δ
3であり、Δ
4-Δ
3≧0.12%である、外側クラッド領域
を備え、
前記ファイバは:1310nmの波長において9マイクロメートルより大きいモードフィールド径MFD;1260nm未満のケーブルカットオフ;0.5dB/turn未満の、直径15mmのマンドレルに関する1550nmでの曲げ損失;及び1300nm≦λ
0≦1324nmを示し、ここでλ
0はゼロ分散波長であり、1550nmにおいて0.05dB/km以下の、-60℃でのバスケットウィーブ微小曲げ損失を示
し、
前記外側クラッド領域は:
屈折率デルタパーセントΔ
4
及び1.2重量%超の塩素濃度を有する、第1の外側クラッド領域;並びに
前記第1の外側クラッド領域を取り囲み、Δ
4
>Δ
5
となるような屈折率デルタパーセントΔ
5
を備える、第2の外側クラッド領域
を備え、
前記第2の外側クラッド領域は、0.5重量%未満の塩素濃度を有し、
前記第2の外側クラッド領域のガラスの粘度は、前記第1の外側クラッド領域のガラスの粘度より高い、単一モード光ファイバ。
【請求項2】
前記トレンチ領域のプロファイル体積|V
3|は、少なくとも30%Δマイクロメートル
2である、請求項1に記載の光ファイバ。
【請求項3】
(a)Δ
4-Δ
3≧0.15%;
(b)Δ
1max-Δ
2≧0.25%、Δ
1max-Δ
3≧0.35、及びΔ
2-Δ
3≧0.08%;
(c)0.15%≦Δ
4-Δ
3≦0.4%デルタ
のうちの少なくとも1つが満たされる、請求項1又は2に記載の光ファイバ。
【請求項4】
(a)前記コアは10重量%未満のゲルマニアを含むか;又は
(b)前記トレンチ領域は、0~2重量%のフッ素を含有する
、請求項1~3のいずれか1項に記載の光ファイバ。
【請求項5】
前記ファイバは更に:
(i)1550nmにおいて0.18dB/km以下の減衰を示し;及び/又は
(ii)1310nmにおいて0.32dB/km以下の減衰を示す、請求項1~4のいずれか1項に記載の光ファイバ。
【請求項6】
前記トレンチ領域は基本的にフッ素及びゲルマニアを含まない、請求項1~5のいずれか1項に記載の光ファイバ。
【請求項7】
r
3から少なくとも30マイクロメートルの半径まで延在する径方向位置に関して、Δ
4≧Δ
2である、請求項1~5のいずれか1項に記載の光ファイバ。
【請求項8】
9マイクロメートル<1310nmにおけるMFD<9.5マイクロメートルである、請求項1~7のいずれか1項に記載の光ファイバ。
【請求項9】
前記ファイバは更に、一次コーティング及び二次コーティングでコーティングされ、
前記二次コーティングの外径は250マイクロメートル未満である、請求項1~8のいずれか1項に記載の光ファイバ。
【請求項10】
前記コア領域の最大ゲルマニア濃度[GeO
2]
core‐maxは、重量%で4重量%≦[GeO
2]
core‐max≦13重量%である、請求項1に記載の光ファイバ。
【請求項11】
前記コア領域の最大塩素濃度[Cl]
core‐maxは、重量%で1重量%≦[Cl]
core‐max≦7重量%である、請求項1に記載の光ファイバ。
【発明の詳細な説明】
【優先権】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条の下で、2016年3月29日出願の米国仮特許出願第62/314,607号の優先権を主張するものであり、上記仮特許出願の内容は信頼できるものであり、その全体が参照により本出願に援用される。
【技術分野】
【0002】
本発明は、曲げ損失が小さい光ファイバに関する。
【背景技術】
【0003】
低曲げ損失光ファイバ、特に屋内(FTTx)光ネットワークへのいわゆる「アクセス」及びファイバに利用される光ファイバに対する需要が存在する。光ファイバは、光ファイバを通して伝送される光信号の曲げ損失を誘発する様式で、このようなネットワーク内に配備できる。小さい曲げ半径、光ファイバの圧迫等といった、曲げ損失を誘発する物理的な要求を課する場合があるいくつかの用途としては、光ドロップケーブル組立体、工場設置型終端システム(Factory Installed Termination System:FITS)及びスラックループを用いた配線ケーブル、フィーダケーブルと配線ケーブルとを接続するキャビネット内に配置された低曲げ半径マルチポート、並びに配線ケーブルとドロップケーブルとの間のネットワークアクセスポイントのジャンパ内での、光ファイバの配備が挙げられる。
【発明の概要】
【0004】
少なくともいくつかの実施形態によると、本明細書で開示されるのは:(I)外径r1、屈折率デルタパーセントΔ1max及びコアアルファα>5を備えるコアと;(II)上記コアを取り囲むクラッドとを備える、光導波路ファイバであり、上記クラッドは:(i)外径r2及び屈折率デルタパーセントΔ2(ただしΔ1max>Δ2)を有する内側クラッド領域;(ii)外径r3(ただしr3≧10マイクロメートル)及び屈折率デルタパーセントΔ3を有する、上記内側クラッド領域を取り囲むトレンチ領域;並びに(iii)屈折率デルタパーセントΔ4(ただしΔ1max>Δ4、Δ2>Δ3及びΔ4>Δ3であり、Δ4とΔ3との差は≧0.12%である)を備え、上記トレンチ領域を取り囲み、塩素濃度が≧1.2重量%である外側クラッド領域を備える。上記ファイバは、1310nmの波長におけるモードフィールド径MFDが>9マイクロメートルであり、ケーブルカットオフが1260nm未満であり、直径15mmのマンドレルに関する1550nmでの曲げ損失が0.5dB/turn未満であり、1300nm≦λ0≦1324nmであり、ここでλ0はゼロ分散波長である。
【0005】
いくつかの実施形態では、上記トレンチ領域のプロファイル体積|V3|は、少なくとも30%Δマイクロメートル2である。いくつかの実施形態では、上記トレンチ領域のプロファイル体積|V3|は少なくとも45%、いくつかの実施形態では少なくとも50%Δマイクロメートル2である。いくつかの実施形態によると、上記コアアルファは少なくとも10である。
【0006】
上記クラッド内にトレンチ領域(下降屈折率領域)を有するファイバは、微小曲げ損失が改善(低減)されている。上記クラッド内の上記トレンチ領域は、上記トレンチ領域を(例えばフッ素(F)ドープによって若しくは非周期的な空隙を有するドープによって)ダウンドープすることによって、又は上記外側クラッド領域をアップドープすることによって、形成してよい。他の実施形態では、上記ファイバは:トレンチ領域と;シリカ(SiO2)に対してアップドープされた外側クラッド領域、即ちゲルマニア(GeO2)又は塩素(Cl)といった屈折率改善ドーパントを、シリカの屈折率を明らかに上昇させるために十分な量だけ含むクラッド領域との両方を含んでよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、1.2≦r2/r1≦2.5であり、例えば1.2≦r2/r1≦2.35、1.25~2.3又は1.25~2.15である。本明細書に記載の例示的実施形態のうちの少なくともいくつかでは、1.6≦r2/r1≦2.4である。
【0008】
いくつかの実施形態では、Δ4とΔ3との差は少なくとも0.15%である。いくつかの実施形態では、Δ1maxとΔ2との差は少なくとも0.25%であり、Δ1maxとΔ3との差は少なくとも0.35%であり、Δ2とΔ3との差は、少なくとも0.08%である。
【0009】
いくつかの実施形態ではΔ4及びΔ2は同一の値を有する。いくつかの実施形態では、Δ4とΔ2との差は0.01%より大きい。いくつかの実施形態では、Δ4とΔ3との差は0.15~0.4%であり、いくつかの実施形態では、Δ4とΔ3との差は0.15~0.2%であり;いくつかの実施形態では、0.38≦Δ1max-Δ3≦0.65、例えば0.4≦Δ1max-Δ3≦0.5である。いくつかの実施形態では、0.15≦Δ1max-Δ2≦0.45;0.38≦Δ1max-Δ3≦0.6;0.1≦Δ2-Δ3≦0.3;及び0.1≦Δ4-Δ3≦0.2である。いくつかの実施形態では、0.25≦Δ1max-Δ2≦0.35、0.4≦Δ1max-Δ3≦0.5及び0.14≦Δ2-Δ3≦0.2である。いくつかの実施形態では、0.15≦Δ4-Δ3≦0.2である。
【0010】
これらのファイバの実施形態は、G.652に準拠した光学特性、1310nmにおいて9.0~9.5マイクロメートルのMFD、1300nm≦λ0≦1324nmの範囲のゼロ分散波長λ0、1260nm以下(例えば1000nm~1260nm)のケーブルカットオフ、並びに1550nmにおいて≦0.185dB/kmの、少なくともいくつかの実施形態では1550nmにおいて≦0.181dB/km(例えば0.17~0.18dB/km)の減衰を有する。
【0011】
本明細書で開示される例示的なファイバは、0.07dB/km以下、いくつかの実施形態では0.05dB/km以下、例えば0.005~0.05dB/km等の、1550nmにおけるワイヤメッシュ被覆ドラム(wire mesh covered drum)微小曲げ損失(1550nmでのWMCD)(即ち曲げられていない状態からの減衰の増加)を示し得る。本明細書で開示される例示的なファイバは、0.05dB/km以下、いくつかの実施形態では0.02dB/km以下、いくつかの実施形態では0.01dB/km以下、例えば0.001~0.01dB/km等の、1550nmにおける-60℃でのバスケットウィーブ(basketweave)微小曲げ損失(即ち曲げられていない状態からの減衰の増加)を示し得る。
【0012】
更に、本明細書で開示されるファイバの実施形態は、直径15mmのマンドレルの周りに巻き付けられた場合に、1550nmにおいて0.5dB/turn以下の曲げ損失を示す。他の実施形態では、1550nmにおける15mm径曲げ損失は、0.3dB/turn以下、いくつかの実施形態では0.2dB/turn以下、又は0.1dB/turn未満(例えば0.075dB/turn~0.29dB/turn若しくは0.09dB/turn~0.25dB/turn)でさえある。いくつかの実施形態では、1550nmにおける30mm径曲げ損失(直径30mmのマンドレルの周りに巻き付けられたファイバ)は、0.02dB/turn以下、例えば0.01dB/turn以下、いくつかの実施形態では0.005dB/turn以下、又はいくつかの実施形態では1550nmにおいて0.003dB/turn以下である。
【0013】
同時に、これらのファイバの実施形態は、0.185dB/km以下、例えば0.182dB/km未満(例えば0.17dB/km~0.182dB/km又は0.17dB/km~0.18dB/km)の、1550nmにおける減衰と、0.34dB/km以下、例えば0.32dB/km以下の、1310nmにおける減衰とを提供できる。
【0014】
このような曲げ損失及び減衰性能の数値は、ファイバに塗布される一次及び二次コーティングを用いて得ることができ、ここで上記一次コーティングのヤング率は2MPa未満、いくつかの実施形態では1MPa未満、いくつかの実施形態では0.5MPa未満である。上記二次コーティングのヤング率は、500MPa超、いくつかの実施形態では1000MPa超、いくつかの実施形態では1500MPa超である。いくつかの実施形態では、上記二次コーティングの外径は242マイクロメートルである。他のいくつかの実施形態では、上記二次コーティングの外径は200マイクロメートルである。
【0015】
これより本発明の実施形態を詳細に参照する。これらの実施形態の例は添付の図面に図示されている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本明細書で開示される光導波路ファイバの一実施形態に対応する屈折率プロファイル
【
図2】本明細書で開示される光ファイバのある実施形態の屈折率プロファイル
【
図3】本明細書で開示される光ファイバのある実施形態の屈折率プロファイル
【
図4】本明細書で開示される光ファイバのある実施形態の屈折率プロファイル
【
図5】本明細書で開示される光ファイバのある実施形態の屈折率プロファイル
【
図6】本明細書で開示される光ファイバのある実施形態の屈折率プロファイル
【
図7】本明細書で開示される光ファイバのある実施形態の屈折率プロファイル
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の「発明を実施するための形態」において、更なる特徴及び利点を記載する。これは当業者には本説明から明らかとなるか、又は以下の説明と、請求項及び添付の図面とに記載された通りに実践することによって認識される。
【0018】
少なくともいくつかの実施形態によると、光ファイバは、データセンターにおける用途、及び家庭用設備へのファイバのために、特に直径15mmの曲げ等の小さい曲げに関して、曲げによって誘発される損失が小さい。少なくともいくつかの実施形態によると、本明細書で開示される光ファイバは、既に設置されているファイバネットワークシステムに対して上位互換性を有する。少なくともいくつかの実施形態によると、本明細書で開示される光ファイバは、1310nmでのモードフィールド径が>9マイクロメートルであり、これにより既に設置されている光ファイバとのスプライス損失が小さくなる。本明細書で開示される光ファイバは、トランスミッタ及びレシーバを有するネットワークシステムにケーブル接続でき、またその一部となることができる。
【0019】
「屈折率プロファイル(refractive index profile)」は、屈折率又は相対屈折率とファイバ半径との間の関係である。屈折率プロファイルの各セグメントに関する半径は、略号r1、r2、r3、r4a、r4等で与えられ、小文字と大文字とは相互交換可能なものとして使用される(例えばr1はR1に等しい)。
【0020】
「相対屈折率パーセント(relative refractive index percent)」(ここでは「屈折率デルタパーセント(refractive index delta percent)」、「相対屈折率(relative refractive index)」、「屈折率デルタ(refractive index delta)」及び「相対屈折率デルタ(relative refractive index delta)」とも呼ばれる)は、Δ%=100×(ni
2-nc
2)/2ni
2として定義され、本明細書中で使用される場合、ncは非ドープシリカの平均屈折率である。本明細書中で使用される場合、相対屈折率はΔで表され、その値は特段の記載がない限り単位「%」で与えられる。用語:デルタ、Δ、Δ%、%Δ、デルタ%、%デルタ及びパーセントデルタは、本明細書中では相互交換可能なものとして使用され得る。本明細書に記載の実施形態に関して、光ファイバの全体的な屈折率プロファイルを上下にシフトさせることによって、等しい相対屈折率プロファイルを得ることができる。ある領域の屈折率が非ドープシリカの平均屈折率未満である場合、相対屈折率パーセントは負となり、「下降領域又は下降屈折率を有する」と表現される。ある領域の屈折率がクラッド領域の平均屈折率より大きい場合、相対屈折率パーセントは正である。本明細書中では、「アップドーパント(updopant)」は、純粋な非ドープSiO2に対して屈折率を上昇させる性質を有するドーパントであるとみなされる。本明細書中では、「ダウンドーパント(downdopant)」は、純粋な非ドープSiO2に対して屈折率を低下させる性質を有するドーパントであるとみなされる。アップドーパントの例としては、GeO2(ゲルマニア)、Al2O3、P2O5、TiO2、Cl、Brが挙げられる。ダウンドーパントの例としては、フッ素及びホウ素が挙げられる。いくつかの実施形態では、コアはゲルマニアドープシリカを含む。いくつかの実施形態では、コア領域中の最大ゲルマニア濃度[GeO2]core‐maxは、重量%で4重量%≦[GeO2]core‐max≦13重量%、いくつかの実施形態では6重量%≦[GeO2]core‐max≦12重量%、いくつかの実施形態では7重量%≦[GeO2]core‐max≦11重量%である。いくつかの実施形態では、コアは塩素ドープシリカを含む。いくつかの実施形態ではコア領域中の最大塩素濃度[Cl]core‐maxは、重量%で1重量%≦[Cl]core‐max≦7重量%、いくつかの実施形態では1重量%≦[Cl]core‐max≦6重量%、いくつかの実施形態では1.5重量%≦[Cl]core‐max≦6重量%である。
【0021】
導波路ファイバの「波長分散(chromatic dispersion)」(本明細書では特段の記載がない限り「分散(dispersion)」と呼ばれる)は、材料分散、導波路分散及びモード間分散の合計である。単一モード導波路ファイバの場合、モード間分散はゼロである。ゼロ分散波長は、上記分散の値がゼロとなる波長である。分散勾配は、波長に対する分散の変化率である。
【0022】
「有効面積(effective area)」は、等式1:
Aeff=2π(∫f2rdr)2/(∫f4rdr)
のように定義され、ここで積分限界は0~∞であり、rはコアの中心からの径方向距離であり、fは導波路内を伝播する光に関連する電場の横断方向成分である。本明細書中で使用される場合、「有効面積」又は「Aeff」は、特段の記載がない限り、波長1550nmでの光学有効面積を指す。
【0023】
用語「αプロファイル(α‐profile)」は、単位が「%」であるΔ(r)に関して表される屈折率プロファイルを指し、ここでrは半径であり、またΔ(r)は以下に示す等式2:
Δ(r)=Δ(ro)(1-[r-ro/(r1-ro)]α)
に従っており、ここでroは、Δ(r)が最大となるコア内の点(径方向位置)であり、r1は、Δ(r)%がゼロとなる点であり、rはri≦r≦rfの範囲内であり、Δは上で定義されており、riはαプロファイルの始点であり、rfはαプロファイルの終点であり、αは、実数のべき指数(本明細書では「コアα(core α)」、「コアアルファ(core alpha)」、「アルファ値(alpha value)」又は「α値(α value)」と呼ばれる)である。
【0024】
モードフィールド径(MFD)はPeterman II法を用いて測定され、2w=MFDであり、ここでw2=(2∫f2rdr/∫[df/dr]2rdr)であり、積分限界は0~∞である。
【0025】
導波路ファイバの曲げ耐性は、規定された試験条件下で誘発される減衰によって;例えば規定された直径のマンドレルの周りにファイバを配備する又は巻き付けることによって;例えば直径6mm、10mm又は20mm等のマンドレルの周りに1回巻き付けて(例えば「1×10mm径マクロ曲げ損失」又は1×20mm径マクロ曲げ損失」)、1周あたりの減衰の増加を測定することによって、測定できる。
【0026】
曲げ試験の1つのタイプは、側方荷重微小曲げ試験である。このいわゆる「側方荷重(lateral load)」試験(LLWM)では、規定の長さの導波路ファイバを2つの平坦なプレートの間に配置する。#70ワイヤメッシュを一方のプレートに取り付ける。既知の長さの導波路ファイバをプレート間に挟み、プレートを30ニュートンの力で押圧しながら基準減衰を測定する。次にプレートに70ニュートンの力を印加し、減衰の増加を単位dB/mで測定する。この減衰の増加は、所定の波長(典型的には1200~1700nmの範囲内、例えば1310nm又は1550nm又は1625nm)における導波路の側方荷重減衰(単位dB/m)である。
【0027】
別のタイプの曲げ試験は、ワイヤメッシュ被覆ドラム微小曲げ試験(WMCD)である。この試験では、直径400mmのアルミニウムドラムにワイヤメッシュを巻き付ける。メッシュは引き伸ばされることなくしっかりと巻き付けられ、また孔、くぼみ又は損傷を有してはならない。ワイヤメッシュ材料の仕様:McMaster‐Carr Supply Company(オハイオ州クリーブランド)、部品番号85385T106、耐腐食タイプ304ステンレス鋼のワイヤ織布、平方インチあたりのメッシュ:165×165、ワイヤ直径0.0019インチ(0.04826mm)、開口の幅:0.0041インチ(0.10414mm)、開口面積%:44.0。規定の長さ(750メートル)の導波路ファイバを、80(+/-1)グラムの張力を印加しながら、0.050cmの巻き取りピッチで、ワイヤメッシュドラム上に1m/秒の速度で巻き付ける。上記規定の長さのファイバの端部は、張力を維持するためにテープで固定され、またファイバは交差しない。光ファイバの減衰を、所定の波長(典型的には1200~1700nmの範囲内、例えば1310nm又は1550nm又は1625nm)で測定し;平滑なドラム上に巻き付けられた光ファイバに対して、基準減衰を測定する。この減衰の増加は、所定の波長(典型的には1200~1700nmの範囲内、例えば1310nm又は1550nm又は1625nm)における導波路のワイヤメッシュ被覆ドラム減衰(単位dB/km)である。
【0028】
別のタイプの曲げ試験は、バスケットウィーブ微小曲げ損失試験である。このバスケットウィーブ微小曲げ試験では、ファイバを高い張力下でガラススプールに巻き付け、温度サイクルに供する。試験装置は、固定直径のシリカドラムで構成される。ドラム表面は平滑である。この試験では、ドラムの直径は110mmである。ファイバを、巻き張力70グラム及びピッチ(ファイバの隣接する巻きの間の距離)2mmで、ガラスドラム上に巻き付ける。複数層のファイバをこの張力及びピッチで巻き付ける。ピッチの角度は、巻き付ける層毎に反転させる。張力を印加されたファイバの、隣接する層による交差が、微小曲げ機構を形成する。2.5kmのファイバ長さを使用する。初期ファイバ減衰測定は、張力70グラムのバスケットウィーブ構成に配備されたファイバを用いて、約23℃、約45%RH(relative humidity:相対湿度)で実施する。初期減衰損失測定は、波長1310nm、1550nm及び1625nmで実施する。OTDR(optical time domain reflectometer:光学タイムドメイン反射率計)を用いて、減衰損失データを取得する。
【0029】
23℃での初期減衰損失測定の後、ファイバを熱サイクルに供する。この熱サイクルでは、ファイバをまず1℃/分の速度で23℃から-60℃まで冷却する。ファイバを-60℃に20時間維持した後、1℃/分の速度で再び23℃まで加熱する。ファイバを23℃に2時間維持した後、1℃/分の速度で70℃まで加熱し、70℃に2時間維持する。続いてファイバを1℃/分の速度で23℃まで冷却し、23℃に2時間維持する。その後ファイバを第2の熱サイクルに供するが、この第2の熱サイクルは、第1の熱サイクルと同一であった。即ち1℃/分の速度で23℃から-60℃まで冷却し、再び23℃まで加熱し、この温度に2時間維持した後、23℃から70℃まで加熱し、70℃に2時間維持する。最後に、23℃に2時間維持した後、第2のサイクルの後でファイバを再び1℃/分の速度で-60℃まで冷却し、-60℃に20時間維持してから、1℃/分の速度で-60℃まで更に冷却する。ファイバを-60℃に20時間維持した後、1℃/分の速度で再び23℃まで加熱し、23℃に2時間維持する。この熱サイクルはこの時点で終了する。
【0030】
ファイバの熱サイクル中、ファイバの減衰損失を継続的に測定する。-60℃まで低下させる上記2つの熱サイクルにわたる最大減衰損失を決定し、この最大減衰損失と、23℃における初期減衰損失との差を、本明細書では、-60℃~70℃の温度範囲にわたるファイバのバスケットウィーブ微小曲げ損失として報告する。-60℃まで低下させる上記熱サイクルでは、-60℃で測定された減衰損失と23℃での初期減衰損失との差を、本明細書では、-60℃~23℃の温度範囲にわたるファイバのバスケットウィーブ微小曲げ損失として報告する。
【0031】
「ピンアレイ(pin array)」曲げ試験を用いて、曲げに対する導波路ファイバの相対的な耐性を比較する。この試験を実施するために、曲げ損失が実質的に誘発されていない導波路ファイバに関して、減衰損失を測定する。次に導波路ファイバを、ピンアレイの周囲で織り上げ、減衰を再び測定する。曲げによって誘発された損失は、測定した2つの減衰の差である。ピンアレイは、平坦な表面上に1列に配設されて固定垂直位置に保持された、10個の円筒形ピンのセットである。ピンの間隔は中心間で5mmである。ピンの直径は0.67mmである。試験中、導波路ファイバをピン表面の部分に適合させるために、十分な張力を印加する。この減衰の増加は、所定の波長(典型的には1200~1700nmの範囲内、例えば1310nm又は1550nm又は1625nm)における導波路のピンアレイ減衰(単位dB)である。
【0032】
所与のモードに関する理論上のファイバカットオフ波長、又は「理論上のファイバカットオフ(theoretical fiber cutoff)」若しくは「理論上のカットオフ(theoretical cutoff)」は、それを超えると、導かれた光が当該モードにおいて伝播できなくなる波長である。数学的定義は、Single Mode Fiber Optics, Jeunhomme, pp. 39‐44、Marcel Dekker、New York、1990で確認でき、ここでは理論上のファイバカットオフは、モード伝播定数が外側クラッドの平面波伝播定数と等しくなる波長として説明されている。この理論上の波長は、直径の変動を有しない、無限に長く完全に真っ直ぐのファイバに当てはまる。
【0033】
ファイバカットオフは、標準2mファイバカットオフ試験FOTP‐80(EIA‐TIA‐455‐80)によって測定され、これによって「2mファイバカットオフ(2m fiber cutoff)」又は「測定カットオフ(measured cutoff)」としても知られる「ファイバカットオフ波長(fiber cutoff wavelength)」が得られる。FOTP‐80標準試験は、制御された曲げ量を用いて高次モードを除去するため、又はファイバのスペクトル応答をマルチモードファイバのスペクトル応答に対して正規化するために実施される。
【0034】
本明細書中で使用される「ケーブル接続カットオフ波長(cabled cutoff wavelength)」、「ケーブルカットオフ(cable cutoff)」、「ケーブルカットオフ波長(cable cutoff wavelength)」又は「ケーブル接続カットオフ(cabled cutoff)」によって、本発明者らは、EIA‐TIAファイバ光学標準(EIA‐TIA Fiber Optics Standards)、即ちエレクトロニクス産業連合‐遠距離通信産業境界ファイバ光学標準(Electronics Industry Alliance ‐ Telecommunications Industry Association Fiber Optics Standards)の一部であるEIA‐445ファイバ光学試験手順に記載された22mケーブル接続カットオフ試験によって決定される、ケーブルカットオフ波長を意味している。
【0035】
本明細書中に特段の記載がない限り、光学特性(分散、分散勾配等)は、LP01モードに関して報告される。
【0036】
本明細書で開示される光ファイバは、1550nmにおいて約70マイクロメートル2超、いくつかの実施形態では75~95マイクロメートル2、例えば80~90マイクロメートル2の有効面積を示すことができる。いくつかの実施形態では、1550nmにおける光学モード有効面積は、約82~88マイクロメートル2である。
【0037】
ファイバ10の実施形態(例えば
図1を参照)は、最大屈折率デルタパーセントΔ
1を備えるコア12と、コア12を取り囲むクラッド20とを含む。本明細書で開示される少なくともいくつかの実施形態では、コアアルファは5より大きい(即ちα>5)。本明細書に記載の例示的実施形態によると、ファイバ10は好ましくは単一モードファイバである。
【0038】
クラッド20は、コア12に接触してこれを取り囲む内側クラッド領域21と、内側クラッド領域21を取り囲む下降屈折率クラッド領域22(本明細書ではトレンチ領域とも呼ばれる)とを含む。クラッド領域22は屈折率デルタパーセントΔ
3を有する。外側クラッド領域24はトレンチ領域22を取り囲み、屈折率デルタパーセントΔ
4を備える。トレンチ領域は、より高い屈折率の領域に取り囲まれた低屈折率領域である。例えば
図1に示すように、クラッド20内のトレンチ領域22は、2つの高屈折率クラッド領域、即ちクラッド領域21及び24に取り囲まれる。
【0039】
本明細書に記載の実施形態では、Δ
1max>Δ
4;Δ
3<Δ
2;及びΔ
4>Δ
3である。
図1~7に示す実施形態では、クラッド領域21、22及び24は互いに隣接している。しかしながらこれは必須ではなく、代わりに追加のクラッド領域を採用してもよい。
【0040】
コア12は、2.75~6マイクロメートル、いくつかの実施形態では約3~5.75マイクロメートル、例えば3.5~5.6マイクロメートル、いくつかの実施形態では4~5マイクロメートルの外径r1(これは、中心のコア12の屈折率デルタパーセントの最大勾配を通って引かれた接線がゼロデルタの線と交差する場所として定義される)を備える。コア12は(純シリカに対する)屈折率デルタパーセントΔ1を示す。コアの最大屈折率デルタΔ1maxは、0%(純シリカ製である場合)~0.65%、又は0.15~0.5%、いくつかの実施形態では約0.2~0.5%である。いくつかの実施形態ではΔ1max≧0.38、例えば0.5≧Δ1max≧0.38である。
【0041】
いくつかの実施形態では、コア12はコアアルファ(α)を示し、ここでαは5超、例えば少なくとも10である。いくつかの実施形態では、コアアルファは15以上である。いくつかの実施形態では、コア12は、約10~100のアルファを備えてよく、例えばいくつかの実施形態では、コアアルファαは15~100、いくつかの実施形態では15~40であってよい。α
1が約20である例示的なファイバの実施形態の屈折率プロファイルを、例えば
図1に示す。
【0042】
図3~7に示す実施形態では、内側クラッド領域21はコア12に隣接し、内径r
1及び外径r
2を備える。内側クラッド領域21は好ましくは、(純シリカに対する)屈折率デルタパーセントΔ
2≦0.3を示す。上述のように、Δ
1≧Δ
2である。本明細書に記載の例示的実施形態では、0.15%≦Δ
1max-Δ
2≦0.5%、例えば0.2%<Δ
1max-Δ
2<0.4%又は0.25%<Δ
1max-Δ
2<0.35%である。いくつかの実施形態ではΔ2 は0~0.3%、例えば約0~0.25%又は0.1~0.2%である。あるいは例えば、コア領域12(本明細書ではコアとも呼ばれる)が純シリカ製である場合、内側クラッド領域21は純シリカに対してダウンドープされ、これによりΔ
1max-Δ
2≦0.5%となる。内側クラッド領域21の外径r
2は、5~17マイクロメートル、いくつかの実施形態では約7~15マイクロメートル、例えば6~12マイクロメートル又は6~10マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、比r
2/r
1は>1.2である。いくつかの実施形態では、比r
2/r
1は≧1.25、例えば1.25≦r
2/r
1≦2.5である。本明細書に記載の例示的実施形態のうちの少なくともいくつかでは、1.6≦r
2/r
1≦2.4である。本明細書に記載の例示的実施形態のうちの少なくともいくつかでは、1.8≦r
2/r
1≦2.35である。半径r
1、Δ
1maxとΔ
2との差、及びr
2/r
1の比の上述の値により、ファイバは、1300nm≦λ
0≦1324nmのλ
0、及び波長1310nmにおいて8.2マイクロメートル~9.5マイクロメートルのMFDを有する。
【0043】
トレンチ領域22(本明細書では下降屈折率クラッド領域とも呼ばれる)は、内側クラッド領域21を取り囲む。トレンチ領域22は、Δ2より小さい屈折率デルタパーセントΔ3を有する。いくつかの実施形態では、Δ3は-0.4%≦Δ3≦0.1%である。例えばいくつかの実施形態では上記トレンチは純シリカで形成され、Δ3は0である。いくつかの実施形態ではトレンチ領域22の相対屈折率デルタパーセントは略フラットであり、即ちトレンチ領域22内のいずれの2つの半径における相対屈折率デルタパーセントの差は、0.03%未満、いくつかの実施形態では0.01%未満である。他の実施形態では、プロファイル設計又はプロセスの小さなばらつきの結果として、変動が存在し得る。いくつかの実施形態では、トレンチ領域22は、実質的にフッ素又はゲルマニアによってドープされていないシリカを含み、即ちこれによって、上記領域はフッ素及びゲルマニアを実質的に、即ち0.1重量%未満のF又はGeO2しか含まない。いくつかの実施形態では、トレンチ領域は純シリカであり、他の実施形態ではトレンチ領域はフッ素でドープされたシリカであり、これにより-0.4%≦Δ3≦0.1%となる。いくつかの実施形態では、0.35%≦Δ1max-Δ3≦0.65%である。
【0044】
トレンチ領域22は好ましくは、約4マイクロメートル~22マイクロメートル、いくつかの実施形態では8~20マイクロメートルの幅W
t(ここでW
t=r
3-r
2)を有する。いくつかの実施形態では、トレンチ領域の外径r
3は、10マイクロメートル以上、例えば12マイクロメートル超かつ27マイクロメートル未満、又は約14.5マイクロメートル~約25.5マイクロメートルであってよく、これにより、良好な曲げ性能と、≦1260nmのケーブルカットオフとが達成される。外側クラッド領域24はトレンチ領域22を取り囲み、トレンチ領域22の屈折率デルタパーセントΔ
3より大きい屈折率デルタパーセントΔ
4を備え、これにより、例えば外側クラッド領域の屈折率を上昇させるために十分な量のドーパント(ゲルマニア又は塩素)を添加することによって、下降屈折率クラッド領域22に対して「非ドープ(undoped)」の外側クラッド領域24である領域が形成される。いくつかの実施形態では、トレンチ領域22にはフッ素又は他のダウンドーパントが存在せず、外側クラッド領域24が例えば塩素であるアップドーパントを含む。いくつかの実施形態では、外側クラッド領域24の塩素濃度は≧1重量%である。他のいくつかの実施形態では、外側クラッド領域24の塩素濃度は≧1.2重量%である。更に他の実施形態では、外側クラッド領域24の塩素濃度は≧1.5重量%である。更に他の実施形態では、外側クラッド領域24の塩素濃度は≧2重量%である。外側クラッド領域24は、トレンチ領域22の屈折率より高い屈折率を備え、例えば0.12%~0.4%の屈折率デルタパーセントΔ
4を有してよい。いくつかの実施形態では0.12%≦Δ
4-Δ
3≦0.4%、例えばいくつかの実施形態では0.12%<Δ
4-Δ
3<0.3%である。いくつかの実施形態では、外側クラッド領域24は、(外径r
4aを有する)第1の外側クラッド領域24a(外径r
4a)及び(外径r
4を有する)第2の外側クラッド領域24bからなり、第1の外側クラッド領域24aは、r
3から40マイクロメートルまでにおいて≧1.2重量%の塩素濃度を有する。いくつかの実施形態では第1の外側クラッド領域24aは、r
3から40マイクロメートルまでにおいて≧1.5重量%の塩素濃度を有し、いくつかの実施形態では、第1の外側クラッド領域24aは、r
3から40マイクロメートルまでにおいて≧2重量%の塩素濃度を有する。いくつかの実施形態では、第2の外側クラッド領域24bは、第1の外側クラッド層より高い粘度を有する。即ち第2の外側クラッド領域24bのガラスの粘度は、第1の外側クラッド領域24aのガラスの粘度より高い。この実施形態では、第2の外側クラッド領域24bは張力吸収層である。いくつかの実施形態では、第2の外側クラッド領域24bは、r
4aからr
4までにおいて≧0.5重量%の塩素濃度を有する(ここでr
4aは例えば
図2に示すように、高(例えばCl≧1.2重量%)アップドープ領域の半径であり、r
4はガラス光ファイバの外径であり、例えば62.5マイクロメートルである)。いくつかの実施形態では、第2の外側クラッド領域24bはその内径r
4aから外径r
4までにおいて、≦0.25重量%の塩素濃度を有する。いくつかの実施形態では、第2の外側クラッド領域は、r
4aからr
4までにおいて、0.0重量%[Cl]≦0.2重量%の塩素濃度[Cl]を有する。いくつかの実施形態では、40マイクロメートル≦r
4a≦55マイクロメートルであり、例えばr
4aは40マイクロメートル、45マイクロメートル、50マイクロメートル又は55マイクロメートルである。好ましくは、外側クラッド領域24の(トレンチ領域22に比べて)高屈折率の部分は少なくとも、光ファイバを通して伝送されることになる光出力が、伝送された光出力の90%以上となる点、より好ましくは、光ファイバを通して伝送されることになる光出力が、伝送された光出力の95%以上となる点、最も好ましくは、光ファイバを通して伝送されることになる光出力が、伝送された光出力の98%以上となる点まで延在し、これは、良好な曲げ性能及び≦1260nmのケーブルカットオフを達成するために好ましい。いくつかの実施形態では、これは「アップドープされた(updoped)」第3の環状領域(即ち第1の外側クラッド領域24a)を少なくとも、約30マイクロメートルの径方向地点まで延在させることによって達成される。いくつかの実施形態では、この「アップドープされた」第3の環状領域24aは少なくとも、約40マイクロメートルの径方向地点まで延在し、ここで第4の環状領域(即ち第2の外側クラッド領域24b)は基本的に、上記第3の環状領域を取り囲むシリカで構成される。いくつかの実施形態では、クラッド20は、約125マイクロメートルである最大半径R
maxの2倍の外径を有する。
図2に示すように、外側クラッド24のアップドープ領域24a(即ち第1の外側クラッド領域)は、屈折率デルタパーセントΔ
4を有し、クラッド領域24b(即ち第2の外側クラッド領域)は、屈折率デルタパーセントΔ
5を有し、Δ
4>Δ
5である。
【0045】
トレンチ領域22のプロファイル体積V3は、半径r2と半径r3との間のΔ(4‐3)(r)rdrを用いて算出されるため、等式3:
【0046】
【0047】
で定義される。
【0048】
全ての体積は絶対値である(即ちV3=|V3|)。良好な曲げ性能を達成するために、トレンチ領域22の体積V3は好ましくは30%Δマイクロメートル2であり、45%Δマイクロメートル2より大きくてよく、いくつかの実施形態では50%Δマイクロメートル2より大きく、いくつかの実施形態では55%Δマイクロメートル2より大きくてよい。いくつかの実施形態では、トレンチ領域22の体積V3は、30%Δマイクロメートル2~90%Δマイクロメートル2、例えば40~80%Δマイクロメートル2である。
【0049】
本明細書で開示される例示的実施形態では、コア12は全体として正の屈折率を有する。コア領域12は、r=0とr=3マイクロメートルとの間で生じる最大屈折率デルタパーセントΔ1maxを備える。これらの実施形態では、Δ1maxは約0.38%~約0.5%である。
【0050】
ファイバは、MAC数が≧7.25であるとき、直径15mmのマンドレル上に巻き付けた場合に、0.5dB/turn未満の曲げ損失を示し得る。いくつかの実施形態では、本明細書で開示される光ファイバは、≧7.6、又は≧7.7でさえあるMAC数を有し、いくつかの例では7.6≦MAC≦8であり、ゼロ分散波長λ0は1324nm≧λ0≧1300nmである。本明細書中で使用される場合、MAC数は、1310(nm)におけるモードフィールド径を22mケーブルカットオフ波長(nm)で除算したものを意味する。
【0051】
本明細書で開示されるファイバは、従来の製造技法を用い、かつ例えば米国特許第7,565,820号明細書、米国特許第5,410,567号明細書、米国特許第7,832,675号明細書、米国特許第6,027,062号明細書(これらの明細書は参照により本出願に援用される)において開示されているような公知のファイバドロー方法及び装置を用いて、光ファイバプリフォームからドロー加工してよい。
【0052】
様々な例示的実施形態を、以下の実施例によって更に明らかにする。請求項の精神又は範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更を実施できることは、当業者には明らかであろう。
【実施例】
【0053】
以下の表1は、ファイバの実施例1~3の特徴を列挙したものである。これらのファイバの実施形態は、
図3~5に示されている屈折率プロファイルを有する。特に、各実施例に関して以下に記載されるのは:コア12の屈折率デルタパーセントΔ
1、アルファ1(α1)及び外径r
1;内側クラッド領域21の屈折率デルタパーセントΔ
2及び外径r
2;並びにトレンチ領域22の屈折率デルタパーセントΔ
3及び外径r
3、並びにr
2とr
3との間で算出されるプロファイル体積V
3;屈折率デルタパーセントΔ
4である。また、1310nmにおける波長分散及び分散勾配、1550nmにおける波長分散及び分散勾配、1310nm及び1550nmにおけるモードフィールド径、1550nmにおける側方荷重ワイヤメッシュ微小曲げ、ゼロ分散波長(ラムダ0)、22mケーブルカットオフ、1310nmにおけるMAC数、1×15mm径曲げ損失(ファイバを直径15mmのマンドレルの周りに1回巻き付けた場合の曲げ損失)、並びに1310nm及び1550nmにおけるスペクトル減衰も記載される。
【0054】
【0055】
上の表1に示すように、表1に示す例示的なファイバは、屈折率Δ1を有するガラスコア領域12、屈折率Δ2を有する内側クラッド領域21、屈折率デルタパーセントΔ3を有するクラッドトレンチ領域22、及び屈折率デルタパーセントΔ4を有する外側クラッド領域24を採用し、ここでΔ1max>Δ2;Δ1max>Δ4;Δ3>Δ2;Δ4>Δ3であり、Δ1maxとΔ2との差は少なくとも0.15以上であり、Δ1maxとΔ3との差は少なくとも0.35以上(例えば0.38≦Δ1max-Δ3≦0.65)であり;Δ2とΔ3との間の差は少なくとも0.08以上(例えば0.08≦Δ2-Δ2≦0.4)であり;Δ4とΔ3との差は少なくとも0.08以上(例えば0.1≦Δ4-Δ3≦0.4、又は0.1≦Δ4-Δ3≦0.3);プロファイル体積の絶対値|V3|は少なくとも30%マイクロメートル2である。これらのファイバは、1310nmにおいて9マイクロメートル~9.5マイクロメートル、例えば9.2マイクロメートル~9.5マイクロメートルのモードフィールド径(MFD)と、1300nm~1324nmのゼロ分散波長とを有する。これらのファイバは、1550nm及び1310nmにおいてそれぞれ≦0.18dB/km及び≦0.32dB/kmの減衰を有する。
【0056】
以下の表2は、ファイバの実施例4の特徴を列挙したものである。このファイバの実施形態は、
図6に示されているような屈折率プロファイルを有する。
【0057】
【0058】
上の表2で確認できるように、
図2及び
図6に示されているもののような例示的なファイバは、屈折率デルタパーセントΔ
1maxを有するガラスコア領域12、屈折率デルタパーセントΔ
2、を有する内側クラッド領域21、屈折率デルタパーセントΔ
3、を有するトレンチ領域22、屈折率デルタパーセントΔ
4を有する第1の外側クラッド領域24a、及び屈折率デルタパーセントΔ
5を有する第2の外側クラッド領域24bを採用し;ここでΔ
1max>Δ
2;Δ
1max>Δ
4;Δ
3>Δ
2;Δ
4>Δ
3であり、Δ
1maxとΔ
2との差は少なくとも0.15以上であり、Δ
1maxとΔ
3との差は少なくとも0.35以上(例えば0.38
≦Δ
1max-Δ
3≦0.65)であり;Δ
2とΔ
3との差は少なくとも0.08以上(例えば0.08≦Δ
2-Δ
2≦0.4)であり;Δ
4とΔ
3との差は少なくとも0.08以上(例えば0.1≦Δ
4-Δ
3≦0.4、又は0.1
≦Δ
4-Δ
3≦0.3)であり;プロファイル体積の絶対値|V
3|は少なくとも30%マイクロメートル
2である。この実施形態では、クラッド領域24bは、相対屈折率パーセントが約ゼロであるシリカ層である。クラッド領域24b(即ち第2の外側クラッド領域)は、剛性の張力吸収層として作用する。このファイバの実施形態は、1310nmにおいて9マイクロメートル~9.5マイクロメートルのモードフィールド径(MFD)と、1300nm~1324nmのゼロ分散波長とを有する。
【0059】
本明細書に記載のファイバの実施形態は、1260nm以下のケーブルカットオフと、直径15mmのマンドレル上に巻き付けた場合に0.5dB/turn未満の曲げ損失とを示す。これらのファイバはまた、1310nmにおいて9マイクロメートル~9.5マイクロメートルのモードフィールド径と、1300nm~1324nmのゼロ分散波長と、1310nmにおいて0.092ps/nm2/km以下の分散勾配とを示す。これらのファイバは、1550nmにおいて0.07dB/km以下、いくつかの実施形態では0.06dB/km以下、いくつかの実施形態では0.05dB/km以下のワイヤメッシュ被覆ドラム(WMCD)曲げ損失を示す。これらのファイバはまた、1550nmにおいて8.5dB未満、いくつかの実施形態では5dB未満、いくつかの実施形態では4dB未満のピンアレイ曲げ損失を示す。これらのファイバは、1550nmにおいて0.05dB/km以下、いくつかの実施形態では0.025dB/km以下、いくつかの実施形態では0.01dB/km以下のバスケットウィーブ微小曲げ損失を示す。
【0060】
これらのファイバのうちの多くはまた、1550nmにおいて、直径15mmのマンドレル上に巻き付けた場合に、0.5dB/turn未満、場合によっては0.2dB/turn未満の曲げ損失を示す。これらのファイバはまた、1550nmにおいて、直径20mmのマンドレル上に巻き付けた場合に、0.2dB/turn未満、場合によっては0.15dB/turn未満、いくつかの実施形態では0.1dB/turn未満の曲げ損失を示す。これらのファイバはまた、1550nmにおいて、直径30mmのマンドレル上に巻き付けた場合に、0.02dB/turn未満、例えば0.005dB/turn未満、又は0.003dB/turn未満でさえある曲げ損失を示す。
【0061】
このような曲げ損失及び減衰性能は、ファイバに塗布された一次及び二次コーティングを用いて得ることができ、ここで上記一次コーティングのヤング率は2MPa未満、いくつかの実施形態では1MPa未満、いくつかの実施形態では0.5MPa未満である。上記二次コーティングのヤング率は、500MPa超、いくつかの実施形態では1000MPa超、いくつかの実施形態では1500MPa超である。いくつかの実施形態では、上記二次コーティングの外径は242マイクロメートルである。他のいくつかの実施形態では、上記二次コーティングの外径は200マイクロメートルである。
【0062】
表3は、製造された光ファイバの実施形態(実施例5の光ファイバ)のデータを提供する。光ファイバの実施例5の屈折率プロファイルは、
図7に示されている。
【0063】
【0064】
表3の実施形態では、光ファイバは1550nmにおいて0.05dB/km以下、例えば0.03dB/km以下の、-60℃でのバスケットウィーブ微小曲げ損失を示す。
【0065】
いくつかの実施形態では、ファイバのコアは、1つ以上の光ファイバ製造技法の結果として発生し得る、いわゆる中心線くぼみ(centerline dip)を有する相対屈折率プロファイルを備えてよい。しかしながら、本明細書で開示される屈折率プロファイルのいずれにおける中心線くぼみは、任意のものである。
【0066】
本明細書で開示される光ファイバは、コア12と、上記コアを取り囲み、かつ上記コアに直接隣接するクラッド20とを備える。いくつかの実施形態によると、コアは、ゲルマニウムでドープされたシリカ、即ちゲルマニアドープシリカで構成される。いくつかの実施形態によると、コアは、塩素でドープされたシリカ、即ち塩素ドープシリカで構成される。ゲルマニウム又は塩素以外のドーパントを、単独で又は組み合わせて、本明細書で開示される光ファイバのコア内、特に中心線又は中心線付近に使用することによって、所望の屈折率及び密度を得ることができる。複数の実施形態では、本明細書で開示される光ファイバ10のコア領域12は、負でない屈折率プロファイル、より好ましくは正の屈折率プロファイルを有し、内側クラッド領域21はコア領域12を取り囲み、かつコア領域12に直接隣接する。
【0067】
本明細書で開示される光ファイバは、保護コーティング、例えば外側クラッド領域24に接触してこれを取り囲む一次コーティングPで取り囲まれていてよく、この一次コーティングPは、1.0MPa未満、いくつかの実施形態では0.9MPa未満、いくつかの実施形態では0.8MPa以下のヤング率を有し、また上記光ファイバは更に、一次コーティングPに接触してこれを取り囲む二次コーティングSを備え、二次コーティングSは、1200MPa超、いくつかの実施形態では1400MPa超のヤング率を有する。
【0068】
一次及び二次コーティングを備えるいくつかの実施形態によると、二次コーティングの外径は250マイクロメートル未満である。いくつかの実施形態によると、ファイバは更に、一次及び二次コーティングでコーティングされ、二次コーティングの外径は210マイクロメートル未満である。
【0069】
本明細書中で使用される場合、一次コーティングの硬化済みポリマー材料のヤング率、破断伸び及び引張強度は、厚さ約0.003インチ(76マイクロメートル)~0.004インチ(102マイクロメートル)及び幅約1.3cmのフィルムとして成形された材料の試料に対して、引張試験機器(例えばSintech MTS Tensile Tester又はINSTRON Universal Material Test System)を、ゲージ長5.1cm及び試験速度2.5cm/分で用いて測定される。
【0070】
好適な一次及び二次コーティングに関する更なる説明は、国際公開第2005/010589号明細書で確認でき、上記特許はその全体が参照により本出願に援用される。
【0071】
好ましくは、本明細書で開示される光ファイバはOH含有量が低く、また好ましくは、ある特定の波長領域において、特にEバンドにおいて示すピークが比較的低いか又はピークを示さない減衰曲線を有する。本明細書で開示される光ファイバは好ましくは、1383nmにおいて、1310nmにおける光学減衰より0.10dB/km以下だけ高い、より好ましくは1310nmにおける光学減衰以下の、光学(スペクトル)減衰を有する。本明細書で開示される光ファイバは好ましくは、水素雰囲気、例えば0.01気圧の水素分圧に少なくとも144時間曝露した後、1383nmにおいて0.03dB/km未満の、最大水素誘発型減衰変化(maximum hydrogen induced attenuation change)を有する。
【0072】
低い水ピークは一般に、特に約1340nm~約1470nmの伝送信号に関して、比較的低い減衰損失を提供する。更に、低い水ピークは、1つ以上のポンプ波長で動作し得るラマンポンプ又はラマン増幅器といった、光ファイバに光学的に結合されたポンプ発光デバイスのポンプ効率の改善ももたらす。好ましくは、ラマン増幅器は、いずれの所望の動作波長又は波長領域より約100nm低い1つ以上の波長においてポンピングを行う。例えば、およそ1550nmの波長の動作信号を運搬する光ファイバは、ラマン増幅器により、1450nmのポンプ波長でポンピングされ得る。よって、約1400nm~約1500nmの波長範囲におけるファイバ減衰が低くなると、特に約1400nm付近のポンプ波長に関して、ポンプ減衰が低減され、かつポンプ効率、例えばポンプ電力1mWあたりの利得が上昇する傾向がある。
【0073】
本明細書で開示されるファイバは、特にOVDプロセスで製作した場合に、低いPMD値を示す。光ファイバの紡糸によっても、本明細書で開示されるファイバに関するPMD値を低下させることができる。
【0074】
以上の説明は単なる例示であり、請求項によって定義されるファイバの性質及び特徴を理解するための概観を提供することを意図したものであることを理解されたい。添付の図面は、これらの実施形態の更なる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する。これらの図面は様々な特徴及び実施形態を図示しており、これらはその説明と併せて、原理及び動作を説明する役割を果たす。本明細書に記載の実施形態に対して、添付の請求項の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な修正を実施できることは、当業者には明らかであろう。
【0075】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0076】
実施形態1
(I)外径r1、最大屈折率デルタパーセントΔ1max及び>5のコアアルファを有する、コア;並びに
(II)上記コアを取り囲むクラッド
を備える、単一モード光ファイバであって、
上記クラッドは:
(i)外径r2及び屈折率デルタパーセントΔ2を有し、Δ1max>Δ2である、内側クラッド領域;
(ii)>10マイクロメートルの外径r3及び屈折率デルタパーセントΔ3を有する、上記内側クラッド領域を取り囲むトレンチ領域;並びに
(iii)屈折率デルタパーセントΔ4を備え、上記トレンチ領域を取り囲み、塩素濃度が1.2重量%より大きい外側クラッド領域であって、Δ1max>Δ4、Δ2>Δ3及びΔ4>Δ3であり、Δ4-Δ3≧0.12%である、外側クラッド領域
を備え、
上記ファイバは:1310nmの波長において>9マイクロメートルのモードフィールド径MFD;1260nm未満のケーブルカットオフ;0.5dB/turn未満の、直径15mmのマンドレルに関する1550nmでの曲げ損失;及び1300nm≦λ0≦1324nmを示し、ここでλ0はゼロ分散波長である、単一モード光ファイバ。
【0077】
実施形態2
上記トレンチ領域のプロファイル体積|V3|は、少なくとも30%Δマイクロメートル2である、実施形態1に記載の光ファイバ。
【0078】
実施形態3
上記トレンチ領域の上記プロファイル体積|V3|は、少なくとも45%Δマイクロメートル2である、実施形態2に記載の光ファイバ。
【0079】
実施形態4
Δ4-Δ3≧0.15%である、実施形態1又は2に記載の光ファイバ。
【0080】
実施形態5
Δ1max-Δ2≧0.25%、Δ1max-Δ3≧0.35、及びΔ2-Δ3≧0.08%である、実施形態1~4のいずれか1つに記載の光ファイバ。
【0081】
実施形態6
0.15%≦Δ4-Δ3≦0.4%デルタである、実施形態5に記載の光ファイバ。
【0082】
実施形態7
上記コアは10重量%未満のゲルマニアを含む、実施形態1~6のいずれか1つに記載の光ファイバ。
【0083】
実施形態8
上記トレンチ領域は、0~2重量%のフッ素を含有する、実施形態1~7のいずれか1つに記載の光ファイバ。
【0084】
実施形態9
上記外側クラッド領域は、≧1.5重量%のCl濃度を備える、実施形態1~8のいずれか1つに記載の光ファイバ。
【0085】
実施形態10
上記内側クラッドの半径に対する上記コアの半径は、1.2<r2/r1<2.5である、実施形態1~9のいずれか1つに記載の光ファイバ。
【0086】
実施形態11
上記ファイバは更に、1550nmにおいて0.05dB/km以下のワイヤメッシュ被覆ドラム微小曲げ損失を示す、実施形態1~10のいずれか1つに記載の光ファイバ。
【0087】
実施形態12
上記ファイバは更に、1550nmにおいて0.01dB/km以下のワイヤメッシュ被覆ドラム微小曲げ損失を示す、実施形態1~11のいずれか1つに記載の光ファイバ。
【0088】
実施形態13
上記トレンチ領域は基本的にフッ素及びゲルマニアを含まない、実施形態1~12のいずれか1つに記載の光ファイバ。
【0089】
実施形態14
r3から少なくとも30マイクロメートルの半径まで延在する径方向位置に関して、Δ4≧Δ2である、実施形態1に記載の光ファイバ。
【0090】
実施形態15
上記ファイバは1550nmにおいて0.18dB/km以下の減衰を示す、実施形態1~14のいずれか1つに記載の光ファイバ。
【0091】
実施形態16
上記ファイバは1310nmにおいて0.32dB/km以下の減衰を示す、実施形態1~15のいずれか1つに記載の光ファイバ。
【0092】
実施形態17
上記コアアルファは10より大きい、実施形態1~16のいずれか1つに記載の光ファイバ。
【0093】
実施形態18
9マイクロメートル<1310nmにおけるMFD<9.5マイクロメートルである、実施形態1~17のいずれか1つに記載の光ファイバ。
【0094】
実施形態19
上記ファイバは更に、1550nmにおいて0.05dB/km以下の、-60℃でのバスケットウィーブ微小曲げ損失を示す、実施形態1~18のいずれか1つに記載の光ファイバ。
【0095】
実施形態20
上記ファイバは更に、1550nmにおいて0.01dB/km以下の、-60℃でのバスケットウィーブ微小曲げ損失を示す、実施形態1~19のいずれか1つに記載の光ファイバ。
【0096】
実施形態21
上記ファイバは更に、一次コーティング及び二次コーティングでコーティングされ、
上記二次コーティングの外径は250マイクロメートル未満である、実施形態1~20のいずれか1つに記載の光ファイバ。
【0097】
実施形態22
上記ファイバは更に、上記一次コーティング及び上記二次コーティングでコーティングされ、
上記二次コーティングの外径は210マイクロメートル未満である、実施形態1~21のいずれか1つに記載の光ファイバ。
【0098】
実施形態23
上記外側クラッド領域は:
屈折率デルタパーセントΔ4及び1.2重量%超の塩素濃度を有する、第1の外側クラッド領域;並びに
上記第1の外側クラッド領域を取り囲み、Δ4>Δ5となるような屈折率デルタパーセントΔ5を備える、第2の外側クラッド領域
を備え、
上記第2の外側クラッド領域は、0.5重量%未満の塩素濃度を有する、実施形態1に記載の光ファイバ。
【0099】
実施形態24
上記第2の外側クラッド領域のガラスの粘度は、上記第1の外側クラッド領域のガラスの粘度より高い、実施形態23に記載の光ファイバ。
【0100】
実施形態25
上記コア領域の最大ゲルマニア濃度[GeO2]core‐maxは、重量%で4重量%≦[GeO2]core‐max≦13重量%である、実施形態1に記載の光ファイバ。
【0101】
実施形態26
上記コア領域の最大ゲルマニア濃度[GeO2]core‐maxは、重量%で6重量%≦[GeO2]core‐max≦12重量%である、実施形態1に記載の光ファイバ。
【0102】
実施形態27
上記コア領域の最大ゲルマニア濃度[GeO2]core‐maxは、重量%で7重量%≦[GeO2]core‐max≦11重量%である、実施形態1に記載の光ファイバ。
【0103】
実施形態28
上記コア領域の最大塩素濃度[Cl]core‐maxは、重量%で1重量%≦[Cl]core‐max≦7重量%である、実施形態1に記載の光ファイバ。
【0104】
実施形態29
上記コア領域の最大塩素濃度[Cl]core‐maxは、重量%で1重量%≦[Cl]core‐max≦6重量%である、実施形態1に記載の光ファイバ。
【0105】
実施形態30
上記コア領域の最大塩素濃度[Cl]core‐maxは、重量%で1.5重量%≦[Cl]core‐max≦6重量%である、実施形態1に記載の光ファイバ。
【符号の説明】
【0106】
10 ファイバ、光ファイバ
12 コア、コア領域
20 クラッド
21 内側クラッド領域
22 下降屈折率クラッド領域、トレンチ領域
24 外側クラッド領域
24a 第1の外側クラッド領域
24b 第1の外側クラッド領域