(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】薬剤送達システムのための針アクチュエータ組立体
(51)【国際特許分類】
A61M 5/20 20060101AFI20220928BHJP
A61M 5/158 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
A61M5/20 550
A61M5/158 500Z
A61M5/20 510
(21)【出願番号】P 2018564793
(86)(22)【出願日】2017-06-08
(86)【国際出願番号】 US2017036580
(87)【国際公開番号】W WO2017214415
(87)【国際公開日】2017-12-14
【審査請求日】2020-04-13
(32)【優先日】2016-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ヴィンセント クイン
(72)【発明者】
【氏名】モハメド マハディ
(72)【発明者】
【氏名】オリバー チャールズ ゲイズリー
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ アレクサンダー シニア
(72)【発明者】
【氏名】マルコム スタンリー ボイド
【審査官】川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】特表平08-502180(JP,A)
【文献】特表2011-512886(JP,A)
【文献】特表2010-501281(JP,A)
【文献】特表2015-512752(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/20
A61M 5/158
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤送達システムのための針アクチュエータ組立体であって、前記針アクチュエータ組立体は、
案内面を有
し、使用前位置と使用後位置との間で移動可能な針アクチュエータ本体と、
カム面
および付勢部材を有する針シャトルであって、前記針シャトルは、後退位置と伸長位置との間で垂直軸に沿って移動可能であり、前記針シャトルは、前記針アクチュエータ本体の前記案内面と前記針シャトルの前記カム面との
間の係合によって、
および、前記使用前位置から前記使用後位置へ移動する前記針アクチュエータ本体に応答して、前記後退位置と前記伸長位置との間を移動するように構成され
た、前記針シャトルと、
前記針シャトルによって受容される針を含み、
前記針アクチュエータ本体が、使用後位置にあるとき、前記針シャトルの付勢部材は、前記針シャトルを、前記垂直軸に実質的に平行な方向に、前記伸長位置に向けて付勢することを特徴とする針アクチュエータ組立体。
【請求項2】
請求項1の組立体であって、さらに、案内ポストを備え、前記針シャトルは、前記案内ポストに沿って移動することを特徴とする組立体。
【請求項3】
請求項2の組立体であって、前記案内ポストが直線状であることを特徴とする組立体。
【請求項4】
請求項1の組立体であって、前記針シャトルの前記カム面は、第1のカム部材と、前記第1のカム部材から離間した第2のカム部材を備え、前記案内面は非直線的であり、第1の側面と、第1の側
面とは反対側にある第2の側面を含むことを特徴とする組立体。
【請求項5】
請求項4の組立体であって、前記針シャトルの前記第2のカム部材は、前記案内面の前記第2の側面に係合して、前記針シャトルを前記後退位置から前記伸長位置に移動させるように構成され、前記針シャトルの第1のカム部材は、前記案内面の前記第1の側面と係合して、前記針シャトルを前記伸長位置から前記後退位置に移動させるように構成されていることを特徴とする組立体。
【請求項6】
薬剤を注入するための薬剤送達システムであって、前記システムは、
ハウジングと、
前記ハウジング内に収容される針アクチュエータ組立体であって、
案内面を有し、
使用前位置と使用後位置との間で移動可能な針アクチュエータ本体と、
カム面
および付勢部材を有する針シャトルであって、前記針シャトルは、後退位置と伸長位置との間で垂直軸に沿って移動可能であり、前記針シャトルは、前記針アクチュエータ本体の前記案内面と前記針シャトルの前記カム面との間の係合によって、
および、前記使用前位置から前記使用後位置へ移動する前記針アクチュエータ本体に応答して、前記後退位置と前記伸長位置との間を移動するように構成された、前記針シャトルと、
前記針シャトルによって受容される針を含む、前記針アクチュエータ組立体と、
前記ハウジングに少なくとも部分的に受容されるボタンアクチュエータを含み、
前記ボタンアクチュエータの動きは、前記針アクチュエータ本体を前記
使用前位置から前記
使用後位置に移動させるように構成され、前記針アクチュエータ本体の前記
使用前位置
と前記
使用後位置
の間での動きは、前記針シャトルの前記後退位置から前記伸長位置への動きを引き起こすように構成され、
前記針アクチュエータ本体が、使用後位置にあるとき、前記針シャトルの付勢部材は、前記針シャトルを、前記垂直軸に実質的に平行な方向に、前記伸長位置に向けて付勢することを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項6のシステムであって、さらに、前記ハウジングから延びる案内ポストを含み、前記針シャトルは、前記案内ポストに沿って移動することを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項7のシステムであって、前記案内ポストは、前記ハウジングからほぼ垂直に延びることを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項6のシステムであって、前記システムは、さらに、前記針アクチュエータ本体が前記
使用後位置にあるとき、前記針に係合するように構成されたパッドを含むことを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項9のシステムであって、前記パッドは、前記パッドを前記針の下に移動させるために、前記ハウジングの対応するカムトラックに係合するように構成されたカム面を有する、パッドアームによって受容されることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年6月9日に出願された米国仮出願第62/347,921号および2017年6月7日に出願された米国特許出願第15/616,212号に対する優先権を主張し、その各々は、その全体が本明細書に参照として組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、注入によって患者の体内に流体を送達するための注入装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
様々なタイプの自動注入装置が開発されており、薬剤溶液および他の液体治療用調製物が、訓練されていない人によって投与されること、または、自己注射されることを可能にしている。一般に、これらの装置は、液体治療用調製物を予め充填されたリザーバ、および使用者によってトリガされ得る何らかのタイプの自動針注入機構を含む。投与される流体または薬剤の量が、一般に1mLなどの一定量よりも少ない場合、自動注入器が典型的に使用され、それは、典型的には、約10~15秒の注入時間を有する。投与される流体または薬剤の量が1mLを超えると、注入時間は一般的に長くなり、結果として器具と患者の皮膚の標的部位との間の接触を維持することの困難さをもたらす。さらに、投与される薬剤の量が多くなるにつれて、注入の時間を増大させることが望ましい。患者にゆっくりと注入される、薬剤のための従来の方法は、IVを開始し、薬剤を患者の体内にゆっくりと注入することである。そのような処置は、典型的には病院または外来患者の設定で行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2013/155153号
【文献】国際公開第2014/179774号
【文献】国際公開第2015/081337号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ある種の装置は、家庭設定での自己注入を可能にし、徐々に液体の治療用製剤を患者の皮膚に注入することができる。場合によっては、これらの装置は、液体治療製剤が患者の体内に注入されている間、患者によって「着用される」ことを可能にするのに十分に小さい(高さおよび全体サイズの両方で)。これらの装置は、典型的には、液体治療製剤をリザーバから注射針内に流出させるポンプまたは他のタイプの排出機構を含む。そのような装置は、また、典型的には、液体治療用調製物が適切な時間に流れ始めることを可能にするためのバルブまたは流れ制御機構と、注入を開始するためのトリガ機構を含む。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、薬剤送達システムのための針アクチュエータ組立体は、案内面を有する針アクチュエータ本体と、カム面を有する針シャトルとを含み、針シャトルは、第1の位置と第2の位置との間の垂直軸に沿って移動可能である。針シャトルは、針アクチュエータ本体の案内面と針シャトルのカム面との係合により、第1位置と第2位置との間を移動するように構成される。組立体は、さらに、針シャトルによって受容された針を含む。
【0007】
針シャトルは、針シャトルを第1の位置から第2の位置に移動させるように構成された付勢部材を含み得、針アクチュエータ本体の案内面は、針シャトルのカム面から外れる。組立体は、案内ポストを含み得、針シャトルは、案内ポストに沿って移動する。案内ポストは直線状であり得る。針シャトルのカム面は、第1のカム部材と、第1のカム部材から離間した第2のカム部材とを含み、そしてそこで、案内面は非直線的であり、第1の側面と、第1の側面と反対側に位置する第2の側面を含む。針シャトルの第2のカム部材は、案内面の第2の側面に係合するように構成され得、針シャトルを第1の位置から第2の位置に移動させ、案内面の第1の側面に係合するように構成され得、針シャトルの第1のカム部材は、針シャトルを第2の位置から第1の位置に移動させる。
【0008】
さらなる態様において、薬剤を注入するための薬剤送達システムは、ハウジングと、ハウジング内に収容された針アクチュエータ組立体とを含み、針アクチュエータ組立体は、案内表面を有する針アクチュエータ本体を含み、針アクチュエータ本体は、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、針シャトルは、カム面を有する。針シャトルは、第1の位置と第2の位置との間で垂直軸に沿って移動可能であり、針シャトルは、針アクチュエータ本体の案内面と針シャトルのカム面との係合を通じて、第1の位置と第2の位置との間を移動するように構成される。針アクチュエータ組立体は、また、針シャトルによって受容される針を含む。このシステムは、さらに、ハウジングによって少なくとも部分的に受容されるボタンアクチュエータを含み、ボタンアクチュエータの動きは、針アクチュエータ本体を第1の位置から第2の位置に移動させるように構成され、針アクチュエータ本体の第1の位置から第2の位置への移動は、針シャトルの第1の位置から第2の位置への移動をもたらすように構成される。
【0009】
針シャトルは、針シャトルを第1の位置から第2の位置に移動させるように構成された付勢部材を含み得、針アクチュエータ本体の案内面は、針シャトルのカム面から外れる。システムは、ハウジングから延びる案内ポストを含み、針シャトルは、案内ポストに沿って移動する。案内ポストは、ハウジングからほぼ垂直に延び得る。
【0010】
システムは、針アクチュエータが第2の位置にあるときに針に係合するように構成されたパッドを含み得る。パッドは、ハウジングの対応するカムトラックと係合して針の下にパッドを移動させるように構成されたカム面を有するパッドアームによって受容され得る。
【0011】
本開示の上述の、および、他の特徴および利点、ならびに、それらを達成する方法は、添付の図面と併せた、以下の開示の実施形態の説明を参照することによって、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一態様による薬剤送達システムの斜視図である。
【
図2】本発明の一態様による、
図1の薬剤送達システムの斜視断面図である。
【
図3】本発明の一態様による、
図1の薬剤送達システムの正面断面図である。
【
図4】本発明の一態様による、
図1の薬剤送達システムの上面図であり、
図1に示されており、除去されたハウジングの頂部と、使用前の位置にある薬剤送達システムを示す図である。
【
図5】本発明の一態様による、
図1の薬剤送達システムの上面断面図であり、使用前の位置にある薬剤送達システムを示す図である。
【
図6】本発明の一態様による、
図1の薬剤送達システムの正面断面図であり、使用前の位置にある薬剤送達システムを示す図である。
【
図7】本発明の一態様による、
図1の薬剤送達システムの上面図であり、頂部が除去されたハウジングと、最初の作動位置にある薬剤送達システムを示す図である。
【
図8】本発明の一態様による、
図1の薬剤送達システムの上面断面図であるり、最初の作動位置にある薬剤送達システムを示す図である。
【
図9】本発明の一態様による、
図1の薬剤送達システムの上面断面図であり、最初の作動位置にある薬剤送達システムを示す図である。
【
図10】本発明の一態様による、
図1の薬剤送達システムの上面図であり、除去されたハウジングの頂部と、使用位置にある薬剤送達システムを示す図である。
【
図11】本発明の一態様による、
図1の薬剤送達システムの上面断面図であり、使用位置にある薬剤送達システムを示す図である。
【
図12】本発明の一態様による、
図1の薬剤送達システムの上面断面図であり、使用位置にある薬剤送達システムを示す図である。
【
図13】本発明の一態様による、
図1の薬剤送達システムの上面図であり、除去されたハウジングの頂部と、使用後の位置にある薬剤送達システムを示す図である。
【
図14】本発明の一態様による、
図1の薬剤送達システムの上面断面図であり、使用後の位置にある薬剤送達システムを示す図である。
【
図15】本発明の一態様による、
図1の薬剤送達システムの正面断面図であり、使用後の位置にある薬剤送達システムを示す図である。
【
図15A】本発明の一態様による、
図1の薬剤送達システムの正面断面図であり、使用前の位置にある薬剤送達システムと共にパッドを示す図である。
【
図15B】本発明の一態様による、
図1の薬剤送達システムの斜視断面図であり、使用前の位置にある薬剤送達システムと共にパッドを示す図である。
【
図15C】本発明の一態様による
図1の薬剤送達システムの斜視断面図であり、使用前の位置にある薬剤送達システムと共にパッドを示す図である。
【
図16】本発明の一態様による、
図1の薬剤送達システムの部分断面図であり、バルブ組立体を示す図である。
【
図17】本発明の一態様による、薬剤送達システムのための駆動組立体の斜視図である。
【
図18】本発明の一態様による、
図17の駆動組立体の断面図であり、駆動組立体の使用前の位置を示す図である。
【
図19】本発明の一態様による、
図17の駆動組立体の断面図であり、駆動組立体の使用位置を示す図である。
【
図20】本発明の一態様による、
図17の駆動組立体の断面図であり、駆動組立体の使用後の位置を示す図である。
【
図21】本発明の一態様による、
図17の駆動組立体のプランジャ作動部材の斜視図である。
【
図22】本発明の一態様による、
図17の駆動組立体の第1のプランジャ部材の斜視図である。
【
図23】本発明の一態様による、
図17の駆動組立体のプランジャ作動部材および第1のプランジャ部材の斜視図であり、第1のプランジャ部材と係合したプランジャ作動部材を示す図である。
【
図24】本発明の一態様による、
図17の駆動組立体のプランジャ作動部材および第1のプランジャ部材の斜視図であり、第1のプランジャ部材から外れたプランジャ作動部材を示す図である。
【
図25】本発明の一態様による、
図17の駆動組立体のプランジャ作動部材および第1のプランジャ部材の斜視図であり、第1のプランジャ部材から外れ、第1のプランジャ部材に対して軸方向に変位させられたプランジャ作動部材を示す図である。
【
図26】本発明の一態様による、
図17の駆動組立体の第1のプランジャ部材および第2のプランジャ部材の正面図である。
【
図27】本発明の更なる態様による、薬剤送達システムのための駆動組立体の上面図である。
【
図28】本発明の一態様による、
図27の駆動組立体の斜視図である。
【
図29】本発明の一態様による、
図27の駆動組立体の断面図であり、駆動組立体の使用前の位置を示す図である。
【
図30】本発明の一態様による、
図27の駆動組立体の斜視図であり、ハウジングの底部によって受容される駆動組立体を示す図である。
【
図31】本発明の一態様による、
図30のハウジングの斜視図である。
【
図32】本発明の一態様による、
図27の駆動組立体の上面図であり、駆動組立体の初期作動位置における、駆動組立体の針アクチュエータの一部との係合を示す図である。
【
図33】本発明の一態様による、
図27の駆動組立体の拡大斜視図であり、駆動組立体の初期作動位置における、駆動組立体の針アクチュエータの一部との係合を示す図である。
【
図34】本発明の一態様による、針アクチュエータ組立体の正面図である。
【
図35】本発明の一態様による、
図34の針アクチュエータ組立体の針シャトルの左側斜視図である。
【
図36】本発明の一態様による、
図34の針アクチュエータ組立体の針シャトルの右側斜視図である。
【
図37A】本発明の一態様による、
図34の針アクチュエータ組立体の正面図であり、使用前の位置にある、針アクチュエータ組立体を示す図である。
【
図37B】
図34の針アクチュエータ組立体の正面図であり、使用位置にある、針アクチュエータ組立体を示す図である。
【
図37C】本発明の一態様による、
図34の針アクチュエータ組立体の正面図であり、使用後の初期位置にある、針アクチュエータ組立体を示す図である。
【
図37D】本発明の一態様による、
図34の針アクチュエータ組立体の正面図であり、針使用後の位置にある、針アクチュエータ組立体を示す図である。
【
図38A】本発明の一態様による、
図34の針アクチュエータ組立体の斜視図であり、針使用位置にある。針アクチュエータ組立体を示す図である。
【
図38B】本発明の一態様による、
図34の針アクチュエータ組立体の斜視図であり、初期の使用後の位置にある、針アクチュエータ組立体を示す図である。
【
図39】本発明の一態様による、
図34のアクチュエータボタンおよび針アクチュエータ組立体の斜視図であり、使用後の初期位置にある、針アクチュエータ組立体を示す図である。
【
図40A】
図34のアクチュエータボタンおよび針アクチュエータ組立体の断面図であり、使用後の初期位置にある、針アクチュエータ組立体を示す図である。
【
図40B】本発明の一態様による、
図34のアクチュエータボタンおよび針アクチュエータ組立体の斜視図であり、使用後の位置にある針アクチュエータ組立体を示す図である。
【
図41】本発明の更なる態様による、薬剤送達システムのための駆動組立体の斜視図である。
【
図42】本発明の一態様による、
図41の駆動組立体の斜視図であり、
図41の実施形態では、除去されたハウジングの上部を示す図である。
【
図43】本発明の一態様による、
図41の駆動組立体の断面図である。
【
図44】本発明の一態様による、
図41の駆動組立体の斜視図である。
【
図45】本発明の一態様による、
図41の駆動組立体の断面図であり、使用前の位置にある駆動組立体を示す図である。
【
図46】本発明の一態様による、
図41の駆動組立体の断面図であり、使用前の位置にある駆動組立体を示す図である。
【
図47】本発明の一態様による、
図41の駆動組立体の上面図であり、使用前の位置にある駆動組立体を示す図である。
【
図48】本発明の一態様による、
図41の駆動組立体の上面図であり、初期作動位置にある駆動組立体を示す図である。
【
図49】本発明の一態様による、
図41の駆動組立体の上面図であり、初期作動位置にある駆動組立体を示す図である。
【
図50】本発明の一態様による、
図41の駆動組立体の上面図であり、初期作動位置にある駆動組立体を示す図である。
【
図51】本発明の一態様による、
図41の駆動組立体の上面図であり、使用位置にある駆動組立体を示す図である。
【
図52】本発明の一態様による、
図41の駆動組立体の上面図であり、使用位置にある駆動組立体を示す図である。
【
図53】本発明の一態様による、
図41の駆動組立体の断面図であり、使用位置にある駆動組立体を示す図である。
【
図54】本発明の一態様による、
図41の駆動組立体の上面図であり、使用位置にある駆動組立体を示す図である。
【
図55】本発明の一態様による、
図41の駆動組立体の断面図であるり、使用位置にある駆動組立体を示す図である。
【
図56】本発明の一態様による、
図41の駆動組立体の断面図であり、使用位置にある駆動組立体を示す図である。
【
図57】本発明の一態様による、
図41の駆動組立体の上面図であり、使用位置にある駆動組立体を示す図である。
【
図58】本発明の一態様による、
図41の駆動組立体の上面図であり、使用後の最初の位置にある駆動組立体を示す図である。
【
図59】本発明の一態様による、
図41の駆動組立体の斜視図であり、使用後の最初の位置にある駆動組立体を示す図である。
【
図60】本発明の一態様による、
図41の駆動組立体の上面図であり、使用後の位置にある駆動組立体を示す図である。
【
図61】本発明の一態様による、
図41の駆動組立体の上面図であり、使用後の位置にある駆動組立体を示す図である。
【
図62】本発明の一態様による、
図41の駆動組立体の断面図であり、使用前の位置にある駆動組立体を示す図である。
【
図63】本発明の一態様による、
図41の駆動組立体の断面図であり、使用位置にある駆動組立体を示す図である。
【
図64】本発明のさらなる態様による、駆動組立体の斜視図である。
【
図65A】本発明の一態様による、針アクチュエータ組立体の正面図であり、使用位置にある針アクチュエータ組立体を示す図である。
【
図65B】本発明の一態様による、
図65Aの針アクチュエータ組立体の正面図であり、使用位置にある針アクチュエータ組立体を示す図である。
【
図65C】本発明の一態様による、
図65Aの針アクチュエータ組立体の正面図であり、初期の使用後位置にある針アクチュエータ組立体を示す図である。
【
図65D】本発明の一態様による、
図65Aの針アクチュエータ組立体の正面図であり、使用後の位置にある針アクチュエータ組立体を示す図である。
【
図65E】本発明の一態様による、
図65Aの針アクチュエータ組立体の正面図であり、使用前の位置にある針アクチュエータ組立体を示す図である。
【
図65F】本発明の一態様による、
図65Aの針アクチュエータ組立体の断面図であり、使用前の位置にある針アクチュエータ組立体を示す図である。
【
図65G】本発明の一態様による、
図65Aの針アクチュエータ組立体の正面図であり、ボタンアクチュエータが軸方向に変位した、使用前の位置にある針アクチュエータ組立体を示す図である。
【
図65H】本発明の一態様による
図65Aの針アクチュエータ組立体の断面図であり、ボタンアクチュエータが軸方向に変位した、使用前の位置にある針アクチュエータ組立体を示す図である。
【
図66】本発明の一態様による、
図65Aの針アクチュエータ組立体のボタンバネの斜視図である。
【
図67】本発明の一態様による、
図65Aの針アクチュエータ組立体のアクチュエータボタンの斜視図である。
【
図68】本発明の一態様による、
図65Aの針アクチュエータ組立体のボタンバネおよびアクチュエータボタンの断面図である。
【
図68A】本発明のさらなる態様による、
図65Aの針アクチュエータ組立体のアクチュエータボタンの斜視図である。
【
図68B】本発明のさらなる態様による、
図65Aの針アクチュエータ組立体のアクチュエータボタンの底面図である。
【
図68C】本発明のさらなる態様による、
図65Aの針アクチュエータ組立体のアクチュエータボタンの正面図である。
【
図68D】本発明のさらなる態様による、
図65Aの針アクチュエータ組立体のアクチュエータボタンの上面図であり、使用前の位置にあるアクチュエータボタンを示す図である。
【
図68E】本発明のさらなる態様による、
図65Aの針アクチュエータ組立体のアクチュエータボタンの正面図であり、使用前の位置にあるアクチュエータボタンを示す図である。
【
図68F】本発明のさらなる態様による、
図65Aの針アクチュエータ組立体のアクチュエータボタンの上面図であり、使用位置にあるアクチュエータボタンを示す図である。
【
図68G】本発明のさらなる態様による、
図65Aの針アクチュエータ組立体のアクチュエータボタンの正面図であり、使用位置にあるアクチュエータボタンを示す図である。
【
図69】本発明の一態様による、
図65Aの針アクチュエータ組立体のアクチュエータボタンの上面図である。
【
図70A】本発明の一態様による、駆動組立体の概略図であり、使用前の位置にある駆動組立体を示す図である。
【
図70B】本発明の一態様による、
図70Aの駆動組立体の概略図であり、使用位置にある駆動組立体を示す図である。
【
図70C】本発明の一態様による、
図70Aの駆動組立体の概略図であり、使用位置にある駆動組立体を示す図である。
【
図70D】本発明の一態様による、
図70Aの駆動組立体の概略図であり、使用位置にある駆動組立体を示す図である。
【
図70E】本発明の一態様による、
図70Aの駆動組立体の概略図であり、使用位置にある駆動組立体を示す図である。
【
図70F】本発明の一態様による、
図70Aの駆動組立体の概略図であり、使用後の位置にある駆動組立体を示す図である。
【
図70G】本発明の一態様による、駆動組立体の概略図であり、使用後の位置にある駆動組立体を示す図である。
【
図71】本発明の一態様による、薬剤送達システムのためのスペーサ組立体の斜視図であり、スペーサ組立体の組み立てられた、使用前位置を示す図である。
【
図72】本発明の一態様による、
図71のスペーサ組立体の斜視図であり、スペーサ組立体の使用位置を示す図である。
【
図73】本発明の一態様による、
図71のスペーサ組立体の斜視図であり、スペーサ組立体の初期の使用後位置を示す図である。
【
図74】本発明の一態様による、規制部材の斜視図である。
【
図75】本発明のさらなる態様による、薬剤送達システムのためのスペーサ組立体の正面図である。
【
図76】本発明の一態様による、薬剤送達システムのためのスペーサ組立体の上面図である。
【
図77】本発明の一態様による、
図76のスペーサ組立体の斜視図である。
【
図78】本発明の一態様による、
図76のスペーサ組立体の断面図である。
【
図79】本発明のさらなる態様による、薬剤送達システムのためのスペーサ組立体の斜視図である。
【
図80】本発明の別の態様による、薬剤送達システムのためのスペーサ組立体の斜視図である。
【
図81A】本発明の一態様による、
図80のスペーサ組立体の断面図であり、スペーサ組立体の組立前の位置を示す図である。
【
図81B】本発明の一態様による、
図80のスペーサ組立体の断面図であり、スペーサ組立体の組み立てられた位置を示す図である。
【
図82】本発明の一態様による、薬剤送達システムのための駆動組立体の斜視図である。
【
図83】本発明の一態様による、
図82の駆動組立体の斜視図であり、除去されたハウジングの頂部を示す図である。
【
図84】本発明の一態様による、
図82の駆動組立体の断面図であり、駆動組立体の使用前の位置を示す図である。
【
図85】本発明の一態様による、
図82の駆動組立体の拡大断面図であり、駆動組立体の使用前の位置を示す図である。
【
図86】本発明の一態様による、
図82の駆動組立体の付勢部材の上面図である。
【
図87】本発明の一態様による、
図82の駆動組立体の斜視図であり、駆動組立体と係合した規制部材を示す図である。
【
図88】本発明の一態様による、薬剤送達システムのための駆動組立体の斜視図である。
【
図89】本発明の一態様による、
図88の駆動組立体の斜視図であり、駆動組立体の使用前の位置を示す図である。
【
図90】本発明の一態様による、
図88の駆動組立体の断面図である。
【
図91】本発明の一態様による、駆動組立体の斜視図であり、駆動組立体の使用後の位置を示す図である。
【
図92】本発明の一態様による、
図88の駆動組立体の断面図であり、駆動組立体の使用前の位置を示す図である。
【
図93】本発明の一態様による、
図88の駆動組立体の正面図であり、駆動組立体の使用位置を示す図である。
【
図94】本発明の一態様による、薬剤送達システムのためのスペーサ組立体の斜視図である。
【
図95】本発明の一態様による、
図94のスペーサ組立体の正面図である。
【
図96】本発明の一態様による、
図94のスペーサ組立体の断面図である。
【
図97】本発明の一態様による、
図94のスペーサ組立体の斜視図であり、除去されたシムをを示す図である。
【
図98】本発明の一態様による、
図94のスペーサ組立体の固定スペーサの斜視図である。
【
図99】本発明の一態様による、
図94のスペーサ組立体の調整可能なスペーサの斜視図である。
【
図100】本発明の一態様による、
図94のスペーサ組立体のシムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
対応する参照数字は、いくつかの図を通して対応する部分を示す。本明細書に記載されている例示は、本開示の例示的な態様を示しており、そのような例示は、いかなる方法によっても、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0014】
以下の説明は、当業者が、本発明を実施するために考えられた、記載の実施形態を作製し使用することを可能にするために提供される。しかしながら、当業者には、様々な変更、均等物、変形、および代替が、容易に明らかなままであろう。そのような変更、変形、均等物、および代替のいずれかおよび全ては、本発明の精神および範囲内に入ることが意図される。
【0015】
以下の説明の目的で、用語の「上方」、「下方」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「上部」、「下部」、「横」、「縦」、および、それらの派生語は、図面において方向づけられるように、本発明に関連するであろう。しかしながら、本発明は、明示的に反すると特定されている場合を除いて、様々な代替の変形を想定し得ることが理解されるべきである。また、添付の図面に示され、以下の明細書に記載された特定の装置は、本発明の単なる例示的な実施形態であることが理解されるべきである。したがって、本明細書に開示された実施形態に関連する特定の寸法および他の物理的特徴は、限定的であるとみなされるべきではない。
【0016】
図1~
図16を参照すると、本発明の一態様による薬剤送達システム10は、駆動組立体12、容器14、弁組立体16、および、針アクチュエータ組立体18を含む。駆動組立体12、容器14、弁組立体16、および針アクチュエータ組立体18は、ハウジング20内に少なくとも部分的に配置される。ハウジング20は、頂部22および底部24を含むが、ハウジング20のための他の適切な配置が利用され得る。一態様において、薬剤送達システム10は、使用者に着用または固定され、使用者への注射によって容器14内に提供される薬剤の所定用量を送達するように構成された注射器装置である。システム10は、薬剤が設定された時間内に送達される「ボーラス注射」を送達するために利用され得る。薬剤は、最大45分間の期間にわたって送達され得るが、他の適切な注射量および持続時間が利用され得る。ボーラス投与または送達は、速度制御を用いて実行され得、または、特定の速度制御を有さない。システム10は、可変である速度を備えて、一定の圧力で薬剤を使用者に送達し得る。システム10の一般的な動作は、
図1~
図16を参照して以下に説明され、駆動組立体12、針アクチュエータ組立体18、および、システム10の他の特徴は、
図17~
図93に関連して、以下に論じられる。
【0017】
再び、
図1~
図16を参照すると、システム10は、使用者による作動ボタン26の係合を介して動作するように構成され、これは、針アクチュエータ組立体18の針28が使用者の皮膚を突き刺すこと、駆動組立体12の作動が針28を容器14との流体連通に置き、流体または薬剤を容器14から放出させること、薬剤の注入後に針28の引き抜きが完了することをもたらす。薬剤送達システムの一般的な操作は、特許文献1および特許文献2に示され、および、記載されており、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。システム10のハウジング20は、システム10の状態に関する使用者への指示を提供するように構成されたインジケータ配置32をみるためのインジケータ窓30と、容器14を見るためのコンテナ窓31を含む。インジケータ窓30は、インジケータ配置32の明瞭な視界を提供するための拡大レンズであり得る。インジケータ配置32は、システム10の使用中に針アクチュエータ組立体18と共に移動し、システム10の使用前状態、使用状態、および、使用後状態を示す。インジケータ配置32は、ステータスに関する視覚的表示を提供するが、代替的または追加的なインジケータとして、聴覚または触覚のような他の適切な表示を提供する。
【0018】
図4~
図6を参照すると、システム10の使用前の位置の間、容器14は駆動組立体12および弁組立体16から離間され、針28は後退位置にある。
図7~
図9に示すように、システム10の最初の作動の間、駆動組立体12は容器14と係合して、弁組立体16に向かって容器14を移動させ、これは、容器14の閉鎖部36を穿刺し、容器14内の薬剤を、チューブ(図示せず)、または、他の適切な配置を介して、針28との流体連通に置くように構成される。駆動組立体12は、容器14のストッパー34と係合するように構成され、これは、容器14内の流体または薬剤の非圧縮性のために、最初に、容器14全体を弁組立体6との係合に移動させるであろう。システム10の最初の作動は、使用者による作動ボタン26の係合によって引き起こされ、これは、以下に詳細に説明されるように、針アクチュエータ組立体18および駆動組立体12を解放する。最初の作動中、針28は、まだ、後退した位置にあり、システム10の使用者に注射するために、伸長した位置に移動しようとしている。
【0019】
図10~
図12に示されるように、システム10の使用位置の間、針28は、少なくとも部分的にハウジング20の外側の伸長位置にあり、駆動組立体12がストッパー34を容器14内で移動させて、容器14から針28を通って、使用者へ、薬剤を送達する。使用位置では、弁組立体16は、すでに、容器14の閉鎖部36を穿孔して、容器14を針28との流体連通に置き、これは、また、流体が、容器14から分配され得るので、駆動組立体12が、ストッパー34を、容器14に対して移動させることを可能にする。
図13~
図15に示される、システム10の使用後の位置では、針28は後退した位置にあり、パッド38と係合して、針28を封止し、容器14からの流体または薬剤のいかなる残留流れをも防止する。容器14および弁組立体16は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、特許文献3に示され、記載されている、容器14および弁組立体16であり得る。
【0020】
図15A~
図15Cを参照すると、パッド38は、針アクチュエータ本体96が、使用位置から使用後位置に移動するときに、針内に付勢される。具体的には、パッド38は、ハウジング20の底部24上のカムトラック126と協働するカム面124を有するパッドアーム122によって受け入れられる。パッドアーム122は、トーションバー128を介して針アクチュエータ本体96に接続される。カム面124は、カムトラック126と係合してパッドアーム122を下方に偏向させるように構成され、それにより、パッド38は、上方に針28内に付勢される前、針28の下を通過する。トーションバー128は、パッドアーム122が、針アクチュエータ本体96のピボットの周りにネジれることを可能にする。パッド38は、パッドアーム122の開口部に圧入され得るが、パッド38を固定するための他の適切な配置が、利用され得る。
【0021】
図1~
図33を参照すると、本発明の一態様による駆動組立体12が示される。上述したように、駆動組立体12は、容器14を移動させ、容器14の閉鎖部36を突刺し、また、ストッパー34を容器14内で移動させて、容器14から流体または薬剤を分配するように構成される。
図17~
図33に示される駆動組立体12は、容器14のストッパー34によって受容されるスペーサ組立体40と係合し、協働するように構成される。スペーサ組立体40は、スペーサ42およびスペーサホルダ44を含む。スペーサホルダ44は、ストッパー34に受容され、スペーサ42はスペーサホルダ44に受容される。スペーサホルダ44は、ストッパー34の対応するネジ部に係合する第1ネジ部46を含むが、他の適切な構成が利用され得る。スペーサ42は、また、スペーサホルダ44にスペーサ42を固定するために、スペーサホルダ44の対応する第2のネジ部分50と係合するネジ部分48を含むが、他の適切な構成が利用され得る。駆動組立体12は、容器14の所定の充填容積の範囲を分配し、一方で、上述のシステム10の機能的特徴を維持するように構成され、用量の終了後の針28の後退、および、システム10の状態の表示を提供することを含むが、これに限定されず、一方で、駆動組立体12によるストッパー34の急激な係合も最小限に抑える。駆動組立体12は、複数のサイズのスペーサ42を利用することによって、複数の別個の充填容積の範囲を分配するように構成される。一態様では、12の充填容積の範囲、および、12のスペーサ42のサイズが提供される。一態様では、スペーサ42の長さは、容器14内の異なる充填容積に適応するように変更される。あるいは、単一サイズのスペーサ42が利用され得、容器14内の複数の充填容積は、スペーサ42によって受容される複数のシムを利用することによって、適応させられる。
【0022】
図17~
図26を参照すると、駆動組立体12は、第1のプランジャ部材52と、第1のプランジャ部材52によって受容される第2のプランジャ部材54と、第1の付勢部材56と、第2の付勢部材58と、プランジャ作動部材60と、インデックス部材62を含む。第1のプランジャ部材52は、使用前位置(
図18に示す)から、使用位置(
図19に示す)、使用後位置(
図20に示す)に移動可能であり、第1のプランジャ部材52は、スペーサ組立体40と係合し、ストッパー34を容器14内に移動させて、容器14から薬剤を分配するように構成される。第1のプランジャ部材52は、軸方向に移動するように構成される。第2のプランジャ部材54および第1のプランジャ部材52は、入れ子構造を形成し、第2のプランジャ54は、第1のプランジャ部材52が所定の軸方向距離を移動した後に、軸方向に移動するように構成される。第1および第2のプランジャ部材52、54の移動は、圧縮バネである第1および第2の付勢部材56、58によってもたらされるが、付勢部材56、58のための他の適切な構成が利用され得る。
【0023】
第1の付勢部材56は、第2のプランジャ部材54に受容され、プランジャ作動部材60(およびインデックス部材62)と、第2のプランジャ部材54の第1のスプリングシート64との間に拘束される。第2の付勢部材58は、第1の付勢部材56から半径方向内方に配置され、第2のプランジャ部材54によって受容される。第2の付勢部材58は、第2のプランジャ部材54の第2のスプリングシート66と第1のプランジャ部材52との間に拘束される。第2の付勢部材58は、第1のプランジャ部材52を、使用前位置から、使用位置、および、使用後位置に、容器に向けて付勢するように構成される。第1の付勢部材56は、第2のプランジャ部材54を容器14に向けて付勢するように構成され、第2のプランジャ部材54は、順に、第1のプランジャ部材52を、容器14に向けて、使用前位置から使用位置、および、使用後位置まで付勢する。より具体的には、第2の付勢部材58は、第1のプランジャ部材52をスペーサ組立体40またはストッパー34に向けて駆動するように構成され、容器14を移動させて弁組立体16と係合させ、それによって、容器14の閉鎖部36を穿刺し、容器14を針28との流体連通に置く。第1の付勢部材56は、ストッパー34を容器14内で移動させ、薬剤を容器14内に分配するように構成される。第2の付勢部材58は、第1の付勢部材56とは異なるバネ定数を有する。特に、第2の付勢部材58は、第1の付勢部材56よりも剛性であり、容器14の閉鎖部36を穿孔するための高い力を提供し、一方、第1の付勢部材56は、容器14内の流体または薬剤の粘度に対して適切な分配のための力を提供する。
【0024】
再び
図17~
図26を参照すると、プランジャ作動部材60は、環状部分68とスピンドル部分70を有する。プランジャ作動部材60は、第1の回転位置と、第1の回転位置から間隔を置いた第2の回転位置との間で、第1のプランジャ部材52に対して回転方向に移動可能である。第1の回転位置は、第2の回転位置から15度であり得るが、他の適切な位置が利用され得る。環状部分68は、複数の歯車74を含む駆動面72を含むが、他の適切な配置が駆動面72として利用され得る。スピンドル部分70は、第1のプランジャ部材52のプランジャロック面78と係合し、プランジャロック面78から解放するように構成された、アクチュエータロック面76を含む。プランジャロック面78は、アクチュエータロック面76によって画定された複数のスロットまたは切欠き81によって受容されるように構成された複数の突起80を含む。
【0025】
図18および
図23に示されるように、プランジャ作動部材60の第1の回転位置において、複数の突起80および複数のスロットまたは切欠き81は、整列せず、プランジャ作動部材60が、第1のプランジャ部材52と係合して、第1および第2のプランジャ部材52、54の移動を防止し、第1および第2の付勢部材56、58は、第1および第2のプランジャ部材52、54を、プランジャ作動部材60から離れるように付勢する。
図19および
図24に示されるように、プランジャ作動部材60の第2の回転位置において、複数の突起80および複数のスロットまたは切欠き81は、互いに整列し、プランジャ作動部材60が、第1のプランジャ部材52との係合を解除され、第1および第2のプランジャ部材52、54の移動を可能にし、それによって、容器14からの分配プロセスを開始する。
【0026】
図7および
図33を参照すると、プランジャ作動部材60の駆動面72は、針アクチュエータ組立体18の一部によって係合されるように構成される。詳細は後述するが、アクチュエータボタン26の係合と、針アクチュエータ組立体18の解放の後、針アクチュエータ組立体18は、ハウジング20内で、使用前位置から使用位置、および使用後位置まで移動する。針アクチュエータ組立体18の初期移動中、針アクチュエータ組立体18の一部は、プランジャ作動部材60の駆動面72と係合して、プランジャ作動部材60を、第1の回転位置から第2の回転位置に移動させる。
図33に示されるように、針アクチュエータ組立体18の傾斜ブレード部分82は、プランジャ作動部材60の駆動面72に係合して、プランジャ作動部材60の回転をもたらす。
【0027】
図11、
図13および
図26を参照すると、第2のプランジャ部材54は、複数の符号化突起84を含み、複数の符号化突起84のうちの予め選択された1つは、システム10の規制部材86と係合するように構成される。以下でより詳細に説明されるように、規制部材86は、針アクチュエータ組立体18と協働して、ストッパー34の所定の投与終了位置が到達されるまで、針アクチュエータ組立体18の使用位置から使用後位置への移動を制限する。一態様では、規制部材86は、規制部材86と針アクチュエータ組立体18の一部との間の係合を介して、使用位置からの針アクチュエータ組立体18の軸方向移動を制限するように構成される。規制部材86と針アクチュエータ組立体18との間のこのような係合は、ストッパー34が投与終了位置に達したときに、規制部材86の回転によって解放される。針アクチュエータ組立体18の使用位置の間、規制部材86は、回転方向に付勢され、規制部材86の回転は、規制部材86と第2のプランジャ部材54の複数の符号化突起84のうちの1つとの間の係合を介して防止される。複数の符号化突起84は、変化する長さの軸方向リブであり得るが、他の適切な配置が利用され得る。符号化突起84のそれぞれは、規制部材86が回転して針アクチュエータ組立体18を解放し得る点を画定する。第2のプランジャ部材54の平滑部分は、システム10が投与終了位置に移行するときを決定するためのさらなる「符号」を提供し得る。
【0028】
上述したように、インジケータ配置32は、システム10が、使用前、使用時、および、使用後または投与終了時の位置から移動すると、移動し、インジケータ配置32の異なる部分が、インジケータ窓30を通して見える。より具体的には、インジケータ配置32は、規制部材86の一部と係合し、システム10の様々な段階を通して規制部材86と共に移動し、システム10の状態に関する使用者への表示を提供する。
【0029】
システム10の組み立て中に、容器14の投与量は、設定された長さを有する特定のスペーサ42と適合させられ、複数の符号化突起84の対応する1つが規制部材86と整列させられる。したがって、上述したように、容器14には、複数の投与量を提供し得、各容量は、特定のスペーサ42および符号化突起84に対応する。したがって、異なる投与量であっても、システム10は、針28を使用者に注射して、容器14から薬剤の投与量を送達し、投与終了後に注射針28を後退させ、システム10の状態の表示を提供するように構成され、一方で、駆動組立体12によるストッパー34の急激な係合を最小限に抑える。特に、ストッパー34のサイズは、第1のプランジャ部材52とスペーサ組立体40との間の距離を最小にするように選択され得、制振材の使用を必要としない。
【0030】
図27~33を参照すると、本発明のさらなる態様による駆動組立体12Aが示される。
図27~
図33に示される駆動組立体12は、
図17~
図26に示され、上述された駆動組立体12と同様のものであり、同様に動作する。
図17~
図26の駆動組立体においては、しかしながら、第1のプランジャ部材52は、第2のプランジャ部材54に受容され、使用前位置から使用位置への軸方向移動中に、第2プランジャ部材54から延びる。さらに、第1のプランジャ部材52は、第1のプランジャ部材52が所定の軸方向距離を移動した後に、第2のプランジャ部材54と係合するように構成された延長部分88を含み、第1のプランジャ部材52と第2のプランジャ部材54とは一緒に移動する。第1および第2の付勢部材56、58は、
図17~
図26の駆動組立体12と同じ方法で、第1および第2プランジャ部材52、54に係合し作用する。
【0031】
図27~
図32を参照すると、インデックス部材62は、第1および第2のプランジャ部材52、54の周りに配置され、ハウジング20の底部24に配置された可撓性タブ92と係合するように構成された複数のラチェット歯90を含む。駆動組立体12、12Aがハウジング20の底部24に取り付けられると、インデックス部材62のラチェット歯90とハウジング20の可撓性タブ92との係合が、インデックス部材62の一方向回転を提供する。インデックス部材62は、第2のプランジャ部材52の符号化突起84のうちの1つを、上述した投与量およびスペーサ42のサイズに基づいて、規制部材86と整列させるため、回転するように構成される。インデックス部材62は、その24個の回転位置が、それらに関連付けられた固有の用量値を有し得る、駆動組立体12、12Aを提供し得る。
【0032】
図1~
図16および
図34~
図40Bを参照すると、本発明の一態様による針アクチュエータ組立体18が示される。針アクチュエータ組立体18は、案内面98を有する針アクチュエータ本体96と、カム面104を有する針シャトル102と、針シャトル102によって受容され、上述のように容器14と流体連通するように構成される針28を含む。針アクチュエータ本体96は概ね矩形であり、案内面98は半径方向内側に突出する。針シャトル102は、針アクチュエータ本体96内に受容される。上述したように、針アクチュエータ本体96は、使用前の位置(
図4~
図6に示される)、初期作動位置(
図7~
図9)、使用位置(
図10~
図12)、および、使用後位置(
図13~
図15)から、ハウジング20内を移動可能である。針アクチュエータ本体96は、伸長バネ106を介して、使用前位置から使用後位置に付勢されるが、他の適切な付勢配置が利用され得る。針アクチュエータ本体96は、アクチュエータボタン26の係合で解放され、使用前位置から使用位置に自由に移動し、これは、後に詳述される。針アクチュエータ本体96は、
図17~
図33に関連して上述されたように、規制部材86の回転後に、使用位置から使用後位置に移動する。
【0033】
図34~
図40Bを参照すると、針シャトル102は、針28がハウジング20内に配置される後退位置と、針28の少なくとも一部がハウジング20外に延びる伸長位置との間で、垂直軸に沿って移動可能である。針シャトル102は、針アクチュエータ本体96の案内面98と針シャトル102のカム面104との係合により、後退位置と伸長位置との間を移動するように構成される。カム面104は、第1および第2のカム部材108、110によって提供され、第1のカム部材108は、第2のカム部材110から間隔を置いて配置される。ハウジング20は、針シャトル102上のT字形突起114を受容するように構成された凹部を有する案内ポスト112を含むが、他の形状および構成が、案内ポスト112およびT字形突起114のために利用され得る。針シャトル102は、後退位置と伸長位置との間で案内ポスト112に沿って移動する。案内ポスト112は直線的であり、ハウジング20からほぼ垂直に延びるが、他の適切な配置が利用され得る。針アクチュエータ本体96の案内面98は非線形であり、それぞれ第1の側面116と、第1の側面116とは反対側に位置する第2の側面118を含む。
【0034】
以下に説明されるように、針アクチュエータ本体96の案内面98は、針シャトル102のカム部材108、110と協働し、針アクチュエータ本体96が、使用前の位置から使用後の位置に軸方向に移動すると、針シャトル102を、後退位置と伸長位置との間で、垂直に移動させる。針シャトル102は、また、ハウジング20またはアクチュエータボタン26と係合するように構成されたシャトル付勢部材120を含む。特に、シャトル付勢部材120は、ハウジング20またはアクチュエータボタン26と係合し、針アクチュエータ本体96が、使用位置から使用後位置に移行しているときに付勢力を提供する。針アクチュエータ本体96が、使用後の位置に完全に移行すると、針シャトル102のカム部材108、110が、針アクチュエータ本体96の案内面98から外れ、シャトル付勢部材120が、針シャトル102を下方に付勢し、上述したように、針28がパッド38に係合する。しかしながら、
図1~
図16に関して上述されたように、パッド38は、シャトル付勢部材120を介して針シャトル102を下方に付勢するのではなく、針28に付勢され得る。針アクチュエータ本体96は、アクチュエータボタン26と相互作用し得、使用後の位置が到達されるまで、アクチュエータボタン26が急に戻るのを防止するが、これは、以下でより詳細に説明される。
【0035】
図37A~
図40Bを参照すると、使用前の位置(
図37A)において、針シャトル102は、後退位置にあり、カム部材108、110は、針アクチュエータ本体96の案内面98から離間している。針アクチュエータ本体96が、使用位置(
図37Bおよび
図38A)に移動すると、針シャトル102の第2のカム部材110が、案内面98の第2の側面118と係合し、針シャトル102を、後退位置から伸長位置に移動させる。針アクチュエータ本体96の使用位置から使用後位置への移行中(
図37C)、針シャトル102の第1のカム部材108は、案内面98の第1の側面116と係合し、針シャトル102を第2の位置から第1の位置に移動させる。針アクチュエータ本体96が、使用後位置(
図37Dおよび
図38B)に完全に移行させられた後、シャトル付勢部材120は、カム部材108、110が針の案内面98から外れると、針シャトル102を下方に付勢し、針28がパッド38に係合する。針アクチュエータ本体96の移行および針シャトル102の対応する位置は、
図39~
図40Bにも示される。アクチュエータボタン26と針アクチュエータ本体96との間の相互作用は、
図65A~
図67と関連して詳述される。
図41~
図64を参照すると、さらなる実施形態による薬剤送達システム200が示される。システム200は、上部ハウジング204と下部ハウジング206を有するハウジング202を含む。ハウジングは、近位端205および遠位端207を有する。上部ハウジング204は、状態視認ポート208を有し、使用者は、システム200の動作状態を視認し得る。システム200は、また、弁組立体212と、弁組立体212を、針アーム216の近位端に配置された患者針215と流体接続する管214とを含む。バネ218は、針アクチュエータ220を遠位方向に付勢する。
【0036】
図42~
図46に示されるように、システム200は、容器または薬剤容器222をさらに含み、ストッパー224が、その中を移動可能に配置されるが、ストッパー224は、明瞭性を助長するために様々な図から省略される。好ましくは、薬剤容器222の遠位端は、
図47に最もよく示されるように、装置の作動前に弁組立体212から離間されたセプタム組立体228を有する。
【0037】
製造目的のために、複数の充填量または投与量が容器と共に使用されることが考えられる場合であっても、薬剤容器として1つのサイズを使用することが、しばしば望まれる。そのような場合、薬剤容器が充填されるとき、異なる充填量は、ストッパーの異なる位置をもたらす。このような異なるストッパー位置に対応するとともに、ストッパーの製造上の相違に対応するために、本発明の態様は、ストッパー224に近接して容器222の近位端に配置された特注または誂えのスペーサ226を含む。換言すると、特注のスペーサ226は、異なるスペーサ226の選択によって、製造者が設定した所定の充填量の範囲の分配を可能にするオプションを提供し、組立構成操作の必要性を低減または排除する。スペーサ226のサイズは、容器222の充填不足量を考慮し、容器の近位端に一致した支承面を提供するために採用され得る。
【0038】
スペーサ226は、複数の異なるサイズのスペーサ226から選択され、ストッパー224の近位端から容器222の近位端までの空間を占める。一実施形態によれば、
図45~
図47に示されるように、スペーサ226は、容器222の近位端と実質的に同一平面になるように選択される。さらに、一実施形態によれば、スペーサ226は、
図45に最も良く示されるように、中央カラム230および遠位フランジ232を含む、「シルクハット」形状を有する。
【0039】
図44~
図47に戻ると、システム200は、また、容器222と患者針215との間の流体接続を確立し、容器222から薬剤を吐出させるために、容器222を遠位に変位させるための駆動組立体234を含む。より詳細には、駆動組立体234は、中央プランジャ238内に配置された内側バネ236、外側プランジャ240、中央プランジャ238と外側プランジャ240との間に配置された外側バネ242、入れ子式部材244、および解放ゲート246を含む。
【0040】
好ましくは、内側バネ236は、外側バネ242より大きいバネ定数を有し、したがって、外側バネ242よりも強くまたはより剛性である。内側バネ236は、中央プランジャ238の内側に配置され、下側ハウジングのバネフランジ248(
図46に最もよく示される)と中央プランジャ238との間を押圧し、中央プランジャ238は、装置の作動後に、スペーサ226の近位端を直接圧迫する。外側バネ242は、外側プランジャ240の内側に配置され、中央プランジャ238の近位外側フランジ250と外側プランジャ240の遠位内側フランジ252との間を押す。したがって、内側バネ236および外側バネ242は、入れ子にされ、単一のバネを使用するよりもコンパクトな駆動組立体(したがって、よりコンパクトなシステム200)を提供し得る。
【0041】
一態様によれば、内側バネ236は、容器222を変位させるためにのみ作用して、患者の針215との流体接続を確立し、外側バネ242は、容器222から薬剤を引き続き投与するためのみに作用する。別の態様によれば、内側バネ236は、患者針215との流体接続を確立するために容器222を変位させるように作用し、また、容器222から薬剤を分配し始めるように作用し、外側バネ242は、薬剤の投与を完了させるために作用する。さらなる態様では、内側バネ236は、容器222の最初の穿孔を引き起こし、外側バネ242が、穿孔と容器222から薬剤の分配を完了させる。
【0042】
図44~
図47に示されるように、そして、引き続きさらに詳細に説明されるように、外側プランジャ240は、一対の近位フランジまたは足部254を含み、それぞれは、解放ゲートの対応する傾斜表面(または表面)と相互作用する傾斜表面を有し、装置200を作動させた後に、パワーモジュールを保持し、続いて解放する。
【0043】
図46および
図47に最もよく示されるように、最初に組み立てられたとき、容器222は、駆動組立体234およびバルブ組立体212から隙間をおいて配置される。針アクチュエータ220の側方フランジ256は、薬剤容器222を軸方向に保持し、針アクチュエータ220は、解放ゲート246が横方向に変位することを防止する。一実施形態によれば、バネ(図示せず)が、針アクチュエータ220を遠位に付勢するが、作動ボタン210(および/またはその関連組立体)は、装置200の作動前に針アクチュエータ220の遠位変位を防止する。状態バー258は、針アクチュエータ220上に配置され、状態視認ポート208を通して見える上面を有する。一実施形態によれば、状態バーの上面は、複数の色またはパターンを有し、装置が、作動前状態にあるとき、黄色のような第1の色またはパターンが、状態視認ポート208を通して見える。
【0044】
また、
図48~
図52は、システム200の上面図であり、システム200の作動時および作動後の事象の動作を示す。
図47において、使用者は、作動ボタン210を近位にスライドさせた後、ボタン210をハウジング202の中に垂直方向に変位させ、それにより、バネ(明確化のために省略される)の影響下で遠位に変位するように針アクチュエータ220を解放する。
図49に示されるように、針アクチュエータが遠位に変位すると、針アクチュエータ220の軌道260が針アーム216の側方ボス262と相互作用して患者針215を挿入する。好ましくは、この段階で、針アクチュエータ220の近位端は、まだ解放ゲート246を通過しておらず、したがって、駆動組立体234はまだ解放されない。しかし、側方フランジ256は遠位に変位し、したがって、容器222は拘束されない。
【0045】
続いて、
図50および
図51に示されるように、継続した遠位方向への移動で、針アクチュエータ220の近位端は、解放ゲート246を通過する(それにより、駆動組立体234を解放する)。針アクチュエータ220は、回転可能な解放フリッパー264上の特徴部に一時的に寄りかかり、解放フリッパー264を入れ子式部材244のアウトリガー266(
図44および
図59に最も良く示される)に押し付ける。針アクチュエータ220は、薬剤が分配されるまで、この位置に留まる。この位置では、好ましくは、状態バー258の第2の色またはパターン、例えば緑色が、状態視認ポート208を通して見える。
【0046】
この段階で、バネ236および242の力、および、近位のフランジまたは足部254の傾斜面と解放ゲート246の対応する傾斜面(または複数の面)との相互作用によって、解放ゲート246が横方向に変位し、それにより、外側プランジャ240を、解放ゲート246との抑制相互作用から解放する。この時点まで、外側プランジャ240は中央プランジャ238を拘束している。
【0047】
図52および
図53を参照すると(明確性のために、内側バネ236は、
図52から省略される)、堅い内側バネ236は、中央プランジャ238を、スペーサ226と接触するように遠位方向に駆動する。薬剤容器222は、実質的に非圧縮性の流体で満たされているので、中央プランジャ238の遠位への継続的な変位は、スペーサ226、ストッパー224、および、容器222を、ハウジング202に対して遠位に変位させる。この遠位への変位は、セプタム組立体228が、バルブ組立体212によって穿孔されることをもたらし、容器222と患者針215との間の流体連通を確立する。中央プランジャ238は、その近位の外側フランジ250(
図59に最も良く示される)が、下部ハウジング206のフランジに接触するまで遠位に移動し、それにより「穿刺移動」を制限する。好ましくは、下部ハウジング206上の別のフランジおよび/または針アクチュエータ220の側方フランジ256が、容器222の遠位移動を制限する。
【0048】
その後、内側バネ236は、もはや、中央プランジャ238を遠位に変位させ得ないので、弱い外側バネ242が、
図54および
図55に示されるように、外側プランジャ240を、スペーサ226の遠位フランジ232に接触するよう、中央プランジャ238に対して遠位に変位させる。後でより詳細に説明されるように、好ましくは、外側プランジャ240とスペーサ226との間の接触は、衝撃力を最小にするように減衰される。外側バネ242のさらなる拡張は、外側プランジャ240を遠位に変位させて薬剤を分配する。
【0049】
図56および
図57に示されるように、外側バネ242が膨張し続けて外側プランジャ240を遠位に変位させるとき、外側プランジャ240の入れ子式部材244に対する所定の遠位方向の変位で、外側プランジャ240の外側構造またはフランジ268は、入れ子式部材244を「ピックアップ」するため、入れ子式部材244の内側遠位構造またはフランジ270と相互作用する。これは、外側プランジャ240の更なる遠位への変位を確実にし、入れ子式部材244の対応する遠位への変位をもたらす。この一対の遠位への変位は、薬剤投与の終了まで続く。
【0050】
前述したように、アウトリガー266は入れ子式部材244に配置される。アウトリガーの軸方向長さおよび入れ子式部材244の遠位移動は、アウトリガー266と解放フリッパー264との係合解除のタイミングを制御する。
図58および
図59に示されるように、薬剤分配の終了時に、アウトリガー266の近位端は、解放フリッパー264をバイパスする。これは、解放フリッパー264が、針アクチュエータ220(
図60)との係合から外れて回転することを可能にし、針アクチュエータ220が、その遠位への変位を継続し、患者針215(
図61)を後退させることを可能にする。この段階では、状態視認ポート208を通して、状態バー258の別の色またはパターン、例えば赤色が視認可能であり、装置200が動作を完了したことを示す。
【0051】
先に述べたように、外側プランジャ240とスペーサ226との間の接触は、
図62および
図63に示されるように、衝撃力を最小にするために、好ましくは減衰される。粘性流体を含むアンダーフィルドシリンジに対しては、所望の分配速度を提供するために外側バネ242がより硬くなるので、エネルギー散逸の最高レベルが望ましい。低粘度の流体を含む最大充填シリンジに対しては、所望の分配速度を提供するために、外側のバネはより剛性が低いなり得るので、エネルギー散逸の最低レベルが望ましい。様々な方法、例えば、空気減衰または独立気泡減衰が、減衰レベルを調節するために採用される。
【0052】
衝撃力を減衰させる別の方法として、
図64は、1つ以上の軸方向の境界リブ272が、スペーサ226の中央カラム230の周りに円周方向に配列された、スペーサ226の実施形態を示す。この実施形態では、外側プランジャ240は、干渉リブ272を超えて走行しなければならず、これは、スペーサ226に対する外側プランジャ240の遠位方向への変位に摩擦抵抗を提供する。干渉リブ272と外側プランジャ240との間の干渉によって生じる摩擦力は、プランジャ速度とは無関係である。好ましくは、摩擦力は、弱いバネを失速させるのを避けるために、最小分配バネ荷重を超えない。干渉は、所望のレベルの摩擦抵抗を与えるように調整され得る。異なる流体粘度に対して、干渉リブ272の異なる寸法(軸方向および/または半径方向)が存在し得る。これは、各々の粘度および充填レベルの組み合わせに対する、誂えのまたは注文のスペーサ、または、粘度範囲で必要とされるバネの数に応じて、複数の系統立てられた位置が存在し得ることを意味し、それにより、特定の基準寸法バネに対する、特定の位置が設定され得る(その位置は、その特定のバネ負荷/粘度シナリオに対して、調整された干渉/減衰を有している)。
【0053】
図65A~
図69を参照すると、本発明の一態様によるシステム10を作動させるためのアクチュエータボタン装置280が示される。アクチュエータボタン装置280は、アクチュエータボタン26と、ボタンバネ284と、針アクチュエータ本体286を含む。針アクチュエータ本体286は、上述した針アクチュエータ本体96、220と同様であり得、ハウジング20内で移動して針シャトル102または針28を、後退位置と伸長位置との間で移行させるように構成される。
図69に示されるように、アクチュエータボタン26は、使用者とのインターフェースとなるための使用者インターフェース部分288を含む。好ましくは、使用者のインターフェース部分288は、長さが約22mmであり、幅が約10mmであるが、他の適切な寸法が利用され得る。アクチュエータボタン26は、針アクチュエータ本体286が上方に揺動するのを防止するために、装置起動前に、針アクチュエータ本体286のボタン接触面294、296と相互作用する、2対のロックアウトアーム290、292を含む。
図65Hに示されるように、針アクチュエータ本体286とハウジング20との間のオーバーラップは、早まった作動を防止する。
図66を参照すると、ボタンバネ284は、第1の支承面298と、第1の支承面298から離間した第2の支承面300と、第1の支承面298によって連結された1対の外側アーム304によって囲まれた片持ちの中央バネアーム302を含む。
【0054】
作動ボタン装置280は、以下でより詳細に論じられる、以下の特徴の1つ以上を提供するように構成される。アクチュエータボタン26の一方向の軸方向の変位または摺動、針アクチュエータ本体286の使用位置の間にアクチュエータボタン26が押し下げられたままである場合に、アクチュエータボタン26の横方向移動(上昇位置および下降位置)、および、ボタン26が上昇位置にあり、使用者によって押下され得ないように、針アクチュエータ本体286の使用後の位置におけるアクチュエータボタン26のロックアウト。
【0055】
アクチュエータボタン26を用いてシステム10を作動させるために、使用者は、まず、使用者インターフェース部分288を、
図65Gおよび
図65Hの右側であるようにされる、第1の軸方向にスライドさせる。使用者は、約10mmまたは約8mm、使用者インターフェース部分288をスライドさせる必要があり得るが、他の適切な距離が利用され得る。アクチュエータボタン26の移動は、ロックアウトアーム290、292を軸方向に移動させ、針アクチュエータ本体286のボタン接触面294、296を通過させ、アクチュエータボタン26の上昇位置から下降位置への移動を可能にする。
【0056】
使用者が、使用者インターフェース部分288を遠位にスライドさせると、ボタンバネ284の中央バネアーム302がハウジング20のバネ受け面306上を乗り越え、第1および第2の支承面298、300は、ハウジング20の第1および第2の支持傾斜面308、310と係合する。ボタンバネ284の力は、バネアーム支承面306および第1および第2の支持傾斜面308、310との係合によってバランスされ、アクチュエータボタン26の滑らかな軸方向変位または滑動を提供する。
【0057】
アクチュエータボタン26およびボタンバネ284がその軸方向スライド移動の終点に達すると、中央バネアーム302および第1の支承面298がそれぞれのストッパー312、314の端部を通過し、
図65Hに示されるように、アクチュエータボタン26がその元の位置に戻るのを防止する。さらに、アクチュエータボタン26およびボタンバネ284がそれらの軸方向スライド移動の終点に達すると、使用者は、使用者インターフェース部分288を係合して、アクチュエータボタン26を、下方の降下位置に移動させる。アクチュエータボタン26は約2mm押し下げられ、アクチュエータボタン26を押し下げるのに必要な最小力は、約3N、最も好ましくは約2.8Nであるが、他の適切な距離および最小の力が利用され得る。
【0058】
使用者が、
図65Aおよび
図65Bに示される、使用者インターフェース部分288を押すと、アクチュエータボタン26は、針アクチュエータ本体286を回転させ、針アクチュエータ本体286を解放し、それによって、針アクチュエータ本体286が、使用前位置から使用位置に移動することをもたらす。
図65Bに示されるように、針アクチュエータ本体286が使用位置に移動すると、ロックアウトアーム290、292が、ボタン接触面294、296の下面に沿って走行し、アクチュエータボタン26が上方に跳ね上がるのを防止する。薬剤が送達された後、針アクチュエータ本体286が使用位置から使用後位置に移行すると、
図65Cに示されるように、ロックアウトアーム290、292は、ボタン接触面294、296から外れて、アクチュエータボタン26が、ボタンバネ284の影響下で跳ね返ることを可能にする。針アクチュエータ本体286が、
図65Dに示される使用後位置に完全に移行すると、アクチュエータボタン26は、ボタンバネ284の付勢力により、下降位置から上昇位置への移動を完了している。針アクチュエータ本体286が、使用後の位置にあるとき、針アクチュエータ本体286上のバネアーム316は、アクチュエータボタン26と係合して、アクチュエータボタン26が下降位置に移動するのを防止するが、軸方向の移動は、なお、バネアーム302のストッパー312、314との係合によって制限される。したがって、アクチュエータボタン26は、薬剤の送達が完了した後、ロックされ、使用済みシステムと未使用システムとの間に明確な表示を提供する。
【0059】
さらに、使用者が、薬剤の投与中にアクチュエータボタン26を押さえつけると、適切な投薬および針の後退は依然として完了するが、アクチュエータボタン26は、ボタン26が離されるまで上昇位置まで戻らない。
【0060】
一態様では、ボタンバネ284はプラスチック製である。ボタンバネ284は、また、代わりにプレスされた金属バネであり得るが、任意の他の適切な材料が利用され得る。
【0061】
図68~
図68Gを参照すると、別個のアクチュエータボタン26およびボタンバネ284を設けるよりむしろ、バネは、ボタン26と一体に設けられ得る。より具体的には、本発明のさらなる態様によるアクチュエータボタン320は、一体のバネアーム322を含む。アクチュエータボタン320は、また、ロックアウトアーム324、保持アーム326、および、後部ピボット328を含む。
図68Dおよび68Eに示されるように、バネアーム322は、ハウジング20の頂部22の突起330に係合する。使用前位置から使用位置へのシステム10の移行中、バネアーム322は、軸方向バネ力を提供する突起330の戻り止めを越えてスライドする。バネアーム322の端部は、ハウジング20の頂部22の一部と係合し、バネアーム322がたわむと垂直バネ力を提供する。アクチュエータボタン320は、上述したボタン26の操作と同様の、2つの別個の動きが生じている場合であっても、ボタン320の摺動運動と押圧運動との間の流れるような運動に構成されている。使用前位置と使用位置との間の移行中、ボタン320は、ピボット328を中心として枢動し、保持アーム326が針アクチュエータ本体286の一部に係合し、これにより、アクチュエータボタン26と同様の方法で、投与終了位置が到達されるまで、ボタン320の押し下げられた位置を維持する。針アクチュエータ本体286が投与終了位置に移動すると、ロックアウトアーム324が内側に撓み、針アクチュエータ本体286の一部と係合し、それによって、上述のアクチュエータボタン26と同様の方法で、アクチュエータボタン320のさらなる動きが防止される。
【0062】
本発明の態様は、以前のボタン設計を越える改良を提供する。例えば、作動ボタン装置280は、作動に先立って、針アクチュエータ本体286を針アクチュエータバネ106に抗して定位置に保持する複数の表面を提供し、それにより、落下衝撃の間の早期作動の可能性を低減する。作動ボタン装置280は、針アクチュエータ本体286が、表面が離れて予備作動する余地がないように針アクチュエータ本体286を傾斜した(ロックされた)状態に保持することによって、作動前に移動することを物理的に防止する。
【0063】
加えて、作動ボタン装置280のボタン摺動力は、単純なバンプディテントを用いるよりはむしろ、屈曲するアームを利用することにより、より正確に制御される。これは、より良好な力の制御を有して、ボタン26のより長い摺動ストロークを可能にし、より経済的で効果的な設計をもたらす。さらに、作動ボタン装置280は、ボタン26が、注射の終了時に押し戻されることをもたらし、使用者に、薬剤送達が完了したことの、追加の視覚的、聴覚的および触覚的表示を与える。
【0064】
一態様によれば、システム10の流体送達量は、実際の充填量、容器の内径、およびストッパーの開始位置および長さにかかわらず、ハウジング内の点に対するプランジャの終点位置によって決定される。上記の要因の許容誤差が非常に大きくなり得るため、投与精度のばらつきは重要な意味を持ち得る。本発明の態様は、投与の問題からこれらの公差の一部または全部の排除を可能にし、より正確、かつ、より少ない変化の薬剤注入量をもたらす。
【0065】
図70A~
図70Gを参照すると、本発明の一態様による駆動組立体に関連して使用するためのスペーサ組立体400が示される。
【0066】
ストッパースペーサ組立体400の公差の連鎖内の要素は、内側プランジャ404のフランジ402の厚さ(A)、内側近位端408と内側肩部410との間の外側プランジャ406の内部長さ(B)、内側プランジャフランジ402と外側プランジャの内側近位端408との間の初期オフセット距離(C1)を含む。この初期オフセット距離(C1)は、好ましくは、外側プランジャ406と薬剤バレル412の近位端との間のギャップ距離(C2)よりも大きい。ストッパースペーサ組立体400の公差の連鎖は、また、内部バレル直径(D)を含む。一旦組み立てられると、ストッパースペーサ414および外側プランジャ406は、所与の薬剤量に対して特有である。
【0067】
図70B~
図70Gは、ストッパースペーサ組立体400の動作を示す。
図70Bに示されるように、システムが作動されると、内側プランジャ404および外側プランジャ406の両方が解放される。外側バネ416は、外側プランジャ406をバレル412に押し込み、減衰材料418を圧縮し、内側バネ420を押す。ストッパー422は、薬剤の流体柱のためにバレル412に対してまだ移動しない。
【0068】
次に、
図70Cに示されように、外側バネ416は、外側プランジャ406およびバレル412を遠位に変位させて、バレル412の遠位端の弁(図示せず)を開き、針(図示せず)との流体連通を確立する。液体薬剤の非圧縮性により、ストッパー422は、弁が開かれ、患者針への流体経路が確立されるまで、バレル412に対して変位し得ない。
【0069】
続いて、
図70Dおよび
図70Eに示されるように、内側バネ420は、内側プランジャ404、ストッパースペーサ414およびストッパー422を変位させて、流体を分配する。
【0070】
図70Fは、内側プランジャ404の近位フランジ402が、外側プランジャ406の内側肩部410と接触し、それによって、薬剤バレル412に対する内側プランジャ404(およびストッパースペーサ414およびストッパー422)の変位を停止し、薬剤の流れを止めるときの、薬剤送達の終了を示す。
【0071】
一態様によれば、
図70Gに示されるように、薬剤バレル412に対する内側プランジャ404の変位の停止は、システムのための投与終了指示器をトリガする。
【0072】
図71および72を参照すると、折り畳み式スペーサ組立体430は、ストッパー434に固定された前方スペーサ部分432と、内側プランジャ436と、後方スペーサ部分438と、回転シャトル440を含む。内側プランジャ436は、前方スペーサ部分432に対して位置を変え得るが、前方スペーサ部分432に対して回転しない。同様に、後方スペーサ部分438は、前方スペーサ部分432に対して軸方向に移動し得るが、前方スペーサ部分432に対して回転しない。後に詳述されるように、回転シャトル440は、最初に回転し、続いて位置を変える。
【0073】
一態様によれば、前方スペーサ部分432は、ストッパー434にしっかりと固定される。当業者は、前方スペーサ部分432をストッパー434に固定するために、例えば、接着剤、機械的締結具、または任意の他の適切な配置など、多くの方法が採用され得ることを理解するであろう。好ましくは、前方スペーサ部分432は、ストッパー434内の相手側ネジ山と係合するネジ山を含む。
【0074】
ストッパースペーサ組立体430がストッパー434にネジ込まれると、後方スペーサ部分438のアクセス開口442を通して軸方向荷重が加えられる。この力は、ストッパー434を前方に押し、流体薬剤に圧力を加えるように使用され得る。この圧力は、ストッパー434の前(遠位)面が偏向して近位に押圧され、後方スペーサ部分438を押し戻し、回転シャトルを「組み立てられた」状態に回転させる。言い換えれば、薬剤バレルが薬剤で満たされ、システムのプランジャがスペーサ組立体430を介して薬剤に軸方向の力を加えると、ストッパー434の遠位面は薬剤の圧力によって変形する。薬剤送達中、駆動組立体によって(プランジャを介して)後方スペーサ部分438に圧力が加えられ、後方スペーサ部分438の螺旋面444を介して回転シャトル440に回転トルクを加える。しかし、薬剤からのストッパー変形は、内側プランジャ436に後方または近位の力を与え、回転するシャトル440の回転を防止する。
【0075】
一態様によれば、内側プランジャ436の長さを増加させることによって、内側プランジャ436に対する軸方向反作用荷重が増加させられ得る。
【0076】
薬剤送達が完了すると、
図73に示されうように、ストッパー434の圧力が減少し、それにより、内側プランジャ436の遠位端が遠位に変位することを可能にする。この遠位の変位は、回転シャトル440が回転することを可能にする。駆動組立体によって加えられる、引き続く軸方向の力は、後方スペーサ部分438の螺旋面444と、回転シャトル440の対応するカム面アーム446との相互作用により、回転シャトル440を回転させ、遠位に変位させる。一態様によれば、回転シャトル440のこの最終的な移動は、駆動組立体が針の後退をトリガすることをもたらす。
【0077】
図74および
図75を参照すると、本発明の一態様による規制部材452が、駆動組立体とともに配置される。規制部材452は、薬剤用量の完了後の針アクチュエータ本体96、220の最終変位のタイミングを管理する。固定柱の周りを回転する代わりに、規制部材452は自由に浮動する。プランジャが、十分に遠位に変位して(
図74および
図75に示されるように)、ギャップが規制部材452と整列すると、規制部材452は、針アクチュエータ本体96、220上のバネの力、および、針アクチュエータ本体(
図75に最も良く示されている)に係合する規制部材452のアームの後部の傾斜面454のため、ギャップへと横方向に変位する。規制部材が針アクチュエータ本体96、220をもはや保持しなくなると、針アクチュエータ本体96、220は、使用後の位置への軸方向移動を自由に完了する。また、
図75に示されるように、規制部材452は、容器14の胴部の後部に付勢されており、これは、様々な構成要素の許容誤差の蓄積を最小にし、投与量精度を改善する。
【0078】
図76~
図78を参照すると、本発明のさらなる態様によるスペーサ組立体460が示される。
図76~
図78に示されるスペーサ組立体460は、スペーサ組立体の調整を通じた製造公差蓄積の結果の除去を可能にし、それによって各システムが同じ量の薬剤を注入することを可能にする。
【0079】
図77に示されるように、スペーサ組立体460は、ストッパー462およびストッパースペーサ464を含む。ストッパースペーサ464は、ストッパー462に固定的に接続された固定スペーサ片または固定スペーサ466と、固定スペーサ466に対して一方向に回転変位可能な調節可能なスペーサ片または調整可能なスペーサ468とを含む。
【0080】
当業者は、固定スペーサ466をストッパー462に固定するために、例えば接着剤、機械的締結具、または他の適切な配置などの、多くの方法が用いられ得ることを理解するであろう。好ましくは、固定スペーサ466は、ストッパー462内の1つ以上の相手方ネジと係合する1つ以上の外側ネジを含む。一態様によれば、調整可能なスペーサ468は、外側ネジ470を有する遠位ステムを有する。遠位ステムネジ山470は、固定スペーサ466内の内側ネジ472と係合し(
図78に最もよく示される)、固定スペーサ466に対する調整可能スペーサ468の軸方向変位を回転して制御する。
【0081】
図76および
図77に示されるように、固定スペーサ466は、半径方向に離間したディテント474を含み、調整可能なスペーサ468は、その自由端がディテント474の選択された1つと係合するバネ式ディテントアーム476を含み、固定スペーサ466に向かう調整可能なスペーサ468の回転および軸方向変位を防止する。バネ式ディテントアーム476の自由端は、一方向にディテント474の上を通過するように成形され、これにより、調整可能なスペーサ468が固定スペーサ466から離れるように回転および近位に軸方向に変位することを許容する。
【0082】
ストッパーおよび容器の寸法の変化にもかかわらず、調節可能なスペーサ468は、固定スペーサ466に対して調整され得、スペーサ組立体460の変わらない軸方向長さを提供する。
【0083】
図78に示されるように、容器が一旦充填されると、軸方向荷重、例えば、システム10、200に取り付けられたときに遭遇するであろう荷重が、調整可能なスペーサ468(したがって、固定スペーサ466およびストッパー462)に加えられる。軸方向の荷重が加えられると、調整可能なスペーサ468は、近位に後退し得、薬剤バレル480の近位端と調整可能なスペーサ468の近位面との間の変わらない間隙478を確保し、それにより、薬剤バレルガラス内の変動、および、いかなる捕捉された空気の圧縮性をも動作不能とする。言い換えれば、スペーサ組立体460は、調整可能なスペーサ468が、容器14の変動およびストッパーの長さとは無関係に、容器14に対して所定のセット位置を有することを可能にする。したがって、スペーサ組立体460の開始位置は、容器14から所定の距離であり、スペーサ組立体460の端部位置もまた、容器14から所定の距離であり、ストッパー462の移動は、駆動組立体12のプランジャ52、54の有効長さによって画定される。
【0084】
図79および
図80を参照すると、本発明の一態様による自動調節スペーサ486のベースコラム482およびキャップ484が示されている。ベースコラム482は、ベース部分488と、軸方向に延びるコラム490とを含む。一実施形態によれば、ベースコラム482は、複数の柱状突起491を含み、柱状突起491の各々は、その近位部分に配置された複数のラチェット歯492を有する。ロッキングバーブ493は、複数のラチェット歯492のそれぞれの近位端に配置される。キャップ484は中空であり、キャップ484の遠位端は1つ以上の軸方向バネ494を含む。一態様によれば、軸方向バネ494は曲げられ、キャップ484の成形中に形成された片持ちアームである。別の態様によれば、圧縮バネのような別個の付勢部材が、自動調整スペーサ486に採用され得る。ベースコラム482と組み立てられると、バネ494はベース部分488と係合し、ベースコラム482とキャップ484との間の初期間隔を維持する。一態様によれば、バネ494は省略される。キャップ484はまた、複数の可撓性の片持ちアームまたはタブ496を含み、それらの各々は、複数のラチェット歯497を有する自由近位部を有する。各可撓性タブ496の近位端は、脚部498を含む。
【0085】
図81Bは、薬剤バレルの近位部分で、ストッパー494の近位凹部内に展開された自動調節スペーサのキャップを示す。ベースコラム482は、中空キャップ484に組み込まれ、ベース部分488は、ストッパー494に係合し、脚部498は、バレルの近位端の外側に配置される。
【0086】
動作時には、
図81Aおよび
図81Bに示されるように、キャップ484の近位端が薬剤バレルの端部と面一になるまで、キャップ484はベースコラム482(ならびにストッパー494およびバレル)に対して遠位に変位する。この動作は、脚部498がバレルの内面に係合し、半径方向内側に変位することをもたらし、それにより、ラチェット歯492をラチェット歯497とのロック係合状態にさせる。ロッキングバーブ493、ラチェット歯492および497の係合、および脚部498のバレルの内面との係合は、ベースコラム482に対するキャップ484の変位を防止する。したがって、自動調整スペーサ486は、ストッパー、バレル直径、および薬剤充填量の差に対応し得、自動的に、薬剤バレルの近位端と平坦な支承面を提供する。
【0087】
本発明の一態様は、システム内の容器内のストッパーに対して配置されたスペーサ組立体486である。スペーサの設計は、薬剤の正確な量の投与を可能にするように、その有効長さが調整され得るというものである。長さの調整は、容器、充填量、特にストッパーの長さ内の製造公差を補償することを意図され、調節不能なスペーサを使用した投与量の変動の1/3となる。スペーサの長さは、特定の態様に応じて、いくつかの技術によって調節され得る。スペーサの長さは、容器の後部へのその位置に基づいて自己調整し得、一次容器のサブ組立体への最終組立時に組立装置によって調整され得、ストッパーの一体部分に形成され得、充填する前にサブ組立体として調整され得る。調節可能なスペーサ486は、調節不能なストッパーと比較して、より正確な量の流体が注入されることを可能にする。
【0088】
図82~
図87を参照すると、本発明の一態様による薬剤送達システム用の駆動組立体500が示される。駆動組立体500は、作動ボタン506、容器508、針アクチュエータ組立体510、作動解除またはフリッパー512、リードスクリュー514、およびプランジャ516を含む。リードスクリューは、半径方向に突出する外部羽根520を有するドラム部分518を含み、
図84および
図85に最もよく示され、続いて、より詳細に説明される、ネジ山部分522を含む。作動前に、
図83および
図86に最もよく示されるように、作動解除512の一端513は、羽根520の1つと係合して、リードスクリュー514の回転を防止する。
【0089】
一態様によれば、
図84~
図86に示されるように、リードスクリュー514のネジ山部分522は、プランジャ516に接続されたナット524の内側ネジに係合する。別の態様によれば、ナットおよびその内側ネジは、一体構造としてプランジャと一体に形成される。さらに、一定力バネ526がドラム部分518内に受容され、リードスクリュー514を回転方向に付勢する。一態様によれば、バネ526はベースカバー504に固定される。別の態様によれば、
図84~
図86に示されるように、駆動組立体ハウジング528がシステム内に配置され、バネ526がパワーパックハウジング528に固定される。
【0090】
その変位に比例する力のプロファイルを有する、圧縮バネのようならせん状バネとは異なり、一定力バネ526等は、長い作動長にわたって比較的平坦なまたは均一な力のプロファイルを維持する。均一な力のプロファイルは、有利には、バネ力に比例する射出力を提供する。これは、平坦な、または、均一な注入力、したがって、薬剤の実質的に一定の注入速度を提供する。バネ526は、ただ材料の2回の巻きを有するものとして、
図86に示されるが、当業者は、より少ない、または、より多い巻数が用いられ得ることを理解するであろう。好ましくは、組立者は、駆動組立体500が組み立てられるとき、バネ526を巻き付け、バネ526は、作動時まで巻き付けられた位置に収納される。
【0091】
システムの作動で、針アクチュエータ組立体510は、解放され、付勢部材530(
図83に最も良く示される)の影響下で、使用前の位置から使用後の位置まで軸方向に変位する(
図82~
図85において右側へ)。この変位の間、針アクチュエータ組立体510は、作動解除512の第2の端部532に当接し、
図87に示されるように、解除512を反時計回りに回転させる。作動解除512のこの反時計回りの回転は、その第1の端部513を羽根520との係合から解放する。羽根520からの第1の端部513の離脱に続いて、バネ526は、巻き戻され、リードスクリュー514の回転を駆動し、それは、ナット524との組み合わせで、プランジャ516を前進させて薬剤を分配する。
【0092】
リードスクリュー514が回転しているとき、ドラム部分518および羽根520の回転は、ハウジング内の窓534を通して視認できる。この窓534は、容器508内のストッパー536の直線運動を見るよりもはるかに明白な方法でスクリューの進行を示す。実際、この回転運動は直線運動より何倍も敏感である。当業者は、優位性または増進の正確な量は、リードスクリュー514のネジ山部分522のピッチ、ドラム部分518の直径、およびドラム部分518上の羽根520の数に依存することを理解するであろう。
【0093】
図88~
図93を参照すると、本発明のさらなる態様による薬剤送達システムのための駆動組立体600が示される。駆動組立体600は、バネの機械的エネルギーを蓄積し、トリガされるとそれを活性化させるように作用する。駆動組立体600は、薬剤バレル601、バレル601内に摺動可能に配置されたストッパー602、第1の弁プランジャ603、第2のバルブプランジャ604、第1の回転ナット605、および、第2の回転ナット606を含む。駆動組立体600はまた、回転インジケータ607、ロック要素608、回転インジケータ607内に配置された一定力バネ609、および作動解放またはフリッパー610を含む。駆動組立体600は、薬剤送達システムに組み立てられ得るハウジング611内に、少なくとも部分的に配置される。
【0094】
一定力バネ609は、ハウジング611と、回転インジケータ607のドラム部分616内の回転インジケータ607との間に収容される。駆動組立体の非作動状態は、エネルギーが、バネ609を巻き戻すことによって印加され、このエネルギーを、ハウジング611、回転インジケータ607、および作動解除610で、幾何学的に利用するというものである。駆動組立体600が非活性化されるとき、バネは後戻りし、機械的エネルギーを回転インジケータの回転運動に変換する。
【0095】
入れ子式複数部プランジャは、薬剤バレル601と回転インジケータ607との間の力軸に沿って配向される。回転インジケータ607は、ネジ軸618を特徴とする。一態様によれば、ネジ山は複合ネジレであり、本質的に、正方形または長方形のいずれかである。入れ子式複数部プランジャは、2つの部分からなるネジ付きナット(第1の回転ナット605および第2の回転ナット606)および2つの部分からなるプランジャ(第1の弁プランジャ603および第2のバルブプランジャ604)を含む。第2の回転ナット606は、回転インジケータ607および第1の回転ナット605とかみ合うネジ付きシャフトであり、それらとかみ合うように、その内面および外面における対応するネジ山(それぞれ、内部および外部ネジ山)を特徴とする。第2の回転ナット606は、また、その近位端に、第2の弁プランジャ604に下降着座する円形のカラー620(
図92に最も良く示されている)を有する。第2の回転ナット606は、力軸に沿って自由に回転する。第1の回転ナット605は、また、第2の回転ナット606と噛み合うように、第2の回転ナット606の外部ネジに対応して、その内径におけるネジを特徴とするネジ付きシャフトである。
【0096】
一態様によれば、一端において、第1の回転ナット605は、第1の弁プランジャ603に圧入する六角形のカラーを有し、第1の弁プランジャ603を第1の回転ナット605に固定的に接続する。駆動組立体600において、第1の回転ナットは、自由に回転せず、パワーモジュールサブ組立体が作動されたとき、並進するのみであろう。
【0097】
第2の弁プランジャ604は、その遠位端の小さいカラー622と、その近位端の大きなカラー624と、大きな近位カラー624から突出した伸長L字形アーム626(
図93に最も良く示される)を有する、中空の円筒形の構成要素である。一実施形態によれば、小さいカラーは不連続であり、カラーを曲げて、第1の弁プランジャ603と係合させることを可能にする、4つのバネ板の片持ちアームまたは板バネ623を特徴とする。第2の弁プランジャ604の内面は、その長さを通して、その近位端の大きなカラー624の半径方向内側に突出した棚628で終端する、アンダーカットを有する。棚628は、伸縮組立体内の第2の回転ナット606と係合する。
【0098】
第1の弁プランジャ603は、ストッパー602に取り付けられ、また、第2の弁プランジャ604と嵌合する中空円筒形の構成要素である。より具体的には、第1の弁プランジャ603は、その遠位端でストッパー602と嵌合するような円筒状の突起630を特徴とする。一態様によれば、
図89に示されるように、4つの貫通スロット632が、第1の弁プランジャ603の近位四分円に配置されて、第2の弁プランジャ604の、板バネまたはアーム623と小さいカラー部622に係合する。第1および第2の弁プランジャ603および604は、共に、摺動自在である。
【0099】
テレスコーピングは、定力バネ609が後戻りし、回転インジケータ607が回転を開始するときに達成される。回転インジケータ607と第2の回転ナット606との間のネジ式の取り付けは、第2の回転ナット606が回転することをもたらす。しかし、第2の回転ナット606が、第1の回転ナット605にネジ込まれ、第1の回転ナット605は、バレル601内の薬剤によって引き起こされる圧力のために回転し得ず、遠位への移動に対する抵抗を経験するので、第2の回転ナット606は、近位に変位し、第2の弁プランジャの半径方向内側に突出する棚628に着底する。第2の弁プランジャ604は、ハウジング611によって近位に移動することを防止される。その後、回転インジケータ607の継続する回転で、第2の回転ナット606が第1の回転ナット605(回転不能)に螺合されているため、第1の回転ナット605が遠ざかり、第1の弁プランジャ603(およびストッパー602)を押して、バレル601から薬剤を分配する。
【0100】
第1の弁プランジャ603は、小さいカラー部622(第2の弁プランジャ604の板バネまたはアーム623の遠位端にそれぞれ配置される)が、第1の弁プランジャ603のスロット632の対応する近位端に係合するまで、第2の弁プランジャ604に対して遠位に変位する。これは、第1および第2の弁プランジャ603および604の相対的な位置をロックし、回転インジケータ607の継続する回転で、両方の弁プランジャは遠位に並進し、また、(棚624とのその近位の係合のため)第2の回転ナットも一緒に押し進む。
【0101】
入れ子式プランジャの初期位置および最終位置、したがって薬剤投与量は、回転インジケータ607のネジ軸618の長方形のネジ形状、回転インジケータ607のドラム部分616上のネジ付きシャフト、およびロック要素608として機能するステップ状のピンによって制御される。一態様によれば、回転インジケータ607のドラム部分616上のネジ山付きシャフトは、単一のネジレであり、入れ子式チェーン内の残りの部品は二重ネジレネジ山を有するので、他のネジ部品の軸方向移動は、回転インジケータに対するロック608の軸方向移動の二倍である。
【0102】
一実施形態によれば、ロック608は円筒形であり、一方の端部におけるドーム状の先端部と、他方の端部における円筒状のカラーを特徴とする。ロータリインジケータのドラム部分616の外側のネジ山およびハウジング611の底部のアンダーカット636は、ロック608を所定の位置に捕捉し、それが力軸に平行に摺動することを可能にする。したがって、バネ609が解放され、回転インジケータ607が回転すると、ロック608も、並進し、回転インジケータのドラム部分616の外側のネジの遠位端に達すると、確実な停止を生起する。
【0103】
駆動組立体600の態様の1つの利点は、一定力バネ609の使用を含み、その機械的エネルギーは、バレル601内の薬剤に対して実質的に一定の線形力に変換される。さらに、これは、均一な薬剤送達速度をもたらす。別の利点は、ネジ形状で駆動される入れ子式プランジャを使用することであり、駆動組立体は、他のプランジャ設計と比較して最大0.75インチの直線での省スペースをもたらし得る。さらに、駆動組立体は、同じ構成要素内の初期および最終的な機械的制約によって、制御された薬剤投与量を提供する。
【0104】
先に述べたように、他の薬剤送達システムは、圧縮コイルバネを利用し、それは、作動時に最大の力を及ぼし、その力は、バネが膨張するにつれて、ついには減少する。プランジャにおける減少する力は、変化し得る薬剤送達時間および薬剤出口圧力に変換される。一定力のバネを使用することによって、プランジャに作用する力は、投薬の最初から最後まで一定である。さらに、薬剤容器の内部で並進を必要とする変化しないプランジャの長さに加えて、コイルバネが移動しなければならない距離は、長い組立体を作り出し得る。対照的に、本発明の実施形態では、一定力バネは半径方向に収容され、作動の前または後に追加の空間を必要としない。さらに、入れ子式プランジャの態様は、変化しないプランジャの長さと比較して、容器のプランジャ長さが大幅に短縮され得ることを可能にする。
【0105】
従来の薬剤送達システムは、薬剤送達を可能にする機械的構成要素が、容器に着底することにより幾何学的依存性を作り出すため、変動する用量精度を有するが、それらは、厳しい公差で製作され得ない。本発明のいくつかの実施形態は、回転インジケータにおけるネジ形状および一定力バネの使用を介して、並進プランジャの開始および終了時間に対する制御を生成する。
【0106】
駆動組立体は、薬剤送達装置のためのよく制御された時間、容積および圧力に加え、省スペースの幾何学的配置を生成し、それは、より魅力的でコンパクト、正確な薬剤送達装置となる。
【0107】
駆動組立体のいくつかの態様は、約0.75インチの線形空間を節約するために、3つの回転するネジ付きシャフトを実装する。他の態様では、同じ概念が、2つの回転するネジ軸を使用して採用され得、約0.5インチの空間節約をもたらす。本発明のいくつかの態様は、一定力バネの回転エネルギーをプランジャの並進力運動に変換する。
【0108】
図94-100を参照すると、本発明のさらなる態様によるスペーサ組立体660が示される。スペーサ組立体660は、上述され、および、
図76~78に示された、スペーサ組立体460と同様であり、類似の利点を達成するために同様の方法で動作する。スペーサ組立体660は、固定スペーサ666と調節可能スペーサ668を含む。固定スペーサ666は、ストッパー462によって受容され、突起670がストッパー462と係合してストッパー462内に固定スペーサ666を固定するように構成されるが、ネジ山などの他の適切な固定構成が利用され得る。固定スペーサ666は、調整可能なスペーサ668の外側のネジ山678を受け入れる内側ネジ山672を含む。固定スペーサ666は、固定スペーサ666の螺旋状部分に配置された複数の戻り止め674を含む。調整可能スペーサ668は、戻り止め674の1つと係合するバネ戻り止めアーム676を含み、固定スペーサ666に相対的な、調整可能スペーサ668の回転および軸方向変位を防止する。バネ戻り止めアーム676は、調整可能なスペーサ668の固定スペーサ666からの回転および軸方向変位を可能にするために、戻り止め674を一方向に通過するように成形され、および、構成される。調整可能なスペーサ668は、当初、バネ戻り止めアーム676の頂部に力を加えることによって、ネジ山672、678を介して固定スペーサ666に係止され得、それは、バネ戻り止めアーム676を戻り止め674から遠ざけて、スペーサ666、668が互いに固定されることを可能にする。従って、スペーサ組立体460に関して上述したのと同じ方法で、調整可能なスペーサは、1つの軸方向に回転するのに自由であり、スペーサ組立体660の長さを調整する。
【0109】
再び
図94~
図100を参照すると、スペーサ組立体660は、さらに、調整可能なスペーサ668に受容されて固定されるように構成されたシム680を含む。複数のサイズの調整可能スペーサ468、668を設けるのではなく、容器14内の複数の異なる充填容積を収容するために、複数のシム680サイズが設けられ得る。シム680は、スナップ嵌めを使用して、調整可能なスペーサ668によって受容されるシム680から延びるコネクタ682を介して、調整可能なスペーサ668に固定され得るが、他の適切な固定構成が利用され得る。固定スペーサ666の中央部分684は、調整可能なスペーサ668が固定スペーサ666に対して回転している間、調整可能なスペーサ668と共に固定スペーサ666の回転を防止するように係合するよう構成される。固定スペーサ666の中央部分684は、シム680の開口を通してアクセス可能である。
【0110】
1つの開示された態様の要素は、1つまたは複数の他の開示された態様の要素と組み合わせられ得て、異なる組み合わせを形成するが、そのすべてが本発明の範囲内にあると考えられる。
【0111】
この開示は、例示的な設計を有するものとして説明されたが、本開示は、本開示の精神および範囲内でさらに変更され得る。したがって、この出願は、その一般原則を使用する、開示のあらゆる変形、使用、または適応をカバーすることを意図される。さらに、本出願は、本開示が関連し、添付の特許請求の範囲の範囲内に入る、当技術分野における公知の、または、慣習的な実践に至るような、本開示からの逸脱をカバーすることを意図される。