(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】ラッチ機構
(51)【国際特許分類】
E05C 1/14 20060101AFI20220928BHJP
E05C 7/02 20060101ALI20220928BHJP
B62K 15/00 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
E05C1/14 C
E05C7/02 D
B62K15/00
(21)【出願番号】P 2019193713
(22)【出願日】2019-10-24
【審査請求日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】201811533392.2
(32)【優先日】2018-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516217435
【氏名又は名称】モビリティ ホールディングス,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】ヨアキム ウィモネン
(72)【発明者】
【氏名】エリック イ-ヒュン リン
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】実開昭53-028649(JP,U)
【文献】実開昭52-089098(JP,U)
【文献】実開昭49-038696(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第03470315(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05C 1/14
E05C 7/02
B62K 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一部材及び第二部材を係合させるためのラッチ機構であって、
前記第一部材に配置され、第一ベース部と、第一ラッチ部と、第一作用部と、を有し、前記第一ベース部は前記第一部材に連結され、且つ前記第一ラッチ部は前記第一ベース部と前記第一作用部との間に位置される第一ラッチ本体と、
前記第二部材に配置され、第二ベース部と、第二ラッチ部と、第二作用部と、を有し、前記第二ベース部は前記第二部材に連結され、前記第一ラッチ本体は前記第二ベース部に貫設され、前記第二作用部は回転軸に沿って前記第二ベース部に枢設されると共に回転経路に沿って回転するのに適合し、前記第二ラッチ部は前記回転経路に設けられると共に前記第一ラッチ部に可動に位置を制限され、前記第二作用部が回転する場合、前記第二ラッチ部が前記第二作用部により駆動されてラッチ位置と解除位置との間で往復作動し、これにより前記第一ラッチ部に係合されるか分離される第二ラッチ本体と、を備え、
前記第二作用部は第一押し構造及び第二押し構造を有し、前記第一作用部は前記回転経路に設けられ、前記第二作用部が前記回転経路に沿って回転すると、順番に前記第一押し構造により前記第二ラッチ部が押動され、前記第二ラッチ部が前記ラッチ位置から前記解除位置まで移動し、前記第二押し構造により前記第一作用部が押動され、前記第一ラッチ本体が解除方向に沿って前記第二ラッチ本体から脱離することを特徴とするラッチ機構。
【請求項2】
前記第二ラッチ部は制限構造と、第三押し構造と、第一弾性構造と、を有し、前記制限構造は前記第一ラッチ部に係着され、前記第三押し構造は前記制限構造に連結され、前記第一弾性構造は前記制限構造と前記第二ベース部との間に連結されることを特徴とする請求項1に記載のラッチ機構。
【請求項3】
前記第二ラッチ部は制限経路に沿って前記ラッチ位置と前記解除位置との間を往復移動し、前記制限構造及び前記第一弾性構造は前記制限経路に沿って配置され、前記第三押し構造は前記制限経路に垂直する方向に沿って前記制限構造に連結され、前記方向と前記解除方向とは同じであることを特徴とする請求項2に記載のラッチ機構。
【請求項4】
前記制限構造限が前記第一ラッチ部に位置される場合、前記第一押し構造が前記回転経路に位置されると共に前記第三押し構造と前記第一作用部との間に位置されることを特徴とする請求項2に記載のラッチ機構。
【請求項5】
前記第一押し構造により前記第三押し構造が押動されると、連帯的に前記制限構造が前記第一ラッチ部に係合されなくなり、且つ前記第二ラッチ部が前記ラッチ位置から前記解除位置まで移動すると、前記第一弾性構造が解放状態から圧縮状態に変形し、前記制限構造が前記第一ラッチ部に係着される場合、前記第一弾性構造が前記解放状態となり、前記制限構造が前記第一ラッチ部に係着されない場合、前記第一弾性構造が前記圧縮状態となり、前記第一弾性構造は線形ばねであることを特徴とする請求項2に記載のラッチ機構。
【請求項6】
前記第二作用部が前記回転経路に沿って回転し、且つ前記第二押し構造と前記第一作用部とが接触する場合、前記第一押し構造により前記第三押し構造が持続的に押動され、前記制限構造が前記第一ラッチ部と係合されないように維持されることを特徴とする請求項2に記載のラッチ機構。
【請求項7】
前記第二作用部は前記第二ベース部と前記第二作用部との間に設置される第二弾性構造を更に備え、前記第二作用部が前記回転経路に沿って回転すると、前記第二弾性構造が解放状態から圧縮状態に変形し、前記第二ラッチ部が前記第一ラッチ部に係着される場合、前記第二弾性構造が前記解放状態となり、前記第二ラッチ部が前記第一ラッチ部に係着されない場合、前記第二弾性構造が前記圧縮状態となり、前記第二弾性構造はねじりばねであることを特徴とする請求項1に記載のラッチ機構。
【請求項8】
前記第二ベース部には前記第一ラッチ本体が貫設されるラッチ溝が設けられることを特徴とする請求項1に記載のラッチ機構。
【請求項9】
前記第一ベース部及び前記第一作用部の外径は前記第一ラッチ部の外径より大きく、前記第一作用部及び前記第一ラッチ部の外径は前記ラッチ溝の内径より小さいことを特徴とする請求項8に記載のラッチ機構。
【請求項10】
前記第一作用部は錐状構造であり、前記第二作用部は操作ハンドルであることを特徴とする請求項1に記載のラッチ機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラッチ機構に関し、更に詳しくは、組み立て及び取り外しが便利なラッチ機構に関する。
【背景技術】
【0002】
ラッチ機構はロックや2つの分離可能な部材を固定するために広く普及しており、2つの部材の連結や分離を利便に行えるようにする。更には、従来のラッチ機構は2つの分離可能な部材を連結する際に、多くの場合ねじが不要な係着設計が用いられ、ヒューマンフレンドリーな方向へと発展している。ねじが不要な設計は、煩雑な組み立て工程を減らし、取り外しにも別途工具を使用する必要をなくすることを目的としている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、組み立て及び取り外しを便利にする効果を有するラッチ機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のラッチ機構は、第一部材及び第二部材の係合に用いられる。前記ラッチ機構は前記第一部材に配置される第一ラッチ本体及び前記第二部材に配置される第二ラッチ本体を備える。前記第一ラッチ本体は第一ベース部と、第一ラッチ部と、第一作用部と、を有し、前記第一ベース部は前記第一部材に連結され、且つ前記第一ラッチ部は前記第一ベース部と前記第一作用部との間に位置される。前記第二ラッチ本体は第二ベース部と、第二ラッチ部と、第二作用部と、を有し、前記第二ベース部は前記第二部材に連結され、前記第一ラッチ本体は前記第二ベース部に貫設される。前記第二作用部は回転軸に沿って前記第二ベース部に枢設されると共に回転経路に沿って回転するのに適合し、前記第二ラッチ部は前記回転経路に設けられると共に前記第一ラッチ部に可動に位置を制限される。
【0005】
前記第二作用部が回転すると、前記第二ラッチ部が前記第二作用部により駆動されてラッチ位置と解除位置との間で往復作動し、これにより前記第一ラッチ部に係合されるか分離される。前記第二作用部は第一押し構造及び第二押し構造を有し、前記第一作用部は前記回転経路に設けられる。前記第二作用部が前記回転経路に沿って回転すると、順番に前記第一押し構造により前記第二ラッチ部が押動され、前記第二ラッチ部が前記ラッチ位置から前記解除位置まで移動し、前記第二押し構造により前記第一作用部が押動され、前記第一ラッチ本体が解除方向に沿って前記第二ラッチ本体から脱離する。
【0006】
また、本発明に係るラッチ機構において、前記第二ラッチ部は制限構造と、第三押し構造と、第一弾性構造と、を有する。前記制限構造は前記第一ラッチ部に係着され、前記第三押し構造は前記制限構造に連結され、前記第一弾性構造は前記制限構造と前記第二ベース部との間に連結される。
【0007】
また、本発明に係るラッチ機構において、前記第二ラッチ部は制限経路に沿って前記ラッチ位置と前記解除位置との間を往復移動する。前記制限構造及び前記第一弾性構造は前記制限経路に沿って配置され、前記第三押し構造は前記制限経路に垂直する方向に沿って前記制限構造に連結される。前記方向と前記解除方向とは同じである。
【0008】
また、本発明に係るラッチ機構において、前記制限構造限が前記第一ラッチ部に位置される場合、前記第一押し構造が前記回転経路に位置されると共に前記第三押し構造と前記第一作用部との間に位置される。
【0009】
また、本発明に係るラッチ機構において、前記第一押し構造により前記第三押し構造が押動されると、連帯的に前記制限構造が前記第一ラッチ部に係合されなくなる。前記第二ラッチ部が前記ラッチ位置から前記解除位置まで移動すると、前記第一弾性構造が解放状態から圧縮状態に変形する。前記制限構造が前記第一ラッチ部に係着される場合、前記第一弾性構造が前記解放状態となり、前記制限構造が前記第一ラッチ部に係着されない場合、前記第一弾性構造が前記圧縮状態となる。前記第一弾性構造は線形ばねである。
【0010】
また、本発明に係るラッチ機構において、前記第二作用部が前記回転経路に沿って回転し、且つ前記第二押し構造と前記第一作用部とが接触する場合、前記第一押し構造により前記第三押し構造が持続的に押動され、前記制限構造が前記第一ラッチ部と係合されないように維持される。
【0011】
また、本発明に係るラッチ機構において、前記第二作用部は前記第二ベース部と前記第二作用部との間に設置される第二弾性構造を更に備える。前記第二作用部が前記回転経路に沿って回転すると、前記第二弾性構造が解放状態から圧縮状態に変形する。前記第二ラッチ部が前記第一ラッチ部に係着される場合、前記第二弾性構造が前記解放状態となり、前記第二ラッチ部が前記第一ラッチ部に係着されない場合、前記第二弾性構造が前記圧縮状態となる。前記第二弾性構造はねじりばねである。
【0012】
また、本発明に係るラッチ機構において、前記第二ベース部には前記第一ラッチ本体が貫設されるラッチ溝が設けられる。
【0013】
また、本発明に係るラッチ機構において、前記第一ベース部及び前記第一作用部の外径は前記第一ラッチ部の外径より大きく、前記第一作用部及び前記第一ラッチ部の外径は前記ラッチ溝の内径より小さい。
【0014】
また、本発明に係るラッチ機構において、前記第一作用部は錐状構造であり、前記第二作用部は操作ハンドルである。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明は第一部材及び第二部材に第一ラッチ本体及び第二ラッチ本体がそれぞれ設置され、第一ラッチ本体の第一ラッチ部と第二ラッチ本体の第二ラッチ部との間の係合関係を利用して第一ラッチ本体が第二ラッチ本体中に係合され、第一部材及び第二部材の組み立てまたは連結効果を達成させる。なお、本発明では第二ラッチ本体の第二作用部の作動により順番に第一ラッチ部と第二ラッチ部との係合関係が解除され、第一ラッチ本体が第二ラッチ本体から退出され、第一部材及び第二部材の取り外しまたは分離効果を達成させる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係るラッチ機構が第一部材及び第二部材に応用される概略図である。
【
図2】
図1のラッチ機構を例示する組み合わせ図である。
【
図3】
図2のラッチ機構を他の角度から見た分解図である。
【
図4】
図2の第一ラッチ本体を他の角度から見た分解図である。
【
図5】
図2の第二ラッチ部を他の角度から見た分解図である。
【
図6A】
図2のラッチ機構を示す作動プロセスの概略図である。
【
図6B】
図2のラッチ機構を示す作動プロセスの概略図である。
【
図6C】
図2のラッチ機構を示す作動プロセスの概略図である。
【
図7A】
図6Aのラッチ機構を他の角度から見た概略図である。
【
図7B】
図6Bのラッチ機構を他の角度から見た概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。
【0018】
図1は本発明の一実施形態に係るラッチ機構が第一部材及び第二部材に応用される概略図である。
図2は
図1のラッチ機構を例示する組み合わせ図である。
図3は
図2のラッチ機構を他の角度から見た分解図である。
図4は
図2の第一ラッチ本体を他の角度から見た分解図である。
図5は
図2の第二ラッチ部を他の角度から見た分解図である。図に示されるように、本実施例のラッチ機構10は第一部材1及び第二部材2を係合するために用いられる。第一部材1及び第二部材2は、例えば、ドアに応用されるラッチ機構や折り畳み自転車に応用されるラッチ機構であるが、但しこれらに限られない。ラッチ機構10が折り畳み自転車に応用される場合、例えば、第一部材1が自転車の前輪部分であり、第二部材2が自転車の後輪部分であってもよく、これらに限定されない。
【0019】
本実施例に係るラッチ機構10は、第一部材1に配置される第一ラッチ本体100及び第二部材2に配置される第二ラッチ本体200を備える。第一ラッチ本体100は第一ベース部110と、第一ラッチ部120と、第一作用部130と、を有する。第二ラッチ本体200は第二ベース部210と、第二ラッチ部220と、第二作用部230と、を有する。第二作用部230は、例えば操作ハンドルである。第一ベース部110は第一部材1との連結に用いられ、第二ベース部210は第二部材2との連結に用いられる。
【0020】
本実施例では、第一ラッチ本体100は第二ラッチ本体200の第二ベース部210に貫設される。また、第一部材1は第一ラッチ本体100と第二ラッチ本体200との連接関係を利用して第二部材2と組み立てられるか連結される。より詳しくは、本実施例では、第二ベース部210にラッチ溝212が設けられる。よって、第一ラッチ本体100がラッチ溝212に貫設されることにより組み立てまたは連結効果が達成される。
【0021】
上述したように、第一ラッチ本体100の構造に関し、第一ラッチ部120は第一ベース部110と第一作用部130との間に位置される。第一ベース部110及び第一作用部130の外径は第一ラッチ部120の外径より大きく、第一作用部130は、例えば錐状構造である。換言すれば、第一ラッチ本体100は中段部分が狭くなる弾頭状構造でもよい。また、本実施例では、第一作用部130及び第一ラッチ部120の外径はラッチ溝212の内径より小さい。このため、第一作用部130及び第一ラッチ部120がラッチ溝212にスムーズに貫設されると共に第二ラッチ部220と組み合わせられ(係合)、第一ラッチ本体100及び第二ラッチ本体200が互いに組み立てられるか連結される効果が有効的に達成される。また、本実施例では、第二作用部230が操作されて第一ラッチ部120と第二ラッチ部220との間の係合関係が解除されると、第一ラッチ本体100が解除方向D1に沿って第二ラッチ本体200から脱離され、第一ラッチ本体100及び第二ラッチ本体200の取り外しまたは分離効果が達成される。
【0022】
第二ラッチ本体200の構造に関し、第二作用部230は回転軸Aに沿って第二ベース部210に枢設されると共に回転経路Rに沿って回転するのに適合する。第二作用部230は、第一押し構造232及び第二押し構造234を有し、第一作用部130は回転経路Rに設けられる。なお、本実施例では、第二ラッチ部220が回転経路Rに設けられ、制限経路L上を可動に移動し、第一ラッチ部120に対して位置制限動作を行う。より詳しくは、本実施例に係る第二ラッチ部220は制限構造222と、第三押し構造224と、第一弾性構造226と、を有する。第一弾性構造226は例えば線形ばねである。
【0023】
制限構造222は第一ラッチ部120に係着される。第三押し構造224は制限経路Lに垂直する方向D2に沿って制限構造222に連結される。方向D2は解除方向D1と同じである。また、第三押し構造224が第二作用部230により駆動されると、制限構造222が一緒に作動される。なお、第一弾性構造226は制限構造222と第二ベース部210との間に連結される。
【0024】
図6A乃至
図6Cは
図2のラッチ機構を示す作動プロセスの概略図である。
図7Aは
図6Aのラッチ機構を他の角度から見た概略図である。
図7Bは
図6Bのラッチ機構を他の角度から見た概略図である。図に示されるように、本実施例では、第一ラッチ本体100と第二ラッチ本体200とが互いに組み立てられるか連結されると(
図6A及び
図7A参照)、制限構造222が第一ラッチ部120に位置を制限され、第一押し構造232が回転経路Rに位置されると共に第三押し構造224と第一作用部130との間に位置される。
【0025】
このため、第二作用部230が外力により駆動されて回転すると(
図6B及び
図7B参照)、第二作用部230が回転経路Rに沿って回転する。ちなみに、本実施例では、第二作用部230の回転作用によりまず第二ラッチ部220の第三押し構造224を押動するように第一押し構造232が駆動され、連帯的に第二ラッチ部220が制限経路L上をラッチ位置P1(
図6A参照)から解除位置P2(
図6B参照)まで移動する。換言すれば、第二作用部230が回転すると、第二ラッチ部220が第二作用部230により駆動されて制限経路Lに沿ってラッチ位置P1と解除位置P2との間を往復作動し、第一ラッチ部120に係合されるか分離される。ちなみに、本実施例に係る制限構造222及び第一弾性構造226は制限経路Lに沿って配置される。よって、第二ラッチ部220が第一弾性構造226により補助されて制限経路Lを往復作動する。
【0026】
詳しくは、第一押し構造232により第三押し構造224が押動されると、連帯的に制限構造222が第一ラッチ部120と係合されなくなり、且つ第二ラッチ部220がラッチ位置P1から解除位置P2まで移動すると、第一弾性構造226が解放状態(
図6A参照)から圧縮状態(
図6B参照)に変形する。すなわち、制限構造222が第一ラッチ部120に係着される場合、第一弾性構造226が解放状態となる。よって、制限構造222が第一ラッチ部120に係着されない場合、第一弾性構造226が圧縮状態となる。
【0027】
第二作用部230の回転作用により第二ラッチ部220の第三押し構造224を押動するように第一押し構造232が駆動された(
図6B参照)後、第一作用部130が回転経路Rに設けられるため、第二作用部230の第二押し構造234が続いて第一作用部130を押動する(
図6C参照)。第一作用部130が錐状構造であり、且つ第一ラッチ本体100が解除方向D1にラッチ溝212に貫設されるため、第二押し構造234と第一作用部130との間の作動により第一ラッチ本体100が解除方向D1に沿って第二ラッチ本体200から脱離する。これにより、第一ラッチ本体100と第二ラッチ本体200との間の係合関係が解除され、第一部材1及び第二部材2の取り外しまたは分離が利便になる。
【0028】
当然ながら、第二作用部230の第二押し構造234が第一作用部130を有効的に押動し、第一ラッチ本体100が解除方向D1に沿って第二ラッチ本体200から脱離するようにするため、第二作用部230が回転経路Rに沿って回転し、且つ第二押し構造234と前記第一作用部130とが接触すると、第一押し構造232が第三押し構造224を持続的に押動させ、制限構造222が第一ラッチ部120と係合しないように維持される。このため、制限構造222が第一ラッチ部120と係合しない状況において、第二押し構造234が第一作用部130を有効的に押動し、第一ラッチ本体100が解除方向D1に沿って第二ラッチ本体200から脱離する。
【0029】
本発明の好ましい実施形態では、第二作用部230は第二弾性構造236を更に備える。第二弾性構造236は第二ベース部210と第二作用部230との間に設置される。よって、第二作用部230が回転経路Rに沿って回転すると、第二弾性構造236が解放状態(
図6A参照)から圧縮状態(
図6B参照)に変形する。換言すれば、第二ラッチ部220が第一ラッチ部120に係着される場合、第二弾性構造236が解放状態となる。また、第二ラッチ部220が前記第一ラッチ部120に係着されない場合、第二弾性構造236が圧縮状態となる。第二弾性構造236はねじりばねでもよい。
【0030】
第一ラッチ本体100と第二ラッチ本体200とが互いに脱離した後、第一ラッチ本体100が解除方向D1と反対の方向に沿ってラッチ溝212内に挿設される。ちなみに、第一ラッチ本体100と第二ラッチ本体200とが互いに脱離した後、第一弾性構造226の補助により、第二ラッチ本体200の制限構造222が上述のラッチ位置P1まで復位する。前記ラッチ位置P1がラッチ溝212内に位置されるかラッチ溝212の対応する投影位置に位置される。同様に、第二作用部230も第二弾性構造236の補助により作動前の初期位置まで復位する。よって、第一ラッチ本体100が解除方向D1と反対の方向に沿って回ラッチ溝212内に挿設されると、第一作用部130がまず制限構造222を押し開く。第一弾性構造226の弾力により制限構造222が第一ラッチ本体100の表面に持続的に当接される。第一ラッチ本体100がラッチ溝212に持続的に挿入されると、制限構造222が第一作用部130の表面に接触する状態から第一ラッチ部120の表面に接触する状態に変化する。第一ベース部110及び第一作用部130の外径が第一ラッチ部120の外径より大きいため、第二ラッチ部220の制限構造222が第一ラッチ部120に係合され、第一ラッチ本体100と第二ラッチ本体200とが互いに組み立てられるか連結される。
【0031】
以上を総合すると、本発明は第一部材及び第二部材に第一ラッチ本体及び第二ラッチ本体がそれぞれ設置され、且つ第一ラッチ本体の第一ラッチ部と第二ラッチ本体の第二ラッチ部との間の係合関係を利用して第一ラッチ本体が第二ラッチ本体中に係合され、第一部材及び第二部材の組み立てまたは連結効果が達成される。また、本発明は第二ラッチ本体の第二作用部の作動により順番に第一ラッチ部及び第二ラッチ部の係合関係が解除され、第一ラッチ本体が第二ラッチ本体から退出され、第一部材及び第二部材の便利な取り外しまたは分離効果が達成される。
【0032】
従って、本明細書に開示された実施例は、本発明を限定するものではなく、説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の思想と範囲が限定されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲により解釈すべきであり、それと同等の範囲内にある全ての技術は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈すべきである。
【符号の説明】
【0033】
1 第一部材
2 第二部材
10 ラッチ機構
100 第一ラッチ本体
110 第一ベース部
120 第一ラッチ部
130 第一作用部
200 第二ラッチ本体
210 第二ベース部
212 ラッチ溝
220 第二ラッチ部
222 制限構造
224 第三押し構造
226 第一弾性構造
230 第二作用部
232 第一押し構造
234 第二押し構造
236 第二弾性構造
A 回転軸
D1 解除方向
D2 制限経路に垂直する方向
L 制限経路
P1 ラッチ位置
P2 解除位置
R 回転経路