(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】バルブを備えるカテーテル装置及び関連方法
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20220928BHJP
A61M 39/06 20060101ALI20220928BHJP
A61M 39/26 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
A61M25/06 510
A61M25/06 512
A61M39/06
A61M39/26
(21)【出願番号】P 2019522566
(86)(22)【出願日】2017-10-20
(86)【国際出願番号】 EP2017076856
(87)【国際公開番号】W WO2018077748
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-09-29
(32)【優先日】2016-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591002131
【氏名又は名称】ベー・ブラウン・メルズンゲン・アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】B.BRAUN MELSUNGEN AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】ブン・ピン・ネオ
(72)【発明者】
【氏名】ジャリード・ケン・ジーン・ング
【審査官】田中 玲子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/082551(WO,A1)
【文献】特表2016-509916(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0108944(US,A1)
【文献】国際公開第2015/104336(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0039802(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/06
A61M 39/06
A61M 39/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニードルハブ(106)の遠位端から延在するニードル(108)を備えるニードルハブ(106)と、
内部キャビティ(130)を画定する内面を有するカテーテルハブ(102)と、
カテーテルチューブ(104)であって、前記カテーテルハブ(102)に取り付けられ、前記カテーテルチューブ(104)を通じて延在するニードル(108)を支持し、使用準備位置で前記カテーテルチューブ(104)の遠位開口部(112)の外側に延在するニードル先端(110)を有する、カテーテルチューブ(104)と、
前記カテーテルハブ(102)の前記内部キャビティ(130)に配置されるバルブ(136)であって、前記カテーテルハブ(102)の穴セクション(146)に配置される外側周囲部を有するバルブ本体(402)、近位端上の近位収容部(410)、遠位端上の遠位収容部(415)、及び前記近位収容部(410)と前記遠位収容部(415)との間に配置されるバルブディスク(50)を有する、バルブ(136)と、
前記カテーテルハブ(102)の内部キャビティ(130)に配置されるアクチュエータ(150)であって、前記アクチュエータ(150)は、前記バルブ(136)を開くように構成され、
・ノーズセクション(161)及び作動端部(315)を有する本体(151)であって、前記作動端部(315)は、前記近位収容部(410)内に配置され、前記バルブディスク(50)を押して前記バルブ(136)を開くように構成される、本体(151)と、
・前記アクチュエータ(150)の近位端上の延長脚(152)であって、支持表面を有する係合セクション(330)を有する延長脚(152)と、を含むアクチュエータ(150)と、
近位壁(280)、前記近位壁(280)上の近位開口部(284)、弾性アーム(290)、及び端部(333)を有する安全クリップ(132)であって、使用準備位置で前記安全クリップ(132)が前記カテーテルハブ(102)の前記内部キャビティ(130)内にあるときに前記弾性アーム(290)の前記端部(333)は、前記係合セクション(330)の表面によって支持される、安全クリップ(132)と、
を備える、ニードルアセンブリ。
【請求項2】
前記アクチュエータ(150)は更に、
前記カテーテルハブ(102)の内面上に形成されるアンダーカット(124)に配置される延長脚(152)上に形成される半径方向に延在するタブ(335)を備え、前記アンダーカット(124)で前記半径方向に延在するタブ(335)の配置は、前記カテーテルハブ(102)の前記内部キャビティ(130)内からの前記アクチュエータ(150)の脱落を防ぐ、請求項1に記載のニードルアセンブリ。
【請求項3】
前記アンダーカット(124)は、近位肩部(172)及び遠位肩部(174)を有し、使用準備位置で前記半径方向に延在するタブ(335)は、前記遠位肩部(174)よりも前記近位肩部(172)に近く配置される、請求項2に記載のニードルアセンブリ。
【請求項4】
前記アクチュエータ(150)は更に、
前記アクチュエータ(150)の本体(151)から半径方向に延在する1以上の案内アーム(155)を備え、前記1以上の案内アーム(155)は、前記カテーテルハブ(102)の内面上の1以上のスロット(510)と係合するように構成され、前記1以上の案内アーム(155)と前記1以上のスロット(510)との間の係合は、前記カテーテルハブ(102)内の前記アクチュエータ(150)の回転を防ぐように構成される、請求項1~3のいずれか1つに記載のニードルアセンブリ。
【請求項5】
前記アクチュエータ(150)は更に、
前記延長脚(152)から離間する前記アクチュエータ(150)の近位端上の第2の延長脚(152)を備え、前記安全クリップ(132)を支持するための第2の係合セクション(330)を有する第2の延長脚(152)を備える、請求項1~4のいずれか1つに記載のニードルアセンブリ。
【請求項6】
前記アクチュエータは更に、
前記係合セクション(330)の側で前記延長脚(152)上に形成される第3の係合セクション(330)及び前記第2の係合セクション(330)の側で前記第2の延長脚(152)上に形成される第4の係合セクション(330)を備える、請求項5に記載のニードルアセンブリ。
【請求項7】
前記係合セクション(330)は、前記第2の係合セクション(330)の反対側に形成され、前記第3の係合セクション(330)は、前記第4の係合セクション(330)の反対側に形成される、請求項6に記載のニードルアセンブリ。
【請求項8】
前記係合セクション(330)及び前記第4の係合セクション(330)は、前記安全クリップ(132)の第1のアーム(290)と係合するように構成され、前記第2の係合セクション(330)及び前記第3の係合セクション(330)は、前記安全クリップ(132)の第2のアーム(288)と係合するように構成され、前記安全クリップ(132)の前記第1のアーム(290)及び前記第2のアーム(288)は、異なる長さを有する、請求項7に記載のニードルアセンブリ。
【請求項9】
前記延長脚(152)は、第1の延長脚(152)であり、前記係合セクション(330)は、前記第1の延長脚(152)の内面上に形成され、第2の係合セクション(330)が、第2の延長脚(152)の内面上に前記係合セクション(330)に対して斜めに形成される、請求項1~8のいずれか1つに記載のニードルアセンブリ。
【請求項10】
開口部(284)を有する近位壁(280)及び端部(333)を有するアーム(288)を含むニードルクリップ(132)をさらに備え、使用準備位置で前記端部(333)は、前記係合セクション(330)によって支持され、前記ニードル(108)上に載置されない、請求項1~9のいずれか1つに記載のニードルアセンブリ。
【請求項11】
前記バルブ(136)は、遠位端上の前記遠位収容部(415)を画定する遠位バルブセクション(406)、及び近位端上の前記近位収容部(410)を画定する近位バルブセクション(404)を有し、
前記近位バルブセクション(404)には、円錐台状面を有する穴部が設けられる、請求項1に記載のニードルアセンブリ。
【請求項12】
前記円錐台状面は、使用準備位置で前記アクチュエータ(150)の前記作動端部(315)及び前記ノーズセクション(161)の一部と係合するように構成される、請求項11に記載のニードルアセンブリ。
【請求項13】
前記遠位バルブセクション(406)には、逆ドーム面を含む穴部が設けられる、請求項11に記載のニードルアセンブリ。
【請求項14】
前記近位収容部(410)は、前記アクチュエータ(150)の前記ノーズセクション(161)を収容でき、
前記遠位収容部(415)は、前記バルブディスク(50)が前記アクチュエータ(150)のノーズセクション(161)によって遠位方向に押された場合に前記バルブディスク(50)の2つ以上のフラップの伸張を収容できる、請求項1に記載のニードルアセンブリ。
【請求項15】
前記遠位バルブセクション(406)の穴部には、前記バルブディスク(50)が雄型医療器具又は雄ルアー先端によって遠位方向に押された場合に前記バルブディスクの伸張を収容するのに十分な空間が設けられる、請求項11に記載のニードルアセンブリ。
【請求項16】
少なくとも前記アクチュエータ(150)の遠位端でのノーズセクション(161)の外形及び前記近位バルブセクション(404)の穴部は、同一又は概ね同一であり、サイズオンサイズの嵌合を提供する、請求項11に記載のニードルアセンブリ。
【請求項17】
前記バルブ(136)の前記近位バルブセクション(404)と前記遠位バルブセクション(406)との間の交差部は、前記カテーテルハブ(102)の前記内部キャビティ(130)の中に形成された対応する肩部又は段付き表面(164)に対して収容でき、前記バルブ(136)を前記カテーテルハブ(102)内で軸方向に固定し、前記バルブ(136)が前記カテーテルハブ(102)内で軸方向に移動しないようにする、請求項11に記載のニードルアセンブリ。
【請求項18】
ニードルアセンブリの(100)の製造方法であって、
遠位開口部(112)を有するカテーテルチューブ(104)を備えるカテーテルハブ(102)を提供するステップであって、前記カテーテルハブ(102)は、内部キャビティ(130)を画定するハブ本体(102a)及び近位開口部を備える、ステップと、
前記カテーテルハブ(102)の内側で前記カテーテルチューブ(104)に対してブッシング(138)を位置決めし、前記ブッシング(138)の近位にバルブ(136)を位置決めするステップであって、前記バルブは、遠位端上の遠位収容部(415)を画定する遠位バルブセクション(406)、近位端上の近位収容部(410)を画定する近位バルブセクション(404)、及び前記近位収容部(410)と前記遠位収容部(415)との間に配置されるバルブディスク(50)を有するバルブ本体(402)を備え、前記遠位バルブセクション(406)は、前記内部キャビティ(130)の穴セクション(146)に配置され、前記穴セクション(146)は、前記遠位バルブセクション(406)に接触し、前記内部キャビティ(130)内に前記バルブ(136)を固定するようにした、ステップと、
バルブ開口器(150)を、前記バルブ(136)に隣接し、前記カテーテルハブ(102)の前記内部キャビティ(130)の中に位置決めするステップであって、前記バルブ開口器(150)は、前記バルブ開口器(150)の近位端上の延長脚(152)と、ノーズセクション(161)及び作動端部(315)を有する本体(151)とを備え、前記延長脚(152)は、係合セクション(330)を有し、前記バルブ開口器(150)のノーズセクション(161)は、前記近位収容部(410)の内側に配置され、前記作動端部(315)は、前記近位収容部(410)内に配置され、前記バルブディスク(50)を押して前記バルブ(136)を開くように構成される、ステップと、
前記カテーテルハブ(102)の前記内部キャビティ(130)に安全クリップ(132)を位置決めするステップであって、前記安全クリップ(132)の1つのアーム(290)の1つの端部(333)が、前記係合セクションを覆うように配置され、前記安全クリップ(132)が前記カテーテルハブ(102)の前記内部キャビティ(130)にあるときに前記係合セクション(330)は、前記安全クリップ(132)支持表面を有する、ステップと、
ニードルハブ(106)に取り付けられたニードル(108)を、前記カテーテルハブ(102)、前記バルブ(136)、前記バルブ開口器(150)、前記安全クリップ(132)、及びカテーテルチューブ(104)を通るように配置するステップであって、前記ニードル(108)の先端(110)は、前記カテーテルチューブ(104)の前記遠位開口部の外側に延出する、ステップと、を含む方法。
【請求項19】
更に前記バルブ開口器(150)から延在する案内アーム(155)は、前記カテーテルハブ(102)の前記内部キャビティ(130)に形成されるスロット(510)内に配置され、前記バルブ開口器(150)の回転を防ぐ、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
更に前記係合セクション(330)から離間して前記延長脚(152)上に半径方向に延在するタブ(335)が提供され、前記半径方向に延在するタブ(335)は平面を有する、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
更に第2の係合セクション(330)及び第2の半径方向に延在するタブ(335)を備える第2の延長脚(152)が提供され、前記延長脚(152)上の前記半径方向に延在するタブ(335)及び前記第2の延長脚(152)上の前記第2の半径方向に延在するタブ(335)は、雄ルアー先端を押し当て、前記バルブ(136)を開くための表面を提供する、請求項18~20のいずれか1つに記載の方法。
【請求項22】
前記半径方向に延在するタブ(335)及び第2の半径方向に延在するタブ(335)が雄ルアー先端によって押されるときに前記延長脚(152)及び前記第2の延長脚(152)は、半径方向に移動する、請求項
21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示する発明は、一般に、ニードル器具及び静脈内(IV)輸液用器具に関し、IVカテーテルを含む。特に、バルブ及びバルブを開くためのバルブアクチュエータを有するIVカテーテルアセンブリが開示される。
【背景技術】
【0002】
IVカテーテルは、様々な注入療法のために広く使用され、患者への液体注入、患者からの血液採取、又は患者の血管系の様々なパラメータのモニタリングを含む。カテーテルは概して、カテーテルアダプタと接続され、カテーテルへのIVチューブのアタッチメントを収容する。血液制御カテーテルは、内部血液制御バルブを備え、それは、雄ルアー又は他の物体をカテーテルアダプタの近位端に挿入することによって開かれる。血液制御バルブの非限定的な例は、2009年8月20に出願された「洗い流し可能なカテーテルアセンブリを提供するためのシステム及び方法」と題する米国特許出願公開第2011/046570号明細書に開示されている。カテーテルを患者の血管系に配置した後、IV流体源は、カテーテルアダプタ又はカテーテルハブに接続され、血液制御バルブを開く。このように接続されて、IV供給源からの流体は、カテーテルを通じて患者の中に流れ始められる。
【0003】
当該技術分野において周知であるように、典型的な血圧は、10センチメートルから20センチメートルの水である。輸液バッグは通常、患者の心臓の上方約100センチメートルに配置され、患者に直接流れ込む。おおよそその高さでは、輸液バッグからの流体による圧力は、患者の血圧よりもはるかに大きいため、患者に流れ込むことができる。
【0004】
いくつかのカテーテルアダプタは、カテーテルの適切な配置を検証すること、例えば、カテーテルアセンブリのフラッシュバックチャンバによって提供される血液の「フラッシュバック」が観察されることなどを可能にする。血液制御バルブを含まないカテーテルアセンブリでフラッシュバックを確認するのに、臨床医は望ましくない血液への暴露をふせぐため手動で静脈を閉塞しなければならない。対照的に、血液制御バルブは、そのような手動閉塞の必要性を除去することができると同時に、カテーテルの配置中の血液暴露の可能性も減少する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ニードルアセンブリが開示され、それは、オーバーニードルカテーテルアセンブリ(over-the-needle catheter assemblies)及び安全な静脈内カテーテル(IVC)アセンブリを含み得る。ニードルアセンブリ及びそれらの構成要素の使用方法及び製造方法は、本開示の一部を形成する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の態様は、ニードルアセンブリを含み、これは、ニードルハブの遠位端から延在するニードルを備えるニードルハブと、カテーテルハブと、カテーテルチューブであって、カテーテルハブに取り付けられ、使用準備位置でカテーテルチューブを通じて延在するニードルを有するカテーテルチューブと、カテーテルハブの内部キャビティに配置されるバルブであって、カテーテルハブの穴セクションに配置される外側周囲部を有するバルブ本体、近位端上の近位収容部、遠位端上の遠位収容部、及び前記近位収容部と前記遠位収容部との間に配置されるバルブディスクを有するバルブと、カテーテルハブの内部キャビティに配置されるアクチュエータであって、アクチュエータは、バルブを開くように構成され、当該アクチュエータは、アクチュエータの遠位端上に剛体部を備え、当該剛体部は、ノーズセクション及び近位収容部内に置かれる作動端部を有し、バルブディスクを押してバルブを開くように構成されるアクチュエータと、第1の延長脚は、安全クリップの第1のアームを保持するための第1の係合セクションを有し、使用準備位置にある間、第1の係合セクションは、カテーテルハブの内部キャビティからの安全クリップの脱落を防ぐように構成されるアクチュエータの近位端上の第1の延長脚と、を備える。
【0007】
安全クリップは、ニードルガードを具現化できる。ニードルガードは、不注意なニードル刺しからニードル先端を覆う又はブロックするために多くの代替的な特徴を有することができる。一例では、ニードルガードは、カテーテルハブの内部に嵌合するのに適したサイズ及び形状になり得る。例えば、ニードルガードは、バルブ及びバルブ開口器を備えるカテーテルハブの内側に配置できる。他の例では、ニードルガードは、ばねで付勢される装置であってもよく、それは、ばね仕掛けによってニードルを保護バレル(barrel)の中に進ませるため、ニードル先端が保護バレル内に置かれ、不注意なニードル刺しから覆われる。
【0008】
使用可能なニードルガードは、一体的に形成、例えば、射出成形又は打ち抜かれた金属シートの冷間加工などによってされ、又は2以上の別個に形成された副構成要素を使用して一緒に組み立てられる。
【0009】
更にアクチュエータは、カテーテルハブの内面上に形成されるアンダーカットに配置される延長脚上に形成される半径方向に延在するタブを備えられ、アンダーカット内の半径方向に延在するタブの位置は、カテーテルハブの内部キャビティ内からのアクチュエータの脱落を防ぐことができる。
【0010】
アンダーカットは、近位肩部及び遠位肩部を含むことができ、アクチュエータの半径方向に延在するタブは、使用準備位置で近位肩部と接触できる。
【0011】
更にアクチュエータは、アクチュエータから半径方向に延在する1以上の案内アームを備えられ、1以上の案内アームは、カテーテルハブの内面上に軸方向に形成される1以上のスロットと係合できる。その係合は、カテーテルハブ内のアクチュエータの回転を防ぐことができる。
【0012】
更にアクチュエータは、第1の延長脚から離間するアクチュエータの近位端上に第2の延長脚を備えてもよく、第2の延長脚は、安全クリップの第1のアームを保持するための第2の係合セクションを備えてもよい。
【0013】
更にアクチュエータは、第1の係合セクションの近くで第1の延長脚上に形成される第3の係合セクションと、第3の係合セクションの近くで第2の延長脚上に形成される第4の係合セクションと、を備えてもよい。
【0014】
延長脚は、直線状の又は真っ直ぐな脚部分を有することができ、又は本体から延在する湾曲部と軸方向に沿って直線状部分又は真っ直ぐな部分とを有することができる。2つの直線部分は、それらの間に間隙を有することができる。
【0015】
各プランジャエレメント又は脚延長部は、円形断面又は多面断面、例えば、多角形断面などを有することができる。断面は、任意に不規則な形状を有することができる。
【0016】
第1の係合セクションは、第2の係合セクションの反対側に形成され、第3の係合セクションは、第4の係合セクションの反対側に形成される。
【0017】
第1の係合セクション及び第4の係合セクションは、安全クリップの第1のアームと係合するように構成され、第3の係合セクションは、安全クリップの第2のアームと係合するように構成され、第1のアーム及び第2のアームは異なる長さを有することができる。
【0018】
第1の係合セクションは、延長脚の内面上に形成され、第2の係合セクションは、延長脚の内面に、第1の係合セクションに対して斜めに形成される。
【0019】
第1の係合セクションは、概ね延長脚を横切って延在できる。
【0020】
第1の延長脚及び第2の延長脚は、雄型医療器具によって作動されるときに互いに向かって半径方向内側に撓むことができる。
【0021】
2つのプランジャエレメントの撓みは、カテーテルハブの内面から2つの半径方向タブを離間させ、雄ルアー先端によってアクチュエータが遠位方向に前進させられるときの抗力又は摩擦を減少する。
【0022】
プランジャエレメントの曲げは、外側突出部を溝部の表面から離れるように移動させられ、アクチュエータが遠位方向に前進させられるときの抗力又は摩擦を最小限にする。
【0023】
アクチュエータのノーズセクションは、円錐台形状を有することができ、バルブの近位収容部は、逆円錐台形状を有することができる。ノーズセクションの円錐台形状及びバルブの逆円錐台形状は、サイズオンサイズ(size-on-size)の嵌合を形成できる。
【0024】
バルブの遠位収容部は、ドーム面を有することができる。ドーム形状収容部は、バルブディスクの2以上のフラップの伸張を収容するのに適したサイズ及び形状である。
【0025】
更なる本開示の態様は、カテーテルハブの内部キャビティ内にバルブに隣接して配置されるように構成されるアクチュエータであって、アクチュエータは、バルブを軸方向に移動しバルブを開くのに適したサイズ及び形状であって、アクチュエータは、当該アクチュエータの遠位端上の剛体部であって、当該剛体部は、ノーズセクション及び作動端部を有し、当該ノーズセクションは、バルブ上に形成される収容部に嵌合するのに適したサイズ及び形状であって、移動するときにバルブ上の1以上のスリットを開く剛体部と、アクチュエータから半径方向に延在する案内アームであって、当該案内アームは、カテーテルハブの内面上に軸方向に形成されるスロットと係合するように構成され、その係合は、カテーテルハブ内でのアクチュエータの回転を防ぐように構成される案内アームと、アクチュエータの近位端上の第1の延長脚であって、第1の延長脚は、安全クリップのアームを保持するために第1の係合セクションを有し、使用準備位置にある間、第1の係合セクションは、カテーテルハブの内部キャビティからの安全クリップの脱落を防ぐように構成される第1の延長脚と、を備える。
【0026】
更に、アクチュエータは、延長脚上に形成される半径方向に延在するタブを備え、当該タブは、カテーテルハブの内面上に形成されるアンダーカットと係合するように構成され、その係合は、カテーテルハブの内部キャビティ内からのアクチュエータの脱落を防ぐことができる。
【0027】
更に、アクチュエータは、アクチュエータの近位端上に第2の延長脚を備え第2の延長脚は、安全クリップの第1のアームを保持するための第2の係合セクションを有することができる。
【0028】
更に、アクチュエータは、第1の係合セクションに近い第1の延長脚上に第3の係合セクションと、第3の係合セクションに近い第2の延長脚上に第4の係合セクションとを備えてもよい。
【0029】
第1の係合セクションは、第2の係合セクションの反対側に形成することができ、第3の係合セクションは、第4の係合セクションの反対側に形成することができる。
【0030】
第1の係合セクション及び第4の係合セクションは、安全クリップの第1のアームと係合するように構成され、第2の係合セクション及び第3の係合セクションは、安全クリップの第2のアームと係合するように構成され、第1のアーム及び第2のアームは、異なる長さを有することができる。
【0031】
第1の延長脚及び第2の延長脚は、それぞれ自由端を備えられ、雄型医療器具によって押されるときに2つの自由端は、互いに向かって半径方向に撓むことができる。
【0032】
2つの自由端は、雄型医療器具がもはやアクチュエータに当接又は接触していないときに互いに離れるように移動できる。
【0033】
アクチュエータは、雄型医療器具がもはやアクチュエータに当接又は接触してしないときにバルブと係合したままにでき、バルブの1以上のスリットを開いたままにできる。
【0034】
第1の延長脚及び第2の延長脚はそれぞれ、撓むように構成される弱いセクションを備えてもよい。
【0035】
第1の係合セクションは、バンプを備えてもよい。
【0036】
なお更なる本開示の態様は、ニードルアセンブリの製造方法であって、遠位開口部を有してカテーテルチューブを備えるカテーテルハブを提供するステップであって、前記カテーテルハブは、内部キャビティを画定するハブ本体及び近位開口部を備える、ステップと、カテーテルハブの内側でカテーテルチューブに対してブッシングを位置決めし、ブッシングの近位にバルブを位置決めする、ステップと、当該バルブは、遠位バルブセクション及び近位収容部を画定する近位バルブセクションを有するバルブ本体を備え、当該遠位バルブセクションは内部キャビティの穴セクションに配置され、当該穴セクションは、遠位バルブセクションと近位バルブセクションとの両方に接触し、バルブを遠位方向に固定するようにしたステップと、バルブ開口器を、バルブに隣接し、カテーテルハブの内部キャビティの中に位置決めするステップであって、バルブ開口器のノーズセクションは、近位収容部の内側に配置され、バルブ開口器は、バルブ開口器の近位端上に第1の延長脚を備え、第1の延長脚は、第1の係合セクションを有する、ステップと、安全クリップのアームを、第1の係合セクションの上に位置決めするステップであって、第1の係合セクションは、カテーテルハブの内部キャビティからの安全クリップの脱落を防ぐように構成する、ステップと、ニードルハブに取り付けられたニードルを、カテーテルハブ、バルブ、バルブ開口器、安全クリップ、及びカテーテルチューブを通るように配置するステップであって、ニードルの先端は、カテーテルチューブの遠位開口部の外側に延出する、ステップと、を含む。
【0037】
本明細書に記載のカテーテルアセンブリは、より広くニードルアセンブリ又はニードル装置と呼ばれることがある。当該アセンブリは、カテーテルハブに取り付けられたカテーテルチューブを有するカテーテルハブを備えてもよい。カテーテルハブの内部には、隔壁又はバルブとアクチュエータ又は安全クリップ、例えば、ニードルガードまたは先端プロテクタなどとを設けてもよい。
【0038】
ニードル及びニードルハブは、カテーテルハブの近位開口部を通じて挿入され、ニードル先端は、カテーテルチューブの遠位開口部から突出する。
【0039】
バルブ及びバルブアクチュエータは、それらを通る流体流動を制御するためにカテーテルハブからニードルを除去した後にカテーテルハブに留まることができる。アクチュエータは、バルブに押し込まれるように構成され、流体流動のためにバルブを開く。
【0040】
アクチュエータは本体と、1以上の延長脚又は細長い延長部材と、1以上の誘導アームと、を備えてもよい。誘導アームは、案内アームと呼ぶことができる。
【0041】
アクチュエータの本体は、硬質又は半硬質である。当該本体は、例えば、雄ルアーの挿入中などに、バルブと係合するように構成され、軸力がカテーテルアセンブリの遠位端に向かってアクチュエータに加えられるとバルブを開く。
【0042】
一般的に、アクチュエータの本体は、より柔軟なバルブと比較して硬質であり、それは本体、例えば、作動端部を備えるアクチュエータのノーズセクションなどがバルブを作動させ、例えば、バルブの少なくとも一部を撓ませ、バルブの遠位領域とバルブの近位領域との間の流体連通のためにバルブを開く。例えば、アクチュエータの本体は、非圧縮性材料、例えば、金属などで、又は幾分の圧縮性材料、例えば、硬質エラストマなどで作られる。また、硬質プラスチック材料、例えば、ポリカーボネート材料などは、アクチュエータの形成に使用されてもよい。
【0043】
いくつかの例では、アクチュエータの作動端部は、溝部又はキャッチセクション(catch section)を有することができ、再使用することなく1度限りのバルブの開口部として使用するためにバルブと係合する。溝部又はキャッチセクションを用いて、アクチュエータは、雄ルアー先端の除去後にバルブに係合したままでもよい。
【0044】
一例では、雄ルアー先端は、ニードルを除去した後にカテーテルハブの近位開口部に挿入することができ、アクチュエータを遠位方向にバルブ内に押し込み、バルブを開く。カテーテルハブの近位開口部は、ニードル及びニードルハブの除去後に露出させ、雄ルアー先端を受け入れる。
【0045】
更に他の例では、バルブは、十分な弾性を有することができ、バルブ開口器、例えば、バルブ開口器の作動端部などは、フラップが伸びるのを可能にし、流体流動からフラップを閉じるバルブによってバルブ開口器を近位方向に押すのに適したサイズ及び形状であってもよい。再度バルブを開くため、雄ルアー先端は、カテーテルハブに再度挿入することができ、バルブ開口器をバルブの中に前進させ、フラップを開く。
【0046】
アクチュエータは、コモールド成形又はインサート成形することができ、2以上の異なる材料から作られる一体構造を有することができる。
【0047】
延長脚は、雄ルアー先端が押し当てる構造を示す。延長脚は、安全クリップの1以上のアームと係合するために1以上のバンプ又は係合セクション又はセグメントを各脚上の有してもよく、それは、使用準備位置にある間にカテーテルハブの内部キャビティからの安全クリップの脱落を防ぐことができる。任意に、ニードルアセンブリは、安全クリップなしで実施してもよい。
【0048】
安全クリップの2つの端面、例えば、2つの遠位壁の端部などは、ニードルの側面に対して及びカテーテルハブの内部に対して押す代わりに使用準備位置で延長脚上の1以上のバンプと係合できる。延長脚上の係合セクション又はセグメントの実施形態は、バンプを備えるが、他の実施形態は、アンダーカット、ノッチ、突起、リッジ(ridge)、又は他の特徴を備えてもよく、それは、安全クリップの1以上のアームと係合することができる。
【0049】
アクチュエータの半径方向に延在する1以上の誘導アームは、カテーテルハブの内面上に軸方向に形成される1以上の対応する数のスロットと係合でき、作動中にアクチュエータを遠位方向に前進させるときにアクチュエータの回転を防ぐ。スロットの長さは、1以上の誘導アームの遠位移動量よりも大きくてもよい。
【0050】
準備位置では、ニードルハブがカテーテルハブと接触し、ニードル先端がカテーテルチューブの遠位端又は遠位開口部の外側に延在し、カテーテルアセンブリは、使用、例えば、静脈穿刺又は静脈内アクセスなどの実行が可能な状態である。時には、当該準備位置では、最初にカテーテルアセンブリ又はニードルアセンブリ100から保護キャップを除去して、ニードル先端を露出する必要がある。
【0051】
フラッシュバックプラグは、ニードルハブの近位端に設置でき、それは、ニードルハブから除去可能で、空気がフラッシュバックチャンバ内に通気することを可能にする他に、1次フラッシュバック中にフラッシュバックチャンバに入るときにニードルハブの近位端から血液が漏れるのを防ぐ。ニードルハブは更に、肩部、タブ、又は他の表面を備え、カテーテルハブ、例えば、カテーテルハブの近位端面などと物理的に接触し、2つのハブを軸方向に位置合わせして、カテーテルチューブの遠位開口部の外側に突出するニードル先端の長さを設定する。
【0052】
カテーテルハブの内部、内部キャビティには、安全クリップ又は先端プロテクタと、バルブ開口器又はアクチュエータと、隔壁又はバルブと、ブッシングと、が備えられている。任意に、安全クリップ又は先端プロテクタは省略でき、又はカテーテルハブの場合、外側に別個のガードハウジングに配置できる。ブッシングは、カテーテルハブの内壁面に対してカテーテルチューブの近位端を押し込み、カテーテルチューブをカテーテルハブに保持するように構成される。
【0053】
安全クリップ、又は先端プロテクタは、ニードルのニードル先端をブロックするように構成される任意の数の従来技術のガードを具現化できる。例示的な実施形態では、先端プロテクタは、米国特許第6616630号明細書に示されるガードの1つを具体化することが可能であって、その内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。先端プロテクタは、1つの近位壁及びそれぞれ遠位壁を備える2つの弾性アームを有することができる。襞(crimp)や膨張などのニードル上の外形変化部は、先端プロテクタの近位壁上の開口部を画定する周囲と係合して、静脈穿刺に成功した後でカテーテルハブの中から近位方向に先端プロテクタを後退させる。
【0054】
側面から見るときに2つのアームは交差することができ、又はこれらは、ニードルの異なる側面に沿って延在することができ、1つの側面内で交差することはない。一実施形態では、ニードルガードアームは、準備位置のアクチュエータによって広げられ、ニードルシャフトによってではない。アームの広がりは、ニードルガードのアームがカテーテルハブの内側、例えば、カテーテルハブのガード係合部(例えば、アンダーカット部又は溝部)などと係合するように付勢する。いくつかの例では、ニードルガードのアームは、アクチュエータによって広げられるが、当該アームは、使用準備位置でカテーテルハブの内部と係合しない。
【0055】
他の例では、アームがアクチュエータによって広げられるときにアームの半径方向の最外面、例えば、アームと遠位壁との間の肘部などは、カテーテルハブの内部と係合又は接触しない。なぜなら、本実施形態においてアームは、ニードル上に載置するのではなくむしろアクチュエータのバンプに載置するためであり、従ってニードルガードは、バンプとの係合によってカテーテルハブの内部に保持され、カテーテルハブによってではない。例えば、アームがアクチュエータのバンプと係合するときに、間隙部がニードルガードの各最外面とカテーテルハブの内部との間に設けられてもよい。
【0056】
従って、使用後のニードルの後退中に、ニードルガードは、アームとアクチュエータのバンプとの間の係合によってカテーテルハブの内部に保持できる。使用後にニードルが引き抜かれ、ニードルの襞が先端プロテクタの近位壁に係合し、先端プロテクタの1つのアームの場合の肘部、又は2つのアーム上の2つの肘部は、間隙によって提供される空間内に外向きに撓むか又はカテーテルハブ、例えば、カテーテルハブのガード係合セクションの端部に対してなどと及びバルブアクチュエータに対して接触する場合に平坦になることができ、アームがアクチュエータの1以上の延長脚上の1以上のバンプから移動し解放されることを引き起こす。
【0057】
本開示の態様に従うバルブ開口器は、ノーズセクションを備える本体と、1以上の延長脚又はプランジャエレメント(例えば、脚エレメント又は細長い延長部など)と、及び1以上の誘導アームと、を備えてもよい。
【0058】
本体のノーズセクションは、細長くてもよく、ノーズセクションを通過する通路又は穴を有することができる。ノーズセクションの穴は、流体流動のための通路を備えてもよく、カテーテルアセンブリの使用準備位置にニードルを収容してもよい。
【0059】
アクチュエータ又は開口器は、長手方向軸を有し、1以上の誘導アームは、長手方向軸に対して半径方向に延在し、1以上の延長脚は、長手方向軸に沿って軸方向に延在する。
【0060】
延長脚は、本体から軸方向に延在できる。延長脚は、近位方向に延在できる。間隙部は、2つの延長脚の間に設けられてもよい。更に後述するように、フランジは、各延長脚の端部に配置することができ、雄ルアー先端のための当接面を提供できる。
【0061】
特定の例では、2つの誘導アームが設けられ、直径方向に対向し、互いにアクチュエータの長手方向軸に沿っている。誘導アームは、本体から延在し、それぞれ、概して真っ直ぐな又は平坦な最外端部を有する長方形又は正方形の構造を具現化することができ、任意に湾曲形状、波形状、鋸歯形状、又は弧形状であってもよい。
【0062】
剛体部は、細長い形状を有し、例えば、作動端部を形成する円筒形状などが遠位端でリング形状の構造を具現化できる。細長い本体は、任意にドラフト角又は内向きのテーパーを遠位方向に有することができる。使用中、作動端部は、バルブの中に押し込むことができ、雄型医療器具、例えば、シリンジ先端、ルアーアダプタ、又はIVラインなどによって遠位方向に押されるときにバルブを作動させる。
【0063】
準備位置では、作動端部は、バルブと接触してもよいが、バルブディスクの近位面から離間してもよい。任意に、作動端部は、作動前に雄ルアー先端によってバルブディスクの近位面と接触してもよい。
【0064】
更に後述するように、作動端部は、バルブの収容空間、例えば、バルブの近位収容部などに嵌合され、バルブ、例えば、収容空間の穴及び/又はバルブディスクなどと接触できる。
【0065】
2つのプランジャエレメントは、剛体部から近位方向に延在することができ、それぞれカテーテルアセンブリの長手方向に測定される長さ及びその長さに対して直角に測定される幅を有する。他の実施形態は、剛体部から延在する1つ又は3以上の脚延長部又はプランジャエレメントを使用してもよい。
【0066】
一実施形態では、各プランジャエレメントは、雄ルアーによって接触するために適したサイズ及び形状であり、雄ルアーから遠位方向に向かう力を、ノーズセクションを通じて、作動端部に伝達し、バルブを開く。バルブ開口器、従って1以上のプランジャエレメントの全長は選択され得るため、カテーテルハブの雌ルアーへの雄ルアー先端の挿入は、バルブ開口器の近位端に対して押し当てるのに十分であり、バルブ開口器をバルブの中に近位方向に移動させ、流体流動のためにバルブの1以上のフラップを開く。
【0067】
一例では、脚延長部又はプランジャエレメントは、可撓性且つ撓み可能であるため、雄ルアー先端によって押されるときに、プランジャエレメントは、撓む又は曲がる。プランジャエレメントは、材料選択によって撓み可能であり、必要な弾性特性を有する。他の例では、プランジャエレメントは、1以上の弱いセクション、例えば、構造的に薄い部分、切り欠き、キンク(kink)、同じ細長いプランジャエレメントの他の部分と比較して小さな断面の採用、又はそれらの組み合わせなどを組み込むことによって撓むことができる。代替的に、プランジャエレメントは、必要な弾性特性を有する材料選択によって且つ1以上の弱い部分の組み込みによって可撓性且つ撓み可能である。
【0068】
複数のプランジャエレメントは、それぞれアクチュエータの幅に沿って三日月と同様の弧形状又は弧状断面を有することができる。別の例では、各プランジャエレメントは、断面に沿って概して平坦又は平面であってもよい。更に他の例では、各プランジャエレメントは、長さ部分に沿って複数の異なる断面の外形又は輪郭を有する。
【0069】
細長いプランジャエレメントは、正方形の外形を有することができ、三日月形状の外形に隣接して配置される。一実施形態では、2つのプランジャエレメントのそれぞれの厚さは、十分に小さい又は薄いため、ニードルガード及び2つのプランジャエレメントは、十分な隙間を有し、カテーテルハブに対して物理的に拘束されることなくカテーテルハブの内部断面空間内に嵌合し、移動不能に又は固定される。
【0070】
一例では、2つのプランジャエレメントのそれぞれの厚さ及びニードルガードの幅は、カテーテルハブの内壁面に形成されるアンダーカット又はチャンネルを要求されないように、それらを収容する。プランジャエレメントは弧状断面を有するときに、雄型先端部が作動端部をバルブに押し当てることによって押されるときの大きな負荷に対して機械的に強くなることができる。これは、点滴装置のための薄くてコンパクトな設計を可能にすることができ、雌ルアーテーパーの標準化された空間により多くの場所を与えるために使用される。
【0071】
バルブ開口器は、金属材料から又はプラスチック材料から又はその両方から作られる。金属材料から作られるとき、バルブ開口器は、深絞り方法によって形成され、プランジャエレメントの弧状断面は、雄ルアーによって押されるときに付加的に剛性を提供することができる。各プランジャエレメントは、少なくとも2つの長手方向端部を備えることができ、リブは、1つ又は両方の長手方向端部に沿って設けられ、構造的剛性を更に付加する。
【0072】
1以上の間隙は、任意の2つのプランジャエレメントの間に設けられる。間隙は、それらを横切って流れる流体流動、例えば静脈点滴中などのための隙間又は空間を設けられる。また、間隙は、ニードルガードを収容するのにも利用される。
【0073】
バルブ開口器の剛体部は、外周部を画定する外面と、キャビティを画定する内面とを備えられる。一例では、外周部は概して円筒形であってもよい。他の例では、外周部は、テーパーを有することができ、任意に表面特徴、例えば、バンプ又は溝部などを備えられる。内部に、本体部は、穴部及び穴部の各端部に開口部を備える。
【0074】
アクチュエータ又はバルブ開口器の本体部は、間隙又はスロットがない、又は間隙/スロットを備える連続表面を有することができ、流体流動を容易にする。遠位端又は作動端部と外周部との交差部は、鋭い端部又は鈍い端部を有することができる。一例では、作動端部は鈍い端部であり、バルブに対して押し当てるための平面を有する。
【0075】
アクチュエータの剛体部の近位面上で、2つのプランジャエレメントは、軸方向に近位方向の外側に及び半径方向に外周部から延在することができ、肩部を形成する。言い換えれば、脚延長部はそれぞれ、曲線部又は曲げ部を有することができる。言い換えれば、外周部は、第1の寸法の外径を有することができ、2つのプランジャエレメントは、第2の寸法の外径を画定することができ、第2の寸法は第1の寸法よりも大きい。肩部は、2つの異なる寸法の間に設けられる。
【0076】
1以上のバンプは、脚延長部又はプランジャエレメントの内面上に形成されてもよい。いくつかの例では、1以上のバンプ又は係合セクションは、2つの脚延長部の間の間隙で各脚延長部、例えば、各脚の内面上などに形成される。言い換えれば、アクチュエータの長手方向軸に関連して、プランジャエレメントは、長手方向軸に近い内面及び長手方向軸から更に離れる外面を有することができる。バンプは、安全クリップまたは先端プロテクタの1以上のアームと係合するように構成され、それは、使用準備位置にある間、カテーテルハブの内部キャビティからの先端プロテクタの脱落を防ぐことができる。
【0077】
1以上のバンプは、先端プロテクタの2つのアームの端部、例えば、アームの遠位壁の端部などのための取り付け面として務めることができ、ニードルシャフトに対する代わりにそれらを載置する。これは、静脈穿刺に成功した後のニードルの後退中に、端部がバンプに載置されるときにニードルシャフトと2つのアームの端部との間に接触がないため、抗力を減少する補助ができる。また、バンプ又は係合セクション又はセグメントに載置されるとき、ニードルガードは、カテーテルハブの内部と接触することもでき、又はカテーテルハブの内部から離間することもできる。
【0078】
図示の実施形態では、対向する2つのプランジャエレメント上に互いに対向する2対のバンプがあってもよい。各対のバンプは、プランジャエレメントの近位端から異なる距離にあってもよく、一方の対は近位端に近く、一方の対は近位端からさらに遠い。異なる距離は、バンプの各対と先端プロテクタの異なる長さのアームとの係合を可能にすることができ、それは、軸方向に互い違いにできる。
【0079】
各プランジャエレメント上の2つのバンプは、プランジャエレメントの内面上に対角に形成され、先端プロテクタの上部アームと上部バンプとの係合及び先端プロテクタの下部アームと下部バンプとの係合を可能にする。
【0080】
一方の対のバンプは、ニードルガードの一方の遠位壁の端部を支持でき、他方の対のバンプは、他方の遠位壁の端部を支持できる。
【0081】
各対のバンプは、第1のバンプ及び第2のバンプを備えられる。2つのバンプは、異なる平面又は高さに沿って配置され、ニードルガードの2つの異なるアーム上の2つの異なる端部を支持するための2つの異なる表面を画定する。
【0082】
1つのバンプは、遠位壁の一方の端部を支持できるため、2つのバンプは、2つの遠位壁の2つの端部(各遠位壁上の1つの端部)を支持するように構成される。
【0083】
1つのバンプは、遠位壁の一方の端部を支持できるため、一方のプランジャエレメント上の2つのバンプは、2つの遠位壁の2つの端部(各遠位壁上の1つの端部)を支持するように構成される。
【0084】
バンプの第1セット及びバンプの第2セットは、プランジャエレメントに沿って軸方向に異なる距離にある。先端プロテクタの長いアームは、バンプの第1セットと係合でき、先端プロテクタの短いアームは、バンプの第2セットと係合できる。いくつかの例では、1つのみの第1バンプ及び1つの第2バンプが使用され、先端プロテクタの端部を支持する。2つの単一の第1バンプ及び第2バンプは、2つの脚延長部上に別個に配置されるため、一方のバンプは、一方の脚延長部上にあり、他方のバンプは、他方の脚延長部上にある。
【0085】
いくつかの例では、バンプは、傾斜面又はランプ(ramps)部に備えられ、ニードル上の襞がニードルガードの近位壁を近位方向に引くような2つのアームの半径方向外側の移動を容易にする。
【0086】
プランジャエレメントの近位端は、外側突出部を形成でき、又は外側突出部は、プランジャエレメントの近位端に組み込まれる。外側突出部は、ハブキャビティ内のアクチュエータの位置を維持する補助をするためにカテーテルハブの内面上に形成されるアンダーカット又は溝部と係合できる。
【0087】
2つのプランジャエレメント上の2つの外側突出部は、平面を有することができ、それは、概してアクチュエータの長手方向軸と直交する。2つの外側突出部のそれぞれは、雄型医療器具のための物理的な障壁を提供でき、押し当ててアクチュエータをバルブに対して前進させてバルブを開く。他の例では、外側突出部は省略され、プランジャエレメントの断面は十分に大きく、雄型医療器具によって接触させられる。
【0088】
組み込まれたとき、各外側突出部は断面を有し、それは、対応するプランジャエレメントの断面よりも大きい。他の例では、各外側突出部は、プランジャエレメントの断面よりも小さい断面を有することができるが、プランジャエレメントの近位端に戦略的に配置され、作動中に雄型医療器具と接触させられる。任意に、1つのみの外側突出部は、2つのプランジャエレメントの一方に組み込まれ、アクチュエータをカテーテルハブの内面に角度を合わせて整列させるように働き、雄型医療器具の負荷を受ける。
【0089】
2つのプランジャエレメント上の外側突出部は、カテーテルハブの内側の溝部の中を溝部の近位肩部と遠位肩部との間を移動するように構成される。溝部は、カテーテルハブの内面内又は内面上に形成され、近位肩部及び遠位肩部を形成するアンダーカットとして見られてもよい。
【0090】
カテーテルアセンブリの使用準備位置では、外側突出部は、溝部の近位肩部に当接することができるとともに、アクチュエータのノーズセクションは、バルブと接触でき、バルブ上の1以上のスリットが開くことなくアクチュエータとバルブとの積極的な係合を維持する。一例では、アクチュエータのノーズセクションは、バルブの近位穴部に配置され、カテーテルハブの内側の近位肩部に接触する。
【0091】
作動位置では、アクチュエータは、カテーテルハブの穴部内に遠位方向に前進させられ、外側突出部は、カテーテルハブの内側の溝の遠位肩部と接触できる。溝部の遠位肩部と接触するときに、2つのプランジャエレメントは、当接又は接触のために内側に撓むことができ、2つのプランジャエレメントの曲げを援助する。一例では、2つのプランジャエレメントが作動中に撓むときに、それらは、ともに近づくように移動する。雄ルアー先端がプランジャエレメントから離れて後退させられるときに、2つのプランジャエレメントは、半径方向に更に互いから離れるように移動できる。
【0092】
本発明のバルブ開口器又はアクチュエータは、2つのプランジャエレメントの外側突出部又は表面を有すると理解され、それらは、雄ルアー先端又はシリンジ先端によって押し当てられるのに適したサイズ及び形状であり、静脈穿刺が成功した後で前記先端がカテーテルハブの近位開口部に挿入されるときにバルブ開口器を遠位方向に押し、バルブを開く。
【0093】
当接面を有する外側突出部は、半径方向に延在するタブと呼ばれてもよい。半径方向に延在するタブは、プランジャエレメントから延びることができる。1以上の半径方向に延在するタブは、各プランジャエレメントから延びることができる。半径方向に延在する1以上のタブは、各プランジャエレメント上の最も近位の端部又は先端に配置できる。
【0094】
2つの外側突出部又は半径方向に延在するタブのそれぞれは、雄型医療器具のための物理的な障壁を提供することができ、押し当ててアクチュエータをバルブに対して前進させ、バルブを開く。
【0095】
半径方向に延在するタブは壁を提供でき、使用準備位置でニードルガード又は安全クリップのカテーテルハブからの脱落を防ぐ。一例では、ニードルガードは、外形変化又はニードルの襞の配置によって近位壁の近位への移動する前に、ニードルの後退中に半径方向に延在するタブによって保持される。
【0096】
遠位方向に押されるときに2つのプランジャエレメントは、遠位方向に押され且つ互いに向かって撓み又は曲がることができる。2つのプランジャエレメントは、ルアー先端によって遠位方向に押されるときに撓むことができ、雄ルアー先端によってもはや当接しないときに互いに近づくように移動できる。
【0097】
バルブは、カテーテルハブの内側に配置され、近位肩部及び遠位肩部を有する溝部のすぐ遠位且つブッシングのすぐ近位に配置される。いくつかの例では、バルブは、ブッシングに接触できる。他の例では、バルブは、ブッシングから離間できる。
【0098】
一例では、バルブは、カテーテルハブ内に収容するのに適したサイズの本体直径を有するバルブ本体と、本体直径に対して直角に測定される厚さを有するバルブディスクと、バルブディスクの厚さを通じて形成される2以上のフラップを画定する1以上のスリットと、を備える。例えば、1つ又は2つ又は3つのスリットは、バルブの厚さを通じて備えられてもよく、2つから3つのフラップを画定する。図示の実施形態では、1つのスリットは、バルブディスクの中心を通じて延在する。
【0099】
バルブは、近位バルブセクション及び遠位バルブセクションを備える。近位バルブセクションは、円錐台状面を有する穴部を備えられる。円錐台状面は、使用準備位置でアクチュエータの作動端部及び剛体部のノーズセクションの一部と係合するように構成される。いくつかの実施形態では、穴部の表面は、他の形状に形成されてもよく、作動体用の収容部、例えば、逆円筒形又は逆長方形又は立方体の箱などとして機能してもよい。穴部の遠位端は、バルブディスクによってブロックされ、それは、考えられる2以上のフラップを画定する2以上のスリットを備える1つのスリットを有する。
【0100】
本明細書で開示されるバルブ又は隔壁は、外面を有する遠位バルブセクション及び穴部を画定する内面を備えられる。遠位端縁部は、内面と外面との間に備えられる。遠位バルブセクションの穴部は、逆ドーム面、例えば、凹曲面などを備え、バルブの遠位面上に形成される。
【0101】
ドーム面は、ルアー先端がカテーテルハブの中に挿入されるときにバルブを折り畳むための空間を提供できる。言い換えれば、遠位バルブセクションの穴部は、十分な空間を備え、バルブディスクが雄型医療器具又は雄ルアー先端によって遠位方向に押されるときにバルブディスクの伸張を収容する。これは、バルブの中にアクチュエータを前進させるのに使用した雄型医療器具の除去後でもバルブとアクチュエータとの係合を維持させる。
【0102】
本明細書で開示されるバルブ及び隔壁は、遠位キャビティ及び近位キャビティを備えられる。遠位キャビティは、ドーム形状又はドーム状面を有することができる。近位キャビティは、逆円錐台状面を有することができる。
【0103】
2以上のフラップを画定する1以上のスリットを備えるバルブディスクは、バルブの近位と遠位キャビティとの間に配置される。近位キャビティは、アクチュエータのノーズセクションを収容でき、遠位キャビティは、バルブディスクがアクチュエータのノーズセクションによって遠位方向に押されるときにバルブディスクの2以上のフラップの伸張を収容できる。
【0104】
3つのスリットは、1つの点から始まり、バルブディスクの略中心点又は中央部から半径方向に延びることができ、三芒星と同様に、スリットに沿って撓むことができる3つのフラップを形成する。
【0105】
バルブは外周部を備えられ、それは、バルブ開口器とブッシングとの間で、カテーテルハブの内部キャビティの中に浮かぶことができる。例えば、バルブの外周部は、カテーテルハブの内部キャビティ内の近位方向及び遠位方向に移動でき、カテーテルアセンブリの軸方向に沿ってカテーテルハブによって拘束されない。一実施形態では、後述するように、アクチュエータの作動端部の遠位縁部又は交差部の少なくとも一部又は全部は、バルブの外周部から凹むため、遠位縁部は、バルブディスクの近位側に面する壁面に当接又は接触でき、バルブディスクを開く。
【0106】
バルブの遠位バルブセクションは、カテーテルハブの内部キャビティの遠位端で、カテーテルハブの穴セクションの中に挿入される。遠位バルブセクションは、カテーテルハブの穴セクションに圧入でき、バルブの鈍い遠位端は、ブッシングと接触できる。
【0107】
近位バルブセクション及び遠位バルブセクションと同様にバルブの近位バルブセクションと遠位バルブセクションとの間の交差部は、カテーテルハブの内部キャビティの中に形成される対応する肩部又は段付き面に対して着座でき、バルブをカテーテルハブ内で軸方向に固定する。いくつかの例では、バルブの遠位端はブッシングから離間できる。
【0108】
バルブは、カテーテルハブの単一のハブ本体の内側に位置決めされ、例えば、カテーテルハブの内部キャビティ内の内部肩部に対するバルブの前進などによる。言い換えると、バルブは、2以上のカテーテルハブ本体によって、例えば、2以上のハブ本体の継ぎ目などに沿って、カテーテルハブの内側に保持される必要はない。バルブの外周部は、カテーテルハブの内径よりも大きいため、バルブは、圧入によってカテーテルハブの内側に保持できる。
【0109】
カテーテルハブの内部キャビティは、溝部を備えられ、それは、近位肩部及び遠位肩部を備えられる。2つのプランジャエレメント上の外側突出部は、カテーテルハブの内部で溝部の近位肩部に接触でき、アクチュエータ又は作動体の近位方向への移動を制限する。
【0110】
作動体又はアクチュエータの遠位端で、作動端部及び剛体部のノーズセクションは、近位バルブセクションの近位穴部の中に突出でき、アクチュエータは、バルブとの接触によって遠位方向への移動を停止する。一例では、少なくともアクチュエータの遠位端で、ノーズセクションの外形及び近位バルブセクションの穴部は、同一又は概ね同一であり、例えば、円錐台形状及び逆円錐台形状を有するなど、サイズオンサイズの嵌合を提供する。他の例では、ノーズセクション及び穴部は、非類似の外形を有することができ、提供される少なくとも2つの構造の一部が互いに使用準備位置で作動前に接触できる。
【0111】
一例では、アクチュエータのノーズセクション及び作動端部は、サイズオンサイズの嵌合で穴部の内側に配置されている。別の例では、剛体部の遠位部、例えば、ノーズセクションなどは、バルブの穴部よりわずかに大きいため、剛体部は、使用準備位置でバルブの穴部の内部に予荷重する。
【0112】
様々な構成要素、例えば、バルブ、アクチュエータ、及び溝部などの荷重、サイズ、及び形状が選択できるため、アクチュエータは使用準備位置でバルブに接触するとともに、アクチュエータは、作動前にバルブディスクの1以上のスリットを開かない。言い換えれば、ニードルが静脈穿刺に成功した後で後退すると、アクチュエータは、雄ルアー先端によって作動せず、バルブが閉じられ、バルブの近位領域とバルブの遠位領域との間、又はその逆を通過する流体はなく、又は少なくとも十分な流体の流れはない。更に、アクチュエータとカテーテルハブの溝部との間及びアクチュエータとバルブとの接触関係は、静脈穿刺に成功した後のニードルの後退中又はカテーテルハブからのニードルの完全な除去の後で、バルブの潜在的な近位方向への移動を制限する。
【0113】
カテーテル処置の後、ニードル先端は、ニードルガード又は先端プロテクタの弾性アームの2つの遠位壁(各弾性アームの端部に1つずつ)の近位に移動できる。代替的に、ニードルガードは、1つの遠位壁及び/又は1つのアームを有することができる。2つの遠位壁それゆえ2つの弾性アームは、ニードル、例えば、ニードルガードの近位壁上の開口部を画定する周囲部を引っ張るニードルの外形又は襞の変化などによって近位方向に引かれ、2つのアームは、半径方向の外側に移動でき、バルブ開口器の2つのガード係合セクション又はバンプから係合解除する。代替的に、一方のアーム又は一方の遠位壁は、一方のガード係合セクションから係合解除する。
【0114】
使用後にニードルが近位方向に移動し続け、ニードル上の外形変化部が先端プロテクタの近位壁上の周囲部を引くと、先端プロテクタは、ニードルとともに近位方向に移動でき、バンプから分離し、先端プロテクタ上の2つの遠位壁は、閉じられてニードル先端110を覆い、ニードル先端位置となる。
【0115】
代替的な実施形態で、ニードルガードは、ニードルシャフトに襞なしで留められ、ユニットとしてカテーテルハブから除去できる。例えば、それぞれ開口部を有する2つの壁面を備えるニードルガードは、ニードルガードが作動されたときにニードルガードの壁面が傾斜するため、2つの壁面上の開口部がニードルシャフトの外側に対して留められるなど、襞なしでニードルとともに使用されてもよい。
【0116】
バルブは、カテーテルハブの内部キャビティの内側に留まることができる。従って、バルブは、ニードルの準備位置とニードルの保護位置の両方でカテーテルハブの内側に配置される。
【0117】
別の観点から見ると、バルブは、ニードル先端がカテーテルチューブの遠位開口部から突出するカテーテルアセンブリの使用準備位置と、カテーテルハブからニードルが除去されたカテーテルアセンブリの保護位置の両方でカテーテルハブの内側に配置され、ニードル先端は、カテーテルハブから除去され、先端プロテクタによって覆われる。
【0118】
1以上のスロットは、カテーテルハブの内面上に形成される。1以上のスロットは、カテーテルハブの内部に沿って軸方向に形成され、アクチュエータの1以上の誘導アームと係合するように構成される。雄ルアー先端によって係合するときに、アクチュエータは、軸方向にスライドできるが、1以上のスロットによって回転が制限される。
【0119】
一実施形態では、2つのスロットは、カテーテルハブの対向する内面上に形成され、アクチュエータの2つの対向する誘導アームと係合するように構成される。他の実施形態は、1対又は3対以上の係合スロット及びアームを使用してもよく、カテーテルハブ内のアクチュエータの回転を防ぐ。これは、アクチュエータが軸方向に正しい方向に移動することを確実にすることができ、ルアー先端がカテーテルハブの中に挿入されるときにバルブを作動させる。
【0120】
1以上のスロットは、近位肩部及び遠位肩部を有する溝部と交差できる。溝部は、アクチュエータのプランジャエレメント上の半径方向のタブと当接するように構成される。
【0121】
雄型医療器具は、カテーテルハブの外側のねじ山と螺合するためのねじ付きカラーを有することができる。ねじ付きカラーは、雄型先端部に固定されるか又は雄型先端部に対して回転可能であってもよい。雄型医療器具又は器械は、雄ルアー、シリンジ先端、静脈内セットコネクタ、又はルアーテーパーを有する他の雄型先端部であってもよい。例えば、雄型医療器具は、IVチューブに接続されることができ、それは、雄型医療器具と、カテーテルハブと、カテーテルチューブと、を通じて流体送達のために静脈内流体源に接続され、輸液療法を患者に配給する。
【0122】
雄型医療器具又は雄型先端部を本開示のカテーテルハブの近位開口部に挿入するときに、雄型先端部は最初に、バルブ開口器上のプランジャエレメントと接触し、遠位方向に前進して2つのプランジャエレメントに付勢し、作動端部を遠位方向前方にバルブの中に移動し、バルブを開く。
【0123】
各プランジャエレメントの弧状断面は、カテーテルハブの内径よりも小さな直径を有することができ、雄型医療器具を押し当てるためのより大きく重なり合う接触面を提供する。
【0124】
アクチュエータの2つのプランジャエレメント上の外側突出部又は半径方向のタブは、十分な近位面を提供でき、それは、作動中に紛失又はずれを生じることなく雄ルアー先端によって当接するように構成されている。
【0125】
雄ルアーによって生成される遠位方向に向けられた力は、バルブ開口器を遠位方向に雄型先端部の形状及びカテーテルハブの近位開口部が雄型先端部の更なる遠位方向への前進を止めるまで移動できる。一例では、カテーテルハブの雌ルアーテーパー及び雄型先端部の雄ルアーテーパーは、カテーテルハブの開口部への雄型先端部の遠位への更なる前進を受け入れ及び阻止する。シールは、ルアーの係合によって提供され、流体がカテーテルハブの近位開口部から漏れ出るのを防ぐ。
【0126】
バルブ開口器又はアクチュエータが雄型先端部の遠位への前進によって遠位方向へ移動すると、バルブ開口器の作動端部は、遠位方向に付勢され、バルブのバルブディスクの近位側表面に押し当てる。具体的には、バルブ開口器の作動端部は最初に、バルブディスクの近位側表面を押し当てる。例えば、作動端部は、バルブディスクの近位側に面する壁面に接触して押すことができ、バルブディスク上のバルブスリットを開く。
【0127】
バルブ本体は、軸方向に固定、例えば、遠位肩部又は段付き面に対して当接するなどしてカテーテルハブの内部キャビティの遠位穴セクション内に備えられ、アクチュエータによって押されるときにバルブディスクのフラップのみが遠位方向前方に撓み、バルブを開く。いくつかの例では、バルブ本体の弾性又は剛性に応じて、バルブディスクは、アクチュエータのテーパー面とカテーテルハブの内壁面との間で圧縮し、流体流動のためのスリットを開く。また、作動工程中にバルブ本体の一部は、雄ルアー先端によって撓み及び/又は圧縮することもできる。
【0128】
バルブが開かれると、雄型先端部からの流体は、カテーテルハブを通じ、バルブを通じ、及びカテーテルチューブの内腔を通じて流れることができる。
【0129】
代替的に、吸引力は雄型医療器具、例えば、シリンジ又は真空採血管などによって生成され、患者から血液を吸引できる。これは、注入療法が開始される前にサンプルをテストするために行われる。また、任意に残留血液は、注入療法が開始される前に最初にカテーテルハブの内側から洗い流される。
【0130】
本明細書で開示されるバルブ又は隔壁は、柔軟な材料、例えば、エラストマなどで作られ、それは、アクチュエータと、カテーテルハブの内面と、場合によってはブッシングの一部との間で変形及び圧縮するように構成される。一実施形態では、アクチュエータは、ルアー先端が作動工程後に除去された後でも、遠位方向前方位置でバルブに取り付けられたままであるように構成される。例えば、アクチュエータの誘導アームは、カテーテル内部表面上のアンダーカット又は溝部と係合でき、アクチュエータを前方位置にロックする。他の例では、案内アームは、カテーテルハブ内部表面に対する摩擦の付勢のためにアクチュエータを前方位置に保持する。更に別の例では、アクチュエータの剛体部のテーパーセクションによって生成される圧縮力は、バルブの弾性特性によって生成される回復力よりも大きく、バルブアクチュエータは、雄型先端部が除去された後でも、遠位前方位置に留まる。
【0131】
いくつかの例では、付勢部材、例えば、コイルバネ又は弾性リングなどは、バルブの遠位方向、例えば、ブッシングとバルブとの間などに配置されてもよく、フラップがそれらの圧縮されていない又は撓んでいない状態に戻るのを援助し、1以上のスリットを閉じる。
【0132】
雄ルアー先端がアクチュエータを遠位方向に前進させるときに、雄ルアー先端の遠位端面は、1以上の外側突出部又は半径方向に延在するタブの近位面に対して押し当てる。一例では、近位面は、アクチュエータの長手方向軸と直交しないので、雄ルアー先端の平面によって押されるときに、接触が2つの細長いエレメントを引き起こし、それは、2つの外側突出部が取り付けられ、半径方向内側に向けて互いに撓む。
【0133】
それらに対して代替的に又は付加的に、2つの外側突出部がカテーテルハブの内部キャビティの内側の溝部内で遠位方向前方に移動すると、2つの外側突出部は、カテーテルハブの内部に形成される溝部の遠位肩部と接触し、その幾何学形状は、2つの外側突出部に半径方向内側への撓みを引き起こし、それは、2つの細長いエレメントに互いに向かって半径方向内側への撓みを引き起こす。
【0134】
一例では、雄ルアー先端による遠位変位中の2つの細長いエレメントの互いに向けた半径方向内側への撓みは、アクチュエータがカテーテルハブの内側の溝部の近位肩部と遠位肩部との間で測定される長さよりも大きい軸方向距離を移動するようにさせる。言い換えると、2つのプランジャエレメントの撓みは、半径方向内側に室を作り、例えば、空間を提供するなどして、アクチュエータが遠位方向に移動する。バルブアクチュエータの、従って1以上のプランジャエレメントの全長は選択され得るため、カテーテルハブの雌ルアーへの雄ルアー先端の挿入は、バルブアクチュエータの近位端に押し当てるのに十分であり、バルブアクチュエータをバルブの中に近位方向に移動させ、流体流動のためにバルブの1以上のフラップを開く。
【0135】
2つの脚延長部又は細長いエレメント上の外側突出部とカテーテルハブの内面上の溝部の遠位肩部との間の撓みは、アクチュエータ、従って雄ルアー先端が遠位方向に、カテーテルハブレジスタ(catheter hub register)の雄ルアー先端及び雌ルアー先端まで移動することを可能にする。従って、例えアクチュエータの外側突出部が、2つのルアー表面が合わさる又は着座する前に遠位肩部に接触したとしても、物理的な障壁は以後克服され、2つの細長いエレメントは、互いに向かって半径方向内側に撓むことができる。
【0136】
溝部の遠位肩部と接触するアクチュエータの外側突出部雄ルアー先端は、雄ルアー先端が雌ルアー内に着座するまで前進し続けられる。細長いエレメントは、遠位肩部に押し当てられるときに半径方向内側に撓むことができるため、接触による任意の物理的な障壁を克服できる。
【0137】
雄ルアー先端を除去しても、アクチュエータは、バルブに係合したままであり、バルブの1以上のスリットは、アクチュエータの作動端をバルブディスクに押し当てるために開くことができる。雄ルアー先端が除去されるときに2つの細長いエレメントは、撓みをなくし、それらのより自然な状態に戻ることができ、それは、互いから離れる方向に移動することを含み、又は遠位肩部又はカテーテルハブ内の他の表面によって拘束されている場合には内側に撓んだままであってもよい。
【0138】
本開示の一態様は、バルブ本体を有するバルブを備えるカテーテルアセンブリを含み、バルブ本体のバルブ周囲は、段付き面でカテーテルハブの穴セクション内に着座できると理解される。バルブは、肩部を有することができ、カテーテルハブの内部の内側の肩部と当接でき、バルブの遠位方向の前進を制限する。
【0139】
バルブの肩部は、第1の直径を有するバルブ本体周囲部の遠位と、第2の直径を有するバルブ本体周囲部の近位とによって画定され、それは、第1の直径よりも大きい。
【0140】
また、バルブは隔壁と呼ばれてもよく、近位キャビティ又は近位収容部及び遠位キャビティ又は遠位収容部を有することができ、バルブディスクがそれらの間に配置される。
【0141】
バルブの近位収容部及び遠位収容部は、異なる形状の表面を有することができる。近位収容部は、逆円錐台状面を有することができる。遠位収容部は、逆ドーム面を有することができる。
【0142】
本開示のなお更なる一態様は、バルブを開くためのバルブ開口器を含むと理解される。バルブ開口器は、バルブを他の構造体、例えば、ブッシングに押し当て、カテーテルハブの内側の段付き面に押し当て、又はその両方などに押し当てるように構成される。
【0143】
バルブ開口器は、作動端部を備えるノーズセクションを有することができ、作動端部及び少なくともノーズセクションの一部は、作動前に、使用準備位置でバルブの穴部の中に配置される。アクチュエータのノーズセクション及びバルブの穴部は、サイズオンサイズの嵌合を有することができる。
【0144】
本開示のなお更なる一態様において、アクチュエータは、1以上の細長いエレメント、例えば、2以上の細長いエレメントなどを備え、ノーズセクションに対して近位方向に延在する。例えば、2つの細長いエレメントは、アクチュエータの本体セクションから延在でき、それぞれ本体セクションに取り付けられた固定端及び独立して撓み又は移動できる自由端を有することができる。
【0145】
2つの細長いエレメントのそれぞれに1つずつある、2つの自由端のそれぞれは、バルブの作動中に雄型医療器具によって作動されるときに半径方向内側に撓むことができる。また、2つの細長いエレメントのそれぞれは、先端プロテクタ又はニードルガードと係合するように構成されたバンプを有することもできる。
【0146】
アクチュエータの自由端はそれぞれ、カテーテルハブの内部の内側に遠位肩部及び近位肩部を有する溝部の中に配置するための半径方向に延在するタブを備えられる。
【0147】
アクチュエータの本体セクションは、2つの開口端を有する穴部を画定する表面を有することができる。表面は連続的であってもよく、又は流路を画定するためのスロット又は溝部を有してもよい。
【0148】
アクチュエータの本体セクションは、第1の寸法を有する外径を有することができ、2つの細長い脚部は、第2の寸法を有する外径を画定することができ、第2の寸法は第1の寸法より大きい。
【0149】
1以上の誘導アームは、アクチュエータの本体セクションから半径方向に延在できる。各誘導アームは、カテーテルハブの内部キャビティの内側に形成される対応するスロット内に着座できる。スロットは、カテーテルハブの長手方向軸に対して軸方向に延在でき、角度を合わせてアクチュエータを整列させられるので、アクチュエータが回転しない。
【0150】
本開示のなお更なる態様において、カテーテルアセンブリは、バルブと、バルブ開口器
と、ニードルを有するニードルハブと、カテーテルチューブを有するカテーテルハブと、を備え、提供される。
【0151】
バルブアセンブリは、ニードル保護位置でニードル先端をブロックするための先端プロテクタを更に備えられる。
【0152】
静脈穿刺が成功した後、雄型先端部、例えば、雄ルアーなどは、カテーテルハブの近位開口部に挿入されることができ、バルブ開口器を遠位方向に前進させ、バルブを開く。バルブと、バルブ開口器と、ニードルハブと、任意の先端プロテクタとは、本明細書の他の箇所に開示されている構造的特徴を有することができる。
【0153】
ニードルガードは、開口部を画定する周囲部を有する近位壁を備える。近位壁は、近位方向に面する壁面と、近位方向に面する壁面に対向する遠位方向に面する壁面とを有する。
【0154】
少なくとも1つの弾性アームは、近位壁の遠位方向に延在する。
【0155】
2つの弾性アームは、近位壁の遠位方向に延在する。一方のアームは、他のアームよりも長くできる。各アームは、異なるアーム幅を有してもよく、第1の幅の第1のアームセクション及び第2の幅の第2のアームセクションを備え、それは、第1の幅よりも小さい。
【0156】
ニードルガードの2つのアームは、近位壁の異なる端部から始まってもよく、それらのそれぞれの第2のアームセクションで互いに交差できる。従って、ニードルガードの長手方向に沿った側面から見たときに、2つのアームは互いに交差できる。
【0157】
ニードルとともに使用されるときに、ニードルガードの2つのアームは、使用準備位置にあるとき及び保護位置にあるときに互いに交差する。代替の実施形態では、2つのアームは、近位壁の異なる端部から始まり、互いに交差することなく遠位方向に延在する。従って、2つのアームは、それぞれのアームの長さに沿って本質的に同じアーム幅を有することもできる。
【0158】
遠位壁は、各アームの端部に備えられている。任意に1つのみの遠位壁が採用される。遠位壁は、異なるアーム長を利用すること及び/又は遠位壁と弾性アームとの間の交差部で壁の1つを斜めにすることによってニードルガードの軸方向に沿って互いに重なり合うことができる。
【0159】
2つのアームが利用される場合、各アームの交差部は、対応するガード係合セクション又はアクチュエータ上のバンプと係合でき、準備位置でカテーテルハブからのニードル除去の遷移工程中にニードルガードをカテーテルハブに取り外し可能に固定する。
【0160】
2つの遠位壁の端部は、使用準備位置で任意にアクチュエータ上に形成されるバンプ上に載置され、遠位壁又はアームは、使用準備位置でカテーテルハブと係合することはない。
【0161】
ニードルガードは、ガードを形成するために打ち抜かれた金属シートから折り曲げられてもよい。リブはアーム、近位壁及び/又は遠位壁に形成されてもよく、構造的な剛性を高める。
【0162】
アクチュエータの一実施形態は、対向するプランジャエレメント上に形成される2対のバンプを有することができる。
【0163】
本明細書に記載のバンプは、1つのプランジャエレメント又は複数のプランジャエレメントと一体的に形成でき、又は別個に形成し、その後1つ又は複数のプランジャエレメントに追加できる。アクチュエータのプランジャエレメントはそれぞれ、雄型医療器具によって接触するために適したサイズ及び形状の表面を備える外側突出部又は半径方向のタブを備えられる。
【0164】
アクチュエータの一実施形態は、対向するプランジャエレメントの交互の側面に単一のバンプを有することができ、軸方向に互い違いである。
【0165】
アクチュエータの一実施形態は、一方のプランジャエレメント上に2つのバンプを有することができ、対向するプランジャエレメント上にはバンプがない。動作時には、先端プロテクタのアームは、2つのバンプを有する片側とのみ係合できる。
【0166】
アクチュエータの一実施形態は、各対向するプランジャエレメント上に斜めに延在する単一の中実のバンプを有することができる。単一のバンプは、プランジャエレメントを概ね横切って延在できるため、単一のバンプは、先端プロテクタの第1のアーム及び第2のアームの両方の端部、例えば、2つの遠位壁の2つの端部などと係合できる。
【0167】
アクチュエータの一実施形態は、一方のプランジャエレメント上に斜めに延びる単一の中実バンプを有することができ、対向するプランジャエレメント上にはバンプがないアクチュエータの実施形態を示す。
【0168】
アクチュエータの一実施形態は、延長したプランジャエレメントを有することができ、それは、より長いカテーテルハブにより適している。
【0169】
本明細書に記載のアクチュエータの任意の長さは、選択され得るため、カテーテルハブへ雄ルアー先端を挿入するときに、近位開口部に対して雄型先端部が着座するような雄ルアー先端、例えば、カテーテルハブの雌ルアーなどによってアクチュエータとの接触が作られる。
【0170】
雄型先端部によるアクチュエータとの接触は、アクチュエータ上の雄型先端部によって適用される遠位方向の移動を含み、アクチュエータをバルブに対して前進させ、バルブを開く。
【0171】
アクチュエータの一実施形態は、追加の突出部を備える拡張されたプランジャエレメントを有することができ、それは、様々なルアー先端と係合する表面積を増大する。
【0172】
また、アクチュエータは、各細長いエレメントの外面及び各細長いエレメントの内面に形成された外部バンプも備えられる。外部バンプは、カテーテルハブの内側の溝部の近位肩部及び遠位肩部との接触に適したサイズ及び形状であってもよい。
【0173】
本明細書で提供されるカテーテルハブは、ハブの内面に形成された1以上のリブを有することができる。
【0174】
アクチュエータの一実施形態は、1以上のスロット及び1以上のプランジャエレメント上に形成される1以上のアンダーカットを有することができる。
【0175】
リブは、カテーテルハブの内面上に形成され、アクチュエータ上に形成されるスロットと係合し、回転防止機構を提供し、それは、アクチュエータの回転を減少又は除去する。
【0176】
空隙は、カテーテルハブの内面上に形成され、ニードルプロテクタの着座を援助する。
【0177】
カテーテルハブの内面上に形成されるバンプは、アクチュエータ上のアンダーカットと係合でき、アクチュエータの場所、例えば、カテーテルハブの開いた近位端から外への変位などの保持を援助する。
【0178】
本発明の一態様は更に、ニードルアセンブリを含み、これは、ニードルハブであって、当該ニードルハブの遠位端から延在するニードルを備えるニードルハブと、内部キャビティを画定する内面を有するカテーテルハブと、カテーテルハブに取り付けられるカテーテルチューブであって、当該カテーテルチューブを通じて延在するニードルを有し、使用準備位置にある当該カテーテルチューブの遠位開口部から外側に延出するニードル先端を有するカテーテルチューブと、カテーテルハブの内部キャビティに配置されるバルブであって、カテーテルハブの穴セクションに配置される外側周囲部を有するバルブ本体、近位端上の近位収容部、遠位端上の遠位収容部、及び前記近位収容部と前記遠位収容部との間に配置されるバルブディスクを有するバルブと、カテーテルハブの内部キャビティに配置されるアクチュエータであって、当該アクチュエータは、バルブを開くように構成され、ノーズセクション及び作動端部を有する本体であって、作動端部は、近位収容部内に配置され、バルブディスクを押してバルブを開くように構成される本体と、アクチュエータの近位端上の延長脚であって、支持表面を有する係合セクションを有する延長脚と、を含むアクチュエータと、近位壁、前記近位壁上の近位開口部、弾性アーム、及び端部を有する安全クリップであって、使用準備位置で安全クリップがカテーテルハブの内部キャビティ内にあるときにアームの端部は、係合セクションの表面によって支持される安全クリップと、を備える。
【0179】
更にアクチュエータは、カテーテルハブの内面上に形成されるアンダーカットに配置される延長脚上に形成される半径方向に延在するタブを備えられ、アンダーカットにおける半径方向に延在するタブの配置は、カテーテルハブの内部キャビティ内からのアクチュエータの脱落を防ぐことができる。
【0180】
アンダーカットは、近位肩部及び遠位肩部を有することができ、半径方向に延在するタブは、使用準備位置で遠位肩部よりも近い近位肩部に配置される。
【0181】
アクチュエータは、アクチュエータの本体から半径方向に延びる1以上の案内アームを備えられ、1以上の案内アームは、カテーテルハブの内面上の1以上のスロットと係合するように構成され、1以上の案内アームと1以上のスロットとの係合は、カテーテルハブ内のアクチュエータの回転を防ぐことができる。
【0182】
アクチュエータは、延長脚から離間するアクチュエータの近位端上の第2の延長脚を備えられ、第2の延長脚は、安全クリップを支持するための第2の係合セクションを有することができる。
【0183】
アクチュエータは、係合セクションの側で延長脚上に形成される第3の係合セクションと、第2の係合セクションの側で第2の延長脚上に形成される第4の係合セクションとを備えられる。
【0184】
係合セクションは、第2の係合セクションの反対側に形成され、第3の係合セクションは、第4の係合セクションの反対側に形成される。
【0185】
係合セクション及び第4の係合セクションは、安全クリップの第1のアームと係合するように構成され、第2の係合セクション及び第3の係合セクションは、安全クリップの第2のアームと係合するように構成され、安全クリップの第1のアーム及び第2のアームは、異なる長さを有することができる。
【0186】
延長脚は、第1の延長脚であってもよく、係合セクションは、第1の延長脚の内面上に形成され、第2の係合セクションは、第2の延長脚の内面上に係合セクションに対して斜めに形成される。
【0187】
ニードルクリップは、カテーテルハブとともに使用するために提供され、当該ニードルハブは、開口部を備える近位壁及び端部を備える1つのアームを備え、使用準備位置で当該端部は、係合セクションによって支持され、ニードル上に載置されない。
【0188】
本発明の一態様は、ニードルアセンブリの製造方法を含むことができる。当該方法は、遠位開口部を有するカテーテルチューブを備えるカテーテルハブを提供するステップであって、カテーテルハブは、内部キャビティを画定するハブ本体及び近位開口部を備えるステップと、カテーテルハブの内側でカテーテルチューブに対してブッシングを位置決めし、ブッシングの近位にバルブを位置決めするステップであって、バルブは、近位収容部を画定する遠位バルブセクション及び近位バルブセクションを有するバルブ本体を備え、遠位バルブセクションは、内部キャビティの穴セクションに配置され、穴セクションは、遠位バルブセクションに接触し、内部キャビティ内にバルブを固定するようにしたステップと、バルブ開口器を、バルブに隣接し、カテーテルハブの内部キャビティの中に位置決めするステップであって、バルブ開口器のノーズセクションは、近位収容部の内側に配置され、バルブ開口器は、バルブ開口器の近位端上の延長脚を備え、延長脚は、係合セクションを有する、ステップと、カテーテルハブの内部キャビティに安全クリップを位置決めするステップであって、安全クリップの1つのアームの1つの端部が、係合セクションを覆うように配置され、安全クリップがカテーテルハブの内部キャビティにあるときに係合セクションは、安全クリップ支持表面を有する、ステップと、ニードルハブに取り付けられたニードルを、カテーテルハブ、バルブ、バルブ開口器、安全クリップ、及びカテーテルチューブを通るように配置するステップであって、ニードルの先端は、カテーテルチューブの遠位開口部の外側に延出する、ステップと、を含む。
【0189】
当該方法は、カテーテルハブの内部キャビティに形成されるスロットのバルブ開口器から延びる誘導アームの配置を含むことができる。
【0190】
当該方法は、係合セクションから離間して延長脚上の半径方向に延在するタブの提供を含むことができ、前記半径方向に延在するタブは、平面を有することができる。
【0191】
当該方法は、更に第2の係合セクション及び第2の半径方向に延在するタブを備える第2の延長脚が含まれ、延長脚上の前記半径方向に延在するタブ及び第2の延長脚上の前記第2の半径方向に延在するタブは、雄ルアー先端を押し当て、バルブを開くための表面を提供することができる。
【0192】
当該方法は、半径方向に延在するタブ及び第2の半径方向に延在するタブが雄ルアー先端によって押されるときに延長脚及び第2の延長脚は、半径方向に移動できる。
【図面の簡単な説明】
【0193】
本装置、システム及び方法のこれら及び他の特徴及び利点は、理解されることになり、これは明細書、請求項及び添付図面を参照してより良く理解されるようになる。
【
図1】
図1は、カテーテルアセンブリの一実施形態の斜視分解図である。
【
図2】
図2は、ニードルがカテーテルチューブの内側に配置されたまま部分的に引き抜かれた位置における
図1のカテーテルアセンブリの実施形態の概略断面側面図である。
【
図3A】
図3Aは、
図1のバルブ開口器(valve opener)又はアクチュエータの実施形態の正面図を示す。
【
図3B】
図3Bは、
図1のバルブ開口器又はアクチュエータの実施形態の平面図を示す。
【
図3C】
図3Cは、
図1のバルブ開口器又はアクチュエータの実施形態の斜視背面図を示す。
【
図5A】
図5Aは、静脈穿刺が成功した後などで、ニードルがカテーテルチューブ及びカテーテルハブから取り外される過程にある移行位置又は状態にある、
図1のカテーテルアセンブリの概略断面側面図である。
【
図5B】
図5Bは、
図1のカテーテルハブの概略断面側面図であり、その内面に形成された回転防止スロットの実施形態を示す。
【
図5C】
図5Cは、
図1のカテーテルアセンブリの概略断面側面図であり、カテーテルハブが雄ルアーと接続され、バルブアクチュエータが雄ルアーによって前進させられてバルブを押し開いている。
【
図5D】
図5Dは、
図1のカテーテルアセンブリの概略断面側面図であり、カテーテルハブが雄ルアーと接続され、バルブアクチュエータが遠位方向に前進させられてバルブを押し開いている。
【
図5E】
図5Eは、
図1のカテーテルアセンブリの概略断面側面図であり、バルブアクチュエータが前進させられてバルブを完全に開いた位置に圧縮し、雄ルアー先端が除去されている。
【
図7】
図7は、
図1のニードルガード132の等角背面図である。
【
図8A】
図8Aは、バルブアクチュエータの種々の異なる実施形態を図示する。
【
図8B】
図8Bは、バルブアクチュエータの種々の異なる実施形態を図示する。
【
図8C】
図8Cは、バルブアクチュエータの種々の異なる実施形態を図示する。
【
図8D】
図8Dは、バルブアクチュエータの種々の異なる実施形態を図示する。
【
図8E】
図8Eは、バルブアクチュエータの種々の異なる実施形態を図示する。
【
図8F】
図8Fは、バルブアクチュエータの種々の異なる実施形態を図示する。
【
図8G】
図8Gは、バルブアクチュエータの種々の異なる実施形態を図示する。
【
図9A】
図9Aは、カテーテルハブの代替の実施形態を図示する。
【
図9B】
図9Bは、
図9Aのカテーテルハブと係合するように構成された他の代替の実施形態を図示する。
【
図9C】
図9Cは、
図9Aのカテーテルハブと係合するように構成された他の代替の実施形態を図示する。
【
図9D】
図9Dは、
図9Aのカテーテルハブと係合するように構成された他の代替の実施形態を図示する。
【
図9E】
図9Eは、
図9Aのカテーテルハブと係合するように構成されたバルブアクチュエータの他の代替の実施形態を図示する。
【
図9F】
図9Fは、
図9Aのカテーテルハブと係合するように構成されたバルブアクチュエータの他の代替の実施形態を図示する。
【
図9G】
図9Gは、
図9Aのカテーテルハブと係合するように構成されたバルブアクチュエータの他の代替の実施形態を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0194】
添付図面と関連して記述した詳細な説明は、本装置、システム及び方法の態様に従って提供されるコントロールバルブを備えるカテーテルアセンブリの現時点で好ましい実施形態の説明を意図しており、本装置、システム及び方法が構築または利用できる形態だけを表現することは意図していない。この説明は、図示した実施形態に関連して、本装置、システム及び方法の実施形態を構築し使用するための特徴及びステップを記述する。しかしながら、同じ又は等価の機能及び構成が、本開示の精神及び範囲内で包囲されることを意図した異なる実施形態によって達成できることは理解すべきである。ここで示しているように、同様な要素番号は、同様又は類似の要素又は特徴を示すことを意図している。
【0195】
図1は、カテーテルアセンブリ100の一実施形態の斜視分解図である。
図1に示すように、カテーテルアセンブリ100は、より広義にニードルアセンブリ又はニードルデバイスと呼ばれてもよく、カテーテルハブに取り付けられたカテーテルチューブ104を備えるカテーテルハブ102を有するように示されている。カテーテルハブ102の内部には隔壁又はバルブ136、アクチュエータ150、及び安全クリップ132、例えば、ニードルガード又は先端プロテクタなどが備えられている。ニードル及びニードルハブ(図示せず)は、カテーテルハブ102の近位開口部111を通じて挿入でき、カテーテルチューブを貫通し、ニードル先端がカテーテルチューブの遠位開口部112から突出することができる。
【0196】
先端プロテクタ132は、静脈穿刺が成功した後など、使用後にニードル又はニードルハブと共に除去されるように構成され、バルブ136及びバルブアクチュエータ150は、カテーテルの内部に留まって、カテーテルの内部を流れる流体を制御する。アクチュエータ150は、バルブ136内に押し込まれ、流体流動のためにバルブを開くように構成される。一例では、雄ルアー先端は、ニードルを除去した後でカテーテルハブ102の近位開口部内に挿入され、バルブを開くようにアクチュエータ150を遠位方向にバルブの中に押し進めることができる。
【0197】
いくつかの実施形態では、アクチュエータ150は、本体部151と、1以上の延長脚152と、1以上の誘導アーム又は案内アーム155を備える。本体151は硬質又は半硬質であってよい。本体は、雄ルアーの挿入中など、カテーテルアセンブリ100の遠位端に向けてアクチュエータに軸力が加えられたときにバルブ136と係合してバルブを開くように構成できる。概して、本体は、より柔軟なバルブ136に対して硬く、それは本体、例えば、作動端部を備えるアクチュエータのノーズセクションなどがバルブを作動させ、バルブの遠位領域とバルブの近位領域との間の流体連通のために少なくともバルブの一部を偏向することでバルブを開くことなどを可能にする。例えば、アクチュエータの本体は、金属などの非圧縮性材料、又は硬質エラストマなどのやや圧縮性の材料で製作できる。また、硬質プラスチック材料、例えばポリカーボネート材料などは、アクチュエータ150を形成するのに使用されてもよい。本体のノーズセクションは、細長くてもよく、ノーズセクションを通過する通路又は穴を有することができる。ノーズセクションの穴は、流体流動のための通路を備えてもよく、カテーテルアセンブリの使用準備位置にニードルを収容してもよい。
【0198】
延長脚152は、雄ルアー先端が押し当てるような構造を示す。延長脚152は、安全クリップ132の1以上のアームと係合するために各脚に1以上のバンプ又は係合部330(
図2~
図3C)を有してもよく、それは、使用準備位置の間に安全クリップがカテーテルハブの内部キャビティから抜けるのを防止できる。例えば、安全クリップ132の2つの端面は、ニードルの側面に対して及びカテーテルハブの内部に対して押す代わりに使用準備位置の延長脚上の1以上のバンプ330と係合又は当接できる。係合部の実施形態はバンプを備えるが、他の実施形態は、安全クリップの1以上のアームと係合又は支持することが可能なアンダーカット、ノッチ、突起、リッジ、又は他の特徴を備えることができる。一実施形態では、1以上の誘導アーム155は、本体151から半径方向に延在し、カテーテルハブの回転防止構造、例えば、カテーテルハブの内部表面に軸方向に形成されるスロットなどと係合し、アクチュエータの回転を防止できる。延長脚152は、本体151から軸方向に延在できる。2つの延長脚152の間に間隙部が設けられてもよい。更に以下で説明するように、フランジが、各延長脚152の端部に配置することができ、雄ルアー先端のための当接面を提供できる。
【0199】
図2は、部分的に引き抜かれた状態にあるカテーテルアセンブリ100の概略断面側面図であり、ニードル108がカテーテルハブ102に対して近位方向に後退しているがカテーテルハブ102からは完全に又は全て引き抜かれていない。従って、ニードルハブ106は、部分的に引き抜かれた状態で示され、ニードル108は、カテーテルチューブ104及びカテーテルハブ102を通じて延在している。
【0200】
準備位置では、ニードルハブ106がカテーテルハブ102と接触し、ニードル先端110がカテーテルチューブ104の遠位端又は遠位開口部112の外側に延在し、カテーテルアセンブリ100は、使用、例えば、静脈穿刺又は静脈内アクセスなどの実行が可能な状態である。時には、当該準備位置では、カテーテルアセンブリ又はニードルアセンブリ100から保護キャップ(図示せず)を除去して、ニードル先端を露出する必要がある。
【0201】
フラッシュバックプラグ114は、ニードルハブ106の近位端118に設置でき、それは、ニードルハブ106から除去可能で、空気がフラッシュバックチャンバ116内に通気することを可能にする他に、1次フラッシュバック中にフラッシュバックチャンバ116に入るときに近位端118から血液が漏れるのを防ぐ。代替的に、シリンジがニードルハブの近位端に取り付けられてもよい。更に後述するバルブ及びアクチュエータの例は、第2バルブとしてニードルハブ内に配置されてもよい。ニードルハブ106は更に、肩部120、タブ、又は他の表面を備え、カテーテルハブ102、例えば、カテーテルハブ102の近位端面122などと物理的に接触し、2つのハブ102、106を軸方向に位置合わせして、カテーテルチューブ104の遠位開口部112の外側に突出するニードル先端110の長さを設定する。
【0202】
カテーテルハブ102の内部、内部キャビティ130には、安全クリップ(ニードル保護要素、ニードルガード又は先端プロテクタとも呼ばれる)132、アクチュエータ(又はバルブ開口器)150、バルブ(又は隔壁)136、及びブッシング138が設けられている。カテーテルハブ102の近位開口部は、雄ルアー先端を受け入れるように雌ルアーテーパーに合うサイズに設定できる。ブッシュ138は、カテーテルハブ102の内壁面に対してカテーテルチューブ104の近位端を押し込み、カテーテルチューブ104をカテーテルハブ102に保持するように構成され、これは従来通りである。
【0203】
安全クリップ、ニードルガード、又は先端プロテクタ132は、ニードル118のニードル先端110をブロックするように構成される任意の数の従来技術のガードを具現化できる。図示した例示的な実施形態では、先端プロテクタ132は、米国特許第6616630号明細書に示されるガードの1つを具体化することが可能であって、その内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。例えば、先端プロテクタ132は、1つの近位壁及びそれぞれ遠位壁を備える2つの弾性アームを有することができる。襞や膨張などのニードル108上の外形変化部144(
図5A)は、先端プロテクタ132の近位壁上の開口部を画定する周囲と係合して、静脈穿刺に成功した後でカテーテルハブの中から近位方向に先端プロテクタ132を後退させる。
【0204】
2つのアームは米国特許第6616630号明細書で説明されるように及び
図7に示されるように交差することができ、又はこれらは、ニードルの異なる側面に沿って延在することができ、1つの側面内で交差することはない。一実施形態では、ニードルガードアームは、準備位置のアクチュエータ150によって、例えば、バンプ又は係合部330などによって広げられ、ニードルシャフトによってではない。アームの広がりは、ニードルガードのアームがカテーテルハブの内側、例えば、カテーテルハブ102のガード係合部210(例えば、アンダーカット部又は溝部)などと係合するように付勢する。いくつかの例では、アームは、アクチュエータによって広げられるが、アームは、使用準備位置でカテーテルハブの内部と係合しない。例えば、ニードルガードのアームの半径方向の最外面215、例えば、ニードルガードのアームの細長い部分と遠位壁との間の肘部などは、カテーテルハブ102の内部と係合又は接触せず、アームがニードル上に載置するのではなくバンプ上に載るためであり、従ってニードルガードは、アクチュエータ上のバンプとの係合によってカテーテルハブの内部に保持される。例えば、ニードルガードのアームがアクチュエータのバンプと係合するときに、ニードルガードのアームの各最外面215、例えば、肘部とカテーテルハブの内部との間に間隙部が設けられてもよい。
【0205】
従って、使用後のニードルの後退中に、ニードルガードは、ニードルガードのアームとアクチュエータのバンプとの間の係合によってカテーテルハブの内部に保持することができる。使用後にニードルが引き抜かれ、ニードルの襞が先端プロテクタの近位壁に係合する、例えば、近位壁上に開口部を画定する近位に係合などすると、先端プロテクタ132のアームの肘部215は、先端プロテクタの1つのアーム又は2つのアームの2つの肘部の場合、肘部とカテーテルハブの内壁との間の間隙によって提供される空間内に外向きに撓むか又はカテーテルハブと接触、例えばカテーテルハブのガード係合部210の端部212に対して又はバルブアクチュエータに対してする場合に平坦になることができ、アームがアクチュエータの延長脚上のバンプから移動し解放されることを引き起こす。
【0206】
静脈穿刺に成功した後、ニードル先端110がニードルガード132に引き込まれるとき、例えば、ニードル先端が1つの遠位壁の近位又は2つの遠位壁の近位に移動するなどのとき、ニードルガードのアームは、アームの遠位壁がアクチュエータ上の対応するバンプの近位側に移動した後でアームの保護位置に折り畳まれ、ニードル先端への偶発的なアクセスをブロックするように留まる。一例では、アームの端部にある1つ又は2つの遠位壁は、偶発的なニードル刺しからニードル先端をブロックするためにニードル先端の遠位を移動する。アームとアクチュエータプランジャエレメント上のバンプとの係合が解除された後、先端プロテクタは、カテーテルハブから近位方向にニードルに沿って除去することができる。また、同じ作用は、米国特許第6616630号明細書に記載されている1つのアームのニードルガードのうちの1つによっても達成でき、ニードルの側面からの視点及び米国特許第6616630号明細書の実施形態のいくつかに示されるように、ニードルが交差しないでニードルシャフトの側面に沿って延びる。同様に、1つのアームの遠位壁は、準備位置のニードルシャフトによって脇に押し出される。ニードル先端110が遠位壁の近位に移動するとき、遠位壁は、ニードル先端の前にはね返り、ニードル先端への偶発的なアクセスをブロックし、同時にニードルガードとバンプとの間の係合が解除される。使用可能なニードルガードは、一体的に、例えば、射出成形又は打ち抜かれた金属シートの冷間加工などによって形成することが可能であり、又は、2以上の別個に形成された副構成要素をともに使用してアセンブリが可能である。
【0207】
図3Aは、
図1のバルブ開口器又はアクチュエータ150の実施形態の正面図を示し、アクチュエータのノーズセクションを見下ろしている。
図3Bは、同じバルブ開口器の平面図を示し、
図3Cは、バルブ開口器150の斜視背面図を示す。更に
図1及び
図3A~
図3Cを参照すると、バルブ開口器150は、ノーズセクション161を備える本体151と、1以上の延長脚又はプランジャエレメント152(例えば、脚エレメント部又は細長い延長部など)と、1以上の誘導アーム155とを備えられる。例えば、アクチュエータ又は開口器150は、長手方向軸を有し、1以上の誘導アーム155は、長手方向軸に対して半径方向に延在し、1以上の延長脚152は、長手方向軸に沿って軸方向に延在する。延長脚152は、直線状の又は真っ直ぐな脚部分、あるいは本体から延在する湾曲部分と軸方向に沿って直線状の部分又は真っ直ぐな部分を有することができる。2つの直線状の部分は、それらの間に間隙を有することができる。
【0208】
特定の例では、2つの誘導アーム又は案内アーム155は、直径方向に対向し、互いに長手方向軸に沿っている。誘導アーム155はそれぞれ、概して真っ直ぐな又は平坦な最外端部40を有する長方形又は正方形の構造を具現化することができ、任意に湾曲形状、波形状、鋸歯形状、又は弧形状であってもよい。剛体部151は、細長い形状を有し、例えば、作動端部315を形成する円筒形状などが遠位端でリング又は環状形状の構造を具現化できる。細長い本体は、任意にドラフト角又は内向きのテーパーを遠位方向に有することができる。
【0209】
使用中、作動端部315は、
図1のバルブ136の中に押し込むことができ、雄型医療器具、例えば、シリンジ先端、ルアーアダプタ、又はIVラインなどによって遠位方向に押されるときにバルブを作動させる。準備位置では、作動端部315は、バルブ136と接触してもよいが、任意にバルブディスクの近位面から離間してもよい。
図2に示されるように、作動端部315は、バルブの収容空間、例えば、バルブ136の近位側のキャビティなどに嵌合され、バルブ、例えば、収容空間の穴を画定する表面及び/又はバルブディスクの表面などと接触できる。いくつかの例では、アクチュエータの作動端部315は、溝部又はキャッチセクションを有することができ、再使用しない1度限りのバルブの開口部としてバルブと係合するために使用する。アクチュエータに溝部又はキャッチセクションを備え、バルブ、例えば、1以上のスリットによって画定されるフラップなどは、溝部又はキャッチセクションと係合できるので、アクチュエータは、雄ルアー先端を除去した後もバルブとの係合を維持できる。
【0210】
例示的な実施形態では、2つのプランジャエレメント152は、アクチュエータの剛体部151から近位方向に延在することができ、それぞれカテーテルアセンブリの長手方向に測定される長さ及びその長さに対して直角に測定される幅を有することができる。他の実施形態は、剛体部151から延在する1つ又は3つ以上の脚延長部又はプランジャエレメント152を使用してもよい。各プランジャエレメント又は脚拡張部152は、円形断面又は多面断面、例えば、多角形断面などを有することができる。断面は、任意に不規則な形状を有することができる。
【0211】
一実施形態では、各プランジャエレメント152は、雄ルアーによって接触するために適したサイズ及び形状であり、雄ルアーから遠位方向に向かう力を、ノーズセクションを通じ、作動端部315に伝達し、バルブ136に押し当て、後述するように、バルブ上の1以上のスリットを分離する。一例では、脚延長部又はプランジャエレメントは、可撓性且つ撓み可能であるため、雄ルアー先端によって押されるときに、プランジャエレメントは撓む又は曲がる。プランジャエレメントは、材料選択によって撓み可能であり、必要な弾性特性を有する。他の例では、プランジャエレメントは、1以上の弱い部分、例えば、構造的に薄い部分、切り欠き、キンク(kink)、同じ細長いプランジャエレメントの他の部分と比較して小さな断面の採用、又はそれらの組み合わせなどを組み込むことによって撓むことができる。代替的に、プランジャエレメントは、必要な弾性特性を有する材料選択によって且つ1以上の弱い部分の組み込みによって可撓性且つ撓み可能である。
【0212】
図3B及び
図3Cから視認できるように、複数のプランジャエレメント152は、それぞれアクチュエータの幅に沿って三日月と同様の弧形状又は弧状断面152aを有することができる。別の例では、各プランジャエレメント152は、断面に沿って概して平坦又は平面であってもよい。更に他の例では、各プランジャエレメント152は、長さ部分に沿って複数の異なる断面の外形又は輪郭を有する。例えば、細長いプランジャエレメントは、正方形の外形を有することができ、三日月形状の外形に隣接して配置される。
一実施形態では、2つのプランジャエレメント152のそれぞれの厚さは、十分に小さい又は薄いため、ニードルガード132及び2つのプランジャエレメント152は、十分な隙間を有し、カテーテルハブ102に対して物理的に拘束されることなくカテーテルハブ102の内部断面空間内に嵌合し、移動不能に又は固定される。一例では、2つのプランジャエレメント152のそれぞれの厚さ及びニードルガード132の幅は、カテーテルハブ102の内壁面に形成されるアンダーカット又はチャンネルを要求されないように、それらを収容する。プランジャエレメント152は弧状断面を有するときに、雄型先端部が作動端部315をバルブ136に押し当てることによって押されるときの大きな負荷に対して機械的に強くなることができる。これは、点滴装置のための薄くてコンパクトな設計を可能にし、雌ルアーテーパーの標準化された空間により多くの場所を与える。
【0213】
バルブ開口器150は、金属材料から又はプラスチック材料から又はその両方から作られる。金属材料から作られるとき、バルブ開口器150は、深絞り方法によって形成され、プランジャエレメント152の弧状断面は、雄ルアーによって押されるときに付加的に剛性を提供することができる。各プランジャエレメント152は、少なくとも2つの長手方向端部を備えることができ、リブは、1つ又は両方の長手方向端部に沿って設けられ、構造的剛性を更に付加する。1以上の溶接部は、金属アクチュエータのアセンブリを容易にするために使用されてもよい。1以上の間隙154は、任意の2つのプランジャエレメント152の間に設けられる。間隙154は、それらを横切って流れる流体流動、例えば静脈点滴中などのための隙間又は空間を設けられる。また、間隙154は、
図1に示されるように、ニードルガード132を収容し、ニードルを使用準備位置に収容するのにも利用される。
【0214】
バルブ開口器150の剛体部151は、外周部305を画定する外面と、キャビティ又は穴を画定する内面とを備えられる。一例では、外周部305は概して円筒形である。他の例では、外周部は、テーパーを有することができ、任意に表面特徴、例えば、バンプ又は溝部などを備えられる。内部に、本体部151は、穴部310及び穴部の各端部に開口部を備える。本体部151は、間隙又はスロットがない、又は間隙/スロットを備える連続表面を有することができ、流体流動を容易にする。
【0215】
遠位端又は作動端部315と外周部305との交差部は、鋭い端部又は鈍い端部、例えば、面取りなどを有することができる。一例では、作動端部は鈍い端部であり、後述するバルブ136に対して押し当てるための平面を有する。剛体部151の近位面上で、2つのプランジャエレメント152は、外周部305から外向きに延在することができ、肩部320を形成する。言い換えれば、外周部305は、第1の寸法の外径を有することができ、2つのプランジャエレメント152は、第1の寸法よりも大きい第2の寸法の外形を画定することができる。肩部320は、2つの異なる寸法の間に設けられる。
【0216】
図3B~
図3Dに示すように、1以上のバンプ330又は係合セクション又はセグメントは、脚延長部又はプランジャエレメント152に形成されてもよい。いくつかの例では、1以上のバンプ又は係合セクション330は、2つの脚延長部の間に間隙がある各脚延長部、例えば、各脚内面などに形成される。バンプは、安全クリップ又は先端プロテクタ132(図示せず)の1以上のアームと係合するのに適したサイズ及び形状であり、使用準備位置の間にカテーテルハブの内部キャビティから先端プロテクタが脱落するのを防ぐことができる。また、バンプ又は係合セクション330は、ニードルガードのアームの支持も提供できるため、アームは、使用準備位置のニードルから離間する。1以上のバンプ330は、先端プロテクタ132の2つのアームの端部、例えば、アームの遠位壁の端部などのための取り付け面として務めることができ、ニードルシャフトに対する代わりにそれらを載置する。これは、静脈穿刺に成功した後のニードルの後退中に、端部がバンプに載置されるときにニードルシャフトと2つのアームの端部との間に接触がないため、ニードルガードとニードルとの間の抗力を減少する補助ができる。また、バンプ又は係合セクション又はセグメントに載置されるとき、ニードルガードは、カテーテルハブの内部と接触することもでき、又はカテーテルハブの内部から離間することもできる。
【0217】
図示の実施形態では、対向する2つのプランジャエレメント152上に互いに対向する2対のバンプ330がある。各対のバンプは、プランジャエレメント152の近位端から異なる距離にあってもよく、対の一方のバンプは近位端に近く、対の一方のバンプは近位端から離れる。異なる距離は、バンプの各対と先端プロテクタ132の異なる長さのアームとの係合を可能にし、それは軸方向に互い違いになっている。例えば、各対のバンプが第1バンプ及び第2バンプを有することができる場合、2つの脚延長部上のそれぞれの第1バンプ330Aは、ニードルガードの一方のアームを支持でき、2つの脚延長部上のそれぞれの第2バンプ330Bは、ニードルガードの第2のアームを支持でき、2つのアームは異なる長さを有する。
【0218】
図3Dに示されるように、各プランジャエレメント152上の2つのバンプ330A、330Bは、各プランジャエレメントの内面の対角上、例えば異なる平面上などに形成され、先端プロテクタの上部アームと上部バンプとの係合及び先端プロテクタの下部アームと下部バンプとの係合を可能にする。
【0219】
図3Dは、先端プロテクタ132及びアクチュエータ150の断面図を示し、長いアーム290とバンプ330Aの第1セット(一方のみ図示)との係合及び先端プロテクタの短いアーム288とバンプ330Bの第2セット(一方のみ図示)との係合を示す。バンプの第1セット及びバンプの第2セットは、プランジャエレメント152に沿って軸方向に異なる距離にある。いくつかの例では、1つのみの第1バンプ330A及び1つの第2バンプ330Bが使用され、先端プロテクタの端部333(
図7)を支持する。2つの単一の第1バンプ及び第2バンプは、2つの脚延長部上に別個に、各脚延長部に1つ配置されるため、一方のバンプは、一方の脚延長部上にあり、他方のバンプは、他方の脚延長部上にある。
【0220】
一実施形態では、プランジャエレメント152の近位端は、外側突出部335を備えられる。
図5A及び
図5Bを参照して後述するように、外側突出部335は、カテーテルハブ102の(
図1)の内面上に形成されるアンダーカット又は溝部と係合でき、ハブキャビティの中にアクチュエータ150の位置を維持する補助をする。2つのプランジャエレメント152上の2つの外側突出部335は、平面325を有することができ、それはアクチュエータ150の長手方向軸と直交する。言い換えれば、外側突出部335は、タブを具現化することができ、それはプランジャエレメント152の半径方向に延在する。
【0221】
2つの外側突出部又は半径方向に延在するタブ335のそれぞれは、雄型医療器具のための物理的な障壁を提供することができ、押し当ててアクチュエータ150をバルブに対して前進させてバルブを開く。例えば、雄ルアー先端の遠位端は、タブ335の表面325に押し当てることができ、遠位方向にアクチュエータを前進させる。他の例では、外側突出部335は省略でき、タブ335を除いたプランジャエレメント152の断面が雄型医療器具によって接触されるように十分に大きい。組み込まれたとき、各外側突出部335は断面を有し、それは、対応するプランジャエレメントの断面よりも大きい。他の例では、各外側突出部は、プランジャエレメントの断面よりも小さい断面を有することができるが、プランジャエレメントの近位端に戦略的に配置され、作動中に雄型医療器具と接触させられる。任意に、1つのみの外側突出部335は、2つのプランジャエレメント152の一方に組み込まれ、アクチュエータをカテーテルハブの内面に角度を合わせて整列させるように働き、雄型医療器具の負荷を受ける。
【0222】
更に他の例では、2つのプランジャエレメント152上の外側突出部335は、カテーテルハブの内側の溝部の中を、溝部の近位肩部と遠位肩部との間を移動するように構成される。溝部は、カテーテルハブの内面内又は内面上に形成され、近位肩部及び遠位肩部を形成するアンダーカットとして見られ得る。カテーテルアセンブリの使用準備位置では、アクチュエータ上の外側突出部又は半径方向に延在するタブ335は、
図5Aを参照して後述するように、溝の近位肩部に当接することができるとともに、アクチュエータ150のノーズセクションは、バルブと接触でき、バルブ上の1以上のスリットが開くことなくアクチュエータとバルブとの積極的な係合を維持する。
【0223】
作動位置では、アクチュエータは雄型医療器具によってカテーテルハブの穴の中に遠位方向に前進させられ、外側突出部335は、2つの溝の遠位肩部と接触でき、2つの離間した溝部又は単一の連続した環状の溝部である場合、カテーテルハブの内側で溝部内の外側突出部335の遠位方向への移動の範囲を定める。後述するように、溝部の遠位肩部と接触するときに、2つのプランジャエレメント152は内側に撓むことができ、当接又は接触によって2つのプランジャエレメント152の曲げを援助する。一例では、2つのプランジャエレメントが作動中に撓むときに、それらはともに近づくように移動する。雄ルアー先端が2つのプランジャエレメント152から離れて後退させられるときに、2つのプランジャエレメントは、更に互いに離れるように移動できる。プランジャエレメント152の撓みは、溝部の表面から更に離れるように移動でき、アクチュエータが遠位方向に前進させられるときに抗力又は摩擦を最小にする。
【0224】
従って、本発明のバルブ開口器150は、2つのプランジャエレメント152の外側突出部又は半径方向タブ335上に当接する1以上の近位面325を有すると理解され、それらは、雄ルアー先端又はシリンジ先端によって押し当てられるのに適したサイズ及び形状であり、静脈穿刺が成功した後で前記先端がカテーテルハブ102の近位開口部に挿入されるときに、バルブ開口器150が遠位方向にバルブ136を開く。当接面325を有する外側突出部335は、半径方向に延在するタブと呼ばれてもよい。1以上の半径方向に延在するタブは、各プランジャエレメントから延長できる。2つのプランジャエレメント152が遠位方向に押されると、それらは、曲がる又は撓むことができる。一例では、ルアー先端によって遠位方向に押されるときに、2つのプランジャエレメント152は、撓み且つ互いに接近するように移動する。2つのプランジャエレメントの撓みは、2つの半径方向のタブをカテーテルハブの内面から離間させることができ、アクチュエータが雄ルアー先端によって遠位方向に前進させられるときに抗力又は摩擦を減少する。
【0225】
図4Aは、
図1のバルブ136の近位図を示し、バルブの近位面を見る。
図4Bは、同じバルブ136の遠位図を示し、バルブの遠位面を見る。
図4Cは、同じバルブ136の断面図を示す。
図4Dは、バルブ136の斜視側面図を示す。
図2及び
図3Cを再び参照すると、取り付けるときに、バルブ136は、カテーテルハブ102の内側に配置され、近位肩部及び遠位肩部を有する溝部124のすぐ遠位且つカテーテルチューブをカテーテルハブに固定するブッシング138のすぐ近位に配置される。いくつかの例では、バルブ136は、ブッシング138に接触できる。他の例では、バルブ136は、ブッシングから離間できる。内部の肩部は、カテーテルハブの内部キャビティの内側に設けられ、遠位変位からバルブを支持する。
【0226】
一例では、バルブ136は、カテーテルハブ内に収容するのに適したサイズの本体直径を有するバルブ本体402と、本体直径に対して直角に測定される厚さを有するバルブディスク50と、バルブディスクの厚さを通じて形成される2以上のフラップを画定する1以上のスリット405とを備える。例えば、1つ又は2つ又は3つのスリット405は、バルブの厚さを通じて備えられてもよく、2つから3つのフラップを画定する。図示の実施形態では、1つのスリット405は、バルブディスクの中心を通じて延在する。他の例では、それらは3つより多いスリット及び3つより多いフラップがあってもよい。
【0227】
図4A及び
図4Dを参照すると、バルブ136は、近位バルブセクション404及び遠位バルブセクション406とともに示されている。近位バルブセクション404は、円錐台状の表面410を有する穴408を備える。円錐台状の表面410は、使用準備位置で作動端部315とアクチュエータ150の剛体部151のノーズセクション161とが係合するように構成できる。いくつかの実施形態では、バルブの穴408の表面は、他の形状に形成されてもよく、作動体用の収容部、例えば、逆円筒形又は逆長方形又は立方体の箱などとして機能してもよい。穴部408の遠位端は、バルブディスク50によって境界を定められ又はブロックされ、それは、考えられる2以上のフラップを画定する2以上のスリットを備える1つのスリット405を有する。
【0228】
図4Bは、外面418を有する遠位バルブセクション406及び穴部422を画定する内面420を示す。遠位端縁部424は、内面と外面との間に備えられる。示されるように、穴部422は逆ドーム面415、例えば、凹曲面などを備え、バルブ136の遠位面上に形成される。ドーム面415は、ルアー先端がカテーテルハブ102の中に挿入されるときにバルブ136を折り畳むための空間を提供できる。後述するように、これは、バルブの中にアクチュエータを前進させるのに使用した雄型医療器具を除去した後でもバルブとアクチュエータとの係合を維持させることができる。
【0229】
従って、バルブ136は、遠位キャビティ又は遠位収容部415と、近位キャビティ又は近位収容部410と、を備えられる。遠位キャビティ415は、遠位収容部とも呼ばれ、ドーム形状又は表面を有することができる。近位キャビティ410は、近位収容部とも呼ばれ、逆円錐台形状の表面を有することができる。バルブディスク50は、2以上のフラップを画定する1以上のスリット405を備えられ、近位キャビティ410と遠位キャビティ415との間に配置できる。近位キャビティ410は、アクチュエータのノーズセクションを収容でき、遠位キャビティ415は、バルブディスクがアクチュエータのノーズセクションによって遠位方向に押されるときにバルブディスク50の2以上のフラップの伸張を収容できる。
【0230】
別の実施形態では、3つのスリットは、1つの点から始まり、略バルブディスク50の略中心点又は中央部から半径方向に延びることができ、三芒星と同様に、スリットに沿って偏向できる3つのフラップを形成する。
【0231】
バルブ136は外周部を備えることができ、それは、バルブ開口器150とブッシング138との間で、カテーテルハブの内部キャビティの中に浮かぶことができる。例えば、バルブ136の外周部は、カテーテルハブ102の内部キャビティ130内の近位方向及び遠位方向に移動することができ、カテーテルアセンブリの軸方向に沿ってカテーテルハブ、例えば、カテーテルハブの内側の肩部などによって拘束されることはない。一実施形態では、後述するように、アクチュエータの作動端部315の遠位縁部又は交差部の少なくとも一部又は全部は、バルブ136の外周部から凹むため、遠位縁部は、バルブディスクの近位側に面する壁面に当接又は接触でき、バルブディスク50を開く。
【0232】
特定の例では、
図2に示されるように、遠位バルブセクション406は、内部キャビティ130の遠位端でカテーテルハブ102の穴セクション146の中に挿入される。遠位バルブセクション406は、穴セクション146に圧入することができ、鈍い遠位端424は、ブッシング138と接触する。近位バルブセクション及び遠位バルブセクションと同様にバルブ136の近位バルブセクションと遠位バルブセクションとの間の交差部は、カテーテルハブ102の内部キャビティ130の中に形成される対応する肩部又は段付き表面164に対して収容でき、バルブをカテーテルハブ内で軸方向に固定し、バルブがカテーテルハブ内で軸方向に移動しないようにする。いくつかの例では、バルブの遠位端424は、ブッシングから離間することができる。
【0233】
上述のように、バルブ136は、カテーテルハブ102の単一のハブ本体102aの内側に位置決めされ、例えば、カテーテルハブ102の内部キャビティ内の内部肩部に対するバルブの前進などによる。言い換えると、バルブ136は、2以上のカテーテルハブ本体によって、例えば、2以上のハブ本体の継ぎ目などに沿って、カテーテルハブの内側に保持される必要はない。しかしながら、本明細書に記載の様々な構成要素は、本開示の範囲から逸脱することなく、マルチピースカテーテルハブとともに容易に使用できる。図示のように、バルブ136の外周部は、カテーテルハブの内径よりも大きいため、バルブ136は、圧入によってカテーテルハブの内側に保持できる。
【0234】
図5Aは、
図2と同様の図を示しているが、更にニードルの後退過程に沿ってニードル108が略完全にカテーテルハブ102から除去され、保護位置でニードルプロテクタ132がニードル先端110を覆う。
図3A~
図3C及び
図4A~
図4Cに加えて
図5Aを続けて参照すると、内部キャビティ130は溝部124を有し、それは、近位肩部172及び遠位肩部174を有する。溝部124は環状にすることができ、2つの脚延長部上の2つの外側突出部又は半径方向タブは、単一の環状溝部に配置することができる。溝部124は、カテーテルハブの内部にアンダーカットとして形成されてもよい。
【0235】
図5Aに示す位置であるが、作動前には、2つのプランジャエレメント152上の外側突出部335は、近位肩部172に接触し、アクチュエータ又は作動体150の近位方向への移動を制限する。いくつかの例では、外側突出部335は、近位肩部172から離間できる。作動体又はアクチュエータの遠位端で、作動端部315及び剛体部151のノーズセクション161は、近位バルブセクション404の穴部408の中に突出し、アクチュエータ150は、バルブ136との接触によって遠位方向への移動を停止する。一例では、少なくともアクチュエータ150の遠位端で、ノーズセクション161の外形及び穴部408は、同一又は概ね同一であり、例えば、円錐台形状及び逆円錐台形状を備え、サイズオンサイズの嵌合を提供する。他の例では、ノーズセクション161及び穴部408は、非類似の外形を有することができ、提供される少なくとも2つの構造の一部が作動前に使用準備位置で接触できる。
【0236】
一例では、ノーズセクション161及び作動端部315は、サイズオンサイズの嵌合で穴部408の内側に配置されている。別の例では、剛体部151の遠位部、例えば、ノーズセクション161などは、穴部408よりわずかに大きいため、剛体部151は、使用準備位置でバルブの穴部408の内部に予荷重する。しかしながら、様々な構成要素、例えば、バルブ、アクチュエータ、及び溝部などの荷重、サイズ、及び形状は選択できるため、アクチュエータが作動前にバルブディスクの1以上のスリットを開かない。言い換えれば、ニードルが図示のように後退すると、アクチュエータは雄ルアー先端によって作動せず、バルブが閉じられ、バルブの近位領域とバルブの遠位領域との間、又はその逆を通過する流体はなく、又は少なくとも十分な流体の流れはない。更に、アクチュエータ150と溝部124との間及びアクチュエータ150とバルブ136との接触関係は、ニードルの後退中又はカテーテルハブからニードルの完全な除去の後で、バルブの潜在的な近位方向への移動を制限する。
【0237】
図2の位置から
図5Aの位置への移行において、ニードル先端110は、先端プロテクタ132の弾性アーム288、290(
図7)の各端部に1つずつある2つの遠位壁300、302(
図7)の近位に移動する。代替的に、ニードルガード132は、1つの遠位壁及び/又は1つのアームを有することができる。2つの遠位壁それゆえ2つの弾性アームは、ニードル、例えば、ニードルガードの近位壁上の開口部を画定する周囲部を引っ張るニードルの外形又は襞の変化などによって近位方向に引かれ、2つのアーム288、290は、半径方向の外側に移動し、バルブ開口器150の2つのガード係合セクション又はバンプ330から係合解除する。代替的に、一方のアーム又は一方の遠位壁は、一方のガード係合セクション330から係合解除する。いくつかの例では、バンプは、傾斜面又はランプ部に備えられ、ニードル上の襞がニードルガードの近位壁を近位方向に引くような2つのアームの半径方向外側の移動を容易にする。
【0238】
ニードルが近位方向に移動し続け、ニードル上の外形変化部144が先端プロテクタ132の近位壁上の周囲部282(
図7)を引くと、先端プロテクタ132は、ニードルとともに近位方向に移動し、バンプ330から分離し、先端プロテクタ上の2つの遠位壁は、
図5Aに示される位置まで閉じ、ニードル先端を覆う。覆われたニードル先端が完全にカテーテルハブ102から除去されると、カテーテルハブは、輸液のため又はサンプリングのための雄型医療器具を受け入れる準備ができる。輸液のため又はサンプリングのための雄型医療器具の挿入前に、バルブは閉じ、バルブを横切る過度の漏れを防ぐ。
【0239】
代替的に、ニードルガードは、ニードルシャフトに襞なしで留められ、ユニットとしてカテーテルハブから除去できる。例えば、それぞれ開口部を有する2つの壁面を備えるニードルガードは、ニードルガードが作動されたときにニードルガードの壁面が傾斜するため、2つの壁面上の開口部がニードルシャフトの外側に対して留められるなど、ニードルとともに襞なしで使用できる。
【0240】
先端プロテクタ132がニードル先端110を覆う保護位置では、バルブ136は、カテーテルハブ102の内部キャビティ130の内側に留まることに留意すべきである。従って、バルブ136は、ニードルの準備位置とニードルの保護位置の両方でカテーテルハブ102の内側に配置される。別の観点から見ると、バルブ136は、ニードル先端がカテーテルチューブ104の遠位開口部112(
図1)から突出するカテーテルアセンブリ100の使用準備位置と、カテーテルハブ102からニードルが除去されたカテーテルアセンブリの保護位置の両方でカテーテルハブの内側に配置され、ニードル先端は、先端プロテクタによって覆われ、カテーテルハブの近位開口部は、静脈への点滴のため又はサンプリングのために露出される。
【0241】
図5Bは、
図5Aのカテーテルハブ102の505C-505C断面の断面図を示す。1以上のスロット510は、カテーテルハブ102の内面上に形成される。図示の実施形態では、1以上のスロットは、内部に沿って軸方向に形成され、
図1のアクチュエータ150の1以上の誘導アーム155と係合するように構成される。従って、それらは、直径方向に対向する2つのスロット510をカテーテルハブの内部キャビティの中に形成でき、アクチュエータ上の2つの誘導アーム155を受け入れ、アクチュエータが雄ルアー先端によって前進させられるように誘導アームを案内する。
【0242】
雄型ルアー先端によって係合されるとき、アクチュエータは、軸方向にスライドできるが、回転が制限される。一実施形態では、2つのスロット510は、カテーテルハブ102の対向する内面上に形成され、アクチュエータの2つの対向する誘導アーム又は案内アーム155と係合するように構成されている。他の実施形態は、1対又は3対以上の係合スロット及びアームを使用してもよく、カテーテルハブ102内のアクチュエータの回転を防ぐ。これにより、アクチュエータ150が軸方向に正しい方向に移動することを確実にし、ルアー先端がカテーテルハブ102の中に挿入されるときに
図1のバルブ136を作動させる。図示されるように、1以上のスロット510は、近位肩部172及び遠位肩部174を有する溝部124と交差する。
【0243】
ここで
図5Cを参照すると、カテーテルハブ102は、雄型医療器具220とともに概略的にのみ示され、それの近位開口部に配置されているが、完全に遠位方向のカテーテルハブの内部に前進せず、アクチュエータ150によって未だにバルブディスクの中にバルブディスクを開くように押し込まれていない。雄型医療器具220は、カテーテルハブの外側のねじ山と螺合するためのねじ付きカラーを有することができる。ねじ付きカラーは、雄型先端部に固定されるか又は雄型先端部に対して回転可能であってもよい。雄型医療器具又は器械220は、雄ルアー、シリンジ先端、静脈内セットコネクタ、又はルアーテーパーを有する他の雄型先端部であってもよい。例えば、雄型医療器具は、IVチューブに接続することができ、それは、雄型医療器具220と、カテーテルハブ102と、カテーテルチューブ104とを通じて流体送達のために静脈内流体源に接続され、輸液療法を患者に配給する。
【0244】
雄型医療器具220を、ここでは雄型先端部をカテーテルハブ102の近位開口部に最初に挿入するときに、雄型先端部は最初に、バルブ開口器150上の2つのプランジャエレメント152と接触し、遠位方向に前進して2つのプランジャエレメント152に付勢し、ノーズセクションの作動端部315を遠位方向前方のバルブ136の中に移動し、バルブを開く。各プランジャエレメント152の弧状断面は、カテーテルハブ102の内径よりも小さい直径を有することができ、前述のように、雄型医療器具220を押し当てるためのより大きく重なり合う接触面を提供する。またこれは、接線点でカテーテルハブの内壁と接触するように設計することもできる。この配置は、比較的薄いプランジャエレメントを、雄型先端部によって見逃されて雄型医療器具220とカテーテルハブ102の内壁との間に押し込まれることから回避できる。しかしながら、
図3A~
図3Cに示すように、アクチュエータ150の2つのプランジャエレメント152上の外側突出部335は、十分な近位面325を有し、それは、紛失又はずれを生じることなく雄ルアー先端によって当接するように構成されている。
【0245】
遠位方向に向けられた力は、バルブ開口器150を遠位方向に雄型先端部220の形状及びカテーテルハブの近位開口部が雄型先端部の更なる遠位方向への前進を止めるまで移動し、それは
図5Dに示される。一例では、カテーテルハブ102の雌ルアーテーパー及び雄型先端部220の雄ルアーテーパーは、カテーテルハブの開口部への雄型先端部の遠位への更なる前進を受け入れ及び阻止する。シールは、ルアーの係合によって提供され、流体がカテーテルハブの近位開口部から漏れ出るのを防ぐ。
【0246】
バルブ開口器150が雄型先端部220の遠位への前進によって遠位方向へ移動すると、アクチュエータの作動端部315は、遠位方向に付勢され、バルブ136のバルブディスク50の近位側表面に押し当てる。具体的には、バルブ開口器150の作動端部315は最初に、バルブディスク50の近位側表面を押し当てる。例えば、作動端部315は、バルブディスク50の近位側に面する壁面に接触して押し、バルブディスク50上のバルブスリット405、又は複数の場合のバルブスリットを開く。バルブ本体402は、軸方向に固定、例えば、遠位肩部又は段付き表面164に対して当接するなどしてカテーテルハブの内部キャビティ130の遠位穴セクション145内に備えられ、バルブディスク50のフラップのみがアクチュエータによって押されるときに遠位方向前方に撓みバルブを開く。いくつかの例では、バルブ本体の弾性又は剛性に応じて、バルブディスクは、アクチュエータのテーパー面とカテーテルハブの内壁面との間で圧縮し、流体流動のためのスリットを開く。
【0247】
バルブ136が開かれると、雄型先端部220からの流体は、カテーテルハブ102を通じ、バルブ136を通じ、及びカテーテルチューブ104の内腔を通じて流れることができる。
【0248】
代替的に、吸引力は雄型医療器具、例えば、シリンジ又は真空採血管などによって生成され、患者から血液を吸引できる。これは、注入療法が開始される前にサンプルをテストするために度々行われる。また、典型的には残留血液は、注入療法が開始される前に最初にカテーテルハブ102の内側から洗い流される。
【0249】
図5Eは、
図5Cのルアー先端が完全に挿入された後に除去された後の全開位置にあるバルブ136を示す。バルブ136は柔軟な材料、例えば、エラストマなどで作られ、それは、
図5Dに示すように、アクチュエータ150と、カテーテルハブの内面と、場合によってはブッシング138の一部との間で変形及び圧縮するように構成される。一実施形態では、アクチュエータ150は、ルアー先端が除去された後でも、遠位方向前方位置でバルブに取り付けられたままであるように構成される。例えば、アクチュエータ上の誘導アーム155は、カテーテル内部表面上のアンダーカット又は溝部(図示せず)と係合でき、アクチュエータ150を前方位置にロックする。他の例では、誘導アーム155は、カテーテルハブ内部表面に対する摩擦の付勢のためにアクチュエータを前方位置に保持する。更に別の例では、アクチュエータの剛体部のテーパーセクション161によって生成される圧縮力は、バルブの弾性特性によって生成される回復力よりも大きいので、バルブアクチュエータは、雄型先端部が除去された後でも、遠位前方位置に留まる。いくつかの例では、付勢部材、例えば、コイルバネ又は弾性リングなどは、バルブの遠位方向、例えば、ブッシングとバルブとの間などに配置されてもよく、フラップがそれらの圧縮されていない又は撓んでいない状態に戻るのを援助し、雄型医療器具又は器械の除去の後で1以上のスリットを閉じる。
【0250】
再び
図3A~
図3C、
図5C及び
図5Dを参照すると、雄ルアー先端がアクチュエータ150を遠位方向に前進させるときに、雄ルアー先端の遠位端面が2つの外側突出部335の近位面又は当接面325に対して押し当てる。一例では、近位面325は、アクチュエータの長手方向軸と直交しないので、雄ルアー先端の平面によって押されるときに、接触が2つの細長いエレメント152が引き起こし、それは、2つの外側突出部が取り付けられ、雄ルアー先端の平坦な遠位端が当接面325と同一平面に押し据えるまで半径方向内側に向けて互いに又は互いから外側に離れるように撓む。それらに対して代替的に又は付加的に、2つの外側突出部335がカテーテルハブの内部キャビティの内側の溝部124内で遠位方向前方に移動すると、2つの外側突出部335は、遠位肩部174と接触し、その幾何学形状は、2つの外側突出部に半径方向内側への撓みを引き起こし、それは、2つの細長いエレメントに互いに向かって半径方向内側への撓みを引き起こす。
【0251】
一例では、遠位変位中の2つの細長いエレメント152の互いに向けた半径方向内側への撓みにより、アクチュエータは、溝部124の近位肩部172と遠位肩部174との間で測定される長さよりも大きい軸方向距離を移動できる。言い換えると、撓みは、アクチュエータが遠位方向に移動するための隙間を提供する。2つの脚延長部又は細長いエレメント152上の外側突出部335と溝124の遠位肩部174との間の撓みは、アクチュエータ150、従って雄ルアー先端が、カテーテルハブレジスタの雄ルアー先端及び雌ルアー先端まで移動することを可能にする。従って、例え外側突出部335が2つのルアー表面の位置合わせ又は着座前に遠位肩部174に接触したとしても、雄ルアー先端は、細長いエレメント152が遠位肩部174に対して押されるときに半径方向内側に撓むことができるので、雌ルアー内に着座するまで遠位方向に前進し続けられる。
【0252】
雄ルアー先端を除去しても、アクチュエータ150はバルブに係合したままであり、バルブの1以上のスリットは、アクチュエータの作動端部によって開かれる一方、2つの細長いエレメント152は撓みをなくし、それらのより自然な状態に戻ることができる。その状態は、互いから離れる方向に移動することを含み、又は遠位肩部174又はカテーテルハブ内の他の表面によって拘束されている場合には内側に撓んだままであってもよい。更に他の例では、バルブは、十分な弾性を有することができ、バルブ開口器、例えば、バルブ開口器の作動端部などは、フラップが伸びるのを可能にし、流体流動からフラップを閉じるバルブによってバルブ開口器を近位方向に押すのに適したサイズ及び形状であってもよい。再度バルブを開くため、雄ルアー先端は、カテーテルハブに再度挿入することができ、バルブ開口器をバルブの中に前進させ、フラップを開く。
【0253】
従って、本開示の一態様は、バルブ本体を有するバルブ136を備えるカテーテルアセンブリを含み、バルブ本体のバルブ周囲は、段付き表面でカテーテルハブの穴セクション内に着座できると理解される。従って、単一に形成されたハブ本体102aを備えるカテーテルハブは、本カテーテルアセンブリとともに使用されてもよい。従って、カテーテルハブ102のサイズ、例えば、カテーテルハブの外形又は寸法などは、2部分ハブ本体を利用するものと比較して小さくできる。従って、それらが継ぎ目に沿って連結する2部分ハブ本体は縮小でき、比較的小さな外形を有するカテーテルアセンブリを提供する。
【0254】
本開示のなお更なる一態様は、バルブ136を開くためのバルブ開口器150を含むと理解される。バルブ開口器150は、他の構造体、例えば、ブッシング138又はカテーテルハブの内側の段付き表面に対してなどにバルブを押し当てるように構成される。バルブ開口器は、作動端部315を備えるノーズセクション161を有することができ、作動端部及び少なくともノーズセクションの一部は、作動前に、使用準備位置でバルブの穴部の中に配置される。アクチュエータのノーズセクション及びバルブの穴部は、サイズオンサイズの嵌合を有することができる。一例では、ノーズセクションは円錐台形状を有し、バルブの穴部は逆円錐台形状の表面を有する。
【0255】
本開示のなお更なる一態様において、アクチュエータは、1以上の細長いエレメント、例えば、2以上の細長いエレメントなどを備え、ノーズセクションに対して近位方向に延在する。例えば、2つの細長いエレメントは、アクチュエータの本体セクションから延在でき、それぞれ本体セクションに取り付けられた固定端及び独立して撓み又は移動できる自由端を有することができる。2つの自由端のそれぞれは、バルブの作動中に雄型医療器具によって作動されるときに半径方向内側に撓むことができる。また、2つの細長いエレメントのそれぞれは、先端プロテクタ又はニードルガードと係合するように構成されたバンプを有することができる。
【0256】
アクチュエータの本体セクションは、2つの開口端を有する穴部を画定する表面を有することができる。表面は連続的であってもよく、又は流路を画定するためのスロット又は溝部を有してもよい。アクチュエータの本体セクションは、第1の寸法を有する外径を有することができ、2つの細長い脚部は、第2の寸法を有する外形又は外径を画定することができ、第2の寸法は第1の寸法より大きい。
【0257】
1以上の誘導アームは、アクチュエータの本体セクションから半径方向に延在できる。各誘導アームは、カテーテルハブの内部キャビティの内側に形成される対応するスロット内に着座できる。スロットは、角度を合わせてアクチュエータを整列させられるので、アクチュエータが回転しない。
【0258】
本開示のなお更なる態様において、カテーテルアセンブリは、バルブ、バルブ開口器、ニードルを有するニードルハブ、及びカテーテルチューブを有するカテーテルハブを備え、提供される。バルブアセンブリは、ニードル保護位置でニードル先端をブロックするための先端プロテクタを更に備えられる。静脈穿刺が成功した後、雄型先端部、例えば、雄ルアーなどは、カテーテルハブの近位開口部に挿入することができ、バルブ開口器を遠位方向に前進させ、バルブを開く。バルブ、バルブ開口器、ニードルハブ、及び先端プロテクタは、本明細書の他の箇所に開示されている構造的特徴を有することができる。例えば、アクチュエータは、2つの脚延長部を有することができ、2つの脚延長部は、雄型医療器具によって一方向に押されるときに半径方向に曲がることができる。
【0259】
図6Aは、
図2のブッシング138の側面図を示し、
図6Bは、同じブッシングの斜視近位図を示す。ブッシング138は、第1の本体セクション192及び円錐形状を有する第1の本体セクション192から延びる第2の本体部分194を備える。第1の本体セクション192は、細長い本体を有することができ、それは、任意にテーパー状の遠位先端又はノーズセクションを備える円筒形状を有することができる。ブッシング138は通路605を画定し、ニードルが通過する。バルブ136(図示せず)は、第2の本体セクション194の近位端に隣接して配置することができ、直接的に第2の本体セクション194の近位端及び/又は内面610に当接できる。いくつかの実施形態では、少なくともカテーテルアセンブリ100が使用準備位置にある間は、バルブ136と第2の本体セクションの近位端又は近位内面610との間に小さな空間があってもよい。
【0260】
図7は、
図1のニードルガード132の等角背面図である。ニードルガード132は、単なる例示であり、
図7に示される正確なニードルガードの代わりに他の又は異なる特徴を有するニードルガード132を使用できる。本実施形態では、ニードルガード132は、開口部284を画定する周囲部282を有する近位壁280を備える。近位壁280は、近位方向に面する壁面286及び近位方向に面する壁面と対向する遠位方向に面する壁面を有する。少なくとも、1つの弾性アーム288は、近位壁280の遠位方向に延在する。図示のように、2つの弾性アーム288、290は、近位壁の遠位方向に延在する。一方のアームは、他のアームよりも長くできる。また、各アームは、異なるアーム幅を有してもよく、第1の幅の第1のアームセクション292及び第2の幅の第2のアームセクション294を備え、それは、第1の幅よりも小さい。2つのアームは、近位壁280の異なる端部から始まってもよく、それらのそれぞれの第2のアームセクション294で互いに交差できる。従って、ニードルガード132の長手方向に沿った側面から見たときに、2つのアームは互いに交差できる。ニードルとともに使用されるときに、2つのアーム288、290は、使用準備位置にあるとき及び保護位置にあるときに互いに交差する。代替の実施形態では、2つのアーム288、290は、近位壁280の異なる端部から始まることができ、互いに交差することなく遠位方向に延在できる。従って、2つのアーム288、290は、それぞれのアームの長さに沿って本質的に同じアーム幅を有することができる。
【0261】
遠位壁300、302は、各アーム288、290の端部に備えられている。遠位壁300、302は、異なるアーム長を利用すること及び/又は遠位壁と弾性アームとの間の交差部304で壁の1つを斜めにすることによってニードルガードの軸方向に沿って互いに重なり合うことができる。また、各アームの交差部304は肘部とも呼ばれる。例えば、2つのアームが利用される場合、各アームの交差部304は、カテーテルハブの内部と係合でき、ニードル108をカテーテルハブ102から除去する移行プロセス中に準備位置でカテーテルハブ内のニードルガードを取り外し可能に固定する。代替的に、1つ又は2つの肘部304は、半径方向外側に付勢され、カテーテルハブの内側のリング又はカテーテルハブと接触又は係合する。上述のように、2つの遠位壁300、302の端部333は、使用準備位置で任意にアクチュエータ150上に形成されるバンプ330上に載置され、遠位壁300、302又はアーム288、290は使用準備位置でカテーテルハブと係合することはない。アームを1以上のバンプ330に載置することによって、ニードルガードとニードルとの間の抗力を除去又は減少できる。図示のようにニードルガード132は、ガードを形成するために打ち抜かれた金属シートから折り曲げられてもよい。リブはアーム、近位壁及び/又は遠位壁に形成されてもよく、構造的な剛性を高める。
【0262】
図8A~
図8Gは、アクチュエータの様々な実施形態を示す。本明細書に記載のバンプは、1つのプランジャエレメント又は複数のプランジャエレメントと一体的に形成でき、又は別個に形成し、その後1つ又は複数のプランジャエレメントに追加できる。アクチュエータのプランジャエレメントはそれぞれ、雄型医療器具によって接触するために適したサイズ及び形状の表面を備える外側突出部又は半径方向のタブを備えられる。
【0263】
図8Aは、対向するプランジャエレメント上に形成される2対のバンプを有するアクチュエータの実施形態を示す。各対のバンプは、第1のバンプ及び第2のバンプを備えられる。2つのバンプは、異なる平面又は高さに沿って配置され、ニードルガードの2つの異なるアーム上の2つの異なる端部を支持するための2つの異なる表面を画定する。例えば、2対のそれぞれから1つずつの、2つのバンプは、ニードルガードの一方の遠位壁の端部333を支持でき、他の2つのバンプは、他方の遠位壁の端部333を支持できる。ニードルガードの第1のアームを支持するための2つのバンプは、ニードルガードの第2のアームを支持するための2つのバンプよりも更に近位方向に配置することができる。
【0264】
図8Bは、アクチュエータの一実施形態を示し、対向するプランジャエレメントの交互の側面に単一のバンプを有し、軸方向に互い違いである。第1のプランジャエレメント上の一方のバンプは、遠位壁の一方の端部333を支持でき、第2のプランジャエレメント上の他方のバンプは、第2の遠位壁の他方の端部333を支持できるため、各プランジャエレメントに1つある、2つのバンプは、2つの遠位壁の2つの端部を支持するように構成される。
【0265】
図8Cは、アクチュエータの一実施形態を示し、2つのプランジャエレメントを備え、2つのバンプ、例えば、1対のバンプなどを1つのプランジャエレメント上に有し、アクチュエータの反対側のプランジャエレメント上にはバンプがない。1つのみのプランジャエレメント上の1対のバンプは、2つの異なる平面又は水平面上に置かれ又は配置されるため、1対のバンプの各バンプは、2つの端部を備える2つの遠位壁を有するニードルガードの異なる端部333を支持できる。動作時には、先端プロテクタのアームは、1対のバンプを有するアクチュエータの片側のみ、例えば、1つのプランジャエレメントのみなどと係合することになる。1つのバンプは、遠位壁の一方の端部333を支持できるため、一方のプランジャエレメント上の2つのバンプは、ニードルガードの2つの遠位壁の2つの端部(各遠位壁上の1つの端部)を支持するように構成される。
【0266】
図8Dは、アクチュエータの一実施形態を示し、対向する各プランジャエレメント上に斜めに延在する単一の中実のバンプを有する。単一のバンプは、プランジャエレメントを概ね横切って延在できるため、各プランジャエレメント上の単一のバンプは、第1のアーム及び第2のアームの2つの遠位壁の両方の端部と係合でき、2つの遠位壁の2つの端部のそれぞれは、各プランジャエレメント上の同じバンプと接触する。言い換えれば、中心線が各単一のバンプを通じて引くことができる場合、中心線は傾斜するため、2つのバンプの中心線の第1の端部は、ニードルガードの1つのアームの一端を支持し、2つのバンプの中心線の第2の端部は、ニードルガードの他方のアームの他端を支持する。
【0267】
図8Eは、一方のプランジャエレメント上に斜めに延びる単一の中実バンプを有し、反対側のプランジャエレメント上にはバンプがないアクチュエータの実施形態を示す。
図8Eのバンプは、
図8のバンプと同様である。 ただし、一方のプランジャエレメントはバンプを利用していない。
【0268】
図8Fは、アクチュエータの一実施形態を示し、それは、本明細書の他の箇所に記載されているアクチュエータエレメントのいずれかを表すことができるが、各脚延長部が延長プランジャエレメント又はプランジャ延長部を有する。各プランジャエレメントに1つある、2つの延長プランジャエレメントは、アクチュエータの全長を延ばすことができる。従って、本アクチュエータエレメントは、より長いカテーテルハブにより適している。図示のように、プランジャ延長部は棒又は多角形の長さを有することができ、各プランジャエレメント上に設けられ、各プランジャエレメントの全長を延ばす。
【0269】
図8Gは、アクチュエータの一実施形態を示し、それは、本明細書の他の箇所に記載されているアクチュエータ要素のいずれかを表すことができるが、各脚延長部が拡張されたプランジャエレメント又はプランジャ延長部を有し、各プランジャ延長部は、追加の突出部を有するアクチュエータ実施形態を示す。各プランジャ延長部は、2つの半径方向の延長部又は突出部を備える近位端を有することができ、プランジャ延長部の端部の表面積を増大する。従って、2つのプランジャ延長部は、各プランジャ延長部上に2つある、4つの半径方向の延長部を有することができ、カテーテルハブに挿入される様々なルアー先端と係合し、アクチュエータを前進させる。
【0270】
また、
図8F及び
図8Gのアクチュエータは、各細長いエレメントの外面及び各細長いエレメントの内面に形成された外部バンプも備えられる。外部バンプは、カテーテルハブの内側の溝部の近位肩部及び遠位肩部との接触に適したサイズ及び形状であってもよい。本明細書に記載の様々なバルブアクチュエータ、従って各バルブアクチュエータ上の1以上のプランジャエレメントの全長は選択され得るため、カテーテルハブの雌ルアーへの雄ルアー先端の挿入は、バルブアクチュエータの近位端に対して押し当てるのに十分であり、バルブアクチュエータをバルブの中に近位方向に移動させ、流体流動のためにバルブの1以上のフラップを開く。
【0271】
図9A~
図9Dは、カテーテルハブ及びアクチュエータの代替実施形態を示す。
図9Aは、内面に形成された1以上のリブ905を有するカテーテルハブ900を示す。
図9B~
図9Dは、1以上のスロット920及び1以上のプランジャエレメント930上に形成される1以上のアンダーカット925を有するアクチュエータの一実施形態の側面図、平面図、及び近位図をそれぞれ示す。カテーテルハブ900のリブ905は、アクチュエータ918上に形成されるスロット920と係合するために構成され、回転防止機構を提供し、それは、アクチュエータの回転を減少又は除去する。空隙910は、カテーテルハブ900の内面上に形成され、ニードルプロテクタの着座を援助する。バンプ915は、アクチュエータ918上のアンダーカット925と係合でき、アクチュエータを特定の場所に保持するのを援助する。
【0272】
図9E~
図9Gは、
図9B~
図9Dのアクチュエータと同様のアクチュエータの他の実施形態を示すが、ルアー先端と係合するためのより大きい表面積を有する比較的広いプランジャエレメントを有する。いくつかの実施形態では、プランジャエレメントの長さは、延長又は短縮され、様々な長さのカテーテルハブを収容する。
【0273】
本明細書の他の箇所に記載されているカテーテルアセンブリ及びそれらの構成要素を製造および使用する方法は、本開示の範囲内である。
【0274】
カテーテルアセンブリ及びそれらの構成要素の限定された実施形態が本明細書において具体的に説明され例示されてきたが、多くの修正形態及び変形形態が当業者には明らかであろう。例えば、ニードルガードは1つの部品からなるものでもよく、又は複数の部品からのように1つより多い部品から一体化されてもよい。更に、1つのカテーテルアセンブリ又は1つの構成要素について具体的に論じられた特徴は、機能が両立するならば、他のカテーテルアセンブリ又は他の構成要素との包含のために採用されてもよいことが理解され且つ考えられる。従って、開示された装置、システム、及び方法の原理に従って構築されたカテーテルアセンブリ及びそれらの構成要素は、本明細書で具体的に説明されたもの以外にも具現化され得ることを理解されたい。本明細書に記載のバルブ及びバルブ開口器は、それらをニードルハブの雌ルアーテーパーの内側に配置することによってニードルハブとともに使用することもできる。またバルブ及びバルブ開口器は、注入針又は採血装置又は中心静脈カテーテル又は末梢穿刺中心静脈カテーテル(PICC)のメスコネクタにも使用できる。言い換えれば、バルブ及びバルブ開口器は、雌ルアーハウジング又はハブを備える点滴又は体液収集を目的とする任意の医療機器で使用できる。本開示は特許請求の範囲にも規定されている。