IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エッペンドルフ アクチェンゲゼルシャフトの特許一覧

<>
  • 特許-ガス状物質の濃度を測定する測定装置 図1
  • 特許-ガス状物質の濃度を測定する測定装置 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】ガス状物質の濃度を測定する測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/3504 20140101AFI20220928BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
G01N21/3504
C12M1/00 C
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019531169
(86)(22)【出願日】2017-12-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-16
(86)【国際出願番号】 EP2017082075
(87)【国際公開番号】W WO2018104529
(87)【国際公開日】2018-06-14
【審査請求日】2020-04-27
(31)【優先権主張番号】16203297.3
(32)【優先日】2016-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501186645
【氏名又は名称】エッペンドルフ・ソシエタス・エウロパエア
【氏名又は名称原語表記】Eppendorf SE
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ アーベル
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス グラフ
【審査官】小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-201101(JP,A)
【文献】特表2014-509383(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第10220668(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0211902(US,A1)
【文献】特表2002-510046(JP,A)
【文献】米国特許第5792427(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00 - G01N 21/01
G01N 21/17 - G01N 21/61
C12M 1/00 - C12M 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバ(7)内の光吸収ガス状物質の濃度を測定する測定装置(1)であって、該測定装置は、
-光源(2)と、
-光センサ(3)と、
-少なくとも1つの第1ハウジング部材(5)を備えるハウジング(4)と、を備え、
前記光源(2)から前記光センサ(3)まで、前記チャンバ(7)のガス状内容物を交換するために、前記チャンバ(7)に連通可能に接続可能である前記ハウジング(4)内の測定領域(6)を通過する直線状の光路が形成され、
前記光源(2)は、前記測定領域(6)を通過する間にが少なくとも部分的に吸収され、前記ガス状内容物中の前記ガス状物質の濃度に依存するようにスペクトル分布を有する光を放射するように構成され、
前記光センサ(3)は、前記第1ハウジング部材(5)内及び前記測定領域(6)の外側に少なくとも部分的に配置され、前記測定領域(6)を通過した後に前記光源(2)によって放射された光を受光するように構成され、
前記第1ハウジング部材(5)は、熱遮蔽領域(8)を備え、前記熱遮蔽領域(8)は、その一方の側で前記測定領域(6)の一部に面するか又はその一部を形成し、かつ、その他方の側(8’)で前記光センサ(3)に面しており、
前記熱遮蔽領域(8)は、前記光路に沿ってその一方の側から他方の側(8’)への光の通過を可能にするように構成された、測定装置において、
前記ハウジング(4)は少なくとも1つの第2ハウジング部材(10)を備え、
前記少なくとも1つの第1ハウジング部材(5)は、前記第2ハウジング部材(10)内に少なくとも部分的に配置されて、
ガスケット(10’’)は、前記測定装置が前記チャンバに取り付けられたときに前記測定装置(1)と前記チャンバ(7)との間の接続領域を封止するように前記第2ハウジング部材(10)の周囲に配置され、
前記第1ハウジング部材は、前記光センサを接続するための基部(5b)と、前記光源を保持するためのホルダ部(5a)とを有し、前記ホルダ部(5a)は、前記第2ハウジング部材(10)に挿入され、かつ前記チャンバ(7)の内側に配置され得る、測定装置(1)。
【請求項2】
前記熱遮蔽領域(8)は管状の内部形状を有する、請求項1に記載の測定装置(1)。
【請求項3】
前記熱遮蔽領域(8)の前記内部形状は細長く、前記光センサ(3)の所望の熱遮蔽をもたらすのにその幅に対して充分に長く、
前記熱遮蔽領域(8)の前記内部形状の長さは、少なくとも10mm、及び100mm未満の長さである、請求項2に記載の測定装置(1)。
【請求項4】
少なくとも本質的に気密の窓(9)が前記熱遮蔽領域(8)内及び前記光路内に配置されて、
前記窓(9)は前記測定領域(6)を前記光センサ(3)から分離し、
前記窓(9)は、前記ガス状物質によって吸収される波長を有する光の前記光センサ(3)への通過を可能にし、かつ、
前記熱遮蔽領域(8)の前記光センサ(3)に面する前記側(8’)と協働して、前記チャンバ(7)又は前記測定領域(6)から前記光センサ(3)へのガスの通過を防ぐように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の測定装置(1)。
【請求項5】
前記光源(2)は少なくとも2つの異なる波長を備える光を放射するように構成され、
少なくとも2つの波長のうちの一方の光は前記ガス状物質によって吸収され、一方、前記少なくとも2つの波長のうちの他方の光は吸収されず、
前記光センサ(3)は、前記少なくとも2つの異なる波長を受信し、前記少なくとも2つの異なる波長の各々について光強度を特徴付ける信号、すなわち測定信号と基準信号とを提供するように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の測定装置(1)。
【請求項6】
前記光源(2)から前記光センサ(3)への前記測定領域(6)を通過しない基準光路が形成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の測定装置(1)。
【請求項7】
前記光センサ(3)が、
前記ガス状物質によって吸収される波長を有する光の通過を可能にする少なくとも1つの第1光学フィルタ素子と、
前記ガス状物質によって吸収される波長を有する光をフィルタリングする少なくとも1つの第2光学フィルタ素子と、を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の測定装置(1)。
【請求項8】
前記光センサ(3)が、ィルタリングされた光を、フィルタリングされていない光の光強度を特徴付ける信号として機能する電気エネルギーに変換するためのサーモパイル(3’)を備える、請求項に記載の測定装置(1)。
【請求項9】
前記光源(2)が、前記光を放射するための加熱可能な本体(2’)を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の測定装置(1)。
【請求項10】
前記第1ハウジング部材(5)が、低熱伝導率を有する材料で作られている、請求項1から9のいずれか一項に記載の測定装置(1)。
【請求項11】
記少なくとも1つの第1ハウジング部材(5)及び前記少なくとも1つの第2ハウジング部材(10)には、各々、前記チャンバ(7)から前記測定領域(6)への前記ガス状内容物の通過を可能にし、その逆も同様である1つ以上の穴(5’、10’)が設けられ、
前記少なくとも1つの第1及び/又は第2ハウジング部材(5、10)は、前記光路又は前記基準光路に沿った方向の前記測定領域(6)への光の進入を防止するように構成される、請求項に記載の測定装置(1)。
【請求項12】
培養器であって、
チャンバ(7)と、
請求項1から11のいずれか一項に記載の光吸収ガス状物質の濃度を測定する少なくとも1つの測定装置(1)と、を備え、
前記チャンバ(7)は、細胞培養のために制御環境を提供するために、前記ガス状物質を含み得るガス状内容物を含むように構成され、
前記少なくとも1つの測定装置(1)の前記測定領域(6)は前記培養器の前記チャンバ(7)に連通可能に接続されて前記ガス状内容物の交換を可能にする、培養器。
【請求項13】
請求項12に記載の培養器であって、
前部ドアと、
前記前部ドアの反対側の後壁(7’)と、
1つ以上のガス入口と、を備え、前記ガス入口のうちの1つは、前記ガス状物質を前記チャンバ(7)内に供給するように構成され、
前記後壁(7’)は取り付け穴を備え、
前記少なくとも1つの測定装置(1)は、前記後壁(7’)の前記取り付け穴を通って延び、
前記取り付け穴と前記ガス入口との間の最小距離が前記後壁の対角線長の少なくとも4分の1、好ましくはその少なくとも3分の1、より好ましくは少なくともその半分、又は前記後壁の幅の少なくとも半分、好ましくはその3分の2、さらに好ましくはその3/4となるように前記取り付け穴及び前記ガス入口を配置する、培養器。
【請求項14】
養器の製造方法であって、
前記培養器は、
チャンバ(7)と、
請求項1から11のいずれか一項に記載の光吸収ガス状物質の濃度を測定する少なくとも1つの測定装置(1)と、を備え、
前記チャンバ(7)は、細胞培養のために制御環境を提供するために、前記ガス状物質を含み得るガス状内容物を含むように構成され、
前記少なくとも1つの測定装置(1)の前記測定領域(6)は前記培養器の前記チャンバ(7)に連通可能に接続されて前記ガス状内容物の交換を可能にし、
加熱によって、高温消毒モードによって消毒可能であり、前記培養器内の二酸化炭素濃度を測定するために前記培養器のガス状内容物中の光吸収ガス状物質の濃度を測定するように構成され、
記製造方法は、
-培養器に少なくとも一つの取り付け穴を提供するステップであって、前記培養器は、前記ガス状内容物を収容するためのチャンバ(7)を備える、提供するステップと、
-前記取り付け穴に測定装置(1)を取り付けるステップと、を含み、
前記測定装置(1)は、下のステップ:
-前記測定装置(1)のハウジング(4)に少なくとも1つの第1ハウジング部材(5)と少なくとも1つの第2ハウジング部材(10)を提供するステップと、
-前記光が少なくとも部分的に吸収され前記ガス状物質の濃度に依存するように、スペクトル分布を有する光を放射する光源(2)を提供するステップと、
-前記光源(2)によって放射された光を受光する光センサ(3)を提供するステップと、
-前記ハウジング(4)内に測定領域(6)を形成するステップと、
-前記チャンバ(7)の前記ガス状内容物を交換するために、前記測定領域(6)を前記チャンバ(7)に連通可能に接続するステップと、
-前記光源(2)を前記ハウジング(4)内に配置し、前記光センサ(3)を、少なくとも部分的に前記第1ハウジング部材(5)内で前記測定領域(6)の外側に配置し、前記光源(2)から前記光センサ(3)への光路を形成するようにするステップであって、前記光源(2)によって放射された光は、前記光センサ(3)によって受光される前に前記測定領域(6)を通過する、ステップと、
-熱遮蔽領域(8)を提供するように、前記第1ハウジング部材(5)の少なくとも一部を、構成するステップであって、前記熱遮蔽領域(8)は、その一方の側で前記測定領域(6)の一部に面するか又はその一部を形成し、かつ、その他方の側で前記光センサ(3)に面しており、前記第1ハウジング部材(5)は、前記光路に沿って前記熱遮蔽領域(8)を通る光の通過を可能にするように形成され、前記測定領域(6)から前記光センサ(3)へ、前記光路に沿って輸送される熱の量を制限するように形成される、ステップと、
-前記少なくとも1つの第1ハウジング部材(5)を少なくとも部分的に前記第2ハウジング部材(10)内に配置するステップと、
-前記測定装置が前記チャンバに取り付けられたときに前記測定装置(1)と前記チャンバ(7)との間の接続領域を封止するように、前記第2ハウジング部材(10)の周囲に配置されたガスケット(10’)を提供するステップと、
によって提供される、培養器の製造方法。
【請求項15】
培養器を操作する方法であって、
請求項13に記載の培養器を提供することを含み、
前記方法は、さらに、以下のステップ:
-前記測定装置(1)によって前記培養器の前記ガス状内容物中のガス状物質の濃度を測定するステップであって、前記測定装置(1)は、前記ガス状物質に感応する、測定するステップと、
-前記培養器の内部を所定の温度に加熱することによって前記培養器を消毒するステップであって、これは、所定の及び/又は充分な期間にわたって、前記培養器の内部を消毒及び好ましくは滅菌するのに充分であり、前記測定装置(1)は、前記培養器の内部に連通可能に接続され、消毒中に前記取り付け穴に取り付けられ、前記光センサ(3)は、前記熱遮蔽領域(8)によって、潜在的に前記光センサ(3)に損傷を与える熱、したがって温度から保護されている、消毒するステップと、
のうちの1つ以上を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス状物質の濃度を測定する測定装置の分野、そのような培養器に含まれるガス状内容物中のガス状物質の濃度を測定するそのような測定装置を備える培養器の分野、及びそのような培養器を製造又は操作する方法に関する。具体的には、本発明は消毒可能な培養器に関する。
【背景技術】
【0002】
そのような培養器は、典型的には、細胞培養物又は微生物培養物を増殖させ、培養し、維持し、そして処理するために生物学又はバイオテクノロジーにおいて使用される。この目的のために、そのような培養器は、細胞培養物又は微生物培養物を入れることができるガス状内容物、典型的には空気で満たされた制御環境を有するチャンバを提供する。特に、チャンバ内の温度、湿度、及び/又は二酸化炭素濃度は、そのような培養器によって制御される。
【0003】
具体的には、二酸化炭素濃度は、チャンバ内に延びる二酸化炭素測定装置によって測定され、特に前記チャンバ内のガス状内容物に二酸化炭素を添加することによって制御され、細胞培養容器中で培養した前記細胞培養物又は微生物培養物の培地のpH値を制御できるようにする。概して、前記チャンバ内の高湿度は培地の乾燥を防ぎ、そして所定の温度は高湿度と共に細胞培養容器中で細胞培養物又は微生物培養物を増殖させるのに適した環境を提供する。
【0004】
しかし、望ましくない、あるいは有害な細胞、微生物、細菌、真菌、藻類及び同種のものも、そのような環境、特にチャンバの壁又は培養器チャンバに含まれる水浴中で繁栄する可能性がある。したがって、そのような培養器、特にそのような培養器のチャンバを清潔に保ち、さらに内部、特に培養器のチャンバを消毒、好ましくは滅菌することが必要である。概して、消毒は一定期間の経過後又は感染時に定期的に行われる。
【0005】
典型的には、そのような培養器は内部を加熱することによって消毒される。測定装置、特に前記二酸化炭素測定装置は内部と接触しており、特に前記チャンバ内に延びているので、それらは培養器の消毒に必要な熱にもさらされる。したがって、前記測定装置は、それらを損傷することを避けるためにそのような消毒手順を開始する前に取り外されなければならないか、又は要求される温度で動作するか、少なくともその温度に耐えることができる洗練された高価な測定装置が使用されなければならない。
【0006】
培養器内の二酸化炭素濃度を高温でも測定する測定システムは、Baschantらによる特許文献1(独国特許出願公開第102010055182(A1)号明細書)に開示されている。放射線源及び少なくとも2つ、好ましくは3つの放射線検出器は、放射線源から放射された放射線が測定容積及び測定容積よりも小さい直径を有するチャネルを通過した後に前記検出器によって受け取り可能であるように配置される。各検出器は、光源の反対側を向いているそのチャネルの端に配置されている。チャネルの他端は前記測定容積に面している。前記検出器は取り付けられており、前記チャネルは測定システムの蓋片に形成されている。このようにして、前記検出器への散乱光の入射は事実上排除される。しかしながら、前記蓋片は、高熱伝導率を有し、それ故それ以上冷却せずに検出器を熱的に遮蔽するのには適していないアルミニウム製であることが好ましい。
【0007】
培養器と測定システム又は測定装置との間の温度差は、望ましくない結露をもたらす可能性がある。結露を防止するために、特許文献2(特許第3897336号公報)は、撥水性及び呼吸性を有し、電気加熱素子を封入する保護シリンダーならびに赤外線タイプの二酸化炭素センサを有する測定装置を開示している。
【0008】
特許文献3(米国特許出願公開第2004/211902(A1)号明細書)には、放射線経路に配置された放射線検出器と共に測定されるべきガスに関して気密に封止されたハウジング内に配置された放射線源を備える、赤外線吸収によってガス濃度を判定する測定装置が記載されている。赤外線透過窓が、放射線源と放射線検出器との間の放射線経路に配置されている。前記窓は、測定されるべきガスに関してハウジングの内側を封止する。この文献は、培養器と一緒に測定装置を使用することに関する詳細、又は培養器に測定装置をどのように設置又は取り付けることができるかに関する詳細については記載していない。これは、特許文献4(独国特許出願公開第10220668(A1)号明細書)にも当てはまり、それは、測定チャンバを備えるガスセンサに関するものであり、測定チャンバは、ガスの出入り口のほかに閉じた壁からなる別個のユニットである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】独国特許出願公開第102010055182(A1)号明細書
【文献】特許第3897336号公報
【文献】米国特許出願公開第2004/211902(A1)号明細書
【文献】独国特許出願公開第10220668(A1)号明細書
【発明の概要】
【0010】
本発明の目的は、チャンバ内のガス状物質の濃度を測定する測定装置を提供することであり、これは特に前記チャンバの消毒手順を容易にし、及び/又は特に操作性と信頼性に関してそのような測定装置を備えた培養器を改良することができる。
【0011】
この問題に対する解決策は、独立請求項の教示、特に請求項1に記載の測定装置、請求項12に記載の培養器、請求項14に記載の培養器の製造方法、及び請求項15に記載の培養器の操作方法によって提供される。本発明の様々な好ましい実施形態は、従属請求項の教示によって特に提供される。
【0012】
本発明の第1態様は、チャンバ内の光吸収ガス状物質の濃度を測定する測定装置に関する。測定装置は、光源、光センサ、及び好ましくは低熱伝導率を有する少なくとも1つの第1ハウジング部材を備えるハウジングを備える。さらに、前記光源から前記光センサへの光路が形成され、光路は前記ハウジング内の測定領域を通過し、前記チャンバのガス状内容物が前記測定領域と交換可能であり、特に前記測定領域に流れ得るように、ハウジングは前記チャンバに連通可能に接続可能である。加えて、光源は、前記光が少なくとも部分的に吸収され、前記ガス状内容物中の前記ガス状物質の濃度に依存するようなスペクトル分布を有する光を放射するように構成される。さらに、光センサは、少なくとも部分的に前記第1ハウジング部材内及び前記測定領域の外側に配置されている。さらに、前記光センサは、光源から放射された光を測定領域を通過した後に受光するように構成されている。加えて、第1ハウジング部材は、その一方の側で前記測定領域の一部に面するか又はその一部を形成し、その他方の側で前記光センサに面する熱遮蔽領域を備える。熱遮蔽領域は、前記光路に沿ってその一方の側から他方の側への光の通過を可能にするように構成される。
【0013】
好ましくは、第1ハウジング部材は一体的に形成された部品、すなわち基部やホルダのような個々の部品に損傷を与えずに分離することはできない。好ましくは、第1ハウジング部材は、少なくとも1つのプラスチック材料から作られるか、又は少なくとも一つのプラスチック材料を少なくとも含み、及び/又は好ましくは射出成形によって形成される。これにより、低費用の製造が可能になり、第1ハウジング部材に機械的安定性がもたらされる。第1ハウジング部材は、光センサを接続するための基部を有し、好ましくは光源を保持するためのホルダ部を有する。第1ハウジング部材は熱遮蔽領域を備え、それは好ましくは基部とホルダ部の間に配置される。培養器チャンバ内のガス状物質を測定するための操作に応じて配置される場合、ホルダ部はチャンバの内側に配置されることが好ましく、及び/又は基部はチャンバの外側に配置されることが好ましい。第1ハウジング部材は、細長い形状、好ましくは実質的に円筒形状を有することができる。
【0014】
本発明の意味における用語「チャンバ」は、特に、外部から分離されている内部空間を提供する装置を指す。好ましくは、チャンバは、ガス状内容物を含み得る囲いを指す。特に、チャンバは、前記内部空間を画定する1つ以上の境界壁を備え得る。さらに、チャンバは、特にチャンバの内部空間へのアクセスを可能にするために、1つ以上の閉鎖可能な開口部、特にアクセス開口部、アパーチャ、穴、取り付け穴及び/又はドアを備えることができる。好ましくは、少なくとも前記開口部が閉じられているとき、チャンバはそのガス状内容物の外部への流れ及び/又は外部からその内部空間への物質の侵入を制限するか、好ましくは、少なくとも本質的に防止する。さらに、好ましくは、チャンバは、特に前記境界壁付近に配置されるか又はそれに取り付けられることができる断熱材料によって内部を外部から断熱することによって、その内部空間と外部との間の熱交換を制限する、又は好ましくは少なくとも本質的に妨げる。したがって、本発明の意味におけるチャンバは、外部とは異なるガス状内容物及び/又は温度でその内部空間内に環境を提供及び/又は維持することができる。
【0015】
本発明の意味において「低熱伝導率」を有する素子は、特に、その素子のある領域からその素子の別の領域への熱の伝達を制限する素子を指す。そのような素子の熱伝導率は、典型的には、前記素子が作られる材料(単数又は複数)に依存する。特にプラスチックなどの材料、例えば、ポリウレタン、アクリルガラス、ポリスチレン、ゴム、又はテフロン(登録商標)、木材、及びコルクは熱伝導率が低いが、金属などの材料、例えば、鉄、鋼、チタン、アルミニウム、又は銅、炭化ケイ素、及び窒化アルミニウムは、高熱伝導率を有する。さらに、熱伝導率は、前記素子の構造又は材料の内部構造に依存し得て、例えば、熱伝導率は、異なる結晶軸に沿って、又は前記素子を形成する異なる材料の多層の存在及び配置により異なり得る。特に、熱伝導率は、前記素子の幾何学的構造に依存し得て、例えば、より小さな断面積はより低熱伝導率をもたらす。好ましくは、本発明の意味において低熱伝導率を有する素子は、異なる材料のいくつかの層を含み得、これらの材料のうちの1つ以上は低熱伝導率を有する。あるいは、好ましくは、本発明の意味において低熱伝導率を有する素子は、1つの層からなってもよく、及び/又は単一の材料から作られてもよい。好ましい材料は、テフロン(登録商標)、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、及び/又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などのポリアリールエーテルケトン(PAEK)である。また好ましくは、本発明の意味において低熱伝導率を有する素子は、例えば、断熱フォームや魔法瓶のようにガス充填又は真空区画を備えることができる。
【0016】
本発明の意味において、「光」は、赤外線、可視光線、及び紫外線の電磁スペクトルの電磁放射線を指す。好ましくは、そのような電磁放射線は、少なくとも100nm、好ましくは少なくとも500nm、好ましくは少なくとも1000nm、好ましくは少なくとも3000nm、及び好ましくは少なくとも3950nmの波長、ならびに最大で1000μm、好ましくは最大で100μm、好ましくは最大で10μm、及び好ましくは最大で4260nmの波長を有する。本発明の意味における光は、単一波長を有してもよく、又は複数の異なる波長、特に1つ以上の最大値を有するスペクトル分布を含む電磁放射線であってもよく、波長に関するエネルギー密度が最も高い。
【0017】
本発明の意味における用語「光源」は、特に、少なくとも部分的に光のスペクトル内にある波長を有する電磁放射を放射する装置を指す。特に、光源は、単一波長の光、複数の波長の光、又は波長のスペクトル分布を有する光を放射することができる。さらに、光源は、黒体放射に従って光を放射し、その温度に依存する最大放射を有する加熱可能な本体であり得る。
【0018】
本発明の意味における用語「光センサ」は、特に、光を受光し、受光した光の強度及び/又はスペクトル分布に依存する1つ以上の信号を生成することができる装置を指す。光センサは、感光面を備えることができ、感光面を担持するためのキャリア素子を含むことができる。感光面は、サーモパイルの場合のように熱電対、又は半導体を備えることができる。キャリア素子は、好ましくはプラスチック材料から作られたプリント回路基板又はプレートであり得る。
【0019】
本発明の意味における「構成された」という用語によって、対応する装置が特定の機能を実行するように既に設定、配置、又は調整可能、すなわち構成可能であることを特に理解されたい。好ましくは、構成は、機能又は設定を起動するためのプロセスフロー又はスイッチ又は同種のものなどのパラメータの対応する設定を介して実行され得る。また好ましくは、装置の構成は、前記装置の部品の適切な配置を介して実行されてもよい。
【0020】
したがって、光吸収ガス状物質の濃度は、光との相互作用によって測定することができる。さらに、本発明による測定装置は、前記光センサへの光の通過を許容しながら、前記光センサへ通過する熱の量を制限することを有益に可能にする。したがって、特に前記チャンバの消毒処置中に、チャンバ及び/又は測定領域に存在する温度よりも低い動作温度及び/又は最大許容温度を有する光センサを使用することができる。したがって、測定装置は、前記チャンバ内の温度が光センサの最大許容温度を超えている間、前記チャンバ、特に培養器のチャンバに接続されたままであり得る。さらなる利点は、結露、例えば、前記チャンバのガス状内容物中に存在する水蒸気の結露は、その表面付近の強い温度勾配を防止し、及び/又は測定領域から外部及び/又は前記光センサに伝達される熱量を減少させる特に前記第1ハウジング部材によって、少なくとも本質的に回避されるか又は少なくとも最小化することができる。
【0021】
以下では、測定装置の好ましい実施形態が説明されるか、又は説明から収集されることができ、そのような組み合わせが明示的に排除されるか技術的に不可能でない限り、互いに又は本発明の他の態様と任意に組み合わせることができる。
【0022】
第1の好ましい実施形態によれば、前記熱遮蔽領域は管状の内部形状を有する。これにより、前記熱遮蔽領域の内面が有益に最小化され、及び/又はその長手方向軸に沿って光が通過することが可能になる。
【0023】
好ましい実施形態では、前記熱遮蔽領域の内部形状は、細長く、前記光センサの所望の熱遮蔽を提供するのにその幅に対して充分に長い。したがって、細長い遮蔽領域は、測定領域を光センサから分離し、熱遮蔽領域の長手方向軸に沿って前記ガス状内容物内に温度勾配を形成することを可能にし、及び/又は前記測定領域から前記光センサに伝達される熱量を制限する。さらに、前記遮蔽領域の長さと前記遮蔽領域の幅との適切な関係を選択することによって、対流、特に前記チャンバのガス状内容物の対流を本質的に回避又は少なくとも最小限に抑えることができ、したがって、前記ガス状内容物によって前記測定領域から前記光センサに伝達される熱量が減少する。この目的のために、好ましい変形例によれば、前記熱遮蔽領域の内部形状の長さは少なくとも10mm、好ましくは少なくとも20mm、より好ましくは少なくとも28mm、及び好ましくは100mm未満であり、及び/又は前記熱領域の内部形状の幅は、最大70mm、好ましくは最大30mm、好ましくは最大10mm、及び好ましくは少なくとも2mmである。さらに、前記熱領域の前記内部形状のこれらの寸法は、前記チャンバ、特に培養器へのこの変形例の取り付け及び/又は手動による取扱いを可能にする測定装置の全寸法を有益に可能にし得る。例えば、測定装置は、20mmから110mm、好ましくは30mmから50mmの全長、ならびに10mmから50mm、好ましくは20mmから30mmの全幅を有することができる。
【0024】
好ましい実施形態によれば、少なくとも本質的に気密の窓が、前記熱遮蔽領域内及び前記光路内に配置され、それによって前記窓は前記測定領域を前記光センサから分離する。さらに、前記窓は、前記光センサへの光、特にガス状物質によって吸収される波長を有する光、例えば二酸化炭素の場合、波長4.26μmの光、又は最大4.26μmのスペクトル分布を備える光の通過を可能にするように構成される。さらに、前記窓は、前記光センサに面する前記熱遮蔽領域の側面と協働して、前記チャンバ又は測定領域から前記光センサへのガスの通過を防止するように構成される。したがって、湿気、例えば、前記ガス状内容物に含まれる水蒸気は、光センサに面する熱遮蔽領域の側面に入ることができず、前記光センサ又はその近くの結露は回避されるか又は少なくとも最小限にされる。さらに、前記窓を前記熱遮蔽領域内及び前記第1ハウジング部材上に取り付けることによって、前記窓は少なくとも本質的に前記測定領域と熱平衡にあり、それによって前記窓での結露をさらに回避又は少なくとも最小にすることができる。好ましい変形例では、前記窓はサファイアガラスでできており、特定の例えば、4.26μmの波長の吸収による二酸化炭素濃度の測定に特に有益である、特に赤外線スペクトルにおいて広い光透過帯と光の高誘電率を提供する。代替的で好ましい変形例では、前記窓は、サファイアガラスと比較してより低い熱伝導率を提供し、したがって前記測定領域から前記光センサをさらに断熱する、及び/又は前記窓での最終結露をさらに低減する透明プラスチックで作られる。
【0025】
好ましい実施形態によれば、前記光源は少なくとも2つの異なる波長を有する光を放射するように構成されている。さらに、少なくとも2つの波長のうちの一方の光はガス状物質によって吸収されているが、少なくとも2つの波長のうちの他方の光は吸収されていない。さらに、前記光センサは、少なくとも2つの異なる波長を受信し、少なくとも2つの異なる波長の各々について光強度を特徴付ける信号を提供するように構成されている。それによって、測定信号及び基準信号が有益に提供される。あるいは、測定装置は、前記少なくとも2つの波長のうちの1つに各々感応する前記光センサと追加の光センサとを備えることができる。したがって、前記光センサは測定信号を提供し、追加の光センサは基準信号を提供することができる。少なくとも2つの異なる波長はまた、前記光源によって放射された光のスペクトル分布の2つの異なる領域を指すこともあることを理解されたい。基準信号及び測定信号は、少なくとも2つの異なる波長の光強度が互いに比例して変化する限り、放射光の変化を補償することを有益に可能にする。好ましい変形例では、基準信号用の光の波長は少なくとも3.8μm、最大4.1μm、好ましくは3.95μmであり、測定信号用の光の波長は少なくとも4.2μm、最大4.3μm、及び好ましくは4.26μmであり、これは、二酸化炭素濃度を測定するのに特に有益である。
【0026】
好ましい実施形態によれば、前記測定領域を通過しない基準光路が前記光源から前記光センサまで形成される。あるいは、前記測定領域を少なくとも部分的に通過する前記光源から前記光センサへの基準光路が形成され、前記測定領域を通過する前記基準光路の区域の長さは前記測定領域を通過する光路の区域より長いか又は短い。したがって、前記基準光路に沿って及び前記光路に沿って前記ガス状物質による吸収は、前記測定領域を通過する異なる長さに比例して異なる。特に、前記基準光路が測定領域を全く通過しない場合、光はこの経路に沿って前記ガス状物質によって吸収されない。したがって、2つの異なる経路、すなわち基準光路及び光路に沿った受光強度を使用して、前記光源の放射及び/又は前記光センサの感度の変化を補償することができる。
【0027】
好ましい実施形態では、前記光センサは、ガス状物質によって吸収される波長を有する光の通過を可能にする少なくとも1つの第1光学フィルタ素子、及び/又はガス状物質によって吸収される波長を有する光をフィルタリングする少なくとも1つの第2光学フィルタ素子を含む。これは、有益には、前記光センサへの、特に前記光センサの第1部分への吸収の測定に関連する波長を有する光の通過を可能にし、及び/又は前記光センサの感度を特に前記光センサの第2部分、基準信号を測定するのに関連する波長に狭めることを可能にする。したがって、特に1つ以上のセンサ素子又はセンサの部品の感度は、前記センサが基準信号及び測定信号を提供することができるように構成することができる。特に、他の波長の入射光及び/又は前記光源によって放射される光の変化及び/又は前記光センサの全体的な感度の変化によって引き起こされる歪みを低減することができる。第1の好ましい変形例では、基準経路が、前記光源から前記光センサまで提供され、少なくとも1つの第1光学フィルタ素子を通過しない。追加の又は代替の好ましい変形例において、前記光源から前記光センサへの基準経路が提供され、少なくとも1つの第2光学フィルタ素子を通過する。追加の又は代替の好ましい変形例において、前記光路は、前記測定領域を通過し、かつ少なくとも1つの第1光学フィルタ素子を通過する。これらの変形例は、前記ガス状物質の濃度の測定の信頼性を有益に改善することができる。
【0028】
好ましい実施形態によれば、前記光センサは、受光された、特にフィルタリングされた光を、光強度、特にフィルタリングされていない光の光強度を特徴付ける信号として働く電気エネルギーに変換するサーモパイルを備える。これは、受光した光を電気エネルギーに変換することを有益に可能にする。さらに、サーモパイルは信頼性の高い測定に対して有益である。典型的なサーモパイルの他の利点は、特に典型的な半導体センサと比較して、その温度耐性である。
【0029】
好ましい実施形態によれば、前記光源は前記光を放射するための加熱可能な本体を備える。好ましい変形例では、前記加熱可能な本体は真鍮又はセラミック製であり、特に真鍮棒又はセラミック製棒である。好ましい変形例では、前記光源は前記加熱可能な本体を加熱する加熱装置を備える。好ましい変形例では、前記加熱可能な本体は、それが赤外線を放射するような温度に加熱される。特に、これは前記光源の頑健な実施を可能にする。さらに、赤外光を放射することは、二酸化炭素濃度を測定するのに有益である。加えて、前記加熱可能な本体は広い放射スペクトルを提供する。特に、前記広い放射スペクトルの1つの波長の光が前記ガス状物質によって吸収される光として機能し、一方、他の波長の光が基準として機能することができ、加熱可能な本体又はその温度の変化は、少なくともそれらが本質的に互いに、例えば、3.95μm及び4.26μmに少なくとも近い限り両方の波長に影響を及ぼす。
【0030】
好ましい実施形態によれば、前記第1ハウジング部材は、熱伝導率が低い材料、特にプラスチックでできている。これは、費用効果の高い製造及び/又は前記第1ハウジング部材による信頼性があり耐久性のある断熱にとって特に有益である。
【0031】
好ましい実施形態によれば、前記ハウジングは少なくとも第2ハウジング部材をさらに備える。これにより、前記第1及び第2ハウジング部材に異なる材料を使用することが有益に可能になる。さらに、前記第1及び第2ハウジング部材は別々に製造及び/又は形成されてもよく、したがってそれらの製造を単純化し、より費用効果的にする。
【0032】
好ましい実施形態では、少なくとも1つの第2ハウジング部材は、少なくとも1つの第1ハウジング部材よりも高い熱伝導率を有する材料で作られている。好ましい変形例では、少なくとも1つの第2ハウジング部材は金属製である。より低い熱伝導率を有する材料から作られた第1ハウジング部材を提供することは、断熱を提供するために有益である。機械的に安定な材料、特に金属から作られた第2ハウジング部材を供給することは、前記第2ハウジング部材によって前記測定装置を前記チャンバに取り付けるなどの他の機能にとって有益である。
【0033】
好ましい実施形態によれば、ガスケットは、測定装置が前記チャンバに取り付けられたときに測定装置と前記チャンバとの間の接続領域を封止するように前記第2ハウジング部材の周りに配置される。
【0034】
好ましい実施形態では、少なくとも1つの第1ハウジング部材は少なくとも部分的に前記第2ハウジング部材内に配置されている。このようにして、特に光センサを担持する第1ハウジング部材が少なくとも部分的に前記第2ハウジング部材に挿入及び/又は取り付けられる一方で、ハウジングを前記第2ハウジング部材によって前記チャンバに取り付けることができる。これは、前記測定装置の製造及び/又は取り付けを有益に容易にする。
【0035】
好ましい実施形態では、少なくとも1つの第1ハウジング部材及び少なくとも1つの第2ハウジング部材には各々、前記チャンバから前記測定領域への、及びその逆へのガス状内容物の通過を可能にする1つ以上の穴及び/又は凹部を設ける。特に、第1又は第2ハウジング部材には多数の穴及び/又は凹部を設けることができ、一方、他方には多数の穴/凹部の各々よりも大きい唯一つの穴又は凹部を設ける。
【0036】
好ましい実施形態によれば、前記ハウジングは、前記測定領域への光の進入を制限するように、特に防止するように構成される。特に、前記ハウジングは、前記光路又は前記基準光路に沿った方向への光の進入を制限又は防止するように構成されている。好ましい変形例では、少なくとも1つの第1及び/又は少なくとも1つの第2ハウジング部材は、1つ以上の穴によって光の進入を制限又は防止し、その穴は一方でガス状内容物の通過を可能にし、他方で、これらの穴を通過する光が前記光センサに向けられないように配置される。特に、これは、とりわけ前記チャンバがチャンバ及び/又は前記測定装置の測定領域内への光の進入を防止又は制限しない場合、測定をより堅牢にする。
【0037】
本発明の第2態様は、チャンバと、本発明の第1態様による光吸収ガス状物質の濃度を測定する少なくとも1つの測定装置と、を備えるCO2培養器、特に細胞培養用のものに関する。さらに、前記チャンバは、特に細胞培養のための制御環境を提供するために、前記ガス状物質を含み得るガス状内容物を含むように構成される。さらに、前記少なくとも1つの測定装置、特にその測定領域は、前記ガス状内容物の交換を可能にするためにCO2培養器の前記チャンバに連通可能に接続されている。
【0038】
本発明の意味における用語「培養器」は、それを用いて様々な生物学的発達及び増殖過程のための制御された気候条件を設定し維持することができる機器を指す。この目的のために、培養器は制御された気候条件を有するチャンバを提供する。培養器は、培養器空間、特に前記チャンバ内で調節されたガス及び/又は湿度及び特別な温度条件で微気候を設定及び維持するのに役立ち、この処理は時間に依存し得る。培養器は、好ましくは、タイマー、タイマースイッチ、加熱/冷却装置、及び培養器空間に供給される代替ガス、特に新鮮な空気を調整するための設定装置、実験室用培養器の培養器空間内のガス状内容物の組成のための設定装置、特にガスの二酸化炭素及び/又は酸素内容物を設定するための設定装置、及び/又は培養器空間内の湿度を設定するための設定装置を備え得る。さらに、培養器は、少なくとも1つの加熱/冷却装置がアクチュエータとして割り当てられ、少なくとも1つの温度測定装置が測定部材として割り当てられる少なくとも1つの制御グループを有する調節装置を備えることが好ましい。好ましくは、温度は、制御システムによって培養器内で調節することができる。二酸化炭素培養器は、特に動物又はヒトの細胞を培養するのに役立つ。培養器は、少なくとも1つの実験室試料を回転させるための回転装置及び/又は少なくとも1つの実験室試料を加振又は移動させるための加振装置及び/又は少なくとも1つの実験室試料を担持するための1つ以上の棚を有することができる。さらに、培養器は、そのガス状内容物に湿度を供給するために、特に温度調節された水浴を備えてもよい。この水浴は、培養器の下部領域、特に前記チャンバの床に特に配置されている。少なくとも1つの実験室試料の機器制御処理は培養器内での気候処理に対応し、少なくとも1つの試料は前記処理を受ける。可能なパラメータ、特にプログラムパラメータ、特にユーザパラメータは、気候処理に影響を与えるために使用され、特に、少なくとも1つの試料が培養される培養器空間の温度、酸素及び/又は二酸化炭素分圧培養器の温度、培養器内の湿度及び/又は少なくとも1つの進行パラメータを定義し、これは、複数の工程からなる培養処理プログラムの進行、特にシーケンスに影響を与えるか又は定義する。
【0039】
本発明の第1態様に関連して既に上で詳細に説明した実施形態及び変形例ならびに潜在的な利点もまた、本発明による培養器に対応して適用される。
【0040】
以下では、培養器の好ましい実施形態を説明するか、又は説明から収集することができ、そのような組み合わせを明示的に排除するか又は技術的に不可能でない限り、互いに又は本発明の他の態様と任意に組み合わせることができる。
【0041】
第1の好ましい実施形態では、培養器は、前部ドア、特に前部ドアとは反対側の後壁、及び1つ以上のガス入口をさらに備え、ガス入口のうちの1つは前記ガス状物質を前記チャンバに供給するように構成される。さらに、少なくとも1つの測定装置は後壁の取り付け穴を通って延びる。加えて、前記取り付け穴と前記ガス入口との間の最小距離が前記後壁の対角線長の少なくとも4分の1、好ましくはその少なくとも3分の1、より好ましくはその少なくとも半分、又は前記後壁の幅の少なくとも半分、好ましくはその3分の2、さらに好ましくはその4分の3となるように前記取り付け穴と前記ガス入口は配置される。好ましい変形例では、前記取り付け穴は、右上の四分円、特に後壁の右上の角に配置される。好ましい変形例では、前記取り付け穴は、それが培養器のガス入口、棚、試料、及び/又は水浴から所定の距離を有するように配置される。これは、培養器に流入するガスによる、及び/又はガス入口、棚、試料、及び/又は水浴付近のガス状内容物の不均一な分布による測定の歪みを回避又は少なくとも低減するのに有益である。
【0042】
本発明の第3態様は、加熱によって消毒可能であり、かつ前記培養器のガス状内容物中の光吸収ガス状物質の濃度を測定するように構成された培養器の製造方法に関する。製造方法は以下の工程を含む。第1工程において、少なくとも1つの取り付け穴を有する培養器が提供され、培養器は前記ガス状内容物を収容するためのチャンバを備える。第2工程では、測定装置が前記取り付け穴に取り付けられ、前記測定装置は本発明の第1態様によるものである。
【0043】
別の第2工程では、測定装置が前記取り付け穴に取り付けられ、測定装置は以下の工程によって提供される。好ましくは低熱伝導率を有する少なくとも1つの第1ハウジング部材を前記測定装置のハウジングに供給する工程。前記光が少なくとも部分的に吸収され、かつ前記ガス状物質の濃度に依存するようにスペクトル分布を有する光を放射する光源を提供すること。前記光源によって放射された光を受光する光センサを提供する工程。前記ハウジング内に測定領域を形成する工程。チャンバの前記ガス状内容物を交換するために前記測定領域を前記チャンバに連通可能に接続する工程。前記ハウジング内に前記光源を配置し、前記光センサを前記第1ハウジング部材内及び前記測定領域の外側に少なくとも部分的に配置する工程と、を含み、前記光源から前記光センサへの光路は、前記光源によって放射された光が、前記光センサによって受光される前に前記測定領域を通過するように形成される。その一方の側で前記測定領域の一部に面するか又はその一部を形成し、その他方の側で前記光センサに面する熱遮蔽領域を提供するように第1ハウジング部材の少なくとも一部を構成する工程を含み、前記第1ハウジング部材は、前記光路に沿って熱遮蔽領域を通る光の通過を可能にするように形成され、前記第1ハウジング部材は、特に前記光路に沿って前記測定領域から前記光センサへ伝達される熱の量を制限するように構成され、特に形成される。
【0044】
この方法の好ましい変形例において、培養器は本発明の第2態様に従って構成される。別の好ましい変形例では、培養器は高温消毒モードによって消毒可能である。追加の又は代替の好ましい変形例において、培養器は前記培養器中の二酸化炭素濃度を測定するように構成される。
【0045】
この方法は、本発明の第2態様に関連して既に上で詳細に説明したように培養器の製造に対応する。特に、この方法は、上述したように本発明の第2態様による培養器の様々な実施形態及び変形例と併せて使用することもできる。特に、本発明の第1及び/又は第2態様に関連して既に詳細に上述した実施形態及び変形例ならびに潜在的な利点もまた、本発明による製造方法に対応して適用される。
【0046】
本発明の第4態様は、培養器を操作する方法に関する。この方法は、第1工程を含み、本発明の第2態様による培養器、又はあるいは培養器、例えば、本発明の第1態様による測定装置と同様に細胞培養に典型的に使用される標準培養器が提供され、前記測定装置は前記培養器の内部、特にガス状内容物を含むチャンバに連通可能に接続され、あるいは、培養器は本発明の第3態様に従って製造される。この方法は、測定工程及び/又は消毒工程をさらに含む。測定工程では、培養器の前記ガス状内容物中のガス状物質の濃度が前記測定装置によって測定され、前記測定装置は前記ガス状物質に感応する。消毒工程では、前記培養器を前記培養器の内部、特に前記チャンバを所定の温度に加熱することによって消毒し、これは所定の及び/又は充分な時間にわたって前記培養器の内部を特に消毒し、好ましくは滅菌するのに充分であり、消毒中、前記測定装置は前記培養器の内部に連通可能に接続され、特に前記取り付け穴に取り付けられる。消毒工程における消毒の間、前記光センサは、前記熱遮蔽領域によって、前記光センサを損傷する可能性がある熱、特に過剰な熱、したがって温度から保護される。好ましい変形例において、消毒工程の間、培養器の内部は少なくとも60℃、好ましくは少なくとも90℃、より好ましくは少なくとも130℃、及びさらに好ましくは少なくとも180℃、そして好ましくは1000℃未満、より好ましくは300℃未満、さらに好ましくは210℃未満に加熱される。好ましい変形例では、培養器の内部は少なくとも10分、好ましくは少なくとも30分、より好ましくは少なくとも180分、及び好ましくは48時間未満、より好ましくは25時間未満、さらに好ましくは8時間未満にわたって加熱される。好ましい変形例では、前記第1ハウジング部材及び/又は前記光センサに達する熱によって引き起こされる光センサの過剰な温度は、特に冷却装置によってこの熱を培養器の外側に少なくとも部分的に放散することによって回避され、冷却装置は、前記第1ハウジング部材の一部であり得る。追加的又は代替的に、前記第1ハウジング部材及び/又は前記光センサは、そこで熱を放散するように、光センサの最大許容温度より低い温度で蓄熱器に接続されてもよい。
【0047】
この方法は、本発明の第2及び第3態様に関連して既に上で詳細に説明したように、培養器の変形例の操作に対応する。特に、この方法は、上述のように本発明の第2又は第3態様による様々な実施形態及び変形例と併せて使用することもできる。好ましくは、本明細書に詳細に記載されるような培養器の機能に対応するそれぞれの方法工程が加えられ得る。特に、本発明の第1、第2、及び/又は第3態様に関連して既に詳細に上述した実施形態及び変形例ならびに潜在的な利点もまた、本発明による操作方法に対応して適用される。特に、温度範囲及び期間は、信頼できる消毒及び/又は培養器の操作の容易化にとって有益である。
【0048】
本発明のさらなる利点、特徴及び用途は、以下の好ましい実施形態の詳細な説明及び添付の図面において提供される。好ましい実施形態の同じ構成要素は、他に言及されている場合、又は文脈から他の参照符号が出現する場合を除いて、実質的に同じ参照符号によって特徴付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】本発明による測定装置の好ましい実施形態を概略的に示しており、第1及び第2ハウジング部材の半分がそれぞれ、説明のためにA軸線に沿って切り取られて示されている。
図2】好ましい実施形態の分解図を示しており、第1及び第2ハウジング部材の半分がそれぞれ、説明のためにA軸線に沿って切り取られて示されている。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1は、培養器の壁7’に取り付けられている本発明の好ましい実施形態による測定装置1を示している。好ましくは、測定装置1は培養器のチャンバ7の後壁7’に取り付けられてもよい。上述のように、前記チャンバ7は、特定の濃度のガス状物質を含むガス状内容物を含み得る。特に、図1に示す測定装置1は、二酸化炭素の濃度を測定するようになっている。前記ガス状内容物は、さらに前記ガス状物質を全く含まなくてもよく、すなわち、前記ガス状物質の濃度はゼロであることを理解されたい。
【0051】
測定装置1を斜視断面図で示す。それは、光源2、光センサ3、第1ハウジング部材5及び第2ハウジング部材10を有するハウジング4、及び気密窓9を備える。好ましくは、第1ハウジング部材5はプラスチックから、例えば、射出成形によって作られ、及び/又は第2ハウジング部材10は、アルミニウムから、例えば、射出成形又はアルミニウム鋳造により作られる。光源2は第1ハウジング部材5の一端に取り付けられており、光センサ3は第1ハウジング部材5の他端に取り付けられている。光源2と光センサ3とは向かい合っており、それらの間にA軸線で示される長手方向に沿って直線状(湾曲したり曲がっていない)の光路が形成されている。光源2を保持する第1ハウジング部材5のホルダ部5aは、第2ハウジング部材10に挿入され、したがって、測定装置1が培養器に取り付けられるときに前記チャンバ7の内側にあり得る。光センサ3を保持する第1ハウジング部材5の基部5bは、第2ハウジング部材10の内側にはなく、したがって、測定装置1が培養器に取り付けられるとき、前記チャンバ7及び/又は培養器の外側にあり得る。特に、これは、光センサ3に伝達される熱の量を減らすために有益である。
【0052】
前記第1ハウジング部材5と前記第2ハウジング部材10内に、測定領域6が形成されている。この測定領域6は、チャンバ7に連通可能に接続することができ、特にこの目的のために、前記第1ハウジング部材5は開口部又は穴5’が供給され、前記第2ハウジング部材10はいくつかの穴10’ が供給されるため、チャンバ7のガス状内容物はチャンバ7から測定領域6に流れ込むことができ、またその逆も可能である。あるいは、第1及び/又は第2ハウジング部材は、チャンバ7のガス状内容物に対して透過性であり得る。図1に示されるような穴5’、10’のさらなる利点は、光が光路の方向とは異なる方向にのみ進入できるということである。したがって、測定領域6に進入する光は、少なくとも直接的には光センサ3に伝播しない。好ましくは、前記第2ハウジング部材10の穴10’は、円筒形状で1mmから10mmの直径、好ましくは少なくとも本質的に3mmの直径を有する第2ハウジング部材の壁を貫通するボアである。穴5’は、第1ハウジング部材の円筒形状の壁の比較的大きな切り欠きに対応する。図1及び2のそれぞれ第1及び第2ハウジングの半分は、説明のためにA軸線に沿って切り取られて示されている。図示されていない第1及び第2ハウジング部材の部分は、図示されている第1及び第2ハウジング部材の部分と同じ、特に対称的な構成を有する。
【0053】
前記測定領域6は、少なくとも本質的に円筒形状を有し、その周縁において第1及び第2ハウジング部材5、10によって、その一端において光源2によって、その他端において気密窓9によって画定される。さらに、第1ハウジング部材5、気密窓9、及び光センサ3は、気密窓9及び第1ハウジング部材5によって前記測定領域6から分離された熱遮蔽領域8を画定する。このようにして、測定領域6及び/又はチャンバ7のガス状内容物は、光センサ3に面する前記熱遮蔽領域8’の側に通過することができず、ガス状内容物による前記光センサ3への熱伝達は防止される。
【0054】
図2は、好ましい実施形態の分解図を示す。より明確にするために、特徴のすべての部分が参照符号で示されるわけではない。図1のように、前記光源2、前記光センサ3、前記第1ハウジング部材5及び前記第2ハウジング部材10、培養器の前記後壁7’、及び前記気密窓9が示されている。好ましくは、前記気密窓9はサファイアガラス製であり、及び/又は10mmの直径を有する。好ましくは、前記第2ハウジング部材10は、30mmの外径及び/又は30mmから50mmの長さを有する円筒形状を有する。
【0055】
さらに、前記第1ハウジング部材のガスケット5’’、前記第2ハウジング部材’のガスケット10’、及び前記気密窓のガスケット9’が図2に示されている。前記第1ハウジング部材のガスケット5’’は、前記第1ハウジング部材5と前記第2ハウジング部材10との間の封止を改善させる。したがって、特に、このガスケット5’’は、前記第1及び第2ハウジング部材5、10の接続領域を通って外側及び/又は光センサ3に流れ得る前記チャンバ7の前記ガス状内容物の量を減少させる。前記気密窓のガスケット9’は、前記第1ハウジング部材5と前記気密窓9との間の封止を改善させる。したがって、特に、このガスケット9’は、測定領域6から光センサ3に面する熱遮蔽8’領域の側面8’に流れ得る前記ガス状内容物の量を減らす。前記第2ハウジング部材のガスケット10’は、前記第2ハウジング部材10と前記後壁7’との間の封止を改善させる。したがって、特に、このガスケット10’’は、チャンバ7から外部へ流れ得る前記ガス状内容物の量を減らす。好ましくは、図2に示されるように、前記第2ハウジング部材10は、少なくとも部分的に第2ハウジング部材10’’の前記ガスケットを受けるための溝を有し、それによって封止が改善される。さらに、前記第2ハウジング部材10は、ねじナット7’’によって後壁7’に対して固定することができるように、図示されていないねじ山を備えることが好ましい。さらに、前記第2ハウジング部材10を前記後壁7’に対して固定することによって、前記ガスケット10’’は後壁7’に対して前記ガスケット10’’を受けるための溝内に押し付けられ、それによって封止をさらに改善する。
【0056】
図2に示すように、前記第1ハウジング部材10は、1つ以上の第1フック11と1つ以上の第2フック12とを備えることが好ましい。前記第1フック11は、第2ハウジング部材10の対応する溝11’と係合するように構成されている。これは、前記第1ハウジング部材5と前記第2ハウジング部材10とを互いに接続するために、及び/又は測定装置1の製造、設置及び/又は保守を容易にするために有益であり得る。前記第2フック12は、光センサ3の対応する溝12’と係合するように構成されている。これにより、特に、光センサ3は、第2ハウジング部材10上及び/又は中へ第1ハウジング部材5の取り付け及び/又は設置、及び培養器への前記測定装置1の取り付け及び/又は設置から独立して第1ハウジング部材5に取り付けることができる。好ましくは、光センサ3は第1ハウジング部材5に予め設置されている。
【0057】
光源2は、好ましくは加熱可能な本体2’と加熱装置2’’を備える。好ましくは、加熱装置2’’は電気エネルギーを熱に変換し、前記加熱可能な本体2’、特に真鍮棒を加熱する。その結果、真鍮棒2’は、その温度に依存し、典型的には測定用の波長の光及び基準用の波長の光を提供するのに充分に広いスペクトルを有する光を放射する。
【0058】
特に好ましい光源は赤外線放射源である。
Micro-HybridElectronic社のJSIR350-4-AL-R-D6.0-0-0、例えば下記を参照のこと。
http://www.micro-hybrid.de/fileadmin/user/IR-systems-documents/Datenblaetter/Strahler/JSIR350-4-AL-R-D6.0-0-0.pdf
【0059】
光センサ3は、好ましくは、入射光のエネルギーを電気信号に変換するための1つ以上のサーモパイル3’と、特定の波長を有する光をフィルタリング又は通過させるための1つ以上のフィルタ素子とを備え、例えば、基準及び測定信号を提供する。特に、二酸化炭素濃度を測定するために、前記光センサ3は2つのサーモパイルと2つの対応するフィルタ素子とを備え、フィルタ素子は測定信号を提供するためにサーモパイルのうちの1つに4.26μmを有する波長の光の通過のみを許容し、他のフィルタ素子は、基準信号を提供するために、3.95μmの波長を有する光を他のサーモパイルの他方に通過させることのみを許容する。特に、関連する波長を有する光のみがそれぞれのサーモパイルに通過することを確実にするために、4.26μmフィルタは180nmの帯域幅を有し、及び/又は3.95μmフィルタは90nmの帯域幅を有する。2つのサーモパイル及びフィルタを備える特に好ましい光センサ又は光センサの一部は、HEIMANNセンサ社のHISE222、特にモデルHIS E222 F3.91/90F4.26/180 G4300であり、例えば、
http://www.heimannsensor.com/Datasheet%20HIS%20E222%20F1%20F2%20Gx.pdfを参照のこと。
【0060】
本発明の少なくとも1つの好ましい実施形態について上述したが、それに対する多数の変形例が存在することに留意されたい。さらに、記載された好ましい実施形態は、本発明をどのように実施することができるかの非限定的な例のみを例示し、本明細書に記載の装置及び方法の範囲、用途又は構成を限定することを意図しないことを理解されたい。むしろ、前述の説明は、本発明の少なくとも1つの好ましい実施形態を実施するための構成を当業者に提供し、添付の特許請求の範囲及びそれらの法的等価物によって定義される主題から委任することなく、好ましい実施形態の要素の機能及び配置の様々な変更がなされ得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0061】
1 測定装置
2 光源
2’ 加熱可能な本体、特に真鍮棒
2’’ 加熱装置
3 光センサ
3’ 光センサのサーモパイル
4 ハウジング
5 第1ハウジング部材
5a ホルダ部
5b 基部
5’ 第1ハウジング部材内の穴
5’’ 第1ハウジング部材のガスケット
6 測定領域
7 培養器のチャンバ
7’ 培養器の壁、特にチャンバの後壁
7’’ ねじナット
8 熱遮蔽領域
8’ 光センサに面する前記熱遮蔽領域の側
9 気密窓
9’ 気密窓のガスケット
10 第2ハウジング部材
10’ 第2ハウジング部材内の穴
10’’第2ハウジング部材のガスケット
11 第1ハウジング部材の第1フック
11’ 第1フックに対応する溝
12 第1ハウジング部材の第2フック
12’ 第2フックに対応する溝
図1
図2