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特許7148540有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの補償方法及び補償装置、表示装置
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  • 特許-有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの補償方法及び補償装置、表示装置 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの補償方法及び補償装置、表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20220928BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20220928BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220928BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20220928BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 612U
G09G3/20 612T
G09G3/20 641P
G09G3/20 670J
G09G3/20 642A
G09G3/20 642P
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/02
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019554662
(86)(22)【出願日】2018-03-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-02
(86)【国際出願番号】 CN2018077721
(87)【国際公開番号】W WO2018205717
(87)【国際公開日】2018-11-15
【審査請求日】2021-02-03
(31)【優先権主張番号】201710333919.6
(32)【優先日】2017-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】512282165
【氏名又は名称】合肥▲シン▼晟光▲電▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI XINSHENG OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Xinzhan Industrial Park,Hefei,Anhui,230012,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】徐 ▲海▼侠
(72)【発明者】
【氏名】孟 松
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 月
(72)【発明者】
【氏名】▲鮑▼ 文超
(72)【発明者】
【氏名】何 ▲敏▼
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0187267(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0132977(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0093179(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/20-3/38
H01L 51/50
H01L 27/32
H05B 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
補償すべき行の補償すべきサブ画素の現在フレームにおけるデータ電圧とゲイン値(ゲイン値>1)に基づいて、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームにおける書き戻し電圧を特定するステップであって、前記補償すべき行の前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームにおける書き戻し電圧は前記補償すべき行の前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームにおける前記データ電圧より大である、ステップと、
前記現在フレームのブランク領域のスキャン時間内に、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームにおける書き戻し電圧を、それぞれに前記補償すべき行における対応的な補償すべきサブ画素に書き戻すステップと、
を含み、
前記現在フレームの表示時間は、複数個の行スキャン時間を含み、前記ブランク領域のスキャン時間は、前記複数個の行スキャン時間のうちの最後のW1(W1は正の整数である)個の行スキャン時間を含み、前記最後のW1個の行スキャン時間は、充電段階と補償書き戻し段階を含み、
前記補償すべきサブ画素は、画素回路を含み、前記画素回路は、駆動トランジスタ、データ書き込みトランジスタ及びセンストランジスタを含み、前記補償書き戻し段階は、書き戻しサブ段階と再発光サブ段階を含み、
前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームにおける書き戻し電圧を、それぞれに前記補償すべき行における対応的な補償すべきサブ画素に書き戻すステップは、
前記充電段階の完了の場合に、前記補償すべきサブ画素に対応するセンス線の電圧をリセットするステップと、
前記書き戻しサブ段階において、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記データ書き込みトランジスタがオンになるように制御し、前記書き戻し電圧を、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記駆動トランジスタのゲートに書き込むステップと、
前記再発光サブ段階において、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素のデータ書き込みトランジスタがオフになるように制御し、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記センストランジスタがオフになるように制御するステップと、
を含む有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの補償方法。
【請求項2】
記補償方法は、前記充電段階において、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素に対応するセンス線に対して充電を行い、前記センス線が、前記補償すべきサブ画素の電気信号を検出するのに用いられるステップと、
前記補償書き戻し段階において、検出された前記センス線の電気信号に基づいて、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームに隣接する次のフレームにおける補償電圧を算出するステップと、
を含む請求項1に記載の補償方法。
【請求項3】
前記補償すべき行の補償すべきサブ画素の前記現在フレームにおけるデータ電圧とゲイン値に基づいて、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームにおける書き戻し電圧を特定するステップは、
各前記補償すべきサブ画素のゲイン値を取得するステップと、
各前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームにおけるデータ電圧を、それぞれに前記ゲイン値と乗算して、各前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームにおける書き戻し電圧を取得するステップと、
を含む請求項2に記載の補償方法。
【請求項4】
前記ゲイン値は、A=M/(M-N)との式で特定され、Aが前記補償すべき行の前記補償すべきサブ画素のゲイン値であり、Mが前記現在フレームの表示時間に含まれる行スキャン時間の数であり、Nが前記充電段階に含まれる行スキャン時間の数である
請求項2又は3に記載の補償方法。
【請求項5】
前記補償すべき行の全ての前記補償すべきサブ画素の対応的な色は同じである請求項2~のいずれか一項に記載の補償方法。
【請求項6】
前記補償すべき行の補償すべきサブ画素のゲイン値は、前記補償すべきサブ画素の対応的な色に対応する請求項に記載の補償方法。
【請求項7】
前記補償すべき行の補償すべきサブ画素において、前記データ書き込みトランジスタの駆動信号と、前記センストランジスタの駆動信号とは同一信号である請求項に記載の補償方法。
【請求項8】
有機エレクトロルミネッセンスディスプレイに用いられる補償装置であって、
補償すべき行の補償すべきサブ画素の現在フレームにおけるデータ電圧とゲイン値(ゲイン値>1)に基づいて、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームにおける書き戻し電圧を特定するように構成される書き戻し特定回路と、
前記現在フレームのブランク領域のスキャン時間内に、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームにおける書き戻し電圧を、それぞれに前記補償すべき行における対応的な補償すべきサブ画素に書き戻すように構成される書き戻し補償回路と、
を含み、
前記補償すべき行の前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームにおける書き戻し電圧は前記補償すべき行の前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームにおける前記データ電圧より大であ
前記現在フレームの表示時間は、複数個の行スキャン時間を含み、前記ブランク領域のスキャン時間は、前記複数個の行スキャン時間のうちの最後のW1(W1は正の整数である)個の行スキャン時間を含み、前記最後のW1個の行スキャン時間は、充電段階と補償書き戻し段階を含み、
前記補償すべきサブ画素は、画素回路と発光素子を含み、前記画素回路は、駆動トランジスタ、データ書き込みトランジスタ、センストランジスタ及びコンデンサを含み、
前記駆動トランジスタは、前記発光素子が発光するよう駆動するように構成され、
前記データ書き込みトランジスタは、オンの場合、データ電圧を前記駆動トランジスタのゲートに書き込むように構成され、
前記コンデンサは、前記データ電圧を格納すると共にそれを前記駆動トランジスタのゲートに保持するように構成され、
前記センストランジスタは、前記補償すべきサブ画素に対応するセンス線に対して充電を行うように構成され、
前記補償書き戻し段階は、書き戻しサブ段階と再発光サブ段階を含み、前記書き戻し補償回路は、
前記充電段階の完了の場合、前記センス線の電圧をリセットし、
前記書き戻しサブ段階において、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記データ書き込みトランジスタがオンになるように制御し、前記書き戻し電圧を、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記駆動トランジスタのゲートに書き込み、
前記再発光サブ段階において、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素のデータ書き込みトランジスタがオフになるように制御し、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記センストランジスタがオフになるように制御するように構成される、補償装置。
【請求項9】
記書き戻し補償回路は、
前記充電段階において、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素に対応するセンス線に対して充電を行い、前記センス線が、前記補償すべきサブ画素の電気信号を検出するのに用いられ、
前記補償書き戻し段階において、検出された前記センス線の電気信号に基づいて、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームに隣接する次のフレームにおける補償電圧を算出する請求項に記載の補償装置。
【請求項10】
前記書き戻し特定回路は、各前記補償すべきサブ画素のゲイン値を取得し、各前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームにおけるデータ電圧を、それぞれに前記ゲイン値と乗算して、各前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームにおける書き戻し電圧を取得するように構成される請求項に記載の補償装置。
【請求項11】
前記ゲイン値は、A=M/(M-N)との式で特定され、Aが前記補償すべき行の補償すべきサブ画素のゲイン値であり、Mが前記現在フレームの表示時間に含まれる行スキャン時間の数であり、Nが前記充電段階に含まれる行スキャン時間の数である請求項9又は10に記載の補償装置。
【請求項12】
前記データ書き込みトランジスタのソースは、前記データ電圧を受信するように構成され、前記データ書き込みトランジスタのゲートは、第1の駆動信号を受信するようにゲート線に接続し、前記データ書き込みトランジスタのドレインは、前記駆動トランジスタのゲートに接続し、
前記駆動トランジスタのソースは、第1の電源端に接続し、前記駆動トランジスタのドレインは、前記発光素子の第1端子に接続し、
前記コンデンサの一端は、前記駆動トランジスタのゲートに接続し、前記コンデンサのもう1つの端は、前記駆動トランジスタのドレインに接続し、
前記センストランジスタのソースは、前記駆動トランジスタのドレインに接続し、前記センストランジスタのドレインは、前記補償すべきサブ画素に対応する前記センス線に接続し、前記センストランジスタのゲートは、第2の駆動信号を受信するように構成される
請求項に記載の補償装置。
【請求項13】
前記補償すべき行の補償すべきサブ画素において、前記第1の駆動信号と、前記第2の駆動信号とは同一信号である請求項12に記載の補償装置。
【請求項14】
前記補償すべき行の全ての前記補償すべきサブ画素の対応的な色は同じである請求項13のいずれか一項に記載の補償装置。
【請求項15】
前記補償すべき行の補償すべきサブ画素のゲイン値は、前記補償すべきサブ画素の対応的な色に対応する請求項14に記載の補償装置。
【請求項16】
請求項15のいずれか一項に記載の補償装置を含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2017年05月12日に提出された中国特許出願第201710333919.6号の優先権を要求する。ここでは、上記中国特許出願の公開内容を全文引用して本願の一部分とする。
【0002】
本公開の実施例は有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(Organic Light-Emitting Display,OLED)の補償方法及び補償装置、表示装置に係るものである。
【背景技術】
【0003】
アクティブマトリクス有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(Active-Matrix Organic Light-Emitting Display,AMOLED)は、電流型発光素子として高性能な表示に応用されることが益々多くなる。自己発光の特性があるため、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display,LCD)と比べて、AMOLEDは、高いコントラスト、極めて薄型、湾曲可能など様々なメリットを有する。
【0004】
AMOLEDにおける薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor,TFT)は、長時間にわたって加圧及び高温の条件にある場合、その閾値電圧にはドリフトが生じる。表示画面の違いにより、書き込みデータの電圧が異なり、AMOLEDパネルの各部分の駆動薄膜トランジスタの閾値ドリフトが異なるため、表示輝度の差異が生じる。このような差異は現在フレーム画面の前に表示される画像と関係するので、常に映像残留現象の形で現れる。これはいわゆる残像である。
【0005】
現在、残像問題を解決するために、技術の改善以外に、補償技術がある。現在、駆動チップにより画素の電気特性を検出してから補償を行う方法がある。このような補償方法において、駆動チップの誘導回路は、画素の駆動薄膜トランジスタの電気信号を抽出し、集積回路チップを用いて、補償必要のある補償電圧値を特定し、駆動チップにフィードバックして補償を実現する。
【0006】
電気信号検出を実現するために、一般的に、AMOLEDでは、1フレーム画面の最後の何行かのスキャン時間がブランク(blank)領域のスキャン時間とされる。ブランク領域に画素が設置されていないため、ブランク領域のスキャン時間内に、電気信号の検出及び補償電圧値の特定を行うことができる。各フレームの画面の表示時間内に、ある行の画素の駆動薄膜トランジスタの電気信号に対して検出を行う。駆動薄膜トランジスタの電気信号を検出するため、一般的に、駆動薄膜トランジスタとOLED素子と間に1つのセンス線が接続され、かつセンス線と駆動薄膜トランジスタの間にセンス薄膜トランジスタが設置される。ブランク領域のスキャン時間内に、当該センス薄膜トランジスタがオンになり、この場合、OLED素子へ流れる電流がセンス線へ流れることにより、OLED素子が暗くなり、つまり当該行の画素に暗線が出る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本公開の実施例の少なくとも1つは、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(OLED)の補償方法を提案する。前記補償方法は、補償すべき行の補償すべきサブ画素の現在フレームにおけるデータ電圧とゲイン値(ゲイン値>1)に基づいて、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームにおける書き戻し電圧を特定するステップと、前記現在フレームのブランク領域のスキャン時間内に、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームにおける書き戻し電圧を、それぞれに前記補償すべき行における対応的な補償すべきサブ画素に書き戻すステップとを含む。
【0008】
例えば、本公開の実施例の1つの補償方法の実現方式において、前記現在フレームの表示時間は、複数個の行スキャン時間を含み、前記ブランク領域のスキャン時間は、前記複数個の行スキャン時間のうちの最後のW1(W1は正の整数である)個の行スキャン時間を含み、前記最後のW1個の行スキャン時間は、充電段階と補償書き戻し段階を含む。前記補償方法は、前記充電段階において、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素に対応するセンス線に対して充電を行い、前記センス線が、前記補償すべきサブ画素の電気信号を検出するのに用いられるステップと、前記補償書き戻し段階において、検出された前記センス線の電気信号に基づいて、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームに隣接する次のフレームにおける補償電圧を算出するステップとを含む。
【0009】
例えば、本公開の実施例の他の補償方法の実現方式において、前記補償方法はさらに、前記補償書き戻し段階において、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームにおける書き戻し電圧を、それぞれに前記補償すべき行における対応的な補償すべきサブ画素に書き戻すステップを含む。
【0010】
例えば、本公開の実施例の他の補償方法の実現方式において、前記補償すべき行の補償すべきサブ画素の現在フレームにおけるデータ電圧とゲイン値に基づいて、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の現在フレームにおける書き戻し電圧を特定するステップは、各前記補償すべきサブ画素のゲイン値を取得するステップと、各前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームにおけるデータ電圧を、それぞれに前記ゲイン値と乗算して、各前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームにおける書き戻し電圧を取得するステップとを含む。
【0011】
例えば、本公開の実施例の他の補償方法の実現方式において、前記ゲイン値は、次の式で特定される。A=M/(M-N)。Aは前記補償すべき行の補償すべきサブ画素のゲイン値であり、Mは前記現在フレームの表示時間に含まれる行スキャン時間の数であり、Nは前記充電段階に含まれる行スキャン時間の数である。
【0012】
例えば、本公開の実施例の他の補償方法の実現方式において、前記補償すべき行の全ての前記補償すべきサブ画素の対応的な色は同じである。
【0013】
例えば、本公開の実施例の他の補償方法の実現方式において、前記補償すべき行の補償すべきサブ画素のゲイン値は、前記補償すべきサブ画素の対応的な色に対応する。
【0014】
例えば、本公開の実施例の他の補償方法の実現方式において、前記補償すべきサブ画素は、画素回路を含み、前記画素回路は、駆動トランジスタ、データ書き込みトランジスタ及びセンストランジスタを含み、前記補償書き戻し段階は、書き戻しサブ段階と再発光サブ段階を含む。前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームにおける書き戻し電圧を、それぞれに前記補償すべき行における対応的な補償すべきサブ画素に書き戻すステップは、前記充電段階の完了の場合に、前記センス線の電圧をリセットするステップと、前記書き戻しサブ段階において、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記データ書き込みトランジスタがオンになるように制御し、前記書き戻し電圧を、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記駆動トランジスタのゲートに書き込むステップと、前記再発光サブ段階において、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素のデータ書き込みトランジスタがオフになるように制御し、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記センストランジスタがオフになるように制御するステップと、を含む。
【0015】
例えば、本公開の実施例の他の補償方法の実現方式において、前記補償すべき行の補償すべきサブ画素において、前記データ書き込みトランジスタの駆動信号と、前記センストランジスタの駆動信号とは同一信号である。
【0016】
本公開の実施例はさらに、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイに用いられる補償装置を提供する。前記補償装置は、補償すべき行の補償すべきサブ画素の現在フレームにおけるデータ電圧とゲイン値(ゲイン値>1)に基づいて、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームにおける書き戻し電圧を特定するように構成される書き戻し特定回路と、前記現在フレームのブランク領域のスキャン時間内に、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームにおける書き戻し電圧を、それぞれに前記補償すべき行における対応的な補償すべきサブ画素に書き戻すように構成される書き戻し補償回路とを含む。
【0017】
例えば、本公開の実施例の1つの補償装置の実現方式において、前記現在フレームの表示時間は、複数個の行スキャン時間を含み、前記ブランク領域のスキャン時間は、前記複数個の行スキャン時間のうちの最後のW1(W1は正の整数である)個の行スキャン時間を含み、前記最後のW1個の行スキャン時間は、充電段階と補償書き戻し段階を含み、前記書き戻し補償回路は、前記充電段階において、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素に対応するセンス線に対して充電を行い、前記センス線が、前記補償すべきサブ画素の電気信号を検出するに用いられ、前記補償書き戻し段階において、検出された前記センス線の電気信号に基づいて、補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームに隣接する次のフレームにおける補償電圧を算出するように構成される。
【0018】
例えば、本公開の実施例の他の補償装置の実現方式において、前記書き戻し補償回路はさらに、前記補償書き戻し段階において、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームにおける書き戻し電圧を、それぞれに前記補償すべき行における対応的な補償すべきサブ画素に書き戻すように構成される。
【0019】
例えば、本公開の実施例の他の補償装置の実現方式において、前記書き戻し特定回路は、各前記補償すべきサブ画素のゲイン値を取得し、各前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームにおけるデータ電圧を、それぞれに前記ゲイン値と乗算して、各前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームにおける書き戻し電圧を取得するように構成される。
【0020】
例えば、本公開の実施例の他の補償装置の実現方式において、前記ゲイン値は、次の式で特定される。A=M/(M-N)。Aは前記補償すべき行の補償すべきサブ画素のゲイン値であり、Mは前記現在フレームの表示時間に含まれる行スキャン時間の数であり、Nは前記充電段階に含まれる行スキャン時間の数である。
【0021】
例えば、本公開の実施例の他の補償装置の実現方式において、前記補償すべきサブ画素は、画素回路と発光素子を含み、前記画素回路は、駆動トランジスタ、データ書き込みトランジスタ、センストランジスタ及びコンデンサを含み、前記駆動トランジスタは、前記発光素子が発光するよう駆動するように構成され、前記データ書き込みトランジスタは、オンの場合、データ電圧を前記駆動トランジスタのゲートに書き込むように構成され、前記コンデンサは、前記データ電圧を格納すると共にそれを前記駆動トランジスタのゲートに保持するように構成され、前記センストランジスタは、前記補償すべきサブ画素に対応する前記センス線に対して充電を行うように構成される。
【0022】
例えば、本公開の実施例の他の補償装置の実現方式において、前記補償書き戻し段階は、書き戻しサブ段階と再発光サブ段階を含み、前記書き戻し補償回路は、前記充電段階の完了の場合に、前記センス線の電圧をリセットし、前記書き戻しサブ段階において、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記データ書き込みトランジスタがオンになるように制御し、前記書き戻し電圧を、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記駆動トランジスタのゲートに書き込み、前記再発光サブ段階において、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素のデータ書き込みトランジスタがオフになるように制御し、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記センストランジスタがオフになるように制御するように構成される。
【0023】
例えば、本公開の実施例の他の補償装置の実現方式において、前記データ書き込みトランジスタのソースが前記データ電圧を受信するように構成され、前記データ書き込みトランジスタのゲートは、第1の駆動信号を受信するようにゲート線に接続し、前記データ書き込みトランジスタのドレインは、前記駆動トランジスタのゲートに接続する。前記駆動トランジスタのソースは、第1の電源端に接続し、前記駆動トランジスタのドレインは、発光素子の第1端子に接続する。前記コンデンサの一端が前記駆動トランジスタのゲートに接続し、前記コンデンサのもう1つの端は、前記駆動トランジスタのドレインに接続する。前記センストランジスタのソースは、前記駆動トランジスタのドレインに接続し、前記センストランジスタのドレインは、前記補償すべきサブ画素に対応する前記センス線に接続し、前記センストランジスタのゲートは、第2の駆動信号を受信するように構成される。
【0024】
例えば、本公開の実施例の他の補償装置の実現方式において、前記補償すべき行の補償すべきサブ画素において、前記第1の駆動信号と、前記第2の駆動信号とは同一信号である。
【0025】
例えば、本公開の実施例の他の補償装置の実現方式において、前記補償すべき行の全ての前記補償すべきサブ画素の対応的な色は同じである。
【0026】
例えば、本公開の実施例の他の補償装置の実現方式において、前記補償すべき行の補償すべきサブ画素のゲイン値は、前記補償すべきサブ画素の対応的な色に対応する。
【0027】
本公開の実施例はさらに、上記のいずれか一項に記載の補償装置を含む有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルを提供する。
【0028】
本公開の実施例はさらに、上記のいずれか一項に記載の補償装置を含む表示装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本公開の実施例の技術案をさらに明確に説明するために、以下に実施例の図面について簡単に紹介する。下記に記載の図面は本発明の実施例に係るものに過ぎず、本発明に対し制限するものではないことは、明らかである。
図1A図1Aは本公開の一実施例によるOLEDに用いられる補償方法のフローチャートである。
図1B図1Bは本公開の一実施例による他のOLEDに用いられる補償方法のフローチャートである。
図2図2は本公開の一実施例による補償すべきサブ画素の画素回路の構成図である。
図3図3は本公開の一実施例によるシーケンス図である。
図4図4は本公開の一実施例によるOLEDに用いられる補償装置を示す図である。
図5図5は本公開の一実施例による表示装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の目的、技術案、及びメリットをさらに明確に説明するために、以下において本発明の実施例の図面を参照して、本発明の実施例の技術案について明確に、完全に記載する。
【0031】
図1Aは、本公開の一実施例によるOLEDに用いられる補償方法のフローチャートであり、図1Bは本公開の一実施例による他のOLEDに用いられる補償方法のフローチャートである。
【0032】
例えば、図1Aを参照し、当該方法は以下のステップを含む。
【0033】
ステップS101:補償すべき行の補償すべきサブ画素の現在フレームにおけるデータ電圧とゲイン値に基づいて、補償すべき行の各補償すべきサブ画素の現在フレームの書き戻し電圧を特定する。
【0034】
ステップS102:現在フレームのブランク領域のスキャン時間内に、補償すべき行の各補償すべきサブ画素の現在フレームの書き戻し電圧をそれぞれ補償すべき行における対応的な補償すべきサブ画素に書き戻す。
【0035】
例えば、いずれかの1フレーム時間は平均的に、複数の行スキャン時間に分けることができ、ブランク領域のスキャン時間は、複数の行スキャン時間のうち最後のW1個の行スキャン時間を含む。容易に理解させるために、以下に、まずブランク領域の意味について簡単に説明する。外部補償機能を有するOLEDパネルは通常、表示領域とブランク(blank)領域に分けられ、表示領域は、画素(ユニット)が設けられており、発光するための領域を指す。一方、ブランク領域内には画素が設けておらず、発光機能を有しない。ブランク領域が主に外部補償を行うために用いられるため、ブランク領域には駆動回路が設置可能である。ブランク領域に画素が設置されていないが、外部補償を行うために、1フレーム時間の一部のスキャン時間はブランク領域に割り当てられ、ブランク領域に割り当てられたスキャン時間がブランク領域のスキャン時間である。ブランク領域のスキャン時間は、補償すべき行の画素の電気信号検出及び補償電圧の算出に用いられる。
【0036】
例えば、1フレーム時間は平均的にM部分に分けることができ、1つの部分は1つの行の画素のスキャン時間である。OLEDパネルはa行の画素を含むことができ、かつa行の画素が行スキャン方式でスキャンを行うことができる。1フレーム時間のうち、開始のa個の部分は、表示領域におけるa行の画素のスキャン時間であり、1フレーム時間のうちの後ろのb個の部分はブランク領域のスキャン時間である。a+b=M。ここで、a、b、Mはいずれも正の整数であり、aはbより大きい。なお、1フレーム時間は、1フレームの画面の表示時間を指す。
【0037】
例えば、現在フレームの表示時間は複数の行スキャン時間を含み、ブランク領域のスキャン時間は複数の行スキャン時間のうちの最後のW1個の行スキャン時間を含み、最後のW1個の行スキャン時間は、充電段階と補償書き戻し段階を含む。例えば、1フレーム時間は2250部分に分けることができ、開始の2160部分は表示領域の2160行の画素のスキャン時間に対応し、後ろの90部分はブランク領域のスキャン時間であり、補償すべき行の画素の電気信号の検出(即ち充電段階)と補償電圧算出(即ち補償書き戻し段階)を行うために用いられる。
【0038】
例えば、図1Bに示すように、一部の例では、当該補償方法はさらに次のステップを含むことができる。
【0039】
ステップS103:充電段階において、補償すべき行の各補償すべきサブ画素に対応する、補償すべきサブ画素の電気信号を検出するためのセンス線に対して充電を行う。
【0040】
ステップS104:補償書き戻し段階において、検出されたセンス線の電気信号に基づいて、補償すべき行の各補償すべきサブ画素の現在フレームに隣接する次のフレームの補償電圧を算出する。
【0041】
例えば、本公開の実施例において、ステップS103において、補償すべき行の補償すべきサブ画素の電気信号を検出するステップは、一般的に、センス(sense)線の電圧値を検出するステップを含む。
【0042】
例えば、センス線は、補償すべきサブ画素内の駆動トランスジスタと発光素子の間に接続され、センス線と駆動トランジスタの間にセンストランジスタが設置されている。ブランク領域のスキャン時間において、当該センストランジスタがオンになる。この場合、元々は発光素子へ流れる電流はセンス線へ流れ、当該センス線に接続する集積回路チップはセンス線の電圧値に対する検出を実現し、つまり補償すべき行の画素の電気信号を取得する。
【0043】
なお、図1A図1Bにおける各ステップの順番は、補償方法を実行する場合の操作順番を示さない。例えば、ステップS103、ステップS104及びステップS102はいずれもブランク領域のスキャン時間内に実行される。
【0044】
以下、センス線の配置方式を、図2に示す補償すべきサブ画素の画素回路構成図を参照しながら説明する。
【0045】
例えば、図2に示すように、補償すべきサブ画素は、画素回路と発光素子OLEDを含む。補償すべきサブ画素の画素回路は、駆動トランジスタT1、データ書き込みトランジスタT2、コンデンサC及びセンストランジスタT3を含むことができる。駆動トランジスタT1は、発光素子OLEDを発光するよう駆動するように構成され、データ書き込みトランジスタT2は、オンとなるときに、データ電圧を、駆動トランジスタT1のゲートに書き込むように構成され、コンデンサCは、データ電圧を格納すると共にそれを駆動トランジスタT1のゲートに保持するように構成され、センストランジスタT3は、補償すべきサブ画素に対応するセンス線に対して充電を行うように構成される。
【0046】
例えば、データ書き込みトランジスタT2のソースは、データ電圧を受信するようにゲート線Dに接続し、データ書き込みトランジスタT2のゲートは、第1の駆動信号を受信するようにゲート線G1に接続する。駆動トランジスタT1のソースは、第1の電源端Vddに接続し、駆動トランジスタT1のドレインは、発光素子OLEDの第1端子に接続し、発光素子OLEDの第2端子は第2の電源端Vssに接続する。コンデンサCの一端が駆動トランジスタT1のゲートに接続し、コンデンサCのもう1つの端は、駆動トランジスタT1のドレインに接続する。センストランジスタT3のソースは、駆動トランジスタT1のドレインと発光素子OLEDの第1端子に接続し、即ちセンストランジスタT3のソースは、駆動トランジスタT1のドレインと発光素子OLEDの第1端子の間に接続される。センストランジスタT3のドレインは、センス線Sに接続し、センストランジスタT3のゲートは、第2の駆動信号を受信するように制御線G2に接続する。
【0047】
図3は、図2の画素回路構成のシーケンス図である。信号g1はデータ書き込みトランジスタT2の制御信号であり、即ちゲート線G1によって提供される第1の駆動信号である。信号g2は、センストランジスタT3の制御信号であり、即ち制御線G2によって提供される第2の駆動信号である。図3に示すように、本公開の実施例によって提供される補償すべきサブ画素において、画素回路の設計を容易にするために、第1の駆動信号g1と第2の駆動信号g2は同じ信号であってもよい。
【0048】
例えば、図3を参照しながら、補償すべき行の画素のスキャン時間(即ち補償すべき行の画素のデータ書き込み段階)t1内に、ゲート線G1は、データ書き込みトランジスタT2がオンになるように制御するために、データ書き込みトランジスタT2に対して、オープン信号を提供する。かかる場合、データ線Dは、駆動トランジスタT1のゲートにデータ電圧を書き込み、コンデンサCを充電する。データ書き込み段階t1において、駆動トランジスタT1がオンではないので、集積回路のチップは、センス線Sの電圧値を検出できなかった。発光段階において、データ書き込みトランジスタT2とセンストランジスタT3はいずれもオフ状態にあり、集積回路チップは、センス線Sの電圧値を検出できなかった。かかる場合、駆動トランジスタT1はオンになり、発光素子OLEDは発光する。ブランク領域のスキャン時間内の充電段階t2において、駆動トランジスタT1とセンストランジスタT3はいずれもオン状態にあり、駆動トランジスタT1を介して発光素子OLEDへ流れる電流はセンス線Sへ流れてセンス線Sを充電する。この場合、センス線Sが充電状態にあるため、発光素子OLEDは発光しない。
【0049】
図2に示す補償すべきサブ画素の画素回路の構成は2T1Cであるが、本公開の実施例における補償すべきサブ画素の画素回路の構成は2T1Cに限らない。画素回路は、より多い又はより少ないトランジスタ及びコンデンサを設置することができる。例えば、画素回路は、5T1C、7T1C構成であってもよい。
【0050】
例えば、本公開の実施例において、駆動トランジスタT1、データ書き込みトランジスタT2及びセンストランジスタT3はいずれも薄膜トランジスタ又は電界効果トランジスタ、又は特性の同一なその他のスイッチ素子であってもよい。薄膜トランジスタは、ポリシリコン(低温ポリシリコン又は高温ポリシリコン)薄膜トランジスタ、アモルファスシリコン薄膜トランジスタ、酸化物薄膜トランジスタ又は有機薄膜トランジスタ等を含むことができる。
【0051】
例えば、トランスジスタの特性に基づいて、トランスジスタはN型トランジスタとP型トランジスタとに分けることができる。本公開の実施例では、駆動トランジスタT1、データ書き込みトランジスタT2及びセンストランジスタT3をいずれもN型トランジスタ(例えば、N型MOSトランジスタ)であることを例として、本公開の技術案を詳しく説明する。しかし、本公開の実施例はこれに限らない。当業者は実際の必要に応じて各トランジスタの類型を具体的に設置することができる。本公開の実施例では、全部又は一部のトランジスタのソースとドレインは必要に応じて互換できる。
【0052】
なお、OLEDパネルにおいて、各画素用に1つのセンス線を設置することができる。このセンス線は同時に1つの画素内の全てのサブ画素に接続し、1フレーム時間において、センス線は、画素におけるサブ画素のうちの1つのみと連通することにより、画素における1つのサブ画素を通じて充電すると共に、画素における1つのサブ画素の電気信号を検出する。当該画素内の他のサブ画素に対する検出は、次回当該行の画素を検出する際に行う。つまり、センス線は、毎回画素内の1つの色のサブ画素を検出し、そして補償を行う。OLEDパネルでは、1つの画素は通常4つのサブ画素(赤、緑、青、白)又は3つのサブ画素(赤、緑、青)を含む。
【0053】
なお、本公開の実施例は、1つの画素に1つのセンス線を設置するとは限らない。例えば、各画素に2つ又は複数のセンス線を設置することができる。よって、同時に画素内の2つ又は複数のサブ画素に対して検出及び補償処理を行うことができる。
【0054】
例えば、ブランク領域のスキャン時間は、複数行のスキャン時間のうちの最後のW1個のスキャン時間を含む。電気信号検出を行う場合、ブランク領域のスキャン時間の開始のW11個の行スキャン時間は、電気信号検出に用いられ、後ろのW12個の行スキャン時間は、補償電圧の特定に用いられる。例えば、W11+W12=W1、かつW11、W12はいずれも整数であり、開始のW11個の行スキャン時間の長さは後ろのW12個の行スキャン時間の長さより大きい。即ち、W11>W12。
【0055】
例えば、ブランク領域のスキャン時間が90部分に分かれる場合、開始の70部分は電気信号検出用であり、後ろの20部分は補償電圧特定用である。
【0056】
例えば、ステップS103において、補償すべきサブ画素の電気信号を検出するステップは、当該電気信号を検出する際に、補償すべき画素が位置する行目、つまり補償すべき行を特定してから、補償すべき行のセンストランジスタT3がオンになるよう制御することで、センス線の電気信号の検出を実現する。
【0057】
例えば、補償すべきサブ画素の電気信号の検出はさらに、補償すべき行のセンストランジスタT3がオンになることを制御する際に、その他の行のセンストランジスタT3がオフを維持するよう制御することで、フレーム毎に1行の画素に対して電気信号を検出する。
【0058】
例えば、本公開の実施例において、補償書き戻し段階は、補償電圧算出サブ段階を含むことができる。ステップS104は、補償電圧算出サブ段階において、検出された前記センス線の電気信号に基づいて、前記補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素の前記現在フレームに隣接する次のフレームの補償電圧を算出する。例えば、一部の例では、補償電圧算出サブ段階において、検出された補償すべき行の各補償すべきサブ画素の電気信号及び補償すべき行の各補償すべきサブ画素の現在フレームの設定信号に基づいて、補償すべき行の各補償すべきサブ画素の電気信号に対応する補償電圧を特定する。
【0059】
例えば、補償すべき行の各補償すべきサブ画素の電気信号は、補償すべき行の各補償すべきサブ画素に対応するセンス線が現在フレームにおいて検出した電圧値である。補償すべき行の各補償すべきサブ画素の現在フレームの設定信号が、補償すべき行の各補償すべきサブ画素に対応するセンス線の現在フレームにおける設定電圧であり、当該設定電圧は、補償すべきサブ画素の現在フレームにおける目標輝度に対応する。当該補償すべき行の各補償すべきサブ画素に対応するセンス線の現在フレームにおける設定電圧は、現在フレームの補償すべき行の各補償すべきサブ画素に書き込まれるデータ電圧に基づいて取得されることができる。
【0060】
例えば、現在フレームの補償すべき行の各補償すべきサブ画素に書き込まれるデータ電圧が、その現在フレームにおける目標輝度に対応するため、以下の方式を採用して補償すべき行の各補償すべきサブ画素に対応するセンス線の現在フレームにおける設定電圧を特定することができる。即ち、現在フレームの補償すべき行の各補償すべきサブ画素に書き込まれるデータ電圧に基づいて、現在フレームの補償すべき行の各補償すべきサブ画素の目標輝度を取得し、現在フレームの補償すべき行の各補償すべきサブ画素の目標輝度、および目標輝度とセンス線の設定電圧との対応関係に基づいて、現在フレームの補償すべき行の各補償すべきサブ画素に対応するセンス線の設定電圧を取得する。なお、目標輝度とセンス線の設定電圧との対応関係は、予めの検出(例えば、実験検出)により取得できる。
【0061】
例えば、現在フレームの補償すべき行の各補償すべきサブ画素に対応するセンス線の設定電圧を特定した後、補償電圧算出サブ段階において、各補償すべきサブ画素に対応するセンス線が現在フレームにおいて検出した電圧値と、当該補償すべきサブ画素に対応するセンス線の現在フレームにおける設定電圧との差の値を算出し、当該差の値に基づいて補償電圧を特定する。例えば、一部の例において、補償電圧算出サブ段階において、差の値を算出した後、当該差値に対応する差値の範囲を特定し、差値の範囲と補償電圧との対応関係に基づいて、差値に対応する補償電圧を算出する。
【0062】
例えば、当該差値範囲は、設定値Aの倍数に基づいて分けられ、例えば、(0,A],(A,2A],......。第1の差値範囲の対応する補償電圧は、階調が1である場合の電圧値であり、第2の差値範囲の対応する補償電圧は、階調が2である場合の電圧値であり、以下は類推する。上記対応関係に基づいて補償電圧の絶対値を特定して、補償電圧の正負を判断する。センス線が現在フレームにおいて検出した電圧値が設定電圧より小さい場合、当該補償電圧は正の値であり、センス線が現在フレームにおいて検出した電圧値が設定電圧より大きい場合、当該補償電圧は負の値である。上記各差値範囲に対応する電圧値は例であり、実際では他の電圧値に従って設定することもできる。
【0063】
なお、本公開の上記設定値Aの具体的な設置方式には制限がない。例えば、設定値Aは0.1Vであれば、差値範囲は、(0V,0.1V],(0.1V,0.2V],......。に分けられることができる。
【0064】
例えば、ステップS103において、1行の画素における補償すべきサブ画素の電気信号を同時に検出した。また、補償電圧を特定する際に、各補償すべきサブ画素の電気信号とデータ電圧に対して、その対応する補償電圧をそれぞれ特定する必要がある。
【0065】
例えば、ステップS102は、補償書き戻し段階において、補償すべき行の各補償すべきサブ画素の現在フレームにおける書き戻し電圧を、それぞれに補償すべき行の対応する補償すべきサブ画素に書き戻すステップを含むことができる。
【0066】
例えば、補償書き戻し段階は、書き戻しサブ段階と再発光サブ段階をさらに含むことができる。例えば、書き戻しサブ段階は、補償書き戻し段階の開始の若干個の行スキャン時間であり、再発光サブ段階は、補償書き戻し段階の後ろの若干個の行スキャン時間であることができる。
【0067】
なお、補償電圧算出サブ段階は、書き戻しサブ段階、再発光サブ段階と並行的に進めることができる。つまり、補償電圧算出サブ段階は、補償書き戻し段階の開始の若干個の行スキャン時間及び/又は後ろの若干個の行スキャン時間であってもよい。
【0068】
例えば、図2に示すように、書き戻しサブ段階において、センストランジスタがオンであるため、センス線と駆動トランジスタが繋がれ、発光素子OLEDは発光しない。書き戻しサブ段階が占める時間は短く、通常は2~3個の行スキャン時間であるため、暗線の持続時間も最も短い。
【0069】
例えば、ステップS102は、充電段階が完了した際に、センス線の電圧をリセットする(即ちセンス線の電圧を0にする)ステップと、書き戻しサブ段階において、補償すべき行の補償すべきサブ画素のデータ書き込みトランジスタ(即ち、図2におけるT2)がオンになるよう制御し、書き戻し予定電圧を、補償すべき行の各補償すべきサブ画素の駆動トランジスタ(即ち図2におけるT1)のゲートに書き込むステップと、再発光サブ段階において、補償すべき行の補償すべきサブ画素のデータ書き込みトランジスタがオフになるよう制御し、補償すべき行の各補償すべきサブ画素のセンストランジスタ(即ち図2におけるT3)がオフになるよう制御するステップと、を含むことができる。
【0070】
例えば、充電段階が完了した際に、センス線の電圧をリセットすると共に、当該センス線がセット状態にあり、センス線は充電しない。よって、次回補償を行う際に、センス線は正常に充電できる。
【0071】
例えば、補償すべき行の補償すべきサブ画素において、画素回路の設計を容易にするために、データ書き込みトランジスタの駆動信号(即ち第1の駆動信号)とセンストランジスタの駆動信号(即ち第2の駆動信号)とは同じ信号である。図3を参照し、g1とg2はそれぞれ、補償すべきサブ画素内の第1の駆動信号と第2の駆動信号である。
【0072】
例えば、図2図3に示すように、充電段階t2の後に、データ書き込みトランジスタT2とセンストランジスタT3は改めてオフ状態にあり、かつセンス線の電圧が0とされる。こうすると、センス線はセット状態にあり、セット状態においてセンス線は充電できない。現在フレームの補償書き戻し段階の開始の若干個の行スキャン時間(即ち書き戻しサブ段階)t3において、データ書き込みトランジスタがオンとなることにより、書き戻し電圧が、補償すべき行の各補償すべきサブ画素の駆動トランジスタのゲートに書き込まれる。この場合の書き戻し電圧は、ステップS101において算出された書き戻し電圧である。書き戻しサブ段階、即ち書き戻し電圧を書き込む際に、センストランジスタT3もオンの状態にあり、電流がセンス線へ流れるため、発光素子OLEDは発光しない。書き戻し電圧の書き込みが完成した後に、即ち再発光サブ段階において、データ書き込みトランジスタT2及びセンストランジスタT3がオフになり、電流が発光素子OLEDを流れて、発光素子OLEDが発光するように駆動すると共に、改めて書き込まれた書き戻し電圧により、駆動トランジスタT1のゲート電圧は増大する。駆動トランジスタT1のゲート電圧の増大により、駆動トランジスタT1のゲートとソースの間の電圧差が大きくなる。よって、駆動トランジスタT1の電流が大きくなり、発光素子OLEDの発光輝度が増加し、表示パネルの暗線を解消する機能が実現される。
【0073】
例えば、図3に示すように、本公開の実施例において、書き戻しサブ段階t3と充電段階t2の間に短い間隔時間が存在しうる。例えば、1~2個の行スキャン時間であってもよい。当該短い間隔時間は、センス線の状態の切り替えに使用されることができ、書き戻し電圧を直接に書き込む際に、センストランジスタT3がオンになることによりセンス線が引き続き充電状態にあることを回避することができる。
【0074】
例えば、図1Bに示すように、本公開によって提供される補償方法は、現在フレームに隣接する次のフレーム時間において、補償すべき行の各補償すべきサブ画素の補償電圧に基づいて補償すべき行の補償すべきサブ画素を補償するステップS105をさらに含む。
【0075】
例えば、本公開の実施例において、ステップS105は、補償すべき行の補償すべきサブ画素の現在フレームに隣接する次のフレームのデータ電圧と補償電圧との和を算出し、それぞれ補償すべき行の各画素の現在フレームに隣接する次のフレームにおける最終電圧とするステップを更に含む。現在フレームの隣接する次のフレーム時間において、補償すべき行の各画素の最終電圧に基づいて、補償すべき行の各画素を充電する。
【0076】
例えば、本公開において、現在フレームに隣接する次のフレームのデータ電圧は、現在フレームに隣接する次のフレーム時間においてデータ線により補償すべきサブ画素に書き込まれるデータ電圧を指す。現在フレームに隣接する次のフレーム時間において、補償すべき行の各補償すべきサブ画素のデータ電圧は、駆動回路より提供され、当該データ電圧は、現在フレームに隣接する次のフレームに表示される画面に係る。
【0077】
例えば、ステップS101は次のステップを含むことができる。
【0078】
ステップS1011:補償すべき行の補償すべきサブ画素のゲイン値を取得する。
【0079】
ステップS1012:補償すべき行の各補償すべきサブ画素の現在フレームにおけるデータ電圧を、それぞれゲイン値と乗算することにより、補償すべき行の各補償すべきサブ画素の現在フレームにおける書き戻し電圧を取得する。
【0080】
例えば、ステップS101において、ゲイン値は1より大きい。ゲイン値は設定値であり、つまりゲイン値は予め設定されうる。
【0081】
例えば、ステップS101において、補償すべき行の全ての補償すべきサブ画素に対応する色は同一である。補償すべきサブ画素の対応の色は、補償すべきサブ画素が発した光の色である。説明の便宜上、本公開の以下の説明では、ある色のサブ画素も、発した光がその色であるサブ画素を指す。
【0082】
例えば、一部の例において、ステップS1011は、現在フレームのブランク領域のスキャン時間の充電段階に含まれる行スキャン時間の数を特定するステップと、特定された充電段階に含まれる行スキャン時間の数に基づいて、補償すべき行の補償すべきサブ画素のゲイン値を算出するステップとをさらに含む。
【0083】
例えば、補償すべき行の補償すべきサブ画素のゲイン値は、以下の式で特定されうる。A=M/(M-N)。Aは補償すべき行の補償すべきサブ画素のゲイン値であり、Mは総計行数であり、総計行数は、いずれかの1つのフレーム時間に含まれる行スキャン時間の数に等しい。つまり、Mは現在フレームの表示時間に含まれる行スキャン時間の数であり、Nは現在フレームの充電段階に含まれる行スキャン時間の数であってもよい。
【0084】
例えば、駆動回路において、画素の行数は通常0から番号付けられるため、上記式では、総計行数が2250であれば、Mが2249に等しい。現在フレームの充電段階に含まれる行スキャン時間の数は70であれば、Nは69である。この場合、補償すべき行のゲイン値はA=2249/(2249-69)である。
【0085】
例えば、他の一部の例において、ステップS1011は、補償すべきサブ画素に対応する識別子を特定するステップと、補償すべきサブ画素に対応する識別子に基づいて、補償すべき行の補償すべきサブ画素のゲイン値を特定するステップとを含んでもよい。
【0086】
例えば、補償すべきサブ画素に対応する識別子とゲイン値との対応関係は、予め算出されて保存されてもよい。ゲイン値の算出方法は上記式と同じである。
【0087】
例えば、補償すべきサブ画素に対応する識別子は、補償すべきサブ画素の色を識別するのに使用可能である。例えば、赤いサブ画素は識別子1に対応し、緑のサブ画素は、識別子2に対応する。このように、補償すべき行の補償すべきサブ画素のゲイン値と、補償すべきサブ画素に対応する色とは対応する。
【0088】
例えば、補償すべきサブ画素のゲイン値は異なる色のサブ画素の充電効率によって決定される。異なる色のサブ画素の充電効率は同一である可能性もあり、異なる可能性もある。よって、異なる色のサブ画素のゲイン値は、同一である可能性もあり、異なる可能性もある。
【0089】
例えば、赤いサブ画素、緑のサブ画素及び白いサブ画素のゲイン値は同一であり、赤いサブ画素と青いサブ画素とのゲイン値が異なる。一部の例において、赤、緑、白のサブ画素に対応するN(即ち現在フレームの充電段階に含まれる行スキャン時間の数)が70であり、青色のサブ画素に対応するNが60であってもよい。
【0090】
本公開の実施例が提供する技術案は次の有益な効果を有する。即ち、補償すべき行の補償すべきサブ画素の現在フレームのデータ電圧とゲイン値に基づいて、補償すべき行の補償すべきサブ画素の書き戻し電圧を特定する。そして、現在フレームのブランク領域のスキャン時間内の補償書き戻し段階において、補償すべき行の補償すべきサブ画素の現在フレームにおける書き戻し電圧を、それぞれに補償すべき行の補償すべきサブ画素に書き戻す。現在フレームが電気信号の検出を行う際に(ブランク領域のスキャン時間内の充電段階)、補償すべきサブ画素に暗線が生じる。そのため、充電段階が完了した後に、補償すべきサブ画素が再発光するように、ゲインのある書き戻し電圧を補償すべきサブ画素に書き戻して、当該暗線を解消する。充電段階(電気信号検出時間)及び充電段階の後の時間において、当該補償すべきサブ画素の平均輝度は、電気検出を行わないときの平均輝度に相当するため、目で見れば、明らかな暗線が見えなく、暗線を解消することができる。
【0091】
図4は、本公開の一実施例による有機エレクトロルミネッセンスディスプレイに用いられる補償装置を示す図である。図4を参照し、当該補償装置は、書き戻し特定回路201と書き戻し補償回路202を含む。書き戻し特定回路201は、補償すべき行の補償すべきサブ画素の現在フレームのデータ電圧とゲイン値に基づいて、補償すべき行の各補償すべきサブ画素の現在フレームにおける書き戻し電圧を特定するように構成される。例えば、ゲイン値が1より大きい。書き戻し補償回路202は、現在フレームのブランク領域のスキャン時間内において、補償すべき行の各補償すべきサブ画素の現在フレームにおける書き戻し電圧を、それぞれに補償すべき行における対応的な補償すべきサブ画素に書き戻すように構成される。
【0092】
例えば、ゲイン値は設定値であり、即ちゲイン値は予め設定可能である。
【0093】
例えば、補償すべき行の全ての補償すべきサブ画素の対応的な色は同じである。補償すべき行の補償すべきサブ画素のゲイン値は、補償すべきサブ画素に対応する色に対応する。
【0094】
例えば、現在フレームの表示時間は複数の行スキャン時間を含むことができる。ブランク領域のスキャン時間は複数の行スキャン時間のうちの最後のW1個の行スキャン時間を含み、最後のW1個の行スキャン時間は充電段階と補償書き戻し段階を含み、W1は正の整数である。
【0095】
例えば、書き戻し補償回路202は、充電段階において、補償すべき行の各補償すべきサブ画素に対応する、前記補償すべきサブ画素の電気信号を検出するためのセンス線を充電し、補償書き戻し段階において、検出されたセンス線の電気信号に基づいて補償すべき行の各補償すべきサブ画素の現在フレームに隣接する次のフレームの補償電圧を算出するように構成される。
【0096】
例えば、書き戻し補償回路202は更に、補償書き戻し段階において、補償すべき行の各補償すべきサブ画像の現在フレームにおける書き戻し電圧を、それぞれに補償すべき行における対応する補償すべきサブ画像に書き戻すように構成される。
【0097】
例えば、本公開の実施例において、書き戻し特定回路201は、補償すべき行の各補償すべきサブ画素のゲイン値を取得し、補償すべき行の各補償すべきサブ画素の現在フレームにおけるデータ電圧をそれぞれにゲイン値と乗算して、補償すべき行の補償すべきサブ画素の現在フレームにおける書き戻し電圧を取得するように構成される。
【0098】
例えば、本公開の実施例において、ゲイン値は、次の式で特定される。A=M/(M-N)。Aは補償すべき行の補償すべきサブ画素のゲイン値であり、Mは現在フレームの表示時間に含まれる行スキャン時間の数であり、Nはブランク領域のスキャン時間における充電段階に含まれる行スキャン時間の数である。
【0099】
例えば、補償すべきサブ画素は画素回路と発光素子を含み、前記画素回路は、駆動トランジスタ、データ書き込みトランジスタ、センストランジスタ及びコンデンサを含む。駆動トランジスタは、発光素子を発光させるように駆動するように構成され、データ書き込みトランジスタは、オンの場合、データ電圧を前記駆動トランジスタのゲートに書き込むように構成され、コンデンサは、データ電圧を格納すると共にそれを駆動トランジスタのゲートに保持するように構成され、センストランジスタは、補償すべきサブ画素に対応するセンス線に対して充電を行うように構成される。
【0100】
例えば、データ書き込みトランジスタのソースは、データ電圧を受信するように構成される。データ書き込みトランジスタのゲートは、第1の駆動信号を受信するようゲート線に接続され、データ書き込みトランジスタのドレインは、駆動トランジスタのゲートに接続される。駆動トランジスタのソースは、第1の電源端子に接続し、駆動トランジスタのドレインは、発光素子の第一端子に接続する。コンデンサの一端は駆動トランジスタのゲートに接続し、コンデンサのもう1端は駆動トランジスタのドレインに接続する。センストランジスタのソースは駆動トランジスタのドレインに接続し、センストランジスタのドレインは補償すべきサブ画素に対応するセンス線に接続し、センストランジスタのゲートは、第2の駆動信号を受信するよう構成される。
【0101】
なお、画素回路に対する詳細な説明は、上記補償方法の実施例における関連説明を参照してもよい。ここでは重複説明を省略する。
【0102】
例えば、補償すべき行の補償すべきサブ画素において、画素回路の設計を容易にするために、第1の駆動信号と第2の駆動信号は同一駆動信号である。
【0103】
例えば、補償書き戻し段階は、書き戻しサブ段階と再発光サブ段階を含むことができる。書き戻し補償回路202は、充電段階の完了する場合に、センス線の電圧をリセットし、書き戻しサブ段階において、補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素のデータ書き込みトランジスタがオンになるように制御し、書き戻し電圧を、補償すべき行の各補償すべきサブ画素の駆動トランジスタのゲートに書き込み、再発光サブ段階において、補償すべき行の各前記補償すべきサブ画素のデータ書き込みトランジスタがオフになるように制御し、補償すべき行の各補償すべきサブ画素のセンストランジスタがオフになるよう制御するように構成される。
【0104】
なお、書き戻し特定回路201は、上記補償方法におけるステップS101を実行することに更に使用され、書き戻し補償回路202は、上記補償方法におけるステップS102を実行することに更に使用される。よって、書き戻し特定回路201と書き戻し補償回路202の具体的な機能は、上記補償方法の実施例の関連説明を参照できる。
【0105】
例えば、本公開の実施例において、書き戻し特定回路201は、OLEDパネルの駆動回路に集積されてもよく、単独的な集積回路チップで実現されてもよい。書き戻し補償回路202は、OLEDパネルの駆動回路におけるデータ信号生成回路、集積回路チップ及びセンス線等を含むことができる。
【0106】
本公開の実施例による補償装置は、上記補償方法とは同じの発明考案に基づくものであるため、当該補償装置における各回路が具体的に実行する方法ステップは、補償方法の実施例の関連する部分を参照できる。ここでは重複説明を省略する。
【0107】
本公開の実施例はさらに、有機エレクトロルミネッセンス(OLED)パネルを提案する。当該OLEDパネルは、上記のいずれか一項に記載の補償装置を含む。当該OLEDパネルが図4に示す補償装置を含むため、当該補償装置と同様な技術効果を実現可能であり、即ち表示パネルの暗線を解消し、表示パネルの均一性を向上することができる。
【0108】
図5は、本公開の一実施例による表示装置を示す図である。本公開の実施例は、上記のいずれか一項に記載のOLEDパネル又は補償装置101を含む表示装置100をさらに提案する。
【0109】
例えば、本公開の実施例によって提案された表示装置100は、フォン、タブレット、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトスタンド、ナビゲーションなど如何なる表示機能を有する製品又は部材であってもよい。当該表示装置100は、前記OLEDパネル又は補償装置101を含むため、当該OLEDパネル又は補償装置101と同一の技術効果を実現可能であり、即ち表示パネルの暗線を解消し、表示パネルの均一性を向上することができる。
【0110】
以上は本公開の好ましい実施形態だけである。当業者が、本発明の主旨及び範囲を離脱しないように、本発明に対し各種変更及び改善を行うことができることは、明らかである。このように、本発明のこのような変更及び改善が本発明の請求項及び均等的な技術範囲に属する場合、本発明はこれらの変更または改善を含むと解釈される。
【符号の説明】
【0111】
100 表示装置
101 補償装置
201 書き戻し特定回路
202 書き戻し補償回路
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5