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特許7148589有機発光ダイオード(OLED)の正孔注入層(HIL)として使用される金属アミド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】有機発光ダイオード(OLED)の正孔注入層(HIL)として使用される金属アミド
(51)【国際特許分類】
   H01L 51/50 20060101AFI20220928BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20220928BHJP
   C07F 1/02 20060101ALN20220928BHJP
   C07F 3/02 20060101ALN20220928BHJP
   C07F 1/10 20060101ALN20220928BHJP
   C07F 9/50 20060101ALN20220928BHJP
   C07C 43/10 20060101ALN20220928BHJP
   C07C 211/10 20060101ALN20220928BHJP
   C07F 13/00 20060101ALN20220928BHJP
【FI】
H05B33/22 D
H05B33/14 A
H05B33/10
C07F1/02
C07F3/02 Z
C07F1/10
C07F9/50
C07C43/10
C07C211/10
C07F13/00 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020209619
(22)【出願日】2020-12-17
(62)【分割の表示】P 2018508184の分割
【原出願日】2016-08-18
(65)【公開番号】P2021064797
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2021-01-13
(31)【優先権主張番号】15181385.4
(32)【優先日】2015-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503180100
【氏名又は名称】ノヴァレッド ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】フンメルト,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ローゼノ,トーマス
【審査官】岩井 好子
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-246179(JP,A)
【文献】特許第6813569(JP,B2)
【文献】特開2014-197657(JP,A)
【文献】国際公開第2015/097232(WO,A1)
【文献】国際公開第2008/120626(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/007287(WO,A1)
【文献】特開2014-175590(JP,A)
【文献】国際公開第2015/096658(WO,A1)
【文献】特表2018-530910(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0211640(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/50
H05B 33/10
C07F 1/02
C07F 3/02
C07F 1/10
C07F 9/50
C07C 43/10
C07C 211/10
C07F 13/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(110)と、上記基板上に形成されたアノード(120)と、正孔注入層(130)と、正孔輸送層(140)と、発光層(150)と、カソード(190)とを備えたOLEDであって、
上記正孔注入層(130)は、電荷中性金属アミド化合物を含み、
上記電荷中性金属アミド化合物は、式Iaを有し、
【化1】

式中、
mは、0であり、
pは、0であり、
nは、1または2であり、
Gは、式IIa~IIeのハロゲン化物、O、アルコキシレートまたはアミンであり、
【化2】

~R は、それぞれ独立して、H、C ~C 20 アルキル、C ~C 20 ヘテロアルキル、非置換もしくはC ~C 12 が置換されたC ~C 20 アリール、5~20個の環形成原子を有する非置換もしくはC ~C 12 が置換されたヘテロアリール、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC ~C 20 アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC ~C 20 ヘテロアルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC ~C 20 アリール、5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールを含む群から選択され、または、
少なくとも1つのR およびR ならびに/またはR およびR ならびに/またはR およびR は架橋され、5~20員環を形成し、
Mは、アルカリ土類金属、または遷移金属を含む群から選択される金属であり、
Nと上記金属Mとの結合は共有結合であり、または、Nは上記金属Mに対して非共有相互作用を及ぼし、
Lは、上記金属Mに配位結合する電荷中性配位子であり、H O、C ~C 40 単座もしくは多座配位エーテルおよびC ~C 40 チオエーテル、C ~C 40 アミン、C ~C 40 ホスフィン、C ~C 20 アルキルニトリルもしくはC ~C 40 アリールニトリル、または式(III)に係る化合物を含む群から選択され、
【化3】

式中、R およびR は、それぞれ独立して、C ~C 20 アルキル、C ~C 20 ヘテロアルキル、C ~C 20 アリール、5~20個の環形成原子を有するヘテロアリール、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC1~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC ~C 20 ヘテロアルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC ~C 20 アリール、5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールから選択され、または、少なくとも1つのR およびR は架橋され、5~20員環を形成し、または、上記2つのR および/もしくは上記2つのR は架橋され、5~40員環を形成するか、非置換もしくはC ~C 12 が置換されたフェナントロリンを含む5~40員環を形成し、
、およびAはSOであり
、およびBは、置換もしくは非置換のC~C20アルキル、置換もしくは非置換のC~C20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換のC~C20アリール、置換もしくは非置換のC~C20ヘテロアリールから、同一のものが選択されるかまたはそれぞれ独立して選択され、
上記正孔輸送層(140)は、カルバゾール誘導体、芳香族縮合環を有するアミン誘導体、トリアリールアミン化合物、またはトリフェニルアミン系化合物から選択されることを特徴とするOLED。
【請求項2】
請求項1に記載の電荷中性金属アミド化合物において、Mは、Mg(II)、Ca(II)、Sr(II)、Ba(II)、Mn(II)、Fe(II)、Co(II)、Ni(II)、Cu(I)、Cu(II)、Zn(II)、Ag(I)、Au(I)、Sn(II)またはPb(II)から選択されることを特徴とする請求項1に記載のOLED。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電荷中性金属アミド化合物は、下記式C1~C3、C5およびC6に係るフッ化化合物のうちの少なくとも1つから選択され、
下記式C1~C3、C5およびC6中、nは1または2であり、Mは請求項1または2に記載の電荷中性金属アミド化合物中のMから選択されるものであることを特徴とする請求項1または2に記載のOLED。
【化4】
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の電荷中性金属アミド化合物は、少なくとも1つの下記式D7、D9、及びD17に係るフッ化化合物から選択されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のOLED。
【化5】
【請求項5】
上記正孔注入層(130)は、請求項1~4のいずれか1項に記載の電荷中性金属アミド化合物を、50重量%以上100重量%以下の範囲で含むか、または請求項1~4に記載の電荷中性金属アミド化合物からなることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のOLED。
【請求項6】
上記正孔輸送層(140)は、式VIIaに係るトリアリールアミン化合物を含み、
【化6】

ArおよびArは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のC~C20アリーレンから選択され、
ArおよびArは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のC~C20アリールから選択され、
ArおよびArは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のC~C20アリールまたはC~C40ヘテロアリールから選択され、
は、単化学結合であり、非置換もしくは置換のC~Cアルキルおよび非置換もしくは置換のC~Cヘテロアルキルであり、
qは、0、1または2であり、
rは、0または1であり、
Ar~Arの置換基は、それぞれ独立して、C~C20アルキル、C~C20ヘテロアルキル、またはハロゲン化物から選択され、
の置換基は、それぞれ独立して、C~Cアルキル、C~Cヘテロアルキル、C~C20アリールおよびC~C20ヘテロアリールから選択されることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のOLED。
【請求項7】
式VIIaにおけるAr~Arは、それぞれ独立して、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、クォートフェニル、フルオレニル、ナフチル、アントラニル、フェナントリル、チオフェニル、またはカルバゾリルから選択されることを特徴とする請求項6に記載のOLED。
【請求項8】
Ar~Arの置換基は、それぞれ独立して、C~C12アルキルまたはハロゲン化物から選択されることを特徴とする請求項6または7に記載のOLED。
【請求項9】
アノード(120)と、正孔注入層(130)と、発光層(150)とを備え、上記正孔注入層は、上記アノードと直接接触し、上記発光層は、上記正孔注入層と直接接触し、
または、
アノード(120)と、正孔注入層(130)と、正孔輸送層(140)と、発光層(150)とを備え、上記正孔注入層(130)は、上記アノード(120)と直接接触し、上記正孔輸送層(140)は、上記正孔注入層(130)と直接接触し、
上記正孔注入層(130)の組成は、上記正孔輸送層(140)の組成とは異なることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のOLED(100)。
【請求項10】
OLED(100)の製造方法であって、請求項1~9のいずれか1項に記載の正孔注入層(130)は、アノード層(120)の上にデポジットされ、任意の正孔輸送層(140)は、上記正孔注入層(130)の上にデポジットされ、発光層(150)は、上記正孔輸送層(140)の上にデポジットされ、任意の正孔遮断層(155)は、上記発光層(150)の上にデポジットされ、任意の電子輸送層(161)は、上記正孔遮断層(155)の上にデポジットされ、任意の電子注入層(180)は、上記電子輸送層(161)の上にデポジットされ、カソード(190)は、上記電子注入層(180)の上にデポジットされ、上記層は、この順に配置され、上記アノード(120)と上記カソード(190)との間に挟まれているか、または、
上記層は、上記カソード(190)をはじめとして、上記の順とは逆の順にデポジットされ、上記カソード(190)と上記アノード(120)との間に挟まれていることを特徴とするOLED(100)の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、有機発光ダイオード(OLED)の正孔注入層(HIL)として使用される
金属アミド、および当該金属アミドを含むHILを備える有機発光ダイオード(OLED
)の製造方法に関する。
〔背景技術〕
欧州特許出願公開第1209708(EP,A1)に開示されている有機太陽電池は、以下の一般的な構造を有する。
基板+EM/HTM/dye/SOL/EM、または
基板+EM/SOL/dye/HTM/EM、または
基板+EM/HTM/SOL/EM
上記構造において、EMは、透明導電性酸化物(TCO)または金属であってもよい電極材料であり、上記電池の1つ以上のEM層のうちの少なくとも1つがTCOであり、HTMは、正孔輸送材料であり、SOLは、半導体酸化物層であり、「dye」は、好適な色素であり、上記SOL層は、蒸着(vapor deposit)されている。
【0002】
米国特許出願公開第2013/0330632(US,A1)は、5または6員環のN含有ヘテロ環を有する少なくとも1つの配位子を含むコバルト錯体を含む電気化学デバイスについて言及している。上記錯体は、特に有機半導体において、電気化学デバイス上のp-ドーパントおよびn-ドーパントとして、有用である。上記錯体はさらに、過放電抑制剤および過電圧保護剤として有用である。
【0003】
自発光デバイスである有機発光ダイオード(OLED)は、広視野角、優れたコントラスト、高速応答性、高輝度、優れた駆動電圧特性、および色再現性を有する。一般的なOLEDは、アノードと、正孔注入層(HIL)と、正孔輸送層(HTL)と、発光層(EML)と、電子輸送層(ETL)と、カソードとを備えており、これらは、基板上に連続して積層されている。このとき、HIL、HTL、EML、およびETLは、有機化合物から形成された薄膜である。
【0004】
アノードおよびカソードに電圧が印加されると、アノードから注入された正孔はHILおよびHTLを介してEMLへ移動し、カソードから注入された電子はETLを介してEMLへ移動する。上記正孔および電子はEML内で再結合し、励起子を生成する。当該励起子が励起状態から基底状態に移行するときに、光が放出される。正孔および電子の注入および流れは、上述した構造を有するOLEDが優れた効率および/または長い寿命を有するように、調和させるべきである。
【0005】
一般的に正孔注入層として使用される、式Aを有するジピラジノ[2,3-f:2’,3’-h]キノキサリン-2,3,6,7,10,11-ヘキサカルボニトリル(CNHAT(CAS 105598-27-4))には、いくつか欠点がある。
【0006】
【化1】
【0007】
例えば、CNHAT HIL層を含むOLEDの正孔輸送層の最高被占分子軌道(HOMO)準位が真空準位からさらに隔たっている場合、上記OLEDの電圧は高すぎる。さらに、HOMOが真空準位からさらに隔たっていることを意味する、非常に深いHOMOのHTLにまで効果的に正孔を注入することは、十分には実現されない。
【0008】
非常に深いHOMO準位へ効率的に正孔を注入することによって、高効率発光層、特に燐光性の青色および緑色エミッターと、熱活性化遅延蛍光(TADF)に依存する発光とを使用することが可能になる。
【0009】
このため、HIL層から正孔輸送層(HTL)へ、HOMO準位から真空準位までのより広範囲にわたる正孔注入をより効果的に促進する正孔注入層材料を提供することが依然として望まれている。
〔発明の概要〕
本発明の態様は、駆動電圧を低下させ、特に青色発光OLEDに関して電圧の経時安定性を向上させ、ならびに/またはトップおよび/もしくはボトムエミッション型有機発光ダイオード(OLED)に関して外部量子効率EQEを向上させる方法を提供する。本発明は、有機発光ダイオード(OLED)に使用する正孔注入層(HIL)に関する。本発明はさらに、アノードと、正孔注入層(HIL)と、正孔輸送層(HTL)と、発光層(EML)と、任意の正孔遮断層(HBL)と、任意の電子輸送層(ETL)と、任意の電子注入層(EIL)と、カソードとを備える有機発光ダイオード(OLED)、ならびに当該有機発光ダイオード(OLED)の製造方法に関する。
【0010】
本発明の一態様によれば、電荷中性金属アミド化合物を含むOLEDの正孔注入層であって、上記電荷中性金属アミド化合物は、式Iaを有し、
【0011】
【化2】
【0012】
式中、
Gは、式IIa~IIeのハロゲン化物、O、アルコキシレートまたはアミンであり、
【0013】
【化3】
【0014】
~Rは、それぞれ独立して、H、C~C20アルキル、C~C20ヘテロアルキル、非置換もしくはC~C12が置換されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有する非置換もしくはC~C12が置換されたヘテロアリール、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20ヘテロアルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールを含む群から選択され、または、
少なくとも1つのRおよびRならびに/またはRおよびRならびに/またはRおよびRは架橋され、5~20員環を形成し、
mは、0、1、2、3または4であり、
Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、Ga、In、遷移金属または希土類金属を含む群から選択される金属であり、
Lは、上記金属Mに配位結合する電荷中性配位子であり、HO、C~C40単座もしくは多座配位エーテルおよびC~C40チオエーテル、C~C40アミン、C~C40ホスフィン、C~C20アルキルニトリルもしくはC~C40アリールニトリル、または式(III)に係る化合物を含む群から選択され、
【0015】
【化4】
【0016】
式中、RおよびRは、それぞれ独立して、C~C20アルキル、C~C20ヘテロアルキル、C~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するヘテロアリール、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20ヘテロアルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールから選択され、または、少なくとも1つのRおよびRは架橋され、5~20員環を形成し、または、上記2つのRおよび/もしくは上記2つのRは架橋され、5~40員環を形成するか、非置換もしくはC~C12が置換されたフェナントロリンを含む5~40員環を形成し、
pは、0、1、2または3であり、
、A、AおよびAは、それぞれ独立して、CO、SOまたはPORから選択され、
は、ハロゲン化物、ニトリル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、または5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールを含む群から選択される電子求引基であり、
nは、1、2、3、4または5であり、
、B、BおよびBは、置換もしくは非置換のC~C20アルキル、置換もしくは非置換のC~C20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換のC~C20アリール、置換もしくは非置換のC~C20ヘテロアリールから、同一のものが選択されるかまたはそれぞれ独立して選択されるか、BおよびBは架橋されており、
およびBが架橋されている場合、
M、N、A、B、B、AおよびNは、式Ibに係る7~10員環を形成するか、
【0017】
【化5】
【0018】
または、
N、A、B、BおよびAは、式Icに係る5~10員環を形成するか、
【0019】
【化6】
【0020】
または、
N、A、B、BおよびA2は、第1の5~10員環を形成し、BおよびBは、式Idに係る第2の5~20員環を形成することを特徴とする正孔注入層が提供される。
【0021】
【化7】
【0022】
本発明の他の態様によれば、電荷中性金属アミド化合物を含むOLEDの正孔注入層であって、上記電荷中性金属アミド化合物は、式Iaを有し、
【0023】
【化8】
【0024】
式中、
Gは、式IIa~IIeのハロゲン化物、O、アルコキシレートまたはアミンであり、
【0025】
【化9】
【0026】
~Rは、それぞれ独立して、H、C~C20アルキル、C~C20ヘテロアルキル、非置換もしくはC~C12が置換されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有する非置換もしくはC~C12が置換されたヘテロアリール、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20ヘテロアルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールを含む群から選択され、または、
少なくとも1つのRおよびRならびに/またはRおよびRならびに/またはRおよびRは架橋され、5~20員環を形成し、
mは、0、1、2、3または4であり、
Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、Ga、In、遷移金属または希土類金属を含む群から選択される金属であり、
Lは、上記金属Mに配位結合する電荷中性配位子であり、HO、C~C40単座もしくは多座配位エーテルおよびC~C40チオエーテル、C~C40アミン、C~C40ホスフィン、C~C20アルキルニトリルもしくはC~C40アリールニトリル、または式(III)に係る化合物を含む群から選択され、
【0027】
【化10】
【0028】
式中、RおよびRは、それぞれ独立して、C~C20アルキル、C~C20ヘテロアルキル、C~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するヘテロアリール、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20ヘテロアルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールから選択され、または、少なくとも1つのRおよびRは架橋され、5~20員環を形成し、または、上記2つのRおよび/もしくは上記2つのRは架橋され、5~40員環を形成するか、非置換もしくはC~C12が置換されたフェナントロリンを含む5~40員環を形成し、
pは、0、1、2または3であり、
、A、AおよびAは、それぞれ独立して、CO、SOまたはPORから選択され、
は、ハロゲン化物、ニトリル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、または5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールを含む群から選択される電子求引基であり、
nは、1、2、3、4または5であり、
、B、BおよびBは、置換もしくは非置換のC~C20アルキル、置換もしくは非置換のC~C20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換のC~C20アリール、置換もしくは非置換のC~C20ヘテロアリールから、同一のものが選択されるかまたはそれぞれ独立して選択されるか、BおよびBは架橋されており、
およびBが架橋されている場合、
M、N、A、B、B、AおよびNは、式Ibに係る7~10員環を形成するか、
【0029】
【化11】
【0030】
または、
N、A、B、BおよびAは、式Icに係る5~10員環を形成するか、
【0031】
【化12】
【0032】
または、
N、A、B、BおよびAは、第1の5~10員環を形成し、BおよびBは、式Idに係る第2の5~20員環を形成し、
【0033】
【化13】
【0034】
上記正孔注入層は、上記電荷中性金属アミド化合物を、約50重量%以上約100重量%以下、好ましくは約60重量%以上約100重量%以下、より好ましくは約70重量%以上約100重量%以下、さらに好ましくは約80重量%以上約100重量%以下、または約95重量%以上約100重量%以下、または約98重量%以上約100重量%以下の範囲で含むことを特徴とする正孔注入層が提供される。
【0035】
本発明の他の態様によれば、OLEDの正孔注入層であって、式Iaに係る電荷中性金属アミド化合物を約95重量%以上約100重量%以下の範囲で含むことを特徴とする正孔注入層が提供される。
【0036】
本発明の他の態様によれば、OLEDの正孔注入層であって、式Iaに係る電荷中性金属アミド化合物を約98重量%以上約100重量%以下の範囲で含むことを特徴とする正孔注入層が提供される。
【0037】
本発明の他の態様によれば、OLEDの正孔注入層であって、式Ib、式Ic、および/または式Idに係る電荷中性金属アミド化合物を約98重量%以上約100重量%以下の範囲で含むことを特徴とする正孔注入層が提供される。
【0038】
本発明の他の態様によれば、OLEDの正孔注入層であって、式C1~C25、式D1~D24、および/または式F1~F46に係る電荷中性金属アミド化合物のうち少なくとも1つを、約50重量%以上約100重量%以下、好ましくは約60重量%以上約100重量%以下、より好ましくは約70重量%以上約100重量%以下、さらに好ましくは約80重量%以上約100重量%以下、または約95重量%以上約100重量%以下、または約98重量%以上約100重量%以下の範囲で含むことを特徴とする正孔注入層が提供される。
【0039】
本発明の他の態様によれば、OLEDの正孔注入層であって、式C1に係る電荷中性金属アミド化合物のうち少なくとも1つを、約50重量%以上約100重量%以下、好ましくは約60重量%以上約100重量%以下、より好ましくは約70重量%以上約100重量%以下、さらに好ましくは約80重量%以上約100重量%以下、または約95重量%以上約100重量%以下、または約98重量%以上約100重量%以下の範囲で含むことを特徴とする正孔注入層が提供される。
【0040】
驚くべきことに、上記アノードと上記正孔輸送層との間に挿入された金属アミド層(HIL)は、上記正孔輸送層への正孔注入を効果的に促進することが分かった。例えば、上記正孔輸送層のHOMO準位が真空準位からさらに隔たっている場合、金属アミドの性能は、CNHATより優れている(特に電圧)。さらに、非常に深いHOMOのHTL(真空準位からさらに隔たったHOMO)にまで効果的に正孔を注入することを実現できる。これは、一般的にHIL材料として使用されている、CNHAT等の先行技術の材料では実現できない。非常に深いHOMO準位へ効率的に正孔を注入することによって、高効率発光層、特に燐光性の青色および緑色エミッターと、熱活性化遅延蛍光(TADF)に依存する発光とを使用することが可能になる。
【0041】
上記有機発光ダイオード(OLED)は、ボトムエミッション型OLEDまたはトップエミッション型OLEDであってもよい。
【0042】
以下の定義された用語に関しては、特許請求の範囲または本明細書中の他の箇所において別の定義が下されない限り、これらの定義が適用されるべきである。
【0043】
例えば式1a、1b、1c、および1dにおいて示されるような、Nと上記金属Mとの結合は共有結合であってもよく、または、Nは上記金属Mに対して非共有相互作用を及ぼす。本願発明者は、特定の理論にとらわれることなく、以下の例が示すように、この種の化合物がNとMとの共有結合を形成してもよく、または、Nが上記金属Mに対して非共有相互作用を及ぼすと考えている。
【0044】
【化14】
【0045】
破線および/または矢印は、非共有相互作用を表す。非共有相互作用は、電子の共有は含まないが、むしろ、分子間または分子内のより分散したバリエーションの電磁相互作用を含むという点において、共有結合と異なる。非共有相互作用は、一般的に、静電作用、π作用、ファンデルワールス力、および疎水作用の4つのカテゴリーに分類される。
【0046】
電圧は、Uとも称され、ボトムエミッション型素子において1平方センチメートル当たり10ミリアンペア(mA/cm)、トップエミッション型素子において15mA/cmでのボルト(V)で測定される。
【0047】
電圧の経時安定性U(50h)-U(0h)は、15mA/cmでのボルト(V)で測定される。上記電圧の経時安定性を算出するために、安定性試験の開始時の電圧(U(0h))を50時間(h)後の電圧(U(50h))から引く。U(50h)-U(0h)の値が小さいほど、電圧の経時安定性がより優れている。
【0048】
外部量子効率は、EQEとも称され、パーセント(%)で測定される。色空間は、座標CIE-xおよびCIE-y(国際照明委員会 1931)によって示される。青色発光に関しては、上記CIE-yが特に重要である。CIE-yが小さいほど、より深い青色を意味する。
【0049】
最高被占分子軌道は、HOMOとも称され、最低空分子軌道は、LUMOとも称され、これらの軌道は、電子ボルト(eV)で測定される。
【0050】
「OLED」および「有機発光ダイオード」という用語は、並行して使用され、同一の意味を有する。
【0051】
「遷移金属」という用語は、周期表上の3~12族の元素を含めて周期表のdブロックにおける任意の元素を意味し、含む。
【0052】
本明細書で使用するとき、「重量パーセント」、「重量%」("weight percent"、"wt.-%"、"percent by weight"、"% by weight")およびこれらに類する表現は、組成物、成分、物質または薬剤を、上記各電子輸送層の構成物の総重量で割り、100を掛けた、上記各電子輸送層の組成物、成分、物質または薬剤の重量として表現するものである。上記各電子輸送層の、全ての成分、物質または薬剤の総重量パーセントの量は、100重量%を超過しないように選択されることがわかる。
【0053】
本明細書において、全ての数値は、明示的に示されているか否かに関わらず、用語「約」によって修飾されるものとする。本明細書で使用するとき、用語「約」は、起こり得る数量のばらつきを指す。用語「約」によって修飾されているか否かに関わらず、特許請求の範囲には、量と同等量が含まれる。
【0054】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用するとき、単数形("a"、"an"、および"the")は、内容によって明確に別段に規定されない限り、複数の指示物も含むことに留意すべきである。
【0055】
用語「含んでいない」("free of"、"does not contain"、"does not comprise")は、不純物を除外しない。不純物は、本発明によって実現される目的に対して、技術的効果を及ぼさない。
【0056】
用語「アルキル」は、直鎖または分鎖のアルキル基を指す。
【0057】
本明細書で使用するとき、用語「炭素原子数1~20」は、1~20個の炭素原子を有する、直鎖または分鎖のアルキル基を指す。上記アルキル基は、メチル基、エチル基、ならびに、プロピル基、ブチル基またはペンチル基の異性体(例えばイソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基および/またはイソペンチル基など)を含む群から選択してもよい。用語「アリール」は、芳香族基(例えばフェニル基またはナフチル基)を指す。
【0058】
本明細書において、第1の要素が第2の要素の「上に」形成または配置されると表現されるとき、上記第1の要素は、上記第2の要素の上に直接配置されてもよい。あるいは、上記第1の要素と上記第2の要素との間に1つ以上の他の要素が配置されてもよい。第1の要素が第2の要素の「上に直接」形成または配置されると表現されるとき、当該第1の要素と当該第2の要素との間に他の要素は配置されない。
【0059】
他の態様によれば、電荷中性金属アミド化合物を含むOLEDの正孔注入層であって、上記電荷中性金属アミド化合物は、式Iaを有し、
【0060】
【化15】
【0061】
式中、
Gは、式IIa~IIeのハロゲン化物、O、アルコキシレートまたはアミンであり、
【0062】
【化16】
【0063】
~Rは、それぞれ独立して、H、C~C20アルキル、C~C20ヘテロアルキル、非置換もしくはC~C12が置換されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有する非置換もしくはC~C12が置換されたヘテロアリール、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20ヘテロアルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールを含む群から選択され、または、
少なくとも1つのRおよびRならびに/またはRおよびRならびに/またはRおよびRは架橋され、5~20員環を形成し、
mは、0、1、2、3または4であり、
Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、Ga、In、遷移金属または希土類金属を含む群から選択される金属であり、
Nと上記金属Mとの結合は共有結合であり、または、Nは上記金属Mに対して非共有相互作用を及ぼし、
Lは、上記金属Mに配位結合する電荷中性配位子であり、HO、C~C40単座もしくは多座配位エーテルおよびC~C40チオエーテル、C~C40アミン、C~C40ホスフィン、C~C20アルキルニトリルもしくはC~C40アリールニトリル、または式(III)に係る化合物を含む群から選択され、
【0064】
【化17】
【0065】
式中、RおよびRは、それぞれ独立して、C~C20アルキル、C~C20ヘテロアルキル、C~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するヘテロアリール、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20ヘテロアルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールから選択され、または、少なくとも1つのRおよびRは架橋され、5~20員環を形成し、または、上記2つのRおよび/もしくは上記2つのRは架橋され、5~40員環を形成するか、非置換もしくはC~C12が置換されたフェナントロリンを含む5~40員環を形成し、
pは、0、1、2または3であり、
、A、AおよびAは、それぞれ独立して、CO、SOまたはPORから選択され、
は、ハロゲン化物、ニトリル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、または5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールを含む群から選択される電子求引基であり、
nは、1、2、3、4または5であり、
、B、BおよびBは、置換もしくは非置換のC~C20アルキル、置換もしくは非置換のC~C20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換のC~C20アリール、置換もしくは非置換のC~C20ヘテロアリールから、同一のものが選択されるかまたはそれぞれ独立して選択されることを特徴とする正孔注入層が提供される。
【0066】
他の態様によれば、電荷中性金属アミド化合物を含む、OLEDの正孔注入層であって、上記電荷中性金属アミド化合物は、式Ib、IcまたはIdを有し、
およびBは架橋されており、
およびBは、置換もしくは非置換のC~C20アルキル、置換もしくは非置換のC~C20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換のC~C20アリール、置換もしくは非置換のC~C20ヘテロアリールから、同一のものが選択されるかまたはそれぞれ独立して選択され、
M、N、A、B、B、AおよびNは、式Ibに係る7~10員環を形成するか、
【0067】
【化18】
【0068】
または、
N、A、B、BおよびAは、式Icに係る5~10員環を形成するか、
【0069】
【化19】
【0070】
または、
N、A、B、BおよびAは、第1の5~10員環を形成し、BおよびBは、式Idに係る第2の5~20員環を形成し、
【0071】
【化20】
【0072】
式中、
Gは、式IIa~IIeのハロゲン化物、O、アルコキシレートまたはアミンであり、
【0073】
【化21】
【0074】
~Rは、それぞれ独立して、H、C~C20アルキル、C~C20ヘテロアルキル、非置換もしくはC~C12が置換されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有する非置換もしくはC~C12が置換されたヘテロアリール、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20ヘテロアルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールを含む群から選択され、または、
少なくとも1つのRおよびRならびに/またはRおよびRならびに/またはRおよびRは架橋され、5~20員環を形成し、
mは、0、1、2、3または4であり、
Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、Ga、In、遷移金属または希土類金属を含む群から選択される金属であり、
Nと上記金属Mとの結合は共有結合であり、または、Nは上記金属Mに対して非共有相互作用を及ぼし、
Lは、上記金属Mに配位結合する電荷中性配位子であり、HO、C~C40単座もしくは多座配位エーテルおよびC~C40チオエーテル、C~C40アミン、C~C40ホスフィン、C~C20アルキルニトリルもしくはC~C40アリールニトリル、または式(III)に係る化合物を含む群から選択され、
【0075】
【化22】
【0076】
式中、RおよびRは、それぞれ独立して、C~C20アルキル、C~C20ヘテロアルキル、C~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するヘテロアリール、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20ヘテロアルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールから選択され、または、少なくとも1つのRおよびRは架橋され、5~20員環を形成し、または、上記2つのRおよび/もしくは上記2つのRは架橋され、5~40員環を形成するか、非置換もしくはC~C12が置換されたフェナントロリンを含む5~40員環を形成し、
pは、0、1、2または3であり、
、A、AおよびAは、それぞれ独立して、CO、SOまたはPORから選択され、
は、ハロゲン化物、ニトリル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、または5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールを含む群から選択される電子求引基であり、
nは、1、2、3、4または5であることを特徴とする正孔注入層が提供される。
【0077】
他の態様によれば、電荷中性金属アミド化合物を含むOLEDの正孔注入層であって、上記電荷中性金属アミド化合物は、式Ibを有し、
【0078】
【化23】
【0079】
式中、
およびBは架橋されており、
M、N、A、B、B、AおよびNは、式Ibに係る7~10員環を形成するか、
【0080】
【化24】
【0081】
式中、
Gは、式IIa~IIeのハロゲン化物、O、アルコキシレートまたはアミンであり、
【0082】
【化25】
【0083】
~Rは、それぞれ独立して、H、C~C20アルキル、C~C20ヘテロアルキル、非置換もしくはC~C12が置換されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有する非置換もしくはC~C12が置換されたヘテロアリール、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20ヘテロアルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールを含む群から選択され、または、
少なくとも1つのRおよびRならびに/またはRおよびRならびに/またはRおよびRは架橋され、5~20員環を形成し、
mは、0、1、2、3または4であり、
Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、Ga、In、遷移金属または希土類金属を含む群から選択される金属であり、
Nと上記金属Mとの結合は共有結合であり、または、Nは上記金属Mに対して非共有相互作用を及ぼし、
Lは、上記金属Mに配位結合する電荷中性配位子であり、HO、C~C40単座もしくは多座配位エーテルおよびC~C40チオエーテル、C~C40アミン、C~C40ホスフィン、C~C20アルキルニトリルもしくはC~C40アリールニトリル、または式(III)に係る化合物を含む群から選択され、
【0084】
【化26】
【0085】
式中、RおよびRは、それぞれ独立して、C~C20アルキル、C~C20ヘテロアルキル、C~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するヘテロアリール、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20ヘテロアルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールから選択され、または、少なくとも1つのRおよびRは架橋され、5~20員環を形成し、または、上記2つのRおよび/もしくは上記2つのRは架橋され、5~40員環を形成するか、非置換もしくはC~C12が置換されたフェナントロリンを含む5~40員環を形成し、
pは、0、1、2または3であり、
およびAは、それぞれ独立して、CO、SOまたはPORから選択され、
は、ハロゲン化物、ニトリル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、または5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールを含む群から選択される電子求引基であり、
nは、1、2、3、4または5であることを特徴とする正孔注入層が提供される。
【0086】
本発明に係る電荷中性金属アミド化合物に関する他の態様によれば、B、B、BおよびBは、それぞれ独立して、置換のC~C20アルキル、置換のC~C20ヘテロアルキル、置換のC~C20アリール、または置換のC~C20ヘテロアリールから選択されてもよく、
上記置換のC~C20アルキル、上記置換のC~C20ヘテロアルキル、上記置換のC~C20アリール、または上記置換のC~C20ヘテロアリールの置換基は、ハロゲン化物、ニトリル、過ハロゲン化されたC~C20アルキル、過ハロゲン化されたC~C20アリール、6~20個の環形成原子を有する過ハロゲン化されたヘテロアリールを含む群から選択される電子求引基であり、好ましくは、上記電子求引基は、フッ化物、過フッ化されたC~C20アルキル、過フッ化されたC~C20アリール、または5~20個の環形成原子を有する過フッ化されたヘテロアリールであってもよい。
【0087】
真空蒸発を増加させるためには、一実施形態によれば、上記置換基は、C~CアルキルまたはC~Cヘテロアルキルであることが好ましく、C~CアルキルまたはC~Cヘテロアルキルであることがより好ましい。
【0088】
溶解処理を向上させるためには、一実施形態によれば、上記置換基は、C~C20アルキルまたはC~C20ヘテロアルキルであることが好ましく、C~C18アルキルまたはC~C18ヘテロアルキルであることがより好ましい。
【0089】
他の態様によれば、電荷中性金属アミド化合物を含むOLEDの正孔注入層であって、上記電荷中性金属アミド化合物は、式Icを有し、
【0090】
【化27】
【0091】
式中、
およびBは架橋されており、
N、A、B、BおよびAは、式Icに係る5~10員環を形成し、
【0092】
【化28】
【0093】
式中、
Gは、式IIa~IIeのハロゲン化物、O、アルコキシレートまたはアミンであり、
【0094】
【化29】
【0095】
~Rは、それぞれ独立して、H、C~C20アルキル、C~C20ヘテロアルキル、非置換もしくはC~C12が置換されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有する非置換もしくはC~C12が置換されたヘテロアリール、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20ヘテロアルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールを含む群から選択され、または、
少なくとも1つのRおよびRならびに/またはRおよびRならびに/またはRおよびRは架橋され、5~20員環を形成し、
mは、0、1、2、3または4であり、
Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、Ga、In、遷移金属または希土類金属を含む群から選択される金属であり、
Nと上記金属Mとの結合は共有結合であり、または、Nは上記金属Mに対して非共有相互作用を及ぼし、
Lは、上記金属Mに配位結合する電荷中性配位子であり、HO、C~C40単座もしくは多座配位エーテルおよびC~C40チオエーテル、C~C40アミン、C~C40ホスフィン、C~C20アルキルニトリルもしくはC~C40アリールニトリル、または式(III)に係る化合物を含む群から選択され、
【0096】
【化30】
【0097】
式中、RおよびRは、それぞれ独立して、C~C20アルキル、C~C20ヘテロアルキル、C~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するヘテロアリール、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20ヘテロアルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールから選択され、または、少なくとも1つのRおよびRは架橋され、5~20員環を形成し、または、上記2つのRおよび/もしくは上記2つのRは架橋され、5~40員環を形成するか、非置換もしくはC~C12が置換されたフェナントロリンを含む5~40員環を形成し、
pは、0、1、2または3であり、
およびAは、それぞれ独立して、CO、SOまたはPORから選択され、
は、ハロゲン化物、ニトリル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、または5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールを含む群から選択される電子求引基であり、
nは、1、2、3、4または5であることを特徴とする正孔注入層が提供される。
【0098】
他の態様によれば、電荷中性金属アミド化合物を含むOLEDの正孔注入層であって、上記電荷中性金属アミド化合物は、式Idを有し、
【0099】
【化31】
【0100】
式中、
およびBは架橋されており、
N、A、B、BおよびA2は、第1の5~10員環を形成し、BおよびBは、式Idに係る第2の5~20員環を形成し、
【0101】
【化32】
【0102】
式中、
Gは、式IIa~IIeのハロゲン化物、O、アルコキシレートまたはアミンであり、
【0103】
【化33】
【0104】
~Rは、それぞれ独立して、H、C~C20アルキル、C~C20ヘテロアルキル、非置換もしくはC~C12が置換されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有する非置換もしくはC~C12が置換されたヘテロアリール、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20ヘテロアルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールを含む群から選択され、または、
少なくとも1つのRおよびRならびに/またはRおよびRならびに/またはRおよびRは架橋され、5~20員環を形成し、
mは、0、1、2、3または4であり、
Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、Ga、In、遷移金属または希土類金属を含む群から選択される金属であり、
Nと上記金属Mとの結合は共有結合であり、または、Nは上記金属Mに対して非共有相互作用を及ぼし、
Lは、上記金属Mに配位結合する電荷中性配位子であり、HO、C~C40単座もしくは多座配位エーテルおよびC~C40チオエーテル、C~C40アミン、C~C40ホスフィン、C~C20アルキルニトリルもしくはC~C40アリールニトリル、または式(III)に係る化合物を含む群から選択され、
【0105】
【化34】
【0106】
式中、RおよびRは、それぞれ独立して、C~C20アルキル、C~C20ヘテロアルキル、C~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するヘテロアリール、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20ヘテロアルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールから選択され、または、少なくとも1つのRおよびRは架橋され、5~20員環を形成し、または、上記2つのRおよび/もしくは上記2つのRは架橋され、5~40員環を形成するか、非置換もしくはC~C12が置換されたフェナントロリンを含む5~40員環を形成し、
pは、0、1、2または3であり、
およびAは、それぞれ独立して、CO、SOまたはPORから選択され、
は、ハロゲン化物、ニトリル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、または5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールを含む群から選択される電子求引基であり、
nは、1、2、3、4または5であることを特徴とする正孔注入層が提供される。
【0107】
一態様によれば、上記正孔注入層(HIL)は、式Ia~Idに係る電荷中性金属アミド化合物を、約50重量%以上約100重量%以下、好ましくは約60重量%以上約100重量%以下、より好ましくは約70重量%以上約100重量%以下、さらに好ましくは約80重量%以上約100重量%以下、または約95重量%以上約100重量%以下、または約98重量%以上約100重量%以下、または約99重量%以上約100重量%以下、より好ましくは約90重量%以上約100重量%以下、または約95重量%以上約99重量%以下の範囲で含んでもよい。
【0108】
他の態様によれば、上記正孔注入層(HIL)は、式Ia~Idに係る電荷中性金属アミド化合物を、約60重量%以上約100重量%以下、より好ましくは約70重量%以上約100重量%以下、さらに好ましくは約80重量%以上約100重量%以下、または約95重量%以上約100重量%以下、または約98重量%以上約100重量%以下、または約99重量%以上約100重量%以下、より好ましくは約90重量%以上約100重量%以下、または約95重量%以上約99重量%以下の範囲で含んでもよい。
【0109】
他の態様によれば、上記正孔注入層(HIL)は、式Ia~Idに係る電荷中性金属アミド化合物を、約70重量%以上約100重量%以下、さらに好ましくは約80重量%以上約100重量%以下、または約95重量%以上約100重量%以下、または約98重量%以上約100重量%以下、または約99重量%以上約100重量%以下、より好ましくは約90重量%以上約100重量%以下、または約95重量%以上約99重量%以下の範囲で含んでもよい。
【0110】
他の態様によれば、上記正孔注入層(HIL)は、式Ia~Idに係る電荷中性金属アミド化合物を、約80重量%以上約100重量%以下、または約95重量%以上約100重量%以下、または約98重量%以上約100重量%以下、または約99重量%以上約100重量%以下、より好ましくは約90重量%以上約100重量%以下、または約95重量%以上約99重量%以下の範囲で含んでもよい。
【0111】
他の態様によれば、上記正孔注入層(HIL)は、式Ia~Idに係る電荷中性金属アミド化合物を、約95重量%以上約100重量%以下、または約98重量%以上約100重量%以下、または約99重量%以上約100重量%以下、より好ましくは約90重量%以上約100重量%以下、または約95重量%以上約99重量%以下の範囲で含んでもよい。
【0112】
他の態様によれば、上記正孔注入層(HIL)は、式Ia~Idに係る電荷中性金属アミド化合物を、約98重量%以上約100重量%以下、または約99重量%以上約100重量%以下、より好ましくは約90重量%以上約100重量%以下、または約95重量%以上約99重量%以下の範囲で含んでもよい。
【0113】
他の態様によれば、上記正孔注入層(HIL)は、式Ia~Idに係る電荷中性金属アミド化合物を、約99重量%以上約100重量%以下、より好ましくは約90重量%以上約100重量%以下、または約95重量%以上約99重量%以下の範囲で含んでもよい。
【0114】
他の態様によれば、上記正孔注入層(HIL)は式Ia~Idに係る電荷中性金属アミド化合物からなってもよい。
【0115】
他の態様によれば、上記正孔注入層(HIL)は、式Ia~Idに係るHIL中性金属アミド化合物と異なるHTL化合物を、0重量%以上20重量%以下、好ましくは0.1重量%以上15重量%以下、より好ましくは0.5重量%以上10重量%以下、また好ましくは2重量%以上含んでもよい。
【0116】
他の態様によれば、上記正孔注入層(HIL)は、HTL化合物を0重量%以上20重量%以下、好ましくは0.1重量%以上15重量%以下、より好ましくは0.5重量%以上10重量%以下含んでもよい。
【0117】
本発明の一態様によれば、電荷中性金属アミド化合物を含むOLEDの正孔注入層であって、上記電荷中性金属アミド化合物は、式Iaを有し、
【0118】
【化35】
【0119】
式中、
Gは、式IIa~IIeのハロゲン化物、O、アルコキシレートまたはアミンであり、
【0120】
【化36】
【0121】
~Rは、それぞれ独立して、H、C~C20アルキル、C~C20ヘテロアルキル、非置換もしくはC~C12が置換されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有する非置換もしくはC~C12が置換されたヘテロアリール、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20ヘテロアルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールを含む群から選択され、または、
少なくとも1つのRおよびRならびに/またはRおよびRならびに/またはRおよびRは架橋され、5~20員環を形成し、
mは、0、1、2、3または4であり、
Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、Ga、In、遷移金属または希土類金属を含む群から選択される金属であり、
Nと上記金属Mとの結合は共有結合であり、または、Nは上記金属Mに対して非共有相互作用を及ぼし、
Lは、上記金属Mに配位結合する電荷中性配位子であり、HO、C~C40単座もしくは多座配位エーテルおよびC~C40チオエーテル、C~C40アミン、C~C40ホスフィン、C~C20アルキルニトリルもしくはC~C40アリールニトリル、または式(III)に係る化合物を含む群から選択され、
【0122】
【化37】
【0123】
式中、RおよびRは、それぞれ独立して、C~C20アルキル、C~C20ヘテロアルキル、C~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するヘテロアリール、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20ヘテロアルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールから選択され、または、少なくとも1つのRおよびRは架橋され、5~20員環を形成し、または、上記2つのRおよび/もしくは上記2つのRは架橋され、5~40員環を形成するか、非置換もしくはC~C12が置換されたフェナントロリンを含む5~40員環を形成し、
pは、0、1、2または3であり、
、A、AおよびAは、それぞれ独立して、CO、SOまたはPORから選択され、
は、ハロゲン化物、ニトリル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、または5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールを含む群から選択される電子求引基であり、
nは、1、2、3、4または5であり、
およびBは、置換もしくは非置換のC~C20アルキル、置換もしくは非置換のC~C20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換のC~C20アリール、置換もしくは非置換のC~C20ヘテロアリールから、同一のものが選択されるかまたはそれぞれ独立して選択され、
およびBは架橋されており、
M、N、A、B、B、AおよびNは、式Ibに係る7~10員環を形成するか、
【0124】
【化38】
【0125】
または、
N、A、B、BおよびAは、式Icに係る5~10員環を形成するか、
【0126】
【化39】
【0127】
または、
N、A、B、BおよびA2は、第1の5~10員環を形成し、BおよびBは、式Idに係る第2の5~20員環を形成することを特徴とする正孔注入層が提供される。
【0128】
【化40】
【0129】
一態様によれば、上記電荷中性配位子Lは、C~C20グリコールエーテル、C~C20エチレンジアミン誘導体、より好ましくはビス(2-メトキシエチル)エーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、N1,N1,N2,N2-テトラメチル-1,2-エタンジアミン、N-((E,2E)-2-{[(E)-1,1-ジメチル]イミノ}エチリデン)-2-メチル-2-プロパンアミン、アセトニトリル、トリスフェニルホスフィン、トリスメチルホスフィン、トリス(シクロへキシル)ホスフィン、1,2-ビス(ジフェニルフォスフィノ)エタン、ビスピリジン、フェナントロリン、(2E,3E)-N2,N3-ジフェニルブタン-2,3-ジイミンまたは(1E,2E)-N1,N2,1,2-テトラフェニルエタン-1,2-ジイミンを含む群から選択されてもよい。
【0130】
上記電荷中性金属アミド化合物の一態様によれば、mが0、1または2である「m」を選択してもよい。
【0131】
上記電荷中性金属アミド化合物の一態様によれば、「M」は、Li(I)、Na(I)、K(I)、Cs(I)、Mg(II)、Ca(II)、Sr(II)、Ba(II)、Sc(III)、Y(III)、Ti(IV)、V(III-V)、Cr(III-VI)、Mn(II)、Mn(III)、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Ni(II)、Cu(I)、Cu(II)、Zn(II)、Ag(I)、Au(I)、Au(III)、Al(III)、Ga(III)、In(III)、Sn(II)、Sn(IV)、またはPb(II)から選択されてもよく、好ましいMは、Li(I)、Mg(II)、Mn(II)またはAg(I)から選択され、より好ましいMは、Mg(II)およびLi(I)から選択される。
【0132】
上記電荷中性金属アミド化合物の一態様によれば、(G)mに対してm=1とし、そのときGはClであるとしてもよく、または、(G)mに対してm=2とし、そのときGはOであるとしてもよい。
【0133】
上記電荷中性金属アミド化合物の一態様によれば、(G)-Mは、Cl-Al、Cl-Mg、OはVまたはOUであってもよい。
【0134】
上記電荷中性金属アミド化合物の一態様によれば、nが2以上である場合、
N、A、B、AおよびBは、5~10員環を形成するか、または、
M、N、A、B、AおよびBは、7~10員環を形成するか、または、
M、N、A、B、AおよびBは、7~10員環を形成し、かつ、A、B、AおよびBは、5~10員環を形成する。
【0135】
他の態様によれば、上記電荷中性配位子Lは、式Iaを有し、
【0136】
【化41】
【0137】
式中、
およびAは、CO、PORおよびSOから、同一のものが選択されるかまたはそれぞれ独立して選択され、好ましくは、AおよびAは、CO、PORおよびSOから、同一のものが選択され、または、
およびAは、それぞれ独立して、CO、PORおよびSOから選択され、
N、A、B、AおよびBは、5~10員環を形成する。
【0138】
他の態様によれば、上記正孔注入層の上記電荷中性金属アミド化合物は、少なくとも1つの式IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、IIgおよび/またはIIhに係る化合物から選択されてもよく、
pは0であり、mは1、2、3または4であり、nは1、2、3または4であり、上記電荷中性金属アミド化合物は、式IIaを有するか、
【0139】
【化42】
【0140】
または、
pは1、2または3であり、nは1、2、3または4であり、mは0であり、上記電荷中性金属アミド化合物は、式IIbを有するか、
【0141】
【化43】
【0142】
または、
pは1、2または3であり、nは1、2、3または4であり、mは1、2、3または4であり、N、A、B、BおよびAは5~10員環を形成し、上記電荷中性金属アミド化合物は、式IIcを有するか、
【0143】
【化44】
【0144】
または、
pは1、2または3であり、nは1、2、3または4であり、mは1、2、3または4であり、N、A、B、BおよびAは第1の5~10員環を形成し、BおよびBは架橋され、第2の5~20員環を形成し、上記電荷中性金属アミド化合物は、式IIdを有するか、
【0145】
【化45】
【0146】
または、
pは1、2または3であり、nは1であり、mは1、2、3または4であり、M、N、A、B、B、AおよびNは7~10員環を形成し、上記電荷中性金属アミド化合物は、式IIeを有するか、
【0147】
【化46】
【0148】
pは1、2または3であり、nは1、2、3または4であり、mは0であり、N、A、B、BおよびAは5~10員環を形成し、上記電荷中性金属アミド化合物は、式IIfを有するか、
【0149】
【化47】
【0150】
pは1、2または3であり、nは1、2、3または4であり、mは0であり、N、A、B、BおよびAは第1の5~10員環を形成し、BおよびBは架橋され、第2の5~20員環を形成し、上記電荷中性金属アミド化合物は、式IIgを有するか、
【0151】
【化48】
【0152】
pは1、2または3であり、nは1であり、mは0であり、M、N、A、B、B、AおよびNは7~10員環を形成し、上記電荷中性金属アミド化合物は、式IIhを有する。
【0153】
【化49】
【0154】
他の態様によれば、上記正孔注入層の上記電荷中性金属アミド化合物は、少なくとも1つの式IIIa、IIIb、IIIc、IIId、IIIe、IIIf、IIIg、IIIhおよび/またはIIIiに係る化合物から選択されてもよく、
およびAがSOである場合、
pは1、2または3であり、nは1、2、3または4であり、mは1、2、3または4であり、上記電荷中性金属アミド化合物は、式IIIaを有するか、
【0155】
【化50】
【0156】
pは0であり、nは1、2、3または4であり、mは1、2、3または4であり、上記電荷中性金属アミド化合物は、式IIIbを有するか、
【0157】
【化51】
【0158】
pは1、2または3であり、nは1、2、3または4であり、mは0であり、上記電荷中性金属アミド化合物は、式IIIcを有するか、
【0159】
【化52】
【0160】
pは1、2または3であり、nは1、2、3または4であり、mは1、2、3または4であり、N、SO、B、BおよびSOは5~10員環を形成し、上記電荷中性金属アミド化合物は、式IIIdを有するか、
【0161】
【化53】
【0162】
pは1、2または3であり、nは1、2、3または4であり、mは1、2、3または4であり、N、SO、B、BおよびSOは第1の5~10員環を形成し、BおよびBは架橋され、第2の5~20員環を形成し、上記電荷中性金属アミド化合物は、式IIIeを有するか、
【0163】
【化54】
【0164】
pは1、2または3であり、nは1であり、mは1、2、3または4であり、M、N、SO、B、B、SOおよびNは7~10員環を形成し、上記電荷中性金属アミド化合物は、式IIIfを有するか、
【0165】
【化55】
【0166】
pは1、2または3であり、nは1、2、3または4であり、mは0であり、N、SO、B、BおよびSOは5~10員環を形成し、上記電荷中性金属アミド化合物は、式IIIgを有するか、
【0167】
【化56】
【0168】
pは1、2または3であり、nは1、2、3または4であり、mは0であり、N、SO、B、BおよびSOは第1の5~10員環を形成し、BおよびBは架橋され、第2の5~20員環を形成し、上記電荷中性金属アミド化合物は、式IIIhを有するか、
【0169】
【化57】
【0170】
pは1、2または3であり、nは1、2、3または4であり、mは0であり、M、N、SO、B、B、SOおよびNは7~10員環を形成し、上記電荷中性金属アミド化合物は、式IIIiを有する。
【0171】
【化58】
【0172】
他の態様によれば、上記正孔注入層の上記電荷中性金属アミド化合物は、少なくとも1つの式IVa、IVb、IVc、IVdおよび/またはIVeに係る化合物から選択されてもよく、
およびAがPORである場合、
pは1、2または3であり、mは1、2、3または4であり、nは1、2、3または4であり、上記電荷中性金属アミド化合物は、式IVaを有するか、
【0173】
【化59】
【0174】
pは0であり、mは1、2、3または4であり、nは1、2、3または4であり、上記電荷中性金属アミド化合物は、式IVbを有するか、
【0175】
【化60】
【0176】
pは1、2または3であり、mは0であり、nは1、2、3または4であり、上記電荷中性金属アミド化合物は、式IVcを有するか、
【0177】
【化61】
【0178】
pは1、2または3であり、nは1、2、3または4であり、mは1、2、3または4であり、N、POR、B、BおよびPORは5~10員環を形成し、上記電荷中性金属アミド化合物は、式IVdを有するか、
【0179】
【化62】
【0180】
pは1、2または3であり、nは1、2、3または4であり、mは0であり、N、POR、B、BおよびPORは5~10員環を形成し、上記電荷中性金属アミド化合物は、式IVeを有する。
【0181】
【化63】
【0182】
他の態様によれば、上記正孔注入層の上記電荷中性金属アミド化合物は、少なくとも1つの式Va、Vb、Vc、Vd、Ve、Vf、Vg、Vhおよび/またはViに係る化合物から選択されてもよく、
およびAがCOである場合、
pは1、2または3であり、mは1、2、3または4であり、nは1、2、3または4であり、上記電荷中性金属アミド化合物は、式Vaを有するか、
【0183】
【化64】
【0184】
pは0であり、nは1、2、3または4であり、mは1、2、3または4であり、上記電荷中性金属アミド化合物は、式Vbを有するか、
【0185】
【化65】
【0186】
pは1、2または3であり、nは1、2、3または4であり、mは0であり、上記電荷中性金属アミド化合物は、式Vcを有するか、
【0187】
【化66】
【0188】
pは1、2または3であり、nは1、2、3または4であり、mは1、2、3または4であり、N、CO、B、BおよびCOは5~10員環を形成し、上記電荷中性金属アミド化合物は、式Vdを有するか、
【0189】
【化67】
【0190】
pは1、2または3であり、nは1、2、3または4であり、mは1、2、3または4であり、N、CO、B、BおよびCOは第1の5~10員環を形成し、BおよびBは架橋され、第2の5~20員環を形成し、上記電荷中性金属アミド化合物は、式Veを有するか、
【0191】
【化68】
【0192】
pは1、2または3であり、nは1であり、mは1、2、3または4であり、M、N、CO、B、B、COおよびNは7~10員環を形成し、上記電荷中性金属アミド化合物は、式Vfを有するか、
【0193】
【化69】
【0194】
pは1、2または3であり、nは1、2、3または4であり、mは0であり、N、CO、B、BおよびCOは5~10員環を形成し、上記電荷中性金属アミド化合物は、式(Vg)を有するか、
【0195】
【化70】
【0196】
pは1、2または3であり、nは1、2、3または4であり、mは0であり、N、CO、B、BおよびCOは第1の5~10員環を形成し、BおよびBは第2の5~20員環を形成し、上記電荷中性金属アミド化合物は、式Vhを有するか、
【0197】
【化71】
【0198】
pは1、2または3であり、nは1、2、3または4であり、mは0であり、M、N、CO、B、B、COおよびNは7~10員環を形成し、上記電荷中性金属アミド化合物は、式(Vi)を有する。
【0199】
【化72】
【0200】
他の態様によれば、上記正孔注入層の上記電荷中性金属アミド化合物は、少なくとも1つの式VIaに係る化合物から選択されてもよく、
がSOであり、AがPORである場合、
pは1、2または3であり、mは1、2、3または4であり、nは1、2、3または4であり、上記電荷中性金属アミド化合物は、式VIaを有する。
【0201】
【化73】
【0202】
他の態様によれば、上記正孔注入層の上記電荷中性金属アミド化合物は、少なくとも1つの式Ibに係る化合物から選択されてもよく、
【0203】
【化74】
【0204】
式中、
およびAは、CO、PORまたはSOから、同一のものが選択されるかまたはそれぞれ独立して選択され、好ましくは、AおよびAは、CO、PORまたはSOから同一のものが選択され、
およびBは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のC~C20アルキル、置換もしくは非置換のC~C20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換のC~C20アリール、置換もしくは非置換のC~C20ヘテロアリールから選択され、好ましくは、BおよびBは、同一のものが選択され、
M、N、A、B、AおよびBは、7~10員環を形成する。
【0205】
他の態様によれば、上記正孔注入層の上記電荷中性金属アミド化合物は、少なくとも1つの式Idに係る化合物から選択されてもよく、N、A、B、AおよびBは、第1の5~10員環を形成し、BおよびBは架橋され、置換もしくは非置換のC~C20アリールの第2の環、または置換もしくは非置換のC~C20ヘテロアリール環の第2の環を形成する。
【0206】
【化75】
【0207】
他の態様によれば、上記正孔注入層の上記電荷中性金属アミド化合物は、式C1~C25に係るフッ化化合物のうちの少なくとも1つから選択されてもよく、
一般式Iaに基づく式C1~C16は、式中、pは0であり、mは0であり、nは1、2、3または4であり、AおよびAはSOであり、
【0208】
【化76】
【0209】
一般式Iaに基づく式C17~C23は、式中、nは1、2、3または4であり、AおよびAはCOであり、
【0210】
【化77】
【0211】
一般式Iaに基づく式C24~C25は、式中、nは1、2、3または4であり、AおよびAはPORである。
【0212】
【化78】
【0213】
他の態様によれば、上記正孔注入層の上記電荷中性金属アミド化合物は、少なくとも1つの、一般式Iaに基づく、式D1~D24を有するフッ化化合物から選択されてもよく、
式中、pは0であり、mは0であり、nは1、2、3または4であり、AおよびAはSOである。
【0214】
【化79】
【0215】
他の態様によれば、上記正孔注入層の上記電荷中性金属アミド化合物は、少なくとも1つの、一般式Iaに基づく、式F1~F23を有するフッ化化合物から選択されてもよく、
上記電荷中性配位子Lは、上記金属Mに配位結合し、
【0216】
【化80】
【0217】
式中、
およびRは、それぞれ独立して、C~C20アルキル、C~C20ヘテロアルキル、C~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するヘテロアリール、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20ヘテロアルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールから選択され、または、少なくとも1つのRおよびRは架橋され、5~20員環を形成し、または、上記2つのRおよび/もしくは上記2つのRは架橋され、5~40員環を形成するか、非置換もしくはC~C12が置換されたフェナントロリンを含む5~40員環を形成する。
【0218】
上記金属と共に5~7員環構造を形成する単座および多座配位エーテルまたはアミン、好ましくはグリコールエーテル、エチレンジアミン誘導体、さらに好ましくはジグリム、および/またはN1,N1,N2,N2-テトラメチル-1,2-エタンジアミン、N-((E,2E)-2-{[(E)-1,1-ジメチル]イミノ}エチリデン)-2-メチル-2-プロパンアミンから選択される電荷中性配位子Lを含む電荷中性金属アミド化合物は、HIL材料として使用することが好ましい。
【0219】
単座および/もしくは多座配位エーテルまたはアミンから選択される電荷中性配位子Lを含み、HIL材料として使用することが好ましい電荷中性金属アミド化合物は、例えば、式F1、F2、F3、F4、F5および/またはF6を有し、
【0220】
【化81】
【0221】
式中、
およびRは、それぞれ独立して、C~C20アルキル、C~C20ヘテロアルキル、C~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するヘテロアリール、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20ヘテロアルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールから選択され、または、少なくとも1つのRおよびRは架橋され、5~20員環を形成し、または、上記2つのRおよび/もしくは上記2つのRは架橋され、5~40員環を形成するか、非置換もしくはC~C12が置換されたフェナントロリンを含む5~40員環を形成する。
【0222】
他の態様によれば、上記正孔注入層の上記電荷中性金属アミド化合物は、少なくとも1つの、一般式Iaに基づく、式F18~F23を有するフッ化化合物から好適に選択されてもよい。
【0223】
【化82】
【0224】
他の態様によれば、上記正孔注入層の上記電荷中性金属アミド化合物は、少なくとも1つの、一般式Iaに基づく、式F24~F45を有するフッ化化合物から好適に選択されてもよく、
ハロゲン化物、O、アルコキシレートまたはアミンは、上記金属Mに結合し、
【0225】
【化83】
【0226】
式中、
~Rは、それぞれ独立して、H、C~C20アルキル、C~C20ヘテロアルキル、非置換もしくはC~C12が置換されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有する非置換もしくはC~C12が置換されたヘテロアリール、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20ヘテロアルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールを含む群から選択され、または、少なくとも1つのRおよびRならびに/またはRおよびRならびに/またはRおよびRは架橋され、5~20員環の環状リング(cyclic ring)を形成する。
【0227】
配位子Gを含む化合物がより好ましい。配位子Gは、第VII族元素、好ましくは塩化物Clから選択される。配位子Gが式F30、F31およびF35のアルコキシレートから選択される化合物がさらに好ましく、
【0228】
【化84】
【0229】
式中、
は、それぞれ独立して、H、C~C20アルキル、C~C20ヘテロアルキル、非置換もしくはC~C12が置換されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有する非置換もしくはC~C12が置換されたヘテロアリール、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20ヘテロアルキル、ハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたC~C20アリール、5~20個の環形成原子を有するハロゲン化もしくは過ハロゲン化されたヘテロアリールを含む群から選択される。
【0230】
他の態様によれば、上記正孔注入層の上記電荷中性金属アミド化合物は、少なくとも1つの、一般式Iaに基づく、式F36~F46を有するフッ化化合物から好適に選択されてもよい。
【0231】
【化85】
【0232】
以下の表1には、正孔注入層(HIL)材料として好適に使用可能な式Iaに係る金属アミド化合物が記載されている。
【0233】
【表1】
【0234】
表2に記載の、HIL材料として使用する金属アミド化合物が特に好ましい。
【0235】
【表2】


【0236】
(正孔輸送層(HTL)において使用される化合物)
上記HTLは、HTLを形成するために通常使用される化合物であれば、どのような化合物から形成してもよい。好適に使用可能な化合物は、例えば、Y. Shirota and H. Kageyama, Chem. Rev. 2007, 107, 953-1010に開示され、参照によって援用される。HTL140を形成するために使用してもよい化合物として、例えば、N-フェニルカルバゾールまたはポリビニルカルバゾール等のカルバゾール誘導体;N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ジフェニル-[1,1-ビフェニル]-4,4’-ジアミン(T-1)またはN,N’-ジ(ナフタレン-1-イル)-N,N’-ジフェニルベンジジン(α-NPD)等の、芳香族縮合環を有するアミン誘導体;および4,4’,4”-トリス(N-カルバゾリル)トリフェニルアミン(T-10)等のトリフェニルアミン系化合物が挙げられる。これらの化合物のうち、T-10は、正孔を輸送することができ、かつ、励起子がEML中へ拡散するのを抑制することができる。
【0237】
好ましい態様によれば、上記正孔輸送層は、更に、式VIIaを有するトリアリールアミン化合物を含んでもよく
【0238】
【化86】
【0239】
式中、
ArおよびArは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のC~C20アリーレンから選択され、
ArおよびArは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のC~C20アリールから選択され、
ArおよびArは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のC~C20アリールまたはC~C40ヘテロアリールから選択され、
は、単化学結合であり、非置換もしくは置換のC~Cアルキルおよび非置換もしくは置換のC~Cヘテロアルキルであり、
qは、0、1または2であり、
rは、0または1であり、
Ar~Arの置換基は、それぞれ独立して、C~C20アルキル、C~C20ヘテロアルキル、またはハロゲン化物から選択され、
の置換基は、それぞれ独立して、C~Cアルキル、C~Cヘテロアルキル、C~C20アリールおよびC~C20ヘテロアリールから選択される。
【0240】
さらに好ましい態様によれば、上記正孔輸送層は、式VIIaを有するトリアリールアミン化合物を含んでもよく、式中、ArおよびArは、フェニルであり、Ar~Arは、フェニル、トリル、キシリル、メシチル、ビフェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、2-(9,9-ジアルキル-フルオレニル)、2-(9-アルキル-9’-アリール-フルオレニル)および2-(9,9-ジアリール-フルオレニル)から選択され、Rは、単結合であり、rは、1であり、qは、1である。
【0241】
さらに好ましい態様によれば、上記正孔輸送層は、式VIIaを有するトリアリールアミン化合物を含んでもよく、式中、ArおよびArは、それぞれ独立して、フェニルおよびビフェニルから選択され、Ar~Arは、フェニル、トリル、キシリル、メシチル、ビフェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、2-(9,9-ジアルキル-フルオレニル)、2-(9-アルキル-9’-アリール-フルオレニル)および2-(9,9-ジアリール-フルオレニル)から選択され、Rは、単結合であり、rは、1であり、qは、1である。
【0242】
さらに好ましい態様によれば、上記正孔輸送層は、式VIIaを有するトリアリールアミン化合物を含んでもよく、式中、ArおよびArは、フェニルであり、Ar~Arは、フェニル、トリル、キシリル、メシチル、ビフェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、2-(9,9-ジアルキル-フルオレニル)、2-(9-アルキル-9’-アリール-フルオレニル)および2-(9,9-ジアリール-フルオレニル)から選択され、Rは、9,9’-フルオレニルであり、rは、1であり、qは、1である。
【0243】
さらに好ましい態様によれば、上記正孔輸送層は、式VIIaを有するトリアリールアミン化合物を含んでもよく、式中、Arは、フェニルであり、Ar~Arは、フェニル、トリル、キシリル、メシチル、ビフェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、2-(9,9-ジアルキル-フルオレニル)、2-(9-アルキル-9’-アリール-フルオレニル)および2-(9,9-ジアリール-フルオレニル)から選択され、Rは、単結合であり、rは、0であり、qは、1である。Arの置換基は、フェニル、ビフェニル、2-(9,9-ジアルキル-フルオレニル)、2-(9-アルキル-9’-アリール-フルオレニル)および2-(9,9-ジアリール-フルオレニル)から選択される。
【0244】
さらに好ましい態様によれば、上記正孔輸送層は、式VIIaを有するトリアリールアミン化合物を含んでもよく、式中、N、ArおよびArは、カルバゾール環を形成し、Arは、フェニルまたはビフェニルであり、Ar~Arは、フェニル、トリル、キシリル、メシチル、ビフェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、2-(9,9-ジアルキル-フルオレニル)、2-(9-アルキル-9’-アリール-フルオレニル)および2-(9,9-ジアリール-フルオレニル)から選択され、Rは、単結合であり、rは、1であり、qは、1である。
【0245】
好ましくは、式VIIaにおいて、qは、1または2から選択されてもよい。
【0246】
HTL材料として好適に使用可能な式VIIaの化合物は、熱真空デポジットに適した分子量と、発光層への良好な正孔輸送性能を実現するHOMO準位とを有してもよい。
【0247】
より好ましい実施形態によれば、式VIIaにおけるArおよびArは、それぞれ独立して、フェニレン、ビフェニレン、ナフチレン、アントラニレン、カルバゾリレン、またはフルオレニレンから選択されてもよく、好ましくはフェニレンまたはビフェニレンから選択されてもよい。
【0248】
より好ましい実施形態によれば、式VIIaにおけるAr~Arは、それぞれ独立して、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、クォートフェニル、フルオレニル、ナフチル、アントラニル、フェナントリル、チオフェニル、フルオレニルまたはカルバゾリルから選択されてもよい。
【0249】
さらに好ましくは、式VIIaにおけるAr~Arは、それぞれ独立して、フェニル、ビフェニル、フルオレニル、ナフチル、チオフェニル、フルオレニルまたはカルバゾリルから選択されてもよい。
【0250】
式VIIaにおけるAr~Arのうち少なくとも2つは、環状構造を形成してもよく、例えば、ArおよびAr、ArおよびAr、ArおよびAr、もしくはArおよびArは、カルバゾール環、フェナゾリン環またはフェノキサジン環であってもよい。
【0251】
さらに好ましくは、式VIIaにおけるAr~Arのうち少なくとも1つは、非置換であってもよく、より好ましくは、式VIIにおけるAr~Arのうち少なくとも2つは、非置換であってもよい。Ar~Arのすべてが置換されているわけではない式VIIaの化合物は、真空熱デポジットに特に適している。
【0252】
好ましくは、上記正孔輸送層は式VIIaを有するトリアリールアミン化合物を含み、Ar~Arの置換基は、それぞれ独立して、C~C12アルキル、C~C12アルコキシ、またはハロゲン化物から選択され、好ましくは、C~Cアルキル、C~Cヘテロアルキル、またはフッ化物から選択され、より好ましくは、C~Cアルキル、C~Cヘテロアルキル、またはフッ化物から選択される。
【0253】
好ましくは、上記正孔輸送層は式VIIaを有するトリアリールアミン化合物を含み、Ar~Arの置換基は、それぞれ独立して、C~C12アルキルまたはハロゲン化物から選択され、好ましくは、C~Cアルキルから選択され、より好ましくは、C~Cアルキルから選択される。上記置換基がアルキル基から選択される場合、上記正孔輸送層のHOMO準位は、特に燐光性の青色および緑色エミッターの発光層への良好な正孔輸送と、熱活性化遅延蛍光(TADF)に依存する発光とに適したHOMO準位を有することができ、上記OLEDは、低電圧、高効率、および良好な安定性を有することができる。
【0254】
式VIIaの、特に好ましい化合物の例を表3に示す。
【0255】
【表3】

【0256】
他の態様によれば、上記正孔注入層(HIL)は、式Ia~Idに係る電荷中性金属アミド化合物と異なるトリアリールアミン化合物を約2重量%以下含んでもよい。
【0257】
他の態様によれば、上記正孔注入層(HIL)は、一般式VIIaに係るトリアリールアミン化合物を約2重量%以下含んでもよい。
【0258】
他の態様によれば、上記正孔注入層(HIL)は、一般式VIIaに係るトリアリールアミン化合物を含まなくてもよい。
【0259】
より好ましくは、上記正孔注入層(HIL)はトリアリールアミン化合物を含まなくてもよい。
【0260】
HTL140を形成するために使用してもよい化合物の他の例として、例えば、Yasuhiko Shirota and Hiroshi Kageyama, Chem. Rev. 2007, 107, 953-1010およびFacchetti, MaterialsToday 10, 2007, 28 に開示されるオリゴチオフェンと、フタロシアニンとが挙げられ、参照によって援用される。
【0261】
(電子輸送層(ETL)において使用される化合物)
本発明に係るOLEDは、電子輸送層(ETL)を備えなくてもよいが、本発明に係るOLEDは、必要に応じて電子輸送層(ETL)を備えてもよい。
【0262】
様々な実施形態によれば、上記OLEDは、電子輸送層を備えてもよく、あるいは、少なくとも第1の電子輸送層と、少なくとも第2の電子輸送層とを含む電子輸送層の積層体を備えてもよい。
【0263】
本発明のOLEDの様々な実施形態によれば、上記電子輸送層は、少なくとも1つのマトリックス化合物を含んでもよい。
【0264】
上記OLEDの様々な実施形態によれば、上記マトリックス化合物は、
アントラセン系化合物またはヘテロアリールが置換されたアントラセン系化合物、好ましくは、2-(4-(9,10-ジ(ナフタレン-2-イル)アントラセン-2-イル)フェニル)-1-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾールおよび/またはN4,N4”-ジ(ナフタレン-1-イル)-N4、N4”-ジフェニル-[1,1’:4’,1”-テルフェニル]-4,4”-ジアミン;
ホスフィンオキシド系化合物、好ましくは、(3-(ジベンゾ[c,h]アクリジン-7-イル)フェニル)ジフェニルホスフィンオキシドおよび/またはフェニルビス(3-(ピレン-1-イル)フェニル)ホスフィンオキシドおよび/または3-フェニル-3H-ベンゾ[b]ジナフト[2,1-d:1’,2’-f]ホスフェピン-3-オキシド;または、
置換されたフェナントロリン化合物、好ましくは、2,4,7,9-テトラフェニル-1,10-フェナントロリン、4,7-ジフェニル-2,9-ジ-p-トリル-1,10-フェナントロリン、または2,9-ジ(ビフェニル-4-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、から選択されてもよい。
【0265】
上記OLEDの様々な実施形態によれば、上記電子輸送層の上記マトリックス化合物は、好ましくは、
ホスフィンオキシド系化合物、好ましくは、(3-(ジベンゾ[c,h]アクリジン-7-イル)フェニル)ジフェニルホスフィンオキシド、3-フェニル-3H-ベンゾ[b]ジナフト[2,1-d:1’,2’-f]ホスフェピン-3-オキシドおよび/またはフェニルビス(3-(ピレン-1-イル)フェニル)ホスフィンオキシド;または、
置換されたフェナントロリン化合物、好ましくは、2,4,7,9-テトラフェニル-1,10-フェナントロリン、4,7-ジフェニル-2,9-ジ-p-トリル-1,10-フェナントロリン、または2,9-ジ(ビフェニル-4-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、から選択されてもよい。
【0266】
上記OLEDの様々な実施形態によれば、上記電子輸送層の上記マトリックス化合物は、より好ましくは、
ホスフィンオキシド系化合物、好ましくは、(3-(ジベンゾ[c,h]アクリジン-7-イル)フェニル)ジフェニルホスフィンオキシド、3-フェニル-3H-ベンゾ[b]ジナフト[2,1-d:1’,2’-f]ホスフェピン-3-オキシドおよび/またはフェニルビス(3-(ピレン-1-イル)フェニル)ホスフィンオキシド、から選択されてもよい。
【0267】
本発明のOLEDの様々な実施形態によれば、上記電子輸送層の厚さは、約0.5nm以上約95nm以下の範囲であり、好ましくは約3nm以上約80nm以下の範囲であり、より好ましくは約5nm以上約60nm以下の範囲であり、さらに好ましくは約6nm以上約40nm以下の範囲であり、さらにより好ましくは約8nm以上約20nm以下の範囲であり、より好ましくは約10nm以上約18nm以下の範囲であってもよい。
【0268】
本発明のOLEDの様々な実施形態によれば、上記電子輸送層の積層体の厚さは、約25nm以上約100nm以下の範囲であり、好ましくは約30nm以上約80nm以下の範囲であり、さらに好ましくは約35nm以上約60nm以下の範囲であり、さらにより好ましくは約36nm以上約40nm以下の範囲であってもよい。
【0269】
本発明のOLEDの様々な実施形態によれば、上記電子輸送層は、
a)約10重量%以上約70重量%以下、好ましくは約20重量%以上約65重量%以下、さらに好ましくは約50重量%以上約60重量%以下のリチウムハロゲン化物、または、リチウムキノラート、リチウムボラート、リチウムフェノラートおよび/またはリチウムシッフ塩基であるリチウム有機錯体、好ましくは、式I、式IIまたは式IIIを有するリチウムキノラート錯体、
【0270】
【化87】
【0271】
(式中、
A1~A6は、CH、CR、N、Oから、同一のものが選択されるかまたはそれぞれ独立して選択され、Rは、水素、ハロゲン、炭素原子数1~20のアルキル、炭素原子数1~20のアリール、または炭素原子数1~20のヘテロアリールから、同一のものが選択されるかまたはそれぞれ独立して選択され、より好ましくは、リチウム 8-ヒドロキシキノラートである)と、
b)約90重量%以下約30重量%以上、好ましくは約80重量%以下約35重量%以上、さらに好ましくは約50重量%以下約40重量%以上のマトリックス化合物とを含んでもよく、当該マトリックス化合物は、
アントラセン系化合物またはヘテロ置換されたアントラセン系化合物、好ましくは、2-(4-(9,10-ジ(ナフタレン-2-イル)アントラセン-2-イル)フェニル)-1-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾールおよび/またはN4,N4”-ジ(ナフタレン-1-イル)-N4,N4”-ジフェニル-[1,1’:4’,1”-テルフェニル]-4,4”-ジアミン;
ホスフィンオキシド系化合物、好ましくは、(3-(ジベンゾ[c,h]アクリジン-7-イル)フェニル)ジフェニルホスフィンオキシドおよび/またはフェニルビス(3-(ピレン-1-イル)フェニル)ホスフィンオキシドおよび/または3-フェニル-3H-ベンゾ[b]ジナフト[2,1-d:1’,2’-f]ホスフェピン-3-オキシド;または、
置換されたフェナントロリン化合物、好ましくは、2,4,7,9-テトラフェニル-1,10-フェナントロリン、4,7-ジフェニル-2,9-ジ-p-トリル-1,10-フェナントロリン、または2,9-ジ(ビフェニル-4-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリンのいずれかであり、
より好ましくは、上記マトリックス化合物であり、ホスフィンオキシド系化合物であることがより好ましく、(3-(ジベンゾ[c,h]アクリジン-7-イル)フェニル)ジフェニルホスフィンオキシドであることが最も好ましく、重量%は上記電子輸送層の総重量に基づいている。
【0272】
上記OLEDの一実施形態によれば、上記電子輸送層は、約50重量%以上約60重量%以下の第1のリチウムハロゲン化物または第1のリチウム有機錯体と、約50重量%以下約40重量%以上のマトリックス化合物とを含み、当該マトリックス化合物は、ホスフィンオキシド系化合物、好ましくは、(3-(ジベンゾ[c,h]アクリジン-7-イル)フェニル)ジフェニルホスフィンオキシド、3-フェニル-3H-ベンゾ[b]ジナフト[2,1-d:1’,2’-f]ホスフェピン-3-オキシドおよび/もしくはフェニルビス(3-(ピレン-1-イル)フェニル)ホスフィンオキシド、または、
置換されたフェナントロリン化合物、好ましくは、2,4,7,9-テトラフェニル-1,10-フェナントロリン、4,7-ジフェニル-2,9-ジ-p-トリル-1,10-フェナントロリン、もしくは2,9-ジ(ビフェニル-4-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、のいずれかである。
【0273】
上記発光ダイオード(OLED)は、少なくとも2つの電極(アノード電極および第2のカソード電極)を備えてもよい。
【0274】
上記電子輸送層または電子輸送層の積層体は、電極ではない。上記電子輸送層または電子輸送層は、2つの電極の間に挟まれている(すなわち、アノードと第2のカソードとの間に挟まれている)。
【0275】
上記ETLは、任意にEMLの上に形成されてもよく、HBLが形成されている場合は、任意に当該HBLの上に形成してもよい。上記ETLは、第1のリチウムハロゲン化物または第1のリチウム有機錯体を含む第1の層と、第2のリチウムハロゲン化物または第2のリチウム有機錯体を含む任意の第2の電子輸送層とを備え、任意の上記第1のリチウム有機錯体は、上記第2のリチウム有機錯体と同一ではなく、上記第1のリチウムハロゲン化物は、第2のリチウムハロゲン化物と同一ではない。
【0276】
上記ETLは、第1の層と、任意の第2の電子輸送層とを備え、当該第1の層は、第1のマトリックス化合物と、リチウムハロゲン化物もしくはリチウム有機錯体とを含み、当該任意の第2の電子輸送層は、第2のマトリックス化合物と、アルカリ金属、アルカリ土類金属、および希土類金属を含む群から選択される金属ドーパントとを含む。
【0277】
上記ETLは、第1の層と、任意の第2の電子輸送層とを備え、当該第1の層は、第1のマトリックス化合物と、リチウムハロゲン化物もしくはリチウム有機錯体とを含み、当該任意の第2の電子輸送層は、第2のマトリックス化合物を含み、ドーパントを含んでいない。
【0278】
上記ETLは、積層構造を有してもよく、好ましくは2つのETL層の積層構造を有しているため、電子の注入および輸送を調和させることができ、かつ、正孔を効果的に遮断することができる。従来のOLEDは、電子および正孔の量が経時変化するため、駆動開始後に、発光領域で生成する励起子の数が減少する場合がある。その結果、キャリアバランスが維持されない場合があり、上記OLEDの寿命を縮めてしまう。
【0279】
しかしながら、上記ETLにおいては、上記第1の層と上記第2の層とは、類似または同一のエネルギー準位を有してもよいため、電子輸送速度を制御しながら、キャリアバランスを一定に維持することができる。
【0280】
好適に使用可能な電子層のマトリクス化合物は、アントラセン化合物を含む群から選択され、好ましくは、2-(4-(9,10-ジ(ナフタレン-2-イル)アントラセン-2-イル)フェニル)-1-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾールである。
【0281】
マトリックス材料として使用可能なアントラセン化合物は、米国特許公開第6878469(US,B)に開示されており、参照によって援用される。
【0282】
使用可能な他のマトリックス化合物は、ジフェニルホスフィンオキシドであり、好ましくは、(3-(ジベンゾ[c,h]アクリジン-7-イル)フェニル)ジフェニルホスフィンオキシド、フェニルビス(3-(ピレン-1-イル)フェニル)ホスフィンオキシド、3-フェニル-3H-ベンゾ[b]ジナフト[2,1-d:1’,2’-f]ホスフェピン-3-オキシド、フェニルジ(ピレン-1-イル)ホスフィンオキシドである。
【0283】
マトリックス材料として使用可能なジフェニルホスフィンオキシド化合物は、欧州特許出願公開第2395571(EP,A1)、国際公開第2013/079217(WO,A1)、欧州特許公開第13187905(EP)、欧州特許公開第13199361(EP)および日本国特許出願公開第2002-063989号に開示されており、これらの文献は参照によって援用される。
【0284】
使用可能な他の好適なマトリックス化合物は、フェナントロリン化合物であり、好ましくは、2,4,7,9-テトラフェニル-1,10-フェナントロリン、4,7-ジフェニル-2,9-ジ-p-トリル-1,10-フェナントロリン、および2,9-ジ(ビフェニル-4-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリンからなる群から選択される。マトリックス材料として使用可能なフェナントロリン化合物は、欧州特許出願公開第1786050(EP,A1)に開示されており、参照によって援用される。
【0285】
上記電子輸送層のマトリックス化合物は、電子を効率的に輸送する化合物(アントラセン系化合物、ジフェニルホスフィンオキシド系化合物、またはフェナントロリン系化合物等)であってもよく、好ましくは、表4に記載のマトリックス化合物である。例えば、上記電子輸送層のマトリックス化合物は、下記に示す化合物5、式2で表される化合物、および式3で表される化合物からなる群から選択されてもよい。
【0286】
【化88】
【0287】
式3
式2および式3中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、置換もしくは非置換のC~C30アルキル基、置換もしくは非置換のC~C30アルコキシ基、置換もしくは非置換のC~C30アシル基、置換もしくは非置換のC~C30アルケニル基、置換もしくは非置換のC~C30アルキニル基、置換もしくは非置換のC~C30アリール基、または、置換もしくは非置換のC~C30ヘテロアリール基である。隣接している少なくとも2つのR~Rの基は、任意に、互いに結合して飽和環または不飽和環を形成してもよい。Lは、結合であり、置換もしくは非置換のC~C30アルキレン基、置換もしくは非置換のC~C30アリーレン基、または、置換もしくは非置換のC~C30ヘテロアリーレン基である。Q~Qは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは非置換のC~C30アリール基、または、置換もしくは非置換のC~C30ヘテロアリール基である。「a」は、1~10の整数である。
【0288】
例えば、R~Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピリジニル基、およびピラジニル基からなる群から選択されてもよい。
【0289】
特に、式2および/または式3中、R~Rは、それぞれ水素原子であってもよく、Rは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピリジニル基、およびピラジニル基からなる群から選択されてもよい。また、式3中、R~Rは、それぞれ水素原子であってもよい。
【0290】
例えば、式2および/または式3中、Q~Qは、それぞれ独立して、水素原子、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピリジニル基、およびピラジニル基である。特に、式2および/または式3中、Q、Q~Q、QおよびQは、水素原子であり、QおよびQは、それぞれ独立して、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピリジニル基、およびピラジニル基からなる群から選択されてもよい。
【0291】
例えば、式2および/または式3中、Lは、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、ピリジニレン基、およびピラジニレン基からなる群から選択されてもよい。特に、Lは、フェニレン基またはピリジニレン基であってもよい。例えば、「a」は、1、2、または3であってもよい。
【0292】
上記ETL層の上記マトリクス化合物は、化合物5、下記化合物6または化合物7からさらに選択されてもよい。
【0293】
【化89】
【0294】
【表4】

【0295】
上記電子輸送層は、リチウムハロゲン化物またはリチウム有機錯体を含んでもよい。
【0296】
上記電子輸送層に使用可能なリチウム有機錯体を形成するための好適な有機配位子は、例えば、米国特許公開第2014/0048792(US)および「Kathirgamanathan, Poopathy; Arkley, Vincent; Surendrakumar, Sivagnanasundram; Chan, Yun F.; Ravichandran, Seenivasagam; Ganeshamurugan, Subramaniam; Kumaraverl, Muttulingam; Antipan-Lara, Juan; Paramaswara, Gnanamolly; Reddy, Vanga R., Digest of Technical Papers - Society for Information Display International Symposium (2010), 41(Bk. 1), 465-468」に開示されており、参照によって援用される。
【0297】
【表5】
【0298】
上記電子輸送層のリチウム有機錯体の有機配位子は、キノラート、ボラート、フェノラート、ピリジノラートもしくはシッフ塩基配位子を含む群、または表5から選択されてもよい。
【0299】
好ましくは、上記リチウムキノラート錯体は、式1を有し、
【0300】
【化90】
【0301】
式中、
~Aは、CH、CR、NおよびOから、同一のものが選択されるかそれぞれ独立して選択され、
Rは、水素、ハロゲン、炭素原子数1~20のアルキル、炭素原子数1~20のアリール、および、炭素原子数が1~20のヘテロアリールから、同一のものが選択されるかまたはそれぞれ独立して選択され、より好ましくは、A~Aは、CHであり、
好ましくは、ボラート系有機配位子は、テトラ(1H-ピラゾール-1-イル)ボラートであり、
好ましくは、上記フェノラートは、2-(ピリジン-2-イル)フェノラートまたは2-(ジフェニルホスホリル)フェノラートであり、
好ましくは、上記リチウムシッフ塩基は、構造100、101、102または103を有し、
【0302】
【化91】
【0303】
より好ましくは、上記リチウム有機錯体は、表2Xの化合物から選択される。
【0304】
上記電子輸送層のリチウムハロゲン化物は、LiF、LiCl、LiBrまたはLiJを含む群から選択されてもよく、好ましくは、LiFである。
【0305】
上記ETLは、真空デポジット(vacuum deposition)、スピンコーティング、スロットダイコーティング、プリンティング(printing)、キャスティング(casting)等によって、上記EMLの上に形成してもよい。真空デポジットまたはスピンコーティングによって上記ETLを形成する場合、デポジット条件および塗布条件は、HIL130を形成するための条件と同様であってもよいが、当該デポジット条件および塗布条件は、上記ETLを形成するために使用される化合物に応じて異なっていてもよい。
【0306】
(基板)
基板は、有機発光ダイオードの製造において通常使用される任意の基板であってもよい。光が上記基板を通して放射される場合、上記基板は、透明な材料(例えば、優れた機械強度、熱安定性、透明性、表面平滑性、扱い易さ、および防水性を有する、ガラス基板または透明プラスチック基板)であってもよい。光が上面を通して放射される場合、基板は、透明または不透明な材料(例えば、ガラス基板、プラスチック基板、金属基板またはシリコン基板)であってもよい。
【0307】
(アノード電極)
アノード電極は、当該アノード電極を形成するために使用される化合物をデポジットまたはスパッタリングすることによって形成してもよい。アノード電極を形成するために使用される上記化合物は、正孔注入を促進するために、仕事関数の大きい化合物であってもよい。また、アノード材料は、仕事関数の小さい材料(すなわち、アルミニウム)から選択されてもよい。アノード電極は、透明電極または反射電極であってもよい。透明導電性化合物(酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、二酸化スズ(SnO)および酸化亜鉛(ZnO)など)を使用して、アノード電極120を形成してもよい。また、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)アルミニウム-リチウム(Al-Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム-インジウム(Mg-In)、マグネシウム-銀(Mg-Ag)、銀(Ag)、金(Au)等を使用して、アノード電極120を形成してもよい。
【0308】
上記HILは、真空デポジット、スピンコーティングプリンティング、キャスティング、スロットダイコーティング、ラングミュア-ブロジェット(LB)デポジット等によって、上記アノード電極の上に形成してもよい。真空デポジットによって上記HILを形成する場合、デポジット条件は、上記HILを形成するために使用される化合物ならびに上記HILの所望の構造および温度特性に応じて異なっていてもよい。しかしながら、一般的には、真空デポジット条件として、デポジット温度:100℃~500℃、圧力:10-8torr~10-3torr(1torrは133.322Paに等しい)、デポジット速度:0.1nm/秒~10nm/秒が含まれてもよい。
【0309】
(HIL形成条件)
スピンコーティングまたはプリンティングによって上記HILを形成する場合、塗布条件は、上記HILを形成するために使用される化合物ならびに上記HILの所望の構造および温度特性に応じて異なっていてもよい。例えば、上記塗布条件として、塗布速度:約2000rpm~約5000rpm、熱処理温度:約80℃~約200℃が含まれてもよい。熱処理により、塗布を行った後に溶媒が除去される。
【0310】
(HTL形成条件)
上記正孔輸送層(HTL)は、真空デポジット、スピンコーティング、スロットダイコーティング、プリンティング、キャスティング、ラングミュア-ブロジェット(LB)デポジット等によって、上記HILの上に形成してもよい。真空デポジットまたはスピンコーティングによって上記HTLを形成する場合、デポジット条件および塗布条件は、上記HILを形成するための条件と同様であってもよいが、真空デポジット条件または溶液デポジット条件は、上記HTLを形成するために使用される化合物に応じて異なっていてもよい。
【0311】
(発光層(EML))
上記EMLは、真空デポジット、スピンコーティング、スロットダイコーティング、プリンティング、キャスティング、LB等によって、上記HTLの上に形成してもよい。真空デポジットまたはスピンコーティングによって上記EMLを形成する場合、デポジット条件および塗布条件は、上記HILを形成するための条件と同様であってもよいが、当該デポジット条件および塗布条件は、上記EMLを形成するために使用される化合物に応じて異なっていてもよい。
【0312】
上記発光層(EML)は、ホストとドーパントとの組み合わせから形成されていてよい。上記ホストの例としては、Alq3、4,4’-N,N’-ジカルバゾール-ビフェニル(CBP)、ポリ(n-ビニルカルバゾール)(PVK)、9,10-ジ(ナフタレン-2-イル)アントラセン(ADN)、4,4’,4”-トリス(カルバゾール-9-イル)-トリフェニルアミン(TCTA)、1,3,5-トリス(N-フェニルベンズイミダゾール-2-イル)ベンゼン(TPBI)、3-tert-ブチル-9,10-ジ-2-ナフチルアントラセン(TBADN)、ジスチリルアリーレン(DSA)、ビス(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラート)亜鉛(Zn(BTZ))、下記E3、AND、下記化合物1、および下記化合物2が挙げられる。
【0313】
【化92】
【0314】
上記ドーパントは、燐光性エミッターまたは蛍光性エミッターであってもよい。その効率の高さから、燐光性エミッターが好ましい。
【0315】
赤色ドーパントの例として、PtOEP、Ir(piq)およびBtplr(acac)が挙げられるが、これらに限定されない。これらの化合物は燐光性エミッターであるが、蛍光性の赤色ドーパントも使用してもよい。
【0316】
【化93】
【0317】
燐光性緑色ドーパントの例として、下記に示すIr(ppy)(ppy=フェニルピリジン)、Ir(ppy)(acac)、Ir(mpyp)が挙げられる。化合物3は、蛍光性緑色エミッターの例であり、その構造を下記に示す。
【0318】
【化94】
【0319】
燐光性青色ドーパントの例として、FIrpic、(Fppy)Ir(tmd)およびIr(dfppz)、ter-フルオレンが挙げられる。これらの構造を下記に示す。4,4’-ビス(4-ジフェニルアミノスチリル)ビフェニル(DPAVBi)、2,5,8,11-テトラ-tert-ブチルペリレン(TBPe)、および下記化合物4は、蛍光性青色ドーパントの例である。
【0320】
【化95】
【0321】
上記ドーパントの量は、上記ホスト100重量部に対して、約0.01重量部~約50重量部の範囲であってもよい。上記EMLの厚さは、約10nm~約100nm(例えば、約20nm~約60nm)であってもよい。上記EMLの厚さが上記の範囲にある場合、上記EMLは、駆動電圧が実質的に上昇することなく、優れた発光を呈することができる。
【0322】
(正孔遮断層(HBL))
上記EMLが燐光性ドーパントを含む場合、上記ETL中への三重項励起子または正孔の拡散を防止するために、真空デポジット、スピンコーティング、スロットダイコーティング、プリンティング、キャスティング、LBデポジット等によって、正孔遮断層(HBL)を、上記EMLの上に形成してもよい。
【0323】
真空デポジットまたはスピンコーティングによって上記HBLを形成する場合、デポジット条件および塗布条件は、上記HILを形成するための条件と同様であってもよいが、当該デポジット条件および塗布条件は、上記HBLを形成するために使用される化合物に応じて異なっていてもよい。HBLを形成するために通常使用される任意の化合物を使用してもよい。上記HBLを形成するための化合物の例として、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、およびフェナントロリン誘導体が挙げられる。
【0324】
上記HBLの厚さは、約5nm~約100nm(例えば、約10nm~約30nm)であってもよい。上記HBLの厚さが上記の範囲にある場合、上記HBLは、駆動電圧が実質的に上昇することなく、優れた正孔遮断特性を有することが可能である。
【0325】
(電子注入層(EIL))
カソードからの電子の注入を促進することができる上記任意のEILは、上記ETLの上に形成されていてよく、上記電子輸送層の上に直接形成されることが好ましい。上記EILを形成するための材料の例として、当該技術分野において周知の材料である、LiF、NaCl、CsF、LiO、BaO、Ca、Ba、Yb、Mgが挙げられる。上記EILを形成するためのデポジット条件および塗布条件は、上記HILを形成するための条件と同様であるが、当該デポジット条件および塗布条件は、上記EILを形成するために使用される材料に応じて異なっていてもよい。
【0326】
上記EILの厚さは、約0.1nm~10nmの範囲(例えば、0.5nm~9nmの範囲)であってもよい。上記EILの厚さが上記の範囲にある場合、上記EILは、駆動電圧が実質的に上昇することなく、良好な電子注入特性を有することができる。
【0327】
(カソード電極)
上記カソード電極は、EILが存在するならば、当該EILの上に形成される。上記カソード電極は、電子注入電極であるカソードであってもよい。上記カソード電極は、金属、合金、導電性化合物、またはそれらの混合物から形成してもよい。上記カソード電極は、小さい仕事関数を有してもよい。例えば、上記カソード電極は、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム(Al)-リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、イッテルビウム(Yb)、マグネシウム(Mg)-インジウム(In)、マグネシウム(Mg)-銀(Ag)等から形成されてもよい。また、上記カソード電極は、透明導電性材料(ITOまたはIZO等)から形成されてもよい。
【0328】
上記カソード電極の厚さは、約5nm~1000nmの範囲(例えば、10nm~100nmの範囲)であってもよい。上記カソード電極が5nm~50nmの範囲である場合、当該電極は、金属または合金を使用したとしても、透明となる。
【0329】
上記ETLの層は、類似または同一のエネルギー準位を有しているため、電子の注入および輸送を制御することができ、かつ、正孔を効率的に遮断することができる。したがって、上記OLEDは、長い寿命を有することができる。
【0330】
(発光ダイオード(OLED))
本発明の他の態様によれば、基板と、当該基板の上に形成されたアノード電極と、本発明に係る金属アミドを含む正孔注入層と、正孔輸送層と、発光層と、カソード電極とを備える有機発光ダイオード(OLED)が提供される。
【0331】
本発明の他の態様によれば、本発明に係る正孔注入層と、発光層とを備える有機発光ダイオード(OLED)が提供される。
【0332】
本発明の他の態様によれば、有機発光ダイオード(OLED)であって、
アノードと、本発明に係る正孔注入層と、発光層とを備え、上記正孔注入層は上記アノードの上に直接配置され、上記発光層は上記正孔注入層の上に直接配置されるか、または、
アノードと、本発明に係る正孔注入層と、正孔輸送層と、発光層とを備え、上記正孔注入層の組成は上記正孔輸送層の組成と異なることを特徴とする有機発光ダイオード(OLED)が提供される。
【0333】
本発明の他の態様によれば、有機発光ダイオード(OLED)であって、
アノードと、本発明に係る正孔注入層と、発光層とを備え、上記正孔注入層は上記アノードの上に直接配置され、上記発光層は上記正孔注入層の上に直接配置されるか、または、
アノードと、本発明に係る正孔注入層と、正孔輸送層と、発光層とを備え、上記正孔注入層の組成は上記正孔輸送層の組成と異なり、
上記正孔注入層は、上記電荷中性金属アミド化合物を、約50重量%以上約100重量%以下、好ましくは約60重量%以上約100重量%以下、より好ましくは約70重量%以上約100重量%以下、さらに好ましくは約80重量%以上約100重量%以下、または約95重量%以上約100重量%以下、または約98重量%以上約100重量%以下、または約99重量%以上約100重量%以下、より好ましくは約90重量%以上約100重量%以下、または約95重量%以上約99重量%以下の範囲で含むか、または本発明に係る電荷中性金属アミド化合物からなることを特徴とする有機発光ダイオード(OLED)が提供される。
【0334】
本発明の他の態様によれば、基板と、当該基板の上に形成されたアノード電極と、本発明に係る金属アミドを含む正孔注入層と、正孔輸送層と、発光層と、正孔遮断層と、カソード電極とを備える有機発光ダイオード(OLED)が提供される。
【0335】
本発明の他の態様によれば、基板と、当該基板の上に形成されたアノード電極と、本発明に係る電荷中性金属アミドを含む正孔注入層と、正孔輸送層と、発光層と、正孔遮断層と、電子輸送層と、カソード電極とを備える有機発光ダイオード(OLED)が提供される。
【0336】
本発明の他の態様によれば、基板と、当該基板の上に形成されたアノード電極と、本発明に係る電荷中性金属アミドを含む正孔注入層と、正孔輸送層と、発光層と、正孔遮断層と、電子輸送層と、電子注入層と、カソード電極とを備える有機発光ダイオード(OLED)が提供される。
【0337】
本発明の他の態様によれば、上記アノード電極と上記カソード電極との間に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔遮断層、電子輸送層からなる群から選択される少なくとも1つの層を、この順番通りに備える有機発光ダイオード(OLED)が提供される。
【0338】
本発明の様々な実施形態によれば、上記電子輸送層と上記カソード電極との間に形成された電子注入層をさらに備える有機発光ダイオード(OLED)が提供される。
【0339】
本発明のOLEDの様々な実施形態によれば、上記OLEDは、電子注入層を備えなくてもよい。
【0340】
本発明のOLEDの様々な実施形態によれば、上記OLEDは、電子輸送層を備えなくてもよい。
【0341】
本発明のOLEDの様々な実施形態によれば、上記OLEDは、電子輸送層と、電子注入層とを備えなくてもよい。
【0342】
本発明の他の態様によれば、
少なくとも1つのデポジット源(deposition source)、好ましくは、2つのデポジット源、より好ましくは、少なくとも3つのデポジット源および/または、
熱真空デポジットによるデポジットおよび/または、
溶解処理によるデポジット、好ましくは、スピンコーティング、プリンティング、キャスティングおよび/またはスロットダイコーティングから選択される処理による、有機発光ダイオード(OLED)の製造方法が提供される。
【0343】
(製造方法)
本発明の様々な実施形態によれば、上記方法は、上記アノード電極の上に、正孔注入層と、正孔輸送層と、発光層と、カソード電極とを、この順番通りに形成する工程をさらに含んでもよい。
【0344】
本発明の様々な実施形態によれば、上記方法は、上記アノード電極の上に、正孔注入層と、正孔輸送層と、発光層と、電子輸送層と、カソード電極とを、この順番通りに形成する工程をさらに含んでもよい。
【0345】
本発明の様々な実施形態によれば、上記方法は、上記アノード電極の上に、正孔注入層と、正孔輸送層と、正孔遮断層と、発光層と、電子輸送層と、カソード電極とを、この順番通りに形成する工程をさらに含んでもよい。
【0346】
本発明の様々な実施形態によれば、上記方法は、有機発光ダイオード(OLED)を形成するために、
基板の上にアノード電極を形成する工程と、
上記アノード電極の上に正孔注入層を形成する工程と、
上記正孔注入層の上に正孔輸送層を形成する工程と、
上記正孔輸送層の上に任意に正孔遮断層を形成する工程と、
その後、上記正孔遮断層の上に発光層を形成する工程と、
上記発光層の上に任意の電子輸送層、好ましくは、電子輸送層の積層体を形成する工程と、
最後に、上記電子輸送層の上にカソード電極を形成する工程と、
上記電子輸送層と上記カソード電極との間に任意の電子注入層を形成する工程とをさらに含んでもよい。
【0347】
上記OLEDの製造方法は、本発明に係る正孔注入層をアノード層の上にデポジットする工程と、任意の正孔輸送層を上記正孔注入層の上にデポジットする工程と、発光層を上記正孔輸送層の上にデポジットする工程と、任意の正孔遮断層を上記発光層の上にデポジットする工程と、任意の電子輸送層を上記正孔遮断層の上にデポジットする工程と、任意の電子注入層を上記電子輸送層の上にデポジットする工程と、カソードを上記電子注入層の上にデポジットする工程とを含み、上記層は、この順に配置され、上記アノードと上記カソードとの間に挟まれていてもよい。
【0348】
しかしながら、一態様によれば、上記層は、上記カソードをはじめとして、上記の順とは逆の順にデポジットされ、上記カソードと上記アノードとの間に挟まれている。
【0349】
例えば、カソード層をはじめとして、任意の電子注入層、電子輸送層、任意の正孔遮断層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、アノード電極を、この順番通りにデポジットする。
【0350】
上記アノード電極および/または上記カソード電極は、基板上のデポジットであってもよい。好ましくは、上記アノードは、基板上のデポジットである。
【0351】
本発明の更なる態様および/または利点を、以下の記載において部分的に示す。上記態様および/または利点については、ある程度は、本明細書から明白であり、あるいは本発明の実施によって知ることができる。
〔図面の簡単な説明〕
本発明のこれらおよび/または他の態様ならびに利点は、添付の図面を併用して、以下の例示的な実施形態の説明から、より明白となり、より容易に理解されるだろう。添付の図面は以下の通りである。
図1〕本発明の例示的な実施形態に係る有機発光ダイオード(OLED)の模式断面図である。
図2〕本発明の例示的な実施形態に係るOLEDの模式断面図である。
図3〕本発明の例示的な実施形態に係るOLEDの模式断面図である。
図4〕本発明に従って使用することができる、一般式Iaに基づく金属アミドの概略図である。
図5〕AおよびAがSOである特定のAおよびAを有する、本発明に従って使用することができる金属アミドの概略図である。
図6〕AおよびAがPORである特定のAおよびAを有する、本発明に従って使用することができる金属アミドの概略図である。
図7〕AおよびAがCOである特定のAおよびAを有する、本発明に従って使用することができる金属アミドの概略図である。
図8〕AとAは異なるように選択され、AがSOであり、AがPORである特定のAおよびAを有する、本発明に従って使用することができる金属アミドの概略図である。
〔発明を実施するための形態〕
次に、本発明の例示的な態様について詳細に言及する。上記態様の例は、添付の図面に図示されており、当該図面全体にわたって、同様の参照番号は、同様の要素を示す。本発明の上記態様を明白にするために、上記の図を参照することによって、例示的な実施形態について以下に説明する。
【0352】
本明細書において、第1の要素が第2の要素の「上に」形成または配置されると表現されるとき、上記第1の要素は、上記第2の要素の上に直接配置されてもよい。あるいは、上記第1の要素と上記第2の要素との間に1つ以上の他の要素が配置されてもよい。第1の要素が第2の要素の「上に直接」形成または配置されると表現されるとき、当該第1の要素と当該第2の要素との間に他の要素は配置されない。
【0353】
図1は、本発明の例示的な実施形態に係る有機発光ダイオード(OLED)100の模式断面図である。OLED100は、基板110を備える。基板110の上に、アノード120が配置される。アノード120の上に、本発明に係る金属アミド化合物を含むまたはからなる正孔注入層130が配置され、正孔注入層130の上に、正孔輸送層140が配置される。正孔輸送層140の上に、発光層150およびカソード電極190が、この順番通りに配置される。
【0354】
図2は、本発明の例示的な実施形態に係る有機発光ダイオード(OLED)100の模式断面図である。OLED100は、基板110と、第1電極120と、正孔注入層(HIL)130と、正孔輸送層(HTL)140と、発光層(EML)150と、電子輸送層(ETL)161とを備える。電子輸送層(ETL)161は、EML150の上に直接形成される。電子輸送層(ETL)161の上に、カソード電極190が配置される。
【0355】
1つの電子輸送層161の代わりに、任意で電子輸送層積層体(ETL)を使用してもよい。
【0356】
図3は、本発明の他の実施形態に係るOLED100の模式断面図である。図3は、同図のOLED100が正孔遮断層(HBL)155と電子注入層(EIL)180とを備える点で図2と異なる。
【0357】
図3を参照すると、OLED100は、基板110と、アノード電極120と、正孔注入層(HIL)130と、正孔輸送層(HTL)140と、発光層(EML)150と、正孔遮断層(HBL)155と、電子輸送層(ETL)161と、電子注入層(EIL)180と、カソード電極190とを備える。これらの層は、上述の順番通りに配置される。
【0358】
上記では、本発明のOLEDの製造方法は、アノード電極120が形成された基板110から始まり、アノード電極120の上に、正孔注入層130、正孔輸送層140、発光層150、任意の正孔遮断層155、任意の少なくとも1つの電子輸送層161、任意の少なくとも1つの電子注入層180、およびカソード電極190が、この順番通りに、またはちょうど逆順に、形成される。
【0359】
図1図2および図3には示されていないが、OLED100を封止するために、カソード電極190の上に封止層を形成してもよい。さらに、OLED100に対して、さまざまな他の変更を適用してもよい。
【0360】
以下に、本発明の1つ以上の例示的な実施形態について、以下の実施例を参照して、詳細に述べるが、これらの実施例には、本発明の当該1つ以上の例示的な実施形態の目的および範囲を制限する意図はない。
【0361】
〔実施例〕
(基本手順)
ボトムエミッション型素子用に、100nmのITOを含む15Ω/cmのガラス基板(コーニング社から入手可能)を50mm×50mm×0.7mmの大きさに切り取り、イソプロピルアルコールで5分間、その後純水で5分間超音波洗浄し、UVオゾンで30分間再度洗浄し、第1電極を作製した。トップエミッション型素子用に、100nmの銀から、上記と同一の方法で作製したガラスの上に、アノード電極を形成した。
【0362】
その後、表6の実施例に係る正孔注入層をITO電極に真空デポジットし、表6の実施例に係る厚さを有するHILを形成した。その後、表6の実施例に係る、対応する正孔注入層を、上記HILに真空デポジットし、それぞれ表6に記載の厚さを有するHTLを形成した。
【0363】
HIL材料およびHTL材料の重量%は、以下の表6から理解することができ、それによって、表6において他に指示がない限り、上記HIL材料の重量%は100重量%であり、上記HTL材料の重量%は100重量%である。これは、実施例1~8に係るHILが本発明に係る金属アミド化合物からなることを意味する。また、表6の記載のように、実施例1~8に係るHILは1つの化合物のみからなる。ただし、正孔注入層には、製造工程に起因して、正孔輸送層の化合物が微量に含まれることがある。例えば、HILは島(すなわち、非継続的な層)を形成し得る。そのため、HTLを上にデポジットした場合、HTLはHILと同じ平面においてデポジットされることがある。この層を逆行分析した場合、一方の化合物のデポジットの後に他方のデポジットを行ったにも関わらず、混合層の様に見えることがある。
【0364】
比較例4の正孔注入層には、トリアリールアミンT-3およびLiTFSIがそれぞれ98重量%、2重量%の比率で混合されて含まれる。
【0365】
ホストとしての97重量%のABH113(サンファインケミカルズ)とドーパントとしての3重量%のNUBD370(サンファインケミカルズ)とを上記HTLにデポジットし、厚さ20nmの青色発光EMLを形成した。
【0366】
その後、厚さ36nmの、50重量%のMX 1および50重量%のLiQ(50重量%:50重量%)のマトリックス化合物のETL層を、第1デポジット源から当該マトリックス化合物を、第2デポジット源からリチウム有機錯体またはハロゲン化リチウムを、上記EMLの上に直接デポジットすることによって、形成した。
【0367】
比較例1~6および実施例1~8に関しては、1つの電子輸送層のみ形成する。
【0368】
カソードは、10-7barの超高真空で蒸着(evaporate)した。そのため、厚さ5~1000nmの均質なカソードを生成するために、0.1~10nm/秒(0.01~1Å/秒)の速度で、1種以上の金属の熱による1回の共蒸着(co-evaporation)を実施した。トップエミッション型素子用に、13nmのマグネシウム(90体積%)と銀(10体積%)の合金から、カソード電極を形成した。ボトムエミッション型素子用に、100nmのアルミニウムから、カソード電極を形成した。
【0369】
OLEDの積層体は、上記素子をスライドガラスで密閉することによって、周囲環境から保護される。これにより、空洞が形成され、当該空洞には、上記OLEDの積層体をさらに保護するためのゲッター材料が含まれている。
【0370】
先行技術と比較した本発明の実施例の性能を評価するために、電流効率は、周囲条件下(20℃)で測定する。電流電圧測定は、ケースレーの2400ソースメータを用いて実施し、「V」で記録した。ボトムエミッション型については10mA/cmで、トップエミッション型素子については15A/cmで、Instrument Systemsの較正分光計CAS140を用いて、CIE座標およびカンデラでの輝度を測定する。上記素子の寿命(LT)は、周囲条件(20℃)下かつ15mA/cmで、ケースレーの2400ソースメータを用いて測定し、時間単位で記録した。上記素子の輝度は、較正フォトダイオードを用いて測定した。寿命(LT)は、上記素子の輝度が初期値の97%に減少するまでの時間と定義する。
【0371】
ボトムエミッション型素子では、発光は、主にランベルト発光であり、外部量子効率(EQE)(%)で定量化される。効率EQEを%で決定するために、上記素子の光出力は、10mA/cmで、較正フォトダイオードを用いて測定する。
【0372】
トップエミッション型素子では、発光は、前方へ向かう非ランベルト発光であり、また、微小空洞に大きく依存している。そのため、効率EQEは、ボトムエミッション型素子と比較して、より高くなる。効率EQEを%で決定するために、上記素子の光出力は、15mA/cmで、較正フォトダイオードを用いて測定する。
〔発明の技術的効果〕
(ボトムエミッション型素子)
(金属カチオンが素子性能に及ぼす影響)
表6はボトムエミッション型素子のデータを示す。比較例1では正孔注入層は用いられない。電圧が高く、その上昇が安定性試験において速いため、寿命は測定されていない。
【0373】
比較例2および3では、正孔注入層として、化合物CNHATを使用している。2つの厚さ(3nmおよび10nm)について試験を行った。3nmの場合、電圧が高く、寿命試験において素子の電圧が、劣化に起因して、大きく上昇した。一般的に正孔注入層として使用される、式Aを有するジピラジノ[2,3-f:2’,3’-h]キノキサリン-2,3,6,7,10,11-ヘキサカルボニトリル(CNHAT(CAS105598-27-4))の厚さが10nmの場合、電圧は5.4Vに低下し、EQEは5%となり、劣化に伴う電圧の上昇は商業的適用に好適な範囲内となる。電圧上昇の許容レベルは、15mA/cmで50時間にわたり0.2V以下とされている。
【0374】
【化96】
【0375】
比較例4において、2重量%のLiTFSIでドープされた、10nmのトリアリールアミンT-3の層に対して試験を行った。電圧は比較例1および3と比較して低く、効率EQEは同等である。その一方、電圧の安定性は非常に悪い。15mA/cmで50時間駆動した場合、電圧が0.56V上昇する。
【0376】
実施例1~10では、様々な金属アミド化合物について、3nmおよび10nmの厚さで試験を行った。3nmのLiTFSIでは、最も低い電圧で、最も高いEQEが見られた(実施例1を参照)。電圧は比較例3と比較して低く、EQEは同等である。3nmのMg(TFSI)、3nmのMn(TFSI)、3nmのLi(cTFSI)、および10nmのAgTFSIの場合、同様に低い電圧が実現された。一般に、3nmの金属アミドは、10nmの金属アミドよりも良好な性能を示す。
【0377】
(正孔輸送層のHOMO準位が素子性能に及ぼす影響)
種々の色の光の出力を実現するために、多種多様の材料を、OLEDの発光層での適用に使用できる。各発光層組成物は、HTLに対する種々の需要(例えばバンドギャップまたは三重項準位)に付随する。そのため、種々のOLEDのHTL材料は、それらのHOMO準位が異なることがある。したがって、良好な正孔注入層によって、多種多様のHTL材料への正孔注入が実現される。
【0378】
第2の段階では、様々なHOMO準位を有するトリアリールアミン化合物を、正孔輸送層において試験した。ここで使用した蛍光青色EMLとの組み合わせで低い性能を示すHTLは、例えば燐光性の青色および緑色EMLまたは熱活性化遅延蛍光(TADF)エミッター等の異なるEML組成と組み合わせた場合、独特の性能を示すことがある。以下の例では、正孔注入性能を、深いHOMOのHTLへの注入に適さないCNHATに対して評価する。容易に比較を行うため、比較対象の実施例として、全て3nmの金属アミドのものを使用する。比較対象の比較例に関しては、正孔注入層として10nmのCNHATを使用する。
【0379】
最も浅いHOMOのトリアリールアミンT-3について、Mg(TFSI)を用いた場合、5.1V、4.6%のEQEを実現した(実施例3を参照)。より深いHOMOのアミンT-8およびT-9について、電圧は5Vで一定であり、効率は3.8%と5.2%で異なる。特に、より深いHOMOのトリアリールアミンT-8およびT-9について、Mg(TFSI)を用いた場合、CNHATの場合に比べて非常に低い電圧を実現した(実施例9~10および比較例5~6を参照)。効率EQEは、正孔輸送層のHOMO準位にかかわらず許容範囲内であった。
【0380】
全実施例の電圧安定性は、15mA/cmでの50時間の安定性試験の間中ずっと許容レベル、例えば、0.35V未満である。
【0381】
【表6】
【0382】
他の態様は、2つ以上の発光層(EML)150を備える有機発光ダイオード(OLED)を対象とし、例えば2、3または4つの発光層が存在してもよい。2つ以上の発光層を備える有機発光ダイオード(OLED)はまた、タンデム型OLEDまたは積層OLEDともいわれる。
【0383】
他の態様は、少なくとも1つの有機発光ダイオード(OLED)を備える素子を対象とする。有機発光ダイオード(OLED)を備える素子は、例えば表示装置または照明パネルである。
【0384】
本発明の精神および範囲から逸脱することなく本発明の組成物および方法に変更および修正を加えることが可能であることは、上記の詳細な実施形態および実施例から明らかである。したがって、本発明の精神および範囲から逸脱することなく本発明に加えられたあらゆる変更が添付の請求項の範囲内に入ることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0385】
図1】本発明の例示的な実施形態に係る有機発光ダイオード(OLED)の模式断面図である。
図2】本発明の例示的な実施形態に係るOLEDの模式断面図である。
図3】本発明の例示的な実施形態に係るOLEDの模式断面図である。
図4】本発明に従って使用することができる、一般式Iaに基づく金属アミドの概略図である。
図5】AおよびAがSOである特定のAおよびAを有する、本発明に従って使用することができる金属アミドの概略図である。
図6】AおよびAがPORである特定のAおよびAを有する、本発明に従って使用することができる金属アミドの概略図である。
図7】AおよびAがCOである特定のAおよびAを有する、本発明に従って使用することができる金属アミドの概略図である。
図8】AとAは異なるように選択され、AがSOであり、AがPORである特定のAおよびAを有する、本発明に従って使用することができる金属アミドの概略図である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8