(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】ゲーム処理システム、ゲーム処理方法、及びゲーム処理プログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/47 20140101AFI20220928BHJP
A63F 13/25 20140101ALI20220928BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20220928BHJP
A63F 13/5375 20140101ALI20220928BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20220928BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
A63F13/47
A63F13/25
A63F13/58
A63F13/5375
G06F3/0484
G06F3/01 510
(21)【出願番号】P 2020212003
(22)【出願日】2020-12-22
(62)【分割の表示】P 2018233014の分割
【原出願日】2018-02-06
【審査請求日】2021-02-05
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】桑谷 貴志
(72)【発明者】
【氏名】千田 誠
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-231443(JP,A)
【文献】LayerQ,“[レポート]『オルタナティブガールズ』は3Dバトルあり、サスペンスあり、VRありの美少女RPGだった”,INSIDE スマホゲーム,日本,株式会社イード,2016年07月29日,pp.1-6,https://www.inside-games.jp/article/2016/07/29/100697.html,[2022年2月22日検索]
【文献】マスクド・イマイチ,“『乖離性ミリオンアーサー』PS VR版をプレイレビュー。ウアサハをなでて触ってホメてもらおう!”,DENGEKI ONLINE,日本,株式会社KADOKAWA Game Linkage,2017年09月27日,pp.1-7,https://dengekionline.com/elem/000/001/593/1593152/,[2022年2月22日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98,9/24
G06F 3/01,3/048-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数のコンピュータプロセッサを備え、第1モード及び第2モードにおいて
仮想キャラクタとのインタラクションを提供し、前記第1モード及び前記第2モードにおいて前記仮想キャラクタとは異なる共通の共通ゲーム媒体が用いられるゲームの処理を行うゲーム処理システムであって、
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、コンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、
前記第1モードにおいては、プレイヤの頭部に装着されていない情報処理装置により検出された第1検出情報に応じた
前記仮想キャラクタとのインタラクションを提供し、
前記第1モードにおいて、前記共通ゲーム媒体に関連付けられたゲームパラメータを変更し、
前記第1モードにおいて前記第2モードへの移行を開始するための条件であるモード移行条件が成立したか否かを判定し、前記モード移行条件が成立したと判定されたことに応じて前記第1モードから前記第2モードへの移行処理を行い、
前記移行処理を行った後に、前記第2モードにおいて、前記プレイヤの頭部に装着されたヘッドマウントディスプレイにより検出された第2検出情報に応じた前記仮想キャラクタとのインタラクションを提供し、
前記移行処理を行った後に、前記第2モードにおいて、前記第1モードにおいて変更された前記ゲームパラメータが関連付けられた前記共通ゲーム媒体が用いられる、
ゲーム処理システム。
【請求項2】
前記移行処理を行った後に、前記第2モードにおいて、前記共通ゲーム媒体の前記ゲームパラメータをさらに変更する、
請求項1に記載のゲーム処理システム。
【請求項3】
前記共通ゲーム媒体の前記ゲームパラメータは、前記移行処理においてさらに変更され、
前記移行処理を行った後に、前記第2モードにおいて、前記第1モードにおいて変更され前記移行処理においてさらに変更された前記ゲームパラメータが関連付けられた前記共通ゲーム媒体が用いられる、
請求項1又は2に記載のゲーム処理システム。
【請求項4】
前記第2モードから前記第1モードへ移行した後に、前記第1モードにおいて、前記共通ゲーム媒体の前記ゲームパラメータをさらに変更する、
請求項1から3のいずれか1項に記載のゲーム処理システム。
【請求項5】
前記共通ゲーム媒体の前記ゲームパラメータは、前記第2モードから前記第1モードへ移行するための別の移行処理においてさらに変更される、
請求項1から4のいずれか1項に記載のゲーム処理システム。
【請求項6】
前記第1モードにおける前記仮想キャラクタとのインタラクションには、前記仮想キャラクタとの前記ゲームでの対戦が含まれる、
請求項1から5のいずれか1項に記載のゲーム処理システム。
【請求項7】
前記第2モードにおける前記仮想キャラクタとのインタラクションには、前記仮想キャラクタとの前記ゲームでの対戦が含まれる、
請求項1から6のいずれか1項に記載のゲーム処理システム。
【請求項8】
前記第1モードにおける前記仮想キャラクタとのインタラクションには、前記仮想キャラクタと協力して前記ゲームをプレイする協力プレイが含まれる、
請求項1から5のいずれか1項に記載のゲーム処理システム。
【請求項9】
前記第2モードにおける前記仮想キャラクタとのインタラクションには、前記仮想キャラクタと協力して前記ゲームをプレイする協力プレイが含まれる、
請求項1から5及び8のいずれか1項に記載のゲーム処理システム。
【請求項10】
前記第1モードにおいて、前記第2モードで前記仮想キャラクタが使用する着用アイテムが選択される、
請求項1から9のいずれか1項に記載のゲーム処理システム。
【請求項11】
前記モード移行条件が成立したか否かの判定は、前記仮想キャラクタとのインタラクションに基づいて行われる、
請求項1から10のいずれか1項に記載のゲーム処理システム。
【請求項12】
一又は複数のプロセッサがコンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより第1モード及び第2モードにおいて
仮想キャラクタとのインタラクションを提供し、前記第1モード及び前記第2モードにおいて前記仮想キャラクタとは異なる共通の共通ゲーム媒体が用いられるゲームの処理を行うゲーム処理方法であって、
前記第1モードにおいて、プレイヤの頭部に装着されていない情報処理装置により検出された第1検出情報に応じた仮想キャラクタとのインタラクションを提供する工程と、
前記第1モードにおいて、前記共通ゲーム媒体に関連付けられたゲームパラメータを変更する工程と、
前記第1モードにおいて前記仮想キャラクタとのインタラクションに基づいて前記第2モードへの移行を開始するための条件であるモード移行条件が成立したか否かを判定し、前記モード移行条件が成立したと判定されたことに応じて前記第1モードから前記第2モードへの移行処理を行う工程と、
前記移行処理を行った後に、前記第2モードにおいて、前記プレイヤの頭部に装着されたヘッドマウントディスプレイにより検出された第2検出情報に応じた前記仮想キャラクタとのインタラクションを提供する工程と、
を備え、
前記移行処理を行った後に、前記第2モードにおいて、前記第1モードにおいて変更された前記ゲームパラメータが関連付けられた前記共通ゲーム媒体が用いられる、
ゲーム処理方法。
【請求項13】
一又は複数のプロセッサに実行されることにより第1モード及び第2モードにおいて
仮想キャラクタとのインタラクションを提供し、前記第1モード及び前記第2モードにおいて前記仮想キャラクタとは異なる共通の共通ゲーム媒体が用いられるゲームの処理を実行するためのゲーム処理プログラムであって、
前記一又は複数のプロセッサに、
前記第1モードにおいて、プレイヤの頭部に装着されていない情報処理装置により検出された前記プレイヤのアクションに関する第1検出情報に応じた仮想キャラクタとのインタラクションを提供する工程と、
前記第1モードにおいて、前記共通ゲーム媒体に関連付けられたゲームパラメータを変更する工程と、
前記第1モードにおいて前記仮想キャラクタとのインタラクションに基づいて前記第2モードへの移行を開始するための条件であるモード移行条件が成立したか否かを判定し、前記モード移行条件が成立したと判定されたことに応じて前記第1モードから前記第2モードへの移行処理を行う工程と、
前記移行処理を行った後に、前記第2モードにおいて、前記プレイヤの頭部に装着されたヘッドマウントディスプレイにより検出された前記プレイヤのアクションに関する第2検出情報に応じた前記仮想キャラクタとのインタラクションを提供する工程と、
を実行させ、
前記移行処理を行った後に、前記第2モードにおいて、前記第1モードにおいて変更された前記ゲームパラメータが関連付けられた前記共通ゲーム媒体が用いられる、
ゲーム処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書における開示は、仮想キャラクタとのインタラクションを提供するアプリケーション処理システム、アプリケーション処理方法、及びアプリケーション処理プログラムに関する。より具体的には、本明細書における開示は、ヘッドマウントディスプレイにより検出された検出情報に応じた仮想キャラクタとのインタラクションを提供可能なアプリケーションを処理するアプリケーション処理システム、アプリケーション処理方法、及びアプリケーション処理プログラムに関する。このアプリケーションの一例は、ゲームである。よって、本明細書における開示は、より具体的には、ゲームを処理するゲーム処理システム、ゲーム処理方法、及びゲーム処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
仮想キャラクタとのインタラクションを提供するアプリケーションとして、仮想キャラクタとのインタラクションを提供するシミュレーションゲームが知られている。かかるシミュレーションゲームは、例えば、特開2012-055644号公報(特許文献1)に開示されている。
【0003】
このような仮想キャラクタとのインタラクションを提供するゲームにおいて、ゲームへの没入感を高めるために、ヘッドマウントディスプレイ(以下、「HMD」ということがある。)が利用されることがある。例えば、HMDに仮想空間を表示し、この仮想空間内に登場する仮想キャラクタとHMDを用いてインタラクションできるVRゲームが知られている。この種のVRゲームとして、株式会社バンダイナムコエンターテインメントの「サマーレッスン」が知られている(非特許文献1参照)。
【0004】
HMDは、特開2017-058969号公報(特許文献2)に記載されているように、プレイヤの頭部の位置や向きを検出するためのトラッキングセンサを備えている。HMDを用いてプレイするVRゲームでは、このトラッキングセンサにより検出された検出情報に基づいて仮想空間内における視点が定められ、このようにして定められた視点から見た仮想空間の画像がHMDに表示される。
【0005】
上記の「サマーレッスン」では、HMDのトラッキングセンサにより検出された検出情報に応じて、仮想キャラクタとのインタラクションを特定し、この特定されたインタクラクションをプレイヤに体験させる機能が実現されている。例えば、HMDに表示されている仮想キャラクタの画像の動きに応答して当該HMDを装着したプレイヤが頷くと、この頷きに対応するプレイヤの頭部の動きが検出される。そして、この検出された頭部の動きに基づいて、プレイヤが頷いたことに対応する動作を行う仮想キャラクタの画像がHMDに表示される。
【0006】
このように、HMDを用いて仮想キャラクタとのインタラクションを行う従来のVRゲームでは、プレイヤの頭部の動きに追従するように仮想空間の画像が表示され、また、頭部の動きに応じた仮想キャラクタとのインタラクションが体験されるため、プレイヤは高い没入感を得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2012-055644号公報
【文献】特開2017-058969号公報
【非特許文献】
【0008】
【文献】“サマーレッスン”、[online]、平成29年12月12日検索、インターネット(URL: HYPERLINK "http://summer-lesson.bn-ent.net/" http://summer-lesson.bn-ent.net/)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
VRゲームをプレイするためには、HMDを頭部に装着する必要がある。HMDは、現在のところ日常的に使用されるデバイスではなく、また、装着時に現実世界での視界が遮られることから、HMDの装着に抵抗感を感じるプレイヤも存在する。したがって、VRゲームのプレイ開始時に、プレイヤにHMDの装着を促す技術的な改善、及び/又は、HMD装着に関するプレイヤの抵抗感を軽減するための技術的な改善が望まれる。
【0010】
本開示の目的は、上述した従来技術の問題の少なくとも一部を解決又は緩和する技術的な改善を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一実施形態におけるゲーム処理システムは、一又は複数のコンピュータプロセッサと、モード移行条件を記憶するメモリと、を備え、第1モード及び第2モードを有するゲームの処理を行うゲーム処理システムである。このモード移行条件は、前記第2モードへの移行を開始するための条件を定める。前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、コンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、前記第1モードにおいては、プレイヤの頭部に装着されていない情報処理装置により検出された第1検出情報に応じた仮想キャラクタとのインタラクションを提供し、前記第1モードにおいて前記モード移行条件が成立したか否かを判定し、前記第1モードの進行に応じて前記モード移行条件が成立したと判定されたときに前記情報処理装置に移行開始オブジェクトを表示し、前記移行開始オブジェクトの選択により前記第1モードから前記第2モードへの移行処理を開始し、前記移行処理を行った後に、前記第2モードにおいて、前記プレイヤの頭部に装着されたヘッドマウントディスプレイにより検出された第2検出情報に応じた前記仮想キャラクタとのインタラクションを提供する。
【0012】
一実施形態におけるゲーム処理システムにおいて、前記第1モードにおける前記仮想キャラクタとのインタラクションには、前記仮想キャラクタが前記第2モードへの移行を促すことが含まれる。
【0013】
一実施形態において、前記第1モードにおける前記仮想キャラクタとのインタラクションには、前記第2モードにおける設定の選択を行うためのインタラクションが含まれる。
【0014】
一実施形態によるゲーム処理システムにおいて、前記移行処理は、前記第1モードにおける前記仮想キャラクタとのインタラクションに応じて開始される。
【0015】
一実施形態によるゲーム処理システムにおいて、前記移行処理は、前記第1モードにおいて前記情報処理装置において表示された移行開始オブジェクトの選択により開始される。
【0016】
一実施形態によるゲーム処理システムにおいて、前記移行処理は、前記移行開始オブジェクトの選択に応じて、前記ヘッドマウントディスプレイを装着するように促すガイダンスを前記情報処理装置に表示することを含む。
【0017】
一実施形態によるゲーム処理システムにおいて、前記移行処理は、前記プレイヤの注視によって選択可能な移行オブジェクトが選択されたことに応じて前記第2モードへ移行することを含む。
【0018】
一実施形態によるゲーム処理システムにおいて、前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、前記第2モードの終了後に前記情報処理装置に前記第1モードを開始するためのログイン画面を表示する。
【0019】
一実施形態によるゲーム処理システムにおいて、前記ヘッドマウントディスプレイは、前記プレイヤの頭部に装着される装着具と、前記装着具に取り付けられた前記情報処理装置と、を有する
【0020】
一実施形態によるゲーム処理システムにおいて、前記第2モードにおいては、前記プレイヤの頭部の位置及び向きの少なくとも一方を特定するためのヘッドトラッキング情報が前記第2検出情報に基づいて算出され、前記ヘッドトラッキング情報に応じた前記仮想キャラクタとのインタラクションが提供される。
【0021】
一実施形態によるゲーム処理システムにおいて、前記第2モードにおいては、前記仮想キャラクタが立体視画像として表示され、前記第1モードにおいては、前記仮想キャラクタが立体視画像以外の画像として表示される。
【0022】
一実施形態によるゲーム処理方法は、一又は複数のコンピュータプロセッサがコンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、第1モード及び第2モードを有するゲームの処理を行う。当該ゲーム処理方法は、前記第1モードにおいて、プレイヤの頭部に装着されていない情報処理装置により検出された第1検出情報に応じた仮想キャラクタとのインタラクションを提供する工程と、前記第1モードにおいて前記第2モードへの移行を開始するための条件を定めた前記モード移行条件が成立したか否かを判定する工程と、前記第1モードの進行に応じて前記モード移行条件が成立したと判定されたときに前記情報処理装置に移行開始オブジェクトを表示する工程と、前記移行開始オブジェクトが選択されたことに応じて前記第1モードから前記第2モードへの移行処理を開始する工程と、前記移行処理を行った後に、前記第2モードにおいて、前記プレイヤの頭部に装着されたヘッドマウントディスプレイにより検出された第2検出情報に応じた前記仮想キャラクタとのインタラクションを提供する工程と、を備える。
【0023】
一実施形態によるゲーム処理プログラムは、一又は複数のコンピュータプロセッサに実行されることにより第1モード及び第2モードを有するゲームの処理を実行するためのプログラムである。当該ゲーム処理プログラムは、前記一又は複数のコンピュータプロセッサに、前記第1モードにおいて、プレイヤの頭部に装着されていない情報処理装置により検出された第1検出情報に応じた仮想キャラクタとのインタラクションを提供する工程と、前記第1モードにおいて前記第2モードへの移行を開始するための条件を定めた前記モード移行条件が成立したか否かを判定する工程と、前記第1モードの進行に応じて前記モード移行条件が成立したと判定されたときに前記情報処理装置に移行開始オブジェクトを表示する工程と、前記移行開始オブジェクトが選択されたことに応じて前記第1モードから前記第2モードへの移行処理を開始する工程と、前記移行処理を行った後に、前記第2モードにおいて、前記プレイヤの頭部に装着されたヘッドマウントディスプレイにより検出された第2検出情報に応じた前記仮想キャラクタとのインタラクションを提供する工程と、を実行させる。
【発明の効果】
【0024】
実施形態によれば、第1モードでゲームが進行する過程で、プレイヤに対してヘッドマウントディスプレイの装着を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】一実施形態によるゲーム処理システムを示すブロック図である。
【
図2】
図1のゲーム処理システムにおいて利用可能なヘッドマウントディスプレイを示す模式図である。
【
図3】ゲームのプレイヤに装着されたヘッドマウントディスプレイを模式的に示す図である。
【
図4】一実施形態によるゲーム処理システムにより処理されるゲームのモード移行を説明する図である。
【
図5】一実施形態におけるチャットモードでの処理の流れを示すフロー図である。
【
図6】一実施形態におけるチャットモードでの表示画像の例を示す図である。
図6の画面には、プレイヤにより選択されるメッセージの選択肢が示されている。
【
図7】一実施形態におけるチャットモードでの表示画像の例を示す図である。
図7の画面には、プレイヤにより選択されたメッセージが示されている。
【
図8】一実施形態におけるチャットモードでの表示画像の例を示す図である。
図8の画面には、VRモードへの移行を促すメッセージ、VRモードにおける設定を選択するためのメッセージ、及びVRモードにおいて使用されるアイテムを選択するためのメッセージが示されている。
【
図9】一実施形態におけるチャットモードでの表示画像の例を示す図である。
図9の画面には、移行開始オブジェクトが示されている。
【
図10】一実施形態におけるモード移行処理の流れを示すフロー図である。
【
図11】一実施形態におけるモード移行処理での表示画像の例を示す図である。
図11の画面には、ディスプレイを装着具へ装着するように促すガイダンスが示されている。
【
図12】一実施形態における移行処理での表示画像の例を示す図である。
図12の画面には、移行オブジェクトが示されている。
【
図13】一実施形態におけるVRモードでの処理の流れを示すフロー図である。
【
図14】一実施形態におけるVRモードでの表示画像の例を示す図である。
【
図15】他の実施形態によるゲーム処理システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を適宜参照し、本発明の様々な実施形態を説明する。複数の図面において同一の又は類似する構成要素には同じ参照符号が付される。
【0027】
図1から
図3を参照して、一実施形態によるゲーム処理システムについて説明する。
図1は、一実施形態によるゲーム処理システム1を示すブロック図であり、
図2は、ゲーム処理システム1において用いられるヘッドマウントディスプレイ10(以下、「HMD10」という。)の模式図であり、
図3は、プレイヤ5に装着されたHMD10を模式的に示す図である。
【0028】
ゲーム処理システム1は、ゲーム以外のアプリケーションを処理するように構成されてもよい。ゲーム処理システム1は、例えば、運転やその他の分野におけるシミュレーション、医療又はそれ以外の分野におけるトレーニング用アプリケーション、製品やサービスを体験するためのアプリケーション、映画やそれ以外の各種エンターテインメントを鑑賞するためのアプリケーション、及びこれら以外の各種アプリケーションを提供するように構成されてもよい。
【0029】
一実施形態によるゲーム処理システム1は、一実施形態によるゲーム処理プログラムを実行することにより様々なゲームを実現する。プレイヤは、ゲームシステム1を利用して、各種ゲームをプレイすることができる。ゲーム処理システム1は、例えば、仮想空間において仮想キャラクタとプレイヤとがインタラクションを行うゲームを実現することができる。ゲーム処理システム1により実現されるゲームは、第1モードと第2モードとを有する。第1モード及び第2モードには、共通のゲーム媒体が用いられてもよい。ゲーム媒体は、ゲーム処理システム1で実現されるゲームにおいて使用される電子データであり、ユーザによってゲーム内で取得、所有、使用、管理、交換、合成、強化、売却、廃棄、贈与、又は前記以外の方法で使用され得る。ゲーム媒体には、例えば、カード、アイテム、仮想通貨、チケット、キャラクタ、アバタ、レベル情報、ステータス情報、パラメータ情報(体力値や攻撃力など)、能力情報、スキル、アビリティ、呪文、ジョブ、及びこれら以外のゲームで利用可能な各種電子データを含む。ゲーム処理システム1で利用可能なゲーム媒体及びその利用態様は本明細書で明示されるものに限られない。第1モードの例はチャットモードであり、第2モードの例はVRモードである。第1モード及び第2モードについては後述される。
【0030】
ゲーム処理システム1は、HMD10と、サーバ50と、を備える。HMD10とサーバ50とは、ネットワーク40を介して相互に通信可能に接続されている。
【0031】
HMD10は、
図2に示されているように、人間の頭部に装着される装着具11と、この装着具11に取り付けられる情報処理装置20と、を備えている。
【0032】
装着具11は、開口11dが形成されたゴーグル型の筐体11aと、この筐体11aに取り付けられた第1ベルト11b及び第2ベルト11cと、蓋11eと、を有する。蓋11eは、筐体11aに開閉自在に取り付けられている。筐体11aの前方には開口11dが形成されている。
図2においては、蓋11eは開放されている。HME10の使用時には、蓋11eは、開口11dを閉塞するように閉じられる。
【0033】
情報処理装置20は、HMD10の蓋11eの内側に、着脱可能に設けられる。情報処理装置20は、ディスプレイ24を備えている。情報処理装置20は、蓋11eが閉じられたときに、ディスプレイ24が筐体11aの内側を向くように蓋11eに取り付けられる。情報処理装置20は、HMD10の使用時に装着具11に取り付けられる。情報処理装置20は、HMD10を使用しないときには、装着具11から取り外される。
【0034】
図示の実施形態において、情報処理装置20は、スマートフォンである。情報処理装置20は、スマートフォン以外に、携帯電話機、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、電子書籍リーダー、ウェアラブルコンピュータ、ゲーム用コンソール、及びこれら以外の各種情報処理装置であってもよい。HMD10から取り外された情報処理装置20は、その本来の目的に応じて利用される。
【0035】
情報処理装置20は、上記のように、ディスプレイ24を備えている。図示の実施形態においては、情報処理装置20が装着具11に取り付けられたときには、ディスプレイ24がHMD10における画像表示のための装置として機能する。よって、HMD10を用いてゲームをプレイする場合には、ディスプレイ24に当該ゲームの仮想空間、仮想キャラクタ、及びこれら以外のゲームに関連する画像が表示される。
【0036】
装着具11の形状は、図示されたゴーグル型に限られない。装着具11は、装着されたプレイヤの頭部の動きに追従して動き、装着されたときにディスプレイ24を装着者の眼前に配置できる任意の形状の構造体を含み得る。装着具11は、例えば眼鏡を模した形状、帽子を模した形状、又はヘルメットを模した形状であってもよい。プレイヤの没入感を向上させるためには、HMD10は、装着具11がプレイヤの頭部に装着されたときに、ディスプレイ24が当該プレイヤの両目を覆うように構成されていることが望ましい。
【0037】
HMD10は、使用時において、
図3に示されているように、装着具11を介してプレイヤ5の頭部に取り付けられる。プレイヤ5の頭部に装着されている装着具11には、情報処理装置20が取り付けられている。
【0038】
再び
図1を参照して、情報処理装置20についてさらに説明する。図示のように、一実施形態において、情報処理装置20は、コンピュータプロセッサ21、メモリ22、通信I/F23、ディスプレイ24、センサユニット25、集音装置26、及びストレージ27を備えている。
【0039】
コンピュータプロセッサ21は、ストレージ27又はそれ以外のストレージからオペレーティングシステムやゲームロジックを実現する様々なプログラムをメインメモリ22にロードし、ロードしたプログラムに含まれる命令を実行する演算装置である。コンピュータプロセッサ21は、例えば、CPU、MCU、FRPG、又はこれら以外の各種演算装置である。
図1においては、コンピュータプロセッサ21が単一の構成要素として図示されているが、コンピュータプロセッサ21は複数の物理的に別体のコンピュータプロセッサの集合であってもよい。本明細書において、コンピュータプロセッサ21によって実行されるとして説明されるプログラム又は当該プログラムに含まれる命令は、単一のコンピュータプロセッサで実行されてもよいし、複数のコンピュータプロセッサにより分散して実行されてもよい。また、コンピュータプロセッサ21によって実行されるプログラム又は当該プログラムに含まれる命令は、複数の仮想コンピュータプロセッサにより実行されてもよい。
【0040】
メモリ22は、コンピュータプロセッサ21が実行する命令及びそれ以外の各種データを格納するために用いられる。一実施形態によるゲーム処理プログラムの少なくとも一部は、ゲームの進行に応じて、随時メモリ22にロードされる。メモリ22は、例えば、コンピュータプロセッサ21が高速にアクセス可能な主記憶装置(メインメモリ)である。メモリ22は、例えば、DRAMやSRAM等のRAMによって構成される。
【0041】
通信I/F23は、ハードウェア、ファームウェア、又はTCP/IPドライバやPPPドライバ等の通信用ソフトウェア又はこれらの組み合わせとして実装される。情報処理装置20は、通信I/F23を介して、他の装置とデータを送受信することができる。
【0042】
ディスプレイ24は、表示パネル24aと、タッチパネル24bと、を有する。例えば、タッチパネル24bは、表示パネル24aの上面又は下面に積層されている。表示パネル24aは、液晶パネル、有機ELパネル、無機ELパネル、又はこれら以外の画像を表示可能な任意の表示パネルである。タッチパネル24bは、プレイヤのタッチ操作を検出することができるように構成されている。タッチパネル24bは、プレイヤのタップ、ダブルタップ、ドラッグ等の各種タッチ操作を検出することができる。
【0043】
センサユニット25は、一又は複数のセンサを備える。センサユニット25は、例えば、ジャイロセンサ、加速度センサ、および地磁気センサのうち少なくとも1つのセンサを含む。センサユニット25は、プレイヤの眼球の動きを直接的に検出するアイトラッキングセンサを備えてもよい。アイトラッキングセンサは、例えば、虹彩内に近赤外光を入射しその反射光を検出する視線検出センサである。後述するように、センサユニット25により検出された検出情報に基づいて、HMD10を装着したプレイヤ5の頭部の位置及び向きの少なくとも一方が特定される。センサユニット25を構成する各種センサの少なくとも一部は、装着具11及び/又は装着具11以外の情報処理装置20とは異なる部材に設けられてもよい。
【0044】
集音装置26は、音声を集音することができるように構成されている。集音装置26は、例えば、マイクロフォンである。集音装置26により集音された音声情報に基づいて、プレイヤ5の音声が検出される。
【0045】
ストレージ27は、コンピュータプロセッサ21によりアクセスされる外部記憶装置である。ストレージ27は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、又は半導体メモリである。ストレージ27には、ゲーム処理プログラム等の様々なプログラムが記憶される。また、ストレージ27には、ゲームにおいて用いられる各種データも記憶される。ストレージ27に記憶され得るプログラム及び各種データの少なくとも一部は、情報処理装置20とは物理的に別体のストレージに格納されてもよい。
【0046】
図示の実施形態において、ストレージ27には、画像データ28a、チャットデータ28b、シナリオデータ28c、イベントデータ28d、ゲーム進行データ28e、及び前記以外のゲームの進行のために必要な様々なデータが記憶される。
【0047】
画像データ28aには、ゲームの行われる仮想空間の背景を描画するためのデータ、仮想キャラクタを描画するためのデータ、及びゲームで用いられる仮想キャラクタ以外のオブジェクトを描画するためのデータが含まれる。画像データ28aには、仮想空間内におけるオブジェクトの位置情報を含んでもよい。
【0048】
チャットデータ28bには、仮想キャラクタのアイコンを描画するためのデータ、プレイヤ5のアイコンを描画するためのデータ、仮想キャラクタの複数のメッセージを特定するためのデータ、当該仮想キャラクタの複数のメッセージの各々に対する応答メッセージの選択肢を示すデータ、及びこれら以外のチャットモードで用いられるデータが含まれる。仮想キャラクタの複数のメッセージは、各メッセージに対応するノードを有し、当該ノード同士がアークで接続されたツリー構造で定義されてもよい。このツリー構造では、例えば、最上位のルートノードである開始メッセージから複数のアークが伸びており、各アークが下位ノードに接続される。この下位ノードからもアークが延び、当該アークがさらに下位のノードに接続される。下位ノードの各々は、開始メッセージよりも後に表示され得る仮想キャラクタのメッセージの候補に対応する。また、チャットデータ28bには、チャットモードからVRモードへの移行を開始する条件であるモード移行条件が含まれてもよい。モード移行条件には、例えば、ゲームがチャットモードで開始されてからの経過時間が所定時間以上であること、ツリー構造のメッセージにおいて末端のノードまでチャットが進行したこと、及びこれら以外の条件が含まれる。チャットデータ28bには、移行オブジェクトの選択が完了しなかった後に再開されたチャットモードで表示されるメッセージを示すデータが含まれてもよい。
【0049】
シナリオデータ28cには、ゲームにおいてプレイヤ5によって体験されるシナリオを定義するデータが含まれる。ゲームにおいてプレイヤ5によって体験されるシナリオが複数ある場合、シナリオデータ28cは、複数のシナリオの各々についてシナリオデータを定義してもよい。シナリオデータ28cは、複数のイベントの集合として定義されてもよい。シナリオデータ28cに含まれる複数のイベントは、各イベントに対応するノードを有し、当該ノード同士がアークで接続されたツリー構造で定義されてもよい。このツリー構造では、例えば、最上位のルートノードである冒頭イベントから複数のアークが伸びており、各アークが下位ノードに接続されている。この下位ノードからもアークが延び、当該アークがさらに下位のノードに接続される。あるシナリオにおける下位ノードの各々は、当該シナリオにおいて冒頭イベントよりも後に発生し得るイベントの候補に対応する。
【0050】
イベントデータ28dは、シナリオデータ28cを構成するイベントの各々を定義するためのデータである。イベントデータ28dは、ゲームにおける仮想キャラクタの複数のアクションを特定するためのデータの集合として定義されてもよい。仮想キャラクタの複数のアクションは、各アクションに対応するノードを有し、当該ノード同士がアークで接続されたツリー構造で定義されてもよい。このツリー構造では、例えば、最上位のルートノードである冒頭アクションから複数のアークが伸びており、各アークが下位ノードに接続されている。この下位ノードからもアークが延び、当該アークがさらに下位のノードに接続される。あるイベントにおける下位ノードの各々は、当該イベントにおいて冒頭アクションよりも後に発生し得るアクションの候補に対応する。イベントデータ28dは、ノードごとに、当該ノードに対応するアクションに対応する動画像データ、仮想キャラクタに対してプレイヤが取ることができるアクションに関するデータ、及びこれら以外の仮想キャラクタのアクションに関するデータを含むことができる。
【0051】
ゲーム進行データ28eには、ゲームの進行の管理に用いられるデータが含まれる。ゲーム進行データ28eは、ゲームの進行に応じて更新されてもよい。ゲーム進行データ28eには、例えば、仮想キャラクタのプレイヤに対する好感度に関するデータ、ゲームにおいてプレイヤが獲得したポイントに関するデータ、及びこれら以外のゲームの進行に応じて変化しえる各種データが含まれ得る。
【0052】
図1に示されている情報処理装置20の構成要素及び機能は例示である。本発明に適用可能な情報処理装置20は、図示されていない様々な構成要素を備え得る。例えば、情報処理装置20は、ゲームの効果音や仮想キャラクタの音声を出力するスピーカを備えてもよい。
【0053】
続いて、HMD10の機能について説明する。図示の実施形態においては、情報処理装置20のコンピュータプロセッサ21においてコンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、HMD10の各種機能が実現される。コンピュータプロセッサ21において実行される命令には、一実施形態によるゲーム処理プログラムに含まれる命令が含まれる。
【0054】
コンピュータプロセッサ21によって一実施形態によるゲーム処理プログラムが実行されることにより、ゲーム処理システム1において第1モード及び当該第1モードとは異なる第2モードを有するゲームが実現される。ゲーム処理システム1において実現されるゲームは、第1モード及び第2モード以外のモードを有していてもよい。
【0055】
ゲーム処理システム1において実現されるゲームの第1モードでは、HMD10がプレイヤ5に装着されていないときに、すなわち、情報処理装置20が装着具11から取り外されているときに、情報処理装置20により検出された第1検出情報に応じてアプリケーションに関する処理が行われる。例えば、アプリケーションがゲームの場合には、情報処理装置20により検出された第1検出情報に応じて当該ゲームに関する処理が行われる。この第1検出情報には、情報処理装置20のタッチパネル24bにより検出されるプレイヤ5のタッチ操作に関する情報、集音装置26により検出されるプレイヤの音声に関する情報、及びHMD10がプレイヤ5に装着されていない場合に情報処理装置20において検出可能な前記以外の検出情報を含み得る。プレイヤ5は、第1モードにおいては、装着具11から取り外された情報処理装置20を用いてゲームに関する操作を行うことができる。第1モードにおいては、HMD10がプレイヤ5に装着されていないときにゲームを進行させることが想定されているため、一実施形態において、ディスプレイ24には、立体視画像以外の画像が表示される。
【0056】
ゲーム処理システム1において実現されるゲームの第2モードでは、プレイヤ5の頭部に装着されたHMD10によって検出された第2検出情報を用いてアプリケーションに関する処理が行われる。例えば、アプリケーションがゲームの場合には、HMD10によって検出された第2検出情報に応じて当該ゲームに関する処理が行われる。この第2検出情報は、例えば、センサユニット25によって検出される検出情報である。この第2検出情報に基づいて、プレイヤ5の頭部の位置及び向きの少なくとも一方を特定するためのヘッドトラッキング情報が算出される。第2モードにおけるゲームの進行のための処理は、例えば、第2検出情報に基づいて算出されたヘッドトラッキング情報に基づいて実行される。第2モードにおけるゲームの進行のための処理は、ヘッドトラッキング情報に加えて、当該ヘッドトラッキング情報以外の情報も用いて実行されてもよい。プレイヤ5は、第2モードでゲームをプレイする準備として、情報処理装置20を装着具11に取付け、この情報処理装置20が取り付けられた装着具11を頭部に装着する。このように、第2モードにおいては、HMD10がプレイヤ5に装着されているときにゲームを進行させることが想定されているため、一実施形態において、第2モードでは、プレイヤ5によって立体視される立体視画像がディスプレイ24に表示される。立体視画像は、例えば、視差バリア方式によって、ディスプレイ24に表示される。視差バリア方式においては、左目用画像及び右目用画像がディスプレイ24に表示される。このように、立体視画像は、ディスプレイに表示されることによって、左右の目の視差を利用して立体視されるように構成された左目用画像及び右目用画像を含む画像のセットである。
【0057】
第1モードは、例えば、チャットモードである。チャットモードは第1モードの例示である。チャットモードにおいては、プレイヤが仮想キャラクタとテキストメッセージを介してチャットする機能が実現される。プレイヤは、第1モードにおいては、仮想キャラクタとチャットを行うことにより、当該仮想キャラクタとのインタラクションを体験することができる。インタラクションとは、広義には、プレイヤが実行したアクションに対して仮想キャラクタがリアクションすることを意味する。仮想キャラクタとのインタラクションには、仮想キャラクタとの会話などによるコミュニケーションとしてなされるインタラクションが含まれる。本明細書においては、仮想キャラクタとのコミュニケーションとして行われるインタラクションをコミュニケーティブインタラクションと呼ぶことがある。仮想キャラクタとのインタラクションには、コミュニケーティブインタラクションの他に、仮想キャラクタとの対戦、仮想キャラクタと協力してゲームをプレイする協力プレイ、及びこれら以外の仮想キャラクタとの相互作用が含まれ得る。本明細書においては、仮想キャラクタとの対戦として行われるインタラクションを対戦インタラクションと呼ぶことがある。本明細書においては、仮想キャラクタとの協力プレイとして行われるインタラクションを協力インタラクションと呼ぶことがある。チャットモードにおける処理の具体的な内容は後述される。第1モードにおいては、チャット以外の方法で仮想キャラクタとのインタラクションが提供されてもよい。例えば、第1モードでは、メール、電話、ビデオ通話、又はこれら以外の態様で仮想キャラクタとのインタラクションが提供される。
【0058】
第2モードは、例えば、VRモードである。VRモードにおいては、情報処理装置20のディスプレイに表示される仮想空間に登場する仮想キャラクタと様々なインタラクションを行うための機能が実現される。VRモードにおける処理の具体的な内容は後述される。VRモードは第2モードの例示であり、第2モードには、ヘッドトラッキング情報を用いてゲーム進行のための処理が行われる任意のゲームモードが含まれ得る。
【0059】
一実施形態において、ゲーム処理システム1で実現される第1モード及び第2モードを有するゲームは、仮想キャクタとコミュニケーティブインタラクション以外のインタラクションを行うゲームであってもよい。ゲーム処理システム1で実現されるゲームでは、コミュニケーティブインタラクションが行われなくともよい。一実施形態におけるゲームでは、第1モードでは2次元空間でプレイされ、第2モードでは3次元空間でプレイされる。一実施形態におけるゲームでは、第1モードでは3次元空間でプレイされ、第2モードでは当該第1モードの3次元空間とは異なる表示態様で表示される(又は当該第1モードの3次元空間とは異なる態様で構成される)3次元空間でプレイされる。一実施形態において、ゲーム処理システム1で実現されるゲームは、第1モード及び第2モードで共通のゲーム媒体を使用するものであってもよい。このゲーム媒体に関連付けられたパラメータは、第1モードと第2モードとの間で引き継がれてもよい。例えば、第1モードでのプレイ中に特定のゲーム媒体のパラメータが変更され、その後に第2モードへ移行した場合には、変更後のパラメータが設定された当該特定のゲーム媒体が第2モードで用いられる。一実施形態において、特定のゲーム媒体のパラメータは、第1モードから第2モードへの移行時及び第2モードから第1モードへの移行時の少なくとも一方において、変更されてもよい。このゲーム媒体のパラメータの変更は、プレイヤ5にとってゲームの進行上有利となる変更であってもよいし、不利となる変更であってもよい。一実施形態において、第1モードでのプレイ結果が第2モードでのゲームに反映されてもよいし、第2モードでのプレイ結果が第1モードでのゲームに反映されてもよい。例えば、第1モードで獲得されたプレイヤ5の経験値が第2モードにおいて引き継がれてもよい。
【0060】
上記のとおり、ゲーム処理システム1において実現されるゲームの第1モードと第2モードとは互いから識別されるモードである。つまり、第1モードは第2モードと異なるモードである。一実施形態においては、ゲーム処理システム1において実現されるゲームが第1モードでプレイされる場合には、HMD10がプレイヤ5の頭部に装着されないのに対し、当該ゲームが第2モードでプレイされる場合には、HMD10がプレイヤ5の頭部の頭部に装着される。この場合、第1モードにおいては、プレイヤ5の頭部に装着されていない情報処理装置20により検出された第1検出情報に応じてゲームの処理が行われ、第2モードにおいては、プレイヤ5の頭部に装着されたHMD10により検出された第2検出情報に応じてゲームの処理が行われる。
【0061】
一実施形態において、第2モードでは、立体視画像がディスプレイ24に表示されるのに対し、上述したように、第1モードでは立体視画像以外の画像がディスプレイ24に表示される。第2モードでは、ゲーム用の画像のうち少なくとも仮想キャラクタの画像が立体視画像として表示され、第1モードでは、仮想キャラクタの画像が立体視画像以外の画像として表示される。
【0062】
一実施形態において、第1モードにおいては第2検出情報に基づいて算出されるヘッドトラッキング情報を用いずにゲームを進行させる処理がなされるのに対して、第2モードにおいては当該ヘッドトラッキング情報に基づいてゲームを進行させる処理がなされる。
【0063】
一実施形態において、第1モードにおいてはタッチパネル24bにより検出されるタッチ操作に応じてゲームを進行させる処理がなされるのに対して、第2モードにおいてはタッチパネル24bのタッチ操作に応じた処理はなされない。別の実施形態においては、第2モードにおいてもタッチパネル24bの操作に応じた処理がなされてもよい。
【0064】
一実施形態において、ゲーム処理システム1において実現されるゲームにおいて仮想キャラクタとのインタラクションが提供される場合には、第1モードにおいては、プレイヤ5の頭部に装着されていない情報処理装置20により検出された第1検出情報に応じた当該仮想キャラクタとのインタラクションが提供され、第2モードにおいては、プレイヤ5の頭部に装着されたHMD10により検出された第2検出情報に応じた当該仮想キャラクタとのインタラクションが提供される。
【0065】
ゲームを開始した後には、上記のように区別される第1モードと第2モードとの間での移行が可能となる。
図4を参照して、ゲーム処理システム1により処理されるゲームのモード移行の概略を説明する。図示のように、ステップS1においてゲームが開始されると、ステップS2において第1モードであるチャットモードS2が開始される。このチャットモードにおいて、第2モードであるVRモードへ移行するための移行処理が開始されると、ステップS3に移行し、第2モードへの移行処理が行われる。移行処理が完了すると、ステップS4において第2モードであるVRモードが開始される。VRモードが終了又は中断されると、チャットモードへの復帰処理が行われる。
【0066】
次に、コンピュータプロセッサ21により実現される機能についてより具体的に説明する。コンピュータプロセッサ21は、コンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、チャットモード実行部21a、移行処理部21b、及びVRモード実行部21cとして機能する。コンピュータプロセッサ21により実現される機能の少なくとも一部は、ゲームシステム1のコンピュータプロセッサ21以外のコンピュータプロセッサにより実現されてもよい。コンピュータプロセッサ21により実現される機能の少なくとも一部は、例えば、サーバ50に搭載されているコンピュータプロセッサにより実現されてもよい。
【0067】
チャットモード実行部21aは、一実施形態によるゲーム処理プログラムを実行することにより、第1モードであるチャットモードでゲームを提供するための処理を行う。チャットモード実行部21aは、プレイヤ5と仮想キャラクタとの間でチャットを行うための機能を実現する。チャットモード実行部21aは、チャットモードへのログイン後に、仮想キャラクタのメッセージ及びプレイヤ5により入力又は選択されたメッセージをディスプレイ24に表示し、当該仮想キャラクタとプレイヤ5との間でチャットを行わせることができる。チャットモード実行部21aは、仮想キャラクタのメッセージに続けて、当該メッセージ対するプレイヤ5の応答に関する複数の選択肢をディスプレイ24に表示してもよい。プレイヤ5の操作に応じて当該複数の選択肢から特定された選択肢に対応するメッセージが、仮想キャラクタのメッセージに続けて、プレイヤ5のメッセージとして表示される。プレイヤ5は、タッチパネル24bへのタッチ操作により、表示された選択肢のうち所望のものを選択することができる。仮想キャラクタのメッセージ及び当該メッセージに対するプレイヤの選択肢は、ゲーム処理プログラムに従って、チャットデータ28bを参照して特定することができる。仮想キャラクタのメッセージは、当該仮想キャラクタの画像とともに表示されてもよく、プレイヤ5のメッセージには、当該プレイヤ5の画像とともに表示されてもよい。仮想キャラクタのメッセージは、第2モードであるVRモードへの移行を促すメッセージ、当該VRモードにおける設定をプレイヤ5に選択させるためのメッセージ、及びこれら以外の当該VRモードに関連づけられたメッセージが含まれていてもよい。
【0068】
一実施形態において、チャットモードでは、チャットの進行に応じて、第2モードであるVRモードへの移行を開始するための移行開始オブジェクトが表示される。移行開始オブジェクトの表示は、ゲーム処理プログラムに従って、モード移行条件が成立したときに行われる。チャットモード実行部21aは、タッチパネル24b又はそれ以外のユーザインタフェースからの検出信号に基づいて移行開始オブジェクトが選択されたことを検知することができる。移行開始オブジェクトが選択されたことが検知されると、第2モードであるVRモードへの移行処理が開始される。別の実施形態においては、第1モードにおいて、移行開始オブジェクトの選択以外の方法によって移行処理が開始される。例えば、第1モードにおいて移行開始のための条件が満たされた場合に、ユーザ5が操作可能なコントローラ(情報処理装置20とは別の装置)の特定の操作を検知すること、ユーザが発話した音声を認識すること、及び/又はこれら以外の態様でユーザ5からの指示を認識した場合に移行処理が開始されてもよい。
【0069】
移行処理部21bは、第1モードから第2モードへ移行するための移行処理を行う。この移行処理には、情報処理装置20を装着具11へ装着するように促すガイダンスをディスプレイ24に表示すること、及び、プレイヤの注視によって選択可能な移行オブジェクトをディスプレイ24に表示させること、を含んでもよい。この移行オブジェクトを表示させた後、移行処理部21bは、センサユニット25又はそれ以外のセンサの検出信号を受信し、この検出信号に基づいて移行オブジェクトが注視によって選択されたか否かを判定することができる。この判定のために、移行処理部21bは、センサユニット25の検出信号に基づいてHMD10の位置及び向きの少なくとも一方を算出し、この算出されたHMD10の位置及び向きの少なくとも一方に基づいて、プレイヤ5の注視位置を特定する。注視位置の特定は、様々な公知の方法により行われ得る。例えば、第2検出情報に基づいて表示された立体視画像の中央部分を注視位置として特定してもよい。又は、アイトラッキングセンサの検出信号に基づいて注視位置を特定してもよい。移行処理部21bは、例えば、注視位置が移行オブジェクト上にある時間(注視時間)を計測し、この注視時間が所定時間に達したときに、移行オブジェクトの選択が完了したと判断する。移行処理部21bは、移行オブジェクトの選択が完了したと判断すると第2モードであるVRモードを開始させる。別の実施形態においては、移行オブジェクトの選択以外の方法によって第2モードへの移行が行われてもよい。例えば、ユーザ5が操作可能なコントローラ(情報処理装置20とは別の装置)の特定の操作を検知すること、ユーザが発話した音声を認識すること、及び/又はこれら以外の態様でユーザ5からの指示を認識した場合に移行が行われてもよい。移行オブジェクトは、移行開始オブジェクトとは異なる方法で選択されるように構成されてもよい。例えば、移行開始オブジェクトは、タッチパネル24bの操作により選択され、移行オブジェクトはプレイヤの注視によって選択される。
【0070】
VRモード実行部21cは、センサユニット25の検出信号に基づいてHMD10の位置及び向きの少なくとも一方を特定するためのヘッドトラッキング情報を算出し、算出されたヘッドトラッキング情報に基づいてHMD10の位置及び向きの少なくとも一方を特定することができる。VRモード実行部21cは、特定されたHMD10の位置及び向きの少なくとも一方に応じた仮想空間を構成し、この仮想空間を表示するための画像情報をディスプレイ24に出力する。VRモード実行部21cでは、例えば、HMD10の位置及び向きの少なくとも一方に基づいて注視位置を算出し、仮想空間全体のうち、特定された注視位置を中心として画角等により定められる所定の範囲の画像情報を生成する。このようにして生成された画像情報に基づいて、ディスプレイ24に所定の範囲の仮想空間の画像が表示される。画像情報の生成には、例えば、ストレージ27に記憶された画像データ28a、シナリオデータ28c、イベントデータ28d、ゲーム進行データ28e、及びこれら以外のデータが用いられ得る。
【0071】
VRモード実行部21cは、ゲーム処理プログラムに従って、仮想空間に仮想キャラクタの画像を表示し、この仮想キャラクタとプレイヤ5との間でのインタラクションを実現する。VRモード実行部21cは、ゲーム処理プログラムに従って、仮想空間内での仮想キャラクタの行動を決定し、この仮想キャラクタの行動に対応する画像情報及び音声情報を生成する。当該画像情報はディスプレイ24に出力され、当該音声情報はHMD10が有するスピーカに出力される。これにより、ディスプレイ24には、仮想空間内で仮想キャラクタが動く画像が表示され、スピーカからは仮想キャラクタの動きに対応した音声が出力される。例えば、仮想キャラクタがプレイヤ5に話しかける場合には、仮想キャラクタの頭部及び口が動く画像がディスプレイ24に表示され、仮想キャラクタの発言に対応する音声がスピーカから出力される。仮想キャラクタの行動に対応する画像情報及び音声情報の生成には、例えば、ストレージ27に記憶された画像データ28a、シナリオデータ28c、イベントデータ28d、ゲーム進行データ28e、及びこれら以外のデータが用いられ得る。一実施形態において、VRモード及びチャットモードの各々においてプレイヤ5とインタラクトする仮想キャラクタは、同じ仮想キャラクタである。例えば、VRモードに登場する仮想キャラクタとチャットモードに登場するキャラクタと同じ名前を有し、同一のキャラクタと認識できる程度の外観上の共通性を有する。ただし、VRモードにおいては仮想キャラクタの画像が立体視画像として表示されるのに対し、チャットモードにおいては仮想キャラクタの画像が立体視画像以外の画像として表示される点で、両モードにおける仮想キャラクタの画像は互いと相違している。しかし、このような表現形式の相違は、仮想キャラクタの同一性を妨げることはない。
【0072】
上記の機能に加えて、VRモード実行部21cは、センサユニット25からの検出信号に基づいて、HMD10を用いたプレイヤ5のアクションを特定し、この特定されたアクションに応じて仮想キャラクタの仮想空間内での行動(リアクション)を決定する機能を有していてもよい。HMD10を装着したプレイヤ5によるアクションには、うなずく、首を横に振る、又はこれら以外の頭部の動きを伴う動作、並びに視線の動きが含まれる。このような頭部の動きを伴う動作は、センサユニット25による検出情報に基づいて算出される。具体的には、頭部に装着されているHMD10の位置及び向きの少なくとも一方が、三次元直交座標系での位置および各軸回りの角度として算出される。この三次元直交座標系は、例えば、前後方向に沿ったロール軸、上下方向に沿ったヨー軸、左右方向に沿ったピッチ軸から成る直交座標系である。仮想キャラクタにリアクションを行わせるためのプレイヤ5のアクションには、視線を動かすことが含まれてもよい。このような視線の動きは、センサユニット25に含まれるアイトラッキングセンサによって検出され得る。VRモード実行部21cは、プレイヤ5のアクションに応じて決定された仮想キャラクタの行動を表示するための画像情報を生成し、この生成された画像情報を立体視画像としてディスプレイ24に出力する。これにより、ディスプレイ24には、プレイヤ5のアクションに応じて決定された行動を行う仮想キャラクタの画像が表示される。このように、VRモード実行部21cは、HMD10により検出されたプレイヤ5の頭部のアクション又は視線の動きに応じて仮想キャラクタの行動を決定し、その決定された行動に対応する仮想キャラクタの画像情報をディスプレイ24で表示させる。第2モードでは、このようにしてプレイヤ5と立体視画像として表示される仮想キャラクタとの間でのインタラクションを実現している。
【0073】
VRモード実行部21cは、終了条件が満たされるとVRモードを終了するための終了処理を行う。終了条件は、例えば、VRモードの開始から所定時間(例えば、1分)経過したこと、終了対象操作が検知されたこと、VRモードで実行されているシナリオに含まれる最後のイベントが終了したこと、及びこれら以外の条件である。終了条件が満たされたときに行われる終了処理には、情報処理装置20を装着具11から取り外すよう促すガイダンスをディスプレイ24に表示すること、及び、第1モードであるチャットモードへのログイン画面を表示させることが含まれてもよい。
【0074】
次に、
図5から
図9を参照して、チャットモードにおけるチャット処理について説明する。
図5は、一実施形態におけるチャットモードでの処理の流れを示すフロー図であり、
図6から
図9は、チャットモードにおける表示画像の例を示す。チャットモードの開始時においては、HMD10はプレイヤ5の頭部に装着されておらず、また、情報処理装置20は装着具11から取り外されていることが想定されている。
【0075】
ゲーム処理システム1において、ゲームは、チャットモードで開始される。ステップS11では、チャットモードへログインするためのログイン画面が情報処理装置20のディスプレイ24に表示される。プレイヤ5によってログイン処理がなされると、当該チャット処理は、ステップS12に移行する。
【0076】
ステップS12においては、プレイヤ5と仮想キャラクタとの間でメッセージが交換され、これにより両者の間でチャットが行われる。チャットモードへのログインがなされると、プレイヤ5と仮想キャラクタとの間で行われるチャットを表示するためのチャット表示画像が生成され、当該チャット表示画像がディスプレイ24に表示される。
図6は、ディスプレイ24に表示されるチャット表示画像の一例であるチャット表示画像70を示す。チャット表示画像70は、プレイヤ5に対応するアイコン73と、仮想キャラクタに対応するアイコン74と、プレイヤ5のメッセージ75aと、仮想キャラクタのメッセージ76a,76bと、を含むチャット表示領域71を含む。また、チャット表示画像70は、チャット表示領域71の上部に配されたメニュー領域72を含む。仮想キャラクタのメッセージ76a,76bは、ゲーム処理プログラムに従って、ストレージ72に記憶されているチャットデータ28b及びこれ以外のデータに基づいて特定される。例えば、仮想キャラクタのメッセージは、ツリー構造で定義されているチャットデータ28bを参照して、ルートノードにあるメッセージから順に表示される。ノードの分岐点においては、分岐条件に応じたノードが選択され、当該選択されたノードに対応するメッセージが表示される。
【0077】
図6のチャット表示画像70は、チャット表示領域71の下部に、プレイヤ5のメッセージの選択肢77を示す表示を含んでいる。プレイヤ5は、表示されている選択肢77のうちの一つを選択することができる。この選択は、ディスプレイ24において選択したい選択肢が表示されている領域を指で接触することで行われる。この選択がなされると、
図7に示すように、選択された選択肢に対応するメッセージ75bが、プレイヤ5のメッセージとしてチャット表示領域71に新たに表示される。
【0078】
図8に示すように、チャットの過程で、第2モードであるVRモードでの設定の選択を促すメッセージ76c,76dが仮想キャラクタのメッセージとして表示されてもよい。メッセージ76cは、VRモードにおけるシーンの選択を促すメッセージであり、メッセージ76dは、VRモードで仮想キャラクタが使用するアイテム(例えば、仮想キャラクタがVRモードの仮想空間内で着用する服)の選択を促すメッセージである。つまり、第2モードにおける設定には、VRモードの背景などを規定するシーン、VRモードで仮想キャラクタが使用するアイテム、及びこれら以外の各種設定が含まれ得る。シーンの選択を促すメッセージ76cが表示された後には、ディスプレイ24にシーンの選択肢が表示される。プレイヤ5は、この選択肢の中から好みのシーンを選択することができる。アイテムの選択を促すメッセージ76dが表示された後には、ディスプレイ24にアイテムの選択肢が表示される。プレイヤ5は、この選択肢の中から好みのアイテムを選択することができる。チャットの過程で、第2モードへの移行を促すメッセージが仮想キャラクタのメッセージとして表示されてもよい。
【0079】
ステップS13では、第1モードから第2モードへのモード移行条件が成立したか否かが判定される。第1モードから第2モードへのモード移行条件として、例えば、チャットモード開始から所定時間(例えば、1分)が経過したことという条件が用いられる。チャットモード開始からの経過時間は、例えばシステムクロックを用いて計測される。モード移行条件が成立したと判断されるまで、ステップS12に戻ってチャット処理が継続される。他方、モード移行条件が成立したと判断されると、チャット処理は、ステップS14に移行する。
【0080】
ステップS14においては、移行開始オブジェクト78がディスプレイ24に表示され、チャット処理は、ステップS15に進む。
図9に示されているように、移行開始オブジェクト78は、例えばチャット領域71内に、外縁が円形のオブジェクトとして表示される。移行開始オブジェクト78は、チャット領域71外の領域、例えば、メニュー領域72に表示されてもよい。この場合、プレイヤ5は、メニュー領域72に表示されている移行開始オブジェクト78を選択して、VRモードへ移行することができる。移行開始オブジェクト78は、モード移行条件が成立しなくても、メニュー領域72において選択可能に表示されてもよい。これにより、プレイヤ5は、モード移行条件が成立していなくても、所望のタイミングでVRモードに移行することができる。ステップS15において、移行開始オブジェクトの選択が確認されると、チャット処理は、ステップS16に進む。他方、移行開始オブジェクトが表示されてから所定時間(例えば、10秒)経過しても移行開始オブジェクトの選択が確認されない場合には、移行開始オブジェクトの選択がなされなかったと判定され、チャット処理が終了する。移行開始オブジェクトの選択がなされなかったと判定されたときに、ステップS12に戻り、チャットを再開するための処理が行われてもよい。移行開始オブジェクトの選択がなされたか否かは、タッチパネル24bへの操作に応じて判断されてもよい。例えば、移行開始オブジェクトの表示領域と重複する位置へのタッチ操作(例えば、タップ操作)がなされたことがタッチパネル24bによる検出信号から検出されたときに、当該移行開始オブジェクトが選択されたと判断される。
【0081】
ステップS16では、第2モードであるVRモードへの移行処理が開始される。移行処理が開始されると、チャット処理は終了する。
【0082】
以上のチャット処理は、チャットモード実行部21aにより実行される。チャットモード実行部21aは、単独で又は他の機能と適宜協働して、上記のチャット処理を実行することができる。チャット処理の実行に際しては、ストレージ27に格納されているデータ以外にも、必要に応じて、他のストレージに格納されているデータ、各種センサによって検出された検出情報、またはこれら以外のデータが用いられ得る。
【0083】
次に、第1モードであるチャットモードから第2モードであるVRモードへのモード移行処理について、
図10から
図12を参照して説明する。
図10は、一実施形態におけるモード移行処理の流れを示すフロー図である。
【0084】
移行処理が開始されると、ステップ31において、HMD10を装着するように促すガイダンスが、情報処理装置20のディスプレイ24に表示される。当該ガイダンスを含むガイダンス表示画像の例であるガイダンス表示画像80が
図11に示されている。ガイダンス表示画像80には、情報処理装置20を装着具11に取り付けることを促すガイダンス、HMD10を頭部に装着するように促すガイダンス、及びこれら以外のVRモードを開始するために必要な各種のガイダンスを含むことができる。
図11に示されているガイダンス表示画像80には、情報処理装置20を装着具11に取り付けることを促すガイダンス81が含まれている。このガイダンスには、情報処理装置20の装着具11に対する取付方法に関するインストラクションが含まれてもよい。上記ガイダンスの表示後に所定時間が経過すると、モード移行処理はステップS32へ進む。
【0085】
ステップS32では、移行オブジェクトがディスプレイ24に表示される。移行オブジェクトを含む移行処理画像の例が
図12に示されている。
図12に示されている移行処理画像85には、移行オブジェクト86が含まれている。移行処理画像85は、立体視画像で表示されてもよい。一実施形態においては、モード移行処理の開始時又はモード移行処理開始後の所定のタイミングにおいて、ディスプレイ24へ表示される画像が、立体視画像以外の画像から、立体視画像に切り替えられる。例えば、チャットモードにおいて表示される画像は立体視画像以外の画像として表示され、移行処理開始以後に表示される画像は立体視画像として表示される。
【0086】
次に、ステップS33においては、移行オブジェクト86の選択が完了したか否かが判定される。移行オブジェクト86の選択が完了したと判定された場合には、VRモードへの移行が確定され、モード移行処理はステップS34に移行する。移行オブジェクト86は、例えば、プレイヤ5が所定時間継続して注視することにより選択される。したがって、移行オブジェクト86を選択するためには、プレイヤ5はHMD10を装着していることが前提となる。一実施形態においては、移行オブジェクト86の選択が完了したか否かは、HMD10による検出信号に基づいて算出される注視位置が移行オブジェクト86上に所定時間以上あるか否かによって判定される。注視位置は、上記のように、HMD10に備えられたセンサユニット25によって検出された情報に基づいて算出され得る。上記の判定は、注視位置が移行オブジェクト86上に存在する注視時間をシステムクロックを用いて計測し、この計測された注視時間が所定時間に達したか否かによって判定され得る。例えば、注視時間が所定時間に達した場合には移行オブジェクト86の選択が完了したと判定され、モード移行処理はステップS34に進む。移行オブジェクト86の選択が完了すると、当該移行オブジェクト86の表示態様が変更されてもよい。例えば、移行オブジェクト86の選択が完了したことに応じて、移行オブジェクトの形状、色、又はこれら以外の外観が変更されてもよい。移行オブジェクト86の外観を変化させることにより、第2モードであるVRモードへの移行が行われることをプレイヤ5に認識させることができる。移行オブジェクト86の選択が完了した場合に、移行オブジェクト86の外観の変更以外の態様でユーザ5に対してVRモードへの移行が行われことを通知してもよい。他方、移行オブジェクト86が表示されてから所定時間が経過しても移行オブジェクト86の選択が完了したことが検知されない場合には、移行オブジェクト86の選択は完了しなかったと判定され、モード移行処理はステップS35に進む。
【0087】
VRモードへの移行が確定した後に、ステップS34では、第2モードであるVRモードが開始される。VRモードにおける具体的な処理については後述される。
【0088】
ステップS35では、VRモードへの移行が選択されなかったため、チャットモードへ復帰するための処理が開始される。チャットモードへの復帰処理が完了すると、チャットモードが再開される。この再開されたチャットモードにおいては、VRモードへの移行がなされなかったことに関連する仮想キャラクタからのメッセージが表示されてもよい。
【0089】
以上のモード移行処理は、移行処理部21bにより実行される。移行処理部21bは、単独で又は他の機能と適宜協働して、上記のモード移行処理を実行することができる。
【0090】
次に、
図13及び
図14を参照して、VRモードにおけるVR処理について説明する。
図13は、一実施形態におけるVRモードでのVR処理の流れを示すフロー図であり、
図14は、VRモードにおける表示画像の例を示す。上記のように、モード移行処理において移行オブジェクト86を選択するために、プレイヤ5はHMD10を装着している。VRモードの開始時においては、HMD10はプレイヤ5の頭部に装着されていることが想定されている。
【0091】
VRモードが開始されると、ステップS41において、シナリオに応じた仮想空間の画像情報が生成され、当該画像情報に対応する画像がディスプレイ24に出力される。ステップS41で用いられるシナリオは、ゲーム処理プログラムに従ってプレイヤ5の選択とは無関係に特定されてもよいし、プレイヤ5による選択に基づいて特定されてもよい。特定されたシナリオは、例えば、ツリー構造で定義された複数のイベントを含む。特定されたシナリオに含まれる各イベント及びそのツリー構造については、シナリオデータ28cを参照することにより特定され得る。ステップS41では、まず当該ツリー構造のルートノードに相当する冒頭イベントに対応する画像情報が生成されてもよい。この冒頭イベントに対応する画像情報の表示後には、分岐条件に応じて次のノードが選択され、当該選択されたノードに対応するイベントに対応する画像情報が表示される。
【0092】
各イベントの画像情報は、例えばイベントデータ28dを参照することにより生成される。各イベントの画像情報には、仮想キャラクタの画像及び背景に相当するオブジェクトが含まれ得る。
図14に、VRモードにおいて生成される画像情報に基づいてディスプレイ24に表示されるVR画像の例が示されている。
図14に示されているVR画像90は、仮想キャラクタを示す仮想キャラクタ画像91、背景に相当するオブジェクトを示す画像92a~92c、及びこれら以外の各種オブジェクトを示す画像を含んでいる。VR画像90は、仮想空間の所定の範囲に対応する画像である。VR画像90に対応する仮想空間の範囲は、HMD10の位置及び向きの少なくとも一方に基づき、例えば画角により定められる範囲とすることができる。画像情報の生成には、画像データ28aが用いられる。VR画像90及びこれら以外のVRモードにおいて表示される画像は、立体視画像として表示される。
【0093】
仮想キャラクタ画像91は、イベントデータ28dにより特定されるアクションを仮想空間内で行うことができる。例えば、仮想キャラクタ画像91のアクションには、プレイヤ5に向かって(仮想空間内のプレイヤ5の位置に向かって)話しかける、仮想空間内を移動する、仮想空間内に配置されたオブジェクトを手に取る、及びこれら以外の仮想空間内における様々なアクションが含まれる。
【0094】
VR画像90がディスプレイ24に表示されている間に、HMD10のセンサユニット25によってプレイヤ5の頭部の動きが検出されると、この検出された頭部の動きに基づいてプレイヤ5のアクションが特定される。そして、特定されたプレイヤ5のアクションに応じた仮想キャラクタの行動(リアクション)が決定され、この決定された行動を行う仮想キャラクタ画像91の画像情報が生成される。このようにして生成された画像情報は、ディスプレイ24に出力される。例えば、プレイヤ5のうなずく動作が検出されると、プレイヤ5のうなずくという動作へのリアクションを取る仮想キャラクタ画像91の画像情報が生成され、当該画像情報がディスプレイ24に表示される。このように、VRモードでは、仮想キャラクタの立体視画像を用いて、プレイヤ5と当該仮想キャラクタとの間でのインタラクションが実現される。
【0095】
ステップS42では、VR画像表示処理を終了するための終了条件が成立したか否かが判定される。終了条件が成立していないと判定された場合には、ステップS41に戻ってVR画像表示処理が継続される。他方、終了条件が成立したと判定された場合には、VR処理は、ステップS43に進む。
【0096】
ステップS43では、VRモードの終了処理がなされる。この終了処理には、情報処理装置20を装着具11から取り外すよう促すガイダンスをディスプレイ24に表示すること、及び、第1モードであるチャットモードへのログイン画面を表示させることが含まれてもよい。
【0097】
続いて、他の実施形態によるゲーム処理システムについて
図15を参照して説明する。
図15は、他の実施形態によるゲーム処理システム101を示すブロック図である。ゲーム処理システム101は、情報処理装置20、HMD110、及びHMD110を備えている。ゲーム処理システム101は、情報処理装置20をHMD110に取り付けることなくVRモードを提供できる点で、ゲーム処理システム1と異なっている。以下、ゲーム処理システム101について、ゲーム処理システム1と相違する点に着目して説明する。
【0098】
HMD110と、情報処理装置20と、サーバ50とは、ネットワーク40を介して相互に通信可能に接続されている。HMD110と情報処理装置20とは、ネットワーク40を介さずに、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線方式に従って通信可能に接続されていてもよい。HMD110は、情報処理装置20が取り付けられなくともVRモードを提供可能な点で、ゲーム処理システム1のHMD10と異なっている。
【0099】
HMD110は、コンピュータプロセッサ121と、メモリ122と、通信I/F123と、ディスプレイ124と、センサユニット125と、集音装置126と、ストレージ127と、を備えている。コンピュータプロセッサ121、メモリ122、通信I/F123、ディスプレイ124、センサユニット125、集音装置126、及びストレージ127は、情報処理装置20のコンピュータプロセッサ21、メモリ22、通信I/F23、ディスプレイ24、センサユニット25、集音装置26、及びストレージ27と同様に構成される。ただし、ディスプレイ124は、タッチパネルを備えなくともよい。
【0100】
チャットモード実行部21a、移行処理部21b、及びVRモード実行部21cの機能は、情報処理装置20とHMD110とで分担して担われる。具体的には、チャットモード実行部21aの機能は情報処理装置20において実現され、VRモード実行部21cの機能はHMD110において実現される。移行処理部21bの機能は、その一部が情報処理装置20で実現され、残部がHMD110において実現される。
【0101】
ゲーム処理システム101においてゲームを開始するときには、プレイヤ5は、情報処理装置20を用いてチャットモードを開始する。このチャットモードの処理は、情報処理装置20のチャットモード実行部21aにより行われる。
【0102】
チャットモードにおいてモード移行条件が成立し、移行開始オブジェクトが選択された場合には、VRモードへのモード移行処理が開始される。このモード移行処理において、ステップ移行処理部21bにより行われる。当該モード移行処理において、上記のステップS31に相当するガイダンスの表示は、情報処理装置20において行われる。例えば、HMD110を装着するように促すガイダンスが、情報処理装置20のディスプレイ24に表示される。他方、ステップS32に相当する移行オブジェクト86の表示及びこれ以後の処理は、HMD110において実行される。
【0103】
VRモードが開始されたときには、当該VRモードの処理は、HMD110のVRモード実行部21cにより行われる。
【0104】
上記の実施形態は、以下の作用効果を発揮しえる。具体的には、上記のゲーム処理システム1,101によれば、HMD10を用いるVRモードは、チャットモードからVRモードへの移行処理の後に実行される。したがって、プレイヤ5は、HMD10の頭部への装着が不要なチャットでゲームを開始することができる。そして、チャットモードでゲームが進行する過程で、プレイヤ5に対してHMD10の装着が促される。ゲーム処理システム101においても、同様に、チャットモードでゲームが進行する過程でHMD110の装着が促される。
【0105】
上記のゲーム処理システム1,101によれば、チャットモードにおいて、VRモードへの移行を促すメッセージが仮想キャラクタのメッセージとして表示されるので、チャットモードにおける仮想キャラクタとのインタラクションを通じて、VRモードへの移行が自然に促される。
【0106】
上記のゲーム処理システム1,101によれば、チャットモードにおいて、VRモードでの設定の選択を促すメッセージ76c,76dが仮想キャラクタからのメッセージとして表示されるので、チャットモードにおける仮想キャラクタとのインタラクションを通じて、VRモードへの移行を行う契機が与えられる。
【0107】
上記のゲーム処理システム1,101によれば、チャットモードでの仮想キャラクタとのチャットの進行に応じて(例えば、定義されたツリー構造における末端のノードに相当するメッセージが表示されたことに応じて)モード移行処理が開始されるので、チャットモードにおける仮想キャラクタとのインタラクションを通じて自然にVRモードへの移行が促される。
【0108】
上記のゲーム処理システム1,101によれば、チャットモードにおいて情報処理装置20に移行開始オブジェクト78を表示することにより、チャットモードからVRモードへの移行が促される。
【0109】
上記のゲーム処理システム1,101によれば、VRモードへの移行を選択したプレイヤに対して、HMD10,HMD110を装着するように促すガイダンスを提供することにより、VRモードへの移行準備を行うことを促すことができる。
【0110】
上記のゲーム処理システム1,101によれば、移行オブジェクト86が注視されることによりVRモードへ移行するので、プレイヤに対して、移行オブジェクト86を注視するためにHM10,110の頭部への装着を促すことができる。
【0111】
上記ゲーム処理システム1,101によれば、VRモードの終了後に、情報処理装置20にチャットモードのログイン画面が表示されるので、プレイヤは、VRモード終了後に、チャットモードからゲームを再開することができる。
【0112】
上記のゲーム処理システム1,101によれば、プレイヤは、装着具11から取り外された情報処理装置20によりチャットモードでのインタラクションを体験し、装着具11に取り付けられた情報処理装置20によりVRモードのインタラクションを体験することができる。
【0113】
上記のゲーム処理システム1,101によれば、プレイヤは、VRモードにおいては、頭部を動かすことによって、仮想キャラクタとインタラクトすることができる。これにより、仮想キャラクタとの自然なインタラクションが実現される。
【0114】
上記のゲーム処理システム1,101によれば、VRモードにおいては立体視画像として表示されている仮想キャラクタとインタラクトできるため、高い没入感を得ることができる。
【0115】
上記のゲーム処理システム1,101によれば、第1モードから第2モードへの移行は移行開始オブジェクト78の選択により開始され、この移行開始オブジェクト78とは異なる移行オブジェクト86の選択により完了する。移行開始オブジェクト78は、情報処理装置20又はこれ以外の第1モードでのゲームの進行のために用いられる装置(例えば、情報処理装置20とは別のコントローラ)により検出される検出情報に基づいて選択され、移行オブジェクト86は、HMD10,110又はこれら以外の第2モードでのゲームの進行のために用いられる装置により検出される検出情報に基づいて選択され得る。このように、移行開始オブジェクト78は、第1モードでのゲームのプレイ中における選択が容易となるように構成されており、移行オブジェクト86は、第2モードでのゲームのプレイの準備が整っているときに選択が容易となるように構成されている。以上により、第1モードから第2モードへのスムースな移行が実現される。
【0116】
本発明の実施形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で様々な変更が可能である。例えば、コンピュータプロセッサ21及びコンピュータプロセッサ121で実行される機能の一部又は全部は、発明の趣旨を逸脱しない限り、上記の実施形態では図示されていないコンピュータプロセッサにより実現されてもよい。例えば、ゲーム処理システム1及びゲーム処理システム101は、ゲーム処理プログラムの少なくとも一部を実行するゲーム機を備えてもよく、コンピュータプロセッサ21又はコンピュータプロセッサ121の処理によって実現される機能の一部は、当該ゲーム機における処理によって実現されてもよい。
【0117】
本願発明の実施形態には、上記以外にも様々な装置、デバイス、及び電子部品を備えることができる。例えば、ゲーム処理システム1及びゲーム処理システム101は、情報処理装置20及びHMD10,110以外に、プレイヤ5の操作を受け付けるための操作機器を備えてもよい。ゲーム処理システム1及びゲーム処理システム101は、当該操作機器によってプレイヤ5の操作を検出し、当該検出した操作に応じてゲームの処理をおこなっても良い。
【0118】
本明細書において説明された処理手順、特にフロー図を用いて説明された処理手順においては、その処理手順を構成する工程(ステップ)の一部を省略すること、その処理手順を構成する工程として明示されていない工程を追加すること、及び/又は当該工程の順序を入れ替えることが可能であり、このような省略、追加、順序の変更がなされた処理手順も本発明の趣旨を逸脱しない限り本発明の範囲に含まれる。
【0119】
以下に、本願の原出願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
一又は複数のコンピュータプロセッサと、モード移行条件を記憶するメモリと、を備え、第1モード及び第2モードを有するゲームの処理を行うゲーム処理システムであって、
前記モード移行条件は、前記第2モードへの移行を開始するための条件を定めており、
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、コンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、
前記第1モードにおいては、プレイヤの頭部に装着されていない情報処理装置により検出された第1検出情報に応じた仮想キャラクタとのインタラクションを提供し、
前記第1モードにおいて前記モード移行条件が成立したか否かを判定し、
前記第1モードの進行に応じて前記モード移行条件が成立したと判定されたときに前記情報処理装置に移行開始オブジェクトを表示し、
前記移行開始オブジェクトの選択により前記第1モードから前記第2モードへの移行処理を開始し、
前記移行処理を行った後に、前記第2モードにおいて、前記プレイヤの頭部に装着されたヘッドマウントディスプレイにより検出された第2検出情報に応じた前記仮想キャラクタとのインタラクションを提供する、
ゲーム処理システム。
[2]
前記第1モードにおける前記仮想キャラクタとのインタラクションには、前記仮想キャラクタが前記第2モードへの移行を促すことが含まれる、[1]に記載のゲーム処理システム。
[3]
前記第1モードにおける前記仮想キャラクタとのインタラクションには、前記第2モードにおける設定の選択を行うためのインタラクションが含まれる、[1]又は[2]に記載のゲーム処理システム。
[4]
前記移行処理は、前記第1モードにおける前記仮想キャラクタとのインタラクションに応じて開始される、[1]から[3]のいずれか1項に記載のゲーム処理システム。
[5]
前記移行処理は、前記第1モードにおいて前記情報処理装置において表示された移行開始オブジェクトの選択により開始される、[1]から[4]のいずれか1項に記載のゲーム処理システム。
[6]
前記移行処理は、前記移行開始オブジェクトの選択に応じて、前記ヘッドマウントディスプレイを装着するように促すガイダンスを前記情報処理装置に表示することを含む、[5]に記載のゲーム処理システム。
[7]
前記移行処理は、前記プレイヤの注視によって選択可能な移行オブジェクトが選択されたことに応じて前記第2モードへ移行することを含む、[5]又は[6]に記載のゲーム処理システム。
[8]
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、前記第2モードの終了後に前記情報処理装置に前記第1モードを開始するためのログイン画面を表示する、
[1]から[7]のいずれか1項に記載のゲーム処理システム。
[9]
前記ヘッドマウントディスプレイは、前記プレイヤの頭部に装着される装着具と、前記装着具に取り付けられた前記情報処理装置と、を有する、[1]から[8]のいずれか1項に記載のゲーム処理システム。
[10]
前記第2モードにおいては、前記プレイヤの頭部の位置及び向きの少なくとも一方を特定するためのヘッドトラッキング情報が前記第2検出情報に基づいて算出され、前記ヘッドトラッキング情報に応じた前記仮想キャラクタとのインタラクションが提供される、[1]から[9]のいずれか1項に記載のゲーム処理システム。
[11]
前記第2モードにおいては、前記仮想キャラクタが立体視画像として表示され、
前記第1モードにおいては、前記仮想キャラクタが立体視画像以外の画像として表示される、
[1]から[10]に記載のゲーム処理システム。
[12]
一又は複数のコンピュータプロセッサがコンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより第1モード及び第2モードを有するゲームの処理を行うゲーム処理方法であって、
前記第1モードにおいて、プレイヤの頭部に装着されていない情報処理装置により検出された第1検出情報に応じた仮想キャラクタとのインタラクションを提供する工程と、
前記第1モードから前記第2モードへの移行処理を行う工程と、
前記移行処理を行った後に、前記第2モードにおいて、前記プレイヤの頭部に装着されたヘッドマウントディスプレイにより検出された第2検出情報に応じた前記仮想キャラクタとのインタラクションを提供する工程と、
を備えるゲーム処理方法。
[13]
一又は複数のコンピュータプロセッサに実行されることにより第1モード及び第2モードを有するゲームの処理を実行するためのゲーム処理プログラムであって、
前記一又は複数のコンピュータプロセッサに、
前記第1モードにおいて、プレイヤの頭部に装着されていない情報処理装置により検出された第1検出情報に応じた仮想キャラクタとのインタラクションを提供する工程と、
前記第1モードから前記第2モードへの移行処理を行う工程と、
前記移行処理を行った後に、前記第2モードにおいて、前記プレイヤの頭部に装着されたヘッドマウントディスプレイにより検出された第2検出情報に応じた前記仮想キャラクタとのインタラクションを提供する工程と、
を実行させるゲーム処理プログラム。
[14]
一又は複数のコンピュータプロセッサを備え、第1モード及び第2モードを有するゲームの処理を行うゲーム処理システムであって、
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、コンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、
前記第1モードにおいては、プレイヤの頭部に装着されていない情報処理装置により検出された第1検出情報に応じた処理を行い、
前記第1モードにおいて前記情報処理装置に表示された移行開始オブジェクトの選択に応じて、前記第1モードから前記第2モードへの移行処理を開始し、
前記プレイヤの頭部に装着されたヘッドマウントディスプレイにより前記移行開始オブジェクトとは異なる移行オブジェクトが選択されたことに応じて前記第2モードへの移行を確定し、
前記第2モードへの移行が確定した後に、前記第2モードにおいて、前記プレイヤの頭部に装着された前記ヘッドマウントディスプレイにより検出された第2検出情報に応じた処理を行う、
ゲーム処理システム。
[15]
前記移行オブジェクトは、前記プレイヤの注視によって選択される、[14]に記載のゲーム処理システム。
[16]
一又は複数のコンピュータプロセッサがコンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより第1モード及び第2モードを有するゲームの処理を行うゲーム処理方法であって、
前記第1モードにおいて、プレイヤの頭部に装着されていない情報処理装置により検出された第1検出情報に応じた処理を行う工程と、
前記第1モードにおいて前記情報処理装置に表示された移行開始オブジェクトの選択に応じて、前記第1モードから前記第2モードへの移行処理を開始する工程と、
前記プレイヤの頭部に装着されたヘッドマウントディスプレイにより前記移行開始オブジェクトとは異なる移行オブジェクトが選択されたことに応じて前記第2モードへの移行を確定する工程と、
前記第2モードへの移行が確定した後に、前記第2モードにおいて、前記プレイヤの頭部に装着された前記ヘッドマウントディスプレイにより検出された第2検出情報に応じた処理を行う工程と、
を備えるゲーム処理方法。
[17]
一又は複数のコンピュータプロセッサに実行されることにより第1モード及び第2モードを有するゲームの処理を実行するためのゲーム処理プログラムであって、
前記一又は複数のコンピュータプロセッサに、
前記第1モードにおいて、プレイヤの頭部に装着されていない情報処理装置により検出された第1検出情報に応じた処理を行う工程と、
前記第1モードにおいて前記情報処理装置に表示された移行開始オブジェクトの選択に応じて、前記第1モードから前記第2モードへの移行処理を開始する工程と、
前記プレイヤの頭部に装着されたヘッドマウントディスプレイにより前記移行開始オブジェクトとは異なる移行オブジェクトが選択されたことに応じて前記第2モードへの移行を確定する工程と、
前記第2モードへの移行が確定した後に、前記第2モードにおいて、前記プレイヤの頭部に装着された前記ヘッドマウントディスプレイにより検出された第2検出情報に応じた処理を行う工程と、
を実行させるゲーム処理プログラム。
【符号の説明】
【0120】
1,101 ゲーム処理システム